説明

直流平衡符号生成回路、シリアルデータ伝送装置、直流平衡符号生成方法、そのプログラムおよび記録媒体

【課題】従来伝送方式よりも簡素化した構成で、より完全な直流平衡伝送を可能とする直流平衡符号を生成する直流平衡符号生成回路を提供する。
【解決手段】シフトレジスタ2は各タイムスロットごとの転送用データを逐次保持するデータメモリ1からの転送用データのうち、あらかじめ定めたビット数例えば2ビットだけ遡った前タイムスロットのビット位置からLSBまでのビット数分のデータを保持する前2bitデータラッチ回路2からの前記ビット数分のデータとデータメモリ1からの転送用データとのそれぞれを反転した直流平衡データを生成し、生成した直流平衡データを前記転送用データの各ビットごとに交互に挿入して、符号シリアルデータ出力4として出力する。また、シフトレジスタ2の最前段に位置する回路の正符号出力端からパルストランスやコンデンサが接続される正符号出力端子までと、負符号出力端から負符号出力端子までとを等長の距離とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流平衡符号生成回路、シリアルデータ伝送装置、直流平衡符号生成方法、直流平衡符号生成プログラムおよびプログラム記録媒体に関し、特に、パルストランス、コンデンサ等により絶縁したAC結合の伝送回線により伝送するシリアルデジタルデータ伝送方式に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信網と通信装置との間や電話装置における主装置〜端末間の伝送および符号化技術の発展に伴い、パルストランス等を用いたAC結合のシリアルデータ伝送装置として、直流平衡状態が考慮されたAMI(Alternate Mark Inversion)符号やCMI(Code Mark Inversion)符号やマンチェスタ符号と呼ばれる伝送方式が実用化されている。
【0003】
例えば、AMI符号を用いた直流平衡符号生成回路として、図10に示すような回路構成が用いられている。図10は、従来のAMI符号生成回路のブロック構成を示すブロック図であり、データメモリ5、シフトレジスタ6、AMI符号化部7、直流平衡ビット生成保持部8、パリティチェック計算部9を備えて、AMI符号化部7から、直流平衡状態を考慮して、データ“0”を0Vとし、かつ、データ“1”の極性を交互に変えたAMI符号シリアルデータ出力10として出力するように構成している。
【0004】
図11は、図10のAMI符号生成回路を構成するAMI符号化部の回路構成を示す回路図であり、一般に、LSI(Large Scale Integrated circuit、大規模集積回路)により構成されており、該LSI内部回路として、Dフリップフロップ11,12、セレクタ13、ANDゲート18,19を備え、シリアルデータ14とクロック15とを入力して、ANDゲート18,19それぞれの出力を接続した正符号出力端子16、負符号出力端子17から、正負のAMI符号をAMI符号シリアルデータ出力10として出力している。
【0005】
なお、AMI符号化部7のLSIとしては、ASIC(FPGA、ゲートアレイ、エンデベッドアレイ、セルベース、フルカスタム)やSoC(System on Chip)、専用LSIなど、如何なる半導体デバイスを適用しても構わない。また、AMI符号シリアルデータ出力10を出力する正符号出力端子16(V+)、負符号出力端子17(V−)の2端子には、通常、図11に示すように、パルストランスが直接接続される。
【0006】
また、特許文献1に示す特開2004−187117号公報「シリアルデータ通信方法」においては、AMI符号生成回路のような複雑な符号化処理を行うことなく、簡単な回路構成によって、低コストで、パルストランスの磁気飽和を防止することが可能な符号生成方法を提案している。図15は、前記特許文献1に記載の従来技術の通信インタフェース回路のブロック構成を示す構成図であり、通信インタフェース回路50,60が伝送回線70を介して相互に接続されている様子を示している。
【0007】
図15において、通信インタフェース回路50,60は、同一のブロック構成であり、それぞれ、8ビットパラレルデータを調歩同期式の汎用シリアルデータ形式に変換するUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)回路51,61、高速データ伝送用のLVDS(low voltage differential signaling)方式のD/R(ドライバ/レシーバ)からなるライントランシーバ52,62、および、パルストランス53,63、さらには、その他図示していない抵抗やコンデンサ等を含んで構成され、UART回路51,61は、それぞれ、送受信するデータを入出力する制御装置55,65に接続されている。
【0008】
図15のようなブロック構成において、制御装置55,65は、送信するパラレルデータを、UART回路51,61に転送する際に、1ビットごとに反転させたビット反転データまたは1バイトごとに各ビットを反転させたバイト反転データを送信データに挿入してUART回路51,61に転送し、逆に、UART回路51,61は、伝送回線70から受信データを受け取った際に、1ビットごとまたは1バイトごとに挿入されているビット反転データまたはバイト反転データを除去して、取り込むようにしている。これにより、パルストランス53,63の磁気飽和を防止し、パルストランス53,63を介して転送される伝送回線70上の転送データを直流平衡符号として送受信するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−187117号公報(第4−6頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の直流平衡符号生成回路や直流平衡符号生成方法では、正負の電位で交番するデータ符号や直流平衡ビット等を生成することが必要となり、回路構成が複雑化したり、あるいは、正負の出力波形が非対称になって、同一時点でいずれもHレベルになったりして、場合によっては、Hレベル同士の衝突によって回路の破壊を引き起こすことも生じるという難点がある。
【0011】
例えば、図10、図11として前述したAMI符号生成回路の場合、図12のタイミングチャートの破線部に示すように、正符号出力端子16から出力される正AMI符号出力(V+)と負符号出力端子17から出力される負AMI符号出力(V−)とが、同一タイミングで、ともにHレベルになる状態が発生する。図12は、図11のAMI符号化部7の各回路における信号波形を示すタイミングチャートである。
【0012】
つまり、図11に示すように、AMI符号化部7の正符号出力端子16、負符号出力端子17の2端子に直接パルストランスが接続された場合には、ANDゲート18,19に入力されるデータの入力タイミングの微妙なずれつまり回路タイミングのハザードにより、正符号出力端子16から出力される正AMI符号出力(V+)と負符号出力端子17から出力される負AMI符号出力(V−)とが、図12の拡大した破線部に示すように、データ‘1’が連続発生した場合に、同一タイミングで、ともにHレベルとなる出力衝突が発生し易くなり、かくのごとく、正負の出力衝突が発生した際には、瞬間的に2つの出力電圧が加算され、最大定格以上の電圧が発生する恐れがあり、出力回路素子や出力端子の破壊や劣化を生じる可能性がある。
【0013】
さらに、図10、図11のようなAMI符号生成回路においては、伝送回線上を転送する信号の波形が変化しないデータ(つまり、データ‘0’)が存在している。かくのごとく、AMI符号において信号波形の変化がないデータ‘0’のALL‘0’DATA(無変化信号状態)が継続すると、図13(B)に示すように、パルストランスが介在する伝送回線上に転送されるデータに対して、外来誘導ノイズの影響を受け易い状態になってしまう。
【0014】
図13は、信号波形の変化がないデータが継続した場合の状況を説明するための説明図であり、図13(A)は、調歩同期式のAMI符号として信号波形の変化がないデータ‘0’が継続した場合の様子を示し、図13(B)は、外来誘導ノイズが発生した場合の様子を示している。図13(B)に示すように、調歩同期式のスタートビット(‘1’に固定)に挟まれたデータとしてALL‘0’DATA(無変化信号状態)が継続した場合、最悪、直流平衡ビットが発生するまで、パルストランスに流れる電流が減少し、パルストランスの1次側の2線間の伝送回線電位が0Vとなって、外来誘導ノイズよるデータエラーや誤動作を引き起こし易くなり、伝送エラーが発生し易くなる。
【0015】
また、従来の直流平衡符号の一つであるマンチェスタ符号は、データ‘0’を‘01’、データ‘1’を‘10’の2ビットの符号に変換する符号であるが、受信回路の特性上、有効データの先頭を示すバイオレーションビットを埋め込むことが難しい。それゆえ、マンチェスタ符号を使用しているEthernet規格(登録商標)10BASE―Tにおいては、図14のように、バイオレーションフラグが無く、その代わり、データ通信開始時点において、データの先頭を識別するために、プリアンブル(56bit)やスタートフレーム(8bit)をさらに追加して挿入することによってキャラクタ同期的な方法を採用している。図14は、Ethernet規格10BASE−Tに採用されているマンチェスタ符号とデータ同期検出用の符号形式とを示す説明図である。
【0016】
また、図15に示したような通信インタフェース回路を用いる前記特許文献1における符号生成方法においては、有効データの送受信を行う時点では、1ビットごとのビット反転データまたは1バイトごとに各ビットを反転させたバイト反転データを送信データに挿入して転送することになるが、一方、有効データを送受信しない待機状態にある場合は、UART回路51,61の出力信号は、ALL‘1’に固定された状態になる。
【0017】
したがって、待機状態においては、図16に示すように、例えば、通信インタフェース回路50のUART回路51の出力信号がALL‘1’のHレベル状態が継続してしまうため、受信側の通信インタフェース回路60のパルストランス63の1次側の信号電流がなくなって、ライントランシーバ62の正符号側端子(+)への入力と負符号側端子(−)への入力とにおいて、同電位へ変化してしまうことになる。図16は、図15の通信インタフェース回路における待機状態の電位レベルを説明するための説明図である。待機状態において受信側のライントランシーバ62の正符号側端子(+)と負符号側端子(−)との入力電位が同電位レベルになると、多少の誘導ノイズが発生した場合に、スタートビットが到来したものと誤検出してしまうという問題が発生する。
【0018】
また、受信側のライントランシーバ62の正符号側端子(+)と負符号側端子(−)との入力電位が同電位になる前に、新たなデータ伝送が始まると、基線(中心電位)がずれたまま、データ信号の変化が発生してしまい、受信側のライントランシーバ62において受信エラーが発生し易くなり、直流平衡が保たれなくなるという問題もある。
【0019】
(本発明の目的)
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来伝送方式よりも簡素化した回路構成で、より完全な直流平衡伝送を可能とする直流平衡符号を生成する直流平衡符号生成回路、シリアルデータ伝送装置、直流平衡符号生成方法、直流平衡符号生成プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することにある。また、AC結合のLVDS(low voltage differential signaling)伝送において、直流平衡状態を確保することにより、擬似的なNRZ(Non Return to Zero)符号の信号に対しても外来誘導ノイズによる受信エラーが生じ難い直流平衡符号生成回路、シリアルデータ伝送装置、直流平衡符号生成方法、直流平衡符号生成プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することにある。
【0020】
つまり、本発明は、完全な直流平衡状態を確保することを可能とし、直流平衡状態を従来技術よりも考慮しつつ、伝送符号上の直流平衡ビットを増やすことによって、直流平衡デジタル伝送を可能とする直流平衡符号を、より簡略化した回路で生成することを可能とし、かつ、データの先頭を示すバイオレーションフラグの埋め込みも可能とし、かつ、回路タイミングのハザードによる伝送出力波形上の出力衝突を完全に除去し、かつ、全データが‘0’または‘1’であっても、また、有効データがない待機状態であっても、常に、直流平衡符号として交流信号を発生し、パルストランスに電流を流し続けることにより、誘導ノイズにも強い伝送を可能とすることを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前述の課題を解決するため、本発明による直流平衡符号生成回路は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0022】
(1)パルストランスやコンデンサによってAC結合された伝送回線を介して直流平衡状態のシリアルデータとして伝送するための符号データを生成する直流平衡符号生成回路において、当該直流平衡符号生成回路の最前段に位置し、前記符号データを直流平衡状態のシリアルデータとして順次出力する最前段回路の正符号出力端から前記パルストランスやコンデンサに接続される正符号出力端子までの距離と前記最前段回路の負符号出力端から前記パルストランスやコンデンサに接続される負符号出力端子までの距離とを、同一の長さにする直流平衡符号生成回路。
【発明の効果】
【0023】
本発明の直流平衡符号生成回路、シリアルデータ伝送装置、直流平衡符号生成方法、直流平衡符号生成プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0024】
第1の効果は、本発明に係る直流平衡符号生成回路においては、直流平衡シリアルデータを伝送するための伝送回線に接続するAC結合用のパルストランスへの正符号出力端子側の正符号シリアルデータ(V+)と負符号出力端子側の負符号シリアルデータ(V−)との間の同一タイミングにおけるHレベル出力の衝突を回避することができることにある。その理由は、直流平衡シリアルデータを生成するシフトレジスタの最前段の回路(つまり最前段のDフリップフロップ)の正符号側出力端から正符号出力端子までの配線長と、負符号側出力端から負符号出力端子までの配線長とを、同一の長さに設定した直流平衡符号生成回路を形成しているためである。
【0025】
而して、本発明に係る直流平衡符号生成回路の正符号出力端子と負符号出力端子との間に直接パルストランスを接続した状態であっても、正符号シリアルデータ(V+)と正符号シリアルデータ(V+)との遅延時間を一致させることが可能であり、正符号シリアルデータ(V+)と正符号シリアルデータ(V+)との2つの出力電圧が同一方向に加算されて、最大定格以上の電圧が発生する事態を確実に防ぐことができ、出力回路素子や出力端子の破壊や劣化を回避することができる。
【0026】
また、直流平衡シリアルデータを生成するシフトレジスタの最前段の回路(つまり最前段のDフリップフロップ)の正符号側出力端から正符号出力端子までの配線長と負符号側出力端から負符号出力端子までの配線長とを同一の長さに設定することによって、クロックに対して、直流平衡符号生成回路の最終段の出力バッファと内部の最前段ゲートとの間のタイミング規定についても設定し易くなるという効果も得られる。
【0027】
第2の効果は、従来のAMI符号等の直流平衡符号の生成回路に比し、本発明に係る直流平衡符号生成回路の回路構成が大幅に簡素化されることにある。その理由は、本発明に係る直流平衡符号生成回路は、あらかじめ定めたビット数だけ遡ったデータビットを反転させることによって生成される直流平衡ビットとデータビットとを多段接続したDフリップフロップを用いて交互に埋め込む回路構成を採用しているためである。
【0028】
而して、本発明に係る直流平衡符号生成回路は、図10に示すような従来のAMI符号生成回路のように、直流平衡ビットを保持するための直流平衡ビット生成保持部8や直流平衡ビットを計算するためのパリティチェック計算部9は不要であり、さらには、直流平衡ビット生成保持部8やパリティチェック計算部9の2つの回路の動作タイミングを考慮することなく、動作させることも可能となり、回路の簡素化を図ることができる。
【0029】
第3の効果は、伝送する全データが‘0’や‘1’の場合であっても、また、有効データが発生していない待機状態であっても、誘導ノイズの影響を受け難く、受信エラーが生じ難いことにある。その理由は、伝送する全データが‘0’や‘1’の場合であっても、また、待機状態であっても、伝送回線の2線間の電圧振幅波形の変化が常に発生しているためである。
【0030】
つまり、本発明に係る直流平衡符号生成回路においては、伝送する有効データがALL‘0’やALL‘1’であっても、ランダムデータであっても、また、有効データがない待機状態であっても、如何なる期間の伝送回線上の信号を抽出しても、必ず、該伝送回線上は直流平衡状態が確保されていて、符号の変化すなわち電圧振幅波形の変化が途切れることがないので、誘導ノイズに対して伝送信号のエラーが発生し難い符号構成となっている。
【0031】
第4の効果は、データ通信開始を示すバイオレーションフラグを埋め込むことが可能であり、かつ、完全な直流平衡を確保することが可能となることである。その理由は、如何なるデータに関しても、完全な直流平衡シリアルデータを生成することができるからである。
【0032】
而して、従来のマンチェスタ符号のように、データ伝送の開始時点において、56bit長のプリアンブル符号や8bit長のスタートフレームを設けて、キャラクタ同期的な方法を採用する必要はなく、マンチェスタ符号に比しより高速なデータ転送を行うことが可能である。
【0033】
第5の効果は、前記特許文献1における待機状態の直流平衡問題と誘導ノイズによる誤動作を確実に防止することができることである。その理由は、前述のように、本発明に係る直流平衡符号生成回路においては、有効データが存在しない待機状態においても、必ず、伝送回線上は直流平衡状態が確保されていて、符号の変化すなわち電圧振幅波形の変化が途切れることがないので、スタートビットを誤検出することもなく、かつ、データ伝送中の基線(中心電位)がずれてしまうこともなく、誘導ノイズに対して伝送信号のエラーが発生し難い符号構成となっているからである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る直流平衡符号生成回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1の直流平衡符号生成回路を構成するシフトレジスタのうち前段側の半分のシフトレジスタの回路構成の一例を示す回路図である。
【図3】図2の前段8ビットシフトレジスタ回路と図示していない後段8ビットシフトレジスタ回路とからなるシフトレジスタの動作タイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【図4】図15の従来の通信インタフェース回路に本発明に係る直流平衡符号生成回路を適用したブロック構成の一例を示す構成図である。
【図5】図4の通信インタフェース回路における待機状態の伝送符号を説明するための説明図である。
【図6】図1および図2の直流平衡符号生成回路において転送用データがALL‘0’データの場合に生成される符号データの信号波形の一例を示す説明図である。
【図7】図1および図2の直流平衡符号生成回路において転送用データがランダムデータの場合に生成される符号データの信号波形の一例を示す説明図である。
【図8】図1および図2の直流平衡符号生成回路において転送用の有効データの先頭を示すバイオレーションフラグの挿入状態の一例を示す説明図である。
【図9】図1および図2に示す直流平衡符号生成回路を適用したシリアルデータ伝送装置の一例を示すブロック構成図である。
【図10】従来のAMI符号生成回路のブロック構成を示すブロック図である。
【図11】図10のAMI符号生成回路を構成するAMI符号化部の回路構成を示す回路図ある。
【図12】図11のAMI符号化部の各回路における信号波形を示すタイミングチャートである。
【図13】従来のAMI符号生成回路において信号波形の変化がないデータが継続した場合の状況を説明するための説明図である。
【図14】Ethernet規格10BASE−Tに採用されているマンチェスタ符号とデータ同期検出用の符号形式とを示す説明図である。
【図15】特許文献1に記載の従来技術の通信インタフェース回路のブロック構成を示す構成図である。
【図16】図15の通信インタフェース回路における待機状態の電位レベルを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明による直流平衡符号生成回路、シリアルデータ伝送装置、直流平衡符号生成方法、直流平衡符号生成プログラムおよびプログラム記録媒体の好適な実施例について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による直流平衡符号生成回路、シリアルデータ伝送装置および直流平衡符号生成方法について説明するが、かかる直流平衡符号生成方法をコンピュータにより実行可能な直流平衡符号生成プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、直流平衡符号生成プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0036】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、伝送すべき有効データの有無に関わらず、また、伝送すべきデータ内容の如何(ALL‘0’、ALL‘1’、ランダムデータ等)に関わらず、伝送回線上は直流平衡状態が必ず確保されていて、符号の変化すなわち電圧振幅波形の変化が途切れることがない符号を生成することを特徴としている。すなわち、あらかじめ定めたビット数だけ遡ったタイミングのビット(有効データの如何に関わらずあらかじめ定めた時間だけ遡ったタイミングの信号レベル)を反転したデータを、直流平衡符号として、各ビットごと(有効データの如何に関わらず該当するタイミング位置)に挿入するとともに、正負の直流平衡シリアルデータを出力する最前段の回路から正負それぞれの出力端子までの距離を同一距離に揃えたLSI回路として構成していることを特徴としている。
【0037】
前述したように、従来のAMI符号の場合、ALL‘0’のような無信号状態が続くと、直流平衡ビットが発生するまで、パルストランスに流れる電流が減少して、パルストランスの1次側の伝送回線2線間の電位が0Vとなり、外来誘導ノイズによるデータエラーや誤動作を引き起こし易くなるが、本発明に係る直流平衡符号生成回路、シリアルデータ伝送装置、直流平衡符号生成方法、直流平衡符号生成プログラムおよびプログラム記録媒体においては、単一電源による直流平衡状態のNRZ(Non Return to Zero)データを擬似的に送受信することを可能とし、パルストランスやコンデンサ等を介したAC結合のLVDS(low voltage differential signaling)伝送方式による、信頼性が高い高速伝送が可能となる。
【0038】
つまり、本発明においては、全データが‘0’または‘1’であっても、また、待機状態であっても、常に、交流信号が発生し、パルストランス等に電流が流れ続けるので、外来誘導ノイズに強い伝送方式になる。また、正負の直流平衡シリアルデータを出力する最前段の回路から正負それぞれの出力端子までの配線距離を同一の長さに揃えることにより、正負の出力端子にパルストランスを直接接続する回路構成の場合であっても、正負の出力端子それぞれから出力される正負の直流平衡シリアルデータの信号波形は同一位相に揃った状態で、パルストランスの1次側を駆動するので、最大定格以上の電圧が発生する事態を確実に防ぐことができ、出力回路素子や出力端子の破壊や劣化を回避することができる。
【0039】
さらには、従来技術のAMI符号生成回路の場合は、図10に示したように、データメモリ5とシフトレジスタ6とAMI符号化部7と直流平衡ビット生成保持部8とパリティチェック計算部9とで構成されていて、AMI符号化部7の回路と直流平衡ビット生成保持部8の回路とが複雑になるとともに、直流平衡ビット生成保持部8、パリティチェック計算部9のような回路を備えていることが必須であった。しかし、本発明に係る直流平衡符号生成回路においては、直流平衡ビット生成保持部8、パリティチェック計算部9は不要であるし、AMI符号化部7の回路のような複雑な回路構成とする必要もなく、より簡略化された回路であっても、直流平衡伝送を可能とする符号を生成することができる。
【0040】
[構成の説明]
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
図1は、本発明に係る直流平衡符号生成回路の構成の一例を示すブロック図であり、本発明に係る新符号を生成する直流平衡符号生成回路の全体構成の一例を示している。図1の直流平衡符号生成回路は、データメモリ1とシフトレジスタ2と前2bitデータラッチ回路3とを少なくとも備え、データメモリ1から出力されるパラレルデータは、1bitずつ順次シフトするシフトレジスタ2と、2ビット前と1bit前との2bit分のデータをラッチする前2bitデータラッチ回路3とに入力され、かつ、前2bitデータラッチ回路3が保持している前タイムスロットの2ビット分のデータもシフトレジスタ2のあらかじめ定めた位置に入力される。
【0042】
この結果、図1の直流平衡符号生成回路は、シフトレジスタ2において、データメモリ1から出力されるパラレルデータのそれぞれのビット位置のデータ(転送用データ)に対して、2bit前の転送用データを反転した反転データを、直流平衡データとして、転送用データの間にビットごとに挿入することを可能とし、而して、データメモリ1から出力されるパラレルデータをシフトレジスタ2において直流平衡データ付きのシリアルデータに変換して、符号シリアルデータ出力4として出力する機能を有している。なお、本実施形態においては、2bit前の転送用データの反転データを直流平衡データとして用いる例を示しているが、あらかじめ定めたビット数だけ遡ったビット位置の転送用データを反転した反転データを、直流平衡データとして用いることとし、転送用データの各ビットの前または後ろに交互に配置するようにすれば良い。
【0043】
ここで、図1のシフトレジスタ2は、図2に示すような回路構成とされている。図2は、図1の直流平衡符号生成回路を構成するシフトレジスタ2のうち出力端側に位置する前段側の半分のシフトレジスタの回路構成の一例を示す回路図であり、図1のデータメモリ1からのB7〜B4bitの4ビットと前2bitデータラッチ回路3からの前タイムスロット(previous data)のLSB(Least Significance Bit)側の2ビットのB1,B0bitとを入力して、正符号出力端子28と負符号出力端子29とから符号シリアルデータ出力4(正符号出力(V+)、負符号出力(V−))を出力する8段の前段8ビットシフトレジスタ回路(つまり出力段側に位置する半分のシフトレジスタ)の一例を示している。
【0044】
一方、シフトレジスタ2のうち、図1のデータメモリ1からのB3〜B0bitの4ビットを入力する入力段側に位置する後段8ビットシフトレジスタ回路についても、図2の前段8ビットシフトレジスタ回路と同様の回路構成からなっており、図2の前段8ビットシフトレジスタ回路における転送用データ入力用のセレクタにはB7〜B4bitの代わりにB3〜B0bitを、また、直流平衡データ入力用の反転ゲートには前2ビットのB1,B0bit、B7,B6bitの代わりにB5〜B2bitを入力するように構成している。なお、後段8ビットシフトレジスタ回路の最前段のDフリップフロップの出力は、次段のDフリップフロップに入力するために、図2に示すように、図2の前段8ビットシフトレジスタ回路の先頭のDフリップフロップにセレクタを介して入力される。つまり、シフトレジスタ2としては、相手側に転送する有効データのタイムスロットのビット数(本実施形態では8ビット)の2倍のビット数からなるデータをラッチして1ビットずつシフトする機能を有する合計16ビットのシフトレジスタとして構成しており、8ビットの直流平衡データと8ビットの転送用データとを交互に配置してシフトレジスタ2から符号シリアルデータ出力4として順次出力する構成としている。
【0045】
ここで、図2の前段8ビットシフトレジスタ回路は、転送用データと直流平衡データとを交互にラッチする8段のDフリップフロップ20,21,22,…,27、前段のDフリップフロップからの出力とデータバッファ1や前2bitデータラッチ回路3からの転送用データ(または直流平衡データ)とを切り替えて入力するセレクタ33,34,35,…,40、直流平衡データを生成するために反転入力する反転ゲート41,42,43,44から構成されている。
【0046】
ここで、Dフリップフロップ21,23,25,27のD入力端子それぞれには、転送用データのB7,B6,B5,B4bitがセレクタ34,36,38,40それぞれを介して入力され、Dフリップフロップ20,22,24,26のD入力端子それぞれには、直流平衡データの前タイムスロットのB1,B0,現タイムスロットのB7,B6bitが反転ゲート41,42,43,44それぞれにより反転された後、セレクタ33,35,37,39それぞれを介して入力される。
【0047】
つまり、Dフリップフロップ20,22のD入力端子には、それぞれ、反転ゲート41,42およびセレクタ33,35を介して、前データ2bitデータラッチ回路3から、前タイムスロット(previous data)のB1bitデータの反転、B0bitデータの反転が、直流平衡ビットとしてロードされる。
【0048】
また、Dフリップフロップ24,26のD入力端子には、それぞれ、反転ゲート43,44およびセレクタ37,39を介して、現タイムスロット(present data)のB7bitデータの反転、B6bitデータの反転が、直流平衡ビットとしてロードされる。
【0049】
また、Dフリップフロップ21,23,25,27のD入力端子には、それぞれ、セレクタ34,36,38,40を介して、データメモリ1から現タイムスロット(present data)のB7bitデータ、B6bitデータ、B5bitデータ、B4bitデータが、転送用データとしてロードされる。
【0050】
図2の前段8ビットシフトレジスタ回路は、全データのロード完了後に、シフトレジスタ動作を開始して、直流平衡ビット、転送用データの順に、1bitずつ、最前段回路であるDフリップフロップ20の正符号出力端、負符号出力端からそれぞれ正符号シリアルデータ、負符号シリアルデータとして出力された後、正符号出力端子28、負符号出力端子29から、符号シリアルデータ出力4としてシリアル出力される。
【0051】
図3は、図2の前段8ビットシフトレジスタ回路と図示していない後段8ビットシフトレジスタ回路とからなるシフトレジスタ2の動作タイミングの一例を示すタイミングチャートであり、前タイムスロット(previous data)のあらかじめ定めたビット数例えば2ビット分だけ遡ったビット位置からLSB(Least Significance Bit)までのLSB側の2ビットB1,B0bitデータをラッチする前2bitデータラッチ回路3におけるラッチ状況を含めて、最前段のDフリッピフロップ20から、直流平衡データ(つまり2bit前の転送用データの反転データ)と転送用データとが交互に符号シリアルデータ出力4として出力されていく様子を示している。
【0052】
図3に示すように、シフトレジスタデータロード信号31(SHIFT REG DATA LOAD)によってDフリップフロップ20〜27にそれぞれ交互にラッチされた前タイムスロット(previous data)のLSB側の2ビットのB1,B0の反転データ、現タイムスロット(present data)のMSB側の6ビットのB7〜B2の反転データである直流平衡データおよび現タイムスロット(present data)の転送用データB7〜B0は、クロック信号32(CLOCK)に応じて、最前段のDフリップフロップ20から順次出力されていく。
【0053】
つまり、最前段のDフリップフロップ20の出力に示すように、直流平衡ビット(DC BIT)、転送用データ(VALID DATA)の順に、Previous B1(INV)、B7(DAT)、Previous B0(INV)、B6(DAT)、B7(INV)、B5(DAT)、B6(INV)、B4(DAT)、B5(INV)、B3(DAT)、B4(INV)、B2(DAT)、B3(INV)、B1(DAT)、B2(INV)、B0(DAT)として1ビットずつシリアルに出力する。すなわち、2ビット前の転送用データ(VALID DATA)を反転したデータを直流平衡データ(DC BIT)としてそれぞれ2ビット後の転送用ビット(VALID DATA)に先行して出力していく。
【0054】
ここで、正符号出力端子28に示すように、図3においては、前タイムスロット(Previous Data)のLSD側2ビットB1,B0bitのデータは‘00’(反転データは‘11’)であり、現タイムスロット(Present Data)の8ビットB7〜B0bitのデータは‘00111011’であった場合を例示している。負符号出力端子29からは、正符号出力端子28からの出力データを反転した出力データが、正符号出力端子28からの出力データと同相で出力され、正符号出力端子28、負符号出力端子29からそれぞれ出力された符号シリアルデータは、パルストランスを介して、AC結合の伝送回線に出力され、相手側の伝送装置において、図3の受信側クロック信号(RECEIVING CLOCK FOR SERIAL DATA)に示すタイミングで取り込まれることになる。
【0055】
また、前述したように、最前段のDフリップフロップ20の正出力端から正符号出力端子28までの距離、負出力端から負符号出力端子29までの距離は、同一の長さになるように設定されており、而して、正符号出力端子28の出力データと負符号出力端子29の出力データとは、図3の破線丸印で囲った箇所等において、必ず異なるレベルになり、互いが同一方向になって衝突が発生しないように構成されており、たとえ、正符号出力端子28、負符号出力端子29にパルストランスを直接接続した場合であっても、パルストランスに定格値を上回る異常電圧が発生することがない構成としている。
【0056】
[動作の説明]
次に、図1の本発明に係る新符号回路つまり直流平衡符号生成回路の全体ブロック図と図2のシフトレジスタ2の前段8ビットシフトレジスタ回路の詳細回路図と図3のシフトレジスタ2のタイミングチャートとを用いて、本発明に係る直流平衡符号生成回路を採用したシリアルデータ伝送装置の動作について説明する。
【0057】
図3のタイミングチャートにおいて、シフトレジスタデータロード信号31(SHIFT REG DATA LOAD)がLレベルであり、かつ、クロック信号32(CLOCK)が立ち上がるタイミングにおいて、図2に示す前段8ビットシフトレジスタ回路の全Dフリップフロップ20〜27のD入力端子へ、セレクタ33〜40それぞれを介して、図1のデータメモリ1および前データ2bitデータラッチ回路3から出力されたデータがロードされる。
【0058】
ここで、Dフリップフロップ20,22のD入力端子には、それぞれ、前データ2bitデータラッチ回路3からのB1bitデータ、B0bitデータが反転ゲート41,42によって反転された状態で、セレクタ33,35を介して、転送用データB7,B6データの前段に挿入される直流平衡ビットとしてロードされる。
【0059】
また、Dフリップフロップ24,26のD入力端子には、それぞれ、データメモリ1からのB7bit,B6bitデータが反転ゲート43,44によって反転された状態で、セレクタ37,39を介して、転送用データB5,B4データの前段に挿入される直流平衡ビットとしてロードされる。
【0060】
また、Dフリップフロップ21,23,25,27のD入力端子には、それぞれ、セレクタ34,36,38,40を介して、データメモリ1からのB7,B6,B5,B4bitデータが、転送用データとしてロードされる。
【0061】
図示していない後段8ビットシフトレジスタ回路の全Dフリップフロップにおいても、前段8ビットシフトレジスタ回路と同様に、データメモリ1からのデータのうち、B5〜B2bitデータが反転ゲートによって反転されて、転送用データB3〜B0データの前段に挿入される直流平衡ビットとしてロードされ、B3〜B0bitデータが転送用データとしてロードされる。
【0062】
図2に示す前段8ビットシフトレジスタ回路の全Dフリップフロップ20〜27のD入力端子への全データのロードが完了した後、シフトレジスタデータロード信号31(SHIFT REG DATA LOAD)がHレベルの期間であり、かつ、クロック信号32(CLOCK)が立ち上がるタイミングにおいて、前段8ビットシフトレジスタ回路はシフトレジスタ動作を開始して、それぞれの2ビット前に出力された反転データである直流平衡ビットを先行させた状態で、転送用データが、最前段のDフリップフロップ20から順次1bitずつ符号シリアルデータ出力4としてシリアル出力される。
【0063】
また、前述したように、最前段のDフリップフロップ20の正符号出力端から正符号出力端子28までと、負符号出力端から負符号出力端子29までとは、同一の距離になるように設定されており、正符号出力端子28の出力データと負符号出力端子29の出力データとは、図3の破線丸印で囲った箇所等において、同一タイミングでは必ず異なるレベルになって、互いが同一方向のレベルになる衝突が発生しないように構成されている。
【0064】
なお、従来技術に示した前記特許文献1においても、有効データを転送する際に1bitごとの反転非反転や1byteごとの反転非反転により直流平衡状態を達成しようとしているが、UART回路51からALL‘1’データが出力され続ける待機状態においては、前述したように、直流平衡問題が解決されていなく、有効データの転送が始まる時点での直流平衡状態を確保することができない。一方、本実施形態においては、ALL‘1’データが継続する待機状態であっても、図5に示すように、伝送回線に転送される転送用データとしては、あらかじめ定めたビット数だけ例えば2ビットだけ遡ったビット位置の値(‘1’データ)が反転されて直流平衡データとして挿入されることによって、ALL‘1’データは‘01’信号として転送されることになり、待機状態における直流平衡問題は解決されている。而して、受信側のライントランシーバ62(LVDS)の入力において、同電位へ変化し、このときに誘導ノイズが発生してしまうと、スタートビットを検出してしまうという前記特許文献1における問題を解決し、パルストランス、コンデンサ等でAC結合された伝送回線において理想的な平衡伝送を実現することができる。
【0065】
さらには、前記特許文献1においては、受信側のライントランシーバ62(LVDS)の入力が同電位になる前に、新たな転送用データの伝送が始まると、基線(中心電位)がずれたまま、データ信号の変化が発生して、ライントランシーバ62の受信エラーが発生し易く、直流平衡が保たれなくなるという問題もあったが、図4のように、本実施形態の直流平衡符号生成回路54,64を追加して挿入することによって、待機状態における伝送符号についても、直流平衡状態を維持して、安定して伝播することができる。
【0066】
つまり、図4の通信インタフェース回路50A,60Aに示すように、図15に示す従来の通信インタフェース回路50,60それぞれに、図1に示すような本実施形態の直流平衡符号生成回路を追加挿入することによって、図5のタイムチャートに示すように、ALL‘1’データが継続する待機状態の伝送符号は、直流平衡状態を保つことが可能であり、伝送回線70上は、‘0’と‘1’とが交互に連続する符号データとして転送され、受信側の通信インタフェース回路60Aには、誘導ノイズによる受信エラーの発生をより確実に回避して、安定して伝播することができる。ここで、図4は、図15の従来の通信インタフェース回路に本発明に係る直流平衡符号生成回路を適用したブロック構成の一例を示す構成図であり、図15の従来の通信インタフェース回路50,60のUART回路51,61とライントランシーバ52,62との間に本発明に係る直流平衡符号生成回路54,64をそれぞれ追加挿入した場合を例示している。
【0067】
また、図5は、図4の通信インタフェース回路における待機状態の伝送符号を説明するための説明図である。図5に示すように、ALL‘1’データが連続する待機状態においても、送信側の通信インタフェース回路50AのUART回路51とライントランシーバ52との間に追加挿入した直流平衡符号生成回路54において‘0’と‘1’とが交互に連続する符号データに変換されてライントランシーバ52(LVDS)から正符号出力データ、負符号出力データとして出力されるので、受信側の通信インタフェース回路60Aにおいては、誘導ノイズによる受信エラーを生じることなく、安定した符号データを受信することができ、直流平衡符号生成回路64において、元の符号形式に正しく復元されて、UART回路61に出力することができる。
【0068】
また、図1および図2に示す直流平衡符号生成回路においては、前述のように、直流平衡ビットと転送用ビットとを交互に埋め込む方式で回路が構成されるとともに、前記特許文献1の場合とは異なり、最前段のDフリップフロップ20の正符号出力端から正符号出力端子28までの配線遅延とDフリップフロップ20の負符号出力端から負符号出力端子29までの配線遅延とを同一にするように、当該直流平衡符号生成回路のLSIを生成しており、当該直流平衡符号生成回路LSIの外部において、Dフリップフロップ20にパルストランスを直結した構成を用いる場合においても、正符号出力端子28、負符号出力端子29の出力データのいずれも、同一タイミングで、Hレベル同士となるような、Hレベルの出力衝突を確実に回避することができる構成となっている。さらには、この結果として、最終段の出力バッファと内部の最前段ゲートとの間のクロック信号に対するタイミング規定を設定し易い構成となっている。
【0069】
また、図1および図2に示す直流平衡符号生成回路は、図10の従来のAMI符号生成回路のブロック図と比較して、回路構成が簡素化されている。つまり、図1および図2に示す直流平衡符号生成回路は、直流平衡ビットと転送用ビットとを交互に埋め込む方式で回路が構成されており、図10のAMI符号生成回路においては必須となるパリティチェック計算部9のような直流平衡ビットを計算する回路が不要であり、さらに、直流平衡ビット生成保持部8も不要であり、パリティチェック計算部9や直流平衡ビット生成保持部8の2つの回路ブロックのタイミング動作を考慮することなく、動作させることが可能である。
【0070】
さらには、図13に前述した従来のAMI符号方式の信号波形においては、信号波形の変化がないデータが継続する場合(図13の例ではデータ‘0’が無変化信号状態)が存在している。かくのごとき無変化信号状態が連続すると、パルストランスが介在する伝送回線に対して、外来誘導ノイズが発生した場合は、伝送エラーが発生し易い。しかし、図1および図2に示す直流平衡符号生成回路の伝送方式においては、図6のように全データ(VALID DATA)が‘0’の場合であっても、直流平衡データ(DC BIT)として、あらかじめ定めたビット数例えば2ビットだけ遡ったビット位置の転送用データ(VALID DATA)を反転した‘1’を交互に挿入した符号データとして生成することによって、伝送回線の2線間の電圧振幅の変化が常に発生しているので、誘導ノイズが発生しても、伝送エラーは発生し難い。図6は、図1および図2の直流平衡符号生成回路において転送用データがALL‘0’データの場合に生成される符号データの信号波形の一例を示す説明図である。
【0071】
また、図7に示すように、転送用データがランダムデータ(図7の例では、‘1011101’のデータ)の場合であっても、あらかじめ定めたビット数例えば2ビットだけ遡ったビット位置の転送用データ(VALID DATA)を反転したデータを直流平衡データ(DC BIT)として交互に挿入しているので、いずれの期間を抽出しても、直流平衡状態が確保されていて、符号の変化が途切れることがなく、誘導ノイズが発生しても、伝送エラーは発生し難い。図7は、図1および図2の直流平衡符号生成回路において転送用データがランダムデータの場合に生成される符号データの信号波形の一例を示す説明図である。
【0072】
また、従来のマンチェスタ符号方式回路においては、受信回路の特性上、相手側へ伝送する有効データの開始を示すバイオレーションビットを埋め込むことが難しい。それゆえ、マンチェスタ符号を使用しているEthernet規格の10BASE―Tにおいては、図14に前述したように、転送用の有効データの送信開始においては、バイオレーションフラグの代わりに、プリアンブル符号(56bit)やスタートフレーム(8bit)を新たに設けて相手側に通知するという、キャラクタ同期的な方法を採用している。これに対して、図1および図2の直流平衡符号生成回路においては、図8に示すように、バイオレーションフラグ‘10’を埋め込むとともに、あらかじめ定めたビット数例えば2ビットだけ遡ったバイオレーションフラグ‘10’を利用する形態で通常のデータとは異なる形式で直流平衡データを付加することとし、これによって、転送用の有効データの先頭を示すことを可能とし、かつ、完全な直流平衡を確保することも可能としている。図8は、図1および図2の直流平衡符号生成回路において転送用の有効データの先頭を示すバイオレーションフラグの挿入状態の一例を示す説明図であり、バイオレーションフラグ(VIOLATION)として‘10’データを挿入した2bitバイオレーションありの場合を例示している。
【0073】
次に、具体的な実施例として、図1および図2に示す本発明に係る直流平衡符号生成回路を適用したシリアルデータ伝送装置の一例について図9を用いて説明する。図9は、図1および図2に示す直流平衡符号生成回路を適用したシリアルデータ伝送装置の一例を示すブロック構成図であり、図9(A)は、ボタン電話装置におけるボタン電話主装置と内線用のデジタル電話端末との間のシリアルデータの伝送系を示し、図9(B)は、ボタン電話装置における基本架と増設架との間のシリアルデータの伝送系を示している。
【0074】
図9(A)に示す通り、パルストランスを介して、ボタン電話主装置81〜デジタル内線端末82間のシリアルデータ伝送用の信号を伝送する構成や、図9(B)に示す通り、ボタン電話装置の基本架83と増設架84とがパルストランス等でAC結合されたLVDS(low voltage differential signaling)伝送用のケーブルで増設された構成や、ネットワーク通信装置同士や通信端末とネットワーク通信装置との間を、パルストランスを介して接続して高速シリアル通信用の信号を伝送する構成などにおいて、シリアルデータ伝送装置として、図1および図2に示すような本発明に係る直流平衡符号生成回路を適用することができる。
【0075】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、本発明の実施態様は、課題を解決するための手段における構成(1)に加えて、次のような構成として表現できる。
(2)各タイムスロットごとの転送用データを逐次保持するデータメモリと、該データメモリからの前記転送用データのうちあらかじめ定めたビット数だけ遡った前タイムスロットのビット位置から該前タイムスロットのLSB(Least Significance Bit)までのビット数分のデータを保持する前ビットデータラッチ回路と、前記データメモリからの前記転送用データと前記前ビットデータラッチ回路からの前タイムスロットの前記ビット数分のデータとを入力して、直流平衡データを生成し、生成した前記直流平衡データを前記転送用データの各ビットごとに交互に挿入することにより直流平衡状態のシリアルデータ形式の前記符号データに変換するシフトレジスタと、を少なくとも備え、前記シフトレジスタの最前段に位置する回路が、前記最前段回路として、前記正符号出力端子および負符号出力端子に接続されている上記(1)の直流平衡符号生成回路。
(3)前記シフトレジスタは、前記タイムスロットのビット数の2倍のビット数のデータをラッチする段数からなるDフリップフロップを縦列接続した回路からなり、前記前ビットデータラッチ回路からの前タイムスロットの前記ビット数分のデータおよび前記データメモリからの現タイムスロットの前記転送用データそれぞれを反転させた反転データを、前記直流平衡データとして、前記Dフリップフロップのうち前記最前段回路を構成するDフリップフロップから1つおきに、次段のDフリップフロップからの出力との切り替え用のセレクタを介してそれぞれ入力し、前記データメモリからの現タイムスロットの前記転送用データを、前記Dフリップフロップのうち前記最前段回路の次段に位置するDフリップフロップから1つおきに、次段のDフリップフロップからの出力との切り替え用のセレクタを介してそれぞれ入力した回路構成からなる上記(2)の直流平衡符号生成回路。
(4)有効データが存在していない待機状態にある場合に、前記データメモリは、転送用データの保持用として動作し、前記シフトレジスタの前記最前段回路から、前記直流平衡データと前記転送用データとが交互に挿入された符号データを直流平衡状態のシリアルデータとして出力する上記(2)または(3)の直流平衡符号生成回路。
(5)前記前ビットデータラッチ回路が保持する前タイムスロットの前記ビット数を2ビットとする上記(2)ないし(4)のいずれかの直流平衡符号生成回路。
(6)相手側へ伝送する有効データの先頭を示すバイオレーションフラグを、該有効データの先頭に埋め込む上記(1)ないし(5)のいずれかの直流平衡符号生成回路。
(7)パルストランスやコンデンサによってAC結合された伝送回線を介して直流平衡状態のシリアルデータを伝送するシリアルデータ伝送装置において、前記直流平衡状態のシリアルデータを生成するための直流平衡符号生成回路として、上記(1)ないし(6)のいずれかの直流平衡符号生成回路を用いるシリアルデータ伝送装置。
(8)当該シリアルデータ伝送装置として、ボタン電話主装置とデジタル内線端末との間のデータ伝送を行う装置、ボタン電話装置の基本架と増設架との間のデータ伝送を行う装置、ネットワーク通信装置同士の間のデータ伝送を行う装置、ネットワーク通信装置と通信端末との間のデータ伝送を行う装置、のいずれかを少なくとも含む上記(7)のシリアルデータ伝送装置。
(9)パルストランスやコンデンサによってAC結合された伝送回線を介して直流平衡状態のシリアルデータとして伝送するための符号データを生成する直流平衡符号生成方法であって、前記符号データを直流平衡状態のシリアルデータとして順次出力する最前段回路の正符号出力端から出力する正符号出力データと前記最前段回路の負符号出力端から出力する負符号出力データとのそれぞれの遅延時間を同一にする直流平衡符号生成方法。
(10)各タイムスロットごとの転送用データと前記転送用データのうちあらかじめ定めたビット数だけ遡った前タイムスロットのビット位置から該前タイムスロットのLSB(Least Significance Bit)までのビット数分のデータとを入力して、直流平衡データを生成し、生成した前記直流平衡データを前記転送用データの各ビットごとに交互に挿入することにより、直流平衡状態のシリアルデータ形式の前記符号データを生成する上記(9)の直流平衡符号生成方法。
(11)前記直流平衡データとして、あらかじめ定めた前記ビット数だけ遡った各ビット位置の前記転送用データを反転させて得られる反転データを用いる上記(10)の直流平衡符号生成方法。
(12)有効データが存在していない待機状態にある場合に、前記直流平衡データと前記転送用データとが交互に挿入された符号データを、直流平衡状態のシリアルデータとして出力する上記(10)または(11)の直流平衡符号生成方法。
(13)あらかじめ定めたビット数だけ遡る前記ビット数を2ビットとする上記(10)ないし(12)のいずれかの直流平衡符号生成方法。
(14)相手側へ伝送する有効データの先頭を示すバイオレーションフラグを、該有効データの先頭に埋め込む上記(9)ないし(13)のいずれかの直流平衡符号生成方法。
(15)パルストランスやコンデンサによってAC結合された伝送回線を介して直流平衡状態のシリアルデータとして伝送するための符号データを生成する直流平衡符号生成プログラムとして、上記(9)ないし(14)のいずれかの直流平衡符号生成方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施する直流平衡符号生成プログラム。
(16)上記(15)の直流平衡符号生成プログラムをコンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体。
【符号の説明】
【0076】
1 データメモリ
2 シフトレジスタ
3 前2bitデータラッチ回路
4 符号シリアルデータ出力
5 データメモリ
6 シフトレジスタ
7 AMI符号化部
8 直流平衡ビット生成保持部
9 パリティチェック計算部
10 AMI符号シリアルデータ出力
11 Dフリップフロップ
12 Dフリップフロップ
13 セレクタ
14 シリアルデータ
15 クロック
16 正符号出力端子
17 負符号出力端子
18 ANDゲート
19 ANDゲート
20 Dフリップフロップ
21 Dフリップフロップ
22 Dフリップフロップ
23 Dフリップフロップ
24 Dフリップフロップ
25 Dフリップフロップ
26 Dフリップフロップ
27 Dフリップフロップ
28 正符号出力端子
29 負符号出力端子
31 シフトレジスタデータロード信号
32 クロック信号
33 セレクタ
34 セレクタ
35 セレクタ
36 セレクタ
37 セレクタ
38 セレクタ
39 セレクタ
40 セレクタ
41 反転ゲート
42 反転ゲート
43 反転ゲート
44 反転ゲート
50 通信インタフェース回路
50A 通信インタフェース回路
51 UART回路
52 ライントランシーバ
53 パルストランス
54 直流平衡符号生成回路
60 通信インタフェース回路
60A 通信インタフェース回路
61 UART回路
62 ライントランシーバ
63 パルストランス
64 直流平衡符号生成回路
70 伝送回線
81 ボタン電話主装置
82 デジタル内線端末
83 ボタン電話装置の基本架
84 ボタン電話装置の増設架

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルストランスやコンデンサによってAC結合された伝送回線を介して直流平衡状態のシリアルデータとして伝送するための符号データを生成する直流平衡符号生成回路において、当該直流平衡符号生成回路の最前段に位置し、前記符号データを直流平衡状態のシリアルデータとして順次出力する最前段回路の正符号出力端から前記パルストランスやコンデンサに接続される正符号出力端子までの距離と前記最前段回路の負符号出力端から前記パルストランスやコンデンサに接続される負符号出力端子までの距離とを、同一の長さにすることを特徴とする直流平衡符号生成回路。
【請求項2】
各タイムスロットごとの転送用データを逐次保持するデータメモリと、該データメモリからの前記転送用データのうちあらかじめ定めたビット数だけ遡った前タイムスロットのビット位置から該前タイムスロットのLSB(Least Significance Bit)までのビット数分のデータを保持する前ビットデータラッチ回路と、前記データメモリからの前記転送用データと前記前ビットデータラッチ回路からの前タイムスロットの前記ビット数分のデータとを入力して、直流平衡データを生成し、生成した前記直流平衡データを前記転送用データの各ビットごとに交互に挿入することにより直流平衡状態のシリアルデータ形式の前記符号データに変換するシフトレジスタと、を少なくとも備え、前記シフトレジスタの最前段に位置する回路が、前記最前段回路として、前記正符号出力端子および負符号出力端子に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の直流平衡符号生成回路。
【請求項3】
前記シフトレジスタは、前記タイムスロットのビット数の2倍のビット数のデータをラッチする段数からなるDフリップフロップを縦列接続した回路からなり、前記前ビットデータラッチ回路からの前タイムスロットの前記ビット数分のデータおよび前記データメモリからの現タイムスロットの前記転送用データそれぞれを反転させた反転データを、前記直流平衡データとして、前記Dフリップフロップのうち前記最前段回路を構成するDフリップフロップから1つおきに、次段のDフリップフロップからの出力との切り替え用のセレクタを介してそれぞれ入力し、前記データメモリからの現タイムスロットの前記転送用データを、前記Dフリップフロップのうち前記最前段回路の次段に位置するDフリップフロップから1つおきに、次段のDフリップフロップからの出力との切り替え用のセレクタを介してそれぞれ入力した回路構成からなることを特徴とする請求項2に記載の直流平衡符号生成回路。
【請求項4】
有効データが存在していない待機状態にある場合に、前記データメモリは、転送用データの保持用として動作し、前記シフトレジスタの前記最前段回路から、前記直流平衡データと前記転送用データとが交互に挿入された符号データを直流平衡状態のシリアルデータとして出力することを特徴とする請求項2または3に記載の直流平衡符号生成回路。
【請求項5】
前記前ビットデータラッチ回路が保持する前タイムスロットの前記ビット数を2ビットとすることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の直流平衡符号生成回路。
【請求項6】
相手側へ伝送する有効データの先頭を示すバイオレーションフラグを、該有効データの先頭に埋め込むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の直流平衡符号生成回路。
【請求項7】
パルストランスやコンデンサによってAC結合された伝送回線を介して直流平衡状態のシリアルデータを伝送するシリアルデータ伝送装置において、前記直流平衡状態のシリアルデータを生成するための直流平衡符号生成回路として、請求項1ないし6のいずれかに記載の直流平衡符号生成回路を用いることを特徴とするシリアルデータ伝送装置。
【請求項8】
当該シリアルデータ伝送装置として、ボタン電話主装置とデジタル内線端末との間のデータ伝送を行う装置、ボタン電話装置の基本架と増設架との間のデータ伝送を行う装置、ネットワーク通信装置同士の間のデータ伝送を行う装置、ネットワーク通信装置と通信端末との間のデータ伝送を行う装置、のいずれかを少なくとも含むことを特徴とする請求項7に記載のシリアルデータ伝送装置。
【請求項9】
パルストランスやコンデンサによってAC結合された伝送回線を介して直流平衡状態のシリアルデータとして伝送するための符号データを生成する直流平衡符号生成方法であって、前記符号データを直流平衡状態のシリアルデータとして順次出力する最前段回路の正符号出力端から出力する正符号出力データと前記最前段回路の負符号出力端から出力する負符号出力データとのそれぞれの遅延時間を同一にすることを特徴とする直流平衡符号生成方法。
【請求項10】
各タイムスロットごとの転送用データと前記転送用データのうちあらかじめ定めたビット数だけ遡った前タイムスロットのビット位置から該前タイムスロットのLSB(Least Significance Bit)までのビット数分のデータとを入力して、直流平衡データを生成し、生成した前記直流平衡データを前記転送用データの各ビットごとに交互に挿入することにより、直流平衡状態のシリアルデータ形式の前記符号データを生成することを特徴とする請求項9に記載の直流平衡符号生成方法。
【請求項11】
前記直流平衡データとして、あらかじめ定めた前記ビット数だけ遡った各ビット位置の前記転送用データを反転させて得られる反転データを用いることを特徴とする請求項10に記載の直流平衡符号生成方法。
【請求項12】
有効データが存在していない待機状態にある場合に、前記直流平衡データと前記転送用データとが交互に挿入された符号データを、直流平衡状態のシリアルデータとして出力することを特徴とする請求項10または11に記載の直流平衡符号生成方法。
【請求項13】
あらかじめ定めたビット数だけ遡る前記ビット数を2ビットとすることを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載の直流平衡符号生成方法。
【請求項14】
相手側へ伝送する有効データの先頭を示すバイオレーションフラグを、該有効データの先頭に埋め込むことを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の直流平衡符号生成方法。
【請求項15】
パルストランスやコンデンサによってAC結合された伝送回線を介して直流平衡状態のシリアルデータとして伝送するための符号データを生成する直流平衡符号生成プログラムとして、請求項9ないし14のいずれかに記載の直流平衡符号生成方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施することを特徴とする直流平衡符号生成プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の直流平衡符号生成プログラムをコンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−30007(P2011−30007A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174495(P2009−174495)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】