説明

直結給水予作動式スプリンクラー消火設備装置

【課題】消防法による31mを超える高層住宅設備に、スプリンクラー消火設備の設置義務で取り付けてあるが、そのスプリンクラー消火設備と同等の設備を一般戸住宅並びに、集合住宅においてもスプリンクラー消火設備を設置する。
【解決手段】一般家庭の給水引き込み管から引き込んだ一般家庭用水道7から、電動三方弁4で分岐したスプリンクラー消火水配管18、の管内に加圧空気を封入した予作動スプリンクラー消火設備であり、火災報知器15が設置してある場合は報知器の感知信号とスプリンクラー消火配管の圧力低下スイッチ13の圧力低下信号の両方を感知した場合、消火用制御盤16から電動三方弁4へ信号を送りスプリンクラー消火水配管18側へ切り替え、スプリンクラー消火水として使える装置を作り、一般戸住宅並びに、集合住宅の火災時に人命を守り、特に幼児、高齢者の安全安心が得られる予作動スプリンクラー消火設備を考案した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予作動式スプリンクラー消火設備に関するものである。
【発明の背景】
【0002】
日本全国の住宅火災件数は平成8年度の統計で、63,977件あり、そのうち建物火災は34,716件54,3%あり死亡者数は1,999人で負傷者数7,864人もあります。
その死亡者の年齢別で5歳以下の幼児が69人、65歳以上の高齢者の死亡者が760人と、幼児+老齢者で829人と、全死亡者数の41,8%と弱者とされる幼児、老齢者が多数亡くなられています。
火災出火原因では、タバコの不始末7,075件、放火6,627件、ガステーブル火災5,859件、が3大原因となっています。
【0003】
住宅用給水引込み管の直結水を、利用する消火設備は考案の違いによる直結給水を利用したスプリンクラー消火設備はありますが、直結給水をそのまま利用した考案はありません。それは住宅用の水は家庭の飲料用他、としての供給を考えた圧力であり、消火設備としての高い圧力はありませんでした。
しかし、平成5〜6年頃、病原性大腸菌O−157の食中毒が多発した以降、水道事業者、特に、大規模な政令市政都市において滞留時間の長い水槽利用のビルを直結給水方式、増圧給水方式等、タンクレス方式を進める方針になり、その一環として、道路給水本管の水圧を上げた事も直結給水予作動式スプリンクラー消火設備装置を考案した背景でもあります。
【0004】
現在の住宅用スプリンクラー消火設備は、消火水槽、消火ポンプ、アラーム弁、等の消防認定設備としての消火設備を介して、スプリンクラーヘッドへ消火水を送る装置としてのスプリンクラー消火設備であり、消防法に則ったスプリンクラー消火設備です。そのため装置が取り付けてある住宅は、法規上高さ31m以上にある住宅設備にあり現在は消防法上での法規上必要な住宅のみで、消防法上スプリンクラー設備が必要でない住宅には殆どスプリンクラー消火設備は取り付けてありません、これが日本の住宅消火設備の現状です。
【0005】
現在の住宅消火設備は、戸建住宅、マンション共、消防法による火災報知器が取り付けてある程度で、他は消火器の設置があれば良いほうでスプリンクラー消火設備が設置してあるのは、発明の背景0004で記載した高さ31mを超える住宅にありそれ以外は、人命、財産を守れる住宅スプリンクラー消火設備はありません。
しかしながら、発明の背景0002で記載した平成8年のデータによる、死亡者数1,999人は殆どが、消火設備が備わっていない住宅での死亡者数であり、スプリンクラー消火設備が備えられ、スプリンクラーヘッドが作動して水を放水した火災での火災死者数は無いに等しく、日本全国の住宅に予作動式スプリンクラー消火設備が備われば、多くの人が死ななくても済む事となります。
【発明の開示】
【0006】
一般住宅、集合住宅に高額な既存技術のスプリンクラー消火設備を設けなくても、この発明技術の直結給水予作動式スプリンクラー消火設備を設けて人命、財産を守ることが出来る消火設備を考案した。
【0007】
この直結給水予作動式スプリンクラー消火設備は、発明の背景0004で記載した消火水槽、消火ポンプの機能を水道本管の水量、水圧を利用し、アラーム弁は量水器二次側に取り付けた電動三方弁が機能し、既存消火制御盤の機能は圧力低下信号と火災報知器がある場合は報知器警報の両方を感知した場合のみ、電動三方弁へ信号を送る簡単な消火用制御盤を有し、現在の消防設備動力制御盤のさまざまな機能、装置が必要のない消火用制御盤とした。
【0008】
上記のスプリンクラー消火設備は、前項、発明の背景0003で記載した、水道法のクロスコネクションにならない様、配管内へは水ではなく空気の圧力で保持し、既存の予作動式スプリンクラー消火設備と同等とする事によりクロスコネクションにならない消火設備を考案した。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
消火設備の水は配管内に水が滞留し続けるため、火災がなければ15年、20年と管内の水は死水になってしまいますので、飲料水としては使えません。クロスコネクションの意味もありますが、給水引込み管の直結水のスプリンクラー設備は考えられていませんでしたが、発明の背景0003で記載した道路給水本管の水圧が上がった事により直結水を利用する設備を考案した。
【0010】
上記0008で記載した死水にならない様、既存予作動式スプリンクラー消火設備と同じ、スプリンクラー配管内へは圧縮空気を封入できる装置を付け又、消火後、管内の水を排除できる水抜きバルブを取り付け、クロスコネクションにならない装置とした。
【0011】
スプリンクラー消火設備は、消火水槽、消火ポンプ、アラーム弁とスプリンクラーヘッドと火災を消火させる為の装置が必要ですが、大掛かりな設備、装置が必要のない家庭で使用する水道水を利用し、火災を初期のボヤ程度で確実に消火できる装置を考案した。
【発明を解決するための手段】
【0012】
請求項1で記載した電動三方弁4を、量水器3の二次側バルブ2以降に取り付け一方の出側を、通常の一般家庭用水道7へもう一方の出側は、火災時のスプリンクラー消火水配管18へスプリンクラー水とて使用する。
通常は一般家庭用水道7方向へ給水され、火災の場合に消火用制御盤16から信号を受け、電動三方弁4をスプリンクラー消火水配管18側へ切り替え消火用水として使用する装置とした。
【0013】
同上の配管内の空気圧力を一定に保つために、配管途中に空気を追加封入できる空気入れ弁8を設け、直近に管内空気圧力を表示する圧力ゲージ11と消火用制御盤16への圧力低下スイッチ13を取り付けた予作動式スプリンクラー消火設備とした。
【0014】
スプリンクラー消火水配管18には、水ではなく空気を封入する為四季の温度差や管内の自然に空気がなくなるのを防ぐため、どこの家庭でもある自転車用空気入れで、管内の空気をある一定の空気圧を保つことが可能な、配管途中に空気入れ弁装置を取り付けた予作動式スプリンクラー消火設備とした。
【0015】
上記の予作動式スプリンクラー消火設備は、電動三方弁4を作動させる消火用制御盤16がありその制御盤は、配管内の空気圧力低下のみでも、又、火災報知器15がある場合は両方の発報を受信した場合のみ、電動三方弁4を作動させスプリンクラーヘッドより消火放水させる事ができる、予作動式スプリンクラー消火設備である。空気圧力低下のみと、火災報知器15の発報のみの場合は、それぞれ装置異常を消火用制御盤より異常を発する装置とした。
【0016】
スプリンクラーヘッドからの放水、消火後の水の停止は量水器3の二次側バルブ2を止めて、電動三方弁4近くのスプリンクラー消火水配管18最下部に取り付けた水抜きバルブ6を開放して水を排除できるバルブを付けた装置とした。
【発明の効果】
【0017】
背景の技術、0002で記載した様に人命と財産を守れる消火設備であり、直結給水を利用でき、消防法での設備機器を要しない消火設備であり十二分に消火効果が発揮できる消火設備である。
【0018】
発明の背景0002で記載した平成8年のデータによる、建物火災による死亡者数1,999人は、全国の住宅にこの予作動式スプリンクラー消火設備が備われば、火災での死者数は激減します、単純に2,000人の人が死ななくても済む計算になります。
【0018】
この予作動式スプリンクラー消火設備は、直結給水圧力を利用している為、電動機が必要なく、電動三方弁4の作動は制御盤からの切り替え信号により放水して消火する消火設備である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例を示す全体構成図
【図2】三方弁廻り詳細図
【図3】圧力ゲージ廻り詳細図
【符号の説明】
【0020】
1:給水引き込み管
2:甲止水栓
3;量水器
4;電動三方弁
5:スプリンクラー用止水バルブ
6;水抜きバルブ
7;一般家庭用水道
8:空気入れ弁
9;家庭用止水バルブ
10:圧力ゲージコック
11:圧力ゲージ
12:圧力低下スイッチコック
13:圧力低下スイッチ
14:スプリンクラーヘッド
15:火災報知器
16:消火用制御盤
17:火災報知器配線
18:スプリンクラー消火水配管
19:制御配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅用給水引込み管の量水器以降に、電動三方弁を取り付けた通常の一般家庭用水道としての使用と、前記電動三方弁のもう一方向の配管にはスプリンクラー消火水配管として配管されており、管内は加圧空気が封入されている予作動スプリンクラー消火水配管があり、火災の場合管内の空気は抜け、消火用制御盤からの信号により、スプリンクラー消火水配管へ切り替えにより一般家庭用水道からの水を送りスプリンクラーヘッドより散水し消火水として使える装置である。
又、火災感知器が取り付けられている場合、火災時に火災感知器からの信号とスプリンクラー消火水配管の圧力低下信号を受ける制御盤があり、両方よりの信号を受信した場合、前記電動三方弁の火災時給水方向に切替え、スプリンクラーヘッドへ水を送る火災制御盤を備えた、直結給水予作動式スプリンクラー消火設備装置である。
【請求項2】
前記、直結給水予作動式スプリンクラー消火設備装置の加圧空気配管と通常の一般家庭用水道を火災時に消火方向へ切り替える電動三方弁を取り付けた装置である。
【請求項3】
請求項1で記載したスプリンクラーヘッドより放水し、消火完了後、管内の水排除用として、スプリンクラー消火水配管の溜まり水を排除できて、飲料水とのクロスコネション防止ができる水抜きバルブを取り付けた装置である。
【請求項4】
前記、直結給水用予作動式スプリンクラー消火設備装置の加圧空気配管内に追加空気を封入できる空気弁を設け、直近に管内空気圧力を表示する圧力ゲージと圧力低下スイッチが取り付けてある装置である。
【請求項5】
前記、請求項4で記載した圧力低下警報信号と、火災報知器が取り付けられている場合は、火災報知器からの火災信号を受信した場合、電動三方弁へ消火方向に切替える信号を送る消火用制御盤がある。但し、空気圧力低下のみと火災報知器の発報のみの場合は、それぞれ装置異常を消火用制御盤にて異常を発する装置である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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