説明

直線化された応答を備えるタッチセンサ

電界を直線化するためのパターンおよび同パターンを組み込んでいるタッチセンサが開示される。タッチセンサは、タッチ感知領域を覆う電気抵抗膜を含む。タッチセンサは、抵抗膜の上に配置され、タッチ感知領域を包囲する2つ以上の実質的に平行な多角形の行の導電性セグメントをさらに含む。各行の各縁は、2つの端部の導電性セグメントの間に配置される1つ以上の中間部の導電性セグメントを有する。間隙が、行において隣接する導電性セグメントを隔てる。行における中間部の導電性セグメントは、隣接する行における中間部の導電性セグメントと完全に重なる。この重なりが完全重畳領域を規定する。タッチセンサは、完全重畳領域における抵抗膜に配置される離散的な電気絶縁性セグメントをさらに含む。電気絶縁性セグメントは、2つの中間部の導電性セグメントの間の電気抵抗を増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、電気抵抗膜における電界を直線化することに関する。本発明は特に、タッチ感知領域の周囲に電極パターンを形成することによって、タッチセンサのタッチ感知領域における電界を直線化することに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンによって、ユーザは、電子ディスプレイシステムと都合よくインターフェイスをとることが可能となる。たとえば、ユーザは、予めプログラムされたアイコンによって識別された位置でスクリーンに触れるだけで、複雑なシーケンスの命令を実行することができる。用途に応じて、支援ソフトウェアを再プログラミングすることによって、オンスクリーンメニューを変更してもよい。
【0003】
抵抗方式および容量方式は、タッチ入力位置を検出するために用いられる2つの一般的なタッチ感知方法である。タッチ位置は一般に、タッチ感知領域における抵抗膜に電界を印加することによって決定される。電気的に連続する抵抗膜の場合には、印加されたタッチの位置を検出する精度は通常、抵抗膜における電界の直線性に左右される。電界の直線性は通常、タッチ感知領域の周囲の電極パターンを形成することによって改良される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般に、本発明は、タッチ感知領域における電界の直線化に関する。本発明はまた、タッチセンサのタッチ感知領域における電界の直線化に関する。
【0005】
本発明の一態様において、タッチセンサは、タッチ感知領域を覆う電気抵抗膜を含む。タッチセンサは、抵抗膜の上に配置され、タッチ感知領域を包囲する2つ以上の実質的に平行な多角形の行の導電性セグメントをさらに含む。各行の各縁は、2つの端部の導電性セグメントの間に配置される1つ以上の中間部の導電性セグメントを有する。間隙が、行において隣接する導電性セグメントを隔てる。行における中間部の導電性セグメントは、隣接する行における中間部の導電性セグメントと完全に重なる。2つの中間部の導電性セグメントの重畳部分は、完全重畳領域を規定する。タッチセンサは、2つの中間部の導電性セグメントの間の電気抵抗を増大するために、完全重畳領域における抵抗膜に配置される離散的な電気絶縁性セグメントをさらに含む。
【0006】
本発明の別の態様において、タッチセンサは、タッチ感知領域を覆う電気抵抗膜を含む。タッチセンサは、抵抗膜の上に配置され、タッチ感知領域を包囲する2つ以上の実質的に平行な多角形の行の離散的な導電性セグメントをさらに含む。各行の各縁は、2つの端部の導電性セグメントの間に配置される1つ以上の中間部の導電性セグメントを有する。行における中間部の導電性セグメントは、隣接する行における中間部の導電性セグメントと完全に重なる。タッチセンサは、2つの間の電気抵抗を増大するために、中間部の導電性セグメントの一方と抵抗膜との間に配置される離散的な電気絶縁性セグメントをさらに含む。
【0007】
本発明の別の態様において、タッチセンサは、電気抵抗膜を含む。タッチセンサは、抵抗膜の上に配置される2つの実質的な平行な行の離散的な導電性セグメントをさらに含む。間隙が、行において隣接する離散的な導電性セグメントを隔てる。ある行における導電性セグメントは、別の行における導電性セグメントと完全に重なる。2つの導電性セグメントの間の重畳領域は、完全重畳領域を規定する。ある行における間隙は、他の行における導電性セグメントと重なる。その間隙と導電性セグメントとの間の重畳領域は、非重畳領域を規定する。完全重畳領域および非重畳領域のそれぞれは、少なくとも1つの離散的な電気絶縁性セグメントを含む。
【0008】
本発明の別の態様において、タッチセンサは、タッチ感知領域を覆う電気抵抗膜を含む。タッチセンサは、タッチ感知領域における電界を直線化するために、抵抗膜の上に配置されかつタッチ感知領域の周囲の直線化パターンをさらに含む。直線化パターンは、複数の側面を含み、直線化パターンの側面の中の局所領域に平行電流および垂直電流を導電するように構成される。平行電流は、局所領域において直線化パターンの側面に平行な方向に流れる。垂直電流は、局所領域において直線化パターンの側面に垂直な方向に流れる。タッチセンサは、局所領域内に配置される少なくとも1つの離散的な電気絶縁性セグメントをさらに含む。電気絶縁性セグメントは、平行電流に実質的に作用することなく、直線化パターンの側面に沿った電圧分布を制御するために、垂直電流に実質的に作用する。
【0009】
本発明の別の態様において、タッチセンサは、タッチ感知領域を覆う電気抵抗膜を含む。タッチセンサは、タッチ感知領域における電界を直線化するために、抵抗膜の上に配置されかつタッチ感知領域の周囲の多角形の直線化パターンをさらに含む。直線化パターンは、複数の側面を含み、直線化パターンの側面の中の局所領域に平行な電圧勾配および垂直な電圧勾配を形成するように構成される。平行な電圧勾配は、局所領域において直線化パターンの側面に平行な方向にある。垂直な電圧勾配は、局所領域において直線化パターンの側面に垂直な方向にある。タッチセンサは、局所領域内に配置される少なくとも1つの離散的な電気絶縁性セグメントをさらに含む。タッチセンサは、局所領域内に配置される少なくとも1つの離散的な電気絶縁性セグメントをさらに含む。電気絶縁性セグメントは、平行な電圧に実質的に作用することなく、直線化パターンの側面に沿った電圧分布を制御するために、垂直な電圧勾配に実質的に作用する。
【0010】
本発明の別の態様において、タッチセンサは、タッチ感知領域を覆う電気抵抗膜を含む。タッチセンサは、抵抗膜の上に配置され、タッチ感知領域を包囲する2つ以上の実質的に平行な多角形の行の導電性セグメントをさらに含む。各行の各縁は、2つの端部の導電性セグメントの間に配置される1つ以上の中間部の導電性セグメントを有する。間隙が、行において隣接する導電性セグメントを隔てる。行における中間部の導電性セグメントは、隣接する行における中間部の導電性セグメントと完全に重なる。2つの中間部の導電性セグメントの重畳部分は、完全重畳領域を規定する。行における間隙は、隣接する行における導電性セグメントと重なる。間隙と導電性セグメントとの間の重畳領域は、非重畳領域を規定する。タッチセンサは、少なくとも1つの重畳領域の電気抵抗を増大するための手段をさらに含む。完全重畳領域における電気抵抗は、2つの中間部の導電性セグメントの間で測定される。非重畳領域における電気抵抗は、間隙と導電性セグメントとの間で測定される。
【0011】
本発明は、添付図面と共に、本発明の種々の実施形態に関する以下の詳細な説明を考慮すれば、さらに完全に理解し、認識することができる。
【0012】
特に明記しない限り本願明細書の図および図面はすべて概略的なものであり、寸法は一定の縮尺ではなく本発明の異なる実施態様を例示するために選ばれている。さらに、本発明の異なる実施形態を説明する際に、要素の位置は、「上」、「下」、「左」および「右」という語で記載される場合がある。これらの語は、本発明の異なる要素、図に示された要素の説明を簡単にするために用いられているに過ぎない。これらを本発明の要素の有用な方向付けに対してわずかでも制限を加えるものと理解すべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は一般に、電気抵抗膜の上に電極パターンを形成することによって、抵抗膜における電界を直線化することに関する。本発明は、加えられるタッチの位置をさらに正確に決定するために、タッチ感知領域における電界を直線化するための電極パターンを用いるタッチセンサに特に適用可能である。
【0014】
タッチスクリーンは、その他の場合には開いている電気回路が、タッチが加えられたときに閉じるという一般的な原理に基づいて機能する。閉じた回路内で生成される信号の特性によって、タッチ位置を検出することができる。種々の技術を用いて、タッチ位置を検出することができる。このような技術の1つは抵抗方式である。抵抗方式のタッチでは、加えられたタッチによって、その他の場合には物理的に分離されている2つの導電性フィルムを互いに直接的に物理的に接触させる。物理的な接触によって、その他の場合には開いている電子回路が閉じ、その結果、抵抗結合される電気信号が生成される。生成信号の特性によって、タッチ位置を検出することができる。
【0015】
容量方式は、タッチ位置を検出するために一般に用いられる別の技術である。この場合には、信号が生成されるのは、導電性のタッチ手段、たとえばユーザの指または導電性スタイラスを電気抵抗膜に十分近づけて両者の間の容量結合が可能になったときである。生成された信号の特性によって、タッチ位置を検出することができる。
【0016】
本発明は、電界がタッチ感知領域における電気抵抗膜の平面における1つ以上の方向に直線化される場合に、抵抗方式技術または容量方式技術を用いるタッチスクリーンに特に適用可能である。米国特許第4,198,539号明細書、米国特許第4,293,734号明細書、米国特許第4,371,746号明細書、米国特許第4,822,957号明細書、米国特許5,045,644号明細書、米国特許第6,163,313号明細書および米国特許第6,593,916号明細書には、タッチ領域の周囲に配置される直線化用電極パターンが開示されている。同一出願人の米国特許出願第09/169,391号明細書および米国特許出願第10/748,573号明細書には、タッチパネルの電界の直線性を改良するための電極パターンが開示されている。特に、米国特許出願第09/169,391号明細書に開示される電極パターンは、抵抗層の境界の上に配置される導電性セグメントの行を含み、すべての行は少なくとも2つの導電性セグメントを有し、そのそれぞれは、隣接する行における3つの導電性セグメントの少なくとも一部に面している。
【0017】
本発明は、たとえばタッチセンサのタッチ感知領域における電界の直線性を改良するための直線化パターンについて記載する。特に、本発明の一態様によれば、電界は、直線化パターンによって包囲される領域全体にわたって直線化される。そのような場合には、直線化パターンの1つ以上の内縁は、等電位を形成することができる。したがって、本発明の一態様によるタッチセンサにおいて、タッチセンサのタッチ感知領域は、直線化パターンによって包囲される領域全体に広げることができる。
【0018】
直線化パターンは、複数の側面を有する多角形であってもよく、隣接する各2つの側面は多角形の頂点で交差する。タッチセンサのタッチ感知領域の周囲に、直線化パターンを配置することができる。
【0019】
多角形の直線化パターンは複数の行の離散的な導電性セグメントを含むことができ、各行は同一の多角形の形状を有することができ、対応する縁の行は互いに対して実質的に平行であってもよい。多角形の直線化パターンの行は、同心であってもよい。直線化パターンの各行は、複数の離散的な導電性セグメントを含むことができ、行における導電性セグメントは間隙によって隔てられている。直線化パターンの各行は複数の縁を有し、行の隣接する各2つの縁は行の頂点で交差する。
【0020】
離散的な導電性セグメントは、隣接する行の離散的な導電性セグメントと完全に重なることができ、2つの重なっている導電性セグメントの間の「完全重畳」領域を規定する。したがって、完全重畳領域は、行における離散的な導電性セグメント全体によって一方の側面で境界をなし、隣接する行における離散的な導電性セグメントの少なくとも一部によって対向する側面で境界をなしている。
【0021】
直線化パターンにおける離散的な導電性セグメントは、隣接する行における離散的な導電性セグメントと部分的に重なることができ、重畳領域は2つの重なっている導電性セグメントの間の「部分重畳」領域を規定する。部分重畳領域は、ある表における離散的な導電性セグメントの一部によって一方の側面と境界をなし、隣接する行における離散的な導電性セグメントの一部によって対向する側面で境界をなしている。
【0022】
直線化パターンは「非重畳」領域をさらに有することができ、非重畳領域は、ある行における間隙と隣接する行における離散的な導電性セグメントの少なくとも一部との間の重畳領域によって規定される領域である。ある行における間隙が隣接する行における間隙と重なる場合にも、「非重畳」領域は存在することができる。
【0023】
本発明の一態様によれば、直線化パターンの完全重畳領域または非重畳領域に電気絶縁性セグメントを配置することによって、タッチ感知領域における電界の直線性を改良することができる。そのような領域に電気絶縁性セグメントを適切に配置することによって、タッチ感知領域にわたって直線状の信号勾配を実質的に維持すると同時に、直線化パターンの中に入れられた大部分の領域または領域全体にさえ及ぶ直線状の等電位線を実現することができる。
【0024】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるタッチセンサ100の一部の概略平面図を示す。図1は、示された要素を説明するために描かれているため、正確な縮尺である必要はない。タッチセンサ100は、タッチ感知領域120を覆う抵抗膜110を含む。タッチ感知領域120は、周縁部130によって規定される。タッチセンサ100は、抵抗膜110の上に配置され、タッチ感知領域120を包囲する直線化パターン140をさらに含む。したがって、タッチ感知領域120は、直線化パターン140内に囲まれている。直線化パターン140は多角形の形状を有することができ、多角形は隣接する側面が多角形の頂点で交差し、角を形成する複数の側面を有する。たとえば、直線化パターン140は、x軸に沿って向けられる側面140Aおよびy軸に沿って向けられる側面140Bを有する。側面140Aおよび140Bは、多角形の頂点140−1で交差することによって角を形成する。直線化パターンの側面は、直線であっても湾曲していてもよい。たとえば、直線化パターン140の側面は、各側面に沿った弧において内側または外側に曲げられていてもよい。さらに、直線化パターンの角を丸めることができる。
【0025】
直線化パターン140は、抵抗膜110と電気的に接触している複数の実質的に平行な行の離散的な導電性セグメントを含む。特に、図1は、第1の行の離散的な導電性セグメント150、第2の行の離散的な導電性セグメント160、第3の行の離散的な導電性セグメント170および第4の行の離散的な導電性セグメント180を示す。第1の行150はまた、直線化パターン140の最も外側の行でもある。行160、170および180のそれぞれは、直線化パターン140の内部の行である。さらに、行180は、直線化パターン140の最も内側の行である。直線化パターン140の各行は複数の縁を含み、行における隣接するすべての2つの縁は頂点で交差する。たとえば、行150の隣接する縁150−1および150−2は、頂点140−1で交差する。慣例のため、任意の2つの所与の行に関して、抵抗膜110の周縁部109に近い行を外側の行と呼び、周縁部109から遠い行を内側の行と呼ぶ。最も外側の行および最も内側の行はそれぞれ、周縁部109に最も近い行および周縁部109から最も遠い行を指す。
【0026】
多角形は、任意の多角形の形状であってもよく、一般に四角形、矩形または三角形である。
【0027】
直線化パターン140の各行の各縁は、2つの端部の導電性セグメントの間に配置される1つ以上の中間部の導電性セグメントを含む。たとえば、導電性セグメント150Cは最も外側の行150の縁150−1にある中間部の導電性セグメントであり、導電性セグメント150Aは行150の縁150−1にある端部の導電性セグメントであり、導電性セグメント150Bは行150の縁150−2にある端部の導電性セグメントである。端部の導電性セグメント150Aおよび150Bはいずれも、頂点140−1に近い。別の例として、導電性セグメント180Bおよび180Cは行180の縁180−1にある2つの中間部のセグメントであり、導電性セグメント180Aは、頂点140−1に近い同じ縁にある端部の導電性セグメントである。
【0028】
さらに、行における導電性セグメントは、間隙によって隔てられる。たとえば、行150における間隙150Dは、同一の行における隣接する導電性セグメント150Aおよび150Cを隔てる。
【0029】
タッチセンサ100は、完全重畳領域、部分重畳領域および非重畳領域をさらに含む。図解しやすくするために、これらの領域は、タッチセンサ100の拡大した具体的な部分を示す図2を参照して説明される。図2は、隣接する行170および180の一部を示す。特に、図2は、間隙170Cによって隔てられる行170における中間部の導電性セグメント170Aおよび170Bを示す。図2はまた、それぞれ間隙180Fおよび180Gによって隔てられる行180における中間部の導電性セグメント180B、180Dおよび180Eを示す。
【0030】
導電性セグメント180Bは導電性セグメント170Aと完全に重なり、重なっている領域は完全重畳領域181Aを規定する。同様に、完全重畳領域181Bは、セグメント180Eと170Bとの間の重なっている領域によって規定される。
【0031】
導電性セグメント180Dは、導電性セグメント170Aおよび170Bと部分的に重なり、重なっている領域はそれぞれ部分重畳領域182Aおよび182Bを規定する。
【0032】
さらに、間隙180Fは導電性セグメント170Aと完全に重なり、重なっている領域は非重畳領域183Aを規定する。同様に、間隙180Gは導電性セグメント170Bと完全に重なり、重なっている領域は非重畳領域183Bを規定する。さらに、間隙170Cは導電性セグメント180Dと完全に重なり、重なっている領域は非重畳領域183Cを規定する。
【0033】
本発明の一態様によれば、完全重畳領域181Aおよび181Bはそれぞれ、対応する完全に重なっている導電性セグメントの間の電気抵抗を増大するために、抵抗膜110に配置される電気絶縁性セグメント190Cおよび190Bを含む。特に、電気絶縁性セグメント190Cは、完全に重なっている中間部のセグメント170Aと180Bとの間の電気抵抗を増大し、電気絶縁性セグメント190Bは、完全に重なっている中間部のセグメント170Bと180Eとの間の電気抵抗を増大する。
【0034】
さらに、本発明の一態様によれば、タッチセンサ100における非重畳領域は、抵抗膜110に配置される電気絶縁性セグメントを含む。たとえば、図2は、非重畳領域183Cにおいて抵抗膜110に配置される電気絶縁性セグメント190Aを示す。電気絶縁性セグメント190Aは、非重畳領域の任意の場所に配置されてもよい。たとえば、電気絶縁性セグメント190Aは、図2に示されているように、非重畳領域の内部のどこかに配置されてもよい。別の例として、電気絶縁性セグメント190Aは、非重畳領域を規定する周縁部の縁に沿って配置されてもよい。たとえば、導電性セグメント170Aと170Bとの間の間隙領域170Cに電気絶縁性セグメント190Aを配置してもよい。図2において、各電気絶縁性セグメントは、その対応する重畳領域に限定される。たとえば、電気絶縁性セグメント190Aは、非重畳領域183Cのなかに限定されているように示されている。一般に、電気絶縁性セグメントは、その対応する領域の外側に延在してもよい。たとえば、電気絶縁性セグメント190Aは、領域183Cを越えて、たとえば隣接する領域182Aおよび182Bまたはその両方に達してもよい。別の例として、図1に戻って参照すると、電気絶縁性セグメント190Eは、完全重畳領域の外側に延在し、部分的に隣接する非重畳領域に達する。さらに別の例として、電気絶縁性セグメント190Dは、非重畳領域の外側に延在し、隣接する部分重畳領域に達する。
【0035】
本発明の一態様によれば、最も外側の行150に近い電気絶縁性セグメントは、最も外側の行から遠い電気絶縁性セグメントより長い。たとえば、電気絶縁性セグメント190Eは電気絶縁性セグメント190Fより長く、電気絶縁性セグメント190Fは電気絶縁性セグメント190Bより長い。
【0036】
本発明の一態様によれば、電気絶縁性セグメント190Fなどの電気絶縁性セグメントは、抵抗膜110におけるボイドであってもよい。このことは、抵抗膜110を形成する材料の少なくとも一部を排除することによって、電気絶縁性セグメントを形成してもよいことを意味する。たとえば、レーザアブレーション、化学エッチングまたは機械エッチング、あるいは抵抗膜110を形成する材料の塗布中に電気絶縁性セグメントに対応する領域を覆うことによって、抵抗膜110を形成する材料を排除してもよい。電気絶縁性セグメントの目的は、電気絶縁性セグメントを含む領域を形成し、重なっているセグメント(または間隙)の間の電気抵抗を増大することである。たとえば、図2を参照すると、電気絶縁性セグメント190Bは、完全に重なっている中間部の導電性セグメント180Eと170Bとの間の電気抵抗を増大する。2つの導電性セグメントの間の電気抵抗はまた、導電性セグメントの一方の少なくとも一部、たとえば導電性セグメント180Eと完全に重なる導電性セグメント170Bの一部と抵抗膜110との間の電気抵抗を増大することによって、増大することができる。たとえば、導電性セグメント170Bの一部と抵抗膜110との間に離散的な電気絶縁性セグメントを配置することによって、これを達成することができる。
【0037】
本発明の一部の態様は、タッチセンサ300の概略平面図を示す図3を参照してさらに説明される。本願明細書では、複数の図で用いられる同一の参照符号は、同一または類似の特性および機能性を有する同一または類似の要素を指す。タッチセンサ300は、電気抵抗膜110の上に配置される直線化パターン340を含む。直線化パターン340は、外側周縁部345Aと内側周縁部345Bとの間に限定される。直線化パターン340は、たとえば、図1を参照して説明した直線化パターンであってもよい。図3は矩形の直線化パターンを示しているが、一般に、直線化パターン340は任意の多角形の形状であってもよい。直線化パターン340は、側面340−1、340−2、340−3および340−4を有する。直線化パターンの各側面は、側面に沿った方向または側面に平行な方向および側面に垂直な方向を規定する。たとえば、側面340−1は、x軸に沿って側面340−1に平行な方向を規定し、y軸に沿って側面340−1に垂直な方向を規定する。同様に、側面340−2は、y軸に沿って側面340−2に平行な方向を規定し、x軸に沿って側面340−2に垂直な方向を規定する。
【0038】
図解しやすくするために、一般性を失うことなく、本発明の異なる態様は、抵抗方式タッチセンサ300について記載し、タッチ感知領域における電界を直線化するために、直線化電極パターンの恩恵を受けることができる任意のタッチ技術に本発明の任意の実施形態による直線化パターンを用いてもよいことを理解する。タッチセンサ300のタッチ感知領域120は、タッチ感知領域にわたって差分信号を印加することによって作動されてもよい。たとえば、タッチセンサの上の角301Aおよび301Dに電圧V1を印加し、タッチセンサの下の角301Bおよび301Cに異なる電圧V2を印加することによって、結果として差分電圧ΔV、すなわちV1−V2をタッチセンサにわたって印加することによって、そのような信号を印加することができる。例として、および一般性を失うことなく、V2はV1未満であると仮定される。V2は大地電位であることが多く、通常0ボルトであるが、V2は異なる電位であってもよい。V1はタッチセンサに用いるのに適した任意の交流電圧または直流電圧であってもよく、一般に10ボルト以下であるが、他の電圧を用いることもできる。交流電界の作動信号の場合には、図3に示される静的状態は、説明のために時間におけるスナップショットと見なしてもよい。
【0039】
タッチセンサ300にわたって印加される差分電圧ΔVは、タッチ感知領域120を通る電流の流れを生じることができる。印加された差分電圧はまた、タッチ感知領域120にわたる電圧勾配も生じることができ、図3に示される特定の実施例では勾配の方向は「y」方向にある。差分電圧は、タッチ感知領域120における直線状の電界に生じることが好ましく、このことは、等電位線が直線であり、x軸に沿って向けられることが好ましいことを意味する。
【0040】
直線化パターン340によって実現される望ましい機能は、直線化パターン340の側面340−2および340−4に沿って直線状の抵抗を設け、2つの側面のそれぞれに沿って直線状の電圧勾配を生じることである。そのような条件下で、差分電圧ΔVは、角301Aと角301Bとの間、角301Dと角301Cとの間で均等に分割される。さらに、直線化パターン340の側面340−2および340−4に沿った電圧勾配は、タッチ感知領域120における電圧勾配に適合することが好ましい。そのような場合には、等電位線320Aおよび320Bなどの等電位線は、図3に示されているように、タッチ感知領域120の内側および外側の両方に直線を成している(定義によれば、線320Aなどの等電位線上のすべての点は同一の電位を有し、たとえば、この場合には一部の電圧は、V1からV2の範囲にある)。したがって、側面340−2および340−4からタッチ感知領域120に流れる電流、たとえば電流330Aおよび330Bは、除去されるか、実質的に低減されることから、タッチ感知領域における電界の直線性を改良することになる。本発明の一態様によれば、直線化パターン340の側面340−2および340−4の内部に流れる任意の電流は、側面のなかに限定される。すなわち、任意のそのような電流は、内側の周縁部345Bと外側の周縁部345Aとの間に限定される。
【0041】
改良した電界の直線性により、タッチ感知領域120の拡大を可能にすることができる。たとえば、(等電位線320Aおよび320Bによって図3に示されているように)等電位線が内側の周縁部345B内に囲まれる領域全体にわたって直線を成している場合には、タッチ感知領域120によって覆われる領域を増大するために、タッチ感知周縁部130を拡大してもよい。したがって、周縁部345B内部の領域全体が直線化され、タッチに対する感度がよくなる可能性がある。タッチ感知領域のそのような拡大もまた、タッチセンサの境界の縮小を生じる結果となりうる。
【0042】
直線化パターン340の別の望ましい機能は、側面340−1から側面340−3へ流れるタッチ感知領域120に均一な電流を形成することである。均一な電流という語によって、側面340−1からタッチ感知領域120に流れる電流が側面340−1の長さに沿って、または同等にx軸に沿って均一な電流密度を有することを意味する。そのような状況下で、側面340−1に沿った直線化パターン340の内縁または同等に内側の周縁部345Bの縁345B−1は、等電位を形成する。したがって、側面340−1からタッチ感知領域120に流れるすべての電流は、縁345B−1、側面340−1またはx軸に垂直な方向に流れる。同様に、下の側面340−3の縁345B−2は、等電位を形成する。タッチ感知領域120を通って流れる電流の場合には、上側面340−1および下側面340−3はそれぞれ、電流源および電流シンクとみなしてもよい。
【0043】
直線化パターン340の側面内部の局所領域に流れる電流は、局所領域の位置における側面に実質的に平行に流れる成分および同一の位置において側面に実質的に垂直に流れる成分を有する。たとえば、直線化パターン340の側面340−1内部の局所領域310に流れる電流は、側面340−1に実質的に平行に(すなわち、x軸に沿って)流れる平行電流成分310Aおよび側面340−1に実質的に垂直に(すなわち、y軸に沿って)流れる垂直電流成分310Bを有する。別の例として、直線化パターン340の側面340−2内部の局所領域311に流れる電流は、側面340−2に実質的に平行に(すなわち、y軸に沿って)流れる平行電流成分311Aおよび側面340−2に実質的に垂直に(すなわち、x軸に沿って)流れる垂直電流成分311Bを有する。本発明の一態様によれば、直線化パターンの側面内部の局所領域に配置される離散的な電気絶縁性セグメントは、側面に平行な局所領域に流れる平行電流に実質的に作用することなく、側面に垂直な局所領域に流れる垂直電流に実質的に作用する。たとえば、図2を参照すると、直線化パターン140の側面140Aにある電気絶縁性セグメント190Bは、x軸に沿って同一の局所領域に流れる平行電流に実質的に作用することなく、y軸に沿って局所領域181Bに流れる垂直電流に実質的に作用することができる。
【0044】
図3に戻って参照すると、直線化パターン340内部の局所領域に流れる電流は、電圧勾配に沿って流れる。たとえば、垂直な電圧勾配が局所領域311にあり、局所領域311において電流311Bと同一の方向(すなわち、x軸)に向けられる場合には、垂直電流311Bは、垂直な電圧勾配に対応し、垂直な電圧勾配に沿って流れる。同様に、平行な電圧勾配が局所領域311にあり、電流311Aと同一の方向(すなわち、y軸)に向けられる場合には、平行電流311Aは、平行な電圧勾配に対応し、平行な電圧勾配に沿って流れる。同様に、垂直電流310Bは、電流310Bと同一の方向に向けられる垂直な電圧勾配に対応し、平行電流310Aは、電流310Aと同一の方向に向けられる平行な電圧勾配に対応する。したがって、本発明の一態様によれば、平行な電圧勾配が局所領域における直線化パターンの側面に平行な方向における電圧勾配であり、垂直な電圧勾配が局所領域における直線化パターンの側面に垂直な方向における電圧勾配である場合には、直線化パターン340は、直線化パターンの側面内部の局所領域における平行な電圧勾配および垂直な電圧勾配を提供する。さらに、局所領域に配置される離散的な電気絶縁性セグメントは、同一の局所領域における平行な電圧勾配に実質的に作用することなく、局所領域における垂直な電圧勾配に実質的に作用する。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、所与の行における1つ以上のセグメントは、1つ以上の導電性バーによって、隣接する行における1つ以上のセグメントに電気的に接続される。たとえば、図1を参照すると、行180における導電性セグメント180Dは、導電性バー101Aおよび101Bによって隣接する行170における導電性セグメント170Dに接続される。導電性バー101Aおよび101Bは、導電性セグメントと同一の材料から構成されることが好ましい。導電性バーは導電性セグメントと実質的に同一のシート抵抗を有することが好ましいが、本発明の一部の実施形態において、一部の導電性バーはまたはすべての導電性バーは、導電性セグメントの一部またはすべてとは異なる材料から構成されてもよく、または導電性セグメントの一部またはすべてとは異なるシート抵抗を有してもよい。
【0046】
さらに、本発明の一実施形態によれば、電気絶縁性バーを抵抗膜110に配置してもよい場合には、離散的な電気絶縁性セグメントは、1つ以上の電気絶縁性バー(図1には示さず)によって別の離散的な電気絶縁性セグメントに接続されてもよい。
【0047】
直線化パターンの各側面は、中点を有し、2つの端部で終わることができる。たとえば、図3を参照すると、直線化パターン340の側面340−3は、中点340−3Aおよび2つの端部点301Bおよび301Cを有し、2つの端部点301Bおよび301Cはまた、直線化パターン340の2つの角でもある。中点340−3Aは、端部点301Bと301Cとの間の中間点である。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、直線化パターン340の側面内部の局所領域における垂直な電圧勾配は、側面の中点に近い局所領域の場合より側面の中点から遠い局所領域の方が大きい。たとえば、局所領域313における垂直な電圧勾配は、局所領域312における垂直な電圧勾配より大きくてもよい。
【0049】
さらに、本発明の別の実施形態によれば、直線化パターン340の側面内部の局所領域における垂直な電圧勾配は、側面の中点に近い局所領域の場合より側面の中点から遠い局所領域の方が、局所領域に配置される1つ以上の電気絶縁性セグメントによって大きく作用される。たとえば、局所領域312が中点340−3Aに近い方であり、局所領域313が中点340−3Aから遠い方である場合には、局所領域313内部の垂直な電圧勾配はΔV1であり、局所領域312内部の垂直な電圧勾配はΔV2であってもよい。本発明の一実施形態によれば、垂直な電圧勾配ΔV1における局所領域313内部に配置される1つ以上の電気絶縁性セグメントの作用は、垂直な電圧勾配ΔV2における局所領域312内部に配置される1つ以上の電気絶縁性セグメントの作用より大きい。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、所与の行における導電性セグメントの数は、奇数であってもよく偶数であってもよい。さらに、所与の行の所与の縁における導電性セグメントの数は、奇数であってもよく偶数であってもよい。さらに、1対の隣接する行の間の間隔は、別の対の隣接する行の間の間隔に等しい必要はない。たとえば、図1を参照すると、行180と行170との間の間隔d1、行170と行160との間の間隔d2、行160と行150との間の間隔d3は等しい必要はないが、本発明の一部の実施形態において、d1、d2およびd3は実質的に等しくてもよい。
【0051】
図3に戻って参照すると、タッチセンサ300は、具体的な線380A、380B、380Cおよび380Dなどの導電線によって、直線化パターン340、抵抗膜110およびタッチ感知領域120に電気的に接続される電子部品390をさらに含み、線380Aおよび380Bは側面340−1に接続され、線380Cおよび380Dは対向する側面340−3に接続される。電子部品390は、タッチ感知領域120を作動することによって、たとえば、直線化パターン340における1つ以上の導電性セグメントに1つ以上の信号、たとえば、図1の導電性セグメント150Aおよび150Bに印加される電圧V1を印加することによって、タッチ感知領域120に加えられる入力タッチの位置を検出する。
【0052】
抵抗膜110は、半導体、ドープされた半導体、半金属、金属酸化物、有機導電体、導電性ポリマーまたは類似物から構成されることができる。具体的な無機材料としては、導電性酸化物、たとえばインジウム・スズ酸化物(ITO)、スズ・アンチモン酸化物(TAO)などが挙げられる。具体的な有機材料としては、炭素充填インクおよび導電性ポリマー、たとえばポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンおよびポリチオフェンが挙げられ、たとえば欧州特許出願公開第EP−1−172−831−A2号明細書に開示されているものが挙げられる。
【0053】
導電性セグメントとしては、金属、たとえば銀、金、銅、アルミニウム、鉛または金属の組み合わせを挙げることができる。導電性セグメントは、セグメントを導電性またはより導電性にするために、炭素または他の添加剤を含むことができる。インクジェット印刷、スクリーン印刷または導電性セグメントを抵抗膜の上に堆積させるための任意の他の適切な方法を用いて、導電性セグメントを抵抗膜に堆積させることができる。導電性セグメントのパターン形成は、フォトリソグラフィ、インクジェット印刷または任意の他の適切なパターン形成方法を用いて行うことができる。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、異なる導電性セグメントは、異なるシート抵抗または全体的な導電率を有することができる。たとえば、外側の行における導電性セグメントは、内側の行における導電性セグメントより導電性が高くてもよい。別の例として、所与の行における所与の縁の場合には、端部のセグメントは中間部のセグメントより導電性が高くてもよい。一般に、導電性セグメントは、その幅、厚さを増大させることによって、またはセグメントを構成する導電性がより高い材料を用いることによって、導電性を高くすることができる。
【0055】
本発明の目的のために、電界の直線性は、直線状の電界からの電界のずれによって規定される。電界の直線性はさらに、特に直線化パターン付近の等電位線の直線性または間隔の均一性によって規定されることができる。タッチ感知領域120における電界は、好ましくは1%以内に、さらに好ましくは0.5%以内に、さらに一層好ましくは0.25%以内に直線化される。
【0056】
タッチ感知領域の周縁部130が直線化パターン140の最も内側の行を含むまで拡大された場合には、図1におけるタッチセンサ100の数値シミュレーションの結果、タッチ感知領域120において0.75%より良好な電界の直線性を生じた。タッチ感知領域120が直線化パターン140によって包囲される領域の99%を構成する場合には、電界の直線性は0.3%より良好な程度までさらに改良された。対照的に、類似であるが、電気絶縁性セグメントを含まないタッチセンサの数値計算の結果、タッチ感知領域120が直線化パターン140の最も内側の行を含む場合には、約2%の電界の直線性を生じ、タッチ感知領域が直線化パターン140によって包囲される領域の99%を構成する場合には、約1%の電界の直線性を生じた。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、信号、たとえば電圧などを直線化パターン340の異なる導電性セグメントに印加することによって、タッチ感知領域120を作動することができる。たとえば、矩形の電極パターンの場合には、信号、たとえば電圧V1などを直線化パターン340の1つの側面に沿って2つの端部の導電性セグメントに印加することによって、異なる信号、たとえば電圧V2などを直線化パターン340の対向する側面に沿って2つの端部の導電性セグメントに印加することによって、タッチ感知領域を作動することができる。別の例として、三角形の直線化パターンの場合には、三角形の直線化パターンの第1の側面に沿って、第1の信号、電圧Vaなどを1つ以上の導電性セグメントに印加し、三角形の直線化パターンの第2の側面に沿って、第2の信号、電圧Vbなどを1つ以上の導電性セグメントに印加し、三角形の直線化パターンの第3の側面に沿って、第3の信号、電圧Vcなどを1つ以上の導電性セグメントに印加することによって、タッチ感知領域120を作動することができる。3つの信号、たとえば電圧Va、VbおよびVcなどは大きさまたは位相において異なっていてもよいが、容量方式のタッチセンサなどの場合によっては、電圧Va、VbおよびVcは同一の大きさまたは位相を有することができる。
【0058】
図4は、本発明の1つの特定の実施形態による光学系400の概略側面図を示す。光学系400は、本発明の任意の実施形態によるタッチセンサ410および情報を目視位置430に対して表示するためのディスプレイ420を含む。特に、タッチセンサ410は、電界を直線化するために、本発明の任意の実施形態による直線化パターン(図4には図示せず)に組み込んでいる。タッチセンサ410は、電界の直線性を改良するために、抵抗方式のタッチセンサであってもよく、容量方式のタッチセンサであってもよく、または本発明の任意の実施形態による直線化パターンを組み込むことによって恩恵を得ることができる任意の他のタッチ感知技術を用いてもよい。ディスプレイ420の例としては、液晶ディスプレイ、陰極線管(CRT)ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機発光ディスプレイ、電界放出ディスプレイ、エレクトロルミネセントディスプレイおよび他の適切な画像形成ディスプレイなどが挙げられる。ディスプレイ420は、グラフィックス、テキストまたは目視位置430に対して情報を表示する他の印であってもよい。
【0059】
本発明の特定の実施例は本発明の種々の態様の説明を容易にするために以下に詳細に説明してきたが、本発明は実施例の使用に限定されるものと見なすべきではないと理解すべきである。正確に言えば、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の精神および範囲に包含されるすべての修正、実施形態および代替物を網羅することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態によるタッチセンサの一部の概略平面図を示す。
【図2】図1に示されるタッチセンサの拡大部分を示す。
【図3】タッチセンサの概略平面図を示す。
【図4】本発明の別の実施形態による光学系の概略側面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ感知領域を覆う電気抵抗膜と、
前記抵抗膜の上に配置され前記タッチ感知領域を包囲する間隙によって隔てられた2つ以上の実質的に平行な多角形の行の導電性セグメントと、を含み、各行の各縁は2つの端部の導電性セグメントの間に配置される1つ以上の中間部の導電性セグメントを有し、前記行の1つにおける第1の中間部の導電性セグメントは隣接する行における第2の中間部の導電性セグメントに完全に重なり、前記第1の中間部の導電性セグメントおよび前記第2の中間部の導電性セグメントの重なる部分は完全重畳領域を規定し、
前記完全重畳領域における前記抵抗膜に配置され、前記第1の中間部の導電性セグメントと前記第2の中間部の導電性セグメントとの間の電気抵抗を増大するための第1の離散的な電気絶縁性セグメントを含むタッチセンサ。
【請求項2】
前記タッチ感知領域における電界は、0.5%以内に直線化される、請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項3】
前記タッチ感知領域に加えられる入力タッチの位置を検出するように構成される電子部品をさらに含む、請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項4】
前記完全重畳領域における前記抵抗膜に配置される1つ以上の別の離散的な電気絶縁性セグメントをさらに含む、請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項5】
前記電気絶縁性セグメントは、前記完全重畳領域に限定される、請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項6】
前記電気絶縁性セグメントは、前記完全重畳領域の外側に延在する、請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項7】
最も外側の行に近い前記電気絶縁性セグメントは、前記最も外側の行から遠い前記電気絶縁性セグメントより長い、請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項8】
隣接する行における第4の導電性セグメントと部分的に重なる前記行の1つにおける第3の導電性セグメントをさらに含み、前記第3の導電性セグメントおよび前記第4の導電性セグメントの重なる部分は部分重畳領域を規定し、
前記部分重畳領域における前記抵抗膜に配置される第2の離散的な電気絶縁性セグメントをさらに含む、請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項9】
隣接する行における第5の導電性セグメントと重なる前記行の1つにおける第1の間隙をさらに含み、前記第1の間隙と前記第5の導電性セグメントとの間の重なる部分は非重畳領域を規定し、
前記非重畳領域における前記抵抗膜に配置される第3の離散的な電気絶縁性セグメントをさらに含む、請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項10】
請求項1に記載のタッチセンサを含む、目視位置に情報を表示するための光学系。
【請求項11】
タッチ感知領域を覆う電気抵抗膜と、
前記抵抗膜の上に配置され、前記タッチ感知領域を包囲する2つ以上の実質的に平行な多角形の行の離散的な導電性セグメントと、を含み、各行の各縁は2つの端部の導電性セグメントの間に配置される1つ以上の中間部の導電性セグメントを有し、前記行の1つにおける第1の中間部の導電性セグメントは隣接する行における第2の中間部の導電性セグメントに完全に重なり、
前記第1の中間部の導電性セグメントと前記抵抗膜との間に配置され、前記第1の中間部の導電性セグメントと前記第2の中間部の導電性セグメントとの間の電気抵抗を増大するための第1の離散的な電気絶縁性セグメントを含むタッチセンサ。
【請求項12】
前記タッチ感知領域に加えられる入力タッチの位置を検出するように構成される電子部品をさらに含む、請求項10に記載のタッチセンサ。
【請求項13】
前記電気絶縁性セグメントの一部は、前記第1の中間部の導電性セグメントによって覆われていない、請求項10に記載のタッチセンサ。
【請求項14】
電気抵抗膜と、
前記抵抗膜の上に配置される2つの実質的に平行な行の離散的な導電性セグメントと、各行における隣接する離散的な導電性セグメントを隔てる間隙と、他の行における第2の導電性セグメントと完全に重なるある行における第1の導電性セグメントであって、前記第1の導電性セグメントと前記第2の導電性セグメントとの間の重畳領域が完全重畳領域を規定する第1の導電性セグメントと、他の行における第3の導電性セグメントと重なるある行における第1の間隙であって、前記第1の間隙と前記第3の導電性セグメントとの間の重畳領域が非重畳領域を規定する第1の間隙と、を含み、前記完全重畳領域および前記非重畳領域のそれぞれが少なくとも1つの離散的な電気絶縁性セグメントを含むタッチセンサ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの離散的な電気絶縁性セグメントの少なくとも1つは、前記抵抗膜におけるボイド領域である、請求項14に記載のタッチセンサ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの離散的な電気絶縁性セグメントの少なくとも1つは、前記抵抗膜と、前記第1の導電性セグメント、前記第2の導電性セグメントおよび前記第3の導電性セグメントのうちの1つと、の間に配置される、請求項14に記載のタッチセンサ。
【請求項17】
タッチ感知領域を覆う電気抵抗膜と、
前記タッチ感知領域の周囲の前記抵抗膜の上に配置され、前記タッチ感知領域における電界を直線化するための直線化パターンと、を含み、前記直線化パターンは複数の側面を有し、前記直線化パターンの側面内部の局所領域で平行電流および垂直電流を導電するように構成され、前記平行電流は前記局所領域で前記直線化パターンの前記側面に平行な方向に流れ、前記垂直電流は前記局所領域で前記直線化パターンの前記側面に垂直な方向に流れ、
前記局所領域内部に配置される少なくとも1つの離散的な電気絶縁性セグメントを含み、前記電気絶縁性セグメントは前記平行電流に実質的に作用することなく、前記直線化パターンの前記側面に沿って電圧分布を制御するために、前記垂直電流に実質的に作用するタッチセンサ。
【請求項18】
前記直線化パターンは、2つ以上の平行な行の離散的な導電性セグメントを含み、各行は2つの端部の導電性セグメントの間に配置される1つ以上の中間部の導電性セグメントを有し、行における第1の中間部の導電性セグメントは隣接する行における第2の中間部の導電性セグメントと完全に重なり、前記局所領域は前記第1の中間部の導電性セグメントと前記第2の中間部の導電性セグメントとの間の重畳領域である、請求項17に記載のタッチセンサ。
【請求項19】
タッチ感知領域を覆う電気抵抗膜と、
前記タッチ感知領域の周囲の前記抵抗膜の上に配置され、前記タッチ感知領域における電界を直線化するための多角形の直線化パターンと、を含み、前記直線化パターンは複数の側面を有しかつ前記直線化パターンの側面内部の局所領域における平行な電圧勾配および垂直な電圧勾配を形成するように構成され、前記平行な電圧勾配は前記局所領域で前記直線化パターンの前記側面に平行な方向にあり、前記垂直な電圧勾配は前記局所領域で前記直線化パターンの前記側面に垂直な方向にあり、
前記局所領域内部に配置される少なくとも1つの離散的な電気絶縁性セグメントを含み、前記電気絶縁性セグメントは前記平行な電圧に実質的に作用することなく、前記直線化パターンの前記側面に沿って電圧分布を制御するために、前記垂直な電圧勾配に実質的に作用するタッチセンサ。
【請求項20】
前記垂直な電圧勾配は、前記局所領域が前記側面の中点に近い場合よりも前記局所領域が前記側面の中点から遠い場合により大きく作用される、請求項19に記載のタッチセンサ。
【請求項21】
前記垂直な電圧勾配は、前記局所領域が前記側面の中点に近い場合よりも前記局所領域が前記側面の中点から遠い場合の方が大きい、請求項19に記載のタッチセンサ。
【請求項22】
タッチ感知領域を覆う電気抵抗膜と、
前記抵抗膜の上に配置され前記タッチ感知領域を包囲する間隙によって隔てられた2つ以上の実質的に平行な多角形の行の導電性セグメントと、を含み、各行の各縁は2つの端部の導電性セグメントの間に配置される1つ以上の中間部の導電性セグメントを有し、第1の行における第1の中間部の導電性セグメントは前記第1の行に隣接する第2の行における第2の中間部の導電性セグメントに完全に重なり、前記第1の中間部の導電性セグメントおよび前記第2の中間部の導電性セグメントの重なる部分は完全重畳領域を規定し、第3の行における第1の間隙は前記第3の行に隣接する第4の行における第3の導電性セグメントと重なり、前記第1の間隙と前記第3の導電性セグメントとの間の前記重畳領域は非重畳領域を規定し、
前記完全重畳領域および前記非重畳領域の少なくとも1つの電気抵抗を増大するための手段を含み、前記完全重畳領域における電気抵抗は前記第1の中間部の導電性セグメントと前記第2の中間部の導電性セグメントとの間で測定され、前記非重畳領域における電気抵抗は前記第1の間隙と前記第3の導電性セグメントとの間で測定されるタッチセンサ。
【請求項23】
前記手段は、前記完全重畳領域および前記非重畳領域の少なくとも1つの中で前記電気抵抗膜に配置される1つ以上の電気絶縁性セグメントを含む、請求項22に記載のタッチセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−524174(P2007−524174A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500757(P2007−500757)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/000437
【国際公開番号】WO2005/083551
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】