直進運動及び回転運動が可能なセミアクティブ装置
本発明は、縦軸(X)を有し、ハウジング(4)において、その軸(X)に沿って直進可能であり該軸(X)周りに回転可能な可動エレメント(2)の動きに抗する力の発生が可能なセミアクティブ装置であって、該ハウジング(4)は、可動エレメント(2)と共に、シールされる環状スペース(8)を規定し、該環状スペースは、磁性流体の液体で充填され、装置は、さらに、それぞれがコイル(31)とコア(32)とを含み、コア(30)がハウジング(4)を直接形成する、四つの電磁石を含む、該環状スペース(8)における磁界発生手段をも有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界の変更により制御される磁性流体の液体の見掛け粘度を変更することにより、直進運動及び回転運動に対して抵抗力を生じることが可能な、直進及び回転におけるセミアクティブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギーの吸収のみ可能である場合、装置はセミアクティブと呼ばれる。
【0003】
セミアクティブ装置は、触覚シミュレーションシステム、または、手動制御の部材の前進に抗する触覚システムで利用可能であり、あるいは、自動車のサスペンションシステムで利用可能である。
【0004】
この装置は、磁性流体の液体に接触し、その液体の見掛け粘度が増加すると、動きが抑制される、可動エレメントを含む。
【0005】
エレメントが直進運動のみ可能な、直進制動装置が存在する。この場合、エレメントは矩形断面を有し、このようなエレメントのガイドと動的なシールは、実現が難しい。また、この装置は、回転運動はできない。
【0006】
引用文献1は、磁性流体の液体において運動可能なブレードを用いたシミュレーション装置を含む楽器を説明している。この装置は、回転運動に対する抵抗力の発生ができない。また、ガイドとシールの観点において、製造が複雑である。また、ブレードは剛性が低く、従って、完全なシステムへの統合が困難である。
【0007】
また、制御システムによる要求に関連して制動係数が制御可能な、直進制動も存在する。これらは、直進運動において作動するだけであり、運動の大きさは制限される。
【0008】
また、構造が相対的に複雑であり、扱いにくい、という短所を有する、セミアクティブ回転制動も存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、実現が容易で小型である、直進及び回転の双方に抗する力の発生が可能なセミアクティブ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的は、円形断面で、縦軸であり、その軸周りに及びその軸に沿って可動し、嵌め合い形状のハウジングに収容される、可動エレメントを含み、磁性流体の液体が、ハウジングと可動エレメントとの間のスペースを充填し、ハウジングが、液体を介する磁界発生手段により直接規定される、セミアクティブ装置により達成される。磁界発生手段は、磁性流体の液体を介して、可動エレメントの表面にせん断力を生じる磁界を発生するものである。
【0011】
磁力線が、可動エレメントの表面に直交し、これにより制動力が増大するように、磁力線が半径方向に配向されることが、特に好ましい。
【0012】
磁界発生手段は、可動エレメントに対して二つずつ直径方向に対向する対の電磁石により形成されてもよい。
【0013】
この装置は、また、可動エレメントを動かすことが可能なアクチュエータにも関する。
【0014】
本発明は、可動エレメントの動きに対する抵抗力の発生が可能なセミアクティブ装置であって、
−円形断面を有する少なくとも一部分を備える縦軸の該可動エレメント、
−可動エレメントが、可動エレメントの円形断面の部分を収容する縦軸のハウジングにおいて、その軸に沿う直進運動が可能であり、該軸周りの回転運動が可能であるように、ハウジングを規定するボディ、
−該環状空間における磁界発生手段、ここで、該磁界発生手段は、少なくとも一つの電磁石を含み、該少なくとも一つの電磁石が、コイルと、磁性コアとを含み、該ハウジングが、該磁性コアに直接形成される、
−該磁界発生手段の制御手段、
−環状スペースを閉じてシールするために、縦方向に前記ハウジングを規定する、二つの端部フランジ、ここで各フランジは、可動エレメントが、シールされた状態でスライドし回転する経路が備えられ、可動エレメントの縦方向端部が、該ハウジングの外部に配置される、
−経路に配置され、可動エレメントとの摩擦によりシールを保証するシール手段、ここで、該ハウジングは、可動エレメントと共に、シールされた環状スペースを規定する、
−該環状スペースを充填し、可動エレメントの周りに環状の層を形成する、磁性流体の液体、
−ハウジングにおける可動エレメントのガイドリング、ここで、該ガイドリングは、ハウジングに固定されるとともに、可動エレメントの円形断面の部分に接触し、該リングが環状スペースの厚みを規定する、
を含む、セミアクティブ装置に関する。
【0015】
生じた磁界は、可動エレメントに対して半径方向に配向されるように、コイルが配向されることが好ましい。
【0016】
環状スペースは、実質的に一定の厚みであることが好ましい。例えば、環状スペースの厚みは、200μmから2mmの間である。
【0017】
セミアクティブ装置は、例えば、可動エレメントに対して二つずつ直径方向に対向する少なくとも一対の電磁石を含み、可動エレメントの側方に配向された、直径方向に対向する電磁石の極が、異極性となるように、該制御手段が電流供給を制御する。
【0018】
実施形態の一例では、セミアクティブ装置は、可動エレメントに対して二つずつ直径方向に対向する少なくとも二対の電磁石を含む。可動エレメントの側方に配向された各電磁石の極が、異極性の隣り合う電磁石の二つの極により囲まれるように、該制御手段が電流供給を制御することが好ましい。
【0019】
例えば、磁性材料のコアは、全高に亘りハウジングのコーナー部位をそれぞれ形成する湾曲面を含む。
【0020】
前記セミアクティブ装置のボディは、磁性コアにより直接形成されることが好ましい。
【0021】
セミアクティブ装置は、互いに固定されたコーナー部位の形態の複数の磁性コアを含んでもよい。そして、端部フランジは、磁性コアの固定を保証し、装置のボディのシールが、コアの外表面に配置されるシール剤により得られることが好ましい。
【0022】
電磁石全てのコアが、単一部品であることが好ましい。
【0023】
実施形態の他の例では、セミアクティブ装置は、電磁石のそれぞれの磁気回路の一つに配置される、少なくとも一つの永久磁石を含んでもよい。
【0024】
可動エレメントは、例えば、管であってもよい。
【0025】
本発明のさらなる課題は、本発明によるセミアクティブ装置と、可動エレメントが通過するアクチュエータとを含む、アクティブ装置である。アクチュエータは、可動エレメントに対して直径方向に対向する少なくとも二つの電磁石を備えるステージと、可動エレメントに対して直径方向に対向する少なくとも二つの電磁石を備える他のステージと、アクチュエータを通過し、軸方向に並ぶ異極性の二つのゾーンを含む、可動エレメントの部位とを含んでもよい。
【0026】
本発明のさらなる課題は、自動車のシステムを制御する少なくとも一つのペダルと、本発明による少なくとも一つのセミアクティブ装置と、を含み、可動エレメントが該ペダルに連結されて、該ペダルの動きに抗する力を適用する、自動車の制御システムである。
【0027】
本発明のさらなる課題は、操作者により取り扱われ、該操作者がコマンドを送信する、制御部材、及び、本発明による第一のセミアクティブ装置と第二のセミアクティブ装置とを含み、該制御部材が、第一のセミアクティブ装置の可動エレメントの一旦に固定され、該エレメントが、第一の軸に沿って、及び、第一の軸周りに可動し、該可動エレメントが、第二のセミアクティブ装置の可動エレメントに固定され、該エレメントが、第二の軸に沿って、及び、第二の軸周りに可動し、第一の軸と第二の軸とが直交し、制御部材が、互いに直交する第一の軸及び第二の軸に沿って、及び、第一の軸及び第二の軸周りに、動くことができる、制御システムである。
【0028】
本発明は、以降の説明と添付図面に基づいて、より良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるセミアクティブ装置の実施形態の一例の縦方向の断面図である。
【図2】図1の詳細図である。
【図3A】図1の装置の分離部分の図である。
【図3B】セミアクティブ装置で用いられる、磁界発生手段の構成部品の斜視図である。
【図3C】図3Bの構成部品の実施形態の変形例である。
【図4】図1の装置の磁界発生手段での平面A-Aに沿う断面図である。
【図5】図4の磁界発生手段により生じる磁界の磁力線の概略図である。
【図6】磁界発生手段の他の例の断面図である。
【図7】装置の実施形態の変形例の断面図である。
【図8A】磁界発生手段の他の例の断面図である。
【図8B】図8Aの装置の変形例の断面図である。
【図9】可動エレメントの動きを抑制するための可動エレメントに対する抵抗力と、可動エレメントを作動させる動力とを適用可能な装置の実施形態の一例の縦方向の断面図である。
【図10A】本発明によるセミアクティブ装置の適用例である。
【図10B】本発明によるセミアクティブ装置の適用例である。
【図10C】本発明によるセミアクティブ装置の適用例である。
【図10D】本発明によるセミアクティブ装置の適用例である。
【図10E】本発明によるセミアクティブ装置の適用例である。
【図11】セミアクティブ装置の実施形態の他の例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1に、本発明によるセミアクティブ装置Dの実施形態の一例を示す。
【0031】
この装置は、例えば、例えば触覚インターフェース、または、例えば制動システムにおける触覚シミュレーションシステムを作ることを目的としている。
【0032】
このセミアクティブ装置Dは、可動エレメント2と、可動エレメント2を収容するハウジング4が形成されたボディと、ハウジング4内部での磁界発生手段6とを含んでいる。
【0033】
可動エレメント2は、その縦方向端部2.1及び2.2を介して、外部エレメント、例えば、ジョイスティック型の制御システムのハンドル、または、操作者に扱われることを前提とするブレーキペダル、または、サスペンンションシステム用の自動車の車輪のスタブアクスル、と機械的に連結されている。
【0034】
可動エレメント2は、縦軸Xの細長い形状であり、外径がD2の円形断面を有している。ハウジング4は、可動エレメント4の円形断面に対応する内径D4の円形断面を有し、D4はD2より大きい。
【0035】
図2は、図1の装置の詳細を示している。可動エレメント2の外表面と、環状スペース8を規定するハウジング4の表面との間に、クリアランスjが設けられている。このクリアランスは、1mmのオーダーであることが好ましい。クリアランス1は、200μmと2mmとの間であることが好ましい。
【0036】
クリアランスjは、ハウジングの全高に亘って等しいか、実質的に等しく、可動エレメント2に適用される抵抗力の均一な配分を可能にすることが好ましい。可動エレメント2は、軸Xに沿ってスライド可能であり、軸Xの周りに回転可能である。
【0037】
可動エレメント2は、磁性材料で作られることが好ましい。
【0038】
図例では、ハウジング4は、縦方向の一部分のみに亘って可動エレメント2を囲み、エレメントの縦方向端部2.1、2.2は、ハウジング4の外部に位置する。
【0039】
可動エレメントは、全長に亘って円形断面を有する必要はなく、ハウジング内に収容される一部分のみがこの断面であってもよい。
【0040】
ハウジングは、磁界発生手段6と、磁界発生手段の縦方向端部にそれぞれに固定される、環状の二つのフランジ12.1、12.2とにより、直接規定される。二つのフランジ12.1、12.2は、磁束の短絡を防ぐために、非磁性材料であることが好ましい。この二つのフランジは、端部キャップを形成する。
【0041】
二つの端部フランジ12.1、12.2は、同様のものであり、フランジ12.1のみ、詳細を説明する。
【0042】
図3Aにおいてより明瞭に確認可能なフランジ12.1は、可動エレメント2がシール状態でスライド可能かつ回転可能に取り付けられる、中央経路14を含んでいる。
【0043】
この装置は、可動エレメント2とハウジング4との間のクリアランスjを実質的に一定に保つための、直進及び回転の双方における可動エレメントのガイド手段を含んでいる。図例では、これらのガイド手段は、一方がフランジ12.1に配置され、他方がフランジ12.2に配置され、位置調整が簡単な、二つのガイドリング16により、形成されている。図3は、フランジ12.1、及び、ハウジング4と可動エレメントとの間に配置されるクリアランスjの拡大図を示している。
【0044】
一つ以上のガイドリングを、ハウジング内で、電磁石に接して配置してもよい。二つ以上のリングを備えた装置は、本発明の範囲から逸脱することはない。
【0045】
このリング16は、中央経路11の表面に設けられた溝に取り付けられる。このリング16は、テフロン(登録商標)等の抗接着特性が良好な材料で作られることが好ましい。磁性流体の液体は、少量が以降に既述するシーリングガスケットを越え、ガイドリングを円滑化する、オイルを含むことに留意されたい。
【0046】
シーリングガスケット18は、中央経路14の表面の溝に取り付けられ、可動エレメント2の表面に対して、動的なシールを保証することができる。例えば、これは、例えばニトリルのOリング、または、リップシールであってもよい。
【0047】
シールは、ハウジングの各縦方向端部において、摩擦により、回転及び直進の双方で提供され、このことは、このセミアクティブ装置の製造を容易にする。
【0048】
図例では、端部フランジ12.1は、管状部位21により内径が縁取られた環状のプレート20により形成される、第一の部位20と、中央路14を含み、第一の部位20に取り付けられる、第二の部位22とから成る。第二の部位22は、外径が、管状部位21の内径に実質的に等しい、少なくとも一つの部位24を含み、この部位24は、第一の部位20の管状部位21に配置される。第二の部位22は、その外表面に、その一面を介して第一の部位20を圧する、半径方向の突起26をも含む。環状の突起26と、フランジ20.1の第一の部位との間には、静的なシールを保証することができる、シール28が設けられ、例えば、それは平面シールであってもよい。第一の部位20と、磁界発生手段により形成されるボディとの間にも、シール27が設けられている。
【0049】
図例では、第二の部位22は、二つの構成部品から成り、Oリング18への力と、従って、可動エレメント2に対するシールを、良好に制御可能とする。
【0050】
各フランジ12.1、12.2を、組み立てがより容易で、シール28が不要なように、単一の部品で形成してもよい。
【0051】
従って、ハウジング4は、エレメント2と共に、流体密封スペース8を規定する。
【0052】
環状スペース8は、ロード社(Lord Corporation)により市販されるMRF-140CG等の、磁性流体の液体により充填されている。
【0053】
図1の図例では、磁界発生手段は、コイル30と、コイル30に配置される磁性材料のエレメント32とでそれぞれ形成される、四つの電磁石(図4)から成っている。この磁性材料のエレメント32は、以降で「コア」と呼ばれる。
【0054】
電磁石は、直径方向に対向して、二つずつ、可動エレメント2に対して、配置されている。各コイル30の軸は、可動エレメント2に対して放射状に配向され、発生した磁界の磁力線が、可動エレメント2の外側面に実質的に直交することが好ましい。この磁力線の直交配向は、可動エレメントの動きに抗する、せん断力を増す。
【0055】
図例では、コア32は、可動エレメント2のハウジングを直接規定し、磁性流体の液体が、コアに接する。この構造は、磁気回路のリラクタンスの低減を可能とする。そして、より良い小型化のために、供給電流とコイル線の直径とが、低減可能である。
【0056】
また、コアは、装置のボディを形成することが好ましく、これは、必要な部品、装置の大きさ、及びそのコストの低減を可能とする。そして、コアを収容するためのさらなるケースを設ける必要がなくなる。コアは、例えばフランジ12.1、12.2により、及び/または、ネジにより、共に固定される。そして、アセンブリは、シール剤により、例えばボディの外表面がシールされる。これは、コア間のシール挿入と、磁力線のガイドの妨害とを回避する。
【0057】
図例では、ボディは縦軸Xの平行六面体の矩形であり、正方形断面である。
【0058】
このボディは、軸Xのハウジング2を規定する。
【0059】
図例では、このボディは、それぞれコアを形成する、四つの等しいコーナー部位31で形成されている。部位31は、正方形断面の対角線でボディをカットすることにより、得られる。
【0060】
各コーナー部位31は、ボディの全高に亘って延びる。
【0061】
図3Bでは、コーナー部位31が斜視図で確認可能である。このコーナー部位は、ボディの外壁を形成するより大きな部位である第一の部分31.1と、ハウジング4を規定するより小さな部位である部分31.2とを含む。
【0062】
より小さな部位である部分31.2は、D4/2の湾曲半径を有する管状のコーナー部位で形成される面33を含む。そして、四つの面が、ハウジング4を規定する、閉じた円柱状の表面を形成する。
【0063】
各コイル30は、コアのより小さな部位である第二の部分31.2の回りに配置され、磁力線35がコア32によりガイドされる、磁界を生じることができる。
【0064】
図例では、コイルは、ハウジングの全高に亘って延びる。図3Cでは、可動エレメントに沿って互いに隣り合って配置される複数のコイル30を含む、コーナー部位31の実施形態の変形例が確認可能である。これらのコイルは、可動エレメントとハウジングの表面との間に含まれる磁性流体の液体において、強く、均一な磁束を生じる。
【0065】
これらのコイルは、電気的に直列で、磁気的に並列に取り付けられてもよく、これは、より小さい電流での動作を可能とする利点を有する。
【0066】
図5で確認できるように、磁力線35の経路は、次のようになる。磁力線は、コア30と、磁性流体の液体と、可動エレメント2と、再び磁性流体の液体と、隣接する二つのコアと、を介して巡回し、コアで閉じる。一つの同じコイルの磁力線35の一方は、図4において上方に位置するコイルによりガイドされ、他方は、下方にあるコイルによりガイドされる。
【0067】
コアの特有の形状により、磁気回路は閉じて、得られる磁束を、漏洩を避けて、非常に良好にガイドすることが可能となる。
【0068】
可動エレメントを囲むコアは、N極とS極とが交互であることが好ましい。
【0069】
コイルに対する極性の配向は、電流の循環方向に依存し、従って、電流の循環方向の反転により容易に反転可能であることから、図に示した極性は、単に例に過ぎずない。従って、電流の循環方向は、可動エレメントの周りで、極性が交互になるように選択されることが好ましい。
【0070】
可動エレメントの側に配置された各コアの極のみが図示され、しかしながら、明らかに、各コアは、周囲のコイルで電流が循環する際に、異極性の二つの極を含むことに留意されたい。
【0071】
N極からS極への磁力線の循環は、矢印で記されている。
【0072】
磁界は、液体の見掛け粘度を変更する。見掛け粘度の増加は、可動エレメント2とコアにより規定されるハウジング表面との間のせん断力を生じ、可動エレメントの直線運動と回転運動に抵抗する力を生じる。
【0073】
図5で確認できるように、磁力線は、可動エレメント2の表面に対して直交して配向され、可動エレメント2の表面に適用されるせん断力を増すことが好ましい。
【0074】
コアは、単体で、例えば鋳造により形成されてもよく、あるいは、金属シートの積み重ねで作られてもよいことは明白である。この場合、アセンブリは、さらに簡易化される。
【0075】
磁界発生手段の実施形態の他の例が、図6で確認できる。この例では、直径方向に二つずつが対向する、六つのコイル30と、六つのコア32とを含む。図例では、コアは、単体で作られている。六つ以上の電磁石を含む装置は、本発明の範囲を逸脱しない。
【0076】
この構造は、体積の低減、及び、三相電流の利用可能性の利点を有する。
【0077】
奇数の電磁石が設定されてもよい。また、二つのN極、または、二つのS極を、可動エレメントの周りで、隣り合って有することも、想定可能である。
【0078】
装置は、コイルに供給される電流を制御することによる、磁界発生手段の制御手段をも有する。用途に依存して、磁界の強度は、このエレメントまたは可動エレメント2に連結された外部メンバーの動きを表す、動作速度、または動作力等の、静的及び/または動的大きさの関数として、変更され得る。
【0079】
本発明によれば、急速かつ線形的に制御可能な同一の小型の装置において、線形ブレーキが、回転ブレーキに組み合わされる。また、この装置は、非常に高い、アクティブ力/パッシブ力比を有する。
【0080】
パッシブ力は、磁界がない状態、すなわち、電流によるコイルの活性化なしで、可動エレメントを動かすために必要な、外部力または外部トルクを意味する。この力は、例えば、可動エレメントとガイドリング及びOリングとの間の摩擦、及び、磁性流体の液体の粘性摩擦に起因する。アクティブ力は、磁界により生じる。
【0081】
装置が、磁界がない状態で、最も透過的であるように、できる限り小さいパッシブ力を得るとともに、可動エレメントに対して適用される広範囲の外部力に対向可能であるように、できる限り大きいアクティブ力を得ることが要求される。
【0082】
装置のパッシブ力と最大アクティブ力との間の比は、極(N及びS)と可動エレメントとの間の距離により、ある程度決定される。この距離を数マイクロメータに低減することにより、最大アクティブ力/パッシブ力の比を500以上にすることが可能である。
【0083】
単なる例として、図1に図示されるようなセミアクティブ装置の特性を、以下に述べる。
【0084】
装置は、131mmの高さ、73mmの幅及び奥行きを有する。
【0085】
可動エレメントの直径は28mmであり、ハウジングの直径は30mmであり、従って、電磁石の極と可動エレメントの表面との間の距離は、1mmである。
【0086】
コイルの巻数は、110である。
【0087】
その重量は、5kgである。
【0088】
電力は、40Wである。
【0089】
装置は、25Nのパッシブ力、及び、540Nの最大アクティブ力を、60msの応答時間で提供する。
【0090】
図11は、単一の電磁石を含むセミアクティブ装置の実施形態の例の、上面図を示している。
【0091】
この実施形態の例では、コア32は、四つの部分32.1から32.4により形成される、矩形断面のリングの形態である。コイル30は、第一の部分32.1の周りに巻かれている。ハウジング4は、第一の部分32.1に平行な第二の部分32.3に直接作られている。コア32は、単独で、閉磁気回路を形成する。
【0092】
この実施形態の例は、小型化されたシステムに対して、特に利点がある。
【0093】
図7では、図1の装置の変形例が確認でき、可動エレメント2が中空であり、第一に、せん断力が加わる可動エレメント2の表面を変更することなく装置の重量を低減することを可能とし、第二に、他の装置、例えば力センサー、または、可動エレメント2の端部に配置される機能エレメント用のケーブル、例えば、光学信号用のケーブル、または振動モーターによるアクティブ触覚フィードバック用のケーブル等を収容するためのスペースの開放を可能とする。
【0094】
図8Aでは、セミアクティブ装置の実施形態の他の例が確認でき、磁界発生手段が、N極及びS極、がそれぞれN及びSで示される、永久磁石34を含んでいる。
【0095】
図例では、永久磁石34は、コイル30及びコア32の各アセンブリに関連し、コイル内に配置される。永久磁石34の磁化は、永久磁石が生じる磁界の磁力線が、永久磁石が配置されるコイルの磁力線と実質的に同じ方向を有するようになされる。
【0096】
永久磁石34は、永久磁界を生じる。従って、磁性流体の液体の見掛け粘度は、コイルの電流がない状態で増加し、これにより、可動エレメント2の抑制力を生じる。そして、この装置は、普通にブロックされ、または、少なくとも普通に抑制される。
【0097】
この永久磁界は、コイルにより生じる磁界により、低減され、さらにキャンセルされ、または反対に強められ得る。
【0098】
永久磁石及びコイルの磁力線は、同じ方向であることが効果的である。コイルにおける電流の循環方向に関しては、磁界は互いに加算し合い、得られる磁界を増加し、または、磁界は互いに減算し合い、得られる磁界を低減し、さらにキャンセルする。
【0099】
永久磁石34は、コアにより規定される磁気回路の任意の場所に配置可能である。例えば、図8Aの装置の実施形態の変形例が、図8Bにおいて確認でき、この装置では、永久磁石34がコイル内に位置せずにコア間に配置され、装置の製造を簡易化する。
【0100】
この実施形態の例は、通常のブロック装置を提供する利点を有する。また、永久磁石の磁界とコイルの磁界とが同じ方向である場合、得られる磁界が、コイルのみにより生じる磁界よりも強いため、装置により生じる抵抗力を増やすことができる。あるいは、図1の装置のものと同じ抵抗力が供給されてもよく、この場合、磁界の一部が永久磁石により生じるため、この力を生じるエネルギーの消費量が低減される。
【0101】
図9は、可動エレメントの直進運動及び回転運動に抗する力の発生と、回転運動及び直進運動を生じることができる動力の発生との双方が可能な、装置40の実施形態の例を示す。この装置は、「アクティブ装置」と呼ばれる。
【0102】
装置40は、三つのステージを含む。第一のステージ42は、図1の装置Dに類似し、第二のステージ44及び第三のステージ46は、直進運動及び回転運動のアクチュエータを形成する。
【0103】
装置40は、ハウジング104に収容される可動エレメント102を含み、このハウジングは、第一のステージ42及び第二のステージ44並びに第三のステージ46により規定される。三つのステージ42、44、46は、軸Xに沿って配置され、第二及び第三のステージは、接触している。
【0104】
第二及び第三のステージは、図1の磁界発生手段の構造と同様の構造である。それぞれは、ハウジングを規定するコアをそれぞれ有する、四つのコイルを含んでいる。
【0105】
コイルの電力供給は、アクチュエータが機能する場合、第二のステージ及び第三のステージの極が、図8の図において、S極がN極の上にあり、またはその逆であるように、ある角度でオフセットするように成される。
【0106】
また、可動エレメント102は、アクチュエータにおいてスライド可能な部位48で磁化されている。この部位48は、異極性の、二つの隣接する軸ゾーンZ1、Z2を含む。
【0107】
図例では、第三のステージのゾーンZ1は、N極を形成し、第二のステージのゾーンは、S極を形成する。例えば、可動エレメント2のこの部位は、管状の形状の永久磁石で形成されてもよい。
【0108】
第一のステージ42のエレメント102の部位は、磁化されてはいないが、磁性材料である。
【0109】
第一の部位だけが、磁性流体の液体で充填される。例えば、第一のステージと第二のステージとの間に、シーリングガスケットが配置される。
【0110】
この装置の機能を、以降説明する。
【0111】
装置40は、図1の装置と同様に機能し、磁性流体の液体を通過する磁界を生じるコイルでの電流循環が、見掛け粘度の増加を生じ、従って、直進運動と回転運動双方に対する抵抗力を生じる。
【0112】
装置がアクチュエータとして機能する場合、可動エレメント102の回転が所望される際は、二つのステージの極に電力が供給され、コアの磁化が生じる。極が等しい場合、互いに反発して、エレメントは回転し、極が反対の場合、互いに引き合う。しかしながら、他のステージでは、極性は、π/2オフセットしており、これは、エレメント2の回転を生じる、二つの等しい対向する極が常に存在することを意味する。
【0113】
電流の方向は、所望の回転方向に関連して選択される。
【0114】
回転運動のために、二つのステージのコイルは、二つのステージが異極性を持つように、電力供給される。可動エレメント2の上昇が所望される場合、第二のステージの極性は、対向する可動エレメントのゾーンZ2に反発するSになり、第三のステージの極性は、ゾーンZ2と引き合うNになる。
【0115】
可動エレメントの下降が所望される場合、両ステージにおける電流の方向が反転される。
【0116】
この装置は、アクチュエータを形成するステージが、抑制を形成するステージと同じデザインであり、可動エレメントだけが変更されるため、製造が相対的に容易である。
【0117】
図10Aから図10Eは、本発明による装置の異なる適用例を示している。
【0118】
図10Aは、異なる適用で用いられ得る、セミアクティブ装置Dの実際の図を示している。可動エレメント2の二つの端部は、保護及び取扱容易のための管状のケース49に配置されているハウジングから突出して、確認することができる。
【0119】
図10Bは、図10Aのブレーキを用いた、自動車のシミュレータを示している。装置Dは、ブレーキペダル50の下方に配置され、可動エレメント2は、ブレーキペダル50と連結され、程度の差はあるが、ブレーキペダルの下降に抗する力を適用する。装置Dは、油圧制動回路の応答をシミュレートする。装置Dは、制動力をシミュレートするために、電子ブレーキを備える自動車に一体化されてもよく、油圧回路は、もっぱら万一の回路の不具合の場合に存在する。また、装置Dは、運転アシストに用いられてもよい。PADAS(“partially autonomous driving assistance system”、部分自律型運転アシストシステム)は、この場合、速度超過、または、先行車からの距離が短すぎる際に、触覚信号を生じてもよい。
【0120】
図10Cでは、二つの装置Dを用いたウェイトベンチ52が確認できる。このベンチは、二つの垂直バー56に沿って垂直方向にスライド可能に取り付けられ、スライドが二つのセミアクティブ装置Dを介して抑制される、ダンベルバー54と、可動エレメント2を形成する二つの垂直バー56とを含んでいる。この装置は、運動中の人によるバーの上昇に抗する力を生じることにより、既知のタイプのダンベルのディスクのウェイトをシミュレートする。シミュレートされるウェイトは、生じる磁界を増すことにより、容易に増すことが出来る。このウェイトベンチ52は、従来技術のものと比べて、取扱が容易であり、スペースを要しない。また、ウェイトベンチの使用者が、ウェイトの取り扱い中に怪我をすることがないため、特に安全である。
【0121】
このウェイトベンチの機能は、次の通りである。使用者は、ベンチ52に横になり、ダンベルバー54を握り、装置Dにより生じる抵抗力に抗して、ダンベルバーを上下に動かす。
【0122】
この装置は、垂直バーに沿う所与の位置にダンベルバーを保持可能とする、永久磁石を含むことが好ましい。
【0123】
図10Dでは、二つの装置D及びD′を直列で含み、四つの自由度を備える、アクティブノブ58が確認できる。
【0124】
ノブ58は、可動エレメント2に固定され、従って、ノブ58は、回転し、軸Xに沿って移動する。また、装置Dは、第二のエレメント2′に固定され、軸Xに垂直な軸Y周りに回転可能であり、この軸Yに沿ってスライド可能である。
【0125】
軸Xの周りと軸Xに沿う動きに抗する抵抗力が、装置Dの電磁石により生じ、軸Yの周りと軸Yに沿う抵抗力が、装置D′の電磁石により生じる。図例におけるスプリング60は、アセンブリを静止位置に保持するために設けられている。
【0126】
図10Eは、自動車に用いられることを目的とするブレーキを示し、可動エレメントは、一端部2.2を介して車輪のスタブアクスルに固定され、他端部2.1を介して車両のボディに固定される。この場合、磁界の強度の制御は、スプリングの圧縮をシミュレートすることにより、決定可能である。
【0127】
本発明の装置により、回転と直進の双方に対する抵抗力を、容易な方法かつ低減されたスペースで、生じることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0128】
【特許文献1】FR 2902538
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界の変更により制御される磁性流体の液体の見掛け粘度を変更することにより、直進運動及び回転運動に対して抵抗力を生じることが可能な、直進及び回転におけるセミアクティブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギーの吸収のみ可能である場合、装置はセミアクティブと呼ばれる。
【0003】
セミアクティブ装置は、触覚シミュレーションシステム、または、手動制御の部材の前進に抗する触覚システムで利用可能であり、あるいは、自動車のサスペンションシステムで利用可能である。
【0004】
この装置は、磁性流体の液体に接触し、その液体の見掛け粘度が増加すると、動きが抑制される、可動エレメントを含む。
【0005】
エレメントが直進運動のみ可能な、直進制動装置が存在する。この場合、エレメントは矩形断面を有し、このようなエレメントのガイドと動的なシールは、実現が難しい。また、この装置は、回転運動はできない。
【0006】
引用文献1は、磁性流体の液体において運動可能なブレードを用いたシミュレーション装置を含む楽器を説明している。この装置は、回転運動に対する抵抗力の発生ができない。また、ガイドとシールの観点において、製造が複雑である。また、ブレードは剛性が低く、従って、完全なシステムへの統合が困難である。
【0007】
また、制御システムによる要求に関連して制動係数が制御可能な、直進制動も存在する。これらは、直進運動において作動するだけであり、運動の大きさは制限される。
【0008】
また、構造が相対的に複雑であり、扱いにくい、という短所を有する、セミアクティブ回転制動も存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、実現が容易で小型である、直進及び回転の双方に抗する力の発生が可能なセミアクティブ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的は、円形断面で、縦軸であり、その軸周りに及びその軸に沿って可動し、嵌め合い形状のハウジングに収容される、可動エレメントを含み、磁性流体の液体が、ハウジングと可動エレメントとの間のスペースを充填し、ハウジングが、液体を介する磁界発生手段により直接規定される、セミアクティブ装置により達成される。磁界発生手段は、磁性流体の液体を介して、可動エレメントの表面にせん断力を生じる磁界を発生するものである。
【0011】
磁力線が、可動エレメントの表面に直交し、これにより制動力が増大するように、磁力線が半径方向に配向されることが、特に好ましい。
【0012】
磁界発生手段は、可動エレメントに対して二つずつ直径方向に対向する対の電磁石により形成されてもよい。
【0013】
この装置は、また、可動エレメントを動かすことが可能なアクチュエータにも関する。
【0014】
本発明は、可動エレメントの動きに対する抵抗力の発生が可能なセミアクティブ装置であって、
−円形断面を有する少なくとも一部分を備える縦軸の該可動エレメント、
−可動エレメントが、可動エレメントの円形断面の部分を収容する縦軸のハウジングにおいて、その軸に沿う直進運動が可能であり、該軸周りの回転運動が可能であるように、ハウジングを規定するボディ、
−該環状空間における磁界発生手段、ここで、該磁界発生手段は、少なくとも一つの電磁石を含み、該少なくとも一つの電磁石が、コイルと、磁性コアとを含み、該ハウジングが、該磁性コアに直接形成される、
−該磁界発生手段の制御手段、
−環状スペースを閉じてシールするために、縦方向に前記ハウジングを規定する、二つの端部フランジ、ここで各フランジは、可動エレメントが、シールされた状態でスライドし回転する経路が備えられ、可動エレメントの縦方向端部が、該ハウジングの外部に配置される、
−経路に配置され、可動エレメントとの摩擦によりシールを保証するシール手段、ここで、該ハウジングは、可動エレメントと共に、シールされた環状スペースを規定する、
−該環状スペースを充填し、可動エレメントの周りに環状の層を形成する、磁性流体の液体、
−ハウジングにおける可動エレメントのガイドリング、ここで、該ガイドリングは、ハウジングに固定されるとともに、可動エレメントの円形断面の部分に接触し、該リングが環状スペースの厚みを規定する、
を含む、セミアクティブ装置に関する。
【0015】
生じた磁界は、可動エレメントに対して半径方向に配向されるように、コイルが配向されることが好ましい。
【0016】
環状スペースは、実質的に一定の厚みであることが好ましい。例えば、環状スペースの厚みは、200μmから2mmの間である。
【0017】
セミアクティブ装置は、例えば、可動エレメントに対して二つずつ直径方向に対向する少なくとも一対の電磁石を含み、可動エレメントの側方に配向された、直径方向に対向する電磁石の極が、異極性となるように、該制御手段が電流供給を制御する。
【0018】
実施形態の一例では、セミアクティブ装置は、可動エレメントに対して二つずつ直径方向に対向する少なくとも二対の電磁石を含む。可動エレメントの側方に配向された各電磁石の極が、異極性の隣り合う電磁石の二つの極により囲まれるように、該制御手段が電流供給を制御することが好ましい。
【0019】
例えば、磁性材料のコアは、全高に亘りハウジングのコーナー部位をそれぞれ形成する湾曲面を含む。
【0020】
前記セミアクティブ装置のボディは、磁性コアにより直接形成されることが好ましい。
【0021】
セミアクティブ装置は、互いに固定されたコーナー部位の形態の複数の磁性コアを含んでもよい。そして、端部フランジは、磁性コアの固定を保証し、装置のボディのシールが、コアの外表面に配置されるシール剤により得られることが好ましい。
【0022】
電磁石全てのコアが、単一部品であることが好ましい。
【0023】
実施形態の他の例では、セミアクティブ装置は、電磁石のそれぞれの磁気回路の一つに配置される、少なくとも一つの永久磁石を含んでもよい。
【0024】
可動エレメントは、例えば、管であってもよい。
【0025】
本発明のさらなる課題は、本発明によるセミアクティブ装置と、可動エレメントが通過するアクチュエータとを含む、アクティブ装置である。アクチュエータは、可動エレメントに対して直径方向に対向する少なくとも二つの電磁石を備えるステージと、可動エレメントに対して直径方向に対向する少なくとも二つの電磁石を備える他のステージと、アクチュエータを通過し、軸方向に並ぶ異極性の二つのゾーンを含む、可動エレメントの部位とを含んでもよい。
【0026】
本発明のさらなる課題は、自動車のシステムを制御する少なくとも一つのペダルと、本発明による少なくとも一つのセミアクティブ装置と、を含み、可動エレメントが該ペダルに連結されて、該ペダルの動きに抗する力を適用する、自動車の制御システムである。
【0027】
本発明のさらなる課題は、操作者により取り扱われ、該操作者がコマンドを送信する、制御部材、及び、本発明による第一のセミアクティブ装置と第二のセミアクティブ装置とを含み、該制御部材が、第一のセミアクティブ装置の可動エレメントの一旦に固定され、該エレメントが、第一の軸に沿って、及び、第一の軸周りに可動し、該可動エレメントが、第二のセミアクティブ装置の可動エレメントに固定され、該エレメントが、第二の軸に沿って、及び、第二の軸周りに可動し、第一の軸と第二の軸とが直交し、制御部材が、互いに直交する第一の軸及び第二の軸に沿って、及び、第一の軸及び第二の軸周りに、動くことができる、制御システムである。
【0028】
本発明は、以降の説明と添付図面に基づいて、より良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるセミアクティブ装置の実施形態の一例の縦方向の断面図である。
【図2】図1の詳細図である。
【図3A】図1の装置の分離部分の図である。
【図3B】セミアクティブ装置で用いられる、磁界発生手段の構成部品の斜視図である。
【図3C】図3Bの構成部品の実施形態の変形例である。
【図4】図1の装置の磁界発生手段での平面A-Aに沿う断面図である。
【図5】図4の磁界発生手段により生じる磁界の磁力線の概略図である。
【図6】磁界発生手段の他の例の断面図である。
【図7】装置の実施形態の変形例の断面図である。
【図8A】磁界発生手段の他の例の断面図である。
【図8B】図8Aの装置の変形例の断面図である。
【図9】可動エレメントの動きを抑制するための可動エレメントに対する抵抗力と、可動エレメントを作動させる動力とを適用可能な装置の実施形態の一例の縦方向の断面図である。
【図10A】本発明によるセミアクティブ装置の適用例である。
【図10B】本発明によるセミアクティブ装置の適用例である。
【図10C】本発明によるセミアクティブ装置の適用例である。
【図10D】本発明によるセミアクティブ装置の適用例である。
【図10E】本発明によるセミアクティブ装置の適用例である。
【図11】セミアクティブ装置の実施形態の他の例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1に、本発明によるセミアクティブ装置Dの実施形態の一例を示す。
【0031】
この装置は、例えば、例えば触覚インターフェース、または、例えば制動システムにおける触覚シミュレーションシステムを作ることを目的としている。
【0032】
このセミアクティブ装置Dは、可動エレメント2と、可動エレメント2を収容するハウジング4が形成されたボディと、ハウジング4内部での磁界発生手段6とを含んでいる。
【0033】
可動エレメント2は、その縦方向端部2.1及び2.2を介して、外部エレメント、例えば、ジョイスティック型の制御システムのハンドル、または、操作者に扱われることを前提とするブレーキペダル、または、サスペンンションシステム用の自動車の車輪のスタブアクスル、と機械的に連結されている。
【0034】
可動エレメント2は、縦軸Xの細長い形状であり、外径がD2の円形断面を有している。ハウジング4は、可動エレメント4の円形断面に対応する内径D4の円形断面を有し、D4はD2より大きい。
【0035】
図2は、図1の装置の詳細を示している。可動エレメント2の外表面と、環状スペース8を規定するハウジング4の表面との間に、クリアランスjが設けられている。このクリアランスは、1mmのオーダーであることが好ましい。クリアランス1は、200μmと2mmとの間であることが好ましい。
【0036】
クリアランスjは、ハウジングの全高に亘って等しいか、実質的に等しく、可動エレメント2に適用される抵抗力の均一な配分を可能にすることが好ましい。可動エレメント2は、軸Xに沿ってスライド可能であり、軸Xの周りに回転可能である。
【0037】
可動エレメント2は、磁性材料で作られることが好ましい。
【0038】
図例では、ハウジング4は、縦方向の一部分のみに亘って可動エレメント2を囲み、エレメントの縦方向端部2.1、2.2は、ハウジング4の外部に位置する。
【0039】
可動エレメントは、全長に亘って円形断面を有する必要はなく、ハウジング内に収容される一部分のみがこの断面であってもよい。
【0040】
ハウジングは、磁界発生手段6と、磁界発生手段の縦方向端部にそれぞれに固定される、環状の二つのフランジ12.1、12.2とにより、直接規定される。二つのフランジ12.1、12.2は、磁束の短絡を防ぐために、非磁性材料であることが好ましい。この二つのフランジは、端部キャップを形成する。
【0041】
二つの端部フランジ12.1、12.2は、同様のものであり、フランジ12.1のみ、詳細を説明する。
【0042】
図3Aにおいてより明瞭に確認可能なフランジ12.1は、可動エレメント2がシール状態でスライド可能かつ回転可能に取り付けられる、中央経路14を含んでいる。
【0043】
この装置は、可動エレメント2とハウジング4との間のクリアランスjを実質的に一定に保つための、直進及び回転の双方における可動エレメントのガイド手段を含んでいる。図例では、これらのガイド手段は、一方がフランジ12.1に配置され、他方がフランジ12.2に配置され、位置調整が簡単な、二つのガイドリング16により、形成されている。図3は、フランジ12.1、及び、ハウジング4と可動エレメントとの間に配置されるクリアランスjの拡大図を示している。
【0044】
一つ以上のガイドリングを、ハウジング内で、電磁石に接して配置してもよい。二つ以上のリングを備えた装置は、本発明の範囲から逸脱することはない。
【0045】
このリング16は、中央経路11の表面に設けられた溝に取り付けられる。このリング16は、テフロン(登録商標)等の抗接着特性が良好な材料で作られることが好ましい。磁性流体の液体は、少量が以降に既述するシーリングガスケットを越え、ガイドリングを円滑化する、オイルを含むことに留意されたい。
【0046】
シーリングガスケット18は、中央経路14の表面の溝に取り付けられ、可動エレメント2の表面に対して、動的なシールを保証することができる。例えば、これは、例えばニトリルのOリング、または、リップシールであってもよい。
【0047】
シールは、ハウジングの各縦方向端部において、摩擦により、回転及び直進の双方で提供され、このことは、このセミアクティブ装置の製造を容易にする。
【0048】
図例では、端部フランジ12.1は、管状部位21により内径が縁取られた環状のプレート20により形成される、第一の部位20と、中央路14を含み、第一の部位20に取り付けられる、第二の部位22とから成る。第二の部位22は、外径が、管状部位21の内径に実質的に等しい、少なくとも一つの部位24を含み、この部位24は、第一の部位20の管状部位21に配置される。第二の部位22は、その外表面に、その一面を介して第一の部位20を圧する、半径方向の突起26をも含む。環状の突起26と、フランジ20.1の第一の部位との間には、静的なシールを保証することができる、シール28が設けられ、例えば、それは平面シールであってもよい。第一の部位20と、磁界発生手段により形成されるボディとの間にも、シール27が設けられている。
【0049】
図例では、第二の部位22は、二つの構成部品から成り、Oリング18への力と、従って、可動エレメント2に対するシールを、良好に制御可能とする。
【0050】
各フランジ12.1、12.2を、組み立てがより容易で、シール28が不要なように、単一の部品で形成してもよい。
【0051】
従って、ハウジング4は、エレメント2と共に、流体密封スペース8を規定する。
【0052】
環状スペース8は、ロード社(Lord Corporation)により市販されるMRF-140CG等の、磁性流体の液体により充填されている。
【0053】
図1の図例では、磁界発生手段は、コイル30と、コイル30に配置される磁性材料のエレメント32とでそれぞれ形成される、四つの電磁石(図4)から成っている。この磁性材料のエレメント32は、以降で「コア」と呼ばれる。
【0054】
電磁石は、直径方向に対向して、二つずつ、可動エレメント2に対して、配置されている。各コイル30の軸は、可動エレメント2に対して放射状に配向され、発生した磁界の磁力線が、可動エレメント2の外側面に実質的に直交することが好ましい。この磁力線の直交配向は、可動エレメントの動きに抗する、せん断力を増す。
【0055】
図例では、コア32は、可動エレメント2のハウジングを直接規定し、磁性流体の液体が、コアに接する。この構造は、磁気回路のリラクタンスの低減を可能とする。そして、より良い小型化のために、供給電流とコイル線の直径とが、低減可能である。
【0056】
また、コアは、装置のボディを形成することが好ましく、これは、必要な部品、装置の大きさ、及びそのコストの低減を可能とする。そして、コアを収容するためのさらなるケースを設ける必要がなくなる。コアは、例えばフランジ12.1、12.2により、及び/または、ネジにより、共に固定される。そして、アセンブリは、シール剤により、例えばボディの外表面がシールされる。これは、コア間のシール挿入と、磁力線のガイドの妨害とを回避する。
【0057】
図例では、ボディは縦軸Xの平行六面体の矩形であり、正方形断面である。
【0058】
このボディは、軸Xのハウジング2を規定する。
【0059】
図例では、このボディは、それぞれコアを形成する、四つの等しいコーナー部位31で形成されている。部位31は、正方形断面の対角線でボディをカットすることにより、得られる。
【0060】
各コーナー部位31は、ボディの全高に亘って延びる。
【0061】
図3Bでは、コーナー部位31が斜視図で確認可能である。このコーナー部位は、ボディの外壁を形成するより大きな部位である第一の部分31.1と、ハウジング4を規定するより小さな部位である部分31.2とを含む。
【0062】
より小さな部位である部分31.2は、D4/2の湾曲半径を有する管状のコーナー部位で形成される面33を含む。そして、四つの面が、ハウジング4を規定する、閉じた円柱状の表面を形成する。
【0063】
各コイル30は、コアのより小さな部位である第二の部分31.2の回りに配置され、磁力線35がコア32によりガイドされる、磁界を生じることができる。
【0064】
図例では、コイルは、ハウジングの全高に亘って延びる。図3Cでは、可動エレメントに沿って互いに隣り合って配置される複数のコイル30を含む、コーナー部位31の実施形態の変形例が確認可能である。これらのコイルは、可動エレメントとハウジングの表面との間に含まれる磁性流体の液体において、強く、均一な磁束を生じる。
【0065】
これらのコイルは、電気的に直列で、磁気的に並列に取り付けられてもよく、これは、より小さい電流での動作を可能とする利点を有する。
【0066】
図5で確認できるように、磁力線35の経路は、次のようになる。磁力線は、コア30と、磁性流体の液体と、可動エレメント2と、再び磁性流体の液体と、隣接する二つのコアと、を介して巡回し、コアで閉じる。一つの同じコイルの磁力線35の一方は、図4において上方に位置するコイルによりガイドされ、他方は、下方にあるコイルによりガイドされる。
【0067】
コアの特有の形状により、磁気回路は閉じて、得られる磁束を、漏洩を避けて、非常に良好にガイドすることが可能となる。
【0068】
可動エレメントを囲むコアは、N極とS極とが交互であることが好ましい。
【0069】
コイルに対する極性の配向は、電流の循環方向に依存し、従って、電流の循環方向の反転により容易に反転可能であることから、図に示した極性は、単に例に過ぎずない。従って、電流の循環方向は、可動エレメントの周りで、極性が交互になるように選択されることが好ましい。
【0070】
可動エレメントの側に配置された各コアの極のみが図示され、しかしながら、明らかに、各コアは、周囲のコイルで電流が循環する際に、異極性の二つの極を含むことに留意されたい。
【0071】
N極からS極への磁力線の循環は、矢印で記されている。
【0072】
磁界は、液体の見掛け粘度を変更する。見掛け粘度の増加は、可動エレメント2とコアにより規定されるハウジング表面との間のせん断力を生じ、可動エレメントの直線運動と回転運動に抵抗する力を生じる。
【0073】
図5で確認できるように、磁力線は、可動エレメント2の表面に対して直交して配向され、可動エレメント2の表面に適用されるせん断力を増すことが好ましい。
【0074】
コアは、単体で、例えば鋳造により形成されてもよく、あるいは、金属シートの積み重ねで作られてもよいことは明白である。この場合、アセンブリは、さらに簡易化される。
【0075】
磁界発生手段の実施形態の他の例が、図6で確認できる。この例では、直径方向に二つずつが対向する、六つのコイル30と、六つのコア32とを含む。図例では、コアは、単体で作られている。六つ以上の電磁石を含む装置は、本発明の範囲を逸脱しない。
【0076】
この構造は、体積の低減、及び、三相電流の利用可能性の利点を有する。
【0077】
奇数の電磁石が設定されてもよい。また、二つのN極、または、二つのS極を、可動エレメントの周りで、隣り合って有することも、想定可能である。
【0078】
装置は、コイルに供給される電流を制御することによる、磁界発生手段の制御手段をも有する。用途に依存して、磁界の強度は、このエレメントまたは可動エレメント2に連結された外部メンバーの動きを表す、動作速度、または動作力等の、静的及び/または動的大きさの関数として、変更され得る。
【0079】
本発明によれば、急速かつ線形的に制御可能な同一の小型の装置において、線形ブレーキが、回転ブレーキに組み合わされる。また、この装置は、非常に高い、アクティブ力/パッシブ力比を有する。
【0080】
パッシブ力は、磁界がない状態、すなわち、電流によるコイルの活性化なしで、可動エレメントを動かすために必要な、外部力または外部トルクを意味する。この力は、例えば、可動エレメントとガイドリング及びOリングとの間の摩擦、及び、磁性流体の液体の粘性摩擦に起因する。アクティブ力は、磁界により生じる。
【0081】
装置が、磁界がない状態で、最も透過的であるように、できる限り小さいパッシブ力を得るとともに、可動エレメントに対して適用される広範囲の外部力に対向可能であるように、できる限り大きいアクティブ力を得ることが要求される。
【0082】
装置のパッシブ力と最大アクティブ力との間の比は、極(N及びS)と可動エレメントとの間の距離により、ある程度決定される。この距離を数マイクロメータに低減することにより、最大アクティブ力/パッシブ力の比を500以上にすることが可能である。
【0083】
単なる例として、図1に図示されるようなセミアクティブ装置の特性を、以下に述べる。
【0084】
装置は、131mmの高さ、73mmの幅及び奥行きを有する。
【0085】
可動エレメントの直径は28mmであり、ハウジングの直径は30mmであり、従って、電磁石の極と可動エレメントの表面との間の距離は、1mmである。
【0086】
コイルの巻数は、110である。
【0087】
その重量は、5kgである。
【0088】
電力は、40Wである。
【0089】
装置は、25Nのパッシブ力、及び、540Nの最大アクティブ力を、60msの応答時間で提供する。
【0090】
図11は、単一の電磁石を含むセミアクティブ装置の実施形態の例の、上面図を示している。
【0091】
この実施形態の例では、コア32は、四つの部分32.1から32.4により形成される、矩形断面のリングの形態である。コイル30は、第一の部分32.1の周りに巻かれている。ハウジング4は、第一の部分32.1に平行な第二の部分32.3に直接作られている。コア32は、単独で、閉磁気回路を形成する。
【0092】
この実施形態の例は、小型化されたシステムに対して、特に利点がある。
【0093】
図7では、図1の装置の変形例が確認でき、可動エレメント2が中空であり、第一に、せん断力が加わる可動エレメント2の表面を変更することなく装置の重量を低減することを可能とし、第二に、他の装置、例えば力センサー、または、可動エレメント2の端部に配置される機能エレメント用のケーブル、例えば、光学信号用のケーブル、または振動モーターによるアクティブ触覚フィードバック用のケーブル等を収容するためのスペースの開放を可能とする。
【0094】
図8Aでは、セミアクティブ装置の実施形態の他の例が確認でき、磁界発生手段が、N極及びS極、がそれぞれN及びSで示される、永久磁石34を含んでいる。
【0095】
図例では、永久磁石34は、コイル30及びコア32の各アセンブリに関連し、コイル内に配置される。永久磁石34の磁化は、永久磁石が生じる磁界の磁力線が、永久磁石が配置されるコイルの磁力線と実質的に同じ方向を有するようになされる。
【0096】
永久磁石34は、永久磁界を生じる。従って、磁性流体の液体の見掛け粘度は、コイルの電流がない状態で増加し、これにより、可動エレメント2の抑制力を生じる。そして、この装置は、普通にブロックされ、または、少なくとも普通に抑制される。
【0097】
この永久磁界は、コイルにより生じる磁界により、低減され、さらにキャンセルされ、または反対に強められ得る。
【0098】
永久磁石及びコイルの磁力線は、同じ方向であることが効果的である。コイルにおける電流の循環方向に関しては、磁界は互いに加算し合い、得られる磁界を増加し、または、磁界は互いに減算し合い、得られる磁界を低減し、さらにキャンセルする。
【0099】
永久磁石34は、コアにより規定される磁気回路の任意の場所に配置可能である。例えば、図8Aの装置の実施形態の変形例が、図8Bにおいて確認でき、この装置では、永久磁石34がコイル内に位置せずにコア間に配置され、装置の製造を簡易化する。
【0100】
この実施形態の例は、通常のブロック装置を提供する利点を有する。また、永久磁石の磁界とコイルの磁界とが同じ方向である場合、得られる磁界が、コイルのみにより生じる磁界よりも強いため、装置により生じる抵抗力を増やすことができる。あるいは、図1の装置のものと同じ抵抗力が供給されてもよく、この場合、磁界の一部が永久磁石により生じるため、この力を生じるエネルギーの消費量が低減される。
【0101】
図9は、可動エレメントの直進運動及び回転運動に抗する力の発生と、回転運動及び直進運動を生じることができる動力の発生との双方が可能な、装置40の実施形態の例を示す。この装置は、「アクティブ装置」と呼ばれる。
【0102】
装置40は、三つのステージを含む。第一のステージ42は、図1の装置Dに類似し、第二のステージ44及び第三のステージ46は、直進運動及び回転運動のアクチュエータを形成する。
【0103】
装置40は、ハウジング104に収容される可動エレメント102を含み、このハウジングは、第一のステージ42及び第二のステージ44並びに第三のステージ46により規定される。三つのステージ42、44、46は、軸Xに沿って配置され、第二及び第三のステージは、接触している。
【0104】
第二及び第三のステージは、図1の磁界発生手段の構造と同様の構造である。それぞれは、ハウジングを規定するコアをそれぞれ有する、四つのコイルを含んでいる。
【0105】
コイルの電力供給は、アクチュエータが機能する場合、第二のステージ及び第三のステージの極が、図8の図において、S極がN極の上にあり、またはその逆であるように、ある角度でオフセットするように成される。
【0106】
また、可動エレメント102は、アクチュエータにおいてスライド可能な部位48で磁化されている。この部位48は、異極性の、二つの隣接する軸ゾーンZ1、Z2を含む。
【0107】
図例では、第三のステージのゾーンZ1は、N極を形成し、第二のステージのゾーンは、S極を形成する。例えば、可動エレメント2のこの部位は、管状の形状の永久磁石で形成されてもよい。
【0108】
第一のステージ42のエレメント102の部位は、磁化されてはいないが、磁性材料である。
【0109】
第一の部位だけが、磁性流体の液体で充填される。例えば、第一のステージと第二のステージとの間に、シーリングガスケットが配置される。
【0110】
この装置の機能を、以降説明する。
【0111】
装置40は、図1の装置と同様に機能し、磁性流体の液体を通過する磁界を生じるコイルでの電流循環が、見掛け粘度の増加を生じ、従って、直進運動と回転運動双方に対する抵抗力を生じる。
【0112】
装置がアクチュエータとして機能する場合、可動エレメント102の回転が所望される際は、二つのステージの極に電力が供給され、コアの磁化が生じる。極が等しい場合、互いに反発して、エレメントは回転し、極が反対の場合、互いに引き合う。しかしながら、他のステージでは、極性は、π/2オフセットしており、これは、エレメント2の回転を生じる、二つの等しい対向する極が常に存在することを意味する。
【0113】
電流の方向は、所望の回転方向に関連して選択される。
【0114】
回転運動のために、二つのステージのコイルは、二つのステージが異極性を持つように、電力供給される。可動エレメント2の上昇が所望される場合、第二のステージの極性は、対向する可動エレメントのゾーンZ2に反発するSになり、第三のステージの極性は、ゾーンZ2と引き合うNになる。
【0115】
可動エレメントの下降が所望される場合、両ステージにおける電流の方向が反転される。
【0116】
この装置は、アクチュエータを形成するステージが、抑制を形成するステージと同じデザインであり、可動エレメントだけが変更されるため、製造が相対的に容易である。
【0117】
図10Aから図10Eは、本発明による装置の異なる適用例を示している。
【0118】
図10Aは、異なる適用で用いられ得る、セミアクティブ装置Dの実際の図を示している。可動エレメント2の二つの端部は、保護及び取扱容易のための管状のケース49に配置されているハウジングから突出して、確認することができる。
【0119】
図10Bは、図10Aのブレーキを用いた、自動車のシミュレータを示している。装置Dは、ブレーキペダル50の下方に配置され、可動エレメント2は、ブレーキペダル50と連結され、程度の差はあるが、ブレーキペダルの下降に抗する力を適用する。装置Dは、油圧制動回路の応答をシミュレートする。装置Dは、制動力をシミュレートするために、電子ブレーキを備える自動車に一体化されてもよく、油圧回路は、もっぱら万一の回路の不具合の場合に存在する。また、装置Dは、運転アシストに用いられてもよい。PADAS(“partially autonomous driving assistance system”、部分自律型運転アシストシステム)は、この場合、速度超過、または、先行車からの距離が短すぎる際に、触覚信号を生じてもよい。
【0120】
図10Cでは、二つの装置Dを用いたウェイトベンチ52が確認できる。このベンチは、二つの垂直バー56に沿って垂直方向にスライド可能に取り付けられ、スライドが二つのセミアクティブ装置Dを介して抑制される、ダンベルバー54と、可動エレメント2を形成する二つの垂直バー56とを含んでいる。この装置は、運動中の人によるバーの上昇に抗する力を生じることにより、既知のタイプのダンベルのディスクのウェイトをシミュレートする。シミュレートされるウェイトは、生じる磁界を増すことにより、容易に増すことが出来る。このウェイトベンチ52は、従来技術のものと比べて、取扱が容易であり、スペースを要しない。また、ウェイトベンチの使用者が、ウェイトの取り扱い中に怪我をすることがないため、特に安全である。
【0121】
このウェイトベンチの機能は、次の通りである。使用者は、ベンチ52に横になり、ダンベルバー54を握り、装置Dにより生じる抵抗力に抗して、ダンベルバーを上下に動かす。
【0122】
この装置は、垂直バーに沿う所与の位置にダンベルバーを保持可能とする、永久磁石を含むことが好ましい。
【0123】
図10Dでは、二つの装置D及びD′を直列で含み、四つの自由度を備える、アクティブノブ58が確認できる。
【0124】
ノブ58は、可動エレメント2に固定され、従って、ノブ58は、回転し、軸Xに沿って移動する。また、装置Dは、第二のエレメント2′に固定され、軸Xに垂直な軸Y周りに回転可能であり、この軸Yに沿ってスライド可能である。
【0125】
軸Xの周りと軸Xに沿う動きに抗する抵抗力が、装置Dの電磁石により生じ、軸Yの周りと軸Yに沿う抵抗力が、装置D′の電磁石により生じる。図例におけるスプリング60は、アセンブリを静止位置に保持するために設けられている。
【0126】
図10Eは、自動車に用いられることを目的とするブレーキを示し、可動エレメントは、一端部2.2を介して車輪のスタブアクスルに固定され、他端部2.1を介して車両のボディに固定される。この場合、磁界の強度の制御は、スプリングの圧縮をシミュレートすることにより、決定可能である。
【0127】
本発明の装置により、回転と直進の双方に対する抵抗力を、容易な方法かつ低減されたスペースで、生じることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0128】
【特許文献1】FR 2902538
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動エレメントの動きに対する抵抗力の発生が可能なセミアクティブ装置であって、
−円形断面を有する少なくとも一部分を備える縦軸(X)の該可動エレメント(2、102)、
−前記可動エレメント(2)が、前記可動エレメント(2)の該円形断面の部分を収容する縦軸(X)のハウジング(4)において、その軸(X)に沿う直進運動が可能であり、該軸(X)周りの回転運動が可能であるように、前記ハウジング(4)を規定するボディ、
−該環状空間における磁界発生手段、ここで、該磁界発生手段は、少なくとも一つの電磁石を含み、該少なくとも一つの電磁石が、コイル(30)と磁性コア(32)とを含み、該ハウジング(4)が、該磁性コア(32)に直接形成される、
−該磁界発生手段の制御手段、
−前記環状スペース(8)を閉じてシールするために、縦方向に前記ハウジングを規定する、二つの端部フランジ(12.1、12.2)、ここで各フランジ(12.1、12.2)は、前記可動エレメント(2)が、シール状態でスライドし回転する経路が備えられ、前記可動エレメント(2)の縦方向端部(2.1、2.2)が、該ハウジング(4)の外部に配置される、
−前記経路に配置され、前記可動エレメントとの摩擦によりシールを保証するシール手段、ここで、該ハウジングは、前記可動エレメント(2)と共に、シールされた環状スペースを規定する、
−該環状スペースを充填し、前記可動エレメント(2)の周りに環状の層を形成する、磁性流体の液体、
−前記ハウジング(4)における前記可動エレメント(2)のガイドリング(16)、ここで、該ガイドリング(16)は、前記ハウジングに固定されるとともに、前記可動エレメント(2)の前記円形断面の部分に接触し、該リングが前記環状スペース(8)の厚みを規定する、
を含む、セミアクティブ装置。
【請求項2】
生じた磁界が、前記可動エレメント(2)に対して半径方向に配向されるように、該コイル(30)が配向される、
請求項1に記載のセミアクティブ装置。
【請求項3】
前記環状スペース(8)が、実質的に一定の厚みを有する、
請求項1または2に記載のセミアクティブ装置。
【請求項4】
前記環状スペースが、200μmから2mmの間の厚みを有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項5】
前記可動エレメント(2)に対して二つずつ直径方向に対向する少なくとも一対の電磁石を含み、前記可動エレメント(2)の側方に配向された、直径方向に対向する電磁石の極が、異極性となるように、該制御手段が電流供給を制御する、
請求項1から4のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項6】
前記可動エレメント(2)に対して二つずつ直径方向に対向する少なくとも二対の電磁石を含む、
請求項5に記載のセミアクティブ装置。
【請求項7】
前記可動エレメントの側方に配向された各電磁石の前記極が、異極性の隣り合う電磁石の二つの極により囲まれるように、該制御手段が電流供給を制御する、
請求項6に記載のセミアクティブ装置。
【請求項8】
前記磁性コア(32)が、その全高に亘り、前記ハウジング(4)のコーナー部位をそれぞれ形成する湾曲面を含む、
請求項5から7のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項9】
前記セミアクティブ装置の前記ボディが、前記磁性コアにより直接形成される、
請求項1から8のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項10】
互いに固定されるコーナー部位の形態の複数の磁性コアを含む、
請求項9に記載のセミアクティブ装置。
【請求項11】
前記端部フランジが、前記磁性コアの固定を保証し、前記装置の前記ボディのシールが、前記コアの外表面に配置されるシール剤により得られる、
請求項10に記載のセミアクティブ装置。
【請求項12】
前記電磁石全ての前記コア(32)が、単一部品である、
請求項1から9のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項13】
前記電磁石のそれぞれの磁気回路の一つに配置される、少なくとも一つの永久磁石(34)を含む、
を含む請求項1から12のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項14】
前記可動エレメント(2)が、管である、
を含む請求項1から13のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置と、前記可動エレメントが通過するアクチュエータとを含む、アクティブ装置。
【請求項16】
前記アクチュエータが、前記可動エレメント(102)に対して直径方向に対向する少なくとも二つの電磁石を備えるステージ(44)と、前記可動エレメント(102)に対して直径方向に対向する少なくとも二つの電磁石を備える他のステージ(46)と、前記アクチュエータを通過し、軸方向に並ぶ異極性の二つのゾーン(Z1、Z2)を含む、前記可動エレメント(102)の部位とを含む、
請求項15に記載のアクティブ装置。
【請求項17】
自動車のシステムを制御する少なくとも一つのペダル(50)と、請求項1から14のいずれか1項に記載の少なくとも一つのセミアクティブ装置(D)と、を含み、前記可動エレメントが該ペダルに連結されて、該ペダルの動きに抗する力を適用する、
自動車の制御システム。
【請求項18】
操作者により取り扱われ、該操作者がコマンドを送信する、制御部材(58)、及び、請求項1から14のいずれか1項に記載の第一のセミアクティブ装置(D)と第二のセミアクティブ装置(D′)とを含み、該制御部材(58)が、前記第一のセミアクティブ装置(D)の可動エレメント(2)の一旦に取り付けられ、該エレメント(2)が、第一の軸(X)に沿って、及び、第一の軸(X)周りに可動し、該可動エレメント(2)が、前記第二のセミアクティブ装置(D′)の可動エレメント(2′)に固定され、該エレメント(2′)が、第二の軸(Y)に沿って、及び、第二の軸(Y)周りに可動し、前記第一の軸(X)と前記第二の軸(Y)とが直交し、前記制御部材(58)が、互いに直交する前記第一の軸(X)及び前記第二の軸(Y)に沿って、及び、前記第一の軸(X)及び前記第二の軸(Y)周りに可動する、制御システム。
【請求項1】
可動エレメントの動きに対する抵抗力の発生が可能なセミアクティブ装置であって、
−円形断面を有する少なくとも一部分を備える縦軸(X)の該可動エレメント(2、102)、
−前記可動エレメント(2)が、前記可動エレメント(2)の該円形断面の部分を収容する縦軸(X)のハウジング(4)において、その軸(X)に沿う直進運動が可能であり、該軸(X)周りの回転運動が可能であるように、前記ハウジング(4)を規定するボディ、
−該環状空間における磁界発生手段、ここで、該磁界発生手段は、少なくとも一つの電磁石を含み、該少なくとも一つの電磁石が、コイル(30)と磁性コア(32)とを含み、該ハウジング(4)が、該磁性コア(32)に直接形成される、
−該磁界発生手段の制御手段、
−前記環状スペース(8)を閉じてシールするために、縦方向に前記ハウジングを規定する、二つの端部フランジ(12.1、12.2)、ここで各フランジ(12.1、12.2)は、前記可動エレメント(2)が、シール状態でスライドし回転する経路が備えられ、前記可動エレメント(2)の縦方向端部(2.1、2.2)が、該ハウジング(4)の外部に配置される、
−前記経路に配置され、前記可動エレメントとの摩擦によりシールを保証するシール手段、ここで、該ハウジングは、前記可動エレメント(2)と共に、シールされた環状スペースを規定する、
−該環状スペースを充填し、前記可動エレメント(2)の周りに環状の層を形成する、磁性流体の液体、
−前記ハウジング(4)における前記可動エレメント(2)のガイドリング(16)、ここで、該ガイドリング(16)は、前記ハウジングに固定されるとともに、前記可動エレメント(2)の前記円形断面の部分に接触し、該リングが前記環状スペース(8)の厚みを規定する、
を含む、セミアクティブ装置。
【請求項2】
生じた磁界が、前記可動エレメント(2)に対して半径方向に配向されるように、該コイル(30)が配向される、
請求項1に記載のセミアクティブ装置。
【請求項3】
前記環状スペース(8)が、実質的に一定の厚みを有する、
請求項1または2に記載のセミアクティブ装置。
【請求項4】
前記環状スペースが、200μmから2mmの間の厚みを有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項5】
前記可動エレメント(2)に対して二つずつ直径方向に対向する少なくとも一対の電磁石を含み、前記可動エレメント(2)の側方に配向された、直径方向に対向する電磁石の極が、異極性となるように、該制御手段が電流供給を制御する、
請求項1から4のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項6】
前記可動エレメント(2)に対して二つずつ直径方向に対向する少なくとも二対の電磁石を含む、
請求項5に記載のセミアクティブ装置。
【請求項7】
前記可動エレメントの側方に配向された各電磁石の前記極が、異極性の隣り合う電磁石の二つの極により囲まれるように、該制御手段が電流供給を制御する、
請求項6に記載のセミアクティブ装置。
【請求項8】
前記磁性コア(32)が、その全高に亘り、前記ハウジング(4)のコーナー部位をそれぞれ形成する湾曲面を含む、
請求項5から7のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項9】
前記セミアクティブ装置の前記ボディが、前記磁性コアにより直接形成される、
請求項1から8のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項10】
互いに固定されるコーナー部位の形態の複数の磁性コアを含む、
請求項9に記載のセミアクティブ装置。
【請求項11】
前記端部フランジが、前記磁性コアの固定を保証し、前記装置の前記ボディのシールが、前記コアの外表面に配置されるシール剤により得られる、
請求項10に記載のセミアクティブ装置。
【請求項12】
前記電磁石全ての前記コア(32)が、単一部品である、
請求項1から9のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項13】
前記電磁石のそれぞれの磁気回路の一つに配置される、少なくとも一つの永久磁石(34)を含む、
を含む請求項1から12のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項14】
前記可動エレメント(2)が、管である、
を含む請求項1から13のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載のセミアクティブ装置と、前記可動エレメントが通過するアクチュエータとを含む、アクティブ装置。
【請求項16】
前記アクチュエータが、前記可動エレメント(102)に対して直径方向に対向する少なくとも二つの電磁石を備えるステージ(44)と、前記可動エレメント(102)に対して直径方向に対向する少なくとも二つの電磁石を備える他のステージ(46)と、前記アクチュエータを通過し、軸方向に並ぶ異極性の二つのゾーン(Z1、Z2)を含む、前記可動エレメント(102)の部位とを含む、
請求項15に記載のアクティブ装置。
【請求項17】
自動車のシステムを制御する少なくとも一つのペダル(50)と、請求項1から14のいずれか1項に記載の少なくとも一つのセミアクティブ装置(D)と、を含み、前記可動エレメントが該ペダルに連結されて、該ペダルの動きに抗する力を適用する、
自動車の制御システム。
【請求項18】
操作者により取り扱われ、該操作者がコマンドを送信する、制御部材(58)、及び、請求項1から14のいずれか1項に記載の第一のセミアクティブ装置(D)と第二のセミアクティブ装置(D′)とを含み、該制御部材(58)が、前記第一のセミアクティブ装置(D)の可動エレメント(2)の一旦に取り付けられ、該エレメント(2)が、第一の軸(X)に沿って、及び、第一の軸(X)周りに可動し、該可動エレメント(2)が、前記第二のセミアクティブ装置(D′)の可動エレメント(2′)に固定され、該エレメント(2′)が、第二の軸(Y)に沿って、及び、第二の軸(Y)周りに可動し、前記第一の軸(X)と前記第二の軸(Y)とが直交し、前記制御部材(58)が、互いに直交する前記第一の軸(X)及び前記第二の軸(Y)に沿って、及び、前記第一の軸(X)及び前記第二の軸(Y)周りに可動する、制御システム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【公表番号】特表2013−512395(P2013−512395A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540403(P2012−540403)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068041
【国際公開番号】WO2011/064213
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068041
【国際公開番号】WO2011/064213
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】
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