相反性に基づいたトレーニングを行うダウンリンクマルチユーザMIMOのためのスケジューリング及び送信の合同設計及び運用のための方法及び装置
【課題】本明細書では、ダウンリンクマルチユーザMIMO(MU−MIMO)のためのスケジューリング及び送信ための方法及び装置が開示される。
【解決手段】一実施形態では、方法は、時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを、異なる各ビンクラスに割り当てるステップを含み、各ビンクラスは、トポロジ全体にわたって、ユーザ端末が属する1つ又は複数のビンを含み、各ビンクラスに属する1つ又は複数のビン内のユーザ端末は、トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースのサブセットによってサービスされる。方法は、複数の基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行するステップも含み、1つ又は複数のビンクラスは、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの各々は、トポロジ全体にわたって、トレーニング及びMU−MIMO送信のスケジューリングの異なる組み合わせを使用する。
【解決手段】一実施形態では、方法は、時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを、異なる各ビンクラスに割り当てるステップを含み、各ビンクラスは、トポロジ全体にわたって、ユーザ端末が属する1つ又は複数のビンを含み、各ビンクラスに属する1つ又は複数のビン内のユーザ端末は、トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースのサブセットによってサービスされる。方法は、複数の基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行するステップも含み、1つ又は複数のビンクラスは、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの各々は、トポロジ全体にわたって、トレーニング及びMU−MIMO送信のスケジューリングの異なる組み合わせを使用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
[0001]本特許出願は、2010年11月4日に出願された、「Method and Apparatus for the Joint Design and Operation of Scheduling and Pilot−Reuse for Downlink Multi−user MIMO with Reciprocity−based Training」と題する、対応する特許仮出願第61/410212号の優先権を主張し、同特許仮出願を参照することにより組み込む。
【0002】
(発明の分野)
[0002]本発明の実施形態は、セルラ配備及びビヨンドセルラ(beyond−cellular)配備におけるダウンリンク(DL)マルチユーザMIMO(MU−MIMO)送信の分野に関し、より詳細には、本発明の実施形態は、配備のクラスに関し、それにおいてユーザ端末は、配備全体にわたって、ビンにグループ化され、アップリンクトレーニング及び関連するMU−MIMO送信方式は、配備全体にわたって、グループについて最適化された方法で選択される。
【0003】
(発明の背景)
[0003]ダウンリンク(DL)マルチユーザ多入力多出力(MU−MIMO)送信方法は、当技術分野でよく知られている。これらのDL MU−MIMO送信方法は、送信基地局(BS)におけるチャネルについての知識に依存し、又はより正確には、BSアンテナとこのBSが情報を送信しようとするユーザ端末(UT)との間のチャネルについての推定の有用性に依存する。その場合、このチャネル状態情報は、各UTが対象とする信号を復号できるように、送信に先立って、各UTに宛てた情報を「プリコード」するために使用される。
【0004】
[0004]必要なチャネル状態情報は、ワイヤレス媒体を介してパイロット(すなわち既知の特徴的な波形)を送信し、受信した波形に基づいて、これらのチャネルを推定することによって獲得される。その後、これらの推定は、MU−MIMOプリコーダ(すなわち送信方法)を生成するため、及びデータをUTに送信するために使用される。チャネルは時間(及び周波数)に伴って変化するので、トレーニングのプロセスは、ネットワーク全体にわたって、定期的に繰り返される。「パイロットオンパイロット(pilot−on−pilot)」方式と呼ばれるものでは、パイロット送信サイクルは、すべてのBSにわたって、時間的にそろえられるが、パイロットオンデータ(pilot−on−data)」方式では、与えられたBSのパイロット送信サイクルは、他のBSからのデータ送信と重なり合う。単一のトレーニングセッションに割り当てられた時間間隔(fraction of time)(又は時間−周波数スロット)が、パイロットトレーニングのために各BSに割り当てられるチャネル使用の数を左右する。この「パイロットトレーニング」信号空間の次元が、各トレーニングフェーズ中に伝達できる可能な直交(又は線形独立)パイロットの数に制約を与える。全ネットワークにわたって獲得する必要があるBS−UTチャネルの数が、各サイクルにおいてトレーニングのために割り当てられたチャネル使用を大きく上回る場合、又は同じことだが、パイロットトレーニングのために割り当てられた信号空間次元の数を大きく上回る場合、パイロットをネットワーク全体にわたって再利用しなければならない。
【0005】
[0005]送信BSにおいてチャネル推定を獲得するために、DL MU−MIMOで使用されるトレーニング方法には、2つのクラスが存在する。2つのクラスは、パイロットを送信する送信元によって効果的に区別される。FDDベースのトレーニング方式と呼ばれるものでは、BSと各UTの間のチャネルを推定するために、パイロットが最初にBSによって送信される。その後、各UTは、送信されたパイロットの測定値を収集し、自らのチャネルを推定する。その後、別の周波数帯域上の共用チャネルを介して、UTは、そのセル内のBSに、これらの推定を伝達(フィードバック)する。
【0006】
[0006]TDDベースのトレーニング方式と呼ばれるものでは、各UTからパイロットを送信することによって、各UTから送信BSへのチャネルについての推定が、BSにおいて直接的に獲得される。これらの方式は、「伝搬路可逆性(channel reciprocity)」の概念に依存しており、伝搬路可逆性とは、与えられた帯域及び与えられた時刻(time instance)におけるBSからUTへのチャネルと、おそらくは異なる帯域及びおそらくは異なる時刻におけるUTからBSへのチャネルとは、2つのチャネルの時刻及び周波数帯域の隔たりがそれぞれチャネルコヒーレンス(channel coherence)時間及び帯域幅の内にあるならば、同じである、又はより正確には相関があることを述べたものである。これらの方式は、1組のUTからアップリンクにおいてパイロットを送信し、BSにおいて測定値を収集し、これらの測定値に基づいて、BSにおいてBS−UTチャネルを推定し、その後、チャネルコヒーレンス時間内に、同じ帯域を介して、BSからUTへのMU−MIMO送信を実行することに依存する。
【0007】
[0007]パイロットの空間再利用率(spatial reuse factor)を低下させると、各トレーニングサイクル内で伝達する必要のあるパイロットの数が減少する。したがって、それは、パイロットオーバヘッドを減少させ、より多くのスロットをデータ送信のために使用することを可能にする。しかし、これらすべてのトレーニング方式において、パイロットを空間的に再利用する必要性は、チャネル推定品質を代償としてもたらされる。(1組の直交パイロットに属する)与えられたパイロットを用いて、BSとそのセル内のUTとの間のチャネルを推定することについて考察する。ネットワーク中の同じパイロットを使用するUTが、BSと対象のUTとの間の推定を妨害又は「汚染」する。一般に、干渉するUTが対象のBSに近いほど、「パイロット汚染レベル」も高くなる。結果として、パイロット空間再利用率の低下は、データ送信に専用される時間間隔を増加させるために、又は同時にトレーニングするユーザの数を増加させるために使用することができる。しかし、どちらのケースでも、パイロット空間再利用率の低下は、パイロット汚染のレベルも高め、ひいては、データ送信サイクルの効率を低下させることがある。
【0008】
[0008]TDDベースのトレーニングを行うDL MU−MIMO方式は、FDDベースのトレーニングと比べて、利点を提供できることが多い。特に、各アクティブセルにおいて、与えられたスケジューリングスロットt内で、一定数S(t)のユーザがサービスを受けると仮定する(ここで、スケジューリングスロットは、1組の時間−周波数スロットを含み、時間−周波数スロットは、1つ又は複数のRBを含む)。TDDベースのトレーニング方式では、S(t)を一定に保ちながら、BS当たりの送信アンテナの数を増加させても、トレーニング方式に変化はなく、したがって、トレーニングオーバヘッドも変化しない。他方、送信アンテナの数を増加させると、各セル内でMU−MIMO方式によってサービスされるS(t)人のユーザの各々にこの方式が提供するレートは、はっきりと改善される。そのようなレートの増加は、FDDベースのDL MU−MIMOのデータ送信部分においても存在するが、FDDでは、より大規模なアンテナアレイからの、そのようなよりスループットが高い送信は、トレーニングオーバヘッドの増加を代償としてもたらされる。
【0009】
[0009]スケジューリングスロット内でトレーニングのために割り当てられる時間−周波数スロットの数に制限が課されて、相反性に基づいたトレーニングを行うDL MU−MIMO方式は、高い正味のセルスループットを提供するために、大規模なアンテナアレイの使用を利用することができる。しかし、システムが適切に設計されない場合、この方式は、セルラ配備全体において、非常に不公平なユーザレート分布をもたらすことがある。
【0010】
[0010]任意の与えられたセルが、そのセル内のUTに、他のセルのパイロット割り当てとは独立して、ランダムにパイロットを割り当てる、基本的な状況について考察する。そのような状況では、UTのいずれか1つによって送信されるアップリンクパイロットは、パイロット汚染を経験し、その電力は、近隣セル内でこのパイロットを再利用するUTの所在位置(及び送信電力)に応じて、おそらくは広い範囲にわたる値をとることができる。より具体的に言えば、TDDベースのトレーニングを行うDL MU−MIMO方式では、近隣セル内でのパイロットの再利用によって引き起こされるパイロット汚染は、近隣セル内でどのUTに同じパイロットが割り当てられるかに強く依存する。特に、TDDベースのトレーニング方式によって獲得される、BSとそのセル内のUTとの間のチャネルの推定の品質は、以下の数量に依存する。
【0011】
・ UTからBSへの送信に影響を与える広域的な(large−scale)電力減衰と、有効パイロット送信電力。これらは、対象とするBSでのチャネル推定のために使用される測定信号内の「有用パイロット信号」成分の電力を左右する。
【0012】
・ (近隣セル内の)同じパイロットを再利用するUTから対象とするBSへの送信に影響を与える広域的な電力減衰と、これらのパイロットに関連する送信電力。これらは、対象とするBSでのチャネル推定のために使用される測定信号内の干渉又はパイロット汚染信号成分の電力を左右する。
【0013】
[0011]そのような広域的な信号強度量の値は、送信体と受信体の間の距離、シャドウイング、及び他の環境的な要因を含む、いくつかの要因によって影響される。これらの数量を知ることで、BSは、推定品質を最大化するようにチャネル推定を形成する際に、測定値を最適に使用することが可能になる。
【0014】
[0012]BSは、一般には、UTによって使用される各パイロットが経験する干渉レベルについての知識を所有することができない。その場合、控えめに推定を形成しなければならない(すなわち、可能な干渉レベルの中で、可能なうちで最も高いレベル又は非常に高いレベルを仮定しなければならない)。これは、チャネル推定品質の著しい低下をもたらすことがある。
【0015】
[0013]相反性に基づいたトレーニングを行うMU−MIMOを利用するアーキテクチャにおいて、所在位置の関数としてUTに提供されるレートにパイロット汚染が及ぼす影響について一定の理解を得るために、DL送信のための1つのよく知られたスケジューリング/トレーニングMU−MIMO方式について考察することには価値がある。この方式は、非常に単純な(ランダム)スケジューリング割り当てを使用する。この方式は、非常に単純な(ランダム)トレーニングシーケンス割り当ても使用する。スケジューリングスロット内の前半の時間−周波数スロットは、トレーニングに専用され、各アクティブセル内で、各ユーザにはランダムにトレーニングスロットが割り当てられる。この方式は、自明なMU−MIMOプリコーダにも依存する。特に、ダウンリンク送信中(スケジューリングスロットの後半)、BSは、各セル内のスケジュールされたユーザに宛てられた信号を線形に重ね合わせ、それらを送信する。スケジューリングスロット内の任意の与えられた時間−周波数スロットにおいて、任意の与えられたアンテナによって与えられたユーザに送信される信号は、このアンテナとUTアンテナの間のチャネル推定の共役が乗じられた、単なるスカラ符号化(scalar coded)UTストリームサンプルである。結果として、このプリコーダは、TXアンテナアレイと(同じ)UTアンテナの間のチャネル推定の共役であるプリコーディングベクトル/ビーム上で、各UTをスケジュールする。このプリコーダは、一般に線形単一ユーザビーム形成(LSUBF:linear single−user beamforming)プリコーダと呼ばれる。任意の与えられたUTのためのプリコーディングベクトルは、UTにおけるビーム形成であるビームとして単に選択される。特定のUTのためのビームを選択する際、このプリコーダは、「マルチユーザ」を考慮せず、又は提供しないことに、すなわち、システム内の他のUTへのビームによって引き起こされる干渉を考慮しないことに留意されたい。
【0016】
[0014]この方式は、再利用7(reuse−7)の非常に多くのアンテナを利用することによって、高いエッジユーザレート及びセンタユーザレートを可能にする。再利用7は非常に効率が悪いが、この方式では、エッジユーザレートをまずまずのレベルに引き上げることが必要である。このことを理解するために、再利用1(reuse−1)のシステムについて考察する。送信のために各セル内のユーザがランダムに選択され、各セル内でパイロットがランダムに再割り当てされるので、そのセル内のユーザから受信したBSでのパイロット強度は、近隣セル内の同じパイロットを使用するすべてのユーザから生じた、集約受信干渉電力よりも低くなる可能性がある。結果として、そのようなユーザについてのパイロット汚染レベルは、きわめて高く、事実上、これらのユーザに対するゼロレート送信をもたらす。
【0017】
[0015]そのような方式において、より高いパイロット再利用率(pilot reuse factor)を利用して、再利用1のセルラ送信を可能にしたとしても、そのような基本的なプリコーダの選択が、正味のセルスループットレートを制限することに留意されたい。特に、セルの中央にいるユーザの場合、マルチユーザ干渉も考慮したプリコーダを使用すると、性能が改善されることはよく知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
[0016]結果として、UT固有のトレーニング及び送信方式を使用することによって、セルラ配備及びビヨンドセルラ配備のためのTDDベースのDL MU−MIMO方式の性能を改善できる明らかな可能性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(発明の概要)
[0017]本明細書では、ダウンリンクマルチユーザMIMO(MU−MIMO)のためのスケジューリング及び送信ための方法及び装置が開示される。一実施形態では、方法は、時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを、異なる各ビンクラス(bin class)に割り当てるステップを含み、各ビンクラスは、トポロジ全体にわたって、ユーザ端末が属する1つ又は複数のビン(bin)を含み、各ビンクラスに属する1つ又は複数のビン内のユーザ端末は、トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースのサブセットによってサービスされる。方法は、複数の基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行するステップも含み、1つ又は複数のビンクラスは、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの各々は、トポロジ全体にわたって、トレーニング及びMU−MIMO送信のスケジューリングの異なる組み合わせを使用する。
【0020】
[0018]本発明は、また本発明の様々な実施形態についての、以下で与えられる詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろうが、それらは、本発明を特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、もっぱら説明及び理解のためのものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】一実施形態による、地理的な(経路損失に基づいた)ユーザビニング(user binning)を示す図である。
【図2】一実施形態による、時間−周波数平面がグループに分割され、各グループが異なるビンクラスにサービスすることを示す図である。
【図3】一実施形態による、特定のビンクラスにサービスする帯域内におけるセルラ送信を示す一例を示す図である。
【図4】一実施形態による、再利用1のセルラ線形単一ユーザビーム形成(LSUBF)に対応する、(1,1,0)方式を示す図である。
【図5】一実施形態による、再利用2のセルラLSUBFに対応する、(2,1,0)方式を示す図である。
【図6】一実施形態による、再利用1のセルラ線形ゼロ強制ビーム形成(LZFBF:Linear Zero−Forcing Beamforming)に対応する、(1,1,1)方式を示す図である。
【図7】一実施形態による、再利用2のセルラLZFBFに対応する、(2,1,1)方式を示す図である。
【図8】一実施形態による、最も近いセルの干渉無効化を行う、再利用1のセルラLZFBFに対応する、(1,1,2)方式を示す図である。
【図9】一実施形態による、再利用2の(2セル)クラスタLZFBFに対応する、(2,2,2)方式を示す図である。
【図10】一実施形態による、最も近い2つのBSからの送信に対して干渉無効化を行う、再利用1のクラスタLZFBF送信に対応する、(1,2,2)方式を示す図である。
【図11】一実施形態による、LZFBF送信を用いるセルラ「FFRタイプ」方式を示す図である。
【図12】セルのトポロジを有するワイヤレス通信ネットワークのダウンリンクにおいて通信を行うためのプロセスの一実施形態のフロー図である。
【図13】基地局のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(本発明の詳細な説明)
[0019]本発明の実施形態は、セルラ配備及びビヨンドセルラ配備における、ダウンリンク(DL)マルチユーザMIMO(MU−MIMO)送信に関する。本発明の実施形態は、DL MU−MIMO送信を実行するためのアーキテクチャ選択肢からなるパレット(palette)の使用に依存する。各アーキテクチャは、セルラのトポロジ全体にわたって、トレーニング及び送信の合同スケジューリングを可能にする。一実施形態では、各アーキテクチャは、1つ又は複数のBS(又はRAU)上で動作する、それ独自のMU−MIMOプリコーディング方式と、それ独自の(セル又はクラスタ)再利用率と、それ独自のアップリンクトレーニング方式とによって特徴付けられる。一実施形態では、トレーニング方式は、特に、トポロジ全体にわたって、UTパイロットトレーニングセットのサイズと、パイロット再利用率と、パイロット再割り当て方法(のための規則)とによって自己特徴付けされる。
【0023】
[0020]本発明の実施形態は、ビンクラスの使用を利用し、1つ又は複数のビンクラスは、DL MU−MIMO送信アーキテクチャのうちの各アーキテクチャと関連付けられる。ビンクラスの概念は、同時送信のための、UTセットのトポロジ全体にわたる、(地理的情報及び/又は他のゆっくり変化する公称信号強度情報に基づいた)効率的なビニング又は「ペアリング」を可能にする。このように、いくつかのビンクラスが形成され、ビンクラスの間で、スケジューリングスロットリソースが分配される。単一のビンクラスに割り当てられたリソースのグループ内では、(トポロジ全体にわたる)このビンクラスに属するユーザだけが、スケジュールされ、サービスされる。この方式の利点は、各ビンクラスは、与えられたビンクラスについて最適化できるアーキテクチャによって、割り当てられたリソース上で独立してサービスされることである。ビンクラスを適切に形成することによって、合同送信のためにビンクラスからUTグループをシステマティックに選択することによって、及びクラスについて最適化されたアーキテクチャによって合同DL MU−MIMO送信を実行することによって、高いエッジ及びセルスループット性能を有する、効率的なセルラ方式及びビヨンドセルラ方式を可能にすることができる。
【0024】
[0021]本発明の実施形態は、同時送信のために、配備全体にわたるセル(又はセルのクラスタ)内のUTのグループをシステマティックにスケジュールするために、ユーザ端末(UT)と基地局(BS)又はリモートアンテナユニット(RAU)の間の、地理的情報及び/又はゆっくり変化する公称受信信号強度情報の使用を利用する。一実施形態では、同時送信は、配備全体にわたってグループについて最適化された方法で選択された、アップリンクトレーニングメカニズムと、関連するMU−MIMO送信方式とを含む。したがって、この方式は、アップリンクトレーニングのためのパイロット割り当てを可能にすることと結び付けられた、UT/地理的所在位置について最適化されたMIMOプリコーダの使用を可能にする。
【0025】
[0022]以下の説明では、本発明についてのより完全な説明を提供するために、多くの詳細が説明される。しかし、本発明がこれらの特定の詳細を用いずに実施できることは、当業者には明らかであろう。他の場合には、よく知られた構造及びデバイスは、本発明を曖昧にしないように、詳細にではなく、ブロック図形式で示される。
【0026】
[0023]以下の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに施される操作についてのアルゴリズム及び記号表現によって提示される。これらのアルゴリズムによる説明及び表現は、自らの仕事の内容を他の当業者に最も有効に伝えるために、データ処理分野の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムは、ここでは、また一般的にも、所望の結果に到る自己矛盾のないステップの系列であると理解されている。ステップは、物理量の物理的操作を必要とするようなステップである。必ずしも必要ではないが、通常は、これらの量は、保存、伝送、組み合わせ、比較、及び他の操作が可能な、電気的又は磁気的な信号の形態をとる。時には、主として共通使用の理由で、これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、項、又は数などと呼ぶことが便利であると分かる。
【0027】
[0024]しかし、これらの用語及び類似の用語は、適切な物理量に関連付けられるべきであり、これらの量に添付された便利なラベルにすぎないことに留意されたい。別途具体的に述べられない限り、以下の説明から明らかなように、説明の全体にわたって、「処理する」又は「計算する」又は「算定する」又は「決定する」又は「表示する」などの言葉を利用する説明は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子的)量として表されるデータを操作及び変換して、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ、又はそのような情報を保存、送信、若しくは表示するデバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変える、コンピュータシステム又は類似の電子的コンピューティングデバイスの動作及び処理に言及していることが理解される。
【0028】
[0025]本発明は、本明細書の操作を実行するための装置にも関する。この装置は、必要な目的のために特別に構成することができ、又はコンピュータ内に保存されたコンピュータプログラムによって選択的に起動若しくは再構成される汎用コンピュータを含むこともできる。そのようなコンピュータプログラムは、フロッピディスク、光ディスク、CD−ROM、及び磁気光ディスクを含む任意のタイプのディスク、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光カード、又は電子的命令を保存するのに適した任意のタイプの媒体などの、しかしそれらに限定されない、コンピュータ可読記憶媒体内に保存することができ、各媒体は、コンピュータシステムバスに結合される。
【0029】
[0026]本明細書で提供されるアルゴリズム及び表示は、いずれか特定のコンピュータ又は他の装置と本質的な関連はもたない。本明細書の教示に従ったプログラムとともに、様々な汎用システムを使用することができ、又は必要な方法ステップを実行するために、より特殊化した装置を構成するほうが便利であると分かることもある。様々なこれらのシステムに必要な構造は、以下の説明から明らかとなろう。加えて、本発明は、いずれか特定のプログラミング言語を参照して説明されない。本明細書で説明される本発明の教示を実施するために、様々なプログラミング言語を使用できることが理解されよう。
【0030】
[0027]機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータ)によって可読な形式で情報を保存又は伝送するための任意のメカニズムを含む。例えば、機械可読媒体は、リードオンリメモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなどを含む。
【0031】
(全般的な概要)
[0028]本発明の実施形態は、互恵性に基づいたトレーニングを行う、セルラ配備及びビヨンドセルラ配備における、スケジューリング、トレーニング、及びMU−MIMO送信のための方法を対象とし、これらのネットワークのダウンリンクにおいて、スペクトル効率の高い送信を可能にすることができる。本発明の実施形態は、カバレージエリア内のUTに同時に送信する、送信(コロケート(collocated)又は非コロケート(non−collocated))アンテナの組を含む、環境に適用可能である。本明細書で開示される方法は、各送信リソースブロック(RB)内で、アンテナのクラスタからの合同送信を制御する基地局(BS)コントローラが、送信のためにUTのサブセットをスケジュールし、(UT毎に1つ又は複数の)複数の空間ストリームを生成し、それらを重ね合わせてから、マルチユーザ多入力多出力(MU−MIMO)送信方法と一般に呼ばれる方法を使用して、複数の空間ストリームを同時に送信する、ケースにも適用可能である。
【0032】
[0029]本発明の実施形態は、セルラのトポロジ全体にわたって、ユーザのビニング(binning)を行い、それらをビンクラスに仕分けるという考えに依存し、各ビンクラスには、トポロジ全体にわたって適用される、ビンクラス固有のトレーニング及びMU−MIMO送信方式による送信のために、時間−周波数リソースの一区画が割り当てられる。本発明の実施形態は、最初に各UTをビンクラス内のビンに割り当てるために、UTとBS(又はRAU)の間の、地理的情報及びおそらくはゆっくり変化する受信信号強度情報の使用を活用する。その後、各ビンクラスは、残りのビンクラス送信から干渉を受けることなく、利用可能なリソースの一区画上でサービスを受ける。単一のビンクラスに割り当てられたリソース内に存在するスケジューリングスロット内で、ビンクラス内のUTのグループが、配備全体にわたって選択され、スケジュールされたUTセットに同時に送信するために、ビンクラス固有のトレーニング及びダウンリンクMU−MIMOプリコーディング操作が、トポロジ全体にわたって使用される。加えて、アップリンクトレーニングのために使用されるパイロット割り当ては、スケジュールされたUTグループのために、パイロット汚染について最適化することができる。一実施形態では、これは、2011年4月6日に出願された、「Method and Apparatus for the Joint Design and Operation of Pilot−Reuse Methods in Reciprocity−Based Training Schemes for Downlink Multi−User MIMO」と題する、米国特許出願第13/081373号で説明されているように実行される。
【0033】
[0030]本明細書で開示されるように、ユーザは、好ましいビン/アーキテクチャクラスにビニングされ、各ビンクラスは、多くの可能なアーキテクチャの1つに関連付けられ、各アーキテクチャは、プリコーダ、再利用率、パイロット再利用率、及び各セル(又はクラスタ)内で同時にサービスを受けることができるユーザの(最大)数からなる一意的な組に対応する。一般に、ビンクラス内のユーザのスケジューリングは、例えば、ラウンドロビン方式で、(最大で)事前に最適化された数までのユーザを選択し、選択されたすべてのユーザに対して同時にアップリンクトレーニングを実行し、その後、それらのユーザのすべて又は一部を(例えばスケジューリング基準を用いて)スケジュールすることによって、実行することができる。
【0034】
[0031]一実施形態では、ユーザ端末を有する、ワイヤレス通信情報のためのワイヤレス通信システムは、トポロジ内のセル内に配置された複数の基地局と、基地局コントローラとを含む。基地局コントローラは、時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを、異なる各ビンクラスに割り当てることによって、複数の基地局の合同送信を制御し、各ビンクラスは、トポロジ全体にわたって、ユーザ端末が属する1つ又は複数のビンを含み、各ビンクラスに属する1つ又は複数のビン内のユーザ端末は、トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースのサブセットによってサービスされる。基地局は、基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行し、1つ又は複数のビンクラスは、ビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、各ビンクラス依存のアーキテクチャは、そのビンクラスのために、トポロジ全体にわたって、スケジューリング及びMU−MIMO送信の異なる組み合わせを使用する。
【0035】
[0032]以下では、サンプルとなる1組の実施形態が、それらの潜在的な利点と併せて説明される。実施形態は、例えば、図1に示されるような、BSの1次元(1D)線形トポロジに関連して説明される。しかし、本発明の実施形態がすべてのトポロジに適用可能であり、1D線形トポロジに限定されないことは、当業者であれば理解されよう。
【0036】
[0033]図1は、一実施形態による、地理的な(経路損失に基づいた)ユーザビニングを示している。図1を参照すると、第b番目のセルは、[b−1/2,b+1/2)の広がりを有し、BS bは、bに配置される。説明の目的で、「高速フェージングを伴う経路損失」チャネルモデルを対象とするが、そうすると、(BS又はリモートアンテナユニット(RAU)の)TXアンテナとUTアンテナの間の公称受信信号強度は、2つのアンテナの間の経路損失に等しく、この経路損失値は、単に2つのアンテナ間の距離の関数である。この場合、本発明の実施形態は、地理的所在位置について最適化されたスケジューリング/トレーニング及び送信と見なすことができる。
【0037】
[0034]一実施形態では、各セルは、あるK>1として、2K個のビンに分割される(各サイズは例えば1/2K)。k=1,2,...,2Kとして、(k,c)は、図1に示されるように、セルc内の第k番目のビンを表すとする(左から右に(1,c)、(2,c)、...、(2K,c)と列挙される)。ビンクラスkは、すべてのcにわたる、すべてのビン(k,c)によって形成され、トポロジ全体にわたる(セル)ビンクラスk内のユーザは、例えば、図2に示されるように、時間−周波数スロットのサブセット上において合同でサービスされる。
【0038】
[0035]図2を参照すると、時間−周波数(TF)平面は、スロットのグループに分割され、各グループは、特定の(異なる)ビンクラス内のユーザにサービスを行うために、トポロジ全体にわたって使用される。特に、特定のビンクラスにサービスを行うスケジューリングスロット内で、同時アップリンクトレーニング及びDL MU−MIMO送信のために、ビンクラス内のビンからユーザが選択される。すなわち、与えられたビンクラスにサービスを行う時間−周波数スロットのグループ内では、与えられたビンクラスに関連付けられたビン内に存在するユーザだけが、トポロジ全体においてサービスを受ける。本明細書で提供される説明では、簡潔にするため、各スケジューリングスロット内では、一定数LTの時間−周波数スロットが、トレーニングのために割り当てられることが仮定されるが、実際には、この数も、最適化変数とすることができる。
【0039】
[0036]一実施形態では、ユーザは、ビンに仕分けられ、ビンは、トポロジ全体にわたって、ビンクラスを形成するために使用される。各ビンクラス(すなわち、ビンクラス内のビンに包含されるUT)には、利用可能な時間−周波数リソースの一区画が与えられ、時間−周波数リソースのこの区画上でビンクラスにサービスを行うためのアーキテクチャが、(例えば事前に)選択される。一実施形態では、利用可能な時間−周波数リソースの割り当ては、基地局と通信可能に結合された、基地局コントローラ(例えば、図1及び図3〜図11の基地局コントローラ)によって実行される。一代替実施形態では、基地局コントローラとは別個の割り当てユニットが、割り当てを制御する。一実施形態では、コントローラが、時間−周波数スロットから、サービスを受けるビンクラスへのマッピングを指定する。一実施形態では、ビンクラス毎に、コントローラは、使用されるアーキテクチャ(サービスを受けるユーザの数、プリコーダ、パイロットシーケンスを含み、これらすべては原則的に基地局固有とすることができる)も指定する。また、周波数が再利用される、ビンクラスに割り当てられた1組の時間−周波数スロット内では、コントローラは、BSがその間に送信を行うスロットのサブセットを指定することができる。同様に、クラスタ送信ケースにおける一実施形態では、コントローラは、スロットのサブセットとBSクラスタとの間のマッピングも指定する。
【0040】
[0037]一実施形態では、アーキテクチャは、例えば、利用可能なアーキテクチャ選択肢のパレットから選択される。一実施形態では、アーキテクチャのパレットは、3つ組(F,C,Z)と、パイロット再利用率Qとによって表すことができるセルラアーキテクチャ及びクラスタアーキテクチャを含み、ここで、
・ Cは、協調的送信に係わるBSの数を表し(C=1は、セルラに対応し、C>1は、クラスタ送信に対応する)、
・ Fは、アーキテクチャ(セルラ又はクラスタ)再利用率を表し、
・ Zは、任意の与えられたUTがそこからの干渉を経験しない(最も近い)BSの数を表す。
【0041】
[0038]一実施形態では、パレットは、セルラアーキテクチャ(C=1)を含むだけであり、2K個のビンクラスが定義され、第k番目のビンクラスは、集合Xk={(k,c);cはすべてのcにわたる}内のビンとして規定される。結果として、セルラアーキテクチャのパレットは、集合Xk={(k,c);cはすべてのcにわたる}内のビンの1つに包含されるすべてのUTにサービスを行うための選択肢と見なされる。一実施形態では、任意の与えられたセルラアーキテクチャは、再利用率Fと、配備全体にわたってパイロットを地理的に再割り当てするための方法と一緒にされた、パイロット再利用率Qと、それ独自のMU−MIMOプリコーダとによって特徴付けられる。
【0042】
[0039]図3は、特定のビンクラスにサービスを行う帯域内におけるセルラ送信を示す一例を示している。図3を参照すると、各セル内では、(このスケジューリングスロット上でサービスを受けるビンクラスに属する)ビンからS人のユーザがスケジュールされる。相互依存に基づいたトレーニングが実行され、続いて、DL MU−MIMOセルラ送信が実行される。破線は、セル間干渉を表し、実線は、ビン内のユーザに有用な信号を含む送信を表すことに留意されたい。
【0043】
[0040]図4〜図8は、本発明の異なる実施形態による、いくつかのそのようなセルラ(F,1,Z)タイプのアーキテクチャを示している。図4、図6、及び図8は、特に、再利用1のアーキテクチャ(すなわちF=1)を示しており、そのプリコーダは、プリコーダが満たすことを求められるゼロ強制制約に関して様々である。図5及び図7は、それぞれ、図4及び図6のアーキテクチャの再利用2のバージョンに対応する。すべての図において、ビンクラスは、変数「x」によって暗黙的に識別され、変数「x」は、セルビンの中央とセルBS(又は等価的にセルの中央)との間の距離を表すことに留意されたい。
【0044】
[0041]図4は、一実施形態による、再利用1のセルラ線形単一ユーザビーム形成(LSUBF)に対応する、(1,1,0)方式を示している。図4を参照すると、各セル内では、(サービスを受けるビンクラスに属する)ビン内のS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。アップリンクトレーニングの後、基地局bは、LSUBFプリコーダを用いて、データストリームをS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。
【0045】
[0042]図5は、一実施形態による、再利用2のセルラLSUBFに対応する、(2,1,0)方式を示している。図5を参照すると、ビンクラスにサービスを行う2つの各帯域内では、セルの半分(奇数セル又は偶数セル)がアクティブである。帯域内のアクティブセルb毎に、各スケジューリングスロットにおいて、(サービスを受けるビンクラスに属する)ビン内のS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。アップリンクトレーニングの後、基地局bは、LSUBFを用いて、データストリームをS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。
【0046】
[0043]一実施形態では、与えられた(F,1,Z)方式のプリコーダが各セル内でサービスできるユーザの数Sは、1からSmaxまでの範囲を有することができるパラメータであり、ビンクラス毎に、すなわち、集合Xk毎に独立して最適できることに留意されたい。任意の与えられたセル内で同時にスケジュールできるユーザの最大数Smaxは、Smax≦floor(LT/Q)によって与えられ、ここで、floor(x)は、xを超えない最大の整数を表す。しかし、Smaxは、特定のプリコーダのCSI要件に間接的に依存することに留意されたい。例えば、(例えば図6における)与えられたアクティブセル内でLZFBFを動作させるには、セル内のスケジュールされたS個のUTの各々とセルBSとの間のCSIが必要とされる。セルセンタのユーザ(例えば、ビンクラスXK、XK+1内のユーザ)の場合、再利用率Fに係わらず、Q=1のパイロット再利用率で十分なことがあり、LZFBFのために、条件S≦Smax=max{LT,M}をもたらし、Mは、BSアンテナの数を表す。もちろん、XK及びXK+1にサービスを行うために、任意のQ≧1を使用することができ、S≦Smax=max{floor(LT/Q),M}をもたらす。例えば、Q=2を用いるトレーニング方式は、Q=1を用いるシステムよりも良好なCSIをもたらす。しかし、それは、同時にスケジュールされるユーザの最大数を、ひいては、提供される多重化利得を制限することもある。どのQ値が好ましいかは、検討されるアーキテクチャ、ビンクラス、並びに特定のM値及びLT値に依存する。一例として、LZFBFを使用する再利用1のアーキテクチャ(すなわち図6のアーキテクチャ)を用いるセンタユーザを考える。MがLTに対して十分に小さい場合、すなわち、M≦LT/2である場合、パイロット再利用がQ=1及びQ=2の両方について、Smax=Mである。パイロット再利用がQ=1である場合のユーザの最適数Sを与えた場合、Q=2のシステムも、同数Sのユーザをスケジュールすることができ、より優れたチャネル推定のため、ユーザがS人である場合には、より高い性能をもたらす。結果として、Q=1に代わって、Q=2の方が好ましい。しかし、M>LTである他方の極限では、Q=1の方式は、Q=2の方式よりも、最大で2倍のユーザをスケジュールすることができる。そのようなケースでは、ビンレートの最大化に関しては、Q=1を使用するのが、通常はより良い選択である。
【0047】
[0044]本発明の実施形態は、異なるビンクラスにサービスする際に、異なる再利用率を使用することを可能にする。例えば、図6及び図7のアーキテクチャのどちらかで、LZFBFを用いて、ユーザにサービスすることを考える。図6は、一実施形態による、再利用1のセルラ線形ゼロ強制ビーム形成(LZFBF)に対応する、(1,1,1)方式を示している。図6を参照すると、各セル内では、(サービスを受けるビンクラスに属する)ビン内のS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。アップリンクトレーニングの後、基地局bは、LZFBFプリコーダを用いて、データストリームをS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。LZFBFプリコーダによって実施されるゼロ強制条件のため、ビン内のサービスを受ける各UTは、サービング基地局によって送信された、他のUTに宛てた信号からの干渉を経験しないことに留意されたい。
【0048】
[0045]図7は、一実施形態による、再利用2のセルラLZFBFに対応する、(2,1,1)方式を示している。図7を参照すると、ビンクラスにサービスを行う2つの各帯域内では、セルの半分(奇数セル又は偶数セル)がアクティブである。帯域内のアクティブセルb毎に、任意の与えられたスケジューリングスロットにおいて、(サービスを受けるビンクラスに属する)ビン内のS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。アップリンクトレーニングの後、基地局bは、LZFBFプリコーダを用いて、データストリームをS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。ゼロ強制のため、ビン内のサービスを受ける各ユーザは、サービング基地局によって他のUTに送信された、信号からの干渉を経験しない。
【0049】
[0046]したがって、図6及び図7において、LZFBFを用いてユーザにサービスを行うことに関して、エッジユーザ、例えば、ビンクラスX1、X2K内のユーザの場合、再利用1のアーキテクチャは、低いSINRをもたらし、ひいては、低いユーザ当たりレートをもたらす。このことは、近隣送信局からの高いレベルの干渉のため、高いパイロット再利用を用いた場合でさえも成り立つ。図7の再利用2のアーキテクチャは、(各帯域上でクラス内の1つおきのビンにしかサービスを行わないので)多重化利得を1/2に低下させるが、各アクティブセルに隣接するセルからの送信がオフにされるという事実は、再利用1のケースと比べて、著しく改善されたエッジユーザSINRをもたらす。他方、センタユーザの場合、図7の再利用2のアーキテクチャによって提供されるSINRの改善よりも、再利用率が2であることによる多重化利得の低下の方が強く作用するので、図6の再利用1のアーキテクチャの方が好ましい。
【0050】
[0047]一実施形態では、再利用1及び再利用2のLZFBFアーキテクチャだけが、トポロジ内ですべてのユーザにサービスを行うための選択肢として検討される。送信リソースは、2K個の部分に分割され、第k番目の部分は、ビンクラスkにサービスを行うために使用される。kをmがある値である{K−m+1,...,K,K+1,...,K+m}内の各値として、ビンクラスkは、再利用1のLZFBFアーキテクチャ、すなわち、(1,1,1)を用いたサービスを受け、残りのビンクラスは、再利用2のLZFBFアーキテクチャ、すなわち、(2,1,1)を用いたサービスを受ける。一実施形態では、各アーキテクチャ及びパイロット再利用方式によってスケジュールされるユーザの数は、ビンクラス毎に(オフライン最適化を用いて)最適化される。パイロットは、アクティブセル毎に、ランダムに再割り当てすることができ、又は2011年4月6日に出願された、「Method and Apparatus for the Joint Design and Operation of Pilot−Reuse Methods in Reciprocity−Based Training Schemes for Downlink Multi−User MIMO」と題する、米国特許出願第13/081373号において説明されているような技法を利用することができる。
【0051】
[0048]図8は、一実施形態による、最も近いセルの干渉無効化を行う、再利用1のセルラLZFBFに対応する、(1,1,2)方式を示している。図8を参照すると、各セル内では、(サービスを受けるビンクラスに属する)ビン内のS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。アップリンクトレーニングの後、基地局bは、最も近い隣のセルのサービスを受けるユーザに対する干渉制約も課されて、LZFBFプリコーダを用いて、データストリームをS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。ゼロ強制のため、ビン内のサービスを受ける各ユーザは、2つの最も近い基地局から他のUTに送信された信号からの干渉を経験しない。
【0052】
[0049]ビニングクラスは、他の形態をとることもできる。図9及び図10は、トポロジ全体にわたって、一体となった「ビンクラスタ」にサービスを行う、2つのクラスタアーキテクチャを示している。これらのケースでは、ビンクラスは、ビンのクラスタの集まりに対応する。特に、BS b及びb+1から成るBSのクラスタをクラスタbによって表すと、ビンクラスは、k=1,...,Kとして、[k,b]={(2K−k+1,b),(k,b+1)}の形のビンの対によって形成される、すべてのクラスタビンを含む。第k番目の(クラスタ)ビンクラスは、[k,b]の形のすべてのクラスタビンの集まりに対応する。セルラのケースと同様に、図9及び図10では、サービスを受けるビンクラスは、変数「x」によって暗黙的に識別され、変数「x」は、クラスタビン内の左セルビンの中央と左セルBS(又は等価的に左セルの中央)との間の距離を表す。しかし、1/2<x<1/2である、セルラケースとは異なり、クラスタケースでは、0≦x<1/2である。図9及び図10は、これらのクラスタケースにおいて、UTを選択し、パイロットを割り当てる際の、追加の1組の潜在的な制約も暗示している。
【0053】
[0050]図9は、一実施形態による、再利用2の(2セル)クラスタLZFBFに対応する、(2,2,2)方式を示している。図9を参照すると、ユーザは、BSのクラスタによってサービスされ、クラスタbは、BS b及びb+1を含む。ビンクラスにサービスを行う2つの各帯域内では、クラスタの半分(奇数クラスタ又は偶数クラスタ)がアクティブである。すなわち、ビンクラス「x」がサービスを受ける場合、S=S(x)人のユーザが、各アクティブクラスタから選択される。帯域内でアクティブである各クラスタb内では、(サービスを受けるクラスに属する)第b番目の「クラスタビン」からS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。特に、S人のユーザが選択され、クラスタビンを構成する、セルb内のセルビンとセルb+1内のセルビンの間で均等に仕分けられる。さらに、アップリンクトレーニングに関して、任意の与えられたパイロットシーケンスは、アクティブクラスタの左セルビン内のUTだけに、若しくは右セルビン内のUTだけに割り当てることができ、又は再割り当てが行われるたびに、左セルのUTと右セルのUTの間で交互に割り当てることができる。アップリンクトレーニングの後、クラスタbは、LZFBFプリコーダを用いて、データストリームをクラスタ内のS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。ゼロ強制のため、サービスを受ける各ユーザは、最も近い2つの(すなわちそのサービング)BSによって他のUTに送信される信号からの干渉を経験しない。
【0054】
[0051]図10は、一実施形態による、最も近い2つのBSからの送信に対して干渉無効化を行う、再利用1のクラスタLZFBF送信に対応する、(1,2,2)方式を示している。図10を参照すると、各クラスタ内では、サービスを受けるビンクラスのクラスタビン内の(2つのセルの間に均等に仕分けられた)S人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。図9の実施形態と同様に、アップリンクトレーニングに関して、任意の与えられたパイロットシーケンスは、アクティブクラスタの左セルビン内のUTだけに、若しくは右セルビン内のUTだけに割り当てることができ、又は再割り当てが行われるたびに、左セルのUTと右セルのUTの間で交互に割り当てることができる。一実施形態では、左ビンから選択されたUTと右ビンから選択されたUTは、例えば、同じに(又はほぼ同じに)なるように、事前に決めておくことができる。アップリンクトレーニングの後、クラスタbは、LZFBFプリコーダを用いて、データストリームをクラスタ内のS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。サービスを受ける各ユーザが、そのサービングクラスタのBSによって送信される信号からの干渉を経験しないことを保証するために、各プリコーダは、近隣セル内のスケジュールされたUTのBS−UTチャネルに対する追加のZF制約が課されて設計される。
【0055】
[0052]一実施形態では、セルラアーキテクチャ及びクラスタアーキテクチャのパレットを考慮して、ビンは、「セルビンクラス」及び「クラスタビンクラス」に分類することができる。セルビンクラスは、セルビンだけを含み、クラスタビンクラスは、クラスタビンだけから構成される。一実施形態では、各セルビンクラス内のUTは、(おそらくはビンクラス固有の)セルラアーキテクチャを用いてサービスを受け、各クラスタビンクラス内のUTは、(おそらくはビンクラス固有の)クラスタアーキテクチャを用いてサービスを受ける。
【0056】
[0053]別の実施形態は、セルラ分数周波数再利用(FFR:fractional frequency reuse)タイプ方式の使用を含む。図11は、セルラLZFBFに基づいた、最も単純なセルラFFRタイプ方式の1つを示している。このケースでは、ビンクラスは、図11に示されるように、ビン(k,b)を近隣のビン(K+k,b+1)と対にすることによって形成される。図11は、一実施形態による、LZFBF送信を用いるセルラ「FFRタイプ」方式を示している。図11を参照すると、「FFRタイプ」のビンクラスは、奇数セル内のビン「x」を偶数セル内のビン「sign(x)(1/2−x)」と対にすることによって形成される。一実施形態では、1つは奇数セル用の、1つは偶数セル用の、2つの異なるLZFBFプリコーダが、トポロジ全体にわたって使用される。特に、奇数(偶数)セルがサービスを行うUTのビンの方が、偶数(奇数)セルがサービスを行うUTのビンよりも、セルエッジにより近い場合、奇数(偶数)セルは、公称よりも高い送信電力を使用し、偶数(奇数)セルは、公称よりも低い送信電力を使用する。結果として、セルセンタUTのSINR及びレートを代償にして、実行可能なSINRレベルが、(再利用1のアーキテクチャを用いた場合でさえも)エッジUTに利用可能である。任意の与えられたビンクラスについて、各奇数セル内で同時にスケジュール及びサービスされるユーザの数は、偶数セル内でサービスされる数と異なることができる。特に、これらのパラメータ(並びに奇数セル及び偶数セルの送信電力)は、ビンクラス毎にオフラインで最適化することができ、したがって、異なるビンクラスに割り当てられる時間−周波数リソース上で、最適に設定することができる。
【0057】
[0054]多くの直接的な拡張が存在する。例えば、セルラ、クラスタ、及びFFRタイプのアーキテクチャは、すべて一緒にして考えることができる。一実施形態では、ユーザは、ビンに入れられ、これらのビンは、「セル」、「クラスタ」、「FFRタイプ」のビンクラスに分類される。そのようなケースでは、各ビンクラスには、スケジューリングリソースの一区画が割り当てられ、各ビンクラスは、上で説明したように、他のすべてのビンクラスとは独立に操作される。一実施形態では、セル、クラスタ、及びFFRタイプのビンクラス内のUTは、ビンクラスについて最適化された、セルラ、クラスタ、及びFFRタイプのアーキテクチャを用いてサービスされる。
【0058】
[0055]一実施形態では、セルラアーキテクチャによってサービスされる、1つ又は複数のビンクラスが含まれるが、各アクティブセルでは、セル内の1組のビンから、ユーザが選択される。一実施形態では、アクティブセルbにおいて、S1人のユーザが、ビン(k1,b)から選択され、S2人のユーザが、ビン(k2,b)から選択される。セルラMU−MIMOプリコーダは、(k1,b)内で選択された各UTが、Z1個の最も近いBSからの干渉を経験せず、(k2,b)内で選択された各UTが、Z2個の最も近いBSからの干渉を経験しないように適用され、Z1はZ2と同じでもよく、又は異なってもよい。
【0059】
[0056]一実施形態では、ユーザをビンに分類するために、付加的な公称受信信号強度情報が使用される。例えば、再利用FのセルラLZFBF方式を用いてユーザ集団にサービスを行うことに依存する場合について考察する。一実施形態では、ユーザをビンに分類するために使用される情報は、送信BSに関するUTにおける公称受信信号強度と、1つ又は複数の近隣干渉BSに関するUTの受信信号強度も含むことができる。
【0060】
[0057]一実施形態では、これは、(ダウンリンクトレーニングによって、又はアップリンクトレーニングサイクルの副産物として)「十分に近い」各UTにおける広域的な公称受信信号強度を、各BSに低頻度で推定させる(又はその推定を更新させる)ことによって達成される。そのような更新は、数秒又は数分のオーダとすることができる。与えられたアーキテクチャにおいて、ビン内のユーザは、すべてが必ずしも同じSINRを有するわけではなく、ある範囲内のSINRを有する。一実施形態では、ビンクラスの変更を妥当とするのに十分な変化をユーザのチャネルが起こした場合にのみ、これらの更新が起こる。そのような更新が起こった場合はいつでも、ユーザのうちの僅かな一群だけが、そのビンクラスを変更すると予想される。「十分に近い」という表現は、BSがサービスを行うUTばかりではなく、それについての公称受信信号強度が無視し得ない、近隣BS内のすべてのUTも包含するものとして、ここでは使用されている。一実施形態では、BSがそのような受信信号強度推定を獲得した、近隣セル内の各UTについて、BSは、この推定を、このUTにサービスを行うBSから利用可能にする。それぞれ同様なことを行った後では、各BSは、自身の各UTと近隣BSとの間の受信信号強度レベルについて十分な情報を有しており、その情報は、BSが、各アーキテクチャを踏まえて、自身の各UTについての公称SINR推定を形成することを可能にする。その後、各アーキテクチャ上でのUTの公称SINR推定は、関連する地理ベースの方式(例えば、それぞれF=1及びF=2の場合の図6及び図7)における、等価の「仮想」ビン位置に容易に「マッピング」することができる。その結果、すべてのアーキテクチャの下でUTに提供されるレートを、容易に比較することができる。その後、UTに最も高いレートをもたらすアーキテクチャを選択することができ、次に、UTを適切な(「仮想」)ビンクラスに入れることができる。最後に、スケジュールされたUT集団にわたるパイロット再利用及び割り当てを選択することができる。一実施形態では、これは、2011年4月6日に出願された、「Method and Apparatus for the Joint Design and Operation of Pilot−Reuse Methods in Reciprocity−Based Training Schemes for Downlink Multi−User MIMO」と題する、米国特許出願第13/081373号において説明されているような技法を使用して行うことができる。
【0061】
[0058]本発明で説明されたすべての例では、一様な線形トポロジ及びUT分布について考察したが、提案された技法が、例では考察されなかった、一様又は非一様なBS分布を有する2Dトポロジ、一様で静的な又はランダムに変化するUTセル分布、及び他の最先端のMU−MIMOプリコーディング方法にも容易に適用できることは明らかである。
【0062】
(ダウンリンク送信のためのプロセスの一例)
[0059]図12は、セルのトポロジを有するワイヤレス通信ネットワークのダウンリンクにおいて通信を行うためのプロセスの一実施形態のフロー図である。プロセスは、ハードウェア(回路、専用ロジックなど)、(汎用コンピュータシステム若しくは専用マシン上で実行される)ソフトウェア、又は両方の組み合わせを含むことができる、処理ロジックによって実行される。
【0063】
[0060]図12を参照すると、処理は、処理ロジックが、複数のユーザ端末のうちの各ユーザ端末を、前記各ユーザ端末に関連付けられた地理的な位置情報に基づいて、ビンに割り当てることによって開始する(処理ブロック1201)。一実施形態では、各ユーザ端末のビンへの割り当ては、各ユーザ端末と近隣基地局のサブセットとの間のチャネルに対応する、広域的なチャネル状態情報にも基づく。一実施形態では、ビンは、セルラアーキテクチャを用いてサービスされるユーザ端末だけを有するセルビンだけを含むセルビンクラスか、又はクラスタアーキテクチャを用いてサービスされるユーザ端末だけを有するクラスタビンだけを含むクラスタビンクラスかに分類される。
【0064】
[0061]基地局コントローラ又は他の制御エンティティ内の処理ロジックは、異なる各ビンクラスに、時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを割り当て、各ビンクラスは、トポロジ全体にわたって、ユーザ端末からなる1つ又は複数のビンを含み、前記各ビンクラスの1つ又は複数のビン内のユーザ端末は、トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースのサブセットによるサービスを受ける(処理ブロック1202)。一実施形態では、各サブセットは、トポロジ全体にわたって、1つ又は複数のスケジューリングスロットにおいて、異なるビンクラスにサービスを行う。
【0065】
[0062]その後、処理ロジックは、対応するビンクラス依存のアーキテクチャを各基地局で使用して、与えられたビンクラスに対して、トポロジ全体にわたって、トレーニングと送信の同時スケジューリングを実行し(処理ブロック1203)、それには、合同送信のために、ビンクラスに属するユーザ端末グループを選択することが含まれ、ビンクラスに属する1つ又は複数のビンに属するユーザ端末は、スケジューリングスロット上で、トポロジ全体にわたって、合同でサービスを受ける。一実施形態では、スケジューリングは、各基地局によって実行される。一実施形態では、送信のためのビンクラスに属するユーザ端末の選択は、各セル内で、スケジューリングのために、ビンクラス内の各ビン内のユーザ端末のサブセットを選択することを含む。別の実施形態では、送信のためのビンクラスに属するユーザ端末の選択は、基地局の各クラスタ内で、スケジューリングのために、ビンクラス内の各ビン内のユーザ端末のサブセットを選択することを含む。
【0066】
[0063]スケジューリングの後、基地局内の処理ロジックは、複数の基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行し、1つ又は複数のビンクラスは、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの各々は、トポロジ全体にわたって、トレーニング及びMU−MIMO送信のスケジューリングの異なる組み合わせを使用する(処理ブロック1204)。したがって、このようにして、トレーニング及び送信のスケジューリングが、各ビンクラスに固有の方法で実行される。
【0067】
[0064]一実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャは、互いに異なる1つ又は複数のMU−MIMOワイヤレス送信特徴を利用する。一実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、送信のために異なるプリコーダを使用する。別の実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、異なるスケジューリングスロット当たり最大人数のユーザにサービスを行う。また別の実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、異なる再利用率を使用する。またさらなる実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、異なるパイロット再利用率を使用する。
【0068】
[0065]一実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々がもつ特徴は、再利用率と、パイロット再利用率と、MU−MIMOプリコーダとを含む。一実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々がもつ特徴は、ビンクラス内の与えられたビンにおいてユーザに送信する、協調的な送信に係わる基地局の数と、そこからのプリコードされた送信がビン内の与えられたスケジュールされたどのユーザ端末に対しても干渉を引き起こさない(ゼロ強制である)ことが求められる基地局の数とをさらに含む。
【0069】
[0066]図13は、基地局の一実施形態のブロック図である。図13を参照すると、コントローラ入力ブロック1301は、基地局コントローラからの入力として、時間−周波数平面がすべてのビンクラスの間でどのように割り当てられたかについての説明を受け取る。一実施形態では、入力は、与えられたクラスに割り当てられた時間−周波数リソースが、スケジューリングスロットにどのように区分けされ、各スケジューリングスロット内で、トレーニング及び送信にどのように区分けされたかについても説明する。一実施形態では、入力1310は、使用するアーキテクチャのいくつかの要素(例えば、ビンクラス内の同時にスケジュールされるユーザの数、使用される送信電力など)も指定する。コントローラ入力ブロック1301は、コントローラ1302に結合され、コントローラは、送信を制御する。
【0070】
[0067]コントローラ1302は、ブロック1301から、スケジューリングスロットを識別する入力を受け取り、各スケジューリングスロット内で、ビンクラスを識別する。コントローラ1302は、(ビンクラス依存のアーキテクチャと、おそらくはブロック1301からの入力とに基づいて)ユーザのサブセットを選択し、どのパイロットを使用すべきかを指示するインデックスを、スケジュールされた各ユーザ端末に(MU−MIMO送信ハードウェア1303を使用して)提供し、(MU−MIMO送信ハードウェア1303を使用する)アップリンクトレーニングが終了すると、チャネルを推定し、それらを使用して、(ビンクラス固有の)プリコーダを設計する。その後、コントローラ1302は、MU−MIMO送信ハードウェア1303及びアンテナ1304と併せて、MU−MIMO送信のためにチャネルを使用する。
[0068]上記の説明を読んだ後では、本発明の多くの代替形態及び変更形態が、当業者には疑いもなく明らかになるが、例を用いて示され、説明されたどの特定の実施形態も、限定的なものと見なされることは決して意図していないことを理解されたい。したがって、様々な実施形態の細部についての言及には、それ自体が本発明に必須と見なされる特徴のみを列挙したものである、特許請求の範囲を限定する意図はない。
【技術分野】
【0001】
(優先権)
[0001]本特許出願は、2010年11月4日に出願された、「Method and Apparatus for the Joint Design and Operation of Scheduling and Pilot−Reuse for Downlink Multi−user MIMO with Reciprocity−based Training」と題する、対応する特許仮出願第61/410212号の優先権を主張し、同特許仮出願を参照することにより組み込む。
【0002】
(発明の分野)
[0002]本発明の実施形態は、セルラ配備及びビヨンドセルラ(beyond−cellular)配備におけるダウンリンク(DL)マルチユーザMIMO(MU−MIMO)送信の分野に関し、より詳細には、本発明の実施形態は、配備のクラスに関し、それにおいてユーザ端末は、配備全体にわたって、ビンにグループ化され、アップリンクトレーニング及び関連するMU−MIMO送信方式は、配備全体にわたって、グループについて最適化された方法で選択される。
【0003】
(発明の背景)
[0003]ダウンリンク(DL)マルチユーザ多入力多出力(MU−MIMO)送信方法は、当技術分野でよく知られている。これらのDL MU−MIMO送信方法は、送信基地局(BS)におけるチャネルについての知識に依存し、又はより正確には、BSアンテナとこのBSが情報を送信しようとするユーザ端末(UT)との間のチャネルについての推定の有用性に依存する。その場合、このチャネル状態情報は、各UTが対象とする信号を復号できるように、送信に先立って、各UTに宛てた情報を「プリコード」するために使用される。
【0004】
[0004]必要なチャネル状態情報は、ワイヤレス媒体を介してパイロット(すなわち既知の特徴的な波形)を送信し、受信した波形に基づいて、これらのチャネルを推定することによって獲得される。その後、これらの推定は、MU−MIMOプリコーダ(すなわち送信方法)を生成するため、及びデータをUTに送信するために使用される。チャネルは時間(及び周波数)に伴って変化するので、トレーニングのプロセスは、ネットワーク全体にわたって、定期的に繰り返される。「パイロットオンパイロット(pilot−on−pilot)」方式と呼ばれるものでは、パイロット送信サイクルは、すべてのBSにわたって、時間的にそろえられるが、パイロットオンデータ(pilot−on−data)」方式では、与えられたBSのパイロット送信サイクルは、他のBSからのデータ送信と重なり合う。単一のトレーニングセッションに割り当てられた時間間隔(fraction of time)(又は時間−周波数スロット)が、パイロットトレーニングのために各BSに割り当てられるチャネル使用の数を左右する。この「パイロットトレーニング」信号空間の次元が、各トレーニングフェーズ中に伝達できる可能な直交(又は線形独立)パイロットの数に制約を与える。全ネットワークにわたって獲得する必要があるBS−UTチャネルの数が、各サイクルにおいてトレーニングのために割り当てられたチャネル使用を大きく上回る場合、又は同じことだが、パイロットトレーニングのために割り当てられた信号空間次元の数を大きく上回る場合、パイロットをネットワーク全体にわたって再利用しなければならない。
【0005】
[0005]送信BSにおいてチャネル推定を獲得するために、DL MU−MIMOで使用されるトレーニング方法には、2つのクラスが存在する。2つのクラスは、パイロットを送信する送信元によって効果的に区別される。FDDベースのトレーニング方式と呼ばれるものでは、BSと各UTの間のチャネルを推定するために、パイロットが最初にBSによって送信される。その後、各UTは、送信されたパイロットの測定値を収集し、自らのチャネルを推定する。その後、別の周波数帯域上の共用チャネルを介して、UTは、そのセル内のBSに、これらの推定を伝達(フィードバック)する。
【0006】
[0006]TDDベースのトレーニング方式と呼ばれるものでは、各UTからパイロットを送信することによって、各UTから送信BSへのチャネルについての推定が、BSにおいて直接的に獲得される。これらの方式は、「伝搬路可逆性(channel reciprocity)」の概念に依存しており、伝搬路可逆性とは、与えられた帯域及び与えられた時刻(time instance)におけるBSからUTへのチャネルと、おそらくは異なる帯域及びおそらくは異なる時刻におけるUTからBSへのチャネルとは、2つのチャネルの時刻及び周波数帯域の隔たりがそれぞれチャネルコヒーレンス(channel coherence)時間及び帯域幅の内にあるならば、同じである、又はより正確には相関があることを述べたものである。これらの方式は、1組のUTからアップリンクにおいてパイロットを送信し、BSにおいて測定値を収集し、これらの測定値に基づいて、BSにおいてBS−UTチャネルを推定し、その後、チャネルコヒーレンス時間内に、同じ帯域を介して、BSからUTへのMU−MIMO送信を実行することに依存する。
【0007】
[0007]パイロットの空間再利用率(spatial reuse factor)を低下させると、各トレーニングサイクル内で伝達する必要のあるパイロットの数が減少する。したがって、それは、パイロットオーバヘッドを減少させ、より多くのスロットをデータ送信のために使用することを可能にする。しかし、これらすべてのトレーニング方式において、パイロットを空間的に再利用する必要性は、チャネル推定品質を代償としてもたらされる。(1組の直交パイロットに属する)与えられたパイロットを用いて、BSとそのセル内のUTとの間のチャネルを推定することについて考察する。ネットワーク中の同じパイロットを使用するUTが、BSと対象のUTとの間の推定を妨害又は「汚染」する。一般に、干渉するUTが対象のBSに近いほど、「パイロット汚染レベル」も高くなる。結果として、パイロット空間再利用率の低下は、データ送信に専用される時間間隔を増加させるために、又は同時にトレーニングするユーザの数を増加させるために使用することができる。しかし、どちらのケースでも、パイロット空間再利用率の低下は、パイロット汚染のレベルも高め、ひいては、データ送信サイクルの効率を低下させることがある。
【0008】
[0008]TDDベースのトレーニングを行うDL MU−MIMO方式は、FDDベースのトレーニングと比べて、利点を提供できることが多い。特に、各アクティブセルにおいて、与えられたスケジューリングスロットt内で、一定数S(t)のユーザがサービスを受けると仮定する(ここで、スケジューリングスロットは、1組の時間−周波数スロットを含み、時間−周波数スロットは、1つ又は複数のRBを含む)。TDDベースのトレーニング方式では、S(t)を一定に保ちながら、BS当たりの送信アンテナの数を増加させても、トレーニング方式に変化はなく、したがって、トレーニングオーバヘッドも変化しない。他方、送信アンテナの数を増加させると、各セル内でMU−MIMO方式によってサービスされるS(t)人のユーザの各々にこの方式が提供するレートは、はっきりと改善される。そのようなレートの増加は、FDDベースのDL MU−MIMOのデータ送信部分においても存在するが、FDDでは、より大規模なアンテナアレイからの、そのようなよりスループットが高い送信は、トレーニングオーバヘッドの増加を代償としてもたらされる。
【0009】
[0009]スケジューリングスロット内でトレーニングのために割り当てられる時間−周波数スロットの数に制限が課されて、相反性に基づいたトレーニングを行うDL MU−MIMO方式は、高い正味のセルスループットを提供するために、大規模なアンテナアレイの使用を利用することができる。しかし、システムが適切に設計されない場合、この方式は、セルラ配備全体において、非常に不公平なユーザレート分布をもたらすことがある。
【0010】
[0010]任意の与えられたセルが、そのセル内のUTに、他のセルのパイロット割り当てとは独立して、ランダムにパイロットを割り当てる、基本的な状況について考察する。そのような状況では、UTのいずれか1つによって送信されるアップリンクパイロットは、パイロット汚染を経験し、その電力は、近隣セル内でこのパイロットを再利用するUTの所在位置(及び送信電力)に応じて、おそらくは広い範囲にわたる値をとることができる。より具体的に言えば、TDDベースのトレーニングを行うDL MU−MIMO方式では、近隣セル内でのパイロットの再利用によって引き起こされるパイロット汚染は、近隣セル内でどのUTに同じパイロットが割り当てられるかに強く依存する。特に、TDDベースのトレーニング方式によって獲得される、BSとそのセル内のUTとの間のチャネルの推定の品質は、以下の数量に依存する。
【0011】
・ UTからBSへの送信に影響を与える広域的な(large−scale)電力減衰と、有効パイロット送信電力。これらは、対象とするBSでのチャネル推定のために使用される測定信号内の「有用パイロット信号」成分の電力を左右する。
【0012】
・ (近隣セル内の)同じパイロットを再利用するUTから対象とするBSへの送信に影響を与える広域的な電力減衰と、これらのパイロットに関連する送信電力。これらは、対象とするBSでのチャネル推定のために使用される測定信号内の干渉又はパイロット汚染信号成分の電力を左右する。
【0013】
[0011]そのような広域的な信号強度量の値は、送信体と受信体の間の距離、シャドウイング、及び他の環境的な要因を含む、いくつかの要因によって影響される。これらの数量を知ることで、BSは、推定品質を最大化するようにチャネル推定を形成する際に、測定値を最適に使用することが可能になる。
【0014】
[0012]BSは、一般には、UTによって使用される各パイロットが経験する干渉レベルについての知識を所有することができない。その場合、控えめに推定を形成しなければならない(すなわち、可能な干渉レベルの中で、可能なうちで最も高いレベル又は非常に高いレベルを仮定しなければならない)。これは、チャネル推定品質の著しい低下をもたらすことがある。
【0015】
[0013]相反性に基づいたトレーニングを行うMU−MIMOを利用するアーキテクチャにおいて、所在位置の関数としてUTに提供されるレートにパイロット汚染が及ぼす影響について一定の理解を得るために、DL送信のための1つのよく知られたスケジューリング/トレーニングMU−MIMO方式について考察することには価値がある。この方式は、非常に単純な(ランダム)スケジューリング割り当てを使用する。この方式は、非常に単純な(ランダム)トレーニングシーケンス割り当ても使用する。スケジューリングスロット内の前半の時間−周波数スロットは、トレーニングに専用され、各アクティブセル内で、各ユーザにはランダムにトレーニングスロットが割り当てられる。この方式は、自明なMU−MIMOプリコーダにも依存する。特に、ダウンリンク送信中(スケジューリングスロットの後半)、BSは、各セル内のスケジュールされたユーザに宛てられた信号を線形に重ね合わせ、それらを送信する。スケジューリングスロット内の任意の与えられた時間−周波数スロットにおいて、任意の与えられたアンテナによって与えられたユーザに送信される信号は、このアンテナとUTアンテナの間のチャネル推定の共役が乗じられた、単なるスカラ符号化(scalar coded)UTストリームサンプルである。結果として、このプリコーダは、TXアンテナアレイと(同じ)UTアンテナの間のチャネル推定の共役であるプリコーディングベクトル/ビーム上で、各UTをスケジュールする。このプリコーダは、一般に線形単一ユーザビーム形成(LSUBF:linear single−user beamforming)プリコーダと呼ばれる。任意の与えられたUTのためのプリコーディングベクトルは、UTにおけるビーム形成であるビームとして単に選択される。特定のUTのためのビームを選択する際、このプリコーダは、「マルチユーザ」を考慮せず、又は提供しないことに、すなわち、システム内の他のUTへのビームによって引き起こされる干渉を考慮しないことに留意されたい。
【0016】
[0014]この方式は、再利用7(reuse−7)の非常に多くのアンテナを利用することによって、高いエッジユーザレート及びセンタユーザレートを可能にする。再利用7は非常に効率が悪いが、この方式では、エッジユーザレートをまずまずのレベルに引き上げることが必要である。このことを理解するために、再利用1(reuse−1)のシステムについて考察する。送信のために各セル内のユーザがランダムに選択され、各セル内でパイロットがランダムに再割り当てされるので、そのセル内のユーザから受信したBSでのパイロット強度は、近隣セル内の同じパイロットを使用するすべてのユーザから生じた、集約受信干渉電力よりも低くなる可能性がある。結果として、そのようなユーザについてのパイロット汚染レベルは、きわめて高く、事実上、これらのユーザに対するゼロレート送信をもたらす。
【0017】
[0015]そのような方式において、より高いパイロット再利用率(pilot reuse factor)を利用して、再利用1のセルラ送信を可能にしたとしても、そのような基本的なプリコーダの選択が、正味のセルスループットレートを制限することに留意されたい。特に、セルの中央にいるユーザの場合、マルチユーザ干渉も考慮したプリコーダを使用すると、性能が改善されることはよく知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
[0016]結果として、UT固有のトレーニング及び送信方式を使用することによって、セルラ配備及びビヨンドセルラ配備のためのTDDベースのDL MU−MIMO方式の性能を改善できる明らかな可能性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(発明の概要)
[0017]本明細書では、ダウンリンクマルチユーザMIMO(MU−MIMO)のためのスケジューリング及び送信ための方法及び装置が開示される。一実施形態では、方法は、時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを、異なる各ビンクラス(bin class)に割り当てるステップを含み、各ビンクラスは、トポロジ全体にわたって、ユーザ端末が属する1つ又は複数のビン(bin)を含み、各ビンクラスに属する1つ又は複数のビン内のユーザ端末は、トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースのサブセットによってサービスされる。方法は、複数の基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行するステップも含み、1つ又は複数のビンクラスは、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの各々は、トポロジ全体にわたって、トレーニング及びMU−MIMO送信のスケジューリングの異なる組み合わせを使用する。
【0020】
[0018]本発明は、また本発明の様々な実施形態についての、以下で与えられる詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろうが、それらは、本発明を特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、もっぱら説明及び理解のためのものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】一実施形態による、地理的な(経路損失に基づいた)ユーザビニング(user binning)を示す図である。
【図2】一実施形態による、時間−周波数平面がグループに分割され、各グループが異なるビンクラスにサービスすることを示す図である。
【図3】一実施形態による、特定のビンクラスにサービスする帯域内におけるセルラ送信を示す一例を示す図である。
【図4】一実施形態による、再利用1のセルラ線形単一ユーザビーム形成(LSUBF)に対応する、(1,1,0)方式を示す図である。
【図5】一実施形態による、再利用2のセルラLSUBFに対応する、(2,1,0)方式を示す図である。
【図6】一実施形態による、再利用1のセルラ線形ゼロ強制ビーム形成(LZFBF:Linear Zero−Forcing Beamforming)に対応する、(1,1,1)方式を示す図である。
【図7】一実施形態による、再利用2のセルラLZFBFに対応する、(2,1,1)方式を示す図である。
【図8】一実施形態による、最も近いセルの干渉無効化を行う、再利用1のセルラLZFBFに対応する、(1,1,2)方式を示す図である。
【図9】一実施形態による、再利用2の(2セル)クラスタLZFBFに対応する、(2,2,2)方式を示す図である。
【図10】一実施形態による、最も近い2つのBSからの送信に対して干渉無効化を行う、再利用1のクラスタLZFBF送信に対応する、(1,2,2)方式を示す図である。
【図11】一実施形態による、LZFBF送信を用いるセルラ「FFRタイプ」方式を示す図である。
【図12】セルのトポロジを有するワイヤレス通信ネットワークのダウンリンクにおいて通信を行うためのプロセスの一実施形態のフロー図である。
【図13】基地局のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(本発明の詳細な説明)
[0019]本発明の実施形態は、セルラ配備及びビヨンドセルラ配備における、ダウンリンク(DL)マルチユーザMIMO(MU−MIMO)送信に関する。本発明の実施形態は、DL MU−MIMO送信を実行するためのアーキテクチャ選択肢からなるパレット(palette)の使用に依存する。各アーキテクチャは、セルラのトポロジ全体にわたって、トレーニング及び送信の合同スケジューリングを可能にする。一実施形態では、各アーキテクチャは、1つ又は複数のBS(又はRAU)上で動作する、それ独自のMU−MIMOプリコーディング方式と、それ独自の(セル又はクラスタ)再利用率と、それ独自のアップリンクトレーニング方式とによって特徴付けられる。一実施形態では、トレーニング方式は、特に、トポロジ全体にわたって、UTパイロットトレーニングセットのサイズと、パイロット再利用率と、パイロット再割り当て方法(のための規則)とによって自己特徴付けされる。
【0023】
[0020]本発明の実施形態は、ビンクラスの使用を利用し、1つ又は複数のビンクラスは、DL MU−MIMO送信アーキテクチャのうちの各アーキテクチャと関連付けられる。ビンクラスの概念は、同時送信のための、UTセットのトポロジ全体にわたる、(地理的情報及び/又は他のゆっくり変化する公称信号強度情報に基づいた)効率的なビニング又は「ペアリング」を可能にする。このように、いくつかのビンクラスが形成され、ビンクラスの間で、スケジューリングスロットリソースが分配される。単一のビンクラスに割り当てられたリソースのグループ内では、(トポロジ全体にわたる)このビンクラスに属するユーザだけが、スケジュールされ、サービスされる。この方式の利点は、各ビンクラスは、与えられたビンクラスについて最適化できるアーキテクチャによって、割り当てられたリソース上で独立してサービスされることである。ビンクラスを適切に形成することによって、合同送信のためにビンクラスからUTグループをシステマティックに選択することによって、及びクラスについて最適化されたアーキテクチャによって合同DL MU−MIMO送信を実行することによって、高いエッジ及びセルスループット性能を有する、効率的なセルラ方式及びビヨンドセルラ方式を可能にすることができる。
【0024】
[0021]本発明の実施形態は、同時送信のために、配備全体にわたるセル(又はセルのクラスタ)内のUTのグループをシステマティックにスケジュールするために、ユーザ端末(UT)と基地局(BS)又はリモートアンテナユニット(RAU)の間の、地理的情報及び/又はゆっくり変化する公称受信信号強度情報の使用を利用する。一実施形態では、同時送信は、配備全体にわたってグループについて最適化された方法で選択された、アップリンクトレーニングメカニズムと、関連するMU−MIMO送信方式とを含む。したがって、この方式は、アップリンクトレーニングのためのパイロット割り当てを可能にすることと結び付けられた、UT/地理的所在位置について最適化されたMIMOプリコーダの使用を可能にする。
【0025】
[0022]以下の説明では、本発明についてのより完全な説明を提供するために、多くの詳細が説明される。しかし、本発明がこれらの特定の詳細を用いずに実施できることは、当業者には明らかであろう。他の場合には、よく知られた構造及びデバイスは、本発明を曖昧にしないように、詳細にではなく、ブロック図形式で示される。
【0026】
[0023]以下の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに施される操作についてのアルゴリズム及び記号表現によって提示される。これらのアルゴリズムによる説明及び表現は、自らの仕事の内容を他の当業者に最も有効に伝えるために、データ処理分野の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムは、ここでは、また一般的にも、所望の結果に到る自己矛盾のないステップの系列であると理解されている。ステップは、物理量の物理的操作を必要とするようなステップである。必ずしも必要ではないが、通常は、これらの量は、保存、伝送、組み合わせ、比較、及び他の操作が可能な、電気的又は磁気的な信号の形態をとる。時には、主として共通使用の理由で、これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、項、又は数などと呼ぶことが便利であると分かる。
【0027】
[0024]しかし、これらの用語及び類似の用語は、適切な物理量に関連付けられるべきであり、これらの量に添付された便利なラベルにすぎないことに留意されたい。別途具体的に述べられない限り、以下の説明から明らかなように、説明の全体にわたって、「処理する」又は「計算する」又は「算定する」又は「決定する」又は「表示する」などの言葉を利用する説明は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子的)量として表されるデータを操作及び変換して、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ、又はそのような情報を保存、送信、若しくは表示するデバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変える、コンピュータシステム又は類似の電子的コンピューティングデバイスの動作及び処理に言及していることが理解される。
【0028】
[0025]本発明は、本明細書の操作を実行するための装置にも関する。この装置は、必要な目的のために特別に構成することができ、又はコンピュータ内に保存されたコンピュータプログラムによって選択的に起動若しくは再構成される汎用コンピュータを含むこともできる。そのようなコンピュータプログラムは、フロッピディスク、光ディスク、CD−ROM、及び磁気光ディスクを含む任意のタイプのディスク、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光カード、又は電子的命令を保存するのに適した任意のタイプの媒体などの、しかしそれらに限定されない、コンピュータ可読記憶媒体内に保存することができ、各媒体は、コンピュータシステムバスに結合される。
【0029】
[0026]本明細書で提供されるアルゴリズム及び表示は、いずれか特定のコンピュータ又は他の装置と本質的な関連はもたない。本明細書の教示に従ったプログラムとともに、様々な汎用システムを使用することができ、又は必要な方法ステップを実行するために、より特殊化した装置を構成するほうが便利であると分かることもある。様々なこれらのシステムに必要な構造は、以下の説明から明らかとなろう。加えて、本発明は、いずれか特定のプログラミング言語を参照して説明されない。本明細書で説明される本発明の教示を実施するために、様々なプログラミング言語を使用できることが理解されよう。
【0030】
[0027]機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータ)によって可読な形式で情報を保存又は伝送するための任意のメカニズムを含む。例えば、機械可読媒体は、リードオンリメモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなどを含む。
【0031】
(全般的な概要)
[0028]本発明の実施形態は、互恵性に基づいたトレーニングを行う、セルラ配備及びビヨンドセルラ配備における、スケジューリング、トレーニング、及びMU−MIMO送信のための方法を対象とし、これらのネットワークのダウンリンクにおいて、スペクトル効率の高い送信を可能にすることができる。本発明の実施形態は、カバレージエリア内のUTに同時に送信する、送信(コロケート(collocated)又は非コロケート(non−collocated))アンテナの組を含む、環境に適用可能である。本明細書で開示される方法は、各送信リソースブロック(RB)内で、アンテナのクラスタからの合同送信を制御する基地局(BS)コントローラが、送信のためにUTのサブセットをスケジュールし、(UT毎に1つ又は複数の)複数の空間ストリームを生成し、それらを重ね合わせてから、マルチユーザ多入力多出力(MU−MIMO)送信方法と一般に呼ばれる方法を使用して、複数の空間ストリームを同時に送信する、ケースにも適用可能である。
【0032】
[0029]本発明の実施形態は、セルラのトポロジ全体にわたって、ユーザのビニング(binning)を行い、それらをビンクラスに仕分けるという考えに依存し、各ビンクラスには、トポロジ全体にわたって適用される、ビンクラス固有のトレーニング及びMU−MIMO送信方式による送信のために、時間−周波数リソースの一区画が割り当てられる。本発明の実施形態は、最初に各UTをビンクラス内のビンに割り当てるために、UTとBS(又はRAU)の間の、地理的情報及びおそらくはゆっくり変化する受信信号強度情報の使用を活用する。その後、各ビンクラスは、残りのビンクラス送信から干渉を受けることなく、利用可能なリソースの一区画上でサービスを受ける。単一のビンクラスに割り当てられたリソース内に存在するスケジューリングスロット内で、ビンクラス内のUTのグループが、配備全体にわたって選択され、スケジュールされたUTセットに同時に送信するために、ビンクラス固有のトレーニング及びダウンリンクMU−MIMOプリコーディング操作が、トポロジ全体にわたって使用される。加えて、アップリンクトレーニングのために使用されるパイロット割り当ては、スケジュールされたUTグループのために、パイロット汚染について最適化することができる。一実施形態では、これは、2011年4月6日に出願された、「Method and Apparatus for the Joint Design and Operation of Pilot−Reuse Methods in Reciprocity−Based Training Schemes for Downlink Multi−User MIMO」と題する、米国特許出願第13/081373号で説明されているように実行される。
【0033】
[0030]本明細書で開示されるように、ユーザは、好ましいビン/アーキテクチャクラスにビニングされ、各ビンクラスは、多くの可能なアーキテクチャの1つに関連付けられ、各アーキテクチャは、プリコーダ、再利用率、パイロット再利用率、及び各セル(又はクラスタ)内で同時にサービスを受けることができるユーザの(最大)数からなる一意的な組に対応する。一般に、ビンクラス内のユーザのスケジューリングは、例えば、ラウンドロビン方式で、(最大で)事前に最適化された数までのユーザを選択し、選択されたすべてのユーザに対して同時にアップリンクトレーニングを実行し、その後、それらのユーザのすべて又は一部を(例えばスケジューリング基準を用いて)スケジュールすることによって、実行することができる。
【0034】
[0031]一実施形態では、ユーザ端末を有する、ワイヤレス通信情報のためのワイヤレス通信システムは、トポロジ内のセル内に配置された複数の基地局と、基地局コントローラとを含む。基地局コントローラは、時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを、異なる各ビンクラスに割り当てることによって、複数の基地局の合同送信を制御し、各ビンクラスは、トポロジ全体にわたって、ユーザ端末が属する1つ又は複数のビンを含み、各ビンクラスに属する1つ又は複数のビン内のユーザ端末は、トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースのサブセットによってサービスされる。基地局は、基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行し、1つ又は複数のビンクラスは、ビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、各ビンクラス依存のアーキテクチャは、そのビンクラスのために、トポロジ全体にわたって、スケジューリング及びMU−MIMO送信の異なる組み合わせを使用する。
【0035】
[0032]以下では、サンプルとなる1組の実施形態が、それらの潜在的な利点と併せて説明される。実施形態は、例えば、図1に示されるような、BSの1次元(1D)線形トポロジに関連して説明される。しかし、本発明の実施形態がすべてのトポロジに適用可能であり、1D線形トポロジに限定されないことは、当業者であれば理解されよう。
【0036】
[0033]図1は、一実施形態による、地理的な(経路損失に基づいた)ユーザビニングを示している。図1を参照すると、第b番目のセルは、[b−1/2,b+1/2)の広がりを有し、BS bは、bに配置される。説明の目的で、「高速フェージングを伴う経路損失」チャネルモデルを対象とするが、そうすると、(BS又はリモートアンテナユニット(RAU)の)TXアンテナとUTアンテナの間の公称受信信号強度は、2つのアンテナの間の経路損失に等しく、この経路損失値は、単に2つのアンテナ間の距離の関数である。この場合、本発明の実施形態は、地理的所在位置について最適化されたスケジューリング/トレーニング及び送信と見なすことができる。
【0037】
[0034]一実施形態では、各セルは、あるK>1として、2K個のビンに分割される(各サイズは例えば1/2K)。k=1,2,...,2Kとして、(k,c)は、図1に示されるように、セルc内の第k番目のビンを表すとする(左から右に(1,c)、(2,c)、...、(2K,c)と列挙される)。ビンクラスkは、すべてのcにわたる、すべてのビン(k,c)によって形成され、トポロジ全体にわたる(セル)ビンクラスk内のユーザは、例えば、図2に示されるように、時間−周波数スロットのサブセット上において合同でサービスされる。
【0038】
[0035]図2を参照すると、時間−周波数(TF)平面は、スロットのグループに分割され、各グループは、特定の(異なる)ビンクラス内のユーザにサービスを行うために、トポロジ全体にわたって使用される。特に、特定のビンクラスにサービスを行うスケジューリングスロット内で、同時アップリンクトレーニング及びDL MU−MIMO送信のために、ビンクラス内のビンからユーザが選択される。すなわち、与えられたビンクラスにサービスを行う時間−周波数スロットのグループ内では、与えられたビンクラスに関連付けられたビン内に存在するユーザだけが、トポロジ全体においてサービスを受ける。本明細書で提供される説明では、簡潔にするため、各スケジューリングスロット内では、一定数LTの時間−周波数スロットが、トレーニングのために割り当てられることが仮定されるが、実際には、この数も、最適化変数とすることができる。
【0039】
[0036]一実施形態では、ユーザは、ビンに仕分けられ、ビンは、トポロジ全体にわたって、ビンクラスを形成するために使用される。各ビンクラス(すなわち、ビンクラス内のビンに包含されるUT)には、利用可能な時間−周波数リソースの一区画が与えられ、時間−周波数リソースのこの区画上でビンクラスにサービスを行うためのアーキテクチャが、(例えば事前に)選択される。一実施形態では、利用可能な時間−周波数リソースの割り当ては、基地局と通信可能に結合された、基地局コントローラ(例えば、図1及び図3〜図11の基地局コントローラ)によって実行される。一代替実施形態では、基地局コントローラとは別個の割り当てユニットが、割り当てを制御する。一実施形態では、コントローラが、時間−周波数スロットから、サービスを受けるビンクラスへのマッピングを指定する。一実施形態では、ビンクラス毎に、コントローラは、使用されるアーキテクチャ(サービスを受けるユーザの数、プリコーダ、パイロットシーケンスを含み、これらすべては原則的に基地局固有とすることができる)も指定する。また、周波数が再利用される、ビンクラスに割り当てられた1組の時間−周波数スロット内では、コントローラは、BSがその間に送信を行うスロットのサブセットを指定することができる。同様に、クラスタ送信ケースにおける一実施形態では、コントローラは、スロットのサブセットとBSクラスタとの間のマッピングも指定する。
【0040】
[0037]一実施形態では、アーキテクチャは、例えば、利用可能なアーキテクチャ選択肢のパレットから選択される。一実施形態では、アーキテクチャのパレットは、3つ組(F,C,Z)と、パイロット再利用率Qとによって表すことができるセルラアーキテクチャ及びクラスタアーキテクチャを含み、ここで、
・ Cは、協調的送信に係わるBSの数を表し(C=1は、セルラに対応し、C>1は、クラスタ送信に対応する)、
・ Fは、アーキテクチャ(セルラ又はクラスタ)再利用率を表し、
・ Zは、任意の与えられたUTがそこからの干渉を経験しない(最も近い)BSの数を表す。
【0041】
[0038]一実施形態では、パレットは、セルラアーキテクチャ(C=1)を含むだけであり、2K個のビンクラスが定義され、第k番目のビンクラスは、集合Xk={(k,c);cはすべてのcにわたる}内のビンとして規定される。結果として、セルラアーキテクチャのパレットは、集合Xk={(k,c);cはすべてのcにわたる}内のビンの1つに包含されるすべてのUTにサービスを行うための選択肢と見なされる。一実施形態では、任意の与えられたセルラアーキテクチャは、再利用率Fと、配備全体にわたってパイロットを地理的に再割り当てするための方法と一緒にされた、パイロット再利用率Qと、それ独自のMU−MIMOプリコーダとによって特徴付けられる。
【0042】
[0039]図3は、特定のビンクラスにサービスを行う帯域内におけるセルラ送信を示す一例を示している。図3を参照すると、各セル内では、(このスケジューリングスロット上でサービスを受けるビンクラスに属する)ビンからS人のユーザがスケジュールされる。相互依存に基づいたトレーニングが実行され、続いて、DL MU−MIMOセルラ送信が実行される。破線は、セル間干渉を表し、実線は、ビン内のユーザに有用な信号を含む送信を表すことに留意されたい。
【0043】
[0040]図4〜図8は、本発明の異なる実施形態による、いくつかのそのようなセルラ(F,1,Z)タイプのアーキテクチャを示している。図4、図6、及び図8は、特に、再利用1のアーキテクチャ(すなわちF=1)を示しており、そのプリコーダは、プリコーダが満たすことを求められるゼロ強制制約に関して様々である。図5及び図7は、それぞれ、図4及び図6のアーキテクチャの再利用2のバージョンに対応する。すべての図において、ビンクラスは、変数「x」によって暗黙的に識別され、変数「x」は、セルビンの中央とセルBS(又は等価的にセルの中央)との間の距離を表すことに留意されたい。
【0044】
[0041]図4は、一実施形態による、再利用1のセルラ線形単一ユーザビーム形成(LSUBF)に対応する、(1,1,0)方式を示している。図4を参照すると、各セル内では、(サービスを受けるビンクラスに属する)ビン内のS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。アップリンクトレーニングの後、基地局bは、LSUBFプリコーダを用いて、データストリームをS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。
【0045】
[0042]図5は、一実施形態による、再利用2のセルラLSUBFに対応する、(2,1,0)方式を示している。図5を参照すると、ビンクラスにサービスを行う2つの各帯域内では、セルの半分(奇数セル又は偶数セル)がアクティブである。帯域内のアクティブセルb毎に、各スケジューリングスロットにおいて、(サービスを受けるビンクラスに属する)ビン内のS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。アップリンクトレーニングの後、基地局bは、LSUBFを用いて、データストリームをS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。
【0046】
[0043]一実施形態では、与えられた(F,1,Z)方式のプリコーダが各セル内でサービスできるユーザの数Sは、1からSmaxまでの範囲を有することができるパラメータであり、ビンクラス毎に、すなわち、集合Xk毎に独立して最適できることに留意されたい。任意の与えられたセル内で同時にスケジュールできるユーザの最大数Smaxは、Smax≦floor(LT/Q)によって与えられ、ここで、floor(x)は、xを超えない最大の整数を表す。しかし、Smaxは、特定のプリコーダのCSI要件に間接的に依存することに留意されたい。例えば、(例えば図6における)与えられたアクティブセル内でLZFBFを動作させるには、セル内のスケジュールされたS個のUTの各々とセルBSとの間のCSIが必要とされる。セルセンタのユーザ(例えば、ビンクラスXK、XK+1内のユーザ)の場合、再利用率Fに係わらず、Q=1のパイロット再利用率で十分なことがあり、LZFBFのために、条件S≦Smax=max{LT,M}をもたらし、Mは、BSアンテナの数を表す。もちろん、XK及びXK+1にサービスを行うために、任意のQ≧1を使用することができ、S≦Smax=max{floor(LT/Q),M}をもたらす。例えば、Q=2を用いるトレーニング方式は、Q=1を用いるシステムよりも良好なCSIをもたらす。しかし、それは、同時にスケジュールされるユーザの最大数を、ひいては、提供される多重化利得を制限することもある。どのQ値が好ましいかは、検討されるアーキテクチャ、ビンクラス、並びに特定のM値及びLT値に依存する。一例として、LZFBFを使用する再利用1のアーキテクチャ(すなわち図6のアーキテクチャ)を用いるセンタユーザを考える。MがLTに対して十分に小さい場合、すなわち、M≦LT/2である場合、パイロット再利用がQ=1及びQ=2の両方について、Smax=Mである。パイロット再利用がQ=1である場合のユーザの最適数Sを与えた場合、Q=2のシステムも、同数Sのユーザをスケジュールすることができ、より優れたチャネル推定のため、ユーザがS人である場合には、より高い性能をもたらす。結果として、Q=1に代わって、Q=2の方が好ましい。しかし、M>LTである他方の極限では、Q=1の方式は、Q=2の方式よりも、最大で2倍のユーザをスケジュールすることができる。そのようなケースでは、ビンレートの最大化に関しては、Q=1を使用するのが、通常はより良い選択である。
【0047】
[0044]本発明の実施形態は、異なるビンクラスにサービスする際に、異なる再利用率を使用することを可能にする。例えば、図6及び図7のアーキテクチャのどちらかで、LZFBFを用いて、ユーザにサービスすることを考える。図6は、一実施形態による、再利用1のセルラ線形ゼロ強制ビーム形成(LZFBF)に対応する、(1,1,1)方式を示している。図6を参照すると、各セル内では、(サービスを受けるビンクラスに属する)ビン内のS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。アップリンクトレーニングの後、基地局bは、LZFBFプリコーダを用いて、データストリームをS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。LZFBFプリコーダによって実施されるゼロ強制条件のため、ビン内のサービスを受ける各UTは、サービング基地局によって送信された、他のUTに宛てた信号からの干渉を経験しないことに留意されたい。
【0048】
[0045]図7は、一実施形態による、再利用2のセルラLZFBFに対応する、(2,1,1)方式を示している。図7を参照すると、ビンクラスにサービスを行う2つの各帯域内では、セルの半分(奇数セル又は偶数セル)がアクティブである。帯域内のアクティブセルb毎に、任意の与えられたスケジューリングスロットにおいて、(サービスを受けるビンクラスに属する)ビン内のS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。アップリンクトレーニングの後、基地局bは、LZFBFプリコーダを用いて、データストリームをS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。ゼロ強制のため、ビン内のサービスを受ける各ユーザは、サービング基地局によって他のUTに送信された、信号からの干渉を経験しない。
【0049】
[0046]したがって、図6及び図7において、LZFBFを用いてユーザにサービスを行うことに関して、エッジユーザ、例えば、ビンクラスX1、X2K内のユーザの場合、再利用1のアーキテクチャは、低いSINRをもたらし、ひいては、低いユーザ当たりレートをもたらす。このことは、近隣送信局からの高いレベルの干渉のため、高いパイロット再利用を用いた場合でさえも成り立つ。図7の再利用2のアーキテクチャは、(各帯域上でクラス内の1つおきのビンにしかサービスを行わないので)多重化利得を1/2に低下させるが、各アクティブセルに隣接するセルからの送信がオフにされるという事実は、再利用1のケースと比べて、著しく改善されたエッジユーザSINRをもたらす。他方、センタユーザの場合、図7の再利用2のアーキテクチャによって提供されるSINRの改善よりも、再利用率が2であることによる多重化利得の低下の方が強く作用するので、図6の再利用1のアーキテクチャの方が好ましい。
【0050】
[0047]一実施形態では、再利用1及び再利用2のLZFBFアーキテクチャだけが、トポロジ内ですべてのユーザにサービスを行うための選択肢として検討される。送信リソースは、2K個の部分に分割され、第k番目の部分は、ビンクラスkにサービスを行うために使用される。kをmがある値である{K−m+1,...,K,K+1,...,K+m}内の各値として、ビンクラスkは、再利用1のLZFBFアーキテクチャ、すなわち、(1,1,1)を用いたサービスを受け、残りのビンクラスは、再利用2のLZFBFアーキテクチャ、すなわち、(2,1,1)を用いたサービスを受ける。一実施形態では、各アーキテクチャ及びパイロット再利用方式によってスケジュールされるユーザの数は、ビンクラス毎に(オフライン最適化を用いて)最適化される。パイロットは、アクティブセル毎に、ランダムに再割り当てすることができ、又は2011年4月6日に出願された、「Method and Apparatus for the Joint Design and Operation of Pilot−Reuse Methods in Reciprocity−Based Training Schemes for Downlink Multi−User MIMO」と題する、米国特許出願第13/081373号において説明されているような技法を利用することができる。
【0051】
[0048]図8は、一実施形態による、最も近いセルの干渉無効化を行う、再利用1のセルラLZFBFに対応する、(1,1,2)方式を示している。図8を参照すると、各セル内では、(サービスを受けるビンクラスに属する)ビン内のS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。アップリンクトレーニングの後、基地局bは、最も近い隣のセルのサービスを受けるユーザに対する干渉制約も課されて、LZFBFプリコーダを用いて、データストリームをS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。ゼロ強制のため、ビン内のサービスを受ける各ユーザは、2つの最も近い基地局から他のUTに送信された信号からの干渉を経験しない。
【0052】
[0049]ビニングクラスは、他の形態をとることもできる。図9及び図10は、トポロジ全体にわたって、一体となった「ビンクラスタ」にサービスを行う、2つのクラスタアーキテクチャを示している。これらのケースでは、ビンクラスは、ビンのクラスタの集まりに対応する。特に、BS b及びb+1から成るBSのクラスタをクラスタbによって表すと、ビンクラスは、k=1,...,Kとして、[k,b]={(2K−k+1,b),(k,b+1)}の形のビンの対によって形成される、すべてのクラスタビンを含む。第k番目の(クラスタ)ビンクラスは、[k,b]の形のすべてのクラスタビンの集まりに対応する。セルラのケースと同様に、図9及び図10では、サービスを受けるビンクラスは、変数「x」によって暗黙的に識別され、変数「x」は、クラスタビン内の左セルビンの中央と左セルBS(又は等価的に左セルの中央)との間の距離を表す。しかし、1/2<x<1/2である、セルラケースとは異なり、クラスタケースでは、0≦x<1/2である。図9及び図10は、これらのクラスタケースにおいて、UTを選択し、パイロットを割り当てる際の、追加の1組の潜在的な制約も暗示している。
【0053】
[0050]図9は、一実施形態による、再利用2の(2セル)クラスタLZFBFに対応する、(2,2,2)方式を示している。図9を参照すると、ユーザは、BSのクラスタによってサービスされ、クラスタbは、BS b及びb+1を含む。ビンクラスにサービスを行う2つの各帯域内では、クラスタの半分(奇数クラスタ又は偶数クラスタ)がアクティブである。すなわち、ビンクラス「x」がサービスを受ける場合、S=S(x)人のユーザが、各アクティブクラスタから選択される。帯域内でアクティブである各クラスタb内では、(サービスを受けるクラスに属する)第b番目の「クラスタビン」からS人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。特に、S人のユーザが選択され、クラスタビンを構成する、セルb内のセルビンとセルb+1内のセルビンの間で均等に仕分けられる。さらに、アップリンクトレーニングに関して、任意の与えられたパイロットシーケンスは、アクティブクラスタの左セルビン内のUTだけに、若しくは右セルビン内のUTだけに割り当てることができ、又は再割り当てが行われるたびに、左セルのUTと右セルのUTの間で交互に割り当てることができる。アップリンクトレーニングの後、クラスタbは、LZFBFプリコーダを用いて、データストリームをクラスタ内のS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。ゼロ強制のため、サービスを受ける各ユーザは、最も近い2つの(すなわちそのサービング)BSによって他のUTに送信される信号からの干渉を経験しない。
【0054】
[0051]図10は、一実施形態による、最も近い2つのBSからの送信に対して干渉無効化を行う、再利用1のクラスタLZFBF送信に対応する、(1,2,2)方式を示している。図10を参照すると、各クラスタ内では、サービスを受けるビンクラスのクラスタビン内の(2つのセルの間に均等に仕分けられた)S人のユーザが、トレーニング及び送信のために選択される。図9の実施形態と同様に、アップリンクトレーニングに関して、任意の与えられたパイロットシーケンスは、アクティブクラスタの左セルビン内のUTだけに、若しくは右セルビン内のUTだけに割り当てることができ、又は再割り当てが行われるたびに、左セルのUTと右セルのUTの間で交互に割り当てることができる。一実施形態では、左ビンから選択されたUTと右ビンから選択されたUTは、例えば、同じに(又はほぼ同じに)なるように、事前に決めておくことができる。アップリンクトレーニングの後、クラスタbは、LZFBFプリコーダを用いて、データストリームをクラスタ内のS人のスケジュールされたユーザに同時に送信する。サービスを受ける各ユーザが、そのサービングクラスタのBSによって送信される信号からの干渉を経験しないことを保証するために、各プリコーダは、近隣セル内のスケジュールされたUTのBS−UTチャネルに対する追加のZF制約が課されて設計される。
【0055】
[0052]一実施形態では、セルラアーキテクチャ及びクラスタアーキテクチャのパレットを考慮して、ビンは、「セルビンクラス」及び「クラスタビンクラス」に分類することができる。セルビンクラスは、セルビンだけを含み、クラスタビンクラスは、クラスタビンだけから構成される。一実施形態では、各セルビンクラス内のUTは、(おそらくはビンクラス固有の)セルラアーキテクチャを用いてサービスを受け、各クラスタビンクラス内のUTは、(おそらくはビンクラス固有の)クラスタアーキテクチャを用いてサービスを受ける。
【0056】
[0053]別の実施形態は、セルラ分数周波数再利用(FFR:fractional frequency reuse)タイプ方式の使用を含む。図11は、セルラLZFBFに基づいた、最も単純なセルラFFRタイプ方式の1つを示している。このケースでは、ビンクラスは、図11に示されるように、ビン(k,b)を近隣のビン(K+k,b+1)と対にすることによって形成される。図11は、一実施形態による、LZFBF送信を用いるセルラ「FFRタイプ」方式を示している。図11を参照すると、「FFRタイプ」のビンクラスは、奇数セル内のビン「x」を偶数セル内のビン「sign(x)(1/2−x)」と対にすることによって形成される。一実施形態では、1つは奇数セル用の、1つは偶数セル用の、2つの異なるLZFBFプリコーダが、トポロジ全体にわたって使用される。特に、奇数(偶数)セルがサービスを行うUTのビンの方が、偶数(奇数)セルがサービスを行うUTのビンよりも、セルエッジにより近い場合、奇数(偶数)セルは、公称よりも高い送信電力を使用し、偶数(奇数)セルは、公称よりも低い送信電力を使用する。結果として、セルセンタUTのSINR及びレートを代償にして、実行可能なSINRレベルが、(再利用1のアーキテクチャを用いた場合でさえも)エッジUTに利用可能である。任意の与えられたビンクラスについて、各奇数セル内で同時にスケジュール及びサービスされるユーザの数は、偶数セル内でサービスされる数と異なることができる。特に、これらのパラメータ(並びに奇数セル及び偶数セルの送信電力)は、ビンクラス毎にオフラインで最適化することができ、したがって、異なるビンクラスに割り当てられる時間−周波数リソース上で、最適に設定することができる。
【0057】
[0054]多くの直接的な拡張が存在する。例えば、セルラ、クラスタ、及びFFRタイプのアーキテクチャは、すべて一緒にして考えることができる。一実施形態では、ユーザは、ビンに入れられ、これらのビンは、「セル」、「クラスタ」、「FFRタイプ」のビンクラスに分類される。そのようなケースでは、各ビンクラスには、スケジューリングリソースの一区画が割り当てられ、各ビンクラスは、上で説明したように、他のすべてのビンクラスとは独立に操作される。一実施形態では、セル、クラスタ、及びFFRタイプのビンクラス内のUTは、ビンクラスについて最適化された、セルラ、クラスタ、及びFFRタイプのアーキテクチャを用いてサービスされる。
【0058】
[0055]一実施形態では、セルラアーキテクチャによってサービスされる、1つ又は複数のビンクラスが含まれるが、各アクティブセルでは、セル内の1組のビンから、ユーザが選択される。一実施形態では、アクティブセルbにおいて、S1人のユーザが、ビン(k1,b)から選択され、S2人のユーザが、ビン(k2,b)から選択される。セルラMU−MIMOプリコーダは、(k1,b)内で選択された各UTが、Z1個の最も近いBSからの干渉を経験せず、(k2,b)内で選択された各UTが、Z2個の最も近いBSからの干渉を経験しないように適用され、Z1はZ2と同じでもよく、又は異なってもよい。
【0059】
[0056]一実施形態では、ユーザをビンに分類するために、付加的な公称受信信号強度情報が使用される。例えば、再利用FのセルラLZFBF方式を用いてユーザ集団にサービスを行うことに依存する場合について考察する。一実施形態では、ユーザをビンに分類するために使用される情報は、送信BSに関するUTにおける公称受信信号強度と、1つ又は複数の近隣干渉BSに関するUTの受信信号強度も含むことができる。
【0060】
[0057]一実施形態では、これは、(ダウンリンクトレーニングによって、又はアップリンクトレーニングサイクルの副産物として)「十分に近い」各UTにおける広域的な公称受信信号強度を、各BSに低頻度で推定させる(又はその推定を更新させる)ことによって達成される。そのような更新は、数秒又は数分のオーダとすることができる。与えられたアーキテクチャにおいて、ビン内のユーザは、すべてが必ずしも同じSINRを有するわけではなく、ある範囲内のSINRを有する。一実施形態では、ビンクラスの変更を妥当とするのに十分な変化をユーザのチャネルが起こした場合にのみ、これらの更新が起こる。そのような更新が起こった場合はいつでも、ユーザのうちの僅かな一群だけが、そのビンクラスを変更すると予想される。「十分に近い」という表現は、BSがサービスを行うUTばかりではなく、それについての公称受信信号強度が無視し得ない、近隣BS内のすべてのUTも包含するものとして、ここでは使用されている。一実施形態では、BSがそのような受信信号強度推定を獲得した、近隣セル内の各UTについて、BSは、この推定を、このUTにサービスを行うBSから利用可能にする。それぞれ同様なことを行った後では、各BSは、自身の各UTと近隣BSとの間の受信信号強度レベルについて十分な情報を有しており、その情報は、BSが、各アーキテクチャを踏まえて、自身の各UTについての公称SINR推定を形成することを可能にする。その後、各アーキテクチャ上でのUTの公称SINR推定は、関連する地理ベースの方式(例えば、それぞれF=1及びF=2の場合の図6及び図7)における、等価の「仮想」ビン位置に容易に「マッピング」することができる。その結果、すべてのアーキテクチャの下でUTに提供されるレートを、容易に比較することができる。その後、UTに最も高いレートをもたらすアーキテクチャを選択することができ、次に、UTを適切な(「仮想」)ビンクラスに入れることができる。最後に、スケジュールされたUT集団にわたるパイロット再利用及び割り当てを選択することができる。一実施形態では、これは、2011年4月6日に出願された、「Method and Apparatus for the Joint Design and Operation of Pilot−Reuse Methods in Reciprocity−Based Training Schemes for Downlink Multi−User MIMO」と題する、米国特許出願第13/081373号において説明されているような技法を使用して行うことができる。
【0061】
[0058]本発明で説明されたすべての例では、一様な線形トポロジ及びUT分布について考察したが、提案された技法が、例では考察されなかった、一様又は非一様なBS分布を有する2Dトポロジ、一様で静的な又はランダムに変化するUTセル分布、及び他の最先端のMU−MIMOプリコーディング方法にも容易に適用できることは明らかである。
【0062】
(ダウンリンク送信のためのプロセスの一例)
[0059]図12は、セルのトポロジを有するワイヤレス通信ネットワークのダウンリンクにおいて通信を行うためのプロセスの一実施形態のフロー図である。プロセスは、ハードウェア(回路、専用ロジックなど)、(汎用コンピュータシステム若しくは専用マシン上で実行される)ソフトウェア、又は両方の組み合わせを含むことができる、処理ロジックによって実行される。
【0063】
[0060]図12を参照すると、処理は、処理ロジックが、複数のユーザ端末のうちの各ユーザ端末を、前記各ユーザ端末に関連付けられた地理的な位置情報に基づいて、ビンに割り当てることによって開始する(処理ブロック1201)。一実施形態では、各ユーザ端末のビンへの割り当ては、各ユーザ端末と近隣基地局のサブセットとの間のチャネルに対応する、広域的なチャネル状態情報にも基づく。一実施形態では、ビンは、セルラアーキテクチャを用いてサービスされるユーザ端末だけを有するセルビンだけを含むセルビンクラスか、又はクラスタアーキテクチャを用いてサービスされるユーザ端末だけを有するクラスタビンだけを含むクラスタビンクラスかに分類される。
【0064】
[0061]基地局コントローラ又は他の制御エンティティ内の処理ロジックは、異なる各ビンクラスに、時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを割り当て、各ビンクラスは、トポロジ全体にわたって、ユーザ端末からなる1つ又は複数のビンを含み、前記各ビンクラスの1つ又は複数のビン内のユーザ端末は、トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースのサブセットによるサービスを受ける(処理ブロック1202)。一実施形態では、各サブセットは、トポロジ全体にわたって、1つ又は複数のスケジューリングスロットにおいて、異なるビンクラスにサービスを行う。
【0065】
[0062]その後、処理ロジックは、対応するビンクラス依存のアーキテクチャを各基地局で使用して、与えられたビンクラスに対して、トポロジ全体にわたって、トレーニングと送信の同時スケジューリングを実行し(処理ブロック1203)、それには、合同送信のために、ビンクラスに属するユーザ端末グループを選択することが含まれ、ビンクラスに属する1つ又は複数のビンに属するユーザ端末は、スケジューリングスロット上で、トポロジ全体にわたって、合同でサービスを受ける。一実施形態では、スケジューリングは、各基地局によって実行される。一実施形態では、送信のためのビンクラスに属するユーザ端末の選択は、各セル内で、スケジューリングのために、ビンクラス内の各ビン内のユーザ端末のサブセットを選択することを含む。別の実施形態では、送信のためのビンクラスに属するユーザ端末の選択は、基地局の各クラスタ内で、スケジューリングのために、ビンクラス内の各ビン内のユーザ端末のサブセットを選択することを含む。
【0066】
[0063]スケジューリングの後、基地局内の処理ロジックは、複数の基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行し、1つ又は複数のビンクラスは、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、複数のビンクラス依存のアーキテクチャの各々は、トポロジ全体にわたって、トレーニング及びMU−MIMO送信のスケジューリングの異なる組み合わせを使用する(処理ブロック1204)。したがって、このようにして、トレーニング及び送信のスケジューリングが、各ビンクラスに固有の方法で実行される。
【0067】
[0064]一実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャは、互いに異なる1つ又は複数のMU−MIMOワイヤレス送信特徴を利用する。一実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、送信のために異なるプリコーダを使用する。別の実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、異なるスケジューリングスロット当たり最大人数のユーザにサービスを行う。また別の実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、異なる再利用率を使用する。またさらなる実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、異なるパイロット再利用率を使用する。
【0068】
[0065]一実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々がもつ特徴は、再利用率と、パイロット再利用率と、MU−MIMOプリコーダとを含む。一実施形態では、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々がもつ特徴は、ビンクラス内の与えられたビンにおいてユーザに送信する、協調的な送信に係わる基地局の数と、そこからのプリコードされた送信がビン内の与えられたスケジュールされたどのユーザ端末に対しても干渉を引き起こさない(ゼロ強制である)ことが求められる基地局の数とをさらに含む。
【0069】
[0066]図13は、基地局の一実施形態のブロック図である。図13を参照すると、コントローラ入力ブロック1301は、基地局コントローラからの入力として、時間−周波数平面がすべてのビンクラスの間でどのように割り当てられたかについての説明を受け取る。一実施形態では、入力は、与えられたクラスに割り当てられた時間−周波数リソースが、スケジューリングスロットにどのように区分けされ、各スケジューリングスロット内で、トレーニング及び送信にどのように区分けされたかについても説明する。一実施形態では、入力1310は、使用するアーキテクチャのいくつかの要素(例えば、ビンクラス内の同時にスケジュールされるユーザの数、使用される送信電力など)も指定する。コントローラ入力ブロック1301は、コントローラ1302に結合され、コントローラは、送信を制御する。
【0070】
[0067]コントローラ1302は、ブロック1301から、スケジューリングスロットを識別する入力を受け取り、各スケジューリングスロット内で、ビンクラスを識別する。コントローラ1302は、(ビンクラス依存のアーキテクチャと、おそらくはブロック1301からの入力とに基づいて)ユーザのサブセットを選択し、どのパイロットを使用すべきかを指示するインデックスを、スケジュールされた各ユーザ端末に(MU−MIMO送信ハードウェア1303を使用して)提供し、(MU−MIMO送信ハードウェア1303を使用する)アップリンクトレーニングが終了すると、チャネルを推定し、それらを使用して、(ビンクラス固有の)プリコーダを設計する。その後、コントローラ1302は、MU−MIMO送信ハードウェア1303及びアンテナ1304と併せて、MU−MIMO送信のためにチャネルを使用する。
[0068]上記の説明を読んだ後では、本発明の多くの代替形態及び変更形態が、当業者には疑いもなく明らかになるが、例を用いて示され、説明されたどの特定の実施形態も、限定的なものと見なされることは決して意図していないことを理解されたい。したがって、様々な実施形態の細部についての言及には、それ自体が本発明に必須と見なされる特徴のみを列挙したものである、特許請求の範囲を限定する意図はない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルのトポロジを有するワイヤレス通信ネットワークのダウンリンクにおいてトレーニング及び送信をスケジュールするための方法であって、
時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを、異なる各ビンクラスに割り当てるステップであって、各ビンクラスが、前記トポロジ全体にわたって、ユーザ端末が属する1つ又は複数のビンを含み、前記各ビンクラスに属する前記1つ又は複数のビン内のユーザ端末が、前記トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースの前記サブセットによるサービスを受ける、ステップと、
複数の基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行するステップであって、1つ又は複数のビンクラスが、前記複数のビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、前記複数のビンクラス依存のアーキテクチャの各々が、前記トポロジ全体にわたって、トレーニング及びMU−MIMO送信のスケジューリングの異なる組み合わせを使用する、ステップと、
を含む方法。
【請求項2】
時間−周波数リソースの各サブセットが、前記トポロジ全体にわたって、1つ又は複数のスケジューリングスロットにおいて、異なるビンクラスにサービスを行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
合同送信のためにビンクラスに属するユーザ端末グループを選択するステップであって、前記ビンクラスに属する1つ又は複数のビンに属するユーザ端末が、前記トポロジ全体にわたって、スケジューリングスロット上で合同してサービスを受ける、ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数のユーザ端末のうちの各ユーザ端末を、前記各ユーザ端末に関連付けられた地理的な位置情報に基づいて、ビンに割り当てるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数のユーザ端末のうちの各ユーザ端末を、前記各ユーザ端末と近隣基地局のサブセットとの間のチャネルに対応する広域的なチャネル状態情報に基づいて、ビンに割り当てるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
与えられたビンクラスについて、対応するビンクラス依存のアーキテクチャを使用して、前記トポロジ全体にわたって、トレーニングと送信を同時にスケジュールするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
スケジューリングのために、前記ビンクラス内の各ビンにおいて、ユーザ端末のサブセットを選択するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ端末の前記サブセットを選択するステップが、各セル内で発生する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ユーザ端末の前記サブセットを選択するステップが、基地局が属する各クラスタ内で発生する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ビンクラスに応じて、トレーニングと送信をスケジュールするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ビンが、セルラアーキテクチャを用いてサービスされるユーザ端末だけを有するセルビンだけを含むセルビンクラスか、又はクラスタアーキテクチャを用いてサービスされるユーザ端末だけを有するクラスタビンだけを含むクラスタビンクラスかに分類される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャが、互いに異なる1つ又は複数のMU−MIMOワイヤレス送信特徴を利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、送信のための異なるプリコーダを使用し、異なるスケジューリングスロット当たり最大人数のユーザにサービスを行い、異なる再利用率を使用し、又は異なるパイロット再利用率を使用する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々の前記特徴は、再利用率と、パイロット再利用率と、MU−MIMOプリコーダとを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々の前記特徴は、協調的な送信に係わる基地局の数と、与えられたユーザ端末が干渉を経験しない基地局の数とをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
複数のユーザ端末を有する、ワイヤレス通信情報のためのワイヤレス通信システムであって、
トポロジ内のセル内に配置された複数の基地局と、
時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを、異なる各ビンクラスに割り当てることによって、前記複数の基地局の合同送信を制御するための基地局コントローラであって、各ビンクラスが、前記トポロジ全体にわたって、ユーザ端末が属する1つ又は複数のビンを含み、前記各ビンクラスに属する前記1つ又は複数のビン内のユーザ端末が、前記トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースの前記サブセットによってサービスされる、基地局コントローラと、
を備え、
前記複数の基地局が、前記複数の基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行し、1つ又は複数のビンクラスが、前記複数のビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、前記複数のビンクラス依存のアーキテクチャの各々が、前記トポロジ全体にわたって、トレーニング及びMU−MIMO送信のスケジューリングの異なる組み合わせを使用する、
ワイヤレス通信システム。
【請求項17】
時間−周波数リソースの各サブセットが、前記トポロジ全体にわたって、1つ又は複数のスケジューリングスロットにおいて、異なるビンクラスにサービスを行う、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の基地局のうちの基地局が、合同送信のためにビンクラスに属するユーザ端末グループを選択し、前記ビンクラスに属する1つ又は複数のビンに属するユーザ端末が、前記トポロジ全体にわたって、スケジューリングスロット上で合同してサービスを受ける、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数の基地局のうちの基地局が、複数のユーザ端末のうちの各ユーザ端末を、前記各ユーザ端末に関連付けられた地理的な位置情報に基づいて、ビンに割り当てる、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の基地局のうちの基地局が、複数のユーザ端末のうちの各ユーザ端末を、前記各ユーザ端末と近隣基地局のサブセットとの間のチャネルに対応する広域的なチャネル状態情報に基づいて、ビンに割り当てる、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の基地局のうちの基地局が、与えられたビンクラスについて、対応するビンクラス依存のアーキテクチャを使用して、前記トポロジ全体にわたって、トレーニングと送信を同時にスケジュールする、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数の基地局のうちの基地局が、各セル内で、スケジューリングのために、前記ビンクラス内の各ビンにおいて、ユーザ端末のサブセットを選択する、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数の基地局のうちの基地局が、各クラスタ内で、前記ビンクラス内の各ビンにおいて、ユーザ端末のサブセットを選択する、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャが、互いに異なる1つ又は複数のMU−MIMOワイヤレス送信特徴を利用する、請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、送信のために異なるプリコーダを使用し、異なるスケジューリングスロット当たり最大人数のユーザにサービスを行い、異なる再利用率を使用し、又は異なるパイロット再利用率を使用する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々の前記特徴は、再利用率と、パイロット再利用率と、MU−MIMOプリコーダとを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々の前記特徴は、協調的な送信に係わる基地局の数と、与えられたユーザ端末が干渉を経験しない基地局の数とをさらに含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項1】
セルのトポロジを有するワイヤレス通信ネットワークのダウンリンクにおいてトレーニング及び送信をスケジュールするための方法であって、
時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを、異なる各ビンクラスに割り当てるステップであって、各ビンクラスが、前記トポロジ全体にわたって、ユーザ端末が属する1つ又は複数のビンを含み、前記各ビンクラスに属する前記1つ又は複数のビン内のユーザ端末が、前記トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースの前記サブセットによるサービスを受ける、ステップと、
複数の基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行するステップであって、1つ又は複数のビンクラスが、前記複数のビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、前記複数のビンクラス依存のアーキテクチャの各々が、前記トポロジ全体にわたって、トレーニング及びMU−MIMO送信のスケジューリングの異なる組み合わせを使用する、ステップと、
を含む方法。
【請求項2】
時間−周波数リソースの各サブセットが、前記トポロジ全体にわたって、1つ又は複数のスケジューリングスロットにおいて、異なるビンクラスにサービスを行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
合同送信のためにビンクラスに属するユーザ端末グループを選択するステップであって、前記ビンクラスに属する1つ又は複数のビンに属するユーザ端末が、前記トポロジ全体にわたって、スケジューリングスロット上で合同してサービスを受ける、ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数のユーザ端末のうちの各ユーザ端末を、前記各ユーザ端末に関連付けられた地理的な位置情報に基づいて、ビンに割り当てるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数のユーザ端末のうちの各ユーザ端末を、前記各ユーザ端末と近隣基地局のサブセットとの間のチャネルに対応する広域的なチャネル状態情報に基づいて、ビンに割り当てるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
与えられたビンクラスについて、対応するビンクラス依存のアーキテクチャを使用して、前記トポロジ全体にわたって、トレーニングと送信を同時にスケジュールするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
スケジューリングのために、前記ビンクラス内の各ビンにおいて、ユーザ端末のサブセットを選択するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ端末の前記サブセットを選択するステップが、各セル内で発生する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ユーザ端末の前記サブセットを選択するステップが、基地局が属する各クラスタ内で発生する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ビンクラスに応じて、トレーニングと送信をスケジュールするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ビンが、セルラアーキテクチャを用いてサービスされるユーザ端末だけを有するセルビンだけを含むセルビンクラスか、又はクラスタアーキテクチャを用いてサービスされるユーザ端末だけを有するクラスタビンだけを含むクラスタビンクラスかに分類される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャが、互いに異なる1つ又は複数のMU−MIMOワイヤレス送信特徴を利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、送信のための異なるプリコーダを使用し、異なるスケジューリングスロット当たり最大人数のユーザにサービスを行い、異なる再利用率を使用し、又は異なるパイロット再利用率を使用する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々の前記特徴は、再利用率と、パイロット再利用率と、MU−MIMOプリコーダとを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々の前記特徴は、協調的な送信に係わる基地局の数と、与えられたユーザ端末が干渉を経験しない基地局の数とをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
複数のユーザ端末を有する、ワイヤレス通信情報のためのワイヤレス通信システムであって、
トポロジ内のセル内に配置された複数の基地局と、
時間−周波数平面内の時間−周波数リソースのサブセットを、異なる各ビンクラスに割り当てることによって、前記複数の基地局の合同送信を制御するための基地局コントローラであって、各ビンクラスが、前記トポロジ全体にわたって、ユーザ端末が属する1つ又は複数のビンを含み、前記各ビンクラスに属する前記1つ又は複数のビン内のユーザ端末が、前記トポロジ全体にわたって、時間−周波数リソースの前記サブセットによってサービスされる、基地局コントローラと、
を備え、
前記複数の基地局が、前記複数の基地局において、複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャを使用して、合同ダウンリンクMU−MIMO送信を実行し、1つ又は複数のビンクラスが、前記複数のビンクラス依存のアーキテクチャの1つに関連付けられ、前記複数のビンクラス依存のアーキテクチャの各々が、前記トポロジ全体にわたって、トレーニング及びMU−MIMO送信のスケジューリングの異なる組み合わせを使用する、
ワイヤレス通信システム。
【請求項17】
時間−周波数リソースの各サブセットが、前記トポロジ全体にわたって、1つ又は複数のスケジューリングスロットにおいて、異なるビンクラスにサービスを行う、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の基地局のうちの基地局が、合同送信のためにビンクラスに属するユーザ端末グループを選択し、前記ビンクラスに属する1つ又は複数のビンに属するユーザ端末が、前記トポロジ全体にわたって、スケジューリングスロット上で合同してサービスを受ける、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数の基地局のうちの基地局が、複数のユーザ端末のうちの各ユーザ端末を、前記各ユーザ端末に関連付けられた地理的な位置情報に基づいて、ビンに割り当てる、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の基地局のうちの基地局が、複数のユーザ端末のうちの各ユーザ端末を、前記各ユーザ端末と近隣基地局のサブセットとの間のチャネルに対応する広域的なチャネル状態情報に基づいて、ビンに割り当てる、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の基地局のうちの基地局が、与えられたビンクラスについて、対応するビンクラス依存のアーキテクチャを使用して、前記トポロジ全体にわたって、トレーニングと送信を同時にスケジュールする、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数の基地局のうちの基地局が、各セル内で、スケジューリングのために、前記ビンクラス内の各ビンにおいて、ユーザ端末のサブセットを選択する、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数の基地局のうちの基地局が、各クラスタ内で、前記ビンクラス内の各ビンにおいて、ユーザ端末のサブセットを選択する、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャが、互いに異なる1つ又は複数のMU−MIMOワイヤレス送信特徴を利用する、請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャのうちの少なくとも2つのアーキテクチャは、送信のために異なるプリコーダを使用し、異なるスケジューリングスロット当たり最大人数のユーザにサービスを行い、異なる再利用率を使用し、又は異なるパイロット再利用率を使用する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々の前記特徴は、再利用率と、パイロット再利用率と、MU−MIMOプリコーダとを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数のビンクラス依存のワイヤレス送信アーキテクチャの各々の前記特徴は、協調的な送信に係わる基地局の数と、与えられたユーザ端末が干渉を経験しない基地局の数とをさらに含む、請求項26に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−100270(P2012−100270A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−242481(P2011−242481)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242481(P2011−242481)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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