説明

省電力制御システム、記録媒体、及びプログラム

【課題】中央処理装置の使用頻度が低い場合は省電力モードにし、アプリケーションによって外部機器との入出力伝送の有無に関係なく中央処理装置の能力を必要とする状況では節電モードへの移行を停止する事によって通信障害の回避及び使用者の違和感を無くす。
【解決手段】省電力機能を持つ中央処理装置を含むハードウェアでシステムの起動・制御を含む動作を行うシステム部と、システム部を起動する為に必要な基本プログラムを搭載するBIOS部、データの蓄積を行う蓄積部と、プログラムの本体のアプリケーション部と、システム部とアプリケーション部の間で、制御等を行う基本ソフトウェア及び中央処理装置の省電力を制御するオペレーションシステム部から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置における節電機能、特に中央処理装置の節電制御装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置の節電機能の重要度が高まるにつれ、中央処理装置も複数の電力モードを持つものが増えてきている。オペレーティングシステムにより中央処理装置を使用しない時は節電効果の高い省電力モードに設定し、中央処理装置を使用する場合は省電力モードを停止して中央処理装置の最大の能力で動作するパフォーマンスモードに設定する事により節電効果を高めて長時間の使用を実現している。
【0003】
以下に従来の省電力制御システムについてパソコンの構成を用いて説明する。
従来の省電力制御システムを図3に示す。図3は従来の省電力制御システムを搭載したパソコンのブロック図を示すものである。
【0004】
図3において、30はシステムを表すパソコンである。31は最大の能力で動作するパフォーマンスモードと最大の能力より低い能力で動作して省電力化を実現する省電力モードを持ち、モードを切り替えて動作可能な中央処理装置である。32は中央処理装置31を搭載してパソコン30の全システムを制御するシステム部である。33はデータの蓄積及びシステム部32で制御・処理されたデータ及びオペレーションシステム部37(後述)の基本プログラム等を格納するハードディスク等の蓄積部である。34はシステム部32と蓄積部33と入出力部35(後述)の間でデータ通信を行うデータバスラインである。35はシステム部32で制御・作成されたデータまたは蓄積部33に格納されているデータがデータバスライン34上を伝達して外部に接続された外部機器39(後述)に対して外部機器データバス40(後述)を経由して送受信する制御を行う入出力部である。36は蓄積部33上にありデータを蓄積するデータ蓄積部である。37は蓄積部33上にありシステム部32の制御や管理、入出力の制御などを行う基本ソフトウェアであるオペレーションシステム部である。38はオペレーションシステム部37が中央処理装置31のパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを制御する制御情報である。39はパソコン30の入出力部35に接続されたIEEE1394規格等の通信規格に対応したインターフェースを持つディジタルビデオカメラ等の外部機器である。40は入出力部35と外部機器39をIEEE1394規格等の通信規格に対応したインターフェースで接続する外部機器データバスである。
【0005】
以上のように構成された従来の省電力制御システムについて、以下その動作について説明する。
【0006】
まず、パソコン30の電源を投入した後、パソコン30の起動が開始されシステム部32と蓄積部33と入出力部35のハードウェア確認が行われる。ハードウェアの動作として問題が無い場合には、オペレーションシステム部37でWindows(登録商標)等の基本プログラムが起動してパソコンを使用できる環境になる。入出力部35で外部機器39との入出力が無い場合は、オペレーションシステム部37が制御情報38によって中央処理装置31に指令して省電力モードに移行する。
【0007】
またシステム部32で処理されたデータ、データ蓄積部36に格納されたデータがデータバス34上を伝達して入出力部35に伝わり、入出力部35が外部機器データバス40を介して外部機器39と通信を行う事によって入出力があった場合は、オペレーションシステム部37が制御情報38によって中央処理装置31に指令してパフォーマンスモードに移行する処理を行うことで高い節電効果と素早い応答性を両立させる。
【特許文献1】特開2000−89861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記の従来の構成では、外部機器とパソコン間でのデータ転送があった時点でパフォーマンスモードに設定して、データ転送が無い時に省電力モードを設定する構成になっている為に中央処理装置の使用頻度でのパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行っていない。最近では外部機器とパソコン内の蓄積部のデータ転送効率を上げる為にDMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)転送が使われている。このDMA転送は、外部機器とパソコン内部の蓄積部の間で動作している為に中央処理装置の能力を使用しない構成になっている。外部機器とパソコン内の蓄積部のデータ転送の有無に関わらず、中央処理装置は省電力モードに移行する。しかし動画編集ソフトはリアルタイム処理の為、中央処理装置の最大限の能力を必要とする時にパフォーマンスモードと省電力モードが繰り返される事になってしまう。つまり、外部機器との入出力の有無に関係無く中央処理装置の能力がソフトウェアの要望する推奨能力を満たされていない場合に、通信障害が発生して動画乱れの発生や音声が異音になるという問題点を有していた。
【0009】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、外部機器との入出力の有無に関係無くオペレーションシステム部が省電力モードに移行する位に中央処理装置の使用頻度が低い場合は省電力モードにし、アプリケーション部に導入するソフトウェアにパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を挿入してオペレーションシステム部の省電力モードを制御する事によって、外部機器との入出力の有無に関係なく中央処理装置の能力を必要とする状況では節電モードへの移行を停止して通信障害を無くす事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために本発明の省電力制御システムは、最大の能力で動作するパフォーマンスモードと最大の能力より低い能力で動作して省電力化を実現する省電力モードを有し、パフォーマンスモードと省電力モードのモードを切り替えて動作可能な中央処理装置と、前記中央処理装置を含むハードウェアでシステムの起動・制御動作を行うシステム部と、ソフトウェアの起動・処理を行うアプリケーション部と、前記アプリケーション部のソフトウェアの制御や管理、入出力の制御などを行う基本プログラム及び前記中央処理装置の省電力のモード切り替えを制御するオペレーションシステム部と、前記アプリケーション部の本体と前記オペレーションシステム部の本体を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に搭載されデータを蓄積するn(n=1,2,3,・・・)個のデータ蓄積部と、前記システム部と前記オペレーティングシステム部により制御されl(l=1,2,3,・・・)個の外部機器、m(m=1,2,3,・・・)個の外部蓄積機器と通信を行いデータ等の送受信を行う入出力部を有しており、前記アプリケーション部に導入するソフトウェアにパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を挿入して前記オペレーションシステム部の省電力モードを制御する事を行っている。
【0011】
この構成によって、外部機器との入出力の有無に関係無くオペレーションシステム部が省電力モードに移行する位に中央処理装置の使用頻度が低い場合は省電力モードにし、アプリケーション部に導入するソフトウェアにパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を挿入してオペレーションシステム部の省電力モードを制御する事によって、外部機器との入出力の有無に関係なく中央処理装置の能力を必要とする状況では節電モードへの移行を停止して通信障害を無くすという効果が得られる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明は、外部機器との入出力の有無に関係無くオペレーションシステム部が省電力モードに移行する位に中央処理装置の使用頻度が低い場合は省電力モードにし、アプリケーション部に導入するソフトウェアにパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を挿入してオペレーションシステム部の省電力モードを制御する事によって、外部機器との入出力の有無に関係なく中央処理装置の能力を必要とする状況では節電モードへの移行を停止して通信障害を無くすという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、最大の能力で動作するパフォーマンスモードと最大の能力より低い能力で動作して省電力化を実現する省電力モードを有し、パフォーマンスモードと省電力モードのモードを切り替えて動作可能な中央処理装置と、前記中央処理装置を含むハードウェアでシステムの起動・制御動作を行うシステム部と、ソフトウェアの起動・処理を行うアプリケーション部と、前記アプリケーション部のソフトウェアの制御や管理、入出力の制御などを行う基本プログラム及び前記中央処理装置の省電力のモード切り替えを制御するオペレーションシステム部と、前記アプリケーション部の本体と前記オペレーションシステム部の本体を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に搭載されデータを蓄積するn(n=1,2,3,・・・)個のデータ蓄積部と、前記システム部と前記オペレーティングシステム部により制御されl(l=1,2,3,・・・)個の外部機器、m(m=1,2,3,・・・)個の外部蓄積機器と通信を行いデータ等の送受信を行う入出力部を備え、前記アプリケーション部に導入するソフトウェアにパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を挿入して前記オペレーションシステム部の省電力モードを制御することを特徴とする省電力制御システムであり、外部機器との入出力の有無に関係無くオペレーションシステム部が省電力モードに移行する位に中央処理装置の使用頻度が低い場合は省電力モードにし、アプリケーション部に導入するソフトウェアにパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を挿入してオペレーションシステム部の省電力モードを制御する事によって、外部機器との入出力の有無に関係なく中央処理装置の能力を必要とする状況では節電モードへの移行を停止して通信障害を無くすという作用を有する。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図2を用いて説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1は本発明の省電力制御システムのブロック図であり、図1において、1はシステムであり、本実施の形態ではパソコンを想定しているが、これに限るものではなく、少なくともシステム部3や蓄積部4や入出力部6などを備えている機器であればよく、パソコンの他にPDA(個人情報管理端末)などがある。
【0016】
2は最大の能力で動作するパフォーマンスモードと最大の能力より低い能力で動作して省電力化を実現する省電力モードを持ちモードを切り替えて動作可能な中央処理装置である。
【0017】
3は中央処理装置2を搭載してシステム1の全システムを制御するシステム部である。
【0018】
4はデータの蓄積及びシステム部3で制御・処理されたデータ及びオペレーションシステム部8(後述)の基本プログラム及びアプリケーション部9(後述)のソフトウェア等を格納するハードディスク等の蓄積部である。蓄積部4は蓄積できる機器で有れば特に規定しない。
【0019】
5はシステム部3と蓄積部4と入出力部6(後述)の間でデータ通信を行うデータバスラインである。
【0020】
6はシステム部3で制御・作成されたデータまたは蓄積部4に格納されているデータが、データバスライン5上を伝達して外部に接続された外部機器11(後述)に対して外部機器データバス12(後述)、または外部に接続された外部蓄積機器13(後述)に対して外部蓄積機器データバス14(後述)を経由して送受信する制御を行う入出力部である。
【0021】
7は蓄積部4上にありデータを蓄積するデータ蓄積部である。
【0022】
8は蓄積部4上にありシステム部3の制御や管理、入出力の制御などを行う基本ソフトウェアであるオペレーションシステム部である。オペレーションシステム部8は複数の基本ソフトウェアで構成されても良い。
【0023】
9は蓄積部4上にありオペレーションシステム部8の元でソフトウェアを起動して処理を行うアプリケーション部である。アプリケーション部9に導入するソフトウェアに、パフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を挿入して、オペレーションシステム部8の省電力モードを制御する。なお、アプリケーション部9に導入するソフトウェアは、パフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報が挿入されているソフトウェアと、挿入されていないソフトウェアとが混在しても良い。
【0024】
10はオペレーション部8が中央処理装置2のパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを制御する制御情報である。
【0025】
11はシステム1の入出力部6に接続されたIEEE1394等の通信規格に準拠したインターフェースを持つディジタルビデオカメラ等の外部機器である。外部機器11は、少なくともデジタルデータを通信可能な外部インターフェースを持っている機器ならば、特に限定されるものでは無い。また、接続される機器は、複数接続されても良い。
【0026】
12は入出力部6と外部機器11をIEEE1394等のインターフェースで接続する外部機器データバスである。例えば、外部機器11と入出力部6とをIEEE1394規格に基づいた接続を実現する場合は、IEEE1394規格に準拠したケーブルを用いて、ケーブルの一端を外部機器11(例えばデジタルビデオカメラ)の接続端子に接続し、ケーブルの他端を入出力部6における接続端子に接続することで、物理的な接続が完成する。そして、外部機器11とシステム1とを電源投入し、IEEE1394規格に基づいた通信状態を確立することで、この外部機器データバス12を通じて、システム1と外部機器11との間でデジタル通信が可能となる。
【0027】
13はシステム1の入出力部6に接続されたIEEE1394等のインターフェースを持つハードディスク等の外部蓄積機器である。外部蓄積機器13は外部インターフェースを持っている機器ならば特に限定される物で無いし、複数接続されても良いという構成になっている。
【0028】
14は入出力部6と外部蓄積機器13をIEEE1394等のインターフェースで接続する外部蓄積機器データバスである。外部機器11と外部蓄積機器13は両方接続していてもいずれか一方を接続していても良い。
【0029】
なお、外部機器11、外部機器データバス12、外部蓄積機器13、外部蓄積機器データバス14にて用いている通信規格は、IEEE1394規格に限定されるものではなく、デジタルデータの通信が可能なものであればよい。
【0030】
また、外部機器データバス12及び外部蓄積機器データバス14は、ケーブルによる有線接続でもよいし、無線通信規格を利用した無線接続であっても構わない。
【0031】
以上のように構成された省電力制御システムについて、図1を用いてその動作を説明する。なお、以下の説明では、外部機器11はディジタルビデオカメラ、アプリケーション部9に導入されるソフトウェアは動画編集ソフトを一例として説明する。
【0032】
まず、システム1の電源を投入した後、パソコンの起動が開始されシステム部3と蓄積部4と入出力部6のハードウェア確認が行われる。ハードウェアの動作として問題無い場合には、オペレーションシステム部8によりWindows(登録商標)等の基本プログラムが起動してシステム1を使用できる環境になる。
【0033】
次に、動画編集ソフトを用いて動画編集の作業を行う時に、ディジタルビデオカメラを外部機器11として入出力部6に接続する。この時、外部機器データバス12として、IEEE1394規格等に準拠したインターフェースケーブルを使って接続する。
【0034】
アプリケーション部9に、記録媒体またはダウンロードしたプログラムとして入手した動画編集を行うソフトウェアの本体をインストールした時に、オペレーションシステム部8上で使用できる環境も整えられる。この時、アプリケーション部9に導入するソフトウェアには、パフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報が挿入されており、そのモード情報に基づきオペレーションシステム部8が、制御情報10として中央処理装置2の省電力モードを制御する事ができるようになっている。これにより、動画編集ソフトがシステム1のデータ蓄積部7と外部機器11との間でデータの送受信をDMA転送で行われて、中央処理装置2の使用頻度が低くても動画編集ソフトが起動している時にはパフォーマンスモードに移行する。なお、動画編集ソフトのインストール方法としては、上記のようにインストールプログラムを保存したCD−ROMやDVDなどの記録媒体を用いてインストールする方法や、動画編集ソフトのインストールプログラムをアップロードしてあるインターネットサイトから、前記インストールプログラムをダウンロードして実行することによりインストールする方法などがある。
【0035】
動画編集ソフトを終了した後、オペレーションシステム部8が省電力モードに移行する位に中央処理装置の使用頻度が低い場合は、オペレーションシステム部9の処理により省電力モードに移行する。
【0036】
また、パフォーマンスモードと省電力モードのモードを切り替えて動作可能な中央処理装置2を搭載しているシステム1がバッテリーで駆動している場合、インストールされたソフトウェアまたはプログラムにあるパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報でパフォーマンスモードが組み込まれた時に、ACアダプタなどの常時電源接続を要求するメッセージまたはアイコンを出力する事によって、パフォーマンスモードでの使用に耐えうる環境にするように使用者へ注意を促すことができる。これは、パフォーマンスモードは、省電力モードに比べて消費電力が高く、バッテリー駆動している状態でシステムの駆動時間が短くなってしまうのを極力防ぐためである。
【0037】
なお、以上の説明でソフトウェアまたはプログラムが起動した時点でパフォーマンスモードに設定されて、終了した時点でオペレーションシステム部8が省電力モードに移行する位に中央処理装置の使用頻度が低い場合、オペレーションシステム部9の処理により省電力モードに移行すると説明したが、ソフトウェアまたはプログラムをインストールした時点でパフォーマンスモードに設定された場合にACアダプタの接続を要求しても良い。
【0038】
また、パフォーマンスモードと省電力モードのモードを切り替えて動作可能な中央処理装置を搭載しているシステムに、パフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を含んだソフトウェアまたはプログラムをアプリケーション部9にインストールし、ソフトウェアまたはプログラムが起動している間のみパフォーマンスモードが設定された場合に、別途オペレーションシステム部8が中央処理装置2の省電力管理を行っている制御よりも、アプリケーション部9にインストールされたソフトウェアまたはプログラムのパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを優先する構成にする事で、モード切り替えを統一できる。
【0039】
なお、以上の説明でオペレーションシステム部のパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行っている制御より優先すると説明したが、システムの構成によっては必ずしも優先にしなくても良い。
【0040】
なお、以上の説明でソフトウェアまたはプログラムが起動した時点でパフォーマンスモードに設定されて、終了した時点でオペレーションシステム部8が省電力モードに移行する位に中央処理装置の使用頻度が低い場合、オペレーションシステム部9の処理により省電力モードに移行すると説明したが、ソフトウェアまたはプログラムをインストールした時点でパフォーマンスモードに設定された場合に中央処理装置2の省電力管理を行っても良い。
【0041】
なお、以上の説明で動画編集ソフトについて説明したが、オペレーションシステム部8にインストールして動作する全てのアプリケーションソフトウェアについて言えることで前述の例に限るものでない。
【0042】
なお、以上の説明でアプリケーション部9にインストールするソフトウェアを記録媒体またはプログラムと説明したが、パソコン等で商品出荷以前に製造者側あるいは販売者側でインストールされているソフトウェアでも良く、アプリケーション部9にインストールする手段は限定しない。
【0043】
なお、以上の説明でシステム1のデータ蓄積部7と外部機器11との間のデータでデータ送受信をDMA転送と説明したが、オペレーションシステム部8が省電力モードに移行する位に中央処理装置2の使用頻度が低い場合の転送方法なら限定しない。
【0044】
なお、以上の説明でデータ転送をシステム1のデータ蓄積部7と外部機器11との間で行うと説明しているが、システム1のデータ蓄積部7と外部機器11と外部蓄積機器13から考えられる全ての組み合わせの構成で実現しても良い。
【0045】
なお、以上の説明で外部機器11と外部蓄積機器13は、それぞれ1つで説明しているが、複数接続される構成にしても良い。その場合は、入出力部6に複数の接続端子を設ける構成とするか、あるいは入出力部6における接続端子の数は少なくし、別途ハブを用いて通信経路を分岐させて、複数の外部機器11あるいは外部接続機器13を接続可能な構成としてもよい。
【0046】
図2は本発明の省電力制御システムの電力モード移行図であり、図2において20はシステム1の電源をオンにしてシステムが動作するシステム起動である。21はシステム起動20によりパソコンが正常に起動してオペレーションシステムが動作するオペレーション起動である。22はオペレーションシステム起動21が動作して、パフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を持つアプリケーションソフトが起動するかどうかの分岐を表すアプリ起動である。23は中央処理装置2の能力を最大にするパフォーマンスモードである。24は中央処理装置2の能力を落とすことによって省電力にして電力の削減を行う省電力モードである。
【0047】
以上のように構成された省電力制御システムの電力モード移行図の動作を説明する。
【0048】
システム起動20によってパソコンが正常に起動した状態でオペレーションシステム起動21が動作する。次にアプリ起動22に移行し、パフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を持つアプリケーションを起動した場合、パフォーマンスモード23に移行する。パフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を持つアプリケーションが起動しない場合は省電力モード24に移行する。
【0049】
以上のように本実施の形態によれば、外部機器との入出力の有無に関係無くオペレーションシステム部が省電力モードに移行する位に中央処理装置の使用頻度が低い場合は省電力モードにし、アプリケーション部に導入するソフトウェアにパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を挿入してオペレーションシステム部の省電力モードを制御する事によって、外部機器との入出力の有無に関係なく中央処理装置の能力を必要とする状況では節電モードへの移行を停止して通信障害を無くすという効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、特に省電力化が実現できる中央処理装置を搭載していても通信障害を無くす携帯機器など様々な応用例が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態1における省電力制御システムのブロック図
【図2】同実施の形態1における省電力制御システムの電力モード移行の流れを示すフロー図
【図3】従来の省電力制御システムのブロック図
【符号の説明】
【0052】
1 パソコン
2 中央処理装置
3 システム部
4 蓄積部
5 データバス
6 入出力部
7 データ蓄積部
8 オペレーションシステム部
9 アプリケーション部
10 制御線
11 外部機器
12 外部機器データバス
13 外部蓄積機器
14 外部蓄積機器データバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大の能力で動作するパフォーマンスモードと最大の能力より低い能力で動作して省電力化を実現する省電力モードを有し、パフォーマンスモードと省電力モードのモードを切り替えて動作可能な中央処理装置と、前記中央処理装置を含むハードウェアでシステムの起動・制御動作を行うシステム部と、ソフトウェアの起動・処理を行うアプリケーション部と、前記アプリケーション部のソフトウェアの制御や管理、入出力の制御などを行う基本プログラム及び前記中央処理装置の省電力のモード切り替えを制御するオペレーションシステム部と、前記アプリケーション部の本体と前記オペレーションシステム部の本体を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に搭載されデータを蓄積するn(n=1,2,3,・・・)個のデータ蓄積部と、前記システム部と前記オペレーティングシステム部により制御されl(l=1,2,3,・・・)個の外部機器、m(m=1,2,3,・・・)個の外部蓄積機器と通信を行いデータ等の送受信を行う入出力部を備え、前記アプリケーション部に導入するソフトウェアにパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を挿入して前記オペレーションシステム部の省電力モードを制御することを特徴とする省電力制御システム。
【請求項2】
省電力制御システムが搭載された機器は、パフォーマンスモードと省電力モードのモードを切り替えて動作可能な中央処理装置を搭載している機器を表す請求項1記載の省電力制御システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムで用いる記録媒体であって、パフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を挿入したソフトウェアが記録され、前記ソフトウェアをアプリケーション部に導入可能なことを特徴とする記録媒体。
【請求項4】
請求項1記載のシステムで用いるプログラムであって、パフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報を挿入したソフトウェアをアプリケーション部に導入可能なプログラム。
【請求項5】
パフォーマンスモードと省電力モードのモードを切り替えて動作可能な中央処理装置を搭載している機器がバッテリーで駆動している場合、インストールされたソフトウェアまたはプログラムにあるパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報でパフォーマンスモードが組み込まれた時にACアダプタの接続を要求するメッセージ、またはアイコンを出力する請求項1、または2記載の省電力制御システム。
【請求項6】
パフォーマンスモードと省電力モードのモードを切り替えて動作可能な中央処理装置を搭載している機器でインストールされたソフトウェアまたはプログラムにパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報でパフォーマンスモードが組み込まれた時にオペレーションシステム部でパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行っている制御より優先する請求項1、または2記載の省電力制御システム。
【請求項7】
インストールされたソフトウェアまたはプログラムにパフォーマンスモードと省電力モードの切り替えを行うモード情報でパフォーマンスモードが組み込まれてもアプリケーションが動作してない時は省電力モードを有効にする請求項1、または2、または5、または6記載の省電力制御システム。
【請求項8】
入出力部に接続されるl(l=1,2,3,・・・)個の外部機器との送受信はn(n=1,2,3、・・)個のデータ蓄積部との間で行う請求項1、または2記載の省電力制御システム。
【請求項9】
入出力部に接続されるm(m=1,2,3,・・・)個の外部蓄積機器との送受信はn(n=1,2,3、・・)個のデータ蓄積部との間で行う請求項1、または2記載の省電力制御システム。
【請求項10】
入出力部に接続されるl(l=1,2,3,・・・)個の外部機器との送受信は入出力部に接続されたm(m=1,2,3、・・)個の外付蓄積機器間で行う請求項1、または2記載の省電力制御システム。
【請求項11】
入出力部に接続されるl(l=1,2,3,・・・)個の外部機器との送受信は入出力部に接続された他のp(p=1,2,3、・・)個の外部機器間で行う請求項1、または2記載の省電力制御システム。
【請求項12】
入出力部に接続されるp(p=1,2,3,・・・)個の外部蓄積機器との送受信は入出力部に接続された他のq(q=1,2,3、・・)個の外部蓄積機器間で行う請求項1、または2記載の省電力制御システム。
【請求項13】
入出力部に接続されるl(l=1,2,3,・・・)個の外部機器はデータをn(n=1,2,3、・・)個のデータ蓄積部を介してシステム部で処理されたデータを前記入出力部に接続された他のp(p=1,2,3、・・)個の外部機器に送受信する請求項1、または2記載の省電力制御システム。
【請求項14】
入出力部に接続されるl(l=1,2,3,・・・)個の外部機器がn(n=1,2,3、・・)個のデータ蓄積部を介してシステム部で処理されたデータを前記入出力部に接続されたm(m=1,2,3、・・)個の外部蓄積機器と送受信する請求項1、または2記載の省電力制御システム。
【請求項15】
入出力部に接続されるp(p=1,2,3,・・・)個の外部蓄積機器がn(n=1,2,3、・・)個のデータ蓄積部を介してシステム部で処理されたデータを前記入出力部に接続された他のq(q=1,2,3、・・)個の外部蓄積機器と送受信する請求項1、または2記載の省電力制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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