説明

看護情報管理システムおよび方法ならびに看護情報管理サーバ,看護情報管理端末およびプログラム

【課題】 職員に実施すべき看護行為をリアルタイムでチェックさせることで、医師による指示内容の変更等を確実に把握させて医療ミスを防止するとともに、実施情報をその場で簡単に入力させて転記作業を軽減し、正確な看護情報の管理を実現することができる看護情報管理システム、看護情報管理サーバ、看護情報管理端末、看護情報管理サーバ用プログラムおよび看護情報管理端末用プログラムを提供する。
【解決手段】 患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバと、患者の看護に関わる職員が携帯し、看護情報管理サーバとの間で無線通信により看護情報を授受する看護情報管理端末とから構成されており、看護情報管理サーバは、看護情報管理端末から要求される各種の情報を提供し、看護情報管理端末を携帯する職員は、取得した情報に基づいて看護行為を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、看護情報管理システムおよび方法ならびに看護情報管理サーバ,看護情報管理端末およびプログラムに関し、特に、患者に対する看護行為を実施する看護師等の職員が看護情報をリアルタイムにチェックするのに好適な看護情報管理システムおよび方法ならびに看護情報管理サーバ,看護情報管理端末およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院等の医療施設において、看護師等の職員が輸血や注射、検体検査等の看護行為を実施する場合、医師による指示や患者の氏名などを記載した帳票を目視で確認したり、あるいは患者名を読み上げたりして、投薬ミスや患者の取り違え等の医療ミスを防止するための努力が行われている。
【0003】
このような医療ミスを防止するための技術として、例えば、特許文献1に記載の注射注文票が知られている。この注射注文票は、注射する薬品を特定する情報を表示するための薬品情報表示ラベルと、注射対象患者を特定する情報を表示するための患者情報表示ラベルと、注射する薬品の数を表示するための注射数表示欄とからなる注射注文表示部が複数設けられている。これにより、薬品コードと患者コードとが関連づけられるため、注射対象者を間違うおそれがなく、これに伴う医療ミスを回避することができるとされている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された発明においては、医師による看護行為の指示内容が変更されたり、あるいは中止の指示が出された場合には、その指示内容が看護行為の実施者に伝達されず、医療ミスが発生してしまうという問題があった。その理由は、単に、薬品コードと患者コードとを照合してチェックするだけであるためである。
【0006】
また、看護情報を管理するため多大な労力を要するし、転記し忘れたり、正確さに欠けるという問題があった。その理由は、看護行為を実施した看護師等が、ナースステーション等に戻ってから実施内容をカルテに転記するためである。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の課題のいずれかを解決する看護情報管理システムおよび方法ならびに看護情報管理サーバ,看護情報管理端末およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願第1の発明の看護情報管理システムは、患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバと、前記看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を授受する看護情報管理端末とを有する看護情報管理システムであって、前記看護情報管理端末は、職員識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する手段と、看護用品識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する手段と、前記看護情報管理サーバで設定された実施可能な看護行為を基に前記看護情報管理サーバから受信した看護用品情報の正当性をチェックする手段とを含み、前記看護情報管理サーバは、サーバ側記憶手段に記憶する権限テーブルを読み出し前記職員識別コードに対応した職務コードを基に実施可能な看護行為を設定する手段と、サーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルを読み出し前記看護用品識別コードに対応した看護用品情報を抽出する手段とを含む。
【0009】
本願第2の発明の看護情報管理システムは、第1の発明において前記看護情報管理端末は、看護行為の実施情報を入力して前記看護情報管理サーバに送信する手段を含み、前記看護情報管理サーバは、前記看護情報管理端末から受信した看護行為の実施情報を判別してサーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルの対応する看護用品情報を更新する手段を含む。
【0010】
本願第3の発明の看護情報管理システムは、患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバと、前記看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を授受する看護情報管理端末とを有する看護情報管理システムであって、前記看護情報管理サーバは、前記患者ごとに付与した患者識別コードに対応づけられる患者情報と、前記職員ごとに付与した職員識別コードに対応づけられる職員情報と、看護に用いる看護用品ごとに付与した看護用品識別コードに対応づけられる看護用品情報と、前記職員の職務に応じて付与される権限情報とを記憶するサーバ側記憶手段と、前記看護情報管理端末と無線通信によってデータを送受信するサーバ側無線通信手段と、前記サーバ側記憶手段および前記サーバ側無線通信手段を制御するとともに、前記看護情報管理端末との間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理サーバを制御するサーバ側制御手段とを有し、このサーバ側制御手段は、前記看護情報管理端末から入力された前記職員識別コードおよび前記職員を認証するためのパスワードを取得するとともに、これら職員識別コードおよびパスワードと前記職員情報とを照合し、前記職員によるログインの可否を認証するログイン認証部と、このログイン認証部が認証した前記職員に対応する前記職員情報を取得するとともに、この職員情報に基づいて前記権限情報を取得し、前記職員が前記看護情報管理端末において実施可能な看護行為を設定する看護行為設定部と、前記看護情報管理端末から入力された前記患者識別コードを取得し、この患者識別コードに対応する前記患者情報を前記看護情報管理端末へと送信する患者情報送信部と、前記看護情報管理端末から入力された前記看護用品識別コードを取得し、この看護用品識別コードに対応する前記看護用品情報を前記看護情報管理端末へと送信する看護用品情報送信部と、前記職員による看護行為の実施状況を示す実施情報を前記看護情報管理端末から取得し、前記実施情報によって前記看護用品情報を更新する看護用品情報更新部とを有しているとともに、前記看護情報管理端末は、前記患者識別コード、前記職員識別コードおよび前記看護用品識別コードを取得する識別コード取得手段と、前記パスワードおよび前記実施情報を入力する端末側入力手段と、前記患者情報および前記看護用品情報を表示する端末側表示手段と、前記看護情報管理サーバと無線通信によってデータを送受信する端末側無線通信手段と、前記識別コード取得手段、前記端末側入力手段、前記端末側表示手段および前記端末側無線通信手段を制御するとともに、前記看護情報管理サーバとの間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理端末を制御する端末側制御手段とを有し、この端末側制御手段は、前記識別コード取得手段によって取得した前記職員識別コードと、前記端末側入力手段によって入力された前記パスワードを前記看護情報管理サーバに送信し、ログインを要求するログイン要求部と、前記識別コード取得手段によって取得した前記患者識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記患者情報を要求する患者情報要求部と、この患者情報要求部が要求した前記患者情報を前記看護情報管理サーバから取得し、前記端末側表示手段に表示させる患者情報表示部と、前記識別コード取得手段によって取得した前記看護用品識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記看護用品情報を要求する看護用品情報要求部と、この看護用品情報要求部が要求した前記看護用品情報を前記看護情報管理サーバから取得し、この看護用品情報の正当性をチェックする看護用品情報チェック部と、この看護用品情報チェック部により正当性が認められた前記看護用品情報を前記端末側表示手段に表示させる看護用品情報表示部と、前記職員により前記端末側入力手段を用いて入力された前記実施情報を前記看護情報管理サーバに送信する実施情報送信部とを有している。
【0011】
本願第4の発明の看護情報管理方法は、患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバと、前記看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を授受する看護情報管理端末とを有する看護情報管理システムの看護情報管理方法であって、前記看護情報管理端末は、職員識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信し、前記看護情報管理サーバは、サーバ側記憶手段に記憶する権限テーブルを読み出し前記職員識別コードに対応した職務コードを基に実施可能な看護行為を設定し、前記看護情報管理端末は、看護用品識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信し、前記看護情報管理サーバは、サーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルを読み出し前記看護用品識別コードに対応した看護用品情報を抽出し、前記看護情報管理端末は、前記看護情報管理サーバで設定された実施可能な看護行為を基に前記看護情報管理サーバから受信した看護用品情報の正当性をチェックする。
【0012】
本願第5の発明の看護情報管理方法は、第4の発明において前記看護情報管理端末は、看護行為の実施情報を入力して前記看護情報管理サーバに送信し、前記看護情報管理サーバは、前記看護情報管理端末から受信した看護行為の実施情報を判別し、サーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルの対応する看護用品情報を更新する。
【0013】
本願第6の発明の看護情報管理方法は、患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバと、前記看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を授受する看護情報管理端末とを有する看護情報管理システムの看護情報管理方法であって、前記看護情報管理端末の識別コード取得手段は、名札に印字されたバーコードを読み取って職員識別コードを取得し、前記看護情報管理端末の端末側入力手段は、パスワードを入力し、前記看護情報管理端末のログイン要求部は、前記職員識別コードおよび前記パスワードを前記看護情報管理サーバに送信してログインを要求し、前記看護情報管理サーバのログイン認証部は、前記看護情報管理端末から前記職員識別コードおよび前記パスワードを取得し、サーバ側記憶手段から職員テーブルを読み出し前記職員識別コードおよび前記パスワードが前記職員テーブルに登録されているか否かを照合し、照合の結果、認証されれば看護情報管理端末のログインを許可し、前記看護情報管理サーバの看護行為設定部は、ログイン認証された前記職員識別コードから職員情報を取得し、サーバ側記憶手段から権限テーブルを読み出し前記職員情報中の職務コードに応じて実施可能な看護行為を設定し、前記看護情報管理端末は、前記看護情報管理サーバから職務コードに応じた実施可能な看護行為を取得して実施可能な看護行為を設定し、前記看護情報管理端末の識別コード取得手段は、患者のリストバンドやベッドネームラベルに印字されたバーコードを読み取って患者識別コードを取得し、前記看護情報管理端末の患者情報要求部は、前記患者識別コードを看護情報管理サーバに送信そて前記患者の患者情報を要求し、前記看護情報管理サーバの患者情報送信部は、前記看護情報管理端末から前記患者識別コードを取得し、サーバ側記憶手段から患者テーブルを読み出し前記患者IDに基づいて前記患者テーブルを検索し、前記患者識別コードに対応した患者情報を抽出して前記看護情報管理端末に送信し、前記看護情報管理端末の患者情報表示部は、前記看護情報管理サーバから前記患者情報を受信し、前記患者情報を表示メモリに格納し端末側表示手段に表示させ、前記看護情報管理端末の識別コード取得手段は、看護用品に付されたバーコードを読み取って看護用品識別コードを取得し、取得した前記看護用品識別コードを前記看護情報管理サーバに送信して当該看護用品の看護用品情報を要求し、前記看護情報管理サーバの看護用品情報送信部は、前記看護情報管理端末から前記看護用品識別コードを取得し、サーバ側記憶手段から看護用品テーブルを読み出し前記看護用品識別コードに基づいて前記看護用品テーブルを検索し、前記看護用品識別コードに対応した看護用品情報を抽出して前記看護情報管理端末に送信し、前記看護情報管理端末の看護用品情報チェック部は、前記看護情報管理サーバから受信した前記看護用品情報の正当性をチェックし、前記看護情報管理端末の看護用品情報表示部は、正当性が確認されれば前記看護用品情報を表示し、前記看護情報管理端末の端末側入力手段は、看護行為の実施情報を入力し、前記看護情報管理端末の実施情報送信部は、入力された看護行為の実施情報を前記看護情報管理サーバに送信し、前記看護情報管理サーバの看護用品情報更新部は、前記看護情報管理端末から受信した看護行為の実施情報を判別し、看護用品テーブルの対応する看護用品情報を更新する。
【0014】
本願第7の発明の看護情報管理サーバは、患者の看護に関わる職員が携帯する看護情報管理端末との間で、前記患者の看護に関する看護情報を送受信して管理する看護情報管理サーバであって、前記看護情報管理端末から職員識別コードを受信する手段と、サーバ側記憶手段に記憶する権限テーブルを読み出し前記職員識別コードに対応した職務コードを基に実施可能な看護行為を設定する手段と、前記看護情報管理端末から看護用品識別コードを受信する手段と、サーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルを読み出し前記看護用品識別コードに対応した看護用品情報を抽出する手段とを含む。
【0015】
本願第8の発明の看護情報管理サーバは、第7の発明において前記看護情報管理端末から受信した看護行為の実施情報を判別してサーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルの対応する看護用品情報を更新する手段を含む。
【0016】
本願第9の発明の看護情報管理サーバは、患者の看護に関わる職員が携帯する看護情報管理端末との間で、前記患者の看護に関する看護情報を送受信して管理する看護情報管理サーバであって、前記患者ごとに付与した患者識別コードに対応づけられる患者情報と、前記職員ごとに付与した職員識別コードに対応づけられる職員情報と、看護に用いる看護用品ごとに付与した看護用品識別コードに対応づけられる看護用品情報と、前記職員の職務に応じて付与される権限情報とを記憶するサーバ側記憶手段と、前記看護情報管理端末と無線通信によってデータを送受信するサーバ側無線通信手段と、前記サーバ側記憶手段および前記サーバ側無線通信手段を制御するとともに、前記看護情報管理端末との間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理サーバを制御するサーバ側制御手段とを有し、このサーバ側制御手段は、前記看護情報管理端末から入力された前記職員識別コードおよび前記職員を認証するためのパスワードを取得するとともに、これら職員識別コードおよびパスワードと前記職員情報とを照合し、前記職員によるログインの可否を認証するログイン認証部と、このログイン認証部が認証した前記職員に対応する前記職員情報を取得するとともに、この職員情報に基づいて前記権限情報を取得し、前記職員が前記看護情報管理端末において実施可能な看護行為を設定する看護行為設定部と、前記看護情報管理端末から入力された前記患者識別コードを取得し、この患者識別コードに対応する前記患者情報を前記看護情報管理端末へと送信する患者情報送信部と、前記看護情報管理端末から入力された前記看護用品識別コードを取得し、この看護用品識別コードに対応する前記看護用品情報を前記看護情報管理端末へと送信する看護用品情報送信部と、前記職員による看護行為の実施状況を示す実施情報を前記看護情報管理端末から取得し、前記実施情報によって前記看護用品情報を更新する看護用品情報更新部とを有している。
【0017】
本願第10の発明の看護情報管理端末は、患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を送受信する看護情報管理端末であって、職員識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する手段と、前記看護情報管理サーバが設定した実施可能な看護行為を受信する手段と、看護用品識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する手段と、前記看護情報管理サーバから看護用品情報を受信する手段と、前記設定された実施可能な看護行為を基に前記看護用品情報の正当性をチェックする手段とを含む。
【0018】
本願第11の発明の看護情報管理端末は、第10の発明において看護行為の実施情報を入力して前記看護情報管理サーバに送信する手段を含む。
【0019】
本願第12の発明の看護情報管理端末は、患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を送受信する看護情報管理端末であって、前記患者の患者情報を識別する患者識別コード、前記職員の職員情報を識別する職員識別コード、および看護に用いる看護用品の看護用品情報を識別する看護用品識別コードを取得する識別コード取得手段と、前記職員を認証するためのパスワードおよび前記職員による看護行為の実施状況を示す実施情報を入力する端末側入力手段と、前記患者情報および前記看護用品情報を表示する端末側表示手段と、前記看護情報管理サーバと無線通信によってデータを送受信する端末側無線通信手段と、前記識別コード取得手段、前記端末側入力手段、前記端末側表示手段および前記端末側無線通信手段を制御するとともに、前記看護情報管理サーバとの間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理端末を制御する端末側制御手段とを有し、この端末側制御手段は、前記識別コード取得手段によって取得した前記職員識別コードと、前記端末側入力手段によって入力された前記パスワードを前記看護情報管理サーバに送信し、ログインを要求するログイン要求部と、前記識別コード取得手段によって取得した前記患者識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記患者情報を要求する患者情報要求部と、この患者情報要求部が要求した前記患者情報を前記看護情報管理サーバから取得し、前記端末側表示手段に表示させる患者情報表示部と、前記識別コード取得手段によって取得した前記看護用品識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記看護用品情報を要求する看護用品情報要求部と、この看護用品情報要求部が要求した前記看護用品情報を前記看護情報管理サーバから取得し、この看護用品情報の正当性をチェックする看護用品情報チェック部と、この看護用品情報チェック部により正当性が認められた前記看護用品情報を前記端末側表示手段に表示させる看護用品情報表示部と、前記職員により前記端末側入力手段を用いて入力された前記実施情報を前記看護情報管理サーバに送信する実施情報送信部とを有している。
【0020】
本願第13の発明の看護情報管理サーバ用プログラムは、患者の看護に関わる職員が携帯する看護情報管理端末との間で、前記患者の看護に関する看護情報を送受信して管理する看護情報管理サーバのプログラムであって、看護情報管理サーバに、前記看護情報管理端末から職員識別コードを受信する機能、サーバ側記憶手段に記憶する権限テーブルを読み出し前記職員識別コードに対応した職務コードを基に実施可能な看護行為を設定する機能、前記看護情報管理端末から看護用品識別コードを受信する機能、サーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルを読み出し前記看護用品識別コードに対応した看護用品情報を抽出する機能、を実現させる。
【0021】
本願第14の発明の看護情報管理サーバ用プログラムは、第13の発明において前記看護情報管理端末から受信した看護行為の実施情報を判別してサーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルの対応する看護用品情報を更新する機能、を実現させる。
【0022】
本願第15の発明の看護情報管理サーバ用プログラムは、患者の看護に関わる職員が携帯する看護情報管理端末との間で、前記患者の看護に関する看護情報を送受信して管理する看護情報管理サーバのプログラムであって、看護情報管理サーバに、前記看護情報管理端末と無線通信によってデータを送受信するサーバ側無線通信機能、患者情報と職員情報と看護用品情報と権限情報とを記憶するサーバ側記憶手段および前記サーバ側無線通信機能を制御するとともに、前記看護情報管理端末との間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理サーバを制御する機能、前記看護情報管理端末から入力された前記職員識別コードおよび前記職員を認証するためのパスワードを取得するとともに、これら職員識別コードおよびパスワードと前記職員情報とを照合し、前記職員によるログインの可否を認証するログイン認証機能、このログイン認証部が認証した前記職員に対応する前記職員情報を取得するとともに、この職員情報に基づいて前記権限情報を取得し、前記職員が前記看護情報管理端末において実施可能な看護行為を設定する看護行為設定機能、前記看護情報管理端末から入力された前記患者識別コードを取得し、この患者識別コードに対応する前記患者情報を前記看護情報管理端末へと送信する患者情報送信機能、前記看護情報管理端末から入力された前記看護用品識別コードを取得し、この看護用品識別コードに対応する前記看護用品情報を前記看護情報管理端末へと送信する看護用品情報送信機能、前記職員による看護行為の実施状況を示す実施情報を前記看護情報管理端末から取得し、前記実施情報によって前記看護用品情報を更新する看護用品情報更新機能、を実現させる。
【0023】
本願第16の発明の看護情報管理端末用プログラムは、患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を送受信する看護情報管理端末のプログラムであって、看護情報管理端末に、職員識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する機能、前記看護情報管理サーバが設定した実施可能な看護行為を受信する機能、看護用品識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する機能、前記看護情報管理サーバから看護用品情報を受信する機能、前記設定された実施可能な看護行為を基に前記看護用品情報の正当性をチェックする機能、を実現させる。
【0024】
本願第17の発明の看護情報管理端末用プログラムは、第16の発明において看護行為の実施情報を入力して前記看護情報管理サーバに送信する機能、を実現させる。
【0025】
本願第18の発明の看護情報管理端末用プログラムは、患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を送受信する看護情報管理端末のプログラムであって、看護情報管理端末に、前記患者の患者情報を識別する患者識別コード,前記職員の職員情報を識別する職員識別コード,および看護に用いる看護用品の看護用品情報を識別する看護用品識別コードを取得する識別コード取得機能、前記看護情報管理サーバと無線通信によってデータを送受信する端末側無線通信機能、前記識別コード取得機能,端末側入力手段,端末側表示手段および前記端末側無線通信機能を制御するとともに、前記看護情報管理サーバとの間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理端末を制御する機能、前記識別コード取得機能によって取得した前記職員識別コードと前記端末側入力手段によって入力された前記パスワードとを前記看護情報管理サーバに送信し、ログインを要求するログイン要求機能、前記識別コード取得機能によって取得した前記患者識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記患者情報を要求する患者情報要求機能、この患者情報要求機能が要求した前記患者情報を前記看護情報管理サーバから取得し、前記端末側表示手段に表示させる患者情報表示機能、前記識別コード取得機能によって取得した前記看護用品識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記看護用品情報を要求する看護用品情報要求機能、この看護用品情報要求機能が要求した前記看護用品情報を前記看護情報管理サーバから取得し、この看護用品情報の正当性をチェックする看護用品情報チェック機能、この看護用品情報チェック機能により正当性が認められた前記看護用品情報を前記端末側表示手段に表示させる看護用品情報表示機能、前記端末側入力手段を用いて入力された前記実施情報を前記看護情報管理サーバに送信する実施情報送信機能、を実現させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、医師による指示内容の変更や中止を確実に把握して医療ミスを防止することができるという効果を有している。
【0027】
その理由は、設定されている実施可能な看護行為を基に看護用品情報の正当性をチェックするためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る看護情報管理サーバおよび看護情報管理端末を有する看護情報管理システムの実施形態について図面を用いて説明する。
【0029】
図1は、本実施形態の看護情報管理システム1の全体構成を示す概念図であり、図2および図3は、それぞれ本実施形態における看護情報管理サーバ2および看護情報管理端末3を示すブロック図である。本実施形態の看護情報管理システム1は、主として、患者を看護するのに必要な看護情報を管理するための看護情報管理サーバ2と、患者の看護に関わる看護師等の職員が携帯し、前記看護情報管理サーバ2と無線通信によって看護情報を授受する看護情報管理端末3とから構成されている。なお、看護情報管理サーバ2と各看護情報管理端末3は、データの同期を取る必要がなく、看護情報管理端末3から直接看護情報管理サーバ2のデータを参照したり、更新することでリアルタイム性を実現するようになっている。
【0030】
以下、看護情報管理サーバ2および看護情報管理端末3についてより詳細に説明する。
【0031】
まず、看護情報管理サーバ2について説明する。
【0032】
看護情報管理サーバ2は、プログラム制御で動作する情報処理装置である。看護情報管理サーバ2は、図2に示すように、主として、患者の看護に必要な各種の情報を記憶するサーバ側記憶手段21と、看護情報管理端末3と無線通信によってデータの送受信を行うサーバ側無線通信手段22と、これら各構成手段を制御するとともに看護情報管理端末3との間で各種の看護情報を管理するように看護情報管理サーバ2を制御するサーバ側制御手段23とから構成されている。また、看護情報管理サーバ2には、キーボードやマウス等から構成されるサーバ側入力手段24やディスプレイ等から構成されるサーバ側表示手段25が備えられている。
【0033】
看護情報管理サーバ2の各構成手段についてより詳細に説明する。サーバ側記憶手段21は、ハードディスクやメモリ等から構成されており、本実施形態の看護情報管理サーバ2用プログラムを格納する他、図2に示すように、患者に関する患者情報を有する患者テーブル4と、看護師等の職員に関する職員情報を有する職員テーブル5と、看護用品に関する看護用品情報を有する看護用品テーブル6と、職員の職務に応じて実施可能な看護行為を定めた権限テーブル7とを格納している。
【0034】
患者テーブル4は、図4に示すように、患者を特定するものであり、患者ごとに付与する固有の患者ID(識別コード)に対応させて、患者の氏名、性別、血液型、身長、体重、年齢、病室番号等の患者情報を有している。また、職員テーブル5は、図5に示すように、職員を特定するものであり、職員ごとに付与する固有の職員IDに対応させて、ログイン時に必要なパスワード、職員の氏名、職務コードおよび職務名等の職員情報を有している。なお、本実施形態において、患者情報における患者IDが、患者を識別する患者識別コードに相当し、職員情報における職員IDが、職員を識別する職員識別コードに相当する。
【0035】
看護用品テーブル6は、各種の看護用品を種別管理するためのものであり、看護用品ごとに付与する看護用品識別コードに対応させて看護用品情報を有している。本実施形態では、看護用品として、輸血パック、注射器および検体採取管を想定しているため、看護用品テーブル6としては、図2に示すように、輸血業務に必要な輸血情報を有する輸血テーブル61と、注射業務に必要な注射情報を有する注射テーブル62、および検体の採取業務に必要な検体情報を有する検体テーブル63とを有している。
【0036】
輸血テーブル61は、図6に示すように、血液製剤の種類を示す製剤番号およびその血液が誰から採取されたのかを特定するロット番号に対応させて、輸血対象の患者ID、輸血の実施状態、血液型、交差試験結果および放射線照射の実施状況が登録されている。輸血の実施状態としては、輸血が実施済みか否かの他、医師により輸血が中止されたか否かについても併せて登録される。また、輸血が実施された場合には、後述する実施情報により別途、実施した職員の職員IDや実施日時等が記録される。なお、交差試験は、輸血の前に必ず行われる試験であり、患者の血液と輸血する血液との適合性を確認する試験である。また、放射線照射は、血液製剤の種類に応じて実施されるものであり、輸血後のGVHD(Graft Versus Host Disease:移植片対宿主病)等の発生を予防するために行われる。
【0037】
また、注射テーブル62は、図7に示すように、医師からのオーダーごとに付されるオーダー番号、およびこのオーダー番号により複数回の注射を管理するための履歴番号に対応させて、注射対象の患者ID、注射の状態、注射の種類および薬剤情報が登録されている。なお、注射の状態としては、注射が実施済か否かの他、薬剤の混注が完了して注射の実施準備ができているか否か、あるいは医師により注射が中止されたか否かについても併せて登録される。また、注射が実施された場合には、後述する実施情報により別途、実施した職員の職員IDや実施時刻等が記録される。
【0038】
また、検体テーブル63は、図8に示すように、採取した検体の採取番号に対応させて、検体の採取対象の患者ID、検体の実施状態、採取管の名称および採取材料が登録されている。検体の実施状態としては、検体の採取が実施されたか否かの他、医師により検体の採取が中止されたか否かについても併せて登録される。また、検体が採取された場合には、後述する実施情報により別途、実施した職員の職員IDや実施時刻等が記録される。
【0039】
また、権限テーブル7は、図9に示すように、職員情報内の職務コードに対応させて、実施可能な看護行為が権限情報として登録されている。本実施形態では、職務コード「11」の医師および職務コード「12」の看護師については、注射チェック、輸血チェックおよび検体チェック業務について権限が付与されている。また、職務コード「13」の薬剤師には、注射チェック業務のみの権限が付与されている。また、職務コード「14」の検査技師には、輸血チェックおよび検体チェック業務についての権限が付与されている。
【0040】
なお、上述した看護用品情報において、輸血情報における製剤番号およびロット番号が、輸血パックを識別する看護用品識別コードに相当し、注射情報におけるオーダー番号および履歴番号が、注射器を識別する看護用品識別コードに相当し、検体情報における採取番号が、検体採取管を識別する看護用品識別コードに相当する。
【0041】
つぎに、サーバ側無線通信手段22は、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントから構成されており、看護情報管理端末3に搭載される無線LANアダプタと無線によりデータ通信を行うようになっている。なお、本実施形態において、看護情報管理サーバ2と看護情報管理端末3間の通信手段は、無線LANに限られるものではなく、PHS(Personal Handyphone System)による通信方式を採用してもよい。
【0042】
つぎに、サーバ側制御手段23は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、図2に示すように、主として、ログイン認証部231と、看護行為設定部232と、患者情報送信部233と、看護用品情報送信部234と、看護用品情報更新部235とを有している。
【0043】
サーバ側制御手段23の各構成部についてより詳細に説明する。ログイン認証部231は、職員が看護情報管理端末3を介して看護情報管理サーバ2にログインする際に、その認証を行うものである。具体的には、看護情報管理端末3から入力された職員IDおよびパスワードを取得するとともに、サーバ側記憶手段21から職員テーブル5を読み出し、入力された職員IDおよびパスワードが職員テーブル5に登録されているか否かを照合する。そして、照合の結果、正しい職員IDおよびパスワードであると認定した場合、当該職員によるログインを許可する。一方、職員IDおよびパスワードのどちらか一方でも一致しなければログインを許可せず、再び職員IDおよびパスワードの入力を促すようになっている。
【0044】
看護行為設定部232は、看護情報管理端末3を使用する職員の職務に応じて、実施可能な看護行為を設定するものである。具体的には、ログイン認証部231により認証された職員の職員情報から職務コードを取得するとともに、サーバ側記憶手段21から権限テーブル7を読み出す。そして、当該職務コードに付与された権限の種類に応じて、看護情報管理端末3における看護行為の制限を解除する信号を送信するようになっている。
【0045】
患者情報送信部233は、看護情報管理端末3から要求される患者情報を看護情報管理端末3へ送信するものである。具体的には、看護情報管理端末3から送信された患者IDを取得するとともに、サーバ側記憶手段21から患者テーブル4を読み出し、当該患者IDに対応する患者情報を抽出する。そして、抽出した患者情報をサーバ側無線通信手段22を介して、看護情報管理端末3へと送信する。また、患者IDに対応する患者情報が抽出されなければ、エラー信号を送信する。
【0046】
看護用品情報送信部234は、看護情報管理端末3から要求される看護用品情報を看護情報管理端末3へ送信するものである。具体的には、看護情報管理端末3から送信された看護用品識別コードを取得するとともに、サーバ側記憶手段21から看護用品テーブル6を読み出し、当該看護用品識別コードに対応する看護用品情報を抽出する。そして、抽出した看護用品情報をサーバ側無線通信手段22を介して、看護情報管理端末3へと送信する。また、看護用品識別コードに対応する看護用品情報が抽出されなければ、エラー信号を送信する。なお、本実施形態では、看護用品情報として、上述した輸血情報、注射情報および検体情報が含まれる。
【0047】
看護用品情報更新部235は、看護情報管理端末3から入力される実施情報に基づいて看護用品情報を更新するものである。本実施形態において、実施情報は、職員による看護行為の実施状況を示すものであり、看護行為を実施した職員ID、実施時刻、および実施内容等が含まれる。したがって、看護用品情報更新部235は、看護情報管理端末3から送信された実施情報を取得し、この実施情報に基づいて対応する看護用品情報における状態情報を更新するようになっている。
【0048】
つづいて、看護情報管理端末3について説明する。
【0049】
看護情報管理端末3は、プログラム制御で動作する情報処理装置である。看護情報管理端末3は、図3に示すように、主として、各種のデータや情報を記憶する端末側記憶手段31と、各種の識別コードを取得する識別コード取得手段32と、看護情報管理端末3にデータを入力する端末側入力手段33と、各種の情報を表示する端末側表示手段34と、看護情報管理サーバ2と無線通信によってデータの送受信を行う端末側無線通信手段35と、これら各構成手段を制御するとともに看護情報管理サーバ2との間で看護情報を管理するように看護情報管理端末3を制御する端末側制御手段36とから構成されている。
【0050】
看護情報管理端末3の各構成手段についてより詳細に説明する。端末側記憶手段31は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等から構成されており、本実施形態の看護情報管理端末3用プログラムを格納する他、各種の情報を一時的に記憶し得るようになっている。
【0051】
識別コード取得手段32は、レーザスキャナ等から構成されており、バーコードから各種の識別コードを取得するものである。本実施形態において、バーコードはバーコードプリンタを用いて印字されており、患者識別コードとしての患者IDは、バーコード化されて患者のリストバンドやベッドネームラベル等に印字される。職員識別コードとしての職員IDは、バーコード化されて各職員の名札等に印字される。また、看護用品識別コードとしての各種の番号は、バーコード化されて輸血パック、注射器あるいは採取管等に貼付される。
【0052】
端末側入力手段33は、カーソルキーやタッチパネル等から構成されており、職員による操作によって各種の情報を看護情報管理端末3へ入力するものである。具体的には、ログイン時に必要なパスワードを入力したり、看護用品に関する実施情報を入力する。
【0053】
端末側表示手段34は、液晶ディスプレイ等から構成されており、看護情報管理サーバ2から取得した各種の情報を表示するものである。具体的には、ログインする際のログイン画面や、上述した輸血情報、注射情報および検体情報を表示する他、呼吸・心拍・血圧などのバイタル経過情報、あるいは診療・検査・放射線等の予約情報等、患者の看護に関する様々な情報を表示する。
【0054】
端末側無線通信手段35は、無線LANアダプタから構成されており、看護情報管理サーバ2に搭載される無線LANアクセスポイントと無線によりデータ通信を行うようになっている。なお、本実施形態では、無線LANの規格としてIEEE802.11bを採用している。
【0055】
端末側制御手段36は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、図3に示すように、主として、ログイン要求部361と、患者情報要求部362と、患者情報表示部363と、看護用品情報要求部364と、看護用品情報チェック部365と、看護用品情報表示部366と、実施情報送信部367とを有している。
【0056】
ログイン要求部361は、職員が看護情報管理端末3を使用するにあたり、看護情報管理サーバ2に対してログインを要求するものである。具体的には、ログイン要求部361は、識別コード取得手段32が職員のバーコードを読み取ることにより取得した職員IDと、当該職員が端末側入力手段33を用いて入力したパスワードを取得する。そして、これら職員IDおよびパスワードを看護情報管理サーバ2へ送信することによりログインを要求する。
【0057】
患者情報要求部362は、患者情報を要求するものである。具体的には、職員が識別コード取得手段32を用いて取得した患者IDを看護情報管理サーバ2へと送信し、当該患者IDに対応する患者情報を要求する。
【0058】
患者情報表示部363は、患者情報要求部362が要求した患者情報を表示させるものであり、看護情報管理サーバ2から取得した患者情報を表示メモリに格納することで端末側表示手段34に表示させる。また、看護情報管理サーバ2の患者情報送信部233からエラー信号を受信した場合には、要求した患者情報が存在しない旨のエラー表示画面を端末側表示手段34に表示させる。
【0059】
看護用品情報要求部364は、上述した輸血情報、注射情報および検体情報等の看護用品情報を要求するものである。具体的には、職員が識別コード取得手段32を用いて取得した看護用品識別コードを看護情報管理サーバ2へと送信し、当該看護用品識別コードに対応する看護用品情報を要求する。
【0060】
看護用品情報チェック部365は、看護用品情報の正当性をチェックするものである。具体的には、看護情報管理サーバ2から看護用品情報を取得し、医師からの指示内容に変更があるかどうかをチェックしたり、看護用品情報と患者情報表示部363が取得した患者情報とを比較して、両者における患者ID等の情報が一致するか否かをチェックする。そして、チェックした結果、看護用品情報に変更や患者情報との不一致がなければ、当該看護用品情報の正当性を認める一方、看護用品情報に変更があったり、看護情報管理サーバ2の看護用品情報送信部234からエラー信号を受信した場合には、正当性を認めないようになっている。
【0061】
看護用品情報表示部366は、端末側表示手段34に看護用品情報を表示させるものであり、看護用品情報チェック部365によって正当性が認められた看護用品情報を表示メモリに格納することで端末側表示手段34に表示させる。一方、看護用品情報チェック部365が看護用品情報の正当性を認めない場合には、そのチェック結果に応じたエラー表示画面を端末側表示手段34に表示させることで職員に注意を促すようになっている。なお、本実施形態において、エラー表示画面は予め端末側記憶手段31に記憶されている。
【0062】
実施情報送信部367は、職員が実施した看護行為に関する実施情報を看護情報管理サーバ2へと送信するものである。具体的には、職員が端末側入力手段33を用いて入力した実施情報を取得するとともに当該職員の職員IDを取得し、これらの実施情報および職員IDを看護情報管理サーバ2へと送信する。
【0063】
つぎに、本実施形態の看護情報管理サーバ用プログラムにより実行される看護情報管理サーバ2、および看護情報管理端末用プログラムにより実行される看護情報管理端末3から構成される看護情報管理システム1の動作について、図10のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0064】
まず、職員が本実施形態の看護情報管理システム1を利用する場合、看護情報管理端末3の識別コード取得手段32を用いて、自己の名札等に印字されたバーコードを読み取り、職員IDを取得させるとともに(ステップS1)、端末側入力手段33を用いて自己のパスワードを入力する。ログイン要求部361は、これら職員IDおよびパスワードを看護情報管理サーバ2へと送信することにより、当該職員によるログインを要求する(ステップS2)。
【0065】
看護情報管理端末3から職員IDおよびパスワードを取得したログイン認証部231は、サーバ側記憶手段21から職員テーブル5を読み出し、当該職員IDおよびパスワードが職員テーブル5に登録されているか否かを照合する(ステップS3)。そして、照合の結果、認証されれば(ステップS3:YES)、正規の職員であるとして看護情報管理端末3のログインを許可する。一方、職員IDおよびパスワードのいずれかに誤りがあれば(ステップS3:NO)、看護情報管理端末3のログインを拒否して、再び職員IDおよびパスワードの入力を促すようになっている。これにより、看護情報管理端末3が正規の職員でない者によって不正に使用されることが防止される。
【0066】
つづいて、看護行為設定部232は、ステップS3でログイン認証された職員の職員IDから職員情報を取得した後(ステップS4)、サーバ側記憶手段21から権限テーブル7を読み出し、職員情報中の職務コードに応じて、実施可能な看護行為を設定する(ステップS5)。これにより、職員の職務に応じて看護行為が制限されるため、職務範囲を超えた看護行為を誤って実施してしまうことがない。
【0067】
看護情報管理端末3において実施可能な看護行為が設定された後、職員は識別コード取得手段32を用いて、患者のリストバンドやベッドネームラベル等に印字されたバーコードを読み取って患者IDを取得する(ステップS6)。つづいて、患者情報要求部362が、この患者IDを看護情報管理サーバ2へと送信することにより、当該患者の患者情報を要求する(ステップS7)。
【0068】
患者情報を要求された看護情報管理サーバ2では、患者情報送信部233が患者IDに基づいて患者テーブル4を検索し、要求された患者情報を抽出できればその患者情報を看護情報管理端末3へと送信し、抽出できなければエラー信号を看護情報管理端末3へと送信する(ステップS8)。そして、患者情報送信部233から患者情報を受信した患者情報表示部363は、その患者情報を表示メモリに格納し端末側表示手段34に表示させる(ステップS9)。
【0069】
本実施形態において、輸血チェック業務、注射チェック業務および検体チェック業務を実施する場合の患者情報画面をそれぞれ図11(a)から図11(c)に示す。なお、図11(c)に示すように、検体チェック業務においては、患者情報の他、当日に採取すべき採取材料の一覧が表示されるとともに、実施済と未実施の採取材料が色別に表示されるようになっている。一方、患者情報表示部363が患者情報送信部233からエラー信号を受信した場合には、図13(a)に示すようなエラー表示画面を表示させる(ステップS10)。以上の画面表示より、職員は事前に患者に関する基本情報を確認できるため、患者の取り違いが予備的に防止される。
【0070】
つづいて、職員は患者情報を確認した後、識別コード取得手段32を用いて看護用品に付されたバーコードを読み取り、看護用品識別コードを取得する(ステップS11)。本実施形態において、輸血チェック業務を行う場合、輸血パックに付されたバーコードから製剤番号およびロット番号を取得する。注射チェック業務を行う場合、注射器に付されたバーコードからオーダー番号および履歴番号を取得する。また、検体チェック業務を行う場合、採取管に付されたバーコードから採取番号を取得する。その後、看護用品情報要求部364が、取得した看護用品識別コードを看護情報管理サーバ2へと送信することにより、当該看護用品の看護用品情報を要求する(ステップS12)。
【0071】
看護用品情報を要求された看護情報管理サーバ2では、看護用品情報送信部234が看護用品識別コードに基づいて看護用品テーブル6を検索し、要求された看護用品情報を抽出できればその看護用品情報を看護情報管理端末3へと送信し、抽出できなければエラー信号を送信する(ステップS13)。本実施形態では、製剤番号およびロット番号に基づいて輸血情報が抽出され、オーダー番号および履歴番号に基づいて注射情報が抽出され、採取番号に基づいて検体情報が抽出される。そして、看護用品情報送信部234から看護用品情報あるいはエラー信号を受信した看護情報管理端末3では、看護用品情報チェック部365が、看護用品情報の正当性をチェックするようになっている(ステップS14)。
【0072】
ここで、本実施形態の看護用品情報チェック部365によるチェック内容を具体的に説明する。まず、輸血チェック業務では、取得した輸血情報に何ら変更がなく、かつ、患者情報との間で患者IDや血液型の一致が確認されれば(ステップS14:YES)、看護用品情報表示部366により図12(a)に示す輸血情報画面が表示される(ステップS15)。これにより、職員は、その輸血パックに関する製剤情報や実施予定日時等を確認できるため、医師の指示通りに輸血行為を実施することができる。
【0073】
一方、取得した輸血情報に変更があったり、患者情報との間で患者IDや血液型の不一致が確認されれば(ステップS14:NO)、看護用品情報表示部366により各種のエラー表示画面が表示される(ステップS16)。具体的には、患者情報と輸血情報との間で患者IDの不一致があれば、図13(b)に示すエラー表示画面が表示される。このため、患者の取り違えが確実に防止される。また、医師により輸血に関する指示内容が変更されていた場合には、図13(c)に示すエラー表示画面が表示される。このため、看護行為の直前に指示が変更された場合でも、その変更が職員に伝達するため輸血ミスが防止される。さらに、看護情報管理サーバ2からエラー信号を受信した場合、すなわち、輸血パックから読み取った製剤番号およびロット番号が不正なものであれば、図13(d)に示すエラー表示画面が表示される。このため、誤った輸血パックを使用してしまうことがない。
【0074】
なお、本実施形態の輸血チェック業務においては、上記した他、輸血情報における交差試験結果が不適合の場合や、放射線照射が必要な血液製剤において未照射の場合、あるいは、患者情報と輸血情報との間で血液型の不一致がある場合や、輸血パックが患者に対して既に実施されている場合には、エラー表示画面や警告画面が表示され、職員の注意を促すようになっている。
【0075】
また、注射チェック業務では、取得した注射情報に何ら変更がなく、かつ、患者情報との間で患者IDの一致が確認されれば(ステップS14:YES)、看護用品情報表示部366により図12(b)に示す注射情報画面が表示される(ステップS15)。これにより、職員は、その注射器に関する薬剤情報、実施状況、実施準備状況、あるいは実施予定日時等を確認できるため、医師の指示通りに注射行為を実施することができる。
【0076】
一方、取得した注射情報に変更があったり、患者情報との間で患者IDの不一致が確認されれば(ステップS14:NO)、看護用品情報表示部366により各種のエラー表示画面が表示される(ステップS16)。具体的には、上述した輸血チェック業務の場合と同様に、患者情報と注射情報との間で患者IDの不一致があれば、図13(b)に示すエラー表示画面が表示されるし、医師により注射に関する指示内容が変更されていた場合には、図13(c)に示すエラー表示画面が表示される。また、看護情報管理サーバ2からエラー信号を受信した場合、すなわち、注射器から読み取ったオーダー番号および履歴番号が不正なものであれば、図13(d)に示すエラー表示画面が表示されようになっている。
【0077】
さらに、検体チェック業務では、取得した検体情報に何ら変更がなく、かつ、患者情報との間で患者IDの一致が確認されれば(ステップS14:YES)、図12(c)に示す検体情報画面が表示される(ステップS15)。このとき、図11(c)で表示されていた採取材料一覧のうち、バーコードを読み取った採取管に対応する採取材料が反転表示されるようになっている。したがって、職員は、その採取管に関する薬剤情報、実施状況、実施準備状況、あるいは実施予定日時等を確認できるため、医師の指示通りに注射行為を実施することができる。
【0078】
一方、取得した検体情報に変更があったり、患者情報との間で患者IDの不一致が確認されれば(ステップS14:NO)、各種のエラー表示画面が表示される(ステップS16)。具体的には、上述した輸血チェック業務と同様に、患者情報と検体情報との間で患者IDの不一致があれば、図13(b)に示すエラー表示画面が表示されるし、医師により検体採取に関する指示内容が変更されていた場合には、図13(c)に示すエラー表示画面が表示される。また、看護情報管理サーバ2からエラー信号を受信した場合、すなわち、採取管から読み取った採取番号が不正なものであれば、図13(d)に示すエラー表示画面が表示されようになっている。
【0079】
つづいて、職員は、ステップS15で表示された看護用品情報を確認し、実施しようとする看護行為に誤りがないかどうかを確認した後、当該看護行為を行う。これにより、ミスのない看護行為が遂行されるとともに、医師から指示内容の変更や中止があった場合には、リアルタイムでその情報が伝達される。そして、看護行為を実施した職員は、端末側入力手段33を用いて図12(a)から図12(c)の表示画面中に示す「実施」ボタンを選択することで、実施情報送信部367は、当該職員による実施情報を看護情報管理サーバ2へと送信する(ステップS17)。
【0080】
実施情報を受信した看護情報管理サーバ2は、看護用品情報更新部235によって、その実施情報を判別し、対応する看護用品情報を更新する(ステップS18)。具体的には、各看護用品テーブル6の状態情報を「未」状態から「済」状態に更新するとともに、その実施した職員の職員IDおよび実施時刻等を記録する。これにより、看護用品情報には、実施情報がログとして記憶される。
【0081】
以上のような本実施形態によれば、職員に正確な看護行為を実施させることができるとともに、医師からの指示をリアルタイムで把握させることができるため、投薬ミスや患者の取り違え等の医療ミスを防止することができる。また、無線通信によりベッドサイド等において患者情報や看護用品情報を確認したり、実施情報を容易に入力できるため、職員の労力を低減し、看護情報を一括で管理することができる。さらに、職員に実施された看護行為に関する情報は、全て詳細なログとして残すことができるため、万が一、ミスが発生した場合でも、その原因を迅速かつ正確に解析することができるし、そのようなエラーログを収集して分析することにより、発生しやすいミスを解析し、看護業務全体の改善を図ることができるという効果を奏する。
【0082】
なお、本発明に係る看護情報管理システム1、看護情報管理サーバ2、看護情報管理端末3、看護情報管理サーバ用プログラムおよび看護情報管理端末用プログラムは、前述した実施例に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0083】
例えば、上述した本実施形態では、識別コード取得手段32としてレーザスキャナを使用し、患者や各看護用品に付されたバーコードを読み取ることにより各種の情報を取得しているが、これに限られるものではなく、RFID(Radio Frequency Identification System)の仕組みを利用してもよい。すなわち、ID番号等を記憶させたIC(Integrated Circuit)タグを患者や看護用品に取り付けておき、このICタグから電波や電磁波によりデータを読み取り可能な読取機を識別コード取得手段32として使用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明に係る看護情報管理システムの全体構成を示す概念図である。
【図2】本実施形態における看護情報管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における看護情報管理端末の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態における患者テーブルを示す図である。
【図5】本実施形態における職員テーブルを示す図である。
【図6】本実施形態における輸血テーブルを示す図である。
【図7】本実施形態における注射テーブルを示す図である。
【図8】本実施形態における検体テーブルを示す図である。
【図9】本実施形態における権限テーブルを示す図である。
【図10】本実施形態の看護情報管理システムによる処理を示すフローチャート図である。
【図11】本実施形態において、(a)輸血チェック業務を実施する場合、(b)注射チェック業務を実施する場合、および(c)検体チェック業務を実施する場合の患者情報画面を示す図である。
【図12】本実施形態において、(a)輸血チェック業務を実施する場合、(b)注射チェック業務を実施する場合、および(c)検体チェック業務を実施する場合の看護用品情報画面を示す図である。
【図13】本実施形態において、(a)患者情報が抽出されない場合、(b)患者情報と看護用品情報との間で不一致がある場合、(c)医師により指示内容が変更されている場合、および(d)看護用品情報が抽出されない場合のエラー表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1 看護情報管理システム
2 看護情報管理サーバ
3 看護情報管理端末
4 患者テーブル
5 職員テーブル
6 看護用品テーブル
7 権限テーブル
21 サーバ側記憶手段
22 サーバ側無線通信手段
23 サーバ側制御手段
24 サーバ側入力手段
25 サーバ側表示手段
31 端末側記憶手段
32 識別コード取得手段
33 端末側入力手段
34 端末側表示手段
35 端末側無線通信手段
36 端末側制御手段
61 輸血テーブル
62 注射テーブル
63 検体テーブル
231 ログイン認証部
232 看護行為設定部
233 患者情報送信部
234 看護用品情報送信部
235 看護用品情報更新部
361 ログイン要求部
362 患者情報要求部
363 患者情報表示部
364 看護用品情報要求部
365 看護用品情報チェック部
366 看護用品情報表示部
367 実施情報送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバと、前記看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を授受する看護情報管理端末とを有する看護情報管理システムであって、
前記看護情報管理端末は、
職員識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する手段と、
看護用品識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する手段と、
前記看護情報管理サーバで設定された実施可能な看護行為を基に前記看護情報管理サーバから受信した看護用品情報の正当性をチェックする手段とを含み、
前記看護情報管理サーバは、
サーバ側記憶手段に記憶する権限テーブルを読み出し前記職員識別コードに対応した職務コードを基に実施可能な看護行為を設定する手段と、
サーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルを読み出し前記看護用品識別コードに対応した看護用品情報を抽出する手段とを含む、
ことを特徴とする看護情報管理システム。
【請求項2】
前記看護情報管理端末は、
看護行為の実施情報を入力して前記看護情報管理サーバに送信する手段を含み、
前記看護情報管理サーバは、
前記看護情報管理端末から受信した看護行為の実施情報を判別してサーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルの対応する看護用品情報を更新する手段を含む、
ことを特徴とする請求項1記載の看護情報管理システム。
【請求項3】
患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバと、前記看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を授受する看護情報管理端末とを有する看護情報管理システムであって、
前記看護情報管理サーバは、
前記患者ごとに付与した患者識別コードに対応づけられる患者情報と、前記職員ごとに付与した職員識別コードに対応づけられる職員情報と、看護に用いる看護用品ごとに付与した看護用品識別コードに対応づけられる看護用品情報と、前記職員の職務に応じて付与される権限情報とを記憶するサーバ側記憶手段と、
前記看護情報管理端末と無線通信によってデータを送受信するサーバ側無線通信手段と、
前記サーバ側記憶手段および前記サーバ側無線通信手段を制御するとともに、前記看護情報管理端末との間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理サーバを制御するサーバ側制御手段とを有し、
このサーバ側制御手段は、
前記看護情報管理端末から入力された前記職員識別コードおよび前記職員を認証するためのパスワードを取得するとともに、これら職員識別コードおよびパスワードと前記職員情報とを照合し、前記職員によるログインの可否を認証するログイン認証部と、
このログイン認証部が認証した前記職員に対応する前記職員情報を取得するとともに、この職員情報に基づいて前記権限情報を取得し、前記職員が前記看護情報管理端末において実施可能な看護行為を設定する看護行為設定部と、
前記看護情報管理端末から入力された前記患者識別コードを取得し、この患者識別コードに対応する前記患者情報を前記看護情報管理端末へと送信する患者情報送信部と、
前記看護情報管理端末から入力された前記看護用品識別コードを取得し、この看護用品識別コードに対応する前記看護用品情報を前記看護情報管理端末へと送信する看護用品情報送信部と、
前記職員による看護行為の実施状況を示す実施情報を前記看護情報管理端末から取得し、前記実施情報によって前記看護用品情報を更新する看護用品情報更新部と
を有しているとともに、
前記看護情報管理端末は、
前記患者識別コード、前記職員識別コードおよび前記看護用品識別コードを取得する識別コード取得手段と、
前記パスワードおよび前記実施情報を入力する端末側入力手段と、
前記患者情報および前記看護用品情報を表示する端末側表示手段と、
前記看護情報管理サーバと無線通信によってデータを送受信する端末側無線通信手段と、
前記識別コード取得手段、前記端末側入力手段、前記端末側表示手段および前記端末側無線通信手段を制御するとともに、前記看護情報管理サーバとの間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理端末を制御する端末側制御手段とを有し、
この端末側制御手段は、
前記識別コード取得手段によって取得した前記職員識別コードと、前記端末側入力手段によって入力された前記パスワードを前記看護情報管理サーバに送信し、ログインを要求するログイン要求部と、
前記識別コード取得手段によって取得した前記患者識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記患者情報を要求する患者情報要求部と、
この患者情報要求部が要求した前記患者情報を前記看護情報管理サーバから取得し、前記端末側表示手段に表示させる患者情報表示部と、
前記識別コード取得手段によって取得した前記看護用品識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記看護用品情報を要求する看護用品情報要求部と、
この看護用品情報要求部が要求した前記看護用品情報を前記看護情報管理サーバから取得し、この看護用品情報の正当性をチェックする看護用品情報チェック部と、
この看護用品情報チェック部により正当性が認められた前記看護用品情報を前記端末側表示手段に表示させる看護用品情報表示部と、
前記職員により前記端末側入力手段を用いて入力された前記実施情報を前記看護情報管理サーバに送信する実施情報送信部と
を有していることを特徴とする看護情報管理システム。
【請求項4】
患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバと、前記看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を授受する看護情報管理端末とを有する看護情報管理システムの看護情報管理方法であって、
前記看護情報管理端末は、
職員識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信し、
前記看護情報管理サーバは、
サーバ側記憶手段に記憶する権限テーブルを読み出し前記職員識別コードに対応した職務コードを基に実施可能な看護行為を設定し、
前記看護情報管理端末は、
看護用品識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信し、
前記看護情報管理サーバは、
サーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルを読み出し前記看護用品識別コードに対応した看護用品情報を抽出し、
前記看護情報管理端末は、
前記看護情報管理サーバで設定された実施可能な看護行為を基に前記看護情報管理サーバから受信した看護用品情報の正当性をチェックする、
ことを特徴とする看護情報管理方法。
【請求項5】
前記看護情報管理端末は、
看護行為の実施情報を入力して前記看護情報管理サーバに送信し、
前記看護情報管理サーバは、
前記看護情報管理端末から受信した看護行為の実施情報を判別し、
サーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルの対応する看護用品情報を更新する、
ことを特徴とする請求項4記載の看護情報管理方法。
【請求項6】
患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバと、前記看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を授受する看護情報管理端末とを有する看護情報管理システムの看護情報管理方法であって、
前記看護情報管理端末の識別コード取得手段は、
名札に印字されたバーコードを読み取って職員識別コードを取得し、
前記看護情報管理端末の端末側入力手段は、
パスワードを入力し、
前記看護情報管理端末のログイン要求部は、
前記職員識別コードおよび前記パスワードを前記看護情報管理サーバに送信してログインを要求し、
前記看護情報管理サーバのログイン認証部は、
前記看護情報管理端末から前記職員識別コードおよび前記パスワードを取得し、
サーバ側記憶手段から職員テーブルを読み出し前記職員識別コードおよび前記パスワードが前記職員テーブルに登録されているか否かを照合し、
照合の結果、認証されれば看護情報管理端末のログインを許可し、
前記看護情報管理サーバの看護行為設定部は、
ログイン認証された前記職員識別コードから職員情報を取得し、
サーバ側記憶手段から権限テーブルを読み出し前記職員情報中の職務コードに応じて実施可能な看護行為を設定し、
前記看護情報管理端末は、
前記看護情報管理サーバから職務コードに応じた実施可能な看護行為を取得して実施可能な看護行為を設定し、
前記看護情報管理端末の識別コード取得手段は、
患者のリストバンドやベッドネームラベルに印字されたバーコードを読み取って患者識別コードを取得し、
前記看護情報管理端末の患者情報要求部は、
前記患者識別コードを看護情報管理サーバに送信そて前記患者の患者情報を要求し、
前記看護情報管理サーバの患者情報送信部は、
前記看護情報管理端末から前記患者識別コードを取得し、
サーバ側記憶手段から患者テーブルを読み出し前記患者IDに基づいて前記患者テーブルを検索し、
前記患者識別コードに対応した患者情報を抽出して前記看護情報管理端末に送信し、
前記看護情報管理端末の患者情報表示部は、
前記看護情報管理サーバから前記患者情報を受信し、
前記患者情報を表示メモリに格納し端末側表示手段に表示させ、
前記看護情報管理端末の識別コード取得手段は、
看護用品に付されたバーコードを読み取って看護用品識別コードを取得し、
取得した前記看護用品識別コードを前記看護情報管理サーバに送信して当該看護用品の看護用品情報を要求し、
前記看護情報管理サーバの看護用品情報送信部は、
前記看護情報管理端末から前記看護用品識別コードを取得し、
サーバ側記憶手段から看護用品テーブルを読み出し前記看護用品識別コードに基づいて前記看護用品テーブルを検索し、
前記看護用品識別コードに対応した看護用品情報を抽出して前記看護情報管理端末に送信し、
前記看護情報管理端末の看護用品情報チェック部は、
前記看護情報管理サーバから受信した前記看護用品情報の正当性をチェックし、
前記看護情報管理端末の看護用品情報表示部は、
正当性が確認されれば前記看護用品情報を表示し、
前記看護情報管理端末の端末側入力手段は、
看護行為の実施情報を入力し、
前記看護情報管理端末の実施情報送信部は、
入力された看護行為の実施情報を前記看護情報管理サーバに送信し、
前記看護情報管理サーバの看護用品情報更新部は、
前記看護情報管理端末から受信した看護行為の実施情報を判別し、
看護用品テーブルの対応する看護用品情報を更新する、
ことを特徴とする看護情報管理方法。
【請求項7】
患者の看護に関わる職員が携帯する看護情報管理端末との間で、前記患者の看護に関する看護情報を送受信して管理する看護情報管理サーバであって、
前記看護情報管理端末から職員識別コードを受信する手段と、
サーバ側記憶手段に記憶する権限テーブルを読み出し前記職員識別コードに対応した職務コードを基に実施可能な看護行為を設定する手段と、
前記看護情報管理端末から看護用品識別コードを受信する手段と、
サーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルを読み出し前記看護用品識別コードに対応した看護用品情報を抽出する手段とを含む、
ことを特徴とする看護情報管理サーバ。
【請求項8】
前記看護情報管理端末から受信した看護行為の実施情報を判別してサーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルの対応する看護用品情報を更新する手段を含む、
ことを特徴とする請求項7記載の看護情報管理サーバ。
【請求項9】
患者の看護に関わる職員が携帯する看護情報管理端末との間で、前記患者の看護に関する看護情報を送受信して管理する看護情報管理サーバであって、
前記患者ごとに付与した患者識別コードに対応づけられる患者情報と、前記職員ごとに付与した職員識別コードに対応づけられる職員情報と、看護に用いる看護用品ごとに付与した看護用品識別コードに対応づけられる看護用品情報と、前記職員の職務に応じて付与される権限情報とを記憶するサーバ側記憶手段と、
前記看護情報管理端末と無線通信によってデータを送受信するサーバ側無線通信手段と、
前記サーバ側記憶手段および前記サーバ側無線通信手段を制御するとともに、前記看護情報管理端末との間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理サーバを制御するサーバ側制御手段とを有し、
このサーバ側制御手段は、
前記看護情報管理端末から入力された前記職員識別コードおよび前記職員を認証するためのパスワードを取得するとともに、これら職員識別コードおよびパスワードと前記職員情報とを照合し、前記職員によるログインの可否を認証するログイン認証部と、
このログイン認証部が認証した前記職員に対応する前記職員情報を取得するとともに、この職員情報に基づいて前記権限情報を取得し、前記職員が前記看護情報管理端末において実施可能な看護行為を設定する看護行為設定部と、
前記看護情報管理端末から入力された前記患者識別コードを取得し、この患者識別コードに対応する前記患者情報を前記看護情報管理端末へと送信する患者情報送信部と、
前記看護情報管理端末から入力された前記看護用品識別コードを取得し、この看護用品識別コードに対応する前記看護用品情報を前記看護情報管理端末へと送信する看護用品情報送信部と、
前記職員による看護行為の実施状況を示す実施情報を前記看護情報管理端末から取得し、前記実施情報によって前記看護用品情報を更新する看護用品情報更新部と
を有していることを特徴とする看護情報管理サーバ。
【請求項10】
患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を送受信する看護情報管理端末であって、
職員識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する手段と、
前記看護情報管理サーバが設定した実施可能な看護行為を受信する手段と、
看護用品識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する手段と、
前記看護情報管理サーバから看護用品情報を受信する手段と、
前記設定された実施可能な看護行為を基に前記看護用品情報の正当性をチェックする手段とを含む、
ことを特徴とする看護情報管理端末。
【請求項11】
看護行為の実施情報を入力して前記看護情報管理サーバに送信する手段を含む、
ことを特徴とする請求項10記載の看護情報管理端末。
【請求項12】
患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を送受信する看護情報管理端末であって、
前記患者の患者情報を識別する患者識別コード、前記職員の職員情報を識別する職員識別コード、および看護に用いる看護用品の看護用品情報を識別する看護用品識別コードを取得する識別コード取得手段と、
前記職員を認証するためのパスワードおよび前記職員による看護行為の実施状況を示す実施情報を入力する端末側入力手段と、
前記患者情報および前記看護用品情報を表示する端末側表示手段と、
前記看護情報管理サーバと無線通信によってデータを送受信する端末側無線通信手段と、
前記識別コード取得手段、前記端末側入力手段、前記端末側表示手段および前記端末側無線通信手段を制御するとともに、前記看護情報管理サーバとの間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理端末を制御する端末側制御手段とを有し、
この端末側制御手段は、
前記識別コード取得手段によって取得した前記職員識別コードと、前記端末側入力手段によって入力された前記パスワードを前記看護情報管理サーバに送信し、ログインを要求するログイン要求部と、
前記識別コード取得手段によって取得した前記患者識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記患者情報を要求する患者情報要求部と、
この患者情報要求部が要求した前記患者情報を前記看護情報管理サーバから取得し、前記端末側表示手段に表示させる患者情報表示部と、
前記識別コード取得手段によって取得した前記看護用品識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記看護用品情報を要求する看護用品情報要求部と、
この看護用品情報要求部が要求した前記看護用品情報を前記看護情報管理サーバから取得し、この看護用品情報の正当性をチェックする看護用品情報チェック部と、
この看護用品情報チェック部により正当性が認められた前記看護用品情報を前記端末側表示手段に表示させる看護用品情報表示部と、
前記職員により前記端末側入力手段を用いて入力された前記実施情報を前記看護情報管理サーバに送信する実施情報送信部と
を有していることを特徴とする看護情報管理端末。
【請求項13】
患者の看護に関わる職員が携帯する看護情報管理端末との間で、前記患者の看護に関する看護情報を送受信して管理する看護情報管理サーバのプログラムであって、
看護情報管理サーバに、
前記看護情報管理端末から職員識別コードを受信する機能、
サーバ側記憶手段に記憶する権限テーブルを読み出し前記職員識別コードに対応した職務コードを基に実施可能な看護行為を設定する機能、
前記看護情報管理端末から看護用品識別コードを受信する機能、
サーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルを読み出し前記看護用品識別コードに対応した看護用品情報を抽出する機能、
を実現させるための看護情報管理サーバ用プログラム。
【請求項14】
前記看護情報管理端末から受信した看護行為の実施情報を判別してサーバ側記憶手段に記憶する看護用品テーブルの対応する看護用品情報を更新する機能、
を実現させるための請求項13記載の看護情報管理サーバ用プログラム。
【請求項15】
患者の看護に関わる職員が携帯する看護情報管理端末との間で、前記患者の看護に関する看護情報を送受信して管理する看護情報管理サーバのプログラムであって、
看護情報管理サーバに、
前記看護情報管理端末と無線通信によってデータを送受信するサーバ側無線通信機能、
患者情報と職員情報と看護用品情報と権限情報とを記憶するサーバ側記憶手段および前記サーバ側無線通信機能を制御するとともに、前記看護情報管理端末との間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理サーバを制御する機能、
前記看護情報管理端末から入力された前記職員識別コードおよび前記職員を認証するためのパスワードを取得するとともに、これら職員識別コードおよびパスワードと前記職員情報とを照合し、前記職員によるログインの可否を認証するログイン認証機能、
このログイン認証部が認証した前記職員に対応する前記職員情報を取得するとともに、この職員情報に基づいて前記権限情報を取得し、前記職員が前記看護情報管理端末において実施可能な看護行為を設定する看護行為設定機能、
前記看護情報管理端末から入力された前記患者識別コードを取得し、この患者識別コードに対応する前記患者情報を前記看護情報管理端末へと送信する患者情報送信機能、
前記看護情報管理端末から入力された前記看護用品識別コードを取得し、この看護用品識別コードに対応する前記看護用品情報を前記看護情報管理端末へと送信する看護用品情報送信機能、
前記職員による看護行為の実施状況を示す実施情報を前記看護情報管理端末から取得し、前記実施情報によって前記看護用品情報を更新する看護用品情報更新機能、
を実現させるための看護情報管理サーバ用プログラム。
【請求項16】
患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を送受信する看護情報管理端末のプログラムであって、
看護情報管理端末に、
職員識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する機能、
前記看護情報管理サーバが設定した実施可能な看護行為を受信する機能、
看護用品識別コードを取得して前記看護情報管理サーバに送信する機能、
前記看護情報管理サーバから看護用品情報を受信する機能、
前記設定された実施可能な看護行為を基に前記看護用品情報の正当性をチェックする機能、
を実現させるための看護情報管理端末用プログラム。
【請求項17】
看護行為の実施情報を入力して前記看護情報管理サーバに送信する機能、
を実現させるための請求項16記載の看護情報管理端末用プログラム。
【請求項18】
患者の看護に関する看護情報を管理する看護情報管理サーバとの間で無線通信により前記看護情報を送受信する看護情報管理端末のプログラムであって、
看護情報管理端末に、
前記患者の患者情報を識別する患者識別コード,前記職員の職員情報を識別する職員識別コード,および看護に用いる看護用品の看護用品情報を識別する看護用品識別コードを取得する識別コード取得機能、
前記看護情報管理サーバと無線通信によってデータを送受信する端末側無線通信機能、
前記識別コード取得機能,端末側入力手段,端末側表示手段および前記端末側無線通信機能を制御するとともに、前記看護情報管理サーバとの間で前記看護情報を管理するように前記看護情報管理端末を制御する機能、
前記識別コード取得機能によって取得した前記職員識別コードと前記端末側入力手段によって入力された前記パスワードとを前記看護情報管理サーバに送信し、ログインを要求するログイン要求機能、
前記識別コード取得機能によって取得した前記患者識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記患者情報を要求する患者情報要求機能、
この患者情報要求機能が要求した前記患者情報を前記看護情報管理サーバから取得し、前記端末側表示手段に表示させる患者情報表示機能、
前記識別コード取得機能によって取得した前記看護用品識別コードを前記看護情報管理サーバに送信し、前記看護用品情報を要求する看護用品情報要求機能、
この看護用品情報要求機能が要求した前記看護用品情報を前記看護情報管理サーバから取得し、この看護用品情報の正当性をチェックする看護用品情報チェック機能、
この看護用品情報チェック機能により正当性が認められた前記看護用品情報を前記端末側表示手段に表示させる看護用品情報表示機能、
前記端末側入力手段を用いて入力された前記実施情報を前記看護情報管理サーバに送信する実施情報送信機能、
を実現させるための看護情報管理端末用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−25956(P2007−25956A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205594(P2005−205594)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000241979)北海道日本電気ソフトウェア株式会社 (10)
【Fターム(参考)】