真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出するための方法及び装置
本明細書においては、直線の液滴軌道を有する液滴を生成するための液滴射出装置を駆動させる方法及び装置が説明される。一実施形態においては、アクチュエータを有する液滴射出装置を駆動させる方法は、少なくとも1つの駆動パルスと、直線矯正パルスとを有するマルチパルス波形をアクチュエータに適用することによって、少なくとも1つの駆動パルスにより流体の液滴を形成することを含む。次に、本方法は、マルチパルス波形のパルスに応答して、液滴射出装置に、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出させることを含む。直線矯正パルスは、液滴が液滴軌道エラーなしに射出されることを確実にするように設計される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液滴の射出に関し、より具体的には、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出することに関する。
【背景技術】
【0002】
液滴射出装置は、様々な目的に用いられ、最も一般的には、種々の媒体上に画像を印刷するために用いられる。これらの液滴射出装置は、インクジェット又はインクジェットプリンタと呼ばれることが多い。ドロップオンデマンド液滴射出装置は、その融通性及び経済性のために、多数の用途に用いられている。ドロップオンデマンド装置は、単一のパルス又は複数のパルスを含むことができる、通常は電気波形又は波形である、特定の信号に応答して、1つ又はそれ以上の液滴を射出する。マルチパルス波形の異なる部分を選択的に作動させて、液滴を生成することができる。1つ又は複数の駆動パルスにより、液滴射出装置のノズルから液滴が形成される。
【0003】
典型的には、液滴射出装置は、流体供給源からノズル経路への流路を含む。ノズル経路は、液滴が射出されるノズル開口部で終端する。例えば圧電デフレクタ、サーマルバブルジェット生成装置、又は静電偏向要素等とすることができるアクチュエータを用いて流路内の流体を加圧することにより、液滴の射出が制御される。典型的な印刷ヘッドは、対応するノズル開口部及び関連したアクチュエータをもつ流路のアレイを有し、各ノズル開口部からの液滴の射出を別個に制御することができる。ドロップオンデマンド印刷ヘッドにおいては、各アクチュエータが始動されて印刷ヘッド及び基材が互いに対して移動されると、液滴が特定のターゲット・ピクセル位置に選択的に射出される。
【0004】
液滴射出装置は、持続的に液滴を生成し、要求される液滴量を取得し、材料を正確に吐出し、かつ、所望の吐出量を実現する必要がある。ターゲットに対する液滴配置エラーは、ターゲット上の画質を低下させる。図1は、異なるタイプの配置エラーを示す。液滴120は、ノズル板110を通ってターゲット130に向けて発射される。垂直線170は、理想的な真っ直ぐな液滴軌道を表わす。しかしながら、ノズルエラー180が、ターゲットに対するノズルの位置合わせ不良により生じる。垂直線180は、ノズルからターゲットまでの真っ直ぐな液滴軌道を表わし、この線はノズル板110と直交する。垂直線180と液滴の実際の軌道190との間に形成される角度シータは、噴射軌道エラー150を表わす。合計液滴配置エラーは、ノズル配置エラーと噴射軌道エラーを組み合わせたものに等しい。
【0005】
「恒久的な」噴射の直線性(jet straightness)は、噴射が常に真っ直ぐであるか又は常に曲がっているときに生じる。恒久的に曲がっている噴射は、一般に、ノズルの損傷及び/又はノズル内の又はノズル周囲の汚染の結果である。一時的な噴射の直線性は、プライミング直後には真っ直ぐであった噴射が、噴射期間後に曲がった状態になったときに生じる。これらの噴射は、さらなる噴射期間後に、自己修復することもあるし、又はしないこともある。噴射軌道エラーは、曲がった噴射に起因する。図2及び図3は、曲がった噴射の例を示す。領域202は、同じ方向に曲がった噴射を示す。領域204は、隣接する噴射が反対方向に曲がった対形成(twinning)を示す。図3は、曲がった噴射によりもたらされる印刷領域を示す。矢印210は、曲がった噴射により、線間の距離が不均一になった領域を指す。矢印220は、一時的噴射直線性により、印刷された線の位置が、ある期間にわたって変化した領域を指す。矢印230は、対形成により、2つの隣接する線が併合して1つの線になった領域を指す。いずれにしても、曲がった噴射により生成された画質は低下する。
【発明の概要】
【0006】
本明細書においては、真っ直ぐな液滴軌道を有する液滴を生成するための液滴射出装置を駆動させる方法及び装置が説明される。一実施形態においては、アクチュエータを有する液滴射出装置を駆動させる方法は、少なくとも1つの駆動パルス及び直線矯正(straightening)パルスを有するマルチパルス波形をアクチュエータに印加することによって、少なくとも1つの駆動パルスにより流体の液滴を形成することを含む。次に、本方法は、マルチパルス波形のパルスに応答して、液滴射出装置に、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出させることを含む。直線矯正パルスは、液滴が液滴軌道エラーなしに射出されることを確実にするように設計される。
【0007】
本発明は、添付図面の図において、限定としてではなく一例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来の手法による、ターゲットに対するインクジェット印刷ヘッドのノズル板の断面図である。
【図2】従来の手法による、曲がった噴射により射出される液滴を示す。
【図3】従来の手法による、曲がった噴射、一時的噴射直線性、及び対形成によりもたらされる低下した印刷画像を示す。
【図4】一実施形態による、剪断モードの圧電インクジェット印刷ヘッドの分解図である。
【図5】一実施形態による、インクジェット・モジュールを通る側断面図である。
【図6】一実施形態による、ポンプ・チャンバ及び圧電素子に対する電極の位置を示すインクジェット・モジュールの斜視図である。
【図7A】図7Bに示されるインクジェット・モジュールの別の実施形態の分解図である。
【図7B】インクジェット・モジュールを示す。
【図8】別の実施形態による、剪断モードの圧電インクジェット印刷ヘッドの分解図である。
【図9】一実施形態による、キャビティ板を示すインクジェット・モジュールの斜視図である。
【図10】真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出するために、直線矯正パルスを有するマルチパルス波形により液滴射出装置を駆動するための実施形態のフロー図を示す。
【図11A】従来の手法による、後退メニスカス1104及びノズル開口部に対して中心がずれた尾部を伴う、単一の駆動パルス1102を示す。
【図11B】一実施形態による、隆起メニスカス及びノズル開口部に中心に置かれた尾部を伴う、単一の駆動パルス及び直線矯正パルスを示す。
【図12】一実施形態による、1つの駆動パルス及び1つの直線矯正パルスを有するマルチパルス波形を示す。
【図13】一実施形態による、マルチパルス波形を示す。
【図14】一実施形態による、ノズル周囲の非対称的な濡れの形成を示す。
【図15】従来の手法による、単一パルス波形及び対応する液滴の射出を示す。
【図16】一実施形態による、マルチパルス波形及び対応する液滴の射出を示す。
【図17】別の実施形態による、単一パルス波形及び対応する液滴の射出を示す。
【図18】一実施形態による、マルチパルス波形と、対応する液滴の射出とを示す。
【図19】幾つかの実施形態による、異なる温度及びインク粘度レベルにおける液滴の射出を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において、真っ直ぐな軌道を有するように射出される液滴を生成するための液滴射出装置を駆動させる方法及び装置が説明される。一実施形態においては、アクチュエータを有する液滴射出装置を駆動させる方法が、少なくとも1つの駆動パルス及び直線矯正パルスを有するマルチパルス波形をアクチュエータに印加することによって、少なくとも1つの駆動パルスにより流体の液滴を形成することを含む。次に、本方法は、マルチパルス波形のパルスに応答して、液滴射出装置に、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出させることを含む。直線矯正パルスは、液滴が液滴軌道エラーなしに射出されることを確実にするように設計される。
【0010】
直線矯正パルスは、流体のメニスカス位置を、ノズルを超えて隆起させることによって、少なくとも1つの駆動パルスにより形成される液滴の直線矯正をもたらし、潜在的な液滴軌道エラーを低減させる。直線矯正パルスはまた、メニスカス特性を変更することによって、非対称的な濡れの問題も低減させる。幾つかの実施形態において、液滴射出装置は、マルチパルス波形のパルスに応答して、又は付加的なマルチパルス波形のパルスに応答して、付加的な流体の丸い塊を射出する。
【0011】
図4は、一実施形態による、剪断モードの圧電インクジェット印刷ヘッドの分解図である。図4を参照すると、圧電インクジェット・ヘッド2は、カラー要素10に組み立てられる複数のモジュール4及び6を含み、該カラー要素10には、マニホルド板12及びオリフィス板14が取り付けられる。圧電インクジェット・ヘッド2は、種々のタイプの印刷ヘッドの一例である。一実施形態によると、インクは、カラー10を通って、マルチパルス波形により作動されるジェット・モジュールに導入され、オリフィス板14上のオリフィス16から、種々の液滴サイズのインク液滴を噴射する。インクジェット・モジュール4及び6の各々は、焼結炭素又はセラミック等の材料の薄い矩形ブロックで形成された本体20を含む。本体の両側の中には、インク・ポンプ・チャンバを形成する一連のウェル22が機械加工される。インクは、同じく本体内に機械加工されるインク充填経路26を通って導入される。
【0012】
本体の対向する表面は、本体内のポンプ・チャンバの上に位置するように配置された一連の電気接点を含む可撓性ポリマー・フィルム30及び30’で覆われる。電気接点は、リード線に接続され、リード線は次いで、ドライバ集積回路33及び33’を含む可撓性プリント基板32及び32’に接続することができる。フィルム30及び30’は、可撓性プリント基板とすることができる。各々の可撓性プリント基板フィルムは、薄いエポキシ層により本体20に封止される。エポキシ層は、十分に薄いため、ジェット本体の表面粗さを埋めて機械的結合を与えるが、同じく十分に薄いため、ほんの少量のエポキシしか、結合線からポンプ・チャンバ内に絞り出されない。
【0013】
単一のモノリシック圧電変換器(PZT)部材とすることができる、圧電素子34及び34’の各々が、可撓性プリント基板30及び30’の上に配置される。圧電素子34及び34’の各々は、圧電素子の表面の上に真空蒸着された導電性金属を化学エッチングにより除去することによって形成された電極を有する。圧電素子上の電極は、ポンプ・チャンバに対応する位置にある。圧電素子上の電極は、可撓性プリント基板30及び30’上の対応する接点と電気的に係合する。結果として、作用がもたらされる圧電素子の側の各々に対して電気的接触が行なわれる。圧電素子は、薄いエポキシ層により可撓性プリント基板に固定される。
【0014】
図5は、一実施形態による、インクジェット・モジュールを通る側断面図である。図5を参照すると、圧電素子34及び34’は、機械加工されたインク・ポンプ・チャンバ22を含む本体の一部のみを覆う大きさである。インク充填経路26を含む本体部分は、圧電素子で覆われていない。
【0015】
インク充填経路26は、モジュール本体の外側部分に取り付けられた可撓性プリント基板の部分31及び31’により封止される。可撓性プリント基板は、インク充填経路の上に軟質カバーを形成し(及び封止し)、雰囲気に曝される流体の自由表面に近似する。
【0016】
通常の動作中、圧電素子は、最初にポンプ・チャンバの容量を増大させるように作動し、次に、ある期間の後、圧電素子の作動が停止されて元の位置に戻る。ポンプ・チャンバの容量を増大させることにより、負圧波が出される。この負圧は、ポンプ・チャンバ内で始まり、ポンプ・チャンバの両端に向かって伝わる(矢印33及び33’が示唆するようにオリフィス及びインク充填経路の方向に)。負圧波がポンプ・チャンバの端部に到達し、インク充填経路の広い領域(近似した自由表面と連通する)に遭遇すると、負圧波は、正圧波としてポンプ・チャンバに反射して戻り、オリフィスに向かって伝わる。圧電素子がその元の位置に戻ることによっても、正圧波が生じる。圧電素子の作動を停止するタイミングは、その正圧波及び反射した正圧波が、オリフィスに到達したときに加算されたときである。
【0017】
図6は、一実施形態による、ポンプ・チャンバ及び圧電素子に対する電極の位置を示すインクジェット・モジュールの斜視図である。図6を参照すると、ポンプ・チャンバ及び圧電素子に対する可撓性プリント基板30上の電極パターン50が示されている。圧電素子は、圧電素子34の側部上に、可撓性プリント基板と接触する電極40を有する。各電極40は、噴射口本体内のポンプ・チャンバ45に対応するような配置及び大きさにされる。各電極40は、ポンプ・チャンバのものにほぼ対応するが、より短くより狭い、長さ及び幅を有する細長い領域42を有するので、電極40の周囲とポンプ・チャンバの側部及び端部との間に間隙43が存在する。ポンプ・チャンバ上の中央に位置するこれらの電極領域42は、駆動電極である。圧電素子上のくし形の第2の電極52は、通常、ポンプ・チャンバの外側の領域に対応する。この電極52は、共通(接地)電極である。
【0018】
可撓性プリント基板は、可撓性プリント基板の側部51上に、圧電素子と接触する電極50を有する。可撓性プリント基板の電極と圧電素子の電極は、可撓性プリント基板と圧電素子が良好に電気的に接触し、容易に位置合わせするように、十分に重なり合う。可撓性プリント基板電極は、圧電素子を超えて延び(図6における垂直方向に)、駆動回路を含む可撓性プリント基板32への接続(例えば、はんだ付け又は非導電性ペースト)を可能にする。2つの可撓性プリント基板30及び32を有する必要はない。単一の可撓性プリント基板を用いることもできる。
【0019】
図7Aは、図7Bに示すインクジェット・モジュールの別の実施形態の分解図である。本実施形態においては、噴射口本体は、複数の部品で構成される。噴射口本体80のフレームは、焼結炭素であり、インク充填経路を含む。噴射口本体のそれぞれの側には、組立体を強化するように設計された薄い金属板である、補強板82及び82’が取り付けられる。補強板には、ポンプ・チャンバが化学的にミル加工された薄い金属板であるキャビティ板84及び84’が取り付けられる。キャビティ板には、可撓性プリント基板30及び30’が取り付けられ、可撓性プリント基板には、圧電素子34及び34’が取り付けられる。これらの素子の全てが、エポキシにより互いに接合される。駆動回路を含む可撓性プリント基板32及び32’は、はんだ付けプロセスにより取り付けられる。
【0020】
図8は、別の実施形態による、剪断モードの圧電インクジェット印刷ヘッドである。図8に示すインクジェット印刷ヘッドは、図4に示す印刷ヘッドと類似している。しかしながら、図8の印刷ヘッドは、図4の2つのインクジェット・モジュール4及び6とは対照的に、単一のインクジェット・モジュール210を有する。幾つかの実施形態においては、インクジェット・モジュール210は、以下の構成要素、すなわち、炭素体220、補強板250、キャビティ板240、可撓性プリント基板230、PZT部材234、ノズル板260、インク充填経路270、可撓性プリント基板232、及び駆動電子回路233を含む。これらの構成要素は、図4−図7に関連して上述された構成要素と類似した機能を有する。
【0021】
一実施形態によると、キャビティ板は、図9により詳細に示される。キャビティ板240は、穴290と、インク充填経路270と、PZTにより変形又は作動されるポンプ・チャンバ280とを含む。図8及び図9に示すように、液滴射出装置と呼ぶことができるインクジェット・モジュール210は、ポンプ・チャンバを含む。PZT部材234(例えば、アクチュエータ)は、駆動電子機器233に印加された駆動パルスに応答して、ポンプ・チャンバ内の流体の圧力を変更するように作動する。一実施形態において、PZT部材234は、ポンプ・チャンバから、流体の液滴を射出する。駆動電子機器233は、PZT部材234に連結される。インクジェット・モジュール210の動作中、駆動電子機器233は、少なくとも1つの駆動パルス及び少なくとも1つの直線矯正パルスを有するマルチパルス波形によりPZT部材234を駆動する。少なくとも1つの駆動パルスが、流体の液滴を形成する。直線矯正パルスは、液滴の潜在的な液滴軌道エラーを修正する。駆動電子機器は、マルチパルス波形のパルスに応答して、アクチュエータに、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出させる。一実施形態において、マルチパルス波形は、第1の駆動パルスと、第1のピーク電圧を有する第2の駆動パルスと、その後に続く第2のピーク電圧を有する直線矯正パルスとを含むことができる。第2のピーク電圧は、第1のピーク電圧に基づくものとすることができる。
【0022】
図10は、一実施形態による、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出するために、マルチパルス波形により液滴射出装置を駆動するプロセスのフロー図を示す。アクチュエータを有する液滴射出装置を駆動するプロセスは、処理ブロック1002において、少なくとも1つの駆動パルス及び直線矯正パルスを有するマルチパルス波形をアクチュエータに印加することによって、少なくとも1つの駆動パルスにより流体の液滴を形成することを含む。次に、プロセスは、処理ブロック1004において、ノズル内の流体のメニスカス位置を、ノズルを超えて隆起させることを含む。次に、プロセスは、処理ブロック1006において、マルチパルス波形のパルスに応答して、液滴射出装置に、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出させることを含む。直線矯正パルスは、液滴軌道エラーなしに液滴を射出するように設計される。液滴射出装置の液滴射出速度により特徴付けられる噴射速度応答が、直線矯正パルスにおいてほぼゼロであるため、直線矯正パルスは、副液滴(sub−drop)又はサテライトを形成することなく液滴を射出するようにも設計される。直線矯正パルスは、少なくとも1つの駆動パルスにより形成される液滴の直線矯正をもたらし、潜在的な液滴軌道エラーを低減させる。
【0023】
幾つかの実施形態において、ノズルは非円形の形状である。少なくとも1つの駆動パルスは、液滴を形成するために、液滴射出装置の周波数応答におけるほぼ最大の液滴速度に調整され、直線矯正パルスは、液滴軌道エラーが低減した状態で液滴を射出するために、液滴射出装置の周波数応答におけるほぼ最小の液滴速度に調整される。マルチパルス波形は、第1のピーク電圧を有する駆動パルスと、その後に続く第2のピーク電圧を有する直線矯正パルスとを含み、この第2のピーク電圧は第1のピーク電圧に基づいている。1つの実施形態において、第2のピーク電圧は、第1のピーク電圧より小さい。第2のピーク電圧を増大させることにより、ノズル内の流体のメニスカス位置がノズルを超えてさらに隆起する。
【0024】
一実施形態において、液滴射出装置は、マルチパルス波形のパルスに応答して、又は、付加的なマルチパルス波形のパルスに応答して、付加的な流体の丸い塊を射出する。波形は、互いに連結された一連の区間を含むことができる。各々の区間は、一定の期間(例えば、1マイクロ秒から3マイクロ秒まで)及び関連したデータ量を含む特定数のサンプルを含むことができる。サンプルの期間は、駆動電子機器の制御論理が、次の波形区間の間に各噴射ノズルを使用可能にする又は使用不能するのに十分なだけ長い。波形データは、一連のアドレス、電圧及びフラグビット・サンプルとして表に格納され、ソフトウェアによりアクセスすることができる。波形は、単一サイズの液滴及び種々の異なるサイズの液滴を生成するのに必要なデータを提供する。
【0025】
前述のように、一時的噴射直線性は、プライミング直後は真っ直ぐであった噴射が、噴射期間後に曲がった状態になったときに生じる。これらの噴射は、さらなる噴射期間後に自己修復することもあるし、又はしないこともある。噴射軌道エラーは、曲がった噴射に起因する。非円形ノズル(例えば、鋭利な縁部又は丸みを帯びた縁部を有する正方形のノズル)を有する印刷ヘッドは、より軌道エラーを起こしやすい。この現象は、流体のメニスカス位置の影響を受け得る。液滴の尾部が分離するときに、メニスカスがノズルの面の近くに位置している場合には、尾部がノズルの側部/コーナー部に付着し、液滴の軌道のエラーをもたらし得る。尾部の分離時に、メニスカスがノズルから盛り上がっているとき、又は場合によっては後退している(引っ込んでいる)とき、尾部は、ノズルにおいて隆起したインクの塊の中心に位置し、噴射は真っ直ぐになる。
【0026】
一実施形態においては、直線矯正パルスを用いて、メニスカスがノズルから盛り上がるようにし、直線矯正パルスの振幅が、駆動パルス及び後続の駆動パルスより低くなるようにする。幾つかの噴射設計において、かつ、メニスカス圧力、粘度、及びインク音速に関する特定の条件下で、メニスカス位置は、波形上の付加的なパルスなしで、尾部の分離時に隆起する。
【0027】
図11Aは、後退メニスカス1104を生じさせ、尾部1106をノズル開口部1108の片側に移動させる単一の駆動パルス1102を示す。図11Bは、単一駆動パルス1120と、隆起メニスカス1134を生じさせ、尾部1136をノズル開口部1140に対して中心に置く直線矯正パルス1130とを示す。代替的に、直線矯正パルスを駆動パルスのシーケンスに付加して、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出することができる。液滴軌道エラーを最小にするために、液滴の尾部は、ノズル開口部に対して中心に置かれることが望ましい。このことにより画質及び製品の品質が向上する。温度の上昇によりメニスカス特性が変化し、それにより、噴射ノズルのより好ましい対称的な流体の濡れが可能になり得る。直線矯正パルスはさらに、メニスカス・バウンス(bounce)を変化させ、より好ましい濡れを与える。
【0028】
図12は、一実施形態による、1つの駆動パルス及び1つの直線矯正パルスを有するマルチパルス波形を示す。動作中、各々のインクジェットは、マルチパルス波形に応答して、単一の液滴を噴射することができる。マルチパルス波形の例が、図12に示される。本例においては、マルチパルス波形1200は、2つのパルスを有する。各々のマルチパルス波形は、典型的には、噴射期間の整数の倍数に対応する期間(即ち、噴射周波数に対応する期間)だけ、後続の波形から分離されている。各々のパルスは、ポンプ要素の容積の増大時に対応する「充填」ランプと、ポンプ要素の容積の低減時に対応する「発射」ランプ(充填ランプとは反対の傾斜の)とを有するものとして特徴付けることができる。典型的には、ポンプ要素の容積の膨張及び収縮により、ポンプ・チャンバ内の圧力変動がもたらされ、それにより流体がノズルから外に駆動される。
【0029】
特定の実施形態において、マルチパルス波形1200は、液滴射出装置に流体の液滴を射出させるために発射される駆動パルス1210を有する。一実施形態において、駆動パルス1210は、特定の液滴射出用途に応じて、所定の電圧範囲に対応する0から256までの間の電圧レベルを有する。一実施形態において、駆動パルス1210は、約256ボルトのピーク電圧V1を有する。直線矯正パルス1220は、駆動パルス1210のピーク電圧に基づいたピーク電圧V2を有する。
【0030】
幾つかの実施形態において、直線矯正パルス1220のピーク電圧V1は駆動パルス1210のピーク電圧V2より小さい。一実施形態において、V2は、V1の25%である。V2は、インク粘度によって決まる。インク粘度が低いほど、より低いV2の値が必要とされる。V2は、液滴軌道エラーを低減させ、噴射の直線矯正に十分なだけ大きくする必要がある。より大きいV2は、液滴の分離時のメニスカスの隆起を増大させる。
【0031】
第1の期間t1は、駆動パルス1210の第1の遅延セグメント1212、充填セグメント1214、及び第2の遅延セグメント1216と関連付けられる。第2の期間t2は、駆動パルスの発射セグメント1218及び第3の遅延セグメント1219と関連付けられる。第3の期間t3は、駆動パルス1220の充填セグメント1222及び第4の遅延セグメント1224と関連付けられる。高周波数動作においては、t2を最小にし、さらにパルス1220により液滴軌道エラーを効率的に低減させる又はなくすことが望ましい。一実施形態において、t2は、t1の少なくとも63%である。別の実施形態においては、t2は、t1の約80%であり、t3はt1の約55%である。高周波数動作の場合、第3の期間t3を最小にする必要があり、かつ、さらなる別の液滴又は副液滴が生成されないようにする必要もある。低周波数動作の場合、第2及び第3の期間は、より長くすることができる。
【0032】
マルチパルス波形1200において、駆動パルスは、1つの直線矯正パルスの前に発生する。他の実施形態においては、付加的な駆動パルスが、1つ又はそれ以上の直線矯正パルスの前に発生する。液滴は、液滴射出装置に関連した生来の液滴サイズを有することができる。一実施形態において、波形1200は、特定の印刷ヘッド及びインク・タイプに対して、公称25−35ngの液滴を生成する射出器から、25−35ngの液滴を生成する。別の実施形態において、波形1200は、特定の印刷ヘッド及びインク・タイプに対して、公称7−10ngの液滴を生成する射出器から、7−10ngの液滴を生成する。
【0033】
特定の実施形態において、他の波形構成を考えることができる。1つの実施形態においては、2つより多い駆動パルスを用いて、液滴を生成することができる。幾つかの適用例においては、1つ又はそれ以上の駆動パルスが負であってもよく、又は、直線矯正パルスが負であってもよい。
【0034】
図13は、一実施形態による、マルチパルス波形を示す。区間1−4は、それぞれパルス1320、1330、1340、1350に対応する。これらのパルスにより、種々の液滴サイズを生成することができる。例えば、生来の小さい液滴サイズは、パルス1340及び1350に対応する区間3及び4において生成することができる。中間の液滴サイズは、パルス1330及び1340に対応する区間2及び3において生成することができる。大きい液滴サイズは、パルス1320及び1330に対応する区間1及び2において生成することができる。真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出するために、必要であれば、パルス1350又は別の直線矯正パルスを、駆動パルスのいずれかに付加することができる。
【0035】
一実施形態において、1つ又はそれ以上の駆動パルスが、液滴射出装置の周波数応答におけるほぼ最大の液滴速度に調整される。このことは、波形時間全体を短く保持するのに必要であり、高周波数動作の要件である。
【0036】
直線矯正パルスが、液滴射出装置の周波数応答におけるほぼ最小の液滴速度に調整される。この周波数において、液滴速度により特徴付けられる噴射速度応答は、ほぼ0である。このため、直線矯正パルスは、副液滴又はサテライト液滴を射出しない。
【0037】
図14は、一実施形態による、ノズルの周囲の非対称的な濡れの形成を示す。ある期間にわたるノズルの周囲の非対称的な濡れは、一時的噴射直線性の潜在的原因である。例えば、期間t0−t5と関連した画像は、非対称的な濡れの問題を有する時間のシーケンスを示す。連続した画像間の時間間隔は、1秒から3秒までである。駆動パルスの後に生じる直線矯正パルスが、非対称的な濡れを低減させ、一時的噴射直線性の問題を低減させる。
【0038】
図15は、従来の手法による、単一のパルス波形及び対応する液滴の射出を示す。駆動パルス1610は、7.168マイクロ秒のパルス幅、約60ボルトのピーク電圧、及び8.2kHzの周波数を有する。液滴がノズル開口部から射出され、これはタイムスライス1650において5マイクロ秒のタイムスライスにより示される。分離時の液滴は、ノズル開口部に対して中心からずれており、液滴軌道エラーを有する。分離時のメニスカス位置は、ノズル開口部内に後退している。
【0039】
図16は、一実施形態による、マルチパルス波形及び対応する液滴の射出を示す。駆動パルス1710は、7.168マイクロ秒のパルス幅、約60ボルトのピーク電圧、及び8.2kHzの周波数を有する。後続の直線矯正パルス1720は、類似したピーク電圧と、パルス1720の半分のパルス幅とを有する。液滴がノズル開口部から射出され、これはタイムスライス1750において5マイクロ秒のタイムスライスにより示される。分離時の液滴は、ノズル開口部に対して中心に置かれ、液滴軌道エラーが低減する。分離時のメニスカス位置は、ノズル開口部を超えて隆起している。
【0040】
図17は、別の従来の手法による、単一パルス波形及び対応する液滴の射出を示す。駆動パルス1810は、約250ボルトのピーク電圧と、1kHzの周波数とを有する。分離時の液滴は、ノズル開口部に対して中心からずれており、分離時のメニスカス位置は、ノズル開口部内に後退している。
【0041】
図18は、一実施形態による、マルチパルス波形及び対応する液滴の射出を示す。駆動パルス1910は、約250ボルトのピーク電圧と、1kHzの周波数とを有する。後続の直線矯正パルス1920は、実質的に、より低いピーク電圧と、より短いパルス幅とを有する。分離時の液滴は、ノズル開口部に対して中心に置かれ、液滴軌道エラーが低減する。分離時のメニスカス位置は、ノズル開口部を超えて隆起している。
【0042】
図19は、幾つかの実施形態による、異なる温度及びインク粘度レベルについての液滴の射出を示す。温度の上昇によりインク粘度が低下し、これにより、より好ましいメニスカス特性及び対称的な濡れがもたらされる。高温(例えば、摂氏45度、摂氏55.5度)及びより低いインク粘度(例えば、6.5cP、4.9cP)と関連した液滴射出画像は、真っ直ぐな液滴の射出を示す。
【0043】
しかしながら、より低いインク粘度は、UVインクの不安定、溶剤の乾燥速度、及び空気の飲み込み(gulping)を引き起こすメニスカスの減衰の低減といった他の問題をもたらすことがある。直線矯正パルスを1つ又はそれ以上の駆動パルスと共に用いて、ターゲットに対して、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出することができる。直線矯正パルスは、より低いインク粘度と関連した問題を回避するために、様々な温度範囲及びインク粘度と共に用いることができる。これにより、印刷用途における画質及び製品の品質が向上する。
【0044】
上記の説明は、限定するためのものではなく、例証であることを理解すべきである。上記の説明を読み、理解すれば、当業者には、多数の他の実施形態が明らかになるであろう。従って、本発明の範囲は、こうした特許請求の範囲が権利を有する均等物の全ての範囲と共に、特許請求の範囲を参照して決定すべきである。
【符号の説明】
【0045】
2:圧電インクジェット・ヘッド
4、6、210:インクジェット・モジュール
10:カラー要素
12:マニホルド板
14:オリフィス板
16:オリフィス
20:本体
22、45:ポンプ・チャンバ
26、270:インク充填経路
30、30’、32、32’230、232:可撓性プリント基板
34、34’:圧電素子
40、52:電極
42、202、204:領域
43:間隙
45、280:ポンプ・チャンバ
50:電極パターン
80:噴射口本体
82、82’、250:補強板
84、84’、240:キャビティ板
110、260:ノズル板
120:液滴
130:ターゲット
140:ノズル配置エラー
150:噴射軌道エラー
160:液滴配置エラー
170:垂直線
180:ノズルエラー
190:実際の軌道
220:炭素体
233:駆動電子機器
234:PZT部材
1102:単一駆動パルス
1104:後退メニスカス
1106、1136:尾部
1108、1140:ノズル開口部
1130、1220、1720、1920:直線矯正パルス
1134:隆起メニスカス
1200:マルチパルス波形
1210、1218、1610、1710、1810、1910:駆動パルス
1212:第1の遅延セグメント
1214、1222:充填セグメント
1216:第2の遅延セグメント
1219:第3の遅延セグメント
1224:第4の遅延セグメント
1320、1330、1340、1350:パルス
1650、1750:タイムスライス
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液滴の射出に関し、より具体的には、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出することに関する。
【背景技術】
【0002】
液滴射出装置は、様々な目的に用いられ、最も一般的には、種々の媒体上に画像を印刷するために用いられる。これらの液滴射出装置は、インクジェット又はインクジェットプリンタと呼ばれることが多い。ドロップオンデマンド液滴射出装置は、その融通性及び経済性のために、多数の用途に用いられている。ドロップオンデマンド装置は、単一のパルス又は複数のパルスを含むことができる、通常は電気波形又は波形である、特定の信号に応答して、1つ又はそれ以上の液滴を射出する。マルチパルス波形の異なる部分を選択的に作動させて、液滴を生成することができる。1つ又は複数の駆動パルスにより、液滴射出装置のノズルから液滴が形成される。
【0003】
典型的には、液滴射出装置は、流体供給源からノズル経路への流路を含む。ノズル経路は、液滴が射出されるノズル開口部で終端する。例えば圧電デフレクタ、サーマルバブルジェット生成装置、又は静電偏向要素等とすることができるアクチュエータを用いて流路内の流体を加圧することにより、液滴の射出が制御される。典型的な印刷ヘッドは、対応するノズル開口部及び関連したアクチュエータをもつ流路のアレイを有し、各ノズル開口部からの液滴の射出を別個に制御することができる。ドロップオンデマンド印刷ヘッドにおいては、各アクチュエータが始動されて印刷ヘッド及び基材が互いに対して移動されると、液滴が特定のターゲット・ピクセル位置に選択的に射出される。
【0004】
液滴射出装置は、持続的に液滴を生成し、要求される液滴量を取得し、材料を正確に吐出し、かつ、所望の吐出量を実現する必要がある。ターゲットに対する液滴配置エラーは、ターゲット上の画質を低下させる。図1は、異なるタイプの配置エラーを示す。液滴120は、ノズル板110を通ってターゲット130に向けて発射される。垂直線170は、理想的な真っ直ぐな液滴軌道を表わす。しかしながら、ノズルエラー180が、ターゲットに対するノズルの位置合わせ不良により生じる。垂直線180は、ノズルからターゲットまでの真っ直ぐな液滴軌道を表わし、この線はノズル板110と直交する。垂直線180と液滴の実際の軌道190との間に形成される角度シータは、噴射軌道エラー150を表わす。合計液滴配置エラーは、ノズル配置エラーと噴射軌道エラーを組み合わせたものに等しい。
【0005】
「恒久的な」噴射の直線性(jet straightness)は、噴射が常に真っ直ぐであるか又は常に曲がっているときに生じる。恒久的に曲がっている噴射は、一般に、ノズルの損傷及び/又はノズル内の又はノズル周囲の汚染の結果である。一時的な噴射の直線性は、プライミング直後には真っ直ぐであった噴射が、噴射期間後に曲がった状態になったときに生じる。これらの噴射は、さらなる噴射期間後に、自己修復することもあるし、又はしないこともある。噴射軌道エラーは、曲がった噴射に起因する。図2及び図3は、曲がった噴射の例を示す。領域202は、同じ方向に曲がった噴射を示す。領域204は、隣接する噴射が反対方向に曲がった対形成(twinning)を示す。図3は、曲がった噴射によりもたらされる印刷領域を示す。矢印210は、曲がった噴射により、線間の距離が不均一になった領域を指す。矢印220は、一時的噴射直線性により、印刷された線の位置が、ある期間にわたって変化した領域を指す。矢印230は、対形成により、2つの隣接する線が併合して1つの線になった領域を指す。いずれにしても、曲がった噴射により生成された画質は低下する。
【発明の概要】
【0006】
本明細書においては、真っ直ぐな液滴軌道を有する液滴を生成するための液滴射出装置を駆動させる方法及び装置が説明される。一実施形態においては、アクチュエータを有する液滴射出装置を駆動させる方法は、少なくとも1つの駆動パルス及び直線矯正(straightening)パルスを有するマルチパルス波形をアクチュエータに印加することによって、少なくとも1つの駆動パルスにより流体の液滴を形成することを含む。次に、本方法は、マルチパルス波形のパルスに応答して、液滴射出装置に、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出させることを含む。直線矯正パルスは、液滴が液滴軌道エラーなしに射出されることを確実にするように設計される。
【0007】
本発明は、添付図面の図において、限定としてではなく一例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来の手法による、ターゲットに対するインクジェット印刷ヘッドのノズル板の断面図である。
【図2】従来の手法による、曲がった噴射により射出される液滴を示す。
【図3】従来の手法による、曲がった噴射、一時的噴射直線性、及び対形成によりもたらされる低下した印刷画像を示す。
【図4】一実施形態による、剪断モードの圧電インクジェット印刷ヘッドの分解図である。
【図5】一実施形態による、インクジェット・モジュールを通る側断面図である。
【図6】一実施形態による、ポンプ・チャンバ及び圧電素子に対する電極の位置を示すインクジェット・モジュールの斜視図である。
【図7A】図7Bに示されるインクジェット・モジュールの別の実施形態の分解図である。
【図7B】インクジェット・モジュールを示す。
【図8】別の実施形態による、剪断モードの圧電インクジェット印刷ヘッドの分解図である。
【図9】一実施形態による、キャビティ板を示すインクジェット・モジュールの斜視図である。
【図10】真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出するために、直線矯正パルスを有するマルチパルス波形により液滴射出装置を駆動するための実施形態のフロー図を示す。
【図11A】従来の手法による、後退メニスカス1104及びノズル開口部に対して中心がずれた尾部を伴う、単一の駆動パルス1102を示す。
【図11B】一実施形態による、隆起メニスカス及びノズル開口部に中心に置かれた尾部を伴う、単一の駆動パルス及び直線矯正パルスを示す。
【図12】一実施形態による、1つの駆動パルス及び1つの直線矯正パルスを有するマルチパルス波形を示す。
【図13】一実施形態による、マルチパルス波形を示す。
【図14】一実施形態による、ノズル周囲の非対称的な濡れの形成を示す。
【図15】従来の手法による、単一パルス波形及び対応する液滴の射出を示す。
【図16】一実施形態による、マルチパルス波形及び対応する液滴の射出を示す。
【図17】別の実施形態による、単一パルス波形及び対応する液滴の射出を示す。
【図18】一実施形態による、マルチパルス波形と、対応する液滴の射出とを示す。
【図19】幾つかの実施形態による、異なる温度及びインク粘度レベルにおける液滴の射出を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において、真っ直ぐな軌道を有するように射出される液滴を生成するための液滴射出装置を駆動させる方法及び装置が説明される。一実施形態においては、アクチュエータを有する液滴射出装置を駆動させる方法が、少なくとも1つの駆動パルス及び直線矯正パルスを有するマルチパルス波形をアクチュエータに印加することによって、少なくとも1つの駆動パルスにより流体の液滴を形成することを含む。次に、本方法は、マルチパルス波形のパルスに応答して、液滴射出装置に、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出させることを含む。直線矯正パルスは、液滴が液滴軌道エラーなしに射出されることを確実にするように設計される。
【0010】
直線矯正パルスは、流体のメニスカス位置を、ノズルを超えて隆起させることによって、少なくとも1つの駆動パルスにより形成される液滴の直線矯正をもたらし、潜在的な液滴軌道エラーを低減させる。直線矯正パルスはまた、メニスカス特性を変更することによって、非対称的な濡れの問題も低減させる。幾つかの実施形態において、液滴射出装置は、マルチパルス波形のパルスに応答して、又は付加的なマルチパルス波形のパルスに応答して、付加的な流体の丸い塊を射出する。
【0011】
図4は、一実施形態による、剪断モードの圧電インクジェット印刷ヘッドの分解図である。図4を参照すると、圧電インクジェット・ヘッド2は、カラー要素10に組み立てられる複数のモジュール4及び6を含み、該カラー要素10には、マニホルド板12及びオリフィス板14が取り付けられる。圧電インクジェット・ヘッド2は、種々のタイプの印刷ヘッドの一例である。一実施形態によると、インクは、カラー10を通って、マルチパルス波形により作動されるジェット・モジュールに導入され、オリフィス板14上のオリフィス16から、種々の液滴サイズのインク液滴を噴射する。インクジェット・モジュール4及び6の各々は、焼結炭素又はセラミック等の材料の薄い矩形ブロックで形成された本体20を含む。本体の両側の中には、インク・ポンプ・チャンバを形成する一連のウェル22が機械加工される。インクは、同じく本体内に機械加工されるインク充填経路26を通って導入される。
【0012】
本体の対向する表面は、本体内のポンプ・チャンバの上に位置するように配置された一連の電気接点を含む可撓性ポリマー・フィルム30及び30’で覆われる。電気接点は、リード線に接続され、リード線は次いで、ドライバ集積回路33及び33’を含む可撓性プリント基板32及び32’に接続することができる。フィルム30及び30’は、可撓性プリント基板とすることができる。各々の可撓性プリント基板フィルムは、薄いエポキシ層により本体20に封止される。エポキシ層は、十分に薄いため、ジェット本体の表面粗さを埋めて機械的結合を与えるが、同じく十分に薄いため、ほんの少量のエポキシしか、結合線からポンプ・チャンバ内に絞り出されない。
【0013】
単一のモノリシック圧電変換器(PZT)部材とすることができる、圧電素子34及び34’の各々が、可撓性プリント基板30及び30’の上に配置される。圧電素子34及び34’の各々は、圧電素子の表面の上に真空蒸着された導電性金属を化学エッチングにより除去することによって形成された電極を有する。圧電素子上の電極は、ポンプ・チャンバに対応する位置にある。圧電素子上の電極は、可撓性プリント基板30及び30’上の対応する接点と電気的に係合する。結果として、作用がもたらされる圧電素子の側の各々に対して電気的接触が行なわれる。圧電素子は、薄いエポキシ層により可撓性プリント基板に固定される。
【0014】
図5は、一実施形態による、インクジェット・モジュールを通る側断面図である。図5を参照すると、圧電素子34及び34’は、機械加工されたインク・ポンプ・チャンバ22を含む本体の一部のみを覆う大きさである。インク充填経路26を含む本体部分は、圧電素子で覆われていない。
【0015】
インク充填経路26は、モジュール本体の外側部分に取り付けられた可撓性プリント基板の部分31及び31’により封止される。可撓性プリント基板は、インク充填経路の上に軟質カバーを形成し(及び封止し)、雰囲気に曝される流体の自由表面に近似する。
【0016】
通常の動作中、圧電素子は、最初にポンプ・チャンバの容量を増大させるように作動し、次に、ある期間の後、圧電素子の作動が停止されて元の位置に戻る。ポンプ・チャンバの容量を増大させることにより、負圧波が出される。この負圧は、ポンプ・チャンバ内で始まり、ポンプ・チャンバの両端に向かって伝わる(矢印33及び33’が示唆するようにオリフィス及びインク充填経路の方向に)。負圧波がポンプ・チャンバの端部に到達し、インク充填経路の広い領域(近似した自由表面と連通する)に遭遇すると、負圧波は、正圧波としてポンプ・チャンバに反射して戻り、オリフィスに向かって伝わる。圧電素子がその元の位置に戻ることによっても、正圧波が生じる。圧電素子の作動を停止するタイミングは、その正圧波及び反射した正圧波が、オリフィスに到達したときに加算されたときである。
【0017】
図6は、一実施形態による、ポンプ・チャンバ及び圧電素子に対する電極の位置を示すインクジェット・モジュールの斜視図である。図6を参照すると、ポンプ・チャンバ及び圧電素子に対する可撓性プリント基板30上の電極パターン50が示されている。圧電素子は、圧電素子34の側部上に、可撓性プリント基板と接触する電極40を有する。各電極40は、噴射口本体内のポンプ・チャンバ45に対応するような配置及び大きさにされる。各電極40は、ポンプ・チャンバのものにほぼ対応するが、より短くより狭い、長さ及び幅を有する細長い領域42を有するので、電極40の周囲とポンプ・チャンバの側部及び端部との間に間隙43が存在する。ポンプ・チャンバ上の中央に位置するこれらの電極領域42は、駆動電極である。圧電素子上のくし形の第2の電極52は、通常、ポンプ・チャンバの外側の領域に対応する。この電極52は、共通(接地)電極である。
【0018】
可撓性プリント基板は、可撓性プリント基板の側部51上に、圧電素子と接触する電極50を有する。可撓性プリント基板の電極と圧電素子の電極は、可撓性プリント基板と圧電素子が良好に電気的に接触し、容易に位置合わせするように、十分に重なり合う。可撓性プリント基板電極は、圧電素子を超えて延び(図6における垂直方向に)、駆動回路を含む可撓性プリント基板32への接続(例えば、はんだ付け又は非導電性ペースト)を可能にする。2つの可撓性プリント基板30及び32を有する必要はない。単一の可撓性プリント基板を用いることもできる。
【0019】
図7Aは、図7Bに示すインクジェット・モジュールの別の実施形態の分解図である。本実施形態においては、噴射口本体は、複数の部品で構成される。噴射口本体80のフレームは、焼結炭素であり、インク充填経路を含む。噴射口本体のそれぞれの側には、組立体を強化するように設計された薄い金属板である、補強板82及び82’が取り付けられる。補強板には、ポンプ・チャンバが化学的にミル加工された薄い金属板であるキャビティ板84及び84’が取り付けられる。キャビティ板には、可撓性プリント基板30及び30’が取り付けられ、可撓性プリント基板には、圧電素子34及び34’が取り付けられる。これらの素子の全てが、エポキシにより互いに接合される。駆動回路を含む可撓性プリント基板32及び32’は、はんだ付けプロセスにより取り付けられる。
【0020】
図8は、別の実施形態による、剪断モードの圧電インクジェット印刷ヘッドである。図8に示すインクジェット印刷ヘッドは、図4に示す印刷ヘッドと類似している。しかしながら、図8の印刷ヘッドは、図4の2つのインクジェット・モジュール4及び6とは対照的に、単一のインクジェット・モジュール210を有する。幾つかの実施形態においては、インクジェット・モジュール210は、以下の構成要素、すなわち、炭素体220、補強板250、キャビティ板240、可撓性プリント基板230、PZT部材234、ノズル板260、インク充填経路270、可撓性プリント基板232、及び駆動電子回路233を含む。これらの構成要素は、図4−図7に関連して上述された構成要素と類似した機能を有する。
【0021】
一実施形態によると、キャビティ板は、図9により詳細に示される。キャビティ板240は、穴290と、インク充填経路270と、PZTにより変形又は作動されるポンプ・チャンバ280とを含む。図8及び図9に示すように、液滴射出装置と呼ぶことができるインクジェット・モジュール210は、ポンプ・チャンバを含む。PZT部材234(例えば、アクチュエータ)は、駆動電子機器233に印加された駆動パルスに応答して、ポンプ・チャンバ内の流体の圧力を変更するように作動する。一実施形態において、PZT部材234は、ポンプ・チャンバから、流体の液滴を射出する。駆動電子機器233は、PZT部材234に連結される。インクジェット・モジュール210の動作中、駆動電子機器233は、少なくとも1つの駆動パルス及び少なくとも1つの直線矯正パルスを有するマルチパルス波形によりPZT部材234を駆動する。少なくとも1つの駆動パルスが、流体の液滴を形成する。直線矯正パルスは、液滴の潜在的な液滴軌道エラーを修正する。駆動電子機器は、マルチパルス波形のパルスに応答して、アクチュエータに、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出させる。一実施形態において、マルチパルス波形は、第1の駆動パルスと、第1のピーク電圧を有する第2の駆動パルスと、その後に続く第2のピーク電圧を有する直線矯正パルスとを含むことができる。第2のピーク電圧は、第1のピーク電圧に基づくものとすることができる。
【0022】
図10は、一実施形態による、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出するために、マルチパルス波形により液滴射出装置を駆動するプロセスのフロー図を示す。アクチュエータを有する液滴射出装置を駆動するプロセスは、処理ブロック1002において、少なくとも1つの駆動パルス及び直線矯正パルスを有するマルチパルス波形をアクチュエータに印加することによって、少なくとも1つの駆動パルスにより流体の液滴を形成することを含む。次に、プロセスは、処理ブロック1004において、ノズル内の流体のメニスカス位置を、ノズルを超えて隆起させることを含む。次に、プロセスは、処理ブロック1006において、マルチパルス波形のパルスに応答して、液滴射出装置に、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出させることを含む。直線矯正パルスは、液滴軌道エラーなしに液滴を射出するように設計される。液滴射出装置の液滴射出速度により特徴付けられる噴射速度応答が、直線矯正パルスにおいてほぼゼロであるため、直線矯正パルスは、副液滴(sub−drop)又はサテライトを形成することなく液滴を射出するようにも設計される。直線矯正パルスは、少なくとも1つの駆動パルスにより形成される液滴の直線矯正をもたらし、潜在的な液滴軌道エラーを低減させる。
【0023】
幾つかの実施形態において、ノズルは非円形の形状である。少なくとも1つの駆動パルスは、液滴を形成するために、液滴射出装置の周波数応答におけるほぼ最大の液滴速度に調整され、直線矯正パルスは、液滴軌道エラーが低減した状態で液滴を射出するために、液滴射出装置の周波数応答におけるほぼ最小の液滴速度に調整される。マルチパルス波形は、第1のピーク電圧を有する駆動パルスと、その後に続く第2のピーク電圧を有する直線矯正パルスとを含み、この第2のピーク電圧は第1のピーク電圧に基づいている。1つの実施形態において、第2のピーク電圧は、第1のピーク電圧より小さい。第2のピーク電圧を増大させることにより、ノズル内の流体のメニスカス位置がノズルを超えてさらに隆起する。
【0024】
一実施形態において、液滴射出装置は、マルチパルス波形のパルスに応答して、又は、付加的なマルチパルス波形のパルスに応答して、付加的な流体の丸い塊を射出する。波形は、互いに連結された一連の区間を含むことができる。各々の区間は、一定の期間(例えば、1マイクロ秒から3マイクロ秒まで)及び関連したデータ量を含む特定数のサンプルを含むことができる。サンプルの期間は、駆動電子機器の制御論理が、次の波形区間の間に各噴射ノズルを使用可能にする又は使用不能するのに十分なだけ長い。波形データは、一連のアドレス、電圧及びフラグビット・サンプルとして表に格納され、ソフトウェアによりアクセスすることができる。波形は、単一サイズの液滴及び種々の異なるサイズの液滴を生成するのに必要なデータを提供する。
【0025】
前述のように、一時的噴射直線性は、プライミング直後は真っ直ぐであった噴射が、噴射期間後に曲がった状態になったときに生じる。これらの噴射は、さらなる噴射期間後に自己修復することもあるし、又はしないこともある。噴射軌道エラーは、曲がった噴射に起因する。非円形ノズル(例えば、鋭利な縁部又は丸みを帯びた縁部を有する正方形のノズル)を有する印刷ヘッドは、より軌道エラーを起こしやすい。この現象は、流体のメニスカス位置の影響を受け得る。液滴の尾部が分離するときに、メニスカスがノズルの面の近くに位置している場合には、尾部がノズルの側部/コーナー部に付着し、液滴の軌道のエラーをもたらし得る。尾部の分離時に、メニスカスがノズルから盛り上がっているとき、又は場合によっては後退している(引っ込んでいる)とき、尾部は、ノズルにおいて隆起したインクの塊の中心に位置し、噴射は真っ直ぐになる。
【0026】
一実施形態においては、直線矯正パルスを用いて、メニスカスがノズルから盛り上がるようにし、直線矯正パルスの振幅が、駆動パルス及び後続の駆動パルスより低くなるようにする。幾つかの噴射設計において、かつ、メニスカス圧力、粘度、及びインク音速に関する特定の条件下で、メニスカス位置は、波形上の付加的なパルスなしで、尾部の分離時に隆起する。
【0027】
図11Aは、後退メニスカス1104を生じさせ、尾部1106をノズル開口部1108の片側に移動させる単一の駆動パルス1102を示す。図11Bは、単一駆動パルス1120と、隆起メニスカス1134を生じさせ、尾部1136をノズル開口部1140に対して中心に置く直線矯正パルス1130とを示す。代替的に、直線矯正パルスを駆動パルスのシーケンスに付加して、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出することができる。液滴軌道エラーを最小にするために、液滴の尾部は、ノズル開口部に対して中心に置かれることが望ましい。このことにより画質及び製品の品質が向上する。温度の上昇によりメニスカス特性が変化し、それにより、噴射ノズルのより好ましい対称的な流体の濡れが可能になり得る。直線矯正パルスはさらに、メニスカス・バウンス(bounce)を変化させ、より好ましい濡れを与える。
【0028】
図12は、一実施形態による、1つの駆動パルス及び1つの直線矯正パルスを有するマルチパルス波形を示す。動作中、各々のインクジェットは、マルチパルス波形に応答して、単一の液滴を噴射することができる。マルチパルス波形の例が、図12に示される。本例においては、マルチパルス波形1200は、2つのパルスを有する。各々のマルチパルス波形は、典型的には、噴射期間の整数の倍数に対応する期間(即ち、噴射周波数に対応する期間)だけ、後続の波形から分離されている。各々のパルスは、ポンプ要素の容積の増大時に対応する「充填」ランプと、ポンプ要素の容積の低減時に対応する「発射」ランプ(充填ランプとは反対の傾斜の)とを有するものとして特徴付けることができる。典型的には、ポンプ要素の容積の膨張及び収縮により、ポンプ・チャンバ内の圧力変動がもたらされ、それにより流体がノズルから外に駆動される。
【0029】
特定の実施形態において、マルチパルス波形1200は、液滴射出装置に流体の液滴を射出させるために発射される駆動パルス1210を有する。一実施形態において、駆動パルス1210は、特定の液滴射出用途に応じて、所定の電圧範囲に対応する0から256までの間の電圧レベルを有する。一実施形態において、駆動パルス1210は、約256ボルトのピーク電圧V1を有する。直線矯正パルス1220は、駆動パルス1210のピーク電圧に基づいたピーク電圧V2を有する。
【0030】
幾つかの実施形態において、直線矯正パルス1220のピーク電圧V1は駆動パルス1210のピーク電圧V2より小さい。一実施形態において、V2は、V1の25%である。V2は、インク粘度によって決まる。インク粘度が低いほど、より低いV2の値が必要とされる。V2は、液滴軌道エラーを低減させ、噴射の直線矯正に十分なだけ大きくする必要がある。より大きいV2は、液滴の分離時のメニスカスの隆起を増大させる。
【0031】
第1の期間t1は、駆動パルス1210の第1の遅延セグメント1212、充填セグメント1214、及び第2の遅延セグメント1216と関連付けられる。第2の期間t2は、駆動パルスの発射セグメント1218及び第3の遅延セグメント1219と関連付けられる。第3の期間t3は、駆動パルス1220の充填セグメント1222及び第4の遅延セグメント1224と関連付けられる。高周波数動作においては、t2を最小にし、さらにパルス1220により液滴軌道エラーを効率的に低減させる又はなくすことが望ましい。一実施形態において、t2は、t1の少なくとも63%である。別の実施形態においては、t2は、t1の約80%であり、t3はt1の約55%である。高周波数動作の場合、第3の期間t3を最小にする必要があり、かつ、さらなる別の液滴又は副液滴が生成されないようにする必要もある。低周波数動作の場合、第2及び第3の期間は、より長くすることができる。
【0032】
マルチパルス波形1200において、駆動パルスは、1つの直線矯正パルスの前に発生する。他の実施形態においては、付加的な駆動パルスが、1つ又はそれ以上の直線矯正パルスの前に発生する。液滴は、液滴射出装置に関連した生来の液滴サイズを有することができる。一実施形態において、波形1200は、特定の印刷ヘッド及びインク・タイプに対して、公称25−35ngの液滴を生成する射出器から、25−35ngの液滴を生成する。別の実施形態において、波形1200は、特定の印刷ヘッド及びインク・タイプに対して、公称7−10ngの液滴を生成する射出器から、7−10ngの液滴を生成する。
【0033】
特定の実施形態において、他の波形構成を考えることができる。1つの実施形態においては、2つより多い駆動パルスを用いて、液滴を生成することができる。幾つかの適用例においては、1つ又はそれ以上の駆動パルスが負であってもよく、又は、直線矯正パルスが負であってもよい。
【0034】
図13は、一実施形態による、マルチパルス波形を示す。区間1−4は、それぞれパルス1320、1330、1340、1350に対応する。これらのパルスにより、種々の液滴サイズを生成することができる。例えば、生来の小さい液滴サイズは、パルス1340及び1350に対応する区間3及び4において生成することができる。中間の液滴サイズは、パルス1330及び1340に対応する区間2及び3において生成することができる。大きい液滴サイズは、パルス1320及び1330に対応する区間1及び2において生成することができる。真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出するために、必要であれば、パルス1350又は別の直線矯正パルスを、駆動パルスのいずれかに付加することができる。
【0035】
一実施形態において、1つ又はそれ以上の駆動パルスが、液滴射出装置の周波数応答におけるほぼ最大の液滴速度に調整される。このことは、波形時間全体を短く保持するのに必要であり、高周波数動作の要件である。
【0036】
直線矯正パルスが、液滴射出装置の周波数応答におけるほぼ最小の液滴速度に調整される。この周波数において、液滴速度により特徴付けられる噴射速度応答は、ほぼ0である。このため、直線矯正パルスは、副液滴又はサテライト液滴を射出しない。
【0037】
図14は、一実施形態による、ノズルの周囲の非対称的な濡れの形成を示す。ある期間にわたるノズルの周囲の非対称的な濡れは、一時的噴射直線性の潜在的原因である。例えば、期間t0−t5と関連した画像は、非対称的な濡れの問題を有する時間のシーケンスを示す。連続した画像間の時間間隔は、1秒から3秒までである。駆動パルスの後に生じる直線矯正パルスが、非対称的な濡れを低減させ、一時的噴射直線性の問題を低減させる。
【0038】
図15は、従来の手法による、単一のパルス波形及び対応する液滴の射出を示す。駆動パルス1610は、7.168マイクロ秒のパルス幅、約60ボルトのピーク電圧、及び8.2kHzの周波数を有する。液滴がノズル開口部から射出され、これはタイムスライス1650において5マイクロ秒のタイムスライスにより示される。分離時の液滴は、ノズル開口部に対して中心からずれており、液滴軌道エラーを有する。分離時のメニスカス位置は、ノズル開口部内に後退している。
【0039】
図16は、一実施形態による、マルチパルス波形及び対応する液滴の射出を示す。駆動パルス1710は、7.168マイクロ秒のパルス幅、約60ボルトのピーク電圧、及び8.2kHzの周波数を有する。後続の直線矯正パルス1720は、類似したピーク電圧と、パルス1720の半分のパルス幅とを有する。液滴がノズル開口部から射出され、これはタイムスライス1750において5マイクロ秒のタイムスライスにより示される。分離時の液滴は、ノズル開口部に対して中心に置かれ、液滴軌道エラーが低減する。分離時のメニスカス位置は、ノズル開口部を超えて隆起している。
【0040】
図17は、別の従来の手法による、単一パルス波形及び対応する液滴の射出を示す。駆動パルス1810は、約250ボルトのピーク電圧と、1kHzの周波数とを有する。分離時の液滴は、ノズル開口部に対して中心からずれており、分離時のメニスカス位置は、ノズル開口部内に後退している。
【0041】
図18は、一実施形態による、マルチパルス波形及び対応する液滴の射出を示す。駆動パルス1910は、約250ボルトのピーク電圧と、1kHzの周波数とを有する。後続の直線矯正パルス1920は、実質的に、より低いピーク電圧と、より短いパルス幅とを有する。分離時の液滴は、ノズル開口部に対して中心に置かれ、液滴軌道エラーが低減する。分離時のメニスカス位置は、ノズル開口部を超えて隆起している。
【0042】
図19は、幾つかの実施形態による、異なる温度及びインク粘度レベルについての液滴の射出を示す。温度の上昇によりインク粘度が低下し、これにより、より好ましいメニスカス特性及び対称的な濡れがもたらされる。高温(例えば、摂氏45度、摂氏55.5度)及びより低いインク粘度(例えば、6.5cP、4.9cP)と関連した液滴射出画像は、真っ直ぐな液滴の射出を示す。
【0043】
しかしながら、より低いインク粘度は、UVインクの不安定、溶剤の乾燥速度、及び空気の飲み込み(gulping)を引き起こすメニスカスの減衰の低減といった他の問題をもたらすことがある。直線矯正パルスを1つ又はそれ以上の駆動パルスと共に用いて、ターゲットに対して、真っ直ぐな軌道を有する液滴を射出することができる。直線矯正パルスは、より低いインク粘度と関連した問題を回避するために、様々な温度範囲及びインク粘度と共に用いることができる。これにより、印刷用途における画質及び製品の品質が向上する。
【0044】
上記の説明は、限定するためのものではなく、例証であることを理解すべきである。上記の説明を読み、理解すれば、当業者には、多数の他の実施形態が明らかになるであろう。従って、本発明の範囲は、こうした特許請求の範囲が権利を有する均等物の全ての範囲と共に、特許請求の範囲を参照して決定すべきである。
【符号の説明】
【0045】
2:圧電インクジェット・ヘッド
4、6、210:インクジェット・モジュール
10:カラー要素
12:マニホルド板
14:オリフィス板
16:オリフィス
20:本体
22、45:ポンプ・チャンバ
26、270:インク充填経路
30、30’、32、32’230、232:可撓性プリント基板
34、34’:圧電素子
40、52:電極
42、202、204:領域
43:間隙
45、280:ポンプ・チャンバ
50:電極パターン
80:噴射口本体
82、82’、250:補強板
84、84’、240:キャビティ板
110、260:ノズル板
120:液滴
130:ターゲット
140:ノズル配置エラー
150:噴射軌道エラー
160:液滴配置エラー
170:垂直線
180:ノズルエラー
190:実際の軌道
220:炭素体
233:駆動電子機器
234:PZT部材
1102:単一駆動パルス
1104:後退メニスカス
1106、1136:尾部
1108、1140:ノズル開口部
1130、1220、1720、1920:直線矯正パルス
1134:隆起メニスカス
1200:マルチパルス波形
1210、1218、1610、1710、1810、1910:駆動パルス
1212:第1の遅延セグメント
1214、1222:充填セグメント
1216:第2の遅延セグメント
1219:第3の遅延セグメント
1224:第4の遅延セグメント
1320、1330、1340、1350:パルス
1650、1750:タイムスライス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ及びノズルを有する液滴射出装置を駆動する方法であって、
少なくとも1つの駆動パルスと、前記少なくとも1つの駆動パルスに続く直線矯正パルスとを有するマルチパルス波形を前記アクチュエータに印加することによって、前記少なくとも1つの駆動パルスにより流体の液滴を形成するステップと、
前記マルチパルス波形の前記パルスに応答して、前記液滴射出装置に真っ直ぐの軌道を有する前記液滴を射出させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ノズルは非円形の形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記直線矯正パルスは、前記液滴が液滴軌道エラーなしに射出されることを確実にするように設計されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記直線矯正パルスに応答して、前記ノズル内の流体のメニスカス位置を前記ノズルを超えて隆起させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチパルス波形は、第1のピーク電圧を有する駆動パルスと、その後に続く第2のピーク電圧を有する前記直線矯正パルスとを含み、前記第2のピーク電圧は、前記第1のピーク電圧に基づいていることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のピーク電圧は前記第1のピーク電圧より小さいことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のピーク電圧を増大させることにより、前記ノズル内の流体の前記メニスカス位置が前記ノズルを超えてさらに隆起することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
第1の期間は、前記駆動パルスの第1の遅延セグメント、充填セグメント、及び第2の遅延セグメントと関連付けられ、第2の期間は、前記駆動パルスの発射セグメント及び第3の遅延セグメントと関連付けられ、前記第2の期間は前記第1の期間の少なくとも63%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の期間は前記第1の期間の約80%であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ポンプ・チャンバと、
前記ポンプ・チャンバに連結され、前記ポンプ・チャンバから流体の液滴を射出するためのアクチュエータと、
前記アクチュエータに連結された駆動電子機器と、
を含み、動作中、前記駆動電子機器は、流体の液滴を形成するための少なくとも1つの駆動パルスと、前記アクチュエータに、ノズルにおいて形成される、真っ直ぐな軌道を有する前記液滴を射出させるための直線矯正パルスとを有するマルチパルス波形により、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする装置。
【請求項11】
前記ノズルは非円形の形状を含むことを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記直線矯正パルスは、前記液滴が液滴軌道エラーなしに射出されることを確実にするように設計されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記駆動電子機器は、前記直線矯正パルスに応答して、前記ノズル内の流体のメニスカス位置を、前記ノズルを超えて隆起させることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記マルチパルス波形は、第1のピーク電圧を有する駆動パルスと、その後に続く第2のピーク電圧を有する前記直線矯正パルスとを含み、前記第2のピーク電圧は、前記第1のピーク電圧に基づいていることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記第2のピーク電圧は前記第2のピーク電圧より小さいことを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
第1の期間は、前記駆動パルスの第1の遅延セグメント、充填セグメント、及び第2の遅延セグメントと関連付けられ、第2の期間は、前記駆動パルスの発射セグメント及び第3の遅延セグメントと関連付けられ、前記第2の期間は前記第1の期間の少なくとも63%であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
ポンプ・チャンバと、
前記ポンプ・チャンバに連結され、前記ポンプ・チャンバから流体の液滴を射出するためのアクチュエータと、
前記アクチュエータに連結された駆動電子機器と、
を含むインクジェット・モジュールを備え、動作中、前記駆動電子機器は、流体の液滴を形成するための少なくとも1つの駆動パルスと、前記アクチュエータに、ノズルにおいて形成される、真っ直ぐな軌道を有する前記液滴を射出させるための直線矯正パルスとを有するマルチパルス波形により、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする印刷ヘッド。
【請求項18】
前記直線矯正パルスは、前記液滴が滴軌道エラーなしに射出されることを確実にするように設計されることを特徴とする、請求項17に記載の印刷ヘッド。
【請求項19】
前記マルチパルス波形は、第1のピーク電圧を有する駆動パルスと、その後に続く第2のピーク電圧を有する前記直線矯正パルスとを含み、前記第2のピーク電圧は、前記第1のピーク電圧に基づいていることを特徴とする、請求項17に記載の印刷ヘッド。
【請求項20】
前記インクジェット・モジュールは、炭素体、補強板、キャビティ板、第1の可撓性プリント基板、ノズル板、インク充填経路、及び第2の可撓性プリント基板をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の印刷ヘッド。
【請求項1】
アクチュエータ及びノズルを有する液滴射出装置を駆動する方法であって、
少なくとも1つの駆動パルスと、前記少なくとも1つの駆動パルスに続く直線矯正パルスとを有するマルチパルス波形を前記アクチュエータに印加することによって、前記少なくとも1つの駆動パルスにより流体の液滴を形成するステップと、
前記マルチパルス波形の前記パルスに応答して、前記液滴射出装置に真っ直ぐの軌道を有する前記液滴を射出させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ノズルは非円形の形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記直線矯正パルスは、前記液滴が液滴軌道エラーなしに射出されることを確実にするように設計されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記直線矯正パルスに応答して、前記ノズル内の流体のメニスカス位置を前記ノズルを超えて隆起させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチパルス波形は、第1のピーク電圧を有する駆動パルスと、その後に続く第2のピーク電圧を有する前記直線矯正パルスとを含み、前記第2のピーク電圧は、前記第1のピーク電圧に基づいていることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のピーク電圧は前記第1のピーク電圧より小さいことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のピーク電圧を増大させることにより、前記ノズル内の流体の前記メニスカス位置が前記ノズルを超えてさらに隆起することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
第1の期間は、前記駆動パルスの第1の遅延セグメント、充填セグメント、及び第2の遅延セグメントと関連付けられ、第2の期間は、前記駆動パルスの発射セグメント及び第3の遅延セグメントと関連付けられ、前記第2の期間は前記第1の期間の少なくとも63%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の期間は前記第1の期間の約80%であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ポンプ・チャンバと、
前記ポンプ・チャンバに連結され、前記ポンプ・チャンバから流体の液滴を射出するためのアクチュエータと、
前記アクチュエータに連結された駆動電子機器と、
を含み、動作中、前記駆動電子機器は、流体の液滴を形成するための少なくとも1つの駆動パルスと、前記アクチュエータに、ノズルにおいて形成される、真っ直ぐな軌道を有する前記液滴を射出させるための直線矯正パルスとを有するマルチパルス波形により、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする装置。
【請求項11】
前記ノズルは非円形の形状を含むことを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記直線矯正パルスは、前記液滴が液滴軌道エラーなしに射出されることを確実にするように設計されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記駆動電子機器は、前記直線矯正パルスに応答して、前記ノズル内の流体のメニスカス位置を、前記ノズルを超えて隆起させることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記マルチパルス波形は、第1のピーク電圧を有する駆動パルスと、その後に続く第2のピーク電圧を有する前記直線矯正パルスとを含み、前記第2のピーク電圧は、前記第1のピーク電圧に基づいていることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記第2のピーク電圧は前記第2のピーク電圧より小さいことを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
第1の期間は、前記駆動パルスの第1の遅延セグメント、充填セグメント、及び第2の遅延セグメントと関連付けられ、第2の期間は、前記駆動パルスの発射セグメント及び第3の遅延セグメントと関連付けられ、前記第2の期間は前記第1の期間の少なくとも63%であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
ポンプ・チャンバと、
前記ポンプ・チャンバに連結され、前記ポンプ・チャンバから流体の液滴を射出するためのアクチュエータと、
前記アクチュエータに連結された駆動電子機器と、
を含むインクジェット・モジュールを備え、動作中、前記駆動電子機器は、流体の液滴を形成するための少なくとも1つの駆動パルスと、前記アクチュエータに、ノズルにおいて形成される、真っ直ぐな軌道を有する前記液滴を射出させるための直線矯正パルスとを有するマルチパルス波形により、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする印刷ヘッド。
【請求項18】
前記直線矯正パルスは、前記液滴が滴軌道エラーなしに射出されることを確実にするように設計されることを特徴とする、請求項17に記載の印刷ヘッド。
【請求項19】
前記マルチパルス波形は、第1のピーク電圧を有する駆動パルスと、その後に続く第2のピーク電圧を有する前記直線矯正パルスとを含み、前記第2のピーク電圧は、前記第1のピーク電圧に基づいていることを特徴とする、請求項17に記載の印刷ヘッド。
【請求項20】
前記インクジェット・モジュールは、炭素体、補強板、キャビティ板、第1の可撓性プリント基板、ノズル板、インク充填経路、及び第2の可撓性プリント基板をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の印刷ヘッド。
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図19】
【図2】
【図3】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図19】
【図2】
【図3】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2013−508195(P2013−508195A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535201(P2012−535201)
【出願日】平成22年7月19日(2010.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/042401
【国際公開番号】WO2011/049652
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月19日(2010.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/042401
【国際公開番号】WO2011/049652
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】
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