説明

真空ポンプ

【課題】ポンプ本体に対する制御ユニットの取り付け位相を容易に変更できる真空ポンプを提供する。
【解決手段】真空ポンプは、磁気軸受で軸支される回転体を有するポンプ本体と、ポンプ本体の下面に取り付けられ、ポンプ本体を駆動制御する制御ユニットと、ポンプ本体と制御ユニットとの間で電力や制御信号を入出力するコネクタであって、ポンプ本体側の第1のコネクタ部材と制御ユニット側の第2のコネクタ部材とを有するコネクタ装置と、第1のコネクタ部材が設置され、ポンプ本体のポンプ軸心と同軸状態で取り付けられる部材であって、少なくとも第1の取り付け位相および第2の取り付け位相でポンプ本体に取り付けられるコネクタ取り付け部材とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプユニットと電源ユニットとが一体になった一体型の真空ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ分子ポンプやモレキュラードラッグポンプのような真空ポンプでは、ポンプ本体のケーシングの側面に排気口が設けられている。また、制御電源(電源ユニット)と接続するための制御電源接続口(コネクタ)がポンプ本体のケーシングの側面に設けられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3138105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献に記載の真空ポンプでは、ポンプ軸心を中心としたポンプ本体に対する制御電源の取り付け位相を変更するためには、制御電源接続口を別の位置に新たに設ける必要がある。そのため、ポンプ本体に対する制御電源の取り付け位相を変更するのが容易でない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による真空ポンプは、磁気軸受で軸支される回転体を有するポンプ本体と、ポンプ軸心と同軸状態でポンプ本体の下面に取り付けられ、ポンプ本体を駆動制御する制御ユニットと、ポンプ本体と制御ユニットとの間で電力や制御信号を入出力するコネクタ装置であって、互いに着脱されるポンプ本体側の第1のコネクタ部材と制御ユニット側の第2のコネクタ部材とを有するコネクタ装置と、ポンプ軸心と同軸状態でポンプ本体の下面に取り付けられ、第1のコネクタ部材が設置されたコネクタ取り付け部材とを備え、コネクタ取り付け部材は、ポンプ本体と制御ユニットとの取り付け位相に応じて、第1の取り付け位相または第2の取り付け位相で前記ポンプ本体の下面に取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ポンプ本体に対する制御ユニットの取り付け位相を容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ターボ分子ポンプ装置の外観図
【図2】水冷ジャケットを説明する図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図
【図3】図1のIII−III矢視断面図
【図4】電源装置筐体を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は正面図
【図5】図4のV−V線断面図
【図6】図4のVI−VI線断面図
【図7】図4のVII−VII線断面図
【図8】ジャケット本体と電源装置筐体との嵌め合わせ構造を説明する図
【図9】制御装置の詳細を示すブロック図
【図10】機構部閉止板を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は底面図
【図11】ケーシングの下面に取り付けられた機構部閉止板を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は底面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜11を参照して、本発明の一実施形態であるターボ分子ポンプ装置1を説明する。ターボ分子ポンプ装置は、回転翼が形成されたロータをモータで回転駆動し、この回転翼を固定翼に対して高速回転させることにより気体分子を排気する。このようなターボ分子ポンプ装置は各種の真空処理装置に接続されて使用される。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態であるターボ分子ポンプ装置1の外観を示す。ターボ分子ポンプ装置1は、真空排気を行うポンプ本体11と、冷却装置13と、ポンプ本体11を駆動制御する電源装置(制御ユニット)14とを備えている。ポンプ本体11については後述する。
【0010】
冷却装置13は、ポンプ本体11と電源装置14との間に介装され、電源装置14内の発熱部材、特にモータ駆動回路の電子部品を主に冷却する。図2に示すように、冷却装置13は、内部に冷却水通路13dが形成されたジャケット本体13aと、冷却水通路に図示しないポンプから冷却水を循環するための冷却水入口13bおよび冷却水出口13cとを有する。
【0011】
ポンプ本体11はケーシング110と、ケーシング110の下方に取り付けられるベース12(ケーシング120)とを備えている。ケーシング110には、図1において上下に接続用フランジ110UF,110LFが設けられている。ケーシング120には、図1において上下に接続用フランジ120UF,120LFが設けられている。ケーシング110と120をポンプケーシングと呼ぶ。ケーシング110の上部接続用フランジ110UFは図示しない真空処理装置の排気口にボルト11Bで接続される。ケーシング110の下部接続用フランジ110LFはケーシング120の上部接続用フランジ120UFにボルト12Bで接続される。ケーシング120の下部接続用フランジ120LFは冷却装置13の上面13USに設置され、冷却装置13はケーシング120の下面にボルト13Bで締結される。冷却装置13の下面は電源装置14の筐体(金属製)140の上端面に当接し、筐体140は冷却装置13にボルト14Bで締結される。
【0012】
図2に示すようにジャケット本体13aは略8角形の平板形状であり、底面には、平面形状が略8角形の凸部13eが形成されている。ジャケット本体13aの上面13USの中央には、後述する機構部閉止板122との干渉を防止するための略円形の凹部13iが設けられている。凹部13iには、凹部13iの中心位置から偏心した位置に、後述するコネクタ部材132および各配線145が挿通される開口13jが設けられている。ジャケット本体13aの外周には所定角度毎に突部13fが形成され、この突部13fに電源装置筐体140を締結するための孔13gが穿設されている。
【0013】
凸部13eには、ポンプ回転軸心(ポンプ軸心)と同心円状にねじ孔13hが螺設されている。図1に示すように、排気部12のケーシング120の下部接続フランジ120LFにジャケット上面13USを当接し、ボルト13Bをねじ孔13hに螺合することにより、ケーシング120にジャケット本体13aが締結される。ジャケット本体13aの裏面13LSに電源装置筐体140の上端面を当接してボルト14Bを電源装置筐体140のねじ孔に螺合することによりジャケット本体13aに電源装置14が締結される。
【0014】
図3は、ターボ分子ポンプ装置1についての図1のIII−III矢視断面図である。なお、図3では、後述するボルト124や、電源装置14の内部に配設されている回路基板等についての記載を省略している。ポンプケーシングの内部中心には、回転軸4cの周囲に、この回転軸の軸方向(図示上下方向)に複数段に配列されたロータ翼4aを有するロータ4が回転可能に配置されている。
【0015】
このターボ分子ポンプ装置1は、ケーシング110の内部空間に翼排気部2を有し、ケーシング120の内部空間にネジ溝排気部3を有する複合タイプのターボ分子ポンプである。翼排気部2は複数段のロータ翼4aと複数段のステータ翼6とで構成され、ネジ溝排気部3はロータ円筒部4bとネジステータ8とで構成されている。
【0016】
ロータ翼4aとステータ翼6とは、ポンプの軸方向に交互に配設されている。ケーシング110の内面にはリング状のスペーサ5が複数積層されており、各ステータ翼6の外周部は上下のスペーサ5によって挟持されて保持されている。ロータ4には、ケーシング120内に配置されたロータ円筒部4bが一体に形成されている。ロータ円筒部4bの外周にはネジ溝4b2が形成されており、その外周に円筒形状のネジステータ8が配置されている。ネジステータ8は、ボルト41によってケーシング120に固定されている。
【0017】
複数段のロータ翼4aおよびロータ円筒部4bが形成されたロータ4は、その回転軸4cがケーシング120に設けられたラジアル磁気軸受31およびスラスト磁気軸受32により非接触状態で支持される。ロータ4は、回転軸4cが磁気軸受31、32により非接触で支持されて、モータ35により回転駆動される。ロータ4の回転軸4cの磁気浮上位置は、ギャップセンサ33a、33b、33cにより検出される。34は、ロータ4の回転軸4cが磁気軸受31、32による磁気作用で浮上されていない状態において、ロータ4の回転軸4cを支持する機械式の保護ベアリングである。
【0018】
ケーシング120にはロータ4やモータ35等の機構部を取り付ける空間125が設けられ、ケーシング120の下面には、空間125に至る開口121が設けられている。ターボ分子ポンプ装置1の運転中には、空間125が真空となる。そのため、開口121は機構部閉止板122で閉止されている。機構部閉止板122は円形板形状を呈する閉止フランジ状の部材であり、後述するコネクタ装置130のコネクタ部材131が取り付けられている。機構部閉止板122については、後に詳述する。
【0019】
モータ35によりロータ4を回転駆動すると図示しない真空処理装置内の気体分子が吸気ポート11Qから流入する。吸気ポート11Qから流入した気体分子は翼排気部2において、下流側へと叩き飛ばされる。図示はしないが、ロータ翼4aとステータ翼6とは翼の傾斜の向きが逆であり、且つ、傾斜角度は、高真空側である前段側から下流側である後段側に向けて、気体分子が逆行しにくい角度に変化して形成されている。気体分子は、翼排気部2において圧縮されて図示下方のネジ溝排気部3へ移送される。
【0020】
ネジ溝排気部3においては、ネジステータ8に対してロータ円筒部4bが高速回転すると粘性流による排気機能が発生し、翼排気部2からネジ溝排気部3へと移送された気体は圧縮されながら排気ポート12H方向へ移送され真空排気される。なお、本実施の形態では、ネジ溝構成を有するネジ溝排気部3としているが、ネジ溝構成以外の構成も含め、粘性流による排気機能を発揮する部分はドラッグポンプ部と呼ばれる場合もある。
【0021】
図4を参照して電源装置筐体140を説明する。電源装置筐体140は、蓋部および底部を有する8角筒状に形成され、開放端14aには、図6および7にも拡大して示すように、その全周に略8角形環状凹部14bが設けられている。開放端14aの外周には所定角度毎に突部14cが形成され、この突部14cには、電源装置筐体140とジャケット本体13aとを締結するためのねじ孔14dが螺設されている。環状凹部14bには、図8に示すように、ジャケット本体13aの凸部13eが嵌め合わされる。すなわち、冷却装置13の凸部13eの8角形形状の周縁が、同じく略8角形環状凹部14bに嵌り込む。
【0022】
図9を参照して電源装置14を説明する。電源装置14には一次電源15から交流電力が供給され、AC/DCコンバータ14aに入力される。入力される交流電力の電圧は電圧センサ14bによって検出される。AC/DCコンバータ14aは、一次電源15から供給された交流電力を直流電力に変換する。AC/DCコンバータ14aから出力された直流電力は、モータ35を駆動する3相インバータ14cとDC/DCコンバータ14dに入力される。DC/DCコンバータ14dに入力される直流電力の電圧は、電圧センサ14eによって検出される。DC/DCコンバータ14dの出力は、3相インバータ14cをPWM制御等で制御するインバータ制御回路14f、および磁気軸受31,32による磁気浮上の制御を行う磁気軸受制御部14gのそれぞれに入力される。
【0023】
磁気軸受制御部14gは、軸受制御を行う制御部141gと、制御部141gで算出された制御信号に基づいて励磁電流を磁気軸受31,32に供給する励磁アンプ142gとを備えている。
【0024】
インバータ制御回路14fには回転数センサ19により検出されたロータ4の回転数が入力され、インバータ制御回路14fは、ロータ回転数に基づいて3相インバータ14cを制御する。また、14hは回生余剰電力消費用の回生ブレーキ抵抗(シーズヒータ)であり、ロータ減速時の回生電力をこの回生ブレーキ抵抗14hで消費する。トランジスタ制御回路14iによりトランジスタ14jのオンオフを制御することにより、回生ブレーキ抵抗14hに流れる電流のオンオフを制御する。14kは、回生時の電力逆流防止用のダイオードである。電源装置14の素子や基板の具体的な配置については説明を省略する。
【0025】
ポンプ本体11側の複数の配線135と電源装置14側の複数の配線145とは、コネクタ装置130を介して接続される。コネクタ装置130は、互いに着脱可能な一対のコネクタ部材131,132を備えている。一方のコネクタ部材131は、各配線135の端子を有しており、上述したように、機構部閉止板122に取り付けられている。他方のコネクタ部材132は、各配線145の端子を有している。コネクタ部材132は、ジャケット本体13aに設けられた開口13jを介して電源装置筐体140の内部から外部に取り出される各配線145の端部に取り付けられている。コネクタ部材131,132同士が接続されると、各配線135の端子と各配線145の端子とが電気的に接続される。
【0026】
従来、ポンプ本体11の下面に電源装置14をポンプ軸心(すなわちロータ4の回転中心軸)と同軸状態で取り付ける場合、次のような理由で、ポンプ本体11に対するポンプ軸心を中心とする電源装置14の取り付け位相を自由に変更できなかった。すなわち、従来、ポンプ本体11側では、ケーシング120にコネクタ部材131が直接取り付けられているため、ポンプ本体11の組立後にポンプ本体11に対してコネクタ部材131の位置を変更することが困難である。また、電源装置14側では、基板設計の変更が必要となることから、電源装置14の組立後に電源装置14に対するコネクタ部材132の位置を変更することが困難である。そのため、コネクタ部材131,132同士を接続するためには、コネクタ部材131,132同士の位置が一致する取り付け位相でしかポンプ本体11に電源装置14を取り付けられなかった。
【0027】
真空ポンプ1のユーザの都合により、ターボ分子ポンプ装置1の周囲の機器のレイアウトを変更しようとする場合に、たとえば、排気ポート12Hの向きと冷却水入口13bおよび冷却水出口13cとの向きとを任意に変更できることが望ましい。しかし、従来のターボ分子ポンプ装置では、上述したように、ポンプ本体11に対するポンプ軸心を中心とする電源装置14の取り付け位相を自由に変更できなかった。
【0028】
そこで、本実施の形態の真空ポンプ1では、ポンプ本体11に対するポンプ軸心を中心とする電源装置14の取り付け位相に合わせて、コネクタ部材131が取り付けられている機構部閉止板122のケーシング120への取り付け位相を変更することで、コネクタ部材131,132同士の位置を一致させている。
【0029】
図10は、機構部閉止板122を示す図であり、図10(a)は側面図であり、図10(b)は底面図である。図11は、ケーシング120の下面に取り付けられた機構部閉止板122を示す図であり、図11(a)は側面図であり、図11(b)は底面図である。機構部閉止板122には、ボルト124でケーシング120の下面に取り付けるためのボルト孔122aと、各配線135が挿通される貫通孔122bとが設けられている。
【0030】
ボルト孔122aは、冷却装置13のねじ孔13hと同じ角度ピッチで、機構部閉止板122の中心位置(すなわちポンプ軸心)と同心円状に設けられている。貫通孔122bは、機構部閉止板122の中心位置から偏心した位置に設けられている。貫通孔122bの機構部閉止板122の中心位置からの偏心量(離間距離)は、冷却装置13の開口13jの偏心量と同じである。これにより、機構部閉止板122は、ポンプ軸心を中心として、冷却装置13のねじ孔13hと同じ角度ピッチ毎に任意の角度位相でケーシング120の下面に対して取り付けることができるとともに、コネクタ部材131,132同士の位置を一致させてコネクタ部材131,132同士を接続できる。
【0031】
機構部閉止板122がボルト124でケーシング120の下面に取り付けられると、Oリング123によってケーシング120の内外の気密が保たれる。
【0032】
このように、本実施の形態では、機構部閉止板122にコネクタ部材131を取り付けるとともに、機構部閉止板122と電源装置14とが、ポンプ軸心を中心として同じ角度ピッチ毎に任意の角度位相でケーシング120に取り付けられるように構成した。これにより、ポンプ本体11に対するポンプ軸心を中心とする電源装置14の取り付け位相を自由に変更できるので、ターボ分子ポンプ装置1の周囲の機器のレイアウトの変更が容易となり、レイアウトの自由度が高まる。具体的には、ポンプ本体11の排気ポート12Hの向きに対して、冷却装置13の冷却水入口13bおよび冷却水出口13cの向きや、電源装置14を一次電源15へ接続する配線の向き、電源装置14に接続される外部の機器との通信ケーブルの接続位置などを容易に変更できる。
【0033】
また、ポンプ本体11に対する電源装置14の取り付け位相の変更に際して、ポンプ本体11と電源装置14との間で介挿させるアダプタやケーブルが不要であるので、コスト増を抑制できるとともに、ターボ分子ポンプ装置1の高さが高くなることを抑制できる。
【0034】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、機構部閉止板122のボルト孔122aの角度ピッチが冷却装置13のねじ孔13hの角度ピッチと同じであるが、本発明はこれに限定されない。たとえば、機構部閉止板122のボルト孔122aの角度ピッチが冷却装置13のねじ孔13hの角度ピッチの2以上の整数倍であっても良く、冷却装置13のねじ孔13hの角度ピッチが機構部閉止板122のボルト孔122aの角度ピッチの2以上の整数倍であっても良い。
【0035】
(2) 上述の説明では、ケーシング120と冷却装置13との締結およびケーシング120と機構部閉止板122との締結にボルトが用いられているため、ポンプ本体11に対する電源装置14の取り付け位相を所定の角度ピッチでしか変更できなかったが、本発明はこれに限定されない。ケーシング120と冷却装置13との締結構造およびケーシング120と機構部閉止板122との締結構造として、たとえばISOヘルールユニオン継手をクランプにて締結する場合のような構造を採用することで、ポンプ本体11に対して電源装置14を任意の取り付け位相で取り付けることができるようにしてもよい。
【0036】
(3) 上述の説明では、凹部13iの中心位置から偏心した位置に、開口13jが設けられ、機構部閉止板122の中心位置から偏心した位置に、貫通孔122bが設けられているが本発明はこれに限定されない。たとえば、凹部13iの中心位置に開口13jが設けられ、機構部閉止板122の中心位置に貫通孔122bが設けられていてもよい。なお、この場合であっても、コネクタ部材131,132同士が正しい角度位相で接続されるようにするため、ポンプ本体11に対する電源装置14の取り付け位相に合わせて、機構部閉止板122のケーシング120への取り付け位相を変更する必要がある。
【0037】
(4) 上述の説明では、真空ポンプの一例としてターボ分子ポンプについて説明したが、本発明はターボ分子ポンプに限定されず、ネジ溝ポンプ段を有するポンプ、たとえばドラッグポンプなどについても適用できる。
【0038】
(5) 上述の説明では、ジャケット本体13aの上面13USの中央には、後述する機構部閉止板122との干渉を防止するための略円形の凹部13iが設けられているが、凹部13iを設けることは必須ではない。
(6)上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0039】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、磁気軸受で軸支される回転体を有するポンプ本体と、ポンプ軸心と同軸状態でポンプ本体の下面に取り付けられ、ポンプ本体を駆動制御する制御ユニットと、ポンプ本体と制御ユニットとの間で電力や制御信号を入出力するコネクタ装置であって、互いに着脱されるポンプ本体側の第1のコネクタ部材と制御ユニット側の第2のコネクタ部材とを有するコネクタ装置と、ポンプ軸心と同軸状態でポンプ本体の下面に取り付けられ、第1のコネクタ部材が設置されたコネクタ取り付け部材とを備え、コネクタ取り付け部材は、ポンプ本体と制御ユニットとの取り付け位相に応じて、第1の取り付け位相または第2の取り付け位相で前記ポンプ本体の下面に取り付けられることを特徴とする各種構造の真空ポンプを含むものである。
【符号の説明】
【0040】
1 ターボ分子ポンプ装置 2 翼排気部
3 ネジ溝排気部 4 ロータ
6 ステータ翼 8 ネジステータ
11 ポンプ本体 13 冷却装置
14 電源装置(制御ユニット) 110,120 ケーシング
121 開口 122 機構部閉止板
130 コネクタ装置 131,132 コネクタ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気軸受で軸支される回転体を有するポンプ本体と、
ポンプ軸心と同軸状態で前記ポンプ本体の下面に取り付けられ、前記ポンプ本体を駆動制御する制御ユニットと、
前記ポンプ本体と前記制御ユニットとの間で電力や制御信号を入出力するコネクタ装置であって、互いに着脱される前記ポンプ本体側の第1のコネクタ部材と前記制御ユニット側の第2のコネクタ部材とを有するコネクタ装置と、
前記ポンプ軸心と同軸状態で前記ポンプ本体の下面に取り付けられ、前記第1のコネクタ部材が設置されたコネクタ取り付け部材とを備え、
前記コネクタ取り付け部材は、前記ポンプ本体と前記制御ユニットとの取り付け位相に応じて、第1の取り付け位相または第2の取り付け位相で前記ポンプ本体の下面に取り付けられることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
前記第1のコネクタ部材は、前記ポンプ本体の下面に取り付けられると、前記ポンプ軸心と偏心した位置に設置されることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の真空ポンプにおいて、
前記ポンプ本体には、前記回転体を取り付けるために下面に開口が設けられており、
前記コネクタ取り付け部材は、前記開口を塞ぐ部材であることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項4】
請求項3に記載の真空ポンプにおいて、
前記コネクタ取り付け部材は、前記開口を塞ぐ閉止フランジ状の部材であることを特徴とする真空ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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