説明

真空吸着盤

【課題】種々の寸法・形状を有する多品種の被吸着物について加工および搬送が効率的に実施できる真空吸着盤を提供すること。
【解決手段】真空引きにより吸着面に被吸着物を固定する真空吸着盤であって、被吸着物が吸着する吸着面を構成する多孔質部材と前記多孔質部材の吸着面と平行な面に接合し、かつ多数の吸着穴が設けられた多孔質部材支持部材と、前記多孔質部材支持部材に接合し、かつ前記吸着穴と連通し、前記吸着穴の直径より小さい直径を有する多数の小径真空吸着穴が設けられた小径真空吸着穴部材と、前記小径真空吸着穴部材と接合し、真空経路形成のための通気路及び吸引路が設けられた支持部材とを含み、前記小径真空吸着穴部材の厚みが、前記多孔質部材支持部材の厚みより厚く、5mm〜25mmであり、前記小径真空吸着穴の直径が、0.064mm〜0.25mmであり、前記吸着穴の総面積が、前記吸着面の面積に対して、30%〜70%であることを特徴とする前記真空吸着盤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削、研磨、切断などを行う時の被加工物を保持するための真空吸着盤、又は、搬送する時被搬送物を保持するための真空吸着盤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁力により固定が不可能な非金属部材や磁性を嫌う部材については、真空吸着で固定する真空吸着盤が使用されている。これらの部材は、真空吸着盤により固定され、研削、研磨、又は切断等の処理がなされ、更にその他の加工が施されて製品として市場に流通する。また、非金属部材又は磁性を嫌う部材を搬送する際にも真空吸着で固定する真空吸着盤が使用されている。
【0003】
従来の典型的な真空吸着盤の構造を図1−1に示す。真空吸着盤は、セラミック多孔質体で形成される吸着部材(101)と、吸着部材(101)に接合して固定する支持部材(102)とから構成され、支持部材(102)に設けられた空洞(103)を通じて吸引穴(104)から図中の矢印(106)で示す流れ方向に真空ポンプにより吸引して被吸着物(105)を吸着部材(101)上に吸着する。このとき、被吸着物(105)は吸着部材(101)を完全に覆う。このような構造をもつ真空吸着盤は、例えば、特開平6−8086号公報(特許文献1)に開示されている。
【0004】
最近のものづくりにおいては少量多品種の製品を取扱う場合が多く、寸法・形状が異なったものを多種類生産することが求められている。それら多様な製品の製造工程において研削、研磨、切断等の加工および搬送を行う時に、上記の従来の構造をもつ真空吸着盤を使用すると、図1−2に示すように、被吸着物の寸法・形状によっては吸着部材の吸着面に被吸着物が吸着されない箇所が発生する場合がある。この場合、被吸着物(101)の寸法が吸着部材(101)の吸着面より小さいために被吸着物が吸着されない箇所が発生し、支持部材(102)に設けられた空洞(103)を通じて吸引穴(104)から図中の矢印(106)で示す流れ方向に真空ポンプにより吸引しても被吸着物(107)で覆われていない吸着部材(101)の部分から矢印(108)の方向に空気が流れてリークするため、被吸着物(107)は適正に固定されない。このように従来の真空吸着盤の構造では多様な寸法・形状をもつ被吸着物に対して汎用性に乏しい。
【0005】
そこで、特開2008−187098号公報(特許文献2)には、吸着部材の吸着面に複数の吸着用の通気孔を形成した真空吸着盤において、被吸着物の面積が吸着面の面積より小さい場合に、被吸着物が載置されていない吸着面の非載置領域に対応する吸着部材の裏面(内部)を目張り部材で被覆し、空気のリークを防止する技術が公開されている。
【0006】
特開2001−38556号公報(特許文献3)には、少なくとも被加工物を吸引保持する吸引板と、該吸引板を囲繞する枠体と、該枠体に連通する吸引源とから構成され、前記吸引板には多数の微細な吸引孔が形成され、該吸引板上に載置される被加工物によって、閉塞される閉塞領域と閉塞されない非閉塞領域とが生じ、その非閉塞領域に表出している微細な吸引孔は、加工時に供給され且つ非閉塞領域に流出する加工液でシールされて外気のリークが抑制されることにより被加工物を固定する真空吸着盤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−8086号公報
【特許文献2】特開2008−187098号公報
【特許文献3】特開2001−38556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
最近、被加工物の寸法・形状が小型化されたものもあり、これらの加工を効率的に取扱うことができる真空吸着盤が求められている。
しかし、特開平6−8086号公報(特許文献1)に開示された技術では、被吸着物の面積が吸着面の面積より小さい場合、非吸着部から空気がリークして吸着できないという問題がある。
【0009】
また、特開2008−187098号公報(特許文献2)に開示された技術は、非吸着部に目張り部材で被覆するものであるが、種々の寸法・形状を有する多品種の被吸着物を取り扱う場合、それぞれの被吸着物の寸法・形状に適合した目張り部材が必要となり、その作成および取り付けには手間がかかる。特に、目張り部材は真空吸着盤内部に装着する必要があるのでなおのこと手間がかかる。そのようにしても、位置がずれると空気のリークが発生し吸着できなくなるために、被吸着物と目張り部材との位置合わせを精密に行う必要がある。また、被吸着物と目張り部材との境界部はどうしても空隙が存在し、空気のリークが発生してしまう。
【0010】
特開2001−38556号公報(特許文献3)に開示された技術は、加工液によるシール効果により被吸着物を吸着するので、湿式研削には対応できるが、加工液により劣化する被吸着物の場合は加工液を使用しないで研削、研磨、切断作業を行う必要があるため、加工液を使用しない乾式研削(研磨、切断作業も含む)においては対応できない。特許文献3には吸引経路径の範囲が指定されていないため、吸引経路径が大きい場合、吸引経路下に加工液が吸引圧力によりチャックテーブル内の吸引経路に短時間に大量に侵入し吸引板部の加工液によるシール効果が発揮されず、真空度が低下して被吸着物が十分に吸着されない場合があり、さらに最悪の場合、真空ポンプ内に侵入し真空ポンプが壊れる危険性がある。また、吸引板を囲繞する枠体が存在することによって吸引板と枠体のはめ合いの調整(吸引板と枠体の寸法調整)に手間がかかる。被吸着物を吸引保護する吸着板が汚れた場合、砥石を使用し研削作業により吸引板を研削して汚れを除去し、吸引板の平坦度を調整するが、その際、吸引板表面が研削除去されると同時に枠体も研削除去される。その時、実作業においても前記吸引板の汚れを除去した砥石を使用した場合、枠体は一般的に金属が使用されるため、その枠体の金属物が砥石に溶着し、実作業において被吸着物にその溶着金属が固着される可能性がある。枠体が研削除去されることにより枠体の高さ寸法が不足し、枠体を含むユニットが繰り返し使用できなくなり、コスト高となる。
【0011】
一般的に、研削、研磨、切断用の真空吸着盤に使用される真空ポンプの出力は0.2〜1.5kw(0.26〜2.0馬力)である。一方、搬送用に使用される真空ポンプの出力は、一般的に0.1kw以下(0.13馬力以下)である。研削、研磨、切断作業においては、被吸着物を例えば砥石などで研削、研磨、切断の作業を行うので被吸着物に外力が加わる。その際、真空ポンプの出力が不足すると吸引力が不足し被吸着物の固定ができなくなるため、研削、研磨、切断時には、搬送時より高い真空ポンプの出力が要求される。本願発明においては、搬送用は勿論、研削、研磨、切断作業においても被吸着物を十分に固定し、研削、研磨、切断作業が支障なく行えるようにしなければならない。
【0012】
したがって、本発明の課題は、これらの従来技術の欠点を克服し、種々の寸法・形状を有する多品種の被吸着物について加工および搬送が効率的に実施できる真空吸着盤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、真空引きにより吸着面に被吸着物を固定する真空吸着盤であって、
被吸着物が吸着する吸着面を構成する多孔質部材と、
前記多孔質部材の吸着面と平行な面に接合し、かつ多数の吸着穴が設けられた多孔質部材支持部材と、
前記多孔質部材支持部材に接合し、かつ前記吸着穴と連通し、前記吸着穴の直径より小さい直径を有する多数の小径真空吸着穴が設けられた小径真空吸着穴部材と、
前記小径真空吸着穴部材と接合し、真空経路形成のための通気路及び吸引路が設けられた支持部材とを含み、
前記小径真空吸着穴部材の厚みが、前記多孔質部材支持部材の厚みより厚く、5mm〜25mmであり、
前記小径真空吸着穴の直径が、0.064mm〜0.25mmであり、
前記吸着穴の総面積が、前記吸着面の面積に対して、30%〜70%である
ことを特徴とする前記真空吸着盤を提供する。
【0014】
本発明の真空吸着盤は、一実施形態において、内径が0.064mm〜0.25mmで、長さが5mm〜25mmであるチューブ体を小径真空吸着穴部材に挿入して、小径真空吸着穴が形成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の真空吸着盤は、別の実施形態において、小径真空吸着穴の直径が、0.1mm〜0.25mmであることを特徴とする。
更に、本発明の真空吸着盤は、別の実施形態において、内径が0.1mm〜0.25mmで、長さが5mm〜25mmであるチューブ体を小径真空吸着穴部材に挿入して、小径真空吸着穴が形成されることを特徴とする、請求項1記載の真空吸着盤。
【0016】
また、本発明の真空吸着盤は、一実施形態において、小径真空吸着穴にピアノ線を挿入したことを特徴とする。
更に、本発明の真空吸着盤は、一実施形態において、被吸着物の吸着力が20N以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、種々の寸法・形状を有する多品種の被吸着物について、加工液を使用する場合又は使用しない場合両方の研削、研磨、切断作業が支障なく行うことができ、また、加えて搬送が効率的に実施できる真空吸着盤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1−1】図1−1は、従来の真空吸着盤を示す断面図である。
【図1−2】図1−2は、従来の真空吸着盤の使用形態を示す図である。
【図2−1】図2-1は、本発明の真空吸着盤の一実施形態を示す上面図である。
【図2−2】図2-2は、本発明の真空吸着盤について、吸着面1を取り除いた時の内部構造を示す上面図である。
【図3−1】図3−1は、本発明の真空吸着盤の一実施形態を示す断面図である。
【図3−2】図3−2は、本発明の真空吸着盤の一実施形態を示す断面図であり、真空吸着盤に被吸着物を載せた状態を示す。
【図4】図4は、本発明の真空吸着盤の一実施形態を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の真空吸着盤の別の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 吸着面
2 吸着穴
3 多孔質部材
4 多孔質部材支持部材
5 小径真空吸着穴
6 小径真空吸着穴部材
7 通気路
8 吸引路
9 支持部材
10 被吸着物
11−1 吸着作業時の空気の圧力(大気圧)
11−2 多孔質部材3を通過し吸着穴2に流入する空気の流れ(圧力は大気圧より減少する)
11−3 吸着穴2を通過し小径真空吸着穴5に流入する空気の流れ(圧力は11−2より減少する)
11−4 小径真空吸着穴5を通過する空気の流れ(圧力は11−3より減少する)
12 チューブ体
101 吸着部材多孔質部材
102 支持部材
103 空洞
104 吸引穴
105 被吸着物
106 吸引穴における空気の流れ(真空ポンプにつながる)
107 被吸着物(吸着部より面積が小さい)
108 吸着部上部における空気の流れ
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の真空吸着盤を以下に図を参照しながら説明する。
図2-1は、本発明の真空吸着盤の一実施形態を示す上面図である。
本発明の真空吸着盤において、被吸着物が吸着する吸着面1には多孔質部材3が使用される。多孔質部材3の材質は、特に限定されないが、有機系、無機系、金属系の材料等を使用することができる。多孔質部材3の材質は、吸着時の変形がない、製造しやすい、金属より軽量という理由から、好ましくは無機材料であり、より好ましくは多孔質のセラミック材料である。セラミックとしては、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素などの種々のセラミックが挙げられる。これらのセラミックを多孔質とするには、さまざまな方法があるが、本発明において用いるためには、空気が流通できるように各々の気孔を連通させる必要がある。そのためには、例えば、セラミックを所定の大きさの粒子状にし、この粒子をガラスなどで固めて焼成すればよい。そのようなセラミック多孔質体としては、例えば、粒度F220〜♯800(JIS R6001による。F220は表4の最小粒度、#800は表7及び表8による。)のアルミナ粉末又は炭化珪素粉末を主成分とし連続気孔を形成したセラミック多孔質体で、その気孔径が2μm〜50μmで、気孔体積率が30%〜50%の周知の材料を使用することができる。具体的には、ビトリファイドの研削砥石を流用することができる。この方法によれば、確実に各々の気孔を連通させられるとともに、粒子径を調整することで、容易に気孔径を調整することができ、最終的に空気の流動が阻害されることがなければよい。
【0021】
尚、気孔体積率が30%〜50%で、粒度F220より粗いものを使用すると、空気リークが多くなり被吸着物を吸着することはできない。粒度#800より細かいものを使用すると、空気流量が不足し被吸着物を吸着することはできない。
【0022】
多孔質部材3の厚みは1.5〜4.0mmの範囲内である。1.5mmより薄いと多孔質部材3が割れる危険性があり、4.0mmより厚いと側面からの空気流入が多くなり吸着力が低くなるからである。
【0023】
図2-2は、本発明の真空吸着盤について、多孔質部材3を取り除いた時の内部構造を示す上面図である。
本発明の真空吸着盤において、被吸着物が吸着する吸着面1を構成する多孔質部材3の下部には、多孔質部材支持部材4が存在する。多孔質部材支持部材4には、その厚み方向を貫通する多数の吸着穴2が設けられる。
【0024】
本発明の一実施形態として、具体的には、吸着穴2の最大直径はφ16mmであり、作製コストの観点と本発明の効果をより発揮させるためには、吸着穴2の最小直径はφ3mmである。吸着穴2の直径がφ16mmを越えると、種々の寸法・形状を有する多品種の被吸着物、特に吸着面積が小さい被吸着物の加工および搬送を効率的に実施することができず、吸着穴2の直径がφ3mmより小さいと、製作コストが増大し経済的に好ましくない。望ましくは、吸着穴2の直径は、φ3mm〜φ14mm、好ましくはφ3mm〜φ12mm、より好ましくはφ3mm〜φ10mm、更により好ましくはφ4mm〜φ10mm、最も好ましくはφ4mm〜φ8mmである。
【0025】
吸着穴2の直径は、必ずしも単一である必要はなく、上述の範囲であれば複数の吸着穴で異なる直径を有していてもよい。
吸着穴2の総面積は、吸着面の面積に対して、30%〜70%であることができる。
【0026】
30%より少ないと種々の寸法・形状を有する多品種の被吸着物の加工に対応することができない。70%より多いと空気のリークが多くなり、被吸着物の吸着力が低下するからである。
【0027】
他の実施形態として、吸着穴2の総面積は、吸着面の面積に対して、30%〜70%の範囲内であることを条件に、多数の吸着穴2の一部において直径がφ16mmを越えてもよい。その場合他の吸着穴2の直径はφ16mm以下で調整することが望ましい。
【0028】
本発明の真空吸着盤において、吸着面1の形状は、四角形状または円形状であることができ、また他の形状、例えば多角形状であってもよい。吸着面の寸法は、四角形状においては一辺の長さが最小50mm、最大350mmであることができ、円形状においては直径が最小φ50mm、最大350mmであることができる。
【0029】
図3−1は、本発明の真空吸着盤の一実施形態を示す断面図である。
本発明の真空吸着盤は、被吸着物が吸着する吸着面1を構成する多孔質部材3と、多孔質部材3の吸着面1と平行な面に接合し、かつ多数の吸着穴2が設けられた多孔質部材支持部材4と、多孔質部材支持部材4に接合し、かつ吸着穴2と連通し、吸着穴2の直径より小さい直径を有する多数の小径真空吸着穴5が設けられた小径真空吸着穴部材6と、小径真空吸着穴部材6と接合し、真空経路形成のための通気路7及び吸引路8が設けられた支持部材9とから構成される。
【0030】
多孔質部材支持部材4の材質は、ピンホール等による空気リークが起こらないこと及び作業中の外力で破壊しない強度を有することを条件として、有機質材料、金属材料、無機質材料等を使用することができる。
【0031】
多孔質部材支持部材4の吸着穴2と小径真空吸着穴部材6の小径真空吸着穴5とは、それぞれ支持部材9の通気路7と連通するような位置に配置される。これにより、支持部材9の吸引路8から真空ポンプで吸引することにより、吸引路8、通気路7、小径真空吸着穴5、吸着穴2を通して空気流動が可能である。
【0032】
小径真空吸着穴部材6の材質は、多孔質部材支持部材4と同様に、ピンホール等による空気リークが起こらないこと及び作業中の外力で破壊しない強度を有することを条件として、有機質材料、金属材料、無機質材料等を使用することができる。
【0033】
図3−2は、本発明の真空吸着盤の一実施形態を示す断面図であり、真空吸着盤に被吸着物を載せた状態を示す。
被吸着物10は吸着面1に吸着されており、被吸着物10の面積は吸着面1の面積より小さい。
【0034】
図4は、本発明の真空吸着盤の一実施形態を示す断面図である。
吸着面1の被吸着物10により覆われた領域においては、吸着作業時に空気の流れ11−1(大気圧)が負荷されるが、被吸着物10により空気の流れが抑制され、真空吸着盤内部の真空度と大気圧の圧力差により被吸着物10に吸着力が生じる。
【0035】
一方、吸着面1の被吸着物10により覆われていない領域においては、吸着作業時に空気の流れ11−1(大気圧)により空気が多孔質部材3に流入する。そして、空気は多孔質部材3を通過し、吸着穴2及び小径真空吸着穴5に流入するが、多孔質部材3は連続気孔が形成されているので吸着面1の被吸着物10により覆われた領域の下部に位置する吸着穴2にも空気が流入する。このとき空気の流れ11−2の圧力は大気圧より減少し、空気流入量も減少する。空気は吸着穴2を通過し、小径真空吸着穴5に流入するが、このとき空気の流れ11−3の圧力は減少し、空気流入量も減少する。そして、小径真空吸着穴5を通過する間に、空気の流れ11−4の圧力は更に減少し、空気流入量も減少する。その結果、被吸着物が固定される。
【0036】
本発明では、被吸着物10の面積が吸着面1の面積より小さい場合、多孔質部材3を通じてより空気が流入するが、上記の作用により空気流入量は最小限にとどめられる結果、被吸着物10の吸着面1上への固定が維持される。理論に縛られることを意図するものではないが、これは以下の機構により達成されるものと考える。
【0037】
まず、形状による損失がある。形状の損失には、流入口の形状、管内径の変化、急激な曲がり、弁類、流入出口の形状などによる損失があり、本発明の真空吸着盤においては、径の大きい吸着穴2から径の小さい小径真空吸着穴5に流入する管内径の変化により空気の流入量が減少する(図4の11−3)。吸着穴2と小径真空吸着穴5のそれぞれの径の差が大きいほど効果的である。
【0038】
更に、管路摩擦がある。管路摩擦は、管路内面の粗さや流体の粘性などにより生じる。径の小さい小径真空吸着穴5を空気が通過するとき、小径真空吸着穴5の管路内面の粗さなどによる管路摩擦により空気流入量が減少する(図4の11−4)。管路摩擦による空気流入量の減少は小径真空吸着穴5の空気の流れ方向における寸法が長いほど、言い換えれば小径真空吸着穴部材6の厚みが厚いほど効果的である。
【0039】
その結果、図4の11−2、11−3及び11−4に示す空気流入量減少の相乗作用により、真空吸着盤内への空気の流入が抑制され、被吸着物10が吸着面1上に保持されるに十分な真空度が確保でき、被吸着物の研削、研磨、切断などの加工および搬送が効率的に実施でき本発明の効果を達成することができる。
【0040】
小径真空吸着穴部材6の小径真空吸着穴5の直径は、加工液(例:研削液)を使用する研削、研磨、切断などの加工においては(例:湿式研削)φ0.25mm〜φ0.064mmであることができる。最大直径がφ0.25mmを超えると、空気の流量が多くなるため本発明の効果を発揮することができず、最小直径がφ0.064mmより小さい場合、製作コストが増大し経済的に好ましくない。また場合によれば被吸着物を固定する力が不足する場合がある。
【0041】
さらに加工液(例:研削液)を使用しない研削、研磨、切断などの加工においては、小径真空吸着穴5の直径がφ0.064mmでは被吸着物10を固定できない。空気の流量が少なくなるためである。したがって、加工液を使用しない乾式研削(研磨、切断作業も含む)においては、小径真空吸着穴5の直径はφ0.25mm〜φ0.1mmであることが望ましい。加工液(例:研削液)を使用する研削、研磨、切断などの加工においても(例:湿式研削)良好に使用することができる。
【0042】
本発明実施品が使用される機械・設備等において本発明実施品のスペースはある程度の制限があることを考慮し、かつ、本発明の効果を十分に発揮させるために、本発明の真空吸着盤は、多孔質部材支持部材4より小径真空吸着穴部材6の厚みを厚くする必要がある。
【0043】
小径真空吸着穴部材6の厚みは、すなわち、小径真空吸着穴5の厚み(空気の流れ方向の寸法)であり、本発明の効果を発揮させるために重要な要素である。小径真空吸着穴部材6(小径真空吸着穴5)の最小厚みは5mmであり、最大厚みは25mmである。本発明の効果を発揮するためには、小径真空吸着穴部材6(小径真空吸着穴5)の厚みは少なくとも5mm必要である。小径真空吸着穴部材6(小径真空吸着穴5)の厚みが25mmより厚くなると、設置機械・設備への負担が増大し、場合によっては設置スペースが確保できなくなる可能性がある。多孔質部材1の厚みを考慮して、小径真空吸着穴部材6の厚みは望ましくは21mmである。
【0044】
多孔質部材支持部材4の最小厚みは1mmであり、最大厚みは5mmであるが、小径真空吸着穴部材6の厚みより厚くなることはない。多孔質部材支持部材4の厚みが5mmを超えると、設置機械・設備への負担が増大し、場合によっては設置スペースが確保できなくなる可能性がある。本発明の作用・効果に影響を与える小径真空吸着穴部材6の十分な厚みを確保するため、多孔質部材支持部材4の厚みは最大5mmまでである。
【0045】
本発明の真空吸着盤に関して使用される機械・設備を考慮し、支持部材9の厚みは、少なくとも10mm必要である。
図5は、本発明の別の実施形態を示す断面図である。
【0046】
図5に示すように、小径真空吸着穴5は、内径がφ0.25mm〜φ0.064mmであるチューブ体12(乾式研削の場合は最小内径φ0.1mmである)を小径真空吸着穴部材6に挿入することにより、所定の穴径とすることができる。
【0047】
チューブ体とチューブ体を挿入する穴との間には、リークを防止するために、例えば、接着剤で固定するか、あるいは、ゴム製のOリングを挟み込むことが好ましい。
チューブ体により小径真空吸着穴を形成する利点は、小径真空吸着穴部材6に所望の正確な径を有する多数の穴を開けることは手間がかかり、製作費用が増大する点にある。一方、チューブ体を使用すれば、挿入に支障ない穴を開ければよいので手間も省け製作費用も増大しない。
【0048】
チューブ体12の挿入においては、小径真空吸着穴部材6が例えば5mmより薄いと挿入に手間がかかり実用的でない。この点からも小径真空吸着穴部材6の厚みは、少なくとも5mmは必要である。
【0049】
その他、小径真空吸着穴5の径を調整する方法として、所望の断面積をもった線材(例えばピアノ線)を小径真空吸着穴5又はチューブ体12の内径部に挿入して空間を充填することにより、小径真空吸着穴を所望の内径としてもよい。これにより、内径がφ0.25mm〜φ0.064mm(乾式研削の場合は最小内径φ0.1mmである)の小径真空吸着穴5を配置したのと同様な効果を得ることができる。加えて、線材(例えば、ピアノ線)を挿入することにより壁抵抗が増し、本発明の更なる効果を発揮することが見込まれる。
【0050】
被吸着物10の面積が吸着面1の面積より小さい時、吸着面1は被吸着物10に覆われることがない箇所が発生するが、本発明の真空吸着盤は、吸着面積が20%以上であることが必要である。ここで、吸着面積は、吸着穴2の合計の面積に対して、多孔質部材1を介して被吸着物10により覆われる吸着穴2の割合をいうものとする。
【0051】
前述のように、本発明の真空吸着盤においては、構造上、被吸着物10に覆われない吸着穴2から真空吸引により空気が侵入するが、その空気侵入を最小限に留めることが重要である。吸着面積が20%より小さい、すなわち、被吸着物10に覆われない吸着穴2が吸着穴全体の80%を超えると、空気の侵入が多くなり、吸着盤内の真空度が減少し、被吸着物10を十分に吸着できない。
【0052】
尚、吸着面積が20%より小さい場合は、吸着面積は、望ましくは、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上である。
【0053】
吸着面積が100%の場合は、本発明の真空吸着盤はもちろんのこと、従来の真空吸着盤も使用することができる。しかし、その場合、本発明の真空吸着盤を使用すると、吸着面積100%の被吸着物10での作業を行った後(前でもよい)、それより吸着面積の小さい(20%以上)被吸着物10を用いて作業を行う際に、機械設備の変更、真空吸着盤の取替えを行う必要がなく、作業が効率化する点で有利である。
【0054】
乾式研削の場合、真空吸着盤の効果は吸着力により特徴付けることができる。吸着力が20Nより小さい場合は、被吸着物を吸着する力は不足し、研削中被吸着物の固定ができない。
【0055】
吸着力が20N以上の場合の真空吸着盤内部の気圧は、大気圧101.325×10kPaに対し、18.2×10〜55.8×10kPaとなり、被吸着物10が固定され被吸着物10の加工および搬送が支障なく実施できる。
【0056】
更に、乾式研削の場合本発明の真空吸着盤において、真空吸着盤内部への空気流入量は、最小13.7L/minから最大72.5L/minである。空気流入量が最大値より高い場合、または最小値未満の場合は被吸着物10が固定できない。
【実施例】
【0057】
試験例1 吸引力テスト
本試験例においては、本発明にしたがった真空吸着盤を作成し、その吸着力を測定した。
【0058】
真空吸着盤の吸着面は四角形状とし、吸着面の寸法は110mm角とした。
吸着面1を形成する多孔質部材3は砥石業界で慣習的に表されている仕様表示(JIS R6111(人造研削材砥粒の種類及び粒度の表示)に規定される)でGC400V(砥粒種類:グリーンシリコンカーバイド。以下「GC」と表示。400は粒度表示#400を示す。Vはビトリファイド結合剤を使用していることを示す。)(Vg=41、Vb=21.9、Vp=37.1)(Vg:砥粒体積率、Vb:ボンド(ビトリファイド結合剤)体積率、Vp:気孔体積率)を使用しその厚みは2mmとした。
【0059】
吸着穴2の間隔は1mmとし、吸着穴の直径は16mm又は5mmとし、φ16mmでは穴数36個、φ5mmでは穴数256個とした。吸着穴の総面積は、吸着面の面積に対して、φ16mmで約60%、φ5mmで約42%である。
【0060】
小径真空吸着穴は所定の位置にΦ3mmの穴を開けた。所望の内径を持つエスエイエス社製の品番JR−T−6001(内径Φ0.25mm)、JR−T−5999(内径Φ0.13mm)、JR−TP−5998(内径Φ0.064mm)(外径は全てΦ1.59mm)の商品名ピークチューブを所定長さに加工して、小径真空吸着穴に挿入し、その隙間はNOK社製のOリング(ゴム製部材)、型式03387−A00及びAS568−002Aを2つ挟みリークを防止した。
【0061】
多孔質部材支持部材の厚みは4.5mmとし、小径真空吸着穴部材の厚みは各比較例及び実施例において適宜変更した。
更に、通気路7及び吸引路8を形成した支持部材9を設置して、真空吸着盤を組み立てた。
【0062】
得られた真空吸着盤について、ULVAC社製:型式DA−121D、出力0.4kw(0.53馬力)の真空ポンプにより真空吸引を行った。被吸着物として厚み1mm、直径3インチのシリコンウエハーを真空吸着盤の吸着面に載せた。吸着面積(吸着穴の合計の面積に対して多孔質部材を介して被吸着物により覆われる吸着穴の割合)は約40〜45%である。
【0063】
真空度は、KEYENCE社製:型式CU−21Aにより測定し、空気吸引量は、山武(azbil)社製:型式CMS0020の圧力測定器を真空吸着盤と真空ポンプの間の管に装着して測定した。
【0064】
乾式吸着力は、AIKOH ENGINEERING社製デジタルゲージ:型式RX−20で被吸着物の側面を押付け、その押付け力を測定した。さらに空気流量及び真空度も測定した。また湿式吸着力は被吸着物に研削液:クレカットNS201(ソリュブルタイプ)をかけながら押付け力を測定した。尚、湿式吸着力の場合、吸着力のみを測定した。
【0065】
結果を次の表1に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
試験例2 研削テスト
本試験例においては、本発明の真空吸着盤を用いて研削テストを行った場合、正常に研削作業ができるかどうかを確認した。
【0068】
各条件は以下のとおりである。
研削条件
1)砥石
仕様: SD400F100VD7(クレトイシ株式会社製)
寸法: φ350×20×φ152.4mm
2)被削材
4インチ アルミナ
3)研削液
名称:クレカットNS201(ソリュブルタイプ)
濃度:2%
但し、乾式研削のときは使用しない。
4)研削盤
種類: ワシノ製ロータリー平面研削盤
形式: SS−501N
5)真空ユニット
種類: Fuji Engineering社製 バキューム ユニット マークIII
型式: Type-D(旧V5)
6)ドレス条件
ドレッサ: GC100G8V(φ355×30×φ76mm)
ドレッサ回転数: 80rev/min
ドレスリード: 2mm/rev
ドレス切込み: φ2μm/pass
ドレス回数: 100回
7)研削条件
研削方式: 湿式及び乾式トラバース研削
砥石周速度: 23m/s
被削材周速度: 1.5m/s
周速度比: 15.3
研削切込: 粗研削 2μm/pass 7回
仕上げ研削: 1μm/pass 6回
取り代: 0.02mm
スパークアウト: 1回
試験例1で作成した比較例1、比較例4、実施例1、実施例5、実施例6、実施例9、実施例10の構成の真空吸着盤を使用して研削テストを行った。
【0069】
結果
湿式研削において;
実施例1、実施例5、実施例6、実施例9、実施例10の真空吸着盤では、被吸着物の位置ズレは発生せず良好に固定され研削テストを完了した。
【0070】
しかしながら、比較例1、比較例4に関しては、研削テスト中に真空度が低下した。原因としては、小径真空吸着穴の直径が0.5mmと本研削テストでは一番大きいので、吸引圧力により研削液が真空吸着盤内に侵入し研削液によるシール効果がなくなり空気リークが大きくなったためと考えられる。この場合、最悪真空ポンプを傷める可能性がみられた。よって、研削テストを中止した。
乾式研削において;
比較例1、比較例4の真空吸着盤では、研削初期に被吸着物の位置ズレが発生したため、それ以降の研削テストを中止した。
【0071】
実施例1、実施例5、実施例6は、位置ズレは発生せず良好に固定され研削テストを完了したが湿式研削では良好な結果が出た実施例9及び実施例10は位置ズレが発生したため、それ以降の研削テストを中止した。実施例9及び実施例10の真空吸着盤は乾式研削においては適用できないことが判明した。
【0072】
実施例1の真空吸着盤の吸着力は29.3Nであった。一方、比較例4の吸着力は18.4Nであった。したがって、乾式研削の場合、吸着力20Nが研削可能かどうかの境目であることが判明した。
【0073】
その時、真空度の範囲は18.2kPaから55.8kPaの範囲であった。空気流量は13.7L/min以上72.5L/min以下の範囲であった。
試験例1を考慮すると、小径真空吸着穴径が0.13mm〜0.25mmで、小径真空吸着穴径の厚みが5mm〜25mmの範囲において本発明の効果が発揮された。小径真空吸着穴径φ0.064mmとなると正常な研削ができなかった。小径真空吸着穴径が小さくなると吸着力が下がる傾向となった。小径真空吸着穴径が小さくなり、且つ小径真空吸着穴厚みが厚くなると真空吸着盤内へ流入する空気流量が少なくなる傾向にある。その場合、吸着力が低下する不具合が発生する可能性がある。
【0074】
このことに関して、電気掃除機の吸引力を表す目安として利用されている吸引仕事率を以下に示し、これを用いて表1の結果を考察する。
吸引仕事率(W)=0.01666×真空度(Pa)×空気流量(m/min)
この数値が大きいほど吸引力が優れることを意味するが、表1の結果において、小径真空吸着穴径が0.064mm(実施例9〜12)では、本真空吸着盤内への空気の流量が急激に少なくなるので、上記式によると、空気流量(m/min)が急激に少なくなり、したがって吸引仕事率(W)が低下するという結果となる。表1の吸着力の結果は、空気流量に依存する吸引仕事率の傾向と同様の結果を示していると言える。
【0075】
したがって、表1の結果から、小径真空吸着穴径が0.064mmでは乾式研削の場合には正常な研削ができないことが示された。
真空吸着盤への空気流量と吸着力の関係は、小径真空吸着穴径が小さくなり、且つ小径真空吸着穴厚みが厚くなるとき吸引仕事率が低下する。このことより、小径真空吸着穴径が小さくなるにしたがって真空吸着盤内への空気の流量が少なくなり吸着力が下がる傾向にあり、乾式研削では、小径真空吸着穴の直径がφ0.064mmより小さいと本発明の効果が発揮されないと考えられる。実施例5及び実施例6の結果を考慮して、乾式研削の場合には、小径真空吸着穴の最小直径は0.1mmが限界であると考える。
試験例3 研削テスト
本試験例においては、本発明の真空吸着盤を用いて多孔質板の仕様を変更して研削テストを行った場合、正常に研削作業ができるかどうかを確認した。
【0076】
多孔質部材を変更したことを除いては実施例6の真空吸着盤の構成を用い、研削条件は試験例2に記載された条件で乾式トラバース研削を行った。多孔質部材は試験例1及び試験例2で使用したGC400V(Vg=41、Vb=21.9、Vp=37.1)を基準としてGC砥粒の粒度のみ変更した。
【0077】
結果を以下の表に示す。表中、正常に研削できたものは○、できなかったものは×とした。
【0078】
【表2】

【0079】
砥粒粒度はF220〜#800で正常に研削できることを示している。上記砥粒粒度の範囲外の場合、研削中被吸着物の位置ズレが発生した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空引きにより吸着面に被吸着物を固定する真空吸着盤であって、
被吸着物が吸着する吸着面を構成する多孔質部材と、
前記多孔質部材の吸着面と平行な面に接合し、かつ多数の吸着穴が設けられた多孔質部材支持部材と、
前記多孔質部材支持部材に接合し、かつ前記吸着穴と連通し、前記吸着穴の直径より小さい直径を有する多数の小径真空吸着穴が設けられた小径真空吸着穴部材と、
前記小径真空吸着穴部材と接合し、真空経路形成のための通気路及び吸引路が設けられた支持部材とを含み、
前記小径真空吸着穴部材の厚みが、前記多孔質部材支持部材の厚みより厚く、5mm〜25mmであり、
前記小径真空吸着穴の直径が、0.064mm〜0.25mmであり、
前記吸着穴の総面積が、前記吸着面の面積に対して、30%〜70%である
ことを特徴とする前記真空吸着盤。
【請求項2】
内径が0.064mm〜0.25mmで、長さが5mm〜25mmであるチューブ体を小径真空吸着穴部材に挿入して、小径真空吸着穴が形成されることを特徴とする、請求項1記載の真空吸着盤。
【請求項3】
小径真空吸着穴の直径が、0.1mm〜0.25mmであることを特徴とする、請求項1記載の真空吸着盤。
【請求項4】
内径が0.1mm〜0.25mmで、長さが5mm〜25mmであるチューブ体を小径真空吸着穴部材に挿入して、小径真空吸着穴が形成されることを特徴とする、請求項1記載の真空吸着盤。
【請求項5】
小径真空吸着穴にピアノ線を挿入したことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の真空吸着盤。
【請求項6】
被吸着物の吸着力が20N以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の真空吸着盤。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−45643(P2012−45643A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187840(P2010−187840)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(390030351)クレトイシ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】