説明

真空開閉器における高圧状態を音波検出する方法及び装置

【課題】電気デバイス内の高圧状態を判断するための方法、及び電気デバイス内の高圧状態を検出する装置を提供する。
【解決手段】遮断器内の高圧状態を検出する方法及び装置であって、高強度の超音波を、音波導波管を通じて真空遮断器の外壁に入射し、次いで、反射及び再送信される応答信号を聞き取る。応答信号の特性を利用して、この遮断器内の圧力を判断し、かつ望ましくない高圧状態の存在を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電力開閉器における故障状態の検出に関し、より詳細には、音波変換器の使用による真空遮断器における高圧状態の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
北米の電力網の信頼性は、特に消費者及び産業による電力需要の増加に伴い、過去数年において厳しい精査を受けている。電力網におけるコンポーネント1つの故障が、システム全体に連鎖して、壊滅的な停電を生じる可能性がある。電力網で利用される重要なコンポーネントの1つは、高電流高電圧の交流電力の流れをON及びOFFするために使用する機械式開閉器である。この用途において半導体デバイスの進歩もいくらか見られるが、非常に高い電圧と電流の組み合わせの場合、機械式開閉器が、この用途について依然として好ましいデバイスである。
【0003】
これらの高電力機械式開閉器の構成には、基本的に、油入式及び真空式の2つの構成がある。油入開閉器は、高い絶縁耐力を有する炭化水素ベースの液体に浸漬される接点を利用する。この高い絶縁耐力は、開閉器接点を開いて回路を遮断する際、その開閉器接点におけるアーク放電電位に耐えるために必要とされる。高電圧の使用条件であることから、油の分解に伴って生じる可燃性ガスの形成を回避するため、油の定期的交換が必要とされる。定期サービスは、回路を停止する必要があり、不便かつ高額になる可能性がある。炭化水素油は、有毒である可能性があり、油が環境へ流出した場合には、深刻な環境災害を生じる可能性がある。他方の構成では、開閉器接点の周囲に真空環境を利用する。開閉器接点へのアーク放電及び損傷は、開閉器接点周囲の圧力が充分低い場合、回避され得る。このタイプの遮断器において真空を失う場合、負荷を開閉した際に深刻なアーク放電が接点間に生じ、開閉器を破壊してしまう。ある用途では、真空遮断器は、長時間に亘り待機状態で駐留される。真空を失っていることが、運用に入るまで検出されない可能性があり、最も必要とされる時点で開閉器の急な故障を生じてしまう。そのため、接点のアーク放電の発生による開閉器故障の前に、遮断器内の真空が劣化していることを事前に知ることは、興味深いことである。現在、これらのデバイスは、検査を困難かつ高額にするような形態でパッケージ化される。検査は、デバイスに接続される回路からの電力除去を必要とする可能性があり、そうした除去ができない可能性がある。開閉器内の圧力状態を遠隔的に測定することが望ましく、これにより、直接的な検査は、必要なくなる。また、開閉器が動作電位で運用される一方、その開閉器内の圧力を定期的に監視することも望ましい。
【0004】
これら遮断器の真空エンベロープ内の圧力の簡易な測定は、従来技術のデバイスで適切に網羅されているように見えるかもしれないが、現実には、この場合に当てはまらない。主な要因は、その開閉器が正電位7〜100キロボルトの交流高電圧を開閉するために使用されることである。これにより、従来技術の圧力測定デバイスの応用は、非常に困難かつ高額になる。コスト及び安全性の制約のため、従来技術の複雑な高電圧絶縁技術は適当でない。すなわち、好ましくは、開閉器から遠隔的に、かつ好ましくは、開閉器が動作電位で、高電圧遮断器の高圧状態を安全かつ廉価に測定する方法と装置が、必要とされる。加えて、高額な再加工又は廃棄なく既存の開閉器に後付けでき、真空遮断器モジュールを開閉器筺体の絶縁体及びパッケージから除去する必要のない方法及び装置が、望ましい。
【0005】
図1(従来技術)は、従来技術の真空遮断器の第1例の横断図面100である。この特定のユニットは、ジェニングステクノロジー(カリフォルニア州サンノゼ)により製造される。接点102及び104は、開閉機能の役割を果たす。通常10-4トール未満の真空が、領域114内の接点付近、並びにキャップ108、キャップ110、ベローズ112及び絶縁体スリーブ106により囲まれるエンベロープ内に存在する。ベローズ112は、固定接点102に対する接点104の移動を可能とし、電気的接続の継断を行う。
【0006】
図2(従来技術)は、従来技術の真空遮断器の第2例の横断図面200である。このユニットも、ジェニングステクノロジー(カリフォルニア州サンノゼ)により製造される。従来技術の本実施例において、接点202及び204が、開閉機能を実行する。通常10-4トール未満の真空が、領域214内の接点付近、並びにキャップ208、キャップ210、ベローズ212及び絶縁体スリーブ206により囲まれるエンベロープ内に存在する。ベローズ212は、固定接点204に対する接点202の移動を可能とし、電気的接続の継断を行う。
【0007】
図3(従来技術)は、真空遮断器302を含むVBM(真空ブレーカモジュール)300の一例の部分切り欠き図である。VBMモジュール300は、外部絶縁被覆304及び内部絶縁層306を備え、真空遮断器302により開閉される高電圧の絶縁を行う。このようなモジュールは、発電及び配電系統において、開閉目的で広く一般に使用され、例えば、ジョスリンハイボルテージカンパニー(オハイオ州クリーブランド)により製造される。
【0008】
図4(従来技術)は、真空遮断器402を含むVSV(Versa-Vac)コンデンサ開閉モジュール400の一例の横断面図である。VSVモジュール400は、外部絶縁被覆406及び内部絶縁層404を備え、真空遮断器402により開閉される高電圧の絶縁を行う。このようなモジュールも、発電及び配電系統において、開閉目的で広く一般に使用され、例えば、ジョスリンハイボルテージカンパニー(オハイオ州クリーブランド)により製造される。
【0009】
モジュール300及び400の構成から分かるように、変更を加えた遮断器302又は402を収容するには、絶縁層及びパッケージに大幅な設計変更が必要とされる場合がある。すなわち、外部絶縁体及びパッケージに大幅な変更を加えることなく、遮断器302又は402内部の圧力を判断可能な圧力検出手段であって、現場で現在運用されている大量数の開閉器に後付け可能な圧力検出手段を有することが、望ましい。これにより、発電及び配電系統の信頼性は、現在設置されている真空遮断器を高額で交換することなく、改善され得る。
【0010】
米国特許第3,983,345号は、加圧ガスを含む回路ブレーカのタンク内に配置された通常直列接続される遮断器複数を備える高電圧真空回路ブレーカの真空式回路遮断器の何れか1つでの漏れを検出する方法、を開示する。タンク壁の小さな開口部を通じて第1の導体ロッド一式を挿入し、遮断器の所定端子と電気的に接続する。タンク壁の別の小さな開口部を通じて第2の導体ロッド一式を、タンク壁とは絶縁した状態で挿入し、遮断器の別の所定端子と電気的に接続する。これらの所定端子は、第1のロッド一式及び第2のロッド一式の間で遮断器が電気的に並列接続されるようにするものである。これら第1及び第2のロッド一式の間で、試験電圧を遮断器に並列で印加する。この電圧は、真空を失っている何れかの遮断器内でこの電圧のストレスにより絶縁破壊を高い確率で生じるのに充分な値とする。したがって、真空を失っている目安を提供する。
【0011】
米国特許第4,103,291号は、真空回路遮断器により制御される回路電圧により直接給電され、遮断器が運用中にも継続的に動作する漏れセンサ、を開示する。指示システムは、単一又は複数の漏れセンサに接続され、単相回路又は多相回路における故障指摘及び取るべき是正措置を提供する。
【0012】
米国特許第4,163,130号は、圧力監視手段を備える真空遮断器を開示する。ここでは一対の分離可能な電極が、真空度の高いエンベロープ内に配置され、かつ減圧検知素子を備える高電圧回路に接続される。この減圧検知素子は、互いに絶縁されて真空エンベロープ内の真空圧を検出する役割を果たす一対の検知電極を備える。減圧検知素子は、高電圧回路が接続される真空エンベロープの一端に、一方の検知電極が導通接続し、かつ他方の検知電極が、抵抗、インダクタンス及びコンデンサから選択される異なる種類の電圧分配素子からなる直列接続部材を通じて接地電位に接続される形態で、電圧が印加される。この電圧分配素子の電圧分配比は、周波数に依存して変化する。減圧検知手段は、減圧検知素子の動作を検出する。
【0013】
米国特許第4,270,091号は、残留ガスの脱励起放射特性を生じる効率的な電子衝突励振源を利用する分圧計を開示する。所定スペクトル線の強度は、このようなスペクトル線を有するガスの分圧に比例し、かつ励振源から引き出す電流は、全圧の測定を提供する。放射光強度と、励起過程に関連するイオン電流との比較に基づく校正手法により、相対分圧を正確に測定する。フィルタを使用して、雰囲気ガス中の既知の比率における既知成分からの放射を選択的に通過することにより、試験ガスをプローブすることなく漏れの存在を示すことができる。励起領域を通じて蒸発流を通過させることにより、蒸発流の正確な監視が可能となり、ここから沈着速度が判断される。選択したスペクトル線からの光出力の変動に対する高い差分感度を達成するための技術と組み合わせて、新規の漏れ検知器が達成される。光分散素子と組み合わせて、残留ガス分析器が得られる。
【0014】
米国特許第4,402,224号は、真空エンベロープを利用して電気デバイスの減圧を監視するための監視デバイスを開示する。この特許は、特に、真空式の電界発生デバイスと、光を発生する光源を含む電界検知手段と、エンベロープ内の減圧変化による電界発生器の電界変化を検知してその電界の変化に応じて光を制御する電界検知器と、この電界検知器により制御される光を電気信号に変換し、この電気信号を利用してエンベロープの減圧を監視する光電変換器と、を備える圧力反応監視デバイスを開示する。
【0015】
米国特許第4,403,124号は、真空回路遮断器を開示し、この回路遮断器により制御される既存の高電圧源又はネットワークにおけるこの真空回路遮断器の蒸着シールドを利用して、この真空回路遮断器内の真空の質又は量を判断するための冷陰極イオン検出器を生成する。回路遮断器の絶縁筺体を貫通して突き出る中央シールド支持リングを使用して、周囲を絶縁されたサージ抵抗器を介して電流検出ブリッジにイオン電流を供給し、ここから上述の電源の共通端子に至ることにより、イオン検出器のプレート複数の1つを電源に返す。
【0016】
米国特許第4,440,995号は、真空回路遮断器を開示し、この真空回路遮断器の蒸着シールド及びこの回路遮断器により制御される既存の高電圧電源又はネットワークを利用して、この真空回路遮断器内の真空の質又は量を判断するための冷陰極検出器を生成する。回路遮断器の絶縁筺体を貫通して突き出る中央シールド支持リングを使用して、電流測定デバイスに電流を供給し、この冷陰極検出器のシールド複数の1つを上述の電源の共通端子に返す。
【0017】
米国特許第4,491,704号は、真空ボトルの内部シールドと結合される分圧器としての積層抵抗器構体と、異常な圧力状態での漏洩電流を監視するための低電圧検知回路とを備える、真空回路遮断器で使用する真空監視デバイスを開示する。
【0018】
米国特許第4,937,698号は、真空遮断器の固定及び可動電極に接続される電線の電位を測定するための第1測定コンポーネントと、アークシールドの電位を測定する第2測定コンポーネントと、第1及び第2測定コンポーネントの測定結果の電位信号を送信するための信号送信部と、この信号送信部を通じて何れも送信される第1測定コンポーネントからの測定信号と第2測定コンポーネントからの測定信号との間の比較を行う比較部と、固定及び可動電極の遮断性能が劣化しているかどうかを比較部の比較結果に基づいて判定する判定部とを含む、真空遮断器の遮断性能の劣化を予知するシステム、を開示する。
【0019】
米国特許第5,286,933号は、閉ざされたエンクロージャ内に収容された真空ボトルを各相に対して少なくとも1つ含む真空回路ブレーカを開示する。この回路ブレーカは、このエンクロージャと真空ボトル外部表面との間の空間に配置されるシンチレーションファイバを少なくとも1つ含み、このファイバは回路ブレーカの外側で光電子デバイスに接続される。
【0020】
【特許文献1】米国特許第3,983,345号
【特許文献2】米国特許第4,103,291号
【特許文献3】米国特許第4,163,130号
【特許文献4】米国特許第4,270,091号
【特許文献5】米国特許第4,402,224号
【特許文献6】米国特許第4,403,124号
【特許文献7】米国特許第4,440,995号
【特許文献8】米国特許第4,491,704号
【特許文献9】米国特許第4,937,698号
【特許文献10】米国特許第5,286,933号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の1つの目的は、電気デバイス内の高圧状態を判断するための方法を提供することであり、この方法は、音波導波管を介して前記電気デバイスに励起音波信号を送信し、前記励起音波信号の送信に続いて、前記音波導波管を介して前記電気デバイスから応答音波信号を受信し、前記応答音波信号を基準信号と比較することにより前記電気デバイス内の圧力を判断し、前記電気デバイス内の前記圧力が所定値を超える場合、アラーム信号を発することを含む。
【0022】
本発明の他の目的は、電気デバイス内の高圧状態を検出する装置を提供することであり、この装置は、近位端部と遠位端部を有する音波導波管と、前記近位端部に第1面を有する前記音波導波管と、前記遠位端部に第2面を有する前記音波導波管と、前記第2面より広い面積を有する前記第1面と、前記電気デバイスと音波で結合された前記第2面と、前記第1面と音波で結合された音波送信デバイスと、前記第1面と音波で結合された音波受信デバイスとを含む。
【0023】
本発明は、高電圧高電流真空遮断器内の圧力を測定するための方法及び装置を提供することに関する。例として、後に説明されるさまざまな実施例は、図1〜4(従来技術の)に示す構成とともに又は構成内で利用される。これは決して、本発明の実施例が、これらの遮断器構成のみへの適用に制限されることを示唆するものでなく、本発明で図解される実施例は、例えば、高電圧真空コンデンサなどといった同様のデバイスすべてに等しく適用される。
【0024】
従来技術で開示される多くの圧力測定の仕組みは、遮断器により開閉される電力線を基準とした電気測定を必要とする。これは、接地電位の線について、利用可能である。しかし、多くの用途では、線が接地電位を超える無数の電位を取るため、測定信号を分離することは非常に困難である。加えて、ほとんどの従来技術における測定の仕組みは、既存の遮断器、特に絶縁筺体内にパッケージされた遮断器には、後付けできない。本発明は、すでに運用中であるパッケージ済み遮断器に後付け可能で、高電圧絶縁特性を内在する圧力感知デバイスを提供することにより、従来技術によっては未解決である上述の難題の解決を模索する。
【0025】
本発明の動作は、真空遮断器内の構造が、その遮断器内のガス圧に依存して音波励起に応答する原理による。逸話的に説明すると、この原理は、硬いもので遮断器(例えば、図1及び2の従来技術において)の外部シェルを叩き、その一撃で生じる音を聞き取ることにより観察される。高いガス圧を有する遮断器は、真空下の遮断器とは異なる音がする。しかし、高電圧で動作する遮断器の内部圧力状態をハンマーで叩いて判断するのは実用的(又は安全)でない。音声の送受信器を同一パッケージ内に組み込む一般に入手可能な電子変換器で、遮断器の外部表面に取り付け可能なものがある。これらの変換器は、「魚群探知器」といった市販の音波探知アプリケーションに使用される。ここでは、送信器が超音波の一撃(「ピン」)を放出し、受信器が反射音信号を聞き取り、水中の物体の寸法及び距離を判断する。しかし、このようなデバイスを真空遮断器の外部表面に単に取り付けるだけでは、複数の理由から、満足な結果が得られないことが分かっている。第1に、高電圧絶縁要件が、一般的に、これら市販の音波変換器の性能を超えている。第2に、遮断器及び開閉モジュールの曲面が、音波変換器のおおよそ平坦な面と互換しない。第3に、変換器の受信器感度と関連して、変換器の送信器による送信音強度が、遮断器内の圧力レベルを適度に識別するには不十分であることが分かっている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の実施例は、上述の問題、すなわち音波変換器と遮断器をインタフェースする新しい解決策を提供する。この解決策は、音波変換器と、遮断器又は開閉モジュールとの間に音波導波管デバイスを含むことを必要とする。この音波導波管は、複数の目的で機能する。1つ目に、遮断器の高い動作電圧から音波変換器を絶縁する。2つ目に、平坦な音波変換器表面を、遮断器又は開閉モジュールの曲面に適応させる。3つ目に、音波変換器から遮断器への励起信号を増幅し、かつ遮断器から受信器への反射応答信号のための音波導管を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は、下記の詳細な説明を検討することにより、より良く理解される。このような説明は、本明細書の付属図面を照会する。
【実施例】
【0028】
図5は、本発明の実施例による、外部絶縁体406に取り付けられた音波圧力センサ501を含む、遮断器開閉モジュール500の横断面部分切り欠き図である。真空遮断器200は、内部絶縁層404及び外部絶縁層406内に収容される。外部絶縁層406は、一般的に、硬質ガラス又はセラミック材料である。内部絶縁層404は、一般的に、発泡タイプの絶縁体である。本実施例では、音波圧力センサ501は、外部絶縁層406に取り付けられ、かつ音波導波管502と、音波送受信器モジュール504と、インタフェース電子モジュール506と、保護ケース508とを備える。音波圧力センサ501は、絶縁層406とポイント510で接する音波導波管502、と結合されたモジュール504内の送信器を介して、高強度の音を外部絶縁層406に入射する。音は、層406及び404を通じて真空遮断器200に送信される。ここで、遮断器200内のさまざまな機械的構造は、送信された音波信号の一部を音波導波管502に反射して戻し、この信号をモジュール504内の受信器に伝達する。音波導波管502の詳細情報については、図11及び12に関する以下の説明を参照する。一般的に、送信(又は「励起」)信号は、第1期間中に生成された後、終了される。次に、モジュール504の受信器は、第1期間の終了直後に続く第2期間中に応答信号を聞き取る。反射応答音波信号の振幅及びタイミングは、遮断器200内のガス圧に依存する。高いガス圧は、音響伝達を促進する一方、深い真空では、音響伝達が止まる。高いガス圧では、送信された音波信号は、より高い強度で遮断器内のより多くの構造コンポーネントに到達し、より多数の反射音波信号をより高い振幅で生成する。低いガス圧では、反射信号は、より少数かつ、より小さな振幅となる。遮断器200内の圧力は、反射音波のスペクトルを分析することにより、判断される。例えば、音波スペクトルは、既知の圧力で一連の遮断器について収集し、基準スペクトルとして電子的に保存できる。実際のスペクトルと保存したスペクトルとの比較により、遮断器内の圧力を導く。
【0029】
上述のプロセスは、一般的に、一定周波数の送信信号を利用する。あるいは、送信音波信号は、周波数を変化させて、遮断器内のさまざまな構造で共振を励起してもよい。応答信号の振幅及び周波数は、ガス圧により影響を受ける。このため、遮断器内の機械構造の振動における共振挙動に影響が生じる。このモードにおいて、受信器は、所定範囲の端から端まで「掃引」されて、送信信号と同じ周波数に「チューニング」される。送信信号の周波数を変化させ、かつ受信器をチューニングする方法は、当業者に周知である。
【0030】
何れの方法も、送信信号の周波数範囲は、20キロサイクル/秒〜5000キロサイクル/秒であり、好ましくは、80キロサイクル/秒〜200キロサイクル/秒である。
【0031】
インタフェース電子モジュール506は、複数の機能を備えてもよい。第1に、インタフェース電子モジュール506は、送受信モジュール504に電力を供給する。この電力は、遮断器開閉モジュール500に接続されたAC主電力線との誘導により導出されてもよい。これは、充分な電流が遮断器の接点を流れ、強い磁界を生じることにより、モジュール506内に収容されたコイルに電流を誘導する場合に、発生し得る。この誘導された電力は、モジュール506及び504における回路の直接的な駆動、又はバッテリー及びコンデンサといったモジュール506内の蓄電デバイスの充電、に使用できる。蓄電デバイスは、遮断器が断続的に使用される場合にのみ、必要とされる。本実施例では、音波圧力センサ501は外部絶縁体406に取り付けられるので、モジュール506に供給される又はモジュール506から抽出される何らかの電圧の絶縁に関しては、あまり考慮しない。結果的に、電力は、外部電源(図示せず)からモジュール506に供給されてもよい。第2に、インタフェースモジュール506は、送受信モジュール504の送信変換器と受信変換器をインタフェースするアナログ増幅及び駆動回路、並びに受信音波信号を判読するために必要なマイクロプロセッサ又は他のデジタル回路を含んでもよい。第3に、モジュール506は、遠隔的に位置する監視ステーション又はシステム(図示せず)と遮断器の圧力状況を通信するために必要なインタフェース回路を含む。この通信は、RS-232、イーサネット(登録商標)、又はツイストペアなどといった従来の有線システム(図示せず)、光ファイバケーブル(図示せず)、若しくはRF IDシステム分野で公知のRF送信器(図示せず)を用いて達成されてもよい。あるいは、モジュール506について上述される機能の一部又はすべてが、遠隔的に位置するパッケージにより、実現されてもよい。このとき、この遠隔的に位置するパッケージは、都合のよい任意手段により音波圧力センサ501に接続される。
【0032】
本発明の1つの利点は、多数の遮断器を低コストで監視できることであり、全開閉ネットワーク内の多数の遮断器の圧力状況を提供できる。継続的な圧力監視は、予防保守の計画を可能にし、規則正しい先見的な措置を提供して、欠陥の可能がある遮断器を、その壊滅的停止前に交換できるようにする。
【0033】
図6は、本発明の実施例による、遮断器200に取り付けられた音波圧力センサ501を含む、遮断器開閉モジュール600の横断面部分切り欠き図である。本実施例では、音波圧力センサ501は、遮断器200の外壁に取り付けられ、かつ電気的に絶縁する音波導波管604と、音波送受信器モジュール504と、インタフェース電子モジュール506と、保護ケース508とを備える。音波圧力センサ501は、遮断器200の壁とポイント602で接する音波導波管604、と結合されたモジュール504内の送信器を介して、高強度の音を遮断器200の外壁に入射する。音は、真空遮断器200に送信される。ここで、遮断器200内のさまざまな機械的構造は、送信された音波信号の一部を音波導波管604に反射して戻し、この信号をモジュール504内の受信器に伝達する。音波導波管604の詳細情報については、図11及び12に関する以下の説明を参照する。
【0034】
図7は、本発明の実施例による、上部電源コネクタ702に取り付けられた音波圧力センサ701を含む、遮断器開閉モジュール700の横断面部分切り欠き図である。本実施例では、音波圧力センサ701は、音波導波管706と、音波送受信器モジュール708と、インタフェース電子モジュール710と、保護ケース712とを備える。音波圧力センサ701は、絶縁体704とポイント714で接する音波導波管706、と結合されたモジュール708内の送信器を介して、高強度の音を上部電源コネクタ702に入射する。
【0035】
必要に応じて、絶縁体704を取り除き、電気的に絶縁する音波導波管706を電源コネクタ702と直接的に接続してもよい。音は、上部導体204(図2を参照)を通じて真空遮断器200に送信される。ここで、遮断器200内のさまざまな機械的構造は、送信された音波信号の一部を音波導波管706に反射して戻し、この信号をモジュール708内の受信器に伝達する。音波導波管706の詳細情報については、図11及び12に関する以下の説明を参照する。送受信器モジュール708は、上述のモジュール504の機能と同様の機能を有する。インタフェース電子モジュール710は、上述のモジュール506の機能と同様の機能を有する。
【0036】
図8は、本発明の実施例による、外部絶縁体406に取り付けられた、代替の音波導波管形状を有する音波圧力センサ801を含む、遮断器開閉モジュール800の横断面部分切り欠き図である。本実施例では、音波圧力センサ801は、外部絶縁層406に取り付けられ、かつ音波導波管802と、音波送受信器モジュール806と、インタフェース電子モジュール804と、保護ケース808とを備える。音波導波管802の詳細情報については、図10に関する以下の説明を参照する。上述の実施例で説明される「ポイント」接触の代わりに、本実施例は、絶縁体406の外部表面と音波導波管802との「ライン接触」810を開示する。音波圧力センサ801は、上述の図5の音波圧力センサ501と同様に動作する。ここで、送受信器モジュール806は、モジュール504の機能と同様の機能を有し、かつインタフェース電子モジュール804は、上述のモジュール506の機能と同様の機能を有する。
【0037】
図9は、本発明の実施例による、遮断器200に取り付けられた、代替の音波導波管形状を有する音波圧力センサ901を含む、遮断器開閉モジュール900の横断面部分切り欠き図である。本実施例では、音波圧力センサ901は、遮断器200の外壁に取り付けられ、かつ電気的に絶縁する音波導波管902と、音波送受信器モジュール904と、インタフェース電子モジュール906と、保護ケース908とを備える。音波圧力センサ901は、遮断器200の壁と912において「ライン」接触する音波導波管902、と結合されたモジュール904内の送信器を介して、高強度の音を遮断器200の外壁に入射する。音波導波管902の詳細情報については、図10に関する以下の説明を参照する。音波圧力センサ901は、上述の図6の音波圧力センサ501と同様に動作する。ここで、送受信器モジュール904は、モジュール504の機能と同様の機能を有し、かつインタフェース電子モジュール906は、上述のモジュール506の機能と同様の機能を有する。
【0038】
本発明の実施例において、この音波導波管は、複数の重要かつ新しい機能を担う。第1に、これらの音波導波管は、市販変換器の音を放射及び受信するほぼ平坦な平面形状を、遮断器及び遮断器開閉モジュールの曲がった円筒形状の外部表面に適応させる。例えば、遮断器の曲がった円筒形状の面に、市販の送受信変換器の円盤形状を取り付ける試みでは、変換器表面の小さな割合で、遮断器と接触する結果になる。このため、送信された音響エネルギーの小さな割合が、遮断器に伝達され、戻り方向の信号に応答する受信器の感度を悪くする結果となり得る。第2に、音波導波管の特定形状は、遮断器に送られる音強度を増幅し、さらに受信器に戻される応答音波信号の感度を増幅する可能性もある。第3に、構成材料は、高電圧にある表面(一般的には、遮断器又はコネクタの表面)と、変換器及び他の低電圧回路との間の電気的な絶縁を提供する可能性がある。
【0039】
図10は、本発明の実施例による、第1例の音波導波管1000の絵画図である。本実施例において、市販の送受信モジュール1004は、音波導波管1000の近位端部にある表面1006に取り付けられる。このモジュール1004は、単一ユニットに統合される音声送信デバイス及び音声受信デバイスを含む。これらのモジュールは、市販で入手可能であり、かつ当業者には周知である。あるいは、表面1006に両方ともマウントされるのであれば、送信器と受信器に別々のデバイスを使用してもよい。表面1006は、モジュール1004の合わせ面を覆うのに充分な幅寸法1012及び長さ寸法1014を有する。一般的に、表面1006の表面積は、できる限り小さく設計されながらも、変換器の合わせ面を覆うものとし、損失を減らし、かつ感度を最大限にする。平坦性、粗度などといった表面特性は、当業者に周知の技術により、モジュール1004の合わせ面と完全な接触を提供するように最適化される。必要な場合、インタフェースグリース又は化合物を、モジュール1004と音波導波管1000との間に配置して、インタフェース損失を最小限にし、かつ音波伝達を促進してもよい。遠位端部1008において、音波導波管の接触面は、長さ寸法1014及び幅寸法1010まで減少し、接触面積は、表面1006の面積よりも大幅に減少する。この接触面は、1002といった円筒形状の表面に適する「ライン接触」を多く提供する。近位端部(表面1006)から遠位端部1008まで表面積を低減することにより、音波導波管1000の音波増幅を提供する。ここで、モジュール1004の送信器部分から放射される音の強度は、接触面(遠位端部)で増強される。同様に、接触面(遠位端部)で受信される音は、近位端部(表面1006)で増幅される。この音波導波管増幅は、音波変換器の感度を増加し、かつ低い圧力レベルの検出を可能にする。
【0040】
音波導波管1000は、良好な音響伝達特性を有する剛体材料で構成される。この材料には、硬質プラスチック、プラスチック複合材、セラミックス、石英、ガラス、金属、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。遮断器モジュールとの接触が外側絶縁面でなされる用途(図5及び8のように)では、金属をその構造に利用してもよい。高電圧の絶縁が必要とされる用途(図6、7及び9のように)では、適切な誘電体が必要とされる。音波導波管は、音響伝達を促進するように設計された特定形状を有する層状材料(図示せず)で構成されてもよい、ことに留意すると有益である。各層は、特定形状を有し、かつ異なる材料で構成されてもよく、音波「レンズ」すなわち焦点効果を提供して、音波導波管内の音響伝達をさらに増幅する。
【0041】
図11は、本発明の実施例による、第2例の音波導波管1100の絵画図である。送受信モジュール1104は、表面1106の近位端部に取り付けられる。表面1106は、モジュール1104の合わせ面を覆うのに充分な幅寸法1114及び長さ寸法1116を有する。遠位端部1108において、音波導波管の接触面は、長さ寸法1112及び幅寸法1110まで減少し、接触面積は、表面1106の面積よりも大幅に減少する。これは、大幅に減少した表面積の表面1102での「ポイント接触」を提供する。近位端部(表面1106)から遠位端部1108まで表面積を低減することにより、音波導波管1100の音波増幅を提供する。ここで、モジュール1104の送信器部分から放射される音の強度は、接触面(遠位端部)で増強される。同様に、接触面(遠位端部)で受信される音は、近位端部(表面1106)で増幅される。
【0042】
音波導波管1100は、良好な音響伝達特性を有する剛体材料で構成される。この材料には、硬質プラスチック、セラミックス、ガラス、金属、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。遮断器モジュールとの接触が外側絶縁面でなされる用途(図5及び8のように)では、金属をその構造に利用してもよい。高電圧の絶縁が必要とされる用途(図6、7及び9のように)では、適切な誘電体が必要とされる。音波導波管は、音響伝達を促進するように設計された特定形状を有する層状材料(図示せず)で構成されてもよい、ことに留意すると有益である。各層は、特定形状を有し、かつ異なる材料で構成されてもよく、音波「レンズ」すなわち焦点効果を提供して、音波導波管内の音響伝達をさらに増幅する。
【0043】
図12は、本発明の実施例による、第3例の音波導波管1200の絵画図である。送受信モジュール1204は、表面1206の近位端部に取り付けられる。表面1206は、直径寸法1210を有し、ほぼ円形となる。遠位端部1208において、音波導波管の接触面は、直径寸法1212まで減少する。これは、大幅に減少した表面積の表面1202での「ポイント接触」を提供する。近位端部(表面1206)から遠位端部1208まで表面積を低減することにより、音波導波管1200の音波増幅を提供する。ここで、モジュール1204の送信器部分から放射される音の強度は、接触面(遠位端部)で増強される。
【0044】
同様に、接触面(遠位端部)で受信される音は、近位端部(表面1206)で増幅される。
【0045】
音波導波管1200は、図10及び11で前述される材料で構成される。
【0046】
図10、11及び12で開示される特定の実施例は、単なる例であり、近位端部及び遠位端部の異なる配列も適当であることは、通常の当業者には明らかなはずである。例えば、矩形の近位端部表面は、円形又は楕円形の遠位端部表面と組み合わせてもよいし、その逆の組み合わせでもよい。音波導波管のすべての実施例において要求される重要な条件は、近位端部の表面積(送受信モジュールに取り付く)が、遠位端部の表面積(遮断器又は遮断器モジュールに取り付く)よりも大きいことである。上述の音波圧力変換器の用途が、遮断器内の圧力を判断する以外にも、本発明の実施例を外面に取り付けることができれば、閉ざされた任意の容器又はデバイス内側の圧力を判断することにも拡張できることは、通常の当業者には明らかなはずである。
【0047】
図13は、本発明の実施例による、遮断器内の低圧を測定する音波圧力センサの送信1306及び受信1308〜1314の信号例のチャート1300である。チャート1300において、送信1302とラベルした第1期間は、送受信モジュールから音波導波管を通じて遮断器に送られる励起すなわち送信超音波の例を示す。送信信号は、送信1302期間の最後で、瞬時に終了し、送受信モジュールは、受信1304とラベルした後続期間中、応答音波信号を「聞き取る」。応答音波信号成分の例を、項目1308〜1314として示す。低圧において、これらの信号成分は、高圧で受信される信号成分よりも、少数かつ低振幅になる(以下の図14を参照)。特定の各遮断器構成は、一意な音波応答信号成分一式を有し、この音波応答信号成分一式は、デバイス内の圧力の関数として変化する。この音波特徴の分析により、遮断器内の圧力レベルを判断する。
【0048】
図14は、本発明の実施例による、遮断器内の高圧を測定する音波圧力センサの送信1306及び受信1402〜1412の信号成分例のチャート1400である。高圧において、図13の低圧例よりもかなり多くの応答信号成分1402〜1412が存在し、かつ各信号は、概ね高振幅である。
【0049】
図15は、本発明の実施例による、発電及び配電系統のブロック図1500である。このブロック図は、完全な電力配電ネットワークの簡略版であるが、本発明の関連特徴を図解するのに有用である。ブロック図は、3つの主要コンポーネント:発電源1502〜1510と、開閉及び送電ネットワーク1512と、複数のエンドユーザ1514とに分割される。これらの各主要コンポーネントは、その構造内で利用される多数の遮断器開閉モジュールを備える(明解にするため図示せず)。電力発電源の例には、原子力1502と、化石燃料(石炭及び天然ガスを含む)1504と、太陽1506と、風力1508と、水力発電1510とを含む。発電複合施設を意味するこれらの電力発電源内には、多数の開閉デバイスが利用されており、少なくともその一部は、真空遮断器である。開閉及び送電ネットワーク1512は、電源と末端顧客1514をインタフェースする。その性質上、ネットワーク1512は、多数の開閉デバイスを利用し、その大多数は、真空遮断器である。エンドユーザ及び顧客1514は、それらの施設においても電力開閉デバイスを利用する。
【0050】
図16は、本発明の実施例による、電力の発電及び配電方法のブロック図1600である。第1ステップ1602において、電力は、発電施設で生成される。発電施設内に存在するさまざまな真空遮断器モジュールに取り付けられた音波圧力センサは、ステップ1610で監視される。1つ又は複数の遮断器の圧力が、プリセット値を超える場合、アラームが、ステップ1612で発せられて、欠陥のある遮断器は、ステップ1614で交換される。ステップ1604において、電力は、配電及び開閉ネットワークに送電される。配電ネットワーク内に存在するさまざまな真空遮断器モジュールに取り付けられた音波圧力センサは、ステップ1620で監視される。1つ又は複数の遮断器の圧力が、プリセット値を超える場合、アラームが、ステップ1622で発せられて、欠陥のある遮断器は、ステップ1624で交換される。ステップ1606において、電力は、配電及び開閉ネットワークから末端顧客に送電される。エンドユーザ施設内に存在するさまざまな真空遮断器モジュールに取り付けられた音波圧力センサは、ステップ1630で監視される。1つ又は複数の遮断器の圧力が、プリセット値を超える場合、アラームが、ステップ1632で発せられて、欠陥のある遮断器は、ステップ1634で交換される。
【0051】
図17は、本発明の実施例による、音波センサを使用する遮断器圧力の測定方法のブロック図1700である。ステップ1702において、励起信号1306は、真空遮断器内に送信される。ステップ1704において、応答信号が、受信される。1706において、応答信号は、1つ又は複数の基準信号と比較される。ステップ1708において、遮断器内の圧力が、応答信号と基準信号の比較から推定される。ステップ1710において、測定された圧力は、所定値と比較される。この圧力が、所定値を超える場合、アラームが、ステップ1712において発せられる。この圧力が、所定値よりも低い場合、監視を継続して、新しい励起信号が、ステップ1702において送信される。
【0052】
本発明は、これまで説明した前述の実施例又は例により制限されるものでない。むしろ、本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲及びそれらと同等なものを合わせて考慮し、この明細書により定義される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】(従来技術)真空遮断器の第1例の横断図面である。
【図2】(従来技術)真空遮断器の第2例の横断図面である。
【図3】(従来技術)真空遮断器を含むVBM(真空ブレーカモジュール)の一例の部分切り欠き図である。
【図4】(従来技術)真空遮断器を含むVSV(Versa-Vac)コンデンサ開閉モジュールの一例の横断面図である。
【図5】本発明の実施例による、外部絶縁体に取り付けられた音波圧力センサを含む、遮断器開閉モジュールの横断面部分切り欠き図である。
【図6】本発明の実施例による、遮断器に取り付けられた音波圧力センサを含む、遮断器開閉モジュールの横断面部分切り欠き図である。
【図7】本発明の実施例による、上部電源コネクタに取り付けられた音波圧力センサを含む、遮断器開閉モジュールの横断面部分切り欠き図である。
【図8】本発明の実施例による、外部絶縁体に取り付けられた、代替の音波導波管形状を有する音波圧力センサを含む、遮断器開閉モジュールの横断面部分切り欠き図である。
【図9】本発明の実施例による、遮断器に取り付けられた、代替の音波導波管形状を有する音波圧力センサを含む、遮断器開閉モジュールの横断面部分切り欠き図である。
【図10】本発明の実施例による、第1例の音波導波管の絵画図である。
【図11】本発明の実施例による、第2例の音波導波管の絵画図である。
【図12】本発明の実施例による、第3例の音波導波管の絵画図である。
【図13】本発明の実施例による、遮断器内の低圧を測定する音波圧力センサの送信及び受信の信号例のチャートである。
【図14】本発明の実施例による、遮断器内の高圧を測定する音波圧力センサの送信及び受信の信号例のチャートである。
【図15】本発明の実施例による、発電及び配電系統のブロック図である。
【図16】本発明の実施例による、電力の発電及び配電方法のブロック図である。
【図17】本発明の実施例による、音波センサを使用する遮断器圧力の測定方法のブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
200 真空遮断器
404 内部絶縁層
406 外部絶縁層
500、600、700、800、900 遮断器開閉モジュール
501、701、801、901 音波圧力センサ
502、604、706、802、902、1000、1100、1200 音波導波管
504、708、806、904 音波送受信器モジュール
506、710、804、906 インタフェース電子モジュール
508、712、808、908 保護ケース
510、602、714 ポイント
702 電源コネクタ
704 絶縁体
810、912 ライン接触
1002 円筒形状の表面
1004 送受信モジュール
1006 表面
1008 遠位端部
1010、1012、1110、1114 幅寸法
1014、1112、1116 長さ寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気デバイス内の高圧状態を検出する装置であって、
近位端部と遠位端部を有する音波導波管と、
当該近位端部に第1面を有する当該音波導波管と、
当該遠位端部に第2面を有する当該音波導波管と、
当該第2面より広い面積を有する当該第1面と、
当該電気デバイスと音波で結合された当該第2面と、
当該第1面と音波で結合された音波送信デバイスと、
当該第1面と音波で結合された音波受信デバイスと、
を備える、装置。
【請求項2】
当該音波導波管が、電気的に絶縁する材料で基本的に構成される、請求項1の装置。
【請求項3】
当該音波導波管が、硬質プラスチック、プラスチック複合材、セラミックス、石英及びガラスで構成されるグループから選択される、請求項2の装置。
【請求項4】
当該音波導波管が、金属を含む、請求項1の装置。
【請求項5】
当該第1面及び当該第2面が、矩形である、請求項1の装置。
【請求項6】
当該第1面及び当該第2面が、正方形である、請求項5の装置。
【請求項7】
当該第1面及び当該第2面が、楕円形である、請求項1の装置。
【請求項8】
当該第1面及び当該第2面が、円形である、請求項7の装置。
【請求項9】
当該電気デバイスが、外部表面を有する電気絶縁層内に閉ざされた真空遮断器を備え、
当該音波導波管の当該第2面が、当該絶縁層の当該外部表面と音波で結合される、請求項1の装置。
【請求項10】
当該電気デバイスが、外部表面を有する真空遮断器を備え、
当該音波導波管の当該第2面が、当該真空遮断器の当該外部表面と音波で結合される、請求項1の装置。
【請求項11】
インタフェース電子モジュールをさらに備え、
当該インタフェース電子モジュールが、当該音波送信デバイス及び当該音波受信デバイスと電気的に結合される、請求項1の装置。
【請求項12】
当該インタフェース電子モジュールが、当該電気デバイスを流れる電流から電力を導出し、かつ
当該インタフェース電子モジュールが、当該音波送信デバイス及び当該音波受信デバイスに電力を供給する、請求項11の装置。
【請求項13】
当該インタフェース電子モジュールが、当該電気デバイスの圧力状況を送信するための通信手段を備える、請求項11の装置。
【請求項14】
電気デバイス内の高圧状態を判断するための方法であって、
音波導波管を介して当該電気デバイスに励起音波信号を送信し、
当該励起音波信号の送信に続いて、当該音波導波管を介して当該電気デバイスから応答音波信号を受信し、
当該応答音波信号に基づいて当該電気デバイス内の圧力を判断し、
当該電気デバイス内の当該圧力が所定値を超える場合、アラーム信号を発する、
ことを含む、方法。
【請求項15】
当該音波導波管が、
近位端部及び遠位端部を有する細長い部材と、
第1面を有する当該近位端部と、
第2面を有する当該遠位端部と、
当該第2面より広い面積を有する当該第1面と、
当該電気デバイスと音波で結合された当該第2面と、
を備える、請求項14の方法。
【請求項16】
当該励起音波信号が、当該音波導波管を介して送信される際に増幅される、請求項15の方法。
【請求項17】
当該応答音波信号が、当該音波導波管を介して受信される際に増幅される、請求項15の方法。
【請求項18】
当該電気デバイスが、外部表面を有する電気絶縁層内に閉ざされた真空遮断器を備え、
当該音波導波管の当該第2面が、当該絶縁層の当該外部表面と音波で結合される、請求項15の方法。
【請求項19】
当該電気デバイスが、外部表面を有する真空遮断器を備え、
当該音波導波管の当該第2面が、当該真空遮断器の当該外部表面と音波で結合される、請求項15の方法。
【請求項20】
当該送信音波信号が、20〜5000キロサイクル/秒である、請求項14の方法。
【請求項21】
当該送信音波信号が、80〜200キロサイクル/秒である、請求項20の方法。
【請求項22】
当該電気デバイス内の当該圧力の判断が、当該応答信号と基準信号との比較を含む、請求項14の方法。
【請求項23】
当該応答信号と当該基準信号との比較が、
当該応答信号における信号成分の数及び振幅と、当該基準信号における信号成分の数及び振幅との比較、
を含む、請求項23の方法。
【請求項24】
電気デバイス内の高圧状態を判断する装置であって、
音波導波管を介して当該電気デバイスに励起音波信号を送信するコンポーネントと、
当該励起音波信号の送信に続いて、当該音波導波管を介して当該電気デバイスから応答音波信号を受信するコンポーネントと、
当該応答音波信号に基づいて当該電気デバイス内の圧力を判断するコンポーネントと、
当該電気デバイス内の当該圧力が所定値を超える場合、アラーム信号を発するコンポーネントと、を備える、装置。
【請求項25】
当該音波導波管が、
近位端部及び遠位端部を有する細長い部材と、
第1面を有する当該近位端部と、
第2面を有する当該遠位端部と、
当該第2面より広い面積を有する当該第1面と、
当該電気デバイスと音波で結合された当該第2面と、
を備える、請求項24の装置。
【請求項26】
当該励起音波信号が、当該音波導波管を介して送信される際に増幅される、請求項25の装置。
【請求項27】
当該応答音波信号が、当該音波導波管を介して受信される際に増幅される、請求項25の装置。
【請求項28】
当該電気デバイスが、外部表面を有する電気絶縁層内に閉ざされた真空遮断器を備え、
当該音波導波管の当該第2面が、当該絶縁層の当該外部表面と音波で結合される、請求項25の装置。
【請求項29】
当該電気デバイスが、外部表面を有する真空遮断器を備え、
当該音波導波管の当該第2面が、当該真空遮断器の当該外部表面と音波で結合される、請求項25の装置。
【請求項30】
当該送信音波信号が、20〜5000キロサイクル/秒である、請求項24の装置。
【請求項32】
当該送信音波信号が、80〜200キロサイクル/秒である、請求項30の装置。
【請求項33】
当該電気デバイス内の当該圧力を判断するコンポーネントが、当該応答信号と基準信号とを比較する、請求項24の装置。
【請求項34】
当該電気デバイス内の当該圧力を判断する当該コンポーネントが、
当該応答信号における信号成分の数及び振幅と、当該基準信号における信号成分の数及び振幅とを比較する、
請求項33の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−510438(P2009−510438A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533442(P2008−533442)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/036621
【国際公開番号】WO2007/040990
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(506386239)ジェニングス テクノロジー (2)
【Fターム(参考)】