説明

眼球治療装置及び方法

【解決手段】本発明は最小限に浸入型の手術の実施に眼球の上脈絡膜腔に外科的にアクセスする方法、又は眼球に薬品を配達するツール、物質、及びそれに関連した方法を提供するものである。本発明は上に重なる組織の小さい切開の切り口(12A)を通して上脈絡膜腔(12、14)へと位置され、この腔内の適当な領域まで進行させられ、そして用具の遠方先端に隣接した組織の治療に活性化することが出来る屈曲性マイクロカニューレ又はマイクロカテーテルを提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[他の出願との関係]
本出願は2009年10月30日に提出された”APPARATUS AND METHOD FOR OCULAR TREATMENT”と題する米国特許出願12/609,345号に基づいて優先権を主張するものであり、上記文献に於ける内容の全体はすべての目的に於いて本願に合同されるものとする。
【背景技術】
【0002】
眼球は複雑な器官であり、視覚のための光学的及び神経学的プロセスを供する各種の特殊組織をもつものである。これらの組織はサイズが小さくてデリケートであるため、医療のために眼球にアクセスすることは難しい。視力保全のため、手術用のアクセスで視覚軸内の組織の光学的清澄度及び配列が影響されてはならない。更に眼球は免疫学的に特権的であり、殊に眼球内空間が病原体及び外傷の両方でチャレンジされる場合厳しい感染に敏感となる。外傷及び病原体の導入を最小化するために、眼球の組織へのアクセス及び治療のため、最小限に浸入型の手術の方法が要求されている。手術において眼球が切開されると視覚に関与する組織の配列が影響され、その結果その後の手術をより難しいものにする瘢痕化が起こりやすい。最小限に浸入型の手術の方法は視覚軸内の組織の光学的配列変化の可能性を最小化するのに有用である。更に、最小限に浸入型の手術の方法によれば、小さな切開も可能となり、瘢痕化も限定されてその後の外科手続きが実施される。
【0003】
眼球内には前方と後方とチャンバが二つあり、その中へ小さい切開により手術用具が差し込まれ、手術用顕微鏡を通して外科医の直接の視覚によって操作される。白内障の治療には小さな切開が角膜を通して行われ、適当な大きさの手術用具が挿入されて前方チャンバの内部で使用される。前方チャンバは手術用顕微鏡を通して直接観察できるが、周辺部は更に隅角プリズムレンズを使用して観察される。最小的に浸入型の方法は網膜の手術に使用され、これには強膜の扁平部内の小さい切開により眼球の後方チャンバへ用具が導入される。角膜と手術用顕微鏡のレンズによる直接の視覚化により、外科医は用具を使用して網膜や網膜黄斑の治療が出来る。中央部と後方の網膜は直接観察され、周辺部は広角又はプリズム型レンズを更に使用することで観察される。
【0004】
眼球には眼球の組織層の間に二つの仮想空間があり、これは強膜と下地脈絡膜(又は葡萄膜)の間の上脈絡膜腔、及び、外部テノンのカプセル(帯状シース又は眼球鞘)と下地強膜の間のテノン下空間とである。これらの空間は通常開いて居らず、外傷、病気、又は医療のための流体注入によって空間となるものである。上脈絡膜腔の腐食標本を使用する研究によると、相対する組織層が下部構造の近くの空間の前方領域の毛様体からの接続容器及び渦静脈近くの後方境界を除いては接続されて居ないことが異常である。テノン下空間は下地強膜との繊維状接続を有し、その結果、殊に筋肉挿入の近くの領域で密着性が高いことが知られている。
【0005】
本発明は顕微手術用具、及びその使用方法,殊に上脈絡膜腔内部から眼球への最小限に浸入型の外科的アクセスを可能とする屈曲性顕微手術用具に関するものである。上脈絡膜腔は眼球の眼球内圧力による二つの組織の近接した並置により強膜と脈絡膜の間に出来る可能性のある空間である。上脈絡膜腔はデリケートな性質であり、多くの脈絡膜血管に近接しているが、本発明はこの上脈絡膜腔の中に置かれて安全であり、毛様体に近接する領域の前方のみならず、網膜及び視神経の部分の後方で操作可能な屈曲性のあるカテーテル状用具を提供するものである。このような用具は緑内障の治療において水分の流出を増加するため葡萄膜強膜排水流路を外科的に処理するため、網膜分離の治療で止血剤を配達するため、網膜黄斑退化の治療に網膜黄斑又は維管束走向を外科的に処理するため、及び網膜黄斑退化又は視神経傷害の治療に眼球の後方組織に薬剤を配達するためなどに使用可能である。この装置は隣接した血管の脈絡膜及び上脈絡膜腔内の血管への傷害の可能性を最小化するために所望の屈曲性を達成するようにされる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、近端部及び遠端部を有し、眼球の上脈絡膜腔内のアクセス及び前進用の複合的マイクロカニューレ用具又はマイクロカテーテル用具を提供するものであって、これは外径が約1000ミクロン以下であり、曲げ弾性率が約5.16E−9kNm2以下、典型的には約1.02E−9kNm2以下であり、眼球の上脈絡膜腔内に収まるように構成された屈曲性の筒状シース;物質及び上記近端部を通過するツールの導入及び除去用に構成された近方集合体;及び上記遠端部にあり、眼球の内部の上記遠端部を位置づけるための、視覚的又は非侵入的結像処理で検出可能な信号生成ビーコンとから成る用具である。この屈曲性の筒状シースの外径の有用的な範囲は約100から500ミクロンである。マイクロカニューレ用具又はマイクロカテーテル用具の屈曲性筒状シースは上脈絡膜腔内部から眼球への最小的浸入型の外科的アクセスを可能とするように構成されたものである。
【0007】
信号生成ビーコンは挿入組織を通して外部で可視である強度の可視光を発するように構成されたものでもよく、又は超音波結像処理、光学的コヒーレンス断層撮像処理、又は検眼処理のような非侵入型結像処理で識別可能なマーカーから成るものであってもよい。マーカーは例えば光学コントラストマーカーから成るものであってもよい。ビーコンは遠端部から用具の軸より約45と約135度の間の角度で、所望の組織の治療領域と完全に一致した照明を提供するものであってよい。
【0008】
筒状シースは12から15mmの範囲の径で湾曲するものであってもよく、又は配置及び位置の判断を援助するように可視的又は非侵入型結像処理で検出可能な少なくとも一個の追加的信号生成ビーコンを供するものであってもよい。典型的に、シースは滑り易い外面コーティングから成るものであってよく、又、非外傷性の遠方頂点から成るものであってよい。湾曲していても、適当に屈曲性であっても、用具は脈絡膜やその他の組織を傷つけたり不当に膨張を起こしたりせず、上脈絡膜腔へとの前方切開から安全に眼球の後方領域に至る最小の長さが約20から30mmの範囲であることが好ましい。
【0009】
用具は上脈絡膜腔の内部又はそれに隣接した組織の結像処理のための光学繊維、及び上脈絡膜腔の内部又はそれに隣接した血管を治療するためのエネルギー発射源から成るものであってよい。この発射源は例えばレイザー光、熱エネルギー、超音波、又は電気エネルギーを放射可能なものであり、組織の標的化を容易にするため、ビーコンの位置に配列されるのが好ましい。
【0010】
用具は遠端部に配達可能であるインプラントから更に成るものであってよく、このインプラントは空間維持物質又は薬品から成るものであってよい。
【0011】
用具は更に遠端部に配達可能である徐放薬剤形態を有するものであってよい。
【0012】
本発明の別の実施形態の場合、用具は更に近端部及び遠端部を有する内部部品から成り、この内部部品はシースの内部を滑れるように合った寸法であり、この内部部品の遠端部は用具の遠端部の一つ以上の開口を通して眼球の組織処理のために構成されたものである。内部部品の遠端部は組織の切開、剪断、切除、又は除去用に構成されたものでよい。内部部品は多腔型のチューブ及び/又は光学繊維から成るものでよい。或る実施形態の場合、内部部品は12から15mmの範囲の径で湾曲するものでよい。内部部品は屈曲性重合体又はワイヤやケーブルのような屈曲性構成の、例えばスチール、ニッケルチタン合金、又はタングステンのような金属から成るものでよい。屈曲性筒状シース及び屈曲性内部部品の屈曲性剛性は約5.16E−9kNm2以下の屈曲度で定義される。屈曲性剛性度は約1.02E−9kNm2以下が有用である。
【0013】
本発明の別の実施形態の場合、眼球の後方領域へ流体又はその他の物質を配達するための眼球の上脈絡膜腔内の移植用用具が提供され、この用具は近端部及び遠端部を有し、外径が約1000ミクロン以下であり、屈曲性剛性度は約5.16E−9kNm2以下の屈曲度で定義され、典型的に約1.02E−9kNm2以下であり、眼球の上脈絡膜腔内に収まるように構成された屈曲性の筒状シース;及び上記用具への流体又は物質の注入を受けることが可能なセルフシールの近方備品から成り、このシースの遠端部が用具から眼球へ流体を解放するように構成されたものである。この屈曲性筒状シースの外径の範囲は約100から500ミクロンであることが有用である。
【0014】
この用具は移植の間上脈絡膜腔内の遠端部を位置づけるため信号生成ビーコンから更に成るものであってよく、信号生成ビーコンは視覚的又は非侵入的結像処理で検出可能である。この用具は遠端部から流体を徐々に解放するように構成されたものであってよい。
【0015】
本発明は別の実施形態の場合、眼球の上脈絡膜腔を治療する方法を提供するものであって、この方法は、
(a)近端部及び遠端部を有し、外径が約1000ミクロン以下であり、屈曲性剛性度が約5.16E−9kNm2以下の屈曲度で定義され、典型的に約1.02E−9kNm2以下であり、非外傷性である遠方先端を有する屈曲性の筒状シースを上脈絡膜腔に挿入する工程;
(b)このシースを上脈絡膜腔の前方領域へ前進させる工程;及び
(c)遠端部からエネルギー又は物質を配達して眼房水の排水用空間を形成する工程とから成るものである。
このエネルギーは、遠端部の近隣の強膜組織の治療又は除去に十分である機械的、熱、レイザー、又は電気エネルギーから成るものであってよく、物質とは空間維持物質から成るものであってよい。
【0016】
本発明は別の実施形態の場合、眼球の後部領域を治療する方法を提供するものであって、この方法は、
(a)近端部及び遠端部を有し、屈曲性剛性度が約5.16E−9kNm2以下の屈曲度で定義され、典型的に約1.02E−9kNm2以下であり、外径が約1000ミクロン以下である屈曲性の筒状シースを上脈絡膜腔に挿入する工程;
(b)上記シースを上脈絡膜腔の後方領域へ前進させる工程;及び
(c)網膜黄斑、網膜、視神経、又は脈絡膜の治療に十分なエネルギー又は物質を上記遠端部から配達する工程とから成るものである。
このエネルギーは、遠端部の近隣の組織の治療に十分である機械的、熱、レイザー、又は電気エネルギーから成るものであってよく、物質は薬品又は薬品とヒアルロン酸から成るものであってよい。薬品は神経保護剤、血管新生阻害剤、及び/又は抗炎剤から成るものであってよく、抗炎剤の典型的な例にはステロイドがある。
【0017】
本発明は別の実施形態の場合、眼球の上脈絡膜腔内又はそれに隣接する組織を治療する方法を提供するものであって、この方法は、
(a)近端部及び遠端部を有し、屈曲性剛性度が約5.16E−9kNm2以下の屈曲度で定義され、典型的に約1.02E−9kNm2以下であり、約1000ミクロン以下の外径を有し、非外傷性である遠方先端及び光繊維を有して上記遠方先端に隣接する組織の検出をする屈曲性の複合的マイクロカニューレ用具を上脈絡膜腔に挿入する工程;
(b) 上記用具を上脈絡膜腔の後方領域へ前進させる工程;
(c) 上脈絡膜腔内の組織を検出し特徴付けして対象組織を同定する工程;及び、
(d) エネルギーを上記遠端部から配達して上記対象組織を治療する工程とから成るものである。
このエネルギーは、レイザー光、熱、超音波、又は電気エネルギーから成るものであってよく、対象組織の典型的な例は血管である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による屈曲性マイクロカニューレ用具の図である。
【図2】本発明による強化材を伴うマイクロカニューレ用具の図である。
【図3】本発明による信号生成ビーコンを遠方先端に有するマイクロカニューレ用具の図である。
【図4】眼球の上脈絡膜腔内における本発明によるマイクロカニューレ用具を示す。
【図5】眼球の上脈絡膜腔内に位置され、眼球の後方部に配達された装薬を受ける本発明によるマイクロカニューレ用具を示す。
【図6】例3で試験された7個の物質の脈絡膜のゆがみに対する曲げ弾性率のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は眼球の最小限浸入型の手術又は眼球へ無菌の物質又は薬品を配達するため、眼球の上脈絡膜腔に外科的にアクセスするツール、物質、及びそれに関する方法を提供するものである。殊に、本発明は上に重なった組織を小さく切開することによって上脈絡膜腔内に位置され、その空間内の適当な領域へと操作され、その後用具の遠方先端に隣接する組織の治療に活性化されるような屈曲性マイクロカニューレ又はマイクロカテーテルを提供するものである。この用具には、その長手方向に沿った領域に隣接する組織を治療する特性も含まれる。本発明により達成される治療には隣接する組織の機械的モディフィケーション、隣接する組織ヘのエネルギーの配達、用具の遠端部から充填剤、薬品、又は薬品配達物質の配達、又はインプラントの配達が含まれる。
【0020】
図1に示したように、ここに示されるマイクロカニューレ用具は近端部におけるコネクター2、遠方先端3、及び通路チャネル4を有する筒状シースの形態である屈曲性長手部品1から成る。この通路チャネル4は、種々のタスク用に流体、薬品、物質、エネルギー、ガス、吸引、外科用ツール、及びインプラントなどをマイクロカニューレ又は近端側コネクターから配達するのに使用可能である。この通路チャネル4は物質を搬送する筒状長手部品の内腔、光エネルギーを搬送する光学繊維、又は電気信号を伝達するワイヤを用いることができる。本発明のマイクロカニューレは各々が一本以上の通路チャンネルを有する二本以上の長手部品から成るものとしてもよい。一実施形態の場合のマイクロカニューレは強化材を有する二本以上の長手部品から成り、複合的構成をなすものである。部品は接着されても、同軸的に入り子にされても、又は熱収縮管の場合のように外部シースの内部に入れられてもよい。部品の中の一本を物質の搬送に使用し、他の一本を光又はエネルギーの搬送に使用して多機能の外科用ツールとしてもよい。
【0021】
長手部品の各々は上脈絡膜腔内を進行できるように薄壁で硬度が十分の重合体又は金属から成るものでよいが、最小限浸入型外科的挿入を可能とし、高度に血管性である下地の脈絡膜のような隣接組織の損傷を最小化又は回避するために十分な屈曲性が必要である。近端側のコネクター2は取り付け又は二次的部品の導入のためルアー型又は同様なシステムであってもよく、又は、特殊な部品への取り付け用に設計されてもよい。マイクロカニューレ用具によって占有される上脈絡膜腔のサイズを最小化するため、適当なサイズであることが必要である。用具は約1000ミクロンまでの外径でよい。典型的にマイクロカニューレ用具は外径を約50から約100ミクロン(0.0019−0.089インチ)の範囲とし、壁の厚さは約10−200ミクロンからである。マイクロカニューレ又はマイクロカテーテルは、組織に過度の外傷を与えないよう、眼球の球体に沿って後方に進行されるに従って球体周辺に沿うように、外径が適当であるのみか、屈曲剛性が適当でなくてはならない。約100から500ミクロンの外径が有用である。曲げ弾性率で定義される屈曲剛性は約5.16E−9kNm2以下、殊に約1.02E−9kNm2以下であることが本発明において有用である。マイクロカニューレ用具の断面は上脈絡膜腔の形状に近似させて円形又は卵型とすることができる。
【0022】
一実施形態の場合、マイクロカニューレ用具には12から15mmの範囲である眼球の湾曲に近似させて既定の湾曲が与えられてよい。マイクロカニューレの長さは前方のアクセス点から上脈絡膜腔の後部領域に至る約20から30mmが好適である。長手部品に好適な物質には金属、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のような重合体,ポリイミド、ポリアミド、又はポリエーテルブロックコポリアミド(Pebax)、ポリスルホン、フルオロ重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、又は同様な物質が含まれる。シースに好適な物質にはポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はフルオロ重合体のような屈曲性重合体が含まれる。マイクロカニューレ用具は更に滑性コーティング又は上脈絡膜腔の深さ査定のための外部マーキングのような表面処理から成るものとすることができる。
【0023】
一実施形態の場合、マイクロカニューレは近端部及び遠端部先端を有し、長手方向を有する部品の内部を滑れるように合った寸法である内部部品から成るものである。この内部部品を前進又は後進させることでマイクロカニューレの遠端部先端の形状が変化されたり、又は組織を操作したりインプラントを配達したりするため、遠端部先端の機械的行動が実施されてよい。
【0024】
本発明のマイクロカニューレは上脈絡膜腔に挿入され、そこで操作される特性を有するものである。軸方向の硬度とコンプライアンスの適度の組み合わせを有することが主特性の一つである。この達成のため、図2を参照し、長手部品6に付けられた強化部品5を使用して部品6の全体的壁の厚みを減少して通路チャネルの断面寸法を最大化することが必要かもしれない。強化部品はステンレススチール、チタン、コバルトクロム合金、タングステン及びニッケルチタン合金、セラミック繊維、及び高強度の重合体複合物のような高硬率の物質から成るものでよい。強化部品はワイヤ、コイル、及びそれに類似した構成を用いることができる。強化部品又は複合部品はマイクロカニューレに所望の偏向方向を供するように構成されてもよい。強化部品は更に外科医の所望の幾何学的形状を得るために例えば金属のような展性のある物質を用いることができる。
【0025】
上脈絡膜腔内での使用を最適にするため、マイクロカニューレの遠端部は屈曲性であるが、近端部に向かってより剛性なコンプライアンスへの変遷があってもよい。この変遷は機械的コンプライアンスにおける一段又は二段であってもよく、マイクロカニューレの長手方向に沿ったコンプライアンスの勾配から成るものであってもよい。用具の遠方先端は非外傷性であることが好ましい。上脈絡膜腔内を用具が前進する時に組織が傷つけられない様に、遠方先端は丸みの形状、長手の筒状部品の軸径より大きい丸みの先端を有するものでよく、又は高度に屈曲性である物質から成るものとすることができる。外科医がマイクロカニューレを上脈絡膜腔内に位置させながら操作出来るように、マイクロカニューレには更にその遠方先端の形状及び方向を変えるためその長さに沿った機械的部品が含まれてよい。
【0026】
この用具の重要な特徴は、外科医の手引きを可能とするため上脈絡膜腔で可視化される特性である。高周波超音波結像、光学コヒーランス断層写真術(OCT),又は間接検眼法のような高解像度の非侵入型医学的結像処理が本発明のマイクロカニューレと関連して使用されてよい。用具の挿入のため、組織の上に重なる好適な無血管領域を決定すべく、患者の眼球が結像処理を受けてよい。外傷の可能性を最小限度にとどめるため、マイクロカニューレ用具の挿入又は前進に最適な領域を決定するように上脈絡膜腔の結像処理も成されてよい。超音波又は光学的コントラスト剤を使用すると、上脈絡膜腔に直接又は対象物に組織的に与える場合でも、結像処理が容易になる。物質の選択及び遠端部における及びマイクロカニューレ用具の長手方向に沿ったコントラストマーカーの使用によって、用具の所望結像特性が提供され、画像ガイダンスが容易となる。
【0027】
生体位のマイクロカニューレの可視化は上脈絡膜腔内に位置されたエンドスコープによる直接結像処理によっても達成可能である。屈曲性のエンドスコープはマイクロカニューレが進行するに従ってその追跡に使用可能である。エンドスコープはマイクロカニューレと同様な寸法で構成されるべきものであり、マイクロカニューレに関連して使用される別個の用具、叉はマイクロカニューレの一部として構成されてよい。本発明の一実施形態の場合、光学繊維束又は屈折率分布レンズ結像ロッドのような結像素子が長手部品と同軸に構成され、卵形の断面を有する用具が形成される。上脈絡膜腔の形状の理由により、組み合わせの長軸は前進して居る間強膜及び脈絡膜組織の表面と並行に維持されて居る限り短軸より有意義的に大きな寸法とすることができる。
【0028】
マイクロカニューレに含まれる信号発信ビーコンは用具のガイダンスを向上するものである。図3において、マイクロカニューレ9は対象組織に対するマイクロカニューレの遠方先端8の位置を同定するための信号ビーコン7を備えている。この信号ビーコン7は外科処理を導くのに使用される医学結像テクニクとコンパチブルなものであってもよく、外科医による直接可視化用に作成されてもよい。例えば、この信号ビーコン7は超音ガイダンス用のエコー源性物質、光学ガイダンス用の光学的活性物質、又は視覚ガイダンス用の光源から成るものでよい。
【0029】
一実施形態の場合、用具の屈曲性を維持したまま遠方先端8に強度の可視光源を供するため、プラスティク光学繊維(POF)が使用されてもよい。POFの遠方先端はマイクロカニューレのシースの端部の近辺又はそれを越えて位置され、発射された信号は眼球外部の強膜組織を通し、又は脈絡膜と瞳孔開口を通して視覚的に検出可能である。このような信号ビーコンにより、遠端部は外科医によって上脈絡膜腔内に位置され、叉視覚ガイダンスによって強膜を通して正当な導入及び位置づけを確認しながら前進させられる。マイクロカニューレは次いで直接の可視化のもとに上脈絡膜腔の内部を所望の組織治療の領域へ前進させられる。
【0030】
眼球の後部の治療の場合、信号ビーコンは瞳孔開口を通して可視化され、所望の領域に導かれてよい。POFは方向性ビーコンとするために斜角をつける、鏡映をつくる、又はその他の操作によって構成された先端を有するものとすることができる。方向性ビーコンは用具の遠端部から組織治療の方向及び領域に配列するようにマイクロカニューレの軸より約45から約135度の範囲に構成されてよい。ビーコンはレイザー、レイザーダイオード、発光ダイオード、又は水銀ハロゲンランプのような白熱光源などのような光源10で照射されてよい。ビーコンは更にマイクロカニューレの方向を示して位置づけを容易にするためマイクロカニューレの長手方向に沿って延長したものでよい。マイクロカニューレ用具は用具の遠端部において手術を実施するのに使用可能である。用具の遠端部には組織への治療的干渉の為の素子が含まれてもよい。例えば遠端部が上脈絡膜腔の前方領域の近くに前進させられ、用具が活性化されて遠端部に隣接した組織が治療されてもよい。この組織処理には毛様体解離裂溝を形成するための組織の剪断又は除去、葡萄膜性強膜排水を向上するための組織の切除、又は葡萄膜性強膜排水を増加するためのインプラントの設置などが含まれる。遠端部は叉脈絡膜、網膜黄斑、又は網膜の治療に必要な上脈絡膜腔のどの領域にでも前進させられてよい。組織の治療は上脈絡膜腔出血又は脈絡膜浸出を排水する為の吸引の実施、網膜脱離用の止血剤の配達、又は網膜静脈吸蔵を緩和するための視神経シースの治療から成るものとすることができる。
【0031】
組織の治療には更に脈絡膜血管新生、メラノーマ又は母斑の治療のためのエネルギー又は手術ツールの適用が含まれてよい。適宜に改造されたマイクロカニューレを使用することにより、レイザー、ラジオ周波などの電気、超音波、熱、及び機械的エネルギーなど種々の形態のエネルギーが適用可能である。このような場合、用具は追加的に近端部及び遠端部を有する内部部品から更に成るものであり、この内部部品は上記シースの内部を滑れるように合った寸法であり、この内部部品の遠端部は用具の遠端部の一つ以上の開口を通して眼球の組織処理を供給するように構成されたものである。この内部部品の遠端部は組織の切開、剪断、切除、又は除去用に構成されたものとすることができる。この内部部品は多腔型のチューブ及び/又は光学繊維から成るものとすることができる。この内部部品はワイヤ又はケーブルのような屈曲性形態の屈曲性重合体又は金属から成るものでよい。
【0032】
本発明の一実施形態の場合、外科医が上脈絡膜腔を観察し、特徴付けをし、そこからの血管を治療出来るように、マイクロカニューレには結像素子が含まれている。局所的の組織及び血管の結像のために、用具には例えばエンドスコープが含まれる。結像処理には組織通過の助けとするため赤外線のような非可視波長の光線が含まれてもよい。エネルギーがマイクロカニューレで配達される時、外科医による特定組織のターゲティングを容易にするため、エネルギー配達の領域は結像手段の特定領域と一致するように配列されてよい。結像処理には治療の為の対象容器を同定するため例えばドッペラー流法のような血流を特徴付ける素子が含まれてよい。治療方法には光線力学的療法で使用されるような感光剤による対象物の維管束走向局地的ラベリングの使用も含まれてよい。対象物である血管の特徴付けと同定の後、血管新生又は血管漏出を減少するために、マイクロカニューレがレイザー光又はラジオ周波エネルギーのようなエネルギーの配達に使用されてよい。
【0033】
マイクロカニューレは用具の遠端部から薬品又は薬品配達用のインプラントの配達にも使用可能である。図4を参照して、マイクロカニューレ11は上脈絡膜腔内を外科的に形成された強膜フラップ12Bで形成された外科用入口12Aを通して後部ポール12へと前進される。マイクロカニューレは薬品又は薬品配達用のインプラントを対象位置へ配達するのに使用可能である。薬品又は薬品配達用のインプラントはマイクロカニューレ内の貯蔵空間から、又は近端部側コネクター2(図1)マイクロカニューレの内腔を通して配達されてよい。或る時間をかけて徐々に薬品を開放するように薬品を含む物質が殊に有用である。物質は緑内障による神経傷害の治療に視神経の近辺に配達されてもよく、叉は網膜黄斑退化、網膜黄斑浮腫、網膜症、又は癌を含む脈絡膜又は網膜の病気の治療に上脈絡膜腔の中に配達されてもよい。一実施形態の場合、マイクロカニューレは罹病組織へ時間をかけて薬品を解放するように上脈絡膜腔へ薬品の微粒子を配達するのに使用される。マイクロカニューレは内腔の寸法が薬品微小粒子の平均サイズの5から10倍であり、微粒子で流路が詰まることがないように、適当なサイズであることが必要である。微粒子は、高度に局地化された薬品濃度を提供するために、懸濁されて眼球の好適な箇所にマイクロカニューレで注入されてもよい。典型的な薬品形態はヒアルロン酸溶液に懸濁された薬品の微粒子から成るものである。薬品は上脈絡膜腔に固体の適用量の形態として配達されてもよく、この場合、微粒子、フィラメント、又は上脈絡膜腔内に残るように設計された薬品放出インプラントの形態を用いることができる。
【0034】
図5において、マイクロカニューレ13は上脈絡膜腔14に入れられた永久的インプラントとして設計されたものである。マイクロカニューレの遠端部15は眼球の後部に持続時間中薬品16を配達するように構成されている。この遠端部は適宜な薬品散布動力学性を供するために微細孔性又は散布バリヤを有するものでよい。マイクロカニューレの近端部17は上脈絡膜腔の外側に移植され、強膜内部又は上脈絡膜腔に向かって位置される。近端部17は用具に薬品を再補充するのに注射器18で用具に繰返し注入出来る様にセルフシール型の隔膜(図示せず)を有する。この近端部17はアクセスを容易にするために眼球の前方領域に位置されてもよい。遠端部15は視神経又は治療対象の網膜又は網膜黄斑の領域の近辺に位置されてもよい。
【0035】
用具は視神経傷害の治療のための神経保護剤、網膜黄斑退化の治療の為の血管新生阻害剤、及び眼球後部の炎症の治療の為の抗炎剤などの薬品を持続的に投与するのに使用可能である。マイクロカニューレインプラントにはヒアルロン酸のような空間維持物質が含まれてもよい。インプラントには更に移植中上脈絡膜腔内部での遠端部を位置づけるため信号生成ビーコンが含まれてもよい。この実施形態のマイクロカニューレは柔らかい組織への移植に適した屈曲性物質から成ることが好ましい。そのような物質にはポロジメチルシロキサン、ポリウレタン、テフロン(登録商標)、シリコーンーウレタン共重合体、ポリエーテルブロックコポリアミド、ポリイミド、及びポリアミドのような重合体がある。インプラントマイクロカニューレには外科的移植の便宜のため外部又は内部マイクロカニューレのような二次部品が使用されてもよい。インプラントマイクロカニューレの外部表面には組織内殖多孔性のような生体位機械的固定の特性又は縫合線固定用特性も含まれてよい。
【0036】
本発明には上脈絡膜腔に外科的にアクセスして眼球を治療する方法も含まれるものである。以下の方法は例として示されるものであって、此処に記述される用具と関連して使用可能な方法の全部を成すものではない。第一例の場合、外科医は上脈絡膜腔にアクセスして空間内に非外傷性の遠端部を有するマイクロカニューレ用具を位置させる。組織を治療又は切除するように構成された非外傷性遠方先端を有する内部部品及びビーコン信号を有するシースから成るマイクロカニューレ用具が使用される。用具はビーコン信号を可視化しながら空間の内部を前進させられ、外科治療を要する箇所に用具先端が位置される。遠方先端に隣接する所定量の組織を治療するように用具は活性化される。エネルギーは遠端部近辺の強膜の治療又は切除に十分な機械的、熱、レイザー、又は電気エネルギーから成るものである。外科的治療には水性体液排水用空間の形成、上脈絡膜腔の後方領域の網膜黄斑、網膜,視神経、又は脈絡膜の治療、上脈絡膜腔内部又はそれに隣接する血管の治療などが含まれてよい。血管の治療の場合、治療の前に組織の検出及び特徴付けをし、対象容器を同定する特性を供するように光学繊維が適応されることが好ましい。外科治療の後、用具は除去され、アクセスの箇所は適当な手段でシールされる。
【0037】
別の実施形態の場合、上脈絡膜腔は外科的にアクセスされ、その空間内にマイクロカニューレ用具が位置される。遠端部にビーコン信号を含む筒状シースから成るマイクロカニューレ用具が使用される。用具はビーコン信号を可視化しながら上脈絡膜腔の内部を、第一に強膜組織を通し、第二に瞳孔開口を通して前進させられ、薬品治療に所望の後方の箇所に用具先端が位置される。薬品、薬品を含む物質、又は空間維持物質がマイクロカニューレを通じて配達される。用具は除去され、アクセスの箇所は適当な手段でシールされる。
【0038】
この処置は必要に応じた箇所において実施可能である。実際上、処置は一箇所以上で実施されてよく患者は手術の後監視下におかれる。それ以上の治療が必要の場合には、爾後の処置が実施されてよい。
【0039】
以降の実施例は参考として提供されるものであり、発明の範囲を限定する意図のものではない。
【0040】
[例1]
ポリイミドの注入内腔、ステンレススチールの反キンク中心ワイヤ及び用具の先端にビーコン信号を形成するプラスティク光学繊維から成る屈曲性マイクロカニューレが製造された。部品はポリエチレンテレフタレート(PET)の非常に細い壁付きの熱収縮性筒状体を使用して同軸的に組み合わされた。マイクロカニューレ集合体は外径約300ミクロン、内径約75ミクロン、実効の長さ約25mmであった。非外傷性で直径約370ミクロンの球状遠方先端が、組み合わせの前に、PETの収縮性筒状体を加熱溶融して生成された。表面張力により丸みのある球状先端部が得られる。先端の溶融の間内腔を維持するため、フルオロ重合体(テフロン)でコーティングされたステンレススチールのワイヤが内腔内に挿入されていた。各マイクロカニューレの近端部は、近端側ではルアー接手に、遠端側ではカニューレ軸に接続される注入筒状体、及び遠方側では軸内腔内のプラスティク光学繊維に接続され、近端側では25mWのレイザーダイオード照明光源に接続される屈曲性プラスティク光学繊維光管から成るものであった。注入筒ルアー接手は外科用粘弾性体(Healon GV, Advanced Medical Optices, Irvine, CA)で充填された注入器に接続されていた。
【0041】
手術のために摘出された眼球が準備された。放射状及び放射状プラス側面状(クロス)切開により、強膜が扁平部近くの中間直筋付着部の上の上脈絡膜腔まで切り下げられた。上脈絡膜腔にアクセスの後、マイクロカニューレは先端部のビーコン信号を視覚的に観察しながら空間へ進行させられた。ビーコン先端は上に重なる強膜を通して眼球外部から、又中間の脈絡膜及び網膜組織を通して眼球の内部から観察可能であった。用具の先端は用具の遠方先端のビーコン信号を観察しながら近端部を操作することにより位置づけることが可能であった。マイクロカニューレを後方に向けることにより、用具は視神経に隣接して前進させることが可能であった。側面方向に向けられると、用具は大円経路を追跡して球体を完全に一巡するように進行可能であった。前方に向けられると、用具はシュレム管の中へ、それから前方のチャンバーへと前進可能であった。二番目の実験では、高周波超音波結像システムによるガイダンスのもとで、屈曲性マイクロカニューレが上脈絡膜腔の内部に位置された。結像処理のもとで、マイクロカニューレは上脈絡膜腔の内部で観察及びガイダンスが可能であった。粘弾性体の注入はマイクロカニューレの遠方先端の領域内の空間の粘弾性切開を示す結像システムでその箇所を観察しながら実施された。このデザインにおける曲げ弾性率は計算によると1.15E−9kNm2であり、機械的試験機での測定では1.32E−9kNm2であった。
【0042】
[例2]
直径85ミクロンのプラスティック光学繊維を内腔に保持して用具の先端にビーコン信号を生成するポリエーテルブロックアミド(Pebax, Arkema Corp., Philadelphia, PA)の筒状の軸から成る二つの異なるサイズの屈曲性マイクロカニューレが製造された。小さい方のマイクロカニューレには内腔内にステンレススチールの反キンク中心ワイヤを更に有し、72Dデュロメタの軸筒を使用して軸が製作された。大きい方のマイクロカニューレは63Dデュロメタの軸筒から製作され、上脈絡膜腔内への初回の位置づけの時に貫通の深さを決定する助けとなるように遠方先端より5から20mmへ5mmの間隔のマーキングが含まれるものであった。筒状体の先端は遠端部を加熱して溶体の表面張力によって球形を形成することにより非外傷性の先端に形成した。各軸の遠方側の50mmはカニューレ挿入による摩擦軽減のため、架橋性ポリビニルクロライドに基づく親水性な滑性の物質(HarmonyTM、Surmodics Inc.,Eden Prairie, MN)によりコーティングされていた。マイクロカニューレは軸の外径200及び300ミクロン、内径150及び200ミクロン、遠方先端の最大径250及び400ミクロンとして製造された。各マイクロカニューレの近端部は、近方側がルアー接手に、遠方側がカニューレ軸に接続された注入筒体、及び遠方側が軸内腔内のプラスティク光学繊維に、近方側が25mWのレイザーダイオード照明光源に接続されたプラスティク光学繊維筒体から成るものであった。上記例1におけるように摘出された眼球を使用し、両方のデザインによるマイクロカニューレデザインは好調に上脈絡膜腔に挿入され、眼球後方のポールに前進することが可能であった。
【0043】
[例3]
ヒトの眼球内の上脈絡膜腔(SCS)にアクセスする屈曲性マイクロカニューレ又はマイクロカテーテルデザインのコンプライアンスの範囲を決定するため、屈曲剛性範囲の試験用として、ステンレススチールのワイヤの直径が或る範囲内である機械模型が準備された。更に19ゲージのステンレススチールの注射器も準備された。物体の屈曲剛性は曲げ弾性率Eと断面の慣性能率Iの積であり、通常EIと呼ばれる。マイクロカニューレの屈曲剛性は均一的幾何学的形状の試験用ユニット用の計算及びプロトタイプのマイクロカニューレでの機械的試験により決定及び計算された。マイクロカニューレのカンチレバー力─変位特性は高感度ロードセル(Instron model 5542, 5N Load Cell)付きの試験機でテストされた。結果として得られたデータの内部領域が試験用サンプルの測定屈曲剛性を計算するのに使用された。直径0.002インチ、0.004インチ、0.006インチ0.008インチ、0.011インチ及び0.014インチでYAGレーザー溶接器で形成された非外傷性球状先端を有するワイヤが準備された。球形端部はワイヤ直径の約2−3倍であった。外径0.042インチで内径0.027インチの19ゲージ注射器がYAGレーザー溶接器で半径を内側及び外側端部に形成して準備された。長さ約3mmの毛様体扁平部切開が強膜を通し脈絡膜を露出して全球体中で実施された。各試験用サンプルは球体の周りを後方にSCS内に進行させられた。用具の後方先端が強膜に対して可視になるまでの距離が表Aに示されるように記録された。
【0044】
【表1】

【0045】
この結果は、最も屈曲性の小さい機械的モデル以外すべて後方ポールの全長に亘って挿入可能であることを示している。生体位機械的モデルの試験のために超音結像(iUltrasound, iScience Interventional Corporation, Menlo Park, CA)が使用された。大型のワイヤ及び19ゲージ筒体では先端が適当な位置にあるように脈絡膜はかなりの長さを内側に膨張していたが、用具はSCSの湾曲と一致せず直線の経路をとり、従って脈絡膜に機械的な力が加わり、外傷の可能性のあることが分かった。これらの発見事項のため、第二次の試験を開始することになった。
【0046】
第二次の試験では、最も屈曲性の機械的モデルのSCS内の通過が超音波システムを使用して結像処理された。脈絡膜層の内方への膨張の量は超音波システムのカリパス機能によって測定された。外形200ミクロンのPebax筒体及び直径250ミクロンの球形先端の例2に記載された小型サイズの屈曲性マイクロカニューレも試験された。外形300ミクロンのPebax筒体及び370ミクロンの球形先端の例1に記載された大型サイズの屈曲性マイクロカニューレも試験された。上脈絡膜マイクロカニューレ又はマイクロカテーテルの適切な屈曲特性を決定するため、各機械的モデルの曲げ弾性率(EI)が計算(表B)された。Pebax重合体から製造された屈曲性マイクロカニューレの曲げ弾性率が計算された。脈絡膜の膨張の量(表B)は超音波で測定され、以下の結果が得られた:
【0047】
【表2】

【0048】
上記例1及び例2に詳細に記述された三本の屈曲性マイクロカニューレのサンプルは、曲げ弾性率もInstron試験機によって測定され、下記(表C)の結果が得られた:
【0049】
【表3】

【0050】
表Bからのデータの図6に示される結果によると、毛様体扁平部の前方切開から後方ポールへとのSCSへのカニューレ挿入の時、脈絡膜は曲げ弾性率が5.16E−9kNm2以上であるとかなり膨張する。曲げ弾性率がそれ以下の用具が好ましい。曲げ弾性率が1.02E−9kNm2以下の用具であると、脈絡膜の屈曲は最小限度である。
【0051】
[例4]
本発明の屈曲性マイクロカニューレからの注入による脈絡膜投与用に製剤薬品が準備された。無菌のトリアムシノロンアセトニドの懸濁液(Kenalog 40, 40mg/ml, Bristol Meyers Squib)を3ミリリットル無菌の注射器に採った。注射器は無菌の0.45ミクロン注射器フィルターに付着され、薬品懸濁液はフィルターに注入されて薬品粒子が捕獲された。補助ミキサーを有する第二の注射器がフィルターに付けられ、0.6ミリリットルの無菌ハルロニン酸溶液(Healon, 10mg/ml, Advanced Medical Optics, Irvine, CA)が薬品粒子を含むフィルター内に導入された。ハルロニン酸及び薬品粒子は次いでフィルターを除去された第一の注射器の中に引き込まれた。ハルロニン酸及び薬品粒子は二本の無菌注射器の間を何回も通過して混合された。この懸濁製剤形態には200mg/mlのトリアムシノロンアセトニド及び10mg/mlのハルロニン酸が含まれていた。この製剤形態は次いでマイクロカニューレ経由で注入されるように粘弾性注入器に移転された。ハルロニン酸溶液に懸濁されたこのトリアムシノロンアセトニドの平均粒子サイズはコールターカウンター器によって測定され、約4ミクロンの平均粒子サイズが示された。
【0052】
[例5]
例1に従ってマイクロカニューレが製作された。上脈絡膜腔へのアクセス及び後方ポールへの進行におけるマイクロカニューレを評価するために動物実験が実施された。若い野豚が実験に使用された。手術の度に動物は麻酔され、標準的眼手術の手続きによって準備された。結膜の縮退のため角膜縁の切開が実施された。毛様体扁平部で脈絡膜層に至るまで小さい強膜切開が行われた。マイクロカニューレは上脈絡膜腔にアクセスするように切り口に挿入され、次いで後部ポールまで進行させられた。瞳孔開口を通した手術用顕微鏡可視化により、照明されたビーコン先端を観察してマイクロカニューレの遠方先端の位置が示された。マイクロカニューレは眼球の後方領域に目に見えた組織外傷を生ぜず難なく前進させることが出来た。
【0053】
[例6]
例5で使用されたと同様なマイクロカニューレが非外傷的先端なしで製作された。この用具は例5で詳細に説明された豚の動物実験で使用された。第一の場合、マイクロカニューレは上脈絡膜腔の組織に引っかかったように見え、後方領域に前進させられなかった。第二の場合、マイクロカニューレは後方ポールに前進することは出来たが、数カ所で脈絡膜の組織に引っかかり、血管造影結像処理で可視化される組織の不規則状態を起こすのが見られた。残りの場合、非外傷性先端のないマイクロカニューレは上脈絡膜腔内への前進が可能であった。各々の場合において、用具は非外傷性先端のあるものより前進させるのが難しかった。
【0054】
[例7]
例5におけると同様にマイクロカニューレが製造され、豚の動物実験に使用された。粘弾性(Healon, Advanced Medical Optics, Irvine, CA)又は例2に記載されたステロイド/粘弾性(トリアムシノロンアセトニド及びHealon)製剤形態が網膜中心窩野の領域内の上脈絡膜腔に配達された。粘弾性及びステロイド/粘弾性の配達量は1.2から9.2mgの範囲であった。配達された物質は、直接の観察及び走査型レイザー検眼鏡を使用する後方部分結像処理によって上脈絡膜腔内で観察可能であった。動物たちは最高一ヶ月生き延びた。屠殺に際しての後方部分結像処理で、網膜及び脈絡膜の血流に何らの観察可能の変化は見られず、叉網膜及び上脈絡膜腔に隣接する組織を含めて有害な組織の反応は観察されなかった。
【0055】
[例8]
上脈絡膜腔内で使用するため、小さなエンドスコープなら成る屈曲性マイクロカニューレが作成された。上脈絡膜腔内部からの強膜及び脈絡膜組織の直接結像処理のためのマイクロカニューレの使用の評価をするために実験が行われた。約3000本のガラス繊維から成る特注マイクロエンドスコープ(Nanoptics Inc., Gainsville, FL)が製造された。このマイクロエンドスコープは端部として焦点5mmの勾配式対物レンズを持つ直径350ミクロンの先端を有する外部ジャケットの寸法が約250ミクロンのものであった。このマイクロエンドスコープは10xのミツトヨ顕微対物及び筒状レンズを通じてCCDビデオカメラ、それから次いでビデオモニターと組み合わされた。
【0056】
ヒト死体から摘出した眼球が実験に供された。毛様体扁平部で脈絡膜の深さまで放射状切開が実施された。少量の粘弾性(Healon GV, Advanced Medical Optics, Irvine, CA)が、マイクロエンドスコープの配置用に上脈絡膜腔を開き、通路を平滑化するために切り口に注入された。マイクロエンドスコープは切り口に挿入され、上脈絡膜腔内を後方に進行させられた。透過照明が外科用顕微鏡によって供給され、カメラ像を飽和させることなく最良の像が得られるように調節された。マイクロエンドスコープは空間内の種々の箇所を観察するように進行され、操作された。組織は容易に同定が可能であり、強膜は(透過照明法により)明るい白色に見え、脈絡膜はその表面の詳細が識別可能のように暗い赤みの茶色に見えた。
【0057】
[例9]
上脈絡膜腔への繰り返しアクセス用の内在式マイクロカニューレインプラントが製造された。マイクロカニューレは内径0.010インチ、外径0.012インチのPebax重合体の筒状体から成るものであった。非外傷性の遠方先端は、高粘性紫外線乾燥接着剤を筒体端部に付けて丸みの先端を形成して製作された。組織界面フランジは筒体の端部を加熱して外側に突発させることにより近端部に形成された。マイクロカニューレの全長は0.79インチであった。
【0058】
内在式マイクロカニューレは実効長4インチの例1のマイクロカニューレと同様な配達用マイクロカニューレの上に位置された。この配達用マイクロカニューレは外径0.008インチで照明された遠方先端を供するプラスティク光学繊維を含むものであった。繊維の近端部は例1に記述されたようにバッテリを動力とするレイザーダイオード源に接続された。この配達用マイクロカニューレは内在式マイクロカニューレの内部に密接して納まるようなサイズとされていた。
【0059】
ヒト死体から摘出した眼球が実験に供された。毛様体扁平部で強膜を通し脈絡膜を露出するように放射状切開が実施された。少量の粘弾性流体(Healon, Advanced Medical Optics, Irvine, CA)が、マイクロカニューレの配置用に強膜から脈絡膜を十分に切開するように切り口における上脈絡膜腔内に注入された。
【0060】
レイザーダイオードは活性化され、配達用マイクロカニューレ上に赤灯ビーコン先端を供した。この集合体は上脈絡膜腔内に設置され、後方ポールに向け、視覚ガイダンスによって進行させられた。この集合体は内在式マイクロカニューレの組織フランジが強膜表面と平らになるまで前進させられた。眼球外部の検査により、ビーコンの先端が黄斑の領域の近くに位置していることが示された。
【0061】
配達用マイクロカニューレは一対のピンセットで内在式マイクロカニューレを保持しながら引き出された。切り口はシアノアクリレート系粘着剤でシールされた。1ccの注射器を使用し、31ゲージの注射針で内在マイクロカニューレの露出された内腔にメチレン青色染料が注入された。注入が完了した後、マイクロカニューレの遠方先端の近隣の黄斑領域で強膜を通して小さな切開が実施された。メチレン青色染料が切り口で観察されたので、前方領域に位置されたマイクロカニューレの近端部への注入により上脈絡膜腔の後方領域への注入物の配達か確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近端部及び遠端部を有し、眼球の上脈絡膜腔内のアクセス及び前進用の複合的マイクロカニューレ用具であって、
外径が約1000ミクロン以下であり、曲げ弾性率が約5.16E−9kNm2以下であり、眼球の上脈絡膜腔内に収まるように構成された屈曲性の筒状シース;
物質及び上記近端部を通過するツールの導入及び除去用に構成された近方集合体;及び
上記遠端部にあり、眼球の内部の上記遠端部を位置づけるための、視覚的又は非侵入的結像処理で検出可能な信号生成ビーコン
を備えた用具。
【請求項2】
上記信号生成ビーコンが上脈絡膜腔、上脈絡膜腔の外部の挿入強膜組織、及び上脈絡膜腔の内部の挿入脈絡組織の中で検出可能である請求項1に記載の用具。
【請求項3】
上記信号生成ビーコンが上記挿入組織を通して外部で可視である強度の可視光を発するように構成されたものである請求項2に記載の用具。
【請求項4】
上記信号生成ビーコンが非侵入型結像処理で識別可能なマーカーから成るものである請求項1に記載の用具。
【請求項5】
上記非侵入型医学結像処理が超音波結像処理、光学的コヒーレンス断層撮像処理、又は検眼処理から成るものである請求項4に記載の用具。
【請求項6】
上記マーカーが光学コントラストマーカーから成るものである請求項4に記載の用具。
【請求項7】
上記筒状シースが12から15mmの範囲の径で湾曲するものである請求項1に記載の用具。
【請求項8】
上記筒状シースが配置及び位置の判断を援助するように可視的又は非侵入型結像処理で検出可能な少なくとも一個の追加的信号生成ビーコンを供するものである請求項1に記載の用具。
【請求項9】
上記筒状シースがポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はフルオロ重合体から成るものである請求項1に記載の用具。
【請求項10】
上記筒状シースが滑り易い外面コーティングから成るものである請求項1に記載の用具。
【請求項11】
上記筒状シースが非外傷性の遠方頂点から成るものである請求項1に記載の用具。
【請求項12】
上脈絡膜腔へとの前方切開から眼球の後方領域に至る最小の長さが約20から30mmの範囲である請求項1に記載の用具。
【請求項13】
上記遠端部に配達可能であるインプラントから更に成るものである請求項1に記載の用具。
【請求項14】
上記インプラントが空間維持物質から成るものである請求項13に記載の用具。
【請求項15】
上記インプラントが薬品から成るものである請求項13に記載の用具。
【請求項16】
上記遠端部に配達可能である徐放薬剤形態から更に成るものである請求項1に記載の用具。
【請求項17】
上記薬剤形態がマイクロ粒子から成るものである請求項16に記載の用具。
【請求項18】
上記マイクロ粒子がヒアルロン酸溶液に懸濁しているものである請求項17に記載の用具。
【請求項19】
近端部及び遠端部を有する内部部品から更に成り、上記シースと内部部品は曲げ弾性率が約5.16E−9kNm2以下であり、上記内部部品が上記シースの内部を滑れるように合った寸法であり、上記内部部品の上記遠端部は上記用具の上記遠端部の一つ以上の開口を通して眼球の組織処理のために構成されたものである請求項1に記載の用具。
【請求項20】
上記内部部品の上記遠端部は組織の切開、剪断、切除、又は除去用に構成されたものである請求項19に記載の用具。
【請求項21】
上記内部部品は12から15mmの範囲の径で湾曲するものである請求項19に記載の用具。
【請求項22】
上記内部部品は多腔型のチューブから成るものある請求項20に記載の用具。
【請求項23】
上記内部部品はスチール、ニッケルチタン合金、又はタングステンから成るものである請求項19に記載の用具。
【請求項24】
上記内部部品は光学繊維から成るものである請求項19に記載の用具。
【請求項25】
上記ビーコンは上記用具の上記遠端部から上記用具の軸より約45と約135度の間の角度で、所望の組織の治療領域と完全に一致した照明を提供するものである請求項1又は19に記載の用具。
【請求項26】
上脈絡膜腔の内部又はそれに隣接した組織の結像処理のための光学繊維から更に成るものである請求項1に記載の用具。
【請求項27】
上脈絡膜腔の内部又はそれに隣接した血管を治療するためのエネルギー発射源から更になるものである請求項1に記載の用具。
【請求項28】
上記発射源はレイザー光、熱エネルギー、超音波、又は電気エネルギーを放射可能である請求項27に記載の用具。
【請求項29】
上記発射源は組織の標的化を容易にするため、ビーコンの位置に配列されたものである請求項27又は28に記載の用具。
【請求項30】
眼球の後方領域へ流体を配達するための眼球の上脈絡膜腔内の移植用複合的マイクロカニューレ用具であって、
曲げ弾性率が約5.16E−9kNm2以下であり、外径が約1000ミクロン以下の近端部及び遠端部を有し、眼球の上脈絡膜腔内に収まるように構成された屈曲性の筒状シース;及び
上記用具への流体の注入を受けることが可能なセルフシールの近方備品
から成り、上記シースの遠端部が上記用具から眼球へ流体を解放するように構成されたものである用具。
【請求項31】
上記用具は移植の間上脈絡膜腔内の上記遠端部を位置づけるため信号生成ビーコンから更に成るものであり、上記信号生成ビーコンは視覚的又は非侵入的結像処理で検出可能である請求項30に記載の用具。
【請求項32】
上記遠端部から流体を徐々に解放するように構成されたものである請求項30に記載の用具。
【請求項33】
上記流体が薬品から成るものである請求項30〜32のいずれか一項に記載の用具。
【請求項34】
眼球の上脈絡膜腔を治療する方法であって、
(a)近端部及び遠端部を有し、曲げ弾性率が約5.16E−9kNm2以下であり、外径が約1000ミクロン以下であり、非外傷性である遠方先端を有する屈曲性の筒状シースを上脈絡膜腔に挿入し;
(b)上記シースを上脈絡膜腔の前方領域へ前進させ;
(c)上記遠端部 からエネルギー又は物質を配達して眼房水の排水用空間を形成する
方法。
【請求項35】
上記エネルギーが、上記遠端部の近隣の強膜組織の治療又は除去に十分である機械的、熱、レイザー、又は電気エネルギーから成るものである請求項34に記載の方法。
【請求項36】
上記物質が空間維持物質から成るものである請求項34に記載の方法。
【請求項37】
眼球の後部領域を治療する方法であって、
(a)近端部及び遠端部を有し、曲げ弾性率が約5.16E−9kNm2以下であり、外径が約1000ミクロン以下である屈曲性の筒状シースを上脈絡膜腔に挿入し;
(b)上記シースを上脈絡膜腔の後方領域へ前進させ;
(c)網膜黄斑、網膜、視神経、又は脈絡膜の治療に十分なエネルギー又は物質を上記遠端部から配達する
方法。
【請求項38】
上記エネルギーが、上記遠端部の近隣の組織の治療に十分である機械的、熱、レイザー、又は電気エネルギーから成るものである請求項37に記載の方法。
【請求項39】
上記物質が薬品から成るものである請求項37に記載の方法。
【請求項40】
上記物質が更にヒアルロン酸から成るものである請求項39に記載の方法。
【請求項41】
上記薬品が神経保護剤から成るものである請求項39に記載の方法。
【請求項42】
上記薬品が血管新生阻害剤から成るものである請求項39に記載の方法。
【請求項43】
上記薬品が抗炎剤から成るものである請求項39に記載の方法。
【請求項44】
上記抗炎剤がステロイドから成るものである請求項43に記載の方法。
【請求項45】
眼球の上脈絡膜腔内又はそれに隣接する組織を治療する方法であって、
(a)近端部及び遠端部と、約1000ミクロン以下の外径と、約5.16E−9kNm2以下の曲げ弾性率を有し、非外傷性である遠方先端及び光繊維を有して上記遠方先端に隣接する組織の検出をする屈曲性の複合的マイクロカニューレ用具を上脈絡膜腔に挿入し;
(b)上記用具を上脈絡膜腔の後方領域へ前進させ;
(c)上脈絡膜腔内の組織を検出し特徴付けして対象組織を同定し;
(d)エネルギーを上記遠端部から配達して上記対象組織を治療する
方法。
【請求項46】
上記エネルギーが、レイザー光、熱、超音波、又は電気エネルギーから成るものである請求項45に記載の方法。
【請求項47】
上記対象組織が血管から成るものである請求項45に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−509245(P2013−509245A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536891(P2012−536891)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/053599
【国際公開番号】WO2011/053512
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(505097125)アイサイエンス・インターベンショナル・コーポレーション (13)
【氏名又は名称原語表記】ISCIENCE INTERVENTIONAL CORPORATION
【Fターム(参考)】