説明

眼鏡への半導体素子の組み込み

本発明は、半導体素子たとえば(有機)太陽電池および/またはエネルギー変換器を眼鏡に組み込むことに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子たとえば(有機)太陽電池を眼鏡に組み込むことに関する。
【0002】
有機光電子工学の発展によって、つまり完全にまたは少なくとも部分的に有機ポリマーによって構成された光電子素子によって、それを非常に小さく薄くかつフレキシブルに形成できるようになった。その結果、これまでは不可能であったつまりは知られていなかった数多くの利用の仕方が可能になった。
【0003】
この関連において本発明の対象は、少なくとも1つの半導体素子をベースとするエネルギー変換器が組み込まれた眼鏡である。
【0004】
眼鏡たとえば視力矯正用眼鏡は実際にその使用者がいつでもかけているので、本発明によって提供されるような「目に見えない」エネルギー供給部を設けるための理想的な物体である。これによればエネルギー供給部は、蓄電池と接続されていようといまいと、またはバッテリであろうとコンデンサであろうと、半導体素子によって動作が効率的に保証される。半導体素子がいわゆる太陽電池であれば殊に、様々な接続端子に対し十分な電力が確保される。なぜならば太陽光がそのまま電気エネルギーに変換されるからである。
【0005】
太陽電池が半透明つまり半透過性であると有利であり、それというのも太陽電池を眼鏡に組み込んでも決して妨害が及ぼされないし、眼鏡の美的印象は何ら変わらないからである。
【0006】
半透明の太陽電池を眼鏡フレームまたはその一部分に組み込むことができる。とはいえ有利であるのは、これらの太陽電池の1つまたは複数を眼鏡のレンズ自体にまたはその一部分に組み込むことであり、その理由はそうした方がいっそう良好な太陽光入射が確保されるからである。本発明によれば太陽電池もしくは半導体素子を光検出器としても構成できるが、これを完全に有機半導体たとえば共役ポリマーによって構成するのが殊に有利である。なぜならばそれらはすでにもともと透明であるし、光電子素子を薄層状に小さくかつフレキシブルに形成できるからである。ただしポリマーの有機半導体層の利用に限定されるものではなく、他の有機半導体またはその他の半導体を使用することもでき、たとえばいわゆる「小分子 small molecules」を含めることもできる。
【0007】
得ようとする電力や機能に応じて、太陽電池もしくは光検出器の透過性を、ひいては眼鏡レンズの透過性も、電力要求に合わせて調整される。
【0008】
本発明によれば、太陽電池もしくは光検出器の形態でこのようにして組み込まれたエネルギー変換器を、任意の機器のためのエネルギー供給部として利用することができる。つまりたとえばこのようなエネルギー変換器をトランスポンダ、補聴器、カメラ等のためのエネルギー供給部として用いることができる。眼鏡のレンズに組み込まれた半透明の太陽電池によって、やはり眼鏡に組み込まれた濃淡形成システムないしは減光システムを制御することができ、これはたとえば液晶プラスチックから成る切り替え可能な偏光フィルタに基づき、あるいはエレクトロクロミック効果に基づき行うことができる。この場合、太陽電池を光検出器として用いれば、眼鏡を濃くする度合いを閉ループ制御するための照射測定もしくは照度測定も太陽電池によって実施することができる。照度ないしは光の強さの測定と閉ループ制御の組み合わせによって、そのときそのときの光の状態に迅速かつフレキシブルに整合される眼鏡レンズが得られる。光検出器領域の組み込まれた眼鏡を画像認識に利用することもできる。
【0009】
多種多様な適用分野が存在すること、先に挙げた事柄を確定的とみなしてはならないことは、当業者にとって自明である。したがって半導体素子を太陽電池または光検出器として、ユーザが常に携行したり自身に身につけたりする可能性のあるそのほかの対象物に組み込んで電流供給に用いることも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの半導体素子をベースとするエネルギー変換器が組み込まれた眼鏡。
【請求項2】
前記少なくとも1つの半導体素子は太陽電池である、請求項1記載の眼鏡。
【請求項3】
前記太陽電池は半透明である、請求項2記載の眼鏡。
【請求項4】
前記太陽電池は眼鏡レンズまたはその一部分に組み込まれている、請求項3記載の眼鏡。
【請求項5】
前記太陽電池は眼鏡フレームまたはその一部分に組み込まれている、請求項3記載の眼鏡。
【請求項6】
前記太陽電池は有機ポリマーによって構成されている、請求項2〜5のいずれか1項記載の眼鏡。
【請求項7】
前記太陽電池は光検出器として接続されている、請求項2〜6のいずれか1項記載の眼鏡。
【請求項8】
前記エネルギー変換器(太陽電池)は任意の機器のためのエネルギー供給部として利用可能である、請求項1から6のいずれか1項記載の眼鏡。
【請求項9】
前記太陽電池はやはり眼鏡に組み込まれた濃淡形成システムを制御する、請求項7記載の眼鏡。

【公表番号】特表2006−510921(P2006−510921A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−568459(P2003−568459)
【出願日】平成15年2月10日(2003.2.10)
【国際出願番号】PCT/DE2003/000385
【国際公開番号】WO2003/069394
【国際公開日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【出願人】(505061621)コナーカ テクノロジース インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】