説明

着用型生体信号提示装置及び着用型生体信号提示方法

【課題】体における筋活動を外部に容易に認識させる。
【解決手段】使用者の所定領域から得られる生体信号に基づいて筋活動を外部に提示する着用型生体信号提示装置において、前記所定領域に対する前記生体信号を取得するための複数の生体信号検出手段と、前記複数の生体信号検出手段から得られるそれぞれの生体信号の周波数に基づいて信号レベルを設定するレベル設定手段と、前記レベル設定手段から得られる信号レベルに対応させて、予め設定された複数の光又は音から選択された所定の光又は音により外部に提示する生体信号提示手段とを有し、前記生体信号検出手段及び前記提示手段は、前記使用者が着用する着用物と一体に形成されていることにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用型生体信号提示装置及び着用型生体信号提示方法に係り、特に体における筋活動を外部に容易に認識させるための着用型生体信号提示装置及び着用型生体信号提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体の運動時等の筋肉の使用状況を検査するために、人体の生体情報である筋電位を計測し、その情報を用いて例えばリハビリテーション等における治療段階での筋肉の動作の度合いの確認やロボットスーツ等の装着型人支援装置の制御、義手、義足等の制御を行うものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0003】
特許文献1に示されている技術では、人体表面に接するように設けられた一対の電極が人体に生じる筋電位を検出すると、ケーブルに接続された人体よりも離れた位置に設けられた表示装置が、その筋電位の波形を表示したり、検出値が予め設定された値を超えている場合にブザーを鳴らす仕組みが開示されている。
【0004】
また、特許文献2に示されている技術では、粘着パッドによって皮膚に装着された筋電を検出する筋電電極を有し、筋電電極が検出した筋電信号の強度の変化を音響出力手段によって出力する仕組みが開示されている。
【0005】
このように、従来では、検出した筋電等の生体信号を提示する場合には、画像モニタを通じて信号の波形を提示するものが主であった。また、一定の強度になると信号音を発する機器や、上述の表示装置等のように音響を補助的に用いる方法が用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−186591号公報
【特許文献2】特開2007−143710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したような従来技術においては、検出された筋電位を表示するためには、ケーブル等で表示装置と接続する必要があるため、動き回るといった動作等、動作範囲に制限を受けてしまう。また、従来の音による認識手法は、上述したように一定値以上の場合に音をならす等の補助的な使用であり、例えば音によりどの部分の筋電位がどの程度発生しているかといった認識は、音を聞き分ける必要があるため、第三者が容易に理解することができず、これらのことからも第三者者等の外部の人に対して体の筋活動を容易に認識させるための提示手法が実現されていなかった。
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、体における筋緊張、筋疲労等の多様な筋活動を外部に容易に認識させるための着用型生体信号提示装置及び着用型生体信号提示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0010】
請求項1に記載された発明は、使用者の所定領域から得られる生体信号に基づいて筋活動を外部に提示する着用型生体信号提示装置において、前記所定領域に対する前記生体信号を取得するための複数の生体信号検出手段と、前記複数の生体信号検出手段から得られるそれぞれの生体信号の周波数に基づいて信号レベルを設定するレベル設定手段と、前記レベル設定手段から得られる信号レベルに対応させて、予め設定された複数の光又は音から選択された所定の光又は音により外部に提示する生体信号提示手段とを有し、前記生体信号検出手段及び前記提示手段は、前記使用者が着用する着用物と一体に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、体における筋緊張、筋疲労等の多様な筋活動を外部に容易に認識させることができる。
【0012】
請求項2に記載された発明は、前記レベル設定手段は、前記複数の生体信号検出手段から得られるそれぞれの信号を所定の帯域でフィルタリングするフィルタ手段と、前記フィルタ手段により得られる信号に周波数変換を行う周波数変換手段と、前記周波数変換手段により得られる周波数情報を所定数積算し、積算された結果から信号レベルを設定する積算手段とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載された発明は、前記生体信号提示手段は、発光光源と、該発光光源を予め設定された発光領域まで伝達させる光ファイバとを有し、前記光ファイバは、前記着用物に織り込まれていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載された発明は、前記生体信号検出手段は電極であり、前記電極は、予め設定された前記使用者の筋肉からの生体電位信号を取得できる位置に設け、前記発光領域は、前記筋肉の位置に前記筋肉と同じ形状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載された発明は、前記生体信号提示手段は、前記周波数変換手段により得られる周波数による音データを出力する音声出力手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載された発明は、使用者の所定領域から得られる生体電位信号に基づいて筋活動を外部に提示する着用型生体信号提示方法において、予め設定された複数の生体信号検出手段により前記所定領域に対する前記生体電位信号を取得する生体信号取得ステップと、前記生体信号取得ステップにより得られる複数の生体信号検出手段からのそれぞれの信号の周波数に基づいて信号レベルを設定するレベル設定ステップと、前記レベル設定ステップから得られる信号レベルに対応させて、予め設定された複数の光又は音から選択された所定の光又は音を提示手段により外部に提示する生体信号提示ステップとを有し、前記生体信号検出手段及び前記提示手段は、前記使用者が着用する着用物と一体に形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、体における筋緊張、筋疲労等の多様な筋活動を外部に容易に認識させることができる。
【0018】
請求項7に記載された発明は、前記レベル設定ステップは、前記複数の生体信号検出手段から得られるそれぞれの信号を所定の帯域でフィルタリングするフィルタリングステップと、前記フィルタリングステップにより得られる信号に周波数変換を行う周波数変換ステップと、前記周波数変換ステップにより得られる周波数情報を所定数積算し、積算された結果から信号レベルを設定する積算ステップとを有することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載された発明は、前記生体信号提示ステップは、発光光源と、該発光光源を予め設定された発光領域まで伝達させる光ファイバとを有し、前記光ファイバは、前記着用物に織り込まれていることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載された発明は、前記生体信号検出手段は電極であり、前記電極は、予め設定された前記使用者の筋肉からの生体電位信号を取得できる位置に設け、前記発光領域は、前記筋肉の位置に前記筋肉と同じ形状に形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載された発明は、前記生体信号提示ステップは、前記周波数変換ステップにより得られる周波数による音データを音声出力手段により出力する音声出力ステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、筋緊張、筋疲労等の多様な筋活動を外部に容易に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】着用型インターフェースの第1の実施形態を示す図である。
【図2】着用型インターフェースの第2の実施形態を示す図である。
【図3】全身の筋肉に対応する発光領域の一例を示す図である。
【図4】着用型インターフェースにおける電極位置の一例を示す図である。
【図5】着用型インターフェースの断面を示す図である。
【図6】本実施形態における発光制御ユニットの一構成例を示す図である。
【図7】本実施形態における提示処理の一例を示す図である。
【図8】他の実施形態について説明するための一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<本発明について>
通常、人間の運動は、必ず身体の何れかの部位の筋肉を伸縮させている。一方、腕等のように表面に見ただけで筋肉の伸縮が視察できるような部位もあるが、複雑で多種の筋活動を視覚的に把握することは容易ではない。また、スポーツやリハビリテーションを行う際、特定の筋肉を伸縮させればいいかということは、一般には感覚的なものでしかなく、実際にその筋肉が伸縮しているかは動作中では認識しにくい。
【0025】
そこで、本発明では、筋肉の伸縮等の動き(筋活動)を光により可視化し音により可聴化する。また、それを体表にて提示することを可能にし、スポーツやリハビリテーションへの応用を実現する。
【0026】
具体的には、本発明は、体の運動に関わる生体電位信号(Bio Electrical Signals;BES)に基づき、表情や動作の内容やその度合いを識別する。つまり、使用者の生体信号(生体電位信号、体温等)を検出し、その検出した生体信号を光信号に変換すると共に、その使用者が着用する着用型インターフェース(着用型生体信号提示装置)に出力する。
【0027】
なお、本実施形態では、微弱な生体信号を電極等の小型の装着型装置により取得するため、取得した信号を増幅すると共に、取得した生体信号を光の強度・色へ変換して使用者が着用する着用型インターフェースに直接提示し、生体信号の可視化を実現する。これにより、使用者は、日常的かつ直線的に自身の筋緊張、筋疲労等の多様な筋活動を把握することが可能となり、また外部に容易に認識させることができる。
【0028】
また、従来では、筋電信号を低周波信号に周波数変換することを基本とし、信号強度を低周波信号の断続・連続の間隔で表すのみに留まっているが、本発明では、生体信号の強度、周波数に基づき、着用型インターフェースの提示デバイスの光強度、色変化に変換するため、筋電信号及び光提示信号の信号処理を含んでいる。
【0029】
以下に、本発明における着用型生体信号提示装置及び着用型生体信号提示方法を好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。
【0030】
なお、本実施形態では、筋活動を計測するための装置と光や音を出力するための機器が一体となり、それを着衣として身に纏う形の着用型インターフェースについて説明するが、本発明においてはこれに限定されるものではない。また、本実施形態では、単一の装置及び筋電を対象としているが、本発明は複数装置による応用及び筋電以外の生体信号へ応用することもできる。
【0031】
<着用型インターフェースの機器概要:第1の実施形態>
ここで、着用型インターフェース(着用型生体信号提示装置)の第1の実施形態について図を用いて説明する。図1は、着用型インターフェースの第1の実施形態を示す図である。なお、図1では、使用者の前腕部用の着用型インターフェースを示している。また、図1(a)は、人体の前腕部に装着した着用型インターフェース10の外形を示しており、図1(b)は、人体に装着されていない着用型インターフェース10の内側の面(人体に接触する面)を示している。
【0032】
図1(a)に示す着用型インターフェース10は、光提示用の複数の発光素子11が所定の領域に配置されている。なお、図1(a)の例では、発光素子11−1〜11−10が所定の間隔で配列されているが、本発明においてはこの配列や数に限定されるものではない。
【0033】
図1(a)に示す発光素子11は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の発光ダイオード等を使用することができる。また、各発光素子11−1〜11−10は、外部に発光が認識できるように着用型インターフェース10と一体となるように取り付けられている。
【0034】
また、各発光素子11−1〜11−10は、図1(b)に示す生体信号検出手段としての各生体電位センサ12−1〜12−10によりそれぞれ得られる生体信号に基づいて発生させる光の強度を選定し、選定された光の強度に対応する光を発生させる。なお、各生体電位センサ12−1〜12−10は、それぞれ対をなす電極部を有しており、これら電極部の電位差より生体電位信号を検出する。
【0035】
ここで、着用型インターフェース10は、例えば、ストッキングやスパッツ、サポーター等の伸縮性のある素材(弾性素材や編み方(編地)により伸縮を可能にしたもの等を含む)で形成されている。
【0036】
また、図1(b)に示すように、各生体電位センサ12−1〜12−10は、装着者の皮膚に直接接触して筋活動による生体電位信号を取得できるように着用型インターフェース10の所定の位置に着用型インターフェース10と一体となるように取り付けられている。これにより、ノイズの少ない状態でより正確に装着者1からの生体信号を取得することができる。
【0037】
つまり、各発光素子11−1〜11−10は、その裏面にある各生体電位センサ12−1〜12−10より得られる生体信号の値に応じて予め設定される発光強度に基づいて発光素子を発光させる。また、各発光素子11−1〜11−10は複数の異なる色を発光させるLEDを有していてもよく、その場合には、各生体電位センサ12−1〜12−10より得られる生体信号の値に応じて予め設定される色の発光素子を発光させることもできる。
【0038】
また、図1(a),(b)に示すように、着用型インターフェース10には、スピーカ等の音声出力手段13が設けられており、一対の電極からなる生体電位センサ12−1〜12−10により計測から得られる生体信号に応じて予め設定されるビープ音や音声等を出力する。
【0039】
また、本実施形態では、着用型インターフェース10を人体の前腕部に巻きつけるための取り付け機構(取付手段14)が設けられている。ここで、取付手段14としては、例えば、マジックテープ(登録商標)(面ファスナー)やチャック(ファスナー)、ホック、フック、ボタン、マグネット、両面テープ等のうち、何れか1つ又は複数を組み合わせて用いることができる。また、例えば図1に示す取付手段14は、マジックテープの場合であり、図1(b)に示す着用型インターフェース10の両側には所定領域からなる取付手段14が設けられ、鍵状フック及びループのそれぞれの形状により、鍵状フックがループにかみ合うことで、お互いが係止られて取り付けることができる。
【0040】
なお、図1に示す実施形態のうち、発光素子11や生体電位センサ等に供給される電力は、例えば着用型インターフェース10にリチウム電池等の電源供給手段を取り付け、そこから供給することができる。
【0041】
<着用型インターフェースの機器概要:第2の実施形態>
なお、本発明では、上述した図1に示す例以外にも、例えば光ファイバを用いた着用型インターフェースを用いることができる。ここで、光ファイバを用いた着用型インターフェースの内容を第2の実施形態として図を用いて説明する。
【0042】
図2は、着用型インターフェースの第2の実施形態を示す図である。なお、第2の実施形態では、一例として下半身用の着用型インターフェース20を示している。また、第2の実施形態では、光提示手段にLED等の光源用の発光素子21を配置し、発光素子21を光源として光ファイバ22により光を伝搬し、発光領域23により発光させている。
【0043】
ここで、発光領域23は、その領域内に光ファイバを引き回すことによりその領域内における発光を可能としている。つまり、着用型インターフェース20の伸縮性のある素材と共に光ファイバを編み込むことにより、発光領域を形成させている。
【0044】
なお、図2における各発光素子21−1〜21−4の発光は、図2には図示していないが、上述した図1と同様に着用型インターフェース20の内側に人体と接触可能な一対の電極等からなる生体電位センサを設け、その生体電位センサから得られる生体電位信号に基づいて、その生体電位センサの設置位置に対応する発光領域を所定の光の強度や色により発光させる。したがって、その発光させる発光領域に対応する発光素子を発光させ、その発光した光が光ファイバを伝搬して発光領域に伝達され、その発光領域を発光させる。
【0045】
更に、発光領域23は、人体における実際の筋肉毎の領域に対応させて形成されるのが好ましい。これにより、生体信号の受信した場所によって、現在どの筋肉が動作しているかを容易に把握することができる。
【0046】
ここで、発光領域については、光ファイバを着用型インターフェース20の素材に直接埋め込むことができる。具体的には、着用型インターフェース20の生地の編み目を光ファイバで形成したり、上述した編み目の隙間に光ファイバを挿入して所定の発光領域を形成するようにしてもよい。
【0047】
図2の例では、人体の下半身用の着用型インターフェース20に対して人体の前面の筋肉に対して、発光領域23−1〜23−4が設けられている。ここで、発光領域23−1及び23−3は、左右の脚の大腿四頭筋の筋肉の領域に対応しており、発光領域23−2及び23−4は、左右の脚の前脛骨筋の筋肉の領域に対応している。したがって、本実施形態では、該当する筋肉の動き(筋活動)に応じて、生体電位センサがその生体信号を検出し、検出した結果に基づいてその筋肉の場所に相当する発光領域を点灯させる
また、下半身用の着用型インターフェース20の腰部等の体の伸縮動作が少ない位置に光源である所定色の発光素子21が設けられている。なお、図2の例では、各発光領域23−1〜23−4に対応させてLED等の発光素子21−1〜21−4が設けられている。また、発光素子21−1〜21−4の発光色については、予め設定された単色を発光させてもよく、また生体電位センサから得られる生体信号の値や表示させる位置等に応じて異なる複数の色を表示させてもよい。
【0048】
また、各発光素子21−1〜21−4と各発光領域23−1〜23−4とは、光ファイバ22−1〜22−4で接続されており、発光素子21−1〜21−4の発光を発光領域まで伝送させている。
【0049】
また、本実施形態では、着用型インターフェース20の腰部のような動きの変化があまりない部分には、スピーカ等の音声出力装置24が設けられており、各生体電位センサから得られる生体信号に対する信号処理結果に応じて音声出力装置24から所定のビープ音や音声を出力させることもできる。また、ビープ音や音声については、検出した生体電位センサの位置や数に応じて異なる音を出力させてもよい。
【0050】
また、着用型インターフェース20の腰部のような動きの変化があまりない部分には、発光制御ユニット25が設けられている。この制御ユニットは、LED等の発光素子や電極等の生体電位センサに対して電力を供給したり、生体電位センサから得られる生体信号に基づいて、所定の情報処理を行い、その得られた結果と生体電位センサの位置に対応する発光領域に所定の強度又は色の発光を行わせる。また、上述した電力は、例えば発光制御ユニット25に予め乾電池や充電電池、太陽電池等が内蔵されていたり、無線により外部からの信号を受けて電力を蓄積し、それらから各機能に対して電力が供給される。
【0051】
なお、図2に示す着用型インターフェース20については、人体の前面の筋肉における発光領域だけでなくてもよく、例えば後面の筋肉に対応させて発光領域を設け、生体電位センサや発光素子、光ファイバ等を用いて後面の筋肉の動きに応じてその発光領域を発光させることもできる。なお、人体の脚部の後面の筋肉としては、例えば、大腿二頭筋や半腱様筋、下腿三頭筋等があり、それらに対応させて発光領域を設けることができる。なお、人体の後側の筋肉の動き(筋活動)により後側の発光領域が発光している場合には、その発光領域を本人が目視することが難しい。したがって、そのような場合に音を出力することにより、どの部分の筋活動が行われているかを本人でも容易に把握することができる。
【0052】
したがって、本実施形態では、電位を検出した生体電位センサの場所や数に応じて、提示形態を光や音の何れか又は両方を選択して提示させることができる。
【0053】
また、第2の実施形態では、上述した筋活動の他、着用型インターフェース20により装着されるあらゆる筋活動に対応して発光させることができる。ここで、図3は、全身の筋肉に対応する発光領域の一例を示す図である。図3に示すように、全身の各筋肉に対して発光領域を形成し、その複数ある発光領域のうち、1又は複数の発光領域をその位置や組み合わせに応じて選択し、その発光領域を発光させるようにすることができる。
【0054】
なお、図3に示す全身用の着用型インターフェース30の例では、僧帽筋、上腕三頭筋、広背筋、尺側手根伸筋、大殿筋、大腿二頭筋、半腱様筋、下腿三頭筋、三角筋、大胸筋、腹直筋、上腕二頭筋、外腹斜筋、橈側手根屈筋、腸腰筋、縫工筋、大腿四頭筋、腓腹筋、前脛骨筋、長指伸筋にそれぞれ対応させた発光領域31−1〜31−20が各筋肉の形状に合わせて形成されている。
【0055】
また、本実施形態では、発光領域31−1〜31−20に対応する生体電位センサが、その対象の筋肉からの生体信号を検出できる位置に設けられているため、各生体電位センサから得られる生体電位信号に基づいて、所定の発光領域に対する発光を行う。
【0056】
なお、本実施形態では、複数ある生体電位センサのうち、ある1つの生体電位センサからの生体信号により、1つの発光領域を発光させていたが、本発明においてはこの限りではなく、例えば隣接する複数の生体電位センサからの値の合計又は平均等の算出結果に基づいて対応する発光領域を発光させてもよく、また生体電位センサと発光領域との関係を1対1にせずに、1つの生体電位センサからの生体信号に基づいて、複数の発光領域を発光させてもよく、複数の生体電位センサから得られる結果により、1つの発光領域を発光させてよい。
【0057】
更には、生体電位センサからの生体信号に基づいて、複数の発光領域を予め設定された順序で発光させる等の処理を行うことができる。これにより、装着者の動き等に応じて発光させる位置や色、音等を変化させることができる。
【0058】
また、本発明では、上述した図3の例以外にも、例えば、手袋や靴下等にも同様に生体電位センサ、発光素子、光ファイバ、発光領域等を設けて上述したように所定位置を発光させるようにすることができる。
【0059】
<生体電位センサについて>
ここで、本実施形態における生体電位センサについて具体的に説明する。本発明において生体信号とは、装着者の生体活動に起因する信号であり、身体から計測可能な信号であると共に時系列で変化する信号である。具体的には、生体信号は、例えば筋電位信号や神経伝達信号、脳波、心電位、更に、動作の影響によって生じる電位、生化学反応により生じる電位、心臓の拍動によって生じる脈波等の振動等、生体の活動によって生じる信号等が含まれる。また、本実施形態では、体温や地面に対する反力等も生体信号に含まれる。これにより、筋緊張、筋疲労等の多様な筋活動に対する光や音の提示を実現する。
【0060】
ここで、本実施形態では、装着者の体表面から生体信号を検出する生体信号検出手段(生体信号センサ)の一例として電極からなる生体電位センサを用い、生体信号としては、装着者の体表面に電極を接触させて検知される電気信号である生体電位信号を用いている。
【0061】
なお、電極は、着用型インターフェースの伸縮効果によりその体の部位よりやや小さめのサイズのインターフェースを着用することで、電極を装着者の体に密着させることができる。また、電極の体表接触面に粘着性のある素材等を貼り付けておくか塗布することにより、対表面との密着性をより確かなものにすることができる。
【0062】
また、電極位置は、発光させる領域範囲の領域内若しくはその領域に付近の領域に設置され、脳からの信号により筋力を発生させる際に生じる生体信号(例えば、表面筋電位信号等)を検出する。
【0063】
図4は、着用型インターフェースにおける電極位置の一例を示す図である。なお、図4に示す着用型インターフェース40は、上述した下半身用の着用型インターフェースであり、脚の前側だけでなく後側にも発光領域を設けた例を示している。また、図4では、一例として右脚の前側と後側とにおける発光領域と電極との関係を示しているが、左脚にも右脚と同様の機構を設けている。また、発光領域は、電極の測定対象である筋肉の形状に相当する。
【0064】
図4に示す着用型インターフェース40には、発光領域41−1〜41−4が設けられており、それぞれの位置に対応する一対の電極42−1〜42−4(2個)が設けられている。なお、発光領域41−1〜41−4及び電極42−1〜42−4により、大腿四頭筋(発光領域41−1,電極42−1)、前脛骨筋(発光領域41−2,電極42−2)、大腿二頭筋(発光領域41−3,電極42−3)、下腿三頭筋(発光領域41−4,電極42−4)をそれぞれの筋肉の動き(筋活動)に応じて得られる生体電位信号に基づいて発光させることができる。また、図4に示すように、基準電位を定めるためのグラウンドとしてGND43−1,43−2がそれぞれ設けられていてもよい。これにより、高精度に生体電位信号を取得することができる。なお、GND43は、前後の電極に対して1個でもよい。
【0065】
また、図5は、着用型インターフェースの断面を示す図である。図5に示すように、着用型インターフェース50は、光ファイバ51と布52とを縫い合わせたものであり、2つの電極が対となる電極ユニット53が着用者の体表54と接することにより生体電位信号を取得し、取得した信号を上述した発光制御ユニット25に送信し所定の信号処理がなされた後、取得した電極の位置に対応する発光領域を発光させる。
【0066】
また、着用型インターフェース50は、例えば、基になる生地(布帛)の他に、更にもう1枚メッシュ生地のものを容易し、二重構造とすることで、メッシュ生地の隙間により光の強度を落とさず、光ファイバの配線や電極ユニット53等を着衣に埋め込むことが可能となる。
【0067】
<発光制御ユニットについて>
ここで、上述した発光制御ユニット25について、図を用いて説明する。図6は、本実施形態における発光制御ユニットの一構成例を示す図である。図6に示す発光制御ユニット25は、電源供給手段60と、生体信号入力手段61と、蓄積手段62と、AD変換手段63と、フィルタ手段64と、周波数変換手段65と、サンプル積算手段66、色相変換手段67と、提示手段68と、制御手段69とを有するよう構成されている。
【0068】
電源供給手段60は、発光制御ユニット25における各機能に処理を実行させている。なお、電源供給手段60は、例えば乾電池やリチウム電池、充電電池、太陽電池、無線通信等により電力を受信して蓄える電池等を用いることができる。なお、本発明は、上述した内容に限定されず、例えば有線によりコンセント等から家庭用電源を供給してもよい。
【0069】
生体信号入力手段61は、上述した電極ユニットの電極から所定の生体電位信号を取得する。なお、電極は、例えば2つの対となる電極からの電位差を検出する電位差検出電極等を示し、上述したようにそれぞれが電位差検出電極によって構成される。
【0070】
また、生体信号入力手段61は、着用型インターフェースに設置された複数の電極ユニットから、それぞれの生体電位信号を受信する。
【0071】
蓄積手段62は、生体信号入力手段61により得られる生体電位信号を時間情報と共に蓄積する。これにより、制御手段69等を用いて経時的又は統計的な解析を行うことができ、筋活動のパターンや度合い等を解析して提示することができる。
【0072】
なお、蓄積手段62は、AD変換手段63により変換された内容や、フィルタ手段64により処理された結果、周波数変換手段65により変換された信号、サンプル積算手段66により積算されたサンプルの内容、色相変換手段67における色相変換結果、制御手段69により得られる制御内容等の各種情報等も蓄積する。更に、蓄積手段62は、必要に応じて蓄積されている各種データを読み出すことができる。
【0073】
AD変換手段63は、生体信号入力手段61により得られる生体電位信号に対して「アナログ−デジタル」変換を行い、デジタル信号を生成する。
【0074】
フィルタ手段64は、AD変換手段63により変換されたデジタル信号に対して生体電位信号に含まれるノイズ等を除去するため平滑化処理を行う。具体的には、フィルタ手段64は、取得した生体電位信号を用いてバンドパスフィルタ(BPF)や、ノッチフィルタ(BEF)等を行い、所定の帯域で信号のフィルタリングを行う。なお、上述した所定の帯域としては、例えば約5〜400Hz程度の帯域を利用する。
【0075】
また、周波数変換手段65は、信号を周波数に変換する。これにより、電極からの強度を把握することができ、これにより、光や音の種類や強度を設定することができる。
【0076】
また、サンプル積算手段66は、電極ユニット53から得られる信号を所定時間で複数取得し、取得した信号のうち幾つかの信号をサンプル信号として抽出し、抽出したサンプル信号の値を積算する。これにより、電極ユニット53から取得した信号をそのまま用いるよりも、ノイズ信号等の影響を受けにくくするため、信頼度を向上させることができる。なお、積算量は、例えば100サンプル程度を用いるのが好ましいが、電極ユニット53からの受信状態や、受信側の処理性能等により任意に設定することができる。更に、提示する目的に応じて任意に設定してもよく、例えば時間応答性を重視した場合は30サンプル程度、状態提示を重視した場合は120サンプル程度というように、5〜1000程度の範囲内で任意に設定することができる。
【0077】
色相変換手段67は、サンプル積算手段66により得られる信号をHue変換し、光提示用の色相情報を取得する。これにより、電極から得られる信号に応じて光の種類や強度を調整することができる。
【0078】
提示手段68は、電極ユニット53から得られた情報に基づいて、光か音の提示内容を決定し、決定した内容で提示する。具体的には、提示手段68には、光提示手段68−1、音提示手段68−2を有しており、蓄積手段62に蓄積されている予め設定された生体信号や発光させる場所等に対応した提示条件等に基づいて、制御手段69等により光及び/又は音を制御して出力する。
【0079】
ここで、上述した着用型インターフェースにおいて、例えば光ファイバにより発光領域を発光させるのであれば、光提示手段68−1としてのLEDを光源として光を発生させ、また音により提示させるのであれば、音提示手段68−2としてのスピーカ等により、蓄積手段62に蓄積されている予め設定された音の中から生体信号や発光させる場所に対応した所定の音を選択して出力させる。
【0080】
制御手段69は、提示制御ユニット25の各構成部全体の制御を行う。具体的には、制御手段69は、例えば本実施形態における提示処理を実現するために、生体信号入力処理や、AD変換処理、フィルタ処理、周波数変換処理、サンプル積算処理、色相変換処理等の各制御を行う。
【0081】
なお、上述した実施形態において、AD変換手段63、フィルタ手段64、周波数変換手段65、及びサンプル積算手段66は、複数の電極から得られるそれぞれの信号に基づいて信号レベルを設定するレベル設定手段に相当し、レベル設定手段により得られる設定値に基づいて所定の提示が行われる。
【0082】
また、上述した生体信号入力手段61は、電極ユニット53からの生体電位信号だけでなく他の生体信号(例えば、体温等)を入力し、入力した1つの信号、又は、少なくとも2つの信号を組み合わせて得られた信号等に基づいて上述したレベル設定や設定した内容に基づく提示を行うことができる。これにより、筋緊張、筋疲労等の多様な筋活動を外部に容易に認識させることができる。
【0083】
また、制御手段69は、生体信号入力手段61により得られる生体信号を蓄積手段62に所定時間蓄積しておき、その時間に対する短時間平均パワー、包絡線等の計測波形の統計量、及び周波数スペクトルといった物理的特徴量に基づいて光提示を行うこともできる。
【0084】
<提示処理について>
ここで、本実施形態における提示処理の一例について説明する。図7は、本実施形態における提示処理の一例を示す図である。なお、図7に示す例は、光提示の一例を示しているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば音提示についても同様に適用することができる。
【0085】
図7に示すように、上述した電極ユニットから得られた生体信号に対して信号の平滑化処理を行うため、所定の周波数(例えば、約10Hz以上)を基準とした帯域通過フィルタ(HPF)によるフィルタリングを行い、フィルタリングされた信号を増幅して提示制御ユニット25に出力される。
【0086】
提示制御ユニット25では、入力された信号に対してAD変換を行い、変換した信号に対して平滑化処理を行うため、所定の周波数(例えば、約350Hz以下)を基準とした帯域通過フィルタ(LPF)によるフィルタリングを行い、フィルタリングした信号に対して周波数変換を行う。
【0087】
次に、周波数変換されたデータに対して30サンプルを用いた積算を行い、その値に対して色相変換を行い、色の提示内容及び取得した電極ユニットの設置位置にしたがって、所定箇所のLEDを発光させ、光ファイバを経由して所定の発光領域を発光させる。
【0088】
上述したように、本発明によれば、人体から取得した生体信号の強度、周波数に基づいて、光の強さ、色変化に変換すると共に、光提示パターンを変化させることで、多様な筋活動(筋緊張・筋疲労)を着用する着用型インターフェースにより表現することができる。また、複数の機器を同時に用いることで、筋活動の増長と、抑制とを促す効果を示すことができる。
【0089】
<他の実施形態>
次に、本発明を適用した他の実施形態について図を用いて説明する。図8は、他の実施形態について説明するための一例を示す図である。ここで、図8(a)は、下半身用の上述した着用型インターフェースに温度センサ及び反力センサを設けた例を示し、また、図8(b)は、Tシャツ型の着用型インターフェースの例を示し、図8(c)は帽子タイプの着用型インターフェースを示し、図8(d)は、リストバンド型のインターフェースの一例を示し、図8(e)はアンダーフェア型の着用型インターフェースの一例を示している。なお、図8(a)〜(e)には、図示していないが、光ファイバを介して発光させるLED等の発光素子と、発光素子や生体電位センサに電力を供給する発光制御ユニットとが設けられている。
【0090】
図8(a)は、上述した図4に示す着用型インターフェースに生体信号を取得するための温度センサ71及び反力センサ72が設けられている。温度センサ71は、予め取り付けられた位置に対する筋肉(人体)の温度を計測し、その計測された温度に基づいて筋肉の疲労度を算出する。つまり、筋肉を使用し続けると温度が上昇するため、温度センサ71により所定の間隔で温度を計測していき、その計測された値が予め設定した温度を超えた場合、或いは温度を超えた状態が所定時間以上継続した場合には、予め設定された疲労度を示す光や音を出力する。
【0091】
また、反力センサ72は、人体の踵に係る負荷を検出する。踵に負荷が係る場合には、筋肉が疲労している場合が想定されるため、反力センサ72からの値に応じて予め設定した閾値と比較して、予め設定された疲労度を示す光や音を出力する。
【0092】
また、図8(a)の例では、一対の電極42−1,42−2が設けられているため、各電極42−1,42−2から得られる信号、温度センサ71から得られる信号、及び反力センサ72から得られる信号のうち複数を組み合わせて、所定の発光領域に対して所定の発光や音を提示させることができる。
【0093】
また、図8(b)は、Tシャツ73の生体信号提示装置であり、Tシャツ73の胸の部分にハート形状の発光領域74が設けられている。また、発光領域74の裏側には上述したように一対の電極ユニットが設置されており、心臓の鼓動に対する生体信号を電極から取得することができる。これにより、電極から取得された値に基づいて心拍や脈拍に合わせて発光領域をリアルタイムに発光させることができる。また、図8(b)に示すように、Tシャツ73にスピーカ75を設けることで、心臓の心拍や脈拍に合わせて、例えば「ドックンドックン」、「ピッ・ピッ」といったような心音に対応して音を出力することができる。
【0094】
また、図8(c)は、帽子型の生体信号提示装置であり、帽子76の表面には発光領域77が設けられており、また帽子76の内部には、脳波の活動を取得する生体電位センサが設けられている。また、発光領域77は、光ファイバにより脳波信号に似せて帽子76に織り込まれ、生体信号提示装置と一体に形成されている。したがって、生体電位センサから得られる脳波の信号に応じて発光領域77を発光させることで、脳波の活動をリアルタイムに外部に提示させることができる。
【0095】
また、図8(d)では、リストバンド型の生体信号提示装置であり、リストバンド78には、光ファイバによる発光領域が織り込まれ、生体信号提示装置と一体に形成されている。また、リストバンド78の内側には電極からなる生体電位センサが設置されており、直接装着者の脈拍による生体信号を取得し、取得した生体信号に対応させて発光領域79を発光させる。
【0096】
また、図8(e)は、アンダーウェア型の生体信号提示装置であり、またアンダーウェア80には、2つの発光領域81−1,81−2が光ファイバにより生地に織り込まれ、生体信号提示装置と一体に形成されている。また、アンダーウェア80の内部には、腹圧を測定するための生体電位センサが設けられており、例えば電極等の生体電位センサにより測定された腹圧に応じて呼吸の様子を把握し、息を吸っている動作、又は、息を吐いている動作の何れかを判別して、2つの発光領域81−1,81−2のうち対応する一方の発光領域をリアルタイムに発光させる。これにより、呼吸の様子を外部に容易に認識させることができる。
【0097】
なお、上述した図8(a)〜(e)に示す実施形態は、少なくとも2つを適宜組み合わせて適用することができる。
【0098】
上述した他の実施形態により、体中の筋活動を1又は複数の生体信号を用いて外部に容易に認識させることができる。このように、光や音等の提示手段を用いることで、多チャネルの情報をリアルタイムで観察できれば、一目でその筋肉の伸縮が観察できると共に、スポーツの練習効率の向上やリハビリテーションの上でのモチベーションの向上に繋がる。
【0099】
上述したように本発明によれば、体における筋緊張、筋疲労等の多様な筋活動を外部に容易に認識させることができる。つまり、本発明は、着衣上に光提示や音提示をする点に特色があり、リハビリテーションやスポーツ科学の分野に大きく貢献できると考えている。本発明では、短時間平均パワー、包絡線等の計測波形の統計量、及び周波数スペクトルといった物理的特徴量に基づく光提示に加え、筋の疲労度や緊張度も併せて解析することで、機能的な計測値に基づく光による筋活動の提示を行うことも可能である。
【0100】
また、本発明は、生体信号の強度、周波数に基づいて、光の強さ、色変化、音の種類等に変換すると共に、光や音の提示パターンを変化させることで、例えば、筋緊張、筋疲労等の多様な筋活動を着用する着用型インターフェースにより表現することができる。
【0101】
また、複数の機器を同時に用いることで、筋活動の増長と、抑制とを促す効果を示すことができる。また、本発明は、例えば装着型人支援装置(ロボットスーツ)等と組み合わせることで、ロボットによる支援中に人間による筋活動の提示が可能になる等、人支援技術の補助機器として有効であると考えられる。
なお、本発明は、人体に限定されず、動物等にも着用させて利用することができる。
【0102】
更に、本発明における着用型生体信号提示装置は、認識が困難な筋活動に対する代替提示手段を実現でき、例えばダンス・バレエ等身体動作の訓練機器、及びエクササイズ、運動支援への応用、小型且つ形態可能な新しい提示装置への応用、筋活動の提示等による福祉機器やリハビリテーション機器、ゲーム機器、エンタティメント機器、玩具としても利用することができる。
【0103】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0104】
10,20,30,40,50 着用型インターフェース
11,21 発光素子
12 生体電位センサ
13,24 音声出力手段
14 取付手段
22,51 光ファイバ
23,31,41,74,77,79,81 発光領域
25 発光制御ユニット
42 電極
43 GND
52 布
53 電極ユニット
54 体表
60 電源供給手段
61 生体信号入力手段
62 蓄積手段
63 AD変換手段
64 フィルタ手段
65 周波数変換手段
66 サンプル積算手段
67 色相変換手段
68 提示手段
69 制御手段
71 温度センサ
72 反力センサ
73 Tシャツ
75 スピーカ
77 帽子
78 リストバンド
80 アンダーウェア


【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の所定領域から得られる生体信号に基づいて筋活動を外部に提示する着用型生体信号提示装置において、
前記所定領域に対する前記生体信号を取得するための複数の生体信号検出手段と、
前記複数の生体信号検出手段から得られるそれぞれの生体信号の周波数に基づいて信号レベルを設定するレベル設定手段と、
前記レベル設定手段から得られる信号レベルに対応させて、予め設定された複数の光又は音から選択された所定の光又は音により外部に提示する生体信号提示手段とを有し、
前記生体信号検出手段及び前記提示手段は、前記使用者が着用する着用物と一体に形成されていることを特徴とする着用型生体信号提示装置。
【請求項2】
前記レベル設定手段は、
前記複数の生体信号検出手段から得られるそれぞれの信号を所定の帯域でフィルタリングするフィルタ手段と、
前記フィルタ手段により得られる信号に周波数変換を行う周波数変換手段と、
前記周波数変換手段により得られる周波数情報を所定数積算し、積算された結果から信号レベルを設定する積算手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の着用型生体信号提示装置。
【請求項3】
前記生体信号提示手段は、
発光光源と、該発光光源を予め設定された発光領域まで伝達させる光ファイバとを有し、
前記光ファイバは、前記着用物に織り込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の着用型生体信号提示装置。
【請求項4】
前記生体信号検出手段は電極であり、前記電極は、予め設定された前記使用者の筋肉からの生体電位信号を取得できる位置に設け、前記発光領域は、前記筋肉の位置に前記筋肉と同じ形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の着用型生体信号提示装置。
【請求項5】
前記生体信号提示手段は、
前記周波数変換手段により得られる周波数による音データを出力する音声出力手段を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の着用型生体信号提示装置。
【請求項6】
使用者の所定領域から得られる生体電位信号に基づいて筋活動を外部に提示する着用型生体信号提示方法において、
予め設定された複数の生体信号検出手段により前記所定領域に対する前記生体電位信号を取得する生体信号取得ステップと、
前記生体信号取得ステップにより得られる複数の生体信号検出手段からのそれぞれの信号の周波数に基づいて信号レベルを設定するレベル設定ステップと、
前記レベル設定ステップから得られる信号レベルに対応させて、予め設定された複数の光又は音から選択された所定の光又は音を提示手段により外部に提示する生体信号提示ステップとを有し、
前記生体信号検出手段及び前記提示手段は、前記使用者が着用する着用物と一体に形成されていることを特徴とする着用型生体信号提示方法。
【請求項7】
前記レベル設定ステップは、
前記複数の生体信号検出手段から得られるそれぞれの信号を所定の帯域でフィルタリングするフィルタリングステップと、
前記フィルタリングステップにより得られる信号に周波数変換を行う周波数変換ステップと、
前記周波数変換ステップにより得られる周波数情報を所定数積算し、積算された結果から信号レベルを設定する積算ステップとを有することを特徴とする請求項6に記載の着用型生体信号提示方法。
【請求項8】
前記生体信号提示ステップは、
発光光源と、該発光光源を予め設定された発光領域まで伝達させる光ファイバとを有し、
前記光ファイバは、前記着用物に織り込まれていることを特徴とする請求項6又は7に記載の着用型生体信号提示方法。
【請求項9】
前記生体信号検出手段は電極であり、前記電極は、予め設定された前記使用者の筋肉からの生体電位信号を取得できる位置に設け、前記発光領域は、前記筋肉の位置に前記筋肉と同じ形状に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の着用型生体信号提示方法。
【請求項10】
前記生体信号提示ステップは、
前記周波数変換ステップにより得られる周波数による音データを音声出力手段により出力する音声出力ステップを有することを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の着用型生体信号提示方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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