説明

着脱可能部品の探索方式、およびその探索方式を用いた画像形成装置

【課題】 画像形成装置がプリンタカートリッジの存在を認識し、その情報を用いて、ユーザに適切な消耗品の交換情報や、適切な特色カートリッジの利用を促すものである。
【解決手段】 画像形成装置に内蔵されるプリンタカートリッジに無線通信機器を内蔵し、さらに画像形成装置にも無線通信装置を内蔵し、無線通信可能圏内に存在するプリンタカートリッジを認識しユーザに通知する事が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に対して着脱可能に構成された消耗品、特にプリンタカートリッジの探索方式および、その探索方式を用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真技術を用いた画像形成装置の分野においては、メンテナンスの容易性の観点から、トナーや感光ドラムといった消耗品は、着脱可能に構成されている。これらは、トナーカートリッジやドラムカートリッジというように、簡単に着脱可能なカートリッジ形状になっている。また、多くのカラー画像形成装置では、トナーカートリッジとドラムカートリッジが各色で一体化したカートリッジが用いられている。この一体化したカートリッジを以下ではプリンタカートリッジと呼ぶ。
【0003】
さらに、プリンタカートリッジと画像形成装置(プリンタ本体)は、接触や非接触型のス通信手段を備え、情報をやり取りすることが可能であるものも存在する。この情報には、色情報や印刷枚数情報、シリアル番号などカートリッジ固有の情報が含まれている。画像形成装置本体は、この情報を用いて装着されたプリンタカートリッジの状態や色情報などを検知することが可能である。
【0004】
例えば、特許文献1のようにトナーカートリッジ内部に設置されたセンサ情報を無線通信装置を利用することで画像形成装置本体と情報をやり取りする技術が存在する。
【特許文献1】特開2003−270920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようという問題点は、プリンタカートリッジが画像形成装置に装着される前に、画像形成装置がプリンタカートリッジの存在を認識し、その情報を用いて、ユーザに適切な消耗品の交換情報や、適切な特色カートリッジの利用を促すものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、上記問題点を解決するために、プリンタカートリッジに代表される着脱部品に無線通信機器を内蔵し、さらに画像形成装置にも無線通信装置を内蔵し、画像形成装置の無線通信によって着脱部品を認識するステップと、着脱部品が画像形成装置に無線通信可能圏内に存在することをユーザに通知するステップと、を有することを特徴とする。
【0007】
また、好ましくは、ユーザへの通知方法が、画像形成装置に内蔵された操作パネルに文字や画像を表示することであることを特徴とする。
【0008】
また、好ましくはユーザへの通知方法が、画像形成装置に内蔵された発光素子を発光することであることを特徴とする。
【0009】
また、好ましくは、ユーザへの通知方法が、画像形成装置に内蔵された音源で音を鳴らすことであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上本発明によれば、画像形成装置に内蔵されるプリンタカートリッジに無線通信機器を内蔵し、さらに画像形成装置にも無線通信装置を内蔵し、画像形成装置の無線通信によってプリンタカートリッジを認識するステップと、プリンタカートリッジが画像形成装置に無線通信可能圏内に存在することをユーザに通知するステップと、を有することで画像形成装置が装置外に置かれたプリンタカートリッジを、一度も画像形成装置に装着することなく認識し、内部のプリンタカートリッジが消耗した場合にユーザに交換を促したり、また特別な発色特性をもつプリンタカートリッジの使用を促したりすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態に関して説明する。本発明においては、画像形成装置に内蔵されている制御装置(プリンタコントローラ)にはブルートゥースに代表されるような近距離無線通信装置が接続されている。また、本発明のプリンタカートリッジにおいては、同様の近距離無線通信装置が内蔵され、単独で動作できるように電源(電池)を内蔵している。このプリンタカートリッジ内に内蔵されている無線通信装置は、ユーザが電源を入れる必要がなく、常に電源の入った状態で、画像形成装置の無線通信装置からの通信の待ち受けを行っている状態になっている。このため、プリンタカートリッジは購入して箱に入ったまま封をあけることなく画像形成装置に認識が可能である。封をあける必要がないので、プリンタカートリッジの無用な劣化を防ぐことが可能である。
【実施例1】
【0012】
<装置説明>
1は本発明の実施例におけるシステム全体の構成図を示すブロック図である。
【0013】
図1において、画像形成装置内には無線通信装置が制御装置とともに内蔵されており、相互に接続されている。プリンタカートリッジ内にも同様の無線通信装置が内蔵され、プリンタカートリッジの情報を保持する記録装置と接続されている。画像形成装置の制御装置はこの無線通信装置を用いてプリンタカートリッジと通信し、プリンタカートリッジに内蔵された記録装置内の情報を読み込むことが可能となる。また本実施例では、画像形成装置の外に色域の大きな特色プリンタカートリッジがあり、それを現在装着ずみのカートリッジと交換して色域を正しく出力するための動作に関して説明する。
【0014】
尚、本発明で用いる無線通信方式はブルートゥース(Buletooth(商標))の他に、無線LAN規格であるIEEE802.11b/IEEE802.11gなど本発明の目的を満たせる無線方式であれば何でも良い。
【0015】
<動作説明>
画像形成装置に内蔵された制御装置のプリンタカートリッジの探索動作を図2のフローチャートに基づいて説明する。制御装置は電源が入っている間、定期的に無線通信装置を用いて、周囲に新しいプリンタカートリッジが置かれていないか探索する(S201)。もし新しいプリンタカートリッジが検知された場合には(S202)、制御装置内のプリンタカートリッジの情報を蓄えているデータベースに登録する(S203)。
【0016】
画像形成装置内の制御装置において、プリンタカートリッジの交換を促すためにユーザに通知する動作を図3のフローチャートに基づいて説明する。制御装置は、ホストPCから印刷文書が転送されてくるたびに、各ページの画像形成を行う(S301)。画像形成装置内で、画像レンダリングを行い、色変換、ハーフトーン変換等を行う(S302)。この色変換の途中で、現在装着されているカートリッジの色を用いるが、現在装着されているカートリッジが色域の狭い通常のカートリッジである場合、印刷画像の中に色域をはみ出して再現不可能である部分が出てくる。そのような部分が多く存在する場合には、交換すべき色域を検討し(S303)、特色カートリッジを選択する。その選択された特色カートリッジがデータベース上にある場合には、画像形成装置の周囲に置かれている可能性があるために、ユーザにその旨通知し(S304)、カートリッジの交換を促す。もしカートリッジが交換されて場合は、新しく装着されたカートリッジの再現できる色を用いて色変換を行い(S302)、印刷を行う。もし、カートリッジ交換をユーザによってキャンセルされた場合には、現在装着されているカートリッジを用いて印刷を行う。
【0017】
このような動作を行うことで、特色カートリッジを有効に活用できる場面では、ユーザにカートリッジ交換を促して、色再現性の高い印刷物を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例における外部のプリンタカートリッジを探索する流れ図である。
【図3】本発明の実施例における外部のプリンタカートリッジの利用を促す動作の流れ図である。
【符号の説明】
【0019】
101 画像形成装置本体
102 プリンタコントローラ
103 無線通信装置
104 プリンタカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の部品を着脱可能な画像形成装置に内蔵される部品管理方式であって、その部品に無線通信機器を内蔵し、さらに画像形成装置にも無線通信装置を内蔵し、画像形成装置の無線通信によって部品を認識するステップと、その部品が画像形成装置に無線通信可能圏内に存在することをユーザに通知するステップと、を有することを特徴とする着脱部品の探索方式。
【請求項2】
請求項1に記載の部品が、画像形成装置の消耗部品であることを特徴とする消耗部品の探索方式。
【請求項3】
請求項2に記載の消耗部品が、画像形成装置のトナーカートリッジやドラムカートリッジであることを特徴とするカートリッジ探索方式。
【請求項4】
請求項2または3記載の消耗部品が、画像形成装置にトナーカートリッジやドラムカートリッジであり、画像形成装置内の同種のカートリッジの寿命がきれた場合にのみユーザに通知することを特徴とするカートリッジ探索方式。
【請求項5】
請求項2または3に記載の消耗部品が、画像形成装置の特別なトナーカートリッジやドラムカートリッジであり、画像形成装置内にて画像形成にその特別なカートリッジを用いたほうがより良い画像をえられると判断した場合にのみユーザに通知することを特徴とするカートリッジ探索方式。
【請求項6】
請求項5に記載の特別なカートリッジが、画像形成装置にて通常使われているカートリッジとは異なる発色特性を持つ特色トナーカートリッジであり、画像形成装置内にて画像形成にその特別なカートリッジを用いたほうがより良い画像をえられると判断した場合にのみユーザに通知することを特徴とするカートリッジ探索方式。
【請求項7】
特定の部品を着脱可能な画像形成装置であって、その部品に無線通信機器を内蔵し、さらに画像形成装置にも無線通信装置を内蔵し、画像形成装置の無線通信によって消耗部品を認識する手段と、消耗部品が画像形成装置に無線通信可能圏内に存在することをユーザに通知する手段と、を有することを特徴とする着脱部品を探索可能である画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−39376(P2006−39376A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221725(P2004−221725)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】