説明

睡眠時無呼吸症候群の測定装置

【課題】無拘束・無意識状態で、被験者の覚醒/睡眠を簡単に判定すると共に睡眠時における異常呼吸を高精度に判定する。
【解決手段】睡眠時無呼吸症候群測定装置は、エアマット10からマイクロフォン30a、圧力センサ30bを介して、被験者の生体信号40cと圧力信号40iを検出し、CPU40gで解析する。ROM40jに格納されている覚醒/睡眠判定部40kは圧力信号の体動波形から前回値との差分(動き量)波形を抽出し、差分波形の標準偏差を算出し、その一晩分のトレンドから波形の振幅と閾値を比較し、覚醒/睡眠を判定する。通気量推定部40mは生体信号40cから呼吸波形40eを読み出し、その1サイクル分を検出し呼吸の通気量を推定し、通気量が閾値より小さい場合に異常呼吸と判定する。なお、包絡形状解析部40lで1サイクル毎の呼吸波形の包絡線を測定し、包絡線が紡錘形の場合に、異常呼吸の可能性が大きいので通気量を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体にセンサを取り付けない無拘束・無意識状態で、睡眠時無呼吸症候群を測定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無拘束・無意識状態で睡眠時無呼吸症候群を測定する装置として特許文献1、2がある。特許文献1の検査装置は、就寝者の呼吸による体動に応じた荷重変化を呼吸信号として生成し、この呼吸信号の周波数の変化に基づいて、無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定する。特に、無呼吸もしくは低呼吸状態からの回復呼吸動作は通常呼吸に比較して速いため、呼吸信号の周波数が変化することから判定が可能になる。特許文献2の測定装置は、被験者の生体情報である呼吸数と心拍数といびきから特徴的要因を抽出し、その要因数に応じて無呼吸症候群を判定する。
【0003】
【特許文献1】特開2004−24684号公報
【特許文献2】特開2006−167211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では呼吸動曲線の周波数変化から無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定する際に、寝姿が仰臥位、腹臥位、または横臥位かを推定する必要があり、その寝姿によって検出精度に影響が出る。また特許文献2では呼吸数と心拍数といびきの特徴的要因から無呼吸を判定するが、構造が複雑でありかつ検出精度に問題がある。さらに、特許文献1では被験者の荷重を検出して在離床を判定し、離床のときは判定を行わない。しかし、被験者が在床であっても覚醒状態の場合が有り、このような場合の検出精度は大幅に低下してしまう恐れがある。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、呼吸被験者の覚醒/睡眠を体動から判定するとともに、呼吸動波形および/またはいびき波形の通気度から異常呼吸(無呼吸状態もしくは低呼吸状態)を検出し、簡単かつ高精度に異常呼吸状態を判定する測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明は、無拘束・無意識で被験者の無呼吸乃至低呼吸を判定する睡眠時無呼吸症候群測定装置において、被験者が横たわるエアマットの挙動から生体信号を検出し、前記生体信号である体動波形について、次々と前回検出分との差分を取って差分波形(動き量)を抽出し、該差分波形の標準偏差を所定時間にわたって求め、該標準偏差のトレンドにおける波形の振幅と閾値を比較して覚醒状態または睡眠状態を判定する覚醒/睡眠判定部を設け、前記睡眠状態の場合に、前記生体信号から抽出した体動波形および/またはいびき波形に基づいて、無呼吸乃至低呼吸となる異常呼吸を判定することを特徴とする。
【0007】
あるいは、無拘束・無意識で被験者の無呼吸乃至低呼吸を判定する睡眠時無呼吸症候群測定装置において、被験者が横たわるエアマットの挙動から生体信号を検出し、前記生体信号である体動波形の差分を取って睡眠状態を判定し、前記睡眠状態の場合に、前記生体信号から呼吸波形を読み出し、その1サイクル分の通気量を推定し、前記通気量が閾値より小さい場合に異常呼吸と判定する通気量推定部を有することを特徴とする。
【0008】
さらに、無拘束・無意識で被験者の無呼吸乃至低呼吸を判定する睡眠時無呼吸症候群測定装置において、被験者が横たわるエアマットの挙動から生体信号を検出し、前記生体信号である体動波形について、次々と前回検出分との差分を取って差分波形(動き量)を抽出し、該差分波形の標準偏差を所定時間にわたって求め、該標準偏差のトレンドにおける波形の振幅と閾値を比較して覚醒状態または睡眠状態を判定する覚醒/睡眠判定部と、前記生体信号から呼吸波形を読み出し、その1サイクル分の通気量を推定し、通気量が閾値より小さい場合に異常呼吸と判定する通気量推定部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記生体信号からいびき波形を読み出し、その1サイクル分の通気量を推定し、呼吸波形といびき波形の通気量を足し合わせた通気量が閾値より小さい場合に異常呼吸と判定する通気量推定部と、を有することを特徴とする睡眠時無呼吸症候群測定装置。
【0010】
また、前記1サイクル毎の呼吸波形の包絡線を測定し、該包絡線が紡錘形をなす場合に、前記通気量の推定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被験者の体動の変化量(動き量)の標準偏差から睡眠状態を判定するので被験者の覚醒/睡眠状態を簡単に判定できる。特に、標準偏差を取ることで動き量の大きさのばらつき具合を数値として求めることができるので、判定が正確になる。また、呼吸波形のサイクル毎に通気量を推定することで異常呼吸の有無が判定できる。この場合、呼吸動波形の包絡線の形状が紡錘型の場合は異常呼吸である可能性が高いので、この判定を踏まえることで高精度の判定が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態について、以下、図1から図8を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例である睡眠時無呼吸症候群測定装置の全体構成を示している。睡眠時無呼吸症候群測定装置はエアマット10を有しており、このエアマット10には生体信号を精度よく検出するために、等間隔に配置された穴10aが設けられている。エアマット10は中空チューブ20を介してセンサ検出部30に接続されている。
【0013】
センサ検出部30は中空チューブ20を介して検出する。すなわち、呼吸時に生じる呼吸音「スーハー」やいびきによる「グゴー」という所謂「音」ではなく、呼吸時の胸や腹の動きやいびきによる微振動などを生体情報に関わる音圧信号として検出する。この生体情報から、呼吸信号といびき信号をマイクロフォン30aで検出し、体位の動きは圧力センサ30bで検出する。マイクロフォン30aの信号は、増幅器(OPAMP1)40aで増幅され音圧信号40bになる。圧力センサ30bの信号は増幅器(OPAMP2)40hで増幅され圧力信号40iとして出力される。
【0014】
音圧信号40bはAD変換器40cにより呼吸デジタル信号40eに変換される。他方、音圧信号40bはバンドパスフィルタ40dでフィルタリングされ、いびき信号40fとして出力される。
【0015】
呼吸信号40e、いびき信号40f及び体動信号40iは、コンピュータで形成される異常呼吸判定装置(CPU)40gに入力され、ROM40jに格納されるプログラムによりデジタル処理される。ROM40jのプログラムには、覚醒/睡眠判定部40k、呼吸波形の包絡形状解析部40l、通気量推定部40mがあり、バス40sを介してCPU40gに呼び出される。
【0016】
CPU40gのバス40sには、計算結果を一時記憶するRAM40n、アラーム用通信デバイスSIO40o、上位コンピュータとデータ交換する通信デバイスLAN40qが接続されている。上位コンピュータは(図示省略)健康管理センターなどに置かれ、患者データを集中的に管理し、異常の監視が行われる。従って、患者はエアマット10に横たわっているのみで生体情報に関わる音圧信号が観測され、睡眠中の異常呼吸を自動で検知できるので、患者負担が少なく、かつ高性能な睡眠時無呼吸症候群の測定装置を提供できる。
【0017】
次に、異常呼吸判定装置40gの各部の処理を説明する。図2は覚醒/睡眠判定処理のフローチャートを、図3は覚醒/睡眠判定処理に応じた波形の変化を示している。図2と図3を用いて、本発明による覚醒/睡眠判定処理を説明する。
【0018】
まず、圧力センサ30bを介してエアマット10にかかる圧力を体動波形として読み出し(s101)、次々と前回検出分との差分を取って差分波形を抽出する(s102)。図3の波形データ(1)に示すように、所定サンプリング時間ごとに体動波形の測定データを観測し、前回分との差分である動き量波形(2)を抽出する。図の例では、0.005秒ごとに体動等の圧力信号をサンプリングし、そのたびに前回(0.005秒前)の体動の大きさとの差分を求めている。体動(マット圧)の動き量とは圧力差、すなわち速度の関数である。体動波形の差分を求めることで、バイアス成分を除去でき、閾値による判定が容易になる。
【0019】
次に差分波形の1分間の標準偏差を(1)式により算出し(s103)、これを所定期間、たとえば一晩分のデータについて求める(s104)。
標準偏差=√((動き量−n点の動き量平均)/(n点の動き量平均)) …(1)
ここで、k=0、1、2、・・・、n−1である。標準偏差をとることで、動き量の大きさのばらつき具合を数値として求めることができる。従って、トレンドを求めるときに、動き量の平均値をプロットするよりも、動き量の標準偏差をプロットする方がより小さな動き量まで検知できる。
【0020】
波形データ(3)は、1晩分の体動波形の動き量に対し標準偏差トレンドを求めた例で、覚醒と睡眠の違いが明瞭に表れている。
【0021】
さらに、この標準偏差トレンドに対して移動平均を求めることで(s105)、覚醒と睡眠の振幅の違いがより顕著になる。その移動平均された波形データ(4)に対し、閾値を設けることで、振幅より大きい場合は覚醒、振幅より小さい場合は睡眠と判定することができる(s106)。
【0022】
本実施例によれば、睡眠と判定された期間について後述する通気量推定を行い、異常呼吸の有無を判定できる。また、被験者がマットに横たわった状態で覚醒している場合には「覚醒」と判定し、誤って「睡眠」とすることはないので、誤判定を確実に防止できる顕著な効果がある。
【0023】
なお、移動平均には単純移動平均、修正移動平均、荷重移動平均、それらの組み合わせ等、いずれの方法であっても良い。さらに、1分間の動き量波形(2)から体動の回数を求め、その一晩のトレンドを上記判定方法に加味しても良い。
【0024】
また、判定の精度は落ちるが、体動動き量トレンド(体動動き量に対し、1分間の振幅平均値を一晩分求めたもの)、あるいは脈動波形や体動波形の振幅平均トレンドに対して閾値を設けても判定は可能である。図1の測定装置では脈動波形は検出していないが、AD変換器40cを2チャンネル設けることにより、生体情報に関わる音圧信号40bから脈動デジタル信号を検出し、脈動波形の1分間の振幅平均値を一晩分求めればよい。
【0025】
図4は呼吸波形の正常・異常を判定する通気量推定部のフローチャートを示し、図5は通気量推定部の各処理における波形を示すグラフである。図4と図5を用いて、呼吸波形の正常・異常判定法を説明する。
【0026】
被験者が息を吸う(吸気)と、胸や腹が膨らむためエアマット10を押す力が大きくなり、また息を吐(呼気)くと、胸や腹が元の状態に戻るのでエアマット10を押す力が弱まる。その結果、振幅が周期的に変化する呼吸波形を検知できる。一方、エアマット10上に横たわった状態で、息をしないで胸や腹を膨張・収縮すると、息をしているときと同様の波形を得ることが知られている。このことから、従来のように波形の振幅の大きさを計測するだけでは、睡眠時無呼吸症候群のように胸や腹が動いても息をしていない症状を検知することはできない。
【0027】
本発明では「通気」に着目して呼吸波形を観測する。通常の呼吸では十分に通気ができているため、安定した胸や腹の膨張・収縮を行い、呼吸波形の包絡線は平坦形となる。一方、数秒間に渡って低呼吸や無呼吸が続く異常呼吸では、被験者は息苦しいため、息をしようと胸や腹の膨張・収縮を繰り返し、十分な通気ができたところで正常の呼吸に戻る。また、一刻も早く息をしようとするため、周期が変動することもある。このような結果、異常呼吸の時間帯では、呼吸波形の包絡線は紡錘形となる。
【0028】
通気量推定部40mは、マイクロフォン30aを介して呼吸波形を読み出し(s201)、呼吸波形の1サイクルを検出する(s202)。図5の波形(1)に、呼吸波形の1サイクルを示す。1周期は呼気(山側)から吸気(谷側)の1サイクルである。
【0029】
次に呼吸波形の各サイクルの包絡線を求め(s203)、包絡線が平坦形ならば異常呼吸はないとみて処理を終了する(s204)。この詳細については後述する。
【0030】
一方、包絡線が紡錘形であれば、通気量を推定する(s205)。通気量は呼吸波形1サイクルの波形率(横幅/高さ)と面積から求まり、これを全てのサイクルにおいて求める。図5の波形(2)に、呼吸1サイクルの通気量推定用パラメータ算出のしかたを示す。波形率は(2)式、通気量は(3)式から求まる。
【0031】
波形率=波幅/波高値 …(2)
通気量=波形率×積算値(面積) …(3)
波形率は呼吸波形が丸いか尖っているかを判定する。波形率が小であれば波形が尖っていて、異常呼吸の可能性が高い。波形率が大であれば波形は丸みを帯び、異常呼吸の可能性は低い。図5の波形(3)、(4)に、1分間に含まれる呼吸波形全サイクルに対して求めた通気量の遷移を示す。波形(3)が正常呼吸時、波形(4)が異常呼吸時の通気量を示し、枠線の中が異常時呼吸である。
【0032】
ここで、呼吸波形の包絡線解析部40lの処理を説明する。図6は包絡線解析部のフローチャートを、図7はその解析波形を示している。以下、図6と図7に基づいて包絡線解析処理を説明する。
【0033】
まず呼吸波形を読み出し(s301)、山側のピークを線で連結する(s302)。同様に、谷側のピークを線で連結する(s303)。上記s302、s303の処理を任意の期間について実施し、包絡線の作成を行う(s304、s305)。
【0034】
図7の呼吸波形データ(1)は1分間の呼吸波形で、山側および谷側の包絡線を求めている。これより山側および谷側の包絡線に対して極大値および極小値の有無を判定し、極大値および極小値を検知する毎に両数値の差を所定の閾値と比較し、包絡線の極大値および極小値の差が閾値より大きい場合は紡錘形、差が閾値より小さい場合は平坦形と判定する(s306、s307)。図7の波形(2)は平坦形であり、波形(3)、(4)は紡錘形の例で、右上がり矢印と右下がり矢印が連続する場合、紡錘形と判定される。このように、山側の包絡線または谷側の包絡線が紡錘形と判定される場合は、異常呼吸の可能性が高いので、包絡線が紡錘形であるか否かを判定することで、異常呼吸判定の精度を向上できる。
【0035】
再び図4に戻る。次に、推定した通気量と閾値の比較から、閾値を上回れば正常呼吸、閾値を下回れば異常呼吸と判定する(s210)。図5の波形(4)は異常呼吸が任意時間(ここでは10秒)続いたとき、四角の枠で囲んで表示し、アラーム用通信デバイス40oやLAN40qに出力する。
【0036】
上記の説明では、呼吸の通気量のみを推定している。しかし、バンドパスフィルタ40dを介していびき波形を読み出し(s206)、いびき波形の1波分を検出し(s207)、そのサイクル毎に通気量を推定し(s208)、その通気量を呼吸の通気量と足し合わせ(s209)、この加算した通気量を閾値と比較するようにしても良い。
【0037】
図8はいびき波形を示すグラフである。波形(1)はいびき波形の1サイクルを示す。いびき波形には周期性が無いため、便宜上、呼吸1サイクル中のいびきを1波として考える。波形(2)はいびき1波の通気量推定用パラメータ算出のしかたを示す。推定式は呼吸波形のものと同様で、上記(2)、(3)式に示した通りである。ただし、いびきの波形は1波の中に複数のピークが存在するため、波高には平均波高値を用いる。なお、波形(1)のように、呼吸の開始時刻といびきの開始時刻は必ずしも一致しない。そこで、位相成分を(4)式により求め、通気量を(5)式で求めるようにしても良い。
位相=((いびき開始時刻−呼吸開始時刻)/呼吸周期)×π …(4)
通気量=波形率×積算値×位相 …(5)
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施例による睡眠時無呼吸症候群測定装置の構成図。
【図2】一実施例による覚醒/睡眠を判定するフローチャート。
【図3】覚醒/睡眠判定処理における各処理の波形データを示すグラフ。
【図4】一実施例による通気量を推定するフローチャート。
【図5】通気量推定処理における各処理の波形データを示すグラフ。
【図6】一実施例による呼吸波形の包絡形状を解析するフローチャート。
【図7】呼吸包絡線の形状解析処理における各処理の波形データを示すグラフ。
【図8】いびき波形の1波と通気量推定用のパラメータを示すグラフ。
【符号の説明】
【0039】
10…エアマット、20…チューブ、30a…マイクロフォン、30b…圧力センサ、40a,40h…オペアンプ、40c…AD変換器、40d…バンドパスフィルタ、40g…異常呼吸判定装置(CPU)、40j…ROM、40k…覚醒/睡眠判定部、40l…呼吸波形の包絡形状解析部、40m…通器量推定部、40s…バス、40n…RAM、40o…アラーム用通信デバイス(SIO)、40q…通信デバイスLAN。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無拘束・無意識で被験者の無呼吸乃至低呼吸を判定する睡眠時無呼吸症候群測定装置において、
被験者が横たわるエアマットの挙動から生体信号を検出し、
前記生体信号である体動波形について、次々と前回検出分との差分を取って差分波形(動き量)を抽出し、該差分波形の標準偏差を所定時間にわたって求め、該標準偏差のトレンドにおける波形の振幅と閾値を比較して覚醒状態または睡眠状態を判定する覚醒/睡眠判定部を設け、
前記睡眠状態の場合に、前記生体信号から抽出した呼吸波形および/またはいびき波形に基づいて、無呼吸乃至低呼吸となる異常呼吸を判定することを特徴とする睡眠時無呼吸症候群測定装置。
【請求項2】
無拘束・無意識で被験者の無呼吸乃至低呼吸を判定する睡眠時無呼吸症候群測定装置において、
被験者が横たわるエアマットの挙動から生体信号を検出し、
前記生体信号である体動波形の差分を取って睡眠状態を判定し、
前記睡眠状態の場合に、前記生体信号から呼吸波形を読み出し、その1サイクル分の通気量を推定し、前記通気量が閾値より小さい場合に異常呼吸と判定する通気量推定部を有することを特徴とする睡眠時無呼吸症候群測定装置。
【請求項3】
無拘束・無意識で被験者の無呼吸乃至低呼吸を判定する睡眠時無呼吸症候群測定装置において、
被験者が横たわるエアマットの挙動から生体信号を検出し、
前記生体信号である体動波形について、次々と前回検出分との差分を取って差分波形(動き量)を抽出し、該差分波形の標準偏差を所定時間にわたって求め、該標準偏差のトレンドにおける波形の振幅と閾値を比較して覚醒状態または睡眠状態を判定する覚醒/睡眠判定部と、
前記生体信号から呼吸波形を読み出し、その1サイクル分の通気量を推定し、通気量が閾値より小さい場合に異常呼吸と判定する通気量推定部と、を有することを特徴とする睡眠時無呼吸症候群測定装置。
【請求項4】
無拘束・無意識で被験者の無呼吸乃至低呼吸を判定する睡眠時無呼吸症候群測定装置において、
被験者が横たわるエアマットの挙動から生体信号を検出し、
前記生体信号である体動波形について、次々と前回検出分との差分を取って差分波形(動き量)を抽出し、該差分波形の標準偏差を所定時間にわたって求め、該標準偏差のトレンドにおける波形の振幅と閾値を比較して覚醒状態または睡眠状態を判定する覚醒/睡眠判定部と、
前記生体信号から呼吸波形を読み出し、その1サイクル分の通気量を推定し、前記生体信号からいびき波形を読み出し、その1サイクル分の通気量を推定し、両者の通気量を足し合わせた通気量が閾値より小さい場合に異常呼吸と判定する通気量推定部と、を有することを特徴とする睡眠時無呼吸症候群測定装置。
【請求項5】
請求項3または4において、前記1サイクル毎の呼吸波形の包絡線を測定し、該包絡線が紡錘形をなす場合に、前記通気量の推定を行うことを特徴とする睡眠時無呼吸症候群測定装置。
【請求項6】
請求項1、3乃至5のいずれかにおいて、前記標準偏差のトレンドについて移動平均を求めた後、該移動平均の振幅と閾値を比較して覚醒状態または睡眠状態を判定することを特徴とする睡眠時無呼吸症候群測定装置。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれかにおいて、前記通気量は、前記1サイクルの波形の波形率(波幅/波高値)×積算値から算出することを特徴とする睡眠時無呼吸症候群測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−28423(P2009−28423A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197522(P2007−197522)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000233044)株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス (276)
【Fターム(参考)】