説明

破砕処理システム及び破砕処理方法

【課題】コンパクトで作業効率に優れた破砕処理システムを提供する。
【解決手段】被破砕物集積場100と、旋回装置250、旋回装置250の上部に取り付けた旋回体202、先端部に被破砕物を把持する作業具214Aが取り付けられた作業装置204A、及び先端部に被破砕物を粗破砕する作業具214Bが取り付けられた作業装置204Bを有する油圧ショベル200と、ホッパ315及びホッパ315に受け入れた被破砕物を破砕処理する破砕装置312を有する破砕機300とから破砕処理システムを構成し、油圧ショベル200が、作業装置204Aで被破砕物集積場100の被破砕物を掴み上げて把持し、この把持した被破砕物をホッパ315上にて作業装置204Bで粗破砕し、この粗破砕した被破砕物をホッパ315に直接投入できるように、ホッパ315及び被破砕物集積場100を油圧ショベル200の作業半径R内に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は破砕機を用いて被破砕物を破砕処理する破砕処理システム及び破砕処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
破砕機は、廃棄物の再利用や減容化を主な目的として、種々の被破砕物を破砕するものである。また、破砕機の種類は、扱うことのできる被破砕物や破砕方法の違いによって様々であるが、例えば、粗大ゴミ、プラスチック廃材、古タイヤ、廃木材、家電品等をせん断して破砕するせん断式破砕装置を有するもの(いわゆるシュレッダを含む2軸せん断破砕機等)や、建設廃材であるコンクリート塊やアスファルト塊、または岩石等を圧縮して破砕する圧縮式破砕装置を有するもの(いわゆるジョークラッシャを含む圧縮破砕機等)等がある。
【0003】
このような破砕機を用いて破砕処理を行う破砕処理システムには、グラップル等の把持具を取り付けた重機(例えば、油圧ショベル)を利用して、その把持具で被破砕物を把持しながら破砕機に投入するものがある。(特許文献1等参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−118686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、破砕機が破砕処理することができる被破砕物の大きさには概ねの上限がある。そのため、その上限を超えるものには破砕機に投入するに先だって事前処理(切断を含む粗破砕)を施す必要がある。また、被破砕物が破砕処理可能な大きさであっても、破砕機への負荷や破砕処理効率を考慮して被破砕物を事前処理する場合もある。
【0006】
上記の破砕処理システムのように把持具を有する重機を利用して破砕機に被破砕物を投入する場合には、破砕機で破砕可能かつ重機で把持可能なサイズにする事前処理作業が人手によって行われる場合がある。このような場合には、被破砕物に事前処理をするための作業スペースが必要になるだけでなく、そこで働く作業者の安全上の問題から、その作業スペースを重機から充分離れた場所に配置することも必要となる。このように事前処理工程が必要な場合には、破砕処理システムが占有するスペースは拡大されてしまい、作業効率を向上させることも難しい。また、これに加えて、作業スペースでは事前処理作業に伴って発生する屑や粉塵などの清掃の手間も少なからず生じる。
【0007】
本発明の目的はコンパクトで作業効率に優れた破砕処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、上記目的を達成するために、破砕処理前に被破砕物を粗破砕する事前処理工程を要する破砕処理システムにおいて、被破砕物を集積しておく被破砕物集積場と、旋回装置、この旋回装置の上部に取り付けた旋回体、この旋回体に設けられ先端部に被破砕物を把持する把持具が取り付けられた第1作業装置、及び前記旋回体に設けられ先端部に被破砕物を粗破砕する粗破砕具が取り付けられた第2作業装置を有する作業機械と、被破砕物を受け入れる受入部及びこの受入部に受け入れた被破砕物を破砕処理する破砕装置を有する破砕機とからなり、前記作業機械が、その場で、前記第1作業装置で前記被破砕物集積場の被破砕物を掴み上げて把持し、この把持した被破砕物を前記破砕機の受入部上にて前記第2作業装置で粗破砕し、この粗破砕した被破砕物を前記破砕機の受入部に直接投入できるように、前記破砕機の受入部及び前記被破砕物集積場は前記作業機械の作業半径内に配置されているものとする。
【0009】
(2)上記(1)は、好ましくは、前記把持具及び前記粗破砕具のうち少なくとも一方は前記作業装置に旋回可能に取り付けられているものとする。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)は、好ましくは、前記作業機械及び前記破砕機のうち少なくとも一方は走行装置を備えているものとする。
【0011】
(4)上記(1)又は(2)は、好ましくは、前記作業機械及び前記破砕機のうち少なくとも一方は定置型のものであるものとする。
【0012】
(5)本発明は、上記目的を達成するために、破砕処理前に被破砕物を粗破砕する事前処理工程を要する破砕処理システムにおいて、被破砕物を集積しておく被破砕物集積場と、旋回装置、この旋回装置の上部に取り付けた旋回体、この旋回体に設けられ先端部に被破砕物を把持する把持具が取り付けられた第1作業装置、及び前記旋回体に設けられ先端部に被破砕物を粗破砕する粗破砕具が取り付けられた第2作業装置を有する作業機械と、被破砕物を受け入れる受入部及びこの受入部に受け入れた被破砕物を搬送するコンベア装置を有する運搬機械と、この運搬機械からの被破砕物を受け入れる受入部及びこの受入部に受け入れた被破砕物を破砕処理する破砕装置を有する破砕機とからなり、前記作業機械が、その場で、前記第1作業装置で前記被破砕物集積場の被破砕物を掴み上げて把持し、この把持した被破砕物を前記運搬機械の受入部上にて前記第2作業装置で粗破砕し、この粗破砕した被破砕物を前記運搬機械の受入部に直接投入できるように、前記運搬機械の受入部及び前記被破砕物集積場は前記作業機械の作業半径内に配置されているものとする。
【0013】
(6)本発明は、上記目的を達成するために、破砕処理前に被破砕物を粗破砕する事前処理工程を要する破砕処理方法において、被破砕物を破砕処理する破砕装置を有する破砕機の被破砕物の受入部、及び被破砕物を集積しておく被破砕物集積場を、旋回装置、この旋回装置の上部に取り付けた旋回体、この旋回体に設けられ先端部に被破砕物を把持する把持具が取り付けられた第1作業装置、及び前記旋回体に設けられ先端部に被破砕物を粗破砕する粗破砕具が取り付けられた第2作業装置を有する作業機械の作業半径内に配置し、その場で、前記作業機械の前記第1作業装置で前記被破砕物集積場の被破砕物を掴み上げて把持し、この把持した被破砕物を前記破砕機の受入部上にて前記第2作業装置で粗破砕し、この粗破砕した被破砕物を前記破砕機の受入部に直接投入するものとする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、事前処理を伴う破砕処理工程を簡略できるので、コンパクトで作業効率に優れた破砕処理をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
図1は本発明の第1の実施の形態の全体配置を示す側面図であり、図2はその上面図である。
【0017】
図1及び図2に示す破砕処理システムは、被破砕物を集積しておく被破砕物ストックヤード(被破砕物集積場)100と、2機のフロント作業装置を有し、被破砕物を把持しながら事前処理(切断を含む粗破砕。後に詳述する。)する双腕型作業機械(双腕型油圧ショベル)200と、双腕型油圧ショベル200によって事前処理されながら投入される被破砕物を破砕する破砕機300と、破砕機300によって破砕された破砕物が集積されるチップヤード(破砕物集積場)400とから主に構成されている。以下、各部分について順次説明していく。
【0018】
まず、双腕型油圧ショベル200について詳しく説明する。
【0019】
図3は本発明の第1の実施の形態に係る双腕型作業機械の全体構造を示す側面図であり、図4はその上面図である。なお、先の図と同じ部分には同じ符号を付して説明は省略する(後の図においても同様)。また、図3中の左・右に対応する方向を油圧ショベルの後・前とし、図4中の上・下に対応する方向を油圧ショベルの左・右とする。
【0020】
図3及び図4において、油圧ショベル200は、下部走行体201と、下部走行体201の上に取り付けられた旋回装置250と、旋回装置250の上部に取り付けられ下部走行体201に対して旋回可能な上部旋回体202と、上部旋回体202の前方中央付近に取り付けられた運転室203と、上部旋回体202の前方右側に設けられ先端部に被破砕物を把持する作業具(把持具)214Aが取り付けられたフロント作業装置204Aと、上部旋回体202の前方左側に設けられ先端部に被破砕物を粗破砕する作業具(粗破砕具)214Bが取り付けられたフロント作業装置204Bとを備えている。
【0021】
下部走行体201は、トラックフレーム205と、トラックフレーム205の幅方向両端に設けられた駆動輪206及び従動輪207と、駆動輪206及び従動輪207に掛け回された履帯(無限軌道履帯)208と、駆動輪206に連結されている駆動装置209とを備えている。トラックフレーム205の上部には旋回装置250が取り付けられており、旋回装置250の上部には更に上部旋回体202が取り付けられている。旋回装置250は上部旋回体202を走行体201に対して旋回軸O(図1及び図2参照)を中心に旋回させる。
【0022】
フロント作業装置204Aは、上部旋回体202の前方右側に取り付けられたブラケット210Aと、ブラケット210Aに左右揺動自在に取り付けられたスイングポスト211Aと、このスイングポスト211Aに上下揺動自在に取り付けられたブーム212Aと、このブーム212Aに上下揺動自在に取り付けられたアーム213Aと、このアーム213Aに上下回動自在に取り付けられ被破砕物を把持する作業具(グラップル)214Aと、スイングポスト211A及び上部旋回体202に連結されスイングポスト211Aを左右方向に揺動させるスイングポストシリンダ215Aと、スイングポスト211A及びブーム212Aに連結されブーム212Aを上下方向に揺動させるブームシリンダ216Aと、ブーム212A及びアーム213Aに連結されアーム213Aを上下方向に揺動させるアームシリンダム217Aと、アーム213A及び作業具214Aに連結され作業具214Aを上下方向に回動させる作業具シリンダ218Aとを有している。
【0023】
作業具(グラップル)214Aは、アーム213Aに上下回動自在に取り付けられた取付部219Aと、取付部219Aの先に旋回部220Aを介して取り付けられ取付部219Aに対して旋回可能な本体部221Aと、本体部221Aに取り付けられ被破砕物を把持できるように対向して設けられた一対のフォーク222a,222bとを主に備えている。旋回部220Aは、内部に設けられた旋回装置(図示せず)によって本体部221Aを取付部219Aに対して旋回させる。フォーク222a,222bはそれぞれ本体部221Aに回動可能に取り付けられている。本実施の形態では、フォーク222a及び222bはリンク機構を介して互いに連結されており、フォーク222aに連結された油圧シリンダ(図示せず)を伸縮させてフォークの開閉を行っている。なお、フォーク222a,222bを開閉させる構造としては、この他にも、それぞれに油圧シリンダを連結させる方式等を利用しても勿論良い。なお、作業具214Aは、他の作業具と交換可能にアーム213Aに取り付けられており、この他にも、例えば、圧砕機、カッタ、ブレーカ、バケット等の各種作業具に作業機械の作業内容に応じて取り換えることができる。
【0024】
運転室203内には下部走行体201の走行、上部旋回体202の旋回、及び、フロント作業装置204A,B各部の動作(揺動・回動・駆動等)等を制御する操作装置(図示せず)が設けられており、オペレータはこの操作装置を用いて油圧ショベル200を操作する。
【0025】
フロント作業装置204Bは、上部旋回体202の前方左側に設けられ、フロント作業装置204Aとほぼ同様の部分によって構成されている。各部分については、フロント作業装置204Aと同じ部分には符号の添字を「A」から「B」に変えて示し、説明は省略する。
【0026】
作業具(粗破砕具,チェーンソー)214Bは、アーム213Bに上下回動自在に取り付けられた取付部219Bと、取付部219Bの先に旋回部220Bを介して取り付けられ取付部219Bに対して旋回可能な本体部221Bと、本体部221Bから突出した板状のガイドバー223と、ガイドバー223の外周に掛け回した刃付きチェーンであるソーチェーン224と、本体部221B内に設けられ軸回転力を発生させる駆動装置(図示せず)とを主に備えている。前記駆動装置は、その出力軸がチェーン224と係合するスプロケット等(図示せず)に連結されており、軸回転力によってチェーン224をガイドバー223に沿って周回させる。油圧ショベル200のオペレータは、運転室203内に備えられた操作装置(図示せず)を適宜操作することによって、上記のように周回するチェーン224を被破砕物(木材等)に接触させ、被破砕物を破砕に適した寸法に切断することができる。また、本実施の形態では粗破砕具としてチェーンソーを用いる例を示したが、被破砕物の性状に応じて、例えば、圧砕機やカッタ等の破砕装置を作業具として用いて粗破砕しても良いし、その他にも被破砕物の事前処理が可能な作業具であれば足りる。
【0027】
次に、破砕機300について詳しく説明する。
【0028】
図5は本発明の第1の実施の形態に係る破砕機の全体構造を示す側面図であり、図6はその上面図である。なお、図5中の左・右に対応する方向を破砕機の後・前とする。
【0029】
図5及び図6において、破砕機300は、自力走行するための下部走行体301と、下部走行体301の上部に搭載され被破砕物を破砕する破砕機本体部302と、破砕機本体部302が処理した破砕物を搬送して機外へ排出する排出コンベア303と、機体各所に搭載した作動機器の動力源(エンジン)等を内蔵した動力装置(パワーユニット)304等で概略構成されている。
【0030】
下部走行体301は、トラックフレーム305と、トラックフレーム305の幅方向両端の前後に設けられた駆動輪306及び従動輪307と、駆動輪306及び従動輪307に掛け回された履帯(無限軌道履帯)308と、駆動輪306に連結されている駆動装置309とを備えている。
【0031】
破砕機本体部302は、下部走行体301上に設けられた本体フレーム310と、本体フレーム310の上部に設けられたハウジング311と、ハウジング311の上部に設けられ被破砕物を受け入れるホッパ(受入部)315と、ハウジング311の内部に設けられホッパ315に受け入れた被破砕物を破砕する破砕装置312と、ハウジング311の内部に設けられ破砕装置312を駆動する駆動部313と、ハウジング311の下部に設けられ破砕装置312が破砕した破砕物を排出コンベア303上に排出するシュート314とを備えている。
【0032】
ホッパ315は、下方から上方に向かって拡開する形状をしており、上部開口部316と下部開口部317を有する。このホッパ315は、投入重機(油圧ショベル,コンベア,スクリーン等)等によって上部開口部316を介して投入される被破砕物(粗大ゴミ,プラスチック廃材、古タイヤ、廃木材、家電品等)を受け入れる。下部開口部317は、ハウジング311内部に向かって図6に示すように所定寸法(L1xL2)で開口する開口部であり、これを介してハウジング311内部の破砕装置312を臨むことができるよう構成されている。ホッパ315に受け入れられた被破砕物はこの下部開口部317を介して破砕装置312に送り込まれる。
【0033】
破砕装置312は、機体長手方向に沿って並設され、複数のカッタ(切断歯)318及びスペーサ319が軸芯方向に沿って交互に配設されている2本のロールから概略構成されている。これら2本のロールは、一方のロールのカッタ318が他方のロールのスペーサ319と対向するように構成されており、駆動部312によって与えられる回転動力によって回転される。このように構成された2本のロールは、それぞれが協動して被破砕物を下方(排出コンベア303方向)に噛み込むように、相異なる方向に回転し、せん断力を利用して被破砕物を破砕する。このように破砕装置312によって破砕された破砕物はシュート314を介して排出コンベア303上に排出される。
【0034】
排出コンベア303は、コンベアフレーム320と、コンベアフレーム320の長手方向両端部に設けた駆動輪321及び従動輪322と、駆動輪321及び従動輪322に掛け回した搬送ベルト323とを有する。
【0035】
コンベアフレーム320は、本体フレーム310に取り付けられた支持部材324、及び動力装置304に取り付けられた支持部材325によって吊り下げ支持されている。駆動輪320の回転軸の片側端部は駆動装置326と連結され、この駆動装置326によって与えられる回転動力によって搬送ベルト323を駆動している。シュート314から排出された破砕物は、搬送ベルト323上を搬送された後にベルト323端部から落下して、破砕機300外に排出される。
【0036】
ここで破砕機300による破砕処理に先だって行う事前処理(切断を含む粗破砕)の必要性について説明する。破砕機には破砕処理することができる被破砕物の大きさに概ねの限界がある。例えば、本実施の形態における破砕機300が破砕処理することができる最大の径(最大処理径と称する。)は、下部開口部317の寸法(図6に示す機体長手方向(L1)及び機体幅方向(L2))や、破砕装置312の各ローラ及びこれに配設されるカッタ318・スペーサ319等の寸法等に依存する。従って、ホッパ315に受け入れられる被破砕物の径が最大処理径より大きいと、ホッパ315内に滞留してしまい下部開口部317を介して破砕装置312に導かれなかったり、導かれたとしても破砕装置312に噛み込まれることなく回転軸が空転したりして、被破砕物を破砕することができない場合がある。このため、最大処理径を超える大きさの被破砕物を破砕するには、ホッパ315に投入する前の段階で、切断、粗破砕等をして最大処理径より小さくしておく(事前処理)必要がある。また、被破砕物の寸法が最大処理径以下である場合でも、破砕機の負荷や破砕処理効率を考慮して被破砕物を事前処理することが好ましい場合もある。以上のように、破砕機の最大処理径との関係や破砕処理効率を向上させるという観点から事前処理は必要となる。
【0037】
次に、図1及び図2に戻り、上記のようにそれぞれ構成される油圧ショベル200及び破砕機300を用いた本実施の形態の破砕処理システムの全体構成について詳しく説明する。
【0038】
ここで、油圧ショベル200が移動及び旋回することなくフロント作業装置204Aのみを利用して地面上の把持対象物を作業具214Aで掴み上げて把持しようとする場合、旋回軸Oの位置から作業具214Aが対象物を把持可能な位置までの距離を油圧ショベル200の作業半径Rとする。このように作業半径Rを定義すると、油圧ショベル200が移動することなく作業具214Aを用いて把持対象物を把持することが可能な作業領域Sは、図2中の二点鎖線が示すように、上部旋回体202の旋回軸Oを中心とし、半径が作業半径Rに相当する円の内部で示される。なお、ここでは把持作業を例として説明したが、作業具を取り換えれば把持作業の他の作業も可能であり、この領域S内であれば移動することなく作業具に応じた作業をすることができるのは言うまでもない。
【0039】
被破砕物1は、上記の破砕機300の破砕可能な被破砕物の最大処理径等との関係上、破砕機300のホッパ315に投入する前に事前処理を要する被破砕物である。なお、本実施の形態では被破砕物1は長尺の丸太材である。
【0040】
被破砕物ストックヤード100は被破砕物1を予め集積しておく場所である。このストックヤード100内において、被破砕物1は、油圧ショベル200がフロント作業装置204Aで掴み上げて把持可能なように、少なくとも領域S内にその一部が入るように集積されている。即ち、油圧ショベル200が移動することなく被破砕物1を把持できれば良く、ストックヤード100及び被破砕物1の全体が領域Sの内部に包含されている必要はない。しかし、油圧ショベル200による把持作業を容易にするという観点からは、ストックヤード100内の被破砕物1の配置は各被破砕木材1の全部分が領域S内に収まるように配置することが好ましい。このように配置すると、油圧ショベル200が被破砕物1を容易に把持することができるので、効率良く破砕処理システムを運用することができる。なお、図2において、被破砕物1は長手方向が領域Sの径方向に沿うように配置されているが、その配置方向は特にこれのみに限られるものではなく、例えば領域Sの接線方向に沿うように配置しても勿論良い。また、ストックヤード100の配置数は特に制限はない。従って、図2に示すように、ストックヤード100を領域R内に油圧ショベル200を取り囲むように3箇所配置する配置のみに限られず、他の配置や配置数としてもよい。
【0041】
被破砕物2(図1参照)は、油圧ショベル200が被破砕物1を作業具214Aで把持しながら作業具214Bで切断して事前処理を施した被破砕物である。
【0042】
破砕機300は上部開口部316の少なくとも1部が領域S内に含まれるように配置されている。これは、油圧ショベル200が、フロント作業装置204Aで把持した被破砕物1をホッパ315上にてフロント作業装置204Bで事前処理し、この事前処理した被破砕物2をホッパ315に直接投入可能なようにするためである。この破砕機300の配置は、好ましくは、上部開口部316の全部が領域S内に位置するようにすると良い。このように配置すると、被破砕物2を確実に破砕装置312に導くことができるとともに、事前処理に伴って発生する被破砕物1の切断屑がホッパ315外へ飛散することを抑制することができ、清掃の手間を軽減することができる。また、上記の被破砕物1の配置と同様、油圧ショベル200による作業が容易になり、破砕処理効率も向上する。
【0043】
チップヤード400は、破砕機300によって破砕された破砕物3が集積される場所である。このチップヤード400には、破砕物3が破砕機300の排出コンベア303の端部から落下して集積するので、前記端部の下側に破砕物3の山が形成される。なお、本実施の形態における破砕物3は木材チップである。
【0044】
ここで上記本実施の形態における各構成要素の配置をまとめると、油圧ショベル200が、その場で、フロント作業装置204Aでストックヤード100の被破砕物1を掴み上げて把持し、この把持した被破砕物1を破砕機300のホッパ315上にてフロント作業装置204Bで粗破砕し、この粗破砕した被破砕物2を破砕機300のホッパ315に直接投入できるように、破砕機300のホッパ315及び被破砕物集積場400は油圧ショベル200の作業半径内Rに配置されている。
【0045】
次に、上記のように構成した本実施の形態の破砕処理システムにおける被破砕物の破砕処理工程を説明する。
【0046】
まず、双腕型油圧ショベル200を用いて、被破砕物ストックヤード100に集積されている被破砕物1をフロント作業装置204Aで掴み上げて把持する。そして、作業具214Aで被破砕物1を把持した状態を保持したまま上部旋回体202を旋回させ、把持した被破砕物1の作業具214B側端部が破砕機300の上部開口部316の中心付近上方に位置したところで旋回を中止する。ここで、フロント作業装置204Aで把持している被破砕物1をフロント作業装置204Bで切断し、破砕機300が破砕するのに適した寸法を有する被破砕物2を得る。こうしてフロント作業装置204Bによって被破砕物1から切り離された被破砕物2は、切断されると同時に重力によって落下し、その下方に位置するホッパ315に受け入れられる。このように、本実施の形態によれば、油圧ショベル200は、移動することなく、被破砕物1を掴み上げて把持することができ、更に、その被破砕物1を破砕可能な寸法以下に切断(事前処理)しながら破砕機300のホッパ315内に直接投入することができる。
【0047】
続いて、上記のようにホッパ315に受け入れられた被破砕物2は、下部開口部317を介して破砕装置312へ送り込まれ、破砕装置312によってせん断破砕された後に破砕物3となる。このよう得られた破砕物3は、シュート314を介してケーシング311の内部から排出コンベア303上へ排出される。排出コンベア303上に排出された破砕物3は、搬送ベルト323によって機体前方に搬送され、排出コンベア303端部において機外に排出される。排出された破砕物3は、重力によって落下し排出コンベア303端部の下方位置に集積するので、チップヤード400内に破砕物3の山を形成する。
【0048】
次に、本実施の形態の作用及び効果を説明する。
【0049】
まずここで、本発明の理解を容易にするために、本実施の形態の比較例について説明する。この比較例では、破砕機への被破砕物投入用の重機としてフロント作業装置を1機のみ有する油圧ショベルを用いている。
【0050】
図7は、本実施の形態の比較例である破砕処理システムの全体配置を示す側面図である。
【0051】
図7が示す破砕処理システムは、被破砕物1を集積しておく被破砕物ストックヤード100と、被破砕物1を切断して事前処理を施す事前処理作業スペース500と、事前処理を施した被破砕物2を集積しておく処理済被破砕物ストックヤード600と、1機のフロント作業装置704を有し、被破砕物2を破砕機300に投入する作業機械(油圧ショベル)700と、油圧ショベル700によって投入される被破砕物2を破砕する破砕機300と、破砕物3が集積されるチップヤード400とを主に備えている。ここで、本実施の形態における油圧ショベル200の作業半径R同様、この比較例における油圧ショベル700の作業半径をRcとする。
【0052】
事前処理作業スペース500は、作業員4が人手によって切断具(例えば、チェーンソー等)を用いて被破砕物1を切断して事前処理をするスペースであり、作業員4の安全に考慮して油圧ショベル700の作業半径Rcの外側に配置されている。処理済被破砕物ストックヤード600は、作業スペース500で事前処理された被破砕物2が集積されており、油圧ショベル700による投入効率の向上を考慮して作業半径Rc内に配置されている。油圧ショベル700は、本実施の形態の双腕型油圧ショベル200とは異なり、先端部にグラップル714を装着したフロント作業装置704を1機のみ有している。
【0053】
この比較例では、まず、被破砕物ストックヤード100から被破砕物1を事前処理作業スペース500に運搬する。そこで作業員4は被破砕物1を切断して事前処理を施し被破砕物2とする。作業スペース500で得られた被破砕物2は、処理済被破砕物ストックヤード600へ運搬され、そこで重機が掴み上げ易いように集積される。このようにストックヤード600に集積された被破砕物2は、油圧ショベル700によって把持された後に、破砕機300のホッパ315に投入される。投入された被破砕物2は破砕機300によって破砕されチップヤード400に集積される。
【0054】
上記のように構成した比較例における油圧ショベル700には、フロント作業装置は1つしか取り付けられておらず、被破砕物1の事前処理を単独で行うことができない。そのため、被破砕物ストックヤード100に加えて、被破砕物1に事前処理をするための作業スペース500と、事前処理をした被破砕物2を集積しておくストックヤード600とが必要となる。また、作業スペース500で働く作業者4の安全上の問題から、その作業スペース500を油圧ショベル700から充分離れた場所に配置することも必要となる。
【0055】
このように事前処理工程が必要な場合には、破砕処理工程が増加するのに伴い、破砕処理システムが占有するスペースが拡大する。これは、ある処理工程から次の処理工程に移る場合に、重機や人手によって被破砕物を運搬・集積する手間等を生じさせ、作業効率を低下させる要因ともなる。また、作業効率の向上のためにシステムの占有面積の削減化を図ろうとしても、上記のような作業員の安全確保に配慮すると、システムをコンパクトにするには限界があり、作業効率を向上させるにも限界がある。さらに、作業スペース500付近では事前処理作業に伴って発生する屑や粉塵などの清掃の手間も少なからず生じる。
【0056】
このような比較例に対して、本実施の形態は、一方のフロント作業装置204Aに把持具214A、他方のフロント作業装置204Bに粗破砕具214Bを備える双腕型の油圧ショベル200をシステムの構成要素として組み込み、更に、ホッパ315及びストックヤード100の双方を油圧ショベル200の作業半径R内(領域S内)に配置して破砕処理システムを構成している。このように構成することにより、本実施の形態における油圧ショベル200は、一方の作業装置204Aで被破砕物1を掴み上げて把持しながら、他方の作業装置204Bで被破砕物1を切断して事前処理を施すことができ、更に、その事前処理をした被破砕物2を破砕機300のホッパ315に直接投入することができる。
【0057】
本実施の形態は、上記のように、被破砕物1への事前処理と、破砕機300への投入との複数の処理工程を油圧ショベル200で行うことができる。これにより、破砕処理工程を簡略することができるので、破砕処理に要する時間が短縮し、作業効率が飛躍的に向上する。また、被破砕物を予め事前処理する必要がなくなるので、事前処理用の作業スペースや事前処理済の被破砕物を集積しておくスペースも不要となり、事前処理に関するスペースとしては被破砕物ストックヤード100を設けるだけで破砕処理システムを構築することができる。これにより、システムの占有面積を削減することができるので、更に作業効率が向上する。またさらに、油圧ショベル200のオペレータだけで被破砕物1への事前処理と、破砕機300への投入とを担うことができるので、破砕処理システムに要する作業人員を削減することができる。さらに、本実施の形態では、被破砕物1をホッパ315上で切断して事前処理することができるので、被破砕物1を切断する際に発生する切断屑も一緒に破砕処理することが可能となり、事前処理に伴って発生する屑や粉塵などを清掃する手間も低減することができる。
【0058】
なお、以上の説明においては、丸太木材を被破砕物として破砕処理するシステムについて説明してきたが、被破砕物は勿論丸太木材のみに限られない。例えば、粗大ゴミ、プラスチック廃材、古タイヤ、廃木材、家電品等、せん断式破砕装置を有する破砕機300が処理可能なものであれば適用可能なことはいうまでもない。
【0059】
続いて、以下において、本第1の実施の形態の変形例について説明する。
【0060】
図8から図10は第1の実施の形態の変形例の全体配置を示す側面図である。図8の示す第1の変形例は畳6を、図9の示す第2の変形例は古タイヤ9を、図10の示す第3の変形例は枝葉材12を破砕対象としたものである。
【0061】
図8において、畳6は、油圧ショベル200によって事前処理されて畳7として破砕機300に直接投入され、破砕機300に破砕処理されて破砕物8として破砕物集積場400に集積される。図9において、古タイヤ9は、油圧ショベル200によって事前処理されて古タイヤ10として破砕機300に直接投入され、破砕機300に破砕処理されて破砕物11として破砕物集積場400に集積される。また、図10において、枝葉材12は、油圧ショベル200によって事前処理されて枝葉材13として破砕機300に直接投入され、破砕機300に破砕処理されて破砕物14として破砕物集積場400に集積される。
【0062】
このように、丸太木材の他に、畳6、古タイヤ9、枝葉材12等を破砕対象とした場合においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、上記油圧ショベル200の作業具214A,及び214Bは、上で説明したように、本体部221A,Bが取付部219A,Bに対して旋回可能である。したがって、これらを適宜旋回させることによって、ベテランのオペレータでなくても、複雑な形状を有する被破砕物にも容易に事前処理を施すことができる。例えば、図9に示した環状形状をした古タイヤ9にもその形状に合わせて柔軟に対応することができ、図10に示した枝葉材12を事前処理する際にも枝葉材12の形状に適宜合わせて対象物を切断することができる。また、この作業具214A,Bの旋回機能は、長尺形状の被破砕物を事前処理する場合に更なる効果を発揮する。即ち、この旋回機能を利用すれば、例えば、長尺の丸太材を水平に把持して片方から順に粗破砕具で切断してきた場合に当該方向から木材を切断することができなくなったとしても、丸太材を把持している把持具を180度旋回させることにより切断する側を反転させて切断作業を続けることができる。従って、上記旋回機能を用いれば、被破砕物を一端地面に置いて掴み直したりすること無く連続して事前処理を行うことができる。
【0063】
また、本実施の形態の破砕処理システムを構成する油圧ショベル200及び破砕機300はそれぞれ下部走行体201,301を有しており自走可能なので、上記システムの設置場所や、各機械及びスペースの配置等を現場の都合等に合わせて柔軟に変更することができる。また、破砕対象物(原料)がある場所に破砕処理システム自体が出向いて行くことができるので、破砕対象物を運搬する手間を削減することができる。
【0064】
その一方、本実施の形態における油圧ショベル200及び破砕機300は、上記説明の通り、一旦所定位置に配置されれば破砕処理作業中は基本的に移動する必要がない。従って、破砕処理システムの設置場所の変更等を要しない利用先(例えば、ゴミ処理施設内における利用)では、下部走行体201,301を取り除いて定置型のシステムとすることも可能である。以下、そのように構成したものを本発明の第2の実施の形態として説明する。
【0065】
図11は本発明の第2の実施の形態の全体配置を示す側面図である。本実施の形態が上記第1の実施の形態と異なる点は、油圧ショベル及び破砕機を定置型とした点である。
【0066】
図11に示す破砕処理システムは、定置型破砕処理機800と、被破砕物ストックヤード100と、チップヤード400とから主に構成されている。定置型破砕処理機800は、設置台801の上に取り付けられた油圧ショベル200D及び破砕機300Dを備えている。油圧ショベル200Dは、上記第1の実施の形態で用いた油圧ショベル200から下部走行体201を取り除いたものとほぼ同じ構成からなっている。破砕機300Dも、油圧ショベル200D同様に、上記第1の実施の形態で用いた破砕機300から下部走行体301を取り除いたものとほぼ同じ構成からなっている。また、油圧ショベル200D及び破砕機300Dは、上記第1の実施の形態と同様に、各機体に搭載されたエンジン式油圧ポンプ(図示せず)によって供給される圧油によって駆動されている。このように破砕処理システムを構成すれば、本発明に係る破砕処理システムを定置型として実施することができる。
【0067】
また、上記油圧ショベル200D及び破砕機300Dは、定置型とすることで電気の供給が容易になるので、上記エンジン式油圧ポンプに換えて電動式油圧ポンプを圧油供給手段として利用するように構成しても良い。電動式油圧ポンプを利用すれば、エンジン駆動によって発生する排ガスの処理を考慮する必要がなくなるので、屋内でも特別な換気設備を設置することなく上記破砕処理システムを構築することができる。
【0068】
ところで、上記各実施の形態の説明では、油圧ショベル200,200Dによって事前処理した被破砕物を破砕機300,300Dに直接投入するものについて説明してきたが、一旦運搬作業機(例えば、自走式ベルトコンベア)や、選別機(例えば、自走式スクリーン)等のホッパに被破砕物を投入して運搬、選別等し、その後に破砕機300によって破砕処理するように構成しても良い。以下において、その一例を本発明の第3の実施の形態として説明する。
【0069】
図12は本発明の第3の実施の形態の全体配置を示す側面図である。本実施の形態が上記第1の実施の形態と異なる点は、油圧ショベル200によって事前処理した被破砕物を自走式ベルトコンベア900のホッパに直接投入し、このベルトコンベア900を介して破砕機300に被破砕物を投入している点である。
【0070】
図12に示す破砕処理システムは、上記第1の実施の形態の構成要素に加えて、自走式ベルトコンベア(運搬機械)900を備えている。自走式ベルトコンベア900は、下部走行体901と、下部走行体901の上部に取り付けられた上部車体902と、上部車体902の上部に取り付けられ投入される搬送物を搬送するコンベア装置903と、コンベア装置903の一方端部の上方に設けられ事前処理した被破砕物2を受け入れるホッパ904とを備えている。ホッパ904の上部開口部は、油圧ショベル200の作業半径R内であることを示す領域Sの内部に配置されている。また、コンベア装置903の他方端部は破砕機300のホッパ315の開口部上に配置されており、油圧ショベル200が事前処理しながらホッパ904に直接投入した被破砕物2はコンベア装置903を介してホッパ315に投入される。このように構成した破砕処理システムにおいても、油圧ショベル200によって事前処理した被破砕物2を間接的に破砕機300のホッパ315に投入して破砕することができるので、効率の良い破砕処理を行うことができる。
【0071】
なお、以上においては、せん断式破砕装置を有する破砕機を利用してシステムを構成する場合について説明してきたが、利用可能な破砕機はこの種のみに限られない。破砕機の破砕方式(例えば、圧縮式破砕装置を有するジョークラッシャや、衝撃作用によって破砕をおこなうインパクトクラッシャ等)に限定されず、双腕型の油圧ショベルを利用して被破砕物を事前処理しながら破砕機のホッパへ直接投入することができるものであれば適用可能である。このような場合には、処理対象である被破砕物の性状に合わせて油圧ショベルの粗破砕具を変更する(例えば、コンクリート塊を破砕する場合には粗破砕具をクラッシャやブレーカ等とする。)ことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施の形態の全体配置を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の全体配置を示す上面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る双腕型作業機械の全体構造を示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る双腕型作業機械の全体構造を示す上面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る破砕機の全体構造を示す側面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る破砕機の全体構造を示す上面図である。
【図7】本発明との比較例の全体配置を示す側面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る第1の変形例の全体構造を示す側面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る第2の変形例の全体構造を示す側面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る第3の変形例の全体構造を示す側面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態の全体配置を示す側面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態の全体配置を示す側面図である。
【符号の説明】
【0073】
O 旋回軸
R 作業半径
S 作業領域
1 被破砕物
2 事前処理済み被破砕物
3 破砕物
100 被破砕物ストックヤード
200 双腕型作業機械
201 下部走行体
202 上部旋回体
204A フロント作業装置(右)
204B フロント作業装置(左)
214A 作業具(把持具)
214B 作業具(粗破砕具)
250 旋回装置
300 破砕機
301 下部走行体
302 破砕機本体部
303 排出コンベア
312 破砕装置
315 ホッパ
400 チップヤード
700 作業機械
800 定置型破砕処理機
900 運搬機械
901 下部走行体
903 コンベア装置
904 ホッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕処理前に被破砕物を粗破砕する事前処理工程を要する破砕処理システムにおいて、
被破砕物を集積しておく被破砕物集積場と、
旋回装置、この旋回装置の上部に取り付けた旋回体、この旋回体に設けられ先端部に被破砕物を把持する把持具が取り付けられた第1作業装置、及び前記旋回体に設けられ先端部に被破砕物を粗破砕する粗破砕具が取り付けられた第2作業装置を有する作業機械と、
被破砕物を受け入れる受入部及びこの受入部に受け入れた被破砕物を破砕処理する破砕装置を有する破砕機とからなり、
前記作業機械が、その場で、前記第1作業装置で前記被破砕物集積場の被破砕物を掴み上げて把持し、この把持した被破砕物を前記破砕機の受入部上にて前記第2作業装置で粗破砕し、この粗破砕した被破砕物を前記破砕機の受入部に直接投入できるように、前記破砕機の受入部及び前記被破砕物集積場は前記作業機械の作業半径内に配置されていることを特徴とする破砕物処理システム。
【請求項2】
請求項1記載の破砕処理システムにおいて、
前記把持具及び前記粗破砕具のうち少なくとも一方は前記作業装置に旋回可能に取り付けられていることを特徴とする破砕処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の破砕処理システムにおいて、
前記作業機械及び前記破砕機のうち少なくとも一方は走行装置を備えていることを特徴とする破砕処理システム。
【請求項4】
請求項1又は2記載の破砕処理システムにおいて、
前記作業機械及び前記破砕機のうち少なくとも一方は定置型のものであることを特徴とする破砕処理システム。
【請求項5】
破砕処理前に被破砕物を粗破砕する事前処理工程を要する破砕処理システムにおいて、
被破砕物を集積しておく被破砕物集積場と、
旋回装置、この旋回装置の上部に取り付けた旋回体、この旋回体に設けられ先端部に被破砕物を把持する把持具が取り付けられた第1作業装置、及び前記旋回体に設けられ先端部に被破砕物を粗破砕する粗破砕具が取り付けられた第2作業装置を有する作業機械と、
被破砕物を受け入れる受入部及びこの受入部に受け入れた被破砕物を搬送するコンベア装置を有する運搬機械と、
この運搬機械からの被破砕物を受け入れる受入部及びこの受入部に受け入れた被破砕物を破砕処理する破砕装置を有する破砕機とからなり、
前記作業機械が、その場で、前記第1作業装置で前記被破砕物集積場の被破砕物を掴み上げて把持し、この把持した被破砕物を前記運搬機械の受入部上にて前記第2作業装置で粗破砕し、この粗破砕した被破砕物を前記運搬機械の受入部に直接投入できるように、前記運搬機械の受入部及び前記被破砕物集積場は前記作業機械の作業半径内に配置されていることを特徴とする破砕物処理システム。
【請求項6】
破砕処理前に被破砕物を粗破砕する事前処理工程を要する破砕処理方法において、
被破砕物を破砕処理する破砕装置を有する破砕機の被破砕物の受入部、及び被破砕物を集積しておく被破砕物集積場を、旋回装置、この旋回装置の上部に取り付けた旋回体、この旋回体に設けられ先端部に被破砕物を把持する把持具が取り付けられた第1作業装置、及び前記旋回体に設けられ先端部に被破砕物を粗破砕する粗破砕具が取り付けられた第2作業装置を有する作業機械の作業半径内に配置し、
その場で、前記作業機械の前記第1作業装置で前記被破砕物集積場の被破砕物を掴み上げて把持し、この把持した被破砕物を前記破砕機の受入部上にて前記第2作業装置で粗破砕し、この粗破砕した被破砕物を前記破砕機の受入部に直接投入することを特徴とする破砕処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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