説明

破砕機

【課題】不定形状の混合物からなるゴミ類等を多段的に順次効率よく破砕し、最終的に極めて細かい砕片にすることができる破砕機を提供する。
【解決手段】上段のホッパー形状部16と下段の円筒形状部17が一体的に形成された本体ケース15内に垂直に配置された螺状羽根71を有するスクリュー軸7の下端部に掃海刃8と二重の回転刃9を固定し、本体ケースに固定刃18を二重に固定してなり、スクリュー軸の回転に伴い不定形状混合物からなるゴミ類等が本体ケースの下方に落下する過程において順次に細かく砕片化されて破砕されるようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は破砕機に関するもので、特に不定形状の混合物からなるゴミ類等を多段的に順次効率よく破砕し、最終的に極めて細かい砕片にすることを目的とした破砕機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴミ処理機等の前段処理装置として、その処理を迅速かつ確実に実行する手段として、ゴミをカットするカッター等が開発され種々提案されているが、より細かくカットし、直径1mm以下のサイズまで擂り潰すことが理想的である。
【0003】
しかし「ゴミ」の性質上、その形状や重量等はまちまちで一定ではなく、不特定形状や重量の混合体であり、特に破砕と擂り潰しに困難を極めるのは,羽毛や紙や薄皮の野菜等のような非常に軽くて表面積の大きいもののカットやミキシングである。
【0004】
このようないわゆる一般的なゴミ(生ゴミ)に見られるような形状や重さや硬さ等が広範囲に及ぶものを同時に処理してしまうような破砕機は現在までに提供されていない。
【0005】
特許文献1の特開2002−28622号公報は、開閉自在な連通口を設けた仕切板によって処理槽を上下段に分離して、上段を発酵室、下段を乾燥室とし、発酵室に投入した生ゴミを攪拌翼で攪拌することにより発酵処理し、連通口を開口することにより発酵処理物を乾燥処理するものであった。
【0006】
特許文献2の特開2004−298773号公報は、処理槽の底床板中央から起立する回転軸と、回転軸を中心として径方向外側へ延びる羽根部を有し、主カッターを形成する複数の固定刃と、回転方向に向かって次第に高く傾斜した上下攪拌用の傾斜板とを備えた生ゴミ処理装置である。
【0007】
【特許文献1】 特開2002−28622号公報
【特許文献2】 特開2004−298773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記するような従来の生ゴミ処理機では、いずれの場合においても、順次カットしながら擂り潰し、次第に細かく破砕できるものではなく、本発明でこの問題点を解決することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上段のホッパー形状部と下段の円筒形状部が一体的に形成された本体ケース内に垂直に配置された螺状羽根を有するスクリュー軸の下端部に掃海刃と二重の回転刃を固定し、本体ケースに固定刃を二重に固定し、スクリュー軸の回転に伴い、不定形状混合物からなるゴミ類等を下方に落下させながら破砕または擂り潰す構成からなることを特徴とし、モーター保持台に固定されたモーターの駆動力を、軸継手部を介して駆動軸に伝動し、駆動軸の回転に伴い、ギヤを介してスクリュー軸を回転させるように構成したことを特徴とし、本体ケースの下段の円筒形状部の内側に、スクリュー軸の螺状羽根間に位置するように固定刃を突設させたことを特徴とし、且つ、不定形状混合物からなるゴミ類等が本体ケースの下方に落下する過程において、順次に細かく砕片化されて破砕されるように構成したことを特徴とする破砕機を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の破砕機によれば、不定形混合物からなる生ゴミが多段的に破砕されて擂り潰されるので、細かく砕片化されて破砕されるように構成されているので、細かく砕片化されて破砕された生ゴミの後処理が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づき、本発明の破砕機について具体的に説明する。
【0012】
図面において、図1は本発明破砕機の全体斜視図である。図2は本発明破砕機の全体断面図である。図3はスクリューの正面図である。図4は上段回転刃の平面図である。図5は上段回転刃の正面図である。図6は回転刃の下面図である。図7は回転刃の正面図である。図8は上段固定刃の平面図である。図9は上段固定刃の正面図である。図10は下段固定刃の平面図である。図11は下段固定刃の正面図である。
【0013】
本発明破砕機の全体の構成は、図1に示すように、本体ケース15は上段のホッパー形状部16と下段の円筒形状部17とが一体的に形成されており、これにモーター1が直結されており、このモーター1のトルクは8N−m以上に設定され、回転数は150rpm以上に設定されている。
【0014】
上段のホッパー形状部16と下段の円筒形状部17とが一体的に形成された本体ケース15内にスクリュー軸7が回転自在に垂直に配置されており、該スクリュー軸7には図3に示すように螺状羽根71が固定され、図2に示すようにスクリュー軸7の下端部に掃海刃8と二重の回転刃9、13が多段式に固定されている。
【0015】
モーター保持台2に固定されたモーター1の駆動力を、軸継手部3を介して駆動軸6に伝動し、ベアリングケース4内のベアリングに保持された駆動軸6の回転に伴い、ギヤ5を介してスクリュー軸7を回転させるように構成されている。
【0016】
図1乃至図2に示すように、駆動軸6は両端部をベアリングケース4内のベアリング軸受けに保持され、中央部でギヤ5を介してスクリュー軸7を回転させることができる。
【0017】
図2に示すように、本体ケース15内の円筒形状部17内には固定刃10、14が二重に固定されており、二重の回転刃9及び回転刃13と固定刃10、14とはそれぞれ対応して摺り合わせ状態に配置されている。
【0018】
図8乃至図9に示すように、固定刃10は、中心より十字状の延長部101から外周部102に一体的に形成され、本体ケース15内の円筒形状部17の外側よりネジ部103によって、強固に固定されており、延長部101には複数の孔部11が形成されている。
【0019】
図10乃至図11に示すように固定刃18は円板状に形成されており、多数の孔部19が形成されており、本体ケース15内の円筒形状部17の外側よりネジ部20によって強固に固定されている。
【0020】
スクリュー軸7の回転に伴い螺状羽根71によって、ホッパー形状部16の開口部より投入された不定形状混合物からなるゴミ類等は下方へ引きずり込まれ、軽くて薄い形状のものでも、サイクロン効果により強制的に下方へ引き込まれる。
【0021】
図2に示すように、本体ケース15の下段の円筒形状部17の内側に、スクリュー軸7の螺状羽根71間に位置するように固定刃18が突設されており、この過程において、該固定刃18によって3cm以上の形状の大きいゴミは1cm以下にカットされる。
【0022】
1cm以下にカットされたゴミは、ボス81にてスクリュー軸7に固定された掃海刃8によって回転刃9の根元に押し付けられるが、この時、カットしきれなかった1cm以上のゴミは掃海刃8によって一旦上方に舞い上げられ、更に下に落ちてカットされることが繰り返される。
【0023】
図4に示すように、掃海刃8の形状はスクリュー軸7に固定されたボス81より四方に延長して、図5に示すように傾斜して形成されているので、カットしきれなかった1cm以上のゴミは一旦上方に舞い上げられ、更にゴミは下に落ちてカットされることが繰り返されることになる。
【0024】
回転刃9に押し付けられたゴミは固定刃10との間でカット及び擂り潰し工程に入り、下方へ落ちるが、擂り潰しきれなかったゴミは上記の動作を繰り返しながら、再び下方へ落ちる。
【0025】
下段の回転刃13に押し付けられたゴミは固定刃14との間で再びカット及び擂り潰し工程が反復されて下方に排出される。
【0026】
上段の回転刃9と下段の回転刃13は同じ形状であり、図6乃至図7に示すような形状をなし、中央部がスクリュー軸7に固定され、回転刃9乃至13はその刃先部分がカーブして四方に延長されており、刃先部分のカーブ形状がゴミのカットをし易くしている。
【0027】
以上説明したように、不定形状混合物からなるゴミ類等が本体ケースの下方に落下する過程において、順次に細かく砕片化されて破砕されるように構成した本発明破砕機は、産業上の利用可能性が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】 本発明破砕機の全体斜視図である。
【図2】 本発明破砕機の全体断面図である。
【図3】 スクリューの正面図である。
【図4】 上段回転刃の平面図である。
【図5】 上段回転刃の正面図である。
【図6】 回転刃の下面図である。
【図7】 回転刃の正面図である。
【図8】 上段固定刃の平面図である。
【図9】 上段固定刃の正面図である。
【図10】 下段固定刃の平面図である。
【図11】 下段固定刃の正面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 モーター
2 モーター保持台
3 軸継手部
4 ベアリングケース
5 ギヤ
51 ギヤカバー
6 駆動軸
7 スクリュー軸
71 螺状羽根
8 掃海刃
81 ボス
9 回転刃
91 ボス
10 固定刃
101 延長部
102 外周部
103 ネジ部
11 孔部
12 スペーサ
13 回転刃
14 固定刃
15 本体ケース
16 ホッパー形状部
17 円筒形状部
18 固定刃
19 孔部
20 ネジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上段のホッパー形状部と下段の円筒形状部が一体的に形成された本体ケース内に垂直に配置された螺状羽根を有するスクリュー軸の下端部に掃海刃と二重の回転刃を固定し、本体ケースに固定刃を二重に固定し、スクリュー軸の回転に伴い、不定形状混合物からなるゴミ類等を下方に落下させながら破砕または擂り潰す構成からなることを特徴とする破砕機。
【請求項2】
モーター保持台に固定されたモーターの駆動力を、軸継手部を介して駆動軸に伝動し、駆動軸の回転に伴い、ギヤを介してスクリュー軸を回転させるように構成したことを特徴とする請求項1記載の破砕機。
【請求項3】
本体ケースの下段の円筒形状部の内側に、スクリュー軸の螺状羽根間に位置するように固定刃を突設させたことを特徴とする請求項1記載の破砕機。
【請求項4】
不定形状混合物からなるゴミ類等が本体ケースの下方に落下する過程において、順次に細かく砕片化されて破砕されるように構成したことを特徴とする請求項1記載の破砕機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−262120(P2009−262120A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140153(P2008−140153)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(593099621)株式会社東京電子サービス (3)
【出願人】(594082822)株式会社ダイテックス (3)
【Fターム(参考)】