説明

磁歪/圧電体による遠隔発電、電池、および方法

発電デバイスは、磁歪材料と圧電材料との複合材に磁場を印加することによって発電する。磁歪材料と圧電材料との複合材は、バッテリまたは他の貯蔵デバイス内に組み込まれ得る。パルス磁場または連続磁場の下で、磁歪材料は伸張、撓曲、または変位し、これによって磁歪材料と組み合わされた圧電材料に歪が生じ、圧電材料が発電する。磁歪材料と圧電材料との複合材に印加される磁場は、好ましくは、該複合材の固有共振周波数の90%〜110%の範囲内の周波数を有する。バッテリは、コンデンサまたは強誘電体コンデンサを備え得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本特許出願は、米国予備特許出願第60/816,010号(2006年6月22日出願)および第60/831,619号(2006年7月18日出願)に基づくものであり、これらの予備特許出願の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
RFID(無線周波数識別)の製造および使用における技術は、次の2つの主なグループに分類される。1つはパッシブタグであって、これは、リーダに密結合することによって該タグ自体の電力を収集し、これにより、該タグは、リーダと情報を送受信することが可能となる。第2のグループは、アクティブタグであって、これは、該タグ自体が、バッテリ、コンデンサ、または他のデバイスのような、電力貯蔵容量を有する。リーダによって受信されるデータの送信を要求する、リーダによって生成されるRF信号によって、タグのクエリが行われる。このアクティブタグは、貯蔵デバイスの限りある貯蔵寿命のために、寿命が制限される。本発明の磁歪/圧電デバイスは、取り付けられた電気デバイスを動作させるための電力、または多数のセンサ、受信器、送信器、または他の電気または電子デバイスによって使用され得る蓄電デバイスを充電するための電力を提供する。この発電技術を使用した新型のRFIDは、以下、ネットワークパワードタグまたはNPRFIDと称する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、天然のまたは人工のパルス状のあるいは均一の、遠隔操作される磁場または電磁場によって制御される発電デバイスと、それによって充電されるバッテリと、該バッテリを形成するための方法とに関する。磁歪材料または類似の材料に磁気的な影響を与えることが、圧電体のような発電結晶体または材料を伸張させたり、撓曲させたり、変位させたりして、それが磁気パルスを検知するたびに、電力を生成する。新たな発電デバイスは、PME(Passive Magnetostrictive Electro−Active)デバイスまたは類似のデバイスによって電力を生成する。Terfenol−D(Fe2(Dy0.7Tb0.3))磁歪材料およびセラミックPZT−5の層で形成されたパッシブ磁場センサは、0.3エルステッド以上のクエリトランシーバの磁場の範囲内にあるときには、電気および電子デバイスに電力を供給する発電機としての役割を果たす。磁場またはパルス磁場の存在下で、磁歪材料または他の材料が伸張され、撓曲され、または物理的に歪まされ、それに取り付けられた圧電型デバイスを変位させ、それによって、任意の電気または電子デバイスの電力を生成する。
【0004】
好適な実施形態では、発電されたときに、電力は、強誘電体コンデンサ、コンデンサ、または充電式バッテリタイプデバイスのバンクに貯蔵される。バッテリは、全てが互いに並列接続された、最高で数千回巻き重ねられたシート状の強誘電体コンデンサであり得る。特定のサイズよりも大きな強誘電体コンデンサの構築は、これまで成功していなかった。したがって、大きな強誘電体コンデンサを形成するためには、多数の小さなコンデンサが構築されて、1つの大きなコンデンサに相当するように並列に配線される。このプロセスは、複数層の材料が他の材料の上に堆積された後に、不要な材料をエッチングで除去する、集積回路の製造に類似している。これを行うことによって、Mylar(登録商標)のようなポリエステル、またはKapton(登録商標)のようなポリイミドのシートの上に大きなコンデンサを作製することができ、次いでそれを巻き重ねて、通常のバッテリパッケージングに使用されるような、円筒形状に容易に適合し得るパッケージを作製する。
【0005】
PME発電機/バッテリは、磁場または電場の各パルスごとに発電する。磁気源をパルス化することで、デバイスは、バッテリまたはコンデンサを、使用可能なレベルの電圧または電流にまで充電することができる。最適な電力を得るためには、磁場は、磁歪/圧電複合材の固有周波数に適合する周波数で発生されねばならない。当該の複合材の固有共振周波数の90%〜110%の範囲内の周波数で磁場が発生される場合には、最適な電力に近い電力を得ることができる。加えて、バッテリ、コンデンサ、または他の貯蔵デバイスに電力を提供する新たな磁歪/圧電デバイスは、電圧調整器とともに使用して、特定の電圧を提供することができる。一部のアプリケーションでは、デバイスはまた、調節器を用いずに機能し得る。生成された電力は、AAA、AA、C、Dまたは他の一般的なバッテリの形態を用いた全てのデバイスによって使用され得る、標準または非標準バッテリエンクロージャ内に収容される。この新たな発電バッテリは、NPB(ネットワークパワードバッテリ)と呼ばれる。バッテリは、単一または複数の磁気発電デバイスによって電力を供給され得る。加えて、単一の磁気発電デバイスが、複数のNPBに電力を供給し得る。この新たなデバイスは、任意の数のバッテリ給電式デバイスに電力を供給するように構成され得、また、離れたところでRFIDタグに電力を供給しクエリを行うこともできる。
【0006】
パルス磁場はまた、オンにする、オフにする、または新たなデータをメモリに格納する、メモリを消去する、または休止状態にするなどの他の特定のタスクまたは操作の命令を、受信デバイスに提供するために、符号化され得る。
【0007】
本発明の好適な一実施形態は、用いる機器に電力を供給するように充電の進行を維持することによって、現在のバッテリ技術を超えて能力を増加させ得、それによって、潜在的に無限の貯蔵寿命を提供することができる。これは、用いる機器の信頼性において有意な利点を有することになる。本発明はまた、医療、生物医学、暗視、GPS、無線、センサ、アクチュエータ、および情報収集技術のための電源を提供し得る。バッテリにデータを伝達する能力は、電力の節約、モード変更、データのリフレッシュ、などのような、さらなる利益を提供し得る。
【0008】
磁歪材料は、James Prescott Jouleによって1840年代に発見されたものであり、当時、彼は、鉄の長さが磁気の変化に応じて変化することに注目し、この現象をジュール効果と命名した。
【0009】
動作原理:
磁歪材料は磁場に晒されると膨張し、ジュール効果すなわち磁歪を呈する。これは、材料の中の磁区が磁場によって整列するために生じる。同様に、材料が歪む(伸張する、または圧縮される)と、その磁気エネルギが変化する。この現象は、磁気機械効果またはビラリ効果と呼ばれる。
【0010】
磁歪材料の一部の例:
*コバルト
*鉄
*ニッケル
*フェライト
*テルビウム合金(Terfenol−D)
*Metglass
*Galfenol(ガリウムおよび鉄)
磁歪は、磁気状態と弾性状態との間の双方向性エネルギ交換を伴うので、磁歪材料は、圧電材料と組み合わされたときには、交番の電磁場からAC電圧を生成する機構を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、長手方向軸Xに沿って印加された磁場(H)によって得られる、円筒形試料10のジュール磁歪ΔL/Lを示す図である。磁歪材料の円筒形試料10は、磁場を印加する前の長さLから、磁場の印加中に、長さL+ΔLにまで伸張する。
【0012】
図2は、磁歪材料12の層と、圧電材料14の層とを互いに接合して、磁歪材料と圧電材料との複合材20を形成した図である。複合材は、種々の構成を有することができ、磁場H内に配置される。磁場Hが複合材20に印加されたときには、磁歪材料12が伸張し、それによって圧電材料14に歪が加えられ、かくして、圧電材料14内に比例電圧が誘起される。複合材20の構成に応じて、磁場を印加すると磁歪材料12は伸張したり、撓曲したり、あるいは歪んだりする。
【0013】
磁気電気積層複合材および磁歪合金に関する情報は、Applied Physics Letter No.87−222504(2005年11月28日付)に見出すことができ、本文献は、参考として本明細書において援用される。
【0014】
図3を参照すると、(1)図3の上部の、磁場Hが印加されていないときの磁歪材料12の分子Mのランダムな配置と、(2)図3の下部の、磁歪材料12に磁場Hが印加されたときの分子Mの整列とを比較した例示が、概略的に示されている。図3からわかるように、磁場(H)の印加によって分子Mが整列すると、磁歪材料12の長さが増加する。長さの増加分を文字eで表す。
【0015】
磁歪機構は、原子レベルでは比較的複雑な問題であるが、巨視的なレベルでは、2つの相異なるプロセスに区別され得る。第1のプロセスは、外部磁場に反応する材料の内部の磁区壁の移動が支配的である。第2のプロセスは、磁区の回転である。これらの2つの機構が、材料に磁区配向を変化させ、ひいては寸法変化を生じさせる。変形は等容性であるために、直交方向において反対の寸法変化が生じる。磁区の再配向に対しては多数の機構があり得るが、図3に示される基本概念では、磁区の回転および移動が材料の物理的長さの変化を引き起こす。
【0016】
図4は、発電のためにコイル16を使用した従来技術を示す配線図である。典型的な従来技術のRFIDデバイスは、コイル−コンデンサ16を使用して電磁場を捕捉し、RFIDデバイスの電力とする。この手法は、1メートルの範囲までは十分に機能する。RFIDデバイスと電源との間の距離が増加すると、電磁場(H場)が指数関数的割合で減少する。したがって、コイル−コンデンサ16の感度は、従来技術のRFIDおよびコイル−コンデンサ16から約1メートルを超える電源の位置からは、十分なエネルギを捕捉することができない。
【0017】
図5は、本発明に記載の磁歪圧電複合材20による、短−中−長距離の電力供給を示す配線図である。
【0018】
本発明は、弱い磁場から電気エネルギを生成する、高効率な機構を利用する。複合材20はコイル−コンデンサよりもはるかに効率的であるという事実から、複合材20は、非常に低い磁場で、したがってより長い距離において動作する。また、複合材20を収容したデバイスが地球磁場を通過して移動すると、電圧が発生する。これによって、デバイスは、単にそれを移動するだけで再充電することができる。
【0019】
サイズがほぼ1センチメートル四方の複合材20を用いた磁歪圧電デバイスは、1エルステッドの磁場強度あたり1ボルトを生成することができる(地球磁場は、ほぼ2分の1エルステッドである)。
【0020】
図6を参照すると、コマンドおよびデータで変調され得る電磁場を発生する回路が示されている。発振器101は、4.00MHzの周波数で動作する。発振器101はまた、マイクロプロセッサ(図示せず)用の発振器であり得る。大部分のマイクロプロセッサの設計では、マイクロプロセッサをクロッキングするためにクリスタルが用いられる。マイクロプロセッサに使用されるクリスタルは、以下に記述するコイルドライブ105と共有され得る。発振器101の出力は、カウンタ/分割器102を駆動し、それは、4.00MHzの信号を受信して32に分割する。カウンタ/分割器102は、125kHzの方形波信号を形成する。マイクロプロセッサのクリスタルが8MHzである場合には、所望の125kHzの信号を得るために、その周波数を64に分割する必要がある。NANDゲート103が提供され、それは、データ入力のレベルに応じて、125kHzの信号をオンまたはオフにすることができる。データ入力が1である場合には、125kHzの信号は通過する。データ入力がゼロである場合には、125kHzの信号は遮断され、いかなる信号もインバータ104に送られない。インバータ104は、コイル−コンデンサ106を両端から駆動するための、2つの位相の125kHz信号を生成する。強電流デバイスである2台のドライブ105が提供される。これらのドライブは、両端からコイル−コンデンサ106を駆動し得る。強電流ドライバ105によりコイル−コンデンサ106をこのように駆動することによって、電源からの必要な電圧がより少なくなる。コイルが片側から駆動される場合には、その結果は、両側でコイル−コンデンサ106を駆動することによって得られるものの半分になる。最終的な結果として、電磁場がコイル−コンデンサ106から発生され、コイル−コンデンサ106の周辺の領域に放射される。
【0021】
図7を参照すると、本発明に従って形成されたバッテリ30が示されている。図7に示されるバッテリ30は、例えばA、AA、AAA、C、またはDのサイズを有する、一般的な懐中電灯、ペンライトバッテリの外観形状を有するが、このようなバッテリ30は、多種多様な形状および構成を有し得る。全てのバッテリタイプが、この種のデバイスの代替候補となり得る。
【0022】
図7に示されるように、一端に正極端子34を備え、他端に負極端子36を備えた、実質的に円筒形状のケーシング32を有する強誘電体コンデンサデバイスのような、バッテリ30または他の貯蔵デバイスが提供される。電圧調整器38が、ケーシング32の中央の若干下方に配置されて示される。電圧調整器38は、National Semiconductor社(San Jose、California)から、品番LM78L05として販売されているようなものであり得る。電圧調整器38と正極端子34との間の上部領域39は、その中に配置されたコンデンサまたは強誘電体コンデンサを有する。コンデンサおよび強誘電体コンデンサは、集積回路の技術分野において周知のものである。電圧調整器38と負極端子36との間には、1つ以上の磁歪/圧電セル20がある。必要に応じて、磁歪/圧電セル複合材が、電圧調整器38と正極端子34との間に配置され得、PZTが電圧調整器38と負極端子との間に配置され得る。加えて、電圧の調節が要素ではない一部のアプリケーションでは、電圧調整器が省略され得る。
【0023】
図8aおよび図8bを参照すると、例えば、矩形である場合には、長さ100mm、幅10mm、厚さが0.5〜1ミリメートルのような、平坦で非常に小型化され得る、バッテリ/コンデンサ50の改良された実施形態が示されている。単一の改良型バッテリ/コンデンサ50が図8aに示され、Mylar(登録商標)またはKapton(登録商標)のような薄い可撓性のプラスチック基板と、第1の電極52と、第2の電極54と、別個のユニットのPZT 58とを含む。第1の電極52は、基板51上に直接載置される。別個のユニットのPZT 58はまた、基板51上に直接配置され、第2の電極54が、別個のユニットのPZT 58上に配置される。磁歪/圧電セル56は、バッテリ/コンデンサ50から間隔を置いて配置され、ワイヤ55および57を介して電圧調整器53を経由してそれに接続される。
【0024】
図8bを参照すると、Mylar(登録商標)またはKapton(登録商標)の平らなシートまたは基板上に載置された、多数の改良されたバッテリ/コンデンサ50が示されている。図8bは、基板60上に載置された48個のバッテリ/コンデンサ50を示しているが、数百個または1000個を超えるバッテリ/コンデンサ50が、基板60上に載置され得る。バッテリ/コンデンサ50は、1.5ボルト程度の電圧を有し、それぞれ1ミリアンペアのアンペア数を発生し得る。したがって、100個のバッテリ/コンデンサ50が基板60上に載置されて並列に配線された場合には、2アンペアもの電流を発生させることができる。単一の磁歪/圧電セル56は、10,000個もの多数のバッテリ/コンデンサ50に電力を供給し得る。
【0025】
Mylar(登録商標)またはKapton(登録商標)の基板60は、使用の利便性のために、バッテリ50がその上に載置された基板60を円筒形状に巻き取ることができるように、十分に薄くなければならない。好適な基板60の厚さは、0.5〜1ミリメートルである。
【0026】
パッシブ磁気磁歪電気活性デバイスの1つのタイプは、Ferro Solutions,Inc.社(Cambridge、MA)が販売する振動エネルギ回収機であり、これは、米国特許第6,984,902号に記載されている特徴を組み込んだものと考えられる。他の従来技術は、米国特許第6,725,713号を含み、これは、回転するタイヤから発電するための圧電材料の使用を開示している。
【0027】
磁歪/圧電デバイスの特徴およびその使用は、以下のものを含む。
・デバイスは、磁場を用いて発電する。
・デバイスは、磁気パルスまたは電磁パルスを使用して、電力のパルスを発生する。磁気源は、局所源または遠隔源からのものであり得る。
・電力は、磁場内で、または地球磁場の中でデバイスを回転することによって、デバイスから発生され得る。電力は、大部分の周波数で電磁場をデバイスに伝達することによっても発生され得るが、デバイスの共振周波数において最高の効率となる。
・電力の電圧および電流は、圧電体または類似の材料に比例する。
・圧電体が任意の材料、特に磁歪材料によって撓曲され、歪まされ、または変位させられるときに、圧電材料が電圧を生成する。
・デバイスの電力は、1度だけのパルスとして、またはより大きな電圧または電流を得るためにバッテリまたはコンデンサ内に蓄積されて、使用され得る。
・デバイスは、医療用デバイス、センサ、送信器、および保守またはバッテリ交換が最小限または不要な他の小型デバイスに、電力を供給するために使用され得る。
・デバイスは、遠隔磁場発電機器を使用して、RFIDデバイスに電力を供給するために使用され得る。
・データが、パルス電源搬送波信号上でデバイスに伝達され、デバイスに問い合わせるか、または応答するように命令することができる。この情報は、EPC、SKU、または他のシリアルデータであり得る。
・デバイスは、磁場を用いて電力を発生し、その電力を強誘電体コンデンサまたは充電式バッテリのバンクに貯蔵する。
【0028】
電力は、磁場内で、または地球磁場の中でデバイスを回転することによって、デバイスから発生され得る。電力は、大部分の周波数で電磁場をデバイスに伝達することによっても発生され得るが、複合材20の共振周波数において最高の効率となる。このような共振周波数を外れた磁場は、磁歪材料を活性化するが、周波数が複合材の固有共振周波数であるか、またはその共振周波数の90%〜110%の範囲内にある場合ほどには、効率的ではない。複合材の共振周波数で磁場を送ることが、非共振周波数の場合と比較して10倍以上のエネルギの移動を可能とする。
・電力の電圧および電流は、圧電体または類似の材料特性に比例する。予測されるように、圧電材料のより大きな部品は、小さい部品よりも多くのエネルギを生成する。
・圧電体が、任意の材料、特に磁歪材料によって撓曲され、歪まされ、または変位させられたときに、圧電材料は電圧を生成する。
・デバイスの電力は、より大きな電圧または電流を得るために、バッテリまたはコンデンサに蓄積され得る。
・充電されるバッテリは、全てが互いに並列接続された、最高で数千回巻き重ねられたシート状の強誘電体コンデンサであり得る。
【0029】
本発明の上記の詳細な説明は、説明目的のために提供されたものである。本発明の範囲から逸脱することなく、多数の変更および修正がなされ得ることが、当業者には明らかである。したがって、上述の説明全体は例示的なものであり、制限的な意味に解釈されるべきではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、磁歪膨張の基本概念を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の複合材を形成する結合された材料の斜視図である。
【図3】図3は、磁歪の機構を示す概略図である。
【図4】図4は、発電用コイルの従来技術での使用を示す配線図である。
【図5】図5は、磁歪圧電複合材による発電の配線図である。
【図6】図6は、コマンドおよびデータで変調され得る電磁場を発生する回路図である。
【図7】図7は、本発明に従ったバッテリの一形態の断面図である。
【図8a】図8aは、バッテリの別の実施形態を示す図である。
【図8b】図8bは、基板上に載置された当該バッテリのアレイを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)パルス磁場または連続磁場を印加されたときに発電する、(i)磁歪材料と(ii)圧電材料との複合材と、
b)該複合材に接続されたコンデンサまたは強誘電体コンデンサと、
を備える、バッテリ。
【請求項2】
前記圧電体は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)である、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項3】
前記複合材と前記コンデンサまたは強誘電体コンデンサとの間に配置された、電圧調整器をさらに含む、請求項2に記載のバッテリ。
【請求項4】
前記複合材および前記コンデンサまたは強誘電体コンデンサを支持する、可撓性の基板をさらに含む、請求項2に記載のバッテリ。
【請求項5】
前記可撓性の基板は、ポリエステルおよびポリイミドからなる群から選択された材料で形成される、請求項4に記載のバッテリ。
【請求項6】
前記複合材、前記電圧調整器、および前記コンデンサまたは強誘電体コンデンサを支持する、可撓性の基板をさらに含む、請求項3に記載のバッテリ。
【請求項7】
前記複合材は、該複合材の固有共振周波数の90%〜110%の範囲内の周波数を有する磁場を印加される、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項8】
並列に配線されて可撓性の基板上に載置された、複数の請求項2に記載のバッテリを備える、マルチユニットバッテリ。
【請求項9】
前記複数のバッテリをその中に載置した前記可撓性の基板は、円筒形状に形成される、請求項8に記載のマルチユニットバッテリ。
【請求項10】
前記円筒形状は第1の端部と第2の端部とを有する、請求項9に記載のマルチユニットバッテリであって、一対の電極をさらに含み、1つの電極が該第1の端部にあり、他の電極が該第2の端部にある、マルチユニットバッテリ。
【請求項11】
前記のバッテリの少なくとも一部において、前記複合材と前記コンデンサまたは強誘電体コンデンサとの間に配置された電圧調整器をさらに含む、請求項8に記載のマルチユニットバッテリ。
【請求項12】
前記コンデンサまたは強誘電体コンデンサの1つ以上に取り付けられた電極をさらに含む、請求項11に記載のマルチユニットバッテリ。
【請求項13】
(a)磁場を印加されたときに発電する、(i)磁歪材料と(ii)ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)圧電材料との複合材を提供するステップであって、該複合材は固有共振周波数を有する、ステップと、
(b)該複合材を、コンデンサまたは強誘電体コンデンサに接続するステップと、
(c)該複合材の該固有共振周波数の90%〜110%の範囲内の共振周波数を有する磁場を、該複合材に印加するステップと、
を包含する、バッテリを形成するための方法。
【請求項14】
前記複合材と前記コンデンサまたは強誘電体コンデンサとの間に、電圧調整器を配置するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複合材および前記コンデンサまたは強誘電体コンデンサを、可撓性の基板上に載置するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
複数の前記バッテリを可撓性の基板上に載置し、かつ該バッテリの少なくとも一部を該バッテリの他のものと並列に配線するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のバッテリをその上に載置した前記可撓性の基板を、複数の別個の形状の1つに形成するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の別個の形状は円筒を含む、請求項17に記載の方法であって、電極を該別個の形状に固定するステップをさらに含む、方法。
【請求項19】
(a)発振器と、分割器と、NANDゲートと、インバータと、第1の端部および第2の端部を有するコイル−コンデンサとを有する、コイルドライバシステムを提供するステップと、
(b)第1の周波数で該発振器から該分割器に信号を伝達するステップであって、該分割器は該信号の周波数を換算する、ステップと、
(c)該換算周波数を該NANDゲートおよび該インバータに伝達するステップであって、該インバータは該換算周波数の信号の2つの位相を生成する、ステップと、
(d)該位相を第1および第2のドライバに伝達するステップと、
(e)該第1のドライバからの該信号を該コイル−コンデンサの該第1の端部に伝達し、該第2のドライバからの該信号を該コイル−コンデンサの該第2の端部に伝達するステップと、
によって、前記磁場を生成するステップ、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
(a)(i)磁歪材料および圧電材料の複合材と、(ii)第1の位置の第1の端子と、(iii)第2の位置の第2の端子と、(iv)コンデンサまたは強誘電体コンデンサとを有する構造体であって、該コンデンサまたは強誘電体は、該複合材と、(A)該第1の端子または(B)該第2の端子との間に配置される、構造体を形成するステップと、
(b)該構造体にパルス磁場または連続磁場を印加するステップと、
を包含する、バッテリを形成する方法。
【請求項21】
前記圧電材料は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複合材は固有共振周波数を有する、請求項20に記載の方法であって、該複合材の該固有共振周波数の90%〜110%の範囲内の共振周波数を有する磁場を、該複合材に印加するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記複合材と前記コンデンサまたは強誘電体コンデンサとの間に、電圧調整器を配置するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
第1の端子および第2の端子を有する構造体を備えるバッテリであって、
(a)(i)磁場を印加されたときに、伸張するか、撓曲するか、または変位する第1の材料と、(ii)歪みを受けたときに発電する材料と、の複合材を該構造体に配置するステップと、
(b)エンクロージャ内に、該複合体と該第1の端子または該第2の端子のいずれかとの間に、電圧調整器を配置するステップと、
(c)該電圧調整器の該複合材とは反対側に、コンデンサまたは強誘電体コンデンサを配置するステップと、
(d)該複合材に磁場を印加するステップと、
のプロセスによって形成される、バッテリ。
【請求項25】
前記形成するプロセスは、前記複合材の前記固有共振周波数の90%〜110%の範囲内の共振周波数を有するパルス磁場または連続磁場を、該複合材に印加するステップを含む、請求項24に記載のバッテリ。
【請求項26】
前記発電する材料は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)である、請求項24に記載のバッテリ。
【請求項27】
(a)磁場を印加されたときに、伸張するか、撓曲するか、または変位する磁歪材料と、
(b)歪みを受けたときに発電する第2の材料であって、該第2の材料は、該磁歪材料に結合され、該磁歪材料の伸張、撓曲、または変位によって歪みを受けるように配置される、第2の材料と、
の複合材を備える、発電システム。
【請求項28】
前記第2の材料は、鉛、ジルコン酸塩、およびチタン酸塩の化合物(PZT)である、請求項27に記載の発電システム。
【請求項29】
請求項27に記載の発電システムと、電磁場を生成するためのコイルドライバシステムとの組み合わせであって、該コイルドライバシステムは、
第1の周波数で信号を分割器に伝達する発振器であって、該分割器は該信号の周波数を換算し、該換算周波数信号をNANDゲートに伝達し、オンからオフ位置におよびオフからオン位置に該信号出力をトグルするようにデータによってゲートが設定される、発振器と、
該NANDゲートから受信した該換算周波数信号の2つの位相を生成し、該位相のそれぞれを第1および第2のドライバに伝達するためのインバータであって、該第1のドライバはコイル−コンデンサの第1の端部に該換算周波数信号を伝達し、該第2のドライバは該コイル−コンデンサの第2の端部に該換算周波数信号を伝達する、インバータと、
を含む、
組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【公表番号】特表2009−542177(P2009−542177A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516567(P2009−516567)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/014437
【国際公開番号】WO2007/149516
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(501166968)クーパー タイヤ アンド ラバー カンパニー (10)
【氏名又は名称原語表記】Cooper Tire & Rubber Company
【住所又は居所原語表記】701 Lima Avenue, Findlay, Ohio 45840, United States of America
【Fターム(参考)】