説明

磁気ディスク装置及び同装置におけるマイクロアクチュエータ制御方法

【課題】マイクロアクチュエータに適した外乱フィードフォワードを実現する。
【解決手段】磁気ディスク装置は検出器とサーボコントローラ22とを備える。検出器は、ディスクに所定間隔で記録されているサーボ同期マークがヘッドにより読み出される時間間隔を実タイムスタンプとして検出する。サーボコントローラのフィードフォワードコントローラ40は、差分検出器401と積分器403とを具備する。差分検出器は、実タイムスタンプの目標タイムスタンプからのずれを検出する。積分器は、検出されたずれを積分することによって、検出されたずれをマイクロアクチュエータ15の変位に変換する。フィードフォワードコントローラは、変換された変位に対応する操作量をフィードフォワード操作量として、マイクロアクチュエータのための制御ループに与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、マイクロアクチュエータを備えた磁気ディスク装置及び同装置におけるマイクロアクチュエータ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気ディスク装置の高容量化に伴い、高トラック密度化が進んでいる。高トラック密度化により、高精度なヘッド位置決めが益々要求されている。この高精度なヘッド位置決めのためには、ヘッド位置決め制御における高速応答性を向上すること、つまり制御周波数帯域を高くすることが必要となる。そこで、最近は、VCMアクチュエータに加えて、高周波数の追従性に優れたマイクロアクチュエータを備えた磁気ディスク装置、つまり2段アクチュエータ(Dual Stage Actuator: DSA)構造を適用した磁気ディスク装置が提案されている。
【0003】
VCMアクチュエータはボイスコイルモータ(VCM)によって駆動される。VCMは電流が供給されることによりVCMアクチュエータを駆動する。つまり、VCMアクチュエータは、電流駆動型のアクチュエータである。これに対し、マイクロアクチュエータは、当該マイクロアクチュエータを構成する素子(例えば圧電素子)に電圧が印加されることにより駆動される。つまり、マイクロアクチュエータは、電圧駆動型のアクチュエータである。このように、VCMアクチュエータとマイクロアクチュエータとは、駆動方法を異にする。
【0004】
さて、ヘッド位置決め精度に影響を及ぼす要因の一つとして、磁気ディスク装置に加わる振動や衝撃のような外乱が知られている。磁気ディスク装置に外乱が加わると、VCMアクチュエータも振動するため、ヘッド位置決め精度の低下を招く。このため、ヘッドを高精度に位置決めするには、外乱がヘッド位置決め精度に及ぼす影響を抑制するための外乱補正(外乱補償)が必要となる。
【0005】
一般に、振動や衝撃等の突発的外乱に対してはフィードバック制御が用いられる。しかし、外乱が大きい環境では、フィードバック制御だけでは外乱耐力(振動圧縮)が足りない場合がある。そこで、偏心等の定常的外乱に対してはフィードフォワード制御が適用される。
【0006】
外乱によってVCMアクチュエータが振動すると、当該VCMアクチュエータに加速度が発生する。そこで従来技術では、偏心等の外乱の補正のためのフィードフォワード制御に、VCMアクチュエータの加速度が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−141833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した加速度を用いた外乱フィードフォワード制御は、電流駆動型のVCMアクチュエータに適している。しかし、加速度を用いた外乱フィードフォワード制御を、電圧駆動型のマイクロアクチュエータに適用することは難しい。その理由は、加速度とマイクロアクチュエータに印加されるべき電圧との関係を1次式で近似できないためである。
【0009】
本発明の目的は、マイクロアクチュエータに適した外乱フィードフォワードが行える磁気ディスク装置及び同装置におけるマイクロアクチュエータ制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、磁気ディスク装置は、VCMアクチュエータと、マイクロアクチュエータと、検出器と、サーボコントローラとを具備する。前記検出器は、ディスクに所定間隔で記録されているサーボ同期マークがヘッドにより読み出される時間間隔を実タイムスタンプとして検出する。前記サーボコントローラは、前記ヘッドを目標位置に位置付けるために、前記VCMアクチュエータ及び前記マイクロアクチュエータを、フィードバック制御により制御する。前記サーボコントローラは、外乱を補正するためのフィードフォワードコントローラを備えている。前記フィードフォワードコントローラは、差分検出器と、積分器とを具備する。前記差分検出器は、前記実タイムスタンプの目標タイムスタンプからのずれをタイムスタンプ差分として検出する。前記積分器は、前記検出されたタイムスタンプ差分を積分することによって、前記検出されたタイムスタンプ差分を前記マイクロアクチュエータの変位に変換する。前記フィードフォワードコントローラは、前記変換された変位に対応する操作量をフィードフォワード操作量として、前記マイクロアクチュエータのためのフィードバック制御ループに与える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係る磁気ディスク装置の典型的な構成を示すブロック図。
【図2】図1に示されるディスクの典型的なフォーマットを示す図。
【図3】ヘッドによってディスク上のサーボ領域からサーボ同期マークが検出される時間間隔(タイムスタンプ)の例を示す図。
【図4】図1に示されるサーボコントローラの典型的な構成を示すブロック図。
【図5】図1に示す磁気ディスク装置に外乱が加わっている状態における、時間に対するディスクの加速度の関係を示す曲線と、時間に対するタイムスタンプ差分の関係を示す曲線とを示す図。
【図6】第2の実施形態に係る磁気ディスク装置で適用されるサーボコントローラ内のフィードフォワードコントローラの構成を示すブロック図。
【図7】第3の実施形態に係る磁気ディスク装置で適用されるサーボコントローラ内のフィードフォワードコントローラの構成を示すブロック図。
【図8】第4の実施形態に係る磁気ディスク装置で適用されるサーボコントローラ内のフィードフォワードコントローラの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態につき図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態に係る磁気ディスク装置の典型的な構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示す磁気ディスク装置(以下、HDDと称する)は、ディスク(磁気ディスク)11と、ヘッド(磁気ヘッド)12と、スピンドルモータ(以下、SPMと称する)13と、VCMアクチュエータ(以下、VCMAと称する)14と、マイクロアクチュエータ(以下、MAと称する)15と、ボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)16と、ドライバIC17と、ヘッドIC18と、リードチャネル(以下、RDCと称する)19と、コントローラ20とを備えている。
【0014】
ディスク11は磁気記録媒体である。ディスク11の例えば一方の面は、データが磁気記録される記録面をなしている。ディスク11はSPM13によって高速に回転させられる。SPM13は、ドライバIC17から供給される駆動電流(または駆動電圧)により駆動される。
【0015】
ヘッド12はディスク11の記録面に対応して配置される。ヘッド12は、図示せぬリード素子及びライト素子を備えている。ヘッド12は、ディスク11へ/からのデータの書き込み/読み出しに用いられる。図1の構成では、単一枚のディスク11を備えたHDDを想定している。しかし、ディスク11が複数枚積層配置されたHDDであっても構わない。また、図1の構成では、ディスク11の一方の面が記録面をなしている。しかし、ディスク11の両面がいずれも記録面をなし、両記録面にそれぞれ対応してヘッドが配置されても構わない。
【0016】
VCMA14はアーム140を備えている。ヘッド12は、VCMA14のアーム140から延出したサスペンション141の先端(より詳細には、サスペンション141の先端に備えられたヘッドスライダ)に取り付けられている。
【0017】
サスペンション141(より詳細には、サスペンション141とヘッドスライダとの間)には更に、MA15が取り付けられている。このように、図1に示すHDDは、VCMA14及びMA15を備えた2段アクチュエータ構造(以下、DSA構造と称する)を適用している。
【0018】
MA15は、後述するサーボコントローラ22からドライバIC17を介して与えられる操作量uMA(より詳細には、操作量uMAによって指定される駆動電圧)に応じて駆動する。これによりMA15は、対応するヘッド12を微動させる。
【0019】
VCMA14は枢軸142の回りで回動自在に支持されている。VCMA14はVCM16を備えている。VCM16は、VCMA14の駆動源である。VCM16は、サーボコントローラ22からドライバIC17を介して与えられる操作量uVCM(より詳細には、操作量uVCMによって指定される駆動電流)に応じて駆動して、VCMA14を枢軸142の回りに回動させる。つまりVCM16は、VCMA14のアーム140を、ディスク11の半径方向に移動させる。これによりヘッド12も、ディスク11の半径方向に移動させられる。
【0020】
ドライバIC17は、サーボコントローラ22の制御に従い、SPM13と、VCM16(VCMA14)と、MA15とを駆動する。ヘッドIC18はヘッドアンプとも呼ばれており、ヘッド12により読み出された信号(つまりリード信号)を増幅する。ヘッドIC18はまた、RDC19から出力されるライトデータをライト電流に変換してヘッド12に出力する。
【0021】
RDC19はリード/ライトに関連する信号処理を行う。即ちRDC19は、ヘッドIC18によって増幅されたリード信号をデジタルデータに変換し、このデジタルデータからリードデータを復号する。RDC19はまた、上記デジタルデータからサーボデータ(サーボパターン)を抽出する。RDC19はまた、コントローラ20から転送されるライトデータを符号化し、この符号化されたライトデータをヘッドIC18に転送する。RDC19は更に、後述するタイムスタンプを検出する機能を有する。
【0022】
ここで、タイムスタンプについて、図2及び図3を参照して説明する。
図2は、図1に示されるディスク11の典型的なフォーマットを示す。ディスク11上には、当該ディスク11の例えば円周方向に、図2に示されるように、サーボ領域21が所定間隔で離散的に配置されている。隣接するサーボ領域21の間は、データ領域22に割り当てられている。サーボ領域21には、サーボデータが記録されている。サーボ領域21の例えば先頭位置には、当該サーボ領域21(より詳細には、当該サーボ領域21に記録されているサーボデータ)の開始位置を検出するためのサーボ同期マークSSM(Servo Sync Mark)が記録されている。
【0023】
図3は、ヘッド12によってディスク11上のサーボ領域21からサーボ同期マークSSMが検出される(読み出される)時間間隔の例を示す。サーボ同期マークSSMが検出される時間間隔(サーボ時間間隔)をタイムスタンプ(TS)と称する。
【0024】
RDC19は、上記デジタルデータからサーボ同期マークSSMを検出することにより、図3に示すサーボ同期マーク検出(Servo Sync Mark Found)信号(以下、SSMF信号と称する)30を生成する生成器(図示せず)を備えている。この生成器は、SSMF生成器(Servo Sync Mark Found Generator:SSMFG)と呼ばれる。
【0025】
SSMF信号30は、サーボ同期マークSSMが検出される毎に第1の状態から第2の状態に遷移し、所定時間後に第1の状態に復帰する2値信号である。つまりSSMF信号30は、サーボ同期マークSSMが検出されたタイミングに対応するパルスの列から構成される。
【0026】
図3(a)は、理想的な状態におけるSSMF信号30の例を示す。理想的な状態とは、例えば、図1に示すHDDに外乱が加わっておらず、且つディスク11の中心が、回転の中心(つまりSPM13の回転軸)に対して偏心していない状態を指す。
【0027】
RDC19は、SSMF信号30に基づいて、サーボ同期マークSSMが検出される時間間隔(つまりタイムスタンプ)を、所定のカウンタにより検出(計測)するタイムスタンプ検出器(図示せず)を備えている。このカウンタは、例えば水晶発振器によって発振される周波数のクロックにより時間をカウントする。図3(a)に示すような理想的な状態におけるSSMF信号30のタイムスタンプ31を、目標タイムスタンプ(または目標サーボ時間間隔)31と称する。
【0028】
図3(b)及び(c)は、図1に示すHDDに例えば振動または衝撃のような外乱が加わった状態におけるSSMF信号30の例を示す。図3(b)及び(c)には、理想的な状態におけるSSMF信号30が破線で示されている。また、図3(b)及び(c)には、RDC19によって実際に検出されるタイムスタンプ32が示されている。この実際に検出されるタイムスタンプ32を、実タイムスタンプ(または実サーボ時間間隔)32と称する。図3(b)及び(c)には更に、実タイムスタンプ32との比較のために、図3(a)に示した目標タイムスタンプ31も示されている。
【0029】
図1に示すHDDに外乱が加わると、VCMA14及びMA15が振動し、ヘッド12も振動する。すると、ディスク11が所定の回転速度で且つ偏心していない状態で回転しているとしても、図3(b)または(c)に示すように、実タイムスタンプ32は、目標タイムスタンプ31からずれる。図3(b)及び(c)には、実タイムスタンプ32の目標タイムスタンプ31からのずれ(タイムスタンプ差分)33も示されている。
【0030】
再び図1を参照する。コントローラ20は、ホストコントローラ21、サーボコントローラ22及びメモリ部23を備えている。
ホストコントローラ21は、ホストと当該ホストコントローラ21との間で外部インターフェースを介して信号を授受する。具体的には、ホストコントローラ21は、ホストから外部インターフェースを介して転送されるコマンド(ライトコマンド、リードコマンド等)を受信する。ホストコントローラ21はまた、ホストと当該ホストコントローラ21との間のデータ転送を制御する。
【0031】
サーボコントローラ22は、ヘッド12を、ディスク11上の目標位置に位置付ける際の粗調整のために、ドライバIC17を介してVCM16を制御する。ここで、VCM16を制御することは、当該VCM16を備えたVCMA14を制御することと等価である。サーボコントローラ22は更に、ヘッド12の位置を微調整するために、ドライバIC17を介してMA15を制御する。
【0032】
本実施形態において、ホストコントローラ21及びサーボコントローラ22は、それぞれCPU(図示せず)を備えている。CPUは、後述するFROM231に格納されている、ホストコントローラ21及びサーボコントローラ22のためのそれぞれの制御プログラムを実行することにより、ホストコントローラ21及びサーボコントローラ22としての機能を実現している。なお、単一のCPUが、ホストコントローラ21及びサーボコントローラ22のためのそれぞれの制御プログラムを時分割で実行しても構わない。
【0033】
メモリ部23は、フラッシュROM(以下、FROMと称する)231及びRAM232を備えている。FROM231は書き換え可能な不揮発性メモリである。FROM231には、ホストコントローラ21及びサーボコントローラ22を含むコントローラ20の機能を実現するための制御プログラムが予め格納されている。RAM232の記憶領域の少なくとも一部は、ホストコントローラ21及びサーボコントローラ22のための作業領域として用いられる。なお、図1では簡略化のために、コントローラ20が一般に備えているディスクコントローラが省略されている。ディスクコントローラは、ディスク11へ/からのデータの書き込み/読み出しを制御する。
【0034】
図4は、図1に示されるサーボコントローラ22の典型的な構成を示すブロック図である。
サーボコントローラ22は、ヘッド12を目標位置に位置付けるために、ディスク11に記録されているサーボデータに基づいて、VCM16(間接的には、VCM16によって駆動されるVCMA14)とMA15とを制御する、いわゆる2段アクチュエータフォロイング制御系を構成する。つまりサーボコントローラ22は、フィードバック制御によってVCM16を制御してVCMA14を駆動することにより、ヘッド12の位置を粗調整する。サーボコントローラ22はまた、フィードバック制御によってMA15を制御することにより、ヘッド12の位置を微調整する。このように、MA15及びVCM16(VCMA14)は、2段アクチュエータフォロイング制御系における制御対象である。
【0035】
サーボコントローラ22は、フィードフォワードコントローラ(以下、FFコントローラと称する)40、減算器41、マイクロアクチュエータコントローラ(以下、MAコントローラと称する)42、マイクロアクチュエータ推定器(以下、MA推定器と称する)43、加算器44、及びVCMコントローラ45を備えている。
【0036】
図4において、加算点APにおける記号yは、ヘッド12のディスク11上の位置(ヘッド位置)を示す。ここで、VCM16の変位(より詳細には、VCM16によって駆動されるVCMA14)の変位をyVCMとし、MA15の変位をyMAとする。この場合、変位yVCMと変位yMAとの和(yVCM+yMA)が、加算点APにおいてヘッド位置yとして観測される。ヘッド位置yは、RDC19によって抽出されるサーボデータに基づいて検出される。
【0037】
減算器41は、ヘッド位置yの目標位置rからの差分を偏差e(=r−y)として算出する。MAコントローラ42は、偏差eに基づいて、MA15に与えられるべき操作量uMA1を生成する。
【0038】
MA推定器43は、MAコントローラ42によってMA15に与えられる操作量uMA1に基づいて、当該MA15の変位を推定する。加算器44は、減算器41によって算出された偏差eにMA推定器43によって推定された変位を加算する。VCMコントローラ45は、VCM16に与える操作量uVCMを、加算器44の出力に基づいて生成する。このように、2段アクチュエータのフォロイング制御系では、MA推定器43によって求められた変位が偏差eに加算され、その加算結果が、VCMコントローラ45に入力される。
【0039】
さて、本実施形態では、外乱を補正するためのFFコントローラ40が、上述の2段アクチュエータのフォロイング制御系におけるMA15のための制御ループに追加される。更に具体的に述べるならば、FFコントローラ40が、MA15の入力側に、加算器47を介して追加される。
【0040】
FFコントローラ40は、タイムスタンプ差分検出器(以下、TS差分検出器と称する)401、帯域フィルタ(以下、BPFと称する)402及び積分器403を備えている。TS差分検出器401は、実タイムスタンプ32の目標タイムスタンプ31からのずれ、つまりタイムスタンプ差分33を検出する。実タイムスタンプは、前述したように、RDC19によってサーボ同期マークSSMが検出される毎に当該RDC19によって検出される。実タイムスタンプは、例えば外乱により目標タイムスタンプからずれる。外乱は一般に複数の周波数成分を含む。したがって、タイムスタンプのずれも、複数の周波数成分を含む。
【0041】
BPF402は、TS差分検出器401の出力(タイムスタンプ差分)に含まれる複数の周波数成分のうち、MA15の制御周波数帯域(より詳細には、MA15に要求される制御周波数帯域)に対応する周波数成分を通過させる。MA15の制御周波数帯域は、VCMA14の制御周波数帯域(より詳細には、VCMA14に要求される制御周波数帯域)よりも高い。このためBPF402の周波数帯域は、VCMA14の制御周波数帯域よりも高く設定されている。よってBPF402は、TS差分検出器401の出力からVCMA14の制御周波数帯域に対応する周波数成分を除去する。つまりBPF402は、TS差分検出器401の出力から、少なくとも、VCMA14の制御周波数帯域(以下、第1の制御周波数帯域と称する)に対応する周波数成分とMA15の制御周波数帯域(以下、第2の制御周波数帯域と称する)に対応する周波数成分とを分離し、第2の制御周波数帯域に対応する周波数成分を通過させる。第1の実施形態において、第2の制御周波数帯域は第1の制御周波数帯域の2倍以上高い。
【0042】
なお、BPF402に代えて、第1の制御周波数帯域を超える周波数帯域の周波数成分を通過させる高域通過フィルタ(以下、HPFと称する)を用いてもよい。このHPFによって通過させられる高周波域の周波数成分は、第2の制御周波数帯域に対応する周波数成分を含む。
【0043】
図5は、図1に示すHDDに外乱が加わっている状態における、時間に対するディスク11の加速度(より詳細には、角加速度)の関係を示す曲線(以下、加速度曲線と称する)と、時間に対するタイムスタンプ差分の関係を示す曲線(以下、タイムスタンプ差分曲線と称する)とを示す。図5において、実線で示される曲線51は加速度曲線を示し、破線で示される曲線52はタイムスタンプ差分曲線を示す。
【0044】
図5に示す加速度曲線51及びタイムスタンプ差分曲線52から明らかなように、図1に示すHDDに外乱が加わっている状態において、TS差分検出器401の出力の示すタイムスタンプ差分は、直接的には、ディスク11の角加速度の90°遅れとして観測される。この要因の1つは、HDDに加わる外乱によってVCMA14及びMA15が振動し、ヘッド12も振動するためである。つまり、ヘッド12が振動すると、前述したように、たとえディスク11が所定の回転速度で且つ偏心していない状態で回転しているとしても、実タイムスタンプが目標タイムスタンプからずれる。
【0045】
実タイムスタンプの目標タイムスタンプからのずれ、つまりタイムスタンプ差分は、上述のように、ディスク11の角加速度の90°遅れとして観測される。このことは、タイムスタンプ差分が、ディスク11の角速度を表すことを意味する。また、この角速度は、タイムスタンプ差分が発生する要因から明らかなように、実質的には、外乱が作用しているMA15の角速度を表す。
【0046】
HDDに外乱が加わった場合、ディスク11も振動する可能性がある。このディスク11の振動によっても、実タイムスタンプは目標タイムスタンプからずれる。つまり、MA15の振動だけでなく、ディスク11の振動も、タイムスタンプ差分に反映される。明らかなように、ディスク11の振動も、MA15の振動と同様に、ヘッド位置決め精度に影響を及ぼす。このことは、少なくともMA15自体の振動(絶対的な振動)とディスク11自体の振動(絶対的な振動)とが重畳された振動を、MA15の相対的な振動と見なせることを意味する。
【0047】
したがって、外乱によってディスク11が振動したとしても、タイムスタンプ差分が、MA15の角速度を表すとみなすことができる。つまり第1の実施形態においては、TS差分検出器401によって検出されるタイムスタンプ差分を、MA15の角速度として取得できる。このため、タイムスタンプ差分を積分するならば、当該タイムスタンプ差分を、外乱に起因して発生するMA15の位置のずれ(つまりMA15の変位)に変換することができる。
【0048】
そこで、図4に示すFFコントローラ40は、前述したように積分器403を備えている。積分器403は、伝達関数1/Sを持つ積分要素であり、TS差分検出器401の出力(タイムスタンプ差分)のうち、BPF402を通過した周波数帯域の成分を積分する。これにより積分器403は、タイムスタンプ差分を、外乱に起因して発生するMA15の変位(より詳細には、推定される変位)を表すデータに変換する。積分器403の出力、つまりMA15の変位を表すデータは、外乱補正のための操作量(フィードフォワード操作量)uMA2として、加算器47に与えられる。
【0049】
加算器47は、フィードフォワード操作量uMA2を、MAコントローラ42から出力される操作量uMA1に加算する。加算器47の加算結果は、外乱が補正された操作量uMA(=uMA1+uMA2)としてドライバIC17を介してMA15に与えられる。MA15は、加算器47からの操作量uMA(より詳細には、操作量uMAによって指定される駆動電圧)に応じて駆動する。これによりMA15は、ヘッド12を微動させる。
【0050】
第1の実施形態によれば、電圧駆動型のMA15の駆動時の外乱フィードフォワード制御に、MA15の推定される変位に対応するフィードフォワード操作量uMA2が用いられる。MA15の推定される変位は、タイムスタンプ差分(つまり、タイムスタンプのずれ、またはサーボ時間間隔のずれ)に含まれている、少なくとも第2の制御周波数帯域の周波数成分を積分することによって取得される。つまりフィードフォワード操作量uMA2は、上記の積分により、タイムスタンプのずれ(つまり、MA15の速度)をMA15の変位に変換することによって取得される。
【0051】
このように、フィードフォワード操作量uMA2は、外乱に起因するMA15の変位(推定される変位)に対応している。この変位とMA15に印加されるべき電圧との関係は、1次式で近似できる。このため、フィードフォワード操作量uMA2は、角加速度を用いる場合と異なり、電圧駆動型のMA15のフィードフォワード制御に適している。つまり第1の実施形態によれば、DSA構造を適用するHDDにおいて、電圧駆動型のMA15に適した外乱フィードフォワード制御を、加速度センサを用いることなく簡単に実現でき、外乱補正性能を向上できる。
【0052】
なお、加速度センサに基づいて、外乱に起因してMA15に発生する加速度を検出し、検出された加速度をMA15の変位に変換することが考えられる。この変換は、次の手順で実現される。まず、検出された加速度を第1の積分器により積分することにより、当該検出された加速度を速度に変換する。次に、変換された速度を第2の積分器により積分することにより、当該変換された速度をMA15の変位に変換する。このMA15の変位が、フィードフォワード操作量として用いられる。しかし、このフィードフォワード操作量は、上述の2回の積分により、加速度に対して位相が180°遅れている。このため、加速度センサによって検出された加速度に基づく外乱フィードフォワード制御では、第1の実施形態と異なり、十分な外乱補正を発揮することは難しい。
【0053】
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態について説明する。
図6は、第2の実施形態に係るHDDで適用されるサーボコントローラ内のFFコントローラの構成を示すブロック図である。なお、第2の実施形態に係るHDDの基本的な構成は、図1に示した第1の実施形態に係るHDDと同様である。したがって以下の説明では、図1を援用する。また、図6において、図4に示すサーボコントローラ22内のFFコントローラ40と等価な要素には同一参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0054】
図6において、FFコントローラ60は、図4に示すサーボコントローラ22内のFFコントローラ40に代えて用いられる。FFコントローラ60は、TS差分検出器401、BPF402及び積分器403に加えて、位相補償フィルタ(以下、PCFと称する)601を備えている。つまりFFコントローラ60の特徴は、図4に示すFFコントローラ40にPCF601を追加した点にある。第2の実施形態においてPCF601は、BPF402の出力と積分器403の入力との間に挿入されている。
【0055】
BPF402を通過したタイムスタンプ差分に含まれている周波数成分の位相は、高周波成分ほど位相が遅れている。そこで、PCF601は、BPF402によって通過されたタイムスタンプ差分に含まれている周波数成分の位相遅れを補償する。これにより、タイムスタンプ差分に含まれている周波数成分のうち位相遅れのない周波数成分が属する周波数帯域が拡大される。
【0056】
積分器403は、PCF601によって位相遅れが補償された周波数成分を含むタイムスタンプ差分を積分する。この積分器403の出力、つまりMA15の変位を表すデータが、フィードフォワード操作量uMA2として用いられる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と比べて、MA15の実質的な制御周波数帯域を拡大することができるため、ヘッド位置決め精度を一層向上することができる。
【0057】
[第3の実施形態]
次に第3の実施形態について説明する。
図7は、第3の実施形態に係るHDDで適用されるサーボコントローラ内のFFコントローラの構成を示すブロック図である。なお、第3の実施形態に係るHDDの基本的な構成は、図1に示した第1の実施形態に係るHDDと同様である。したがって以下の説明では、図1を援用する。また、図7において、図4に示すサーボコントローラ22内のFFコントローラ40と等価な要素には同一参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0058】
図7において、FFコントローラ70は、図4に示すサーボコントローラ22内のFFコントローラ40に代えて用いられる。FFコントローラ70は、TS差分検出器401、BPF402及び積分器403に加えて、可変ゲインアンプ701及び学習器702を備えている。つまりFFコントローラ70の特徴は、図4に示すFFコントローラ40に可変ゲインアンプ701及び学習器702を追加した点にある。
【0059】
可変ゲインアンプ701は、伝達関数G1を持つ、ゲイン(以下、フィードフォワードゲインと称する)G1を可変することが可能なゲイン要素である。可変ゲインアンプ701は、積分器403の出力Y1(S)をフィードフォワードゲインG1で増幅または減衰する。つまり、可変ゲインアンプ701は、Y1(S)をG1倍する。第3の実施形態では、この可変ゲインアンプ701の出力Y2(S)(=G1×Y1(S))が、フィードフォワード操作量uMA2として用いられる。
【0060】
学習器702は、TS差分検出器401によって出力されるタイムスタンプ差分が理想的に0になるように、可変ゲインアンプ701のフィードフォワードゲインG1を可変する。そのため学習器702は、TS差分検出器401によって出力されるタイムスタンプ差分に基づいて、次のように可変ゲインアンプ701のフィードフォワードゲインG1を可変する。
【0061】
今、TS差分検出器401によって出力されるタイムスタンプ差分がTerr(S)であるものとする。この場合、学習器702は、TS差分検出器401によって次に出力されるタイムスタンプ差分を0に収束させるために、フィードフォワードゲインG1を次式
G1=G1−K1×Terr(S)
に従って可変する。ここで、K1は補正係数である。
【0062】
つまり学習器702は、TS差分検出器401からタイムスタンプ差分(Terr(S))が出力される毎に、フィードフォワードゲインG1を可変する。これにより、TS差分検出器401によって次に出力されるタイムスタンプ差分を0に近付けることができる。明らかなように、Terr(S)が0に収束された場合、フィードフォワードゲインG1は可変されない。
【0063】
このように第3の実施形態によれば、学習器702は、TS差分検出器401から出力されるタイムスタンプ差分に基づいて、当該TS差分検出器401によって次に出力されるタイムスタンプ差分を0に収束させるのに適したフィードフォワードゲインG1を学習する。これにより、外乱の周波数に応じて外乱を圧縮する特性を高めて、外乱に対するHDDの耐力を向上することができる。なお、可変ゲインアンプ701及び学習器702を、図6に示すFFコントローラ60に追加することも可能である。
【0064】
[第4の実施形態]
次に第4の実施形態について説明する。
図8は、第4の実施形態に係るHDDで適用されるサーボコントローラ内のFFコントローラの構成を示すブロック図である。なお、第4の実施形態に係るHDDの基本的な構成は、図1に示した第1の実施形態に係るHDDと同様である。したがって以下の説明では、図1を援用する。また、図8において、図4に示すサーボコントローラ22内のFFコントローラ40と等価な要素には同一参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0065】
図8において、FFコントローラ80は、図4に示すサーボコントローラ22内のFFコントローラ40に代えて用いられる。FFコントローラ80は、TS差分検出器401、BPF402及び積分器403に加えて、繰り返し性ランアウト(repeatable runout)補正器(以下、RRO補正器と称する)801を備えている。つまりFFコントローラ80の特徴は、図4に示すFFコントローラ40にRRO補正器801を追加した点にある。第4の実施形態においてRRO補正器801は、TS差分検出器401の出力とBPF402の入力との間に挿入されている。
【0066】
SPM13によって回転させられるディスク11の中心は、必ずしもSPM13の回転軸に一致しない。つまり、ディスク11の中心は、一般にSPM13の回転軸に対して偏心している。この偏心の原因の1つに、ディスク11をSPM13のハブにねじ止めする際に生じる組立誤差がある。
【0067】
ディスク11の偏心(つまり、ディスクランアウト)は、タイムスタンプにも影響を及ぼす。このディスクランアウトのタイムスタンプへの影響は、ディスク11の回転に同期して現れる。このようなディスクランアウトは、繰り返し性ランアウト(以下、RROと称する)と呼ばれる。タイムスタンプ(タイムスタンプ差分)には、このRROの偏心成分、例えば1次偏心成分(つまり、ディスク11の回転に同期した1次偏心成分)が含まれる。周知のように、RROの1次偏心成分は予め取得することが可能である。このRROの1次偏心成分に対応する補正値を用いるならば、タイムスタンプ差分に含まれるRROの1次偏心成分を補正(除去)すること、つまりRROに起因するタイムスタンプのずれを補正することが可能である。
【0068】
そこで第4の実施形態では、予め取得されるRROの1次偏心成分に対応する補正値が、RROに起因するタイムスタンプのずれの補正値(以下、RRO補正値と称する)として用いられる。このRRO補正値は、図1に示すHDDのコントローラ20が備えているメモリ部23内のFROM231に格納されている。
【0069】
RRO補正器801は、TS差分検出器401によって出力されるタイムスタンプ差分を、FROM231に格納されているRRO補正値に基づいて補正する。つまりRRO補正器801は、TS差分検出器401によって出力されるタイムスタンプ差分から、RROの一次偏心成分を除去する。RRO補正器801によって補正されたタイムスタンプ差分は、BPF402に入力される。以降の動作は、図4に示されるFFコントローラ40と同様である。
【0070】
第4の実施形態によれば、フィードフォワード制御におけるRROの影響を低減して、ヘッド位置決め精度を一層向上することができる。なお、第4の実施形態において、図1に示すHDDと異なって、ディスク11の両面にヘッドが配置されているならば、ヘッド毎にRRO補正値が格納されても構わない。また、ディスク11上の予め定められたリング状のゾーン毎にRRO補正値が格納されても構わない。
【0071】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、マイクロアクチュエータに適した外乱フィードフォワードが行える磁気ディスク装置及び同装置におけるマイクロアクチュエータ制御方法を提供することができる。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
11…ディスク、12…ヘッド、13…スピンドルモータ(SPM)、14…VCMアクチュエータ(VCMA)、15…マイクロアクチュエータ(MA)、16…ボイスコイルモータ(VCM)、17…ドライバIC、19…リードチャネル(RDC、タイムスタンプ検出器)、20…コントローラ、22…サーボコントローラ、40,60,70,80…フィードフォワードコントローラ(FFコントローラ)、401…タイムスタンプ差分検出器(TS差分検出器)、402…帯域フィルタ(BPF)、403…積分器、601…位相補償フィルタ(PCF)、701…可変ゲインアンプ、702…学習器、801…繰り返し性ランアウト補正器(RRO補正器、231…フラッシュROM(FROM)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドを粗動させるVCMアクチュエータと、
前記ヘッドを微動させるマイクロアクチュエータと、
ディスクに所定間隔で記録されているサーボ同期マークが前記ヘッドにより読み出される時間間隔を実タイムスタンプとして検出する検出器と、
前記ヘッドを目標位置に位置付けるために、前記VCMアクチュエータ及び前記マイクロアクチュエータを、フィードバック制御により制御し、外乱を補正するためのフィードフォワードコントローラを備えたサーボコントローラとを具備し、
前記フィードフォワードコントローラは、
前記実タイムスタンプの目標タイムスタンプからのずれをタイムスタンプ差分として検出する差分検出器と、
前記検出されたタイムスタンプ差分を積分することによって、前記検出されたタイムスタンプ差分を前記マイクロアクチュエータの変位に変換する積分器とを具備し、
前記変換された変位に対応する操作量をフィードフォワード操作量として、前記マイクロアクチュエータのためのフィードバック制御ループに与える
磁気ディスク装置。
【請求項2】
前記フィードフォワードコントローラは、前記検出されたタイムスタンプ差分の周波数成分のうち、前記VCMアクチュエータの第1の制御周波数帯域より高い前記マイクロアクチュエータの第2の制御周波数帯域の周波数成分を含む所定の周波数成分を通過させる帯域通過または高域通過フィルタを更に具備し、
前記積分器は、前記帯域通過または高域通過フィルタを通過したタイムスタンプ差分を積分する
請求項1記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記フィードフォワードコントローラは、前記タイムスタンプ差分の位相の遅れを補償する位相補償フィルタを更に具備する
請求項2記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記フィードフォワードコントローラは、
前記変換された変位を増幅または減衰する可変ゲインアンプと、
前記タイムスタンプ差分が検出される毎に、次に検出されるタイムスタンプ差分がゼロになるように、前記ゲインアンプのゲインを可変する学習器とを更に具備する
請求項2または請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
前記フィードフォワードコントローラは、前記検出されたタイムスタンプ差分から、前記ディスクの回転に同期した偏心成分が除去されるように、前記検出されたタイムスタンプ差分を補正する繰り返し性ランアウト補正器を更に具備する
請求項2記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
前記ディスクの回転に同期した偏心成分に対応した補正値が予め格納された記憶手段を更に具備し、
前記繰り返し性ランアウト補正器は、前記格納された補正値に基づいて前記検出されたタイムスタンプ差分を補正する
請求項5記載の磁気ディスク装置。
【請求項7】
ヘッドを粗動させるVCMアクチュエータと、前記ヘッドを微動させるマイクロアクチュエータと、前記ヘッドを目標位置に位置付けるために、前記VCMアクチュエータ及び前記マイクロアクチュエータを、フィードバック制御により制御するサーボコントローラとを備えた磁気ディスク装置におけるマイクロアクチュエータ制御方法であって、
ディスクに所定間隔で記録されているサーボ同期マークが前記ヘッドにより読み出される時間間隔を実タイムスタンプとして検出し、
前記検出された実タイムスタンプの目標タイムスタンプからのずれをタイムスタンプ差分として検出し、
前記検出されたタイムスタンプ差分を積分することによって、前記検出されたタイムスタンプ差分を前記マイクロアクチュエータの変位に変換し、
前記変換された変位に対応する操作量をフィードフォワード操作量として、前記マイクロアクチュエータのためのフィードバック制御ループに与える
マイクロアクチュエータ制御方法。
【請求項8】
前記検出されたタイムスタンプ差分の周波数成分のうち、前記VCMアクチュエータの第1の制御周波数帯域より高い前記マイクロアクチュエータの第2の制御周波数帯域の周波数成分を含む所定の周波数成分を通過させ、
前記帯域通過または高域通過フィルタを通過したタイムスタンプ差分を積分する
請求項7記載のマイクロアクチュエータ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−155819(P2012−155819A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16318(P2011−16318)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】