説明

磁気共鳴イメージング装置、スライス位置設定方法、およびプログラム

【課題】スライス位置を自動で設定する。
【解決手段】肝臓の上端に、肝臓のエッジを追跡するための開始点となる開始ピクセルA(x,y)を決定する。そして、開始ピクセルA(x,y)を基点にして、肝臓のエッジに位置する可能性の高い複数の候補ピクセルの中から、肝臓のエッジに位置するエッジピクセルを選択しながら、肝臓の下端に到達するまで、肝臓のエッジを追跡する。肝臓の下端に位置するピクセルA(x,y)を検出したら、開始ピクセルA(x,y)と、肝臓の下端に位置するピクセルA(x,y)とに基づいて、スライス位置を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の所定の部位の画像データに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定する磁気共鳴イメージング装置、スライス位置設定方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴装置で被検体を撮影する場合、一般的に、スライス位置を設定するための位置決め用画像を取得する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-148901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、オペレータは、位置決め用画像を参考にして、撮影部位のスライス位置を決定する。しかし、近年、オペレータのワークフローの改善などの観点から、スライス位置を自動で設定することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点の発明は、被検体の所定の部位の画像データに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記画像データの複数のピクセルの中から、前記所定の部位のエッジを追跡するときの開始点となる開始ピクセルを決定する決定手段と、
前記開始ピクセルから前記所定の部位のエッジの追跡を開始し、前記所定の部位のエッジの所定点に位置する所定のピクセルを検出する検出手段と、
前記開始ピクセルの位置と、前記所定のピクセルの位置とに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定するスライス位置設定手段と、
を有する磁気共鳴イメージング装置である。

第2の観点の発明は、被検体の所定の部位の画像データに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定するスライス位置設定方法であって、
前記画像データの複数のピクセルの中から、前記所定の部位のエッジを追跡するときの開始点となる開始ピクセルを決定するピクセル決定ステップと、
前記開始ピクセルから前記所定の部位のエッジの追跡を開始し、前記所定の部位のエッジの所定点に位置する所定のピクセルを検出するピクセル検出ステップと、
前記開始ピクセルの位置と、前記所定のピクセルの位置とに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定するスライス位置設定ステップと、
を有するスライス位置設定方法である。

第3の観点の発明は、被検体の所定の部位の画像データに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定するためのプログラムであって、
前記画像データの複数のピクセルの中から、前記所定の部位のエッジを追跡するときの開始点となる開始ピクセルを決定するピクセル決定処理と、
前記開始ピクセルから前記所定の部位のエッジの追跡を開始し、前記所定の部位のエッジの所定点に位置する所定のピクセルを検出するピクセル検出処理と、
前記開始ピクセルの位置と、前記所定のピクセルの位置とに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定するスライス位置設定処理と、
を計算機に実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
所定の部位のスライス位置を自動で設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態の磁気共鳴イメージング装置の概略図である。
【図2】撮影部位を概略的に示す図である。
【図3】被検体13を撮影するときに実行されるスキャンの説明図である。
【図4】MRI装置100の処理フローを示す図である。
【図5】撮影部位の3Dスカウト画像を示す図である。
【図6】しきい値処理の説明図である。
【図7】2Dコロナル投影画像Icoを示す一例である。
【図8】2Dコロナル投影画像Icoの微分画像IDcoの一例を示す図である。
【図9】ステップS6のフローの一例を示す図である。
【図10】開始ピクセルA(x,y)の位置を示す図である。
【図11】開始ピクセルA(x,y)と下端ピクセルA(x,y)との間の肝臓のエッジを概略的に示した図である。
【図12】信号強度による存在確率p(s)と、ピクセルの位置による存在確率p(x,y)とを示すグラフである。
【図13】エッジピクセルとして選択された候補ピクセルを示す図である。
【図14】エッジピクセルA(xu−1,yu−1)に隣接する候補ピクセルを示す図である。
【図15】エッジピクセルとして選択された候補ピクセルを示す図である。
【図16】エッジピクセルA(xu−2,yu−2)に隣接する候補ピクセルを示す図である。
【図17】エッジピクセルとして選択された候補ピクセルを示す図である。
【図18】スライスSを示す図である。
【図19】信号強度プロファイルを用いてエッジピクセルを求めるときの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態の磁気共鳴イメージング装置の概略図である。
磁気共鳴イメージング(MRI(Magnetic Resonance Imaging))装置100は、磁場発生装置2、テーブル3、クレードル4、受信コイル5などを有している。
【0010】
磁場発生装置2は、被検体13が収容されるボア21と、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、送信コイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場B0を印加し、勾配コイル23は、勾配磁場を印加する。また、送信コイル24はRFパルスを送信する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
【0011】
クレードル4は、テーブル3からボア21に移動できるように構成されている。クレードル4によって、被検体13はボア21に搬送される。
【0012】
受信コイル5は、被検体13の胸部から腹部に渡って取り付けられており、磁気共鳴信号を受信する。
【0013】
MRI装置100は、更に、シーケンサ6、送信器7、勾配磁場電源8、受信器9、中央処理装置10、入力装置11、および表示装置12を有している。
【0014】
シーケンサ6は、中央処理装置10の制御を受けて、パルスシーケンスを実行するための情報を送信器7および勾配磁場電源8に送る。具体的には、シーケンサ6は、中央処理装置10の制御を受けて、RFパルスの情報(中心周波数、バンド幅など)を送信器7に送り、勾配磁場の情報(勾配磁場の強度など)を勾配磁場電源8に送る。
【0015】
送信器7は、シーケンサ6から送られた情報に基づいて、RFコイル24を駆動する駆動信号を出力する。
【0016】
勾配磁場電源8は、シーケンサ6から送られた情報に基づいて、勾配コイル23を駆動する駆動信号を出力する。
【0017】
受信器9は、受信コイル5で受信された磁気共鳴信号を信号処理し、中央処理装置10に伝送する。
【0018】
中央処理装置10は、シーケンサ6および表示装置12に必要な情報を伝送したり、受信器9から受け取った信号に基づいて画像を再構成するなど、MRI装置100の各種の動作を実現するように、MRI装置100の各部の動作を制御する。中央処理装置10は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。中央処理装置10は、三次元画像データ算出手段101〜スライス位置設定手段108を有している。
【0019】
三次元画像データ算出手段101は、3Dスキャンにより収集された磁気共鳴信号に基づいて、三次元画像のデータを求める。
【0020】
フィルタ処理手段102は、三次元画像データ算出手段101により得られた三次元画像のデータに対して、ノイズを除去するためのフィルタ処理を実行する。
【0021】
しきい値処理手段103は、フィルタ処理が実行された三次元画像のデータに対して、所定のしきい値よりも大きい信号値を有する組織を除去するためのしきい値処理を実行する。
【0022】
投影手段104は、しきい値処理が実行された三次元画像のデータを、所定の投影面に投影する。
【0023】
エッジ強調手段105は、投影手段104により得られた二次元投影画像データに基づいて、肝臓のエッジが強調されたエッジ強調画像のデータを求める。
【0024】
決定手段106は、エッジ強調画像データの複数のピクセルの中から、肝臓のエッジを追跡するときの開始点となる開始ピクセルを決定する。
【0025】
検出手段107は、開始ピクセルから肝臓のエッジの追跡を開始し、肝臓のエッジの下端に位置するピクセルを検出する。検出手段107は、選択手段107a、Δp算出手段107b、および判断手段107cを有している。
【0026】
選択手段107aは、複数の候補ピクセルを含む候補ピクセル群の中から、肝臓のエッジに存在する可能性が最も高い候補ピクセルを、肝臓のエッジに存在するエッジピクセルとして選択する。
【0027】
Δp算出手段107bは、存在確率の差Δpを算出する。
判断手段107cは、存在確率の差Δpに基づいて、エッジピクセルが、肝臓の下端に位置するピクセルであるか否かを判断する。
【0028】
スライス位置設定手段108は、決定手段106により決定された開始ピクセルの位置と、検出手段107により検出されたエッジピクセルの位置とに基づいて、スライス位置を設定する。
【0029】
中央処理装置10は、三次元画像データ算出手段101〜スライス位置設定手段108の一例であり、所定のプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。
【0030】
入力装置11は、オペレータ14の操作に応じて、種々の命令を中央処理装置10に入力する。表示装置12は種々の情報を表示する。
【0031】
MRI装置100は、上記のように構成されている。次に、被検体13を撮影するときに実行されるスキャンについて説明する。
【0032】
図2は、撮影部位を概略的に示す図、図3は、被検体13を撮影するときに実行されるスキャンの説明図である。
【0033】
本実施形態では、被検体13の肝臓13aが撮影される(図2参照)。肝臓13aを撮影するために、図3に示すように、スカウトスキャンおよび本スキャンが実行される。
【0034】
スカウトスキャンは、スライス位置を設定するために使用されるスカウト画像(後述する図5参照)のデータを収集するためのスキャンである。本実施形態では、スカウトスキャンは、3D(Dimension)イメージングのためのパルスシーケンスを用いて被検体13をスキャンする3Dスキャンである。スカウトスキャンの後、本スキャンが実行される。
本スキャンは、肝臓13aの画像データを収集するためのスキャンである。
【0035】
次に、MRI装置100の処理フローについて説明する。
図4は、MRI装置100の処理フローを示す図である。
【0036】
ステップS1では、スライス位置を設定するときに使用されるスカウト画像を得るためのスカウトスキャンが実行される。スカウトスキャンは、3D(Dimension)イメージングのためのパルスシーケンスによって被検体13をスキャンする3Dスキャンである。したがって、スカウトスキャンを実行することにより、肝臓13aを含む撮影部位から、三次元のスカウト画像(以下、「3Dスカウト画像」と呼ぶ。)を作成するための磁気共鳴信号を収集することができる。磁気共鳴信号は、受信コイル5(図1参照)で受信され、受信器9に送信される。受信器9は、受信コイル5から伝送された信号に対して、デジタル処理を含む所定の信号処理を行い、中央処理装置10に出力する。中央処理装置10では、三次元画像データ算出手段101が、受信器9から得られた信号に基づいて、撮影部位の3Dスカウト画像のデータを求める(図5参照)。
【0037】
図5(a)は、肝臓13aを含む撮影部位の3Dスカウト画像BSを概略的に示す図、図5(b)は、3Dスカウト画像BSの所定のコロナル断面における画像の一例を示す図である。
【0038】
図5に示す記号R−L、S−I、およびA−Pは、それぞれ、RL方向(左右方向)、SI方向(上下方向)、およびAP方向(前後方向)を表している。3Dスカウト画像BSのデータを求めた後、ステップS2に進む。
【0039】
ステップS2では、フィルタ処理手段102(図1参照)が、3Dスカウト画像BSのデータに対して、フィルタ処理を行い、ノイズを除去する。フィルタ処理には、例えば、3Dメジアンフィルタなどを使用することができる。フィルタ処理を実行した後、ステップS3に進む。
【0040】
ステップS3では、しきい値処理手段103(図1参照)が、フィルタ処理された3Dスカウト画像BSのデータに対して、肝臓よりも信号値の大きい組織を除去するためのしきい値処理を実行する。
【0041】
図6は、しきい値処理の説明図である。
図6(a)は、しきい値処理により得られた3Dスカウト画像BS′を概略的に示す図、図6(b)は、3Dスカウト画像BS′の所定のコロナル断面における画像の一例を示す図である。
【0042】
図6(b)では、しきい値処理により除去された組織が黒色で示されている。しきい値処理により、肝臓よりも信号値の大きい組織(例えば、小腸)を除去することができる。尚、肝臓よりも信号値の大きい組織を除去するときに使用されるしきい値は、デフォルト値として予め記憶しておいてもよいし、スカウト画像BSの信号値に基づいて計算してもよい。しきい値処理を実行した後、ステップS4に進む。
【0043】
ステップS4では、投影手段104(図1参照)が、しきい値処理により得られた3Dスカウト画像BS′(図6参照)をコロナル面に投影し、コロナル面に投影された2次元の投影画像(以下、「2Dコロナル投影画像」と呼ぶ)のデータを作成する(図7参照)。
【0044】
図7は、2Dコロナル投影画像Icoを示す一例である。
本実施形態では、2Dコロナル投影画像Icoは、3Dスカウト画像BS′のボクセルの積分値をコロナル面に投影することにより作成されている。2Dコロナル投影画像Icoのデータを作成した後、ステップS5に進む。
【0045】
ステップS5は、エッジ強調手段105(図1参照)が、2Dコロナル投影画像Icoのデータに基づいて、肝臓のエッジが強調されたエッジ強調画像のデータを求める。本実施形態では、エッジ強調画像として、2Dコロナル投影画像Icoの微分画像を作成する(図8参照)。
【0046】
図8は、2Dコロナル投影画像Icoの微分画像IDcoの一例を示す図である。
微分画像IDcoは、ソーベルフィルタ(Sobel filter)などを用いることにより得ることができる。微分画像IDcoにより、肝臓のエッジを強調することができる。微分画像IDcoを求めた後、ステップS6に進む。
【0047】
ステップS6では、肝臓のエッジを追跡する処理を実行する。以下に、ステップS6の処理について具体的に説明する。
【0048】
図9は、ステップS6のフローの一例を示す図である。
ステップS61では、決定手段106(図1参照)が、肝臓のエッジを追跡するときの開始点となる開始ピクセルを決定する(図10参照)。
【0049】
図10は、開始ピクセルA(x,y)の位置を示す図である。
本実施形態では、肝臓のエッジの上端に位置するピクセルA(x,y)を、肝臓のエッジを追跡するときの開始点となる開始ピクセルA(x,y)とする。決定手段106は、例えば、ASM(Active Shape Model)などの形状モデルを用いて、開始ピクセルA(x,y)を決定する。
【0050】
尚、図10には、開始ピクセルA(x,y)の他に、肝臓のエッジの下端に位置する下端ピクセルA(x,y)も示されている。本実施形態では、開始ピクセルA(x,y)から肝臓のエッジの追跡を開始し、下端ピクセルA(x,y)が検出されるまで肝臓のエッジを追跡する。以下に、開始ピクセルA(x,y)を起点にして下端ピクセルA(x,y)を検出する手順について説明する。
開始ピクセルA(x,y)を決定した後、ステップS62に進む。
【0051】
ステップS62では、開始ピクセルA(x,y)に隣接する複数のピクセルを、肝臓のエッジに位置する可能性が高い候補ピクセルを含む候補ピクセル群として特定し、各候補ピクセルについて、肝臓のエッジに存在する存在確率を算出する(図11参照)。
【0052】
図11は、開始ピクセルA(x,y)と下端ピクセルA(x,y)との間の肝臓のエッジを概略的に示した図である。
【0053】
図11では、候補ピクセルが、他のピクセルよりも太い線で示されている。本実施形態では、3つのピクセルA(xu−1,yu−1)、A(x,yu−1)、およびA(xu+1,yu−1)が候補ピクセルとなっているが、開始ピクセルA(x,y)に隣接する他のピクセル(例えば、ピクセルA(xu−1,y)や、A(xu+1,y))も、候補ピクセルに加えてもよい。選択手段107a(図1参照)は、3つの候補ピクセルA(xu−1,yu−1)、A(x,yu−1)、およびA(xu+1,yu−1)の各々について、肝臓のエッジに存在する存在確率を求める。本実施形態では、存在確率は、以下の式(1)を用いて求められる。
p(x,y,s)=p(s)×p(x,y) ・・・(1)
ただし、p(x,y,s):ピクセルが肝臓のエッジに存在する存在確率
p(s):信号強度による存在確率
p(x,y):ピクセルの位置による存在確率
【0054】
式(1)より、ピクセルが肝臓のエッジに存在する存在確率p(x,y,s)は、2つの存在確率p(s)およびp(x,y)の積で規定される。次に、信号強度による存在確率p(s)と、ピクセルの位置による存在確率p(x,y)について、図12を参照しながら説明する。
【0055】
(A)信号強度による存在確率p(s)について
図12(a)は、信号強度による存在確率p(s)のグラフを示す図である。
存在確率p(s)は、ピクセルの信号強度sの値に対して、ピクセルが肝臓のエッジに存在している確率を表している。グラフの横軸は、ピクセルの信号強度sを表し、縦軸は、信号強度による存在確率p(s)を表している。例えば、候補ピクセルの信号強度sが、s=s1の場合、存在確率p(s)=p1となる。選択手段107aは、図12(a)に示されているグラフのデータを有している。尚、図12(a)に示されているグラフのデータは、複数の被検体から得られた肝臓のデータに基づいて事前に作成されたものである。
【0056】
(B)ピクセルの位置による存在確率p(x,y)について
図12(b)は、ピクセルの位置による存在確率p(x,y)のグラフを示す図である。
存在確率p(x,y)は、ピクセルのy座標の値に対して、ピクセルが肝臓のエッジに存在している確率を表している。グラフの横軸は、ピクセルのy座標の値を表し、縦軸は、ピクセルの位置による存在確率p(x,y)を表している。尚、本実施形態では、存在確率p(x,y)は、ピクセルのx座標の値には依存せず、y座標の値にのみ依存するとする。したがって、y=yu−1の候補ピクセルは、x座標の値に関わらず、存在確率p(x,y)=p2となる。選択手段107aは、図12(b)に示されているグラフのデータを有している。図12(b)に示されているグラフのデータは、複数の被検体から得られた肝臓のデータに基づいて事前に作成されたものである。
【0057】
図12より、候補ピクセルが肝臓のエッジに存在する存在確率p(x,y,s)は、候補ピクセルの信号強度およびy座標の値によって計算できることがわかる。例えば、候補ピクセルA(xu−1,yu−1)が肝臓のエッジに存在する存在確率p(x,y,s)は、以下のようにして求めることができる。
【0058】
先ず、候補ピクセルA(xu−1,yu−1)の信号強度sを考える。候補ピクセルA(xu−1,yu−1)の信号強度sは、微分画像IDco(図8参照)のデータから求めることができる。候補ピクセルA(xu−1,yu−1)の信号強度sが、s=s1であるとすると、図12(a)より、信号強度による存在確率p(s)=p1となる。また、候補ピクセルA(xu−1,yu−1)のy座標の値は、y=yu−1であるので、図12(b)より、ピクセルの位置による存在確率p(x,y)=p2となる。したがって、候補ピクセルA(xu−1,yu−1)が肝臓のエッジに存在する存在確率p(xu−1,yu−1,s)は、式(1)において、p(s)=p1を代入し、更に、p(x,y)=p2を代入することによって、求めることができる(式(2)参照)。
p(xu−1,yu−1,s)=p1×p2 ・・・(2)
【0059】
式(2)は、候補ピクセルA(xu−1,yu−1)が肝臓のエッジに存在する存在確率p(xu−1,yu−1,s)を表しているが、他の候補ピクセルA(x,yu−1)およびA(xu+1,yu−1)についても、同様の方法で求めることができる。3つの候補ピクセルA(xu−1,yu−1)、A(x,yu−1)、およびA(xu+1,yu−1)の各々について、肝臓のエッジに存在する存在確率p(x,y,s)を算出した後、ステップS63に進む。
【0060】
ステップS63では、選択手段107aが、ステップS62で存在確率p(x,y,s)が求められた3つの候補ピクセルのうち、存在確率p(x,y,s)の最も高いピクセルを、肝臓のエッジに位置するエッジピクセルとして選択する(図13参照)。
【0061】
図13は、エッジピクセルとして選択された候補ピクセルを示す図である。
ここでは、候補ピクセルA(xu−1,yu−1)の存在確率p(xu−1,yu−1,s)が最も大きいとする。したがって、選択手段107aは、候補ピクセルA(xu−1,yu−1)を、肝臓のエッジに位置するエッジピクセルとして選択する。図13では、エッジピクセルとして選択された候補ピクセルA(xu−1,yu−1)が斜線で示されている。エッジピクセルA(xu−1,yu−1)を選択した後、ステップS64に進む。
【0062】
ステップS64では、Δp算出手段107b(図1参照)が、エッジピクセルA(xu−1,yu−1)の存在確率p(x,y,s)と、開始ピクセルA(x,y)の存在確率p(x,y,s)との差Δpを算出する。Δpを算出した後、ステップS65に進む。
【0063】
ステップS65では、判断手段107c(図1参照)が、ステップS64で求められた存在確率の差Δpに基づいて、エッジピクセルA(xu−1,yu−1)が、肝臓のエッジの下端に位置するピクセルであるか否かを判断する。一般的に、エッジピクセルの位置が肝臓の上端側に近い場合、Δpは大きくなる傾向があるが、一方、エッジピクセルの位置が肝臓の下端側に近い場合、Δpは小さくなる傾向がある。したがって、Δpの値が大きいか小さいかを調べることによって、エッジピクセルA(xu−1,yu−1)が肝臓のエッジの下端に位置しているか否かを判断することが可能となる。そこで、本実施形態では、Δpの値が大きいか小さいかを判断する基準となるしきい値Δpthを予め決めておき、存在確率の差Δpが、しきい値Δpthより大きい場合、エッジピクセルは肝臓の下端に位置していないと判断し、存在確率の差Δpが、しきい値Δpthより小さい場合、エッジピクセルは肝臓の下端に位置していると判断する。
【0064】
ここでは、存在確率の差Δpはしきい値Δpthよりも大きいとする。したがって、判断手段107cは、エッジピクセルA(xu−1,yu−1)は肝臓の下端に位置していないと判断し、ステップS66に進む。
【0065】
ステップS66では、エッジピクセルA(xu−1,yu−1)に隣接する複数のピクセルを、肝臓のエッジに位置する可能性が高い新たな候補ピクセルを含む候補ピクセル群として特定し、各候補ピクセルについて、肝臓のエッジに存在する存在確率を求める(図14参照)。
【0066】
図14は、エッジピクセルA(xu−1,yu−1)に隣接する候補ピクセルを示す図である。
【0067】
図14には、候補ピクセルが、他のピクセルよりも太い線で示されている。本実施形態では、3つのピクセルA(xu−2,yu−2)、A(xu−1,yu−2)、およびA(x,yu−2)が候補ピクセルとなっているが、エッジピクセルA(xu−1,yu−1)に隣接する他のピクセル(例えば、ピクセルA(xu−2,yu−1)や、A(x,yu−1))も、候補ピクセルに加えてもよい。選択手段107aは、3つの候補ピクセルA(xu−2,yu−2)、A(xu−1,yu−2)、およびA(x,yu−2)の各々について、肝臓のエッジに存在する存在確率を求める。存在確率は、上記の式(1)により求められる。3つの候補ピクセルA(xu−2,yu−2)、A(xu−1,yu−2)、およびA(x,yu−2)の各々について、肝臓のエッジに存在する存在確率p(x,y,s)を算出した後、ステップS67に進む。
【0068】
ステップS67では、選択手段107aが、ステップS66で存在確率p(x,y,s)が求められた3つの候補ピクセルのうち、存在確率p(x,y,s)の最も高い候補ピクセルを、次のエッジピクセルとして選択する(図15参照)。
【0069】
図15は、エッジピクセルとして選択された候補ピクセルを示す図である。
ここでは、候補ピクセルA(xu−2,yu−2)の存在確率p(x,y,s)が最も大きいとする。したがって、選択手段107aは、候補ピクセルA(xu−2,yu−2)を、肝臓のエッジに位置するエッジピクセルとして選択する。図15では、次のエッジピクセルとして選択された候補ピクセルA(xu−2,yu−2)が斜線で示されている。エッジピクセルA(xu−2,yu−2)を選択した後、ステップS68に進む。
【0070】
ステップS68では、Δp算出手段107bが、エッジピクセルA(xu−2,yu−2)の存在確率p(x,y,s)と、一つ前のエッジピクセルA(xu−1,yu−1)の存在確率p(x,y,s)との差Δpを算出する。Δpを算出した後、ステップS65に戻る。
【0071】
ステップS65では、判断手段107cが、ステップS68で求められた存在確率の差Δpに基づいて、エッジピクセルA(xu−2,yu−2)が、肝臓のエッジの下端に位置するピクセルであるか否かを判断する。上述したように、エッジピクセルの位置が肝臓の上端側に近い場合、Δpは大きくなる傾向があるが、一方、エッジピクセルの位置が肝臓の下端側に近い場合、Δpは小さくなる傾向がある。したがって、Δpの値が大きいか小さいかを判断する基準となるしきい値Δpthを予め決めておき、存在確率の差Δpが、しきい値Δpth以下か否かを判断することによって、エッジピクセルA(xu−2,yu−2)が肝臓の下端に位置しているか否かの判断をすることができる。
【0072】
ここでは、存在確率の差Δpはしきい値Δpthよりも大きいとする。したがって、判断手段107cは、エッジピクセルA(xu−2,yu−2)は肝臓の下端に位置していないと判断し、ステップS66に進む。
【0073】
ステップS66では、エッジピクセルA(xu−2,yu−2)に隣接する複数のピクセルを、肝臓のエッジに位置する可能性が高い新たな候補ピクセルを含む候補ピクセル群として特定し、各候補ピクセルについて、肝臓のエッジに存在する存在確率を求める(図16参照)。
【0074】
図16は、エッジピクセルA(xu−2,yu−2)に隣接する候補ピクセルを示す図である。
【0075】
図16には、候補ピクセルが、他のピクセルよりも太い線で示されている。図16では、3つのピクセルA(xu−3,yu−3)、A(xu−2,yu−3)、およびA(xu−1,yu−3)が候補ピクセルとなっているが、エッジピクセルA(xu−2,yu−2)に隣接する他のピクセル(例えば、ピクセルA(xu−3,yu−2)や、A(xu−1,yu−2))も、候補ピクセルに加えてもよい。選択手段107aは、3つの候補ピクセルA(xu−3,yu−3)、A(xu−2,yu−3)、およびA(xu−1,yu−3)の各々について、肝臓のエッジに存在する存在確率を求める。存在確率は、上記の式(1)により求められる。3つの候補ピクセルA(xu−3,yu−3)、A(xu−2,yu−3)、およびA(xu−1,yu−3)の各々について存在確率p(x,y,s)を算出した後、ステップS67に進む。
【0076】
ステップS67では、選択手段107aが、ステップS66で存在確率p(x,y,s)が求められた3つの候補ピクセルのうち、存在確率p(x,y,s)の最も高いピクセルを、次のエッジピクセルとして選択する(図17参照)。
【0077】
図17は、エッジピクセルとして選択された候補ピクセルを示す図である。
ここでは、候補ピクセルA(xu−3,yu−3)の存在確率p(x,y,s)が最も大きいとする。したがって、選択手段107aは、候補ピクセルA(xu−3,yu−3)を、肝臓のエッジに位置するエッジピクセルとして選択する。図17では、次のエッジピクセルとして選択された候補ピクセルA(xu−3,yu−3)が斜線で示されている。エッジピクセルA(xu−3,yu−3)を選択した後、ステップS68に進む。
【0078】
ステップS68では、Δp算出手段107bが、エッジピクセルA(xu−3,yu−3)の存在確率p(x,y,s)と、一つ前のエッジピクセルA(xu−2,yu−2)の存在確率p(x,y,s)との差Δpを算出する。Δpを算出した後、ステップS65に戻る。
【0079】
ステップS65では、判断手段107cが、ステップS68で求められた存在確率の差Δpに基づいて、エッジピクセルA(xu−3,yu−3)が、肝臓のエッジの下端に位置するピクセルであるか否かを判断する。この判断は、一つ前のエッジピクセルA(xu−2,yu−2)と同様に、存在確率の差Δpが、しきい値Δpth以下か否かによって行われる。
【0080】
ここでは、存在確率の差Δpはしきい値Δpthよりも大きいとする。したがって、判断手段107cは、エッジピクセルA(xu−3,yu−3)は肝臓の下端に位置していないと判断し、ステップS66に進む。
【0081】
以下、同様に、新たに求めた次のエッジピクセルが肝臓の下端に位置すると判断されるまで、ステップS65〜S68を繰返し実行し、ステップS65において、エッジピクセルが肝臓の下端に位置する下端ピクセルA(x,y)と判断されたら、図9に示すフローを終了し、ステップS7(図4参照)に進む。
【0082】
ステップS7では、スライス位置設定手段108(図1参照)が、開始ピクセルA(x,y)の位置と、肝臓の下端に位置するピクセルA(x,y)の位置とに基づいて、肝臓のスライス位置を設定する(図18参照)。
【0083】
図18は、スライスSを示す図である。
スライスSの位置は、開始ピクセルA(x,y)と、肝臓の下端に位置するピクセルA(x,y)との間の領域を覆うように決定される。このようにして、アキシャル断面のスライスSを設定することができる。スライスSを設定した後、ステップS8に進み、本スキャンを実行し、図4に示すフローを終了する。
【0084】
本実施形態では、肝臓の上端に、肝臓のエッジを追跡するための開始点となる開始ピクセルA(x,y)を決定した後、肝臓の下端に位置するピクセルA(x,y)に到達するまで、肝臓のエッジを追跡している。一般的に、肝臓の下端は先細りの形状になっているので、ASM(Active
shaping model)の方法を用いて肝臓の下端を検出することは困難であるが、本実施形態のように肝臓のエッジを追跡することによって、肝臓の下端を検出することが可能となる。したがって、肝臓の上端の位置と下端の位置とが分かるので、肝臓の全体を覆うようにスライス位置を自動で設定することができる。
【0085】
尚、本実施形態では、存在確率p(x,y,s)の値に基づいて、候補ピクセルの中からエッジピクセルを選択している。しかし、存在確率p(x,y,s)の代わりに、信号強度プロファイルを用いてエッジピクセルを選択してもよい(図19参照)。
【0086】
図19は、信号強度プロファイルを用いてエッジピクセルを選択するときの説明図である。図19には、3つの候補ピクセルA(xu−1,yu−1)、A(x,yu−1)、およびA(xu+1,yu−1)の中から、エッジピクセルを選択するときの例が示されている。
【0087】
信号強度プロファイルQ1、Q2、およびQ3は、それぞれ、候補ピクセルA(xu−1,yu−1)、A(x,yu−1)、およびA(xu+1,yu−1)を横切るラインL1、L2、およびL3における微分画像の信号強度プロファイルを概略的に示している。
【0088】
微分画像の場合、肝臓のエッジにおいて信号強度が最大になる。したがって、候補ピクセルが肝臓のエッジに位置している場合、信号強度プロファイルは、候補ピクセルの位置において信号強度が最大となる。一方、候補ピクセルの位置が肝臓のエッジからずれている場合、信号強度プロファイルの最大値は、候補ピクセルの位置からずれる。図19を参照すると、信号強度プロファイルQ1は、候補ピクセルA(xu−1,yu−1)の位置において信号強度が最大になる。しかし、信号強度プロファイルQ2の最大値は、候補ピクセルA(x,yu−1)の位置からずれており、信号強度プロファイルQ3の最大値も、候補ピクセルA(xu+1,yu−1)の位置からずれている。したがって、選択手段107aが、信号強度プロファイルを作成し、作成した信号強度プロファイルを比較することによって、どの候補ピクセルがエッジピクセルであるかを判断することができる。このように、存在確率の代わりに、信号強度プロファイルを用いて、エッジピクセルを決定してもよい。
【0089】
尚、本実施形態では、肝臓のエッジを追跡し、肝臓のスライス位置を設定している。しかし、本発明は、肝臓以外の別の部位のエッジを追跡し、別の部位のスライス位置を設定してもよい。
【0090】
本実施形態では、ステップS1において、3Dスキャンのスカウトスキャンが実行されている。しかし、3Dスキャンの代わりに、2Dスキャンを実行し、スカウト画像を作成してもよい。
【0091】
本実施形態では、ステップS4において、2Dコロナル投影画像を作成している。しかし、コロナル面とは別の投影面(例えば、サジタル面)に投影された投影画像を作成してもよい。
【0092】
本実施形態では、肝臓のエッジが強調されたエッジ強調画像のデータを求めるために、2Dコロナル投影画像Icoの微分画像IDcoを作成している(ステップS5)。しかし、肝臓のエッジを強調することができるのであれば、微分画像とは別の画像を求めてもよい。
【0093】
本実施形態では、式(1)を用いて、候補ピクセルが肝臓のエッジに存在する存在確率を求めている。しかし、式(1)とは別の式で規定される存在確率を用いてもよい。
【符号の説明】
【0094】
100、200 MRI装置
2 磁場発生装置
3 テーブル
4 クレードル
5 受信コイル
6 シーケンサ
7 送信器
8 勾配磁場電源
9 受信器
10 中央処理装置
11 入力装置
12 表示装置
13 被検体
14 オペレータ
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 送信コイル
101 三次元画像データ算出手段
102 フィルタ処理手段
103 しきい値処理手段
104 投影手段
105 エッジ強調手段
106 決定手段
107 検出手段
108 スライス位置設定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の所定の部位の画像データに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記画像データの複数のピクセルの中から、前記所定の部位のエッジを追跡するときの開始点となる開始ピクセルを決定する決定手段と、
前記開始ピクセルから前記所定の部位のエッジの追跡を開始し、前記所定の部位のエッジの所定点に位置する所定のピクセルを検出する検出手段と、
前記開始ピクセルの位置と、前記所定のピクセルの位置とに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定するスライス位置設定手段と、
を有する磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記検出手段は、
複数の候補ピクセルを含む第1の候補ピクセル群の中から、前記所定の部位のエッジに存在する可能性が最も高い候補ピクセルを、前記所定の部位のエッジに存在する第1のエッジピクセルとして選択する選択手段と、
前記第1のエッジピクセルが、前記所定のピクセルであるか否かを判断する判断手段と、を有する、請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記選択手段は、
前記第1のエッジピクセルが、前記所定のピクセルではない場合、複数の候補ピクセルを含む第2の候補ピクセル群の中から、前記所定の部位のエッジに存在する可能性が最も高い候補ピクセルを、前記所定の部位のエッジに存在する第2のエッジピクセルとして選択し、
前記判断手段は、
前記第2のエッジピクセルが、前記所定のピクセルであるか否かを判断する、請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記選択手段は、
前記第1の候補ピクセル群に含まれる複数の候補ピクセルの各々に対して、前記所定の部位のエッジに存在する存在確率を求め、前記存在確率の最も高い候補ピクセルを、前記第1のエッジピクセルとして選択し、
前記第2の候補ピクセル群に含まれる複数の候補ピクセルの各々に対して、前記所定の部位のエッジに存在する存在確率を求め、前記存在確率の最も高い候補ピクセルを、前記第2のエッジピクセルとして選択する、請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記検出手段は、
前記第1のエッジピクセルの存在確率と、前記第2のエッジピクセルの存在確率との差を算出する手段を有し、
前記判断手段は、
前記差に基づいて、前記第2のエッジピクセルが前記所定のピクセルであるか否かを判断する、請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記選択手段は、
前記第1の候補ピクセル群に含まれる各候補ピクセルを横切るプロファイルを作成し、前記プロファイルに基づいて、前記第1の候補ピクセル群の中から、前記第1のエッジピクセルを選択する、請求項2又は3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
前記プロファイルは、微分画像を用いて作成される、請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
前記所定の部位は、肝臓であり、
前記開始点は、肝臓のエッジの上端であり、
前記所定点は、肝臓のエッジの下端である、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
被検体の所定の部位の画像データに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定するスライス位置設定方法であって、
前記画像データの複数のピクセルの中から、前記所定の部位のエッジを追跡するときの開始点となる開始ピクセルを決定するピクセル決定ステップと、
前記開始ピクセルから前記所定の部位のエッジの追跡を開始し、前記所定の部位のエッジの所定点に位置する所定のピクセルを検出するピクセル検出ステップと、
前記開始ピクセルの位置と、前記所定のピクセルの位置とに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定するスライス位置設定ステップと、
を有するスライス位置設定方法。
【請求項10】
被検体の所定の部位の画像データに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定するためのプログラムであって、
前記画像データの複数のピクセルの中から、前記所定の部位のエッジを追跡するときの開始点となる開始ピクセルを決定するピクセル決定処理と、
前記開始ピクセルから前記所定の部位のエッジの追跡を開始し、前記所定の部位のエッジの所定点に位置する所定のピクセルを検出するピクセル検出処理と、
前記開始ピクセルの位置と、前記所定のピクセルの位置とに基づいて、前記所定の部位のスライス位置を設定するスライス位置設定処理と、
を計算機に実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−245205(P2011−245205A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123892(P2010−123892)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】