説明

磁気共鳴イメージング装置およびプレビュー画像表示装置

【課題】被検体を撮像する際の撮像効率を向上するために、本スキャン条件を容易に設定できる手段を提供する。
【解決手段】本スキャン条件を設定するときに、そのとき設定されているスキャン条件で本スキャンが実施された場合に生成されると予想される磁気共鳴画像をシミュレートして、指定されているスライス領域や選択されている疾患の種類および画像コントラストなどを反映したシミュレーション画像をプレビュー画像Pとして表示画面に表示し、本スキャン条件を本スキャン実施前に確認できるようにする。一般的に人体において計測される特性値を3次元の位置に関連付けたデータを特性データとして記憶しておき、シミュレートはこの特性データに基づいて行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置およびプレビュー画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置は、核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)現象を利用して、被検体をイメージングする装置として知られている。この磁気共鳴イメージング装置は、医療用途、産業用途などの分野において多く利用されている。
【0003】
磁気共鳴イメージング装置を用いて被検体をイメージングする際においては、静磁場が形成された撮像空間において、被検体から磁気共鳴信号を収集する本スキャン(scan)を、本スキャン条件に対応するように実施する。
【0004】
具体的には、静磁場が形成された撮影空間内に、被検体を収容することによって、その被検体内のプロトン(proton)におけるスピンの方向を、静磁場の方向へ整列させて磁化ベクトルを得た状態にする。その後、RFコイル(Radio Frequency Coil)から共鳴周波数のRFパルスを照射することにより、核磁気共鳴現象を発生させて、そのプロトンの磁化ベクトルを変化させる。そして、元の磁化ベクトルに戻るプロトンから発生する磁気共鳴信号をRFコイルで受信する。
【0005】
そして、その本スキャンの実施にて収集された磁気共鳴信号に基づいて、本スキャン画像として磁気共鳴画像を生成する。
【0006】
この磁気共鳴イメージング装置においては、オペレータ(operator)によって操作装置にスキャンパラメータなどの操作データが入力され、その入力された操作データに対応するように本スキャン条件が設定される。操作装置は、たとえば、グラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI:Grafical User Interface)であり、オペレータによって操作データが入力される入力項目を表示画面に複数表示する。そして、オペレータがキーボード(keyboard)などの入力デバイスを用いることによって表示画面に表示された複数の入力項目に応じるように操作データを入力する。具体的には、TR,TE,フリップアングル(Flip Angle)などのスキャンパラメータが入力される(たとえば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2007−111112号公報(図3など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、操作装置においては、表示画面に複数の入力項目が表示され、その複数の入力項目にオペレータが操作データを順次入力する。このため、オペレータが入力操作に慣れていない場合においては、所望な磁気共鳴画像を生成するように、的確に操作データを入力するためには、時間を要するため、被検体を効率的に撮像することが困難な場合があった。
【0009】
特に、T1強調画像、T2強調画像、プロトン密度強調画像など、所望な画像コントラストの磁気共鳴画像を得るために、本スキャン条件を設定する場合には、専門的知識を要し、迅速に設定することが困難になる場合が多く、上記の不具合が顕在化する場合があった。
【0010】
したがって、本発明は、被検体を撮像する撮像効率を向上することが可能な磁気共鳴イメージング装置およびプレビュー画像表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の磁気共鳴イメージング装置は、静磁場空間において被検体から磁気共鳴信号を収集する本スキャンを本スキャン条件に対応するように実施し、前記本スキャンの実施にて収集された磁気共鳴信号に基づいて、磁気共鳴画像を本スキャン画像として生成する磁気共鳴イメージング装置であって、前記本スキャンが前記本スキャン条件に対応するように実施された際に生成される本スキャン画像についてシミュレートされるシミュレーション画像を、プレビュー画像として生成するプレビュー画像生成部と、前記プレビュー画像生成部によって生成されたプレビュー画像を、前記本スキャンを実施する前に表示画面に表示する表示部とを有する。
【0012】
また、本発明のプレビュー画像表示装置は、静磁場空間において被検体から磁気共鳴信号を収集する本スキャンを本スキャン条件に対応するように実施された際に、前記本スキャンの実施にて収集された磁気共鳴信号に基づいて生成される本スキャン画像についてシミュレートされるシミュレーション画像を、プレビュー画像として生成するプレビュー画像生成部と、前記プレビュー画像生成部によって生成されたプレビュー画像を、前記本スキャンを実施する前に表示画面に表示する表示部とを有する。
【0013】
好適には、前記本スキャン条件を設定する本スキャン条件設定部を有し、前記本スキャン条件設定部は、前記被検体において前記本スキャン画像を生成するスライス領域の位置を、オペレータによって入力された指令に基づいて前記本スキャン条件として設定し、前記プレビュー画像生成部は、前記本スキャン条件設定部によって設定されたスライス領域について、前記プレビュー画像を生成する。
【0014】
好適には、前記本スキャン画像として生成する磁気共鳴画像の画像コントラストを、オペレータによって入力された指令に基づいて設定する画像コントラスト設定部を有し、前記本スキャン条件設定部は、前記画像コントラスト設定部によって設定された画像コントラストにて前記本スキャン画像が生成されるように、前記本スキャン条件を設定し、前記プレビュー画像生成部は、前記画像コントラスト設定部によって設定された画像コントラストに対応するように、前記本スキャン条件設定部によって設定された本スキャン条件に基づいて、前記プレビュー画像を生成する。
【0015】
好適には、前記本スキャン条件設定部によって設定されたスライス領域に含まれる疾患を、オペレータによって入力された指令に基づいて設定する疾患設定部を有し、前記プレビュー画像生成部は、前記疾患設定部によって設定された疾患が前記スライス領域に含まれる場合に生成される本スキャン画像についてシミュレートされるシミュレーション画像を、前記プレビュー画像として生成する。
【0016】
好適には、前記被検体の各位置における特性データを記憶している記憶部を有し、前記プレビュー画像生成部は、前記記憶部によって記憶されている特性データを用いて、前記プレビュー画像を生成する、
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、被検体を撮像する撮像効率を向上することが可能な磁気共鳴イメージング装置およびプレビュー画像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下より、本発明にかかる実施形態の一例について図面を参照して説明する。
【0019】
(装置構成)
図1は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。
【0020】
図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置1は、スキャン部2と、操作コンソール部3とを有している。
【0021】
本実施形態においては、磁気共鳴イメージング装置1は、静磁場が形成された撮像空間Bにおいてスキャン部2が被検体の撮影領域へRFパルスを送信し、そのRFパルスが送信された撮影領域にて発生する磁気共鳴信号を得る本スキャンを本スキャン条件に対応するように実施する。その後、磁気共鳴イメージング装置1は、その本スキャンの実施によって収集された磁気共鳴信号に基づいて、操作コンソール部3が撮影領域の磁気共鳴画像を本スキャン画像として生成する。
【0022】
スキャン部2について説明する。
【0023】
スキャン部2は、図1に示すように、静磁場マグネット部12と、勾配コイル部13と、RFコイル部14と、被検体移動部15と、RF駆動部22と、勾配駆動部23と、データ収集部24とを有しており、操作コンソール部3から出力される制御信号に基づいて、被検体SUの撮影領域について本スキャンを実施する。
【0024】
スキャン部2は、たとえば、円筒形状になるように形成されており、その中心部分の円柱状の空間を撮像空間Bとして、被検体SUを収容する。そして、スキャン部2は、被検体SUの撮影領域について本スキャンを実施する際には、静磁場マグネット部12によって静磁場が形成された撮像空間B内において、被検体移動部15において載置された被検体SUの撮影領域のスピンを励起するようにRFコイル部14がRFパルスを送信すると共に、そのRFパルスが送信された被検体SUの撮影領域に勾配コイル部13が勾配パルスを送信する。そして、被検体SUの撮影領域において発生する磁気共鳴信号をRFコイル部14が受信する。
【0025】
スキャン部2の各構成要素について、順次、説明する。
【0026】
静磁場マグネット部12は、超伝導磁石(図示なし)を含み、被検体SUが収容される撮像空間Bに静磁場を形成するように構成されている。ここでは、静磁場マグネット部12は、被検体移動部15において載置されている被検体SUの体軸方向(z方向)に沿うように静磁場を形成する。すなわち、静磁場マグネット部12は、水平磁場型である。この他に、静磁場マグネット部12は、垂直磁場型であって、たとえば、一対の永久磁石が対面する方向に沿って静磁場を形成するように構成されていてもよい。
【0027】
勾配コイル部13は、静磁場マグネット部12によって静磁場が形成された撮像空間Bに勾配磁場を形成し、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号に空間位置情報を付加するように構成されている。ここでは、勾配コイル部13は、x方向とy方向とz方向との互いに直交する3軸方向のそれぞれに対応するように、3系統からなる。これらは、撮像条件に応じて、周波数エンコード方向と位相エンコード方向とスライス選択方向とのそれぞれに勾配磁場を形成するように、勾配パルスを送信する。具体的には、勾配コイル部13は、被検体SUのスライス選択方向に勾配磁場を印加し、RFコイル部14がRFパルスを送信することによって励起させる被検体SUのスライスを選択する。また、勾配コイル部13は、被検体SUの位相エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を位相エンコードする。そして、勾配コイル部13は、被検体SUの周波数エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を周波数エンコードする。
【0028】
RFコイル部14は、静磁場が形成される撮像空間B内において、電磁波であるRFパルスを被検体SUの撮影領域に送信して高周波磁場を形成し、被検体SUの撮影領域におけるプロトンのスピンを励起するように構成されている。そして、RFコイル部14は、その励起された被検体SUの撮影領域内のプロトンから発生する電磁波を磁気共鳴信号として受信する。ここでは、RFコイル部14は、図1に示すように、送信コイル14aと、受信コイル14bとを有する。ここで、送信コイル14aは、たとえば、バードゲージ型のボディコイルであり、被検体SUの撮影領域を囲むように配置されており、RFパルスを送信する。一方、受信コイル14bは、表面コイルであり、磁気共鳴信号を受信する。
【0029】
被検体移動部15は、クレードル15aとクレードル移動部15bとを有しており、制御部30から出力される制御信号に基づいて、撮像空間Bの内部と外部との間において、クレードル15aをクレードル移動部15bが移動させるように構成されている。ここで、クレードル15aは、被検体SUが載置される載置面を備えたテーブルであり、図1に示すように、クレードル移動部15bによって、水平方向xzと上下方向yとのそれぞれの方向に移動され、静磁場が形成される撮像空間Bに搬出入される。また、クレードル移動部15bは、クレードル15aを移動させ、外部から撮像空間Bの内部へ収容させる。クレードル移動部15bは、たとえば、ローラー式駆動機構を備えており、アクチュエータによりローラーを駆動させてクレードル15aを水平方向xzに移動する。また、クレードル移動部15bは、たとえば、アーム式駆動機構を備えており、交差した2本のアーム間の角度を可変することにより、クレードル15aを上下方向yに移動する。
【0030】
RF駆動部22は、RFコイル部14を駆動させて撮像空間B内にRFパルスを送信させて、撮像空間Bに高周波磁場を形成させるように構成されている。具体的には、RF駆動部22は、操作コンソール部3からの制御信号に基づいて、ゲート変調器(図示なし)を用いてRF発振器(図示なし)からの信号を所定のタイミングおよび所定の包絡線の信号に変調した後に、そのゲート変調器により変調された信号を、RF電力増幅器(図示なし)によって増幅してRFコイル部14に出力し、RFパルスを送信させる。
【0031】
勾配駆動部23は、操作コンソール部3からの制御信号に基づいて、勾配パルスを勾配コイル部13に印加して駆動させ、静磁場が形成されている撮像空間B内に勾配磁場を発生させるように構成されている。勾配駆動部23は、3系統の勾配コイル部13に対応して3系統の駆動回路(図示なし)を有する。
【0032】
データ収集部24は、操作コンソール部3からの制御信号に基づいて、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号を収集するように構成されている。ここでは、データ収集部24は、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号をRF駆動部22のRF発振器(図示なし)の出力を参照信号として位相検波器(図示なし)が位相検波する。その後、A/D変換器(図示なし)を用いて、このアナログ信号である磁気共鳴信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0033】
操作コンソール部3について説明する。
【0034】
操作コンソール部3は、図1に示すように、制御部30と、データ処理部31と、操作部32と、表示部33と、記憶部34とを有している。操作コンソール部3は、スキャン部2が被検体SUの撮影領域について本スキャンを実施するように制御し、そのスキャン部2が本スキャンを実施することによって収集した磁気共鳴信号に基づいて、被検体SUの撮影領域について磁気共鳴画像を本スキャン画像として生成すると共に、その生成した本スキャン画像を表示するように構成されている。
【0035】
操作コンソール部3の各構成要素について、順次、説明する。
【0036】
制御部30は、コンピュータと、コンピュータに所定のデータ処理を実行させるプログラムを記憶するメモリとを有しており、各部を制御する。ここでは、制御部30は、設定された本スキャン条件に対応するように、RF駆動部22と勾配駆動部23とデータ収集部24とのそれぞれに制御信号を出力することによって、本スキャンを実行させる。そして、これと共に、データ処理部31と表示部33と記憶部34とへ、制御信号を出力し、制御を行う。
【0037】
データ処理部31は、コンピュータと、そのコンピュータを用いて所定のデータ処理を実行するプログラムを記憶するメモリとを有しており、制御部30から出力された制御信号に基づいて、データ処理を実施する。
【0038】
図2は、本発明にかかる実施形態において、データ処理部31を示すブロック図である。
【0039】
図2に示すように、データ処理部31は、本スキャン条件設定部311と、画像コントラスト設定部311bと、疾患設定部312と、プレビュー画像生成部313と、本スキャン画像生成部314とを有しており、プログラムによってコンピュータが上記の各部として機能するように構成されている。
【0040】
データ処理部31の本スキャン条件設定部311は、操作部32においてオペレータによって入力された指令に基づいて、被検体について本スキャンを実施する際の本スキャン条件を設定するように構成されている。
【0041】
具体的には、本スキャン条件設定部311は、被検体SUにおいて本スキャン画像を生成するスライス領域の位置を、オペレータによって入力された操作データに基づいて本スキャン条件として設定する。ここでは、表示部33に表示された位置決め画像の上に、オペレータが操作部32のポインティングデバイスを用いて、被検体SUを本スキャンするスライス位置を選択することによって入力された座標データを、制御部30を介して受けた後、その座標データに基づいて、被検体SUにおいて本スキャンを実施するスライス領域の位置を設定する。
【0042】
また、本スキャン条件設定部311は、被検体SUについて本スキャンを実施する際のスキャンパラメータを、オペレータによって入力された操作データに基づいて本スキャン条件として設定する。たとえば、TR,TEなどのスキャンパラメータを設定する。詳細については後述するが、本実施形態においては、本スキャン条件設定部311は、画像コントラスト設定部311bが本スキャン画像として生成する磁気共鳴画像の画像コントラストを、オペレータによって入力された操作データに基づいて設定した後に、その画像コントラスト設定部311bによって設定された画像コントラストにて本スキャン画像が生成されるように、このTR,TEなどのスキャンパラメータを自動的に選択し、本スキャン条件を設定する。ここでは、本スキャン条件設定部311は、記憶部34において画像コントラストとスキャンパラメータとを関連付けて記憶されているデータベースから、画像コントラスト設定部311bによって設定された画像コントラストに対応するスキャンパラメータを抽出し、本スキャン条件として設定する。
【0043】
データ処理部31の画像コントラスト設定部311bは、本スキャン画像として生成する磁気共鳴画像の画像コントラストを、オペレータによって入力された操作データに基づいて設定するように構成されている。ここでは、表示部33の表示画面において複数の画像コントラストの種類の文字列を含むメニュー画像から、一つの画像コントラストを、オペレータが操作部32を用いて選択することによって、画像コントラストの種類のデータが入力される。そして、画像コントラスト設定部311bは、この入力されたデータを制御部30を介して受けた後、その入力されたデータに基づいて、本スキャン画像として生成する磁気共鳴画像の画像コントラストを設定する。
【0044】
データ処理部31の疾患設定部312は、本スキャン条件設定部311によって設定されたスライス領域に含まれる疾患を、オペレータによって入力された操作データに基づいて設定するように構成されている。ここでは、表示部33の表示画面において複数の疾患の種類の文字列を含むメニュー画像から、一つの疾患を、オペレータが操作部32を用いて選択することによって、疾患のデータが入力される。そして、疾患設定部312は、この入力されたデータを制御部30を介して受けた後、その入力されたデータに基づいて疾患を設定する。
【0045】
データ処理部31のプレビュー画像生成部313は、本スキャン条件にて本スキャンが実施された際に、当該本スキャンの実施によって生成される本スキャン画像についてシミュレートされるシミュレーション画像を、本スキャンを実施する前に、プレビュー画像として生成するように構成されている。本実施形態においては、プレビュー画像生成部313は、本スキャン条件設定部311によって設定されたスライス領域について、プレビュー画像を生成する。また、プレビュー画像生成部313は、画像コントラスト設定部311bによって設定された画像コントラストに対応するように、プレビュー画像を生成する。また、プレビュー画像生成部313は、疾患設定部312によって設定された疾患がスライス領域に含まれる場合に生成される本スキャン画像についてシミュレートされるシミュレーション画像を、プレビュー画像として生成する。ここでは、プレビュー画像生成部313は、記憶部34によって記憶されている特性データを用いて、このプレビュー画像を生成する。
【0046】
データ処理部31の本スキャン画像生成部314は、本スキャン条件設定部311によって設定された本スキャン条件に対応するように、スキャン部2が本スキャンを実行することによって収集された磁気共鳴信号をローデータとし、被検体SUについて本スキャン画像を生成する。具体的には、本スキャン画像生成部314は、本スキャンの実施によってデータ収集部24が収集した磁気共鳴信号をデジタル信号として取得し、そのデジタル信号に変換された磁気共鳴信号に対して画像再構成処理を実施して、被検体SUのスライス領域について本スキャン画像を生成する。たとえば、k空間に対応するように収集された磁気共鳴信号を、逆フーリエ変換することによって、この本スキャン画像を再構成する。そして、本スキャン画像生成部314は、その生成した本スキャン画像について画像データを表示部33に出力する。
【0047】
操作部32は、キーボードやポインティングデバイスなどの操作デバイスにより構成されている。操作部32は、オペレータによって操作データが入力され、その操作データを制御部30に出力する。
【0048】
本実施形態においては、操作部32は、被検体SUにおいて本スキャン画像を生成するスライス領域の位置について、オペレータによって操作データが入力され、本スキャン条件設定部311に出力する。また、操作部32は、被検体SUについて本スキャンを実施する際のスキャンパラメータについて、オペレータによって操作データが入力され、本スキャン条件設定部311に出力する。また、操作部32は、本スキャン画像として生成する磁気共鳴画像の画像コントラストについて、オペレータによって操作データが入力され、画像コントラスト設定部311bに出力する。また、操作部32は、被検体において本スキャンを実施するスライス領域に含まれる疾患の種類について、オペレータによって操作データが入力され、疾患設定部312に出力する。
【0049】
表示部33は、LCDなどの表示デバイスにより構成されており、制御部30から出力された制御信号に基づいて、表示画面に画像を表示する。
【0050】
本実施形態においては、表示部33は、被検体SUを本スキャンするスライス位置を決定するために生成された位置決め画像を、表示画面に表示する。たとえば、本スキャンの実施前に実施された位置決めスキャンによって収集された磁気共鳴信号に基づいて生成された位置決め画像を、表示画面に表示する。たとえば、被検体SUのサジタル面のスライスについて生成された位置決め画像を表示する。そして、被検体SUについて生成された位置決め画像をオペレータが観察し、オペレータが操作部32のポインティングデバイスを用いてスライス領域の位置を入力した際には、そのスライス領域の位置を示すスライス位置画像を、その位置決め画像の上に表示する。
【0051】
また、表示部33は、オペレータが操作データを入力する入力項目を示す操作画像を、表示画面に表示する。具体的には、被検体SUについて本スキャンを実施する際のスキャンパラメータについて入力する入力項目を示すメニュー画像を表示画面に表示する。また、本スキャン画像として生成する磁気共鳴画像の画像コントラストについて入力する入力項目を示すメニュー画像を、表示画面に表示する。また、被検体において本スキャンを実施するスライス領域に含まれる疾患の種類について入力する入力項目を示すメニュー画像を、表示画面に表示する。
【0052】
この他に、表示部33は、被検体SUについて生成された磁気共鳴画像の画像データを、データ処理部31から受け、表示画面に表示する。本実施形態においては、表示部33は、プレビュー画像生成部313によって生成されたプレビュー画像を、本スキャンの実施前に、表示画面に表示する。また、表示部33は、本スキャンが実施された後においては、本スキャン画像生成部314によって生成された本スキャン画像を表示画面に表示する。
【0053】
記憶部34は、メモリにより構成されており、各種データを記憶している。記憶部34は、その記憶されたデータが必要に応じて制御部30によってアクセスされる。
【0054】
本実施形態においては、記憶部34は、画像コントラストと、その画像コントラストを得るためのスキャンパラメータとを関連付けたデータを記憶しており、画像コントラスト設定部311bが画像コントラストを設定した際には、その画像コントラストに対応するスキャンパラメータのデータが抽出されて、本スキャン条件設定部311に出力される。
【0055】
また、本実施形態においては、記憶部34は、被検体SUの各位置における特性データを記憶している。ここでは、記憶部34は、健常体である場合の被検体SUの各位置と特性値とを関連付けた特性データを記憶している。さらに、各疾患の位置と、その各疾患の特性値とを関連付けた特性データを記憶している。具体的には、T1値,T2値,T2*値,速度ベクトル,拡散係数,水対脂肪比率などの特性値を、被検体SUの各位置に関連付けて記憶している。そして、記憶部34は、被検体SUにおいて本スキャンを実施するスライス位置が設定された際には、そのスライス位置に対応する特性データが、プレビュー画像生成部313へ出力される。
【0056】
(動作)
以下より、上記の本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1を用いて、被検体SUについてイメージングを実施する際の動作について説明する。
【0057】
図3は、本発明にかかる実施形態において、被検体SUについてイメージングを実施する際の動作を示すフロー図である。
【0058】
まず、図3に示すように、本スキャン条件の設定を行う(S11)。
【0059】
ここでは、被検体SUについて本スキャンを実施する際の本スキャン条件を、操作部32においてオペレータによって入力された操作データに基づいて本スキャン条件設定部311が設定する。
【0060】
具体的には、被検体SUにおいて本スキャン画像を生成するスライス領域の位置と、被検体SUについて本スキャンを実施する際のスキャンパラメータとを、本スキャン条件として設定する。
【0061】
本実施形態においては、表示部33において表示画面に表示された操作画像を用いて、オペレータによって操作データが入力され、その入力された操作データに基づいて、本スキャン条件を設定する。
【0062】
図4は、本発明にかかる実施形態において、本スキャン条件としてスライス領域の位置を設定する際に表示画面に表示される操作画像を示す図である。
【0063】
被検体SUにおいて本スキャン画像を生成するスライス領域SAの位置について、操作データを入力する際には、図4に示すように、被検体SUのサジタル面を示す位置決め画像SLを、オペレータが観察する。そして、その表示された位置決め画像SLの上に、オペレータが操作部32のポインティングデバイスを用いて、被検体SUを本スキャンするスライス領域SAの位置を選択することによって、そのスライス領域SAの位置の座標データを操作データとして入力する。
【0064】
たとえば、図4に示すように、位置決め画像SLにおいて被検体SUの頭部に対応する領域を、スライス領域SAにするように選択し、座標データを入力する。
【0065】
そして、この入力された座標データを制御部30を介して本スキャン条件設定部311が受けた後、その座標データに基づいて、被検体SUにおいて本スキャンを実施するスライス領域SAの位置を設定する。
【0066】
図5は、本発明にかかる実施形態において、本スキャン条件としてスキャンパラメータを設定する際に表示画面に表示される操作画像を示す図である。
【0067】
被検体SUについて本スキャンを実施する際のスキャンパラメータについて、操作データを入力する際には、図5に示すように、本スキャン画像として生成する磁気共鳴画像の画像コントラストを決定するために表示された、複数の画像コントラストの種類を示す文字列を含むメニュー画像M1を表示させて、オペレータが観察する。そして、図5に示すように、そのメニュー画像M1において表示された複数の画像コントラストの種類のうちの一つを、操作部32のポインティングデバイスを用いてオペレータが選択し、その選択された画像コントラストの種類の操作データを入力する。そして、この入力されたデータを制御部30を介して画像コントラスト設定部311bが受けた後、その入力されたデータに基づいて、本スキャン画像として生成する磁気共鳴画像の画像コントラストを画像コントラスト設定部311bが設定する。
【0068】
たとえば、図5に示すように、「T1強調」,「T2強調」,「プロトン密度強調」のように表示された文字列から、「T1強調」を選択し、設定が実施される。
【0069】
そして、この設定された画像コントラストのデータを本スキャン条件設定部311が受け、そのデータに基づいて、被検体SUにおいて本スキャンを実施する際のスキャンパラメータを設定する。ここでは、画像コントラストとスキャンパラメータとを関連付けて予め記憶されているデータベースから、画像コントラスト設定部311bによって設定された画像コントラストに対応するスキャンパラメータが抽出されて設定が実施される。
【0070】
たとえば、スピンエコー法のパルスシーケンスにおいて、「T1強調」の画像コントラストが設定された場合には、TRを300ms,TEを10msにするように、スキャンパラメータを自動的に設定する。そして、この設定されたスキャンパラメータが、操作画像上に表示される。
【0071】
つぎに、図3に示すように、疾患の種類についての選択を行う(S21)。
【0072】
ここでは、被検体において本スキャンを実施するスライス領域に含まれる疾患の種類を、オペレータによって入力された操作データに基づいて疾患設定部312が設定する。
【0073】
図6は、本発明にかかる実施形態において、疾患の種類を選択して設定する際に表示画面に表示される操作画像を示す図である。
【0074】
図6に示すように、被検体SUにおいて本スキャンを実施するスライス領域に含まれる疾患の種類を決定するために表示された疾患の種類の文字列を含むメニュー画像M2を表示させる。そして、その疾患の種類の文字列のうちの一つを、操作部32のポインティングデバイスを用いてオペレータが選択し、その選択された疾患の種類の操作データを入力する。そして、この入力されたデータを、疾患設定部312が制御部30を介して受けた後、その入力されたデータに基づいて、プレビュー画像に含むように表示させる疾患の種類を設定する。
【0075】
たとえば、本スキャンを実施するスライス領域SAが、被検体SUの頭部であって、「脳梗塞」,「脳腫瘍」などの疾患を含む領域である場合には、図6に示すように、「健常体」,「脳梗塞」,「脳腫瘍」など、そのスライス領域SAに含まれる疾患を示す文字列がメニュー画像M2に表示される。このため、たとえば、「脳梗塞」を選択して、設定を行う。
【0076】
なお、プレビュー画像に疾患の画像を含ませない場合には、「健常体」を選択する。また、上記において、本スキャン条件として設定されたスライス領域SAが、被検体SUの頭部であるが、「脳梗塞」,「脳腫瘍」などの疾患を含む領域でない場合には、「健常体」のみを示す文字列がメニュー画像M2に表示され、「脳梗塞」,「脳腫瘍」などの疾患を示す文字列については表示がされないように構成されている。
【0077】
つぎに、図3に示すように、プレビュー画像の生成を行う(S31)。
【0078】
ここでは、本スキャン条件にて本スキャンが実施される際に磁気共鳴画像として生成される本スキャン画像について、プレビュー画像生成部313がシミュレートすることによって、プレビュー画像を生成する。
【0079】
本実施形態においては、上記のように設定されたスライス領域および画像コントラストに対応するように、プレビュー画像を生成する。また、上記のように設定された疾患に対応する磁気共鳴画像を含むように、このプレビュー画像を生成する。
【0080】
図7は、本発明にかかる実施形態において、プレビュー画像を生成する様子を説明するための図である。
【0081】
図7に示すように、本実施形態においては、被検体SUの各位置(x,y,z)における特性データを、記憶部34が記憶している。具体的には、被検体SUが人体である場合に、その人体の各位置(x,y,z)において一般的に計測されるT1値,T2値,T2*値,速度ベクトル,拡散係数,水対脂肪比率などの特性値の一例を、特性データとして予め記憶している。つまり、一般的な人体において計測される特性値を、3次元の位置に関連付けたデータを、特性データとして記憶している。
【0082】
このため、上記のように被検体SUにおいて本スキャンを実施するスライス領域SAの位置(x,y,z)が設定された際には、そのスライス領域SAの位置(x,y,z)に対応する特性データが、記憶部34からプレビュー画像生成部313へ出力される。ここで、本スキャンが実施される被検体SUの大きさと、特性データが記憶されている一般的な人体の大きさとが相違する場合には、互いの大きさのデータに基づいて、そのスライス領域SAの位置(x,y,z)に対応する特性データを抽出して出力する。たとえば、オペレータによって被検体SUの大きさのデータが入力された後に、その入力されたデータと、予め記憶している上記の特性データが計測された人体の大きさのデータとを比較した結果に基づいて、その抽出する特性データの位置情報を調整する。
【0083】
そして、そのスライス領域SAの各位置(x,y,z)における特性値と、上記にて設定されたスキャンパラメータとに基づいて、プレビュー画像生成部313がプレビュー画像を生成する。
【0084】
たとえば、スピンエコー法のパルスシーケンスにてプレビュー画像を生成する場合には、以下の数式(1)に示すように、T1の値T(x,y,z),T2の値T(x,y,z),プロトン密度の値d(x,y,z)の各特性値と、TRおよびTEのスキャンパラメータとから各画素値S(x,y,z)を算出する。ここでは、被検体SUが「健常体」であるか、「疾患」を含むかに対応するように、特性データを選択して、プレビュー画像を生成する。このようにすることによって、本スキャン条件に従って生成されるシミュレーション画像を、プレビュー画像として生成する。
【0085】
【数1】

【0086】
つぎに、図3に示すように、プレビュー画像の表示を行う(S41)。
【0087】
ここでは、上記にて生成されたプレビュー画像を、表示部33が表示画面に表示する。
【0088】
図8は、本発明にかかる実施形態において、プレビュー画像を表示する様子を示す図である。
【0089】
たとえば、図8に示すように、設定されたスライス領域についてスライス画像として生成されたプレビュー画像Pを、位置決め画像SLに並べて表示する。
【0090】
つぎに、図3に示すように、本スキャン条件の再設定の要否について判断する(S51)。
【0091】
ここでは、オペレータが表示部33の画面に表示されたプレビュー画像を観察し、所望な画像が得られているか否かについて判断する。たとえば、このプレビュー画像が所望な画像コントラストにて生成されているか否かを判断する。
【0092】
プレビュー画像が所望な画像でなく、本スキャン条件の再設定が必要な場合(Yes)には、図3に示すように、本スキャン条件の調整を行う(S61)。
【0093】
ここでは、スライス位置、スキャンパラメータについて調整するように、オペレータが操作データを入力する。たとえば、TRとTEとのスキャンパラメータの値を、上記にて設定された値から別の値に変更するように、その数値を入力する。
【0094】
その後、上記と同様に、その調整されたスキャン条件に対応するようにプレビュー画像を生成し(S31)、その生成したプレビュー画像を表示して(S41)、本スキャン条件の再設定の要否について判断すること(S51)を繰り返す。
【0095】
一方、プレビュー画像が所望な画像であり、本スキャン条件の再設定が不要な場合(No)には、図3に示すように、本スキャンの開始を行う(S71)。
【0096】
ここでは、オペレータによって本スキャンの実施を開始する操作データが入力された後に、上記のように設定された本スキャン条件に対応するように、スキャン部2が被検体SUについて本スキャンを実施する。
【0097】
つぎに、図3に示すように、本スキャン画像の生成を行う(S81)。
【0098】
ここでは、本スキャンの実施によって収集された磁気共鳴信号をローデータとして、本スキャン画像生成部314が本スキャン画像として生成する。
【0099】
つぎに、図3に示すように、本スキャン画像の表示を行う(S91)。
【0100】
ここでは、上記にて生成された本スキャン画像を、表示部33が表示画面に表示する。
【0101】
以上のように、本実施形態は、本スキャン条件にて本スキャンが実施された際に生成される本スキャン画像について、その本スキャンの実施前にシミュレートすることによって、プレビュー画像を生成する。そして、そのプレビュー画像を、本スキャンを実施する前に表示画面に表示する。このため、本実施形態においては、プレビュー画像を観察することで、所望な画像品質の磁気共鳴画像が本スキャン画像として生成されるか否かを予測することができる。したがって、本実施形態は、本スキャンの実施前に、的確に本スキャン条件が設定されたか否かを確認できるため、被検体を撮像する撮像効率を向上することができる。
【0102】
また、本実施形態においては、画像コントラストに対応するように本スキャン条件を設定し、その本スキャン条件において生成されるプレビュー画像をシミュレートしている。このため、本実施形態は、T1強調画像、T2強調画像、プロトン密度強調画像など、所望な画像コントラストの磁気共鳴画像を得る際において、本スキャン条件を容易に設定できるため、被検体を撮像する撮像効率を向上することができる。
【0103】
また、本実施形態においては、疾患がスライス領域に含まれる場合に磁気共鳴画像として生成される本スキャン画像を、プレビュー画像としてシミュレートによって生成後、表示画面に表示する。このため、本実施形態においては、疾患がスライス領域に含まれる場合においても、上記と同様に、所望な磁気共鳴画像を生成するように、的確に操作データを入力することが容易にできるため、被検体を撮像する撮像効率を向上することができる。
【0104】
なお、上記の実施形態において磁気共鳴イメージング装置1は、本発明の磁気共鳴イメージング装置に相当する。また、上記実施形態の表示部33は、本発明のプレビュー画像表示部に相当する。また、上記実施形態の操作コンソール部3は、本発明のプレビュー画像表示装置に相当する。また、上記実施形態の表示部33は、本発明の表示部に相当する。また、上記実施形態の記憶部34は、本発明の記憶部に相当する。また、上記実施形態の本スキャン条件設定部311は、本発明の本スキャン条件設定部に相当する。また、上記実施形態の画像コントラスト設定部311bは、本発明の画像コントラスト設定部に相当する。また、上記実施形態の疾患設定部312は、本発明の疾患設定部に相当する。また、上記実施形態のプレビュー画像生成部313は、本発明のプレビュー画像生成部に相当する。
【0105】
また、本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】図1は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明にかかる実施形態において、データ処理部31を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明にかかる実施形態において、被検体SUについてイメージングを実施する際の動作を示すフロー図である。
【図4】図4は、本発明にかかる実施形態において、本スキャン条件としてスライス領域の位置を設定する際に表示画面に表示される操作画像を示す図である。
【図5】図5は、本発明にかかる実施形態において、本スキャン条件としてスキャンパラメータを設定する際に表示画面に表示される操作画像を示す図である。
【図6】図6は、本発明にかかる実施形態において、疾患の種類を選択して設定する際に表示画面に表示される操作画像を示す図である。
【図7】図7は、本発明にかかる実施形態において、プレビュー画像を生成する様子を説明するための図である。
【図8】図8は、本発明にかかる実施形態において、プレビュー画像を表示する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
1:磁気共鳴イメージング装置(磁気共鳴イメージング装置)、2:スキャン部、3:操作コンソール部(プレビュー画像表示装置)、12:静磁場マグネット部、13:勾配コイル部、14:RFコイル部、15:被検体移動部、22:RF駆動部、23:勾配駆動部、24:データ収集部、30:制御部、31:データ処理部、32:操作部、33:表示部(表示部)、34:記憶部(記憶部)、311:本スキャン条件設定部(本スキャン条件設定部)、311b:画像コントラスト設定部(画像コントラスト設定部)、312:疾患設定部(疾患設定部)、313:プレビュー画像生成部(プレビュー画像生成部)、314:本スキャン画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静磁場空間において被検体から磁気共鳴信号を収集する本スキャンを本スキャン条件に対応するように実施し、前記本スキャンの実施にて収集された磁気共鳴信号に基づいて、磁気共鳴画像を本スキャン画像として生成する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記本スキャンが前記本スキャン条件に対応するように実施された際に生成される本スキャン画像についてシミュレートされるシミュレーション画像を、プレビュー画像として生成するプレビュー画像生成部と、
前記プレビュー画像生成部によって生成されたプレビュー画像を、前記本スキャンを実施する前に表示画面に表示する表示部と
を有する
磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記本スキャン条件を設定する本スキャン条件設定部
を有し、
前記本スキャン条件設定部は、前記被検体において前記本スキャン画像を生成するスライス領域の位置を、オペレータによって入力された指令に基づいて前記本スキャン条件として設定し、
前記プレビュー画像生成部は、前記本スキャン条件設定部によって設定されたスライス領域について、前記プレビュー画像を生成する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記本スキャン画像として生成する磁気共鳴画像の画像コントラストを、オペレータによって入力された指令に基づいて設定する画像コントラスト設定部
を有し、
前記本スキャン条件設定部は、前記画像コントラスト設定部によって設定された画像コントラストにて前記本スキャン画像が生成されるように、前記本スキャン条件を設定し、
前記プレビュー画像生成部は、前記画像コントラスト設定部によって設定された画像コントラストに対応するように、前記本スキャン条件設定部によって設定された本スキャン条件に基づいて、前記プレビュー画像を生成する、
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記本スキャン条件設定部によって設定されたスライス領域に含まれる疾患を、オペレータによって入力された指令に基づいて設定する疾患設定部
を有し、
前記プレビュー画像生成部は、前記疾患設定部によって設定された疾患が前記スライス領域に含まれる場合に生成される本スキャン画像についてシミュレートされるシミュレーション画像を、前記プレビュー画像として生成する、
請求項2または3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記被検体の各位置における特性データを記憶している記憶部
を有し、
前記プレビュー画像生成部は、前記記憶部によって記憶されている特性データを用いて、前記プレビュー画像を生成する、
請求項1から4のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
静磁場空間において被検体から磁気共鳴信号を収集する本スキャンを本スキャン条件に対応するように実施された際に、前記本スキャンの実施にて収集された磁気共鳴信号に基づいて生成される本スキャン画像についてシミュレートされるシミュレーション画像を、プレビュー画像として生成するプレビュー画像生成部と、
前記プレビュー画像生成部によって生成されたプレビュー画像を、前記本スキャンを実施する前に表示画面に表示する表示部と
を有する
プレビュー画像表示装置。
【請求項7】
前記本スキャン条件を設定する本スキャン条件設定部
を有し、
前記本スキャン条件設定部は、前記被検体において前記本スキャン画像を生成するスライス領域の位置を、オペレータによって入力された指令に基づいて前記本スキャン条件として設定し、
前記プレビュー画像生成部は、前記本スキャン条件設定部によって設定されたスライス領域について、前記プレビュー画像を生成する、
請求項6に記載のプレビュー画像表示装置。
【請求項8】
前記本スキャン画像として生成する磁気共鳴画像の画像コントラストを、オペレータによって入力された指令に基づいて設定する画像コントラスト設定部
を有し、
前記本スキャン条件設定部は、前記画像コントラスト設定部によって設定された画像コントラストにて前記本スキャン画像が生成されるように、前記本スキャン条件を設定し、
前記プレビュー画像生成部は、前記画像コントラスト設定部によって設定された画像コントラストに対応するように、前記本スキャン条件設定部によって設定された本スキャン条件に基づいて、前記プレビュー画像を生成する、
請求項7に記載のプレビュー画像表示装置。
【請求項9】
前記本スキャン条件設定部によって設定されたスライス領域に含まれる疾患を、オペレータによって入力された指令に基づいて設定する疾患設定部
を有し、
前記プレビュー画像生成部は、前記疾患設定部によって設定された疾患が前記スライス領域に含まれる場合に生成される本スキャン画像についてシミュレートされるシミュレート画像を、前記プレビュー画像として生成する、
請求項7または8に記載のプレビュー画像表示装置。
【請求項10】
前記被検体の各位置における特性データを記憶している記憶部
を有し、
前記プレビュー画像生成部は、前記記憶部によって記憶されている特性データを用いて、前記プレビュー画像を生成する、
請求項6から9のいずれかに記載のプレビュー画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−72521(P2009−72521A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246619(P2007−246619)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】