説明

磁気共鳴イメージング装置

【課題】 従来、体動アーチファクト除去のために破棄していたエコー信号のデータを有効に利用し、しかも体動によるアーチファクトの問題がない、複数の断面の画像を得ること。
【解決手段】
固定された断面で繰り返しデータを計測し、このデータを体動検出手段によって検出されたデータ計測時の被検体の体動位置に応じて、複数のスライスに対応する複数のデータ空間のいずれかに配置し、これら複数のデータ空間に配置されたデータをそれぞれ用いて複数の断面位置の画像を再構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に関し、特に、被検体の体動を利用して複数の断面画像を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI装置を用いた典型的な撮像方法では、被検体の検査部位を含む所定の断面を選択的に励起し、そこから発生するNMR信号(エコー信号)を繰り返し計測し、励起された断面の画像を再構成する。選択的に励起される断面の位置は、エコー信号を計測する際に被検体に印加される高周波磁場と傾斜磁場によって決まる。しかし1枚の画像用のデータを取得する間に被検体が動くと、本来励起すべき断面と現実に励起される断面がずれることになり、再構成された画像に体動アーチファクトと呼ばれる偽像が生じる。体動による位置ずれが励起された断面内で生じている場合には、後処理によって補正することが可能であるが、断面と交差する方向の体動については後処理による補正はできない。
【0003】
従来、この体動の問題を解決する手法がいくつか提案されている。その一つの方法は、例えば、通常呼吸下での心臓撮像において、リアルタイムに横隔膜の位置をモニターし、それが予め指定した範囲にあるときに得られたエコー信号のみを使用して画像再構成を行う(特許文献1)。別の手法は、横隔膜の位置の変化に合わせて、被検体の励起断面をリアルタイムで補正し、常に同一の断面からエコー信号を計測する(特許文献2)。これら技術に用いる横隔膜の位置検出の手法として、本来の撮像シーケンスとは別に、横隔膜から位相エンコードを与えないエコー信号を計測するシーケンス(ナビゲーションシーケンス)を行い、得られたエコー信号(ナビゲーションエコー)の投影から横隔膜の位置を検出する方法が提案されている。
【0004】
上述した体動アーチファクトを除去する手法のうち、最初の方法では、横隔膜の位置が指定した範囲で計測されたエコー信号のみを使用するので、1枚の画像を得るためのデータを取得するのに長時間を要するという問題がある。また2つ目の方法では、装置座標から見たとき、励起される断面が変動し、励起周波数がそのときの断面位置により変化してしまい、安定したエコー信号を得ることが難しいという問題がある。
【0005】
一方、被検体の複数の断面を撮像する手法としてマルチスライス撮像法がある。この方法では、1つのスライスを励起しエコー信号を計測した後、その繰り返しのための待ち時間を利用して別のスライスを励起しエコー信号を計測する。複数のスライスに対し順に励起とエコー信号の計測を繰り返すことにより、励起の繰り返しによる信号の低減を招くことなく複数の断面の画像を取得する。励起するスライス位置の変更は、上述したように、断面を励起するための高周波磁場パルスとスライス選択のための傾斜磁場パルスを変更することにより行う。
このようなマルチスライス撮像においても、スライス方向と体動方向が同じ場合に、上述の手法によって体動アーチファクトを除去しようとした場合、同じ問題が生じる。
【特許文献1】米国特許4761613号公報
【特許文献2】特表平09-508050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、体動によるアーチファクトの問題がなく、しかも1回の撮像シーケンスによって複数の断面の画像を得ることが可能なMRI装置を提供することを目的とする。また本発明は、従来の体動アーチファクト除去方法では破棄していたエコー信号のデータを有効に利用し、時間を延長することなく、容易に撮像断面数を増加させることが可能なMRI装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明のMRI装置は、静磁場中に置かれた被検体に高周波磁場を印加する高周波磁場印加手段と、前記被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加手段と、前記被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出する検出手段と、前記核磁気共鳴信号をもとに前記被検体の画像を再構成する画像形成手段と、前記高周波磁場印加手段、傾斜磁場印加手段、検出手段及び画像形成手段を制御し、画像再構成に必要なデータの計測を繰り返し実行する制御手段と、前記画像を表示する表示手段とを備え、前記被検体の周期的体動を検出する体動検出手段を備え、前記制御手段は複数のスライスからそれぞれ前記データ計測を計測し、前記画像形成手段は、前記スライス毎にデータ空間を設定し、前記体動検出手段によって検出された前記データ計測時の被検体の体動位置に応じて、該計測データを前記複数のデータ空間のうちの励起したスライス位置に対応するデータ空間に配置し、これら複数のデータ空間に配置されたデータをそれぞれ用いて前記複数のスライスの画像を再構成することを特徴とする。
【0008】
また本発明のMRI装置において、好適には、前記体動検出手段は、前記被検体の周期的体動を伴う部位からナビゲーターエコーを発生させる手段及び前記ナビゲーターエコーをもとに体動位置を算出する手段を含む。
さらに本発明のMRI装置において、前記制御手段は、前記体動検出手段によって検出された体動位置に応じて、計測データ数やスライス厚を制御する。
また好適には、前記表示手段は、前記体動検出手段によって検出された目的部位の体動範囲を表示すると共に、体動範囲によって決定される撮像条件を入力するためのGUIを表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、励起されたスライスからの計測データをそのスライスに対応するデータ空間に格納することにより、体動アーチファクトのない画像を得ることができる。また励起周波数や装置座標系における励起断面位置を固定したままで、体動を利用して複数の断面の画像を得ることができる。
【0010】
またナビゲーションシーケンスを実行することにより、呼吸モニター等の外部装置を用いることなく体動を検出し、その検出情報に基く画像再構成を行うことができる。
さらに体動位置のみならず体動の速度を考慮して、計測データ数やスライス幅を制御することにより、体動速度が速い箇所の撮像において生じうる断面位置のずれやそれに伴うアーチファクトの増大を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、主として、静磁場発生系101、傾斜磁場発生系102、送信系103、受信系104、信号処理系105、制御系106、入出力装置107からなる。
【0012】
静磁場発生系101は、永久磁石、常電導あるいは超電導磁石からなる磁場発生装置を備え、被検体108が置かれる空間に、被検体108の体軸と直交する方向或いは平行な方向の均一な静磁場を発生させる。傾斜磁場発生系102は、X、Y、Zの3方向に巻かれた3組の傾斜磁場コイル109と、傾斜磁場コイル109を駆動する傾斜磁場電源110とからなり、3組の傾斜磁場コイル109を駆動することにより、静磁場空間に置かれた被検体に所望の傾斜磁場を印加することができる。この傾斜磁場の印加によって、被検体の所望の断面を選択するとともに被検体から発生するエコー信号に位置情報を付与することができる。
【0013】
送信系103は、高周波発振器111、変調器112、高周波増幅器113及び高周波照射コイル114からなり、高周波発振器111から出力された磁気共鳴周波数の高周波パルスを変調、増幅した後に、被検体108に近接して配置された高周波照射コイル114に供給することにより、被検体断面の生体組織を構成する原子の原子核を励起し、核磁気共鳴を起こさせることができる。
【0014】
受信系104は、高周波受信コイル115、受信回路116、A/D変換器117からなる。送信系103が印加した高周波パルスに応答して被検体108が発する磁気共鳴信号(エコー信号)は、高周波受信コイル115で検出され、制御系106からの命令によるタイミングで受信回路116及びA/D変換器117でサンプリングされ、デジタル信号である収集データとして信号処理系105に送られる。
【0015】
信号処理系105は、収集データに対し補正計算、画像再構成のために必要な演算等を行う信号処理装置118及び経時的な画像解析処理プログラム、撮像シーケンスのプログラム及びこれらプログラムの実行の際に用いられるパラメータ等を記憶するメモリ119などを備えたCPU120と、再構成された画像データを記憶するデータ格納部121(磁気ディスク121aや光ディスク121b)からなる。
【0016】
CPU120は、上述した傾斜磁場発生系102、送信系103、受信系104及び信号処理系105を制御する制御系106としても機能し、シーケンサ125を介して被検体108の断層像のデータ取得に必要な種々の命令を傾斜磁場発生系102、送信系103、受信系104及び信号処理系105に送る。シーケンサ125は、所定のパルスシーケンスに従い、3方向の傾斜磁場パルス及び高周波磁場パルスの印加及びエコー信号受信を制御する。
【0017】
入出力装置107は、トラックボール、マウス、キーボードなどの操作部123とディスプレイ124とからなり、ディスプレイ124には、信号処理系105で再構成された画像が表示されるとともに、操作部123による入力のためのGUI等を表示する。
また図1には示していないが、撮像を心電同期して行う場合には、被検体108には心電計や脈波計などが装着され、これら計測機器からの信号がCPU120に入力される。CPU120は、これら信号を同期信号として用いパルスシーケンスの実行を制御する。
【0018】
次にこのような構成のMRI装置を用いた本発明の撮像方法を説明する。
図2は、撮像方法の手順を示す図である。
【0019】
まず目的部位の撮像に先立って、体動をモニターするためナビゲーションシーケンスの印加位置を設定する(ステップ201)。ナビゲーションシーケンスの印加位置の設定は、例えば図3に示すような冠状断面像をディスプレイ124に表示させて、ユーザーが操作部123により画面上で点や線を指定することにより行なわれる。図3は心臓304を撮像部位とする場合を模式的に示した図で、図示するように、横隔膜は、肺301と肝臓302との間に位置し、呼吸動により上下方向307に運動し、これに比例して撮像部位である心臓304の位置も上下方向308に変動する。ナビゲーションシーケンスの印加位置は、例えば横隔膜303にほぼ直交する方向の2つの断面が交差する領域305とし、この領域305から位相エンコード0のエコー信号(ナビゲーションエコー)を取得する。このナビゲーションエコーを読み出し方向に1次元フーリエ変換することにより横隔膜303の位置情報を得ることができる。
【0020】
次に、ナビゲーションシーケンスを少なくとも体動の一周期の間、繰り返し実行し、得られる一連のナビゲーションエコーから横隔膜の位置の変動を表す体動曲線或るいは体動曲線に相当する情報(体動の範囲と一周期の長さ)を取得する(ステップ202)。この情報をもとに本計測における撮像断面の基準位置(基準断面)を設定する(ステップ203)。基準断面306は、体動範囲のほぼ中央位置であって、体動方向308に対して直交成分を持つような単一の断面を設定する。
【0021】
次に撮像すべきスライス数を設定する(ステップ204)。この際、好適には、ディスプレイに断面選択画面に上述のナビゲーションシーケンスで得られた体動情報(横隔膜の体動範囲、移動方向)を表示する。表示は、数値で行ってもよいし、図示するように矢印で示してもよい。これにより、ユーザーは、撮像部位(ここでは心臓)304が動く範囲を予測し、スライス厚を考慮してその体動範囲における適切なスライス数を決定することができる。
【0022】
具体的には、横隔膜の移動範囲をL、横隔膜の移動方向と基準断面とのなす角度をθとするとき、撮像部位の移動範囲Mは、M=Lsinθである。スライス厚をmとし、スライスのオーバーラップがない場合には、スライス数Sは、S≦M÷mとなる。こうして設定された数のスライスは、体動の位置と対応付けられる。例えば、図4に示すように、撮像部位(心臓)401の移動範囲402で、スライス数5が設定されると、体動範囲を5段階に分けて各段階にスライス403〜407のデータを格納するためのk空間が割り当てられる。図中、408は固定された励起断面(基準断面)である。なお、本計測における基準断面のスライス厚や、移動方向との角度θが変更される場合には、変更される度に撮像可能なスライス数を再計算し、表示し、ステップ204でスライス数の設定を行なう。
【0023】
次いで計測を開始する(ステップ205)。心電同期により心臓撮像を行う場合の計測の様子を図5に示す。図中、(a)は心電計からのR波、(b)は体動の変位、(c)はシーケンスの実行タイミング、(d)はデータ取得のタイミングを示す。
【0024】
まず心電計でR波510を検知すると(ステップ206)、所定の遅延時間519の後、ナビゲーションシーケンス520を実行し、ナビゲーションエコーを取得する(ステップ207)。得られたナビゲーションエコーから横隔膜の位置(検出点)を算出し、引き続いて実行される本計測シーケンス521のスライス位置を決定する(ステップ208)。装置座標系に対して固定した撮像断面508を設定したとき、撮像部位501が体動で上下に移動した場合、撮像部位501において励起される断面(スライス位置)は体動とともに変化する。従って、ここではナビゲーションシーケンスの実行によって検出された検出点に基いて実際に撮像部位501において励起される断面を予測し、本計測シーケンス521のスライス位置として決定する。
【0025】
この場合、ナビゲーションシーケンス520の実行時から本計測シーケンス521実行時までの時間522にも体動によって撮像部位は移動するので、この時間差522間に移動する位置を体動曲線から予測し、本計測シーケンス521の際に励起される撮像部位のスライス位置を決定する。図5の最初の心周期では、横隔膜の位置が検出点511であるので、本計測シーケンス521時には位置512にあると予測し、それに対応するスライス位置506に決定される。第2心周期では、検出点513から予測した位置514に対応するスライス位置506、第3心周期では検出点515から予測した位置516に対応するスライス位置503がそれぞれ決定される。
【0026】
次いで本計測シーケンス521を実行し、撮像部位からエコー信号を計測する(ステップ209)。本計測シーケンス521では、ステップ201で設定した断面(装置座標系で固定された断面)を励起し、収集されたデータ523をステップ207で決定されたスライス位置に対応するk空間に格納する(ステップ210)。本計測シーケンスとしては、特に限定されないが、例えばSSFP系の短TRシーケンスを採用することができ、1心周期内で位相エンコードの異なる複数のエコー信号を計測する。
【0027】
R波検出から本計測シーケンス実行までのステップ206〜209を、全てのスライスについて1枚の画像を再構成するのに必要な位相エンコード数のデータを取得するまで繰り返し、最終的に体動の範囲内の全スライス503〜507のデータを取得する(ステップ210)。各スライスのデータを再構成することにより複数(ここでは5枚)のスライスの画像を得ることができる(ステップ211)。
【0028】
なお、図5では、1心周期内で1つのナビゲーションシーケンスと本計測シーケンスを実行し、一つのスライス位置のデータを取得する場合を示しているが、図6に示すように、1心周期内の複数の時相でそれぞれ本計測シーケンスを実行し、複数のスライス位置のデータを取得することも可能である。この場合、ナビゲーションシーケンスは、図示するように本計測シーケンス毎に実行する。
このように1心周期内で複数の本計測シーケンスを実行することにより、1心周期内で計測できるデータ数を多くすることができる。
【0029】
また所定時間内の体動量(体動曲線の勾配)に応じて、1つのスライス位置の撮像(本計測シーケンス)で取得するエコー信号数(セグメント数)を異ならせてよい。例えば、体動曲線の勾配が急な場合には、本計測シーケンスのセグメント数を少なくし、体動曲線の勾配が緩い場合には、本計測シーケンスのセグメント数を多くする。図5に示す実施の形態では、第1心周期で計測するスライス位置506は、体動の変化が大きい時点で計測するのでセグメント数を少なくし、隣接するスライス位置のデータが混入するのを防止する。また第3心周期で計測するスライス位置503は体動変化が小さいので、セグメント数527を多くし、より多くのデータを収集する。
【0030】
或いは1心周期内で撮像するスライス厚を異ならせてもよい。例えば、体動曲線の勾配が急な位置では、スライス厚を厚くして、安定したデータ取得を可能にしてもよい。さらにスライス厚とセグメント数の可変化を併用することにより安定したデータを同一の時間で取得することも可能である。
【0031】
このような体動位置に応じた条件の変更は、例えば、スライス数の設定(図2:ステップ204)において、例えば図7に示すようなスライス毎の条件設定画面をディスプレイ124に表示させて、セグメント数やスライス厚などをマニュアルで入力できるようにしてもよいし、本計測シーケンスのTRや体動曲線を元に自動的に算出してもよい。
【0032】
上記実施形態では、体動をモニターするためにナビゲーションエコーを用いる場合を説明したが、体動のモニターは外部の体動モニターを用いることも可能である。この場合にも、体動周期がわかっているか予測できれば、検出した体動位置から本計測シーケンス実行時の体動位置を予測し、その位置に対応するスライス位置のk空間データとして再構成することにより、体動位置に応じた複数のスライスの画像を得ることができる。
また上記実施形態では、体動モニター後のディレイを考慮して体動位置を推定したが、体動モニター時と本計測シーケンス実行時との時間差が極めて少ない場合には、体動モニター時の検出点でスライス位置を決定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明によれば、体動を利用して、体動方向と直交する成分を持つ複数の断面の画像を取得することができる。また本発明によれば、装置側の条件(励起周波数、スライス選択傾斜磁場)を固定した状態で撮像するので、安定したエコー信号を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示す図
【図2】本発明のMRI装置における撮像手順を示す図
【図3】撮像部位と体動モニター部位との関係を示す図
【図4】体動とスライス位置との関係を示す図
【図5】本発明による撮像方法の一実施形態を示す図
【図6】本発明による撮像方法の他の実施形態を示す図
【図7】スライス位置に応じた条件変更の画面表示の一例を示す図
【符号の説明】
【0035】
101・・・静磁場発生系、102・・・傾斜磁場発生系、103・・・送信系、104・・・受信系、105・・・信号処理系、106・・・制御系、107・・・入出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静磁場中に置かれた被検体に高周波磁場を印加する高周波磁場印加手段と、前記被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加手段と、前記被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出する検出手段と、前記核磁気共鳴信号をもとに前記被検体の画像を再構成する画像形成手段と、前記高周波磁場印加手段、傾斜磁場印加手段、検出手段及び画像形成手段を制御し、画像再構成に必要なデータの計測を繰り返し実行する制御手段と、前記画像を表示する表示手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置であって、
前記被検体の周期的体動を検出する体動検出手段を備え、
前記制御手段は複数のスライスからそれぞれ前記データ計測を計測し、
前記画像形成手段は、前記スライス毎にデータ空間を設定し、前記体動検出手段によって検出された前記データ計測時の被検体の体動位置に応じて、該計測データを前記複数のデータ空間のうちの励起したスライス位置に対応するデータ空間に配置し、これら複数のデータ空間に配置されたデータをそれぞれ用いて前記複数のスライスの画像を再構成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記体動検出手段は、前記被検体の周期的体動を伴う部位からナビゲーターエコーを発生させる手段及び前記ナビゲーターエコーをもとに体動位置を算出する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記体動検出手段によって検出された体動位置に応じて、計測データ数を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記体動検出手段によって検出された体動位置に応じて、スライス厚を制御することを特徴とする請求項1または3のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記体動検出手段によって検出された目的部位の体動範囲を表示すると共に、体動範囲によって決定される撮像条件を入力するための入力画面を表示させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−149559(P2006−149559A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−342604(P2004−342604)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】