説明

磁気共鳴イメージング装置

【課題】磁気共鳴イメージング装置において、ナビゲータデータのより安定した解析結果を得る。
【解決手段】ナビゲータデータの位相とナビゲータ領域での位置との関係を示す位相プロファイルにおける、所定の組織、例えば横隔膜の位置に対応する位相差が、相対的に大きくなるような第1のエコー時間による第1のナビゲータデータと、この位相差が相対的に小さくなるような第2のエコー時間による第2のナビゲータデータとを得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、第1のナビゲータデータの位相プロファイルPP1と、第2のナビゲータデータの位相プロファイルPP2との差分を表す位相差分プロファイルPPSを生成し、位相差分プロファイルPPSに基づいて、上記所定の組織の位置を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲータデータ(navigator data)に基づいて体動する組織の位置を検出する磁気共鳴イメージング(imaging)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体のナビゲータ領域から得られる磁気共鳴信号を表すナビゲータデータの「位相情報」を解析して、横隔膜などの所定の組織の位置を検出することにより、呼吸運動や心拍運動などの体動を検出し、その体動に同期して本スキャン(scan)を行う撮影方法が提案されている(例えば特許文献1,要約参照)。「位相情報」としては、例えば、ナビゲータデータの位相とナビゲータ領域での位置との関係を示す位相プロファイルが用いられる。
【0003】
従前は、ナビゲータデータの「強度情報」を解析して組織の位置を検出していたが、本スキャンの撮影スライス(slice)位置とナビゲータ領域とが重なる場合、ナビゲータデータにスライス干渉による信号強度の乱れが発生し、解析結果が不安定になるという問題があった。
【0004】
一方、特許文献1等にて提案されているような上記の撮影方法では、ナビゲータデータの強度情報ではなく、スライス干渉による乱れが少ない位相情報を解析するので、本スキャンの撮影スライス位置とナビゲータ領域とが重なる場合であっても、安定した解析結果が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−050544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ナビゲータデータの位相情報については、血流信号によって位相が乱れたり、コイル(coil)の受信感度によるナビゲータ領域での位置に応じた位相差が現れたりするなど、検出したい組織の位置、例えば横隔膜の位置以外での不要な位相差が入り込むことが多い。
【0007】
そのため、ナビゲータデータの位相情報を解析する撮影方法では、その不要な位相差により、解析結果が安定しない場合がある。
【0008】
このような事情により、ナビゲータデータのより安定した解析結果が得られる磁気共鳴イメージング装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の観点の発明は、被検体において体動する所定の組織を含むナビゲータ領域から磁気共鳴信号をナビゲータデータ(navigator data)として得るナビゲータシーケンス(navigator
sequence)を実施するナビゲータシーケンス実施手段と、前記被検体におけるイメージング領域から磁気共鳴信号をイメージングデータ(imaging data)として得るイメージングシーケンス(imaging
sequence)を実施するイメージングシーケンス実施手段とを備えており、前記ナビゲータデータを解析して検出された前記所定の組織の位置に応じて取得または特定された前記イメージングデータに基づいて、前記イメージング領域の画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置であって、前記ナビゲータシーケンス実施手段が、ナビゲータデータの位相と前記ナビゲータ領域での位置との関係を示す位相プロファイル(profile)における、前記所定の組織の位置に対応する位相差が、相対的に大きくなるような第1のエコー(echo)時間による第1のナビゲータデータと、前記位相差が相対的に小さくなるような第2のエコー時間による第2のナビゲータデータとを得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、前記第1のナビゲータデータの位相プロファイルと、前記第2のナビゲータデータの位相プロファイルとの差分を表す位相差分プロファイルを生成する生成手段と、前記位相差分プロファイルに基づいて、前記所定の組織の位置を検出する検出手段とを備えている磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【0010】
第2の観点の発明は、前記ナビゲータシーケンス実施手段が、第1および第2のナビゲータデータの時系列的な複数の組合せを得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、前記生成手段が、前記時系列的な複数の組合せの各々について、位相差分プロファイルを生成する上記第1の観点の磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【0011】
第3の観点の発明は、前記ナビゲータシーケンス実施手段が、デュアルエコー(dual echo)法によるナビゲータシーケンスを実施して、前記第1および第2のナビゲータデータを得る上記第2の観点の磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【0012】
第4の観点の発明は、前記ナビゲータシーケンス実施手段が、時系列的な複数の第1のナビゲータデータと、所定の第2のナビゲータデータとを得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、前記生成手段が、前記時系列的な複数の第1のナビゲータデータの1つと、前記所定の第2のナビゲータデータとによる個々の組合せについて、位相差分プロファイルを生成する上記第1の観点の磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【0013】
第5の観点の発明は、前記体動が、呼吸運動によるものである上記第1の観点から第4の観点のいずれか一つの観点の磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【0014】
第6の観点の発明は、前記所定の組織が、横隔膜である上記第1の観点から第5の観点のいずれか一つの観点の磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【0015】
第7の観点の発明は、前記第1のエコー時間が、水プロトン(proton)による磁気共鳴信号の位相と脂肪プロトンによる磁気共鳴信号の位相とが互いに逆方向を向くアウト・オブ・フェーズ(out of phase)に対応するエコー時間であり、前記第2のエコー時間が、水プロトンによる磁気共鳴信号の位相と脂肪プロトンによる磁気共鳴信号の位相とが互いに同一方向を向くイン・フェーズ(in phase)に対応するエコー時間である上記第1の観点から第6の観点のいずれか一つの観点の磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【0016】
第8の観点の発明は、前記ナビゲータシーケンス実施手段が、互いに異なる複数のエコー時間によるナビゲータデータを予め得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、前記第1および第2のエコー時間の少なくとも一方として、前記予め得られたナビゲータデータの位相プロファイルの解析結果に基づいて前記複数のエコー時間の中から選択されたエコー時間を設定する設定手段をさらに備えている上記第1の観点から第6の観点のいずれか一つの観点の磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【0017】
第9の観点の発明は、前記ナビゲータシーケンス実施手段が、互いに異なる複数のエコー時間によるナビゲータデータを予め得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、前記予め得られた複数のナビゲータデータの位相プロファイルを表示する表示手段と、前記第1および第2のエコー時間の少なくとも一方として、前記複数のエコー時間の中から操作者による操作に応じて選択されたエコー時間を設定する設定手段とをさらに備えている上記第1の観点から第6の観点のいずれか一つの観点の磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【0018】
第10の観点の発明は、位相プロファイルにおける位相の折返しを補正する補正手段をさらに備えており、前記検出手段が、該補正手段により補正された位相プロファイルに基づいて、前記所定の組織の位置を検出する上記第1の観点から第9の観点のいずれか一つの観点の磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【0019】
第11の観点の発明は、前記検出手段が、エッジ検出法、最小自乗法(LSQ法)、相関係数法、または相互情報量法により、前記所定の組織の位置を検出する上記第1の観点から第10の観点のいずれか一つの観点の磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【発明の効果】
【0020】
上記観点の発明によれば、検出したい所定の組織の位置に対応する位相差以外の位相差が低減された、ナビゲータデータの位相差分プロファイルに基づいて、その所定の組織の位置を検出することができ、ナビゲータデータのより安定した解析結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態の磁気共鳴イメージング装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】被検体に設定されたナビゲータ領域と本スキャンの撮影スライス位置の一例を示す図である。
【図3】第1実施形態の磁気共鳴イメージング装置による処理の流れを示すフローチャート(flowchart)である。
【図4】デュアルエコー法によるナビゲータシーケンスの一例を示す図である。
【図5】第1および第2のナビゲータデータの位相プロファイルの一例を示す図である。
【図6】第1および第2のナビゲータデータの位相プロファイルの差分を表す位相差分プロファイルを示す図である。
【図7】アンラップ(unwrap)処理が施された位相差分プロファイルを示す図である。
【図8】第2実施形態の磁気共鳴イメージング装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】シングルエコー(single echo)法によるナビゲータシーケンスの一例を示す図である。
【図10】第3実施形態の磁気共鳴イメージング装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】第4実施形態の磁気共鳴イメージング装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の実施形態について説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置の構成を概略的に示す図である。
【0024】
図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置1は、静磁場マグネット(magnet)部12、勾配コイル部13、RF(Radio Frequency)コイル部14、RF駆動部22、勾配駆動部23、データ収集部24、被検体搬送部25、制御部30、記憶部31、操作部32、画像再構成部33、および表示部34を有している。
【0025】
RF駆動部22は、制御部30からの制御信号を基にRFコイル部14を駆動して、静磁場空間11内に高周波磁場を発生させる。
【0026】
勾配駆動部23は、制御部30からの制御信号を基に勾配コイル部13を駆動して、静磁場空間11内に勾配磁場(傾斜磁場)を発生させる。
【0027】
データ収集部24は、RFコイル部14が受信した磁気共鳴信号を位相検波し、AD(Analog-Digital)変換して磁気共鳴信号を表すデータを生成する。生成されたデータは、記憶部31に出力される。
【0028】
なお、被検体40が搬送された静磁場空間11内に勾配磁場と高周波磁場を発生させて、磁気共鳴信号を表すデータを収集することを、MRI撮影といい、本文では、MRI撮影を単に撮影ともいう。
【0029】
制御部30は、操作部32からの操作信号を基に、各種のシーケンスを実施するよう、RF駆動部22、勾配駆動部23、データ収集部24、被検体搬送部25の各部に制御信号を送って制御する。また、制御部30は、シーケンスを実施して得られた、磁気共鳴信号を表すデータを解析する。その解析結果は、別のシーケンスの実施や画像再構成処理等に用いられる。
【0030】
記憶部31は、データ収集部24により収集された磁気共鳴信号を表すデータや、画像再構成部33により画像再構成処理して得られた画像データ等を記憶する。
【0031】
画像再構成部33は、制御部30からの制御により、記憶部31から磁気共鳴信号を表すデータを読み出し、そのデータに対して画像再構成処理を行って画像データを生成する。画像データは、記憶部31に出力される。
【0032】
表示部34は、操作部32の操作に必要な情報や、画像データが表す画像などを表示する。
【0033】
制御部30、記憶部31、画像再構成部33は、例えばコンピュータ(computer)により構成される。
【0034】
なお、制御部30は、発明におけるナビゲータシーケンス実施手段、イメージングシーケンス実施手段、生成手段、検出手段、および設定手段の一例である。
【0035】
これより、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置の動作について説明する。
【0036】
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、ナビゲータデータを用いたプロスペクティブ(prospective)法による呼吸同期撮影を行う。すなわち、ナビゲータシーケンスを実施して、ナビゲータ領域から磁気共鳴信号をナビゲータデータとして取得し、そのナビゲータデータを解析して、被検体の呼吸運動により体動する所定の組織の位置の変化を略リアルタイム(real time)で捉える。そして、呼吸運動における位相が、所定の位相、例えば呼気位にあるときに、イメージングシーケンスを実施して、イメージング領域から磁気共鳴信号をイメージングデータとして収集する。
【0037】
図2は、被検体に設定されたナビゲータ領域と本スキャンの撮影スライス位置の一例を示す図である。
【0038】
ここでは、例えば図2に示すように、ナビゲータ領域NAとして、被検体40の体軸方向(z方向)に肝臓61と肺60とに挟まれる横隔膜62を含む細長い矩形領域を設定し、また、本スキャンの撮影スライス位置を含むイメージング領域IAを、ナビゲータ領域と一部重複するように設定する。そして、ナビゲータデータの位相とナビゲータ領域NAでの位置との関係を示す位相プロファイルにおける、肝臓に対応する領域(以下、肝臓領域という)と肺に対応する領域(以下、肺領域という)との位相差を利用して、肝臓と肺の境界に位置する横隔膜の位置を検出する。ただし、ここでは、ナビゲータシーケンスを実施する際に、肺に近接する胸の体表部も一緒に励起する。
【0039】
一般的に、肝臓は水成分を含んでいるため、肝臓からは水プロトンによる磁気共鳴信号が得られ、位相プロファイルにおける肝臓領域では、水プロトンによる磁気共鳴信号の位相が現れる。一方、肺は通常、空気で満たされているため、肺からは磁気共鳴信号が得られず、位相プロファイルにおける肺領域での位相はランダムになる。しかし、肺に近接する胸の体表部は、脂肪成分を含んでいる。そのため、ナビゲータシーケンスを実施してナビゲータ領域のプロトンを励起する際に、その体表部も含めて一緒に励起することで、その体表部から脂肪プロトンによる磁気共鳴信号が得られ、位相プロファイルにおける肺領域では、脂肪プロトンによる磁気共鳴信号の位相が現れる。これにより、ナビゲータデータの位相プロファイルにおける肝臓領域と肺領域との間に位相差をつけることができる(特開2009−261574号公報等参照)。
【0040】
図3は、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
ステップ(step)A1では、デュアルエコー法によるナビゲータシーケンスを実施して、第1のエコー時間TE1による第1のナビゲータデータND1と、第2のエコー時間TE2による第2のナビゲータデータND2とを取得する。
【0042】
図4は、デュアルエコー法によるナビゲータシーケンスの一例を示す図である。
【0043】
エコー時間とは、プロトンを励起してからその磁気共鳴信号を受信するまでの受信時間である。図4の例では、励起パルスとして印加されるRFパルス(pulse)のピーク(peak)の時点t1から、勾配磁場における各リードアウト(read out)勾配パルスの略中心の時点t2,t3までの時間TEa,TEbを、エコー時間とすることができる。ここでは、これらの時間TEa,TEbが、第1および第2のエコー時間TE1,TE2となるように、ナビゲータシーケンスを実施する。
【0044】
第1のエコー時間TE1は、ナビゲータデータの位相とナビゲータ領域NAでの位置との関係を示す位相プロファイルにおいて、横隔膜の位置を挟むこの位置近傍の二点間での位相差が、相対的に大きくなるようなエコー時間である。また、第2のエコー時間TE2は、位相プロファイルにおけるこの位相差が、相対的に小さくなるようなエコー時間である。
【0045】
ここでは、第1のエコー時間TE1は、水プロトンによる磁気共鳴信号の位相と脂肪プロトンによる磁気共鳴信号の位相とが互いに逆方向を向くアウト・オブ・フェーズに対応するエコー時間であり、具体的には、静磁場の強度が1.5〔T〕である場合、約2.3〔ms〕、約6.9〔ms〕などとなる。また、第2のエコー時間TE2は、水プロトンによる磁気共鳴信号の位相と脂肪プロトンによる磁気共鳴信号の位相とが互いに同一方向を向くイン・フェーズに対応するエコー時間であり、具体的には、静磁場の強度が1.5〔T〕である場合、約4.6〔ms〕、約9.2〔ms〕などとなる。
【0046】
なお、図4のデュアルエコー法によるナビゲータシーケンスは、2つのリードアウト勾配を互いに反転させたバイ・ポーラ(bi-polar)型のシーケンスであるが、2つのリードアウト勾配を反転させないモノ・ポーラ(mono-polar)型のシーケンスを用いてもよい。
【0047】
ステップA2では、ステップA1で取得された第1および第2のナビゲータデータND1,ND2のそれぞれについて、位相プロファイルを生成する。
【0048】
図5(a)は、第1のナビゲータデータND1の位相プロファイルPP1の一例(TE1=約2.3〔ms〕)を示す図であり、図5(b)は、第2のナビゲータデータND2の位相プロファイルPP2の一例(TE2=約4.6〔ms〕)を示す図である。
【0049】
前述したように、アウト・オブ・フェーズでは、水プロトンによる磁気共鳴信号と脂肪プロトンによる磁気共鳴信号との位相差が互いに逆方向となり、イン・フェーズでは、その位相差が同一方向となる。したがって、アウト・オブ・フェーズによる第1のナビゲータデータND1の位相プロファイルPP1では、肝臓領域と肺領域との位相差が相対的に大きくなり、イン・フェーズによる第2のナビゲータデータND2の位相プロファイルPP2では、肝臓領域と肺領域との位相差が相対的に小さくなる。
【0050】
ところで、図5(a)および図5(b)のいずれの位相プロファイルにおいても、肝臓領域側(左側)で位置によって位相が異なっている。ナビゲータデータの位相情報を用いた解析では、位相プロファイルにおける位相差をエッジ検出法などにより検出して、肝臓と肺の境界に位置する横隔膜の位置を検出するが、その境界以外で位相差がつくと、場合によっては境界を誤検出する恐れがある。
【0051】
ステップA3では、ステップA2で生成された、第1のナビゲータデータND1の位相プロファイルPP1と、第2のナビゲータデータND2の位相プロファイルPP2とを減算処理して、その差分を表す位相差分プロファイルPPSを生成する。
【0052】
図6は、図5(a)のアウト・オブ・フェーズによる第1のナビゲータデータND1の位相プロファイルPP1と、図5(b)のイン・フェーズによる第2のナビゲータデータND2の位相プロファイルPP2との差分を表す位相差分プロファイルPPSを示す図である。
【0053】
このように第1のナビゲータデータND1の位相プロファイルPP1と、第2のナビゲータデータND2の位相プロファイルPP2との差分を取ることで、肝臓領域を特徴付ける水プロトンによる磁気共鳴信号と、肺領域を特徴付ける脂肪プロトンによる磁気共鳴信号との位相差以外の要素により生じる位相差が、効率よくキャンセルされる。その結果、横隔膜の位置に対応する位相差は維持しつつ、横隔膜の位置の検出に不要な背景の位相差が低減されたプロファイルを生成することができる。図6の位相差分プロファイルPPSでは、図5(a)のアウト・オブ・フェーズによる第1のナビゲータデータND1の位相プロファイルPP1で見られた、肝臓領域での位相の傾きや肺領域での位相の凹みが、小さくなっていることが分かる。
【0054】
ステップA4では、必要に応じて、位相差分プロファイルPPSにアンラップ処理と呼ばれる位相連続化処理を施して、位相差分プロファイルPPSにおける位相の折返しを補正する。
【0055】
図7は、図6の位相差分プロファイルPPSにアンラップ処理を施した位相差分プロファイルPPS´を示す図である。なお、アンラップ処理は、位相差分プロファイルPPSを生成する前に、位相プロファイルPP1およびPP2のそれぞれに施してもよい。
【0056】
ステップA5では、ステップA4で得られたアンラップ処理済の位相差分プロファイルPPS´に基づいて、従来公知の解析法、例えばエッジ検出法、LSQ法、相関係数法、相互情報量法などを用いて、肝臓領域と肺領域との境界に位置する横隔膜の位置を検出する。
【0057】
このような検出方法によれば、背景の位相差が低減された位相プロファイルに基づいて横隔膜の位置を検出することができるので、肝臓領域側や肺領域側の位相の乱れによる誤検出を抑えることができ、横隔膜の位置の検出精度が向上する。
【0058】
ステップA6では、検出された横隔膜の位置が、所定の許容範囲内、例えば呼気位に相当する範囲内であるかを判定する。許容範囲内であれば、ステップA7に進み、許容範囲内でなければ、ステップA1に戻る。
【0059】
ステップA7では、イメージングシーケンスを実施して、被検体のイメージング領域IAから磁気共鳴信号をイメージングデータとして取得し、それを記憶部に記憶させる。
【0060】
ステップA8では、必要なイメージングデータの取得が完了したかを判定する。完了していれば、ステップA9に進み、完了していなければ、ステップA1に戻る。
【0061】
ステップA9では、取得されたイメージングデータに画像再構成処理を施して、画像データを得る。
【0062】
このような第1実施形態によれば、検出したい横隔膜の位置に対応する位相差以外の位相差が低減された、ナビゲータデータの位相差分プロファイルPPSに基づいて、その横隔膜の位置を検出することができ、ナビゲータデータのより安定した解析結果を得ることができる。
【0063】
また、第1実施形態では、第1および第2のナビゲータデータND1,ND2の時系列的な複数の組合せを得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、それら時系列的な複数の組合せの各々について、位相差分プロファイルPPSを生成している。つまり、毎回、略同じタイミング(timing)で得た第1および第2のナビゲータデータND1,ND2について位相差分プロファイルを生成している。そのため、時間の経過とともにランダムに変化する、位相プロファイルにおける不要な位相差もキャンセル(cancel)することができ、横隔膜の位置の検出精度をさらに向上させることができる。
【0064】
また、第1実施形態では、デュアルエコー法によるナビゲータシーケンスを実施して、第1および第2のナビゲータデータND1,ND2を得ている。そのため、1度のナビゲータシーケンスの実施で、これら2つのナビゲータデータを得ることができ、ナビゲータシーケンスの実施回数を抑えるとともに、シーケンスの実施間隔を短縮して、生産性の高い効率的な撮影を行うことができる。
【0065】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態の磁気共鳴イメージング装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【0066】
ステップB1では、シングルエコー法によるナビゲータシーケンスを実施して、第2のエコー時間による第2のナビゲータデータND2を取得する。ここで、第2のエコー時間TE2は、イン・フェーズに対応するエコー時間である。
【0067】
図9は、シングルエコー法によるナビゲータシーケンスの一例を示す図である。図9の例では、RFパルスのピークの時点t1からリードアウト勾配パルスの略中心の時点t2までの時間TEcをエコー時間とすることができる。ここでは、図9の時間TEcが第2のエコー時間TE2となるようなナビゲータシーケンスを実施する。
【0068】
ステップB2では、図9に示すようなシングルエコー法によるナビゲータシーケンスを実施して、第1のエコー時間による第1のナビゲータデータND1を取得する。ここで、第1のエコー時間TE1は、アウト・オブ・フェーズに対応するエコー時間である。ここでは、図9の時間TEcが第1のエコー時間TE1となるようなナビゲータシーケンスを実施する。
【0069】
ステップB3では、ステップB1で取得された第2のナビゲータデータND2の位相プロファイルPP2と、ステップB2で取得された第1のナビゲータデータND1の位相プロファイルPP1とを生成する。
【0070】
ステップB4では、ステップB3で生成された、第1のナビゲータデータND1の位相プロファイルPP1と、第2のナビゲータデータND2の位相プロファイルPP2とを減算処理して、これらの差分を表す位相差分プロファイルPPSを生成する。
【0071】
ステップB5〜B10は、図8に示すように、第1実施形態におけるステップA4〜A9と対応する処理であるため、ここでは説明を省略する。
【0072】
このような第2実施形態によれば、時系列的な複数の第1のナビゲータデータND1と、所定の第2のナビゲータデータND2とを得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、これら時系列的な複数の第1のナビゲータデータND1の1つと、所定の第2のナビゲータデータND2とによる個々の組合せについて、位相差分プロファイルPPSを生成している。つまり、第1のナビゲータデータND1は毎回得るが、第2のナビゲータデータND2は1回だけ得たものを用いて、位相差分プロファイルを生成している。そのため、ナビゲータシーケンスの実施回数を抑えるとともに、シーケンスの実施間隔を短縮して、生産性の高い効率的な撮影を行うことができる。なお、ステップB1において、ナビゲータデータND2を複数回取得し、それぞれの位相プロファイルを平均した位相プロファイルPP2を用いて、位相差分プロファイルPPSを生成してもよい。
【0073】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態の磁気共鳴イメージング装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【0074】
ステップC1では、ナビゲータシーケンスを複数回実施して、ナビゲータ領域から、エコー時間TEが互いに異なる複数のナビゲータデータを取得する。
【0075】
ステップC2では、ステップC1で取得された複数のナビゲータデータの各々について、位相プロファイルを生成する。
【0076】
ステップC3では、ステップC2で生成された複数の位相プロファイルを解析して、横隔膜の位置に対応すると考えられる位相差が最大となる位相プロファイルPPmaxと、その位相差が最小となる位相プロファイルPPminとを特定する。
【0077】
ステップC4では、位相差が最大となる位相プロファイルPPmaxのナビゲータデータが取得されたときのエコー時間を、第1のエコー時間TE1として設定し、位相差が最小となる位相プロファイルPPminのナビゲータデータが取得されたときのエコー時間を、第2のエコー時間TE2として設定する。
【0078】
ステップC5〜C13は、図10に示すように、第1実施形態におけるステップA1〜A9と対応する処理であるため、ここでは説明を省略する。
【0079】
このような第3実施形態によれば、互いに異なる複数のエコー時間によるナビゲータデータを予め得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、第1および第2のエコー時間TE1,TE2として、予め得られたナビゲータデータの位相プロファイルの解析結果に基づいて上記の複数のエコー時間の中から選択されたエコー時間を設定している。つまり、エコー時間が異なる複数のナビゲータデータを実際に予め取得して解析し、その結果に基づいて第1および第2のエコー時間TE1,TE2を設定している。そのため、取得されたナビゲータデータの位相プロファイルにおける検出したい組織の位置に対応する位相差が相対的に大きくなるようなエコー時間と、その位相差が相対的に小さくなるようなエコー時間とが、不明であるような場合、あるいは、これらのエコー時間が予想からずれるような場合にも、対応することができる。
【0080】
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態の磁気共鳴イメージング装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【0081】
ステップD1では、ナビゲータシーケンスを複数回実施して、エコー時間TEが互いに異なる複数のナビゲータデータを取得する。
【0082】
ステップD2では、ステップD1で取得された複数のナビゲータデータの各々について、位相プロファイルを生成する。
【0083】
ステップD3では、ステップD2で生成された複数の位相プロファイルを表示する。
【0084】
ステップD4では、操作者が、検出したい組織の位置に対応する位相差が相対的に大きい位相プロファイルPPHと、その位相差が相対的に小さい位相プロファイルPPLとを指定する。このとき、操作者は、背景の位相差が互いに近いものを指定するようにするとよい。
【0085】
ステップD5では、位相差が大きい位相プロファイルPPHのナビゲータデータが取得されたエコー時間を、第1のエコー時間TE1として設定し、位相差が小さい位相プロファイルPPLのナビゲータデータが取得されたエコー時間を、第2のエコー時間TE2として設定する。
【0086】
ステップD6〜D14は、図11に示すように、第1実施形態におけるステップA1〜A9と対応する処理であるため、ここでは説明を省略する。
【0087】
このような第4実施形態によれば、互いに異なる複数のエコー時間によるナビゲータデータを予め得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、予め得られた複数のナビゲータデータの位相プロファイルを表示し、第1および第2のエコー時間TE1,TE2として、それら複数のエコー時間の中から操作者による操作に応じて選択されたエコー時間を設定している。つまり、エコー時間が異なる複数のナビゲータデータを実際に予め取得して、その位相プロファイルを表示し、操作者がそれらを参照して指定した位相プロファイルに対応するエコー時間を、第1および第2のエコー時間TE1,TE2として設定している。そのため、第3実施形態と同様に、取得されたナビゲータデータの位相プロファイルにおける検出したい組織の位置に対応する位相差が相対的に大きくなるようなエコー時間と、その位相差が相対的に小さくなるようなエコー時間とが、不明であるような場合、あるいは、これらのエコー時間が予想からずれるような場合にも、対応することができる。
【0088】
また、位相プロファイルにおける検出したい組織の位置に対応する位相差の大小だけでなく、減算処理したときに、検出に不要な背景の位相差がうまくキャンセルされるような、つまり、背景の位相が互いに類似している位相プロファイルを操作者が特定して、第1および第2のエコー時間を設定することができる。そのため、第1および第2のエコー時間TE1,TE2を予め決定したり、ナビゲータデータの解析結果から自動で決定したりする場合よりも、組織の位置の検出精度がよくなることも期待できる。
【0089】
以上、発明の実施形態について説明したが、発明の実施形態は、上記したものに限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、追加等を行うことができる。
【0090】
例えば、第1および第2実施形態では、第1および第2のエコー時間TE1,TE2を、アウト・オブ・フェーズとイン・フェーズに対応したエコー時間としているが、これらに限定されず、取得されたナビゲータデータの位相プロファイルにおける横隔膜の位置に対応する位相差が大小異なるような2つのエコー時間であれば、いかなる組合せのエコー時間であってもよい。
【0091】
例えば、第3実施形態におけるステップC5〜C13、第4実施形態におけるステップD6〜D14は、第2実施形態におけるステップB1〜B10と対応する処理にしてもよい。あるいは、ナビゲータシーケンスを実施する際に、1回目だけデュアルエコー法を用いて、第1のエコー時間TE1による第1のナビゲータデータND1と、第2のエコー時間TE2による第2のナビゲータデータND2とを取得し、2回目以降はシングルエコー法を用いて、第1のエコー時間TE1による第1のナビゲータデータND1だけを取得するようにしてもよい。
【0092】
また、第3および第4の実施形態では、第1および第2のエコー時間TE1,TE2の両方を、予め取得したナビゲータデータを基に設定しているが、一方を予め決定しておき、他方だけ予め取得したナビゲータデータを基に設定してもよい。
【0093】
また、上記の実施形態では、位相差分プロファイルPPSは、エコー時間が異なる2つの位相プロファイルの単純な減算処理により生成しているが、これら2つの位相プロファイルの少なくとも一方を重み付けする加重減算処理により生成してもよい。
【0094】
また、上記の実施形態では、ナビゲータ領域NAとして、横隔膜を含む領域を設定しているが、これは一例であり、呼吸運動によって体動する組織を含む領域であれば、いずれの領域を設定してもよい。
【0095】
また、上記の実施形態では、呼吸運動による体動を検出して呼吸同期撮影を行っているが、心拍運動による体動を検出して心拍同期撮影を行うようにしてもよい。
【0096】
また、上記の実施形態では、撮影法として、プロスペクティブ法を用いているが、レトロスペクティブ法を用いてもよい。すなわち、ナビゲータデータを解析して検出された組織の位置に応じて取得されたイメージングデータに基づいて、イメージング領域の画像を再構成してもよいし、上記検出された組織の位置に応じて特定されたイメージングデータに基づいて、イメージング領域の画像を再構成してもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 磁気共鳴イメージング装置
12 静磁場マグネット部
13 勾配コイル部
14 RFコイル部
22 RF駆動部
23 勾配駆動部
24 データ収集部
25 被検体搬送部
30 制御部
31 記憶部
32 操作部
33 画像再構成部
34 表示部
40 被検体
60 肺
61 肝臓
62 横隔膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体において体動する所定の組織を含むナビゲータ領域から磁気共鳴信号をナビゲータデータとして得るナビゲータシーケンスを実施するナビゲータシーケンス実施手段と、前記被検体におけるイメージング領域から磁気共鳴信号をイメージングデータとして得るイメージングシーケンスを実施するイメージングシーケンス実施手段とを備えており、前記ナビゲータデータを解析して検出された前記所定の組織の位置に応じて取得または特定された前記イメージングデータに基づいて、前記イメージング領域の画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記ナビゲータシーケンス実施手段は、ナビゲータデータの位相と前記ナビゲータ領域での位置との関係を示す位相プロファイルにおける、前記所定の組織の位置に対応する位相差が、相対的に大きくなるような第1のエコー時間による第1のナビゲータデータと、前記位相差が相対的に小さくなるような第2のエコー時間による第2のナビゲータデータとを得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、
前記第1のナビゲータデータの位相プロファイルと、前記第2のナビゲータデータの位相プロファイルとの差分を表す位相差分プロファイルを生成する生成手段と、
前記位相差分プロファイルに基づいて、前記所定の組織の位置を検出する検出手段とを備えている磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記ナビゲータシーケンス実施手段は、第1および第2のナビゲータデータの時系列的な複数の組合せを得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、
前記生成手段は、前記時系列的な複数の組合せの各々について、位相差分プロファイルを生成する請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記ナビゲータシーケンス実施手段は、デュアルエコー法によるナビゲータシーケンスを実施して、前記第1および第2のナビゲータデータを得る請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記ナビゲータシーケンス実施手段は、時系列的な複数の第1のナビゲータデータと、所定の第2のナビゲータデータとを得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、
前記生成手段は、前記時系列的な複数の第1のナビゲータデータの1つと、前記所定の第2のナビゲータデータとによる個々の組合せについて、位相差分プロファイルを生成する請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記体動は、呼吸運動によるものである請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記所定の組織は、横隔膜である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
前記第1のエコー時間は、水プロトンによる磁気共鳴信号の位相と脂肪プロトンによる磁気共鳴信号の位相とが互いに逆方向を向くアウト・オブ・フェーズ(out of phase)に対応するエコー時間であり、
前記第2のエコー時間は、水プロトンによる磁気共鳴信号の位相と脂肪プロトンによる磁気共鳴信号の位相とが互いに同一方向を向くイン・フェーズ(in phase)に対応するエコー時間である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
前記ナビゲータシーケンス実施手段は、互いに異なる複数のエコー時間によるナビゲータデータを予め得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、
前記第1および第2のエコー時間の少なくとも一方として、前記予め得られたナビゲータデータの位相プロファイルの解析結果に基づいて前記複数のエコー時間の中から選択されたエコー時間を設定する設定手段をさらに備えている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
前記ナビゲータシーケンス実施手段は、互いに異なる複数のエコー時間によるナビゲータデータを予め得るよう、ナビゲータシーケンスを実施し、
前記予め得られた複数のナビゲータデータの位相プロファイルを表示する表示手段と、
前記第1および第2のエコー時間の少なくとも一方として、前記複数のエコー時間の中から操作者による操作に応じて選択されたエコー時間を設定する設定手段とをさらに備えている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
位相プロファイルにおける位相の折返しを補正する補正手段をさらに備えており、
前記検出手段は、該補正手段により補正された位相プロファイルに基づいて、前記所定の組織の位置を検出する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
前記検出手段は、エッジ検出法、最小自乗法(LSQ法)、相関係数法、または相互情報量法により、前記所定の組織の位置を検出する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−193884(P2011−193884A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60259(P2010−60259)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】