説明

磁気記録再生装置及びその制御方法、磁気記録媒体、磁気記録媒体製造用スタンパ

【課題】位置制御信号の出力を増大し、磁気ヘッドの位置決め制御を高精度で行うことができる磁気記録再生装置及びその制御方法を提供すると共に、これに用いられる磁気記録媒体と、この磁気記録媒体を製造するために用いられる磁気記録媒体製造用スタンパを提供する。
【解決手段】磁性層で形成された凹凸パターンによって位置情報を含むサーボ情報が記録された磁気記録媒体と、位置情報の再生信号における基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の振幅値に基づいて磁気ヘッド114の位置制御信号を生成する信号処理回路12と、を有する磁気記録再生装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクリートトラック媒体やパターンド媒体等の磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置及びその制御方法、磁気記録媒体、磁気記録媒体製造用スタンパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気ヘッドの位置決め制御に用いられる位置情報が記録された磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置が広く知られている。
【0003】
図17に、このような従来公知の磁気記録再生装置が備える磁気記録媒体の一例を示す。
【0004】
図17に示される磁気記録媒体100には、磁性層で形成された凹凸パターンによって複数のサーボ領域102が放射状に所定の間隔で形成されている。このサーボ領域102には、図18に拡大して示されるように、プリアンブル部104と、サーボマーク部106と、アドレス情報が記録されたアドレス部108と、位置情報が記録されたバースト部110を含んでなるサーボ情報が記録されている。なお、図中の符号112はユーザデータを記録するためのデータトラックである。
【0005】
このサーボ領域102のバースト部110には、位置情報として、4種類のバースト信号グループ110A、110B、110C、110Dからなるバーストパターンが形成されている。なお、バースト信号グループ110A及び110Bは、一対の位置情報としてデータトラック112の中心線に対して等しく跨るように配置されている一方で、バースト信号グループ110C及び110Dは、一対の位置情報としてバースト信号グループ110A及び110Bに対し半トラックピッチだけずれた位置に配置されている。
【0006】
図19に、バースト信号グループ110Aの拡大図を示す。なお、他のバースト信号グループ110B、110C、110Dも同一の構造である。
【0007】
図19に示されるように、バースト信号グループ110A(110B、110C、110D)は、磁性層(磁性材料)からなる凸部(図19において黒く塗りつぶされた部分)の周方向長さBL1、凹部の周方向長さBL2、凸部の径方向幅BW1で規定される凹凸パターンを周方向に複数(一般には10〜30個程度)配設して構成されている。なお、一般に、磁気記録再生装置では磁気記録媒体100を角速度一定で回転させるため、凸部の周方向長さBL1及び凹部の周方向長さBL2は磁気記録媒体100における径方向位置によって異なり、内周部から外周部に向かって凸部の周方向長さBL1及び凹部の周方向長さBL2が長くなるように凹凸パターンが形成される。
【0008】
バースト部110のバーストパターンは、各バースト信号グループ(110A、110B、110C、110D)を図20に示されるように、幅BW2の間隔で径方向に複数配設して構成される。
【0009】
このようなバーストパターンは、例えば、図21に示されるような位置制御回路124によって再生される。この位置制御回路124は、磁気ヘッド114によって読み出された再生信号を増幅するアンプ116と、LPF(Low Pass Filter)118A、HPF(High Pass Filter)118B、及び、振幅検出器118Cからなる信号処理回路118と、信号処理後の位置制御信号を保持するサンプルホールド器120と、差動アンプ回路122と、によって構成されている。
【0010】
磁気記録媒体100に記録されたバーストパターンは磁気ヘッド114によって読み出された後、バーストパターンの再生信号はアンプ116によって増幅され、信号処理回路118に入力される。信号処理回路118に入力された再生信号は、その基本波成分のみが抽出された後、位置制御信号としてサンプルホールド器120に出力される。そして、サンプルホールド器120で保持されたバースト信号グループ110Aの位置制御信号と110Bの位置制御信号との出力差、又は、110Cの位置制御信号と110Dの位置制御信号との出力差を差動アンプ回路122で求めることによって磁気ヘッド114の位置情報を取得し、磁気ヘッド114の位置決め(トラッキング)制御が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】特開平7−78432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、例えばディスクリートトラック媒体やパターンド媒体等の、磁性層で形成された凹凸パターンによってバーストパターン(位置情報)が記録された磁気記録媒体では、凹凸パターンの磁化信号が一方向の極性を持って記録されるため、凹凸パターンの再生信号は図22に示すような波形となる。なお、図22において黒く塗りつぶされた部分は凹凸パターンの凸部の平面を模式的に示したものであり、凹凸パターンの再生信号波形は、磁性層が垂直磁気記録層である場合の例である。
【0013】
このように、磁性層で形成された凹凸パターンによってバーストパターンが記録された磁気記録媒体では、バーストパターンの磁化信号が二方向の極性を持って記録される従来の連続膜媒体に比べ、磁気ヘッドの位置決め制御に用いられる位置制御信号の出力が半分程度となり、磁気ヘッドの位置決め精度の向上には限界があった。
【0014】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、位置制御信号の出力を増大し、磁気ヘッドの位置決め制御を高精度で行うことができる磁気記録再生装置及びその制御方法を提供すると共に、これに用いられる磁気記録媒体と、この磁気記録媒体を製造するために用いられる磁気記録媒体製造用スタンパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の発明者は、従来の連続膜記録媒体では位置情報の再生信号が正弦波に比較的近く、再生信号に含まれる高調波成分が少ないのに対して、磁化信号が一方向の極性しか持たないディスクリートトラック媒体やパターンド媒体などの再生信号波形は正弦波とは異なった波形となり、再生信号に含まれる高調波成分が多くなる点に着目した。その結果、本発明の発明者は、位置情報の再生信号の基本波成分に高調波成分を加算することによって位置制御信号が増大可能であることを見出した。
【0016】
即ち、次のような本発明により、上記目的を達成することができる。
【0017】
(1)磁性層で形成された凹凸パターンによって位置情報を含むサーボ情報が記録された磁気記録媒体と、前記位置情報の再生信号における基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の振幅値に基づいて磁気ヘッドの位置制御信号を生成する信号処理手段と、を有してなることを特徴とする磁気記録再生装置。
【0018】
(2)前記信号処理手段は、前記位置情報の再生信号から前記基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の各信号を抽出する信号抽出手段と、前記各信号の振幅値を検出する振幅検出手段と、前記各信号の振幅値を加算して前記位置制御信号を生成する信号加算手段と、によって構成されていることを特徴とする前記(1)記載の磁気記録再生装置。
【0019】
(3)前記信号処理手段は、前記位置情報の再生信号から前記基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分を含んでなる信号を抽出する信号抽出手段と、前記信号の振幅値を検出して前記位置制御信号を生成する振幅検出手段と、によって構成されていることを特徴とする前記(1)記載の磁気記録再生装置。
【0020】
(4)前記信号処理手段は、前記位置情報の再生信号の周波数を解析し、該再生信号における前記基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の各振幅値を検出する周波数解析手段と、前記各振幅値を加算して前記位置制御信号を生成する信号加算手段と、によって構成されていることを特徴とする前記(1)記載の磁気記録再生装置。
【0021】
(5)前記高調波成分は、第2次高調波成分を含んでなることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の磁気記録再生装置。
【0022】
(6)前記高調波成分は、第2次高調波成分のみからなることを特徴とする前記(5)記載の磁気記録再生装置。
【0023】
(7)前記位置情報は、前記凹凸パターンを周方向に複数配設してなるバースト信号グループによって構成され、同一の前記バースト信号グループにおける凹部の周方向の長さAと凸部の周方向の長さBとの凹凸比A/Bが、0.19よりも大きく1よりも小さい範囲にあることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の磁気記録再生装置。
【0024】
(8)磁性層で形成された凹凸パターンによって磁気記録媒体上に記録された位置情報の再生信号における基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の振幅値に基づいて磁気ヘッドの位置決め制御を行うことを特徴とする磁気記録再生装置の制御方法。
【0025】
(9)前記高調波成分は、第2次高調波成分を含んでなることを特徴とする前記(8)記載の磁気記録再生装置の制御方法。
【0026】
(10)前記高調波成分は、第2次高調波成分のみからなることを特徴とする前記(8)又は(9)記載の磁気記録再生装置の制御方法。
【0027】
(11)前記位置情報は、前記凹凸パターンを周方向に複数配設してなるバースト信号グループによって構成され、同一の前記バースト信号グループにおける凹部の周方向の長さAと凸部の周方向の長さBとの凹凸比A/Bが、0.19よりも大きく1よりも小さい範囲にあることを特徴とする前記(8)乃至(10)のいずれかに記載の磁気記録再生装置の制御方法。
【0028】
(12)磁性層で形成された凹凸パターンを周方向に複数配設してなるバースト信号グループによって構成された位置情報が記録され、且つ、同一の前記バースト信号グループにおける凹部の周方向の長さAと凸部の周方向の長さBとの凹凸比A/Bが0.19よりも大きく1よりも小さい範囲にあることを特徴とする磁気記録媒体。
【0029】
(13)前記(12)に記載の磁気記録媒体における前記凹凸パターンと相補的形状の凹凸パターンが形成されていることを特徴とする磁気記録媒体製造用スタンパ。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る磁気記録再生装置及びその制御方法は、位置制御信号の出力を増大し、磁気ヘッドの位置決め制御を高精度で行うことができるという優れた効果を有する。
【0031】
又、本発明に係る磁気記録媒体は、位置制御信号の出力を増大し、磁気ヘッドの位置決め制御を高精度で行うことができる磁気記録再生装置を提供可能であるという優れた効果を有する。
【0032】
更に、本発明に係る磁気記録媒体製造用スタンパは、位置制御信号の出力を増大し、磁気ヘッドの位置決め制御を高精度で行うことができる磁気記録再生装置に用いられる磁気記録媒体を製造できるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明に係る磁気記録再生装置は、磁性層で形成された凹凸パターンによって位置情報を含むサーボ情報が記録された磁気記録媒体と、前記位置情報の再生信号における基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の振幅値に基づいて磁気ヘッドの位置制御信号を生成する信号処理手段と、を有してなることによって、上記課題を解決したものである。
【0034】
又、本発明に係る磁気記録再生装置の制御方法は、磁性層で形成された凹凸パターンによって磁気記録媒体上に記録された位置情報の再生信号における基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の振幅値に基づいて磁気ヘッドの位置決め制御を行うことによって、上記同様の課題を解決したものである。
【0035】
なお、本発明における「位置情報」とは、磁気ヘッドの位置決め(トラッキング)制御に用いられる情報をいい、一般には、サーボ領域のバースト部に記録されるバーストパターンが該当する。
【0036】
又、本発明における「位置情報の再生信号」には、位置情報の凹凸パターンの磁化信号を磁気ヘッドで再生した際に出力される信号の他、この信号を増幅して得られた信号も含まれる。
【0037】
以下、図面を用いて、本発明の実施例1〜3に係る磁気記録再生装置及びその制御方法について説明する。
【実施例1】
【0038】
本実施例1に係る磁気記録再生装置(図示省略)は、図1に示されるようなディスク形状からなる磁気記録媒体2を備えており、この磁気記録媒体2上には、複数のサーボ領域4とユーザデータ領域6が周方向に交互に並んで形成されている。
【0039】
サーボ領域4には、図2に示されるように、プリアンブル部104と、サーボマーク部106と、アドレス情報が記録されたアドレス部108と、位置情報が記録されたバースト部110を含んでなるサーボ情報が記録されており、そのバースト部110には、バースト信号グループ110A(110B、110C、110D)を径方向に複数配設してなるバーストパターン(位置情報)が形成されている。
【0040】
図3は、磁気記録媒体2のサーボ領域4におけるバーストパターンの一部(1種類のバースト信号グループ)を模式的に示したものであり、上記図20に対応する図面である。
【0041】
磁気記録媒体2のバーストパターンにおける凹凸パターンの構造やバースト信号グループの配置自体は、上記従来の磁気記録媒体100のバーストパターンにおける凹凸パターンの構造やバースト信号グループの配置と同一である。しかしながら、従来の磁気記録媒体100では、同一のバースト信号グループにおける凹部の周方向の長さBL2と凸部の周方向の長さBL1との凹凸比BL2/BL1が1であるのに対して、磁気記録媒体2では、同一のバースト信号グループにおける凹凸比BL2/BL1が0.19よりも大きく1よりも小さい範囲となるように形成される。なお、この凹凸パターンは、例えば、図4に示されるように、ガラス基板、下地層、軟磁性層、配向層などからなる基板150上に、磁性層からなる凸部152を設けることによって形成することができ、凹部154にはSiOなどからなる充填材を充填してもよい。
【0042】
一方、ユーザデータ領域6には、磁性層で形成された所定の凹凸パターンの凸部により略同心円状の記録トラックが複数形成されており、これら各記録トラックは凹凸パターンの凹部により略同心円状に形成された複数の溝によって磁気的に分離されている。このユーザデータ領域6には、磁化情報としてユーザデータが記録される。
【0043】
この磁気記録媒体2の凹凸パターンは、図5(A)に示されるような磁気記録媒体製造用スタンパ30を用いて、以下に説明するような手順で磁気記録媒体2上に形成(記録)される。なお、磁気記録媒体製造用スタンパ30には、予め、磁気記録媒体2の凹凸パターンと相補的形状の凹凸パターンが形成されており、磁気記録媒体製造用スタンパ30の凸部が磁気記録媒体2の凹部に対応し、磁気記録媒体製造用スタンパ30の凹部が磁気記録媒体2の凸部に対応するようになっている。
【0044】
まず、図5(A)に示される被加工体32の加工出発体を用意する。なお、被加工体32の加工出発体は、例えば、ガラス基板に下地層、軟磁性層、配向層、連続記録層、マスク層をこの順でスパッタリング法により形成してなる板状体32Aに、更にレジスト層32Bをスピンコート法で塗布することによって得ることができる。
【0045】
次に、図5(B)に示されるように、磁気記録媒体製造用スタンパ30を用いて、被加工体32の加工出発体のレジスト層32Bに凹凸パターンに相当する凸部を、例えばナノ・インプリント法によって形成する。そして、凹部底部のレジスト層32Bを除去してから、板状体32Aのマスク層、連続記録層を、例えばエッチングによって除去し、板状体32Aに、図5(C)に示されるような凹凸パターンを形成する。又、この場合、凹凸パターンの凹部にSiOなどからなる充填材を充填してもよい。
【0046】
磁気記録媒体2のバーストパターンは、以下に説明する磁気記録再生装置によって再生される。
【0047】
図6は、本発明の実施例1に係る磁気記録再生装置(図示省略)が備える位置制御回路10のブロック図を示したものであり、上記図21に示した従来の位置制御回路124に対応するものである。なお、本実施例1に係る磁気記録再生装置の構成は、磁気記録媒体2及び位置制御回路10を除き、上記従来の磁気記録再生装置と同じであるため、同一部分については図中において同一の符号を付すと共に、その説明を省略する(以下の実施例についても同様)。
【0048】
以下、本発明の特徴的部分である位置制御回路10について詳細に説明する。
【0049】
図6に示されるように、位置制御回路10は、従来の位置制御回路124における信号処理回路118に代えて、信号処理回路12を備えている。
【0050】
信号処理回路12は、磁気記録媒体に記録された位置情報の再生信号から基本波成分及び第2次高調波成分の各信号を抽出する信号抽出器(信号抽出手段)14、16と、各信号の振幅値を検出する振幅検出器(振幅検出手段)18、20と、各信号の振幅値を加算して位置制御信号を生成する加算器(信号加算手段)22と、によって構成されている。
【0051】
信号抽出器14は、再生信号の基本波成分よりも高域の周波数成分を除去するLPF14Aと、再生信号の基本周波数成分よりも低域の周波数成分を除去するHPF14Bによって構成されており、再生信号から基本波成分の信号のみを抽出する。又、信号抽出器16は、再生信号の第2次高調波成分よりも高域の周波数成分を除去するLPF16Aと、再生信号の第2次高調波成分よりも低域の周波数成分を除去するHPF16Bによって構成されており、再生信号から第2次高調波成分の信号のみを抽出する。
【0052】
振幅検出器18は、信号抽出器14によって抽出された基本波成分の信号の振幅値を検出する。又、振幅検出器20は、信号抽出器16によって抽出された第2次高調波成分の信号の振幅値を検出する。
【0053】
加算器22は、振幅検出器18、20によって検出された基本波成分の信号の振幅値と第2次高調波成分の信号の振幅値を加算し、磁気ヘッド114の位置決め制御に用いられる位置制御信号を生成する。
【0054】
次に、本実施例1に係る磁気再生記録装置の作用について説明する。
【0055】
磁気ヘッド114によって読み出された位置情報の再生信号は、アンプ116によって増幅された後、信号処理回路12に入力される。信号処理回路12に入力された再生信号は、その基本波成分及び第2次高調波成分のみが抽出された後、基本波成分の信号の振幅値と第2次高調波成分の信号の振幅値が加算され、位置制御信号としてサンプルホールド器120に出力される。そして、サンプルホールド器120で保持されたバースト信号グループ110Aの位置制御信号とバースト信号グループ110Bの位置制御信号との出力差、又は、バースト信号グループ110Cの位置制御信号とバースト信号グループ110Dの位置制御信号との出力差を差動アンプ回路122で求めることによって磁気ヘッド114の位置情報を取得し、磁気ヘッド114の位置決め(トラッキング)制御が行われる。
【0056】
本実施例1に係る磁気記録再生装置によれば、磁性層で形成された凹凸パターンによって位置情報を含むサーボ情報が記録された磁気記録媒体と、位置情報の再生信号における基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の振幅値に基づいて磁気ヘッド114の位置制御信号を生成する信号処理手段(本実施例1では信号処理回路12)と、を有してなるため、位置制御信号の出力を増大し、精度の高い位置決め制御を行うことができる。
【0057】
又、本実施例1に係る磁気記録再生装置の制御方法によれば、磁性層で形成された凹凸パターンによって磁気記録媒体上に記録された位置情報の再生信号における基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の振幅値に基づいて磁気ヘッド114の位置決め制御を行うため、本実施例1に係る磁気記録再生装置と同様に、位置制御信号の出力を増大し、精度の高い位置決め制御を行うことができる。
【0058】
又、信号処理手段は、位置情報の再生信号から基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の各信号を抽出する信号抽出手段(本実施例1では信号抽出器14、16)と、各信号の振幅値を検出する振幅検出手段(本実施例1では振幅検出器18、20)と、各信号の振幅値を加算して位置制御信号を生成する信号加算手段(本実施例1では加算器22)と、によって構成されているため、再生信号の基本波成分及び高調波成分以外の周波数成分に含まれるノイズを除去することができ、位置制御信号の安定化を図ることができる。
【0059】
更に、高調波成分は、第2次高調波成分を含んでなるため、位置制御信号の出力を効果的に増大させることができる。
【0060】
更に又、高調波成分は、第2次高調波成分のみからなるため、高調波成分によるノイズの影響を抑えることができ、位置制御信号の安定化を図ることができる。
【0061】
本発明の発明者は、本実施例1に係る磁気記録再生装置を用いて位置制御信号の出力値を測定した。又、比較例として、従来の位置制御回路を用いた場合のバーストパターンの再生信号の基本波成分(従来の位置制御信号)の出力値(振幅値)を測定した。
【0062】
この測定結果を表1に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
なお、本実験においては、表1に示されるように、バーストパターンの凸部の周方向長さBL1と凹部の周方向長さBL2を変えて複数種類のデータを採取した。なお、表1におけるバーストパターンの凸部の周方向長さと凹部の周方向長さの値は、それぞれ2.5インチディスクの半径位置20mmの位置における同一のバースト信号グループの凹部の周方向長さと凸部の周方向長さの値を示したものである。又、バーストパターンの凸部の径方向幅BW1と凹部の径方向幅BW2はそれぞれ200nmとした。又、データトラックのトラックピッチは200nm(127kTPI)、データトラックの幅は120nmとした。
【0065】
更に、記録層は厚さ15nmの垂直磁気記録層であり、バーストパターンの凸部をこの垂直磁気記録層を用いて上記図3に示されるような配置で形成すると共に、この垂直磁気記録層を磁化してサーボ信号磁界を発生させるための処理を行った。具体的には、1.2×10A/mの直流磁界が発生する電磁石の磁極間をディスク面が磁極面に平行になるように設定した後、サーボ領域の垂直磁気記録層を一括して着磁させてサーボ情報を記録した。なお、試料振動型磁力計(VSM)を用いて垂直磁気記録層の磁気特性を測定したところ、飽和磁化Bsが0.44T、残留飽和磁化Brが0.43Tであった。
【0066】
このような磁気記録媒体をディスク回転数4200rpmで回転させると共に、2.5インチディスクの半径位置20mm近傍において磁気ヘッドを11nm浮上させ、読み込み幅120nmのGMR磁気ヘッドでバーストパターンを再生し、本実施例1及び比較例の位置制御信号の出力値を測定した。なお、上記表1においては、凹部の周方向長さAと凸部の周方向長さBとの凹凸比A/Bが1.00の場合における基本波成分の出力値を1.00として規格化を行った。
【0067】
図7は、上記表1における測定結果を元に、バーストパターンの凹凸比と、規格化された出力値との関係をグラフにしたものである。なお、図中の実線は本実施例1の位置制御信号の出力値を、又、点線は比較例の位置制御信号の出力値をそれぞれ示している。
【0068】
上記表1及び図7に示されるように、本実施例1に係る磁気記録再生装置では、出力値の測定を行った凹凸比が0.14〜0.19の範囲及び1.00〜3.00の範囲において、比較例に比べ位置制御信号の出力値が同一又はそれよりも大きくなっていることが分かる。又、凹凸比が0.19よりも大きく1.00よりも小さい範囲では位置制御信号の出力値が他の凹凸比に比べ大幅に増大可能であることが見出された。即ち、本実施例1に係る磁気記録装置によれば、同一のバースト信号グループにおける凹部の周方向の長さBL2と凸部の周方向の長さBL1との凹凸比BL2/BL1が0.19よりも大きく1よりも小さい範囲にあるため、位置制御信号の出力を増大させることができる。
【0069】
なお、位置制御信号の出力値は、凹凸比が0.5よりも小さい範囲では減少する傾向にあるが、これは第3次以上の高調波成分が大きくなるためであると考えられる。
【0070】
更に、本発明の発明者は、本実施例1に係る磁気記録再生装置及び従来の磁気記録再生装置を用いて、磁気ヘッド位置に対する位置誤差信号(PES:Position Error Signal)を測定した。
【0071】
なお、本実施例1に係る磁気記録再生装置では、バーストパターンの凸部の周方向長さを250nm、凹部の周方向長さを150nm(凹凸比0.60)にした場合(実施例1−1)と、バーストパターンの凸部の周方向長さを300nm、凹部の周方向長さを100nm(凹凸比0.33)にした場合(実施例1−2)のそれぞれについて位置誤差信号を測定した。一方、従来の磁気記録再生装置では、各バーストパターンの凸部の周方向長さを200nm、凹部の周方向長さを200nmにした場合(凹凸比1.00)についてについて位置誤差信号を測定した。
【0072】
より具体的には、図8に示されるように、位置情報として、4種類のバースト信号グループ110A、110B、110C、110Dを磁気記録媒体に形成し(図8では便宜上1つのバースト信号グループを1つの矩形で図示した)、磁気ヘッドを移動させた場合にバースト信号グループ110A及び110Bによって得られる位置誤差信号Sabと、バースト信号グループ110C及び110Dによって得られる位置誤差信号Scdをそれぞれ測定した。ここで、位置誤差信号Sabは、バースト信号グループ110Aの位置制御信号の出力をSa、バースト信号グループ110Bの位置制御信号の出力をSbとした場合に(Sa−Sb)/(Sa+Sb)で与えられる。又、位置誤差信号Scdは、バースト信号グループ110Cの位置制御信号の出力をSc、バースト信号グループ110Dの位置制御信号の出力をSdとした場合に(Sc−Sd)/(Sc+Sd)で与えられる。
【0073】
図8及び図9のグラフは、磁気ヘッド位置と位置誤差信号(PES)との関係を示したものであり、図8のグラフは実施例1−1及び比較例における位置誤差信号Sab及びScdを、又、図9のグラフは実施例1−2及び比較例における位置誤差信号Sab及びScdを示したものである。なお、図8及び図9のグラフに示される右上がりの線(磁気ヘッド位置10nm〜110nm)が位置誤差信号Sabを、右下がりの線(磁気ヘッド位置110nm〜210nm)が位置誤差信号Scdをそれぞれ示している。又、グラフ中の磁気ヘッド位置は、図10に示されるように、バースト信号グループ110Aの左端と磁気ヘッドの右端との距離を示している。
【0074】
図8及び図9に示されるように、本実施例1に係る磁気記録再生装置の位置誤差信号は、従来の磁気記録再生装置の位置誤差信号と変わりない直線性が維持されていることが確認された。
【0075】
このように、本実施例1に係る磁気記録再生装置及びその制御方法によれば、位置誤差信号の直線性を維持しつつ、位置制御信号の出力を増大し、精度の高い位置決め制御を行うことができる。
【実施例2】
【0076】
図11は、本発明の実施例2に係る磁気記録再生装置(図示省略)が備える位置制御回路40のブロック図を示したものである。
【0077】
本実施例2に係る磁気記録再生装置は、上記実施例1の信号処理回路12に代えて、信号処理回路42を備えている。他の構成は上記実施例1と同様である。
【0078】
この信号処理回路42は、位置情報の再生信号から基本波成分及び第2次高調波成分を含んでなる信号を抽出する信号抽出器(信号抽出手段)44と、信号の振幅値を検出し、位置制御信号を生成する振幅検出器(振幅検出手段)46と、によって構成されている。
【0079】
信号抽出器44は、再生信号の第2次高調波成分よりも高域の周波数成分を除去するLPF44Aと、再生信号の基本周波数成分よりも低域の周波数成分を除去するHPF44Bと、によって構成されている。
【0080】
振幅検出器46は、信号抽出器44によって検出された基本波成分及び第2次高調波成分を含んでなる信号の振幅値を検出して位置制御信号を生成する。
【0081】
本実施例2に係る磁気記録再生装置によれば、信号処理手段(本実施例2では信号処理回路42)は、位置情報の再生信号から基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分を含んでなる信号を抽出する信号抽出手段(本実施例2では信号抽出器44)と、信号の振幅値を検出して位置制御信号を生成する振幅検出手段(本実施例2では振幅検出器46)と、によって構成されているため、上記実施例1に係る磁気記録再生装置に比べ、回路を簡略化することができる。なお、本実施例2に係る磁気記録再生装置は、位置情報の再生信号のノイズが少ない場合に好適である。
【実施例3】
【0082】
図12は、本発明の実施例3に係る磁気記録再生装置(図示省略)が備える位置制御回路50のブロック図を示したものである。
【0083】
本実施例3に係る磁気記録再生装置は、上記実施例1の信号処理回路12に代えて、信号処理回路52を備えている。他の構成は上記実施例1と同様である。
【0084】
この信号処理回路52は、位置情報の再生信号の周波数を解析し、この再生信号における基本波成分及び第2次高調波成分の各振幅値を検出する周波数解析器(周波数解析器手段)54と、各振幅値を加算して位置制御信号を生成する加算器(信号加算手段)56と、によって構成されている。
【0085】
周波数解析器54は、位置情報の再生信号の周波数を解析し、再生信号における基本波成分及び第2次高調波成分の各振幅値を検出する。
【0086】
信号加算器56は、周波数解析器54によって検出された基本波成分の振幅値と第2次高調波成分の振幅値を加算し、位置制御信号を生成する。
【0087】
本実施例3に係る磁気記録再生装置によれば、信号処理手段(本実施例3では信号処理回路52)は、位置情報の再生信号の周波数を解析し、この再生信号における基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の各振幅値を検出する周波数解析手段(本実施例3では周波数解析器54)と、各振幅値を加算して位置制御信号を生成する信号加算手段(本実施例3では信号加算器56)と、によって構成されているため、再生信号の基本波成分及び高調波成分以外の周波数成分に含まれるノイズをより確実に除去することができ、位置制御信号の安定化を図ることができる。
【0088】
なお、本発明に係る磁気記録再生装置及びその制御方法は、上記実施例1〜3に係る磁気記録再生装置及びその制御方法に限定されるものではない。
【0089】
従って、例えば、上記信号処理回路12、42、52では、位置情報の再生信号における基本波成分及び第2次高調波成分の振幅値を基に位置制御信号を生成したが、例えば、基本波成分及び第2次高調波成分の振幅値に加え、第N次高調波成分(Nは3以上の整数)の振幅値を基に位置制御信号を生成してもよく、又、第2次高調波成分を除いた、基本波成分及び第N次高調波成分の振幅値を基に位置制御信号を生成してもよい。即ち、本発明に係る信号処理手段は、位置情報の再生信号における基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の振幅値を基に位置制御信号を生成するものであればよい。
【0090】
又、磁気記録媒体は垂直記録媒体に限定されるものではなく、面内記録媒体に適用することもできる。なお、この場合、上記実施例1〜3におけるアンプ116と信号処理回路12(42、52)の間に積分器を配設し、面内記録媒体における位置情報の再生信号波形を積分し、垂直記録媒体における位置情報の再生信号波形と同様の波形に整形することが好ましい。
【0091】
又、本発明に係る「凹凸パターン」は、上記実施例1に示した凹凸パターンの構成に限定されるものではなく、例えば、図13に示される凹凸パターン40のように、基板42に形成した凹凸パターンを覆うようにして磁性層44を積層し、凸部40Aのみならず凹部40Bの底部を含めて磁性層44で凹凸パターンを形成してもよく、又、図14に示される凹凸パターン50のように、凸部50Aのみならず、凹部50Bの底部を含めて磁性層52で凹凸パターンを形成してもよい。更に、図15に示されるように、上記図3に示される凸部の部分(図3における黒の塗り潰し部分)を凹凸パターンの凹部(図15における白抜きの部分)によって構成してもよい。なお、この場合、上記図3において凹部であった部分が磁性層からなる凸部によって構成されるため、凹凸パターンの再生信号は、図16に示されるように、出力値のベースが全体的に上昇することになるが、同一のバースト信号グループにおける凹凸比BL2/BL1が同じであれば再生信号の波形自体は上記図3の凹凸パターンと変わりがないため、同一のバースト信号グループにおける凹凸比BL2/BL1が0.19より大きく1より小さい範囲では上記実施例1〜3と同様の効果を得ることができると考えられる。
【0092】
更に、上記実施例1〜3においては、磁気記録媒体の一例として、磁性層で形成された凸部により同心円状の記録トラックが形成されると共に、各記録トラックは同心円状に形成した複数の溝(凹凸パターンの凹部)によって磁気的に分離されているユーザデータ領域を有するディスクリートトラック媒体を適用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0093】
従って、例えば、磁性層をメッシュ状またはドット状に区切って(各記録トラックをその周方向においても磁気的に複数に分離させて)形成した凸部が島状(アイランド状)に孤立している、いわゆるパターンド媒体にも本発明は適用可能である。又、ユーザデータ領域の磁性層は、凹凸パターンが形成されていない連続磁性層によって形成されていてもよい。
【0094】
更に、磁気記録媒体における位置情報として、4つのバースト信号グループ110A、110B、110C、110Dからなるバーストパターンを形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一対のバースト信号グループ110A及び110Bのみからなるバーストパターンを形成してもよい。又、バースト信号グループのデータトラックに対する配置についても特に限定されず、例えば、一対の位置情報としてのバースト信号グループ110A及び110Bと、バースト信号グループ110C及び110Dとが互いに1/3・トラックピッチだけずれた位置に配置されるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、ディスクリートトラック媒体やパターンド媒体等の磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置及びその制御方法、磁気記録媒体、磁気記録媒体製造用スタンパに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施例1に係る磁気記録再生装置における磁気記録媒体の略示平面図
【図2】同磁気記録再生装置における磁気記録媒体のサーボ領域周辺を拡大して示す略示部分拡大図
【図3】同磁気記録再生装置における磁気記録媒体のサーボ領域のバーストパターンの一部を拡大して示す略示部分拡大図
【図4】同磁気記録再生装置における磁気記録媒体の一例を示す略示側断面図
【図5】同磁気記録再生装置における磁気記録媒体の凹凸パターンの形成手順を模式的に示した図
【図6】同磁気記録再生装置における位置制御回路のブロック図
【図7】同磁気記録再生装置における凹凸パターンの凹凸比と、規格化された出力値との関係を示したグラフ
【図8】同磁気記録再生装置におけるデータトラック、バースト信号グループ及び磁気ヘッドの位置関係を模式的に示した図と、同図における磁気ヘッドの位置と位置誤差信号との関係を示したグラフ
【図9】同磁気記録再生装置における磁気ヘッドの位置と位置誤差信号との関係を示したグラフ
【図10】図8及び図9のグラフにおける磁気ヘッド位置の定義を説明するための図
【図11】本発明の実施例2に係る磁気記録再生装置における位置制御回路のブロック図
【図12】本発明の実施例3に係る磁気記録再生装置における位置制御回路のブロック図
【図13】本発明に係る磁気記録媒体のサーボ領域における凹凸パターンの第2の例を示した略示側断面図
【図14】本発明に係る磁気記録媒体のサーボ領域における凹凸パターンの第3の例を示した略示側断面図
【図15】本発明に係る磁気記録媒体のサーボ領域における凹凸パターンの第4の例を示した略示平面図
【図16】同磁気記録媒体における凹凸パターンの再生信号波形を模式的に示した図
【図17】従来の磁気記録再生装置における磁気記録媒体の略示平面図
【図18】同磁気記録再生装置における磁気記録媒体のサーボ領域周辺を拡大して示す略示部分拡大図
【図19】同磁気記録再生装置における磁気記録媒体のサーボ領域におけるバースト信号グループを拡大して示す略示拡大図
【図20】同磁気記録再生装置における磁気記録媒体のサーボ領域におけるバーストパターンの一部を拡大して示す略示部分拡大図
【図21】同磁気記録再生装置における位置制御回路のブロック図
【図22】同磁気記録再生装置における磁気記録媒体の凹凸パターンの平面と、凹凸パターンの再生信号を模式的に示した図
【符号の説明】
【0097】
10、40、50、124…位置制御回路
12、42、52、118…信号処理回路
14、16、44…信号抽出器
14A、16A、44A、118A…LPF
14B、16B、44B、118B…HPF
18、20、46、118C…振幅検出器
22、56…加算器
54…周波数解析器
114…磁気ヘッド
116…アンプ
120…サンプルホールド器
122…差動アンプ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性層で形成された凹凸パターンによって位置情報を含むサーボ情報が記録された磁気記録媒体と、前記位置情報の再生信号における基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の振幅値に基づいて磁気ヘッドの位置制御信号を生成する信号処理手段と、を有してなることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記信号処理手段は、前記位置情報の再生信号から前記基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の各信号を抽出する信号抽出手段と、前記各信号の振幅値を検出する振幅検出手段と、前記各信号の振幅値を加算して前記位置制御信号を生成する信号加算手段と、によって構成されていることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記信号処理手段は、前記位置情報の再生信号から前記基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分を含んでなる信号を抽出する信号抽出手段と、前記信号の振幅値を検出して前記位置制御信号を生成する振幅検出手段と、によって構成されていることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記信号処理手段は、前記位置情報の再生信号の周波数を解析し、該再生信号における前記基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の各振幅値を検出する周波数解析手段と、前記各振幅値を加算して前記位置制御信号を生成する信号加算手段と、によって構成されていることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記高調波成分は、第2次高調波成分を含んでなることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記高調波成分は、第2次高調波成分のみからなることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記位置情報は、前記凹凸パターンを周方向に複数配設してなるバースト信号グループによって構成され、同一の前記バースト信号グループにおける凹部の周方向の長さAと凸部の周方向の長さBとの凹凸比A/Bが、0.19よりも大きく1よりも小さい範囲にあることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項8】
磁性層で形成された凹凸パターンによって磁気記録媒体上に記録された位置情報の再生信号における基本波成分及び少なくとも1つの高調波成分の振幅値に基づいて磁気ヘッドの位置決め制御を行うことを特徴とする磁気記録再生装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8において、
前記高調波成分は、第2次高調波成分を含んでなることを特徴とする磁気記録再生装置の制御方法。
【請求項10】
請求項8又は9において、
前記高調波成分は、第2次高調波成分のみからなることを特徴とする磁気記録再生装置の制御方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれかにおいて、
前記位置情報は、前記凹凸パターンを周方向に複数配設してなるバースト信号グループによって構成され、同一の前記バースト信号グループにおける凹部の周方向の長さAと凸部の周方向の長さBとの凹凸比A/Bが、0.19よりも大きく1よりも小さい範囲にあることを特徴とする磁気記録再生装置の制御方法。
【請求項12】
磁性層で形成された凹凸パターンを周方向に複数配設してなるバースト信号グループによって構成された位置情報が記録され、且つ、同一の前記バースト信号グループにおける凹部の周方向の長さAと凸部の周方向の長さBとの凹凸比A/Bが0.19よりも大きく1よりも小さい範囲にあることを特徴とする磁気記録媒体。
【請求項13】
請求項12に記載の磁気記録媒体における前記凹凸パターンと相補的形状の凹凸パターンが形成されていることを特徴とする磁気記録媒体製造用スタンパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−260638(P2006−260638A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74385(P2005−74385)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】