説明

磁気軸受装置

簡単な構成で冷却効果が大きい磁気軸受装置を得るため、回転軸1の後部外径に後方向に空気流を形成するフィン15を設けると共に、このフィン15が回転することにより生成される空気流を圧縮された渦流に変換し且つ軸方向に貫通穴を有するジェネレータ16を、フィン15と適当な隙間を隔てて固定し、さらにこのジェネレータ16の後方側に内径がジェネレータ16の貫通穴19の直径よりも大きく且つ後方端にコントロールバルブ21を有するチューブ20を備える構成として、回転軸1の駆動力で冷却風を生成するようにし、また、回転軸1内部には、冷却風を通過させるための軸方向に貫通する冷却風流通路22を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は工作機械のスピンドルユニット等に使用される磁気軸受装置に係り、特にその磁気軸受装置の冷却構造に関するものである。
【背景技術】
磁気軸受装置は、従来から広く用いられている転がり軸受装置では実現困難な超高速回転を実現することを主目的として一般に使用される。しかし、磁気軸受装置は転がり軸受装置と比較し、超高速化が可能である反面、電気部品点数が多いため、軸受装置本体の発熱も大きくなるのが一般である。従来の磁気軸受装置の冷却対策としては、例えばユニット外部からコンプレッサ等により、ユニット内部へ空気を供給し、この供給された空気流を、回転軸表面を通過させることにより冷却している。このような磁気軸受装置の冷却構造は、例えば特開平8−61366公報に記載されている。
しかしながら上述の冷却構造においては、単に外部より雰囲気温度に近い空気流を、ユニット内部を循環させているだけあり、冷却性に優れず、また外部からユニット内部へ空気流を供給するための装置(コンプレッサ等)が別途必要となり、冷却設備が大掛かりになるという問題があった。
【発明の開示】
本発明は上記のような問題点を解決するためのもので、簡単な構成で冷却効果が大きい磁気軸受装置を得ることを目的とする。
本発明は前記目的を達成させるため、回転体の駆動力を用いて低温の冷却風を生成する冷却風生成手段と、この冷却風生成手段にて生成された低温の冷却風を磁気軸受装置内部に流通させる冷却風流通路とを備える構成としたものである。
また、前記冷却風生成手段を、前記回転体の駆動力を用いて高速気流を生成する高速気流生成手段と、この高速気流生成手段にて生成された高速気流を渦流に変換する変換手段と、この変換手段にて変換きれた高速渦流を流通させる気流通路と、この気流通路の反変換手段側に設けられたコントロールバルブとを備えるものとしたものである。
このため、回転体が超高速回転することを利用して低温の冷却風を生成するので、簡単な構成で冷却効果が大きい磁気軸受装置を得ることができる。
また、回転軸に設けられ、この回転軸の駆動力により軸方向の気流を発生させるフィン、このフィンと所定間隔を介して固定され、高速渦流を生成するジェネレータ、このジェネレータにて生成された高速渦流を流通させるチューブ、及びこのチューブの反ジェネレータ側に設けられたコントロールバルブを有し、低温の冷却風を生成する冷却風生成手段と、この冷却風生成手段にて生成された低温の冷却風を磁気軸受装置内部に流通させる冷却風流通路とを備える構成としたものである。
このため、回転体が超高速回転することを利用して低温の冷却風を生成するので、簡単な構成で冷却効果が大きい磁気軸受装置を得ることができる。
また、前記冷却風流通路を、前記回転軸部に、軸方向に延在するように設けたものである。
このため、回転軸部を効率よく冷却することができる。
また、前記冷却風流通路を、筐体に設けられた冷却風流通路と、この筐体に設けられた冷却風流通路に前記低温の冷却風を導くパイプとを有するものとしたものである。
このため、回転軸部ばかりでなく、磁気軸受装置全体を効率よく冷却することができる。
また、アキシャル磁気軸受ディスクに設けられ、このアキシャル磁気軸受ディスクの外径方向に向かう気流を発生させるフィン、このフィンの外周部に位置し、前記フィンにて発生させられた気流を取込み且つ外径方向に向かって高速気流として吹出す供給口、この供給口より吹出された高速気流を、渦流に変換するジェネレータ、前記筐体に軸方向に延在するように設けられ、このジェネレータにて生成された高速渦流を流通させる気流通路、及びこの気流通路の反ジェネレータ側に設けられたコントロールバルブを有し、低温の冷却風を生成する冷却風生成手段と、この冷却風生成手段にて生成された低温の冷却風を磁気軸受装置内部に流通させる冷却風流通路とを備える構成としたものである。
このため、回転体が超高速回転することを利用して低温の冷却風を生成するので、簡単な構成で冷却効果が大きい磁気軸受装置を得ることができる。特にアキシャル磁気軸受ディスクの外径は回転部の各部の中で最も外径が大きいので、その他の部位で高速渦流を生成するよりも最も冷却効果が大きい。
また、前記低温の冷却風を回転軸部に導く案内部を設けたものである。
また、前記冷却風流通路を、前記筐体に設けられ、前記冷却風生成手段にて生成された低温の冷却風が流通する冷却風流通路と、この冷却流通路を通過した冷却風を回転軸部に導く案内板と、回転軸部に設けられ、前記案内板にて案内された冷却風を軸方向に流通させ、回転軸部を冷却する冷却風流通路とを有するものとしたものである。
このため、このため、回転軸部をも効率よく冷却でき、、磁気軸受装置全体を効率よく冷却することができる。
また、アキシャル磁気軸受ディスクに設けられ、このアキシャル磁気軸受ディスクの外径方向に向かう気流を発生させるフィン、このフィンの外周部に位置し、前記フィンにて発生させられた気流を取込み且つ外径方向に向かって高速気流として吹出す吸気口、この吸気口より吹出された高速気流を流通させる気流通路、この気流通路より吹出された高速気流を、渦流に変換するジェネレータ、このジェネレータにて生成された高速渦流を流通させるチューブ、及びこのチューブの反ジェネレータ側に設けられたコントロールバルブを有し、低温の冷却風を生成する冷却風生成手段と、この冷却風生成手段にて生成された低温の冷却風を磁気軸受装置内部に流通させる冷却風流通路とを備える構成としたものである。
このため、回転体が超高速回転することを利用して低温の冷却風を生成するので、簡単な構成で冷却効果が大きい磁気軸受装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施の形態1に係る磁気軸受スピンドルユニットの全体構成を示す断面図である。
第2図は本発明の実施の形態1に係る磁気軸受スピンドルユニットに使用するジェネレータ構造を示す図である。
第3図は第1図のX−X‘線断面図である。
第4図は本発明の実施の形態2に係る磁気軸受スピンドルユニットの全体構成を示す断面図である。
第5図は本発明の実施の形態2に係る磁気軸受スピンドルユニットに使用するジェネレータ構造を示す図である。
第6図は本発明の実施の形態3に係る磁気軸受スピンドルユニットの全体構成を示す断面図である。
第7図は本発明の実施の形態3に係る磁気軸受スピンドルユニットに使用するジェネレータ構造を示す図である。
第8図は本発明の実施の形態4に係る磁気軸受スピンドルユニットの全体構成を示す断面図である。
第9図は本発明の実施の形態5に係る磁気軸受スピンドルユニットの全体構成を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
実施例の形態1.
以下 本発明の実施の形態1を、第1図〜第3図を用いて説明する。
なお、本発明の実施の形態1は、磁気軸受装置を、工具を回転させるスピンドルに用いた磁気軸受スピンドルユニットを示しており、第1図はその磁気軸受スピンドルユニットの全体構成を示す断面図、第2図はその磁気軸受スピンドルユニットに使用するジェネレータ構造を示す図で、(a)は正面図、(b)は図(a)のY−Y線断面図、(c)は図(a)の背面図、第3図はその磁気軸受スピンドルユニットに使用するコントロールバルブを示す、第1図のX−X‘線断面図ある。
そしてこの磁気軸受スピンドルユニットは、次のように構成されている。
即ち、ツールホルダー保持機構を内蔵した回転軸1に、リング状の電磁鋼板を積層して形成したフロント側ラジアル磁気軸受ロータ2aと、磁性材からなるアキシャル磁気軸受ディスク3と、主軸モータロータ4(アキシャル磁気軸受ディスク3とリア側ラジアル磁気軸受ロータ2bとの間に位置する)と、リング状の電磁鋼板を積層して形成したリア側ラジアル磁気軸受ロータ2bとが、嵌合固定されている。なお、回転軸1の左端には図示しないが、前記ツールホルダー保持機構47にツールホルダーを介して回転ツールが設置される。また、ツールホルダー保持機構47にツールホルダーを固定する際、ばね材48の押圧力に抗して押し棒49をツールホルダー着脱用油圧シリンダー45にて図の左側に押圧して、図の左端に位置するコレット状のツールホルダー保持部50を拡開し、この拡開部にツールホルダーを挿入する。そして前記押し棒49の押圧力を解放することによって前記ばね材48の押圧力によりツールホルダー保持部50にツールを保持する。また、ツールホルダー保持機構47と回転軸1とは、前記ばね材48における軸方向の押圧力により一体化されて回転する。
また、回転軸1のラジアル磁気軸受ロータ2a、2bの外径部の半径方向には、適当な微小間隔(通常0.5〜1.0mm程度)を設けて、フロント側ラジアル磁気軸受ステータ5a、リア側ラジアル磁気軸受ステータ5bが配置されている。なお、このラジアル磁気軸受ステータ5aは通電されたとき、ラジアル磁気軸受ロータ2aの周囲に4個の電磁石を生成するものである。またラジアル磁気軸受ステータ5bも同様に、通電されたとき、ラジアル磁気軸受ロータ2bの周囲に4個の電磁石を生成するものである。
また、該回転軸1のアキシャル磁気軸受ディスク3の近傍においては、軸方向に適当な微小間隔(通常0.5〜1.0mm程度)を設けて、リング状電磁石を有する1対のアキシャル磁気軸受ステータ6a、6b(負荷側アキシャル磁気軸受ステータ6a、反負荷側アキシャル磁気軸受ステータ6b)が、アキシャル磁気軸受ディスク3を挟み込むように配置されている。なお、アキシャル磁気軸受ステータ6a、6bは、リング状のカラー27によって軸方向の位置決めがなされている。
また、主軸モータロータ4の近傍においては、回転軸1を回転駆動されるための主軸モータステータ7が、主軸モータロータ4の外径部から半径方向に適当な微小間隔を設けて配置されている。
また、ラジアル磁気軸受ステータ5a、5bと主軸モータステータ7の外径部には、ステータ冷却用のオイルジャケット8a、8b、9が取付けられている。なお、図中、8aはフロント側ラジアル磁気軸受ステータ冷却用のオイルジャケット、8bはリア側ラジアル磁気軸受ステータ冷却用のオイルジャケット、9は主軸モータステータ冷却用のオイルジャケットである。
また、回転軸1、ラジアル磁気軸受ステータ5a、5b、アキシャル磁気軸受ステータ6a、6b、及び主軸モータステータ7は、筒状フレーム10に、オイルジャケット8a、8b、9を介して収められ、且つフレーム10の各端部に、負荷側ブラケット11及び反負荷側ブラケット12が夫々取付けられている。また、アキシャル磁気軸受ステータ6a、6bも、フレーム10に収納されている。
また、負荷側ブラケット11及び反負荷側ブラケット12には、それぞれ磁気軸受制御用の非接触変位センサ14a、14bが、回転軸1とある適当な微小間隔(通常0.5mm程度)を介して取付けられている。
また、緊急時のユニット破損回避のための保護ベアリング(タッチダウンベアリングとも言う)13a、13bが、負荷側ブラケット11及び反負荷側ブラケット12に、回転軸1とある適当な微小間隔(通常0.2mm程度)を介して取付けられている。即ち、この保護ベアリング13a、13bは、磁気軸受装置が正常動作しているときは回転軸1と非接触状態にあるが、磁気軸受装置が何らかの原因により制御不能となったとき、回転軸1と接触してこの回転軸1を受止めることにより、ユニットの破損を防ぐ。
また、負荷側ブラケット11及び反負荷側ブラケット12に、回転軸1の径方向及び軸方向位置を測定する非接触変位センサ14a、14bが夫々固定されている。そしてこの変位センサ14a、14bの出力信号をもとに、ラジアル磁気軸受ステータ5a、5bとラジアル磁気軸受ロータ2a、2bとの空隙部、及びアキシャル磁気軸受ステータ6a、6bとアキシャル磁気軸受ディスク3との空隙部に、図示しない磁気軸受駆動用ドライバにより適当な磁気吸引力を発生させ、回転軸1を各ステータ5a、5b、6a、6b、7と離隔した目標位置に非接触で支承し、この非接触状態で、主軸モータステータ7に適当な電圧を印加することにより、回転軸1の超高速回転(70,000r/min程度以上)を実現している。
また、回転軸1の回転数は、回転軸1に固着されたエンコーダ用歯車及び反負荷側ブラケット12に固着されたエンコーダヘッド51により検出し、前記磁気軸受駆動用ドライバへフィードバックするように構成されている。
更にまた、回転軸1の後部に後方向に(反負荷側に)空気流を形成するためのフィン15が等間隔に複数枚設けられており、且つこのフィン15と適当な間隔を隔ててジェネレータ(変換手段)16が、反負荷側ブラケット12に支持された固定用アングル44に固定されている。
第2図はジェネレータ16のみを取り出して図示したものであり、このジェネレータ16は、フィン15との相乗作用により生成される高速空気流を高圧渦流に変換するために、複数個のフィン部材(第2図においては8個のフィン部材)が、高速空気流吸入口17から渦流吐出口18(第2図においては8箇所に形成されている)に向かうにしたがってテーパ小となると共に、ジェネレータ16の軸方向に対し螺旋方向に形成されている。また、ジェネレータ16のさらに内径部には軸方向の貫通穴19が形成されている。
さらにジェネレータ16の後方側には、ジェネレータ16の貫通穴19の直径よりも大きい内径を有するチューブ(気流通路)20が連結され、且つこのチューブ20の後方端に、第3図に示すような、高圧渦流の一部を外気中へ放出する量を調整するコントロールバルブ21を備えている。なお、このコントロールバルブ21は、その外周部に設けられた熱風吐出量調整用ねじ46をチューブ20にねじ込むことにより、チューブ20に設けられている。
また、回転軸1部には、第1図に示すように、複数個の冷却風流通路22が、周方向に等間隔に形成されている。なお、この冷却風流通路22は、第一の冷却風流通路と、第二の冷却風流通路とから構成されており、第一の冷却風流通路は、一端がフィン15側の軸端に開口し、他端がリア側ラジアル磁気軸受ロータ2b部の内壁部に開口する、回転軸1内部を軸方向に延在する構成と成っている。また第二の冷却風流通路は、第一の冷却風流通路におけるリア側ラジアル磁気軸受ロータ2b部側の開口部と連通し、フロント側ラジアル磁気軸受ロータ2a部の負荷側端部まで延在するよう回転軸1の外周部に形成されたスプライン状部と、このスプライン状部の開放部を閉塞する、リア側ラジアル磁気軸受ロータ2b、主軸モータロータ4、アキシャル磁気軸受ディスク3、フロント側ラジアル磁気軸受ロータ2a及びロータ間に位置するカラーの各内周壁とから構成されている。
なおまた、この実施の形態1では、フィン15、ジェネレータ16、チューブ20及びコントロールバルブ21により、高速回転する回転軸1の駆動力を用いて低温の冷却風を生成する冷却風生成手段を構成している。また、フィン15とジェネレータ16の一部とで、圧縮気流生成手段を構成している。更にまた、フレーム10、負荷側ブラケット11及び反負荷側ブラケット12により、筐体を構成している。
この実施の形態1に係る磁気軸受スピンドルユニットは、以上のように構成されている。
この構造によれば、一般に磁気軸受スピンドルユニットは超高速回転で使用されることがほとんどであるため、回転軸1が超高速回転するとフィン15によりスピンドル後方に向かう高速空気流が生成される。この高速空気流はジェネレータ16の吸入口17に送り込まれ、吐出口18より放出されるが、その途中、ジェネレータ16がテーパ小となっていることと螺旋方向に形成されていることにより、吐出口18より放出される折には高圧渦流となり、隣接するチューブ20内の周面に対し、その接線方向に向かって音速に近い速度で吐出される。そして、チューブ20内に送り込まれた高速渦流は、その後方に設けられたコントロールバルブ21に向かって移動する過程で、大きな遠心力が作用して圧力と密度が急上昇すると共に、管路抵抗を増加させて温度が上昇し、熱風となって熱風吐出口23から外気中へ放出される。また、これと同時に前記高速渦流の遠心力により、チューブ20の中心付近は密度が疎な状態になると共に、熱風となる外側渦流と同方向に回転しながら、熱風吐出口23とは反対方向にあるジェネレータ16の貫通穴19に向かって逆方向に移動する。この移動する過程で、内側渦流は減速する制動作用のため外側渦流に対して仕事を行って温度が低下するため、冷却風となって、ジェネレータ16の貫通穴19より排出される。なお、この冷却風の生成原理は、1930年頃 フランスの物理学者Georges Ranqueによって発見されたもので、例えば、7PMa、20℃の圧縮空気を640L/min供給すれば、−55℃の100L/minの空気をジェネレータ16の貫通穴19より噴出する。そして、この貫通穴19はチューブ20の内径よりも小さいため、冷却風となった内側渦流のみが通過でき、効率の良い構造となっている。また、回転軸1の内部には軸方向に貫通する冷却風流通路22が形成されているため、ジェネレータ16の貫通穴19より吐出された冷却風は、矢印で示すように、回転軸1の内部をスピンドルユニット前方(負荷側)に向かって移動し、その過程で回転軸1を冷却して、最終的に回転軸1の前方部(負荷側)より外気中へ放出される。
即ち、この構造においては、冷却風発生部に駆動部分のない極めて簡単な構造であり、しかも、回転軸1自身が超高速で回転することを利用して、外部にコンプレッサ等の圧縮器等を使用せずに高圧空気を生成し、冷却風を作り出すことができる。そして、生成された冷却風を回転軸1の内部を通過させることにより、効率良く回転軸1を冷却することができる。
なお、ジェネレータ16の貫通穴19より、回転軸1の方向へ吐出される冷却風の量は、熱風吐出口23から排出される熱風の量を調整することより、コントロールできる。つまり、コントロールバルブ21の調整によって任意に定めることができる。
実施例の形態2.
次に本発明の実施の形態2を、第4図及び第5図を用いて説明する。
なお、本発明の実施の形態2も、実施の形態1と同様に、磁気軸受装置を、工具を回転させるスピンドルに用いた磁気軸受スピンドルユニットを示しており、第3図はその磁気軸受スピンドルユニットの全体構成を示す断面図、第4図はその磁気軸受スピンドルユニットに使用するジェネレータ構造を示す図で、(a)は正面図、(b)は図(a)のZ−Z線断面図、(c)は図(a)の背面図ある。
そしてこの磁気軸受スピンドルユニットは、次のように構成されている。
即ち、反負荷側ブラケット12及びフレーム10に、軸方向に延在し且つ周方向に等間隔に位置する複数個の冷却風流通路26が形成されている(この実施の形態の場合には、2本の冷却風流通路26が形成されている)。また、この冷却風流通路26に夫々連通し、アキシャル磁気軸受ディスク3の外周部に開口する冷却風流通路26が、アキシャル磁気軸受ステータ6a,6bの軸方向位置決め用カラー27に形成されている。即ち、この冷却風流通路26は、その一端がアキシャル磁気軸受ディスク3の外周部に開口し、他端が反負荷側ブラケット12の外部端面に開口する構成となっている。
第4図はフィン15と適当な間隔を隔てて固定されたジェネレータ16のみを取り出して図示したものであり、このジェネレータ16の貫通穴19の内径よりさらに内側からジェネレータ16の径方向に、ジェネレータ16の外部に通ずる複数本のパイプ24(この実施の形態の場合には、2本のパイプ)が貫通固定されており、またこのパイプ24のジェネレータ16内の一端25はチューブ20の方向を向いて設置されている。
そしてこのパイプ24の他端は、冷却風流通路26の反負荷側ブラケット12側の開口部に接続されている。
なおその他の構成は、実施の形態1で説明した磁気軸受スピンドルユニットと同様の構成である。
この構造によれば、回転軸1が超高速回転するとフィン15によりスピンドル後方に向かう高速空気流が生成される。この高速空気流はジェネレータ16の吸入口17に送り込まれ、吐出口18より放出されるが、その途中、ジェネレータ16がテーパ小となっていることと螺旋方向に形成されていることにより、吐出口18より放出される折には高圧渦流となり、隣接するチューブ20内の周面に対し、その接線方向に向かって音速に近い速度で吐出される。そして、チューブ20内に送り込まれた高速渦流はその後方に設けられたコントロールバルブ21に向かって移動する過程で、大きな遠心力が作用して圧力と密度が急上昇すると共に、管路抵抗を増加させて温度が上昇し、熱風となって熱風吐出口23から外気中へ放出される。また、これと同時に前記高速渦流の遠心力により、チューブ20の中心付近は密度が疎な状態になると共に、熱風となる外側渦流と同方向に回転しながら、熱風吐出口23とは反対方向にあるジェネレータ16の貫通穴19に向かって逆方向に移動する。この移動する過程で、内側渦流は減速する制動作用のため外側渦流に対して仕事を行って温度が低下するため、冷却風となって、ジェネレータ16の貫通穴19より排出される。この貫通穴19はチューブ20の内径よりも小さいため、冷却風となった内側渦流のみが通過でき、効率の良い構造となっている。また、回転軸1の内部には軸方向に貫通する冷却風流通路22が形成されているため、ジェネレータ16の貫通穴19より吐出された冷却風は、矢印で示すように、回転軸1の内部をスピンドルユニット前方に向かって移動し、その過程で回転軸1を冷却して、最終的に回転軸1の前方部より外気中へ放出される。さらに、ジェネレータ16の内部に設けられたパイプ24の一端25がチューブ20の方向を向いて設置されているため、矢印で示すように、ジェネレータ16より吐出される冷却風の一部はこのパイプ24に吸入され、反負荷側ブラケット12、フレーム10の内部に設けられた冷却風流通路26を通過してアキシャル磁気軸受ステータ6の軸方向位置決め用カラー27の外径部より、ユニット内部へ侵入する。このカラー27の部分より侵入する冷却風は主に、アキシャル磁気軸受ディスク3とアキシャル磁気軸受ステータ6a、6bの間の空隙、リア側ラジアル磁気軸受ロータ2aとラジアル磁気軸受ステータ5aの間の空隙、主軸モータロータ4と主軸モータステータ7の間の空隙、ならびにラジアル磁気軸受ロータ2bとラジアル磁気軸受ステータ5bの間の空隙を通過して外気中へ放出され、外気中へ向かって移動する過程で回転軸1表面、及び各ステータを冷却する。
即ち、この構造においては、実施の形態1で説明した場合と同様の原理により、効率良く回転軸1及び各ステータを冷却することができる。
なお、コントロールバルブ21の調整により、冷却風の量を調整できることも同様である。
実施例の形態3.
次に本発明の実施の形態3を、第6図及び第7図を用いて説明する。
なお、本発明の実施の形態3も、実施の形態1と同様に、磁気軸受装置を、工具を回転させるスピンドルに用いた磁気軸受スピンドルユニットを示している。
そしてこの磁気軸受スピンドルユニットは、次のように構成されている。
即ち、アキシャル磁気軸受ディスク3の外径部には、径方向に空気流を形成するためのラジアルフィン28が設けられている。また、このフィン28と適当な間隔を隔てて設置されたアキシャル磁気軸受ステータ6a,6bの軸方向位置決め用カラー27には、その内径部から外径部に向かってテーパ小となる吸気口29が複数箇所に設けられており、テーパ小となる側の供給口30は、ジェネレータ16の外径部に通じている。このジェネレータ16は、供給口30と対向する位置に位置するとともに、フレーム10の内部に固定されている。またこのジェネレータ16は、第7図((a)は正面図、(b)は図(a)の縦断面図)にその詳細を示すように、供給口30より噴出された空気流を渦流に変換し気流通路32を流通させるため、供給口30より噴出された空気流を取込むための複数の切欠き部を、側面外周部に等間隔に有し、且つこの切欠き部より内周部に向かう螺旋状溝31が側面部に施されている。またこのジェネレータ16は、その中心部には軸方向の貫通穴19を有している。なお、第7図中、18は渦流吐出口である。
さらに、このジェネレータ16のユニット後方側に、その内径がジェネレータ16の貫通穴19の直径よりも大きい気流通路32を、フレーム10及び反負荷側ブラケット12の内部に軸方向に形成し、またこの気流通路32の後方端にコントロールバルブ21を有している。また、このジェネレータ16のユニット前方側にも、ジェネレータ16の貫通穴19からユニット内部へ通ずる冷却風流通路33が、フレーム10、及び負荷側ブラケット11の内部に施されている。
なおその他の構成は、実施の形態1、2で説明した磁気軸受スピンドルユニットと同様の構成である。
この構造によれば、回転軸1が超高速回転すると、アキシャル磁気軸受ディスク3の外径部に形成されたラジアルフィン28の効果により、径方向に向かう高速空気流が生成される。この高速空気流はアキシャル磁気軸受ステータ6a,6bの軸方向位置決め用カラー27に設けられた吸気口29に取り込まれるが、この吸気口29の形状が外径方向に向かうに従ってテーパ小となる形状であるため、このカラー27の外径部の供給口30から吐出する際には高圧空気となっている。この高圧空気はジェネレータ16の外径部に送り込まれ、このジェネレータ16に施された螺旋状溝の効果により、ジェネレータ16の吐出口18より放出される折には高圧渦流となり、ユニット後方側に隣接するフレーム10内の気流通路32内の周面に対し、その接線方向に向かって音速に近い速度で吐出される。アキシャル磁気軸受ディスク3の外径は回転軸1の各部位の中で最も外径が大きいので、その他の部位で高速渦流を生成するよりも、最も効果が大きい。そして、気流通路32内に送り込まれた高速渦流はその後方に設けられたコントロールバルブ21に向かって移動する過程で、大きな遠心力が作用して圧力と密度が急上昇すると共に、管路抵抗を増加させて温度が上昇し、熱風となって熱風吐出口23から外気中へ放出される。また、これと同時に前記高速渦流の遠心力により、気流通路32の中心付近は密度が疎な状態になると共に、熱風となる外側渦流と同方向に回転しながら、熱風吐出口23とは反対方向にあるジェネレータ16の貫通穴19に向かって逆方向に移動する。この移動する過程で、内側渦流は減速する制動作用のため外側渦流に対して仕事を行って温度が低下するため、冷却風となって、矢印で示すように、ジェネレータ16の貫通穴19をユニット前方側へ向かって通過する。この貫通穴19は気流通路32の内径よりも小さいため、冷却風となった内側渦流のみが通過でき、効率の良い構造となっている。そして、この冷却風はジェネレータ16の前方部に位置するフレーム10、負荷側ブラケット11に設けられた冷却風流通路33に送り込まれ、ユニット内部に運ばれ、回転軸1の表面、ならびに各ステータを冷却する。
即ち、この構造においては、実施の形態1、2で説明したものと同様の原理により、効率良く回転軸1、及び各ステータを冷却することができる。
なお、コントロールバルブ21の調整により、冷却風の量を調整できることも同様である。
実施例の形態4.
次に本発明の実施の形態4を、第8図を用いて説明する。
なお、本発明の実施の形態4も、実施の形態1と同様に、磁気軸受装置を、工具を回転させるスピンドルに用いた磁気軸受スピンドルユニットを示している。
そしてこの磁気軸受スピンドルユニットは、次のように構成されている。
即ち、アキシャル磁気軸受ディスク3の外径部にラジアルフィン28を設け、その効果により冷却風を生成する構造は実施の形態3と同様である。この実施の形態4では、さらに回転軸1内部に軸方向に貫通する冷却風流通路22を形成すると共に、冷却風を冷却風流通路22に取り込みやすくするためのフィン34が、回転軸1における冷却風流通路35の開口部と対向する位置に設けられている。また、冷却風流通路35から吹出された冷却風を、冷却風流通路22へ効率良く取り込むための冷却風案内板35が、その周囲部が負荷側ブラケット11とフレーム10との間に狭時されることにより設置されている。
なお、冷却風流通路22は、回転軸1におけるフィン34設置部から変位センサ14b近傍まで延在するよう回転軸1の外周部に形成されたスプライン状部と、このスプライン状部の開放部を閉塞する、リア側ラジアル磁気軸受ロータ2b、主軸モータロータ4、アキシャル磁気軸受ディスク3、フロント側ラジアル磁気軸受ロータ2a及び各ロータ間に配設されたカラーの各内周壁とから構成されている。
またその他の構成は、実施の形態3で説明した磁気軸受スピンドルユニットと同様の構成である。
この構造によれば、回転軸1が超高速回転するとアキシャル磁気軸受ディスク3の外径部に形成されたラジアルフィン28の効果により、径方向に向かう高速空気流が生成される。この高速空気流はアキシャル磁気軸受ステータ6a,6bの軸方向位置決め用カラー27に設けられた吸気口29に取り込まれるが、この吸気口29の形状が外径方向に向かうに従ってテーパ小となる形状であるため、このカラー27の外径部の供給口30から吐出する際には高圧空気となっている。この高圧空気はジェネレータ16の外径部に送り込まれ、このジェネレータ16に施された螺旋状溝の効果により、ジェネレータ16の吐出口18より放出される折には高圧渦流となり、ユニット後方側に隣接するフレーム10内の気流通路32内の周面に対し、その接線方向に向かって音速に近い速度で吐出される。アキシャル磁気軸受ディスク3の外径は回転軸1の各部位の中で最も外径が大きいので、その他の部位で高速渦流を生成するよりも、最も効果が大きい。そして、気流通路32内に送り込まれた高速渦流はその後方に設けられたコントロールバルブ21に向かって移動する過程で、大きな遠心力が作用して圧力と密度が急上昇すると共に、管路抵抗を増加させて温度が上昇し、熱風となって熱風吐出口23から外気中へ放出される。また、これと同時に前記高速渦流の遠心力により、気流通路32の中心付近は密度が疎な状態になると共に、熱風となる外側渦流と同方向に回転しながら、熱風吐出口23とは反対方向にあるジェネレータ16の貫通穴19に向かって逆方向に移動する。この移動する過程で、内側渦流は減速する制動作用のため外側渦流に対して仕事を行って温度が低下するため、冷却風となって、矢印で示すように、ジェネレータ16の貫通穴19をユニット前方側へ向かって通過する。この貫通穴19は気流通路32の内径よりも小さいため、冷却風となった内側渦流のみが通過でき、効率の良い構造となっている。そして、この冷却風はジェネレータ16の前方部に位置するフレーム10、負荷側ブラケット11に設けられた冷却風流通路33に送り込まれ、ユニット内部に運び込まれるが、冷却風案内板35により、そのほとんどは回転軸1に設けられたフィン34付近に集中する。このフィン34は回転軸1内部に形成された冷却風流通路22に冷却風を取り込むように形成されているため、ほとんどの冷却風が冷却風流通路22を通過し、その過程において回転軸1を効率良く冷却する。
即ち、この構造においては、実施例1〜3で説明したものと同様の原理により、効率良く回転軸1することができる。なお、コントロールバルブ21の調整により、冷却風の量を調整できることも同様である。
実施例の形態5.
次に本発明の実施の形態5を、第9図を用いて説明する。
なお、本発明の実施の形態5も、実施の形態1と同様に、磁気軸受装置を、工具を回転させるスピンドルに用いた磁気軸受スピンドルユニットを示している。
そしてこの磁気軸受スピンドルユニットは、次のように構成されている。
即ち、アキシャル磁気軸受ディスク3の外径部には、径方向に空気流を形成するためのラジアルフィン28が設けられ、且つこのフィン28と適当な間隔を隔ててアキシャル磁気軸受ステータ6a,6bの軸方向位置決め用カラー27が設置されている。このカラー27は、その内径部から外径部に向かってテーパ小となる吸気口29が設けられており、テーパ小となる側の供給口30は、フレーム10、及び反負荷側ブラケット12の内部に設けられた高圧気流通路36に連結されている。反負荷側ブラケット12の高圧空気吐出口37は、磁気軸受スピンドルユニットの外部に設置されている渦流冷却器(冷却風生成手段)38の高圧空気吸入口39にパイプ等により連結されている。また、磁気軸受スピンドルユニットには、高圧気流通路36と重ならない別の箇所に、ユニット外部からユニット内部へ貫通する冷却風流通路42が、フレーム10、負荷側ブラケット11、反負荷側ブラケット12に形成されており、且つ反負荷側ブラケット12の冷却風吸入口43と渦流発生器38の冷却風吐出口41はパイプ等により連結されている。
なお、前記渦流冷却器38は、チューブ、高庄空気流を渦流に変換するジェネレータ、及び冷却風の量を調整するコントロールバルブから構成されており、前記実施の形態で説明したものと同様に動作して冷却風吐出口41に冷却風を噴出する。
この構造によれば、回転軸1が超高速回転するとアキシャル磁気軸受ディスク3の外径部に形成されたラジアルフィン28の効果により、径方向に向かう高速空気流が生成される。この高速空気流はアキシャル磁気軸受ステータ6a,6bの軸方向位置決め用カラー27に設けられた吸気口29に取り込まれるが、この吸気口29の形状が外径方向に向かうに従ってテーパ小となる形状であるため、このカラー27の外径部の供給口30から吐出する際には高圧空気となっている。この高圧空気はフレーム10、及び反負荷側ブラケット12の内部に設けられた高圧気流通路36を通って高圧空気吐出口37より放出され、渦流冷却器38の高圧空気吸入口39へ送り込まれる。渦流冷却器38の内部においては、前記実施の形態で説明したものと同様の原理により、内部で熱交換が行われ、熱風は熱風吐出口40より磁気軸受スピンドルユニットに熱的影響を及ぼさない所の外気中へ放出される。また、渦流冷却器38にて生成された冷却風は冷却風吐出口41より放出され、連結される冷却風吸入口43より磁気軸受スピンドルユニットへ送られる。この冷却風は冷却風流通路42を通過してユニット内部へ送り込まれ、回転軸1、及び各ステータを効率良く冷却する。
なお、この実施の形態であっても、渦流冷却器38より噴出された冷却風を、実施の形態1、3,4に示すように、回転軸1の周囲に流すように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
以上のように本発明に係る磁気軸受装置は、工作機械のスピンドルユニット等に用いられるのに適している。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸にラジアル磁気軸受ロータとアキシャル磁気軸受ディスクとが固着された回転自在な回転体と、この回転体の周りに微小間隔を介して配置された電磁石と、これらを収納する筐体とを備えた磁気軸受装置において、
前記回転体の駆動力を用いて低温の冷却風を生成する冷却風生成手段と、この冷却風生成手段にて生成された低温の冷却風を磁気軸受装置内部に流通させる冷却風流通路とを備えてなる磁気軸受装置。
【請求項2】
前記冷却風生成手段は、前記回転体の駆動力を用いて高速気流を生成する高速気流生成手段と、この高速気流生成手段にて生成された高速気流を渦流に変換する変換手段と、この変換手段にて変換された高速渦流を流通させる気流通路と、この気流通路の反変換手段側に設けられたコントロールバルブとを備えたものであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の磁気軸受装置。
【請求項3】
ラジアル磁気軸受ロータとアキシャル磁気軸受ディスクとが固着された回転自在な回転軸と、前記ラジアル磁気軸受ロータ及びアキシャル磁気軸受ディスクに対して微小間隔を介して配置された電磁石と、これらを収納する筐体とを備えた磁気軸受装置において、
前記回転軸に設けられ、この回転軸の駆動力により軸方向の気流を発生させるフィン、このフィンと所定間隔を介して固定され、高速渦流を生成するジェネレータ、このジェネレータにて生成された高速渦流を流通させるチューブ、及びこのチューブの反ジェネレータ側に設けられたコントロールバルブを有し、低温の冷却風を生成する冷却風生成手段と、この冷却風生成手段にて生成された低温の冷却風を磁気軸受装置内部に流通させる冷却風流通路とを備えてなる磁気軸受装置。
【請求項4】
前記冷却風流通路は、前記回転軸部に、軸方向に延在するように設けられていることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の磁気軸受装置。
【請求項5】
前記冷却風流通路は、筐体に設けられた冷却風流通路と、この筐体に設けられた冷却風流通路に前記低温の冷却風を導くパイプとを有することを特徴とする請求の範囲第3項または第4項に記載の磁気軸受装置。
【請求項6】
ラジアル磁気軸受ロータとアキシャル磁気軸受ディスクとが固着された回転自在な回転軸と、前記ラジアル磁気軸受ロータ及びアキシャル磁気軸受ディスクに対して微小間隔を介して配置された電磁石と、これらを収納する筐体とを備えた磁気軸受装置において、
前記アキシャル磁気軸受ディスクに設けられ、このアキシャル磁気軸受ディスクの外径方向に向かう気流を発生させるフィン、このフィンの外周部に位置し、前記フィンにて発生させられた気流を取込み且つ外径方向に向かって高速気流として吹出す供給口、この供給口より吹出された高速気流を、渦流に変換するジェネレータ、前記筐体に軸方向に延在するように設けられ、このジェネレータにて生成された高速渦流を流通させる気流通路、及びこの気流通路の反ジェネレータ側に設けられたコントロールバルブを有し、低温の冷却風を生成する冷却風生成手段と、この冷却風生成手段にて生成された低温の冷却風を磁気軸受装置内部に流通させる冷却風流通路とを備えてなる磁気軸受装置。
【請求項7】
前記低温の冷却風を回転軸部に導く案内部を設けたことを特徴とする請求の範囲第6項に記載の磁気軸受装置。
【請求項8】
前記冷却風流通路は、前記筐体に設けられ、前記冷却風生成手段にて生成された低温の冷却風が流通する冷却風流通路と、この冷却流通路を通過した冷却風を回転軸部に導く案内板と、回転軸部に設けられ、前記案内板にて案内された冷却風を軸方向に流通させ、回転軸部を冷却する冷却風流通路とを有することを特徴とする請求の範囲第6項に記載の磁気軸受装置。
【請求項9】
ラジアル磁気軸受ロータとアキシャル磁気軸受ディスクとが固着された回転自在な回転軸と、前記ラジアル磁気軸受ロータ及びアキシャル磁気軸受ディスクに対して微小間隔を介して配置された電磁石と、これらを収納する筐体とを備えた磁気軸受装置において、
前記アキシャル磁気軸受ディスクに設けられ、このアキシャル磁気軸受ディスクの外径方向に向かう気流を発生させるフィン、このフィンの外周部に位置し、前記フィンにて発生させられた気流を取込み且つ外径方向に向かって高速気流として吹出す供給口、この供給口より吹出された高速気流を流通させる気流通路、この気流通路より吹出された高速気流を、渦流に変換するジェネレータ、このジェネレータにて生成された高速渦流を流通させるチューブ、及びこのチューブの反ジェネレータ側に設けられたコントロールバルブを有し、低温の冷却風を生成する冷却風生成手段と、この冷却風生成手段にて生成された低温の冷却風を磁気軸受装置内部に流通させる冷却風流通路とを備えてなる磁気軸受装置。

【国際公開番号】WO2005/003580
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【発行日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503386(P2005−503386)
【国際出願番号】PCT/JP2003/008544
【国際出願日】平成15年7月4日(2003.7.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】