神経変性障害を治療する組成物およびその使用方法
神経変性障害(例えば、緑内障、多発性硬化症、重症筋無力症、糖尿病性神経障害、脳血管障害、脊髄傷害、ALS、パーキンソン病および特発性痴呆など)を治療するための組成物、および、そのような組成物を使用する方法が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経変性障害(例えば、緑内障、多発性硬化症、重症筋無力症、糖尿病性神経障害、脳血管障害、脊髄傷害、ALS、パーキンソン病および特発性痴呆など)を治療するために使用することができる新規な組成物、および、そのような組成物を使用する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
脳、脊髄、嗅神経、視神経および目の網膜を含む中枢神経系(CNS)の構成成分は、どのような原因の損傷であっても、損傷後に回復することができず、また、疾患または傷害によって引き起こされる形態学的損傷および機能的損傷は通常、永久的であることが一般に受け入れられている。薬物療法が、症状の緩和を提供するために利用できるだけであるが、場合により、薬物療法はまた、疾患の経過を遅らせることができる。
【0003】
治療不能な神経変性疾患の一例が緑内障性神経障害(緑内障)である。緑内障は、世界中で約6600万人が罹患し、アメリカ合衆国だけでおよそ300万人の患者がいる大きな公衆衛生問題である。緑内障は、視覚喪失および失明を引き起こす視神経の変性疾患である。緑内障の特徴的な特徴は網膜の神経節細胞における進行性の死である。多くの場合において、これは、増大した眼内圧によって引き起こされ、増大した眼内圧により、視神経での軸索変性および神経節細胞の喪失が生じる。
【0004】
早期診断が緑内障の治療では非常に重要である。この疾患に対する治療はないが、この疾患は、ある程度、手術および薬物療法により抑えることができる。薬物の長期間にわたる使用が要求される。いくつかの薬物は、頭痛を引き起こすか、または、他の副作用を生じさせることが知られている。従って、神経節細胞の死を著しく停止させる新しい薬物が緊急に求められている。
【0005】
パーキンソン病は、中高年者に見出される別の一般的な不治の神経変性疾患である。この疾患の約50000人の新規患者がアメリカ合衆国だけで報告されている。この疾患の主要な臨床的症状発現は、運動緩慢(随意運動における困難)、強直、身体の震え、姿勢を保つことができないこと、および、平衡感覚障害である。この疾患は、中脳領域における黒質での色素沈着ニューロンの喪失によって特徴づけられる。黒質におけるドーパミン作動性ニューロン、および、脳幹における他のカテコールアミンニューロンがこの病気では選択的に失われる。細胞死または障害の原因は不明である。
【0006】
パーキンソン病は現在、治療することができない。薬物療法が、症状からの緩和を提供するために利用できるにすぎない。薬物療法によるパーキンソン病の治療に対して2つの一般的な方法がある。第1の方法では、脳におけるドーパミンの喪失を遅らせることが試みられ、第2の方法では、パーキンソン病の症状を他の手段によって治療することが試みられる。ドーパミンアゴニストは短期間の副作用(例えば、吐き気、嘔吐、めまい、立ちくらみ、錯乱および幻覚など)の大きい危険性を有する。抗コリン作動剤が、アセチルコリンの量を低下させることによって脳の2つの神経伝達物質(ドーパミンおよびアセチルコリン)の間のバランスを回復させるために使用される。これは、パーキンソン病患者における震えおよび筋肉硬直を軽減する。しかしながら、これらの薬物療法は、特に高齢者では記憶および思考を損ない得る。従って、それらは今日ではまれにしか使用されない。
【0007】
Levadopaはパーキンソン病のための最も広く使用されている薬物である。Levadopaは、ある期間、その多くの衰弱性症状の発症を遅らせる。しかしながら、Levadopaは必ずしもすべての症状を緩和しない。Levadopaは副作用がないわけではない。吐き気、嘔吐、低血圧、不随意運動、および、情緒不安が、この薬物を使用している患者において認められている。
【0008】
上記で記載されたように、脳の疾患および病気は一般に治療不能である。利用可能な治療のすべてが症状に対してであり、緩和は限られている。薬物の長期間にわたる使用は様々な有害な影響を患者に対して有する。治療では、多くの場合、外科的介入が求められる。侵襲的手法は、不可逆的な損傷を引き起こす潜在的可能性があるので、危険がないわけではない。米国特許第6405079号は、様々な神経学的状態を治療することにおける様々な不十分な点を議論する一方で、電極の永続的な埋め込みを必要とする侵襲的手法を教示する。米国特許第6277372号もまた、様々な神経変性疾患について治療が一般にはないことを示唆する。米国特許第6277372号はこれらの疾患を神経回路における欠陥に突き止め、ブタの神経細胞をヒト対象に移植することによって神経変性疾患を治療する方法を提供している。そのような方法は極めて高度な医学的手法を必要とし、かつ、費用が非常に高額になり得る。加えて、米国特許第6277372号において指摘されたように、そのような治療は通常、免疫抑制薬物の投与が付随する。さらには、許容され、かつ安全な一連の治療としての異質の神経体の移植は議論の余地がある。
【0009】
栄養学的化合物(ビタミン、ミネラル、薬草および他の化合物を含む)の使用が米国特許出願第20040001896号において提案されており、また、数多くの組成物が市販されている(例えば、Brain Sustain(商標)、NeuroplusおよびSenescegarl(商標)など)。しかしながら、組成物の正確な構成成分および各構成成分の正確な濃度は、特定の治療様式における組成物の投与と同様に、組成物の治療的効能に顕著な影響を及ぼし得る。
【0010】
従って、現在利用可能な治療において記載される欠点を克服し、かつ、神経学的系を冒す状態を治療する安全かつ天然の組成物を提供することが本発明の目的である。
【発明の開示】
【0011】
神経変性疾患を治療する方法、そのためのその使用、および、そのための医薬組成物を提供することが本発明の目的である。
【0012】
緑内障性神経障害を治療する方法および医薬組成物を提供することが本発明の別の目的である。
【0013】
従って、本発明の1つの態様によれば、有効成分として、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ(Gingko bioloba)、ならびに、ビタミン、ミネラル、アミノ酸および薬草からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、かつ、生理学的に許容され得る医薬用のキャリアまたは希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
【0014】
本発明の別の態様によれば、神経変性障害を治療する、前記医薬組成物の使用が提供される。
【0015】
本発明のさらに別の態様によれば、神経変性障害を治療するために特定された医薬品を製造する、前記医薬組成物の使用が提供される。
【0016】
本発明のさらに別の態様によれば、対象における神経変性障害を治療する方法が提供され、この場合、この方法は、その必要性のある対象に前記医薬組成物を与え、それにより、対象における神経変性障害を治療することを含む。
【0017】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、ビタミンは、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンH、コリン、葉酸およびパラアミノ安息香酸(PABA)からなる群から選択される。
【0018】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、ミネラルは、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、カリウム、セレン(ピコリン酸塩)および亜鉛からなる群から選択される。
【0019】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるなおさらなる特徴によれば、薬草は、アルム・サチブム(Allum Sativum)(ニンニク)、ブラックカラント、ブロムライン(Bromlain)、エキナセア、オタネニンジン(Ginseng(panax))、シベリアニンジン(Ginseng(Siberian))、ヒドラスタシス(Hydrastasis)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)(アルファルファ)、パシフロラ(Passiflora)、ナギイカダ(Ruscus aculeatus)、セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)およびビルベリー(Vaccinium myrtillus)からなる群から選択される。
【0020】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、少なくとも1つの物質は、DMAE(ジメチルアミノエタノール)、フラボノイド(ルチン)、グルタチオン、イノシトール、リコペン、メラトニン、オメガ−3脂肪酸、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルセリン、ケルセチンおよびユビキチン(Q10)からなる群から選択される。
【0021】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、神経変性障害は、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、糖尿病性神経障害、脳血管障害、脊髄傷害、緑内障性神経障害、自己免疫脳脊髄炎、アルツハイマー病、特発性痴呆およびハンチングトン病からなる群から選択される。
【0022】
本発明のさらに別の態様によれば、有効成分として、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ、ならびに、亜鉛、ピコリン酸セレン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンH、葉酸、クロム、マンガン、フラボノイド、ホスファチジルコリン、ジメチルアミノエタノール、オメガ−3脂肪酸、アルギニン、ビルベリー抽出物およびパラアミノ安息香酸(PABA)からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、かつ、生理学的に許容され得る医薬用のキャリアまたは希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
【0023】
本発明のさらに別の態様によれば、緑内障性神経障害を治療する、前記医薬組成物の使用が提供される。
【0024】
本発明のさらに別の態様によれば、緑内障性神経障害を治療するために特定される医薬品を製造する、前記医薬組成物の使用が提供される。
【0025】
本発明のさらに別の態様によれば、対象における緑内障性神経障害を治療する方法が提供され、この場合、この方法は、その必要性のある対象に前記医薬組成物を与え、それにより、対象における緑内障性神経障害を治療することを含む。
【0026】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、医薬組成物はさらに、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、コリン、葉酸、カルシウム、ブロムライン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、カリウム、ホスファチジルセリン、ケルセチン、ユビキチン、グルタチオン、イノシトール、メラトニン、アスパラギン酸塩、システイン、グルタミン酸塩、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アルム・サチブム(ニンニク)、ブラックカラント、エキナセア、オタネニンジン、シベリアニンジン、ヒドラスタシス、ムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)、パシフロラ、ナギイカダおよびセイヨウオトギリソウからなる群から選択される1つまたは複数の物質を含む。
【0027】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、物質は、カリウム、マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンB12およびホスファチジルセリンからなる群から選択される。
【0028】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、ビタミンC、ビタミンE、イチョウおよび物質はそれぞれが個々の単位投薬形態物である。
【0029】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、組成物は単位投薬形態物に配合される。
【0030】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、単位投薬形態物は経口投与および/または直腸投与のために配合される。
【0031】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、単位投薬形態物は、ピル、錠剤、カプセル、ゲル−カプセルおよび坐薬からなる群から選択される。
【0032】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、単位投薬形態物は、500mg〜6000mgのビタミンC、200IU〜8000IUのビタミンE、および、40mg〜160mgのイチョウ抽出物を含む。
【0033】
本発明は、神経変性疾患を治療する新規な組成物を提供することによって、現在知られている形態の欠点に対処することに成功している。
【0034】
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料が下記に記載される。本明細書で挙げる刊行物、特許願、特許および他の参考文献はすべて、参照により援用するものである。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
【0035】
図面の説明
本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施態様を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理や概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1A〜図1Cは最初の視野分析の後で直ちに投与された下記の表2に詳しく記載されるような組成物による治療の後における02年1月31日から02年6月30日までの患者の視野において表されるような、緑内障性神経障害と診断された患者1の右目の視神経の回復を例示するコンピューター処理画像である[線図の暗くなった領域は、患者が見えない部分である。中線の左側における中線暗領域は正常な盲点を表す]。図1Aは、治療直前での02年1月31日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図1Bは、02年3月25日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図1Cは、02年6月30日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
図2A〜図2Bは最初の視野分析の後で直ちに投与された下記の表2に詳しく記載されるような組成物による治療の後における02年4月18日から02年9月25日までの患者の視野において表されるような、緑内障性神経障害と診断された患者2の右目の視神経の回復を例示するコンピューター処理画像である。図2Aは、治療直前での02年4月18日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図2Bは、02年9月25日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
図3A〜図3Jは最初の視野分析の後で直ちに投与された下記の表2に詳しく記載されるような組成物による治療の後における緑内障性神経障害と診断された患者3の両目の視神経の回復を例示するコンピューター処理画像である。図3Aは、治療直前での99年6月21日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Bは、99年7月4日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Cは、99年12月2日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Dは、00年3月9日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Eは、01年5月24日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Fは、99年6月21日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Gは、99年7月4日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Hは、99年12月2日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Iは、00年3月9日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Jは、01年5月24日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は、神経変性障害(例えば、緑内障性神経障害など)を治療する医薬組成物およびその使用方法に関連する。
【0037】
本発明の原理および操作は、図面および添付された説明を参照してより良く理解することができる。
【0038】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示される細部または実施例によって例示される細部に限定されないことを理解しなければならない。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施することができ、または様々な方法で実施される。また、本明細書中で用いられる表現および用語は説明のためであり、従って限定として見なされるべきではないことを理解しなければならない。
【0039】
神経機能の喪失によって特徴づけられる神経変性障害(例えば、パーキンソン病および緑内障性神経障害など)は、従来の薬物治療を使用して効率的に治療することができない。これは、そのような薬物は、典型的にはニューロンの変性によって引き起こされる根本的な疾患プロセスに対する作用を何ら有していないからである。その結果、薬物治療はニューロン細胞の増大する喪失を完全に補うことができない。
【0040】
本発明を実施に移しているとき、本発明者らは、神経変性障害を治療するために使用することができる新規な組成物を発見した。
【0041】
本発明の組成物は、正常な生理学のために通常的に必要とされるよりも好ましくは高い濃度で与えられる。投与された組成物は、疾患状態または一般的な状態のために患者において低下する成分、あるいは、回復を誘導するために要求される成分のいずれかを含む。
【0042】
本明細書中下記において、また、下記の実施例の節において例示されるように、緑内障患者に対する本発明の組成物の投与は、視野が明白な改善を示した前例のない回復をもたらした。この改善は、網膜および脳に対するその接続の回復を証明するものである。これらの結果は、緑内障患者では事実上不可能であると考えられており、また、本発明の組成物を、神経変性障害(例えば、緑内障など)を治療する優れた治療剤として位置づけている。
【0043】
従って、本発明の1つの態様によれば、有効成分として、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ、ならびに、ビタミン、ミネラル、アミノ酸および薬草からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、かつ、生理学的に許容され得る医薬用のキャリアまたは希釈剤を含む、神経変性障害を治療する医薬組成物が提供される。
【0044】
本明細書中で使用される表現「神経変性障害」は、神経組織、神経伝達物質または神経機能の徐々にではあるが、進行性の喪失によって特徴づけられる、神経系(好ましくは、CNS)の任意の障害、疾患または状態を示す。神経変性障害の例には、パーキンソン病、緑内障性神経障害、多発性硬化症、重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症、自己免疫脳脊髄炎、糖尿病性神経障害、脳血管障害(脳卒中)、アルツハイマー病、特発性痴呆およびハンチングトン病が含まれるが、これらに限定されない。表現「神経変性障害」はまた、神経の外傷(例えば、傷害、例えば、脊髄傷害および頭部傷害など)を示す。
【0045】
本明細書中で使用される「医薬組成物」は、本明細書中に記載される有効成分の1つまたは複数と、他の化学的構成成分(例えば、生理学的に好適なキャリアおよび賦形剤など)との調製物を示す。医薬組成物の目的は、生物に対する化合物の投与を容易にすることである。
【0046】
本明細書中において、用語「有効成分」は、生物学的作用を説明することができるビタミン、ミネラル、アミノ酸、化合物または薬草を示す。
【0047】
本明細書中下記において、表現「生理学的に許容され得るキャリア」および表現「医薬的に許容され得るキャリア」は交換可能に使用することができ、生物に対する著しい刺激を引き起こさず、かつ、投与された化合物の生物学的活性および生物学的性質を妨げないキャリアまたは希釈剤を示す。補助剤がこれらの表現に含まれる。
【0048】
本明細書中で使用される「ビタミンC」はアスコルビン酸を示し、これは、果実および野菜に見出される必須栄養素である。ビタミンCは様々な生物学的機能を含む。ビタミンCは、コラーゲンの産生および維持のために、ならびに、葉酸、チロシンおよびトリプトファンの代謝のために要求される。ビタミンCはまた、免疫応答を高め、それにより、感染から保護することが知られており、また、ビタミンCはチロキシンの産生において重要である。当然のことではあるが、ビタミンCは抗酸化的性質を含有する。本発明のビタミンCは合成形態または天然形態のビタミンC(例えば、コーンシロップまたはサゴヤシから抽出されて合成されたビタミンCなど)を示す。あるいは、ビタミンCは他の天然の供給源(例えば、バラの実、アセロラ・チェリー、コショウまたは柑橘類果実など)から抽出することができる。本発明のビタミンCはまた、アスコルビン酸の無機塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸亜鉛、アスコルビン酸モリブデン、アスコルビン酸クロムおよびアスコルビン酸マンガンなど)、パルミチン酸アスコルビルおよびD−イソアスコルビン酸を示す。ビタミンCは、Herbalife、Doctors TrustおよびNatrolのような企業から市販されている。
【0049】
本明細書中で使用される用語「ビタミンE」は、4つのトコフェロール(αβγδ)および4つのトコトリエノール(αβγδ)を含むビタミンEの8つの形態のいずれか1つまたは任意の組合せを示し、これらには、そのスクシナート塩誘導体、ニコチナート塩誘導体およびアセタート塩誘導体が含まれる。加えて、これらの化合物のそれぞれは、天然型形態である「d」形態、および、合成型形態である「dl」形態を有する。好ましくは、本発明の組成物はd−αトコフェロールまたはその塩誘導体を含む。これは、d−αトコフェロールがビタミンEの最も活性な形態であるからである。ビタミンEは、植物油(オリーブ油、ヒマワリ油およびベニバナ油)、ナッツ、精白していない穀粒、および、緑葉野菜のような食物から抽出することができる。ビタミンEは、抗酸化剤として体内で重要な役割を果たすことが知られている。ビタミンEは、HerbalifeまたはDoctors Trustのような企業から市販されている。
【0050】
本明細書中で使用される用語「イチョウ」は、イチョウの木またはその植物部分から抽出される有効成分を示し、これには、ギンコフラボングリコ、ビロバリドおよびテルペンラクトン(ギンコリドA、ギンコリドBおよびギンコリドCを含む)が含まれる。イチョウは強力な抗酸化剤であり、また、同様に、知られている血管拡張剤である。
【0051】
イチョウの木の様々な抽出物が市販されており、有効成分の濃度は様々である。標準化された抽出物の一例がEGb761(Natures Way、米国)であり、これは、およそ24%のフラボングリコリド(主に、ケルセチン、ケンプフェロールおよびイソラムネチン)および6%のテルペンラクトン(2.8%〜3.4%のギンコリドA、ギンコリドBおよびギンコリドC、ならびに、2.6%〜3.2%のビロバリド)を含む。ギンコリドBおよびビロバリドは抽出物全体の約0.8%および3%をそれぞれ占める。他の構成成分には、プロアントシアニジン類、グルコース、ラムノース、有機酸、D−グルカル酸およびギンコール酸が含まれる。
【0052】
標準化されたイチョウ抽出物の他の例には、Linnea(スイス)から入手可能である3つの配合物(EPG246:24%のギンコフラボングリコシド、6%のテルペンラクトン(これは下記の実施例の節で使用される);G328:32%のギンコフラボングリコシド、8%のテルペンラクトン;G320:32%のギンコフラボングリコシド、テルペンラクトンを含まず)が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
これらの有効成分は化学的に合成することができるか、または、それらの天然の供給源から抽出することができる。最初に、葉が乾燥され、次いで粉砕され、その後、粉末化され、葉の化学的構成成分を放出させる有機溶媒と混合される。このプロセスが、純度を確保するために、何回も繰り返される。その後、粗抽出物は、フラボノイドが混合物の明確な濃度を構成する程度にまで純化される。
【0054】
意図された使用に依存して、医薬組成物におけるビタミンCの濃度は約500mg〜6000mgの間であり、より好ましくは約1000mg〜4000mgの間である。医薬組成物におけるビタミンEの濃度は約200IU〜8000IUの間であり、より好ましくは約400IU〜2000IUの間であり、イチョウの濃度は約40mg〜160mgの間であり、より好ましくは約40mg〜120mgの間である。本明細書中において本明細書および下記の請求項の節で使用される場合、約の用語は±20%を意味する。
【0055】
目的とする神経学的障害のために好ましく使用される濃度範囲の具体的な例が本明細書中下記においてさらに示される。
【0056】
何らかの理論に拘束されないが、本発明の医薬組成物の治療効果の少なくとも一部は、脳における過剰なフリーラジカルの産生(アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症およびALSのような神経変性障害におけるマーカーおよび共通する特徴)を減少させるために必要であるビタミンC、ビタミンEおよびイチョウの抗酸化的性質に依ると考えられる。本発明の医薬組成物の治療効果はまた、その構成成分の一部の血管拡張的性質から、また、その構成成分の一部の結合組織弾性増強性質から、ならびに、それらの免疫調節作用から生じているかもしれないことが考えられる。上記の機構はすべてではなく、多くの他の機構が、この治療様式がもたらす神経回復を達成することにおいて有効であるかもしれない。
【0057】
本明細書中上記で述べられたように、本発明のこの態様の医薬組成物は、上記で記載されたビタミンとは別に、他のビタミンを含むことができる。
【0058】
本明細書中で使用される用語「ビタミン」は、神経変性障害を治療する治療活性を含む、天然型形態または合成型形態のいずれかであっても、天然に存在するビタミン、その前駆体、塩誘導体または代謝産物を示す。
【0059】
本発明のこの態様の医薬組成物に含めることができるビタミンの例には、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンH、コリン、葉酸およびパラアミノ安息香酸(PABA)が含まれるが、これらに限定されない。本発明のビタミンは、Herbalife、Doctors TrustおよびNatrolのような企業から市販されている。
【0060】
上記で述べられたように、本発明のこの態様の医薬組成物はミネラルを含むことができる。
【0061】
本明細書中で使用される用語「ミネラル」は、地質学的プロセスから生じる、典型的には結晶性である元素または化学化合物を示す。本発明のミネラルは、単離されたミネラルまたはその塩を示す。本発明において使用することができるミネラルの例には、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、カリウム、セレン(ピコリン酸塩)および亜鉛が含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
本発明の医薬組成物はまた、薬草を含むことができる。本明細書中で使用される用語「薬草」は、神経変性障害を治療する治療活性を含む、植物または植物全体の新鮮物または乾燥物あるいはその抽出物を示す。本発明において使用することができる薬草の例には、アルム・サチブム(ニンニク)、ブラックカラント、ブロムライン、エキナセア、オタネニンジン、シベリアニンジン、ヒドラスタシス、ムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)、パシフロラ、ナギイカダ、セイヨウオトギリソウおよびビルベリーが含まれるが、これらに限定されない。
【0063】
広範囲の様々な方法が、治療剤を薬草から製造するためにこの分野では知られている。例えば、薬草を極性(例えば、水性)抽出に供することができる。その後、水性抽出物は、大きな粒子を除く必要があるならば、ろ過され、続いて、(例えば、暖かい温風(例えば、65℃)に長期間(例えば、3日〜1週間など)さらすことによって)乾燥されて粉末にすることができる。あるいは、粉末に粉砕することによって、乾燥した薬草をそのまま使用することが可能である。
【0064】
本発明の医薬組成物はまた、天然に存在する物質を含むことができ、例えば、DMAE(ジメチルアミノエタノール)、フラボノイド(ルチン)、グルタチオン、イノシトール、リコペン、メラトニン、オメガ−3脂肪酸、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルセリン、ケルセチンおよびユビキチン(Q10)を含むことができる。これらの物質はそれらの免疫調節的性質および抗酸化的性質によって抗神経変性作用を含む。これらの物質のすべてを市販品としてどの健康食品ストアでも購入することができる。
【0065】
これらのさらなる構成成分の最大推奨濃度を本明細書中下記に示す。
【表1】
【0066】
的確な医薬組成物は、血液サンプルおよび尿サンプルの分析の後で対象の特定の必要性のためにそれに合わせて調節されることが想定される。
【0067】
調節は、対象の神経変性障害、障害の重篤度、年齢、体重および性別、ならびに、治療経過の長さに従って行われる。
【0068】
本発明者らは、医薬組成物が神経変性障害の緑内障性神経障害についてそれに合わせて調節され得ることを入念な実験によって示している。
【0069】
従って、本発明の他の態様によれば、緑内障性神経障害を治療する医薬組成物が提供される。
【0070】
緑内障性神経障害は、患者が、その視神経繊維の進行性萎縮、それに続く、網膜における神経節細胞の死の結果として、その視野の進行性喪失を受ける神経変性障害である。緑内障の現在の治療は、眼内圧を低下させ、それにより、視神経が萎縮するプロセスを停止させることを伴う。しかしながら、眼内圧を低下させることは、網膜における視神経ニューロンおよび視神経の回復をもたらさない。
【0071】
本発明のこの態様の医薬組成物は、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ、ならびに、亜鉛、ピコリン酸セレン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンH、葉酸、クロム、マンガン、フラボノイド、ホスファチジルコリン、ジメチルアミノエタノール、オメガ−3脂肪酸、アルギニン、ビルベリー抽出物およびパラアミノ安息香酸(PABA)からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む。好ましくは、そのような物質は、亜鉛、ピコリン酸セレン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、葉酸およびパラアミノ安息香酸(PABA)である。
【0072】
本発明のこの態様の医薬組成物はさらに、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、コリン、葉酸、カルシウム、ブロムライン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、カリウム、ホスファチジルセリン、ケルセチン、ユビキチン、グルタチオン、イノシトール、メラトニン、アスパラギン酸塩、システイン、グルタミン酸塩、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アルム・サチブム(ニンニク)、ブラックカラント、エキナセア、オタネニンジン、シベリアニンジン、ヒドラスタシス、ムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)、パシフロラ、ナギイカダおよびセイヨウオトギリソウからなる群から選択される1つまたは複数の物質を含むことができる。
【0073】
好ましくは、そのような物質は、カリウム、マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンB12およびホスファチジルセリンである。
【0074】
上記で述べられたように、本発明の医薬組成物は、対象が治療経過を始めた後の時間に従って調節することができる。下記の実施例の節において認められるように、本発明のこの態様の医薬組成物は3ヶ月および9ヶ月の治療の後で変化する。緑内障性神経障害を治療する典型的な医薬組成物およびその構成成分の典型的な濃度が、本明細書中下記における実施例の節の表2に列挙される。
【0075】
上記で述べられたように、本発明の医薬組成物は特定の神経変性障害に従って調節することができる。
【0076】
例えば、多発性硬化症を治療する医薬組成物は、好ましくは、セレン(例えば、200μg〜400μg)、ブロムライン(例えば、250mg〜3500mg)およびフラボノイド(例えば、100mg〜150mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0077】
重症筋無力症を治療する医薬組成物は、好ましくは、セレン(例えば、200μg〜400μg)、ビタミンB6(例えば、30mg〜180mg)、ビタミンA(例えば、5000IU〜25000IU)およびオタネニンジン(例えば、100mg〜200mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0078】
糖尿病性神経障害を治療する医薬組成物は、好ましくは、セレン(例えば、200μg〜400μg)、ビタミンB6(例えば、30mg〜180mg)およびブロムライン(例えば、250mg〜3500mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0079】
脳血管障害(脳卒中)および脊髄傷害を治療する医薬組成物は、好ましくは、ブロムライン(例えば、250mg〜3500mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0080】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療する医薬組成物は、好ましくは、ブロムライン(例えば、250mg〜3500mg)およびセレン(例えば、200μg〜400μg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0081】
パーキンソン病を治療する医薬組成物は、好ましくは、オタネニンジン(例えば、100mg〜200mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0082】
特発性痴呆を治療する医薬組成物は、好ましくは、ビタミンB1(例えば、10mg〜150mg)およびビタミンB3(20mg〜150mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0083】
好ましくは、本発明の組成物はまた、マグネシウム(例えば、30mg〜1000mg)、カリウム(例えば、2mg〜4mg)および亜鉛(例えば、15mg〜40mg)などのミネラルを含む。
【0084】
医薬組成物の構成成分はそれぞれを単位投薬形態物に個々に配合することができ、その結果、対象が特定の個々の構成成分およびその量を選択して、その特定の必要性に合わせることができるようにされる。あるいは、患者が服用法を守ることを励ますように、構成成分のいくつかを1つの組成物として配合することができる。例えば、ビタミンE、ビタミンCおよびイチョウを単一の組成物(例えば、単位投薬形態物など)に配合することができる。あるいは、特定の神経変性障害に対して特異的な構成成分を1つの組成物として配合することができる。従って、例えば、1つの組成物は、ビタミンE、ビタミンC、イチョウ、セレン、ブロムラインおよびフラボノイドを含むことができ、多発性硬化症のための単位投薬形態物に配合することができる。
【0085】
述べられたように、本発明の組成物は、神経変性障害をその必要性のある対象において治療するために使用することができる。
【0086】
本明細書中で使用される表現「その必要性のある対象」は、本明細書中上記で示された疾患または状態に罹っているか、あるいは、本明細書中上記で示された疾患または状態に罹る危険性がある(すなわち、素因を有する、例えば、遺伝的素因を有する)哺乳動物(好ましくは、ヒト)を示す。ヒト以外の哺乳動物の例には、飼育動物(例えば、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、家禽およびウマなど)が含まれる。
【0087】
本明細書中において本明細書および下記の請求項の節で使用される用語「治療」および用語「治療する」は、疾患からの完全な回復だけでなく、疾患に関連する症状の一部またはすべての緩和、疾患を有する患者の余命の延長を意味する。用語「治療」および用語「治療する」はまた、疾患の防止を意味する。
【0088】
薬物の配合および投与のための様々な技術を“Remington’s Pharmaceutical Sciences”(Mack Publishing Co.、Easton、PA;最新版)に見出すことができる(これは参考として本明細書中に組み込まれる)。
【0089】
好適な投与経路には、例えば、経口送達、直腸送達、経粘膜送達(特に、経鼻送達)、腸管送達または非経口送達(筋肉内注射、皮下注射および髄質内注射を含む)、ならびに、くも膜下注射、静脈内注射、鼻腔内注射または眼内注射が含まれ得る。好ましくは、本発明の医薬組成物は経口投与される。
【0090】
あるいは、医薬組成物は、全身的様式ではなく、局所的様式で投与することができ、例えば、患者の組織領域の中に直接、医薬組成物を注射することによって投与することができる。
【0091】
本発明の医薬組成物は、この分野で広く知られている様々なプロセスによって、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、包括化または凍結乾燥の従来のプロセスによって製造することができる。
【0092】
従って、本発明による使用のための医薬組成物は、医薬品として使用することができる調製物への有効成分の加工を容易にする、賦形剤および補助剤を含む1つまたは複数の医薬的に許容され得るキャリアを使用して従来の様式で配合することができる。適正な配合は、選ばれた投与経路に依存する。
【0093】
注射のために、医薬組成物の有効成分は、水溶液において、好ましくは、生理学的に適合し得る緩衝液(例えば、ハンクス液、リンゲル液または生理学的な塩緩衝液など)において配合することができる。経粘膜投与のために、透過すべきバリアに対して適切な浸透剤が配合において使用される。様々なそのような浸透剤がこの分野では一般に知られている。
【0094】
経口投与のために、医薬組成物は、有効化合物をこの分野で広く知られている医薬的に許容され得るキャリアと組み合わせることによって容易に配合することができる。そのようなキャリアは、本発明の医薬組成物が、患者による経口摂取のための錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー剤および懸濁物などとして配合されることを可能にする。経口使用される薬理学的調製物を、錠剤または糖衣錠コアを得るために、固体の賦形剤を使用し、得られた混合物を場合により粉砕し、そして、所望されるならば、好適な補助剤を加えた後で顆粒の混合物を加工して作製することができる。好適なキャリアは、具体的には、充填剤、例えば、糖(ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む);セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボメチルセルロースナトリウムなど;および/または生理学的に許容され得るポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)などである。所望されるならば、崩壊剤を加えることができる(例えば、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、または、アルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウムなど)など)。
【0095】
糖衣錠コアには、好適なコーティングが施される。この目的のために、高濃度の糖溶液を使用することができ、この場合、糖溶液は、場合により、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有することができる。色素または顔料を、有効成分の量を特定するために、または有効化合物の量の種々の組合せを特徴づけるために、錠剤または糖衣錠コーティングに加えることができる。
【0096】
経口使用され得る医薬組成物には、ゼラチンから作製されたプッシュ・フィット型カプセル、ならびに、ゼラチンおよび可塑剤(例えば、グリセロールまたはソルビトールなど)から作製された軟らかいシールされたカプセルが含まれる。プッシュ・フィット型カプセルは、充填剤(例えば、ラクトースなど)、結合剤(例えば、デンプンなど)、滑剤(例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)および場合により安定化剤との混合で有効成分を含有することができる。軟カプセルでは、有効成分を好適な液体(例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液状のポリエチレングリコールなど)に溶解または懸濁させることができる。加えて、安定化剤を加えることができる。経口投与される配合物はすべて、選ばれた投与経路について好適な投薬量でなければならない。
【0097】
本発明の作用剤はまた、食品添加物として提供され得ることがさらに理解される。
【0098】
表現「食品添加物」[これは米国食品医薬品局(FDA)により連邦規則基準21C.F.R.170.3(e)(1)において定義される]には、食品製造物に添加されることが意図される任意の液体または固体の物質が含まれる。このような物質には、例えば、明確な味覚および/または香りを有する作用剤、あるいは、生理学的作用を有する作用剤(例えば、ビタミン)が含まれ得る。本発明の食品添加物組成物は様々な食品製造物に添加することができる。
【0099】
本明細書中で使用される表現「食品製造物」では、成長プロセス、修復プロセスおよび生命プロセスを持続するために、また、エネルギーを提供するために生物の体内で使用されるタンパク質、炭水化物および/または脂肪から本質的にはなるものが記載される。食品製造物はまた、補充物質(例えば、ミネラル、ビタミンおよび調味料など)を含有することができる。Merriani−Webster’s Collegiate Dictionary(第10版、1993年)を参照のこと。本明細書中で使用される表現「食品製造物」はさらに、ヒトまたは動物による消費のために適合化された飲料物を含む。
【0100】
本発明の食品添加物を含有する食品製造物はまた、その有用性および効果がこの分野では広く知られているさらなる添加剤、例えば、酸化防止剤、甘味剤、香料、着色剤、保存剤、栄養添加物(例えば、ビタミンおよびミネラルなど)、アミノ酸(すなわち、必須アミノ酸)、乳化剤、pH制御剤(例えば、酸味料など)、ヒドロコロイド、消泡剤および離型剤、粉改良剤および粉強化剤、膨らまし剤または膨張剤、ガスおよびキレート化剤などを含むことができる。
【0101】
口内投与のために、組成物は、従来の様式で配合された錠剤またはトローチの形態を取ることができる。
【0102】
吸入による投与のために、本発明に従って使用される有効成分は、好適な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンまたは二酸化炭素)の使用により加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー提示物の形態で都合よく送達される。加圧されたエアロゾルの場合、投薬量単位が、計量された量を送達するためのバルブを備えることによって決定され得る。ディスペンサーにおいて使用される、例えば、ゼラチン製のカプセルおよびカートリッジで、有効化合物および好適な粉末基剤(例えば、ラクトースまたはデンプンなど)の粉末混合物を含有するカプセルおよびカートリッジを配合することができる。
【0103】
本明細書中に記載される医薬組成物は、例えば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与のために配合することができる。注射用配合物は、場合により保存剤が添加されている、例えば、アンプルまたは多回用量容器における単位投薬形態で提供され得る。組成物は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクルにおける懸濁物または溶液剤またはエマルションにすることができ、また、懸濁化剤、安定化剤および/または分散化剤などの配合剤を含有することができる。
【0104】
非経口投与される医薬組成物には、水溶性形態での活性な調製物の水溶液が含まれる。さらに、有効成分の懸濁物を適切な油性の注射用懸濁物として調製することができる。好適な親油性の溶媒またはビヒクルには、脂肪油(例えば、ゴマ油など)、あるいは、合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチルなど)、トリグリセリドまたはリポソームが含まれる。水性の注射用懸濁物は、懸濁物の粘度を増大させる物質、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールまたはデキストランなどを含有することができる。場合により、懸濁物はまた、高濃度溶液の調製を可能にするために有効成分の溶解性を増大させる好適な安定化剤または薬剤を含有することができる。
【0105】
あるいは、有効成分は、好適なビヒクル(例えば、無菌の、パイロジェンを含まない水に基づく溶液など)を用いて使用前に再構成される粉末形態であってもよい。
【0106】
本発明の医薬組成物はまた、例えば、従来の坐薬基剤(例えば、カカオ脂または他のグリセリドなど)を使用して直腸用組成物(例えば、坐薬または停留浣腸剤など)に配合することができる。
【0107】
本発明の関連での使用のために好適な医薬組成物には、意図された目的を達成するために効果的な量で有効成分が含有される組成物が含まれる。より具体的には、治療効果的な量は、障害(例えば、虚血)の症状を防止または緩和または改善するために、あるいは、治療されている対象の生存を延ばすために効果的な有効成分(核酸構築物)の量を意味する。
【0108】
治療効果的な量の決定は、特に本明細書中に提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0109】
本発明の方法において使用される任意の調製物について、その治療効果的な量または用量を、最初はインビトロアッセイおよび細胞培養アッセイから推定することができる。例えば、用量を、所望する濃度または力価を達成するために動物モデルにおいて定めることができる。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用することができる。
【0110】
本明細書中に記載される有効成分の毒性および治療効力を、インビトロで、細胞培養物において、または実験動物において標準的な薬学的手順によって決定することができる。これらのインビトロアッセイおよび細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒトにおいて使用される投薬量の範囲を定める際に使用することができる。投薬量は、用いられる投薬形態物、および、利用される投与経路に依存して変化し得る。的確な配合、投与経路および投薬量を、患者の状態を考慮して個々の医師によって選ぶことができる(例えば、Fingl他、1975、“The Pharmacological Basis of Therapeutics”(第1章、1頁)を参照のこと)。
【0111】
投薬量および投薬間隔を、生物学的作用を誘導または抑制するために十分な有効成分の血漿中レベルまたは脳内レベル(最小有効濃度、MEC)を提供するために個々に調節することができる。MECはそれぞれの調製物について異なるが、インビトロでのデータから推定することができる。MECを達成するために必要な投薬量は個々の特性および投与経路に依存する。検出アッセイを、血漿中濃度を決定するために使用することができる。
【0112】
治療される状態の重篤度および応答性に依存して、服用は1回だけの投与または複数回の投与が可能であり、治療の経過期間は数日から数ヶ月まで続くか、あるいは、治癒が達成されるか、または、疾患状態の縮小が達成されるまで続く。
【0113】
投与される組成物の量は、当然のことではあるが、治療されている対象、病気の重篤度、投与様式、処方医の判断などに依存する。
【0114】
本発明の組成物は、所望される場合には、有効成分を含有する1つまたは複数の単位投薬形態物を含有し得るパックまたはディスペンサーデバイス(例えば、FDA承認キットなど)で提供され得る。パックは、例えば、金属箔またはプラスチック箔を含むことができ、例えば、ブリスターパックなどである。パックまたはディスペンサーデバイスには、投与のための説明書が添付され得る。パックまたはディスペンサーにはまた、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府当局により定められた形式で容器に付けられた通知が伴うことがあり、この場合、そのような通知は、組成物の形態またはヒトもしくは動物への投与の当局による承認を反映する。そのような通知は、例えば、処方薬物についての米国食品医薬品局によって承認されたラベル書きであり得るか、または承認された製品添付文書であり得る。適合し得る医薬用キャリアに配合された、本発明の調製物を含む組成物もまた、本明細書中においてさらに詳述されるように、適応される状態を処置するために、調製され、適切な容器に入れられ、かつ表示され得る。
【0115】
本発明の上記に記載される治療組成物は、この分野で知られている他の治療様式と組み合わせられ得ることが理解される。例えば、本発明の組成物を使用して緑内障性神経障害を治療することは、そのような混合治療が有害な副作用を有しない限り、現在実施されている薬物療法(例えば、Propine(商標)(Allergan Inc.)など)と組み合わせることができる。
【0116】
本発明の組成物は治療キットまたは栄養補給キットに包装することができる。
【0117】
例えば、本発明の組成物は、適切な緩衝剤および保存剤とともに1つまたは複数の容器に詰めることができ、治療的治療を導くために使用することができる。
【0118】
従って、本発明の組成物の有効成分は1つだけの容器において混合することができ、または、個々の容器に入れることができる。好ましくは、容器はラベル書きを含む。好適な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジおよび試験管が含まれる。容器は様々な材料(例えば、ガラスまたはプラスチックなど)から形成され得る。
【0119】
さらに、他の添加剤(例えば、安定化剤、緩衝剤および阻止剤など)もまた加えることができる。
【0120】
キットはまた、試験された対象が神経変性疾患または神経変性障害に罹患しているか、あるいは、神経変性疾患または神経変性障害を発症する危険性があるかどうかを明らかにするための説明書を含むことができる。
【0121】
本発明の追加の目的、利点及び新規な特徴は、下記実施例を考察すれば、当業技術者には明らかになるであろう。なおこれら実施例は本発明を限定するものではない。さらに、先に詳述されかつ本願の特許請求の範囲の項に特許請求されている本発明の各種実施態様と側面は各々、下記実施例の実験によって支持されている。
【実施例】
【0122】
上記説明とともに、以下の実施例を参照して本発明を例示する。なおこれら実施例によって本発明は限定されない。
【0123】
実施例1
緑内障患者の周辺視野の検査
本発明の教示に従って作製された緑内障特異的な組成物を緑内障患者に投与し、その治療効果を患者の周辺視野について調べた。
【0124】
実験手順
適格性基準:この研究のために選択された患者は下記の基準に適合した:患者は、血液検査および尿検査によって評価されたとき、良好な健康状態でなければならず、かつ、患者の主治医からの許可状を得なければならなかった。患者の心理学的検査を、患者が厳しい研究療法に従うかどうかを明らかにするために行った。疾患のいずれかの段階にある患者が研究のために選択された。
【0125】
患者には、下記の表2に詳しく記載されるような組成物が投与された。すべての構成成分がカプセルまたはピルの形態で個々に投与された。
【表2】
【0126】
周辺視野の検査:コンピューター処理の自動化された周辺視野計を使用して、可能な限り3ヶ月間隔で視野を調べた。患者は、様々なサイズおよび輝度の光標的が見せられ、目における視覚領域が記録された。このようにして得られたデータを分析し、正常者集団のデータと比較した。加えて、毎月の血液サンプルおよび尿サンプルを分析した。
【0127】
結果
3名の患者の周辺視野検査から得られた結果が、図1A〜図1C(患者1)、図2A〜図2B(患者2)および図3A〜図3J(患者3)に例示される。患者の視野のそれぞれにおける改善は、網膜および脳に対するその接続の回復の証拠となっている。このことはまた、治療後において色がピンク色であった患者3における視神経の色の検査によって認められた。
【0128】
明確にするため別個の実施態様で説明されている本発明の特定の特徴は単一の実施態様に組み合わせて提供することもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施態様で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで提供することもできる。
【0129】
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更及び変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更及び変形すべてを包含するものである。本願で挙げた刊行物、特許及び特許願はすべて、個々の刊行物、特許及び特許願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用又は確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1A】図1Aは、治療直前での02年1月31日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図1B】図1Bは、02年3月25日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図1C】図1Cは、02年6月30日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図2A】図2Aは、治療直前での02年4月18日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図2B】図2Bは、02年9月25日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3A】図3Aは、治療直前での99年6月21日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3B】図3Bは、99年7月4日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3C】図3Cは、99年12月2日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3D】図3Dは、00年3月9日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3E】図3Eは、01年5月24日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3F】図3Fは、99年6月21日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3G】図3Gは、99年7月4日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3H】図3Hは、99年12月2日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3I】図3Iは、00年3月9日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3J】図3Jは、01年5月24日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経変性障害(例えば、緑内障、多発性硬化症、重症筋無力症、糖尿病性神経障害、脳血管障害、脊髄傷害、ALS、パーキンソン病および特発性痴呆など)を治療するために使用することができる新規な組成物、および、そのような組成物を使用する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
脳、脊髄、嗅神経、視神経および目の網膜を含む中枢神経系(CNS)の構成成分は、どのような原因の損傷であっても、損傷後に回復することができず、また、疾患または傷害によって引き起こされる形態学的損傷および機能的損傷は通常、永久的であることが一般に受け入れられている。薬物療法が、症状の緩和を提供するために利用できるだけであるが、場合により、薬物療法はまた、疾患の経過を遅らせることができる。
【0003】
治療不能な神経変性疾患の一例が緑内障性神経障害(緑内障)である。緑内障は、世界中で約6600万人が罹患し、アメリカ合衆国だけでおよそ300万人の患者がいる大きな公衆衛生問題である。緑内障は、視覚喪失および失明を引き起こす視神経の変性疾患である。緑内障の特徴的な特徴は網膜の神経節細胞における進行性の死である。多くの場合において、これは、増大した眼内圧によって引き起こされ、増大した眼内圧により、視神経での軸索変性および神経節細胞の喪失が生じる。
【0004】
早期診断が緑内障の治療では非常に重要である。この疾患に対する治療はないが、この疾患は、ある程度、手術および薬物療法により抑えることができる。薬物の長期間にわたる使用が要求される。いくつかの薬物は、頭痛を引き起こすか、または、他の副作用を生じさせることが知られている。従って、神経節細胞の死を著しく停止させる新しい薬物が緊急に求められている。
【0005】
パーキンソン病は、中高年者に見出される別の一般的な不治の神経変性疾患である。この疾患の約50000人の新規患者がアメリカ合衆国だけで報告されている。この疾患の主要な臨床的症状発現は、運動緩慢(随意運動における困難)、強直、身体の震え、姿勢を保つことができないこと、および、平衡感覚障害である。この疾患は、中脳領域における黒質での色素沈着ニューロンの喪失によって特徴づけられる。黒質におけるドーパミン作動性ニューロン、および、脳幹における他のカテコールアミンニューロンがこの病気では選択的に失われる。細胞死または障害の原因は不明である。
【0006】
パーキンソン病は現在、治療することができない。薬物療法が、症状からの緩和を提供するために利用できるにすぎない。薬物療法によるパーキンソン病の治療に対して2つの一般的な方法がある。第1の方法では、脳におけるドーパミンの喪失を遅らせることが試みられ、第2の方法では、パーキンソン病の症状を他の手段によって治療することが試みられる。ドーパミンアゴニストは短期間の副作用(例えば、吐き気、嘔吐、めまい、立ちくらみ、錯乱および幻覚など)の大きい危険性を有する。抗コリン作動剤が、アセチルコリンの量を低下させることによって脳の2つの神経伝達物質(ドーパミンおよびアセチルコリン)の間のバランスを回復させるために使用される。これは、パーキンソン病患者における震えおよび筋肉硬直を軽減する。しかしながら、これらの薬物療法は、特に高齢者では記憶および思考を損ない得る。従って、それらは今日ではまれにしか使用されない。
【0007】
Levadopaはパーキンソン病のための最も広く使用されている薬物である。Levadopaは、ある期間、その多くの衰弱性症状の発症を遅らせる。しかしながら、Levadopaは必ずしもすべての症状を緩和しない。Levadopaは副作用がないわけではない。吐き気、嘔吐、低血圧、不随意運動、および、情緒不安が、この薬物を使用している患者において認められている。
【0008】
上記で記載されたように、脳の疾患および病気は一般に治療不能である。利用可能な治療のすべてが症状に対してであり、緩和は限られている。薬物の長期間にわたる使用は様々な有害な影響を患者に対して有する。治療では、多くの場合、外科的介入が求められる。侵襲的手法は、不可逆的な損傷を引き起こす潜在的可能性があるので、危険がないわけではない。米国特許第6405079号は、様々な神経学的状態を治療することにおける様々な不十分な点を議論する一方で、電極の永続的な埋め込みを必要とする侵襲的手法を教示する。米国特許第6277372号もまた、様々な神経変性疾患について治療が一般にはないことを示唆する。米国特許第6277372号はこれらの疾患を神経回路における欠陥に突き止め、ブタの神経細胞をヒト対象に移植することによって神経変性疾患を治療する方法を提供している。そのような方法は極めて高度な医学的手法を必要とし、かつ、費用が非常に高額になり得る。加えて、米国特許第6277372号において指摘されたように、そのような治療は通常、免疫抑制薬物の投与が付随する。さらには、許容され、かつ安全な一連の治療としての異質の神経体の移植は議論の余地がある。
【0009】
栄養学的化合物(ビタミン、ミネラル、薬草および他の化合物を含む)の使用が米国特許出願第20040001896号において提案されており、また、数多くの組成物が市販されている(例えば、Brain Sustain(商標)、NeuroplusおよびSenescegarl(商標)など)。しかしながら、組成物の正確な構成成分および各構成成分の正確な濃度は、特定の治療様式における組成物の投与と同様に、組成物の治療的効能に顕著な影響を及ぼし得る。
【0010】
従って、現在利用可能な治療において記載される欠点を克服し、かつ、神経学的系を冒す状態を治療する安全かつ天然の組成物を提供することが本発明の目的である。
【発明の開示】
【0011】
神経変性疾患を治療する方法、そのためのその使用、および、そのための医薬組成物を提供することが本発明の目的である。
【0012】
緑内障性神経障害を治療する方法および医薬組成物を提供することが本発明の別の目的である。
【0013】
従って、本発明の1つの態様によれば、有効成分として、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ(Gingko bioloba)、ならびに、ビタミン、ミネラル、アミノ酸および薬草からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、かつ、生理学的に許容され得る医薬用のキャリアまたは希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
【0014】
本発明の別の態様によれば、神経変性障害を治療する、前記医薬組成物の使用が提供される。
【0015】
本発明のさらに別の態様によれば、神経変性障害を治療するために特定された医薬品を製造する、前記医薬組成物の使用が提供される。
【0016】
本発明のさらに別の態様によれば、対象における神経変性障害を治療する方法が提供され、この場合、この方法は、その必要性のある対象に前記医薬組成物を与え、それにより、対象における神経変性障害を治療することを含む。
【0017】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、ビタミンは、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンH、コリン、葉酸およびパラアミノ安息香酸(PABA)からなる群から選択される。
【0018】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらにさらなる特徴によれば、ミネラルは、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、カリウム、セレン(ピコリン酸塩)および亜鉛からなる群から選択される。
【0019】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるなおさらなる特徴によれば、薬草は、アルム・サチブム(Allum Sativum)(ニンニク)、ブラックカラント、ブロムライン(Bromlain)、エキナセア、オタネニンジン(Ginseng(panax))、シベリアニンジン(Ginseng(Siberian))、ヒドラスタシス(Hydrastasis)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)(アルファルファ)、パシフロラ(Passiflora)、ナギイカダ(Ruscus aculeatus)、セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)およびビルベリー(Vaccinium myrtillus)からなる群から選択される。
【0020】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、少なくとも1つの物質は、DMAE(ジメチルアミノエタノール)、フラボノイド(ルチン)、グルタチオン、イノシトール、リコペン、メラトニン、オメガ−3脂肪酸、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルセリン、ケルセチンおよびユビキチン(Q10)からなる群から選択される。
【0021】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、神経変性障害は、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、糖尿病性神経障害、脳血管障害、脊髄傷害、緑内障性神経障害、自己免疫脳脊髄炎、アルツハイマー病、特発性痴呆およびハンチングトン病からなる群から選択される。
【0022】
本発明のさらに別の態様によれば、有効成分として、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ、ならびに、亜鉛、ピコリン酸セレン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンH、葉酸、クロム、マンガン、フラボノイド、ホスファチジルコリン、ジメチルアミノエタノール、オメガ−3脂肪酸、アルギニン、ビルベリー抽出物およびパラアミノ安息香酸(PABA)からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、かつ、生理学的に許容され得る医薬用のキャリアまたは希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
【0023】
本発明のさらに別の態様によれば、緑内障性神経障害を治療する、前記医薬組成物の使用が提供される。
【0024】
本発明のさらに別の態様によれば、緑内障性神経障害を治療するために特定される医薬品を製造する、前記医薬組成物の使用が提供される。
【0025】
本発明のさらに別の態様によれば、対象における緑内障性神経障害を治療する方法が提供され、この場合、この方法は、その必要性のある対象に前記医薬組成物を与え、それにより、対象における緑内障性神経障害を治療することを含む。
【0026】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、医薬組成物はさらに、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、コリン、葉酸、カルシウム、ブロムライン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、カリウム、ホスファチジルセリン、ケルセチン、ユビキチン、グルタチオン、イノシトール、メラトニン、アスパラギン酸塩、システイン、グルタミン酸塩、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アルム・サチブム(ニンニク)、ブラックカラント、エキナセア、オタネニンジン、シベリアニンジン、ヒドラスタシス、ムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)、パシフロラ、ナギイカダおよびセイヨウオトギリソウからなる群から選択される1つまたは複数の物質を含む。
【0027】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、物質は、カリウム、マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンB12およびホスファチジルセリンからなる群から選択される。
【0028】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、ビタミンC、ビタミンE、イチョウおよび物質はそれぞれが個々の単位投薬形態物である。
【0029】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、組成物は単位投薬形態物に配合される。
【0030】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、単位投薬形態物は経口投与および/または直腸投与のために配合される。
【0031】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、単位投薬形態物は、ピル、錠剤、カプセル、ゲル−カプセルおよび坐薬からなる群から選択される。
【0032】
下記に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、単位投薬形態物は、500mg〜6000mgのビタミンC、200IU〜8000IUのビタミンE、および、40mg〜160mgのイチョウ抽出物を含む。
【0033】
本発明は、神経変性疾患を治療する新規な組成物を提供することによって、現在知られている形態の欠点に対処することに成功している。
【0034】
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料が下記に記載される。本明細書で挙げる刊行物、特許願、特許および他の参考文献はすべて、参照により援用するものである。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
【0035】
図面の説明
本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施態様を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理や概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1A〜図1Cは最初の視野分析の後で直ちに投与された下記の表2に詳しく記載されるような組成物による治療の後における02年1月31日から02年6月30日までの患者の視野において表されるような、緑内障性神経障害と診断された患者1の右目の視神経の回復を例示するコンピューター処理画像である[線図の暗くなった領域は、患者が見えない部分である。中線の左側における中線暗領域は正常な盲点を表す]。図1Aは、治療直前での02年1月31日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図1Bは、02年3月25日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図1Cは、02年6月30日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
図2A〜図2Bは最初の視野分析の後で直ちに投与された下記の表2に詳しく記載されるような組成物による治療の後における02年4月18日から02年9月25日までの患者の視野において表されるような、緑内障性神経障害と診断された患者2の右目の視神経の回復を例示するコンピューター処理画像である。図2Aは、治療直前での02年4月18日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図2Bは、02年9月25日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
図3A〜図3Jは最初の視野分析の後で直ちに投与された下記の表2に詳しく記載されるような組成物による治療の後における緑内障性神経障害と診断された患者3の両目の視神経の回復を例示するコンピューター処理画像である。図3Aは、治療直前での99年6月21日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Bは、99年7月4日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Cは、99年12月2日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Dは、00年3月9日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Eは、01年5月24日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Fは、99年6月21日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Gは、99年7月4日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Hは、99年12月2日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Iは、00年3月9日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。図3Jは、01年5月24日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は、神経変性障害(例えば、緑内障性神経障害など)を治療する医薬組成物およびその使用方法に関連する。
【0037】
本発明の原理および操作は、図面および添付された説明を参照してより良く理解することができる。
【0038】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示される細部または実施例によって例示される細部に限定されないことを理解しなければならない。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施することができ、または様々な方法で実施される。また、本明細書中で用いられる表現および用語は説明のためであり、従って限定として見なされるべきではないことを理解しなければならない。
【0039】
神経機能の喪失によって特徴づけられる神経変性障害(例えば、パーキンソン病および緑内障性神経障害など)は、従来の薬物治療を使用して効率的に治療することができない。これは、そのような薬物は、典型的にはニューロンの変性によって引き起こされる根本的な疾患プロセスに対する作用を何ら有していないからである。その結果、薬物治療はニューロン細胞の増大する喪失を完全に補うことができない。
【0040】
本発明を実施に移しているとき、本発明者らは、神経変性障害を治療するために使用することができる新規な組成物を発見した。
【0041】
本発明の組成物は、正常な生理学のために通常的に必要とされるよりも好ましくは高い濃度で与えられる。投与された組成物は、疾患状態または一般的な状態のために患者において低下する成分、あるいは、回復を誘導するために要求される成分のいずれかを含む。
【0042】
本明細書中下記において、また、下記の実施例の節において例示されるように、緑内障患者に対する本発明の組成物の投与は、視野が明白な改善を示した前例のない回復をもたらした。この改善は、網膜および脳に対するその接続の回復を証明するものである。これらの結果は、緑内障患者では事実上不可能であると考えられており、また、本発明の組成物を、神経変性障害(例えば、緑内障など)を治療する優れた治療剤として位置づけている。
【0043】
従って、本発明の1つの態様によれば、有効成分として、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ、ならびに、ビタミン、ミネラル、アミノ酸および薬草からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、かつ、生理学的に許容され得る医薬用のキャリアまたは希釈剤を含む、神経変性障害を治療する医薬組成物が提供される。
【0044】
本明細書中で使用される表現「神経変性障害」は、神経組織、神経伝達物質または神経機能の徐々にではあるが、進行性の喪失によって特徴づけられる、神経系(好ましくは、CNS)の任意の障害、疾患または状態を示す。神経変性障害の例には、パーキンソン病、緑内障性神経障害、多発性硬化症、重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症、自己免疫脳脊髄炎、糖尿病性神経障害、脳血管障害(脳卒中)、アルツハイマー病、特発性痴呆およびハンチングトン病が含まれるが、これらに限定されない。表現「神経変性障害」はまた、神経の外傷(例えば、傷害、例えば、脊髄傷害および頭部傷害など)を示す。
【0045】
本明細書中で使用される「医薬組成物」は、本明細書中に記載される有効成分の1つまたは複数と、他の化学的構成成分(例えば、生理学的に好適なキャリアおよび賦形剤など)との調製物を示す。医薬組成物の目的は、生物に対する化合物の投与を容易にすることである。
【0046】
本明細書中において、用語「有効成分」は、生物学的作用を説明することができるビタミン、ミネラル、アミノ酸、化合物または薬草を示す。
【0047】
本明細書中下記において、表現「生理学的に許容され得るキャリア」および表現「医薬的に許容され得るキャリア」は交換可能に使用することができ、生物に対する著しい刺激を引き起こさず、かつ、投与された化合物の生物学的活性および生物学的性質を妨げないキャリアまたは希釈剤を示す。補助剤がこれらの表現に含まれる。
【0048】
本明細書中で使用される「ビタミンC」はアスコルビン酸を示し、これは、果実および野菜に見出される必須栄養素である。ビタミンCは様々な生物学的機能を含む。ビタミンCは、コラーゲンの産生および維持のために、ならびに、葉酸、チロシンおよびトリプトファンの代謝のために要求される。ビタミンCはまた、免疫応答を高め、それにより、感染から保護することが知られており、また、ビタミンCはチロキシンの産生において重要である。当然のことではあるが、ビタミンCは抗酸化的性質を含有する。本発明のビタミンCは合成形態または天然形態のビタミンC(例えば、コーンシロップまたはサゴヤシから抽出されて合成されたビタミンCなど)を示す。あるいは、ビタミンCは他の天然の供給源(例えば、バラの実、アセロラ・チェリー、コショウまたは柑橘類果実など)から抽出することができる。本発明のビタミンCはまた、アスコルビン酸の無機塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸亜鉛、アスコルビン酸モリブデン、アスコルビン酸クロムおよびアスコルビン酸マンガンなど)、パルミチン酸アスコルビルおよびD−イソアスコルビン酸を示す。ビタミンCは、Herbalife、Doctors TrustおよびNatrolのような企業から市販されている。
【0049】
本明細書中で使用される用語「ビタミンE」は、4つのトコフェロール(αβγδ)および4つのトコトリエノール(αβγδ)を含むビタミンEの8つの形態のいずれか1つまたは任意の組合せを示し、これらには、そのスクシナート塩誘導体、ニコチナート塩誘導体およびアセタート塩誘導体が含まれる。加えて、これらの化合物のそれぞれは、天然型形態である「d」形態、および、合成型形態である「dl」形態を有する。好ましくは、本発明の組成物はd−αトコフェロールまたはその塩誘導体を含む。これは、d−αトコフェロールがビタミンEの最も活性な形態であるからである。ビタミンEは、植物油(オリーブ油、ヒマワリ油およびベニバナ油)、ナッツ、精白していない穀粒、および、緑葉野菜のような食物から抽出することができる。ビタミンEは、抗酸化剤として体内で重要な役割を果たすことが知られている。ビタミンEは、HerbalifeまたはDoctors Trustのような企業から市販されている。
【0050】
本明細書中で使用される用語「イチョウ」は、イチョウの木またはその植物部分から抽出される有効成分を示し、これには、ギンコフラボングリコ、ビロバリドおよびテルペンラクトン(ギンコリドA、ギンコリドBおよびギンコリドCを含む)が含まれる。イチョウは強力な抗酸化剤であり、また、同様に、知られている血管拡張剤である。
【0051】
イチョウの木の様々な抽出物が市販されており、有効成分の濃度は様々である。標準化された抽出物の一例がEGb761(Natures Way、米国)であり、これは、およそ24%のフラボングリコリド(主に、ケルセチン、ケンプフェロールおよびイソラムネチン)および6%のテルペンラクトン(2.8%〜3.4%のギンコリドA、ギンコリドBおよびギンコリドC、ならびに、2.6%〜3.2%のビロバリド)を含む。ギンコリドBおよびビロバリドは抽出物全体の約0.8%および3%をそれぞれ占める。他の構成成分には、プロアントシアニジン類、グルコース、ラムノース、有機酸、D−グルカル酸およびギンコール酸が含まれる。
【0052】
標準化されたイチョウ抽出物の他の例には、Linnea(スイス)から入手可能である3つの配合物(EPG246:24%のギンコフラボングリコシド、6%のテルペンラクトン(これは下記の実施例の節で使用される);G328:32%のギンコフラボングリコシド、8%のテルペンラクトン;G320:32%のギンコフラボングリコシド、テルペンラクトンを含まず)が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
これらの有効成分は化学的に合成することができるか、または、それらの天然の供給源から抽出することができる。最初に、葉が乾燥され、次いで粉砕され、その後、粉末化され、葉の化学的構成成分を放出させる有機溶媒と混合される。このプロセスが、純度を確保するために、何回も繰り返される。その後、粗抽出物は、フラボノイドが混合物の明確な濃度を構成する程度にまで純化される。
【0054】
意図された使用に依存して、医薬組成物におけるビタミンCの濃度は約500mg〜6000mgの間であり、より好ましくは約1000mg〜4000mgの間である。医薬組成物におけるビタミンEの濃度は約200IU〜8000IUの間であり、より好ましくは約400IU〜2000IUの間であり、イチョウの濃度は約40mg〜160mgの間であり、より好ましくは約40mg〜120mgの間である。本明細書中において本明細書および下記の請求項の節で使用される場合、約の用語は±20%を意味する。
【0055】
目的とする神経学的障害のために好ましく使用される濃度範囲の具体的な例が本明細書中下記においてさらに示される。
【0056】
何らかの理論に拘束されないが、本発明の医薬組成物の治療効果の少なくとも一部は、脳における過剰なフリーラジカルの産生(アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症およびALSのような神経変性障害におけるマーカーおよび共通する特徴)を減少させるために必要であるビタミンC、ビタミンEおよびイチョウの抗酸化的性質に依ると考えられる。本発明の医薬組成物の治療効果はまた、その構成成分の一部の血管拡張的性質から、また、その構成成分の一部の結合組織弾性増強性質から、ならびに、それらの免疫調節作用から生じているかもしれないことが考えられる。上記の機構はすべてではなく、多くの他の機構が、この治療様式がもたらす神経回復を達成することにおいて有効であるかもしれない。
【0057】
本明細書中上記で述べられたように、本発明のこの態様の医薬組成物は、上記で記載されたビタミンとは別に、他のビタミンを含むことができる。
【0058】
本明細書中で使用される用語「ビタミン」は、神経変性障害を治療する治療活性を含む、天然型形態または合成型形態のいずれかであっても、天然に存在するビタミン、その前駆体、塩誘導体または代謝産物を示す。
【0059】
本発明のこの態様の医薬組成物に含めることができるビタミンの例には、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンH、コリン、葉酸およびパラアミノ安息香酸(PABA)が含まれるが、これらに限定されない。本発明のビタミンは、Herbalife、Doctors TrustおよびNatrolのような企業から市販されている。
【0060】
上記で述べられたように、本発明のこの態様の医薬組成物はミネラルを含むことができる。
【0061】
本明細書中で使用される用語「ミネラル」は、地質学的プロセスから生じる、典型的には結晶性である元素または化学化合物を示す。本発明のミネラルは、単離されたミネラルまたはその塩を示す。本発明において使用することができるミネラルの例には、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、カリウム、セレン(ピコリン酸塩)および亜鉛が含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
本発明の医薬組成物はまた、薬草を含むことができる。本明細書中で使用される用語「薬草」は、神経変性障害を治療する治療活性を含む、植物または植物全体の新鮮物または乾燥物あるいはその抽出物を示す。本発明において使用することができる薬草の例には、アルム・サチブム(ニンニク)、ブラックカラント、ブロムライン、エキナセア、オタネニンジン、シベリアニンジン、ヒドラスタシス、ムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)、パシフロラ、ナギイカダ、セイヨウオトギリソウおよびビルベリーが含まれるが、これらに限定されない。
【0063】
広範囲の様々な方法が、治療剤を薬草から製造するためにこの分野では知られている。例えば、薬草を極性(例えば、水性)抽出に供することができる。その後、水性抽出物は、大きな粒子を除く必要があるならば、ろ過され、続いて、(例えば、暖かい温風(例えば、65℃)に長期間(例えば、3日〜1週間など)さらすことによって)乾燥されて粉末にすることができる。あるいは、粉末に粉砕することによって、乾燥した薬草をそのまま使用することが可能である。
【0064】
本発明の医薬組成物はまた、天然に存在する物質を含むことができ、例えば、DMAE(ジメチルアミノエタノール)、フラボノイド(ルチン)、グルタチオン、イノシトール、リコペン、メラトニン、オメガ−3脂肪酸、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルセリン、ケルセチンおよびユビキチン(Q10)を含むことができる。これらの物質はそれらの免疫調節的性質および抗酸化的性質によって抗神経変性作用を含む。これらの物質のすべてを市販品としてどの健康食品ストアでも購入することができる。
【0065】
これらのさらなる構成成分の最大推奨濃度を本明細書中下記に示す。
【表1】
【0066】
的確な医薬組成物は、血液サンプルおよび尿サンプルの分析の後で対象の特定の必要性のためにそれに合わせて調節されることが想定される。
【0067】
調節は、対象の神経変性障害、障害の重篤度、年齢、体重および性別、ならびに、治療経過の長さに従って行われる。
【0068】
本発明者らは、医薬組成物が神経変性障害の緑内障性神経障害についてそれに合わせて調節され得ることを入念な実験によって示している。
【0069】
従って、本発明の他の態様によれば、緑内障性神経障害を治療する医薬組成物が提供される。
【0070】
緑内障性神経障害は、患者が、その視神経繊維の進行性萎縮、それに続く、網膜における神経節細胞の死の結果として、その視野の進行性喪失を受ける神経変性障害である。緑内障の現在の治療は、眼内圧を低下させ、それにより、視神経が萎縮するプロセスを停止させることを伴う。しかしながら、眼内圧を低下させることは、網膜における視神経ニューロンおよび視神経の回復をもたらさない。
【0071】
本発明のこの態様の医薬組成物は、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ、ならびに、亜鉛、ピコリン酸セレン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンH、葉酸、クロム、マンガン、フラボノイド、ホスファチジルコリン、ジメチルアミノエタノール、オメガ−3脂肪酸、アルギニン、ビルベリー抽出物およびパラアミノ安息香酸(PABA)からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む。好ましくは、そのような物質は、亜鉛、ピコリン酸セレン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、葉酸およびパラアミノ安息香酸(PABA)である。
【0072】
本発明のこの態様の医薬組成物はさらに、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、コリン、葉酸、カルシウム、ブロムライン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、カリウム、ホスファチジルセリン、ケルセチン、ユビキチン、グルタチオン、イノシトール、メラトニン、アスパラギン酸塩、システイン、グルタミン酸塩、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アルム・サチブム(ニンニク)、ブラックカラント、エキナセア、オタネニンジン、シベリアニンジン、ヒドラスタシス、ムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)、パシフロラ、ナギイカダおよびセイヨウオトギリソウからなる群から選択される1つまたは複数の物質を含むことができる。
【0073】
好ましくは、そのような物質は、カリウム、マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンB12およびホスファチジルセリンである。
【0074】
上記で述べられたように、本発明の医薬組成物は、対象が治療経過を始めた後の時間に従って調節することができる。下記の実施例の節において認められるように、本発明のこの態様の医薬組成物は3ヶ月および9ヶ月の治療の後で変化する。緑内障性神経障害を治療する典型的な医薬組成物およびその構成成分の典型的な濃度が、本明細書中下記における実施例の節の表2に列挙される。
【0075】
上記で述べられたように、本発明の医薬組成物は特定の神経変性障害に従って調節することができる。
【0076】
例えば、多発性硬化症を治療する医薬組成物は、好ましくは、セレン(例えば、200μg〜400μg)、ブロムライン(例えば、250mg〜3500mg)およびフラボノイド(例えば、100mg〜150mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0077】
重症筋無力症を治療する医薬組成物は、好ましくは、セレン(例えば、200μg〜400μg)、ビタミンB6(例えば、30mg〜180mg)、ビタミンA(例えば、5000IU〜25000IU)およびオタネニンジン(例えば、100mg〜200mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0078】
糖尿病性神経障害を治療する医薬組成物は、好ましくは、セレン(例えば、200μg〜400μg)、ビタミンB6(例えば、30mg〜180mg)およびブロムライン(例えば、250mg〜3500mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0079】
脳血管障害(脳卒中)および脊髄傷害を治療する医薬組成物は、好ましくは、ブロムライン(例えば、250mg〜3500mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0080】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療する医薬組成物は、好ましくは、ブロムライン(例えば、250mg〜3500mg)およびセレン(例えば、200μg〜400μg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0081】
パーキンソン病を治療する医薬組成物は、好ましくは、オタネニンジン(例えば、100mg〜200mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0082】
特発性痴呆を治療する医薬組成物は、好ましくは、ビタミンB1(例えば、10mg〜150mg)およびビタミンB3(20mg〜150mg)を、3つの活性な作用剤、すなわち、ビタミンE(200I.U.〜8000I.U.)、ビタミンC(例えば、500mg〜6000mg)およびイチョウ(40mg〜160mg)に加えて含む。
【0083】
好ましくは、本発明の組成物はまた、マグネシウム(例えば、30mg〜1000mg)、カリウム(例えば、2mg〜4mg)および亜鉛(例えば、15mg〜40mg)などのミネラルを含む。
【0084】
医薬組成物の構成成分はそれぞれを単位投薬形態物に個々に配合することができ、その結果、対象が特定の個々の構成成分およびその量を選択して、その特定の必要性に合わせることができるようにされる。あるいは、患者が服用法を守ることを励ますように、構成成分のいくつかを1つの組成物として配合することができる。例えば、ビタミンE、ビタミンCおよびイチョウを単一の組成物(例えば、単位投薬形態物など)に配合することができる。あるいは、特定の神経変性障害に対して特異的な構成成分を1つの組成物として配合することができる。従って、例えば、1つの組成物は、ビタミンE、ビタミンC、イチョウ、セレン、ブロムラインおよびフラボノイドを含むことができ、多発性硬化症のための単位投薬形態物に配合することができる。
【0085】
述べられたように、本発明の組成物は、神経変性障害をその必要性のある対象において治療するために使用することができる。
【0086】
本明細書中で使用される表現「その必要性のある対象」は、本明細書中上記で示された疾患または状態に罹っているか、あるいは、本明細書中上記で示された疾患または状態に罹る危険性がある(すなわち、素因を有する、例えば、遺伝的素因を有する)哺乳動物(好ましくは、ヒト)を示す。ヒト以外の哺乳動物の例には、飼育動物(例えば、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、家禽およびウマなど)が含まれる。
【0087】
本明細書中において本明細書および下記の請求項の節で使用される用語「治療」および用語「治療する」は、疾患からの完全な回復だけでなく、疾患に関連する症状の一部またはすべての緩和、疾患を有する患者の余命の延長を意味する。用語「治療」および用語「治療する」はまた、疾患の防止を意味する。
【0088】
薬物の配合および投与のための様々な技術を“Remington’s Pharmaceutical Sciences”(Mack Publishing Co.、Easton、PA;最新版)に見出すことができる(これは参考として本明細書中に組み込まれる)。
【0089】
好適な投与経路には、例えば、経口送達、直腸送達、経粘膜送達(特に、経鼻送達)、腸管送達または非経口送達(筋肉内注射、皮下注射および髄質内注射を含む)、ならびに、くも膜下注射、静脈内注射、鼻腔内注射または眼内注射が含まれ得る。好ましくは、本発明の医薬組成物は経口投与される。
【0090】
あるいは、医薬組成物は、全身的様式ではなく、局所的様式で投与することができ、例えば、患者の組織領域の中に直接、医薬組成物を注射することによって投与することができる。
【0091】
本発明の医薬組成物は、この分野で広く知られている様々なプロセスによって、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、包括化または凍結乾燥の従来のプロセスによって製造することができる。
【0092】
従って、本発明による使用のための医薬組成物は、医薬品として使用することができる調製物への有効成分の加工を容易にする、賦形剤および補助剤を含む1つまたは複数の医薬的に許容され得るキャリアを使用して従来の様式で配合することができる。適正な配合は、選ばれた投与経路に依存する。
【0093】
注射のために、医薬組成物の有効成分は、水溶液において、好ましくは、生理学的に適合し得る緩衝液(例えば、ハンクス液、リンゲル液または生理学的な塩緩衝液など)において配合することができる。経粘膜投与のために、透過すべきバリアに対して適切な浸透剤が配合において使用される。様々なそのような浸透剤がこの分野では一般に知られている。
【0094】
経口投与のために、医薬組成物は、有効化合物をこの分野で広く知られている医薬的に許容され得るキャリアと組み合わせることによって容易に配合することができる。そのようなキャリアは、本発明の医薬組成物が、患者による経口摂取のための錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー剤および懸濁物などとして配合されることを可能にする。経口使用される薬理学的調製物を、錠剤または糖衣錠コアを得るために、固体の賦形剤を使用し、得られた混合物を場合により粉砕し、そして、所望されるならば、好適な補助剤を加えた後で顆粒の混合物を加工して作製することができる。好適なキャリアは、具体的には、充填剤、例えば、糖(ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む);セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボメチルセルロースナトリウムなど;および/または生理学的に許容され得るポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)などである。所望されるならば、崩壊剤を加えることができる(例えば、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、または、アルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウムなど)など)。
【0095】
糖衣錠コアには、好適なコーティングが施される。この目的のために、高濃度の糖溶液を使用することができ、この場合、糖溶液は、場合により、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有することができる。色素または顔料を、有効成分の量を特定するために、または有効化合物の量の種々の組合せを特徴づけるために、錠剤または糖衣錠コーティングに加えることができる。
【0096】
経口使用され得る医薬組成物には、ゼラチンから作製されたプッシュ・フィット型カプセル、ならびに、ゼラチンおよび可塑剤(例えば、グリセロールまたはソルビトールなど)から作製された軟らかいシールされたカプセルが含まれる。プッシュ・フィット型カプセルは、充填剤(例えば、ラクトースなど)、結合剤(例えば、デンプンなど)、滑剤(例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)および場合により安定化剤との混合で有効成分を含有することができる。軟カプセルでは、有効成分を好適な液体(例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液状のポリエチレングリコールなど)に溶解または懸濁させることができる。加えて、安定化剤を加えることができる。経口投与される配合物はすべて、選ばれた投与経路について好適な投薬量でなければならない。
【0097】
本発明の作用剤はまた、食品添加物として提供され得ることがさらに理解される。
【0098】
表現「食品添加物」[これは米国食品医薬品局(FDA)により連邦規則基準21C.F.R.170.3(e)(1)において定義される]には、食品製造物に添加されることが意図される任意の液体または固体の物質が含まれる。このような物質には、例えば、明確な味覚および/または香りを有する作用剤、あるいは、生理学的作用を有する作用剤(例えば、ビタミン)が含まれ得る。本発明の食品添加物組成物は様々な食品製造物に添加することができる。
【0099】
本明細書中で使用される表現「食品製造物」では、成長プロセス、修復プロセスおよび生命プロセスを持続するために、また、エネルギーを提供するために生物の体内で使用されるタンパク質、炭水化物および/または脂肪から本質的にはなるものが記載される。食品製造物はまた、補充物質(例えば、ミネラル、ビタミンおよび調味料など)を含有することができる。Merriani−Webster’s Collegiate Dictionary(第10版、1993年)を参照のこと。本明細書中で使用される表現「食品製造物」はさらに、ヒトまたは動物による消費のために適合化された飲料物を含む。
【0100】
本発明の食品添加物を含有する食品製造物はまた、その有用性および効果がこの分野では広く知られているさらなる添加剤、例えば、酸化防止剤、甘味剤、香料、着色剤、保存剤、栄養添加物(例えば、ビタミンおよびミネラルなど)、アミノ酸(すなわち、必須アミノ酸)、乳化剤、pH制御剤(例えば、酸味料など)、ヒドロコロイド、消泡剤および離型剤、粉改良剤および粉強化剤、膨らまし剤または膨張剤、ガスおよびキレート化剤などを含むことができる。
【0101】
口内投与のために、組成物は、従来の様式で配合された錠剤またはトローチの形態を取ることができる。
【0102】
吸入による投与のために、本発明に従って使用される有効成分は、好適な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンまたは二酸化炭素)の使用により加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー提示物の形態で都合よく送達される。加圧されたエアロゾルの場合、投薬量単位が、計量された量を送達するためのバルブを備えることによって決定され得る。ディスペンサーにおいて使用される、例えば、ゼラチン製のカプセルおよびカートリッジで、有効化合物および好適な粉末基剤(例えば、ラクトースまたはデンプンなど)の粉末混合物を含有するカプセルおよびカートリッジを配合することができる。
【0103】
本明細書中に記載される医薬組成物は、例えば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与のために配合することができる。注射用配合物は、場合により保存剤が添加されている、例えば、アンプルまたは多回用量容器における単位投薬形態で提供され得る。組成物は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクルにおける懸濁物または溶液剤またはエマルションにすることができ、また、懸濁化剤、安定化剤および/または分散化剤などの配合剤を含有することができる。
【0104】
非経口投与される医薬組成物には、水溶性形態での活性な調製物の水溶液が含まれる。さらに、有効成分の懸濁物を適切な油性の注射用懸濁物として調製することができる。好適な親油性の溶媒またはビヒクルには、脂肪油(例えば、ゴマ油など)、あるいは、合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチルなど)、トリグリセリドまたはリポソームが含まれる。水性の注射用懸濁物は、懸濁物の粘度を増大させる物質、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールまたはデキストランなどを含有することができる。場合により、懸濁物はまた、高濃度溶液の調製を可能にするために有効成分の溶解性を増大させる好適な安定化剤または薬剤を含有することができる。
【0105】
あるいは、有効成分は、好適なビヒクル(例えば、無菌の、パイロジェンを含まない水に基づく溶液など)を用いて使用前に再構成される粉末形態であってもよい。
【0106】
本発明の医薬組成物はまた、例えば、従来の坐薬基剤(例えば、カカオ脂または他のグリセリドなど)を使用して直腸用組成物(例えば、坐薬または停留浣腸剤など)に配合することができる。
【0107】
本発明の関連での使用のために好適な医薬組成物には、意図された目的を達成するために効果的な量で有効成分が含有される組成物が含まれる。より具体的には、治療効果的な量は、障害(例えば、虚血)の症状を防止または緩和または改善するために、あるいは、治療されている対象の生存を延ばすために効果的な有効成分(核酸構築物)の量を意味する。
【0108】
治療効果的な量の決定は、特に本明細書中に提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0109】
本発明の方法において使用される任意の調製物について、その治療効果的な量または用量を、最初はインビトロアッセイおよび細胞培養アッセイから推定することができる。例えば、用量を、所望する濃度または力価を達成するために動物モデルにおいて定めることができる。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用することができる。
【0110】
本明細書中に記載される有効成分の毒性および治療効力を、インビトロで、細胞培養物において、または実験動物において標準的な薬学的手順によって決定することができる。これらのインビトロアッセイおよび細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒトにおいて使用される投薬量の範囲を定める際に使用することができる。投薬量は、用いられる投薬形態物、および、利用される投与経路に依存して変化し得る。的確な配合、投与経路および投薬量を、患者の状態を考慮して個々の医師によって選ぶことができる(例えば、Fingl他、1975、“The Pharmacological Basis of Therapeutics”(第1章、1頁)を参照のこと)。
【0111】
投薬量および投薬間隔を、生物学的作用を誘導または抑制するために十分な有効成分の血漿中レベルまたは脳内レベル(最小有効濃度、MEC)を提供するために個々に調節することができる。MECはそれぞれの調製物について異なるが、インビトロでのデータから推定することができる。MECを達成するために必要な投薬量は個々の特性および投与経路に依存する。検出アッセイを、血漿中濃度を決定するために使用することができる。
【0112】
治療される状態の重篤度および応答性に依存して、服用は1回だけの投与または複数回の投与が可能であり、治療の経過期間は数日から数ヶ月まで続くか、あるいは、治癒が達成されるか、または、疾患状態の縮小が達成されるまで続く。
【0113】
投与される組成物の量は、当然のことではあるが、治療されている対象、病気の重篤度、投与様式、処方医の判断などに依存する。
【0114】
本発明の組成物は、所望される場合には、有効成分を含有する1つまたは複数の単位投薬形態物を含有し得るパックまたはディスペンサーデバイス(例えば、FDA承認キットなど)で提供され得る。パックは、例えば、金属箔またはプラスチック箔を含むことができ、例えば、ブリスターパックなどである。パックまたはディスペンサーデバイスには、投与のための説明書が添付され得る。パックまたはディスペンサーにはまた、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府当局により定められた形式で容器に付けられた通知が伴うことがあり、この場合、そのような通知は、組成物の形態またはヒトもしくは動物への投与の当局による承認を反映する。そのような通知は、例えば、処方薬物についての米国食品医薬品局によって承認されたラベル書きであり得るか、または承認された製品添付文書であり得る。適合し得る医薬用キャリアに配合された、本発明の調製物を含む組成物もまた、本明細書中においてさらに詳述されるように、適応される状態を処置するために、調製され、適切な容器に入れられ、かつ表示され得る。
【0115】
本発明の上記に記載される治療組成物は、この分野で知られている他の治療様式と組み合わせられ得ることが理解される。例えば、本発明の組成物を使用して緑内障性神経障害を治療することは、そのような混合治療が有害な副作用を有しない限り、現在実施されている薬物療法(例えば、Propine(商標)(Allergan Inc.)など)と組み合わせることができる。
【0116】
本発明の組成物は治療キットまたは栄養補給キットに包装することができる。
【0117】
例えば、本発明の組成物は、適切な緩衝剤および保存剤とともに1つまたは複数の容器に詰めることができ、治療的治療を導くために使用することができる。
【0118】
従って、本発明の組成物の有効成分は1つだけの容器において混合することができ、または、個々の容器に入れることができる。好ましくは、容器はラベル書きを含む。好適な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジおよび試験管が含まれる。容器は様々な材料(例えば、ガラスまたはプラスチックなど)から形成され得る。
【0119】
さらに、他の添加剤(例えば、安定化剤、緩衝剤および阻止剤など)もまた加えることができる。
【0120】
キットはまた、試験された対象が神経変性疾患または神経変性障害に罹患しているか、あるいは、神経変性疾患または神経変性障害を発症する危険性があるかどうかを明らかにするための説明書を含むことができる。
【0121】
本発明の追加の目的、利点及び新規な特徴は、下記実施例を考察すれば、当業技術者には明らかになるであろう。なおこれら実施例は本発明を限定するものではない。さらに、先に詳述されかつ本願の特許請求の範囲の項に特許請求されている本発明の各種実施態様と側面は各々、下記実施例の実験によって支持されている。
【実施例】
【0122】
上記説明とともに、以下の実施例を参照して本発明を例示する。なおこれら実施例によって本発明は限定されない。
【0123】
実施例1
緑内障患者の周辺視野の検査
本発明の教示に従って作製された緑内障特異的な組成物を緑内障患者に投与し、その治療効果を患者の周辺視野について調べた。
【0124】
実験手順
適格性基準:この研究のために選択された患者は下記の基準に適合した:患者は、血液検査および尿検査によって評価されたとき、良好な健康状態でなければならず、かつ、患者の主治医からの許可状を得なければならなかった。患者の心理学的検査を、患者が厳しい研究療法に従うかどうかを明らかにするために行った。疾患のいずれかの段階にある患者が研究のために選択された。
【0125】
患者には、下記の表2に詳しく記載されるような組成物が投与された。すべての構成成分がカプセルまたはピルの形態で個々に投与された。
【表2】
【0126】
周辺視野の検査:コンピューター処理の自動化された周辺視野計を使用して、可能な限り3ヶ月間隔で視野を調べた。患者は、様々なサイズおよび輝度の光標的が見せられ、目における視覚領域が記録された。このようにして得られたデータを分析し、正常者集団のデータと比較した。加えて、毎月の血液サンプルおよび尿サンプルを分析した。
【0127】
結果
3名の患者の周辺視野検査から得られた結果が、図1A〜図1C(患者1)、図2A〜図2B(患者2)および図3A〜図3J(患者3)に例示される。患者の視野のそれぞれにおける改善は、網膜および脳に対するその接続の回復の証拠となっている。このことはまた、治療後において色がピンク色であった患者3における視神経の色の検査によって認められた。
【0128】
明確にするため別個の実施態様で説明されている本発明の特定の特徴は単一の実施態様に組み合わせて提供することもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施態様で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで提供することもできる。
【0129】
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更及び変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更及び変形すべてを包含するものである。本願で挙げた刊行物、特許及び特許願はすべて、個々の刊行物、特許及び特許願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用又は確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1A】図1Aは、治療直前での02年1月31日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図1B】図1Bは、02年3月25日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図1C】図1Cは、02年6月30日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図2A】図2Aは、治療直前での02年4月18日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図2B】図2Bは、02年9月25日に行われた視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3A】図3Aは、治療直前での99年6月21日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3B】図3Bは、99年7月4日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3C】図3Cは、99年12月2日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3D】図3Dは、00年3月9日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3E】図3Eは、01年5月24日に行われた右目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3F】図3Fは、99年6月21日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3G】図3Gは、99年7月4日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3H】図3Hは、99年12月2日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3I】図3Iは、00年3月9日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【図3J】図3Jは、01年5月24日に行われた左目の視野分析から得られたコンピューター処理画像である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分として、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ(Gingko bioloba)、ならびに、ビタミン、ミネラル、アミノ酸および薬草からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、かつ、生理学的に許容され得る医薬用のキャリアまたは希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項2】
神経変性障害を治療するための、請求項1に記載の医薬組成物の使用。
【請求項3】
神経変性障害を治療するために特定された医薬品を製造するための、請求項1に記載の医薬組成物の使用。
【請求項4】
対象における神経変性障害を治療する方法であって、その必要性のある対象に請求項1に記載の医薬組成物を与え、それにより、対象における神経変性障害を治療することを含む方法。
【請求項5】
前記ビタミンは、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンH、コリン、葉酸およびパラアミノ安息香酸(PABA)からなる群から選択される請求項1,2,3または4に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項6】
前記ミネラルは、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、カリウム、セレン(ピコリン酸塩)および亜鉛からなる群から選択される請求項1,2,3または4に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項7】
前記薬草は、アルム・サチブム(Allum Sativum)(ニンニク)、ブラックカラント(Ribes nigra)、ブロムライン(Bromlain)、エキナセア、オタネニンジン(Ginseng(panax))、シベリアニンジン(Ginseng(Siberian))、ヒドラスタシス(Hydrastasis)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)(アルファルファ)、パシフロラ(Passiflora)、ナギイカダ(Ruscus aculeatus)、セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)およびビルベリー(Vaccinium myrtillus)からなる群から選択される請求項1,2,3または4に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項8】
DMAE(ジメチルアミノエタノール)、フラボノイド(ルチン)、グルタチオン、イノシトール、リコペン、メラトニン、オメガ−3脂肪酸、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルセリン、ケルセチンおよびユビキチン(Q10)からなる群から選択される少なくとも1つの物質をさらに含む請求項1,2,3または4に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項9】
前記神経変性障害は、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、糖尿病性神経障害、脳血管障害、脊髄傷害、緑内障性神経障害、自己免疫脳脊髄炎、アルツハイマー病、特発性痴呆およびハンチングトン病からなる群から選択される請求項1,2,3または4に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項10】
有効成分として、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ、ならびに、亜鉛、ピコリン酸セレン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンH、葉酸、クロム、マンガン、フラボノイド、ホスファチジルコリン、ジメチルアミノエタノール、オメガ−3脂肪酸、アルギニン、ビルベリー抽出物およびパラアミノ安息香酸(PABA)からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、かつ、生理学的に許容され得る医薬用のキャリアまたは希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項11】
緑内障性神経障害を治療するための、請求項10に記載の医薬組成物の使用。
【請求項12】
緑内障性神経障害を治療するために特定される医薬品を製造するための、請求項10に記載の医薬組成物の使用。
【請求項13】
対象における緑内障性神経障害を治療する方法であって、その必要性のある対象に請求項10に記載の医薬組成物を与え、それにより、対象における緑内障性神経障害を治療することを含む方法。
【請求項14】
前記医薬組成物はさらに、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、コリン、葉酸、カルシウム、ブロムライン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、カリウム、ホスファチジルセリン、ケルセチン、ユビキチン、グルタチオン、イノシトール、メラトニン、アスパラギン酸塩、システイン、グルタミン酸塩、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アルム・サチブム(ニンニク)、ブラックカラント、エキナセア、オタネニンジン、シベリアニンジン、ヒドラスタシス、ムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)、パシフロラ、ナギイカダおよびセイヨウオトギリソウからなる群から選択される1つまたは複数の物質を含む請求項10,11,12または13に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項15】
前記物質は、カリウム、マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンB12およびホスファチジルセリンからなる群から選択される請求項14に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項16】
前記ビタミンC、前記ビタミンE、前記イチョウおよび前記物質はそれぞれが個々の単位投薬形態物である請求項1または10に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物は単位投薬形態物に配合される請求項1または10に記載の組成物。
【請求項18】
前記単位投薬形態物は経口投与および/または直腸投与のために配合される請求項16または17に記載の組成物。
【請求項19】
前記単位投薬形態物は、ピル、錠剤、カプセル、ゲル−カプセルおよび坐薬からなる群から選択される請求項16または17に記載の組成物。
【請求項20】
前記単位投薬形態物は、500mg〜6000mgの前記ビタミンC、200IU〜8000IUの前記ビタミンE、および、40mg〜160mgの前記イチョウ抽出物を含む請求項16または17に記載の組成物。
【請求項1】
有効成分として、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ(Gingko bioloba)、ならびに、ビタミン、ミネラル、アミノ酸および薬草からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、かつ、生理学的に許容され得る医薬用のキャリアまたは希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項2】
神経変性障害を治療するための、請求項1に記載の医薬組成物の使用。
【請求項3】
神経変性障害を治療するために特定された医薬品を製造するための、請求項1に記載の医薬組成物の使用。
【請求項4】
対象における神経変性障害を治療する方法であって、その必要性のある対象に請求項1に記載の医薬組成物を与え、それにより、対象における神経変性障害を治療することを含む方法。
【請求項5】
前記ビタミンは、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンH、コリン、葉酸およびパラアミノ安息香酸(PABA)からなる群から選択される請求項1,2,3または4に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項6】
前記ミネラルは、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、カリウム、セレン(ピコリン酸塩)および亜鉛からなる群から選択される請求項1,2,3または4に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項7】
前記薬草は、アルム・サチブム(Allum Sativum)(ニンニク)、ブラックカラント(Ribes nigra)、ブロムライン(Bromlain)、エキナセア、オタネニンジン(Ginseng(panax))、シベリアニンジン(Ginseng(Siberian))、ヒドラスタシス(Hydrastasis)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)(アルファルファ)、パシフロラ(Passiflora)、ナギイカダ(Ruscus aculeatus)、セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)およびビルベリー(Vaccinium myrtillus)からなる群から選択される請求項1,2,3または4に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項8】
DMAE(ジメチルアミノエタノール)、フラボノイド(ルチン)、グルタチオン、イノシトール、リコペン、メラトニン、オメガ−3脂肪酸、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルセリン、ケルセチンおよびユビキチン(Q10)からなる群から選択される少なくとも1つの物質をさらに含む請求項1,2,3または4に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項9】
前記神経変性障害は、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、糖尿病性神経障害、脳血管障害、脊髄傷害、緑内障性神経障害、自己免疫脳脊髄炎、アルツハイマー病、特発性痴呆およびハンチングトン病からなる群から選択される請求項1,2,3または4に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項10】
有効成分として、ビタミンC、ビタミンE、イチョウ、ならびに、亜鉛、ピコリン酸セレン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンH、葉酸、クロム、マンガン、フラボノイド、ホスファチジルコリン、ジメチルアミノエタノール、オメガ−3脂肪酸、アルギニン、ビルベリー抽出物およびパラアミノ安息香酸(PABA)からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、かつ、生理学的に許容され得る医薬用のキャリアまたは希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項11】
緑内障性神経障害を治療するための、請求項10に記載の医薬組成物の使用。
【請求項12】
緑内障性神経障害を治療するために特定される医薬品を製造するための、請求項10に記載の医薬組成物の使用。
【請求項13】
対象における緑内障性神経障害を治療する方法であって、その必要性のある対象に請求項10に記載の医薬組成物を与え、それにより、対象における緑内障性神経障害を治療することを含む方法。
【請求項14】
前記医薬組成物はさらに、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、コリン、葉酸、カルシウム、ブロムライン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、カリウム、ホスファチジルセリン、ケルセチン、ユビキチン、グルタチオン、イノシトール、メラトニン、アスパラギン酸塩、システイン、グルタミン酸塩、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アルム・サチブム(ニンニク)、ブラックカラント、エキナセア、オタネニンジン、シベリアニンジン、ヒドラスタシス、ムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)、パシフロラ、ナギイカダおよびセイヨウオトギリソウからなる群から選択される1つまたは複数の物質を含む請求項10,11,12または13に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項15】
前記物質は、カリウム、マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンB12およびホスファチジルセリンからなる群から選択される請求項14に記載の使用、医薬組成物または方法。
【請求項16】
前記ビタミンC、前記ビタミンE、前記イチョウおよび前記物質はそれぞれが個々の単位投薬形態物である請求項1または10に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物は単位投薬形態物に配合される請求項1または10に記載の組成物。
【請求項18】
前記単位投薬形態物は経口投与および/または直腸投与のために配合される請求項16または17に記載の組成物。
【請求項19】
前記単位投薬形態物は、ピル、錠剤、カプセル、ゲル−カプセルおよび坐薬からなる群から選択される請求項16または17に記載の組成物。
【請求項20】
前記単位投薬形態物は、500mg〜6000mgの前記ビタミンC、200IU〜8000IUの前記ビタミンE、および、40mg〜160mgの前記イチョウ抽出物を含む請求項16または17に記載の組成物。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【公表番号】特表2008−501012(P2008−501012A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−514328(P2007−514328)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000573
【国際公開番号】WO2005/117924
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506400247)フューチャー プロダクツ マネージメント エス.エイ. (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000573
【国際公開番号】WO2005/117924
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506400247)フューチャー プロダクツ マネージメント エス.エイ. (1)
【Fターム(参考)】
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