説明

神経障害の治療における選択的オピエート受容体調節物質の使用

【課題】 神経障害、この障害に伴う臨床像および症状、並びに関連障害の診断、予防および/または治療、好ましくは予防および/または治療に首尾よく利用できる薬学的活性化合物を利用可能とすること。
【解決手段】 神経障害およびこの障害に伴う臨床像および症状の診断、予防および/または治療用薬剤の製造における選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物の使用、および1つ以上の前記調節化合物を含む医薬組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経障害およびこの障害に伴う臨床像および症状の診断、予防および/または治療用薬剤の製造における選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
神経障害、もしくは末梢神経障害は、末梢神経障害の障害、通常神経障害を指している一般名である。末梢神経系は、脊髄から身体のすべての部分に分岐している神経から構成されている。末梢神経障害は、この障害が体内で起きる場所によっても分類することができる。神経障害が、身体の1つの領域で起きる場合は単神経障害と呼ばれ、多くの領域で起きる場合は多発神経障害と呼ばれる。神経根障害は、神経根に影響を及ぼす神経障害を意味する用語である。この障害が身体の両側の同じ場所で起きる場合は、その症状は対称性神経障害と呼ばれる。末梢神経障害の原因としては、糖尿病、ビタミン欠乏症、HIV、癌、ウイルス、アルコール乱用があり、また、末梢神経障害は薬剤の副作用として起こりうる。このため、神経障害は、糖尿病性神経障害、栄養性神経障害またはアルコール性神経障害などの原因により分類することができる。原因を特定できない場合、その症状は、特発性神経障害と呼ばれる。末梢神経障害は苦痛を伴うことが多く、時には日常生活に支障を来たす。病因、臨床像、発現および/またはその他の疾患との相互関連については、文献、例えば、ボールトン(Boulton),ディアベート・アンド・メタボリズム(Diabetes Metab)1998,24(補遺3),55−65;イラ(Illa),ユーローピアン・ニューロロジー(Eur Neurol)1999,41(補遺1),3−7;ラゲニー(Lagueny),ラ・レビュー・デュ・プラティシアン(Rev Prat)2000,50,731−735;ペルチェ(Peltier)とラッセル(Russell),カレント・オピニオン・イン・ニューロロジー(Curr Opin Neurol)2002,15,633−638;シムプソン(Simpson),ジャーナル・オブ・ニューロビロロジー(J Neurovirol)2002,8(補遺2),33−41;スイーニー(Sweeney),クリニカル・ジャーナル・オブ・オンコロジー・ナーシング(Clin J Oncol Nurs)2002,6,163−166;およびウルフ(Wulff)とシムプソン(Simpson),セミナーズ・イン・ニューロロジー(Semin Neurol)1999,19,157−164;において広く論じられている。引用された刊行物およびこれらの刊行物において引用された文献で開示されたことは、引用により本明細書に組み込まれている。
【0003】
糖尿病に最も多く見られる合併症は神経障害である。疾患の経過中に神経障害を発症する糖尿病患者は60%にのぼると推定されている。神経障害は、通常、多種多様な症状、即ち、無感覚または刺痛感覚、ピンや針につかれたような非常に苦しい感覚または連続的な電気ショックを受けるのに似た感覚、および種々の種類および状態の痛みを伴う。これらの症状は、個別に起こることもあれば、累積的に起こることもある。糖尿病関連または糖尿病関係の神経障害の症状に痛みがあれば、この疾患を有痛糖尿病性神経障害、即ちPDNとも呼ぶほうがよい。
【0004】
糖尿病性神経障害の症状および特にこの神経障害に伴う痛みは、足およびくるぶしに影響を及ぼすことが最も多く、さらに、程度は低いが、膝より上の脚および両腕にも影響を及ぼす。血糖値のコントロールが規則的にできていないと、神経障害を発症し、さらに、かなりの確率で神経障害の臨床像を発症させる。糖尿病性神経障害の場合、末梢神経障害の原因は、真性糖尿病であると判明しており、血糖値のコントロール不良およびその結果生じる高グリシン血症と関連があると考えられている。血糖値が規準より高いほど、且つ
規準値より上にある時間が長いほど、疾患はより重篤になる可能性がある。血糖値の上昇を神経障害に結びつける正確な機序を確立する必要があり、神経増殖因子異常、または心血管疾患(虚血、低酸素症)の作用などの他の因子も、重要な寄与因子として示唆されている(例えば、ジュード(Jude)およびボールトン(Boulton),ディアベート・レビューズ(Diabetes Reviews)1999,7,395−410;ドゥオーキン(Dworkin),ザ・クリニカル・ジャーナル・オブ・ペイン(Clin J Pain)2002,18,343−349;シモンズ(Simmons)およびフェルドマン(Feldman),カレント・オピニオン・イン・ニューロロジー(Curr Opin Neurol)2002,15,595−603;バルバノ(Barbano)ら,カレント・ペイン・アンド・ヘッドエーク・レポート(Curr Pain Headache Rep)2003,7,169−177;スプルース(Spruce)ら,ディアベチック・メディシン(Diabet Med)2003,20,88−98)を精査すること)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、神経障害、この障害に伴う臨床像および症状、並びに関連障害の診断、予防および/または治療、好ましくは予防および/または治療に首尾よく利用できる薬学的活性化合物を利用可能とすることである。これらの薬学的活性化合物には、従来技術に比べて、効力または効能が高く、選択性が向上し、および/または副作用がほとんどないか全くなく、特にこれらの化合物で治療した患者の中枢神経系との負の相互作用がほとんどないか全くないなどの有利な特性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
意外なことに、選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物、および特に末梢選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物を、神経障害、この障害に伴う臨床像および症状、並びに関連障害の診断、予防および/または治療において首尾よく使用できることが判明した。
【0007】
さらに、本明細書に記述される選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物は、好ましくは、神経再生を促進し、従ってより好ましくは、神経障害からの部分的または全体的転換などの、本明細書に記述される病的状態または障害の治癒を加速または誘発することができる。さらに、本明細書に記述される選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物は、好ましくは従来技術の薬剤よりも副作用が少ない。
【0008】
従って、本発明の主題は、神経障害、この障害に伴う臨床像および症状、並びに関連障害の診断、予防および/または治療用薬剤の製造における、選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物の使用である。
【0009】
本発明にしたがう神経障害は、好ましくは、有痛性糖尿病性神経障害、糖尿病誘発性神経障害だけでなく、栄養誘発性神経障害、ビタミン欠乏誘発性神経障害、HIV誘発性神経障害、癌誘発性神経障害、ウイルス誘発性神経障害、アルコール乱用誘発性神経障害および薬剤誘発性神経障害からなる群から選択され、より好ましくは、糖尿病誘発性神経障害、栄養誘発性神経障害およびアルコール乱用誘発性神経障害からなる群から選択され、および特に糖尿病誘発性神経障害または糖尿病性神経障害である。好ましくは、本発明の神経障害は、有痛糖尿病性神経障害を含むか、または有痛糖尿病性神経障害からなる。
【0010】
好ましくは、前記オピエート受容体はカッパ型オピエート受容体である。好ましくは、前記受容体調節物質は、受容体に対して末梢選択的である。好ましくは、前記受容体調節物質は受容体作動薬または受容体拮抗薬であり、特に好ましくは、前記受容体調節物質は
受容体作動薬である。
【0011】
従って、本発明の主題は、神経障害、この障害に伴う臨床像および症状、並びに関連障害の診断、予防および/または治療用の薬剤の製造における、末梢選択的カッパ型オピエート受容体調節物質として有効な化合物の使用である。
【0012】
本発明の選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物は、ヘルペス後神経痛、化学療法誘発性神経障害、外陰痛、および/または紅斑性狼瘡などの他の病因、および関連障害、臨床像または適応症の神経障害においても高い効力を示す。前記障害の予防および/または治療において、本発明の選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物の効力または効能は、例えば、バッコーニャ(Backonja)およびグランツマン(Glanzman),クリニカル・セラピューチックス(Clin Ther)2003,25,81−104;ベート(Bates)およびチミンズ(Timmins),インターナショナル・ジャーナル・オブ・エスティーデイ・アンド・エイズ(Int J STD AIDS)2002,13,210−212;カラザナ(Carrazana)およびミコシバ(Mikoshiba),ジャーナル・オブ・ペイン・アンド・シムプトム・マネージメント(J Pain Symptom Manage)2003,25(5補遺),S31−35;ハレル(Harel)ら,ペディアトリック・ニューロロジー(Pediatr Neurol)2002,27,53−56;ジェンセン(Jensen),ユーローピアン・ジャーナル・オブ・ペイン(Eur J Pain)2002,6(補遺A),61−68;ラスピナ(LaSpina)ら,ユーローピアン・ジャーナル・オブ・ニューロロジー(Eur J Neurol)2001,8,71−75;レルシュ(Lersch)ら,クリニカル・コロレクタル・キャンサー(Clin Colorectal Cancer)2002,2,54−58;および/またはメレガース(Mellegers)ら,クリニカル・ジャーナル・オブ・ペイン(Clin J Pain)2001,17,284−295;に記述された当該技術分野で周知の方法またはこれらの方法と類似な手法により証明することができる。引用された刊行物およびこれらの刊行物で引用された文献の開示内容は、引用により本出願に明確に組み込まれている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
従って、本発明の好ましい実施形態は、他の病因の神経障害、および関連障害、臨床像または適応症からなる群から選択される、および好ましくはヘルペス後神経痛、化学療法誘発性神経障害、外陰痛、および紅斑性狼瘡からなる群から選択される障害の治療用薬剤の製造における、選択的オピエート受容体調節物質として、特に末梢選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物の使用に関する。
【0014】
選択的オピエート受容体調節物質として、特に末梢選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物、あるいはより正確にはオピエート受容体、特に末梢オピエート受容体に対して選択的な活性を示す化合物が当業者には既に知られており、文献に広く記述されている。これらの調節物質は、通常、オピエート受容体作動薬およびオピエート受容体拮抗薬に分類することができる。数年にわたり、オピエート受容体の種々のサブタイプが発見され、詳細に研究されている。代表的なサブタイプには、カッパ型オピエート受容体とミュー型オピエート受容体がある。
【0015】
本発明にしたがう使用に適した化合物は、選択的オピエート調節物質として、好ましくは末梢選択的オピエート調節物質として有効な化合物、より好ましくは末梢選択的オピエート作動薬、より一層好ましくは末梢選択的カッパ型またはミュー型オピエート作動薬および特に好ましくは末梢選択的カッパ型オピエート作動薬である。これらの化合物は、以後、「本発明にしたがって用いられる化合物」または「調節化合物」と呼ばれる。
【0016】
この種の調節化合物としては、種々のものが、例えば次の引用文献から当該技術分野において知られている。独国特許出願公開第3,935,371号、独国特許出願公開第4,034,785号、独国特許出願公開第4,215,231号、欧州特許出願公開第0,569,802号、欧州特許出願公開第0,752,246号、J.N.セングプタ(Sengupta)ら,ペイン(Pain)79(1990)175−185;ローレンツ・ディオプ(Laurent Diop)ら,ユーローピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(European Journal of Pharmacology)271(1994)65−71;ゴットシュリヒ(Gottschlich)ら,キラリティー(Chirality)6,685−689(1994);ゴットシュリヒ(Gottschlich)ら,ドラッグス・イクスペリメンタル・クリニカル・リサーチ(Drugs Exptl.Clin.Res.,XXI(5),171−174(1995);A.バーバー(Barber)ら,ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Br.J.Pharmacol.(1994)113,1317−1327;およびJ.N.ジュニアン(Junien),P.リビエール(Riviere),アリメンタリー・ファーマコロジー・アンド・セラピューチックス(Aliment.Pharmacol.Ther)1995,9,117−126;および上の刊行物で引用された文献。これらの特許および文献は、引用により本発明の開示内容に組み込まれている。
【0017】
上で引用された文献で開示された調節化合物は、引用により本出願に含まれる。従って、本発明の薬剤の製造における調節化合物の使用は、本発明のクレームの主題である。
【0018】
本発明にしたがって用いられる別の化合物は、例えば、当該技術分野で知られており且つ確立されている方法、またはこれら確立された方法に類似した方法により、例えば、受容体結合アッセイ、処理能力の高いスクリーニング、試験管テストシステム、生体テストシステム、動物モデルにより、当業者により容易に決定することができる。本発明にしたがって用いられる化合物を確認するために使用することができる方法の例は、次に引用される。即ち、クリマー(Krimmer),E.C.ら,フェデレーション・プロシーディングス(Fed.Proc.)1982(5),41(7),2319−2322;スペティー(Spetea)ら,ライフ・サイエンシズ(Life Sciences)69(2001),1775−1782;およびラシ(Lathi)ら,ユーローピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(European Journal Pharmacology)1985,109,281−284;および上で引用された刊行物で引用された文献。これらの文献は、引用により本発明の開示内容に組み込まれる。
【0019】
本発明にしたがって用いられる化合物の活性または効能は、当該技術分野で知られる方法、またはその方法に類似した仕方により判定することができる。適切な方法には、試験管検定、生体内検定、細胞ベース検定および動物モデル、および臨床方法または臨床試験などの前臨床方法があるが、これらに限定されない。適切な方法は、例えば、キム(Kim)およびチュン(Chung),ペイン(Pain)1992,50,355−363;ブテルマン(Butelman)ら,ザ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・イクスペリメンタル・セラピューチックス(J Pharmacol Exp Ther)2003,306,1106−1114;フィールド(Field)ら,ペイン(Pain)1999,80,391−398;ミキ(Miki)ら,ユーローピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Eur J Pharmacol)2001,430,229−234;ワリン(Wallin)ら,ユーローピアン・ジャーナル・オブ・ペイン(Eur J Pain)2002,6,261−272;バッコーニア(Backonja),エピレプシア(Epilepsia)1999,40(補遺6),S57−59;ゴルソン(Gorson)ら,ジャーナル・オブ・ニューロロジー・ニューロサージェリー・アンド・プシチアトリー(J Neurol Neurosurg Psy
chiatry)1999,66,251−252;ダロッチョ(Dallocchio)ら,ジャーナル・オブ・ペイン・アンド・シムプトム・マネージメント(J Pain
Symptom Manage)2000,20,280−285;ヘムストリート(Hemstreet)およびラポインテ(Lapointe),クリニカル・セラピューチックス(Clin Ther)2001,23,520−531;ブルックスーロック(Brooks−Rock),ザ・ナース・プラクチショナー(Nurse Pract)2001,26,59−61;バッコーニア(Backonja),およびグランツマン(Glanzman),クリニカル・セラピューチックス(Clin Ther)2003,25,81−104;カウル(Kaul)ら,アーカイブス・インターナショナルズ・ド・ファーマコディナミー・エ・ド・セラピー(Arch Int Pharmacodyn Ther)1978,234,139−144;およびカルカット(Calcutt)ら,アネセジオロジー(Anesthesiology)2000,93,1271−1278;に記述されている。引用された刊行物および刊行物の中で引用された文献の開示内容は、明示的に、引用により本出願内に組み込まれている。
【0020】
例えば、ストレプトゾトシン糖尿病性ラットモデルは、インスリン欠乏性糖尿病および/または障害並びにそれらに関連した対応する症状、特に本明細書に記述される障害および症状(例えば、カウル(Kaul)ら,アーカイブス・インターナショナルズ・ド・ファーマコディナミー・エ・ド・セラピー(Arch Int Pharmacodyn Ther)1978,234,139−144;カルカット(Calcutt)ら,アネセジオロジー(Anesthesiology)2000,93,1271−1278;を参照のこと)を研究するうえで適切な動物モデルであると考えられている。そのモデルでは、誘発された短期の糖尿病によって、熱感覚不全から他の感覚刺激に対する誇張された行動反応に至るまでの感覚障害がラットに生じ、神経栄養性支持体障害が糖尿病の間に感覚神経障害を助長するおそれがある。
【0021】
本発明にしたがって用いられる化合物は、好ましくは、ヘルペス後神経痛、化学療法誘発性神経障害、外陰痛、および/または紅斑性狼瘡などの他の病因、および関連障害、臨床像または適応症の神経障害においても高い効力を示す。前記障害の予防および/または治療においてアシマドリンの効力または効能は、例えば、バッコーニャ(Backonia)およびグランツマン(Glanzman),クリニカル・セラピューチックス(Clin Ther)2003,25,81−104;ベート(Bates)およびチミンズ(Timmins),インターナショナル・ジャーナル・オブ・エスティーデイ・アンド・エイズ(Int J STD AIDS)2002,13,210−212;カラザナ(Carrazana)およびミコシバ(Mikoshiba),ジャーナル・オブ・ペイン・アンド・シムプトム・マネージメント(J Pain Symptom Manage)2003,25(5補遺),S31−35;ハレル(Harel)ら,ペディアトリック・ニューロロジー(Pediatr Neurol)2002,27,53−56;ジェンセン(Jensen),ユーローピアン・ジャーナル・オブ・ペイン(Eur J Pain)2002,6(補遺A),61−68;ラスピナ(LaSpina)ら,ユーローピアン・ジャーナル・オブ・ニューロロジー(Eur J Neurol)2001,8,71−75;レルシュ(Lersch)ら,クリニカル・コロレクタル・キャンサー(Clin Colorectal Cancer)2002,2,54−58;および/またはメレガース(Mellegers)ら,クリニカル・ジャーナル・オブ・ペイン(Clin J Pain)2001,17,284−295;に記述される、当該技術分野で知られる方法またはこれらの方法と類似な手法により証明することができる。引用された刊行物およびこれらの刊行物で引用された文献の開示内容は、明示的に、引用により本出願に組み込まれている。
【0022】
従って、本発明の好ましい実施形態は、ヘルペス後神経痛、化学療法誘発性神経障害、
外陰痛、および紅斑性狼瘡などの他の病因、および関連障害、臨床像または適応症の神経障害からなる群から選択される、および好ましくはヘルペス後神経痛、化学療法誘発性神経障害、外陰痛、および/または紅斑性狼瘡からなる群から選択される障害の治療用薬剤の製造における、選択的オピエート受容体調節物質として、より好ましくは末梢選択的オピエート受容体調節物質として、より一層好ましくは末梢選択的カッパ型オピエート受容体調節物質として、および特に末梢選択的カッパ型オピエート受容体調節物質として有効な化合物の使用に関する。
【0023】
一般に、化合物が、1つ以上のオピエート受容体、好ましくはミュー型およびカッパ型オピエート受容体、より好ましくはミュー型またはカッパ型オピエート受容体および特にカッパ型オピエート受容体に対して親和力を示し、IC50値の測定値が、100μmol以下、好ましくは10μmol以下、より好ましくは3μmol以下、より一層好ましくは1μmol以下および最も好ましくはナノモルの範囲にある場合、その化合物は本発明にしたがって用いられる選択的オピエート受容体調節物質、即ち調節化合物として適切であると考えられる。本発明にしたがって用いられる場合、特に好ましくは、末梢選択的に作用するオピエート受容体調節物質である、上記および下記で規定されるオピエート受容体調節物質である。多くの場合、所定の範囲の下端にあるIC50値が有利であり、場合によってはIC50値ができるだけ小さいことが非常に望ましいが、一般に、上記の上限と、0.0001μmol、0.001μmol、0.01μmolまたは0.1μmolを超える下限との間にあるIC50値が、望ましい薬学的活性を示すのには十分である。
【0024】
化合物の末梢選択的活性、好ましくは薬学的活性化合物の末梢選択的活性またはこの種の化合物を含む薬剤の末梢選択的活性の意味は、当該技術分野で知られており、既知の手順に従って容易に測定することができる。
【0025】
本発明にしたがう末梢選択的化合物は、身体と相互作用する時、好ましくは患者に投与されて患者の神経系と相互作用する時に、末梢神経系に対して選択性を示す化合物を意味する。従って、好ましくは末梢部選択性化合物は、前記患者に投与した場合に患者の中枢神経系に対して検出可能な影響をほとんど示さないか、またはさらに好ましくは全く示さない。
【0026】
本発明にしたがって使用するのに好ましい化合物は、化学式I:
【化1】

[式中、
1は3−7個の炭素原子を有するAr、シクロアルキルまたは4−8個の炭素原子を
有するシクロアルキルアルキルであり、
2はArであり、
1およびR2は一緒になって化学式IIの基であってもよく:
【化2】

3はH、OH、OAまたはAであり、
4は、Hal、OH、OA、CF3、NH2、NHA、NA2、NHCOA、NHSO2
AまたはNA2により随意に一置換または二置換されていてもよいAまたはフェニルであ
り、
5はOH、CH2OHであり、
6およびR7は、それぞれ互いに独立に、H、Hal、OH、OA、CF3、NH2、NHA、NA2、NHCOA、NHCONH2、NO2またはメチレンジオキシであり、
Aは1−7個の炭素原子を有するアルキルであり、
Arは、随意にN、OまたはS原子を含み、A、Hal、OH、OA、CF3、NH2、NHA、NA2、NHCOAおよび/またはNHCONH2により一置換、二置換または三置換されていてもよい単環または二環芳香族基であり、
DはCH2、O、S、NH、NA、−CH2−CH2−、−CH=CH−、−CH2NH−、−CH2−NA−または単結合であり、
および
HalはF、Cl、BrまたはIである]
の化合物で、および/またはこれらの塩類および/または薬学的に許容できる誘導体であり、
特に、式中、Arはフェニルであり、R3はHであり、およびAはメチルである、化学式
Iの化合物、および/またはこれらの塩類および/または薬学的誘導体は、本発明にしたがって用いるための、末梢選択的オピエート受容体調節物質として特に適している薬学的活性化合物である。化学式Iの化合物として特に好ましいものは、N−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミド(EMD61753)および/またはこの化合物の塩および/または薬学的誘導体、好ましくは薬学的に許容できる塩および特に塩酸塩である。この化合物は、アシマドリンとして知られている。
【0027】
本発明にしたがって用いられる他の好ましい調節化合物は、アルビモパン(例えば、アメリカン・ジャーナル・オブ・サージェリー(Am.J.Surg.)2001,11月,182(5A補遺),27S−38S,を参照のこと);ロペラミド(例えば、ザ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・イクスペリメンタル・セラピューチックス(J Pharmacol Exp Ther)1999,4月,289(1),494−502,を参照のこと);スピラドリン(例えば、ポリッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Pol.J.Pharmaco.)1994,1−4月,46(1−2),37−41,を参照のこと);フェドトジン(例えば、エキスパート・オピニオン・オン・インベストゲーショナル・ドラッグス(Expert Opin Investig Drugs)2001,1月,10(1),97−110,を参照のこと);ペンタゾシン(例えば、バイオロジカル・アンド・ファーマシューチカル・ビュレチン(Biol Pharm Bull)1997,11月,20(11),1193−1198,を参照のこと);ICI204448(例えば、ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Br J Pharmaco)1992,8月,106(4),783−789,を参照のこと);U−50488H(例えば、ライフ・サイエンシズ(Life
Sci)2002,3月1,70(15),1727−1740,を参照のこと);ADL10−0101(例えば、ペイン(Pain)2002,3月,96(1−2),13−22,を参照のこと);ADL10−0116(例えば、ペイン(Pain)200
2,3月,96(1−2),13−22,を参照のこと);およびADL1−0398(米国・アドロール社(Adolor Corp.)から)からなる群から選択される。
【0028】
本発明の1つの好ましい実施形態では、これらの調節化合物は、アルビモパン、ロペラミド、フェドタジンおよびアシマドリンからなる群から選択される。
【0029】
本発明の別の好ましい実施形態では、これらの調節化合物は、ICI204448、U−50488H、ADL10−0101、ADL10−0116およびADL1−0398からなる群から選択される。
【0030】
本発明のより好ましい実施形態では、これらの調節化合物は、アルビモパン、ロペラミド、アシマドリン、ADL10−0116およびADL1−0398からなる群から選択される。
【0031】
本発明にしたがって使用するために特に好ましいものは、アシマドリンまたはアシマドリンの塩または溶媒和物である。
【0032】
本発明における、用語「障害の診断用薬剤」は、診断目的に直接用いられる薬剤、並びに、例えば、感度、特に患者の圧迫および痛みに対する感度に影響を及ぼすことにより診断方法の適用を可能にしたりまたは容易にする薬剤を含む。その上、これらの調節化合物は、例えば、本明細書に記述される障害を他の障害から区別し、および/またはこの障害のそれぞれの病因を判定し、および特に本明細書に記述されるこれらの障害のサブタイプを判定する(例えば、オピエート受容体のサブタイプから障害の依存性により)診断ツールとして直接有利に適用することができ、これは治療的価値が非常に高い。
【0033】
本発明にしたがって用いられる化合物には、さらに、これらが好ましくは血液脳関門を通過しないか、または通過するとしても問題にならないほど少ないという利点がある。これが、望ましくない副作用のリスクを最小限に抑制する。
【0034】
さらに、本発明にしたがって用いられる化合物は、投与される患者の中枢神経系と反応しないか、または反応するとしても問題にならないほど少ない。
【0035】
本発明にしたがって用いられる化合物は、このような構造のために血液脳関門を通過することができず、従ってポテンシャル依存性を示さない化合物から選択されることが好ましい。これまでのところ、いずれの形でも本発明の適応症に対する有利な作用の使用を制限するような作用は発見されていない。
【0036】
本明細書に記述されるすべての適応症領域、臨床像または症状において、調節化合物および薬剤における薬学的成分としてまたは活性成分として、特にN−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミドの使用および特にN−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミド塩酸塩(アシマドリン)の使用は、特に有効であることが明らかになった。本明細書に記述されるすべての適応症におけるアシマドリンの特に高い効力は、好ましくはすべての種類の製剤型において維持される。
【0037】
アシマドリンは、好ましくは、神経障害および/またはこれに付随する症状の予防および/または治療において高い効力または効能を示す。
【0038】
より好ましくは、アシマドリンは、糖尿病性神経障害および/またはこの障害に伴う症
状の予防および/または治療において高い効力または効能を示す。
【0039】
従って、本発明の好ましい主題は、神経障害、特に糖尿病性神経障害の診断、予防および/または治療用薬剤の製造における、N−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミドおよび/またはこの化合物の薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、塩類および立体異性体、およびこれらの化合物のすべての比率の混合物の使用、および特に好ましくは生理学的に許容できるこれらの化合物の塩類および/または溶媒和物の使用に関する。
【0040】
従って、本発明の好ましい主題は、神経障害、特に糖尿病性神経障害の診断、予防および/または治療用薬剤の製造における、N−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミドの使用、および特にN−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミド塩酸塩の使用に関する。
【0041】
本発明の別の好ましい実施形態は、ヘルペス後神経痛、化学療法誘発性神経障害、外陰痛、および/または紅斑性狼瘡からなる群から選択される、他の病因、および関連障害、臨床像または適応症の神経障害からなる群から選択される、障害の治療用薬剤の製造における、N−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミドおよび特にN−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミドおよび/またはこの化合物の薬学的に許容可能な誘導体、溶媒和物、塩類および立体異性体、およびこれらの化合物のすべての比率の混合物、およびより好ましくは生理学的に許容できるこれらの化合物の塩類および/または溶媒和物の使用に関する。
【0042】
本発明の別の特に好ましい実施形態は、ヘルペス後神経痛、化学療法誘発性神経障害、外陰痛、および/または紅斑性狼瘡からなる群から選択される、障害、臨床像または適応症の診断、予防および/または治療用薬剤の製造における、N−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミドの使用および特にN−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミド塩酸塩の使用に関する。
【0043】
本発明の別の特に好ましい実施形態は、ヘルペス後神経痛、外陰痛、紅斑性狼瘡および/または化学療法誘発性神経障害からなる群から選択される、障害の診断、予防および/または治療用薬剤の製造における、N−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミドの使用、および特にN−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミド塩酸塩の使用に関する。
【0044】
本発明の特に好ましい実施形態は、神経障害、特に糖尿病性神経障害の予防および/または治療用薬剤の製造における、N−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミド塩酸塩の使用に関する。
【0045】
本発明にしたがえば、本明細書に記述される障害、臨床像および/または症状の予防および/または治療用薬剤の製造における調節化合物の使用が特に好ましい。
【0046】
本発明の別の主題は、本明細書に記述される障害、臨床像および/または症状の診断、予防および/または治療、好ましくは予防および/または治療における、本明細書に規定される調節化合物の使用である。
【0047】
本発明の別の好ましい主題は、神経障害、この障害に伴う臨床像および症状、および本明細書に記述される関連障害の診断、予防および/または治療、好ましくは予防および/または治療における、本明細書に規定される調節化合物の使用である。
【0048】
本発明にしたがえば、本明細書に記述される障害、臨床像および/または症状の治療用薬剤の製造における調節化合物の使用が特に好ましい。
【0049】
従って、本発明にしたがって用いられる化合物および/またはこれらの化合物の生理学的に許容できる塩類および/または生理学的に許容できる誘導体を用いて、これらを少なくとも1つの賦形剤または添加剤と共に、および所望の場合には1つ以上の別の活性化合物と共に適切な形状の薬剤にすることにより、医薬組成物または製剤を製造することができる。このようにして得られた組成物または製剤は、ヒトまたは動物用の薬剤として用いることができる。適切な賦形剤は、経腸投与(例えば、経口または直腸から投与)または腸管外投与に適しており、且つ本発明にしたがって用いられる化合物と反応しない有機または無機物質、例えば、水、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、グリセロール・トリアセテートおよび他の脂肪酸グリセリド、ゼラチン、大豆レシチン、ラクトースまたは澱粉などの炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはセルロースである。
【0050】
経口投与の場合、特に錠剤、被覆錠剤、カプセル、シロップ、ジュースまたはドロップが用いられる。特に興味深いのは、エンテリック・コーティングまたはカプセルシェルを有する被覆錠剤およびカプセルである。直腸から投与する場合は座薬が用いられ、非経口投与の場合は、溶液、好ましくは油状または水溶液、および懸濁液、エマルジョンまたはインプラントも用いられる。
【0051】
本発明にしたがって用いられる化合物は、減圧下で凍結乾燥することもでき、得られた凍結乾燥物は例えば注入液の製造に用いられる。
【0052】
これらの組成物または製剤は、滅菌することができ、および/または防腐剤、安定剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩類、緩衝物質、着色剤および/または香料などの添加剤を含むことができる。所望の場合には、これらは、1つ以上の別の活性化合物、例えば、1つ以上のビタミン、利尿剤、消炎性化合物、抗糖尿病薬、鎮痛剤、消炎薬または本発明の主題ではない化合物などの、本発明にしたがって用いられる化合物以外の化合物を含むこともできる。これらの活性化合物は、調節化合物の治療作用および/または耐容性を、さらに、改良または高めるために、本明細書に記述される障害、臨床像および/または症状の診断、予防および/または治療において使用することができる。
【0053】
本発明の別の主題は、本明細書に規定される選択的オピエート受容体調節物質として有効な1つ以上の化合物(調節化合物)を薬学的有効量含むことを特徴とする医薬組成物である。
【0054】
本発明の別の主題は、本明細書に規定される選択的オピエート受容体調節物質として有効な2つ以上の化合物(調節化合物)を薬学的有効量含むことを特徴とする医薬組成物である。
【0055】
本発明の別の主題は、生理学的に許容できる賦形剤、添加剤、アジュバント、担体および本発明による調節化合物以外の薬学的活性成分からなる群から選択される1つ以上の追加化合物を含むことを特徴とする、上記および/または下記の医薬組成物である。
【0056】
好ましくは、調節化合物以外の薬学的活性成分は、神経障害、この障害に伴う臨床像および症状の診断、予防および/または治療に有用な薬学的活性成分(調節化合物以外の)および抗糖尿病薬から選択される。
【0057】
より好ましくは、神経障害、この障害に伴う臨床像および症状の診断、予防および/または治療に有用な薬学的活性成分(調節化合物以外の)は、アルファーリポ酸、神経栄養性ビタミン類、特にビタミンB6およびビタミンB12、抗痙攣薬、特にガバペンチン、カ
ルシウム拮抗薬、バクロフェン、ジクロフェナック、メタミゾール、キニン、局部麻酔剤、鎮痛剤、特に中枢作用鎮痛剤、および抗うつ薬、特に3環式抗うつ薬、およびこれらの組み合わせなど、本明細書に記述される障害、臨床像および/または症状の対症療法のための薬学的活性成分から選択される。より好ましくは、これらは、アルファーリポ酸、ビタミンB6、ビタミンB12、ガバペンチン、バクロフェン、ジクロフェナック、メタミゾ
ール、キニンおよびメタミゾールとキニンとの組み合わせ、およびこれらの組み合わせから選択される。
【0058】
本発明にしたがえば、本明細書で規定される調節化合物は、本明細書に記述される障害、臨床像および/または症状の対症療法用の薬学的活性成分ではない。
【0059】
従って、本発明の好ましい実施形態は、抗糖尿病薬または抗糖尿病薬とこれらとの組み合わせから選択される、本発明による調節化合物以外の1つ以上の化合物と、本発明による1つ以上の調節化合物との組み合わせに関する。
【0060】
従って、本発明の主題は、薬学的有効量の1つ以上の調節化合物、1つ以上の抗糖尿病薬または抗糖尿病薬およびこれらの組み合わせ、および任意に生理学的に許容できる賦形剤、添加剤、アジュバント、担体および本発明による調節化合物以外の薬学的活性成分からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む医薬組成物である。
【0061】
本発明による抗糖尿病薬には、限定されないが、天然誘導インスリン、慣用的に誘導されたインスリンまたは遺伝子技術により誘導したインスリンを含み、好ましくは短時間作用型インスリン、迅速作用型インスリン、遅延インスリン、長時間作用型インスリン、およびインスリンを含む組み合わせ製品から選択されるインスリン、およびこれらのすべての適用形態、例えば経口、注射、鼻および肺による非経口;アカルボース、ミグリトールおよびボグリボースなどのグルコシダーゼ阻害剤、メッツホルミンなどのバイグアナイデス、カルブタミド、トルブタミド、グリボルヌリド、ギルベンクラミド、グリメプリド、グリキドン、グリソキセピッド、グリクラジッド、グリセンチッド、グリピジッド、グリソラミド、クロルプロパミドおよびグリブリドなどのスルホニル尿素;インスリン増感剤、特にプログリタゾン、ロシグリタゾン、Diab II、イサグリタゾン、GW−409544、バラグリタゾンおよびrhIGF−1/rhIGFRP−3複合体などのチアゾリデンジオンおよびグリタゾン;レパグリナイド、グリメピライドおよびナテグリナドなどのインスリントロピンー拮抗薬;イクセナチド、イクセナチドLARおよびリラグルチドなどのグルカゴン様ペプチド・1−作動薬;ミチグリナイドなどのカルシウム・チャネル拮抗薬;T−1095などのナトリウムおよび/またはグルコース・コトランスポーター;グルカゴンなどのグルカゴン作動薬;プラムリンチドなどのアミリン作動薬;AGT−1およびダクリズマブなどのモノクローナル抗体およびそれらの誘導体;ジアマイドなどのグルタマートデカルボキシラーゼ刺激薬;およびフミカデおよびエタネルセプトな
どのTNFαー拮抗薬が挙げられる。
【0062】
αーグルコシダーゼ阻害剤、バイグアナイドス、ナトリウムおよび/またはグルコース・コトランスポーター阻害剤、インスリノトロープ抗糖尿病薬特にスルホニル尿素、インスリン増感剤およびインスリノトロピン拮抗薬、グルカゴン様ペプチド・1−作動薬、カルシウム・チャネル拮抗薬およびナトリウムおよび/またはグルコース・コトランスポーター阻害剤は、通常、経口抗糖尿病薬として分類されている。経口抗糖尿病薬は、本発明について好ましい抗糖尿病薬である。
【0063】
適切な抗糖尿病薬、分類のカテゴリーおよび方法、並びに作用のメカニズム、活性プロフィルおよび副作用については、ムッチュラー(Mutschler),薬剤の作用(Arzneimittelwirkungen),第8版;ムッチュラー(Mutschler),第4、薬理学および毒性学(Pharmakologie und Toxikologie)2001;真性糖尿病ー新しい治療および療法ー特別版、研究および実務2001;に記述されている。
【0064】
本発明によるより好ましい抗糖尿病薬は、クロルプロパミド、グリベンクラミド、トルブタミド、メッツホルミン、ナテグリナイド、レパグリナド、グリクラジド、グリピジド、グリメピリド、ピオグリタゾンおよびロジグリッツゾンからなる群から選択される。
【0065】
本発明の別の主題は、
a)本明細書に規定される薬学的有効量の1つ以上の選択的オピエート受容体調節物質(調節化合物)、および
b)神経障害、この障害に伴う臨床像および症状の診断、予防および/または治療に適した、好ましくは調節化合物以外の薬学的活性成分および抗糖尿病薬から選択される薬学的有効量の1つ以上の化合物、
の別々のパックからなるキットである。
【0066】
このキットには、箱、びん、ブリスター包装物、バッグまたはアンプルなどの適切なパックまたは容器が含まれている。例えば、このキットには、個別のアンプルが含まれ、アンプルの各々には、例えば、固体状、溶解したものまたは減圧下で凍結乾燥した形態の有効量のそれぞれの薬学的に活性な1つまたは複数の成分が存在する。一方、このキットには、例えば、それぞれの薬学的に活性な1つまたは複数の成分を含むブリスター錠剤の個別の帯状物、またはブリスター錠剤の個別の帯状物を含む個別の箱が含まれている。
【0067】
上述のキットにおいて、個別のパック(b)は、調節化合物以外の1つ以上の化合物として、1つ以上の抗糖尿病薬、好ましくは上述の抗糖尿病薬を含むことが好ましい。随意に、個別のパック(b)は、生理学的に許容できる賦形剤、添加剤、アジュバントおよび担体からなる群から選択される1つ以上の追加化合物を含んでいる。好ましくは、個別のパック(a)および/または(b)に含まれる化合物は医薬組成物として含まれており、それぞれの医薬組成物は、好ましくは、上記および/または下記のものである。
【0068】
本発明にしたがって用いられる化合物が塩基性を有する化合物であれば、その化合物は、通常、塩基またはその化合物の遊離塩基と呼ばれる。例えば、エタノールなどの不活性溶媒中で等量の塩基と酸の反応と、それに続く蒸発により、酸を用いて遊離塩基を酸付加塩に転換することは有利である。この反応の適切な酸類は、生理学的に許容できる塩類を与えるものである。従って、無機酸類、例えば、硫酸、亜硫酸、ジチオン酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸などのハロゲン化水素酸類、例えば、オルト燐酸などの燐酸類、スルファミン酸、さらに、有機酸類、特に脂肪族、脂環式、アルアリファチック、芳香族または複素環モノ塩基またはポリ塩基カルボン酸、スルホン酸または硫酸類、例えば、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、こはく酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、りんご酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタンーまたはエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリメトキシ安息香酸、アダマンタンカルボン酸、p−トルエンスルホン酸、グリコール酸、エムボン酸、クロロフェノキシ酢酸、アスパラチン酸、グルタミン酸、プロリン、グリオキシル酸、パルミチン酸、パラクロロフェノキシイソ酪酸、シクロヘキサンカルボン酸、グルコース1−ホスフェート、ナフタレンモノーおよびジスルホン酸またはラウリル硫酸を用いることが可能である。生理学的に許容できない酸類との塩類、例えば、ピクラートは、化学式Iの化合物を分離および/または精製するのに用いることができる。一方、化学式Iの化合物は、塩基類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム)を用いて、対応する金属塩類、特にアルカリ金属塩類またはアルカリ土類金属塩類、または対応するアンモニウム塩類に転換することができる。適切な塩類には、さらに、置換アンモニウム塩類、例えば、ジメチルー、ジエチルーおよびジイソプロピルアンモニウム塩類、モノエタノールー、ジエタノールーおよびジイソプロパノールアンモニウム塩類、シクロヘキシルーおよびジシクロヘキシルアンモニウム塩類、ジベンジルエチレンジアンモニウム塩類、さらに、例えば、アルギニンまたはリジンとの塩類がある。
【0069】
一方、本発明にしたがって用いられる酸性の化合物は、例えば、エタノールなどの不活性溶媒中で等量の塩基と酸性化合物の反応と、それに続く蒸発により、塩基を用いて塩基付加塩に転換することができる。適切な塩基類の例は、本発明にしたがって用いられる化合物を、それぞれ、アンモニウム塩類または金属塩類に変える、エタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどの生理学的に許容できるアミン類、水酸化物類または炭酸塩類である。
【0070】
一方、所望の場合には、化学式Iの遊離塩基は、塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム)を用いてこれらの塩類から遊離させることができる。
【0071】
本発明にしたがって用いられる化合物の薬学的に許容できる誘導体は、プロドラッグ、代謝物などを含んでいる。この種のプロドラッグおよび/または代謝物の例には、アルキル基、アシル基および/または生分解性ポリマーなどの容易に分解および/または除去される基により修飾された、本発明にしたがって用いられる化合物が含まれており、従って本発明にしたがって用いられる化合物をそれぞれの誘導体から遊離させる。適切なバイオポリマーの例は、文献、例えば、インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューチカル(Int.J.Phram.)115,61−67(1995),に記述されている。
【0072】
本明細書で用いる場合、用語「溶媒和物」は、好ましくは、溶質(本発明では、化学式Iの化合物またはその化合物の塩または生理学的に機能性の誘導体)と溶媒とにより形成された可変型化学量論的複合体を指している。本発明の目的のためのこの種の溶媒は、溶質の生物学的活性を妨害することはない。適切な溶媒の例には、水、メタノール、および酢酸が含まれるが、これらに限定されない。用いられる溶媒は薬学的に許容できる溶媒であることが好ましい。適切な薬学的に許容できる溶媒の例には、水、エタノール、および酢酸が含まれるが、これらに限定されない。最も好ましくは、用いられる溶媒は水である。適切な溶媒の例は、調節化合物のモノーまたはジ水和物またはアルコラートである。
【0073】
さらに、本発明は、上で規定される選択的なオピエート受容体調節物質として有効な1つ以上の化合物を含む医薬組成物に関し、好ましくは、上で規定される選択的なオピエート受容体調節物質として有効な1つ以上の化合物を含む医薬組成物に関し、この化合物ま
たはこれらの化合物は薬学的に活性な量で含まれる。
【0074】
本発明にしたがう医薬組成物は、当該技術分野において知られる方法またはこれらの方法に類似した方法で、取得または製造することができる。通常、本発明にしたがう医薬組成物は、非化学的方法、例えば、活性成分を混合して作られる。即ち、1つ以上の調節化合物(またはそれらの塩類)および、随意に、本発明による調節化合物(またはそれらの塩類)以外の1つ以上の化合物、および、随意に、別の成分、例えば、生理学的に許容できる賦形剤、添加剤、アジュバントおよび担体を混合し、得られた混合物を所望の製剤形状、例えば、成形方法により錠剤を作り、またはこれらの活性成分を溶媒に溶解して溶液を作る。一般に、活性成分は、1つ以上の賦形剤、例えば、固体、液体および/または半液体賦形剤、または1つ以上の添加剤と共におよび、所望の場合には、1つ以上の別の活性成分と組み合わせて、医薬組成物に変換される。
【0075】
これらの製剤はヒトまたは動物の薬剤として用いることができる。適切な賦形剤は、経腸(例えば、経口)、非経口または局所投与に適した、新規化合物と反応しない有機または無機物質であり、例えば、水、植物油、ベンジルアルコール、アルキレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール・トリアセテート、ゼラチン、ラクトースまたは澱粉などの炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはワセリンである。経口投与に適しているものは、特に、錠剤、ピル、被覆錠剤、カプセル、粉末、顆粒、シロップ、ジュースまたはドロップであり、直腸からの投与に適しているものは座薬であり、非経口投与に適しているものは溶液、好ましくは油状溶液または水溶液、さらに、懸濁液、エマルジョンまたはインプラントであり、局所塗布に適しているものは軟膏、クリームまたは粉末である。新規化合物は減圧下で凍結乾燥することもでき、得られる凍結乾燥物は、例えば、注射液の調製に用いられる。上に示される製剤は、滅菌され、および/または潤滑剤、防腐剤、安定剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧を変えるための塩類、緩衝物質、染料、香料および/または複数の別の活性成分、例えば、1つ以上のビタミン類などの助剤を含む。
【0076】
吸入スプレーとして投与する場合は、活性成分が噴射ガスまたは噴射ガス混合物(例えば、CO2またはクロロフルオロカーボン類)に溶解または懸濁されているスプレーを使
用することができる。この活性成分は、1つ以上の追加の生理学的に許容できる溶媒、例えば、エタノールが存在する微粉状で使用することが有利である。吸入溶液は、普通の吸入器により投与することができる。
【0077】
一般に、本発明による調節化合物は、他の既知の活性成分または従来技術の製剤、例えば、本発明の適応症について市販の製剤と同様に投与することができる。しかし、本発明による調節化合物の有利な特性により、従来技術の化合物について与えられた用量の下限における投与が好ましいことが多い。
【0078】
従って、これらの調節化合物は、単位用量あたり約0.001mgと200mgとの間、より好ましくは、約0.01mgと100mgとの間、より一層好ましくは、約0.01mgと50mgとの間および特に0.01mgと30mgとの間で投与される。適切な投与用量の好ましい例は、約0.1mg、約0.5mg、約1.0mg、約2.0mgおよび約5.0mgから選択される。前記投与用量(単位用量)は、好ましくは1日に1度から5度まで、より好ましくは、1日に1度から3度まで投与する。より一層好ましくは、前記投与用量(単位用量)は、1日に1度または2度(BID=BisInDie)投与する。
【0079】
1日の用量は、好ましくは、約0.0001mg/kg(体重)以上、より好ましくは、約0.001mg/kg(体重)以上、より一層好ましくは約0.005mg/kg(
体重)以上、約0.01mg/kg(体重)以上、約0.1mg/kg(体重)以上である。毎日の用量は、好ましくは、約30mg/kg(体重)未満、より好ましくは、約20mg/kg(体重)未満、より一層好ましくは、約15mg/kg(体重)未満、約5mg/kg(体重)未満または約1mg/kg(体重)未満である。
【0080】
従って、1日用量は、好ましくは、約0.0001と30mg/kg(体重)との間、より好ましくは、約0.001と20mg/kg(体重)との間、より一層好ましくは、約0.005と15mg/kg(体重)との間、特に好ましくは、約0.01と10mg/kg(体重)との間および特に約0.01と2.0mg/kg(体重)との間であり、例えば、1日用量は、約0.0075mg/kg(体重)、約0.0125mg/kg(体重)、約0.025mg/kg(体重)、約0.075mg/kg(体重)、約0.15mg/kg(体重)および約0.25mg/kg(体重)から選択される。場合により1日用量を1回で投与することが有益である。多くの場合、1日用量を同量ずつ2度に分けて投与することが有益である。
【0081】
一般に、これらの調節化合物の用量に関するmg単位の記載は、薬学的に有効な化合物自身に基づいているが、この化合物が塩、例えば、塩酸塩として投与される場合は、その化合物の塩としての重量に基づくことが好ましい。mg/kg単位で示される用量は、その化合物が投与されるkg単位の患者の体重に基づいている。
【0082】
しかし、各患者の特定の用量は、種々の因子、例えば、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的健康状態および性別、食事、投与の時間およびルート、および排出速度、薬学的組み合わせおよび治療している個々の障害の重篤さに依存する。経口投与が望ましい。
【0083】
本発明の態様による治療または投与の対象は、このような治療または投与を必要としているあらゆる患者であり、好ましくは動物、とくにヒト以外の哺乳類、および特に好ましいものはヒトである。
【実施例】
【0084】
A)ストレプトゾトシンの1回の注射(50mg/kg,腹腔内に)によりラットにインスリン欠乏糖尿病を誘発させた。これらのラットから採取した血液試料において測定された高血糖値により糖尿病の発症を確認した後、アシマドリンを1mg/kg、5mg/kgおよび15mg/kgの用量で皮下に投与した。比較のために、糖尿病性神経障害の最新の治療薬であるガバペンチンを50mg/kg投与した。足を引っ込める動きの閾値(接触アロディニア)を求めるために、負荷重量が2gのフィラメントからスタートし、フィラメントが曲がるまでの圧力で一連のフォンフレイ・フィラメント(最小0.25g,最大15g)を、右の後脚の足底の表面に順に当てた。5秒後に反応がない場合は、負の反応と見なされ、次に重いフィラメントを当てた。脚が上がると正の反応と見なされ、次に最も軽いフィラメントを当てた。この一連の作業は、最初の作用の変化後4つの測定がなされるまで、または5つの連続した負のスコア(15gのスコアが与えられても)または4つの正のスコア(0.25gのスコア)が得られるまで続けられた。得られた正および負のスコアの結果を用いて、50%反応閾値を求めた。
【0085】
投与3時間後に測定した場合は、アシマドリンは、用量依存的に阻害し、最高用量では、接触アロディニアがほぼ完全に消失し、非糖尿病のレベルにまでなった。これは、ガバペンチン50mg/kgに相当する。これらのデータを表1に示す。この有効な作用がアシマドリンのオピオイド機序によることは、表1からも見ることができる。アシマドリンの最高用量の抗異痛病作用は、選択的カッパ型拮抗薬ノルービナルトルフィミン(nor−BNI)を足底内に注入することにより完全に消失した。
【0086】
【表1】

【0087】
B)外科交感神経切除術、即ち、麻酔をかけられたラットの1つの側のL5およびL6脊髄神経をしっかりと結さつすることにより神経障害による苦痛を誘発させた。回復15日後、一連のフォンフレイ・フィラメント(0.4−15g)を結さつされた後脚の足底の表面に順に当て、上記記載の機械刺激に対する足の引っ込みに関する50%閾値を決定した。
【0088】
投与2時間後に測定した場合は、アシマドリンは、用量依存的に阻害し、最高用量では、接触アロディニアがほぼ完全に消失し、結さつされていないラットのレベルにまでなった。これは、ガバペンチン50mg/kgに相当する。これらのデータを表2に示す。
【0089】
【表2】

【0090】
C)種々の感覚種については、アロディニアにより神経因性疼痛を特徴づけることができるので、熱性アロディニアもサルをモデルにして調べた。このモデルでは、0.004モルのカプサシンを尾の表面に局所塗布してアロディニアを誘発させ、38℃か42℃の害のない温度の水に尾を浸漬した後、尾を引っ込める間の潜伏期によりアロディニアを評価した(20秒の潜伏期の中断)。
【0091】
投与45分後に測定した場合は、アシマドリンは、用量依存的に阻害し、最高用量では、38℃の条件下で、熱性アロディニアがほぼ完全に消失し、結さつされていないラットのレベルにまでなった。これらのデータを表3に示す。
【0092】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経障害、前記障害に伴う臨床像および症状、並びに関連障害の診断、予防および/または治療のための薬剤の製造における、選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物の使用。
【請求項2】
前記受容体調節物質が受容体作動薬である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記受容体調節物質が前記受容体に対して末梢選択的である、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記受容体調節物質がカッパ型オピエート受容体である、請求項1−3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
前記化合物が、アルビモパン、ロペラミド、アシマドリン、フェドトジン、ペンタゾシン、U62066E、ICI204448、U−50488H、ADL10−0101、ADL10−0116およびADL1−0398からなる群から選択される、請求項1−4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
選択的オピエート受容体調節物質として有効な化合物が、N−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−2,2−ジフェニルアセトアミド、および/または薬学的に許容できる前記化合物の誘導体、溶媒和物、塩または立体異性体、またはあらゆる比率で混合したこれらの混合物である、請求項1−5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
前記関連障害が、ヘルペス後神経痛、外陰痛、紅斑性狼瘡および化学療法により誘発される神経障害からなる群から選択される、請求項1−6のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
神経障害の予防および/または治療用の薬剤の製造における化合物N−メチル−N−[(1S)−1−フェニル−2−((3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]2,2−ジフェニルアセトアミド塩酸塩の使用。
【請求項9】
請求項1−6のいずれかに規定される選択的オピエート受容体調節物質として有効な薬学的有効量の化合物を1つ以上含む医薬組成物。
【請求項10】
生理学的に許容できる賦形剤、添加剤、アジュバント、担体および請求項1−6のいずれか1つの項に記載の化合物以外の薬学的活性成分からなる群から選択される1つ以上の追加の化合物を含む、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
請求項1−6のいずれかに記載の化合物以外の薬学的活性成分が、抗糖尿病薬、および神経障害、前記障害に伴う臨床像および症状、並びに関連障害の診断、予防および/または治療に有用な請求項1−6のいずれかに記載の化合物以外の薬学的活性成分から選択される、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
請求項9−11のいずれかに記載の医薬組成物の製造方法であって、請求項1−6のいずれかに規定される選択的オピエート受容体調節物質として有効な1つ以上の化合物、および請求項10および/または請求項11に規定される任意の1つ以上の追加化合物を一緒に混合し、投与に適切な医薬組成物に変換することを含む方法。
【請求項13】
a)請求項1−6のいずれかに規定される薬学的有効量の1つ以上の選択的オピエート
受容体調節物質、および
b)請求項1−6のいずれかに記載の化合物以外の薬学的活性成分から選択される薬学的有効量の1つ以上の化合物、
の別々のパックからなるキット。

【公開番号】特開2013−35873(P2013−35873A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−228782(P2012−228782)
【出願日】平成24年10月16日(2012.10.16)
【分割の表示】特願2006−537111(P2006−537111)の分割
【原出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(506148420)ティオガ ファーマシュウティカルズ,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】