移動ノードのネットワークにおいてデータパケットを放送する方法、及び関連するノード
本発明は、道路網の車線に沿って移動する移動ノードの複数のグループを有するアドホックネットワークにおいて、データパケット(D)を放送する方法に関係する。本発明によれば、データパケット(D)が、その間に、データパケット(D)が同時に2つの相反する移動方向(A1、A2)に伝播し、データパケット(D)がグループ(G)の周辺のノード(B1、B2)によって受信されるグループ内放送段階の間に、グループ(G)の中で放送される。グループ間放送段階の間に、周辺のノード(B)は、別のグループに、データパケット(D)を送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークの分野にあると共に、更に特に、アドホックネットワークにおいてデータを放送することに関係する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、各通信ノードが事前に定義された道路網の車線を移動することができる車両である、車々間アドホックネットワーク(vehicular ad hoc network:VANET)に特に、しかし排他的にではなく適用される。
【0003】
車々間アドホックネットワークにおいて、移動ノードは、時間とともに動的に様々なグループを形成すると共に、どんなときでも、グループの中の移動ノードは相互接続されるが、しかしそれらのグループは相互に接続されない。
【0004】
これらのグループの形成は、交通状況、特に都会の環境における交通信号の存在に関連している。
【0005】
更に、無作為にいつでもグループを離れてその後に別のグループに入る傾向がある各移動ノードの移動に応じて、ノードの各グループが、動的に形成されると共に分解される。
【0006】
この結果、そのネットワークは、時間が経つにつれて大きく変化するある程度の接続性によって、接続形態の頻繁な変更を受ける。このために、そのようなネットワークの全てのノードを介してデータを放送するのに使用するのが簡単で、高性能を提供するアルゴリズムを設計することは難しい。
【0007】
“An Information Propagation Scheme for VANETs”と表題が付けられて、“Proceedings of the 8th International IEEE Conference on Intelligent Transportation Systems, Vienna, Austria, September 13-16, 2005”において開示された論文において、“Thomas D.C. Little”及び“Ashish Agarwal”は、データパケットが、指向性伝播プロトコル(Directional Propagation Protocol:DPP)を使用して、両面交通の車線に沿った移動方向と同一の方向に伝播する、車々間アドホックネットワークにおいてデータを放送する方法を説明する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Thomas D.C. Little、Ashish Agarwal、“An Information Propagation Scheme for VANETs”、Proceedings of the 8th International IEEE Conference on Intelligent Transportation Systems、ウィーン、オーストリア、2005年9月13日〜16日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、指向性伝播プロトコルは、使用するのが難しい、ノードのグループを形成して維持するためのメカニズムを必要とし、そして、それは帯域幅の使用に関して非常に高価になり得る。更に、そのプロトコルは、両面交通の車線に沿って移動する全ての移動ノードに対して、データの最適な放送を提供しない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、移動ノードのグループのセットを含むネットワークにおいて少なくとも1つのデータパケットを放送する方法を提案する。
【0011】
本方法は、その間に、少なくとも1つのデータパケットが、同一のグループの前記移動ノードに放送される、グループ内放送段階を含む。
【0012】
前記グループ内放送段階は、その間に、送信元ノードが、前記少なくとも1つのデータパケットを、近隣のノードのセットに放送する初期放送ステップを含む。
【0013】
本発明によれば、前記グループ内放送段階は、更に、逆方向に移動していると共に、送信元ノードのそれぞれの反対側に位置する2つの伝播ノードを選出するステップを含み、前記選出するステップの間に、前記送信元ノードの第1の近隣のノードが、それが前記送信元ノードの移動方向に対して前記送信元ノードの下流に位置していると共に、前記送信元ノードと同一の方向に移動しているという条件で、第1の伝播ノードに選出され、前記選出するステップの間に、前記送信元ノードの第2の近隣のノードが、それが前記送信元ノードの移動方向に対して前記送信元ノードの上流に位置していると共に、前記送信元ノードの移動方向と反対の方向に移動しているという条件で、第2の伝播ノードに選出される。
【0014】
本発明の方法は、送信元ノードのそれぞれの反対側に位置すると共に、お互いに逆方向に移動している少なくとも2つの伝播ノードを選出することを可能にする。従って、そのパケットは、同時に2つの逆方向の移動方向で伝播し、ネットワークにおける伝播を加速する。
【0015】
本発明の1つの特徴によれば、前記グループ内放送段階は、更に、その間に、各選出された伝播ノードが、データパケットを、前記伝播ノードと同一の方向に移動していると共に、前記伝播ノードの移動方向に対して前記伝播ノードの下流に位置する中継ノードに送信する指向性伝播ステップを含む。
【0016】
指向性伝播ステップの間に、各伝播ノードは、データパケットを、その近隣のノードに放送すると共に、中継ノードは、その伝播ノードからの距離に応じて、伝播ノードの近隣のノードから選出される。伝播ノードからの各近隣のノードの距離を考慮することは、伝播ノードの移動方向における伝播ノードの下流に位置するノードを、中継ノードとして選出することを可能にすると共に、それは、伝播ノードから最も大きい距離にある、伝播ノードの範囲内に位置するノードの内の1つである。このように、そのパケットは、グループの周囲に位置するノードにできる限り迅速に伝播する。
【0017】
本発明の1つの特徴によれば、前記指向性伝播ステップは、更に、少なくとも、・その間に、現在の中継ノードが、データパケットを、その近隣のノードに放送する放送ステップと、・その間に、現在の中継ノードと同一の方向に移動していると共に、前記現在の中継ノードの移動方向に対して前記中継ノードの下流に位置する次の中継ノードが、前記現在の中継ノードの近隣のノードの中から選出される選出ステップとを含み、前記放送ステップと前記選出ステップとは、選出されたノードが前記グループの周辺ノードになるまで繰り返される。
【0018】
従って、各移動方向において、データパケットは、中継ノードのセットによって、そのパケットが周辺ノードによって受信されるまで、各伝播ノードの移動方向に連続して放送される。もし伝播ノードがグループの周囲に近いならば、中継ノードの数が、比較的少ないかもしれないか、もしくは本当にゼロであり得ることに、当然ながら注目するべきである。
【0019】
本発明の別の特徴によれば、前記方法は、更に、その間に、データパケットが、周期的放送ステップの間に移動しながら一定時間ごとにデータパケットを放送する運搬ノードを介して、前記運搬ノードが少なくとも1つの他の移動ノードによって送信された前記パケットに関する少なくとも1つの“放送要求信号”を受信するまで、ノードの別のグループに送信されるグループ間放送段階を含む。
【0020】
そのような運搬ノードがパケットを伝送するグループの最後の周辺ノードであることは、当然ながら明瞭であるはずである。グループの中で、もはやその移動方向においてその下流側に位置するどんなノードも発見しないので、この周辺ノードは、パケットを別の中継ノードに放送することができない。従って、この周辺ノードは、このパケットを格納すると共に、それが移動するに従ってこのパケットを運搬し、従って運搬ノードになる。
【0021】
定期的にデータパケットを放送することによって、運搬ノードは、それが移動している間に、データパケットをあらゆる近隣のノードにいつでも送信することができる。従って、データパケットは、運搬ノードがその下流側に新しい近隣のノードを発見するとすぐに、すなわち、それがノードの新しいグループに統合されるとすぐに、運搬ノードを介して、他のグループに転送され得る。運搬ノードが、更に、同一のグループにおける別のノードによって、追い越され得ると共に、その場合に、それは、新しい周辺ノード、そして新しい運搬ノードになることに注意するべきである。
【0022】
これは、事前に相互接続されないノードのグループのセットを含む、高度に分割されたネットワークを横断してデータを放送するのに特に有利である。
【0023】
本発明の別の特徴によれば、前記周期的放送ステップの2つの連続する繰り返しの間の時間間隔は、運搬ノードによって、運搬ノードの移動速度に応じて決定される。
【0024】
運搬ノードによるこの時間期間の動的調整は、運搬ノードの速度に応じて、その伝送周波数を適応させることを可能にすると共に、それは、非常に頻繁な放送を回避することによって、ネットワークの帯域幅の使用を最適化することを可能にする。例えば、移動ノードの速度が増加すると、この時間期間の値は減少する。従って、(例えば障害による)ノードの速度の減少は、次の放送を延期する効果を有する。
【0025】
本発明の別の特徴によれば、前記グループ間放送段階は、更に、・その間に、前記運搬ノードが、その移動方向が前記ノードによる前記パケットの最後の放送以後に変更されたかどうかを判定する検査ステップを含み、・もし変更されていないならば、ノードが、伝播ノードの地位を獲得すると共に、前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”を、近隣のノードに対して、前記近隣のノードによって送信された“放送要求信号”に応答して送信し、・もし変更されているならば、ノードが、送信元ノードの地位を獲得すると共に、前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”を、2つの近隣のノードに対して、前記近隣のノードによって送信された“放送要求信号”に応答して送信する。
【0026】
従って、運搬ノードによるパケットのあらゆる新しい放送の前に、前記ノードは、それが最後にパケットを放送した以後に(すなわち、定期的な放送ステップの最後の反復以後に、または運搬ノードがデータパケットを伝播ノードもしくは中継ノードから受信した後に達成された最初の放送以後に)その移動方向が変わったかどうかを検査する。特に、もし運搬ノードが例えば交差点において車線を変えたならば、移動方向の変更が発生する。
【0027】
本特許出願は、ノードの移動方向がどのように評価されるかに関して説明しないことに注意するべきである。そのような評価は、特に、羅針盤の方位目盛と比較したノードの地理的な座標に基づくことができる。
【0028】
本発明は、更に、・データパケットを受信するための手段と、・待ち時間を、前記移動ノードと前記パケットを送信する移動ノードとの間の距離に応じて決定するための手段と、・前記待ち時間の終わりに、前記パケットに関する“放送要求信号”を前記送信側移動ノードに送信するための手段に命令するための手段と、・前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”の受信と同時に、前記受信されたパケットを放送するための手段に命令するための手段と、・少なくとも1つの他の移動ノードからの前記パケットに関する少なくとも1つの“放送要求信号”の受信まで、前記データパケットを一定時間ごとに放送するための手段と、・前記受信された“放送要求信号”の内の1つを送信した少なくとも1つの移動ノードに、前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”を送信するための手段とを備える移動ノードを提供する。
【0029】
本発明は、更に、ネットワークを形成する移動ノードのグループのセットを含む、少なくとも1つのデータパケットを放送するためのシステムを提供する。
【0030】
本発明によれば、ノードのグループは、・前記少なくとも1つのデータパケットを、ノードの前記グループ内の近隣のノードのセットに放送する送信元ノードと、・逆方向に移動していると共に、前記送信元ノードのそれぞれの反対側に位置する2つの伝播ノードとを含み、前記送信元ノードの第1の近隣のノードは、それが前記送信元ノードの移動方向に対して前記送信元ノードの下流に位置していると共に、前記送信元ノードと同一の方向に移動しているという条件で、第1の伝播ノードに選出され、前記送信元ノードの第2の近隣のノードは、それが前記送信元ノードの移動方向に対して前記送信元ノードの上流に位置していると共に、前記送信元ノードの移動方向と反対の方向に移動しているという条件で、第2の伝播ノードに選出され、各伝播ノードは、前記データパケットを放送する。
【0031】
本発明の別の特徴によれば、ノードのグループは、更に、・前記伝播ノードの内の1つと同一の方向に移動していると共に、前記伝播ノードの移動方向に対して前記伝播ノードの下流に位置する少なくとも1つの中継ノードと、・前記データパケットを、前記伝播ノードの内の1つから、または前記中継ノードの内の1つから受信すると共に、前記データパケットを、前記システムのノードの別のグループに送信するように構成された、ノードの前記グループの周囲に位置する少なくとも1つの運搬ノードとを含む。
【0032】
前と同じように、データのパケットを直接運搬ノードに送信するのに、もし伝播ノードが十分にグループの周囲に近いならば、そのようなシステムのノードのグループが中継ノードを含まないかもしれないことに注意するべきである。
【0033】
本発明は、更に、本発明による移動ノードの処理手段(プロセッサ)によって実行されるように構成されたコンピュータプログラムを提供すると共に、前記プログラムは、以下の、・データパケットを受信するステップと、・待ち時間を、前記移動ノードと前記パケットを送信する移動ノードとの間の距離に応じて決定するステップと、・前記待ち時間の終わりに、前記パケットに関する“放送要求信号”を前記送信側移動ノードに送信するための手段に命令するステップと、・前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”の受信と同時に、前記受信されたパケットを放送するための手段に命令するステップと、・少なくとも1つの他の移動ノードからの前記パケットに関する少なくとも1つの“放送要求信号(RTB:Request To Broadcast)”の受信まで、前記データパケットを一定時間ごとに放送するステップと、・前記受信された“放送要求信号”の内の1つを送信した少なくとも1つの移動ノードに、前記パケットに関する“放送受信準備完了信号(CTB:Clear To Broadcast)”を送信するステップとを実行するための命令を含む。
【0034】
このプログラムは、あらゆるプログラミング言語を使用し得ると共に、ソースコード、オブジェクトコード、または、部分的に編集された形式もしくは他の望ましい形式のような、ソースコードとオブジェクトコードの中間のコードの形式を取り得る。
【0035】
上述のプログラムは、データ媒体に格納され得る。従って、本発明は、更に、コンピュータ上で、更に詳しくは無線コンピュータ端末の処理手段(プロセッサ)上で実行されることを意図している一連のプログラムコード命令の形式で上述のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0036】
情報媒体は、プログラムを記憶することが可能である、あらゆる実体(entity)または装置であり得る。例えば、その媒体は、ROM、例えばCD−ROMまたはマイクロ電子回路ROMのような記憶手段、例えばフロッピー(登録商標)ディスクまたはハードディスクのような磁気記憶手段を含み得る。
【0037】
更に、情報媒体は、無線もしくは他の手段により電気ケーブルもしくは光学ケーブルを介して送られ得る、電気信号もしくは光学信号のような伝送可能な媒体であり得る。本発明のプログラムは、特に、インターネットタイプのネットワークを介してダウンロードされ得る。
【0038】
もう一つの方法として、情報媒体は、プログラムを組み込んだ集積回路であり得ると共に、前記回路は、本発明のデータパケット伝送方法を実行するように、またはその実行において使用されるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図式的に、本発明が使用される都市の道路網上の車々間アドホックネットワークを形成する移動ノードのグループのセットを示す図である。
【図2】図式的に、本発明のグループ内放送段階の間に、それによってグループの中でデータパケットが放送されるシナリオの例を例証する図である。
【図3】本発明のグループ内放送段階のステップをフローチャート形式で示す図である。
【図4】図式的に、それによって2つの伝播ノードが送信元ノードの周辺において選出される本発明によるシナリオの例を例証する図である。
【図5】伝播ノードを選出するための本発明の方法のステップをフローチャート形式で示す図である。
【図6】図式的に、データパケットが伝播ノードから周辺ノードまで送られる本発明によるシナリオの例を例証する図である。
【図7】伝播ノードを選出するための本発明の方法のステップをフローチャート形式で示す図である。
【図8】図式的に、グループ間放送段階の間に周辺ノードがデータパケットをノードの別のグループに放送する本発明によるシナリオの第1の例を例証する図である。
【図9】図式的に、グループ間放送段階の間に周辺ノードがデータパケットをノードの別のグループに放送する本発明によるシナリオの第2の例を例証する図である。
【図10】グループ間放送段階の間に実行される本発明の方法のステップをフローチャート形式で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の他の特徴及び利点は、添付された図面を参照して以下で与えられた、本発明の1つの制限しない実施例を示す説明から明らかになる。
【0041】
本発明は、都市環境内の道路網を横断して移動する複数の移動ノードによって形成された車々間アドホックネットワーク(vehicular ad hoc network:VANET)との関連で、以下で詳細に説明される。
【0042】
例えば、本発明は都市環境に対して特別な利点と共に適用されるが、本発明はその状況に制限されず、そして高速道路ネットワークに対して等しくよく使用され得ることに注意するべきである。
【0043】
図1は、図式的に、複数の両面交通の車線L1、L12、L2、L13、L3、L34、L24、L4を含み、それらの間に複数の交差点J1、J2、J3、J4を形成している道路網において車々間アドホックネットワークを形成する移動ノードのグループG1、G2、G3、G4、G5のセットを表す。
【0044】
車々間アドホックネットワークのメンバーである各移動ノードは、車線に沿って移動すると共に、道路網の交差点J1、J2、J3、J4を横断することができる車両から成る。
【0045】
各ノードは、いつでも道路網の中でそれらの位置を判定することができる。この目的を達成するために、各車両は、・いつでもそれ自身の地理座標を獲得するための受信機、例えばGPS(全地球測位システム)またはガリレオタイプの受信機と、・車両の瞬間的な位置を道路地図上で表示するための、道路網を表すと共にGPSタイプ受信機と連結されるデジタル道路地図とを具備する、従来の衛星航法デバイスを装備している。
【0046】
各ノードは、無線通信端末を装備している。従って、各ノードは、その近隣のノードと通信することができ、更に特にデータパケットを放送することができる。
【0047】
この例では、通信端末は、IEEE802.11プロトコルを使用して通信を行うWiFi(登録商標)トランシーバである。しかしながら、当業者は、明らかに赤外線技術のような他の無線通信技術を使用できるであろう。
【0048】
以下では、基準ノードに言及するとき“近隣のノード”という表現は、有効距離半径によって定義された基準ノードの伝送距離内に位置するあらゆるノードのことを指す。
【0049】
この例において、移動ノードの有効距離半径は、DSRC(Dedicated Short Range Communications:狭域通信システム)標準の指針に従って250メートル(m)に決定される。
【0050】
図1において示されたように、車々間アドホックネットワークのノードのグループG1、G2、G3、G4、G5は、相互接続されない(すなわち、それらは、直接お互いと通信できないと共に、あるグループのノードは、別のグループのノードの範囲の中には存在しない。)。同一のグループにおけるノードは、両面交通の車線に沿って移動し、どんなときでも、相互接続される。ノードの各グループは、無線伝送距離に従い、各ノードが離れている相対的な距離に応じて、自然に構成される。
【0051】
放送局Aは、データパケットをアドホックネットワークに導入するために、車線L12のそばに配置される。
【0052】
グループ内放送段階P1の間のノードのグループG内のデータパケットDの放送は、図2及び図3を参照して、以下で説明される。
【0053】
初期ステップE1の間に、放送されるべきデータパケットDが、送信元ノードSによって受信される。送信元ノードSは、それが属するグループの中でこのパケットの放送の初期化の責任を有するデータパケット輸送ノードである。
【0054】
この例において、ノードが放送ノードAによって送信されたデータパケットを獲得するとすぐに、ノードは送信元ノードSとして選出されると見なされる。
【0055】
送信元ノードを選出するために使用されるメカニズムは、IEEE802.11のRTS/CTS(送信要求信号:Request To Send/受信準備完了信号:Clear To Send)プロトコルに準拠し、その結果、端末Aは、要求信号を送信した端末Aの周辺に位置する全てのノードの中から、送信元ノードを選択する。端末Aは、送信する余裕があるユニキャストモードで、端末に最も近いノードまたは要求信号を最も早く送信したノードにデータパケットを送信する。
【0056】
もしそのような端末が存在しないならば、ノードのグループに属するノードは、それが自発的に放送されるべきデータパケットを生成する時から、送信元ノードとして自選され得る。
【0057】
挿入ステップE2の間に、送信元ノードSは、現在のその地理的座標Cn、及びその時以前に獲得されると共にそれが所定の周期でメモリにセーブする、以前のその座標Cn−1含む、位置情報をデータパケットに挿入する。これらの現在の座標及び以前の座標は、データパケットを受信するノードが、送信元ノードの移動方向を決定することを可能にするために提供される。
【0058】
この同一の挿入ステップE2の間に、送信元ノードは、データパケット内に、データパケットの輸送ノードの地位を特定する変数Hを含んでいるTTL(有効期限:Time To Live)フィールドを生成する。この変数の値は、データパケットを放送する前にそれをインクリメントしてその結果H=1にする送信元ノードによって、0に初期化される。
【0059】
初期放送ステップE3の間に、送信元ノードSは、データパケットDを、図2に示されるように、送信元ノードSの伝送距離Rに等しい半径を有する適用範囲(coverage)領域Zに位置するその近隣のノードN1、N2、3、4、5、6に放送する。
【0060】
選出ステップE4の間に、2つの伝播ノードN1、N2が、送信元ノードSの近隣のノードN1、N2、3、4、5、6の中から選出され。本発明によれば、選出された伝播ノードN1、N2は、送信元ノードSのそれぞれの反対側に位置しており、そして、お互いから離れるように逆方向に移動している。
【0061】
各選出された伝播ノードN1、N2は、その間に、データパケットDが、各伝播ノードN1、N2のそれぞれの移動方向A1、A2に連続してそれを放送することによって送信される、指向性伝播ステップE5を開始することを可能にする。
【0062】
この目的を達成するために、放送サブステップE50の間に、各伝播ノードN1、N2は、データパケットDを、それぞれの近隣のノード7、8、B1;9、10、11、B2に放送する。
【0063】
選出サブステップE52の間に、中継ノードが、各伝播ノードN1、N2の全ての近隣のノードの中から選出されると共に、ここで各選出された中継ノードは、それぞれの伝播ノードと同一の方向に移動していると共に、その移動方向において、各伝播ノードN1、N2の前方に位置している。従って、データパケットは、各伝播ノードの移動方向において、各伝播ノードから中継ノードに送信される。
【0064】
放送サブステップE54の間に、各選出された中継ノードは、その近隣のノードにデータパケットを放送する。図2の例では、選出された中継ノードは、グループGの周囲に位置するノードであると共に、周辺ノードB1、B2に対応している。
【0065】
受信ステップE6の間の周辺ノードB1、B2によるデータパケットDの受信は、指向性伝播ステップE5及びのグループ内放送段階P1を終了させる。
【0066】
伝播ノードN1、N2を選出するステップE4は、図4及び図5を参照して以下で詳細に説明される。
【0067】
送信元ノードSによって送信されたデータパケットDを受信する(ステップE400)と、抽出ステップE401の間に、送信元ノードSの各近隣のノードN1、N2、3、4、5、6、10は、送信元ノードSの現在の地理的座標Cn及び以前の地理的座標Cn−1、そして変数の値H=1を、データパケットDから抽出する。
【0068】
H=1なので、パケットを受信する各ノードは、パケットが送信元ノードSから受信されたと判定する。
【0069】
第1の計算ステップE402の間に、送信元ノードSの地理的座標Cn、Cn−1から、送信元ノードSの各近隣のノードN1、N2、3、4、5、6、10は、それ自身の移動方向に対する、送信元ノードSの移動方向を判定する。
【0070】
選択ステップE403の間に、送信元ノードSの各近隣のノードN1、N2、3、4、5、6、10は、それが伝播ノードとして選出するための候補であるかどうかを判定する。
【0071】
この目的を達成するために、各近隣のノードN1、N2、3、4、5、6、10は、それが送信元ノードSと同一の方向に移動しているかどうかを判定する(ステップE4031)。もしそうであるならば、関係のある各ノードN1、6、5、10は、送信元ノードSの移動方向に対して送信元ノードSの前方に位置しているかどうかを判定する(ステップE4032)。送信元ノードSと同一の方向に移動しているノードN1、6、5、10の内、ノードN1、6だけが、送信元ノードSの移動方向において、送信元ノードSの前方に位置している。従って、それらは、送信元ノードSの移動方向における、伝播ノードの選出のための唯一の候補である。ノード5、10は送信元ノードSと同一の方向に移動しているが、それらは、それらが送信元ノードSの移動方向における送信元ノードSの前方に位置していないので、選出のための候補ではない。
【0072】
同様の手続きは、送信元ノードSの移動方向と反対の移動方向における伝播ノードN2の選出のための全ての候補ノードを判定することを可能にする。この目的を達成するために、各近隣のノードN1、N2、3、4、5、6、10は、それが送信元ノードSと反対の方向に移動しているかどうかを判定する(ステップE4033)。もしそうであるならば、関係のある各ノードN2、3、4は、送信元ノードSの移動方向と反対の移動方向における送信元ノードSの前方に位置しているかどうかを判定する(ステップE4034)。送信元ノードSと反対の方向に移動しているノードN2、3、4の内、ノードN2、4だけが、送信元ノードSの移動方向と反対の移動方向における送信元ノードSの前方に位置している。従って、それらは、送信元ノードSの移動方向と反対の移動方向における、伝播ノードN2の選出のための唯一の候補である。
【0073】
以前の選択ステップE403の間に選択された各候補ノード(すなわちN1、N2、4、6)は、それ自身の瞬間的な地理的座標及び送信元ノードSの地理的座標Cnから、計算ステップE404の間に、それが送信元ノードSから離れている距離di(すなわち、それぞれd1、d2、d4、d6)を判定する。
【0074】
第3の計算ステップE405の間に、各候補ノードN1、N2、4、6は、待ち時間WTi(それぞれWT1、WT2、WT4、WT6)を計算すると共に、待ち時間WTiの終わりに、データパケットの放送要求信号を送信することが許可される。
【0075】
待ち時間WTiは、以下の方程式1に従って、各候補ノードN1、N2、4、6によって、送信元ノードSに対する候補ノードのそれぞれの距離di(それぞれd1、d2、d4、d6)に応じて計算される。
【0076】
【数1】
【0077】
上記方程式1において、WTiは、i番目の候補ノードに割り当てられた待ち時間であり、・WTMaxは、候補ノードに割り当てられ得る最大の待ち時間WTMax=WTi(di=0)であり、・min{}は、最小値を求める関数(MIN関数)であり、・diは、i番目の候補が送信元ノードSから離れている距離であり、そして、・Rは、移動ノードの伝送距離である。
【0078】
方程式1によれば、送信元ノードSからの候補ノードの距離が増大すると、計算された待ち時間WTiの値は減少する。
【0079】
従って、図4の例では、候補ノードN1は、候補ノード6より送信元ノードSから遠い(d1>d6)ので、候補ノードN1は、候補ノード6によって計算された待ち時間WT6より少ない待ち時間WT1を算出する。方程式1によれば、WT1=WTMax(1−d1/R)<WT6=WTMax(1−d6/R)となる。
【0080】
同様に、パケットのもう一方の伝播方向において、候補ノードN2は、候補ノード4より更に離れている(d2>d4)ので、前記ノードN2は、ノード4によって計算された待ち時間WT4より少ない待ち時間WT2を算出する。方程式1によれば、WT2=WTMax(1−d2/R)<WT4=WTMax(1−d4/R)となる。
【0081】
ノードの位置が必然的にGPS受信機に固有の不確実性を伴って測定されることに注意するべきである。従って、もし候補ノードがデータパケットDの受信の時に、送信元ノードの適用範囲領域の周囲に存在するならば、候補ノードによって計算された距離diは、伝送距離Rより僅かに大きくなる可能性がある。この状況において、方程式1は、候補ノードが即座にデータパケットの放送要求信号を送信することを可能にするために、候補ノードがゼロの待ち時間(WTi(di>R)=0)を計算するように規定する。
【0082】
候補ノードがその待ち時間の値を計算するとすぐに、候補ノードは、カウントダウンステップE406の間にこの値からカウントダウンするカウンタを活性化する。
【0083】
候補ノードの待ち時間が経過したら(検査ステップE407の肯定)すぐに、そのノードは、生成ステップE409の間に、放送要求信号(RTB)を生成すると共に、そのノードは、放送要求信号(RTB)の中に、そのノードの現在の地理的座標と以前の地理的座標を挿入する。現在の地理的座標と以前の地理的座標の挿入は、放送要求信号RTBを受信したノードが、前記要求信号を送信したノードの移動方向を判定することを可能にする。
【0084】
放送ステップE410の間に、候補ノードは、ステップE409の間に以前に生成された放送要求信号RTBを、送信元ノードSに送信する。
【0085】
この放送要求信号RTBに応答して、送信元ノードSは、放送要求信号RTBに含まれる候補ノードの地理的座標を使用して、候補ノードに、データパケットDに関する放送受信準備完了信号(CTB)を送信する。
【0086】
図4の例では、送信元ノードSは、放送要求信号RTBを送信した初めての候補ノードである、逆方向に移動する候補ノードN1及びN2に、放送受信準備完了信号CTBを送信する。
【0087】
検査ステップE411の間に、候補ノードは、それが放送受信準備完了信号CTBを受信したかどうかを確認する。候補ノードが送信元ノードSからの放送受信準備完了信号CTBを受信するとすぐに、候補ノードは、挿入ステップE412の間に、候補ノードの地理的座標を放送されるべきデータパケットDに挿入すると共に、Hの値をH=2のようにインクリメントし、これにより、候補ノードは、伝播ノードN1、N2に選出される(ステップE413)と共に、伝播ノード選出ステップE4を終了させる(ステップE414)。
【0088】
送信元ノードに対するそのノードの距離が増加すると減少する待ち時間の終りの候補ノードによる放送要求信号RTBの送信は、有利に、分散的な方法で、できる限り送信元ノードから遠い伝播ノードを選出することを可能にする。
【0089】
伝播ノードN1の移動方向(送信元ノードの移動方向)における指向性伝播のステップは、図7を参照して、以下で詳細に説明される。明らかに、この記述は、反対の方向に移動する伝播ノードN2に直接置き換えられ得る。
【0090】
図6において示されたように、伝播ノードN1から伝播されたデータパケットDは、その場合に、連続して選出された中継ノードのセットによって、伝播ノードN1の移動方向(送信元ノードSの移動方向)に中継される。
【0091】
放送ステップE50の間に、選出ステップE4の間に選出された伝播ノードN1は、データパケットDを、その近隣のノード20、21、22、23、R11に放送する。
【0092】
伝播ノードN1によって送信されたデータパケットDを受信すると(ステップE520)、抽出ステップE521の間に、伝播ノードN1の各近隣のノード20、21、22、23、R11は、受信したデータパケットDから、伝播ノードN1の地理的座標Cm、Cm−1、及び変数Hの値を抽出する。H=2であるならば、データパケットを受信する各ノードは、そのパケットが伝播ノードから受信されたことを判定する。
【0093】
伝播ノードN1の地理的座標Cm、Cm−1から、伝播ノードN1の各近隣のノード20、21、22、23、R11は、第1の計算ステップE522の間に、自身の移動方向に対する伝播ノードN1の移動方向を判定する。
【0094】
選択ステップE523の間に、ノード20、21、22、23、R11は、それが中継ノードの選出のための候補ノードであるかどうかを判定する。
【0095】
この目的を達成するために、各近隣のノード20、21、22、23、R11は、それが伝播ノードN1と同一の方向に移動しているかどうかを判定する(ステップE5230)。もしそうであるならば、関係のある各ノード20、21、R11は、それが伝播ノードN1の移動方向に対して伝播ノードN1の前方に位置しているかどうかを判定する(ステップE5231)。伝播ノードN1と同一の方向に移動しているノード20、21、R11の内、ノード21、R11だけが、伝播ノードN1の移動方向において、伝播ノードN1の前方に位置している。従って、伝播ノードN1の移動方向における中継ノードの選出のための候補ノードは、近隣のノード21及びR11である。
【0096】
以前の選択ステップE523の間に選択された各候補ノードは、第2の計算ステップE524の間に、各候補ノード自身の瞬間の地理的座標及びデータパケットDから抽出された伝播ノードN1の地理的座標Cmから、各候補ノードと伝播ノードN1との間の距離diを判定する。
【0097】
従って、図6の例では、各候補ノード21、R11は、それと伝播ノードN1との間の距離di(それぞれd21、d11)を計算する。
【0098】
第3の計算ステップE525の間に、各候補ノード21、R11は、その終わりに候補ノードがデータパケットDの放送要求信号RTBを送信する権限を与えられる待ち時間WTiを計算する。
【0099】
待ち時間WTiは、図5を参照して上述された伝播ノードの選出に関するステップE405の間の計算と同一の方法において計算される。従って、各候補ノード21、R11は、方程式1を使用して、伝播ノードN1から離れたそのそれぞれの距離di(それぞれd11、d21)に応じて、その待ち時間(それぞれWT21、WT11)を計算する。
【0100】
図6の例では、候補ノードR11が、伝播ノードN1に対して候補ノード21より更に離れているので(d11>d21)、前記候補ノードR11は、ノード21によって計算された待ち時間WT21より少ない待ち時間WT11を計算する。方程式1によれば、WT11=WTMax(1−d11/R)<WT21=WTMax(1−d21/R)となる。
【0101】
候補ノードがその待ち時間の値を計算するとすぐに、候補ノードは、カウントダウンステップE526の間にこの値からカウントダウンするカウンタを活性化する。待ち時間が経過しない(検査ステップE527の否定)限り、そしてノードが中継ノードに選出されない(検査ステップE528の否定)限り、各候補ノードは、カウントダウンを継続する。
【0102】
候補ノードの待ち時間が経過したら(検査ステップE527の肯定)すぐに、前記ノードは、生成ステップE529の間に、放送要求信号RTBを生成する。放送ステップE530の間に、候補ノードは、放送要求信号RTBを、伝播ノードN1に送信する。
【0103】
この放送要求信号RTBに応答して、伝播ノードN1は、要求信号を送信した候補ノードに、データパケットDに関する放送受信準備完了信号CTBを送信する。
【0104】
図6の例では、伝播ノードN1は、放送要求信号RTBを送信した初めてのノードである候補ノードR11に、放送受信準備完了信号CTBを送信する。
【0105】
検査ステップE531の間に、候補ノードは、それが伝播ノードN1から放送受信準備完了信号CTBを受信したかどうかを確認する。候補ノードが伝播ノードN1からの放送受信準備完了信号CTBを受信するとすぐに、候補ノードは、挿入ステップE532の間に、候補ノードの地理的座標を放送されるべきデータパケットDに挿入すると共に、これにより、候補ノードは中継ノードR11に選出される(ステップE533)。これは、中継ノードの選出ステップE52を終了させる(ステップE534)。
【0106】
選出ステップE52の間に中継ノードが選出されたらすぐに、前記ノードは、放送ステップE54の間に、全てのその近隣のノードにデータパケットDを放送する。
【0107】
データパケットDを受信すると、選出ステップE52が繰り返され、その結果として、交互にデータパケットDを放送することに対する責任を引き受ける新しい中継ノードを選出するために、図7を参照して既に説明されたE520〜E534が中継ノードの各近隣のノードにおいて実行される。
【0108】
図6の例では、選出ステップE52及び放送ステップE54は、データパケットDを周辺ノードB1に送るための中継ノードR11、R12、R13、B1のセットを判定するために繰り返される。
【0109】
例えば、現在の中継ノードR11は、送信ステップE530の間にノードR12が送信した放送要求信号RTBに応答して、新しい中継ノードになるノードR12に放送受信準備完了信号CTBを送信する。
【0110】
もし現在の中継ノードが所定時間期間の間に放送要求信号RTBを受信しないならば、現在の中継ノードは、関係のあるノードのグループの周辺ノードである。これは、まさにノードのグループの周囲に位置しているノードB1の状況である。放送ステップE54の間にデータパケットを放送した後で、ノードB1は、それの前方にノードが存在しないので、放送要求信号RTBを全く受信しない。
【0111】
移動ノードのグループは、自然に、そして時を経て動的に、アドホックネットワークの各ノードの移動に応じて生じると共に崩壊する。
【0112】
データパケットをノードの他のグループに送信するために、本発明の方法は、図8、図9、及び図10を参照してここで詳細に説明されることになるグループ間放送段階P2を提供する。
【0113】
データパケットを伝送する周辺ノードB1、B2がグループを離れるとすぐに、前記ノードは、それが移動している間にデータパケットDを少なくとも1つの他のグループに送信する運搬ノードT1、T2になる(グループ間放送段階P2の初期ステップE10)。
【0114】
この目的を達成するために、各運搬ノードは、データパケットDを格納すると共に、それが移動するに従って一定時間ごとにデータパケットDを放送する。
【0115】
運搬ノードによってもたらされる2つの連続する放送の間の時間間隔は、ノードの移動速度に応じて動的に調整され、その結果として、ノードの速度が増加すると時間間隔は減少する。従って、例えば(都会の環境における赤信号のような)障害によって引き起こされた運搬ノードの速度の減少は、データパケットの次の放送を延期する効果がある。ノードがより遅く移動すればするほど、それはそれほど頻繁にデータパケットを放送しない。
【0116】
これは、ネットワークに割り当てられた帯域幅に不必要に負担をかけすぎる効果を有するであろう、あまりにも頻繁にデータパケットを放送することを回避するのと同時に、運搬ノードにより、それが移動するに従って、空間的に連続する適用範囲を提供することを可能にするという利点を有する。
【0117】
図8の例では、周辺ノードB1が、それが属したノードのグループGから離れたということ、そしてそれが車線に沿って別のノードのグループG1の方向に移動していると仮定されている。どのグループにも付随していないので、周辺ノードB1は、従ってグループ間放送段階P2の初期ステップE10の間に、運搬ノードT1になる。
【0118】
この例において、データパケットを伝送する周辺ノードB1、B2がグループを離れるとき、前記ノードは、それが移動しながらデータパケットDを少なくとも1つの他のグループに送信することを意図している運搬ノードT1、T2になると考えられている。運搬ノードの地位は、グループ間放送段階P2の初期ステップE10の間に獲得される。運搬ノードに関して、変数Hの値は、既にこの変数が、送信元ノードによるデータパケットDの放送の間に1度インクリメントされ、伝播ノードによるデータパケットDの放送の間に1度インクリメントされたので、H=2である。
【0119】
ノードが運搬ノードの地位を獲得したとき、そのノードは、検査ステップE12の間に、最近その移動方向が変わったかどうか、そして、従って、そのノードが運搬ノードの地位を獲得したときからそのノードが車線を変更したかどうかを判定する。
【0120】
当該技術で知られている方法において、各ノードは、そのオンボードナビゲーション装置を用いて、それ自身の経路を記憶することができると共に、従って、現在のその移動方向を判定することができ、現在のその移動方向を以前のその移動方向と比較することができる。
【0121】
もし運搬ノードが検査ステップE12の間にその移動方向の変化を判定したならば、運搬ノードは、更新ステップE14の間に、値H=1を変数に割り当てることによって、データパケットD内の変数Hを更新する。H=1という事実は、本発明の運搬ノードが送信元ノードの地位を獲得したことを示す。
【0122】
定期的な放送ステップE16の間に、運搬ノードは、最終的には運搬ノードの近隣のノードによって受信されるデータパケットを放送する。
【0123】
もし運搬ノードが検査ステップE12の間にその移動方向の変化を全く判定しないならば、運搬ノードは、直接定期的な放送ステップE16に進行する。この状況において、変数Hは、その値2を保持すると共に、その場合に、運搬ノードは、本発明の伝播ノードとしての機能を果たす。
【0124】
データパケットの放送に続いて、データパケット受信側ノード(運搬ノードの近隣のノード)が前記パケットを受信するとき、それは、データパケットから変数Hの値、及び送信側ノードの現在の地理的座標及び以前の地理的座標を抽出する。
【0125】
もしH=1であるならば、データパケットは、送信元ノードの地位を有する送信側ノードから直接受信される。そのような状況の下で、受信側ノードは、・受信側ノードが、送信側ノード(送信元ノード)の移動方向に対して送信側ノードの下流に位置していると共に、送信側ノードと同一の方向に移動しているか、または、・受信側ノードが、送信側ノード(送信元ノード)の移動方向に対して送信側ノードの上流に位置していると共に、送信側ノードの移動方向と反対の方向に移動しているという条件で、送信側ノードに放送要求信号RTBを送信する。
【0126】
受信側ノードは、受信側ノードの移動方向(またはその代わりに、受信側ノードの移動方向が判定されることを可能にする受信側ノードの現在の地理的座標と以前の地理的座標)をその中に挿入した放送要求信号RTBを生成して、放送する。
【0127】
もしH=2であるならば、その場合に、データパケットは、伝播ノードの地位を有する送信側ノードから直接受信される。そのような状況の下で、受信側ノードは、受信側ノードが、送信側ノードと同一の方向に移動していると共に、送信側ノードの移動方向に対して送信側ノードの前方に位置しているという条件で、送信側ノードに放送要求信号RTBを送信する。
【0128】
検証ステップE18の間に、運搬ノードは、それが、定期的な放送ステップE16の間に運搬ノードによって送信されたデータパケットDに応答して近隣のノードによって放送されたいくらかの放送要求信号RTBを受信したかどうかを判定する。
【0129】
もし運搬ノードが所定期間の終わりに放送要求信号RTBを受信しなかったならば、前記ノードは、既に説明された検査ステップE12、放送ステップE16、そして必要に応じて更新ステップE14を繰り返すと共に、これらのステップは、運搬ノードが近隣のノードから放送要求信号RTBを全く受信しない限り、繰り返される。従って、運搬ノードは、データパケットDを格納すると共に、データパケットDが少なくとも1つの近隣のノードによって受信されるまで、運搬ノードが移動するに従って一定時間ごとにデータパケットDを放送する。
【0130】
運搬ノードによってもたらされる2つの連続する放送の間の時間間隔は、そのノードの移動速度に応じて動的に調整される。
【0131】
運搬ノードが近隣のノードから放送要求信号RTBを受信するとき、運搬ノードは、近隣のノードに放送受信準備完了信号CTBを送信することによって、近隣のノードにデータパケットを放送する権限を与える。
【0132】
もし運搬ノードが送信元ノード(H=1)として機能していると共に、放送要求信号RTBを受信するならば、運搬ノードは、逆方向に移動している放送要求信号RTBを送信した最初の2つのノードに、放送受信準備完了信号CTBを送信する(ステップE20)。従って、新しい送信元ノードの地位を獲得する運搬ノードは、本発明の2つの伝播ノードの選出を可能にする。その場合に、データパケットは、上述の指向性伝播段階E5において、各新しい伝播ノードのそれぞれの移動方向に放送される。
【0133】
もし運搬ノードが伝播ノード(H=2)として機能していると共に、放送要求信号RTBを受信するならば、運搬ノードは、放送要求信号RTBを送信したノードに、放送受信準備完了信号CTBを送信する(ステップE22)。
【0134】
従って、新しい伝播ノードの地位を獲得した運搬ノードT1は、それが属する(図8には図示されない)ノードのグループGから離れたと共に、車線に沿ってノードの別のグループG1の方向に移動している(図8には図示されない)周辺ノードB1である。どのグループにも付随していないので、周辺ノードB1は、グループ間放送段階P2の初期ステップE10の間に、運搬ノードT1になる。
【0135】
検査ステップE12の間に、運搬ノードT1は、その移動方向の変化を全く検出しない。従って、それは、放送ステップE16の間に、変数H=2を有するデータパケットDを放送する。
【0136】
運搬ノードT1は、運搬ノードT1が統合されるノードのグループG1に到達するまで、検査ステップE12、放送ステップE16、及び必要に応じて更新ステップE14を繰り返す。図8において示されたように、一例として、運搬ノードT1は、それが移動している間、それがデータパケットをグループG1に属する近隣のノード40、41、42、47、48に送信するまで、(図8における同心の断続線サークルで例証される)3つの連続する放送を行うと仮定される。
【0137】
データパケットDを受信すると、近隣のノード40、41、47、48は、受信したデータパケットDから、変数Hの値H=2及び運搬ノードT1の移動方向を獲得する。
【0138】
運搬ノードT1と同一の方向に移動していると共に、運搬ノードT1の前方に位置しているノード40、41、42だけが、放送要求信号RTBを生成する。この例において、ノード42は、もしそれが(運搬ノードT1の範囲内にあるが)運搬ノードT1より最も遠いノードであるならば、運搬ノードT1に放送要求信号RTBを送信する最初のノードになる。
【0139】
ステップE22の間に、運搬ノードT1は、中継ノードに選出されたノード42に、放送受信準備完了信号CTBを送信する。
【0140】
その場合に、データパケットDは、上述の指向性伝播ステップE5において、グループG1の周辺ノード44によって受信されるまで、グループG1の中で放送される。
【0141】
図9で例証された状況によれば、運搬ノードT2は、方向を変更したあと、グループG2に統合されると共に、そのグループにおいて、運搬ノードT2は、送信元ノードSとして統合される。
【0142】
検査ステップE12の間に、運搬ノードT2は、その移動方向が車線の変更の後で変わったことを判定する。
【0143】
更新ステップE14の間に、運搬ノードT2は、データパケットD内の変数Hを、今から運搬ノードT2が送信元ノードSであることを示す値1(H=1)に更新する。
【0144】
今は送信元ノードSである運搬ノードT2は、放送ステップE16の間に、データパケットDを放送する。
【0145】
データパケットDを受信すると、送信元ノードSの近隣のノードN1、N2、50、51は、受信したデータパケットDから、変数の値H=1及び運搬ノードT2の移動方向を獲得する。
【0146】
送信元ノードSの移動方向に関して、もし近隣のノードN1が送信元ノードSより最も遠い前方にあるならば、近隣のノードN1が伝播ノードに選出される。送信元ノードSの移動方向と反対の移動方向に関して、もし近隣のノードN2が送信元ノードSより最も遠い後方にあるならば、近隣のノードN2が伝播ノードに選出される。
【0147】
2つの伝播ノードN1及びN2が、既に説明された選出ステップE4において選出される。ノードN1及びN2は、送信元ノードSに放送要求信号を送信する最初の2つのノードであり、送信元ノードSは、応答において放送受信準備完了信号をそれらに送信する。
【0148】
その場合に、データパケットは、それが既に説明されたステップE6の間にグループG2の周辺部に到達するまで、既に説明された指向性伝播ステップE5において、各伝播ノードの移動方向に同時に伝播される。
【0149】
上述の例は、別のグループに統合されるために周辺ノードがグループから分離される状況に関係する。その代りに、そのグループが別のグループと結合されるまで、周辺ノードはグループに所属したままであるという状況が考えられ得る。この状況において、定期的な放送ステップE12の間に、周辺ノードは、データパケットが他のグループの移動ノードによって受信されるまで、移動しながら、一定時間ごとにデータパケットを放送する。従って、周辺ノードは、2つのグループが結合されるまで、パケットを放送する運搬ノードの役割を担う。
【0150】
各移動ノードのオンボードナビゲーション装置は、グループ内放送段階P1の間に、そしてグループ間放送段階P2に関連するステップの間に、自発的に、そして分散的な方法で、上述の伝播ノードまたは中継ノードの選出に関するステップ及びサブステップを実行するように構成されたソフトウェア処理手段を備える。
【0151】
特に、選出のための各候補ノードの待ち時間を決定するための方程式1は、オンボードナビゲーション装置のメモリにプログラムされてセーブされる。
【0152】
各移動ノードの無線通信端末は、各ノードがデータパケット、放送要求信号、そして放送指令信号(放送受信準備完了信号)を放送すると共に受信することを可能にする送信及び受信手段を備える。
【符号の説明】
【0153】
3〜11、20〜32、B1、B2、N1、N2 移動ノード
L1、L12、L2、L13、L3、L34、L24、L4 車線
J1、J2、J3、J4 交差点
G1、G2、G3、G4、G5 移動ノードのグループ
S 送信元ノード
A 放送ノード
N1、N2 伝播ノード
T1、T2 運搬ノード
R11、R12、R13 中継ノード
A1、A2 伝播ノードの移動方向
Cn、Cn−1、Cm、Cm−1 地理的座標
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークの分野にあると共に、更に特に、アドホックネットワークにおいてデータを放送することに関係する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、各通信ノードが事前に定義された道路網の車線を移動することができる車両である、車々間アドホックネットワーク(vehicular ad hoc network:VANET)に特に、しかし排他的にではなく適用される。
【0003】
車々間アドホックネットワークにおいて、移動ノードは、時間とともに動的に様々なグループを形成すると共に、どんなときでも、グループの中の移動ノードは相互接続されるが、しかしそれらのグループは相互に接続されない。
【0004】
これらのグループの形成は、交通状況、特に都会の環境における交通信号の存在に関連している。
【0005】
更に、無作為にいつでもグループを離れてその後に別のグループに入る傾向がある各移動ノードの移動に応じて、ノードの各グループが、動的に形成されると共に分解される。
【0006】
この結果、そのネットワークは、時間が経つにつれて大きく変化するある程度の接続性によって、接続形態の頻繁な変更を受ける。このために、そのようなネットワークの全てのノードを介してデータを放送するのに使用するのが簡単で、高性能を提供するアルゴリズムを設計することは難しい。
【0007】
“An Information Propagation Scheme for VANETs”と表題が付けられて、“Proceedings of the 8th International IEEE Conference on Intelligent Transportation Systems, Vienna, Austria, September 13-16, 2005”において開示された論文において、“Thomas D.C. Little”及び“Ashish Agarwal”は、データパケットが、指向性伝播プロトコル(Directional Propagation Protocol:DPP)を使用して、両面交通の車線に沿った移動方向と同一の方向に伝播する、車々間アドホックネットワークにおいてデータを放送する方法を説明する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Thomas D.C. Little、Ashish Agarwal、“An Information Propagation Scheme for VANETs”、Proceedings of the 8th International IEEE Conference on Intelligent Transportation Systems、ウィーン、オーストリア、2005年9月13日〜16日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、指向性伝播プロトコルは、使用するのが難しい、ノードのグループを形成して維持するためのメカニズムを必要とし、そして、それは帯域幅の使用に関して非常に高価になり得る。更に、そのプロトコルは、両面交通の車線に沿って移動する全ての移動ノードに対して、データの最適な放送を提供しない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、移動ノードのグループのセットを含むネットワークにおいて少なくとも1つのデータパケットを放送する方法を提案する。
【0011】
本方法は、その間に、少なくとも1つのデータパケットが、同一のグループの前記移動ノードに放送される、グループ内放送段階を含む。
【0012】
前記グループ内放送段階は、その間に、送信元ノードが、前記少なくとも1つのデータパケットを、近隣のノードのセットに放送する初期放送ステップを含む。
【0013】
本発明によれば、前記グループ内放送段階は、更に、逆方向に移動していると共に、送信元ノードのそれぞれの反対側に位置する2つの伝播ノードを選出するステップを含み、前記選出するステップの間に、前記送信元ノードの第1の近隣のノードが、それが前記送信元ノードの移動方向に対して前記送信元ノードの下流に位置していると共に、前記送信元ノードと同一の方向に移動しているという条件で、第1の伝播ノードに選出され、前記選出するステップの間に、前記送信元ノードの第2の近隣のノードが、それが前記送信元ノードの移動方向に対して前記送信元ノードの上流に位置していると共に、前記送信元ノードの移動方向と反対の方向に移動しているという条件で、第2の伝播ノードに選出される。
【0014】
本発明の方法は、送信元ノードのそれぞれの反対側に位置すると共に、お互いに逆方向に移動している少なくとも2つの伝播ノードを選出することを可能にする。従って、そのパケットは、同時に2つの逆方向の移動方向で伝播し、ネットワークにおける伝播を加速する。
【0015】
本発明の1つの特徴によれば、前記グループ内放送段階は、更に、その間に、各選出された伝播ノードが、データパケットを、前記伝播ノードと同一の方向に移動していると共に、前記伝播ノードの移動方向に対して前記伝播ノードの下流に位置する中継ノードに送信する指向性伝播ステップを含む。
【0016】
指向性伝播ステップの間に、各伝播ノードは、データパケットを、その近隣のノードに放送すると共に、中継ノードは、その伝播ノードからの距離に応じて、伝播ノードの近隣のノードから選出される。伝播ノードからの各近隣のノードの距離を考慮することは、伝播ノードの移動方向における伝播ノードの下流に位置するノードを、中継ノードとして選出することを可能にすると共に、それは、伝播ノードから最も大きい距離にある、伝播ノードの範囲内に位置するノードの内の1つである。このように、そのパケットは、グループの周囲に位置するノードにできる限り迅速に伝播する。
【0017】
本発明の1つの特徴によれば、前記指向性伝播ステップは、更に、少なくとも、・その間に、現在の中継ノードが、データパケットを、その近隣のノードに放送する放送ステップと、・その間に、現在の中継ノードと同一の方向に移動していると共に、前記現在の中継ノードの移動方向に対して前記中継ノードの下流に位置する次の中継ノードが、前記現在の中継ノードの近隣のノードの中から選出される選出ステップとを含み、前記放送ステップと前記選出ステップとは、選出されたノードが前記グループの周辺ノードになるまで繰り返される。
【0018】
従って、各移動方向において、データパケットは、中継ノードのセットによって、そのパケットが周辺ノードによって受信されるまで、各伝播ノードの移動方向に連続して放送される。もし伝播ノードがグループの周囲に近いならば、中継ノードの数が、比較的少ないかもしれないか、もしくは本当にゼロであり得ることに、当然ながら注目するべきである。
【0019】
本発明の別の特徴によれば、前記方法は、更に、その間に、データパケットが、周期的放送ステップの間に移動しながら一定時間ごとにデータパケットを放送する運搬ノードを介して、前記運搬ノードが少なくとも1つの他の移動ノードによって送信された前記パケットに関する少なくとも1つの“放送要求信号”を受信するまで、ノードの別のグループに送信されるグループ間放送段階を含む。
【0020】
そのような運搬ノードがパケットを伝送するグループの最後の周辺ノードであることは、当然ながら明瞭であるはずである。グループの中で、もはやその移動方向においてその下流側に位置するどんなノードも発見しないので、この周辺ノードは、パケットを別の中継ノードに放送することができない。従って、この周辺ノードは、このパケットを格納すると共に、それが移動するに従ってこのパケットを運搬し、従って運搬ノードになる。
【0021】
定期的にデータパケットを放送することによって、運搬ノードは、それが移動している間に、データパケットをあらゆる近隣のノードにいつでも送信することができる。従って、データパケットは、運搬ノードがその下流側に新しい近隣のノードを発見するとすぐに、すなわち、それがノードの新しいグループに統合されるとすぐに、運搬ノードを介して、他のグループに転送され得る。運搬ノードが、更に、同一のグループにおける別のノードによって、追い越され得ると共に、その場合に、それは、新しい周辺ノード、そして新しい運搬ノードになることに注意するべきである。
【0022】
これは、事前に相互接続されないノードのグループのセットを含む、高度に分割されたネットワークを横断してデータを放送するのに特に有利である。
【0023】
本発明の別の特徴によれば、前記周期的放送ステップの2つの連続する繰り返しの間の時間間隔は、運搬ノードによって、運搬ノードの移動速度に応じて決定される。
【0024】
運搬ノードによるこの時間期間の動的調整は、運搬ノードの速度に応じて、その伝送周波数を適応させることを可能にすると共に、それは、非常に頻繁な放送を回避することによって、ネットワークの帯域幅の使用を最適化することを可能にする。例えば、移動ノードの速度が増加すると、この時間期間の値は減少する。従って、(例えば障害による)ノードの速度の減少は、次の放送を延期する効果を有する。
【0025】
本発明の別の特徴によれば、前記グループ間放送段階は、更に、・その間に、前記運搬ノードが、その移動方向が前記ノードによる前記パケットの最後の放送以後に変更されたかどうかを判定する検査ステップを含み、・もし変更されていないならば、ノードが、伝播ノードの地位を獲得すると共に、前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”を、近隣のノードに対して、前記近隣のノードによって送信された“放送要求信号”に応答して送信し、・もし変更されているならば、ノードが、送信元ノードの地位を獲得すると共に、前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”を、2つの近隣のノードに対して、前記近隣のノードによって送信された“放送要求信号”に応答して送信する。
【0026】
従って、運搬ノードによるパケットのあらゆる新しい放送の前に、前記ノードは、それが最後にパケットを放送した以後に(すなわち、定期的な放送ステップの最後の反復以後に、または運搬ノードがデータパケットを伝播ノードもしくは中継ノードから受信した後に達成された最初の放送以後に)その移動方向が変わったかどうかを検査する。特に、もし運搬ノードが例えば交差点において車線を変えたならば、移動方向の変更が発生する。
【0027】
本特許出願は、ノードの移動方向がどのように評価されるかに関して説明しないことに注意するべきである。そのような評価は、特に、羅針盤の方位目盛と比較したノードの地理的な座標に基づくことができる。
【0028】
本発明は、更に、・データパケットを受信するための手段と、・待ち時間を、前記移動ノードと前記パケットを送信する移動ノードとの間の距離に応じて決定するための手段と、・前記待ち時間の終わりに、前記パケットに関する“放送要求信号”を前記送信側移動ノードに送信するための手段に命令するための手段と、・前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”の受信と同時に、前記受信されたパケットを放送するための手段に命令するための手段と、・少なくとも1つの他の移動ノードからの前記パケットに関する少なくとも1つの“放送要求信号”の受信まで、前記データパケットを一定時間ごとに放送するための手段と、・前記受信された“放送要求信号”の内の1つを送信した少なくとも1つの移動ノードに、前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”を送信するための手段とを備える移動ノードを提供する。
【0029】
本発明は、更に、ネットワークを形成する移動ノードのグループのセットを含む、少なくとも1つのデータパケットを放送するためのシステムを提供する。
【0030】
本発明によれば、ノードのグループは、・前記少なくとも1つのデータパケットを、ノードの前記グループ内の近隣のノードのセットに放送する送信元ノードと、・逆方向に移動していると共に、前記送信元ノードのそれぞれの反対側に位置する2つの伝播ノードとを含み、前記送信元ノードの第1の近隣のノードは、それが前記送信元ノードの移動方向に対して前記送信元ノードの下流に位置していると共に、前記送信元ノードと同一の方向に移動しているという条件で、第1の伝播ノードに選出され、前記送信元ノードの第2の近隣のノードは、それが前記送信元ノードの移動方向に対して前記送信元ノードの上流に位置していると共に、前記送信元ノードの移動方向と反対の方向に移動しているという条件で、第2の伝播ノードに選出され、各伝播ノードは、前記データパケットを放送する。
【0031】
本発明の別の特徴によれば、ノードのグループは、更に、・前記伝播ノードの内の1つと同一の方向に移動していると共に、前記伝播ノードの移動方向に対して前記伝播ノードの下流に位置する少なくとも1つの中継ノードと、・前記データパケットを、前記伝播ノードの内の1つから、または前記中継ノードの内の1つから受信すると共に、前記データパケットを、前記システムのノードの別のグループに送信するように構成された、ノードの前記グループの周囲に位置する少なくとも1つの運搬ノードとを含む。
【0032】
前と同じように、データのパケットを直接運搬ノードに送信するのに、もし伝播ノードが十分にグループの周囲に近いならば、そのようなシステムのノードのグループが中継ノードを含まないかもしれないことに注意するべきである。
【0033】
本発明は、更に、本発明による移動ノードの処理手段(プロセッサ)によって実行されるように構成されたコンピュータプログラムを提供すると共に、前記プログラムは、以下の、・データパケットを受信するステップと、・待ち時間を、前記移動ノードと前記パケットを送信する移動ノードとの間の距離に応じて決定するステップと、・前記待ち時間の終わりに、前記パケットに関する“放送要求信号”を前記送信側移動ノードに送信するための手段に命令するステップと、・前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”の受信と同時に、前記受信されたパケットを放送するための手段に命令するステップと、・少なくとも1つの他の移動ノードからの前記パケットに関する少なくとも1つの“放送要求信号(RTB:Request To Broadcast)”の受信まで、前記データパケットを一定時間ごとに放送するステップと、・前記受信された“放送要求信号”の内の1つを送信した少なくとも1つの移動ノードに、前記パケットに関する“放送受信準備完了信号(CTB:Clear To Broadcast)”を送信するステップとを実行するための命令を含む。
【0034】
このプログラムは、あらゆるプログラミング言語を使用し得ると共に、ソースコード、オブジェクトコード、または、部分的に編集された形式もしくは他の望ましい形式のような、ソースコードとオブジェクトコードの中間のコードの形式を取り得る。
【0035】
上述のプログラムは、データ媒体に格納され得る。従って、本発明は、更に、コンピュータ上で、更に詳しくは無線コンピュータ端末の処理手段(プロセッサ)上で実行されることを意図している一連のプログラムコード命令の形式で上述のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0036】
情報媒体は、プログラムを記憶することが可能である、あらゆる実体(entity)または装置であり得る。例えば、その媒体は、ROM、例えばCD−ROMまたはマイクロ電子回路ROMのような記憶手段、例えばフロッピー(登録商標)ディスクまたはハードディスクのような磁気記憶手段を含み得る。
【0037】
更に、情報媒体は、無線もしくは他の手段により電気ケーブルもしくは光学ケーブルを介して送られ得る、電気信号もしくは光学信号のような伝送可能な媒体であり得る。本発明のプログラムは、特に、インターネットタイプのネットワークを介してダウンロードされ得る。
【0038】
もう一つの方法として、情報媒体は、プログラムを組み込んだ集積回路であり得ると共に、前記回路は、本発明のデータパケット伝送方法を実行するように、またはその実行において使用されるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図式的に、本発明が使用される都市の道路網上の車々間アドホックネットワークを形成する移動ノードのグループのセットを示す図である。
【図2】図式的に、本発明のグループ内放送段階の間に、それによってグループの中でデータパケットが放送されるシナリオの例を例証する図である。
【図3】本発明のグループ内放送段階のステップをフローチャート形式で示す図である。
【図4】図式的に、それによって2つの伝播ノードが送信元ノードの周辺において選出される本発明によるシナリオの例を例証する図である。
【図5】伝播ノードを選出するための本発明の方法のステップをフローチャート形式で示す図である。
【図6】図式的に、データパケットが伝播ノードから周辺ノードまで送られる本発明によるシナリオの例を例証する図である。
【図7】伝播ノードを選出するための本発明の方法のステップをフローチャート形式で示す図である。
【図8】図式的に、グループ間放送段階の間に周辺ノードがデータパケットをノードの別のグループに放送する本発明によるシナリオの第1の例を例証する図である。
【図9】図式的に、グループ間放送段階の間に周辺ノードがデータパケットをノードの別のグループに放送する本発明によるシナリオの第2の例を例証する図である。
【図10】グループ間放送段階の間に実行される本発明の方法のステップをフローチャート形式で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の他の特徴及び利点は、添付された図面を参照して以下で与えられた、本発明の1つの制限しない実施例を示す説明から明らかになる。
【0041】
本発明は、都市環境内の道路網を横断して移動する複数の移動ノードによって形成された車々間アドホックネットワーク(vehicular ad hoc network:VANET)との関連で、以下で詳細に説明される。
【0042】
例えば、本発明は都市環境に対して特別な利点と共に適用されるが、本発明はその状況に制限されず、そして高速道路ネットワークに対して等しくよく使用され得ることに注意するべきである。
【0043】
図1は、図式的に、複数の両面交通の車線L1、L12、L2、L13、L3、L34、L24、L4を含み、それらの間に複数の交差点J1、J2、J3、J4を形成している道路網において車々間アドホックネットワークを形成する移動ノードのグループG1、G2、G3、G4、G5のセットを表す。
【0044】
車々間アドホックネットワークのメンバーである各移動ノードは、車線に沿って移動すると共に、道路網の交差点J1、J2、J3、J4を横断することができる車両から成る。
【0045】
各ノードは、いつでも道路網の中でそれらの位置を判定することができる。この目的を達成するために、各車両は、・いつでもそれ自身の地理座標を獲得するための受信機、例えばGPS(全地球測位システム)またはガリレオタイプの受信機と、・車両の瞬間的な位置を道路地図上で表示するための、道路網を表すと共にGPSタイプ受信機と連結されるデジタル道路地図とを具備する、従来の衛星航法デバイスを装備している。
【0046】
各ノードは、無線通信端末を装備している。従って、各ノードは、その近隣のノードと通信することができ、更に特にデータパケットを放送することができる。
【0047】
この例では、通信端末は、IEEE802.11プロトコルを使用して通信を行うWiFi(登録商標)トランシーバである。しかしながら、当業者は、明らかに赤外線技術のような他の無線通信技術を使用できるであろう。
【0048】
以下では、基準ノードに言及するとき“近隣のノード”という表現は、有効距離半径によって定義された基準ノードの伝送距離内に位置するあらゆるノードのことを指す。
【0049】
この例において、移動ノードの有効距離半径は、DSRC(Dedicated Short Range Communications:狭域通信システム)標準の指針に従って250メートル(m)に決定される。
【0050】
図1において示されたように、車々間アドホックネットワークのノードのグループG1、G2、G3、G4、G5は、相互接続されない(すなわち、それらは、直接お互いと通信できないと共に、あるグループのノードは、別のグループのノードの範囲の中には存在しない。)。同一のグループにおけるノードは、両面交通の車線に沿って移動し、どんなときでも、相互接続される。ノードの各グループは、無線伝送距離に従い、各ノードが離れている相対的な距離に応じて、自然に構成される。
【0051】
放送局Aは、データパケットをアドホックネットワークに導入するために、車線L12のそばに配置される。
【0052】
グループ内放送段階P1の間のノードのグループG内のデータパケットDの放送は、図2及び図3を参照して、以下で説明される。
【0053】
初期ステップE1の間に、放送されるべきデータパケットDが、送信元ノードSによって受信される。送信元ノードSは、それが属するグループの中でこのパケットの放送の初期化の責任を有するデータパケット輸送ノードである。
【0054】
この例において、ノードが放送ノードAによって送信されたデータパケットを獲得するとすぐに、ノードは送信元ノードSとして選出されると見なされる。
【0055】
送信元ノードを選出するために使用されるメカニズムは、IEEE802.11のRTS/CTS(送信要求信号:Request To Send/受信準備完了信号:Clear To Send)プロトコルに準拠し、その結果、端末Aは、要求信号を送信した端末Aの周辺に位置する全てのノードの中から、送信元ノードを選択する。端末Aは、送信する余裕があるユニキャストモードで、端末に最も近いノードまたは要求信号を最も早く送信したノードにデータパケットを送信する。
【0056】
もしそのような端末が存在しないならば、ノードのグループに属するノードは、それが自発的に放送されるべきデータパケットを生成する時から、送信元ノードとして自選され得る。
【0057】
挿入ステップE2の間に、送信元ノードSは、現在のその地理的座標Cn、及びその時以前に獲得されると共にそれが所定の周期でメモリにセーブする、以前のその座標Cn−1含む、位置情報をデータパケットに挿入する。これらの現在の座標及び以前の座標は、データパケットを受信するノードが、送信元ノードの移動方向を決定することを可能にするために提供される。
【0058】
この同一の挿入ステップE2の間に、送信元ノードは、データパケット内に、データパケットの輸送ノードの地位を特定する変数Hを含んでいるTTL(有効期限:Time To Live)フィールドを生成する。この変数の値は、データパケットを放送する前にそれをインクリメントしてその結果H=1にする送信元ノードによって、0に初期化される。
【0059】
初期放送ステップE3の間に、送信元ノードSは、データパケットDを、図2に示されるように、送信元ノードSの伝送距離Rに等しい半径を有する適用範囲(coverage)領域Zに位置するその近隣のノードN1、N2、3、4、5、6に放送する。
【0060】
選出ステップE4の間に、2つの伝播ノードN1、N2が、送信元ノードSの近隣のノードN1、N2、3、4、5、6の中から選出され。本発明によれば、選出された伝播ノードN1、N2は、送信元ノードSのそれぞれの反対側に位置しており、そして、お互いから離れるように逆方向に移動している。
【0061】
各選出された伝播ノードN1、N2は、その間に、データパケットDが、各伝播ノードN1、N2のそれぞれの移動方向A1、A2に連続してそれを放送することによって送信される、指向性伝播ステップE5を開始することを可能にする。
【0062】
この目的を達成するために、放送サブステップE50の間に、各伝播ノードN1、N2は、データパケットDを、それぞれの近隣のノード7、8、B1;9、10、11、B2に放送する。
【0063】
選出サブステップE52の間に、中継ノードが、各伝播ノードN1、N2の全ての近隣のノードの中から選出されると共に、ここで各選出された中継ノードは、それぞれの伝播ノードと同一の方向に移動していると共に、その移動方向において、各伝播ノードN1、N2の前方に位置している。従って、データパケットは、各伝播ノードの移動方向において、各伝播ノードから中継ノードに送信される。
【0064】
放送サブステップE54の間に、各選出された中継ノードは、その近隣のノードにデータパケットを放送する。図2の例では、選出された中継ノードは、グループGの周囲に位置するノードであると共に、周辺ノードB1、B2に対応している。
【0065】
受信ステップE6の間の周辺ノードB1、B2によるデータパケットDの受信は、指向性伝播ステップE5及びのグループ内放送段階P1を終了させる。
【0066】
伝播ノードN1、N2を選出するステップE4は、図4及び図5を参照して以下で詳細に説明される。
【0067】
送信元ノードSによって送信されたデータパケットDを受信する(ステップE400)と、抽出ステップE401の間に、送信元ノードSの各近隣のノードN1、N2、3、4、5、6、10は、送信元ノードSの現在の地理的座標Cn及び以前の地理的座標Cn−1、そして変数の値H=1を、データパケットDから抽出する。
【0068】
H=1なので、パケットを受信する各ノードは、パケットが送信元ノードSから受信されたと判定する。
【0069】
第1の計算ステップE402の間に、送信元ノードSの地理的座標Cn、Cn−1から、送信元ノードSの各近隣のノードN1、N2、3、4、5、6、10は、それ自身の移動方向に対する、送信元ノードSの移動方向を判定する。
【0070】
選択ステップE403の間に、送信元ノードSの各近隣のノードN1、N2、3、4、5、6、10は、それが伝播ノードとして選出するための候補であるかどうかを判定する。
【0071】
この目的を達成するために、各近隣のノードN1、N2、3、4、5、6、10は、それが送信元ノードSと同一の方向に移動しているかどうかを判定する(ステップE4031)。もしそうであるならば、関係のある各ノードN1、6、5、10は、送信元ノードSの移動方向に対して送信元ノードSの前方に位置しているかどうかを判定する(ステップE4032)。送信元ノードSと同一の方向に移動しているノードN1、6、5、10の内、ノードN1、6だけが、送信元ノードSの移動方向において、送信元ノードSの前方に位置している。従って、それらは、送信元ノードSの移動方向における、伝播ノードの選出のための唯一の候補である。ノード5、10は送信元ノードSと同一の方向に移動しているが、それらは、それらが送信元ノードSの移動方向における送信元ノードSの前方に位置していないので、選出のための候補ではない。
【0072】
同様の手続きは、送信元ノードSの移動方向と反対の移動方向における伝播ノードN2の選出のための全ての候補ノードを判定することを可能にする。この目的を達成するために、各近隣のノードN1、N2、3、4、5、6、10は、それが送信元ノードSと反対の方向に移動しているかどうかを判定する(ステップE4033)。もしそうであるならば、関係のある各ノードN2、3、4は、送信元ノードSの移動方向と反対の移動方向における送信元ノードSの前方に位置しているかどうかを判定する(ステップE4034)。送信元ノードSと反対の方向に移動しているノードN2、3、4の内、ノードN2、4だけが、送信元ノードSの移動方向と反対の移動方向における送信元ノードSの前方に位置している。従って、それらは、送信元ノードSの移動方向と反対の移動方向における、伝播ノードN2の選出のための唯一の候補である。
【0073】
以前の選択ステップE403の間に選択された各候補ノード(すなわちN1、N2、4、6)は、それ自身の瞬間的な地理的座標及び送信元ノードSの地理的座標Cnから、計算ステップE404の間に、それが送信元ノードSから離れている距離di(すなわち、それぞれd1、d2、d4、d6)を判定する。
【0074】
第3の計算ステップE405の間に、各候補ノードN1、N2、4、6は、待ち時間WTi(それぞれWT1、WT2、WT4、WT6)を計算すると共に、待ち時間WTiの終わりに、データパケットの放送要求信号を送信することが許可される。
【0075】
待ち時間WTiは、以下の方程式1に従って、各候補ノードN1、N2、4、6によって、送信元ノードSに対する候補ノードのそれぞれの距離di(それぞれd1、d2、d4、d6)に応じて計算される。
【0076】
【数1】
【0077】
上記方程式1において、WTiは、i番目の候補ノードに割り当てられた待ち時間であり、・WTMaxは、候補ノードに割り当てられ得る最大の待ち時間WTMax=WTi(di=0)であり、・min{}は、最小値を求める関数(MIN関数)であり、・diは、i番目の候補が送信元ノードSから離れている距離であり、そして、・Rは、移動ノードの伝送距離である。
【0078】
方程式1によれば、送信元ノードSからの候補ノードの距離が増大すると、計算された待ち時間WTiの値は減少する。
【0079】
従って、図4の例では、候補ノードN1は、候補ノード6より送信元ノードSから遠い(d1>d6)ので、候補ノードN1は、候補ノード6によって計算された待ち時間WT6より少ない待ち時間WT1を算出する。方程式1によれば、WT1=WTMax(1−d1/R)<WT6=WTMax(1−d6/R)となる。
【0080】
同様に、パケットのもう一方の伝播方向において、候補ノードN2は、候補ノード4より更に離れている(d2>d4)ので、前記ノードN2は、ノード4によって計算された待ち時間WT4より少ない待ち時間WT2を算出する。方程式1によれば、WT2=WTMax(1−d2/R)<WT4=WTMax(1−d4/R)となる。
【0081】
ノードの位置が必然的にGPS受信機に固有の不確実性を伴って測定されることに注意するべきである。従って、もし候補ノードがデータパケットDの受信の時に、送信元ノードの適用範囲領域の周囲に存在するならば、候補ノードによって計算された距離diは、伝送距離Rより僅かに大きくなる可能性がある。この状況において、方程式1は、候補ノードが即座にデータパケットの放送要求信号を送信することを可能にするために、候補ノードがゼロの待ち時間(WTi(di>R)=0)を計算するように規定する。
【0082】
候補ノードがその待ち時間の値を計算するとすぐに、候補ノードは、カウントダウンステップE406の間にこの値からカウントダウンするカウンタを活性化する。
【0083】
候補ノードの待ち時間が経過したら(検査ステップE407の肯定)すぐに、そのノードは、生成ステップE409の間に、放送要求信号(RTB)を生成すると共に、そのノードは、放送要求信号(RTB)の中に、そのノードの現在の地理的座標と以前の地理的座標を挿入する。現在の地理的座標と以前の地理的座標の挿入は、放送要求信号RTBを受信したノードが、前記要求信号を送信したノードの移動方向を判定することを可能にする。
【0084】
放送ステップE410の間に、候補ノードは、ステップE409の間に以前に生成された放送要求信号RTBを、送信元ノードSに送信する。
【0085】
この放送要求信号RTBに応答して、送信元ノードSは、放送要求信号RTBに含まれる候補ノードの地理的座標を使用して、候補ノードに、データパケットDに関する放送受信準備完了信号(CTB)を送信する。
【0086】
図4の例では、送信元ノードSは、放送要求信号RTBを送信した初めての候補ノードである、逆方向に移動する候補ノードN1及びN2に、放送受信準備完了信号CTBを送信する。
【0087】
検査ステップE411の間に、候補ノードは、それが放送受信準備完了信号CTBを受信したかどうかを確認する。候補ノードが送信元ノードSからの放送受信準備完了信号CTBを受信するとすぐに、候補ノードは、挿入ステップE412の間に、候補ノードの地理的座標を放送されるべきデータパケットDに挿入すると共に、Hの値をH=2のようにインクリメントし、これにより、候補ノードは、伝播ノードN1、N2に選出される(ステップE413)と共に、伝播ノード選出ステップE4を終了させる(ステップE414)。
【0088】
送信元ノードに対するそのノードの距離が増加すると減少する待ち時間の終りの候補ノードによる放送要求信号RTBの送信は、有利に、分散的な方法で、できる限り送信元ノードから遠い伝播ノードを選出することを可能にする。
【0089】
伝播ノードN1の移動方向(送信元ノードの移動方向)における指向性伝播のステップは、図7を参照して、以下で詳細に説明される。明らかに、この記述は、反対の方向に移動する伝播ノードN2に直接置き換えられ得る。
【0090】
図6において示されたように、伝播ノードN1から伝播されたデータパケットDは、その場合に、連続して選出された中継ノードのセットによって、伝播ノードN1の移動方向(送信元ノードSの移動方向)に中継される。
【0091】
放送ステップE50の間に、選出ステップE4の間に選出された伝播ノードN1は、データパケットDを、その近隣のノード20、21、22、23、R11に放送する。
【0092】
伝播ノードN1によって送信されたデータパケットDを受信すると(ステップE520)、抽出ステップE521の間に、伝播ノードN1の各近隣のノード20、21、22、23、R11は、受信したデータパケットDから、伝播ノードN1の地理的座標Cm、Cm−1、及び変数Hの値を抽出する。H=2であるならば、データパケットを受信する各ノードは、そのパケットが伝播ノードから受信されたことを判定する。
【0093】
伝播ノードN1の地理的座標Cm、Cm−1から、伝播ノードN1の各近隣のノード20、21、22、23、R11は、第1の計算ステップE522の間に、自身の移動方向に対する伝播ノードN1の移動方向を判定する。
【0094】
選択ステップE523の間に、ノード20、21、22、23、R11は、それが中継ノードの選出のための候補ノードであるかどうかを判定する。
【0095】
この目的を達成するために、各近隣のノード20、21、22、23、R11は、それが伝播ノードN1と同一の方向に移動しているかどうかを判定する(ステップE5230)。もしそうであるならば、関係のある各ノード20、21、R11は、それが伝播ノードN1の移動方向に対して伝播ノードN1の前方に位置しているかどうかを判定する(ステップE5231)。伝播ノードN1と同一の方向に移動しているノード20、21、R11の内、ノード21、R11だけが、伝播ノードN1の移動方向において、伝播ノードN1の前方に位置している。従って、伝播ノードN1の移動方向における中継ノードの選出のための候補ノードは、近隣のノード21及びR11である。
【0096】
以前の選択ステップE523の間に選択された各候補ノードは、第2の計算ステップE524の間に、各候補ノード自身の瞬間の地理的座標及びデータパケットDから抽出された伝播ノードN1の地理的座標Cmから、各候補ノードと伝播ノードN1との間の距離diを判定する。
【0097】
従って、図6の例では、各候補ノード21、R11は、それと伝播ノードN1との間の距離di(それぞれd21、d11)を計算する。
【0098】
第3の計算ステップE525の間に、各候補ノード21、R11は、その終わりに候補ノードがデータパケットDの放送要求信号RTBを送信する権限を与えられる待ち時間WTiを計算する。
【0099】
待ち時間WTiは、図5を参照して上述された伝播ノードの選出に関するステップE405の間の計算と同一の方法において計算される。従って、各候補ノード21、R11は、方程式1を使用して、伝播ノードN1から離れたそのそれぞれの距離di(それぞれd11、d21)に応じて、その待ち時間(それぞれWT21、WT11)を計算する。
【0100】
図6の例では、候補ノードR11が、伝播ノードN1に対して候補ノード21より更に離れているので(d11>d21)、前記候補ノードR11は、ノード21によって計算された待ち時間WT21より少ない待ち時間WT11を計算する。方程式1によれば、WT11=WTMax(1−d11/R)<WT21=WTMax(1−d21/R)となる。
【0101】
候補ノードがその待ち時間の値を計算するとすぐに、候補ノードは、カウントダウンステップE526の間にこの値からカウントダウンするカウンタを活性化する。待ち時間が経過しない(検査ステップE527の否定)限り、そしてノードが中継ノードに選出されない(検査ステップE528の否定)限り、各候補ノードは、カウントダウンを継続する。
【0102】
候補ノードの待ち時間が経過したら(検査ステップE527の肯定)すぐに、前記ノードは、生成ステップE529の間に、放送要求信号RTBを生成する。放送ステップE530の間に、候補ノードは、放送要求信号RTBを、伝播ノードN1に送信する。
【0103】
この放送要求信号RTBに応答して、伝播ノードN1は、要求信号を送信した候補ノードに、データパケットDに関する放送受信準備完了信号CTBを送信する。
【0104】
図6の例では、伝播ノードN1は、放送要求信号RTBを送信した初めてのノードである候補ノードR11に、放送受信準備完了信号CTBを送信する。
【0105】
検査ステップE531の間に、候補ノードは、それが伝播ノードN1から放送受信準備完了信号CTBを受信したかどうかを確認する。候補ノードが伝播ノードN1からの放送受信準備完了信号CTBを受信するとすぐに、候補ノードは、挿入ステップE532の間に、候補ノードの地理的座標を放送されるべきデータパケットDに挿入すると共に、これにより、候補ノードは中継ノードR11に選出される(ステップE533)。これは、中継ノードの選出ステップE52を終了させる(ステップE534)。
【0106】
選出ステップE52の間に中継ノードが選出されたらすぐに、前記ノードは、放送ステップE54の間に、全てのその近隣のノードにデータパケットDを放送する。
【0107】
データパケットDを受信すると、選出ステップE52が繰り返され、その結果として、交互にデータパケットDを放送することに対する責任を引き受ける新しい中継ノードを選出するために、図7を参照して既に説明されたE520〜E534が中継ノードの各近隣のノードにおいて実行される。
【0108】
図6の例では、選出ステップE52及び放送ステップE54は、データパケットDを周辺ノードB1に送るための中継ノードR11、R12、R13、B1のセットを判定するために繰り返される。
【0109】
例えば、現在の中継ノードR11は、送信ステップE530の間にノードR12が送信した放送要求信号RTBに応答して、新しい中継ノードになるノードR12に放送受信準備完了信号CTBを送信する。
【0110】
もし現在の中継ノードが所定時間期間の間に放送要求信号RTBを受信しないならば、現在の中継ノードは、関係のあるノードのグループの周辺ノードである。これは、まさにノードのグループの周囲に位置しているノードB1の状況である。放送ステップE54の間にデータパケットを放送した後で、ノードB1は、それの前方にノードが存在しないので、放送要求信号RTBを全く受信しない。
【0111】
移動ノードのグループは、自然に、そして時を経て動的に、アドホックネットワークの各ノードの移動に応じて生じると共に崩壊する。
【0112】
データパケットをノードの他のグループに送信するために、本発明の方法は、図8、図9、及び図10を参照してここで詳細に説明されることになるグループ間放送段階P2を提供する。
【0113】
データパケットを伝送する周辺ノードB1、B2がグループを離れるとすぐに、前記ノードは、それが移動している間にデータパケットDを少なくとも1つの他のグループに送信する運搬ノードT1、T2になる(グループ間放送段階P2の初期ステップE10)。
【0114】
この目的を達成するために、各運搬ノードは、データパケットDを格納すると共に、それが移動するに従って一定時間ごとにデータパケットDを放送する。
【0115】
運搬ノードによってもたらされる2つの連続する放送の間の時間間隔は、ノードの移動速度に応じて動的に調整され、その結果として、ノードの速度が増加すると時間間隔は減少する。従って、例えば(都会の環境における赤信号のような)障害によって引き起こされた運搬ノードの速度の減少は、データパケットの次の放送を延期する効果がある。ノードがより遅く移動すればするほど、それはそれほど頻繁にデータパケットを放送しない。
【0116】
これは、ネットワークに割り当てられた帯域幅に不必要に負担をかけすぎる効果を有するであろう、あまりにも頻繁にデータパケットを放送することを回避するのと同時に、運搬ノードにより、それが移動するに従って、空間的に連続する適用範囲を提供することを可能にするという利点を有する。
【0117】
図8の例では、周辺ノードB1が、それが属したノードのグループGから離れたということ、そしてそれが車線に沿って別のノードのグループG1の方向に移動していると仮定されている。どのグループにも付随していないので、周辺ノードB1は、従ってグループ間放送段階P2の初期ステップE10の間に、運搬ノードT1になる。
【0118】
この例において、データパケットを伝送する周辺ノードB1、B2がグループを離れるとき、前記ノードは、それが移動しながらデータパケットDを少なくとも1つの他のグループに送信することを意図している運搬ノードT1、T2になると考えられている。運搬ノードの地位は、グループ間放送段階P2の初期ステップE10の間に獲得される。運搬ノードに関して、変数Hの値は、既にこの変数が、送信元ノードによるデータパケットDの放送の間に1度インクリメントされ、伝播ノードによるデータパケットDの放送の間に1度インクリメントされたので、H=2である。
【0119】
ノードが運搬ノードの地位を獲得したとき、そのノードは、検査ステップE12の間に、最近その移動方向が変わったかどうか、そして、従って、そのノードが運搬ノードの地位を獲得したときからそのノードが車線を変更したかどうかを判定する。
【0120】
当該技術で知られている方法において、各ノードは、そのオンボードナビゲーション装置を用いて、それ自身の経路を記憶することができると共に、従って、現在のその移動方向を判定することができ、現在のその移動方向を以前のその移動方向と比較することができる。
【0121】
もし運搬ノードが検査ステップE12の間にその移動方向の変化を判定したならば、運搬ノードは、更新ステップE14の間に、値H=1を変数に割り当てることによって、データパケットD内の変数Hを更新する。H=1という事実は、本発明の運搬ノードが送信元ノードの地位を獲得したことを示す。
【0122】
定期的な放送ステップE16の間に、運搬ノードは、最終的には運搬ノードの近隣のノードによって受信されるデータパケットを放送する。
【0123】
もし運搬ノードが検査ステップE12の間にその移動方向の変化を全く判定しないならば、運搬ノードは、直接定期的な放送ステップE16に進行する。この状況において、変数Hは、その値2を保持すると共に、その場合に、運搬ノードは、本発明の伝播ノードとしての機能を果たす。
【0124】
データパケットの放送に続いて、データパケット受信側ノード(運搬ノードの近隣のノード)が前記パケットを受信するとき、それは、データパケットから変数Hの値、及び送信側ノードの現在の地理的座標及び以前の地理的座標を抽出する。
【0125】
もしH=1であるならば、データパケットは、送信元ノードの地位を有する送信側ノードから直接受信される。そのような状況の下で、受信側ノードは、・受信側ノードが、送信側ノード(送信元ノード)の移動方向に対して送信側ノードの下流に位置していると共に、送信側ノードと同一の方向に移動しているか、または、・受信側ノードが、送信側ノード(送信元ノード)の移動方向に対して送信側ノードの上流に位置していると共に、送信側ノードの移動方向と反対の方向に移動しているという条件で、送信側ノードに放送要求信号RTBを送信する。
【0126】
受信側ノードは、受信側ノードの移動方向(またはその代わりに、受信側ノードの移動方向が判定されることを可能にする受信側ノードの現在の地理的座標と以前の地理的座標)をその中に挿入した放送要求信号RTBを生成して、放送する。
【0127】
もしH=2であるならば、その場合に、データパケットは、伝播ノードの地位を有する送信側ノードから直接受信される。そのような状況の下で、受信側ノードは、受信側ノードが、送信側ノードと同一の方向に移動していると共に、送信側ノードの移動方向に対して送信側ノードの前方に位置しているという条件で、送信側ノードに放送要求信号RTBを送信する。
【0128】
検証ステップE18の間に、運搬ノードは、それが、定期的な放送ステップE16の間に運搬ノードによって送信されたデータパケットDに応答して近隣のノードによって放送されたいくらかの放送要求信号RTBを受信したかどうかを判定する。
【0129】
もし運搬ノードが所定期間の終わりに放送要求信号RTBを受信しなかったならば、前記ノードは、既に説明された検査ステップE12、放送ステップE16、そして必要に応じて更新ステップE14を繰り返すと共に、これらのステップは、運搬ノードが近隣のノードから放送要求信号RTBを全く受信しない限り、繰り返される。従って、運搬ノードは、データパケットDを格納すると共に、データパケットDが少なくとも1つの近隣のノードによって受信されるまで、運搬ノードが移動するに従って一定時間ごとにデータパケットDを放送する。
【0130】
運搬ノードによってもたらされる2つの連続する放送の間の時間間隔は、そのノードの移動速度に応じて動的に調整される。
【0131】
運搬ノードが近隣のノードから放送要求信号RTBを受信するとき、運搬ノードは、近隣のノードに放送受信準備完了信号CTBを送信することによって、近隣のノードにデータパケットを放送する権限を与える。
【0132】
もし運搬ノードが送信元ノード(H=1)として機能していると共に、放送要求信号RTBを受信するならば、運搬ノードは、逆方向に移動している放送要求信号RTBを送信した最初の2つのノードに、放送受信準備完了信号CTBを送信する(ステップE20)。従って、新しい送信元ノードの地位を獲得する運搬ノードは、本発明の2つの伝播ノードの選出を可能にする。その場合に、データパケットは、上述の指向性伝播段階E5において、各新しい伝播ノードのそれぞれの移動方向に放送される。
【0133】
もし運搬ノードが伝播ノード(H=2)として機能していると共に、放送要求信号RTBを受信するならば、運搬ノードは、放送要求信号RTBを送信したノードに、放送受信準備完了信号CTBを送信する(ステップE22)。
【0134】
従って、新しい伝播ノードの地位を獲得した運搬ノードT1は、それが属する(図8には図示されない)ノードのグループGから離れたと共に、車線に沿ってノードの別のグループG1の方向に移動している(図8には図示されない)周辺ノードB1である。どのグループにも付随していないので、周辺ノードB1は、グループ間放送段階P2の初期ステップE10の間に、運搬ノードT1になる。
【0135】
検査ステップE12の間に、運搬ノードT1は、その移動方向の変化を全く検出しない。従って、それは、放送ステップE16の間に、変数H=2を有するデータパケットDを放送する。
【0136】
運搬ノードT1は、運搬ノードT1が統合されるノードのグループG1に到達するまで、検査ステップE12、放送ステップE16、及び必要に応じて更新ステップE14を繰り返す。図8において示されたように、一例として、運搬ノードT1は、それが移動している間、それがデータパケットをグループG1に属する近隣のノード40、41、42、47、48に送信するまで、(図8における同心の断続線サークルで例証される)3つの連続する放送を行うと仮定される。
【0137】
データパケットDを受信すると、近隣のノード40、41、47、48は、受信したデータパケットDから、変数Hの値H=2及び運搬ノードT1の移動方向を獲得する。
【0138】
運搬ノードT1と同一の方向に移動していると共に、運搬ノードT1の前方に位置しているノード40、41、42だけが、放送要求信号RTBを生成する。この例において、ノード42は、もしそれが(運搬ノードT1の範囲内にあるが)運搬ノードT1より最も遠いノードであるならば、運搬ノードT1に放送要求信号RTBを送信する最初のノードになる。
【0139】
ステップE22の間に、運搬ノードT1は、中継ノードに選出されたノード42に、放送受信準備完了信号CTBを送信する。
【0140】
その場合に、データパケットDは、上述の指向性伝播ステップE5において、グループG1の周辺ノード44によって受信されるまで、グループG1の中で放送される。
【0141】
図9で例証された状況によれば、運搬ノードT2は、方向を変更したあと、グループG2に統合されると共に、そのグループにおいて、運搬ノードT2は、送信元ノードSとして統合される。
【0142】
検査ステップE12の間に、運搬ノードT2は、その移動方向が車線の変更の後で変わったことを判定する。
【0143】
更新ステップE14の間に、運搬ノードT2は、データパケットD内の変数Hを、今から運搬ノードT2が送信元ノードSであることを示す値1(H=1)に更新する。
【0144】
今は送信元ノードSである運搬ノードT2は、放送ステップE16の間に、データパケットDを放送する。
【0145】
データパケットDを受信すると、送信元ノードSの近隣のノードN1、N2、50、51は、受信したデータパケットDから、変数の値H=1及び運搬ノードT2の移動方向を獲得する。
【0146】
送信元ノードSの移動方向に関して、もし近隣のノードN1が送信元ノードSより最も遠い前方にあるならば、近隣のノードN1が伝播ノードに選出される。送信元ノードSの移動方向と反対の移動方向に関して、もし近隣のノードN2が送信元ノードSより最も遠い後方にあるならば、近隣のノードN2が伝播ノードに選出される。
【0147】
2つの伝播ノードN1及びN2が、既に説明された選出ステップE4において選出される。ノードN1及びN2は、送信元ノードSに放送要求信号を送信する最初の2つのノードであり、送信元ノードSは、応答において放送受信準備完了信号をそれらに送信する。
【0148】
その場合に、データパケットは、それが既に説明されたステップE6の間にグループG2の周辺部に到達するまで、既に説明された指向性伝播ステップE5において、各伝播ノードの移動方向に同時に伝播される。
【0149】
上述の例は、別のグループに統合されるために周辺ノードがグループから分離される状況に関係する。その代りに、そのグループが別のグループと結合されるまで、周辺ノードはグループに所属したままであるという状況が考えられ得る。この状況において、定期的な放送ステップE12の間に、周辺ノードは、データパケットが他のグループの移動ノードによって受信されるまで、移動しながら、一定時間ごとにデータパケットを放送する。従って、周辺ノードは、2つのグループが結合されるまで、パケットを放送する運搬ノードの役割を担う。
【0150】
各移動ノードのオンボードナビゲーション装置は、グループ内放送段階P1の間に、そしてグループ間放送段階P2に関連するステップの間に、自発的に、そして分散的な方法で、上述の伝播ノードまたは中継ノードの選出に関するステップ及びサブステップを実行するように構成されたソフトウェア処理手段を備える。
【0151】
特に、選出のための各候補ノードの待ち時間を決定するための方程式1は、オンボードナビゲーション装置のメモリにプログラムされてセーブされる。
【0152】
各移動ノードの無線通信端末は、各ノードがデータパケット、放送要求信号、そして放送指令信号(放送受信準備完了信号)を放送すると共に受信することを可能にする送信及び受信手段を備える。
【符号の説明】
【0153】
3〜11、20〜32、B1、B2、N1、N2 移動ノード
L1、L12、L2、L13、L3、L34、L24、L4 車線
J1、J2、J3、J4 交差点
G1、G2、G3、G4、G5 移動ノードのグループ
S 送信元ノード
A 放送ノード
N1、N2 伝播ノード
T1、T2 運搬ノード
R11、R12、R13 中継ノード
A1、A2 伝播ノードの移動方向
Cn、Cn−1、Cm、Cm−1 地理的座標
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ノードのグループ(G1、G2、G3、G4、G)のセットを含むネットワークにおいて少なくとも1つのデータパケット(D)を放送する方法であって、
前記方法が、その間に、少なくとも1つのデータパケット(D)が、同一のグループ(G)の前記移動ノードに放送される、グループ内放送段階(P1)を含み、
前記グループ内放送段階(P1)が、その間に、送信元ノード(S)が、前記少なくとも1つのデータパケット(D)を、近隣のノード(N1、N2、3、4、5、6、10)のセットに放送する初期放送ステップ(E3)を含み、
前記グループ内放送段階(P1)が、更に、逆方向に移動していると共に、送信元ノード(S)のそれぞれの反対側に位置する2つの伝播ノード(N1、N2)を選出するステップ(E4)を含み、
前記選出するステップの間に、前記送信元ノード(S)の第1の近隣のノードが、それが前記送信元ノード(S)の移動方向に対して前記送信元ノード(S)の下流に位置していると共に、前記送信元ノード(S)と同一の方向に移動しているという条件で、第1の伝播ノード(N1)に選出され、
前記選出するステップの間に、前記送信元ノード(S)の第2の近隣のノードが、それが前記送信元ノード(S)の移動方向に対して前記送信元ノード(S)の上流に位置していると共に、前記送信元ノード(S)の移動方向と反対の方向に移動しているという条件で、第2の伝播ノード(N2)に選出される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記グループ内放送段階(P1)が、更に、その間に、各選出された伝播ノード(N1、N2)が、データパケット(D)を、前記伝播ノード(N1)と同一の方向に移動していると共に、前記伝播ノードの移動方向(A1)に対して前記伝播ノードの下流に位置する中継ノード(R11;42)に送信する指向性伝播ステップ(E5)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指向性伝播ステップ(E5)が、更に、少なくとも、
・その間に、現在の中継ノードが、データパケット(D)を、その近隣のノードに放送する放送ステップ(E54)と、
・その間に、現在の中継ノードと同一の方向に移動していると共に、前記現在の中継ノードの移動方向に対して前記中継ノードの下流に位置する次の中継ノードが、前記現在の中継ノードの近隣のノードの中から選出される選出ステップ(E52)とを含み、
前記放送ステップ(E54)と前記選出ステップ(E52)とが、選出されたノードが前記グループ(E6)の周辺ノードになるまで繰り返される
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、更に、その間に、データパケット(D)が、周期的放送ステップ(E16)の間に移動しながら一定時間ごとにデータパケットを放送する運搬ノード(T1;T2)を介して、前記運搬ノード(T1;T2)が少なくとも1つの他の移動ノード(42;N1、N2)によって送信された前記パケット(D)に関する少なくとも1つの“放送要求信号(RTB)”を受信するまで、ノードの別のグループ(G1、G2)に送信されるグループ間放送段階(P2)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記周期的放送ステップ(E16)の2つの連続する繰り返しの間の時間間隔が、運搬ノード(T1)によって、運搬ノードの移動速度に応じて決定される
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記グループ間放送段階(P2)が、更に、
・その間に、前記運搬ノード(T1;T2)が、その移動方向が前記ノードによる前記パケットの最後の放送以後に変更されたかどうかを判定する検査ステップ(E12)を含み、
・もし変更されていないならば、ノード(T1)が、伝播ノードの地位を獲得すると共に、前記パケット(D)に関する“放送受信準備完了信号(CTB)”を、近隣のノード(42)に対して、前記近隣のノード(42)によって送信された“放送要求信号”に応答して送信し、
・もし変更されているならば、ノード(T2)が、送信元ノードの地位を獲得すると共に、前記パケット(D)に関する“放送受信準備完了信号(CTB)”を、2つの近隣のノード(N1、N2)に対して、前記近隣のノードによって送信された“放送要求信号”に応答して送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ネットワークの移動ノード(S、N1、N2)であって、
・データパケットを受信するための手段と、
・待ち時間(WTi)を、前記移動ノードと前記パケットを送信する移動ノードとの間の距離(di)に応じて決定するための手段と、
・前記待ち時間(WTi)の終わりに、前記パケット(D)に関する“放送要求信号(RTB)”を前記送信側移動ノードに送信するための手段に命令するための手段と、
・前記パケットに関する“放送受信準備完了信号(CTB)”の受信と同時に、前記受信されたパケット(D)を放送するための手段に命令するための手段と、
・少なくとも1つの他の移動ノードからの前記パケットに関する少なくとも1つの“放送要求信号(RTB)”の受信まで、前記データパケットを一定時間ごとに放送するための手段と、
・前記受信された“放送要求信号(RTB)”の内の1つを送信した少なくとも1つの移動ノード(42)に、前記パケット(D)に関する“放送受信準備完了信号(CTB)”を送信するための手段と
を備えることを特徴とする移動ノード。
【請求項8】
ネットワークを形成する移動ノードのグループ(G1、G2、G3、G4、G)のセットを含む、少なくとも1つのデータパケット(D)を放送するためのシステムであって、
前記ノードのグループ(G)が、
・前記少なくとも1つのデータパケット(D)を、ノードの前記グループ(G)内の近隣のノード(N1、N2、3、4、5、6、10)のセットに放送する送信元ノード(S)と、
・逆方向に移動していると共に、前記送信元ノード(S)のそれぞれの反対側に位置する2つの伝播ノード(N1、N2)とを含み、
前記送信元ノード(S)の第1の近隣のノードが、それが前記送信元ノード(S)の移動方向に対して前記送信元ノード(S)の下流に位置していると共に、前記送信元ノード(S)と同一の方向に移動しているという条件で、第1の伝播ノード(N1)に選出され、
前記送信元ノード(S)の第2の近隣のノードが、それが前記送信元ノード(S)の移動方向に対して前記送信元ノード(S)の上流に位置していると共に、前記送信元ノード(S)の移動方向と反対の方向に移動しているという条件で、第2の伝播ノード(N2)に選出され、
各伝播ノードが、前記データパケットを放送する
ことを特徴とするシステム。
【請求項9】
前記ノードのグループ(G)が、更に、
・前記伝播ノード(N1)の内の1つと同一の方向に移動していると共に、前記伝播ノードの移動方向に対して前記伝播ノードの下流に位置する少なくとも1つの中継ノード(R11、R12、R13;42)と、
・前記データパケットを、前記伝播ノードの内の1つから、または前記中継ノードの内の1つから受信すると共に、前記データパケットを、前記システムのノードの別のグループに送信するように構成された、ノードの前記グループの周囲に位置する少なくとも1つの運搬ノード(T1;T2)と
を含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
請求項7に記載の移動ノードのプロセッサによって実行されることを目的としているコンピュータプログラムであって、
前記プログラムが、以下の、
・データパケットを受信するステップと、
・待ち時間を、前記移動ノードと前記パケットを送信する移動ノードとの間の距離に応じて決定するステップと、
・前記待ち時間の終わりに、前記パケットに関する“放送要求信号”を前記送信側移動ノードに送信するための手段に命令するステップと、
・前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”の受信と同時に、前記受信されたパケットを放送するための手段に命令するステップと、
・少なくとも1つの他の移動ノードからの前記パケットに関する少なくとも1つの“放送要求信号(RTB)”の受信まで、前記データパケットを一定時間ごとに放送するステップと、
・前記受信された“放送要求信号(RTB)”の内の1つを送信した少なくとも1つの移動ノード(42)に、前記パケット(D)に関する“放送受信準備完了信号(CTB)”を送信するステップと
を実行するための命令を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
移動ノードのグループ(G1、G2、G3、G4、G)のセットを含むネットワークにおいて少なくとも1つのデータパケット(D)を放送する方法であって、
前記方法が、その間に、少なくとも1つのデータパケット(D)が、同一のグループ(G)の前記移動ノードに放送される、グループ内放送段階(P1)を含み、
前記グループ内放送段階(P1)が、その間に、送信元ノード(S)が、前記少なくとも1つのデータパケット(D)を、近隣のノード(N1、N2、3、4、5、6、10)のセットに放送する初期放送ステップ(E3)を含み、
前記グループ内放送段階(P1)が、更に、逆方向に移動していると共に、送信元ノード(S)のそれぞれの反対側に位置する2つの伝播ノード(N1、N2)を選出するステップ(E4)を含み、
前記選出するステップの間に、前記送信元ノード(S)の第1の近隣のノードが、それが前記送信元ノード(S)の移動方向に対して前記送信元ノード(S)の下流に位置していると共に、前記送信元ノード(S)と同一の方向に移動しているという条件で、第1の伝播ノード(N1)に選出され、
前記選出するステップの間に、前記送信元ノード(S)の第2の近隣のノードが、それが前記送信元ノード(S)の移動方向に対して前記送信元ノード(S)の上流に位置していると共に、前記送信元ノード(S)の移動方向と反対の方向に移動しているという条件で、第2の伝播ノード(N2)に選出される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記グループ内放送段階(P1)が、更に、その間に、各選出された伝播ノード(N1、N2)が、データパケット(D)を、前記伝播ノード(N1)と同一の方向に移動していると共に、前記伝播ノードの移動方向(A1)に対して前記伝播ノードの下流に位置する中継ノード(R11;42)に送信する指向性伝播ステップ(E5)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指向性伝播ステップ(E5)が、更に、少なくとも、
・その間に、現在の中継ノードが、データパケット(D)を、その近隣のノードに放送する放送ステップ(E54)と、
・その間に、現在の中継ノードと同一の方向に移動していると共に、前記現在の中継ノードの移動方向に対して前記中継ノードの下流に位置する次の中継ノードが、前記現在の中継ノードの近隣のノードの中から選出される選出ステップ(E52)とを含み、
前記放送ステップ(E54)と前記選出ステップ(E52)とが、選出されたノードが前記グループ(E6)の周辺ノードになるまで繰り返される
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、更に、その間に、データパケット(D)が、周期的放送ステップ(E16)の間に移動しながら一定時間ごとにデータパケットを放送する運搬ノード(T1;T2)を介して、前記運搬ノード(T1;T2)が少なくとも1つの他の移動ノード(42;N1、N2)によって送信された前記パケット(D)に関する少なくとも1つの“放送要求信号(RTB)”を受信するまで、ノードの別のグループ(G1、G2)に送信されるグループ間放送段階(P2)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記周期的放送ステップ(E16)の2つの連続する繰り返しの間の時間間隔が、運搬ノード(T1)によって、運搬ノードの移動速度に応じて決定される
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記グループ間放送段階(P2)が、更に、
・その間に、前記運搬ノード(T1;T2)が、その移動方向が前記ノードによる前記パケットの最後の放送以後に変更されたかどうかを判定する検査ステップ(E12)を含み、
・もし変更されていないならば、ノード(T1)が、伝播ノードの地位を獲得すると共に、前記パケット(D)に関する“放送受信準備完了信号(CTB)”を、近隣のノード(42)に対して、前記近隣のノード(42)によって送信された“放送要求信号”に応答して送信し、
・もし変更されているならば、ノード(T2)が、送信元ノードの地位を獲得すると共に、前記パケット(D)に関する“放送受信準備完了信号(CTB)”を、2つの近隣のノード(N1、N2)に対して、前記近隣のノードによって送信された“放送要求信号”に応答して送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ネットワークの移動ノード(S、N1、N2)であって、
・データパケットを受信するための手段と、
・待ち時間(WTi)を、前記移動ノードと前記パケットを送信する移動ノードとの間の距離(di)に応じて決定するための手段と、
・前記待ち時間(WTi)の終わりに、前記パケット(D)に関する“放送要求信号(RTB)”を前記送信側移動ノードに送信するための手段に命令するための手段と、
・前記パケットに関する“放送受信準備完了信号(CTB)”の受信と同時に、前記受信されたパケット(D)を放送するための手段に命令するための手段と、
・少なくとも1つの他の移動ノードからの前記パケットに関する少なくとも1つの“放送要求信号(RTB)”の受信まで、前記データパケットを一定時間ごとに放送するための手段と、
・前記受信された“放送要求信号(RTB)”の内の1つを送信した少なくとも1つの移動ノード(42)に、前記パケット(D)に関する“放送受信準備完了信号(CTB)”を送信するための手段と
を備えることを特徴とする移動ノード。
【請求項8】
ネットワークを形成する移動ノードのグループ(G1、G2、G3、G4、G)のセットを含む、少なくとも1つのデータパケット(D)を放送するためのシステムであって、
前記ノードのグループ(G)が、
・前記少なくとも1つのデータパケット(D)を、ノードの前記グループ(G)内の近隣のノード(N1、N2、3、4、5、6、10)のセットに放送する送信元ノード(S)と、
・逆方向に移動していると共に、前記送信元ノード(S)のそれぞれの反対側に位置する2つの伝播ノード(N1、N2)とを含み、
前記送信元ノード(S)の第1の近隣のノードが、それが前記送信元ノード(S)の移動方向に対して前記送信元ノード(S)の下流に位置していると共に、前記送信元ノード(S)と同一の方向に移動しているという条件で、第1の伝播ノード(N1)に選出され、
前記送信元ノード(S)の第2の近隣のノードが、それが前記送信元ノード(S)の移動方向に対して前記送信元ノード(S)の上流に位置していると共に、前記送信元ノード(S)の移動方向と反対の方向に移動しているという条件で、第2の伝播ノード(N2)に選出され、
各伝播ノードが、前記データパケットを放送する
ことを特徴とするシステム。
【請求項9】
前記ノードのグループ(G)が、更に、
・前記伝播ノード(N1)の内の1つと同一の方向に移動していると共に、前記伝播ノードの移動方向に対して前記伝播ノードの下流に位置する少なくとも1つの中継ノード(R11、R12、R13;42)と、
・前記データパケットを、前記伝播ノードの内の1つから、または前記中継ノードの内の1つから受信すると共に、前記データパケットを、前記システムのノードの別のグループに送信するように構成された、ノードの前記グループの周囲に位置する少なくとも1つの運搬ノード(T1;T2)と
を含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
請求項7に記載の移動ノードのプロセッサによって実行されることを目的としているコンピュータプログラムであって、
前記プログラムが、以下の、
・データパケットを受信するステップと、
・待ち時間を、前記移動ノードと前記パケットを送信する移動ノードとの間の距離に応じて決定するステップと、
・前記待ち時間の終わりに、前記パケットに関する“放送要求信号”を前記送信側移動ノードに送信するための手段に命令するステップと、
・前記パケットに関する“放送受信準備完了信号”の受信と同時に、前記受信されたパケットを放送するための手段に命令するステップと、
・少なくとも1つの他の移動ノードからの前記パケットに関する少なくとも1つの“放送要求信号(RTB)”の受信まで、前記データパケットを一定時間ごとに放送するステップと、
・前記受信された“放送要求信号(RTB)”の内の1つを送信した少なくとも1つの移動ノード(42)に、前記パケット(D)に関する“放送受信準備完了信号(CTB)”を送信するステップと
を実行するための命令を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2011−504033(P2011−504033A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533638(P2010−533638)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051941
【国際公開番号】WO2009/063151
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051941
【国際公開番号】WO2009/063151
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】
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