説明

移動体特定装置、移動体特定プログラム及び移動体特定方法

【課題】SAR画像データに含まれる移動体と、送信情報を送信した移動体とを高精度に対応付けすることを目的とする。
【解決手段】画像情報計算部2は、SAR画像から、前記SAR画像に含まれる移動体の速度を計算し、計算した速度に基づきその移動体の位置を計算する。補完情報特定部3は、移動体から送信された送信情報から、前記SAR画像が撮像された際のその移動体の位置を特定する。そして、相関度計算部4は、画像情報計算部2が計算した位置と、補完情報特定部3が特定した位置との相関度を計算し、対応付部5は、相関度計算部4が計算した相関度に基づき、SAR画像に含まれる移動体と送信情報を送信した移動体とを対応付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、SAR(Synthetic Aperture Radar)画像に含まれる不審船等を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
海上を航行中の船は、一般にAIS(Automatic Identification System)信号や、VMS(Vessel Monitoring System)信号等の信号(送信情報)を定期的に送信している。
これらの送信情報には、その船の位置を示す位置情報や、その船を識別可能な識別情報が含まれる。
【0003】
特許文献1には、SAR画像データから、そのSAR画像データに含まれる移動体の速度を推定するリフォーカスISAR(Inverse SAR)についての記載がある。また、移動体の速度を推定することにより、その移動体の位置を推定するとともに、その移動体を鮮明に再生することについての記載もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−292532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
送信情報を送信していない船は、違法操業漁船や不審船等である可能性が高い。そのため、送信情報を送信していない船を特定することが必要である。
この発明は、送信情報を送信していない移動体を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る移動体特定装置は、
SAR画像から、前記SAR画像に含まれる移動体の速度を計算し、計算した速度に基づき速度を計算した移動体の位置を処理装置により計算する画像情報計算部と、
移動体から送信された送信情報から、送信情報を送信した移動体の位置を処理装置により特定する補完情報特定部と、
前記画像情報計算部が計算した位置と、前記補完情報特定部が特定した位置との相関度を処理装置により計算する相関度計算部と、
前記相関度計算部が計算した相関度に基づき、前記SAR画像に含まれる移動体と前記送信情報を送信した移動体とを処理装置により対応付ける対応付部と、
前記SAR画像に含まれる移動体であって、前記対応付部によって前記送信情報を送信した移動体と対応付けがされなかった移動体を処理装置により特定する移動体特定部と
を備えることを特徴とする。
【0007】
前記補完情報特定部は、さらに、前記送信情報から送信情報を送信した移動体の速度を特定し、
前記相関度計算部は、前記画像情報計算部が計算した位置及び速度と、前記補完情報特定部が特定した位置及び速度との相関度を計算する
ことを特徴とする。
【0008】
前記画像情報計算部は、計算した移動体の速度に基づき生成したアジマス圧縮参照関数を用いて、速度を計算した移動体のSAR画像を再生し、再生したSAR画像に基づき速度を計算した移動体のサイズを計算し、
前記前記補完情報特定部は、さらに、前記送信情報に基づき、送信情報を送信した移動体のサイズを特定し、
前記相関度計算部は、前記画像情報計算部が計算した位置、速度及びサイズと、前記補完情報特定部が特定した位置、速度及びサイズとの相関度を計算する
ことを特徴とする。
【0009】
前記相関度計算部は、位置、速度及びサイズの項目毎に相関度を計算し、計算した項目毎の相関度に項目に応じた重みを付けて、重み付けした各項目についての相関度から、位置、速度及びサイズを含む情報としての相関度を計算する
ことを特徴とする。
【0010】
この発明に係る移動体特定プログラムは、
SAR画像から、前記SAR画像に含まれる移動体の速度を計算し、計算した速度に基づき速度を計算した移動体の位置を計算する画像情報計算処理と、
移動体から送信された送信情報から、送信情報を送信した移動体の位置を特定する補完情報特定処理と、
前記画像情報計算処理で計算した位置と、前記補完情報特定処理で特定した位置との相関度を計算する相関度計算処理と、
前記相関度計算処理で計算した相関度に基づき、前記SAR画像に含まれる移動体と前記送信情報を送信した移動体とを対応付ける対応付処理と、
前記SAR画像に含まれる移動体であって、前記対応付処理によって前記送信情報を送信した移動体と対応付けがされなかった移動体を特定する移動体特定処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
前記補完情報特定処理では、さらに、前記送信情報から送信情報を送信した移動体の速度を特定し、
前記相関度計算処理では、前記画像情報計算処理で計算した位置及び速度と、前記補完情報特定処理で特定した位置及び速度との相関度を計算する
ことを特徴とする。
【0012】
前記画像情報計算処理では、計算した移動体の速度に基づき生成したアジマス圧縮参照関数を用いて、速度を計算した移動体のSAR画像を再生し、再生したSAR画像に基づき速度を計算した移動体のサイズを計算し、
前記前記補完情報特定処理では、さらに、前記送信情報に基づき、送信情報を送信した移動体のサイズを特定し、
前記相関度計算処理では、前記画像情報計算処理で計算した位置、速度及びサイズと、前記補完情報特定処理で特定した位置、速度及びサイズとの相関度を計算する
ことを特徴とする。
【0013】
前記相関度計算処理では、位置、速度及びサイズの項目毎に相関度を計算し、計算した項目毎の相関度に項目に応じた重みを付けて、重み付けした各項目についての相関度から、位置、速度及びサイズを含む情報としての相関度を計算する
ことを特徴とする。
【0014】
この発明に係る移動体特定方法は、
処理装置が、SAR画像から、前記SAR画像に含まれる移動体の速度を計算し、計算した速度に基づき速度を計算した移動体の位置を計算する画像情報計算工程と、
処理装置が、移動体から送信された送信情報から、送信情報を送信した移動体の位置を特定する補完情報特定工程と、
処理装置が、前記画像情報計算工程で計算した位置と、前記補完情報特定工程で特定した位置との相関度を計算する相関度計算工程と、
処理装置が、前記相関度計算工程で計算した相関度に基づき、前記SAR画像に含まれる移動体と前記送信情報を送信した移動体とを対応付ける対応付工程と、
処理装置が、前記SAR画像に含まれる移動体であって、前記対応付工程によって前記送信情報を送信した移動体と対応付けがされなかった移動体を特定する移動体特定工程と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係る移動体特定装置では、SAR画像に含まれる移動体の位置をSAR画像から計算し、送信情報を送信した移動体の位置との相関度を計算することにより、SAR画像に含まれる移動体と、送信情報を送信した移動体とを高精度に対応付けることができる。その結果、送信情報を送信していない移動体を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1に係る移動体特定装置1の機能を示す機能ブロック図。
【図2】移動体特定装置1の動作の流れを示すフローチャート。
【図3】画像情報計算部2の動作の流れを示すフローチャート。
【図4】移動体特定装置1の処理の例の説明図。
【図5】移動体特定装置1のハードウェア構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図に基づき、発明の実施の形態を説明する。
以下の説明において、処理装置は後述するCPU911等である。記憶装置は後述するROM913、RAM914、磁気ディスク920等の記憶装置である。入力装置は後述するキーボード902、マウス903等である。つまり、処理装置、記憶装置、入力装置はハードウェアである。
【0018】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る移動体特定装置1の機能を示す機能ブロック図である。
移動体特定装置1は、所定のエリアを撮像したSAR画像に含まれる船(移動体の一例)と、送信情報を送信した船とを対応付け、SAR画像に含まれる船であって、送信情報を送信した船と対応付けされなかった船を特定する装置である。
移動体特定装置1は、画像情報計算部2、補完情報特定部3、相関度計算部4、対応付部5、移動体特定部6を備える。
【0019】
図2は、移動体特定装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
(S1:画像情報計算処理)
画像情報計算部2は、入力装置により入力されたSAR画像に含まれる各船の位置、速度、全長、全幅、構造物の位置等の項目を含む画像情報を、SAR画像から処理装置により計算して記憶装置に記憶する。なお、速度とは、速度ベクトルのことであり、移動方向と、速さとを含む情報である。
(S2:補完情報特定処理)
補完情報特定部3は、各船から送信された送信情報を取得し、取得した送信情報に基づき、その船の位置、速度、全長、全幅、構造物の位置等の項目を含む補完情報を処理装置により特定して記憶装置に記憶する。
(S3:相関度計算処理)
相関度計算部4は、(S1)で計算した画像情報と、(S2)で特定した補完情報との相関度を処理装置により計算して記憶装置に記憶する。
(S4:対応付処理)
対応付部5は、(S3)で計算した相関度が予め設定した閾値以上である画像情報と補完情報とを処理装置により対応付けする。これにより、SAR画像に含まれる船と、送信情報を送信した船とが対応付けられる。
(S5:移動体特定処理)
移動体特定部6は、(S4)で送信情報を送信した船と対応付けされなかった船であって、SAR画像に含まれる船を処理装置により特定する。移動体特定部6が特定した船は、送信情報を送信していない船である可能性が高く、いわゆる違法操業漁船や不審船等である可能性がある。
【0020】
(S1)の処理について詳しく説明する。
図3は、画像情報計算部2の動作の流れを示すフローチャートである。
(S11:速度計算処理)
画像情報計算部2は、リフォーカスISARを用いて、SAR画像に含まれる各船の速度を処理装置により計算する。
つまり、画像情報計算部2は、SAR画像、すなわちアジマス圧縮後データを、アジマス圧縮に用いたアジマス圧縮参照関数を用いて解凍(アジマス圧縮の逆計算)して、アジマス圧縮前のデータに戻す。そして、画像情報計算部2は、予測速度を変化させて、複数のアジマス圧縮参照関数を生成し、生成した各アジマス圧縮参照関数を用いてアジマス圧縮前のデータを再びアジマス圧縮して、複数のアジマス圧縮後データを生成する。画像情報計算部2は、船毎に、生成した複数のアジマス圧縮後の画像の中で、最も鮮明に再生されている画像データを特定する。そして、特定した画像データを得る際に使用したアジマス圧縮参照関数を特定し、そのアジマス圧縮参照関数を生成する際に使用した予測速度を、その船の速度であると特定する。
(S12:位置処理)
画像情報計算部2は、各船について、(S11)で特定したその船の速度に基づき、その船の位置を特定する。
一般に、SAR画像において移動体が表示されている位置には、ドップラーシフト等の移動体の速度に応じた誤差が含まれている。つまり、SAR画像において移動体が表示されている位置は、その移動体の真の位置ではない。そこで、画像情報計算部2は、SAR搭載機と移動体との相対位置を表す式(特許文献1参照)に、(S11)で求めた船の速度やSAR搭載機の位置等を入力して、船の真の位置を算出する。
(S13:画像再生処理)
画像情報計算部2は、各船について、(S11)で特定したその船の速度に基づきアジマス圧縮参照関数で、(S11)で生成したアジマス圧縮前のデータをアジマス圧縮し、その船が鮮明に再生されたSAR画像を得る。
(S14:サイズ特定処理)
画像情報計算部2は、各船について、(S13)でその船について得たSAR画像から、その船の全長、全幅、構造物の位置を特定する。SAR画像から船の全長、全幅、構造物の位置を特定する方法は、どのような方法であってもよい。
【0021】
(S2)の処理について詳しく説明する。
通常、航行中の船からは、その船の位置を示す位置情報と、その船を識別可能な識別情報とを含む送信情報が定期的に送信される。
そこで、補完情報特定部3は、SAR画像の撮像時に船から送信された送信情報に含まれる位置情報が示す位置を、その船の位置として特定する。また、補完情報特定部3は、SAR画像の撮像時に船から送信された送信情報と、その送信情報の前後に送信された所定個の送信情報に含まれる位置情報及び送信時刻とから、その船の速度を計算する。さらに、補完情報特定部3は、SAR画像の撮像時に船から送信された送信情報に含まれる識別情報から、その船を特定し、特定した船のデータを記憶したデータベースから検索することで、その船の全長、全幅、構造物の位置等を特定する。
なお、送信情報に、速度、全長、全幅、構造物の位置等の情報が含まれている場合は、補完情報特定部3は、SAR画像の撮像時に船から送信された送信情報に含まれる情報を単に抽出してもよい。
【0022】
(S3)の処理について詳しく説明する。
相関度計算部4は、(S1)で得られた画像情報の各項目(位置、速度、全長、全幅、構造物の位置等)と、(S2)で得られた補完情報の各項目(位置、速度、全長、全幅、構造物の位置等)とについて、項目毎に相関度を計算する。そして、相関度計算部4は、項目毎に計算した相関度から、画像情報と補完情報との相関度を計算する。
例えば、相関度計算部4は、相関度Correlationを数1により計算する。なお、数1において、Nは項目数、aは項目に応じて予め決定された重み係数、pSARは画像情報の値、prefは補完情報の値である。
【数1】

【0023】
移動体特定装置1の処理の例を説明する。
図4は、移動体特定装置1の処理の例の説明図である。なお、図4(a)はSAR画像を示し、図4(b)は送信情報が示す位置に船を表示した画像を示し、図4(c)は図4(a)と図4(b)とを重ねて表示した画像を示す。また、図4において、SAR画像に含まれる船は丸で示し、送信情報を送信した船は三角で、送信情報から特定された位置に示している。
(S1)でSAR画像から、SAR画像上の各船1〜7についての画像情報の各項目(位置、速度、全長、全幅、構造物の位置等)が計算され、(S2)で各船A〜Fから送信された送信情報から、各船A〜Fについての補完情報の各項目(位置、速度、全長、全幅、構造物の位置等)が特定される。次に、(S3)で、各船1〜7についての画像情報と、各船A〜Fについての補完情報との相関度が計算され、(S4)で相関度に基づき画像情報と補完情報との対応付けがされる。つまり、ここでは、船1〜7と、船A〜Fの全ての組合せに対して相関度が計算され、画像情報と補完情報との対応付けがされる。そして、(S5)で、SAR画像上の船1〜7であって、船A〜Fと対応付けされなかった船が特定される。例えば、図4では、(S4)で、1とA、2とB、3とD、4とE、5とC、7とFのように対応付けられたとする。この場合、SAR画像に含まれる船1〜7であって、船A〜Fと対応付けられなかった船6が特定される。
【0024】
実施の形態1に係る移動体特定装置1は、リフォーカスISARを用いて、SAR画像上の船の速度をSAR画像から計算することにより、SAR画像上の船の速度を高精度に特定することができる。特に、図4に示す船3,4,5,6,7のように船が密集している場合であっても、リフォーカスISARを用いることにより高精度に各船の速度を特定することができる。そのため、SAR画像上の船の真の位置を高精度に特定することができる。したがって、位置に基づき、SAR画像上の船と、送信情報が示す船との対応付けを行った場合、高精度に対応付けを行うことができる。
また、実施の形態1に係る移動体特定装置1は、位置だけに基づき比較を行うのではなく、速度も比較対象として、SAR画像上の船と、送信情報が示す船との対応付けを行う。そのため、さらに高精度にSAR画像上の船と、送信情報が示す船との対応付けを行うことができる。
また、実施の形態1に係る移動体特定装置1は、特定した各船の速度を用いて、各船を鮮明に再生した上で、各船の全長、全幅、構造物の位置を特定するため、各船の全長、全幅、構造物の位置を高精度に特定することができる。そして、位置、速度だけでなく、全長、全幅、構造物の位置も比較対象として、SAR画像上の船と、送信情報が示す船との対応付けを行う。そのため、さらに高精度にSAR画像上の船と、送信情報が示す船との対応付けを行うことができる。
【0025】
次に、実施の形態における移動体特定装置1のハードウェア構成について説明する。
図5は、移動体特定装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5に示すように、移動体特定装置1は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、LCD901(Liquid Crystal Display)、キーボード902(K/B)、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920(固定ディスク装置)の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。磁気ディスク装置920は、所定の固定ディスクインタフェースを介して接続される。
【0026】
磁気ディスク装置920又はROM913などには、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0027】
プログラム群923には、上記の説明において「画像情報計算部2」、「補完情報特定部3」、「相関度計算部4」、「対応付部5」、「移動体特定部6」等として説明した機能を実行するソフトウェアやプログラムやその他のプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、上記の説明において「SAR画像」、「送信情報」、「相関度」等情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「データベース」の各項目として記憶される。「データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPU911の動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPU911の動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0028】
また、上記の説明におけるフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、その他光ディスク等の記録媒体やICチップに記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体や電波によりオンライン伝送される。
また、上記の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。また、「〜装置」として説明するものは、「〜回路」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。さらに、「〜処理」として説明するものは「〜ステップ」であっても構わない。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、ROM913等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、上記で述べた「〜部」としてコンピュータ等を機能させるものである。あるいは、上記で述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータ等に実行させるものである。
【符号の説明】
【0029】
1 移動体特定装置、2 画像情報計算部、3 補完情報特定部、4 相関度計算部、5 対応付部、6 移動体特定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SAR(Synthetic Aperture Radar)画像から、前記SAR画像に含まれる移動体の速度を計算し、計算した速度に基づき速度を計算した移動体の位置を処理装置により計算する画像情報計算部と、
移動体から送信された送信情報から、送信情報を送信した移動体の位置を処理装置により特定する補完情報特定部と、
前記画像情報計算部が計算した位置と、前記補完情報特定部が特定した位置との相関度を処理装置により計算する相関度計算部と、
前記相関度計算部が計算した相関度に基づき、前記SAR画像に含まれる移動体と前記送信情報を送信した移動体とを処理装置により対応付ける対応付部と、
前記SAR画像に含まれる移動体であって、前記対応付部によって前記送信情報を送信した移動体と対応付けがされなかった移動体を処理装置により特定する移動体特定部と
を備えることを特徴とする移動体特定装置。
【請求項2】
前記補完情報特定部は、さらに、前記送信情報から送信情報を送信した移動体の速度を特定し、
前記相関度計算部は、前記画像情報計算部が計算した位置及び速度と、前記補完情報特定部が特定した位置及び速度との相関度を計算する
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体特定装置。
【請求項3】
前記画像情報計算部は、計算した移動体の速度に基づき生成したアジマス圧縮参照関数を用いて、速度を計算した移動体のSAR画像を再生し、再生したSAR画像に基づき速度を計算した移動体のサイズを計算し、
前記前記補完情報特定部は、さらに、前記送信情報に基づき、送信情報を送信した移動体のサイズを特定し、
前記相関度計算部は、前記画像情報計算部が計算した位置、速度及びサイズと、前記補完情報特定部が特定した位置、速度及びサイズとの相関度を計算する
ことを特徴とする請求項2に記載の移動体特定装置。
【請求項4】
前記相関度計算部は、位置、速度及びサイズの項目毎に相関度を計算し、計算した項目毎の相関度に項目に応じた重みを付けて、重み付けした各項目についての相関度から、位置、速度及びサイズを含む情報としての相関度を計算する
ことを特徴とする請求項3に記載の移動体特定装置。
【請求項5】
SAR(Synthetic Aperture Radar)画像から、前記SAR画像に含まれる移動体の速度を計算し、計算した速度に基づき速度を計算した移動体の位置を計算する画像情報計算処理と、
移動体から送信された送信情報から、送信情報を送信した移動体の位置を特定する補完情報特定処理と、
前記画像情報計算処理で計算した位置と、前記補完情報特定処理で特定した位置との相関度を計算する相関度計算処理と、
前記相関度計算処理で計算した相関度に基づき、前記SAR画像に含まれる移動体と前記送信情報を送信した移動体とを対応付ける対応付処理と、
前記SAR画像に含まれる移動体であって、前記対応付処理によって前記送信情報を送信した移動体と対応付けがされなかった移動体を特定する移動体特定処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする移動体特定プログラム。
【請求項6】
前記補完情報特定処理では、さらに、前記送信情報から送信情報を送信した移動体の速度を特定し、
前記相関度計算処理では、前記画像情報計算処理で計算した位置及び速度と、前記補完情報特定処理で特定した位置及び速度との相関度を計算する
ことを特徴とする請求項5に記載の移動体特定プログラム。
【請求項7】
前記画像情報計算処理では、計算した移動体の速度に基づき生成したアジマス圧縮参照関数を用いて、速度を計算した移動体のSAR画像を再生し、再生したSAR画像に基づき速度を計算した移動体のサイズを計算し、
前記前記補完情報特定処理では、さらに、前記送信情報に基づき、送信情報を送信した移動体のサイズを特定し、
前記相関度計算処理では、前記画像情報計算処理で計算した位置、速度及びサイズと、前記補完情報特定処理で特定した位置、速度及びサイズとの相関度を計算する
ことを特徴とする請求項6に記載の移動体特定プログラム。
【請求項8】
前記相関度計算処理では、位置、速度及びサイズの項目毎に相関度を計算し、計算した項目毎の相関度に項目に応じた重みを付けて、重み付けした各項目についての相関度から、位置、速度及びサイズを含む情報としての相関度を計算する
ことを特徴とする請求項7に記載の移動体特定プログラム。
【請求項9】
処理装置が、SAR(Synthetic Aperture Radar)画像から、前記SAR画像に含まれる移動体の速度を計算し、計算した速度に基づき速度を計算した移動体の位置を計算する画像情報計算工程と、
処理装置が、移動体から送信された送信情報から、送信情報を送信した移動体の位置を特定する補完情報特定工程と、
処理装置が、前記画像情報計算工程で計算した位置と、前記補完情報特定工程で特定した位置との相関度を計算する相関度計算工程と、
処理装置が、前記相関度計算工程で計算した相関度に基づき、前記SAR画像に含まれる移動体と前記送信情報を送信した移動体とを対応付ける対応付工程と、
処理装置が、前記SAR画像に含まれる移動体であって、前記対応付工程によって前記送信情報を送信した移動体と対応付けがされなかった移動体を特定する移動体特定工程と
を備えることを特徴とする移動体特定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−63186(P2012−63186A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206287(P2010−206287)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】