説明

移動体通信システムおよびその通信方法

【課題】 SMS等の電話番号で送受信可能なメッセージにメディアを付加するサービスを行う場合に、システム間の連携が少なくて済み、かつストレスなくそのサービスを行うことが可能な移動体通信システムの提供。
【解決手段】 電話番号で送受信可能なメッセージにメディアを付加する移動体通信システムであって、メッセージ配信システム120は、送信先の携帯電話装置A201にメッセージの付加サービスが設定されているか否かおよび送信先の携帯電話装置A201が高速通信可能な状態にあるか否かの判定を行い、その判定結果に応じてメッセージあるいはメッセージにメディアを付加したものを配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信システムおよびその通信方法に関し、特に携帯電話装置によるSMS(Short Message Service )に動画等の大容量メディアを付加する移動体通信システムおよびその通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話通信事業者は携帯電話装置でのデータ通信を高速化するために、一例としてLTE(Long Term Evolution) なるネットワークを構築している。一方、既存サービスを提供する交換機システムが古くなり、近い将来保守期限を迎える等の事情があり、ユーザから見てサービス劣化がないように、既存の交換機システムで提供していたサービスをIP(Internet Protocol) 化、すなわちIP技術により実現する必要がある。
【0003】
その中でもSMSは現在当たり前のサービスとなっており、通信事業者が既存システムから新しいシステムに移行する際にこのサービスを実現することは必須であるが、電子メール等の代替サービスが溢れている現在ではユーザから多くの利益を得られるサービスではないと言える。
【0004】
しかし、SMSは既存で提供されているサービスであるため、新システムでも提供する必要があるサービスであり、システム開発の費用対効果が薄いという問題がある。
【0005】
一方、本発明の他の関連技術の一例として、SMSを用いてテキストと画像のメッセージを一方の端末から他方の端末へ送信する通信システムが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。この通信システムでは、メッセージフォーマットがユーザデータフィールドを備え、ユーザデータフィールドの終りに拡張データが挿入される構成である。
【0006】
さらに、本発明の他の関連技術の一例として、コールセンターから通話中に顧客の携帯電話へ音声以外の任意の情報をプッシュする移動体通信システムが開示されている(たとえば、特許文献2参照)。また、予め顧客サポートツール内にあるテキスト、画像、動画等もプッシュすることができると記載されている。さらに、通話中の携帯電話加入者に限りプッシュを許可するとも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−101667号公報
【特許文献2】特開2006−217099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
SMSは電話番号だけでメッセージが送受信できる手軽さはあるが、比較的短いメッセージしか送受信できないため、携帯電話装置ユーザにとっては利用できることは当たり前であり、まとまった料金を支払ってまで利用するサービスではないと考えられる。そのため、SMSの手軽な仕組みで動画等の大容量メディアを付加し、手軽に大容量メディアを送受信できるサービスの実現が求められると考えられる。
【0009】
しかし、本発明に関連するSMSは回線交換技術で実現されていることが一般的であり、LTE等による高速通信を利用したサービスをSMSに付加しようとした場合、たとえば、メッセージを配信した契機や、携帯電話装置側でメッセージを受信した契機で、IPベースの別ネットワークに動画配信を行うよう指示する等、SMSとは別にサービスを起動する必要がある。その場合、システム間の連携が必要となり、複雑かつ影響範囲が大きくなるという課題がある。
【0010】
また、LTEのような高速通信環境が整っていない状態でSMSに大容量メディアを付加するサービスを提供しても、受信に時間がかかりユーザにとってストレスになる可能性が高いという課題がある。
【0011】
また、特許文献1および2に記載の発明は、SMS等のデータにメディアを付加する点で本発明と共通する。しかし、メディアを受信できる環境を携帯電話装置等の端末が有しているとしても、端末の通信速度が比較的遅い場合はメディアの受信に時間がかかるという課題がある。
【0012】
そこで本発明の目的は、SMS等の電話番号で送受信可能なメッセージにメディアを付加するサービスを行う場合に、システム間の連携が少なくて済み、かつストレスなくそのサービスを行うことが可能な移動体通信システムおよびその通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明による移動体通信システムは、電話番号で送受信可能なメッセージを配信するメッセージ配信システムと、前記メッセージにメディアを付加して配信するメッセージ拡張システムと、前記メッセージ配信システムから前記メッセージを、前記メッセージ拡張システムから前記メディアをそれぞれ受け取り、前記メッセージおよび前記メディアを送信先の携帯電話装置に送信する呼処理システムとを含み、前記メッセージ配信システムは、前記送信先の携帯電話装置に前記メッセージの付加サービスが設定されているか否かおよび前記送信先の携帯電話装置が高速通信可能な状態にあるか否かの判定を行い、その判定結果に応じて前記メッセージあるいは前記メッセージにメディアを付加したものを配信することを特徴とする。
【0014】
また、本発明による移動体通信システムの通信方法は、電話番号で送受信可能なメッセージを配信するメッセージ配信ステップと、前記メッセージにメディアを付加して配信するメッセージ拡張ステップと、前記メッセージ配信ステップで配信される前記メッセージと、前記メッセージ拡張システムで配信される前記メディアとをそれぞれ受け取り、前記メッセージおよび前記メディアを送信先の携帯電話装置に送信する呼処理ステップとが含まれ、前記メッセージ配信ステップでは、前記送信先の携帯電話装置に前記メッセージの付加サービスが設定されているか否かおよび前記送信先の携帯電話装置が高速通信可能な状態にあるか否かの判定が行われ、その判定結果に応じて前記メッセージあるいは前記メッセージにメディアを付加したものが配信されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、SMS等の電話番号で送受信可能なメッセージにメディアを付加するサービスを行う場合に、システム間の連携が少なくて済み、かつストレスなくそのサービスを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る移動体通信システムの第1実施形態の構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る移動体通信システムの第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る移動体通信システムの第3実施形態の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、実施の形態の説明に入る前に、本発明の特徴について説明する。本発明は、携帯電話ユーザが携帯電話番号で手軽にメッセージの送受信ができるSMS(ショートメッセージサービス)に、ユーザの通信環境に応じて動画等の大容量メディアを付加する機能を備えている
【0018】
これにより、本発明によれば、関連技術では当たり前のサービスと考えられており、通信事業者として大きな収益が見込めないSMSを、ユーザから利用料金を追加で獲得できるサービスに拡張することが可能となる。
【0019】
より具体的に説明すると、本発明ではSMSのIP化に伴って、SMSへのサービス付加を実現させる。本発明ではSMSのメッセージに動画や音声等のメディアを付け加えるのみでこのサービス付加を実現させるため、システム間の連携が少なくて済む。
【0020】
また、LTEによる高速通信環境が整っており、かつこの高速通信環境を利用できる状態であることをメッセージ配信の際に確認することで、ユーザは高速通信環境で大容量メディアを受信することになり、ストレスなくサービスを利用することが可能となる。
【0021】
たとえば、SMS受信時にそのユーザが好むアニメの動画を表示させる、あるいはそのユーザやメッセージ本文に関連した広告動画を表示させる等のサービスが考えられる。電子メールの受信通知に利用するSMS等、ユーザ間のメッセージの送受信以外に利用されているSMSに動画等を付加する利用も考えられる。たとえば、電子メールの受信通知をあらかじめ設定した条件に応じた動画で表示するという利用が考えられる。
【0022】
SMSのIP化とLTEによる高速通信環境の両方が整うことにより、初めて容易に実現が可能となるサービスであり、ユーザはこのサービスをスムーズに利用することができる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明に係る移動体通信システムの第1実施形態の構成図である。
【0024】
同図を参照すると、本発明に係る移動体通信システムの第1実施形態は、携帯電話装置A( 以下、「携帯電話A」と表示する) 201と、携帯電話装置B( 以下、「携帯電話B」と表示する) 202と、通信事業者ネットワーク100とを含んで構成される。そして、携帯電話A201と携帯電話B202は通信事業者ネットワーク100を介して通信を行う。
【0025】
また、通信事業者ネットワーク100は、呼処理システム(たとえば、IMS(IP Multimedia Subsystem )等)110と、SMS配信システム120と、SMS拡張システム130と、加入者データ管理システム140とを含んで構成される。
【0026】
呼処理システム110は通常の携帯電話通話やSMSを用いた携帯電話への送信を行う。SMS配信システム120はSMSの配信を行う。SMS拡張システム130はSMSへのメディア付加を行う。加入者データ管理システム140は加入者データを管理する。携帯電話A201および携帯電話B202はSMSを送受信する機能を備えている。
【0027】
次に、本発明の第1実施形態の動作について詳細に説明する。図2は本発明の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。第1実施形態では、携帯電話A201のユーザがSMS受信時に予め指定した設定に基づいた動画等の大容量メディアをメッセージと合わせて受信する。
【0028】
まず、本発明では予め携帯電話A201からSMSにサービスを付加する設定を行っておく必要がある。携帯電話A201からSMS拡張システム130にアクセスし、どのような場合に受信するSMSにどのようなメディアを付加するのかを設定する(ステップ1)。たとえば、あるユーザから受信するSMSの場合にはあるアニメの動画を受信する、等である。
【0029】
なお、本実施形態では動画等のSMSに付加するメディアはSMS拡張システム130に用意しておくとするが、携帯電話A201からSMS拡張システム130に、動画等のSMSに付加するメディアをアップロードしてその動画を指定するようにしてもよい。また、ある一つの動画に固定するのではなく、メッセージ本文内容や受信時間等、その時々に応じて変化させる設定も可能である。
【0030】
SMS拡張システム130は、携帯電話A201からの指示に応じて保持している情報を更新する(ステップ2)。SMS拡張システム130は、加入者データ管理システム140に携帯電話A201がSMSに付加サービスを設定したことを通知する(ステップ3)。加入者データ管理システム140はその通知内容を記録する(ステップ4)。
【0031】
これらの処理(ステップ1〜4)が完了している状態において、携帯電話A201がメッセージを受信する場合にサービスが付加されるものとする(ステップ5)。
【0032】
SMS配信システム120が携帯電話A201にメッセージを配信するために加入者データ管理システム140にメッセージ送付先の具体的なアドレス等、配信先情報を問い合わせる(ステップ6)。問い合わせを受けた加入者データ管理システム140は保持しているデータを読み出し(ステップ7)、SMSに付加サービスを設定しているか否かの情報と、現在携帯電話A201が高速通信可能な状態にあるか否か、たとえば、現在携帯電話A201がLTE内エリアに登録されているか否かの情報を配信先情報と合わせてSMS配信システム120へ返送する(ステップ8)。
【0033】
SMS配信システム120は、メッセージ配信先の携帯電話A201がSMSの付加サービスを設定しているか否か、かつ高速通信が可能な状態にあるか否かを判定する(ステップ9)。
【0034】
SMS配信システム120は、メッセージ配信先の携帯電話A201がSMSの付加サービスを設定していない場合、またはメッセージ配信先の携帯電話A201がSMSの付加サービスを設定していても高速通信が可能な状態にない場合は、通常のSMSとして処理を行う。すなわち、この場合、SMS配信システム120は、呼処理システム110にメッセージ内容を送信し(ステップ9−a−1),呼処理システム110はそのメッセージ内容を携帯電話A201に送信する(ステップ9−a−2)。
【0035】
一方、SMS配信システム120は、メッセージ配信先の携帯電話A201がSMSの付加サービスを設定しており、かつメッセージ配信先の携帯電話A201が高速通信が可能な状態にある場合は、メッセー内容とメッセージ送信先の情報をSMS拡張システム130に送信する(ステップ9−b)。
【0036】
SMS拡張システム130は予め指定されたメディアを読み出し(ステップ10)、メッセージ本文にそのメディアを付加して呼処理システム110に送信する(ステップ11)。呼処理システム110はそのメディアを付加したメッセージ本文を携帯電話A201へ送信する(ステップ12)。
【0037】
以上説明したように、本発明の第1実施形態による第1の効果は、携帯電話ユーザに新しいサービスを提供できることにある。その理由は、これまで短いメッセージの送受信にしか利用できなかったSMSに、動画等の大容量メディアを付加するという関連技術にない組み合わせでサービスを提供することができ、また電話番号情報のみで大容量メディアを配信できるためである。
【0038】
また、第2の効果は、SMSにサービスを付加する仕組みを容易に実現できることにある。その理由は、SMSとは別に構築されたシステムと連携させてSMSにサービスを付加する場合は、複雑な連携が必要になるが、本発明では関連するSMSのメッセージにメディアを付加することで実現できるためである。
【0039】
また、第3の効果は、サービス提供時にユーザが受信に時間がかかりストレスになる可能性を小さくできることにある。その理由は、ユーザの通信環境を確認し、高速通信環境にあることを確認した上でメディアを付加するためである。
【0040】
また、第4の効果は、通信事業者がSMSシステムをIP化する開発費をユーザの利用料金から回収しやすくなることにある。その理由は、SMSを実現するシステムを単純にIP化するだけでは収益増につながりにくいが、LTE等の高速通信を活用した新しいサービスを提供できるため、ユーザの月額利用料金等、収益増が見込めるためである。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の構成は第1実施形態(図1参照)と同様であるため、その説明および図示は割愛する。以下、第2実施形態の動作について詳細について説明する。図3は本発明に係る移動体通信システムの第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【0042】
第2実施形態は、ユーザの携帯電話A201に対しては第1実施形態と同様であるが、メッセージを受信する携帯電話A201以外のユーザである携帯電話B202からも、携帯電話A201がSMSを受信する際に付加するメディアを設定するものである。
【0043】
たとえば、他のユーザ(携帯電話B202のユーザ)からのメッセージを携帯電話A201のユーザが受信する際、その送信者(携帯電話B202のユーザ)が指定したメディアを付加する、といったサービスである。
【0044】
なお、以下の第2実施形態の動作説明では、第1実施形態の動作と同様の部分については割愛する。
【0045】
携帯電話A201のユーザが自身のSMS付加サービスをSMS拡張システム130に対し設定するとともに、他のユーザ(携帯電話B202のユーザ)からのSMSを受信する際にはそのユーザが指定したメディアを添付することを許可する設定をSMS拡張システム130に対し行う(ステップ1−a)。
【0046】
携帯電話A201のユーザとは別の携帯電話B202のユーザが、携帯電話B202から携帯電話A201にSMSのメッセージを送信する際に添付したいメディアをSMS拡張システム130に対し指定する(ステップ1−b)。
【0047】
以下、ステップ2からステップ9までは第1実施形態と同様である。SMS拡張システム130は、SMSに付加メディアを添付するデータを読み出し(ステップ10)、その際に送信者が携帯電話B202であれば、携帯電話B202が指定したメディアを付加してメッセージを呼処理システム110に送信する(ステップ11)。呼処理システム110はそのメディアを付加したメッセージ本文を携帯電話A201へ送信する(ステップ12)。
【0048】
以上説明したように、本発明の第2実施形態によれば、利用ユーザ数を増加させることが可能となる。その理由は、たとえば、携帯電話B202が高速通信に対応していなくても、携帯電話A201へ送るメッセージに大容量メディアを添付することができるため、高速通信に対応していないユーザも、送信者としてサービスを利用できるためである。
【0049】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の構成は第1実施形態(図1参照)におけるSMS拡張システム130の機能を呼処理システム110内に追加した点が第1実施形態と異なる。その他の構成は第1実施形態と同様なので、その説明は割愛する。
【0050】
以下、第3実施形態の動作について詳細について説明する。図4は本発明に係る移動体通信システムの第3実施形態の動作を示すフローチャートである。
【0051】
まず、本発明では予め携帯電話A201からSMSにサービスを付加する設定を行っておく必要がある。携帯電話A201から呼処理システム110中のSMS拡張機能に、およびSMS拡張機能から加入者データ管理システム140にそれぞれ通知を行い、情報を更新する処理(ステップ1〜4)は第1実施形態と同様であるため、説明を割愛する。
【0052】
ステップ1〜4の処理が完了している状態において、携帯電話A201がメッセージを受信する場合にサービスが付加されるものとする(ステップ5)。SMS配信システム120は携帯電話A201にメッセージを配信するために、加入者データ管理システム140にメッセージ送付先の具体的なアドレス等、配信先情報を問い合わせる(ステップ6)。この問い合わせを受けた加入者データ管理システム140は通常のSMSと同様に配信先情報をSMS配信システム120に返送する(ステップ7)。
【0053】
この配信先情報を受け取ったSMS配信システム120は、通常通り呼処理システム110にメッセージを送信する(ステップ8)。このメッセージを受け取った呼処理システム110は、自システム110が持つSMS拡張機能により、メッセージ配信先の携帯電話A201がSMSの付加サービスを設定しているか否か、かつ高速通信が可能な状態にあるか否かを加入者データ管理システム140に問い合わせる(ステップ9)。
【0054】
この問い合わせを受けた加入者データ管理システム140は、保持しているデータを読み出し(ステップ10)、携帯電話A201がSMSの付加サービスを設定しているか否かの情報と、現在携帯電話A201が高速通信が可能な状態にあるか否かの情報、たとえば、携帯電話A201がLTEエリア内に登録されているか否かの情報とを呼処理システム110に返送する(ステップ11)。
【0055】
これらの情報を受け取った呼処理システム110は、メッセージ配信先の携帯電話A201が付加サービスを設定しているか否か、かつ高速通信が可能な状態にあるか否かを判定する(ステップ12)。呼処理システム110は、携帯電話A201が付加サービスを設定していない場合、あるいは高速通信が可能な状態にない場合は、通常のSMSとして処理を行い、携帯電話A201にメッセージを送信する(ステップ12−a)。
【0056】
一方、呼処理システム110は、携帯電話A201が付加サービスを設定しており、かつ高速通信が可能な状態になっている場合は(ステップ12−b)、メッセージ内容にSMS拡張機能によりあらかじめ指定されたメディアを読み出し(ステップ13)、メッセージ本文にそのメディアを付加して携帯電話A201に送信する(ステップ14)。
【0057】
以上説明したように、本発明の第3実施形態によれば、SMSのメッセージ本文にメディアを付加するに際し、SMS配信システム120への影響が少なくて済むという効果を奏する。その理由は、IP化さえされていれば、呼処理システム110側がメッセージにメディア等を付加するため、SMS配信システム120の動作としては従来と同様でよいためである。
【0058】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0059】
(付記1) 電話番号で送受信可能なメッセージを配信するメッセージ配信システムと、前記メッセージにメディアを付加して配信するメッセージ拡張システムと、前記メッセージ配信システムから前記メッセージを、前記メッセージ拡張システムから前記メディアをそれぞれ受け取り、前記メッセージおよび前記メディアを送信先の携帯電話装置に送信する呼処理システムとを含み、前記メッセージ配信システムは、前記送信先の携帯電話装置に前記メッセージの付加サービスが設定されているか否かおよび前記送信先の携帯電話装置が高速通信可能な状態にあるか否かの判定を行い、その判定結果に応じて前記メッセージあるいは前記メッセージにメディアを付加したものを配信するとともに、前記メッセージに付加すべきメディアは送信元の携帯電話機側で指定されることを特徴とする移動体通信システム。
【0060】
(付記2) 電話番号で送受信可能なメッセージを配信するメッセージ配信ステップと、前記メッセージにメディアを付加して配信するメッセージ拡張ステップと、前記メッセージ配信ステップで配信される前記メッセージと、前記メッセージ拡張ステップで配信される前記メディアとをそれぞれ受け取り、前記メッセージおよび前記メディアを送信先の携帯電話装置に送信する呼処理ステップとが含まれ、前記メッセージ配信ステップでは、前記送信先の携帯電話装置に前記メッセージの付加サービスが設定されているか否かおよび前記送信先の携帯電話装置が高速通信可能な状態にあるか否かの判定が行われ、その判定結果に応じて前記メッセージあるいは前記メッセージにメディアを付加したものが配信されるとともに、前記メッセージに付加すべきメディアは送信元の携帯電話機側で指定されることを特徴とする移動体通信システムの通信方法。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明を携帯電話へのメッセージ配信用途、および携帯電話への何らかの通知の際に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0062】
100 通信事業者ネットワーク
110 呼処理システム
120 SMS配信システム
130 SMS拡張システム
140 加入者データ管理システム
201 携帯電話装置A
202 携帯電話装置B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話番号で送受信可能なメッセージを配信するメッセージ配信システムと、
前記メッセージにメディアを付加して配信するメッセージ拡張システムと、
前記メッセージ配信システムから前記メッセージを、前記メッセージ拡張システムから前記メディアをそれぞれ受け取り、前記メッセージおよび前記メディアを送信先の携帯電話装置に送信する呼処理システムとを含み、
前記メッセージ配信システムは、前記送信先の携帯電話装置に前記メッセージの付加サービスが設定されているか否かおよび前記送信先の携帯電話装置が高速通信可能な状態にあるか否かの判定を行い、その判定結果に応じて前記メッセージあるいは前記メッセージにメディアを付加したものを配信することを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
さらに、加入者データを管理する加入者データ管理装置を含み、前記加入者データ管理装置に前記送信先の携帯電話装置に前記メッセージの付加サービスが設定されているか否か、および前記送信先の携帯電話装置が高速通信可能な状態にあるか否かの情報が記録されることを特徴とする請求項1記載の移動体通信システム。
【請求項3】
前記メッセージ拡張システムが独立して存在する場合は前記メッセージ配信システムが前記判定を行い、前記メッセージ拡張システムが前記呼処理システムに含まれる場合は前記呼処理システムが前記判定を行うことを特徴とする請求項1または2記載の移動体通信システム。
【請求項4】
前記送信先の携帯電話装置に前記メッセージの付加サービスが設定されており、かつ前記送信先の携帯電話装置が高速通信可能な状態にある場合に、前記メッセージにメディアを付加したものが配信されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の移動体通信システム。
【請求項5】
前記メッセージに付加するメディアは前記送信先の携帯電話機側で指定されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の移動体通信システム。
【請求項6】
電話番号で送受信可能なメッセージを配信するメッセージ配信ステップと、
前記メッセージにメディアを付加して配信するメッセージ拡張ステップと、
前記メッセージ配信ステップで配信される前記メッセージと、前記メッセージ拡張システムで配信される前記メディアとをそれぞれ受け取り、前記メッセージおよび前記メディアを送信先の携帯電話装置に送信する呼処理ステップとが含まれ、
前記メッセージ配信ステップでは、前記送信先の携帯電話装置に前記メッセージの付加サービスが設定されているか否かおよび前記送信先の携帯電話装置が高速通信可能な状態にあるか否かの判定が行われ、その判定結果に応じて前記メッセージあるいは前記メッセージにメディアを付加したものが配信されることを特徴とする移動体通信システムの通信方法。
【請求項7】
さらに、加入者データを管理する加入者データ管理装置が前記移動体通信システムに含まれ、前記送信先の携帯電話装置に前記メッセージの付加サービスが設定されているか否か、および前記送信先の携帯電話装置が高速通信可能な状態にあるか否かの情報が記録されることを特徴とする請求項6記載の移動体通信システムの通信方法。
【請求項8】
前記メッセージ拡張ステップが独立して存在する場合は前記メッセージ配信ステップにて前記判定が行われ、前記メッセージ拡張ステップが前記呼処理ステップに含まれる場合は前記呼処理ステップにて前記判定が行われることを特徴とする請求項6または7記載の移動体通信システムの通信方法。
【請求項9】
前記送信先の携帯電話装置に前記メッセージの付加サービスが設定されており、かつ前記送信先の携帯電話装置が高速通信可能な状態にある場合に、前記メッセージにメディアを付加したものが配信されることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の移動体通信システムの通信方法。
【請求項10】
前記メッセージに付加するメディアは前記送信先の携帯電話機側で指定されることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の移動体通信システムの通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−80473(P2012−80473A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226127(P2010−226127)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】