説明

移動体通信端末、その所在推定方法及びプログラム

【課題】一般的な移動体通信端末を被捜索側端末として使用可能な移動体通信端末の所在推定方法、及び、その方法にて捜索側端末として用いる移動体通信端末、そのプログラムを提供する。
【解決手段】移動体通信システムの端末。他端末である被捜索側端末が、基地局を宛先として送信した上り無線信号を受信し、上り無線信号の電界強度を計測して計測結果を取得して、計測結果に基づいて被捜索側端末が所在する方向を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動体通信システムの端末の所在地の方位及び位置の測定に関し、特に、移動体通信システムの基地局圏外にある端末の所在地の方位及び位置の測定に関する。
【背景技術】
【0002】
雪崩等による遭難者を捜すための装置として雪崩ビーコンが用いられている。一般に、雪崩ビーコンは、その所持者である被探索者の位置を他者に知らせるために電波を発信し、探索者はこの電波を受信し、その発信源の方向や位置を推定することにより、被探索者発見のための手がかりとしている。
【0003】
雪崩ビーコンは特定小電力無線局にあたり、電波法による無線局の免許が不要である一方、その出力は低く、検出距離は50m前後と非常に短く制限されている。また、一般に雪崩ビーコンを所持する者、携行する者の割合は高くない。
【0004】
雪崩ビーコンと比較して、携帯電話端末は高出力であり、所持率、携行率ともに高い。このため、例えばGPS(Global Positioning System)受信機のような測位手段を備える携帯電話端末を用い、GPS測位にて自端末の現在位置を測位した後、基地局との無線通信を介して救助者に現在位置を伝えることにより、雪崩ビーコンに相当する機能を実現することが考えられる。この場合、携帯電話端末の現在位置が基地局の圏外にあると使うことができない。雪崩ビーコンが特に必要となる場所は山間部であり、基地局圏外になることが多く、このため、この種の従来技術では位置通知を行えない状況が多く発生する。
【0005】
基地局圏外の携帯電話端末から自端末の位置を第三者に通知する技術が特許文献1に記載されている。同文献によれば、被捜索側端末は、(1)捜索側端末が被捜索側端末に対して無線ビーコンの送出を要求する、(2)要求に応じて被捜索側端末が無線ビーコンを発信する、(3)複数の捜索側端末で、無線ビーコンの発信方向と、自端末の現在位置をGPS測位した測定結果を取得する、(4)複数捜索側端末での測定結果を三角測量の原理に適用して被捜索側端末の位置を求める、といった手順で被捜索側端末の位置を求める。このような技術によれば、基地局の圏外であっても被捜索側端末の位置を求めることができる。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術によれば、被捜索側端末は、無線ビーコンの送出要求を受信する手段、同送出要求に応じて無線ビーコンを発信する手段を備える必要があり、一般的な携帯電話端末をそのまま被捜索側端末として用いることができない。また、無線ビーコンの発信は送出要求に応じて行なわれるので、送出要求が受信可能な位置に被捜索側端末がない限り、無線ビーコンは発信されず、探索を行なうことができない。更に、三角測量により被捜索側端末の位置を正確に求めるためには、無線ビーコンが一様に伝播する必要があるが、山間部のように地形が複雑な場所では遮蔽物が多いため、正確に位置を求めるのが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−227685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、一般的な移動体通信端末を被捜索側端末として使用可能な移動体通信端末の所在推定方法、及び、その方法にて捜索側端末として用いる移動体通信端末、そのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明は、その一態様として、移動体通信システムの端末において、前記移動体通信システムの他の端末である被捜索側端末が、前記移動体通信システムの基地局を宛先として送信した上り無線信号を受信する受信手段、前記上り無線信号の電界強度を計測して計測結果を取得する計測手段、及び、前記計測結果に基づいて前記被捜索側端末が所在する方向を推定する推定手段を備えることを特徴とする、移動体通信端末を提供する。
【0010】
また、本発明は、他の一態様として、移動体通信システムの端末である被捜索側端末が、前記移動体通信システムの基地局を宛先として送信した上り無線信号を受信する受信手順、前記上り無線信号の電界強度を計測して計測結果を取得する計測手順、及び、前記計測結果に基づいて前記被捜索側端末が所在する方向を推定する推定手順を、前記移動体通信システムの端末が備える処理装置に実行させるためのプログラムを提供する。
【0011】
また、本発明は、他の一態様として、移動体通信システムの端末である被捜索側端末が、前記移動体通信システムの基地局を宛先とする上り無線信号を送信する送信段階と、前記移動体通信システムの他の端末である第1の捜索側端末が、前記上り無線信号を受信する受信段階と、前記第1の捜索側端末が前記上り無線信号の電界強度を計測して計測結果を取得する計測段階と、前記計測結果に基づいて前記被捜索側端末が所在する方向を前記第1の捜索側端末が推定する推定段階とを含むことを特徴とする移動体通信端末の所在推定方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被捜索側端末が基地局宛に送信した上り無線信号を受信して電界強度を計測し、その計測結果に基づいて、被捜索側端末が所在する方向を推定する。一般に、基地局のカバーエリア外にある移動体通信端末は、電源が入っていれば、基地局とのリンク確立等のために上り無線信号を常に発信している。本発明の捜索側端末はこの上り無線信号を無線ビーコン信号として用いる。雪崩ビーコンと比較して、携帯電話端末は所持率、携帯率が高い。また、携帯電話端末は特定小電力無線局に該当しないため、特定小電力無線局に該当する雪崩ビーコンと比較して高出力で発信することができる。また、無線ビーコン信号として用いる上り無線信号を発信するために、被捜索側端末の所持者は特別な操作を行なう必要がない。このため、本発明によれば、一般的な携帯電話端末を探索対象として、より確実に探索を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態である捜索側端末2を用いて被捜索側端末1の捜索を行なう際の、両端末1、2と基地局3との位置関係を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施の形態である捜索側端末2のブロック図である。
【図3】1台の捜索側端末2にて捜索を行なう場合の動作を説明するための図である。
【図4】2台の捜索側端末2a、2bにて捜索を行なう場合の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照して本発明による端末の捜索の概要を説明する。捜索対象となる携帯電話端末である被捜索側端末1、及び、被捜索端末1を捜索する捜索側端末2は、いずれも同じ携帯電話網の携帯電話端末である。基地局3は、その携帯電話網の基地局であり、屋外フィールドのカバーエリア3Aを有する基地局である。基地局3はその携帯電話網の基地局のうち、被捜索側端末1、捜索側端末2に最も近くに位置するものであるが、被捜索側端末1、捜索側端末2はどちらも、カバーエリア3Aの中には位置していない。
【0015】
捜索を開始する時点において、被捜索側端末1は雪等に埋没しているものとする。このため、被捜索側端末1は、仮にGPS受信機を備えているとしてもGPS測位を行なうことはできない。また、最寄りの基地局3を含む、携帯電話網のどの基地局のカバーエリアからも外に位置する。このため、被捜索側端末1は、周辺基地局が発信する電波に基づいて自端末の位置を測定することもできないし、携帯電話網を介して他端末に発信することもできない。
【0016】
更に、被捜索側端末1は携帯電話網のどの基地局のカバーエリア内にもいないため、リンク確立のための上り無線信号を発信している。この上り信号の到達範囲をエリア1Aと記す。
【0017】
本発明では、被捜索側端末1が基地局宛に発信するこの種の上り信号を無線ビーコン信号として、捜索側端末2にて受信する。上り信号を受信した捜索側端末2はその信号の電界強度(信号強度)を測定し、測定結果に基づいて探索を行なう。捜索側端末2は携帯電話端末であるため、自局と基地局との間で無線信号を送受信するための送受信アンテナを備える。この送受信アンテナを、被捜索側端末1が発信する上り無線信号を受信するためのアンテナとして用いる。
【0018】
捜索側端末2は、被捜索側端末1が基地局宛に発信する上り無線信号を検波するための手段を備える。
【0019】
携帯電話網にて用いられる多重方式がFDD(Frequency Division Duplex、周波数分割複信)の場合、一般的な携帯電話端末は、下り無線信号に割り当てられた周波数帯域を受信帯域とする検波ブロックしか備えていないが、捜索側端末2は、この検波手段として、基地局への上り無線信号に割り当てられた周波数帯域を受信帯域とする検波ブロックを更に備える。
【0020】
一方、多重方式がTDD(Time Divison Duplex、時分割複信)の場合、同じ周波数に上り信号と下り信号の両方を収容するため、一般的な携帯電話端末が備える検波ブロックであっても、上り無線信号を検波可能である。多重方式がTDDである一般的な携帯電話端末では、下り無線信号用のタイムスロットのみを検波し、上り無線信号用のタイムスロットは検波しない、或いは、検波しても用いないのに対して、多重方式がTDDである本発明の捜索側端末2では、被捜索側端末1の捜索を行なう際には、逆に、下り無線信号用のタイムスロットの検波を行なわず、上り無線信号のタイムスロットのみ検波を行なう。
【0021】
このように、捜索側端末2は上り無線信号用の検波ブロックを備え、この検波ブロックにより、被捜索側端末1が発信する上り無線信号の信号強度を計測する。このようにして、本発明は、雪崩ビーコンのような無線ビーコンの代替手段となる携帯電話端末を提供する。
【0022】
また、捜査時において捜査側携帯電話端末1-Bの基地局との上り無線信号を停波する機能を有し、非捜査側の携帯電話端末1-Aの捜査障害とならないことを特徴とする携帯電話端末を提供する。
【0023】
更に、捜索側端末2はGPS受信機を備えることとし、上り無線信号用検波ブロックにて上り無線信号の信号強度を計測すると共に、GPS受信機にてGPS測位を行なって自端末の位置を測定し、そのときの信号強度と位置とを関連づけて記憶装置に格納することとしてもよい。こうして格納された複数の信号強度と位置とに基づいて、縦軸及び横軸がそれぞれ経線及び緯線となるような方眼上に信号強度の等値線図を生成する処理を捜索側端末2の処理装置にて実行し、液晶表示装置等の画像表示装置にて出力することが好ましい。
【0024】
次に、図2を参照して捜索側端末2について更に説明する。
【0025】
捜索側端末2は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信するためのアンテナ10、アンテナ10に接続されるGPS受信部11、上り無線信号及び下り無線信号を送受信するための無指向性のアンテナ12、アンテナ12に接続される無線送受信部13、アンテナ12に接続され、上り無線信号を受信するための上り無線信号受信部14、液晶表示装置等の表示部15、テンキー等のキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、矢印キー等からなる操作部16、これら各部の動作を制御するための処理装置、記憶装置を備える制御部17からなる。また、制御部17は、上り無線信号受信部14にて測定した信号強度と、GPS受信部11にて測位したそのときの位置とをテーブルにして記憶装置に格納し、このテーブルに基づいて信号強度の等値線図を生成する処理を処理装置に実行させるためのプログラムが記憶装置に格納されており、処理装置はこのプログラムに従って等値線図を生成し、表示部15にて表示する。
【0026】
図3を参照して、被捜索側端末1を捜索するときの捜索側端末2の動作について説明する。被捜索側端末1の電源は入っており、基地局とのリンク確立のための上り信号を発信しているものとする。
【0027】
捜索側端末2のユーザが、操作部16にて所定の操作を行ない、捜索モードに移行すると、制御部17は、無線送受信部13をオフにする(ステップS301)。次に、制御部17は、上り無線信号受信部14をオン(ステップS302)にして上り無線信号の信号強度を測定するとともに、そのときの自端末の位置をGPS受信部11にて測位し、その信号強度と位置とを関連づけて記憶装置に記録する(ステップS303)。
【0028】
測定及び記録が終わるとユーザは移動し、移動後の位置でステップS303を繰り返す。このようにして何カ所かで信号強度と位置の測定及び記録を行なった後、制御部17は、記録した信号強度と位置とに基づいて、現在の自端末の位置を中心として、信号強度の等値線図を生成し、表示部15にて表示する(ステップS304)。
【0029】
この後、捜索を続ける場合、ユーザは移動し、ステップS303、S304を繰り返す。捜索を終了する場合、制御部17は、上り無線信号受信部14をオフ(ステップS305)し、無線送受信部13をオン(ステップS306)にして、捜索モードを終了し、発着信可能な通常の動作モードに戻る。
【0030】
図3の捜索では、捜索側端末2を1台用いて捜索を行なったが、複数台の携帯電話端末を捜索側端末2として用いることにより、捜索の効率化を図ることができる。2台の捜索側端末2a、2bを用いた捜索について図4を参照して説明する。捜索側端末2a、2bはどちらも図2に示したような捜索側端末2と同様の構成を有し、捜索側端末2aはアンテナ10a、GPS受信部11a、アンテナ12a、無線送受信部13a、上り無線信号受信部14a、表示部15a、操作部16a、制御部17aを備え、捜索側端末2bはアンテナ10b、GPS受信部11b、アンテナ12b、無線送受信部13b、上り無線信号受信部14b、表示部15b、操作部16b、制御部17bを備える。捜索側端末2a、2bの各部の説明は捜索側端末2の対応する各部と同様である。被捜索側端末1の電源は入っており、基地局とのリンク確立のための上り信号を発信しているものとする。
【0031】
捜索側端末2aのユーザが、操作部16aにて所定の操作を行ない、捜索モードに移行すると、制御部17aは、無線送受信部13aをオフにする(ステップS401)。同様に、捜索側端末2bのユーザが、操作部16bにて所定の操作を行ない、捜索モードに移行すると、制御部17bは、無線送受信部13bをオフにする(ステップS402)。
【0032】
次に、捜索側端末2aでは、制御部17aは、上り無線信号受信部14aをオン(ステップS403)にして上り無線信号の信号強度を測定するとともに、そのときの自端末の位置をGPS受信部11aにて測位し、その信号強度と位置とを関連づけて記憶装置に記録(ステップS404)し、同様に、捜索側端末2bでは、制御部17bは、上り無線信号受信部14bをオン(ステップS403)にして上り無線信号の信号強度を測定するとともに、そのときの自端末の位置をGPS受信部11bにて測位し、その信号強度と位置とを関連づけて記憶装置に記録する(ステップS404)。測定及び記録が終わると捜索側端末2a、2bのユーザはそれぞれ移動し、移動後の位置でステップS404を繰り返す。
【0033】
このようにして何カ所かで信号強度と位置の測定及び記録を行なった後、捜索側端末2a及び2bは、自端末の記憶装置に格納した、位置強度と位置からなる測定データを他端末に渡す(ステップS405)。測定データの伝達方法には様々なものが考えられる。捜索側端末2a及び2bがどちらもいずれかの基地局のカバーエリア内にいるのであれば、一時的に捜索モードを中断して発着信可能な通常モードに移行し、携帯電話網を介して測定データを交換した後、捜索モードに戻してもよい。捜索側端末2a及び2bがどちらもBluetooth送受信機や赤外線送受信機等の短距離無線通信手段を備える場合はこれを用いて行なってもよい。捜索側端末2a及び2bがどちらもカメラを備える場合、一方の端末において制御部17が測定データを二次元バーコードに変換して表示部15にて表示し、他方の端末が表示された二次元バーコードをカメラにて読み取り、制御部17にて測定データに逆変換することとしてもよい。捜索側端末2a及び2bがどちらもFelica等の非接触型ICカードを備える場合、これらICカードを介して伝達することとしてもよい。或いは、SDメモリカードリーダのようなリムーバブルメディアのリーダ・ライタを両端末が備える場合、このリムーバブルメディアを介して行なってもよい。
【0034】
このように、ステップS405にて測定データを互いにマージした後、捜索側端末2aでは、制御部17aは、ステップS404にて自端末が記録した信号強度と位置と、ステップS405にて他端末から取得した信号強度と位置とに基づいて、現在の自端末の位置を中心として、信号強度の等値線図を生成し、表示部15aにて表示する(ステップS406)。捜索側端末2bでも同様である。
【0035】
この後、捜索を続ける場合、各ユーザは移動し、ステップS404〜S406を繰り返す。捜索を終了する場合、捜索側端末2aでは、制御部17aは、上り無線信号受信部14aをオフ(ステップS407)し、無線送受信部13aをオン(ステップS408)にして、捜索モードを終了し、発着信可能な通常の動作モードに戻る。捜索側端末2bでも同様である。
【0036】
以上、本発明を実施の形態に即して説明したが、本発明は上記説明に限定されるものではなく、様々な変形が可能であることは当業者には明らかであろう。
【0037】
例えば、上記説明では三角測量の原理を適用した被捜索側端末1の位置の推定は行なっていないが、特に複数台の捜索側端末2を用いる場合、信号強度及び位置の測定データのマージを行なって等値線図を累積するだけではなく、複数の捜索側端末2にて信号強度測定を同期して行ない、同時に行なった信号強度測定と両端末の位置とに基づいて、三角測量により被捜索側端末1の位置を求めることも並行して行なうこととしてもよい。
【0038】
また、上記説明では、捜索側端末2は上り無線信号受信部14を備え、上り無線信号受信部14はアンテナ12を無線送受信部13と共用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上り無線信号受信部14とそのためのアンテナを備える外部装置を、携帯電話端末の外部インタフェースを介してその携帯電話端末に接続することにより、捜索側端末2と実質的に同様の構成としてもよい。
【0039】
また、上記説明では、上り無線信号受信部14に接続されたアンテナ12は無指向性アンテナであるが、その代わりに、指向性アンテナを接続することとしてもよい。この場合、同じ位置で複数の方向で信号強度の測定を行なうことにより、捜索側端末2の現在位置から最も信号強度が高い方向、即ち、被捜索側端末1の位置に向いている可能性が高い方向が分かり、捜索の効率化を図ることができる。
【0040】
妨害波や信号ノイズの大きい環境において上り信号の検出のロバストネスを上げる為、受信した上り信号が復調可能な場合、捜査側端末で制御チャネルやプリアンブルからの自己相関を行い、相関検出の強さで検出精度向上することとしてもよい。
【0041】
上記の実施形態及び実施例の一部又は全部は以下の付記のようにも記載されうるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
(付記1)
移動体通信システムの端末において、
前記移動体通信システムの他の端末である被捜索側端末が、前記移動体通信システムの基地局を宛先として送信した上り無線信号を受信する受信手段、
前記上り無線信号の電界強度を計測して計測結果を取得する計測手段、及び、
前記計測結果に基づいて前記被捜索側端末が所在する方向を推定する推定手段を備えることを特徴とする、移動体通信端末。
【0043】
(付記2)
前記計測手段での計測とともに当該端末の現在位置の位置情報を測位する手段、
対応する電界強度と位置情報とを関連づけた組を記憶装置に記憶する手段、及び、
前記組の複数に基づいて前記被捜索側端末が所在する位置を推定する手段
を更に備えることを特徴とする付記1に記載の移動体通信端末。
【0044】
(付記3)
前記移動体通信システムの当該他の端末から、前記上り信号の電界強度及びその電界強度に関連づけられた位置情報からなる組を受信する手段を更に備えることを特徴とする付記1に記載の移動体通信端末。
【0045】
(付記4)
前記組に基づいて、地図上に電界強度の等値線を描いた等値線図を生成し、画像表示装置にて出力する手段を更に備えることを特徴とする付記2及び付記3のいずれかに記載の移動体通信端末。
【0046】
(付記5)
前記移動体通信システムの多重方式はFDD(Frequency Division Duplex)であり、前記計測手段では、前記無線基地局への上り無線信号の周波数帯域の電界強度を計測することを特徴とする、付記1乃至付記4のいずれかに記載の移動体通信端末。
【0047】
(付記6)
前記移動体通信システムの多重方式はTDD(Time Division Duplex)であることを特徴とする、付記1乃至付記4のいずれかに記載の移動体通信端末。
【0048】
(付記7)
前記上り無線信号は、前記移動体通信システムにて端末が基地局とのリンクを確立するための上り無線信号であることを特徴とする、付記1乃至付記6のいずれかに記載の移動体通信端末。
【0049】
(付記8)
移動体通信システムの端末である被捜索側端末が、前記移動体通信システムの基地局を宛先として送信した上り無線信号を受信する受信手順、
前記上り無線信号の電界強度を計測して計測結果を取得する計測手順、及び、
前記計測結果に基づいて前記被捜索側端末が所在する方向を推定する推定手順を、前記移動体通信システムの端末が備える処理装置に実行させるためのプログラム。
【0050】
(付記9)
前記計測手順での計測とともに当該端末の現在位置の位置情報を測位する手順、
対応する電界強度と位置情報とを関連づけた組を記憶装置に記憶する手順、及び、
前記組の複数に基づいて前記被捜索側端末が所在する位置を推定する手順
を更に実行させるための付記8に記載のプログラム。
【0051】
(付記10)
前記移動体通信システムの当該他の端末から、前記上り信号の電界強度及びその電界強度に関連づけられた位置情報からなる組を受信する手順を更に実行させるための付記8に記載のプログラム。
【0052】
(付記11)
前記組に基づいて、地図上に電界強度の等値線を描いた等値線図を生成し、画像表示装置にて出力する手順を更に実行させるための付記9及び付記10のいずれかに記載のプログラム。
【0053】
(付記12)
前記移動体通信システムの多重方式はFDD(Frequency Division Duplex)であり、前記計測手順では、前記無線基地局への上り無線信号の周波数帯域の電界強度を計測することを特徴とする、付記8乃付記11のいずれかに記載のプログラム。
【0054】
(付記13)
前記移動体通信システムの多重方式はTDD(Time Division Duplex)であることを特徴とする、付記8乃至付記11のいずれかに記載のプログラム。
【0055】
(付記14)
前記上り無線信号は、前記移動体通信システムにて端末が基地局とのリンクを確立するための上り無線信号であることを特徴とする、付記8乃至付記13のいずれかに記載のプログラム。
【0056】
(付記15)
移動体通信システムの端末である被捜索側端末が、前記移動体通信システムの基地局を宛先とする上り無線信号を送信する送信段階と、
前記移動体通信システムの他の端末である第1の捜索側端末が、前記上り無線信号を受信する受信段階と、
前記第1の捜索側端末が前記上り無線信号の電界強度を計測して計測結果を取得する計測段階と、
前記計測結果に基づいて前記被捜索側端末が所在する方向を前記第1の捜索側端末が推定する推定段階と
を含むことを特徴とする、移動体通信端末の所在推定方法。
【0057】
(付記16)
前記第1の捜索側端末は自端末の現在位置を測位する測位手段を備え、
前記上り信号の電界強度を計測するとともに、前記測位手段にて前記第1の捜索側端末の現在位置の位置情報を測位し、電界強度と位置情報とを関連づけた組を前記第1の捜索側端末の記憶装置に記憶し、
前記組の複数に基づいて前記被捜索側端末が所在する位置を前記第1の捜索側端末が推定する
ことを特徴とする、付記15に記載の移動体通信端末の所在推定方法。
【0058】
(付記17)
前記移動体通信システムの他の端末である第2の捜索側端末が、前記上り信号の電界強度及びその電界強度に関連づけられた位置情報からなる組を、前記第1の捜索側端末に送信する段階を更に含むことを特徴とする、付記16に記載の移動体通信端末の所在推定方法。
【0059】
(付記18)
前記第1の探索側端末が、前記組に基づいて、地図上に電界強度の等値線を描いた等値線図を生成し、前記第1の探索側端末の画像表示装置にて出力する段階を更に含むことを特徴とする、付記16及び付記17のいずれかに記載の移動体通信端末の所在推定方法。
【0060】
(付記19)
前記移動体通信システムの多重方式はFDD(Frequency Division Duplex)であり、前記捜索側端末は、前記無線基地局への上り無線信号の周波数帯域の電界強度を計測することを特徴とする、付記15乃至付記18のいずれかに記載の移動体通信端末の所在推定方法。
【0061】
(付記20)
前記移動体通信システムの多重方式はTDD(Time Division Duplex)であることを特徴とする、付記15乃至付記18のいずれかに記載の移動体通信端末の所在推定方法。
【0062】
(付記21)
前記上り無線信号は、前記移動体通信システムにて端末が基地局とのリンクを確立するための上り無線信号であることを特徴とする、付記15乃至付記20のいずれかに記載の移動体通信端末の所在推定方法。
【符号の説明】
【0063】
1 被捜索側端末
2、2a、2b 捜索側端末
3 基地局
3A カバーエリア
10 アンテナ
11 GPS受信部
12 アンテナ
13 無線送受信部
14 上り無線信号受信部
15 表示部
16 操作部
17 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信システムの端末において、
前記移動体通信システムの他の端末である被捜索側端末が、前記移動体通信システムの基地局を宛先として送信した上り無線信号を受信する受信手段、
前記上り無線信号の電界強度を計測して計測結果を取得する計測手段、及び、
前記計測結果に基づいて前記被捜索側端末が所在する方向を推定する推定手段を備えることを特徴とする、移動体通信端末。
【請求項2】
前記計測手段での計測とともに当該端末の現在位置の位置情報を測位する手段、
対応する電界強度と位置情報とを関連づけた組を記憶装置に記憶する手段、及び、
前記組の複数に基づいて前記被捜索側端末が所在する位置を推定する手段
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の移動体通信端末。
【請求項3】
前記移動体通信システムの当該他の端末から、前記上り信号の電界強度及びその電界強度に関連づけられた位置情報からなる組を受信する手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の移動体通信端末。
【請求項4】
前記組に基づいて、地図上に電界強度の等値線を描いた等値線図を生成し、画像表示装置にて出力する手段を更に備えることを特徴とする請求項2及び請求項3のいずれかに記載の移動体通信端末。
【請求項5】
前記移動体通信システムの多重方式はFDD(Frequency Division Duplex)であり、前記計測手段では、前記無線基地局への上り無線信号の周波数帯域の電界強度を計測することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の移動体通信端末。
【請求項6】
前記移動体通信システムの多重方式はTDD(Time Division Duplex)であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の移動体通信端末。
【請求項7】
前記上り無線信号は、前記移動体通信システムにて端末が基地局とのリンクを確立するための上り無線信号であることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の移動体通信端末。
【請求項8】
移動体通信システムの端末である被捜索側端末が、前記移動体通信システムの基地局を宛先として送信した上り無線信号を受信する受信手順、
前記上り無線信号の電界強度を計測して計測結果を取得する計測手順、及び、
前記計測結果に基づいて前記被捜索側端末が所在する方向を推定する推定手順を、前記移動体通信システムの端末が備える処理装置に実行させるためのプログラム。
【請求項9】
前記計測手順での計測とともに当該端末の現在位置の位置情報を測位する手順、
対応する電界強度と位置情報とを関連づけた組を記憶装置に記憶する手順、及び、
前記組の複数に基づいて前記被捜索側端末が所在する位置を推定する手順
を更に実行させるための請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
移動体通信システムの端末である被捜索側端末が、前記移動体通信システムの基地局を宛先とする上り無線信号を送信する送信段階と、
前記移動体通信システムの他の端末である第1の捜索側端末が、前記上り無線信号を受信する受信段階と、
前記第1の捜索側端末が前記上り無線信号の電界強度を計測して計測結果を取得する計測段階と、
前記計測結果に基づいて前記被捜索側端末が所在する方向を前記第1の捜索側端末が推定する推定段階と
を含むことを特徴とする、移動体通信端末の所在推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−19839(P2013−19839A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154868(P2011−154868)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】