説明

移動局装置、基地局装置、制御信号生成装置、通信システム、送信方法、制御信号生成方法及び送信プログラム

【課題】通信品質の低下を回避する移動局装置、基地局装置、制御信号生成装置、通信システム、送信方法、制御信号生成方法及び送信プログラムを提供する。
【解決手段】移動局装置UE1において、受信処理部202は、基地局装置が送信した複数のストリームの信号を受信し、制御情報生成部210は、前記受信処理部202が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記送信に係る制御情報を生成し、無線部214は、前記制御情報生成部210が生成した制御情報を前記基地局装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局装置、基地局装置、制御信号生成装置、通信システム、送信方法、制御信号生成方法及び送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムにおける下り伝送(ダウンリンク、downlink)では、基地局装置が送信アンテナを用いて移動局装置に信号を電波に乗せて送信する。特に、セルラシステムでは、一つの基地局装置がカバーする範囲であるセルを多数設けることにより、あらゆる位置に所在する移動局装置との通信を実現する。屋内のように電波が到達しにくい位置にある移動局装置と通信するために、基地局装置と有線(例えば、光ケーブル)で接続され、送信アンテナを備える張り出し無線装置(remote radio equipment;RRE、remote radio unit;RRU、low power node;LPNとも呼ばれる)を用いることが提案されている。
ここで移動局装置が複数の張り出し無線装置もしくは基地局により構成されるセルが重なり合う領域にある場合、基地局から送信信号の受信レベルが十分でないことや他セルからの信号による干渉(セル間干渉)に影響され、所定の受信品質を満たせない場合がある。このような場合に、複数の基地局装置が協調して同一の信号を送信することで、受信品質の改善を行う多地点協調通信(coordinated multi−point transmission;CoMP)の検討が進められている。
【0003】
他方、複数の張り出し無線装置もしくは基地局からの送信信号の受信レベルが一定以上得られる場合に、これらの装置を複数の送信アンテナとみなし、地理的に離れたアンテナ(Geographycally seperated antennas)によるMIMO(Mutiple Input Multiple Output)伝送を行うことで、通信路容量を増加させることが検討されている。(非特許文献1)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“Considerations on Real−Life DL MIMO Aspects”、「3GPP TSG−RAN WG1 #64」、Ericsson,ST−Ericsson、2011年5月9日、R1−111330
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、多地点協調通信や地理的に離れたアンテナによるMIMO伝送で同一の伝送方法の決定を行うと、複数の張り出し無線装置もしくは基地局装置から受信した受信信号の電力に差がある場合に、通信品質が低下する問題がある。
【0006】
本発明は、上記の従来技術の欠点を解消する移動局装置、基地局装置、制御信号生成装置、通信システム、送信方法、制御信号生成方法及び送信プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、基地局装置が送信した複数のストリームの信号を受信する受信処理部と、前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記送信に係る制御情報を生成する制御情報生成部と、前記制御情報生成部が生成した制御情報を前記基地局装置に送信する無線部と、を備えることを特徴とする移動局装置である。
【0008】
(2)本発明の他の態様は、前記制御情報生成部は、前記ストリーム間の電力の差が予め定めた閾値よりも大きい場合、前記移動局装置が受信するストリームの数であるランクを、より低い値とすることを表す情報を含む制御情報を生成することを特徴とする(1)の移動局装置である。
【0009】
(3)本発明の他の態様は、前記制御情報生成部は、前記ストリーム間の電力の差に基づいて、前記ランクの下げ幅を定めることを特徴とする(2)の移動局装置である。
【0010】
(4)本発明の他の態様は、前記制御情報生成部は、前記ストリーム間の電力の差が予め定めた閾値よりも大きい場合、前記移動局装置が前記複数のストリームの信号の加算を行わない非加算プリコーディングマトリックスを表す情報を含む制御情報を生成することを特徴とする(1)の移動局装置である。
【0011】
(5)本発明の他の態様は、前記制御情報生成部は、前記受信処理部が前記複数のストリームの信号のいずれかで誤りを検出した場合、前記非加算プリコーディングマトリックスとは異なる非加算プリコーディングマトリックスを表す情報を含む制御情報を生成することを特徴とする(4)の移動局装置である。
【0012】
(6)本発明の他の態様は、複数の送信アンテナに接続された基地局装置であって、複数のストリームの信号を多重化して前記複数の送信アンテナから移動局装置に送信し、前記移動局装置への伝搬路情報を受信する通信部と、前記通信部が受信した伝搬路情報に基づいて算出した前記移動局装置が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差を用いて、前記複数のストリームの信号の送信を制御する制御情報を決定する制御情報決定部と、を備えることを特徴とする基地局装置である。
【0013】
(7)本発明の他の態様は、複数のストリームの信号を受信する受信処理部と、前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記複数のストリームの信号の送信に係る制御情報を決定する制御情報決定部と、を備えることを特徴とする制御信号生成装置である。
【0014】
(8)本発明の他の態様は、移動局装置と複数のストリームの信号を送信する基地局装置を備える通信システムであって、前記移動局装置は、前記基地局装置が送信した複数のストリームの信号を受信する受信処理部と、前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記送信に係る制御情報を生成する制御情報生成部と、前記制御情報生成部が生成した制御情報を前記移動局装置に送信する無線部と、を備えることを特徴とする通信システムである。
【0015】
(9)本発明の他の態様は、移動局装置と、複数の送信アンテナに接続された基地局装置を備える通信システムであって、前記基地局装置は、複数のストリームの信号を多重化して前記複数の送信アンテナから前記移動局装置に送信し、前記移動局装置への伝搬路情報を受信する通信部と、前記通信部が受信した伝搬路情報に基づいて算出した前記移動局装置が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差を用いて、前記複数のストリームの信号の送信を制御する制御情報を決定する制御情報決定部と、を備えることを特徴とする通信システムである。
【0016】
(10)本発明の他の態様は、前記複数の送信アンテナのうち少なくとも1つは、前記基地局装置と有線で接続された張り出し無線装置が備える送信アンテナであることを特徴とする(9)の通信システムである。
【0017】
(11)本発明の他の態様は、基地局装置が送信した複数のストリームの信号を受信する受信処理部と、制御情報を前記基地局装置に送信する無線部と、を備える移動局装置における送信方法であって、前記移動局装置は、前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記送信に係る前記制御情報を生成する過程を有する、ことを特徴とする送信方法である。
【0018】
(12)本発明の他の態様は、複数のストリームの信号を多重化して前記複数の送信アンテナから移動局装置に送信し、前記移動局装置への伝搬路情報を受信する通信部を備え、複数の送信アンテナに接続された基地局装置における送信方法であって、前記基地局装置が、前記通信部が受信した伝搬路情報に基づいて算出した前記移動局装置が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差を用いて、前記複数のストリームの信号の送信を制御する制御情報を決定する過程を、有することを特徴とする送信方法である。
【0019】
(13)本発明の他の態様は、複数のストリームの信号を受信する受信処理部を備える通信装置における制御情報生成方法であって、前記通信装置は、前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記複数のストリームの信号の送信に係る制御情報を生成する過程を有することを特徴とする制御信号生成方法である。
【0020】
(14)本発明の他の態様は、基地局装置が送信した複数のストリームの信号を受信する受信処理部と、制御情報を前記基地局装置に送信する無線部と、を備える移動局装置のコンピュータに、前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記送信に係る前記制御情報を生成する手順を実行させることを特徴とする送信プログラムである。
【0021】
(15)本発明の他の態様は、複数のストリームの信号を多重化して前記複数の送信アンテナから移動局装置に送信し、前記移動局装置への伝搬路情報を受信する通信部を備え、複数の送信アンテナに接続された基地局装置のコンピュータに、前記基地局装置が、前記通信部が受信した伝搬路情報に基づいて算出した前記移動局装置が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差を用いて、前記複数のストリームの信号の送信を制御する制御情報を決定する手順を、実行させることを特徴とする送信プログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、通信品質が劣化しない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る通信システムの概念図である。
【図2】本実施形態に係る基地局装置の構成を示す概略図である。
【図3】本実施形態に係る制御情報決定部の構成を示す概略図である。
【図4】本実施形態に係るプリコーディングマトリックスの一例を示す表である。
【図5】本実施形態に係る基地局装置の構成を示す概略図である。
【図6】本実施形態に係る張り出し無線装置の構成を示す概略図である。
【図7】本実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略図である。
【図8】本実施形態に係る制御情報生成部の構成を示す概略図である。
【図9】本実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略図である。
【図10】本実施形態に係るランク情報を決定する処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る受信電力差の代表値の範囲とランクの下げ幅の情報の関係を示すテーブルの一例を示す。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る制御情報生成部の構成を示す概略図である。
【図13】本実施形態に係るプリコーディングマトリックス情報を決定する処理を示すフローチャートである。
【図14】本実施形態に係る制御情報決定部の構成を示す概略図である。
【図15】本実施形態に係るプリコーディングマトリックスの一例を示す表である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略図である。
【図17】本実施形態に係る制御情報生成部の構成を示す概略図である。
【図18】本実施形態に係るプリコーディングマトリックス情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、データ信号を送信する送信装置が基地局装置であり、データ信号を受信する受信装置が移動局装置であり、通信回線は下り回線(ダウンリンク、downlink)の場合について説明を行う。以下、張り出し無線装置の数が2として説明するが、本実施形態ではこれに限られず、張り出し無線装置の数は3以上であってもよい。また、基地局装置本体がデータ信号を送信する送信アンテナを直に備えていてもよい。
【0025】
図1は、本実施形態に係る通信システム1を示す概念図である。
通信システム1は、基地局装置eNB1、張り出し無線装置RRE1、張り出し無線装置RRE2、移動局装置UE1を含んで構成される。
基地局装置eNB1は、張り出し無線装置RRE1、RRE2とそれぞれ有線(例えば、光ケーブル)で接続され、張り出し無線装置RRE1、2にデータ信号を出力する。張り出し無線装置RRE1、RRE2は、基地局装置eNB1から入力されたデータ信号を電波に乗せて移動局装置UE1に送信する。移動局装置UE1は、張り出し無線装置RRE1、RRE2から電波に乗ったデータ信号を受信する。
張り出し無線装置RRE1、RRE2は、各々異なる位置に設置され、送信アンテナを備える。これにより、MIMO伝送を実現している。
なお、本実施形態では、移動局装置UE1は、基地局装置eNB1と接続する上記の送信アンテナの構成に関する情報は、必ずしも通知されなくともよい。
【0026】
図2は、本実施形態に係る基地局装置eNB1の構成を示す概略図である。
基地局装置eNB1は、通信部110、制御情報決定部111、再送制御部112、符号部113−1、113−2、変調部114−1、114−2、レイヤマッピング部115、プリコーディング部116、周波数マッピング部117−1、117−2、IFFT部118−1、118−2、参照信号多重部119−1、119−2、送信処理部120−1、120−2、通信部122及び参照信号記憶部141を含んで構成される。
【0027】
通信部110は、張り出し無線装置RRE1、RRE2から制御情報を有線で受信し、受信した制御情報を制御情報決定部111に出力する。入力される制御情報は、例えば、ランク情報(rank indicator;RI)、送達確認信号(例えば、ACK(acknowledge)信号、NACK(negative acknowledge)信号)、スケジューリング要求信号(scheduling request;SR)、チャネル品質情報(channel quality indicator;CQI)、プリコーディングマトリックスインデックス(precoding matrix indicator;PMI)を含む。
これらの制御情報は、張り出し無線装置RRE1、RRE2が移動局装置UEから受信した制御情報である。なお受信したランク情報を「受信ランク情報」と呼んで、本実施形態に係る基地局装置eNB1が生成して送信するランク情報である「送信ランク情報」と区別する。
【0028】
制御情報決定部111は、通信部110から入力された制御情報に基づく情報を生成する。
基地局装置eNB1が移動局装置UE1に加えて移動局装置UE2(図1に図示せず)、等と通信を行う場合には、それらの移動局装置UE2、等が送信した制御情報も入力され、入力された制御情報に基づく情報を生成する。
制御情報決定部111は、生成した情報を通信部122、再送制御部112、符号部113−1、113−2、変調部114−1、114−2、レイヤマッピング部115、プリコーディング部116、周波数マッピング部117−1、117−2に出力する。
【0029】
ここで、制御情報決定部111の一構成例について説明する。
図3は、本実施形態に係る制御情報決定部111の構成の一例を示す概略図である。
制御情報決定部111は、制御情報出力部1111、ランク決定部1112、帯域割当決定部1113、MCS決定部1114、プリコーディング決定部1115、制御情報生成部1116を含んで構成される。
制御情報出力部1111は、通信部110から入力された制御情報から送達確認信号を抽出し、抽出した送達確認信号を再送制御部112へ出力する。
制御情報出力部1111は、入力された移動局装置毎の制御情報から受信ランク情報、チャネル品質情報を抽出し、抽出した受信ランク情報、チャネル品質情報をランク決定部1112へ出力する。制御情報出力部1111は、抽出したチャネル品質情報を帯域割当決定部1113、MCS決定部1114、プリコーディング決定部1115へ出力する。
【0030】
ランク決定部1112は、制御情報出力部1111から入力された移動局装置毎の受信ランク情報及びチャネル品質情報に基づいて、移動局装置毎の送信ランク情報を決定する。ランク決定部1112は、決定した送信ランク情報をレイヤマッピング部115、帯域割当決定部1114及び制御情報生成部1116に出力する。送信ランク情報を決定する方法は後述する。ランクとは、複数のアンテナから伝送される信号で、異なるデータビットから生成された信号(ストリーム)の数を意味する。そのため、ランク数は送信に用いるアンテナ本数以下の値となる。
帯域割当決定部1113は、ランク決定部1112から入力された移動局装置毎の送信ランク情報と、制御情報出力部1111から入力された移動局装置毎のチャネル品質情報に基づいて、移動局装置毎の下り回線の帯域割当情報を生成する。帯域割当決定部1113は、生成した帯域割当情報を周波数マッピング部117−1、117−2、MCS決定部1114及びプリコーディング決定部1115に出力する。
帯域割当決定部1113は、移動局装置毎の帯域割当情報を生成するために、例えばPF(proportional fairness)法、マキシマム(maximum CIR;committed information rate;最大認定情報)法、ラウンドロビン(round robin)法を用いる。
【0031】
MCS決定部1114は、帯域割当決定部1113から入力された帯域割当情報と制御情報出力部1111とから入力されたチャネル品質情報に基づいて、MCS(modulation and coding scheme;変調符号化方式)情報を決定する。MCS情報とは、(下りの)伝送に用いる符号化率や変調方法(変調多値数)を表す情報である。
MCS決定部1114は、決定したMCS情報を制御情報生成部1116へ出力する。MCS決定部1114は、決定したMCS情報のうち符号化率情報を符号部113−1、113−2へ出力し、変調方法情報を変調部114−1、114−2へ出力する。
プリコーディング決定部1115は、図示しないがランク決定部1112から送信ランク情報が入力され、帯域割当決定部1113から入力された帯域割当情報と制御情報出力部1111とから入力されたチャネル品質情報CQIと送信ランク情報に基づいて、プリコーディングマトリックスを表すプリコーディングマトリックス情報を決定する。プリコーディング決定部1115は、決定したプリコーディングマトリックス情報をプリコーディング部116及び制御情報生成部1116へ出力する。
【0032】
制御情報生成部1116は、ランク決定部1112から入力された送信ランク情報、帯域割当決定部1113から入力された帯域割当情報、MCS決定部1114から入力されたMCS情報及びプリコーディング決定部1115から入力されたプリコーディングマトリックス情報を、予め定めた形式(フォーマット)に配置して、制御情報として通信部122へ出力する。
【0033】
図2に戻り、再送制御部112は、移動局装置UE1へ送信するデータ信号(ビット列)を入力され、制御情報決定部111から送達確認信号が入力される。
送達確認信号がACKである場合、即ち直前に送信したデータ信号が正しく送達された場合、再送制御部112は、新たに入力されたデータ信号を符号部113−1、113−2に出力する。送達確認信号がNACKである場合、即ち直前に送信したデータ信号が正しく送達されない場合や送達されたデータに誤りが検出された場合、再送制御部112は、その送信したデータ信号を符号部113−1、113−2に出力する。
【0034】
再送制御部112は、符号部113−1、113−2に出力したデータ信号の各々に対して送達確認信号を入力し、符号部113−1、113−2毎に出力する信号を新たに入力されたデータ信号とするか直前に出力したデータ信号とするかを決定してもよい。
また、再送制御部112は、符号部113−1、113−2に出力したデータ信号の全てに対して送達確認信号がACKの場合に、新たに入力されたデータ信号を符号部113−1、113−2に出力してもよい。
ここで、符号部113−1、113−2に出力したデータ信号の少なくとも何れかに対して、送達確認信号がNACKの場合に、そのデータ信号を出力した符号部に送達確認信号(NACK)を出力する。これにより、送達確認信号(NACK)が入力された符号部は、直前に出力した符号化ビット列を変調部に出力できる。
【0035】
符号部113−1、113−2は、再送制御部112から入力されたデータ信号に対して、制御情報決定部111から入力された符号化率情報に対応した誤り訂正符号化方法を用いて符号化ビット列を生成する。この誤り訂正符号化方法は、例えば、ターボ符号化、LPDC(low density parity check;低密度パリティチェック)符号化である。符号部113−1、113−2は、入力された符号化率情報に基づいて生成した符号化ビット列にパンクチャ(puncture)を行う。
これにより、符号部113−1、113−2は、生成した符号化ビット列(例えば、パリティビット)の一部を省略して入力された符号化率情報が示す符号化率に応じた符号化ビット列を生成する。符号部113−1、113−2は、パンクチャを行って生成した符号化ビット列を変調部114−1、114−2に出力する。
ここでは、符号部113−1、113−2が用いる符号化方法を受信した制御情報に基づいて定める例について説明したが、本実施形態では、符号部113−1、113−2は、基地局装置eNB1及び移動局装置UE1間で予め設定した符号化方法を用いてもよい。
【0036】
変調部114−1、114−2は、符号部113−1、113−2から入力された符号化ビット列に対して、制御情報決定部111から入力された変調方法情報に対応した変調方法を用いて、変調を行って変調シンボル列を生成する。変調部114−1、114−2は、生成した変調シンボル列をレイヤマッピング部115に出力する。
変調部114−1、114−2が行う変調方法は、例えば、QPSK(quadrature phase shift kering;四位相偏移変調)、16QAM(16−ary quadrature amplitude modulation;16値直交振幅変調)、64QAM(64−ary quadrature amplitude modulation;64値直交振幅変調)、である。
【0037】
レイヤマッピング部115は、変調部114−1、114−2から入力されたシンボル列を、制御情報決定部111から入力された送信ランク情報に基づいてレイヤ毎のシンボル列に並び替える。
レイヤとは、データ信号を送信する単位である。ここで、並び替えたレイヤの数は、送信ランク情報が示すレイヤ数となる。レイヤマッピング部115は、並び替えたシンボル列をプリコーディング部116に出力する。図2に示す例では、レイヤ数は2であるが、本実施形態では3以上でもよい。
【0038】
プリコーディング部116は、レイヤマッピング部115からレイヤ毎のシンボル列を入力され、各レイヤのシンボルを要素とするベクトルを構成する。プリコーディング部116は、自部が備える記憶部にプリコーディングマトリックス情報(コードブックインデックス)及びレイヤ数毎にプリコーディングマトリックスを予め記憶させておく。プリコーディング部116は、制御情報決定部111から入力されたプリコーディングマトリックス情報及び予め定めたレイヤ数(例えば、2)に対応するプリコーディングマトリックスを読み出す。
プリコーディング部116は、構成したベクトルに読み出したプリコーディングマトリックスを乗算して基地局装置eNB1が備える送信アンテナの数と等しい数の要素を含むベクトルを構成する。プリコーディング部116は、構成したベクトルに含まれる各要素のシンボルからなるシンボル列を(例えば、シンボル列の数は送信アンテナの数と同一)を生成し、生成したシンボル列を各送信アンテナに対応した周波数マッピング部117−1、117−2に出力する。
【0039】
次に、プリコーディングマトリックスの一例について説明する。
図4は、本実施形態に係るプリコーディングマトリックスの一例を示す表である。
図4において、最左列はプリコーディングマトリックス情報が示すインデックスである。このインデックスは、第2行から下へ順に0、1、2、3である。プリコーディングマトリックスの列で表わされるレイヤ数は、送信アンテナの数(アンテナポート数)と等しいか、それよりも少ない。
図4において、左から2列目は、レイヤ数1の場合のプリコーディングマトリックスを示す。このプリコーディングマトリックスは、第2行から下へ順に[1/√2;1/√2]、[1/√2;−1/√2]、[1/√2;j/√2]、[1/√2;−j/√2]である。ここで、記号;は、ベクトル又は行列の各行の区切りを示す。jは、虚数単位であって√−1を表す。
左から3列目は、レイヤ数2の場合のプリコーディングマトリックスを示す。このプリコーディングマトリックスは、第2行から下へ順に[1/√2、0;0、1/√2]、[1/2、1/2;1/2、−1/2]、[1/2、1/2、j/2、−j/2]である。但し、第5列目の記号−は、プリコーディングマトリックス情報3について定義されていないことを示す。
【0040】
図2に戻り、周波数マッピング部117−1、117−2は、プリコーディング部116から入力されたシンボル列に含まれるシンボルを、制御情報決定部111から入力された帯域割当情報に基づいて割り当てて周波数領域信号を生成する。周波数マッピング部117−1、117−2は、生成した周波数領域信号をIFFT部118−1、118−2に出力する。
IFFT部118−1、118−2は、周波数マッピング部117−1、117−2からブロック毎に入力された周波数領域信号に対してIFFT(inverse fast Fourier transform;逆高速フーリエ変換)を行って時間領域信号に変換する。IFFT部118−1、118−2は、変換した時間領域信号を、参照信号多重部119−1、119−2に出力する。
【0041】
参照信号生成部141は、例えば、各基地局装置を識別する情報であるセルIDに基づいて移動局装置UE1も既知である(即ち、移動局装置UE1も同一の信号を生成できる)参照信号を生成する。例えば基地局装置eNB1に接続している各送信アンテナから移動局装置UE1の各受信アンテナまでの伝搬路特性を測定するために用いられる。この参照信号は、例えば送信アンテナ間で直交するデータ列であってもよい。
参照信号多重部119−1、119−2は、参照信号生成部141より対応する送信アンテナの参照信号が入力される。参照信号多重部119−1、119−2は、IFFT部118−1、118−2からブロック毎に入力された時間領域信号に、生成した参照信号を送信アンテナ毎に多重化して、多重化信号を生成する。
参照信号多重部119−1、119−2は、生成した多重化信号を送信処理部120−1、120−2に出力する。なお、参照信号多重部119−1、119−2は、周波数マッピング部117−1、117−2から入力された周波数領域信号に参照信号を多重化して、多重化信号を生成するようにしてもよい。この場合、参照信号多重部119−1、119−2は、生成した多重化信号をIFFT部118−1、118−2に出力し、生成された時間領域信号を送信処理部120−1、120−2に入力するようにしてもよい。
【0042】
送信処理部120−1、120−2は、参照信号多重部119−1、119−2からブロック毎に入力された多重化信号にブロック毎にCP(cyclic prefix;サイクリックプレフィックス)を挿入して出力信号を生成する。送信処理部120−1、120−2が多重化信号に挿入するCPは、例えば直前に入力された多重化信号のうち予め定めた部分の信号である。送信処理部120−1、120−2は、生成した出力信号を通信部122に送信する。
通信部122は、送信処理部120−1、120−2から入力された出力信号を、張り出し無線装置RRE1、RRE2に出力する。また、通信部122は、制御情報決定部111から入力された制御情報を、有線で張り出し無線装置RRE1、RRE2に送信する。
【0043】
なお、図1に示す基地局装置eNB1は、符号部113−1、113−2、変調部114−1、114−2を各々レイヤ数(例えば、2個)分備えているが、本実施形態ではこのような構成に限られない。ここで、本実施形態に係る基地局装置の変形例である基地局装置eNB2について説明する。
図5は、本実施形態に係る基地局装置eNB2の構成を示す概略図である。
図5に示すように、基地局装置eNB1が備える符号部113−1、113−2、変調部114−1、114−2の代わりに、符号部113、変調部114を備えている。ここで、符号部113、変調部114が行う処理は、符号部113−1、変調部114−1と同様である。
【0044】
次に、本実施形態に係る張り出し無線装置RRE1、RRE2の構成について説明する。
張り出し無線装置RRE2の構成は、RRE1と同様であり、以下では、主に張り出し無線装置RRE1について説明する。
図6は、本実施形態に係る張り出し無線装置RRE1の構成を示す概略図である。
張り出し無線装置RRE1は、通信部130、無線部131、送信アンテナ132、制御情報受信部133、受信アンテナ134を含んで構成される。
通信部130は、基地局装置eNB1の通信部122から有線で出力信号及び制御情報を受信し、受信した出力信号及び制御情報を無線部131に出力する。
無線部131は、通信部130から入力された出力信号及び制御情報に対して、D/A(digital to analog;ディジタル・アナログ)変換してアナログ信号に変換する。無線部131は、変換したアナログ信号を無線周波数帯域にアップコンバートして無線周波数帯域信号を生成し、生成した無線周波数帯域信号を増幅して送信アンテナ132に出力する。
【0045】
送信アンテナ132は、入力された無線周波数帯域信号を電波に乗せて移動局装置UE1に送信する。
張り出し無線装置RRE2も、基地局装置eNB1の通信部122から入力された出力信号及び制御情報に対して上述の処理を施して生成した無線周波数帯域信号を電波に乗せて移動局装置UE1に送信する。これにより、基地局装置eNB1と各々送信アンテナを備えた複数の張り出し無線装置RRE1、RRE2は、移動局装置UE1へのMIMO伝送を実現する。
【0046】
他方、受信アンテナ134は、移動局装置UE1が電波で送信した無線周波数帯域信号を受信し、受信した無線周波数帯域信号を制御情報受信部133に出力する。
制御情報受信部133は、受信アンテナ134から入力された無線周波数帯域信号をベースバンド周波数帯域にダウンコンバートして、アナログ信号を生成する。制御情報受信部133は、生成したアナログ信号をA/D(analog to digital;アナログ・ディジタル)変換して、ディジタル信号である制御情報を生成する。制御情報受信部133は、通信部130に生成した制御情報を出力する。
通信部130は、制御情報受信部133から入力された制御情報を基地局装置eNB1の通信部110に有線で送信する。
【0047】
次に、本実施形態に係る移動局装置UE1の構成について説明する。
図7は、本実施形態に係る移動局装置UE1の構成を示す概略図である。
移動局装置UE1は、受信アンテナ201−1、201−2、受信処理部202−1、202−2、参照信号分離部203−1、203−2、FFT部204−1、204−2、周波数デマッピング部205−1、205−2、信号分離部206、レイヤデマッピング部207、復調部208−1、208−2、伝搬路推定部209、制御情報生成部210、制御情報受信部211、送達確認情報出力部212、復号部213−1、213−2、無線部214、及び送信アンテナ215を含んで構成される。
【0048】
受信アンテナ201−1、201−2は、張り出し無線装置RRE1、RRE2が送信した無線周波数帯域信号を受信し、受信した無線周波数帯域信号を受信処理部202−1、202−2に出力する。
受信処理部202−1、202−2は、受信アンテナ201−1、201−2から入力された無線周波数信号をベースバンド周波数帯域にダウンコンバートしてアナログ信号を生成する。受信処理部202−1、202−2は、生成したアナログ信号に対してA/D変換を行ってディジタル信号に変換する。受信処理部202−1、202−2は、変換したディジタル信号を参照信号分離部203−1、203−2及び制御情報分離部211に出力する。
【0049】
参照信号分離部203−1、203−2は、受信処理部202−1、202−2から入力されたディジタル信号から制御情報及びCPを除去して多重化信号を得る。参照信号分離部203−1、203−2は、得られた多重化信号から参照信号とデータ信号に分離する。参照信号分離部203−1、203−2は、分離した参照信号を伝搬路推定部209に出力し、分離したデータ信号をFFT部204−1、204−2に出力する。
FFT部204−1、204−2は、参照信号分離部203−1、203−2から入力されたデータ信号に対してFFT(fast Fourier transform;高速フーリエ変換)を行い、周波数領域のデータ信号を得る。FFT部204−1、204−2は、得られた周波数領域信号を周波数デマッピング部205−1、205−2に出力する。
【0050】
制御情報受信部211は、受信処理部202−1、202−2から入力されたディジタル信号から制御情報を抽出する。制御情報受信部211は、抽出した制御情報を、送信ランク情報、帯域割当情報及びMCS情報に分離する。
制御情報受信部211は、分離した帯域割当情報を周波数デマッピング部205−1、205−2へ出力し、分離した送信ランク情報をレイヤマッピング部207へ出力する。制御情報受信部211は、分離したMCS情報を変調方法情報と符号化率情報に分離する。制御情報受信部211は、分離した変調方法情報を復調部208−1、208−2に出力し、分離した符号化率情報を復号部213−1、213−2に出力する。
【0051】
伝搬路推定部209は、例えば基地局装置eNB1から受信したセルIDに基づいて、基地局装置eNB1が生成した参照信号と同一の参照信号を生成する。伝搬路推定部209は、参照信号分離部203−1、203−2から入力された参照信号と、生成した参照信号に基づいて伝搬路特性を算出する。伝搬路推定部209が算出した伝搬路特性は、基地局装置eNB1に接続された張り出し無線装置RRE1、RRE2が各々備える各送信アンテナ132から、移動局装置UE1が備える受信アンテナ201−1、201−2への伝搬路毎の周波数応答である。
伝搬路推定部209は、算出した伝搬路毎の伝搬路特性を信号分離部206及び制御情報生成部210へ出力する。
【0052】
制御情報生成部210は、伝搬路推定部209から入力された伝搬路毎の伝搬路特性と、例えば復号部213−1、213−2から入力された送達確認信号に基づいて制御情報を生成し、生成した制御情報を無線部214に出力する。
ここで、制御情報生成部210の構成例について説明する。
図8は、本実施形態に係る制御情報生成部210の構成を示す概略ブロック図である。
制御情報生成部210は、伝搬路利得算出部301、ランク決定部302、プリコーディング決定部303及び制御情報出力部304を含んで構成される。
伝搬路利得算出部301は、伝搬路推定部209から入力された伝搬路毎の伝搬路特性に基づいて伝搬路利得を算出し、算出した伝搬路利得を用いてストリーム間の受信電力差の代表値を算出する。伝搬路利得算出部301は、算出した受信電力差の代表値をランク決定部302に出力する。
伝搬路利得算出部301は、伝搬路利得G(j)を算出するために、例えば式(1)を用いる。jは、送信アンテナを示すインデックスである。
【0053】
【数1】

【0054】
式(1)において、NFFTは、伝送に用いるサブキャリア(周波数)の数を示す。Nは、受信アンテナの数を示す。iは、受信アンテナを示すインデックスである。hi,j(k)は、サブキャリアkについての送信アンテナjから受信アンテナiまでの伝達関数を示す。即ち、式(1)を用いて算出される伝搬路利得G(j)は、送信アンテナjと受信アンテナ間におけるすべてのサブキャリアの伝搬路利得を平均した値を示す。
伝搬路利得算出部301は、各ストリームpとqの間の受信電力差RPp,qを用いて伝搬路利得G(j)を算出する。ストリームqは、ストリームpとは異なるストリームを示す。ストリームとは、レイヤマッピング部115から出力される各レイヤの信号のことである。従って、ランク数がストリーム数(レイヤ数)に相当する。本実施形態では、ストリーム数は、受信アンテナの数、又は送信アンテナの数と一致してもよいし、一致していなくともよい。伝搬路利得算出部301は、N個の受信電力差RPp,qを算出する。
伝搬路利得算出部301は、ストリームpとqの間の受信電力差RPp,qを算出する際、例えば式(2)を用いる。
【0055】
【数2】

【0056】
式(2)において、G(p)、G(p)は、各々ストリームp、qに係る伝搬路利得である。即ち、受信電力差RPp,qはストリームp、q間における対数領域での伝搬路利得の差分である。従って、伝搬路利得算出部301は、受信電力差RPp,qとして線形領域での伝搬路利得G(p)、G(p)の比を算出してもよい。
なお、伝搬路利得算出部301が伝搬路利得G(p)を算出する際、式(1)において、送信に用いられるサブキャリアにおける伝搬路利得の平均値を受信アンテナ毎に算出し、算出された各受信アンテナの伝搬路利得の平均値をストリームpの受信に用いられる受信アンテナ間でさらに平均値を算出する。G(q)はストリームqに係る伝搬路利得である。伝搬路利得算出部301は、G(p)と同様にG(q)を算出する。
伝搬路利得算出部301は、算出した受信電力差RPp,qのうち、例えば、式(3)に示す最大値RPMAX_dBを受信電力差の代表値として選択する。
【0057】
【数3】

【0058】
式(3)において、p、qは、各々ストリームを表すインデックスであり、p≠qを満たす。max(A)は、Aの中で最も大きい値を選択することを示す関数である。
なお、伝搬路利得算出部301は、式(1)を用いて算出した全ストリームの伝搬路利得G(j)の平均値RPAVGを算出し、max(|G(j)-RPAVG|)として、受信電力差の代表値を算出しても良い。
また、伝搬路利得算出部301は、式(2)で算出されたすべてのストリーム間の受信電力差RPp,qの平均した値を受信電力差の代表値として算出しても良い。
また、伝搬路利得算出部301は、伝搬路利得G(j)の分散RPVAR、即ち式(4)に示すように伝搬路利得G(j)と平均値RPAVGの差分の送信アンテナにわたる二乗和を算出し、算出した分散RPVARを受信電力差の代表値として選択しても良い。
【0059】
【数4】

【0060】
式(4)において、Nは、送信アンテナ数を示す。
ランク決定部302は、伝搬路推定部209から入力された伝搬路毎の伝搬路特性と、伝搬路利得算出部301から入力された受信電力差の代表値に基づいて、送信ランク情報RIを決定する。決定した送信ランク情報RIは、下り伝送において、具体的には基地局装置eNB1のレイヤマッピング部115がレイヤマッピングを行うために用いられる。決定部302が送信ランク情報RIを決定する処理については後述する。ランク決定部302は、決定した送信ランク情報RIをプリコーディング決定部303及び制御情報出力部304に出力する。なお、ランク決定部302は、後述するように他の制御信号と常に同期して出力する必要はなく、後述するプリコーディングマトリックス情報PMIを出力する周期よりも長い周期で出力してもよい。
【0061】
プリコーディング決定部303は、伝搬路推定部209から入力された伝搬路毎の伝搬路特性と、ランク決定部302から入力された送信ランク情報に基づいて、プリコーディングマトリックス情報PMIを決定する。決定したプリコーディングマトリックス情報PMIは、下り伝送、具体的には基地局装置eNB1のプリコーディング部116がプリコーディング処理を行うために用いられる。プリコーディング決定部303は、決定したプリコーディングマトリックス情報PMIを制御情報出力部304に出力する。
【0062】
制御情報生成部304は、復号部213−1、213−2から入力された送達確認信号、ランク決定部302から入力された送信ランク情報RI、プリコーディング決定部303から入力されたプリコーディングマトリックス情報PMIを予め定められたデータ形式に変換して制御情報を生成する。制御情報生成部304は、生成した制御情報を送信処理部214に出力する。
【0063】
図7に戻り、周波数デマッピング部205−1、205−2は、FFT部204−1、204−2から入力された周波数領域信号から、制御信号受信部211から入力された帯域割当情報が示す帯域のシンボル列を抽出する。周波数デマッピング部205−1、205−2は、抽出したシンボル列を信号分離部206に出力する。
信号分離部206は、周波数デマッピング部205−1、205−2から入力されたシンボル列に各々含まれるシンボルを要素とするベクトルに、重み係数を要素とする空間フィルタリング行列(MMSE重み行列)を乗算(空間フィルタリング)して、レイヤ毎に要素値を有するベクトルを算出する。
信号分離部206は、伝搬路推定部209から入力された伝搬路毎の伝搬路特性に基づいて、例えばMMSE(minimum mean square error;最小平均二乗誤差)基準を用いて重み係数を算出する。
信号分離部206は、算出したベクトルの各要素値であるシンボルを合成してレイヤ毎のシンボル列を構成し、構成したシンボル列をレイヤデマッピング部207に出力する。
【0064】
レイヤデマッピング部207は、信号分離部206から入力されたレイヤ毎のシンボル列を、制御情報受信部211から入力された送信ランク情報RIに基づいて符号化単位であるコードワード毎のシンボル列に並び替える。従って、レイヤデマッピング部207が行う並び替えは、基地局装置eNB1のレイヤマッピング部115が行う並び替えとは逆の処理となる。レイヤデマッピング部207は、並び替えたシンボル列を各々復調部208−1、208−2に出力する。
【0065】
復調部208−1、208−2は、レイヤデマッピング部207から入力されたシンボル列に対して制御情報受信部211が入力された変調方法情報に対応する復調方法を用いて復調を行って符号化ビット列を生成する。復調部208−1、208−2は、生成した符号化ビット列を各々復号部213−1、213−2に出力する。
復号部213−1、213−2は、復調部208−1、208−2から入力された符号化ビット列に対して制御情報受信部211から入力された符号化率情報に対応する誤り訂正復号を行ってデータ信号を得る。復号部213−1、213−2は、得られたデータ信号を構成するデータビットに対して、例えば巡回冗長検査(cyclic redundancy check;CRC)を行って誤りの有無を検査する。復号部213−1、213−2は、誤りを検出しなかった場合にACKを、誤りを検出した場合にNACKを送達確認情報として定める。復号部213−1、213−2は定めた送達確認信号を制御情報生成部210に出力する。
復号部213−1、213−2は、誤りを検出しなかった場合に得られたデータ信号を外部に出力する。
【0066】
無線部214は、制御情報生成部210から入力された制御情報に対して、D/A変換してアナログ信号に変換する。無線部214は、変換したアナログ信号を無線周波数帯域にアップコンバートして無線周波数帯域信号を生成し、生成した無線周波数帯域信号の電力を増幅して送信アンテナ215に出力する。
送信アンテナ215は、無線部214から入力された無線周波数帯域信号を電波で張り出し無線装置RRE1、RRE2に送信する。
【0067】
図7が示す移動局装置UE1の構成例は、図2に示す基地局装置eNB1が送信したデータ信号を受信することを前提とするが、本実施形態ではこれに限られない。
次に移動局装置の別の構成例UE2について説明する。ここで、移動局装置UE2は、図5に示す基地局装置eNB2が送信したデータ信号を受信する。
【0068】
図9は、本実施形態に係る移動局装置UE2の構成を示す概略図である。
図9に示す移動局装置UE2は、基地局装置eNB1の復調部208−1、208−2及び復号部213−1、213−2の代わりに、復調部208及び復号部213を各1個備える。復調部208は、レイヤデマッピング部207から入力されたシンボル列に対して変調部114が行う変調方法に対応した復調方法を用いて復調を行って符号化ビット列を生成する。復号部213は、復調部208から入力された符号化ビット列に対して、符号部113が行う符号化方法に対応した復号方法を用いて復号を行ってデータ信号を生成する。
【0069】
次に、本実施形態に係るランク決定部302が行うランク情報RIの決定方法について説明する。ランク決定部302は、複数のプリコーディングマトリックスと、受信電力差の代表値の範囲とランクの下げ幅の情報の関係を示すテーブルを記憶している記憶部を備える。
図10は、本実施形態に係るランク情報RIを決定する処理を示すフローチャートである。
(ステップS101)ランク決定部302は、伝搬路推定部209から伝搬路毎の伝搬路特性が入力され、伝搬路利得算出部301から受信電力差の代表値を入力される。その後、ステップS102に進む。
(ステップS102)ランク決定部302は、入力された伝搬路毎の伝搬路特性に基づいてランクの候補値RRFを算出する。ここで、ランク決定部302は、等化後の伝搬路特性に基づいてSNR(signal to noise ratio;信号雑音比)を各ランク情報、プリコーディングマトリックスに対して算出し、通信路容量(キャパシティ、capacity)が最大となるランクをランクの候補値RRFと定める。
ランク決定部302は、ランクの候補値RRFを定めるために、次の処理を行う。ランク決定部302はランクjについて、記憶部から読み出したプリコーディングマトリックスsに対する等価振幅利得μj,sを例えば式(5)に基づいて算出する。
【0070】
【数5】

【0071】
式(5)において、wMMSEは、MMSE重みの行列を示す。Hrankは、各要素が伝達関数であるNr行Nt列の伝搬路行列である。ランク決定部302は、等価振幅利得μj,sを、プリコーディングマトリックスPに伝搬路行列Hrank及び前述のMMSE重みの行列wMMSEを乗じて算出する。
ランク決定部302は、算出した等価振幅利得行列μj,sから対角成分μj,s(m)を抽出する。mは、0以上かつjよりも小さい整数である。
ランク決定部302は、抽出した対角成分毎の通信路容量を加算して、ランクjのプリコーディングマトリックスsに対する通信路容量C(j,s)を算出する。通信路容量C(j,s)は、式(6)で表される。
【0072】
【数6】

【0073】
ランク決定部302は、この通信路容量C(j,s)が最大となるランクj及びプリコーディングマトリックスsを選択する。ランク決定部302は、定めたランクjをランクの候補値Rと定める。その後、ステップS103に進む。
【0074】
(ステップS103)ランク決定部302は、入力された受信電力差の代表値が予め定めた閾値Γth(1)よりも小さいか否か判断する。ランク決定部302が、入力された受信電力差の代表値が予め定めた閾値Γth(1)よりも小さいと判断した場合(ステップS103 Y)、ステップS105に進む。ランク決定部302が、入力された受信電力差の代表値が予め定めた閾値Γth(1)よりも小さくないと判断した場合(ステップS103 N)、ステップS104に進む。
【0075】
(ステップS104)ランク決定部302は、入力された受信電力差の代表値に対応するランクの下げ幅RRPを読み出し、ランクの候補値Rから読み出したランクの下げ幅RRPを減算してランクの候補値Rを更新する。よって、S104では、R=R−RRPによって、ランク情報が更新される。但し、ランクの候補値Rは、最小値を1とする。その後、ステップS105に進む。
(ステップS105)ランク決定部302は、更新したランクの候補値Rを表すランク情報RIをプリコーディング決定部303及び制御情報出力部303に出力する。また、ランク決定部302は、伝搬路行列HrankをCQI情報として制御情報出力部304に出力する。その後、処理を終了する。
制御情報出力部304は、ランク決定部302から入力されたランク情報RIとCQI情報を含めて制御情報として送信処理部214に出力する。
【0076】
これにより、本実施形態では伝搬路特性の他に、ストリーム間の受信電力差の情報を用いてランク情報RIを決定する。ストリーム間の受信電力差が著しい場合に、受信電力差がない、もしくは予め設定された値よりも小さい場合に適用するランクをより低い値とする。本実施形態に係る基地局装置eNB1から張り出し無線装置RRE1、RRE2を用いてデータ信号を送信すると、移動局装置の位置により送信アンテナ間において著しい受信電力差が生じる場合がある。本実施形態では、このような場合に、低いランクを選択する。
【0077】
次に、本実施形態に係る受信電力差の代表値の範囲とランクの下げ幅の情報の関係を示すテーブルについて説明する。
図11は、本実施形態に係る受信電力差の代表値の範囲とランクの下げ幅の情報の関係を示すテーブルの一例を示す。このテーブルは、基地局装置における送信アンテナ数(アンテナポートの数)が4の場合に用いられる。
図11において、最左列は受信電力差の代表値の範囲を示し、最右列はランクの下げ幅を示す。第2行目は、受信電力差の代表値の範囲が閾値Γth(1)と等しいか、それよりも大きく、かつ閾値Γth(2)より小さい場合、ランクの下げ幅が1であることを示す。第3行目は、受信電力差の代表値の範囲が閾値Γth(2)と等しいか、それよりも大きく、かつΓth(3)より小さい場合、ランクの下げ幅が2であることを示す。第4行目は、受信電力差の代表値の範囲が閾値Γth(2)と等しいか、それよりも大きい場合、ランクの下げ幅が3であることを示す。ここで、Γth(1)<Γth(2)<Γth(3)という関係がある。
なお、基地局装置における送信アンテナ数が異なる場合(例えば、3)には、図11に示すテーブルに示す値とは異なる値を有するテーブルを用いてもよい。
【0078】
なお、上述の説明では、ストリーム間の受信電力の差の代表値の算出を移動局装置UE1が行う例を挙げたが、本実施形態では、これには限られない。基地局装置eNB1のランク決定部1112が、移動局装置UE1から受信した制御信号が表す伝搬路特性情報やプリコーディング情報を用いて、ランク決定部302と同様にストリーム間の受信電力の差の代表値の算出を行ってもよい。ランク決定部1112は、算出したストリーム間の受信電力の差の代表値に基づいてランク情報RIを決定してもよい。
以上説明したように、本実施形態ではストリームの受信電力の差を考慮してランク情報RIを決定することにより、MIMO伝送時の通信品質やスループットを向上できる。
【0079】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、基地局装置が複数の張出し無線装置RREが備える送信アンテナを用いてデータ信号を移動局装置に送信する場合、ストリームの受信電力の差を考慮してプリコーディングマトリックス情報PMIを決定する例について説明する。
本実施形態では、移動局装置UE1が伝搬路特性に基づいてプリコーディングマトリックス情報PMIを決定して、決定したプリコーディングマトリックス情報PMIを基地局装置eNB1に送信する。基地局装置eNB1は、移動局装置UE1から受信したプリコーディングマトリックス情報PMIと帯域割当情報に基づいてプリコーディングマトリックス情報PMIを決定する。
【0080】
本実施形態に係る通信システム1、基地局装置eNB1、張り出し無線装置RRE1、RRE2、移動局装置UE1の構成は、基本的に、第1の実施形態に係る通信システム1、基地局装置eNB1、張り出し無線装置RRE1、RRE2、移動局装置UE1の構成とそれぞれ同様である。以下、第1の実施形態との差異点を主に説明する。
【0081】
まず、本実施形態の移動局装置UE1が備える制御情報生成部210の構成について説明する。
図12は、本実施形態に係る制御情報生成部210の構成を示す概略図である。
制御情報決定部210は、第1の実施形態におけるプリコーディング決定部303の代わりにプリコーディング決定部501を備える。
プリコーディング決定部501は、伝搬路推定部209から入力された伝搬路毎の伝搬路特性、ランク決定部302から入力されたランク情報RI、伝搬路利得算出部301から入力されたストリーム間の受信電力差の代表値に基づいてプリコーディングマトリックス情報PMIを決定する。プリコーディング決定部501は、決定したプリコーディングマトリックス情報PMIを制御情報出力部304に出力する。これにより、プリコーディング決定部501が決定したプリコーディングマトリックス情報PMIが張り出し無線装置RRE1、RRE2に送信されることになる。
また、プリコーディング決定部501は、アンテナ数(アンテナポート数)毎に、複数のプリコーディングマトリックスをランク情報と対応づけて記憶されている記憶部を備える。
【0082】
次に、プリコーディング決定部501が行うプリコーディングマトリックス情報PMIを決定する処理について説明する。
図13は、本実施形態に係るプリコーディングマトリックス情報PMIを決定する処理を示すフローチャートである。
(ステップS201)プリコーディング決定部501は、伝搬路推定部209から伝搬路毎の伝搬路特性が入力され、ランク決定部302からランク情報RIが入力され、伝搬路利得算出部301からストリーム間の受信電力差の代表値が入力される。その後、ステップS202に進む。
(ステップS202)プリコーディング決定部501は、入力されたランク情報RI及び伝搬路特性に基づいてプリコーディングマトリックス情報PMIを生成する。
ここで、プリコーディング決定部501は、プリコーディングマトリックス情報PMIを生成するため次に説明する処理を行う。
プリコーディング決定部501は、入力されたランク情報RIに対応するプリコーディングマトリックスの一つを候補プリコーディングマトリックスPとして記憶部から読み出す。
プリコーディング決定部501は、読み出した候補プリコーディングマトリックスPに基づいて、例えば式(7)を用いて等価振幅利得行列μを算出する。
【0083】
【数7】

【0084】
式(7)によれば、プリコーディング決定部501は、等価振幅利得行列μを、プリコーディングマトリックスPに伝搬路行列Hrank及びMMSE重みの行列wMMSEを乗じて算出する。等価振幅利得行列μは、Nr行Nt列の行列である。Nrankはランク情報が示すランクである。
プリコーディング決定部501は、等価振幅利得行列μから、Nrank個の対角成分μ(0),...μ(Nrank)を抽出する。
プリコーディング決定部501は、対角成分毎の通信路容量の総和をとって、例えば式(8)を用いて通信路容量Cを算出する。
【0085】
【数8】

【0086】
プリコーディング決定部501は、記憶部に記憶された他の候補プリコーディングマトリックスについても通信路容量(キャパシティ)Cを算出し、通信路容量Cが最大となる候補プリコーディングマトリックスを選択する。その後、ステップS203に進む。
【0087】
(ステップS203)プリコーディング決定部501は、伝搬路利得算出部301から入力されたストリーム間の受信電力差の代表値が予め設定された閾値Γthよりも小さいか否か判断する。プリコーディング決定部501は、ストリーム間の受信電力差の代表値が予め設定された閾値Γthよりも小さいと判断した場合(ステップS203 Y)、ステップS205に進む。プリコーディング決定部501は、ストリーム間の受信電力差の代表値が予め設定された閾値Γthと等しいか、それよりも大きいと判断した場合(ステップS203 N)、ステップS204に進む。
【0088】
(ステップS204)プリコーディング決定部501は、選択したプリコーディングマトリックスを、通信路容量Cを算出した候補プリコーディングマトリックスのうち、信号を加算しないもの(信号非加算プリコーディングマトリックス)を選択する。
信号非加算プリコーディングマトリックスとは、いずれの行もゼロ以外の値をとる要素(非零要素)が1個に限られ、2個以上含まないプリコーディングマトリックスである。信号非加算プリコーディングマトリックスは、例えば、図4のレイヤ数2、プリコーディングマトリックス情報(プリコーディングマトリックスインデックス、precoding matrix index;PMI)0に対応する行列である。即ち、信号非加算プリコーディングマトリックスとは、プリコーディング処理において、レイヤ間でシンボル列の加算を行わないプリコーディングマトリックスを意味する。これにより、レイヤ間で受信電力の差が著しい場合にシンボル列の加算を避けて、受信側である移動局装置UE1が各ストリームを検出できるようにする。その後、ステップS205に進む。
【0089】
(ステップS205)プリコーディング決定部501は、選択した候補プリコーディングマトリックスを示すプリコーディングマトリックス情報PMIを生成し、生成したプリコーディングマトリックス情報PMIを制御情報出力部304に出力する。その後、処理を終了する。
これにより、プリコーディングマトリックス情報PMIが制御情報に含まれて基地局装置eNB1に送信される。
【0090】
次に、本実施形態の基地局装置eNB1が備える制御情報決定部111の構成について説明する。
図14は、本実施形態に係る制御情報決定部111の構成を示す概略図である。
制御情報決定部111は、第1の実施形態におけるプリコーディング決定部1115の代わりにプリコーディング決定部4001を備える。
プリコーディング決定部4001は、帯域割当決定部1113から入力された帯域割当情報と、制御情報出力部1111から入力されたチャネル品質情報CQIに基づいてプリコーディングマトリックスを表すプリコーディングマトリックス情報を決定する。
【0091】
ここで、プリコーディング決定部4001は、入力された帯域割当情報と、入力された制御情報に含まれる伝搬路特性に基づき、例えば図13のステップS202と同様な処理を行って候補プリコーディングマトリックスを選択する。
但し、プリコーディング決定部4001は、入力された制御情報に含まれるプリコーディングマトリックス情報PMIが、信号非加算プリコーディングマトリックスを示す場合、このプリコーディングマトリックスを候補プリコーディングマトリックスと選択する。
プリコーディング決定部4001は、選択したプリコーディングマトリックスを示すプリコーディングマトリックス情報PMIを制御情報生成部1116に出力する。
これにより、プリコーディング決定部4001が決定したプリコーディングマトリックス情報PMIが制御情報に含まれて移動局装置UE1に送信される。
【0092】
上述の説明では、移動局装置UE1の伝搬路利得算出部301がストリーム間の受信電力の差の代表値を算出する例を挙げたが、本実施形態ではこれには限られない。
本実施形態では、基地局装置eNB1のプリコーディング決定部4001が制御情報に含まれる伝搬路特性に基づいてストリーム間の受信電力の差の代表値を算出するようにしてもよい。プリコーディング決定部4001は、算出したストリーム間の受信電力の差の代表値に基づいてプリコーディングマトリックス情報PMIを生成する。
【0093】
本実施形態に係るプリコーディング決定部501、4001は、図4に示すプリコーディングマトリックスの代わりに、レイヤ数毎に信号非加算プリコーディングマトリックスを複数記憶する記憶部を備えるようにしてもよい。プリコーディング決定部501、4001は、この複数の信号非加算プリコーディングマトリックスから1つを候補プリコーディングマトリックスとして選択するようにする。
【0094】
図15は、本実施形態に係るプリコーディングマトリックスの一例を示す表である。
図15において、最左列はプリコーディングマトリックス情報が示すインデックスである。このインデックスは、第2行から下へ順に0、1、2、3である。プリコーディングマトリックスの列数(レイヤ数)は、ストリーム数と等しいか、それよりも少ない
図4において、左から2列目は、レイヤ数1の場合のプリコーディングマトリックスを示す。このプリコーディングマトリックスは、第2行から下へ順に[1/√2;1/√2]、[1/√2;−1/√2]、[1/√2;j/√2]、[1/√2;−j/√2]である。左から3列目は、レイヤ数2の場合のプリコーディングマトリックスを示す。このプリコーディングマトリックスは、第2行から下へ順に[1/√2、0;0、1/√2]、[1/2、1/2;1/2、−1/2]、[1/2、1/2、j/2、−j/2]、[0、1/√2;1/√2、0]である。
そのうち、レイヤ数2であって、コードブックマトリックス情報が0、3を示す2つのプリコーディングマトリックスが信号非加算プリコーディングマトリックスである。
【0095】
以上説明したように、本実施形態によれば、ストリームの受信電力の差を考慮してプリコーディングマトリックス情報を決定する。本実施形態では、受信電力の差が著しい場合に信号非加算プリコーディングマトリックスを選択する。これにより、MIMO伝送時の通信品質やスループットが向上する。
【0096】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態は、基地局装置eNB1が複数の張出し無線装置RRE1、RRE2の送信アンテナを用いてMIMO伝送を行う場合、ストリーム間の受信電力の差を考慮して再送時のプリコーディングマトリックス情報PMIを決定する構成である。再送とは、受信側(例えば、端末装置UE1)で受信したデータ信号を構成するビットに誤りが検出された後に、送信側(例えば、基地局装置eNB1)が送信したデータ信号を再度受信側に送信することを意味する。
【0097】
本実施形態に係る通信システム1、基地局装置eNB1、張り出し無線装置RRE1、RRE2の構成は、基本的に、第1の実施形態に係る通信システム1、基地局装置eNB1、張り出し無線装置RRE1、RRE2の構成とそれぞれ同様である。以下、第1の実施形態との差異点を主に説明する。
【0098】
本実施形態に係る移動局装置UE3の構成は、第1の実施形態に係る移動局装置UE1は異なる。
図16は、本実施形態に係る移動局装置UE3の構成を示す概略図である。
移動局装置UE3は、受信アンテナ201−1、201−2、受信処理部202−1、202−2、参照信号分離部203−1、203−2、FFT部204−1、204−2、周波数デマッピング部205−1、205−2、信号分離部206、レイヤデマッピング部207、復調部208−1、208−2、伝搬路推定部209、制御情報生成部610、制御情報受信部211、送達確認情報出力部212、復号部213−1、213−2、無線部214、及び送信アンテナ215を含んで構成される。
即ち、移動局装置UE3は、第1の実施形態に係る制御情報生成部210の代わりに制御情報生成部610を備える点が異なる。制御情報生成部610は、伝搬路推定部209から伝搬路毎の伝搬路特性が入力され、復号部213−1、213−2から送達確認信号が入力される。
【0099】
次に、制御情報生成部610の構成について説明する。
図17は、本実施形態に係る制御情報生成部610の構成を示す概略図である。
制御情報生成部610は、制御情報生成部210が備えるプリコーディング決定部303の代わりにプリコーディング決定部701を備える。
プリコーディング決定部701は、伝搬路利得算出部301からストリーム間の受信電力差の代表値が入力され、伝搬路推定部209から伝搬路毎の伝搬路特性が入力され、ランク決定部302からランク情報RIが入力され、復号部213−1、213−2から送達確認信号が入力される。プリコーディング決定部701は、入力されたストリーム間の受信電力差の代表値、伝搬路毎の伝搬路特性、ランク情報RI、送達信号確認信号に基づいてプリコーディングマトリックス情報PMIを生成し、生成したプリコーディングマトリックス情報PMIを制御情報生成部304に出力する。
【0100】
次に、プリコーディング決定部701が行うプリコーディングマトリックス情報PMIを生成する処理について説明する。
図18は、本実施形態に係るプリコーディングマトリックス情報PMIを生成する処理を示すフローチャートである。
(ステップS301)プリコーディング決定部701は、伝搬路利得算出部301からストリーム間の受信電力の代表値が入力され、伝搬路推定部209から伝搬路毎の伝搬路特性が入力され、ランク決定部302からランク情報RIが入力され、復号部213−1、213−2から送達確認信号が入力される。その後、ステップS302に進む。
【0101】
(ステップS302)プリコーディング決定部701は、入力されたランク情報RI及び伝搬路特性に基づいてプリコーディングマトリックス情報PMIを生成する。
プリコーディング決定部701がプリコーディングマトリックス情報PMIを生成する処理は、第2の実施形態に係るプリコーディング決定部501が行うステップS202と同様である。これにより、制御情報生成部610は、通信路容量Cが最大となる候補プリコーディングマトリックスを選択する。その後、ステップS303に進む。
【0102】
(ステップS303)プリコーディング決定部701は、伝搬路利得算出部301から入力されたストリーム間の受信電力差の代表値が予め設定された閾値Γthよりも小さいか否か判断する。プリコーディング決定部701は、ストリーム間の受信電力差の代表値が予め設定された閾値Γthよりも小さいと判断した場合(ステップS303 Y)、ステップS306に進む。プリコーディング決定部701は、ストリーム間の受信電力差の代表値が予め設定された閾値Γthと等しいか、それよりも大きいと判断した場合(ステップS303 N)、ステップS305に進む。
【0103】
(ステップS304)プリコーディング決定部701は、入力された送達確認信号がACK(正常)であるかNACK(再送)であるかを判断する。プリコーディング決定部701は、送達確認信号がNACKである場合(ステップS304 N)、ステップS305に進む。プリコーディング決定部701は、送達確認信号がACKである場合(ステップS304 Y)、ステップS306に進む。
【0104】
(ステップS305)プリコーディング決定部701は、データ信号の初送の際に使用したプリコーディングマトリックスが信号非加算プリコーディングマトリックスであるか否かを判断する。そのために、プリコーディング決定部701は、自部が備える記憶部に、初送のデータ信号に対するプリコーディングマトリックス情報PMIを、対応する送達確認信号がACKとなるまで記憶する。プリコーディング決定部701は、使用したプリコーディングマトリックスが信号非加算プリコーディングマトリックスであると判断した場合(ステップS305 Y)、ステップS307に進む。プリコーディング決定部701は、使用したプリコーディングマトリックスが信号加算プリコーディングマトリックスであると判断した場合(ステップS305 N)、ステップS306に進む。
【0105】
(ステップS306)プリコーディング決定部701は、信号非加算プリコーディングマトリックスを候補プリコーディングマトリックスとして選択する。複数の信号非加算プリコーディングマトリックスがある場合は、プリコーディング決定部701は予め決められている1つの信号非加算プリコーディングマトリックスを候補プリコーディングマトリックスとして選択しても良いし、何れか1つをランダムに選択しても良い。その後、ステップS308に進む。
(ステップS307)プリコーディング決定部701は、ステップS302で選択した候補プリコーディングマトリックスが初送の際に使用したプリコーディングマトリックスと同一か否か判断する。プリコーディング決定部701は、ステップS302で選択した候補プリコーディングマトリックスが初送の際に使用したプリコーディングマトリックスと同一であると判断した場合、その他の信号非加算プリコーディングマトリックスを候補プリコーディングマトリックスとして選択する。その後、ステップS308に進む。
(ステップS308)プリコーディング決定部701は、選択した候補プリコーディングマトリックスを示すプリコーディングマトリックス情報PMIを生成し、生成したプリコーディングマトリックス情報PMIを制御情報出力部304に出力する。その後、処理を終了する。
【0106】
選択された候補プリコーディングマトリックスが信号非加算プリコーディングマトリックスである場合、基地局装置eNB1のプリコーディング部116は、レイヤマッピング部115から入力されたシンボル列をレイヤ間で加算せずに周波数マッピング部117−1、117−2に出力する。これにより、送信アンテナ毎に各ストリームのデータ信号が基地局装置eNB1から移動局装置UE1に送信される。
従って、移動局装置UE1においてストリーム間の受信電力差が顕著である場合に、送信側で信号非加算プリコーディングマトリックスを用いるようになる。もしくは、再送時に異なる信号非加算プリコーディングマトリックスを用いるようになる。これにより伝搬路利得が低い伝搬路で伝送されたストリームの受信信号が検出できずにシステム全体のスループットが低下することが回避される。
【0107】
なお、上述では、移動局装置UE1が備えるプリコーディング決定部701がプリコーディングマトリックス情報PMIを生成する例について説明したが、本実施形態では、これには限られない。本実施形態では、基地局装置eNB1のプリコーディング決定部1115が、ランク決定部1112から入力されたランク情報RIと制御情報出力部1111から入力された制御情報に基づいてプリコーディング決定部701と同様にプリコーディングマトリックス情報PMIを生成してもよい。但し、プリコーディング決定部1115は制御情報から伝搬路毎の伝搬路特性を抽出し、抽出した伝搬路特性に基づいてストリーム間の受信電力差の代表値を算出しておく。また、プリコーディング決定部1115は制御情報から送達確認信号を抽出しておく。
【0108】
従って、本実施形態ではストリーム間の受信電力差に基づいてデータ信号の再送時に用いるプリコーディングマトリックスを決定し、決定したプリコーディングマトリックスを用いてプリコーディングを行う。これにより、MIMO伝送において通信品質や、スループットが向上する。
【0109】
なお、上述した実施形態における基地局装置eNB1、eNB2の一部、例えば、制御情報決定部111、再送制御部112、符号部113、113−1、113−2、変調部114、114−1、114−2、レイヤマッピング部115、プリコーディング部116、周波数マッピング部117−1、117−2、IFFT部118−1、118−2、参照信号多重部119−1、119−2、送信処理部120−1、120−2、参照信号生成部141、張り出し無線装置RRE1、RRE2の一部、移動局装置UE1、UE2、UE3の一部、例えば、受信処理部202−1、202−2、参照信号分離部203−1、203−2、FFT部204−1、204−2、周波数デマッピング部205−1、205−2、信号分離部206、レイヤデマッピング部207、復調部208、208−1、208−2、伝搬路推定部209、制御情報生成部210、610、制御情報受信部211、復号部213、213−1、213−2をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、基地局装置eNB1、eNB2、張り出し無線装置RRE1、RRE2、又は移動局装置UE1、UE2、UE3の一部に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における基地局装置eNB1、eNB2、張り出し無線装置RRE1、RRE2、及び移動局装置UE1、UE2、UE3の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。基地局装置eNB1、eNB2、張り出し無線装置RRE1、RRE2、又は移動局装置UE1、UE2及びUE3の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
【0110】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0111】
1…通信システム、eNB1、eNB2…基地局装置、
111…制御情報決定部、1111…制御情報出力部、1112…ランク決定部、
1113…帯域割当決定部、1114…MCS決定部、
1115、4001…プリコーディング決定部、1116…制御情報生成部、
112…再送制御部、113、113−1、113−2…符号部、114、114−1、114−2…変調部、115…レイヤマッピング部、116…プリコーディング部、
117−1、117−2…周波数マッピング部、118−1、118−2…IFFT部、
119−1、119−2…参照信号多重部、120−1、120−2…送信処理部、
122…通信部、141…参照信号生成部、
RRE1、RRE2…張り出し無線装置、130…通信部、131…無線部、
132…送信アンテナ、133…制御情報受信部、134…受信アンテナ、
UE1、UE2、UE3…移動局装置、201−1、201−2…受信アンテナ、
202−1、202−2…受信処理部、203−1、203−2…参照信号分離部、
204−1、204−2…FFT部、205−1、205−2…周波数デマッピング部、
206…信号分離部、207…レイヤデマッピング部、
208、208−1、208−2…復調部、209…伝搬路推定部、
210、610…制御情報生成部、301…伝搬路利得算出部、302…ランク決定部、
303、501、701…プリコーディング決定部、304…制御情報出力部
211…制御情報受信部、213、213−1、213−2…復号部、214…無線部、
215…送信アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置が送信した複数のストリームの信号を受信する受信処理部と、
前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記送信に係る制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報生成部が生成した制御情報を前記基地局装置に送信する無線部と、
を備えることを特徴とする移動局装置。
【請求項2】
前記制御情報生成部は、前記ストリーム間の電力の差が予め定めた閾値よりも大きい場合、前記移動局装置が受信するストリームの数であるランクを、より低い値とすることを表す情報を含む制御情報を生成することを特徴とする請求項1記載の移動局装置。
【請求項3】
前記制御情報生成部は、前記ストリーム間の電力の差に基づいて、前記ランクの下げ幅を定めることを特徴とする請求項2記載の移動局装置。
【請求項4】
前記制御情報生成部は、前記ストリーム間の電力の差が予め定めた閾値よりも大きい場合、前記移動局装置が前記複数のストリームの信号の加算を行わない非加算プリコーディングマトリックスを表す情報を含む制御情報を生成することを特徴とする請求項1記載の移動局装置。
【請求項5】
前記制御情報生成部は、前記受信処理部が前記複数のストリームの信号のいずれかで誤りを検出した場合、前記非加算プリコーディングマトリックスとは異なる非加算プリコーディングマトリックスを表す情報を含む制御情報を生成することを特徴とする請求項4記載の移動局装置。
【請求項6】
複数の送信アンテナに接続された基地局装置であって、
複数のストリームの信号を多重化して前記複数の送信アンテナから移動局装置に送信し、前記移動局装置への伝搬路情報を受信する通信部と、
前記通信部が受信した伝搬路情報に基づいて算出した前記移動局装置が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差を用いて、前記複数のストリームの信号の送信を制御する制御情報を決定する制御情報決定部と、
を備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項7】
複数のストリームの信号を受信する受信処理部と、前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記複数のストリームの信号の送信に係る制御情報を決定する制御情報決定部と、を備えることを特徴とする制御信号生成装置。
【請求項8】
移動局装置と複数のストリームの信号を送信する基地局装置を備える通信システムであって、
前記移動局装置は、
前記基地局装置が送信した複数のストリームの信号を受信する受信処理部と、
前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記送信に係る制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報生成部が生成した制御情報を前記移動局装置に送信する無線部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項9】
移動局装置と、複数の送信アンテナに接続された基地局装置を備える通信システムであって、
前記基地局装置は、
複数のストリームの信号を多重化して前記複数の送信アンテナから前記移動局装置に送信し、前記移動局装置への伝搬路情報を受信する通信部と、
前記通信部が受信した伝搬路情報に基づいて算出した前記移動局装置が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差を用いて、前記複数のストリームの信号の送信を制御する制御情報を決定する制御情報決定部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項10】
前記複数の送信アンテナのうち少なくとも1つは、前記基地局装置と有線で接続された張り出し無線装置が備える送信アンテナであることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
基地局装置が送信した複数のストリームの信号を受信する受信処理部と、制御情報を前記基地局装置に送信する無線部と、を備える移動局装置における送信方法であって、
前記移動局装置は、前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記送信に係る前記制御情報を生成する過程を有する、
ことを特徴とする送信方法。
【請求項12】
複数のストリームの信号を多重化して前記複数の送信アンテナから移動局装置に送信し、前記移動局装置への伝搬路情報を受信する通信部を備え、複数の送信アンテナに接続された基地局装置における送信方法であって、
前記基地局装置が、前記通信部が受信した伝搬路情報に基づいて算出した前記移動局装置が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差を用いて、前記複数のストリームの信号の送信を制御する制御情報を決定する過程を、
有することを特徴とする送信方法。
【請求項13】
複数のストリームの信号を受信する受信処理部を備える通信装置における制御情報生成方法であって、前記通信装置は、前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記複数のストリームの信号の送信に係る制御情報を生成する過程を有することを特徴とする制御信号生成方法。
【請求項14】
基地局装置が送信した複数のストリームの信号を受信する受信処理部と、制御情報を前記基地局装置に送信する無線部と、を備える移動局装置のコンピュータに、
前記受信処理部が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差に基づいて前記送信に係る前記制御情報を生成する手順を、
実行させることを特徴とする送信プログラム。
【請求項15】
複数のストリームの信号を多重化して前記複数の送信アンテナから移動局装置に送信し、前記移動局装置への伝搬路情報を受信する通信部を備え、複数の送信アンテナに接続された基地局装置のコンピュータに、
前記基地局装置が、前記通信部が受信した伝搬路情報に基づいて算出した前記移動局装置が受信した信号の前記ストリーム間の電力の差を用いて、前記複数のストリームの信号の送信を制御する制御情報を決定する手順を、
実行させることを特徴とする送信プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−58876(P2013−58876A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195454(P2011−195454)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】