説明

移動度を有するように設計されたエレクトロルミネセントデバイス

【課題】簡易化した工程で製造される新規かつ簡単なELデバイスの構造を提供する。
【解決手段】ELデバイスは、半導体構造、第1の電極及び第2の電極を備える。半導体構造は、第1の移動度を有する第1の高移動度半導体層、第2の移動度を有する第2の高移動度半導体層、及び第1の高移動度半導体層と第2の高移動度半導体層との間に形成され、第1の移動度及び第2の移動度未満の第3の移動度を有する低移動度半導体層を有する。半導体構造は、第1の高移動度半導体層、第2の高移動度半導体層及び/又は低移動度半導体層にEL半導体材料を有する。第1の電極は、半導体構造の第1の高移動度半導体層に接続される。第2の電極は、半導体構造の第2の高移動度半導体層に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体材料を用いて移動度を有するように設計された構造を含むエレクトロルミネセント(EL)半導体デバイスに関する。このような移動度を有するように設計された構造は、さまざまなEL半導体デバイスに改良された機能を与える。特に、有機ELデバイスの光学的出力が増大される。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)は、数多くの製品に利用される可能性がある面白い技術である。しかしながら、このようなデバイスは、広範囲に利用されるために克服する障害を数多くまだ有している。
【0003】
広範囲な取り組みの中で、高性能なデバイスの開発が着目されている。ヘテロ結合の導入が開示され、C.W.Tang及びS.A.VanSlyke(Appl.Phys.Lett.51,913(1987))によってOLEDの発光効率が著しく改良されている。ヘテロ結合を有するOLEDは、例えば2つの電極の間に差し込まれた非晶質有機薄膜の多層構造によって大抵構成される。従来、デバイス構造は、正孔注入層(HIL)、正孔搬送層(HTL)、発光層(EML)、電子搬送層(ETL)、及び電子注入層、並びにITO又は他の透明伝導カソード、及びアノード(例えば、ITO/HIL/HTL/EML/ETL/EIL/カソード構造)からなる。HTLは、最高被占分子軌道(HOMO)及びETLの最低空分子軌道(LUMO)と比べて高い最低空分子軌道(LUMO)を有する。従来、正孔は、アノードからHTLのHOMOに注入される。一方、電子は、カソードからETLのHOMOに注入される。このようなヘテロ結合を有するOLEDの構造において、固有の障壁は、正孔に対するHOMOELTとHOMOHLTとの間の差及び電子に対するLUMOHLTとLUMOELTとの間の差のために、注入キャリアを固定させる。
【0004】
EMLは、HTLとELTとの間に差し込まれているので、固有の障壁は、EMLに電子及び正孔を閉じ込める。発光効率を増大するために、ドープ塗料を塗った有機薄膜のエレクトロルミセンス(J.Appl.Phys.65,3610(1989))に関してC.W.Tang,S.A.VanSlyke及びC.H.Chenによって記載されているように、強い蛍光を発する有機染料とともにドープ塗料をEMLに塗る。
【0005】
また、例えば正孔/電子ブロッキング層のような層を追加挿入することは、青色有機発光ダイオード(Jpn.J.Appl.Phys.38,5274(1999))に関してY.Kijima,N.Asai及びS.Yamuraによって記載され、また、電子ブロッキング層としてデオキシリボ核酸錯体を用いて有機発光ダイオードにおける放出効果の増強(Appl.Phys.Lett.88,171109(2006))に関してJ.A.Hagen,W.Li,A.J.Steckl及びJ.G.Groteによって記載されているように、このようなOLED構造の中に組み込まれた障壁の効果を高め、再結合するために正孔/電子をEML内に閉じ込める。また一方、ヘテロ結合の接合部分は、ヘテロ結合の接合部分に沿って配置された高局所電場の存在のために、デバイスに不安定度を招くことが知られている。このような潜在的な問題点は、双極輸送層を備える有機発光ダイオード(Appl.Phys.Lett.75,172(1999))に関してV.−E.Choong,S.Shi,J.Curless,C.−L.Shieh,H.−C.Lee,J.Shen及びJ.Yangによって記載され、また、フッ化リチウムでドープ塗装して信頼性を向上させた双極輸送有機発光ダイオード(Appl.Phys.Lett.76,958(2000))に関してV.−E.Choong,S.Shi,J.Curless及びF.Soによって記載されて検討されている。それ故に、EMLの境界の近くで蓄積する過剰のキャリアは、低分子に基づいた青色有機発光ダイオードの分解構造(Science 283,1900(1999))に関してH.Aziz,Z.D.Popovic,N.X.Hu,A.M.Hor及びG.Xuによって記載され、また、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムに基づいた青色有機発光ダイオードの同時エレクトロルミセンス及びフォトルミセンスの老化の調査(J.Appl.Phys.89,4673(2001))に関してZ.D.Popovic,H.Aziz,N.X.Hu,A.Ioannidis及びP.N.M.dosAnjosによって記載されているように、有機材料の固有の分解の原因となる。
【0006】
このような過剰の電荷の蓄積を解消する取り組みとしては、EMLに電荷搬送材料を組み入れて、1つのEMLの代わりにEML−HTL−ETLの共同ホストエミッタ(CHE)を形成する。結果として、形成されたOLEDデバイスの構造は、ITO/HIL/HTL/EML:HTL:ETL/ETL/EIL/カソードである。このような構造は、H.Aziz,et al(Science 283,1900(1999))、Z.D.Popovic,et al(J.Appl.Phys.89,4673(2001))、A.B.Chwang,R.C.Kwong及びJ.Brownによる段階的な混合層を備える有機発光デバイス(Appl.Phys.Lett.80,725(2002))、T.−H.Liu,C.−Y.Iou及びC.H.Chenによる共同ホストエミッタシステムに基づくドープ塗料が塗られた赤色有機エレクトロルミセンスデバイス(Appl.Phys.Lett.83,5241(2003))、S.W.Liu,C.A.Huang,J.H.Lee,K.H.Yang,C.C.Chen及びY.Changによる青色混合ホスト有機発光デバイス(Thin Solid Films 453,312(2004))、及びH.Kanno,Y.Hamada及びH.Takahashiによるフルカラー表示用の高い安定性及びドープ塗料を塗ることによる発光効率を備えるOLEDの開発(IEEE J.Select.Topics Quantum.Elect.10,30(2004))のように多くの著者らによって記載されている。このようなCHEシステムにおいて、EMLだけのデバイスに比べて、複雑化したドープ塗料を塗る機構(1つのドーパントを備える2つのホスト)及び複雑化した組み立て工程が色調整のために概して利用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、結果として、このような層構造は、複雑化したドープ塗料を塗る機構(1つのドーパントを備える2つのホスト)及び複雑化した組み立て工程並びに潜在的な低安定なデバイスにつながる。それ故に、簡易化した工程を用いて製造された典型的なOLEDデバイスの構造が要求されている。本発明は、OLED及び無機ELデバイスを含む他のEL半導体デバイスに用いられる新規でしかも簡単なELデバイス構造を用いて、上述の要求を満たすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の典型的な実施形態は、半導体構造、第1の電極及び第2の電極を備えるエレクトロルミセンス(EL)デバイスである。半導体構造は、第1の移動度を有する第1の高移動度半導体層、第2の移動度を有する第2の高移動度半導体層、及び第1の高移動度半導体層と第2の高移動度半導体層との間に形成された低移動度半導体層を有する。低移動度半導体層は、第1の移動度及び第2の移動度未満の第3の移動度を有する。半導体構造は、第1の高移動度半導体層、第2の高移動度半導体層及び/又は低移動度半導体層にEL半導体材料を有する。第1の電極は、半導体構造の第1の高移動度半導体層に接続される。第2の電極は、半導体構造の第2の高移動度半導体層に接続される。
【0009】
本発明の別の典型的な実施形態は、半導体構造、第1の電極及び第2の電極を備えるエレクトロルミセンス(EL)デバイスである。半導体構造は、第1の移動度を有する高移動度半導体層及び高移動度の半導体層の上に形成された低移動度半導体層を有する。低移動度半導体層は、第1の移動度未満の第2の移動度を有する。半導体構造は、高移動度半導体層及び/又は低移動度半導体層にEL半導体材料を有する。第1の電極は、半導体構造の高移動度半導体層に接続される。第2の電極は、半導体構造の低移動度半導体層に接続される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
添付の図面に関連する部分を読むことで、下記の詳細な説明から本発明を理解することができる。通常、図面のさまざまな特徴は、縮尺どおりではない。一方、さまざまな特徴の寸法は、明瞭化のため適宜に、拡大縮小される。
【0011】
本発明の典型的な実施形態は、移動度を有するように設計された有機発光ダイオード(OLED)を含むエレクトロルミセンスデバイスの性能を改良するために従来の方法の代替法を含む。このような代替法によれば、ヘテロ結合を形成することなく及び染料とともに有機半導体材料にドープ塗料を塗ることなく、電荷を効果的な再結合のために制限することができる。本発明の多くの典型的な実施形態がOLEDに関して本明細書に記載されているが、他のEL半導体デバイスは、本発明に関する典型的な移動度を有するように設計された半導体構造を用いることで利益を得ることができる。このような典型的なEL半導体デバイスは、有機及び/又は無機半導体レーザ、及びEL要素を備える集積回路を含む。
【0012】
発光ダイオードは、第1と第2の電極との間に挟み込まれた半導体で形成される。電極の間に順方向バイアスを印加すると、電子は、典型的にはカソードと呼ばれる一方の電極から注入され、正孔は、典型的にはアノードと呼ばれる他方の電極から注入される。半導体に注入されたキャリアは、半導体を通過して、反対の極性のキャリアと再結合し、発光する。典型的なデバイスにおいて、再結合工程の効率を改良するために、接合点が一方の伝導型及び他方の伝導型(例えばn型及びp型)の半導体から形成される。この接合点で、エネルギー障壁は、電子及び正孔の流れを著しく妨げる。キャリアの集団数を増大させた結果、キャリアの再結合が増大され、効果的にデバイスを改良することができる。
【0013】
本発明の典型的な実施形態において、1つの半導体構造に低移動度部分を含む半導体構造は、キャリアの流れを著しく遅くしてキャリアの集団数を増加させ、放射性再結合するために利用される。典型的な実施形態で用いられる有機半導体は、双極又は両極性の特徴を有することが望ましい。
【0014】
双極の有機体のホストは、ヘテロ結合を有するOLEDに導入された主要な電荷搬送層の正孔及び電子を置き換えるために用いられる。このようなホスト層は、1つの双極の有機材料又は共同ホストのような双極の有機複合材料で形成される。このような典型的なOLEDデバイスの発光領域は、ホスト層の一部にドープ塗料を塗る又は塗らないによって形成され、ホストの移動度(例えば、伝導率)を低くする。共同ホストのような複合材料の場合、2つの有機半導体分子は、電荷トラップを減らすために最高被占分子軌道(HOMO)及びETLの最低空分子軌道(LUMO)の両方を有する。移動度を有するように設計された双極の有機ホストのシステムのコンセプトは、再結合を高めるためにキャリアを閉じ込めるだけでなく、ホストの電子と正孔の移動率を調整することに適用できる。このような一様なOLED構造は、過剰のキャリアがヘテロ結合に集結されるよりむしろ双極の有機ホストを通って分散されるので、有機層の固有の分解を低減すると考えられる。
【0015】
また、双極の有機半導体層とともに形成されたOLEDは、特定の電極と結合する場合、AC駆動を促す。AC駆動は、デバイスの寿命及びキャリア注入を高める。デバイスの動作中、OLEDの寿命は、発光材料(例えば、有機半導体構造)の劣化及び発光材料への電荷注入の低下の影響を受ける。
【0016】
例えば、リン光を発する材料にドープ塗料が塗られたOLEDデバイスの大電流駆動は、ドープ物質における三重項・三重項消滅のために禁じられる。しかしながら、デバイスがACモードで駆動される場合には、より大きな電流でデバイスを駆動することができる。
【0017】
また、蛍光又はリン光を発する材料にドープ塗料が塗られたELデバイスにおいて、DC駆動中、一方又は両方の電極の近くでデバイスに固定電荷を形成するために、アノード及び/又はカソードからの電荷注入が損失されるので、デバイスの性能は低下している。従って、固定電荷は、電荷注入を低減し、電界を排除する。それ故、デバイスがDCモードで駆動される場合には、好ましい駆動を保持するのに必要な駆動電圧は、時間とともに次第に増大する。
【0018】
しかしながら、ACモードでの駆動は、このような問題を減らす可能性がある。AC又はパルスモードを用いることで、アノード又はカソードの表面の近くで電子の蓄積が制御又は除去される。この結果、デバイスへの電荷注入が改良されることになる。例えば、カソードから注入された過剰の電荷がアノードの表面近くで蓄積される場合には、正孔注入は、有機半導体から電子を排除するために電界を逆にすることによって改善される。同様に、アノードから注入された過剰の正孔がカソードの表面の近くで蓄積される場合には、電荷注入は、電界を逆にすることによって改善される。AC源の波形は、矩形波又は正弦波に限定されるのではなく、デバイスの形状又はデバイスに用いられる半導体材料に基づいて、デバイスの性能を実質的に最適化するために選択される。
【0019】
また、AC又はパルスモード駆動は、発光色又は本発明に関する典型的なELデバイスの機能を調整するために用いられる。例えば、ELの発光材料が1種類以上のEL半導体材料(異なる波長を出す)を含む場合には、これらの材料は、通常、蛍光寿命が異なっている。AC又はパルスモード駆動を用いると、異なるEL半導体材料からの発光率を選択的に変更することができる。
【0020】
また、AC又はパルスモード駆動は、本発明に関する典型的な薄膜トランジスタ(TFT)構造に用いられる。例えば、ソースドレイン間電流が変調DC源(例えば、ACを加えたDC成分、又はパルス成分)である場合には、インターフェイスは、AC成分に応答し、ACモードにおける電荷注入/輸送の異なる応答ために、TFTの特徴である追加調整をすることができる。
【0021】
図1は、本発明の典型的なEL半導体デバイスを示す。このような典型的なEL半導体デバイスは、基材100、半導体構造104、及び電極102及び112を備える。図3の典型的な実施形態に示されるように、本発明の典型的な実施形態において、基材を形成させる必要はない。半導体構造自信がデバイスに対して十分な構造的な支柱を備えていてもよい。このような構造は、極度に軽量及び/又は柔らかい有機ELデバイスを形成するのに特に望ましい。
【0022】
基材100は、ガラス、プラスチック、金属、半導体又はセラミック基板の材料を含む有機又は無機半導体製造に典型的に用いられる基材で形成される。電極材料の作業機能が半導体構造104の材料と適合する限り、電極102及び112は、従来知られている電極材料で形成されていてもよい。また、電極材料は、半導体構造104の材料と化学的に反応しない。多重層電極構造が用いられる。特に、AC駆動が望ましい場合には、電極102及び112は、同じ材料で形成されることが望ましい。しかしながら、主としてDC駆動が望ましい場合には、電極の材料は、一方の電極から正孔及び他方の電極から電子を優先的に注入するように選択される。
【0023】
電極102は、基材100から分離し、基材100と半導体構造104との間に位置した要素として図1に示されている。また一方で、図1は、説明する目的だけであり限定されるものではない。例えば、基材100が実質的に導体材料である場合、又は基材100の一部にドープ塗料が塗られた基材100の一部である場合、基材100が非導体材料である場合、電極102は、基材100から形成されていてもよい。また、電極102が半導体構造104の第1の高移動度半導体層106と接続している限り、電極102は、基材100を半導体構造104から分離する必要がない。例えば、電極102は、第1の高移動度半導体層106の端部に接続されていてもよい。
【0024】
半導体構造104を構成する層の少なくとも1つは、EL半導体材料を含んでいることが望ましい。また、電極102は、例えばITOのような光透過型導体で形成されていることが望ましい。この場合、電極102は、例えば、金、銀、アルミニウムなどのような反射性が高い材料で形成されていることが望ましい。あるいは、基材100及び/又は電極102は、実質的に光透過型導体で形成され、電極112は、反射性が高い材料で形成されている。電極102及び112の両方が、実質的に反射性が高い材料で形成されている場合には、形成された典型的なEL半導体デバイスは、共鳴空洞のLED又はOLED、又は垂直空洞レーザを基礎にした半導体である。
【0025】
移動度を有するように設計された半導体構造104は、第1の高移動度半導体層106、低移動度半導体層108、及び第2の高移動度半導体層110を有する。これらの3層の全ては、半導体材料で形成されている。無機半導体材料又は低分子、オリゴマー、及び/又はポリマー有機半導体材料が用いられる。本発明の多くの典型的な実施形態において、半導体構造104を構成する3つの層の全てが同じ半導体材料で形成されていることが望ましい。半導体材料にドープ塗料を塗る又は損傷を与えるあらゆる方法は、低移動度半導体層108を形成する半導体材料の一部の移動度を低減するために利用される。有機半導体材料の場合には、この半導体層にかさ高な基を加えて、移動度を低くする。低移動度半導体層108を形成する半導体材料にドープ塗料を塗る又は損傷を与える典型的な方法は、後述する図6及び図7の典型的な方法に関して詳細に記載されている。また一方で、半導体構造104を構成するあらゆる層が望ましい移動度を実現するために異なる半導体材料で形成される。
【0026】
図6に関して後述するように、有機半導体構造は、1つ以上の薄膜の有機半導体層で形成される。薄膜の有機半導体層は、例えばCVD、LACVD又はMOCVDのような真空蒸着技術を利用して、基材100及び/又は電極102に堆積させる。典型的には、このような薄膜の有機半導体層は、オリゴマー又はポリマー有機半導体材料で形成する方が好ましいけれども、低分子有機半導体材料で形成される。
【0027】
本発明の他の典型的な実施形態において、図7に関して後述するように、有機半導体構造は、スピン・コーティング、印刷又は有機半導体層を形成する他の技術を利用して、基材100及び/又は電極102の表面に形成された2つ以上の薄膜の有機半導体層を含む。
【0028】
あるいは、自己集合性ブロック共重合体の材料が半導体構造を形成するために用いられていてもよい。このような自己集合性ブロック共重合体の材料が形成され、その結果、各高分子化合物のらせん構造は、図1に示される半導体構造104の3つの層に対応する3つの区分を含んでいる。有機半導体構造を形成する典型的な方法は、後述する図8の典型的な方法に関連して詳細に記載されている。
【0029】
多数の無機半導体構造を形成する典型的な方法が当技術分野で周知である。
【0030】
第1の高移動度半導体層106の半導体材料は、第1の移動度を有し、第2の高移動度半導体層110の半導体材料は、第2の移動度を有する。このような両方の移動度は、半導体構造104を通ってキャリアを著しく伝導することができるのに十分であることが望ましい。また、このような移動度は、低移動度半導体層108より必ず高い。数多くの典型的な本実施形態において、第1の高移動度半導体層106及び第2の高移動度半導体層110は、同じ半導体材料で形成され、同じ移動度を有していることが望ましい。また一方、他の典型的な実施形態において、図3の典型的な実施形態のように、このような層が異なる移動度を有していることが望ましい。
【0031】
高移動度半導体層106及び110の移動度の低移動度半導体層108の移動度に対する比は、少なくとも2であることが望ましい。また一方、このような比は、あらゆる層の厚み及び低移動度半導体層108内でのキャリアの望ましい寿命に依存して、10、100、1000、10000又はそれ以上であってもよい。
【0032】
上述のように、半導体構造104の第1の高移動度半導体層106及び第2の高移動度半導体層110は、双極の有機半導体材料を有していることが望ましい。このような層は、単種類の双極の有機半導体材料又は異種類で混合された双極の有機半導体材料で形成されていることが望ましい。また、双極の有機半導体材料は分極していることが望ましい。半導体構造104を形成するために双極の有機半導体材料を用いることで、デバイスをAC駆動することができる。双極の有機半導体材料の利用、特に分極性双極の有機半導体材料の利用により、係属中の米国特許出願11/091,088号明細書に開示されているEL半導体デバイスに類似して、このような明細書を参照することにより本明細書に盛り込まれる移動度を有するように設計された半導体構造を備える耐故障のEL半導体デバイスを形成することができる。
【0033】
あるいは、高移動度半導体層106及び110の一方又は両方は、p型の有機半導体材料又はn型の有機半導体材料を含む。この場合には、低移動度半導体層108は、本来備わっている半導体層と類似した機能をするのに十分な低い移動度を有している。その結果、半導体構造104は、P−I−N、P−I−P又はN−I−N型の接合と類似した機能を果たす。
【0034】
本発明に関する典型的な半導体構造は、広範囲にわたって厚みが異なっているけれど、約90nmの厚さ及び約150nmの厚さの有機半導体構造を備える試験OLEDデバイスは、本発明者によって製造される。このような試験OLEDデバイスにおける低移動度有機半導体層は、約30nmの厚みであった。また一方、このような次元は例示だけで、高移動度有機半導体層及び低移動度有機半導体層の両方の厚みは、本発明に関する典型的な有機半導体構造における有機半導体構造の伝導度及びキャリアの寿命を制御するために変更される。
【0035】
また、図1の典型的な本実施形態において、第1の高移動度半導体層106は、第2の高移動度半導体層110の厚みとほぼ同等に示されている。このような対称は、典型的なEL半導体デバイスのAC駆動にとって望ましい。また一方、図3の半導体構造300で図示されるように、このような対称は、本発明の特徴に必ずしも必要ではない。本発明の数多くの本実施形態において、このような対称は、半導体構造300を構成する層の正孔及び電子の移動度が異なり、及び/又は半導体構造300を構成する層にドープ塗料を塗っているために、低移動度半導体層内での電子及び正孔の望ましい比率の達成を助けるために望ましい。
【0036】
また、図3の典型的な実施形態は、電子(又は正孔)ブロッキング層302及び304を半導体構造300に含む。このようなブロッキング層は、第1又は第2の高移動度半導体層106又は110と低移動度半導体層108との間に形成される。このように形成されたブロッキング層は、当技術分野で周知である。図3の典型的な実施形態において、このようなブロッキング層は、特にDC駆動中、低移動度半導体層108内に閉じ込められたキャリアを改良するのに役立つ。例えば、図3の典型的なEL半導体デバイスが電極112から電極102に電流を流す場合、ブロッキング層302は、低移動度半導体層108内で電極112から半導体構造300に注入され閉じ込められたキャリアを改良するための正孔ブロッキング層であることが望ましく、また、ブロッキング層304は、低移動度半導体層108内で電極102から半導体構造300に注入され閉じ込められた電子を改良するための正孔ブロッキング層であることが望ましい。低移動度半導体層108内でキャリアを閉じ込めて改良することは、電荷の再結合を改良することが望ましい。低移動度半導体層108内で改良され閉じ込められた1種類のキャリアが望ましいものである場合には、典型的な半導体構造300において、1種類のブロッキング層を含んでいることが望ましい。適切な電子及び/又は正孔ブロッキング層の構造は、半導体構造300を形成する材料に依存する。また一方、当業者は、適切な電子ブロッキング層又は正孔ブロッキング層を形成する方法を理解できる。
【0037】
上述のように、図3の典型的な実施形態は、基材を含んでいない。しかしながら、当業者は、基材が必要である場合には、このような典型的な実施形態に基材が追加され、付加的に構造上の支持を構成する。
【0038】
図2は、本発明の他の典型的な実施形態を示す。このような典型的な実施形態において、半導体構造200は、横の方への構造で配置され、第1の高移動度半導体層106、低移動度半導体層108及び第1の高移動度半導体層110は、基材100の表面に並んで形成される。電極102及び112は、半導体構造200の対辺に形成される。その結果、半導体構造200の上面全体、及び低移動度半導体層108の上面全体を露出している。このような典型的な構造は、EL半導体デバイスに対して特に望ましい。低移動度半導体層108の上面全体を露出していることは、図2の横の方への構造で配置された典型的なEL半導体デバイスによって生じた光を伝えるための一方又は両方の電極102及び112の必要がなくなる。
【0039】
図2の典型的な有機半導体デバイスは、ゲート電極202及びゲート絶縁膜204をさらに含む。ゲート電極202は、ゲート絶縁膜204を通って有機半導体構造200に電気的に接続されている。従って、図2の典型的な半導体デバイスは、薄膜のトランジスタ(TFT)として機能する。ゲート電極202は、基材100の一部にドープ塗料が塗られて、続いて絶縁層を堆積させて、ゲート電極202を形成するためにドープ塗料が塗られた基材100の少なくとも一部の上方にゲート絶縁膜204を形成することで、基材100に形成されるように図2に示されている。また一方、ゲート電極202は、基材100の表面に伝導性の材料を堆積させて形成され、続いてゲート電極202の上方にゲート絶縁膜204が形成されていてもよい。あるいは、ゲートは、ゲート絶縁膜204を形成するために半導体構造200において少なくとも低移動度半導体層108に絶縁層を堆積させて形成され、続いて、ゲート絶縁膜204に伝導性の材料を堆積させてゲート電極202を形成する。
【0040】
ゲート電極202は、典型的なEL半導体デバイスによって放たれた光の強度を制御するために利用され、又は典型的なEL半導体デバイス用の電子スイッチとして作動する。あるいは、ゲート電極202は、典型的なEL半導体デバイスによって放たれた光の波長を制御するために利用される。
【0041】
図5は、本発明に関する他の典型的なEL半導体デバイスを示す。このような典型的な実施形態は、お互いの上面に積み重ねられた3つの半導体構造104、500及び510を含む。半導体構造104及び500は、電極112によって分離され、半導体構造500及び510は、電極508によって分離される。半導体構造500は、第3の高移動度半導体層502、第2の低移動度半導体層504及び第4の高移動度半導体層506を含む。半導体構造510は、第5の高移動度半導体層512、第3の低移動度半導体層514及び第6の高移動度半導体層516を含む。
【0042】
このように多層に有機半導体層を積み重ねることは、典型的なEL半導体デバイスの効果を増大させるのに有用である。ある実施形態のみにおいて、電極102及び508は、電源に接続され、電極102及び508は、「電流を流す」ことができる。その結果、3つの半導体構造の全ては、調和して動作する。あるいは、電極102及び508は、電源に接続され、各半導体構造が個別に動作しもよい。典型的なEL半導体デバイスにおいて、多層の有機半導体層は、EL材料を含み、例えば赤、青及び緑などのように異なる発光色を生じる。このような構造にすることで、小型で、知覚可能な色であり重要な部分にわたって変更調整されるカラー画素を製造することができる。このような画素は、カラー表示装置に有用である。また、このような構造にすることで、典型的なEL表示及び光源は単位面積あたりの光をより多く放つことができる。弱い光出力が有機EL材料に対して従来から課題であったように、単位面積あたりの光をより多く生じる又は放つ能力は、有機ELデバイスの場合に有用である。
【0043】
図5の典型的なEL半導体デバイスは、3つの半導体構造を含んで示されているが、半導体構造の数は、単なる例示であり、限定するものではない。
【0044】
図4は、他の典型的なEL半導体デバイスを示し、このような典型的なEL半導体デバイスにおいて、低移動度半導体層108が半導体構造400の一面をずっと移動させられる。その結果、半導体構造400は、高移動度半導体層を1つ含む。その他の点では、図4の典型的な実施形態は、本発明の他の典型的な実施形態のように同じ方法で形成される。電気的には、典型的な半導体構造400は、MOSダイオードの構造と同様である。
【0045】
また、図4の典型的な半導体構造400は、図2の典型的な実施形態と類似した横の方への構造で形成されてもよい。あるいは、典型的なEL半導体デバイスは、基材100を用いないで形成されていてもよく、この場合、「積み重ねられた」又は「横に並べられた」構造の区別はなくなる。
【0046】
図6、図7及び図8は、本発明に関するEL有機半導体デバイスを形成する典型的な方法を示す。
【0047】
図6の典型的な方法は、析出技術を用いてEL有機半導体デバイスを形成する方法を含む。ステップ600において、基材が供給される。ステップ602において、ベース有機半導体層が基材の表面に堆積される。有機半導体に利用される標準の析出技術のいずれかが用いられる。基材は、堆積室に配置され、複数の堆積条件が所定の値に設定されて、好ましい移動度を有するベース有機半導体層を選択的に堆積させる。その結果、ベース有機半導体層は、基材の表面に堆積される。特定の条件及び設定は、選択された析出技術に依存し、固有の有機半導体が堆積される。
【0048】
ステップ604において、低移動度有機半導体層は、ベース有機半導体層に堆積される。低移動度有機半導体層は、ステップ602において堆積されたベース有機半導体層の移動度未満の移動度を有する。低移動度有機半導体層の移動度を減らす手段の1つは、低い移動度を有する別の有機半導体材料を堆積させる。あるいは、ステップ602における堆積条件の設定を少なくとも1つが、低い移動度の有機半導体層を堆積させるためにリセットされてもよい。堆積条件をリセットする例は、基材の温度を変更する、基材に加えられる機械的応力を変更する、基材に加えられる機械的振動を変更する、堆積室の外部電場を変更する、堆積室の外部磁場を変更する、有機半導体材料の堆積比率を変更する、堆積室の気体の圧力(例えば、真空度)を変更する、及び基材の表面に対する有機半導体材料の堆積距離を変更する、を含む。低い移動度の有機半導体層の移動度を減らす手段の他は、低い移動度の有機半導体層の有機半導体材料にドープ塗料を塗ることである。このようなドープ塗料を塗ることは、例えば同時蒸着のような方法による低い移動度の有機半導体の形成中に行われる。酸素又は水蒸気は、このようなドープ塗料を塗ることを仕上げるために用いられる。
【0049】
形成された典型的なEL有機半導体デバイスが図4の典型的な実施形態に基づく場合には、ステップ606において、第1及び第2の電極が形成される。第1の電極は、ベース有機半導体層に電気的に接続され、第2の電極は、低い移動度の有機半導体層に電気的に接続される。
【0050】
その他の点では、最上の有機半導体は、電極が形成される前に低い移動度の有機半導体層に堆積される。最上の有機半導体は、低い移動度の有機半導体層の移動度より大きい移動度を有し、ベース有機半導体層の移動度と同等であることが望ましい。次に、第2の電極は、最上の有機半導体に接続され、最上の有機半導体を通って低い移動度の有機半導体層に電気的に接続される。
【0051】
図7の典型的な方法は、スピン・コート技術を用いてEL有機半導体デバイスを形成する方法を含む。ステップ700において、基材が供給される。ステップ702において、ベース有機半導体層が基材の表面に回転塗布される。ステップ704において、ベース有機半導体層の一部は、ベース有機半導体層の移動度未満の移動度を有する低い移動度の有機半導体層を形成するために変更される。数多くの方法を用いて、ベース有機半導体層の一部を変更するために用いられ、このような方法は、ベース有機半導体層の一部に溶剤又はガスを加える工程、ベース有機半導体層の一部に光又は粒子線放射を照射する工程、及びベース有機半導体層の一部にプラズマを当てる工程を含んでいる。
【0052】
形成された典型的なEL有機半導体デバイスが図4の典型的な実施形態に基づく場合には、ステップ706において、第1及び第2の電極が形成される。第1の電極は、ベース有機半導体層と電気的に接続し、第2の電極は、低い移動度の有機半導体層と電気的に接続する。
【0053】
その他の点では、最上の有機半導体は、電極が形成される前に低い移動度の有機半導体層に回転塗布される。最上の有機半導体は、低い移動度の有機半導体層の移動度より大きい移動度を有し、ベース有機半導体層の移動度と同等であることが望ましい。次に、第2の電極は、最上の有機半導体に接続され、最上の有機半導体を通って低い移動度の有機半導体層に電気的に接続されている。
【0054】
図8の典型的な方法は、自己集合性ブロック共重合体技術を用いてEL有機半導体デバイスを形成する方法を含む。ステップ800において、基材が供給される。ステップ802において、自己集合性ブロック共重合体を基材の表面に塗り付ける。このような自己集合性ブロック共重合体は、好ましい移動度を有するように設計された有機半導体構造を形成するために設計される。
【0055】
ステップ804において、第1及び第2の電極が形成され、これら電極は、移動度を有するように設計された有機半導体構造の対辺に電気的に接続される。
【0056】
本発明は、図示され、本実施形態に関して本明細書に記載されているが、詳細に示されたものに限定されるものではない。もっと正確に言えば、様々な改良は、特許請求の範囲と同等の範囲内で、本発明から逸脱することなく詳細に行われる。特に、本実施形態で具体的に説明された多くの特徴を組み合わせて、本発明で具現化された典型的なEL半導体デバイスをさらに形成することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明に関する移動度を有するように設計された半導体構造を備える典型的なEL半導体デバイスを示す側面図である。
【図2】図2は、本発明に関する移動度を有するように設計された半導体構造を備える別の典型的なEL半導体デバイスを示す側面図である。
【図3】図3は、本発明に関する移動度を有するように設計された半導体構造を備えるまた別の典型的なEL半導体デバイスを示す側面図である。
【図4】図4は、本発明に関する移動度を有するように設計された半導体構造を備えるさらにまた別の典型的なEL半導体デバイスを示す側面図である。
【図5】図5は、本発明に関する移動度を有するように設計された半導体構造を備える典型的な多層EL半導体デバイスを示す側面図である。
【図6】図6は、本発明に関する移動度を有するように設計された有機半導体構造を備える典型的な有機EL半導体デバイスの典型的な製造方法を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明に関する移動度を有するように設計された有機半導体構造を備える別の典型的な有機EL半導体デバイスの典型的な製造方法を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明に関する移動度を有するように設計された有機半導体構造を備えるまた別の典型的な有機EL半導体デバイスの典型的な製造方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロルミネセント(EL)デバイスであって、
第1の移動度を有する第1の高移動度半導体層と、
第2の移動度を有する第2の高移動度半導体層と、
上記第1の高移動度半導体層と上記第2の高移動度半導体層との間に形成され、上記第1の移動度及び上記第2の移動度未満の第3の移動度を有する低移動度半導体層とを有する半導体構造を備え、
上記半導体構造は、上記第1の高移動度半導体層、上記第2の高移動度半導体層、又は上記低移動度半導体層の少なくとも1つにEL半導体材料を有し、
上記半導体構造の上記第1の高移動度半導体層と接続する第1の電極と、
上記半導体構造の上記第2の高移動度半導体層と接続する第2の電極とをさらに備えるエレクトロルミネセント(EL)デバイス。
【請求項2】
上記半導体構造は、自己集合性ブロック共重合体の有機半導体材料で形成される、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項3】
上記半導体構造は、無機半導体材料、低分子有機半導体材料、オリゴマー有機半導体材料、又はポリマー有機半導体材料の少なくとも1つで形成される、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項4】
上記第1の電極及び上記第2の電極の少なくとも1つは、エレクトロルミネセント半導体材料によって放たれた光を実質的に透過する、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項5】
上記半導体構造の上記第1の高移動度半導体層及び上記第2の高移動度半導体層は、双極の有機半導体材料を含む、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項6】
上記第1の高移動度半導体層は、p型半導体材料を含み、
上記第2の高移動度半導体層は、n型半導体材料を含む、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項7】
上記第1の高移動度半導体層は、双極の有機半導体材料を含み、
上記第2の高移動度半導体層は、p型半導体材料又はn型半導体材料を含む、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項8】
上記第1の高移動度半導体層は、第1の厚みを有し、
上記第2の高移動度半導体層は、上記第1の高移動度半導体層の上記第1の厚みより大きい第2の厚みを有する、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項9】
上記半導体構造の上記第1の高移動度半導体層の上記第1の移動度は、上記半導体構造の上記第2の高移動度半導体層の上記第2の移動度より大きい、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項10】
表面を有する基材をさらに備え、
上記半導体構造は、上記基材の上記表面に積み重なった構造で配置され、上記第1の高移動度半導体層は、上記低移動度半導体層と上記基材の上記表面との間にある、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項11】
表面を有する基材をさらに備え、
上記半導体構造は、上記基材の上記表面に横の方への構造で配置され、上記第1の高移動度半導体層、上記第2の高移動度半導体層、及び上記低移動度半導体層は、上記基材の上記表面に直接的に形成される、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項12】
上記半導体構造は、
上記第1の高移動度半導体層と上記低移動度半導体層との間の電子ブロッキング層、
上記第2の高移動度半導体層と上記低移動度半導体層との間の電子ブロッキング層、
上記第1の高移動度半導体層と上記低移動度半導体層との間の正孔ブロッキング層、
上記第2の高移動度半導体層と上記低移動度半導体層との間の正孔ブロッキング層、
上記第1の高移動度半導体層と上記低移動度半導体層との間の電子ブロッキング層及び上記第2の高移動度半導体層と上記低移動度半導体層との間の正孔ブロッキング層、
又は上記第2の高移動度半導体層と上記低移動度半導体層との間の電子ブロッキング層及び上記第1の高移動度半導体層と上記低移動度半導体層との間の正孔ブロッキング層、
の1つをさらに含む、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項13】
上記第2の電極に接続され、第4の移動度を有する第3の高移動度半導体層と、
第5の移動度を有する第4の高移動度半導体層と、
上記第3の半導体層と上記第4の半導体層との間に形成され、上記第4の移動度及び上記第5の移動度未満の第6の移動度を有するもう1つの低移動度の半導体層とを含む別の半導体構造と、
上記別の半導体構造の上記第4の高移動度半導体層に接続された第3の電極とをさらに備える、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項14】
上記半導体構造に電気的に接続されたゲート電極をさらに備える、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項15】
エレクトロルミネセント(EL)デバイスであって、
基材の上に形成され、第1の移動度を有する高移動度半導体層と、
上記高移動度半導体層の上に形成され、上記第1の移動度未満の第2の移動度を有する低移動度半導体層とを有する半導体構造を備え、
上記半導体構造は、上記高移動度半導体層又は上記低移動度半導体層の少なくとも1つに、EL半導体材料を有し、
上記半導体構造の上記高移動度半導体層と接続する第1の電極と、
上記半導体構造の上記低移動度半導体層と接続する第2の電極とをさらに備えるエレクトロルミネセント(EL)デバイス。
【請求項16】
上記半導体構造は、自己集合性ブロック共重合体の材料で形成されている、請求項15に記載のELデバイス。
【請求項17】
上記半導体構造は、無機半導体材料、低分子有機半導体材料、オリゴマー有機半導体材料、又はポリマー有機半導体材料の少なくとも1つで形成されている、請求項15に記載のELデバイス。
【請求項18】
上記第1の電極及び上記第2の電極の少なくとも1つは、エレクトロルミネセント半導体材料によって放たれた光を実質的に透過する、請求項15に記載のELデバイス。
【請求項19】
上記半導体構造の上記高移動度半導体層は、双極の有機半導体材料を含む、請求項15に記載のELデバイス。
【請求項20】
上記高移動度半導体層は、p型半導体材料又はn型半導体材料を含む、請求項15に記載のELデバイス。
【請求項21】
表面を有する基材をさらに備え、
上記半導体構造は、上記基材の上記表面に積み重ねられた構造で配置され、上記高移動度半導体層は、上記低移動度半導体層と上記基材の上記表面との間にある、請求項15に記載のELデバイス。
【請求項22】
表面を有する基材をさらに備え、
上記半導体構造は、上記基材の上記表面に横の方への構造で配置され、上記高移動度半導体層及び上記低移動度半導体層は、上記基材の上記表面に直接的に形成される、請求項15に記載のELデバイス。
【請求項23】
上記半導体構造は、
上記高移動度半導体層と上記低移動度半導体層との間の電子ブロッキング層、
又は上記高移動度半導体層と上記低移動度半導体層との間の正孔ブロッキング層、
の1つをさらに含む、請求項15に記載のELデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−131029(P2008−131029A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−193449(P2007−193449)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【出願人】(592035453)コーネル・リサーチ・ファンデーション・インコーポレイテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】CORNELL RESEARCH FOUNDATION, INCORPORATED
【Fターム(参考)】