説明

移動装置への無線エネルギー転送方法およびシステム

【課題】この発明の実施の形態は、エネルギーを無線で転送するように構成された方法およびシステムを開示する。
【解決手段】それらの方法およびシステムは、エネルギーを受信することに応じて、ソースの表面の少なくとも一部でエバネッセント波を発生するように構成された該ソースと、前記エバネッセント波の少なくとも一部の結合を介して前記ソースからエネルギーを無線で受信するように構成されたシンクと、前記シンクからエネルギーを受信するように構成された負荷と、を備え、前記負荷と前記シンクとは、前記エバネッセント波の少なくとも一部がエネルギー転送エリア内で前記ソースと前記シンクとの間で結合されるように、前記ソースの表面に沿って移動するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
この米国の非仮出願の特許出願は、Koon Hoo Teo外により2009年12月3日に出願された、MERL−2218の、「Wireless Energy Transfer with Negative Index Material(負のインデックス材料を有する無線エネルギー転送)」と題する、出願番号12/630,498、およびKoon Hoo Teo外により2010年1月13日に出願された、MERL−2259の、「System and Method for Energy Transfer(エネルギー転送のためのシステムおよび方法)」と題する、出願番号12/686,466に関し、これら両方の出願は引用によってここに組込まれる。
【0002】
この発明は、エネルギーを転送することに関し、特に、移動装置にエネルギーを無線で転送することに関する。
【背景技術】
【0003】
無線エネルギー転送
誘導カプリング(結合)は、コードレスの電子歯ブラシあるいはハイブリッド車のバッテリーを充電するような、多数の無線エネルギー転送アプリケーションにおいて使用される。変圧器のような結合誘導子では、ソース(送信側)、たとえば1次コイル、は電磁界としてエネルギーを発生し、また受信側、たとえば2次コイル、は、シンク(受信側)を通過するエネルギーが最適化されるように、たとえば、ソースのエネルギーにできるだけ類似するように、その電磁界の境界を定める。エネルギーを最適化するために、ソースとシンクの間の距離はできるだけ小さくすべきである。その理由は、より大きな距離にわたっては、誘導方法は非常に効果がないからである。
【0004】
共振カプリング(結合)システム
共振カプリング(結合)では、2つの共振する電磁気物体、すなわちソースおよびシンク、は共振条件の下で相互に作用する。共振結合は、ソースからシンクへ中程度の距離、たとえば共振振動数波長の数分の1の距離、を超えてエネルギーを転送する。
【0005】
図1は、共振ソース110から共振シンク120へエネルギーを転送するための従来の共振結合システム100を示す。システム100の動作の一般的原理は誘導結合に似ている。ドライバ140は、振動する電磁界115を形成するために、共振ソースにエネルギーを入力する。励起された電磁界は、共振システムのソースおよびシンクの自己共振周波数或いはドライバでの励振信号周波数に対して或る割合で減衰する。しかしながら、共振シンクが各サイクル中に失われるより多くのエネルギーを吸収する場合、そのエネルギーの大部分はシンクへ転送される。同一の共振周波数で共振ソースと共振シンクを作動させることは、共振シンクがその周波数で低インピーダンスを有し、そのエネルギーが最適に吸収されることを保証する。共振結合システムの一例は米国特許出願第2008/0278264号および第2007/0222542号に開示されており、引用によってここに組込まれる。
【0006】
エネルギーは、共振する物体、たとえば大きさLの共振ソースおよび大きさLの共振シンク、間で距離Dを超えて転送される。ドライバは電力供給体をソースに接続し、また、共振シンクは電力消費装置、たとえば抵抗負荷150、に接続される。エネルギーはドライバによって共振ソースへ供給され、共振ソースから共振シンクへ無線でかつ非放射で転送され、そして負荷によって消費される。無線による非放射のエネルギー転送は、フィールド(場)115、たとえば電磁界や共振システムの音場、を使用して行なわれる。本明細書を簡潔にするため、フィールド115は電磁界とする。共振物体の結合中、エバネッセント波130が共振ソースと共振シンクとの間で伝播される。
【0007】
カプリング(結合)の向上
カプリング(結合)モード理論によれば、カプリング(結合)の強さはカプリング(結合)係数kによって表わされる。カプリング(結合)の向上は、結合係数kの絶対値の増加によって表わされる。結合モード理論に基づいて、共振結合システムの共振振動数は多数の周波数へ分割される。たとえば、2つの物体共振コンパイルシステムでは、カプリング(結合)効果により、偶数および奇数モード周波数と名付けられた2つの共振周波数を観察することができる。2つの正確に同一の共振構造によって形成された、2つの物体共振システムの結合係数は、次式(1)による偶数および奇数モードの分割により計算される。
k=π|feven−fodd|・・・(1)
【0008】
結合を向上させることは挑戦である。たとえば、結合を最適化するために、高品質係数を有する共振物体が選択される。しかしながら、ソースとシンクがエネルギー交換中に相互に相対運動中である場合、ソースとシンクとの間の結合は壊すことができる。したがって、少なくとも1つの自由度があるソースとシンクとの間の無線エネルギー転送を最適化することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明の実施の形態は、少なくとも1つの自由度があるエネルギーソース(エネルギー源)とエネルギーシンク(エネルギー受容体)との間のエバネッセント波の結合が、少なくとも導波管の表面の一部でエバネッセント波を発生するように構成された導波管としてソースを実現し、且つシンクがエネルギー転送エリア内で導波管への結合を維持しながら該導波管に沿って移動するように、該シンクを配置することによって、最適化することができるという認識に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの実施の形態は、エネルギーを無線で転送するように構成されたシステムであって、エネルギーを受信することに応答して、ソースの表面の少なくとも一部でエバネッセント波を発生するように構成された該ソースと、エバネッセント波の少なくとも一部の結合を介して前記ソースからエネルギーを無線で受信するように構成されたシンクと、前記シンクからエネルギーを受信するように構成された負荷と、を備え、前記負荷と前記シンクとは、前記エバネッセント波の少なくとも一部がエネルギー転送エリア内で前記ソースと前記シンクとの間で結合されるように、前記ソースの表面に沿って移動するように構成される、システムを開示する。
【0011】
別の実施の形態は、ニアフィールド(近距離場)の結合を介してエネルギーを無線で転送する方法であって、ソースとシンクとのニアフィールドの結合によって該シンクへエネルギーを無線で転送するように構成された該ソースを設ける工程であって、前記ソースと前記シンクは、エネルギーを受信することに応答して、EM(電磁気の)ニアフィールドを発生するように構成された非放熱構造体である、工程と、前記ソースのニアフィールドおよび前記シンクのニアフィールドがエネルギー転送エリア内で結合されるように、前記ソースの表面に沿って前記シンクを移動させる工程と、を備える方法を開示する。
【発明の効果】
【0012】
この発明の実施の形態は、たとえば列車やエレベータ車両(かご)等の、少なくとも1つの自由度を有するシンクへの無線エネルギー転送を必要とする、様々なアプリケーション、システムおよび装置において使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来の共振結合システムのブロック図である。
【図2A】この発明の実施の形態1による、移動する装置にエネルギーを転送するためのシステムの一例の概略図である。
【図2B】この発明の実施の形態1による構造体の線図である。
【図3】異なるエネルギー分布パターンの線図である。
【図4】異なるエネルギー分布パターンの線図である。
【図5】異なるエネルギー分布パターンの線図である。
【図6】導波管とエネルギーシンクの例の概略図である。
【図7】導波管とエネルギーシンクの例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1は、少なくとも1つの自由度があるエネルギーソース(エネルギー源)とエネルギーシンク(エネルギー受容体)との間のエバネッセント波の結合が、導波管の表面の少なくとも一部でエバネッセント波を発生するように構成された導波管としてソースを実現し、且つシンクがエネルギー転送エリア内で導波管への結合を維持しながら該導波管に沿って移動するように、該シンクを配置することによって、最適化することができるという認識に基づく。
【0015】
この発明の実施の形態1は、たとえば列車やエレベータ車両(かご)等の、少なくとも1つの自由度を有するシンクへの無線エネルギー転送を必要とする、様々なアプリケーション、システムおよび装置において使用することができる。
【0016】
図2Aは、導波管に沿って移動するように構成されたシンク220への、導波管205として実現されたソースからの無線エネルギー転送を最適化するように構成された我々の発明の実施の形態1を示す。1つの実施の形態1では、シンクはケーブルレス(ケーブルを備えていない)エレベータ車両、すなわち負荷250、に接続され、また、導波管はエレベーターシャフトに設置される。ドライバ240がエネルギー260を導波管へ供給する場合、EM(電磁気の)ニアフィールド215が導波管の表面の少なくとも一部に沿って発生される。典型的には、ニアフィールド215は特別なエネルギー分布パターンにしたがって発生される。そのパターンには、以下に述べられるように、最適なゾーンのような互いに異なるゾーンがあり、そこでは、ニアフィールド強度が最適すなわち最大である。不感地帯では、ニアフィールド強度は最適以下である。
【0017】
ニアフィールド215に閉じ込められるエバネッセント波235の内の少なくともいくつかは、シンクに到着して、エネルギー転送エリア225内でシンクに結合される。シンクは、たとえば引張機構255により生起された負荷の運動がシンクの運動を生起させるように、負荷に取り付けられる251。シンクが導波管に沿って移動される場合、エネルギー転送エリアは、それに伴って、ソースとシンクとの間の結合を維持しながら移動される。1つの実施の形態1では、その結合を増大するように、負のインデックス材料(NIM)230がエネルギー転送エリア内に配置される。
【0018】
ドライバは送電網に接続され、たとえば誘導的に、エネルギーを導波管に供給することができる。1つの実施の形態1では、未使用のエネルギー275、すなわちシンク220へ転送されないエネルギー、は、電力計285で測定され、たとえば整流あるいは無線周波数サーキュレーターを使用してドライバへ戻される286。
【0019】
別の実施の形態1では、電力計285は未使用のエネルギーを吸収する。また、信号の286は、未使用のエネルギーの量を示すフィードバック制御信号である。この実施の形態1の1つのバリエーション(変形例)では、ドライバは、未使用のエネルギーを最小化するために、未使用のエネルギー量を使用してエネルギー260を生成する。
【0020】
導波管は電磁気の(EM)エバネッセント波を発生するように構成されている。たとえば、1つの実施の形態1では、導波管は導電性ワイヤによって実現される。別の実施の形態1では、導波管の一側は、エバネッセント波が導波管の表面に存在することを可能にするために、穿孔あるいはスロット280を有する。導波管の例が以下に記載される。
【0021】
図2Bは、この発明のいくつかの実施の形態1による、無線によりエネルギーを交換する、たとえば、送信するあるいは受信する、ように構成されたシステムの例を示す。システムは、エネルギーを受信するときに電磁気ニアフィールド215を発生し、かつそのエネルギーをエバネッセント波の結合によって無線で交換するように構成された構造体210を含む。
【0022】
1つの実施の形態1では、エネルギー260は、当該技術において知られているように、ドライバ240によって供給される。この実施の形態1では、構造体210は無線エネルギー転送システムのソースとして働く。代替の実施の形態1では、エネルギー260は、ソース(図示せず)から無線で供給される。この実施の形態1では、構造体210は無線エネルギー転送システムのシンクとして働く。
【0023】
システム200は、任意ではあるが、ニアフィールド215の内に配置された負のインデックス材料(NIM)230〜232を含む。1つの実施の形態1では、NIM232はEM構造体210を実質的に取り囲む。NIM232は負の誘電率特性および負の透磁率特性を有する材料である。この材料に対して、いくつかの異常な現象、たとえば、エバネッセント波増幅、表面プラズモン状振舞、負の屈折、が知られている。この発明の実施の形態1は、無線エネルギー転送を最適化する、NIMのエバネッセント波を増幅する異常な能力を評価し利用した。
【0024】
ニアフィールド、すなわちエネルギー分布パターン、の形状および次元は、EM構造体の形状、たとえば円形、ヘリカル(螺旋形)、円筒形の形状、および導電率、比誘電率および比透磁率等のEM構造体の材料のパラメーターによって部分的に決定される、外部エネルギー260の周波数およびEM構造体210の共振周波数に依存する。
【0025】
通常、ニアフィールドの範囲270はシステムの主波長のオーダになっている。非共振システムでは、主波長は、外部エネルギー260の周波数、すなわち波長λ265、によって決定される。共振システムでは、主波長はEM構造体の共振周波数によって決定される。一般に、主波長は無線で交換されたエネルギーの周波数によって決定される。
【0026】
共振は、Q因子(Qファクター)、すなわち放散されたエネルギーに対する蓄積エネルギーの無次元の比、により特徴づけられる。システム200の目的はエネルギーを無線で転送するか受信することであるので、ドライバの周波数あるいは共振周波数はニアフィールド領域の大きさを増大するように選択される。いくつかの実施の形態1では、エネルギー260の周波数および/または共振周波数は、MHzからGHzまで全領域にある。他の実施の形態1では、前述の周波数は可視光線用のドメイン(領域)にある。
【0027】
エバネッセント波
エバネッセント波は、ニアフィールド定常波であり、その強度は、ニアフィールド定常波が形成される境界からの距離に応じた指数関数的減衰を示す。エバネッセント波235は、構造体210と、波動に関して異なる特性を備えた他の「媒体」、たとえば空気、との間の境界で形成される。外部エネルギーがEM構造体によって受信されるとき、エバネッセント波が形成され、該エバネッセント波はEM構造体210の表面からのニアフィールドの波長の3分の1内で最も強い。
【0028】
ウィスパリングギャラリーモード(WGM)
ウィスパリングギャラリーモード(WGM)は、エバネッセント波がEM構造体の表面によって内部に反射されるかあるいは焦点に集められる、エネルギー分布パターンである。最小の反射損および放射損により、WGMパターンは異常に高いQ係数に達するので、WGMは無線エネルギー転送に役立つ。
【0029】
図3は、EM構造体、すなわちシリンダー310、の例を示す。シリンダー310の材料、幾何学的配列および大きさ、並びに優位周波数に依存して、EMニアフィールド強度およびエネルギー密度は、WGMパターン320によるディスクの表面で最大化される。
【0030】
WGMパターンは、EM構造体の形状に対して、必ずしも対称ではない。典型的には、WGMパターンは、EMニアフィールドの強度が最小化される不感地帯345およびEMニアフィールドの強度が最大化される最適なゾーン340を有する。この発明のいくつかの実施の形態1は、エバネッセント波350の範囲を拡張するために、NIM230を最適なゾーン340に設ける。
【0031】
偶数および奇数モード
図4はバタフライエネルギー分布パターンを示す。2つのEM構造体411および412が互いに結合されて1つの結合システムを形成する場合、該結合システムの優位周波数は偶数および奇数周波数によって表わされる。偶数および奇数周波数でのニアフィールド分布は、偶数モード結合システム410および奇数モード結合システム420として定義される。2つのEM構造体の結合システムの偶数および奇数モードの代表的特性は、EMフィールドが偶数モードでは同相である場合、EMフィールドは奇数モードでは異相である、ということである。
【0032】
バタフライペア
偶数および奇数モード結合システムは、バタフライペアとして定義された、ニアフィールド強度の偶数および奇数モード分布パターン発生する。バタフライペアのEMニアフィールド強度分布は、各EM構造体の中心に0度および90度で指向された2本の線431および432、すなわちバタフライペアの不感地帯、において最小に達する。しかしながら、強度分布を変更し、不感地帯の位置および/または方向を削除し、および/または変更することが、しばしば望まれる。
【0033】
交差ペア
図5は、交差ペア500として定義されたこの発明の実施の形態1によるニアフィールド強度の分布パターンを示す。交差ペア分布パターンは各EM構造体の中心に0度および90度で指向された最適ゾーン531および532を有する。すなわち、交差ペアパターンの最適ゾーンは、バタフライペアパターンの不感地帯に対応する。したがって、バタフライペアおよび交差ペアパターンの1つの重要な特性は、それぞれの不感地帯が重複しておらず、このため、両方の種類のパターンが利用される場合に不感地帯を削除することを許容することである。バタフライとクロシングパターンは同一オーダの大きさのシステムQ係数および結合係数を有する。
【0034】
導波管
この発明の実施の形態1は、導波管の表面でエバネッセント波を発生するように構成された異なるタイプの導波管を使用する。たとえば、1つの実施の形態1では、導波管は誘電体導波管、たとえばシリンダー310、であり、それは、エネルギーの受信の際に、その表面の導電性カバーがない部分に、エバネッセント波を発生する。
【0035】
別の実施の形態1は、引用によってここに組込まれた米国特許第2,685,068号および第2,921,277号に記載された、エネルギーを単一の非シールドワイヤに沿って非放射で伝播するグーボー線路(Goubau line)を使用する。エバネッセント波はそのワイヤの表面の近くに閉じ込められる。
【0036】
図6はこの発明の別の実施の形態1による導波管600を示す。グーボー線路と類似するスロット、穴、穿孔あるいは他の構造体280を導波管600の表面に作成することによって、非放射のエバネッセント波が発生される。
【0037】
シンク
1つの実施の形態1では、シンクのEM構造体は、図7に示されるように、ループ700として実現される。半径rのループが、半径aの導線710および比誘電率εを有するコンデンサー720によって形成される。コンデンサーのプレート領域はAである。また、プレート同士は距離dで分離される。ループ700は軸線705を有する。この実施の形態1の1つのバリエーション(変形例)では、ループは共振構造体である。しかしながら、他の実施の形態1は、構造体の異なる実施例、たとえばディスク、を使用する。別の実施の形態1では、ループは、ループの軸線が導波管に垂直になるように、回転される。
【0038】
この発明は好ましい実施の形態を例として記述されたが、この発明の趣旨および範囲内で様々な他の改変および変更を行ってもよいことが理解されるべきである。したがって、この発明の真実の趣旨および範囲内に入るような、すべての変更例および変形例をカバーすることが、添付の特許請求の範囲の目的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーを無線で転送するように構成されたシステムであって、
エネルギーを受信することに応答して、ソースの表面の少なくとも一部でエバネッセント波を発生するように構成された該ソースと、
前記エバネッセント波の少なくとも一部の結合を介してエネルギーを前記ソースから無線で受信するように構成されたシンクと、
前記シンクからエネルギーを受信するように構成された負荷と、を備え、
前記負荷と前記シンクとは、前記エバネッセント波の少なくとも一部がエネルギー転送エリア内で前記ソースと前記シンクとの間で結合されるように、前記ソースの表面に沿って移動するように構成される、システム。
【請求項2】
前記ソースは導波管である、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記エネルギーを前記ソースへ供給するように構成されたドライバをさらに備える、請求項1のシステム。
【請求項4】
前記結合が向上されるように、エネルギー転送エリア内に設けられた負のインデックス材料(NIM)をさらに備える、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記ソースと前記シンクとは共振構造体である、請求項1のシステム。
【請求項6】
前記NIMは前記シンクの所定の位置に基づいて配置される、請求項2のシステム。
【請求項7】
前記負荷はエレベータ車両である、請求項1のシステム。
【請求項8】
前記負荷は列車である、請求項1のシステム。
【請求項9】
前記シンクは、偶数のバタフライパターン、奇数のバタフライパターン、偶数の交差パターンおよび奇数の交差パターンからなるグループのパターンから選択されたエネルギー分布パターンに基づいて配置される、請求項1のシステム。
【請求項10】
前記NIMは負の誘電率特性および負の透磁率特性を有する、請求項1のシステム。
【請求項11】
前記エネルギーの少なくとも一部を前記ドライバへ供給するように構成される電力計をさらに備える、請求項3のシステム。
【請求項12】
前記導波管は、前記エバネッセント波を発生するように構成されたスロットを含む、請求項2のシステム。
【請求項13】
前記導波管は光導波管である、請求項2のシステム。
【請求項14】
前記シンクはループを含み、前記ループは、該ループの軸線が前記導波管に垂直になるように、回転される、請求項2のシステム。
【請求項15】
エネルギーをニアフィールドの結合によって無線で転送する方法であって、
ソースとシンクとのニアフィールドの結合によって該シンクへエネルギーを無線で転送するように構成された該ソースを設ける工程であって、前記ソースと前記シンクは、エネルギーを受信することに応答して、EM(電磁気の)ニアフィールドを発生するように構成された非放熱構造体である、工程と、
前記ソースのニアフィールドおよび前記シンクのニアフィールドがエネルギー転送エリア内で結合されるように、前記ソースの表面に沿って前記シンクを移動させる工程と、
を備える、方法。
【請求項16】
負のインデックス材料(NIM)を使用して、前記結合を増大することをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項17】
前記ニアフィールドが前記導波管の表面の少なくとも一部で発生されるように、前記ソースを導波管として実現することをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項18】
前記エネルギーをドライバから前記ソースへ供給すること、また前記エネルギーを前記シンクから負荷に供給すること、をさらに備える、請求項15の方法。
【請求項19】
前記負荷はエレベータ車両または列車である、請求項18の方法。
【請求項20】
前記ソースから前記シンクへの前記エネルギーの転送の間に使用されなかった該エネルギーをドライバに供給することをさらに備える、請求項15の方法。
【請求項21】
前記ソースから前記シンクへの前記エネルギーの転送の間に使用されなかったエネルギーの量を決定すること、
前記量を表すフィードバック制御信号をドライバへ送信すること、
前記転送中に使用されなかったエネルギーを最小化するように前記ドライバのエネルギーを制御すること、
をさらに備える、請求項15の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−147126(P2011−147126A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−290488(P2010−290488)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(597067574)ミツビシ・エレクトリック・リサーチ・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド (484)
【住所又は居所原語表記】201 BROADWAY, CAMBRIDGE, MASSACHUSETTS 02139, U.S.A.
【Fターム(参考)】