説明

移動通信システムにおける音声呼提供方法及び装置とそのシステム

本発明に従うパケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するためのシステムは、上記CSドメインのサービスを提供するために上記移動端末にページングメッセージを転送し、上記移動端末が上記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを受信すれば、上記移動端末に対して上記PSドメインで提供されるサービスを一時停止することを要請する一時停止要請メッセージを転送する移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)と、上記MMEから上記一時停止要請メッセージを受信すれば、上記PSドメインのサービスを一時停止するゲートウェイ(Gateway)と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムに関し、特に異種の移動通信システムにおける音声呼を提供する方法及び装置とそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、移動通信システムは、ユーザに位置の制約無しで通信を遂行することができるようにするために開発されたシステムである。このような移動通信システムは、初期の単純な音声通信サービスだけを提供する形態から高速のデータサービス及びボイスオーバーIP(Voice Over IP:VoIP)のようなパケットを用いた音声サービスなどを提供できる形態に発展している。
【0003】
また、移動通信システムは、基本的な音声サービスと比較的低速のデータサービスを提供するサーキット交換(Circuit Switching;以下、“CS”という)方式のシステムから徐々に高速のパケットデータサービスを提供するパケット交換(Packet Switching;以下、“PS”という)システムに発展している。このようなCS方式を使用する移動通信システムは、2世代(2nd Generation;以下、“2G”という)システム及び3世代(3rd Generation;以下、“3G”という)システムがある。3Gシステムは、比較的高速のデータサービスを提供することもできる。しかしながら、ユーザはより高速のデータサービスの提供を受けようとするため、2Gまたは3Gシステムより発展したシステムの必要性が提起されて、現在ロングタームエボリューション/システムアーキテクチャエボリューション(Long Term Evolution / System Architecture Evolution;以下、“LTE/SAE”という)システムに対する開発がなされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、インターネットプロトコル(Internet Protocol;以下、“IP”という)サービスを提供するPSドメイン上の移動通信システムで他移動通信システムを用いてCSドメインサービスをサポートするための方法及び装置とそのシステムを提供することにある。
【0005】
また、本発明の他の目的は、端末がCSドメインで音声サービスの提供を受ける間、PSドメインの上で端末の登録状態を維持する方法及び装置とそのシステムを提供することにある。
【0006】
また、本発明の更に他の目的は、端末が音声呼サービスの提供を受けるためにPSドメインからCSドメインに接続する間、上記PSドメインの上に提供されるパケットデータサービスを一時停止する方法及び装置とそのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従うパケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための方法は、移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)が上記移動端末にCSドメインサービスを提供するために上記PSドメインの進化した基地局(evolved Node B:eNB)にページングメッセージを転送するステップと、上記移動端末が上記CSドメインに位置していると、上記eNBが上記移動端末が上記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを上記MMEに転送するステップと、上記MMEが上記PSドメインのゲートウェイ(Gateway)に上記移動端末に対して上記PSドメインで提供されるサービスを一時停止することを要請する一時停止要請メッセージを転送するステップと、を含む。
【0008】
本発明に従うパケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するためのシステムは、上記CSドメインのサービスを提供するために上記移動端末にページングメッセージを転送し、上記移動端末が上記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを受信すれば、上記移動端末に対して上記PSドメインで提供されるサービスを一時停止することを要請する一時停止要請メッセージを転送する移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)と、上記MMEから上記一時停止要請メッセージを受信すれば、上記PSドメインのサービスを一時停止するゲートウェイ(Gateway)と、を含む。
【0009】
本発明に従うパケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて進化した基地局(evolved Node B:eNB)が音声呼サービスを提供するための方法は、移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)から上記移動端末に上記CSドメインのサービスを提供するためのページングメッセージを受信するステップと、上記ページングメッセージを伝達する上記移動端末が上記CSドメインに切り換えたならば、上記移動端末が上記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを上記MMEに転送するステップと、を含む。
【0010】
本発明に従うパケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための進化した基地局(evolved Node B:eNB)装置は、移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)から移動端末に上記CSドメインのサービスを提供するためのページングメッセージを受信する送受信モジュールと、上記送受信モジュールを通じて上記ページングメッセージが受信されれば、上記ページングメッセージを伝達する上記移動端末が上記CSドメインに切り換えたか否かを判断し、上記移動端末が上記CSドメインに切り換えたならば、上記移動端末が上記CSドメインに移動したことを指示する報告メッセージを移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)に送信するように上記送受信モジュールを制御する制御部と、を含む。
【0011】
本発明に従うパケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)が音声呼サービスを提供するための方法は、上記移動端末に上記CSドメインのサービスを提供するためのページングメッセージを転送するステップと、上記ページングメッセージに対する応答で、上記移動端末が上記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを受信するステップと、上記移動端末が上記CSドメインに切り換えたならば、上記PSドメインのゲートウェイ(Gateway)に上記移動端末に対して上記PSドメインで提供されるサービスを一時停止することを要請する一時停止要請メッセージを転送するステップと、を含む。
【0012】
本発明に従うパケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)装置は、上記CSドメインのサービスを提供するために上記移動端末にページングメッセージを送信し、上記ページングメッセージに対する応答で、上記移動端末が上記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを受信する送受信モジュールと、上記移動端末が上記CSドメインに移動したならば、上記PSドメインのゲートウェイ(Gateway)に上記移動端末に対して上記PSドメインで提供されるサービスを一時停止することを要請する一時停止要請メッセージを転送するように常時送受信モジュールを制御する制御部と、を含む。
【0013】
本発明に従うパケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末がサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための方法は、上記CSドメインのサービスを受けるためのページングメッセージを受信するステップと、上記ページングメッセージを受信すれば、上記PSドメインのサービスを一時停止させてくれることを要求するメッセージを転送するステップと、を含む。
【0014】
本発明に従うパケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けている間、サーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための移動端末装置は、上記CSドメインのサービスを受けるためのページングメッセージを受信する送受信モジュールと、上記ページングメッセージを受信すれば、上記PSドメインのサービスを一時停止させてくれることを要求するメッセージを転送するように上記送受信モジュールを制御する制御部と、を含む。
【0015】
本発明に従うパケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための方法は、移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)が上記移動端末にCSドメインサービスを提供するためにページングメッセージを転送するステップと、上記ページングメッセージの受信後、上記移動端末が上記MMEに上記PSドメインでのサービスを一時停止してくれることを要請するステップと、上記要請を受けた後、上記MMEが上記PSドメインのゲートウェイ(Gateway)に上記移動端末の上記PSドメインで提供されるサービスを一時停止することを要請する一時停止要請メッセージを転送するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、CSドメインをサポートしない移動通信システムに連結されたUEがCSドメインを提供する異種の移動通信システムからCSドメイン固有のサービスの提供を受けることができる。
【0017】
また、本発明によれば、PSドメインを提供する異種の移動通信システムから該当移動通信システムのPSドメイン固有のサービスの提供を受けることができる。
また、本発明によれば、PSドメインからCSドメインにハンドオーバーした状態で上記PSドメインの登録状態が解除されることを防止することができる。
【0018】
また、本発明によれば、音声呼のサービスを受けるためにPSドメインからCSドメインに移動した端末にPSドメインの上で提供されるパケットデータサービスを一時停止させることによって、PSドメイン上で発生できる資源の浪費を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適用されるCSドメインとPSドメインとを含む移動通信システム構造図である。
【図2】図1に従う移動通信網におけるCSドメインサービス方法を示す流れ図である。
【図3】本発明の実施形態に従う移動通信網におけるCSドメインサービス方法を示す流れ図である。
【図4】本発明の実施形態に従うMMEの動作フローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に従うUEにページングメッセージを転送しなければならない状況でのMMEの動作フローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に従うCSページング(paging)の要請を受けたeNBの動作フローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に従うアイドル(idle)状態のUEから初めのメッセージを受信した状況でeNBの動作フローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に従う3GPP2 CDMA2000 1x CS網で音声呼が受信された状況でのCSドメインサービス方法を示す流れ図である。
【図9】本発明の実施形態に従う端末の動作フローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に従うMMEのブロック構成図である。
【図11】本発明の実施形態に従うeNBのブロック構成図である。
【図12】本発明の実施形態に従う端末のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して本発明に係る好ましい実施形態に対する動作原理を詳細に説明する。本発明を説明するに当たって、関連した公知の機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすることができると判断される場合、その詳細な説明は省略する。そして、後述する用語は本発明の機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わることができる。したがって、その定義は本明細書の全般に亘る内容に基づいて下されるべきである。
【0021】
以下に説明する本発明は、異種の移動通信システムからサーキット交換ドメインとパケット交換ドメインを通じて提供されていた移動通信網サービスをパケット交換ドメインのみを提供する進化した移動通信システムでUEに提供する方法及びシステムを提供する。
【0022】
本発明に従う進化した移動通信網は、サーキット交換ドメインを提供するレガシーまたは以前の移動通信網に端末の位置登録を要請する要請メッセージを転送して、進化した移動通信網における端末の現在位置をレガシー移動通信網に知らせる。
【0023】
本明細書で“進化した移動通信網(Evolved Mobile Communication Network)”とは、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution;以下、“LTE”という)のようにPSドメインを通じてパケットデータサービスを提供する移動通信網を意味し、“レガシー移動通信網”は広帯域コード分割多重接続(Wideband Code Division Multiple Access;以下、“W−CDMA”という)またはコード分割多重接続(Code Division Multiple Access;以下、“CDMA”という)網または移動通信のためのグローバルシステム(Global System for Mobile Communication;以下、“GSM”という)のように、レガシーCSドメインを提供する2Gまたは3G移動通信網を意味する。
【0024】
レガシー移動通信網に音声呼が受信されれば、上記レガシー移動通信網は上記音声呼が受信されたことを登録された進化した移動通信網に知らせて、端末が上記レガシー移動通信網を通じて音声呼サービスの提供を受ける。または、上記端末がレガシー移動通信網に音声呼を発信する場合、上記端末は進化した移動通信網から上記レガシー移動通信網に対する情報を受信して、これに基づいて上記端末が上記レガシー移動通信網を通じて音声呼を発信するようにする。
【0025】
この際、上記進化した移動通信網で提供中であったサービスは待機状態に変わり、上記端末が上記レガシー移動通信網で音声呼サービスを受ける間にも、上記進化した移動通信網は上記端末に対する状態を維持する。
【0026】
図1は、本発明が適用されるCSドメインとPSドメインとを含む移動通信システムの構成図である。
図1において、端末機(User Equipment;以下、“UE”という)101は、IPネットワークを介して電話通話サービスに接続されている。参照番号102は、ヨーロッパが2.5世代及び3世代移動通信であるGPRS/UMTS(General Packet Radio Service / Universal Mobile Telecommunications System)の非接続階層(Non-Access Stratum)であるコアネットワーク(Core Network;以下、“CN”という)及び接続階層(Access Stratum)であるアクセスネットワーク(Access Network;以下、“AN”という)を示したものである。
【0027】
進化したUMTS地上無線接続網(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network;以下、“E−UTRAN”という)103は、All−IP基盤のコアネットワークにて無線接続を管理する。移動性管理エンティティ(Mobility Management Entity;以下、“MME”という)110は、UE 101がE−UTRAN 103を通じて移動通信網に接続する際、UE 101の認証及び登録を担当し、UE 101からサービス要請を処理し、UE 101がE−UTRAN内の基地局間を移動する時の移動性を保証する。
【0028】
サ−ビングゲートウェイ(Serving Gateway;以下、“S−GW”という)112は、音声パケット情報など、ユーザのサービスデータパケットをE−UTRAN103に伝達するためのベアラーサービスを提供する。
パケットデータネットワークゲートウェイ(Packet Data Network Gateway;以下、“P−GW”という)114は、移動通信網に接続したUE 101にIPアドレスを割り当てて、IP連結性(IP Connectivity)を提供する。MME 110、S−GW 112、及びP−GW 114を合わせて進化したパケットコアネットワーク(Evolved Packet Core Network;以下、“EPC”という)と呼ぶ。
【0029】
移動交換局(enhanced Mobile Switching Center / Visited Location Register;以下、“MSC/VLR”という)105は、2Gあるいは3G移動通信網の移動交換局を表す。MSCはゲートウェイMSC(Gateway MSC;以下、“GMSC”という)106とMSC/VLR 105とに分けられるが、上記MSC/VLR 105はUE101に実際にサービスを提供するMSCであり、上記GMSC 106はUE101が連結されたMSC/VLR 105に呼信号を伝達する役目をする。上記MSC/VLR 105は、EPCとの連動のためにSGsインターフェースを介してMME 110と連結される。MSC/VLR 105は、SGsインターフェースを介してMME 110に端末呼出しを要請し、UE101の位置登録要請を受ける。
【0030】
パケット交換サポートノード(Serving GPRS Support Node;以下、“SGSN”という)109は、UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)/GERAN(GSM / EDGE Radio Access Network)102の接続網でUE 101にパケット交換ドメイン(Packet Switching Domain;以下、“PSドメイン”という)サービスを提供するエンティティである。
【0031】
HLR/HSS(Home Location Register / Home Subscriber Server;以下、“HLR/HSS”という)113は、移動通信網を運営する事業者に加入したユーザ情報と端末の現在位置と登録状態などの情報を格納し提供するサーバである。
【0032】
上記LTE/SAEシステムからUEが音声呼受信のために2G網に移動した場合、2G網でLTE/SAEシステムで提供を受けたPSドメインサービスを連続的に利用できない場合、現在使用中のPSドメインサービスは、LTE/SAEシステムで一時停止した状態に残るようになる。この際、LTE/SAEシステムから端末に向かうデータが受信されれば、LTE/SAEシステムは端末が受信地域の外にあると判断して連結登録を解除する問題点がある。
【0033】
図2は、図1に従う移動通信網におけるCSドメインサービス方法を示す流れ図である。
図2のステップ250で、CSドメインを通じて音声呼(Voice call)を受信したMSC/VLR 201は、UE 209が現在E−UTRAN 103のeNB 207を通じて図示していないEPCに連結されていることを確認し、UE 209をサービスしているMME 203にCSページング(Paging)要請メッセージを転送する。UE 209がCSドメインをサポートするセルにある時は、MSC/VLR 201が直接UE 209をページング(paging)し、UE 209がE−UTRAN網にある場合にはMSC/VLR 201がMME 203にUE 209をページングしてくれることを要請する。上記CSページング要請メッセージにはCSドメインに連結を要請するCNドメイン指示子(Domain Indicator)が含まれる。上記CSページング要請メッセージを受信したE−UTRAN 103のeNB 207は、ステップ252で、必要とする場合、UE 209に周辺セル情報を要請し、UE 209が応答した情報あるいはネットワークに予め設定された情報に従って端末を移動させるターゲットセル(Target Cell)を決定する。
【0034】
UE 209が移動するターゲットセルE−UTRANで提供を受けていたPSサービスを同時にサポートできない場合、現在進化したパケットシステム(Evolved Packet System;以下、“EPS”という)で提供中であったPSセッションはそのまま保ったまま、ステップ254で、UE 209にネットワークサポートセル変更(Network Assisted Cell Change;以下、“NACC”という)またはリダイレクション(Redirection)などの方法を用いてターゲットセル情報を提供することで、UE 209がターゲットセルに切り換えるようにする。EPSは、EPC、eNB、及びUEをさらに含む。図2のステップ254で、eNB 207がNACCを通じてUE 209にターゲットセル情報を提供してくれるが、NACCとは、UEがUTRAN網からGERAN網へ移動する時、UEにGERAN網のセル(cell)情報を知らせてくれて速かに切り換えるようにする技術であり、E−UTRAN網からGERAN網へ移動する方案が最近定義された。前述したリダイレクションも類似の目的のための方法であり、NACCとはRRC(Radio Resource Control)シグナリング(signaling)の上に差がある。
【0035】
UE 209が上記ターゲットセル(Target Cell)に切り換えれば、必要な場合、ステップ256で、位置領域更新(Location Area Update;以下、“LAU”という)要請メッセージをMSC/VLR 201に転送して、UE 209の現在位置を知らせて、ステップ258で、UTRAN/GERAN網102を通じてMSC/VLR 201にページング応答(Paging Response)メッセージを送る。ステップ260では、レガシーCSドメインで音声呼連結手続きに従って音声呼を設定し、UE 209に音声呼サービスを提供する。
【0036】
上記のような移動通信網におけるCSドメインサービス方法の問題点は、次の通りである。
ステップ260で、UE 209が音声サービスを使用している中、ステップ262のようにPSドメインにダウンリンクパケットデータユニット(Downlink Packet Data Unit;DL PDU)が受信されれば、UE 209が現在音声サービスの提供を受けているという事実を知らないS−GW 211は、通常のDL PDU受信手続きに従って、ステップ264で、MME 203にDL PDU受信を知らせるDLデータ通知(DL DATA Notification)メッセージを送り、ステップ266で、MME 203はE−UTRAN 103のeNB 207にページング要請メッセージを送る。しかしながら、UE 209は現在GERAN/UTRAN 102の網到達地域で音声サービスを受信中であるので、ステップ268で、E−UTRAN 103のeNB 207からのページング要請メッセージを受信することができない。そして、ステップ270で、MME 201がページング要請に対する応答を受信できなくて、ページング失敗を判断するようになれば、MME 203はUE 209をPSドメインで登録状態を解除する手続きを遂行する。したがって、UE 209が音声サービスを終えてE−UTRAN 103網に接続すれば、PSドメイン登録手続きを初めから新しく遂行しなければならないことは勿論、既存のPSセッションに対する情報も全て失うようになる。
【0037】
以下に説明する本発明は、LTE網のような進化した移動通信網でUEが提供を受けていたPSサービスと同一なPSサービスをWCDMA/GSM/CDMA 2000 1x網のようなレガシー移動通信網で続けてサービスを受けられない場合に適用できる。
【0038】
以下に説明する本発明に従う進化した移動通信システムは、CSドメインを提供するレガシー移動通信システムに端末の位置登録を要請する要請メッセージを転送して、進化した移動通信システムにおけるUEの現在位置をレガシー移動通信システムに知らせる。
【0039】
併せて、本発明の実施形態に従う移動通信システムでは、レガシー移動通信システムに音声呼のようなイベントが発生すれば、これを登録された進化したレガシー移動通信システムに知らせて、UEがレガシー移動通信システムに切り換えてサービスを受信するようにする。
【0040】
この際、進化した移動通信システムで提供を受けていたPSサービスと同一なPSサービスをレガシー移動通信システムでも提供を受けるPSハンドオーバー手続き無しでレガシー移動通信システムへ移動した場合、進化した移動通信システムで上記登録された端末状態を維持できるようにする。本発明は、電話通話サービスを提供する移動通信システムの移動交換局(MSC)及び3GPPを基盤とする進化したコアネットワークとしてLTE/SAE(System Architecture Evolution)システムの例を挙げて本発明の実施形態を説明するが、本発明で提供する手続きは他のプロトコルまたは他の接続規格を使用する移動通信網にも同一に適用できる。
【0041】
以下に説明する本明細書では、“UEが特定ドメインに位置する”という意味は、“上記UEが上記特定ドメインの領域に位置する”と“上記UEが上記特定ドメインに接続する”という意味を全て含み、“UEの現在位置”は“UEの実際位置”と“UEが現在接続している特定網”の意味を全て含む。例えば、本明細書では“UEがCSドメインに位置する”という意味は、“UEがCSドメイン領域に位置する。”という意味と“UEがCSドメインに接続する”という意味を含む。また、本明細書では“UEが特定ドメインに移動する”という意味は、“UEが特定ドメインに切り換える”という意味を含む。
【0042】
図3は、本発明の実施形態に従う移動通信網におけるCSドメインサービス方法を示す流れ図である。
図3のステップ350で、CSドメインを通じて音声呼を受信したMSC/VLR 301は、UE 309が現在E−UTRAN 103のeNB 307を通じてLTE/SAEシステムに連結されていることを確認し、端末をサービスしているMME 303にCSページング要請メッセージを転送する。この際、上記ステップ350で、MSC/VLR 301は上記UE 309がLTE網を通じてMSC/VLR 301に登録を遂行する時、上記UE 309がLTE/SAEシステムに連結されているかを判断できる。上記CSページング要請メッセージにはCSドメインに連結を要請するCN(Core network)ドメイン指示子(Domain Indicator)が含まれる。
【0043】
上記CSページング要請メッセージを受信したE−UTRAN 103のeNB 307は、ステップ352で、必要の場合、UE 309に周辺セル情報を要請し、上記UE 309が応答した情報あるいはネットワークに予め設定された情報に従ってUE 309を切換させるターゲットセルを決定する。
【0044】
UE 309が移動するターゲットセルがPSサービスを同時にサポートできない場合、現在LTE/SAE網で提供中であったPSセッションはそのまま維持したまま、ステップ354で、NACCを通じてUE 309に上記UE 309がターゲットセルで使用するチャンネル情報のようなターゲットセル情報を提供してUE 309がターゲットセルに切り換えてサービスの提供を受けるようにする。ステップ354は、前述したように、リダイレクション(redirection)方法でも可能である。ステップ356で、E−UTRAN 103のeNB 307は、UE 309がPSサービスを提供できない地域へ移動したことをドメイン変更報告(Domain Change Reportメッセージ;端末がEPSの網から外れたことを知らせる一般的なメッセージ)を通じてMME 303に知らせる。上記ドメイン変更報告メッセージにはUE 309が現在CSドメインにあること(UEがCSドメインに位置すること)を知らせる指示子(indicator)が含まれる。そして、上記ドメイン変更報告メッセージには上記UE 309がPSサービスを受けられないため、上記ドメイン変更メッセージが転送されるものであることを表す原因(Cause)が含まれる。本発明において、上記UE 309が現在CSドメインにあることを知らせる指示子はCNドメイン指示子(CN domain indicator)であり、この際、上記CNドメイン指示子が“CS”を表すように設定してドメイン変更報告メッセージを通じて転送する。または、ステップ358で、UE 309がMME 303に直接PSセッション格納(session preservation)メッセージを送ってPSセッションを一時停止してくれることを要請することも可能である。
【0045】
本発明では、MME 303はUE 309がCSドメインに移動したことを判断できる方法に、ステップ359のように2つの方案を提案する。即ち、ステップ356のように、ドメイン変更報告メッセージを通じてeNB 307はUE 309がCSドメインにあるか否かを判断してMME 303に知らせてくれることもでき、ステップ358のようにUE 309がPSセッション格納メッセージを通じて直接MME 303に知らせてくれることもできる。本明細書では、上記ステップ359で、MME 303に転送されるドメイン変更報告メッセージとPSセッション格納メッセージを“報告メッセージ”と称して使用することにする。
【0046】
このように、本発明では、ステップ359での過程を通じてMME 303は現在UE 309がCSドメインで音声呼サービスの提供を受けているので、PSドメインを通じてパケットサービスの提供を受けられない状態であることが分かる。
【0047】
前述したように、音声呼を受信する場合の他にも、UE 309が音声呼を発信する場合にも上記と類似な過程が適用可能である。即ち、音声呼を発信するUE 309がLTE/SAE網に音声呼発信を要請すれば、ステップ352と同様にUE 309はE−UTRAN 103を通じてターゲットセルに切り換えるための情報の提供を受ける。以後の手続きは下記の通りである。
【0048】
ステップ356またはステップ358で、メッセージを受信したMME 303は該当UE 309がEPC網のPSドメインに登録されている状態であり、無線連結は維持しないアイドル(Idle)状態であるが、データ受信のためのページング(Paging)要請に対する応答は受けられない状態、即ちEPSサービスが一時停止(Suspended)された状態であることを表示する。即ち、上記ステップ359で、上記UE 309やeNB 307から受信されたメッセージ内の指示子を通じてMME 303が上記UE 309からページング要請応答を受けられない状態であることを知るようになり、それによって、EPSでUE 309にページングしなくなる。また、追加的なデータ受信によって不要にUE 309をページングすることを防ぐために、ステップ360で、S−GWとP−GWのようなGW 311にデータ受信を防ぐためのサービス変更要請メッセージを転送するか、GW 311で端末のサービス状態を一時停止状態に設定するようにする一時停止要請メッセージ(Suspend Request message)を転送する。以後、ステップ362で受信されるDL PDUは、ステップ364で、S−GWまたはP−GWのようなGW 311で捨てられて、S−GW112はMME 303にUEページングを要請するダウンリンクデータ通知(Downlink Data notification)メッセージを送らない。
【0049】
上記ステップ360は、一時停止要請(Suspend Request)メッセージの以外に、更新ベアラー要請(Update Bearer Request)メッセージを通じても同一な機能が遂行可能である。更新ベアラー要請メッセージを用いてベアラー(Bearer)の最大送受信速度を0kbpsに設定すれば、P−GW 114でデータ送受信を防止できる。この際、更新ベアラー要請メッセージはUE 309がPSサービスを受信できない状態であるので、上記更新ベアラー要請メッセージが転送されるということを知らせる原因(Cause)を含むことができ、上記原因(Cause)が含まれた場合、GW 311の内部的に端末状態を設定できる。
【0050】
ステップ354で、ターゲットセル情報を受信したUE 309が上記ターゲットセルに移動すれば、必要な場合、ステップ366で、位置領域更新(Location Area Update)要請メッセージをMSC/VLR 301に転送して、UE 309の現在位置(UEが現在CSドメインに位置すること)を知らせて、ステップ368で、UTRAN/GERAN網102を通じてMSC/VLR 301にページング応答メッセージを送る。発信呼の場合、ステップ368は省略される。ステップ370で、MSC/VLR 301はレガシーCSドメインでの音声呼連結手続きに従って音声呼を設定し、UE 309に音声呼サービスを提供する。音声呼サービス提供中にステップ362のようにPSドメインを通じて受信されたDL PDUがあっても、ステップ364でDL PDUが捨てられるため、PSドメインの上でページング要請は発生しない。
【0051】
音声呼サービスを終了したUE 309がステップ372で上記E−UTRAN網に戻った場合、UE 309はステップ374でEPC網にトラッキング領域更新(Tracking Area Update)メッセージのようなNAS(Non-Access Stratum)メッセージをMME 303に送れば、PSサービスが可能な状態であることをMME 303が知るようになる。また、E−UTRAN 103のeNB 307がUE 309から任意のメッセージを受信した時、ステップ376のように、これをMME 303に知らせることもできる。上記ステップ374で、トラッキング領域更新メッセージのようなNASメッセージを受信するか、上記ステップ376のように、E−UTRAN 103のeNB 307からUE 309に関するメッセージを受信したMME 303はUE 309の現在状態がPSドメインに登録されているが、ページング受信ができない状態、即ち、一時停止(Suspended)状態の場合、この状態を解除し、ステップ378で、S−GWとP−GWのようなGW 311にデータ受信再開要請メッセージを送って、ステップ378の以後にステップ380のようにDL PDUがUE 309に提供できるようにする。このようなデータ受信再開要請メッセージの一例として、図面に示した通り、再開要請(Resume Request)メッセージを送ってGW 311内のUE 309の一時停止(Suspended)状態を解除させるか、ベアラー更新要請メッセージを転送してUE 309に属したベアラーの最大送受信速度をサービス一時停止状態の以前の値に再設定する方法がある。
【0052】
図4は、本発明の実施形態に従うMME 303の動作フローチャートである。ステップ402で、MME 303はMSC/VLR 301からCSページ要請メッセージを受信する。ステップ404で、上記CSページ要請メッセージをE−UTRANのeNB 307に転送する。以後、ステップ406で、E−UTRANのeNB 307からUE 309がPSサービスをサポートしないターゲットセルに切り換えたことを知らせるドメイン変更報告メッセージを受信するか、UE 309からPSセッション格納(Session Preservation)メッセージを受信した場合、ステップ408で、UE 309をサービス一時停止(suspended)状態に設定する。また、ダウンリンクデータパケット受信によって不要にUE 309にページングメッセージを送ることを防ぐために、ステップ410で、GW 311にサービス一時停止要請メッセージを追加的に送って、UE 309がデータを受信できない状態に設定する。または、図3に説明したように、更新ベアラー要請(Update Bearer Request)メッセージの最大送受信速度設定を変えてサービス一時停止要請メッセージと同一な機能を遂行するようにする。
【0053】
図5は、本発明の実施形態によってUE 309にページングメッセージを転送しなければならない状況でのMME 303の動作フローチャートである。
ステップ500で、MME 303はUE 309にページングメッセージを送らなければならない状況が発生すれば、ステップ502で、現在UE 309がページング受信不可状態に設定されたかを検査し、上記ステップ502の検査結果、上記UE 309がページング受信不可状態であれば、ステップ504でページングメッセージを送らず、UE 309に保留(pending)されたページングがあることを格納しておく。一方、上記ステップ502の検査結果、ページング受信不可状態でない場合、ステップ506で、E−UTRANのeNB 307にページングメッセージを転送してUE 309を呼び出す。
【0054】
図6は、本発明の実施形態によってUE 309にCSページングメッセージを転送しなければならない状況でのeNB 307の動作フローチャートである。
ステップ602で、eNB 307はMME 303またはUE 309(発信呼の場合)からCSページング要請メッセージを受信する。ここで、CSページング要請メッセージはCDMA2000網から受信したページング要請メッセージと称する。ステップ604で、eNB 307はUE 309が切り換えるターゲットセルに対する情報をターゲットネットワークから収集する。ステップ606で、ターゲットセルがPSハンドオーバー(handover)をサポートするか否かによってPSハンドオーバーを決定し、PSハンドオーバーが可能な場合には、ステップ608で端末が現在提供を受けているPSサービスに対してPSハンドオーバー手続きをMME 303に要請する。ステップ610で、eNB 307はUE 309にターゲットセルのCSドメインに切り換えることを命令する。このような命令の例には、ハンドオーバー命令(handover command)、NACC、リダイレクション(Redirection)などがあり、本発明ではその他にもCSドメインに切換を命令するメッセージには如何なるメッセージも適用が可能である。ステップ612で、eNB 307はMME 303にUE 309がCSドメインに切り換えたことを知らせるドメイン変更報告メッセージを転送する。
【0055】
図7は、本発明の実施形態によって、アイドル(idle)状態のUE 309から初めのメッセージを受信した状況でのeNB 307の動作フローチャートである。
ステップ702で、eNB 307はeNBと連結関係がなかったアイドル状態のUE 309からメッセージを受信する。ステップ704で、eNB 307はMME 303からUE 309と通信するための端末コンテキスト(context)情報を要請する。ステップ706で、eNB 307は端末コンテキスト(context)情報に含まれたUE 309の最近のドメイン情報を通じて、UE 309が現在CSドメインからPSドメインへ戻ったことを確認する。この際、上記ステップ706で、eNB 307はCNドメイン指示子が“CSドメイン”に設定されたかを検査することで、上記UE 309がCSドメインに位置したかを判断できる。上記ステップ706の確認結果、UE 309がCSドメインからまたPSドメインへ戻った場合、ステップ708でeNB 307はMME 303にUE 309がPSドメインへ戻ったことを知らせるドメイン変更報告(Domain Change Report)メッセージを伝達する。
【0056】
図8は、本発明の実施形態によって、3GPP2 CDMA2000 1x CS網で音声呼が受信された状況でCSドメインサービス方法を示す流れ図である。
UE 809は、MME 803を通じたトンネリングメッセージを用いて、E−UTRAN807網を通じてCDMA2000 1x CS網に登録されている状態である。
【0057】
ステップ850で、UE 809に対する受信呼を着信したMSC 801が1xCSインターワーキングソリューション(InterWorking Solution;以下、“IWS”という)または高速パケットデータ(High Rate Packet Data;以下、“HRPD”という)AN(Access Network)805を通じて1xページング(paging)メッセージを転送すれば、ステップ852で、1xCS IWS/HRPD AN 805は、MME 803に1xページングメッセージをトンネリングメッセージを用いて伝達する。3GPP2 1xCS網からトンネリングメッセージを受信したMME 803は、ステップ854で、上記受信した1xページングメッセージをNASトンネリングメッセージを通じてUE 809に伝達する。この際、上記NASメッセージが伝達する3GPP2メッセージが1xページングメッセージの場合、E−UTRAN 807のeNBがNASメッセージを確認する必要がないように、上記トンネリングメッセージがCSページングメッセージであることを表示できる。このような表示がない場合、eNBは全ての1xメッセージを伝達するNASメッセージが内容を確認して、ページング要請メッセージであるかを確認する。上記ステップ854で、MME 803は上記1xページングメッセージを転送して上記UE 809を呼び出す。上記ステップ854は、上記UE 809に上記CSドメインのサービスである音声呼を提供するために先行されなければならない手続きである。
【0058】
この際、伝達するメッセージが1xページング要請メッセージであるとか、UE 809がCSドメインのターゲットセル(target cell)に切り換えたことを確認した場合、ステップ856aで、E−UTRAN 807のeNBはMME 803にドメイン変更報告(Domain Change Report)メッセージを送ってUE 809がCSドメインに切り換えたことを知らせる。または、ステップ856bで、UE 809が直接MME 803にPSセッションを一時停止してくれることを要請するPSセッション格納(session preservation)メッセージを送ることも可能である。ステップ856aまたはステップ856bで、メッセージを受信したMME 803は該当UE 809がパケットサービスを受けられない状態であることを表示し、ステップ858で、GW 811に一時停止要請(Suspend Request)メッセージを送って、GW 811のUE 809状態をパケット送受信が一時停止された状態に変更することによって、UE 809がCSドメインでCSサービスを受ける間、これ以上パケット送受信がないようにする。
【0059】
上記図8でも前述の図3で説明したように、MME 803はUE 809がCSドメインにあることを判断するための2つの方案が存在するが、その方案はステップ856aとステップ856bである。MME 803は、ステップ856aでE−UTRAN 807から受信したドメイン変更報告メッセージを受信するか、またはステップ856bでUE 809からPSセッション格納メッセージを受信することによって、UE 809が現在CSドメインに位置するので、PSドメインサービスの提供を受けることができないということを判断できる。即ち、MME 803は、ステップ857を通じてUE 809が現在PSドメインのサービスの提供を受けることはできないということが分かる。一方、CDMA2000 1x CSドメインに移動したUE 809は、ステップ860とステップ862で、CDMA2000 1x網のMSC 801と既存の手続きの通り1x CSシグナリング手続きに従う送受信呼連結手続きを通じて音声呼サービスの提供を受ける。以後の手続きであるステップ864乃至ステップ878は、図3のステップ362、ステップ364と、ステップ370乃至ステップ380と同一であるので、説明を省略する。
【0060】
図9は、本発明の実施形態に従うUE 309、809の方法流れ図である。
ステップ900で、UEはPSドメインに接続してサービスの提供を受ける。そして、ステップ902で、音声呼サービスのようなCSドメインサービスが必要か否かを検査する。例えば、UEはページングメッセージのようなメッセージをCSドメインから受信する場合、CSドメインサービスが必要であることを判断できる。上記ステップ902の検査結果、音声呼サービスが必要であれば、UEはステップ904で予め決まったハンドオーバー手続きに従ってCSドメインに切り換える。これは、本発明の実施形態とは関係ないので、詳細な説明は省略する。そして、ステップ906で、UEは前述の図3のステップ358及び図8のステップ856bのように、PSドメインサービスを一時停止することをMME 303、803に要請する。上記ステップ906で、PSドメインサービスを一時停止することを要請したUE 309、809は、ステップ908で音声呼サービスを提供し、音声呼サービスが終了される場合にはステップ910でPSドメインに切り換える。
【0061】
図10は、本発明の実施形態に従うeNB 1000のブロック構成図である。
図10のeNB 1000は、図3のeNB 307と図8のE−UTRAN 807のeNBを示す。図10のeNB 1000で送受信モジュール1002はMME 303、803からページングメッセージを受信して制御部1004に伝達し、制御部1004の制御により上記受信されたページングメッセージをUE 309、809に伝達する。併せて、制御部1004の制御により上記UE 309、809がCSドメインに切り換えたので、PSドメインサービスの提供を受けられないことを知らせるドメイン変更報告メッセージをMME 303、803に転送する。
【0062】
上記制御部1004は、上記送受信モジュール1002を通じて上記ページングメッセージが受信されれば、上記ページングメッセージを伝達する上記UE 309、809が上記PSドメインから上記CSドメインに切り換えたかを判断し、上記UE 309、809が上記CSドメインに移動したならば、上記送受信モジュール1002を制御して上記ドメイン変更報告メッセージをMME 303、803に送信するように制御する。また、制御部1004は、上記UE 309、809のターゲットセルに対する情報を収集し、ターゲットセルがPSハンドオーバーをサポートするか否かによってPSハンドオーバーするか否かを決定し、それによってハンドオーバーに関連したメッセージを上記送受信モジュール1002を通じて送受信する。
【0063】
図11は、本発明の実施形態に従うMME 1100のブロック構成図である。図11のMME 1100は、図3のMME 303及び図8のMME 803を示す。MME 1100の送受信モジュール1102は、CSドメイン及びPSドメイン上の各ネットワークエンティティとメッセージを送受信して、受信されたメッセージを制御部1104に伝達し、制御部1104により生成されたメッセージを送信する。即ち、図11でMME 1100の送受信モジュール1102は、CSドメインのMSC 301、801からページングメッセージが受信されれば、受信されたページングメッセージを制御部1104に伝達し、制御部1104は上記ページングメッセージを上記送受信モジュール1102を通じてUE 309、809に転送するように制御する。そして、制御部1104は、送受信モジュール1102を通じてeNB 307、807または上記UE 309、809から上記UE 309、809がCSドメインに切り換えたことを指示するメッセージを受信すれば、UE 309、809に対するPSドメインサービスを一時停止状態に設定してメモリ1106に格納する。即ち、eNB 307、807から上記UE 309、809がドメイン変更報告メッセージまたはUE 309、809からPSセッション格納メッセージを受信すれば、UE 309、809に対するPSドメインサービスを一時停止状態に設定してメモリ1106に格納する。
【0064】
そして、上記UE 309、809に対してPSドメインサービスを一時停止状態に設定した以後に、制御部1104は一時停止要請メッセージを送受信モジュール1102を通じてGWに転送するように制御する。
【0065】
図12は、本発明の実施形態に従うUE 1200のブロック構成図である。上記図12のUE 1200は、図3のUE 309及び図8のUE 809を示す。
図12で送受信モジュール1202は、ネットワークエンティティと無線信号を通じてメッセージを送受信し、制御部1204は送受信モジュール1202を通じてメッセージを受信して所定の手続きに従って処理し、所定の手続きに従って生成されたメッセージを上記送受信モジュール1202を通じて送信する。メモリ1206は、上記制御部1204の処理により生成されたパラメータまたはデータを格納する。そして、本発明の実施形態によって制御部1204は、送受信モジュール1202を通じてPSドメインに接続してサービスの提供を受ける途中、音声呼サービスのようなCSドメインサービスが必要か否かを検査する。例えば、制御部1204はページングメッセージのようなメッセージが送受信モジュール1202を通じて受信される場合、CSドメインサービスが必要であることを判断できる。仮に、音声呼サービスが必要であれば、制御部1204は決まったハンドオーバー手続きに従ってCSドメインに移動する。そして、制御部1204は、PSドメインサービスを一時停止することを要請するために一時停止要請メッセージを送受信モジュール1202を通じてMME 303、803に要請する。
【0066】
本発明の幾つかの形態は、コンピュータ読取可能な記録媒体上にコンピュータ読取可能なコードとして具現されることもできる。コンピュータ読取可能な記録媒体は、今後にコンピュータシステムにより読取できる、データを格納できる任意のデータ格納装置である。コンピュータ読取可能な記録媒体の一例には、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光学データ格納装置、及び搬送波(インターネットを通じたデータ転送)を挙げることができる。コンピュータ読取可能な記録媒体は、コンピュータシステムと結合されたネットワーク上に分散配置されることもできるので、コンピュータ読取可能なコードは分散形態で格納及び実行される。また、本発明を実施するための機能的プログラム、コード、及びコードセグメントは、本発明が適用される技術分野のプログラマーであれば容易に理解できる。
【0067】
本発明は、幾つかの好ましい実施形態を参照して表し、記載されたが、添付した請求範囲及びこれらの均等物により定義されるように、当業者は本発明の趣旨及び範囲から外れない限り、形態及び詳細で多様な変更がなされうることが分かる。
【符号の説明】
【0068】
252 選択的測定報告
254 NACC
256 位置領域更新
260 音声呼確立
262 DL PDU
264 DLデータ通知

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための方法であって、
移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)が前記移動端末にCSドメインサービスを提供するために前記PSドメインの進化した基地局(evolved Node B:eNB)にページングメッセージを転送するステップと、
前記移動端末が前記CSドメインに位置していると、前記eNBが前記移動端末が前記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを前記MMEに転送するステップと、
前記MMEが前記PSドメインのゲートウェイ(Gateway)に前記移動端末に対して前記PSドメインで提供されるサービスを一時停止することを要請する一時停止要請メッセージを転送するステップと、
を含むことを特徴とする移動通信システムにおける音声呼提供方法。
【請求項2】
パケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するためのシステムであって、
前記CSドメインのサービスを提供するために前記移動端末にページングメッセージを転送し、前記移動端末が前記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを受信すれば、前記移動端末に対して前記PSドメインで提供されるサービスを一時停止することを要請する一時停止要請メッセージを転送する移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)と、
前記MMEから前記一時停止要請メッセージを受信すれば、前記PSドメインのサービスを一時停止するゲートウェイ(Gateway)と、
を含むことを特徴とする移動通信システムにおける音声呼提供システム。
【請求項3】
前記ゲートウェイは、
前記一時停止要請メッセージを受信した以後に受信されるパケットデータを廃棄することを特徴とする請求項2に記載の移動通信システムにおける音声呼提供システム。
【請求項4】
パケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて進化した基地局(evolved Node B:eNB)が音声呼サービスを提供するための方法であって、
移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)から前記移動端末に前記CSドメインのサービスを提供するためのページングメッセージを受信するステップと、
前記ページングメッセージを伝達する前記移動端末が前記CSドメインに切り換えれば、前記移動端末が前記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを前記MMEに転送するステップと、
を含むことを特徴とする移動通信システムにおける音声呼提供方法。
【請求項5】
パケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための進化した基地局(evolved Node B:eNB)装置であって、
移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)から移動端末に前記CSドメインのサービスを提供するためのページングメッセージを受信する送受信モジュールと、
前記送受信モジュールを通じて前記ページングメッセージが受信されれば、前記ページングメッセージを伝達する前記移動端末が前記CSドメインに切り換えたか否かを判断し、前記移動端末が前記CSドメインに切り換えたならば、前記移動端末が前記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)に送信するように前記送受信モジュールを制御する制御部と、
を含むことを特徴とする移動通信システムにおける音声呼提供装置。
【請求項6】
パケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)が音声呼サービスを提供するための方法であって、
前記移動端末に前記CSドメインのサービスを提供するためのページングメッセージを転送するステップと、
前記ページングメッセージに対する応答で、前記移動端末が前記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを受信するステップと、
前記移動端末が前記CSドメインに切り換えたならば、前記PSドメインのゲートウェイ(Gateway)に前記移動端末に対して前記PSドメインで提供されるサービスを一時停止することを要請する一時停止要請メッセージを転送するステップと、
を含むことを特徴とする移動通信システムにおける音声呼提供方法。
【請求項7】
前記報告メッセージは、
PSセッションを一時停止することを要請するPSセッション格納(PS Session Preservation)メッセージであることを特徴とする請求項2または請求項6に記載の移動通信システムにおける音声呼提供方法 。
【請求項8】
パケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)装置であって、
前記CSドメインのサービスを提供するために前記移動端末にページングメッセージを送信し、前記ページングメッセージに対する応答で、前記移動端末が前記CSドメインに切り換えたことを指示する報告メッセージを受信する送受信モジュールと、
前記移動端末が前記CSドメインに切り換えたならば、前記PSドメインのゲートウェイ(Gateway)に前記移動端末に対して前記PSドメインで提供されるサービスを一時停止することを要請する一時停止要請メッセージを転送するように常時送受信モジュールを制御する制御部と、
を含むことを特徴とする移動通信システムにおける音声呼提供装置。
【請求項9】
前記ページングメッセージは、
前記移動端末が位置したドメインを指示するためのコアネットワーク(Core Network:CN)ドメイン指示子(Domain Indicator)を含むことを特徴とする請求項1、2、4、5、6、8のうち、いずれか1つに記載の移動通信システムにおける音声呼提供装置 。
【請求項10】
前記報告メッセージは、
前記CSドメインを指示するCNドメイン指示子を含むことを特徴とする請求項9に記載の移動通信システムにおける音声呼提供装置 。
【請求項11】
前記報告メッセージは、
前記報告メッセージが前記移動端末が前記PSドメインのサービスを受信できないため、転送されるものであることを表す原因(Cause)を含むことを特徴とする請求項1、2、4、5、6、8のうち、いずれか1つに記載の移動通信システムにおける音声呼提供装置。
【請求項12】
パケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末がサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための方法であって、
前記CSドメインのサービスを受けるためのページングメッセージを受信するステップと、
前記ページングメッセージを受信すれば、前記PSドメインのサービスを一時停止させることを要求するメッセージを転送するステップと、
を含むことを特徴とする移動通信システムにおける音声呼提供方法。
【請求項13】
パケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けている間に、サーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための移動端末装置であって、
前記CSドメインのサービスを受けるためのページングメッセージを受信する送受信モジュールと、
前記ページングメッセージを受信すれば、前記PSドメインのサービスを一時停止させることを要求するメッセージを転送するように前記送受信モジュールを制御する制御部と、
を含むことを特徴とする移動通信システムにおける音声呼提供装置。
【請求項14】
パケット交換(Packet Switching:PS)ドメイン(domain)でサービスの提供を受けていた移動端末にサーキット交換(Circuit Switching:CS)ドメインを通じて音声呼サービスを提供するための方法であって、
移動性管理エンティティ(Mobile Management Entity:MME)が前記移動端末にCSドメインサービスを提供するためにページングメッセージを転送するステップと、
前記ページングメッセージの受信後、前記移動端末が前記MMEに前記PSドメインでのサービスを一時停止してくれることを要請するステップと、
前記要請を受けた後、前記MMEが前記PSドメインのゲートウェイ(Gateway)に前記移動端末の前記PSドメインから提供されるサービスを一時停止することを要請する一時停止要請メッセージを転送するステップと、
を含むことを特徴とする移動通信システムにおける音声呼提供方法。
【請求項15】
前記ページングメッセージは、
前記移動端末が位置したドメインを指示するためのコアネットワークドメイン指示子(Core Network Domain Indicator)を含むことを特徴とする請求項12、13、14のうち、いずれか1つに記載の移動通信システムにおける音声呼提供方法 。
【請求項16】
前記ゲートウェイが前記一時停止要請メッセージを受信した以後に受信されるパケットデータを廃棄するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1または14に記載の移動通信システムにおける音声呼提供方法 。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2011−524112(P2011−524112A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509409(P2011−509409)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002534
【国際公開番号】WO2009/139575
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】