説明

移動通信端末、通信システム及び通信方法

【課題】基地局の無線通信エリア外に移動通信端末が居るときの消費電力の低減効果をより高くする。
【解決手段】移動通信端末20は、基地局11からの無線信号が検出できない場合には、自端末の位置を特定する。次に、移動通信端末20は、サービスエリア情報を記憶部から読み出し、自端末の位置と比較して、自端末の位置が通信サービスエリア内であるか又は通信サービスエリア外であるかを判断する。移動通信端末20は、自端末の位置が通信サービスエリア外であれば、ネットワークサーチの有無を問い合わせるメッセージを表示部に表示する。ユーザがこのメッセージに対し、ネットワークサーチを停止する旨の操作を行うと、移動通信端末20はネットワークサーチを停止する。無線信号を受信できなくなってから位置特定を開始するので、無線信号を受信できなくなる前から絶えず位置特定を行っている場合に比べて、消費電力の低減を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末の消費電力を低減させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの移動通信端末は、移動通信網に含まれる基地局と無線通信を行う。特許文献1には、携帯電話機が過去に基地局の無線通信エリア外に居たときの位置を記憶しておき、その位置と自端末が測位した現在位置とが一致したときには、基地局からの信号を受信しないようにしたり、基地局から報知される無線信号を受信する周期を長くすることが開示されている。これにより、消費電力を低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−246342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術は消費電力の低減を目的としたものであるが、自身の現在位置を特定するべくGPSを用いた測位を絶えず行わなければならないから、その測位の分だけ消費電力が増えてしまうという問題がある。
本発明は、基地局の無線通信エリア外に移動通信端末が居るときの消費電力の低減効果をさらに高くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するために、本発明は、通信網に含まれる各基地局と無線通信を行う通信手段と、前記基地局から無線通信エリア内に報知される無線信号を、前記通信手段を用いて検出する無線信号検出手段であって、前記無線信号の検出を繰り返し試みる第1の動作モードと、前記基地局からの無線信号の検出を試みないか、又は、前記基地局からの無線信号の検出を前記第1の動作モードよりも低い頻度で試みる第2の動作モードのうち、いずれか一方の動作モードで動作する無線信号検出手段と、前記無線信号検出手段が前記第1の動作モードにおいて前記無線信号を検出できない状態になると、自端末の位置を特定する処理を開始する位置特定手段と、前記基地局の無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置を記憶するエリア記憶手段と、前記位置特定手段によって特定された位置と、前記エリア記憶手段に記憶されている位置とを比較し、自端末の位置が前記基地局の無線通信エリア内であるか又は無線通信エリア外であるかを判断する判断手段と、前記判断手段によって無線通信エリア外であると判断された場合には、前記無線信号検出手段の動作モードを前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに変更する動作モード変更手段とを備えることを特徴とする移動通信端末を提供する。
【0006】
また、上記構成において、ユーザが自端末を使用する動作があったことを検知する検知手段を備え、前記動作モード変更手段は、前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに、自端末を使用する動作があったことが前記検知手段により検知されると、前記無線信号検出手段の動作モードを前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに変更するようにしてもよい。
【0007】
さらに、上記構成において、前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに、自端末を使用する動作があったことが前記検知手段により検知され、さらに、前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに前記判断手段により自端末の位置が前記基地局の無線通信エリア内であると判断されたときに、前記無線信号検出手段の動作モードを前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに変更するようにしてもよい。
【0008】
また、上記構成において、時刻を計測する計時手段と、前記無線信号検出手段が前記第1動作モードで動作する時刻として決められた動作時刻を記憶する時刻エリア記憶手段とを備え、前記動作モード変更手段は、前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに、前記計時手段によって計測された時刻が前記エリア記憶手段に記憶されている動作時刻と一致すると、前記無線信号検出手段の動作モードを前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに変更するようにしてもよい。
【0009】
さらに、上記構成において、前記動作モード変更手段は、前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに、前記計時手段によって計測された時刻が前記エリア記憶手段に記憶されている動作時刻と一致し、さらに、前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに前記判断手段により自端末の位置が前記基地局の無線通信エリア内であると判断されたときに、前記無線信号検出手段の動作モードを前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに変更するようにしてもよい。
【0010】
また、上記構成において、前記無線信号検出手段が前記無線信号を検出できない期間にわたって前記位置特定手段が特定した位置を、前記通信手段を用いて、前記移動通信網に接続された管理装置に通知する通知手段を備え、前記エリア記憶手段は、前記管理装置から配信される内容に従って、無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置を記憶するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明は、通信網を介して通信を行う複数の移動通信端末と、通信網に接続された管理装置とを備えた通信システムであって、各々の前記移動通信端末は、通信網に含まれる各基地局と無線通信を行う通信手段と、前記基地局から無線通信エリア内に報知される無線信号を、前記通信手段を用いて検出する無線信号検出手段であって、前記無線信号の検出を繰り返し試みる第1の動作モードと、前記基地局からの無線信号の検出を試みないか、又は、前記基地局からの無線信号の検出を前記第1の動作モードよりも低い頻度で試みる第2の動作モードのうち、いずれか一方の動作モードで動作する無線信号検出手段と、前記無線信号検出手段が前記第1の動作モードにおいて前記無線信号を検出できない状態になると、自端末の位置を特定する処理を開始する位置特定手段と、前記管理装置から配信された内容に従って、前記基地局の無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置を記憶するエリア記憶手段と、前記位置特定手段によって特定された位置と、前記エリア記憶手段に記憶されている位置とを比較し、自端末の位置が前記基地局の無線通信エリア内であるか又は無線通信エリア外であるかを判断する判断手段と、前記判断手段によって無線通信エリア外であると判断された場合には、前記無線信号検出手段の動作モードを前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに変更する動作モード変更手段と、前記無線信号検出手段が前記無線信号を検出できない期間にわたって前記位置特定手段が特定した位置を、前記通信手段を用いて、前記移動通信網に接続された管理装置に通知する通知手段とを備え、前記管理装置は、各々の前記移動通信端末の前記通知手段により通知された位置に基づいて、前記基地局の無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置を特定するエリア特定手段と、前記特定手段によって特定された位置を各々の移動通信端末に配信する配信手段とを備えることを特徴とする通信システムを提供する。
【0012】
また、上記構成において、各々の前記移動通信端末の前記通知手段は、自端末の機種を前記管理装置に通知し、前記管理装置の特定手段は、各々の前記移動通信端末の前記通知手段により通知された位置及び機種に基づいて、前記基地局の無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置を前記移動通信端末の機種ごとに特定し、前記管理装置の配信手段は、前記特定手段によって前記機種ごとに特定された位置を、当該機種の移動通信端末に配信するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明は、移動通信端末が、通信網に含まれる各基地局と無線通信を行う通信手段と、前記基地局との間の無線通信路の確立要求を、前記基地局に対して繰り返し行う第1のステップと、前記移動通信端末が、前記第1のステップにおいて無線通信路を確立できないときに自端末の位置を特定する処理を開始する第2のステップと、前記移動通信端末が、前記通信網に含まれる各基地局の無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置として記憶手段に記憶されている内容と、前記第2のステップにおいて特定した位置とを比較し、自端末の位置が前記基地局の無線通信エリア内であるか無線通信エリア外であるかを判断する第3のステップと、前記移動通信端末が、前記第3のステップにおいて無線通信エリア外であると判断された場合には、前記基地局に対して行う無線通信路の確立要求を停止するか、又は、当該確立要求を行う頻度を前記第1のステップにおける当該頻度よりも低くする第4のステップとを備えることを特徴とする通信方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基地局の無線通信エリア外に移動通信端末が居るときの消費電力の低減効果をさらに高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係る移動通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態に係る管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】同移動通信端末の機能構成を示すブロック図である。
【図5】同管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】第1の動作モードから第2の動作モードに変更するときの、同移動通信端末の制御部による処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】第2の動作モードから第1の動作モードに変更するときの、同移動通信端末の制御部による処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの全体構成を示すブロック図である。図1において、移動通信端末20は、例えばIMT−2000(International Mobile Telecommunications-2000)と呼ばれる通信規格に従って無線通信を行う携帯電話機である。移動通信網10は、複数の基地局11や図示せぬ交換局などの通信設備を備えたネットワークである。基地局11は移動通信端末20と無線通信を行う。基地局11が無線通信可能な半径数十mから数百メートルの無線通信エリアをセルと言い、これら複数の無線通信エリアが連なることで、移動通信網10によって通信サービスが提供される通信サービスエリアが広範囲にわたって形成されている。管理装置30は、移動通信網10に接続されており、全基地局11の無線通信エリア群の位置、つまり、移動通信網10の通信サービスエリア全体の位置を表すサービスエリア情報を記憶している。このサービスエリア情報は、通信サービスエリアに該当する範囲を緯度及び経度で表した情報である。サービスエリア情報は、管理装置30から各移動通信端末20に配信され、これらの各移動通信端末20において、自端末が移動通信網10の通信サービスエリア内に居るか又は通信サービスエリア外に居るかを判断するために用いられる。
【0017】
図2は、移動通信端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。移動通信端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、音声入出力部24と、操作部2525と、表示部26と、測位部27とを備えたコンピュータとして構成されている。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの記憶装置とを備えている。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶部22に記憶されたプログラムを実行することによって、移動通信端末20の各部の動作を制御する。記憶部22は、書き込み可能な不揮発性の記憶手段であり、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)やバックアップ電源を備えたSRAM(Static Random Access Memory)である。記憶部22には、制御部21によって実行されるプログラムや、前述したように管理装置30から配信されてくるサービスエリア情報などが記憶される。通信部23は、アンテナや通信回路を備えており、基地局11と無線通信を行う。音声入出力部24は、スピーカ、マイクロホン及び音声処理回路などを備えており、通話に係る音声の入出力を行う。操作部25は、複数のキーやタッチセンサなどの操作子を備え、ユーザの操作に応じた操作信号を制御部21に供給する。制御部21は、この操作信号に応じた処理を行う。表示部26は、液晶パネルや液晶駆動回路を備えており、制御部21からの指示に応じて画像を表示する。測位部27は、例えばGPS(Global Positioning System)の技術を用いて移動通信端末20の位置を計測する。
【0018】
図3は、管理装置30の構成を示すブロック図である。管理装置30は、制御部31と、通信部32と、記憶部33とを備えたコンピュータとして構成されている。制御部31は、CPUなどの演算装置と、ROM及びRAMなどの記憶装置とを備えている。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶部33に記憶されたプログラムを実行することによって、管理装置30の各部の動作を制御する。通信部32は、移動通信網10に対する通信インタフェースを備えており、移動通信網10を介して移動通信端末20と通信を行う。記憶部33は、書き込み可能な不揮発性の記憶手段であり、例えばハードディスクである。この記憶部33には、制御部31が実行する処理の手順が記述されたプログラムのほか、移動通信端末20に配信されるサービスエリア情報などが記憶されている。
【0019】
図4は、移動通信端末20の制御部21がプログラムを実行することで実現する機能を示すブロック図である。移動通信端末20は、前述した通信部23のほか、制御部21がプログラムを実行することで実現されるエリア記憶部211、無線信号検出部212、位置特定部213、判断部214、動作モード変更部215及び通知部216を備えている。エリア記憶部211は、管理装置30から配信されるサービスエリア情報を記憶する。つまり、エリア記憶部211は、管理装置30から配信される内容に従ってサービスエリア情報を記憶するものである。無線信号検出部212は、基地局11から報知される無線信号を通信部23を用いて検出する手段であり、2つの動作モードのいずれか一方で動作するようになっている。第1の動作モードは、基地局11から無線通信エリア内に報知される無線信号の検出を繰り返し試みる動作モードであり、第2の動作モードは、基地局11からの無線信号の検出を試みない動作モードである。位置特定部213は、測位部27を用いて移動通信端末20の位置を特定する手段であり、特に無線信号検出部212が第1の動作モードにおいて無線信号を検出できない状態になると、測位部27を用いて移動通信端末20の位置を特定する処理を開始する。判断部214は、位置特定部213によって特定された位置と、エリア記憶部211に記憶されている位置とを比較し、移動通信端末20の位置が通信サービスエリア内であるか通信サービスエリア外であるかを判断する。動作モード変更部215は、判断部214によって通信サービスエリア外であると判断された場合には、無線信号検出部212の動作モードを第1の動作モードから第2の動作モードに変更する。通知部216は、無線信号検出部212が無線信号を検出できない期間にわたって位置特定部213が特定した位置を、通信部23を用いて、管理装置30に通知する。
【0020】
図5は、管理装置30の制御部21がプログラムを実行することで実現する機能を示すブロック図である。管理装置30は、エリア特定部311と、配信部312とを備えている。エリア特定部311は、各々の移動通信端末20の通知部216により通知された位置に基づいて、移動通信網10の通信サービスエリア全体の位置を特定し、この位置を表すサービスエリア情報を生成する。このサービスエリア情報は記憶部22に記憶される。配信部312は、通信部32を用いてサービスエリア情報を各々の移動通信端末20に配信する。
【0021】
(動作)
(第1の動作モードから第2の動作モードへの変更)
図6は、制御部21が第1の動作モードから第2の動作モードへ変更するときの処理の手順を示すフローチャートである。制御部21は、移動通信端末20の電源オン時には、まず前述した第1の動作モードでの動作を開始する。この第1の動作モードにおいて、制御部21は、通信部23を用いて、ネットワークサーチと呼ばれる処理、つまり各基地局11からそれぞれの無線通信エリア内に報知されている無線信号の検出を試みるという処理を行う(ステップS1)。制御部21は、このネットワークサーチの結果、無線信号を検出すると(ステップS2;YES)、例えば移動通信端末20が在圏する位置登録エリアを移動通信網10に登録するなどの、移動通信網10から通信サービスを受けるために必要な処理を行う。移動通信網10から通信サービスを受けられる状態になると、制御部21は、管理装置30からサービスエリア情報を取得する(ステップS11)。つまり、制御部21は、通信部23を用いて管理装置30に対しサービスエリア情報を要求し、これに応じて管理装置30から配信されてくるサービスエリア情報を通信部23を用いて受信し、記憶部22に記憶させる。そして、制御部21は、図6に示す処理を終了し、以降は、移動通信網10から呼び出しを待ち受ける、いわゆる待ち受け状態になる。
【0022】
ステップS1のネットワークサーチの結果、無線信号が検出できない場合には(ステップS2;NO)、制御部21は、その検出に失敗した回数が、記憶部22に記憶されている閾値に到達したか否かを判断する(ステップS3)。検出に失敗した回数が閾値に到達していない場合には(ステップS3;NO)、制御部21は、ステップS1の処理に戻る。そして、制御部21は、前回、無線信号の検出を試みたときから所定期間T1が経過すると、再びネットワークサーチを行う。このように、制御部21は、基地局11から報知される無線信号の検出に失敗した回数が閾値に到達するまで、ステップS1からステップS3の処理を繰り返す。
【0023】
そして、制御部21は、検出に失敗した回数が閾値に到達し(ステップS3;YES)、基地局11から報知される無線信号を検出できない状態になったと判断すると、測位部27を用いて自端末の位置を特定する処理を開始する(ステップS4)。この位置特定の処理は、以降、自端末が通信サービスエリア内に居ることが確認されるまで又はユーザからネットワークサーチを行う旨の明示的な操作があるまで、定期的に繰り返される。このとき特定された位置は緯度及び経度で表現され、制御部21のRAMに記憶される。そして、制御部21は、特定した位置を、通信部23を用いて管理装置30に送信する(ステップS5)。
【0024】
一方、管理装置30の制御部31はプログラムを常時実行しており、通信部32がこの位置を受信すると、これを記憶部33に記憶する。制御部31は、このようにして各移動通信端末20から通知されてくる位置群に基づいて、通信サービスエリアの範囲、つまり通信サービスエリアに含まれる全位置を特定する。具体的には、上記のようにして移動通信端末20から通知される位置は、基地局11からの無線信号が到達しない位置であるから、制御部31は、地図上でこれらの位置の密集度ないし密度を予め決められた大きさの単位領域ごと計算し、その計算値が閾値以上となった単位領域を通信サービスエリア外に属すると判断する。そして、制御部31は、通信サービスエリアとして予め想定され得る全範囲(例えば日本国全土の範囲)から、通信サービスエリア外の全範囲を除外したエリアを、通信サービスエリア内に該当すると判断する。制御部31は、このようにして特定した通信サービスエリア内の全位置を表すサービスエリア情報を生成し、記憶部33に記憶する。このサービスエリア情報は、前述したステップS11において管理装置30から移動通信端末20に配信されることになる。
【0025】
次に、移動通信端末20の制御部21は、サービスエリア情報を記憶部22から読み出し、このサービスエリア情報が示す位置とステップS4で特定した位置とを比較して、自端末の位置が通信サービスエリア内であるか又は通信サービスエリア外であるかを判断する(ステップS6)。制御部21は、サービスエリア情報が表す位置の範囲に自端末の位置が含まれていなければ、自端末の位置が通信サービスエリア外であると判断する(ステップS7;エリア外)。この場合、制御部21は、例えば「現在、通信サービスエリア外です。省電力のためにネットワークサーチを停止しますか?」というように、ネットワークサーチの実行の有無をユーザに問い合わせるメッセージを表示部26に表示させる(ステップS8)。ユーザがこのメッセージに対しネットワークサーチを停止させる旨の操作を行うと、この操作が操作部25によって受け付けられる(ステップS9;YES)。これに応じて、制御部21は第1の動作モードから第2の動作モードに変更し、ネットワークサーチを停止する(ステップS10)。これ以降、制御部21は、例えば「ネットワークサーチ停止中」とか「通信サービス利用を中断しています」などのメッセージを表示部26に表示させることで、ネットワークサーチが行われていないことをユーザが分かるようにしておく。なお、制御部21は、ステップS7において自端末の位置が通信サービスエリア内であると判断した場合(ステップS7;エリア内)や、ステップS9においてネットワークサーチを停止しない旨の操作が行われた場合(ステップS9;NO)には、ステップS1の処理に戻る。
【0026】
(第2の動作モードから第1の動作モードへの変更)
図7は、制御部21が第2の動作モードから第1の動作モードへ変更するときの処理の手順を示すフローチャートである。前述したように、ユーザは、「ネットワークサーチ停止中」とか「通信サービス利用を中断しています」などのメッセージを見て、ネットワークサーチが行われていないことを知り得るようになっている。ここで、ユーザが通信サービスを受けたいと考えたなら、ネットワークサーチを指示する操作として予め決められた操作を行う。この操作が操作部25によって受け付けられると(ステップS21;YES)、制御部21は、サービスエリア情報を記憶部22から読み出す。そして、制御部21は、このサービスエリア情報と、自端末が通信サービスエリア内に居ることが確認されるまで定期的に特定している自端末の位置とを比較して、自端末の位置が通信サービスエリア内であるか否かを判断する(ステップS22)。
【0027】
制御部21は、自端末の位置が通信サービスエリア内であると判断した場合(ステップS22;YES)、第2の動作モードから第1の動作モードに変更する(ステップS23)。以降、制御部21は図6に示した手順に従い、ネットワークサーチを再開する。一方、ステップS22において、制御部21は、自端末の位置が通信サービスエリア内ではないと判断した場合(ステップS22;NO)、「通信サービスエリア外であるため、ネットワークサーチができません。」というように、ネットワークサーチが不可である旨のメッセージを表示部26に表示させて、図7の処理を終了する。
【0028】
上記実施形態によれば次のような効果を奏する。
まず、移動通信端末20は、基地局11から報知される無線信号を検出できなくなってから自端末の位置を特定する処理を開始し、通信サービスエリア内に居ることが確認されると、この位置特定の処理を終了するので、位置を特定する処理を絶えず行っている場合に比べて、消費電力の低減を図ることができる。
【0029】
また、都市部などにおいては、基地局11から報知された無線信号が建設物に遮られたり、通信の輻輳が発生したりすることで、本来は基地局11の無線通信エリア内であるにも関わらず、基地局11と無線通信ができないエリアが生じることがある。このようなエリアは基地局11の無線通信エリアと比べて狭いから、このようなエリアに移動通信端末20を所持したユーザが進入したとしても、少し移動すればこのエリアから退出して、基地局11と無線通信ができるようになることが多い。上記実施形態によれば、ネットワークサーチの実行の有無をユーザに問い合わせてからネットワークサーチを停止するので、ユーザは、自らが都市部に居て基地局11の無線通信エリア外であるとはおよそ考えられないような場合には、ネットワークサーチを停止しない旨の操作を行えば、再び、基地局11と無線通信ができるようになる余地がある。よって、ネットワークサーチを停止することで、通信サービスを受けられる状態が途絶えるといった可能性を小さくすることができる。また、例えば前述した特許文献1に記載の仕組みでは、移動通信端末自身が過去に通信サービスエリア外であったときの位置を用いているが、上記実施形態では自身以外の他の移動通信端末20が過去に通信サービスエリア外であったときの位置をも用いて通信サービスエリアの位置を判定している。よって、上記実施形態によれば、通信サービスエリア内か外かであるかを判定する精度が高いし、移動通信端末20を所持するユーザが始めて訪問するような地域であっても、移動通信端末20の省電力を図ることができる。
【0030】
また、上記実施形態では、第2の動作モードから第1の動作モードに変更する場合、ユーザがネットワークサーチを指示する操作を行っても、移動通信端末20は自端末が通信サービスエリア内に居ることを確認してから第1の動作モードに変更するようにしている。よって、上記実施形態によれば、移動通信端末が通信サービスエリア内に居ないにも関わらず第1の動作モードに変更して無駄なネットワークサーチを行う、といった事態を避けることができる。
【0031】
(変形例)
本発明は上述した実施形態に限定されず、次のような変形が可能である。また、以下の変形例を相互に組み合わせてもよい。
(変形例1)
実施形態では、第2の動作モードを、基地局11から報知される無線信号の検出を行わない動作モードとしていたが、そうではなくて、第1の動作モードよりも低い頻度で無線信号の検出を試みる動作モードとしてもよい。このようにしても、移動通信端末20における消費電力の低減を図ることができる。
【0032】
(変形例2)
実施形態において、制御部21は、ステップS7にて通信サービスエリア外であると判断すると、まず、ネットワークサーチの実行の有無を問い合わせるメッセージを表示部26に表示させ、さらにユーザがネットワークサーチを停止させることを指示する操作を行うと、第1の動作モードから第2の動作モードに変更してネットワークサーチを停止していた。このような動作に代えて、制御部21は、ステップS7にて通信サービスエリア外であると判断すると、上記のような表示を行わずに、直ちに第1の動作モードから第2の動作モードに変更してネットワークサーチを停止するようにしてもよい。
【0033】
(変形例3)
ステップS6において、制御部21は、サービスエリア情報を記憶部22から読み出し、ステップS4で特定した位置と比較して、自端末の位置が通信サービスエリア内であるか又は通信サービスエリア外であるかを判断していたが、さらに次のようにしてもよい。制御部21は、自端末の位置が通信サービスエリア外であれば、ステップS4で特定した位置から最も近い通信サービスエリアまでの距離を算出する。この距離が閾値以下であれば、制御部21は、第1の動作モードから第2の動作モードに変更して、ネットワークサーチの頻度を低くする。つまり、制御部21は、実施形態で説明した所定期間T1よりも長い所定期間T2が経過すると再びネットワークサーチを行うようにする。そして、制御部21は、上記の距離が閾値を超えると、ネットワークサーチの頻度をさらに低くするか、ネットワークサーチを行わないようにする。つまり、制御部21は、所定期間T2よりも長い所定期間T3が経過すると再びネットワークサーチを行うようにするか、又は、ネットワークサーチを行わないようにする。移動通信端末20を所持したユーザが通信サービスエリアから退出したとしても、通信サービスエリアからの距離が短ければ、比較的短期間のうちに再び通信サービスエリアに進入する可能性が高い。この変形例によれば、このような場合に備えてネットワークサーチを継続しておくので、ネットワークサーチを停止することで、通信サービスを受けられる状態が途絶えるといった可能性を小さくすることができる。
【0034】
(変形例4)
第2の動作モードから第1の動作モードに変更する条件は、実施形態に例示した内容に限らず、次のような条件であってもよい。制御部21は、ユーザが自端末を使用する動作があったことを検知すると、第2の動作モードから第1の動作モードに変更する。具体的には、操作部25がどのようなものでもよいから何らかの操作を受け付けたとか、ユーザが移動通信端末20のどこかを触ったということを、操作部25や接触センサなどの検知手段を用いて検知すると、制御部21は、第2の動作モードから第1の動作モードに変更する。これらの動作はユーザが移動通信端末20を使用する動作とみなすことができるから、この使用に備えてネットワークサーチを開始しておく、という考え方である。制御部21は、さらに、ユーザが自端末を使用する動作があったことが検知手段により検知され、且つ、自端末の位置が通信サービスエリアであると判断したときに、第2の動作モードから第1の動作モードに変更するようにしてもよい。
【0035】
(変形例5)
第2の動作モードから第1の動作モードに変更する条件は、さらに次のようなものがある。記憶部22は、第1動作モードで動作する時刻として決められた動作時刻を記憶しておき、制御部21が時刻を計測して、計測した現在の時刻が上記動作時刻に至ると第2の動作モードから第1の動作モードに変更する。第1動作モードで動作する時刻として決められた動作時刻とは、例えばユーザが起床時刻や仕事の昼休みの時刻として操作部25を用いて移動通信端末20に入力しておいた時刻であるとか、ユーザが移動通信端末のアラーム機能によりアラームを出力する時刻として操作部25を用いて移動通信端末20に入力しておいた時刻などである。これらの時刻は、ユーザが移動通信端末20を使用する可能性が高い時刻であるから、第1動作モードで動作する時刻として決められた動作時刻とみなしている。制御部21は、さらに、現在の時刻が第1動作モードで動作する時刻として決められた動作時刻に一致し、且つ、自端末の位置が通信サービスエリアであると判断したときに、第2の動作モードから第1の動作モードに変更するようにしてもよい。
また、制御部21は、第2の動作モードにおいて、基地局からの無線信号であることを識別してそれを検出するということができないまでも、外部から与えられる何らかの微弱電波を通信部23が受信した場合には、第2の動作モードから第1の動作モードに変更するようにしてもよい。
【0036】
(変形例6)
実施形態において、移動通信端末は、管理装置から配信されるサービスエリア情報を用いて、自端末の位置が通信サービスエリア内であるか又は通信サービスエリア外であるかを判断していたが、サービスエリア情報はきめ細やかな位置単位のものとは限らないから、さらに次のようにしてもよい。制御部21は、例えばユーザが電子メールを作成してその送信を指示したところ、その送信が失敗して記憶部22に保存されたようなときに、自端末の位置を特定し、その位置を通信サービスエリア外の位置として記憶部に記憶しておく。このような位置は、通信サービスエリア外であるがゆえに電子メールの送信が失敗したと考えられるからである。そして、制御部21は、ステップS6にて、サービスエリア情報及び上記の通信サービスエリア外の位置を記憶部22から読み出し、このサービスエリア情報が示す位置及び上記の通信サービスエリア外の位置と、ステップS4で特定した位置とを比較して、自端末の位置が通信サービスエリア内であるか又は通信サービスエリア外であるかを判断する。
【0037】
(変形例7)
移動通信端末20の位置は、緯度及び経度という2次元の位置ではなく、高さも加えた3次元の位置であってもよい。この場合、移動通信端末20は高さ方向の位置を特定する手段を備える必要があるが、この手段は例えば高度計である。また、移動通信網10以外の、例えば無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントが建設物の各階に備えられ、且つ、移動通信端末が通信部23に加え無線LAN機能をも備えている場合には、制御部21は、このアクセスポイントから報知される無線信号の識別情報を高さ方向の位置を表す情報として用いてもよい。
【0038】
(変形例8)
サービスエリア情報は、移動通信網10の通信サービスエリア内の位置を表すものではなく、通信サービスエリア外の位置を表す情報であってもよい。このような通信サービスエリア外の位置を表すサービスエリア情報を用いても、移動通信端末20において自端末が移動通信網10の通信サービスエリア内に居るか又は通信サービスエリア外に居るかが判断可能である。
【0039】
(変形例9)
上述した移動通信端末20や管理装置30において実行されるプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、RAMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。
【符号の説明】
【0040】
10・・・移動通信網、11・・・基地局、20・・・移動通信端末、21・・・制御部、22・・・記憶部、23・・・通信部、24・・・音声入出力部、25・・・操作部、26・・・表示部、27・・・測位部、30・・・管理装置、31・・・制御部、32・・・通信部、33・・・記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に含まれる各基地局と無線通信を行う通信手段と、
前記基地局から無線通信エリア内に報知される無線信号を、前記通信手段を用いて検出する無線信号検出手段であって、前記無線信号の検出を繰り返し試みる第1の動作モードと、前記基地局からの無線信号の検出を試みないか、又は、前記基地局からの無線信号の検出を前記第1の動作モードよりも低い頻度で試みる第2の動作モードのうち、いずれか一方の動作モードで動作する無線信号検出手段と、
前記無線信号検出手段が前記第1の動作モードにおいて前記無線信号を検出できない状態になると、自端末の位置を特定する処理を開始する位置特定手段と、
前記基地局の無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置を記憶するエリア記憶手段と、
前記位置特定手段によって特定された位置と、前記エリア記憶手段に記憶されている位置とを比較し、自端末の位置が前記基地局の無線通信エリア内であるか又は無線通信エリア外であるかを判断する判断手段と、
前記判断手段によって無線通信エリア外であると判断された場合には、前記無線信号検出手段の動作モードを前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに変更する動作モード変更手段と
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項2】
ユーザが自端末を使用する動作があったことを検知する検知手段を備え、
前記動作モード変更手段は、前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに、自端末を使用する動作があったことが前記検知手段により検知されると、前記無線信号検出手段の動作モードを前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに変更する
ことを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
【請求項3】
前記動作モード変更手段は、
前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに、自端末を使用する動作があったことが前記検知手段により検知され、
さらに、前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに前記判断手段により自端末の位置が前記基地局の無線通信エリア内であると判断されたときに、
前記無線信号検出手段の動作モードを前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに変更する
ことを特徴とする請求項2記載の移動通信端末。
【請求項4】
時刻を計測する計時手段と、
前記無線信号検出手段が前記第1動作モードで動作する時刻として決められた動作時刻を記憶する時刻エリア記憶手段とを備え、
前記動作モード変更手段は、前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに、前記計時手段によって計測された時刻が前記エリア記憶手段に記憶されている動作時刻と一致すると、前記無線信号検出手段の動作モードを前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに変更する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項5】
前記動作モード変更手段は、
前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに、前記計時手段によって計測された時刻が前記エリア記憶手段に記憶されている動作時刻と一致し、
さらに、前記無線信号検出手段が前記第2の動作モードで動作しているときに前記判断手段により自端末の位置が前記基地局の無線通信エリア内であると判断されたときに、
前記無線信号検出手段の動作モードを前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに変更する
ことを特徴とする請求項4記載の移動通信端末。
【請求項6】
前記無線信号検出手段が前記無線信号を検出できない期間にわたって前記位置特定手段が特定した位置を、前記通信手段を用いて、前記移動通信網に接続された管理装置に通知する通知手段を備え、
前記エリア記憶手段は、前記管理装置から配信される内容に従って、無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置を記憶する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項7】
通信網を介して通信を行う複数の移動通信端末と、通信網に接続された管理装置とを備えた通信システムであって、
各々の前記移動通信端末は、
通信網に含まれる各基地局と無線通信を行う通信手段と、
前記基地局から無線通信エリア内に報知される無線信号を、前記通信手段を用いて検出する無線信号検出手段であって、前記無線信号の検出を繰り返し試みる第1の動作モードと、前記基地局からの無線信号の検出を試みないか、又は、前記基地局からの無線信号の検出を前記第1の動作モードよりも低い頻度で試みる第2の動作モードのうち、いずれか一方の動作モードで動作する無線信号検出手段と、
前記無線信号検出手段が前記第1の動作モードにおいて前記無線信号を検出できない状態になると、自端末の位置を特定する処理を開始する位置特定手段と、
前記管理装置から配信された内容に従って、前記基地局の無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置を記憶するエリア記憶手段と、
前記位置特定手段によって特定された位置と、前記エリア記憶手段に記憶されている位置とを比較し、自端末の位置が前記基地局の無線通信エリア内であるか又は無線通信エリア外であるかを判断する判断手段と、
前記判断手段によって無線通信エリア外であると判断された場合には、前記無線信号検出手段の動作モードを前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに変更する動作モード変更手段と、
前記無線信号検出手段が前記無線信号を検出できない期間にわたって前記位置特定手段が特定した位置を、前記通信手段を用いて、前記移動通信網に接続された管理装置に通知する通知手段とを備え、
前記管理装置は、
各々の前記移動通信端末の前記通知手段により通知された位置に基づいて、前記基地局の無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置を特定するエリア特定手段と、
前記特定手段によって特定された位置を各々の移動通信端末に配信する配信手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項8】
各々の前記移動通信端末の前記通知手段は、自端末の機種を前記管理装置に通知し、
前記管理装置の特定手段は、各々の前記移動通信端末の前記通知手段により通知された位置及び機種に基づいて、前記基地局の無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置を前記移動通信端末の機種ごとに特定し、
前記管理装置の配信手段は、前記特定手段によって前記機種ごとに特定された位置を、当該機種の移動通信端末に配信する
ことを特徴とする請求項7記載の通信システム。
【請求項9】
移動通信端末が、通信網に含まれる各基地局と無線通信を行う通信手段と、前記基地局との間の無線通信路の確立要求を、前記基地局に対して繰り返し行う第1のステップと、
前記移動通信端末が、前記第1のステップにおいて無線通信路を確立できないときに自端末の位置を特定する処理を開始する第2のステップと、
前記移動通信端末が、前記通信網に含まれる各基地局の無線通信エリア内又は無線通信エリア外の位置として記憶手段に記憶されている内容と、前記第2のステップにおいて特定した位置とを比較し、自端末の位置が前記基地局の無線通信エリア内であるか無線通信エリア外であるかを判断する第3のステップと、
前記移動通信端末が、前記第3のステップにおいて無線通信エリア外であると判断された場合には、前記基地局に対して行う無線通信路の確立要求を停止するか、又は、当該確立要求を行う頻度を前記第1のステップにおける当該頻度よりも低くする第4のステップと
を備えることを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−5146(P2013−5146A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133043(P2011−133043)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】