稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラム
【課題】処理設備中におけるワークの流れを把握することができる稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】稼働状況表示システム1は、ワークbx、byに所定の処理を施す作業エリアx、yを複数有する処理ユニット201〜220が直列に複数並べられると共に、複数の処理ユニット201〜220各々の作業エリアx、yが直列に並べられワークbx、byに連続的に処理を施すレーンX、Yを複数形成する処理設備2の稼働状況を、画面に表示可能である。稼働状況表示システム1は、処理ユニット201〜220毎に複数のレーンX、Y各々におけるワークbx、byの処理時間を時系列的に画面に表示可能な表示装置31を備える。
【解決手段】稼働状況表示システム1は、ワークbx、byに所定の処理を施す作業エリアx、yを複数有する処理ユニット201〜220が直列に複数並べられると共に、複数の処理ユニット201〜220各々の作業エリアx、yが直列に並べられワークbx、byに連続的に処理を施すレーンX、Yを複数形成する処理設備2の稼働状況を、画面に表示可能である。稼働状況表示システム1は、処理ユニット201〜220毎に複数のレーンX、Y各々におけるワークbx、byの処理時間を時系列的に画面に表示可能な表示装置31を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電子部品実装機などに用いられる稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品実装機は、直列に連結された多数の処理ユニットを備えている。これら多数の処理ユニットの所定スロットには、電子部品供給装置がセットされている。回路基板がこれら多数の処理ユニットを通過する過程で、電子部品は当該電子部品供給装置から回路基板の所定の座標に搭載される。
【0003】
図20に、従来の電子部品実装機の稼働状況表示システムの画面表示の模式図を示す。(a)は、従来の電子部品実装機のステータスの時系列変化を示すグラフである。(b)は、同電子部品実装機の時間当たりの回路基板の生産枚数の時系列変化を示すグラフである。従来の稼働状況表示システムは、図20(a)、(b)のグラフを、画面に適宜切り替えて表示することができる。
【0004】
図中、右上がり斜線ハッチングは生産状態を、左上がり斜線ハッチングはエラー状態を、横線ハッチングは前工程待ちを、縦線ハッチングは後工程待ちを、それぞれ示す。生産状態とは、電子部品実装機のいずれかの処理ユニットが、回路基板に電子部品を搭載している状態をいう。前工程待ちとは、電子部品実装機の最上流側の処理ユニットが、前工程であるスクリーン印刷機からの回路基板の到着を待っている状態をいう。後工程待ちとは、電子部品実装機の最下流側の処理ユニットが、後工程であるリフロー装置が空くのを待っている状態をいう。
【特許文献1】特開2004−13665号公報
【特許文献2】特開2006−139514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図20に示す従来の電子部品実装機の稼働状況表示システムによると、ある期間における任意のステータスの割合を把握することができる。また、ある期間における回路基板の生産枚数を把握することができる。
【0006】
しかしながら、任意の時刻における処理ユニットの稼働状況は不明である。例えば、画面に表示される生産状態(右上がり斜線ハッチング)は、電子部品実装機全体に関するものであり、個々の処理ユニットの稼働状況は不明である。このため、従来は、電子部品実装機中における回路基板の流れを把握することができなかった。例えば、回路基板の流れがスムーズである、あるいは回路基板の流れが特定の処理ユニットで滞留している、などといった回路基板の流れを具体的に把握することができなかった。
【0007】
この点、特許文献1、特許文献2には、多数の処理ユニットの稼働状況の時系列変化を画面表示可能な稼働管理装置が紹介されている。しかしながら、特許文献1、特許文献2の稼働管理装置で画面表示できるのは、各処理ユニットの稼働状況の時系列変化である。すなわち、各処理ユニットの運転中、停止中、稼働中といったステータスを、時系列的に表示できるに過ぎない。このため、多数の処理ユニット中におけるワークの流れを把握することはできない。
【0008】
本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムは、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、処理設備中におけるワークの流れを把握することができる稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記課題を解決するため、本発明の稼働状況表示システムは、ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示システムであって、前記処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記ワークの処理時間を時系列的に前記画面に表示可能な表示装置を備えてなることを特徴とする(請求項1に対応)。
【0010】
本発明の稼働状況表示システムによると、処理ユニット毎に、かつレーン毎に、ワークの処理時間を表示することができる。並びに、ワークの処理時間を時系列的に表示することができる。このため、本発明の稼働状況表示システムによると、処理設備中すなわち複数の処理ユニットを通過する際のワークの流れを、画面の表示から把握することができる。
【0011】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記表示装置は、前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する構成とする方がよい(請求項2に対応)。
【0012】
本構成によると、ワークの処理時間に関するイベント情報を、処理ユニットおよびレーンと関連付けて、画面に表示することができる。このため、当該イベント情報が、どの処理ユニットに関するものか、どのレーンに関するものか、簡単に把握することができる。
【0013】
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記イベント情報は、前記処理ユニットのステータスを含む構成とする方がよい(請求項3に対応)。ここで、ステータスとは、処理ユニットの状態をいう。例えば、生産、前工程待ち、後工程待ち、エラー、電源オフ、ネットワーク接続の切断などが挙げられる。
【0014】
本構成によると、処理ユニットのステータスと、ワークの処理時間に関する情報と、を同時に画面に表示することができる。このため、処理ユニットのステータスと、ワークの処理開始時刻や処理完了時刻と、の関係を把握しやすい。
【0015】
(4)好ましくは、上記(3)の構成において、前記表示装置は、前記ステータスの種類を識別可能に表示する構成とする方がよい(請求項4に対応)。本構成によると、処理ユニットのステータスの種類に応じて、ワークの処理開始時刻や処理完了時刻がどのように変化するかを把握しやすい。
【0016】
(5)好ましくは、上記(2)ないし(4)のいずれかの構成において、前記表示装置は、前記画面に、前記処理ユニットが列記される処理ユニット軸と、時間軸と、を互いに直交するように表示し、該処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記イベント情報を該時間軸に沿って表示する構成とする方がよい(請求項5に対応)。本構成によると、処理ユニットのイベント情報を時系列的に表示することができる。このため、処理ユニットにおけるワークの流れを視認しやすい。
【0017】
(6)好ましくは、上記(2)ないし(5)のいずれかの構成において、さらに、前記処理ユニットから前記イベント情報が入力される入力装置と、該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶装置と、を備える構成とする方がよい(請求項6に対応)。本構成によると、所定時間分だけイベント情報を記憶しておくことにより、所定時刻に、当該所定時間分のイベント情報を、一気に描かせることができる。あるいは、リアルタイムに、少しずつ、イベント情報を描かせることができる。
【0018】
(7)好ましくは、上記(1)ないし(6)のいずれかの構成において、さらに、前記レーンにおいて前記ワークの処理が滞る区間を判別する判別装置を備える構成とする方がよい(請求項7に対応)。本構成によると、レーン全体においてボトルネックとなっている区間を特定することができる。
【0019】
(8)また、上記課題を解決するため、本発明の稼働状況表示方法は、ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示方法であって、前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を入力する入力ステップと、入力された該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶ステップと、記憶された該イベント情報を該処理ユニットおよび該レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する表示ステップと、を有することを特徴とする(請求項8に対応)。
【0020】
本発明の稼働状況表示方法によると、処理ユニット毎に、かつレーン毎に、ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を、表示することができる。並びに、ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を、時系列的に表示することができる。このため、本発明の稼働状況表示方法によると、処理設備中すなわち複数の処理ユニットを通過する際のワークの流れを、画面の表示から把握することができる。
【0021】
また、本発明の稼働状況表示方法によると、所定時間分だけイベント情報を記憶しておくことにより、所定時刻に、当該所定時間分のイベント情報を、一気に描かせることができる。あるいは、リアルタイムに、少しずつ、イベント情報を描かせることができる。
【0022】
(9)好ましくは、上記(8)の構成において、前記イベント情報は、前記処理ユニットのステータスを含む構成とする方がよい(請求項9に対応)。本構成によると、処理ユニットのステータスと、ワークの処理時間に関する情報と、を同時に画面に表示することができる。このため、処理ユニットのステータスと、ワークの処理開始時刻や処理完了時刻と、の関係を把握しやすい。
【0023】
(10)好ましくは、上記(9)の構成において、前記表示ステップは、前記ステータスの種類を識別可能に表示する構成とする方がよい(請求項10に対応)。本構成によると、処理ユニットのステータスの種類に応じて、ワークの処理開始時刻や処理完了時刻がどのように変化するかを把握しやすい。
【0024】
(11)好ましくは、上記(8)ないし(10)のいずれかの構成において、前記表示ステップは、前記画面に、前記処理ユニットが列記される処理ユニット軸と、時間軸と、を互いに直交するように表示し、該処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記イベント情報を該時間軸に沿って表示する構成とする方がよい(請求項11に対応)。本構成によると、処理ユニットのイベント情報を時系列的に表示することができる。このため、処理ユニットにおけるワークの流れを視認しやすい。
【0025】
(12)好ましくは、上記(8)ないし(11)のいずれかの構成において、さらに、前記記憶ステップの後に、前記レーンにおいて前記ワークの処理が滞る区間を判別する判別ステップを有する構成とする方がよい(請求項12に対応)。本構成によると、レーン全体においてボトルネックとなっている区間を特定することができる。
【0026】
(13)また、上記課題を解決するため、本発明の稼働状況表示プログラムは、ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示プログラムであって、前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を入力する入力手段、入力された該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶手段、記憶された該イベント情報を該処理ユニットおよび該レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する表示手段、として稼働状況表示システムを機能させることを特徴とする(請求項13に対応)。
【0027】
本発明の稼働状況表示プログラムによると、処理ユニット毎に、かつレーン毎に、ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を、表示することができる。並びに、ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を、時系列的に表示することができる。このため、本発明の稼働状況表示プログラムによると、処理設備中すなわち複数の処理ユニットを通過する際のワークの流れを、画面の表示から把握することができる。
【0028】
また、本発明の稼働状況表示プログラムによると、所定時間分だけイベント情報を記憶しておくことにより、所定時刻に、当該所定時間分のイベント情報を、一気に描かせることができる。あるいは、リアルタイムに、少しずつ、イベント情報を描かせることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、処理設備中におけるワークの流れを把握することができる稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムを、電子部品の実装用として具現化した実施の形態について説明する。
【0031】
[稼働状況表示システムの構成]
まず、本実施形態の稼働状況表示システムの構成について説明する。図1に、本実施形態の稼働状況表示システムのブロック図を示す。図1に示すように、本実施形態の稼働状況表示システム1は、電子部品実装機2と、コンピューター3と、を備えている。電子部品実装機2は、本発明の処理設備に含まれる。
【0032】
電子部品実装機2は、合計二十機のモジュール201〜220を備えている。モジュール201〜220は、本発明の処理ユニットに含まれる。モジュール201〜220は、直列に並べられている。
【0033】
図2に、本実施形態の稼働状況表示システム1の電子部品実装機2のモジュール201〜204の処理第一段階における模式図を示す。なお、モジュール205〜220の構成、動きも、以下に説明するモジュール201〜204と同様である。したがって、ここでは、モジュール205〜220に関する説明は割愛する。
【0034】
図2に示すように、モジュール201〜204は、各々、一つのヘッドhと、二つの作業エリアx、yと、を備えている。ヘッドhは、作業エリアx、y間を往復動可能である。隣り合う作業エリアx同士は、コンベアcxを介して、各々、直列に連結されている。全モジュール201〜220の作業エリアxおよび全コンベアcxにより、レーンX(図2中、一点鎖線で示す)が構成されている。
【0035】
同様に、隣り合う作業エリアy同士は、コンベアcyを介して、各々、直列に連結されている。全モジュール201〜220の作業エリアyおよび全コンベアcyにより、レーンY(図2中、一点鎖線で示す)が構成されている。
【0036】
モジュール201〜204各々のヘッドhにより、レーンXを流れる回路基板bx1には、モジュール201において電子部品A、B、Cが、モジュール202において電子部品D、E、Fが、モジュール203において電子部品G、H、Iが、モジュール204において電子部品J、K、Lが、搭載される。回路基板は、本発明のワークに含まれる。
【0037】
同様に、モジュール201〜204各々のヘッドhにより、レーンYを流れる回路基板by1には、モジュール201において電子部品A、Bが、モジュール202において電子部品D、Eが、モジュール203において電子部品G、Hが、モジュール204において電子部品J、Kが、搭載される。
【0038】
図1に戻って、コンピューター3は、コンピューター本体30と、ディスプレイ装置31と、を備えている。コンピューター本体30は、図示しない入力装置と記憶装置と判別装置とを備えている。入力装置は、モジュール201〜220と、ネットワークNを介して電気的に接続されている。ディスプレイ装置31は、コンピューター本体30と電気的に接続されている。ディスプレイ装置31は、本発明の表示装置に含まれる。
【0039】
[電子部品実装機の通常運転時の動き]
次に、電子部品実装機2の通常運転時の動きについて説明する。図3に、本実施形態の稼働状況表示システム1の電子部品実装機2のモジュール201〜204の処理第二段階における模式図を示す。図4に、同モジュール201〜204の処理第三段階における模式図を示す。図5に、同モジュール201〜204の処理第四段階における模式図を示す。図6に、同モジュール201〜204の処理第五段階における模式図を示す。
【0040】
なお、以下の模式図において、説明の便宜上、モジュール201における電子部品搭載作業が完了したことを回路基板上に実線の左上がり斜線「\」で、モジュール202における電子部品搭載作業が完了したことを回路基板上に実線の右上がり斜線「/」で、モジュール203における電子部品搭載作業が完了したことを回路基板上に実線の横線「−」で、モジュール204における電子部品搭載作業が完了したことを回路基板上に実線の縦線「|」で、それぞれ示す。
【0041】
処理第一段階においては、前出図2に示すように、まず、モジュール201の作業エリアxに、前工程であるスクリーン印刷機から、回路基板bx1が搬入される。同様に、モジュール201の作業エリアyに、前工程であるスクリーン印刷機から、回路基板by1が搬入される。次に、モジュール201のヘッドhが、作業エリアxの回路基板bx1に、電子部品A、B、Cを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアxから作業エリアyに移動する。また、回路基板bx1は、コンベアcxを介して、モジュール202の作業エリアxに移動する。
【0042】
処理第二段階においては、図3に示すように、モジュール202のヘッドhが、作業エリアxの回路基板bx1に、電子部品D、E、Fを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアxから作業エリアyに移動する。また、回路基板bx1は、コンベアcxを介して、モジュール203の作業エリアxに移動する。
【0043】
また、モジュール201のヘッドhが、作業エリアyの回路基板by1に、電子部品A、Bを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアyから作業エリアxに移動する。また、回路基板by1は、コンベアcyを介して、モジュール202の作業エリアyに移動する。
【0044】
処理第三段階においては、図4に示すように、モジュール203のヘッドhが、作業エリアxの回路基板bx1に、電子部品G、H、Iを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアxから作業エリアyに移動する。また、回路基板bx1は、コンベアcxを介して、モジュール204の作業エリアxに移動する。
【0045】
また、モジュール202のヘッドhが、作業エリアyの回路基板by1に、電子部品D、Eを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアyから作業エリアxに移動する。また、回路基板by1は、コンベアcyを介して、モジュール203の作業エリアyに移動する。また、モジュール201の回路基板bx2に、処理第一段階同様の処理が施される。
【0046】
処理第四段階においては、図5に示すように、モジュール204のヘッドhが、作業エリアxの回路基板bx1に、電子部品J、K、Lを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアxから作業エリアyに移動する。また、回路基板bx1は、コンベアcx(図略)を介して、モジュール205(図略)の作業エリアx(図略)に移動する。
【0047】
また、モジュール203のヘッドhが、作業エリアyの回路基板by1に、電子部品G、Hを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアyから作業エリアxに移動する。また、回路基板by1は、コンベアcyを介して、モジュール204の作業エリアyに移動する。また、モジュール201の回路基板by2、モジュール202の回路基板bx2に、処理第二段階同様の処理が行われる。
【0048】
処理第五段階においては、図6に示すように、モジュール204のヘッドhが、作業エリアyの回路基板by1に、電子部品J、Kを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアyから作業エリアxに移動する。また、回路基板by1は、コンベアcy(図略)を介して、モジュール205(図略)の作業エリアy(図略)に移動する。また、モジュール201の回路基板bx3、モジュール202の回路基板by2、モジュール203の回路基板bx2に、処理第三段階同様の処理が行われる。これ以降、上記処理第四段階と処理第五段階とが交互に行われることにより、回路基板への電子部品の搭載が連続的に行われる。
【0049】
ここで、例えば、モジュール202に着目すると、前出図5に示すように、ヘッドhが作業エリアxの回路基板bx2に電子部品D、E、Fを搭載する間に、作業エリアyにヘッドhが次に処理すべき回路基板by2が搬入されている。また、前出図6に示すように、ヘッドhが作業エリアyの回路基板by2に電子部品D、Eを搭載する間に、作業エリアxにヘッドhが次に処理すべき回路基板bx3が搬入されている。
【0050】
このように、各モジュール201〜204が作業エリアx、yのうち一方の作業エリア(例えば作業エリアx)の回路基板に電子部品を搭載している間に、他方の作業エリア(例えば作業エリアy)には次に処理すべき回路基板が搬入されている。このため、見かけ上、回路基板の搬送時間が0になる。
【0051】
[電子部品実装機の回路基板滞留時の動き]
次に、電子部品実装機の回路基板滞留時の動きについて説明する。図7に、本実施形態の稼働状況表示システム1の電子部品実装機2のモジュール201〜204の滞留第一段階における模式図を示す。図8に、同モジュール201〜204の滞留第二段階における模式図を示す。図9に、同モジュール201〜204の滞留第三段階における模式図を示す。
【0052】
前出図6の状態から、さらに処理段階が一段階進むと、図7に示す状態になる。ここで、モジュール202の電子部品Fのストックが無くなると、モジュール202における回路基板bx3に対する処理が停止する。このため、レーンXの回路基板bx3よりも上流側の処理が渋滞する。すなわち、モジュール203以降の作業エリアxには、回路基板が供給されないことになる。
【0053】
ところで、レーンYを流れる回路基板by2、by3、by4には、電子部品Fは搭載されない。このため、電子部品Fのストックが無くなっても、レーンYにおける処理は進行可能である。したがって、モジュール202のヘッドhは、回路基板bx3の処理を途中で停止したまま、作業エリアxから作業エリアyに移動する。そして、図8に示すように、レーンYを流れる回路基板by3に、電子部品D、Eを搭載する。
【0054】
電子部品D、E搭載後も、モジュール202のヘッドhは、作業エリアxに戻らない。その理由は、電子部品Fが無いので、作業エリアxに戻っても、回路基板bx3に処理を施すことができないからである。したがって、図9に示すように、モジュール202のヘッドhは、作業エリアyにおいて、そのままレーンYの次の回路基板by4を待つ。このように、レーンXを流れる回路基板bx3、bx4は滞留し、レーンYを流れる回路基板by2、by3、by4にのみ、電子部品A、B、D、E、G、H、J、Kの搭載が行われる。以上説明したように、回路基板の滞留が発生すると、回路基板の生産枚数が減少する。
【0055】
[電子部品実装機の回路基板追い越し時の動き]
次に、電子部品実装機の回路基板追い越し時の動きについて説明する。図10に、本実施形態の稼働状況表示システム1の電子部品実装機2のモジュール201〜204の追い越し第一段階における模式図を示す。図11に、同モジュール201〜204の追い越し第二段階における模式図を示す。図12に、同モジュール201〜204の追い越し第三段階における模式図を示す。図13に、同モジュール201〜204の追い越し第四段階における模式図を示す。図14に、同モジュール201〜204の追い越し第五段階における模式図を示す。
【0056】
前出図6の状態から、さらに処理段階が一段階進むと、図10に示す状態になる。モジュール202のヘッドhは、電子部品D→電子部品E→電子部品Fの順番に、電子部品D、E、Fを回路基板bx3に搭載している。ここで、電子部品Eのストックが無くなると、モジュール202のヘッドhは、電子部品Eの搭載を中断し、電子部品Fの搭載に移行する。電子部品Fの搭載が完了すると、回路基板bx3の処理が停止する。ところで、モジュール202の作業エリアyには、モジュール201から回路基板by3が搬入されてくる。このため、図11に示すように、モジュール202のヘッドhは、作業エリアxから作業エリアyに移動し、回路基板by3に電子部品Dを搭載する。電子部品Dの搭載が完了すると、電子部品Eのストックが無いため、回路基板by3の処理が停止する。
【0057】
このように、レーンXを流れる回路基板bx2、bx3、bx4、およびレーンYを流れる回路基板by2、by3、by4、by5双方に、電子部品Eは搭載される。このため、レーンX、Y双方の流れが滞留する。
【0058】
この状態で、モジュール202に電子部品Eが補充されると、図12に示すように、モジュール202のヘッドhは、作業エリアyの回路基板by3の処理を再開する。すなわち、ヘッドhは、作業エリアxの回路基板bx3ではなく、回路基板by3から電子部品Eを搭載しはじめる。回路基板by3の処理が完了すると、図13に示すように、回路基板by3は、モジュール203に搬送される。一方、ヘッドhは、作業エリアxの回路基板bx3に、電子部品Eを搭載する。その後は、図14に示すように、通常運転に復帰し、各モジュール201〜204において、レーンXを流れる回路基板bx2、bx3、bx4と、レーンYを流れる回路基板by2、by3、by4、by5と、に交互に処理が施される。
【0059】
このように、電子部品Eのストックが無くなると、それまでレーンX→レーンY→レーンX→レーンYの順番で行われていた電子部品の搭載処理が、レーンX→レーンY→レーンX→レーンY→レーンY→レーンX→レーンYというように、順番が変化してしまう。すなわち、レーンYの回路基板に対する処理が、連続して実行されることになる。このため、レーンYの回路基板by3が、レーンXの回路基板bx3を、追い越してしまう。回路基板の追い越しが発生すると、図13に示すように、モジュール203、204の作業エリアxに、「空き」が発生してしまう。当該「空き」は、回路基板の流れに沿って、下流側にシフトする。しかしながら、当該「空き」が埋まることはない。以上説明したように、回路基板の追い越しが発生すると、回路基板の生産枚数が減少する。
【0060】
[稼働状況表示方法]
次に、本実施形態の稼働状況表示方法について説明する。
【0061】
《画面表示の見方》
まず、本実施形態の稼働状況表示システム1のコンピューター3のディスプレイ装置31の画面表示の見方について説明する。図15に、本実施形態の稼働状況表示システム1のコンピューター3のディスプレイ装置31の画面を示す。図16に、図15の円XVI内の拡大図を示す。図17に、図15の円XVII内の拡大図を示す。図18に、図15の円XVIII内の拡大図を示す。
【0062】
図15、図16、図17、図18に示すように、画面の縦軸には、モジュール軸が表示されている。モジュール軸には、全てのモジュール201〜220が列記されている。また、画面の横軸には、時間軸(時刻)が表示されている。各モジュール201〜220毎に、上下二段に多数の矢印bx、byが表示されている。矢印bx、byは、時間軸に平行に延びている。矢印bx、byは、回路基板の処理時間を表している。すなわち、矢印bx、byの始端(左端)は処理開始時刻を、矢印の終端(右端)は処理完了時刻を、それぞれ表している。また、上下二段のうち、上段は作業エリアxを、下段は作業エリアyを、それぞれ表している。すなわち、上下二段の矢印bx、byのうち、上段の矢印bxはレーンXを流れる回路基板を、下段の矢印byはレーンYを流れる回路基板を、それぞれ表している。また、上下二段の矢印bx、byのさらに上段には、ステータスバーZが表示されている。
【0063】
図16、図17、図18中、ステータスバーZにおいて、右上がり45°斜線ハッチングは処理状態Z1を、縦線ハッチングは後工程待ちZ2を、右上がり30°斜線ハッチングは部品補給待ち状態Z3を、横線ハッチングは前工程待ちZ4を、それぞれ示す。なお、実際のディスプレイ装置31の画面では、ハッチングではなく色彩によりステータスを表示している。
【0064】
ここで、処理状態Z1とは、各モジュール201〜220が、所定の電子部品を回路基板に搭載している状態をいう。後工程待ちZ2とは、任意のn番目のモジュールが一つ下流側のn+1番目のモジュールが空くのを待っている状態をいう。なお、最下流側のモジュール220の場合は、リフロー装置が空くのを待っている状態をいう。部品補給待ち状態Z3とは、ストックが無くなった電子部品を補充している状態をいう。前工程待ちZ4とは、任意のn番目のモジュールが一つ上流側のn−1番目のモジュールからの回路基板の到着を待っている状態をいう。なお、最上流側のモジュール201の場合は、スクリーン印刷機からの回路基板の到着を待っている状態をいう。
【0065】
円XVI(図16参照)に示すように、モジュール207においては、矢印bxが矢印byを包含する区間が存在する。当該区間においては、始端同士を比べると矢印bxの方が矢印byよりも左側に配置されている一方、終端同士を比べると矢印bxの方が矢印byよりも右側に配置されている。当該区間は、モジュール207において、回路基板bxの方が先に処理を開始したにもかかわらず、回路基板byの方が先に処理が完了したことを意味している。このことから、作業者は、モジュール207において、13時8分〜13時9分くらいに、前出図10〜図14に示すような、回路基板の追い越しがあったことを、視認することができる。
【0066】
円XVII(図17参照)に示すように、モジュール208、209、210においては、ステータスバーZに、横線ハッチング区間が存在している。このことから、作業者は、モジュール208、209、210において、13時12分〜13時13分くらいに、前工程待ちZ4があったことを視認することができる。並びに、図17中に一点鎖線で示すように、モジュール208、209、210を見比べることにより、作業者は、前工程待ちZ4によるダウンタイムが徐々に解消していることを視認することができる。
【0067】
円XVIII(図18参照)に示すように、モジュール219においては、矢印byが見あたらず、矢印bxのみが連続する区間が存在する。このことから、作業者は、モジュール219の作業エリアyにおいて、13時9分〜13時11分くらいに、前出図7〜図9に示すような、回路基板の滞留があったことを、視認することができる。
【0068】
《稼働状況表示方法の処理の流れ》
次に、本実施形態の稼働状況表示方法の処理の流れについて説明する。図19に、本実施形態の稼働状況表示方法のフローチャートを示す。起動後(S1)、前出図1に示すコンピューター本体30の入力装置には、ネットワークNを介して、任意のモジュール201〜220から、イベント情報(例えば、ステータス報告、処理開始、処理完了、その他(回路基板のクランプ開始、完了、レシピ切替など))が入力される(S2)。コンピューター本体30の記憶装置は、入力されたイベント情報および当該イベント情報が発信されたモジュール201〜220、レーンX、Yを、格納する(S3)。コンピューター本体30の判別装置は、当該イベント情報が、ステータス情報(例えば、エラー、電源オフ、ネットワーク接続の切断、後工程待ち、部品補給待ち状態、前工程待ちなど)なのか(S4)、当該モジュール201〜220における回路基板の処理開始の情報なのか(S9)、当該モジュール201〜220における回路基板の処理完了の情報なのか(S12)を判別する。
【0069】
イベント情報がステータス情報の場合(S4)、コンピューター本体30の判別装置は、ステータスの種類別に、前出図16、図17、図18に各種ハッチングで示したように、ステータスバーZの描画色を決定する(S5)。そして、コンピューター本体30の判別装置は、新しい状態になった時刻と、直前の状態になった時刻(記憶装置に格納されている)と、の差を求め、経過時間を算出する(S6)。それから、コンピューター本体30の判別装置は、ディスプレイ装置31の画面に、ステータスバーZを描画する。具体的には、直前の時刻を示す座標から、時間軸方向にステップ6(S6)で算出した経過時間分のステータスバーZを、ステップ3(S3)で格納しておいたモジュール201〜220、レーンX、Yの位置に、ステップ5(S5)で決定した色で描画する(S7)。そして、コンピューター本体30の記憶装置は、新しい状態を、モジュール201〜220、レーンX、Y毎に、格納する(S8)。ステップ8(S8)において格納された状態が、次回の描画時に、ステップ6(S6)において、「直前の状態」として使用される。
【0070】
イベント情報が処理開始の場合(S9)、コンピューター本体30の判別装置は、ステップ3(S3)で格納しておいたモジュール201〜220、レーンX、Yの位置であって、かつイベントの発生時刻を示す座標に、処理開始点を描画する(S10)。そして、コンピューター本体30の記憶装置は、当該処理開始点を、モジュール201〜220、レーンX、Y毎に、格納する(S11)。
【0071】
イベント情報が処理完了の場合(S12)、コンピューター本体30の判別装置は、ステップ3(S3)で格納しておいたモジュール201〜220、レーンX、Yの位置、ステップ11(S11)で格納しておいた直前の処理開始点を、記憶装置から取得する(S13)。そして、ステップ13(S13)で取得した処理開始点から、処理完了時刻を示す座標まで、矢印を描画する(S14)。ここで、処理開始から処理完了までの間に、異常(例えば、電子部品の廃棄、回路基板搬送リトライなど、予定処理時間に対して一定の割合以上(あるいは以下)食い違う処理がされた場合)が発生していた場合は(S15)、異常発生を示す色で矢印が描画される(S16)。
【0072】
イベント情報がその他の場合(S17)、コンピューター本体30の判別装置は、ステップ3(S3)で格納しておいたモジュール201〜220、レーンX、Yの位置であって、かつイベントの発生時刻を示す座標に、マーク(例えば○、×、※など)を描画する。
【0073】
[作用効果]
次に、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムの作用効果について説明する。本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、モジュール201〜220毎に、かつレーンX、Y毎に、回路基板の処理時間を表示することができる。並びに、回路基板の処理時間を時系列的に表示することができる。このため、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、電子部品実装機2中すなわち全モジュール201〜220を通過する際の回路基板の流れを、前出図15に示すディスプレイ装置31の画面表示から、把握することができる。
【0074】
また、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、イベント情報を、モジュール201〜220およびレーンX、Yと関連付けて、画面に表示することができる。このため、当該イベント情報が、どのモジュール201〜220に関するものか、どのレーンX、Yに関するものか、簡単に把握することができる。
【0075】
また、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、モジュール201〜220のステータスと、回路基板の処理時間に関する情報と、を同時に画面に表示することができる。このため、モジュール201〜220のステータスと、回路基板の処理開始時刻や処理完了時刻と、の関係を把握しやすい。
【0076】
また、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、モジュール201〜220のステータスの種類に応じて、回路基板の処理開始時刻や処理完了時刻がどのように変化するかを把握しやすい。
【0077】
また、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、全モジュール201〜220のイベント情報を時系列的に表示することができる。このため、全モジュール201〜220における回路基板の流れを視認しやすい。
【0078】
また、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、コンピューター本体30の記憶装置に、所定時間分だけイベント情報を記憶しておくことができる。このため、所定時刻に、当該所定時間分のイベント情報を、画面に一気に描かせることができる。また、リアルタイムに、少しずつ、イベント情報を画面に描かせることができる。
【0079】
また、前出図20に示す従来の電子部品実装機の稼働状況表示システムの画面表示の場合、トラブルが発生しても、当該トラブルが下流側の処理ユニットに及ぼす影響は不明だった。これに対して、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムの場合、前出図15、前出図17に示すように、トラブルが下流側のモジュール201〜220に及ぼす影響を視認することができる。このため、コンピューター本体30の判別装置により、当該トラブルが無かったと仮定した場合の生産量を算出し、当該生産量と実際の生産量とを比較することができる。そして、当該トラブルが生産に及ぼす影響の大小を判断することができる。したがって、生産に及ぼす影響の大小を基に、種々のトラブルに、対応の優先度を設定することができる。例えば、生産に及ぼす影響が小さいトラブルと、生産に及ぼす影響が大きいトラブルと、が同時に起こった場合、影響が大きいトラブルに優先して対応することにより、生産に及ぼす影響を最小限に抑えることができる。
【0080】
また、回路基板に電子部品を搭載する前に、前出図2に示すように、電子部品Aはモジュール201、電子部品Kはモジュール204といった具合に、搭載予定の電子部品を各モジュール201〜220に予め振り分けておく必要がある。その理由は、できるだけ各モジュール201〜220の処理負荷を一定にするためである。ところが、現実には、各モジュール201〜220の処理負荷を一定にするのは困難である。ボトルネックとなるモジュール201〜220が出現してしまう。
【0081】
しかしながら、前出図20に示す従来の電子部品実装機の稼働状況表示システムの画面表示の場合、ボトルネックとなるモジュール201〜220を特定するのは困難だった。これに対して、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、回路基板の流れが一目瞭然である。このため、ボトルネックとなるモジュール201〜220を、簡単に特定することができる。したがって、電子部品の各モジュール201〜220への振り分け作業を、精度良くかつ容易に行うことができる。
【0082】
また、電子部品実装機2の場合、工作機械と比較して、モジュール201〜220数(工程数)が多くなりがちである。また、電子部品実装機2の場合、電子部品自体が小さいこと、埃を嫌うこと、などから、モジュール201〜220の内部が視認しにくい。これに対して、作業者の配置数は、少ない場合が多い。このため、作業者が、工場内に一列に並んだモジュール201〜220(モジュール数がもっと多い場合もある)を一つずつ管理して、回路基板の流れを把握するのは極めて困難である。
【0083】
この点、本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、前出図15に示すように、ディスプレイ装置31の画面に、全モジュール201〜220における回路基板の流れを表示することができる。このため、特に本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムは、電子部品の実装用として用いるのに好適である。
【0084】
<その他>
以上、本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0085】
例えば、上記実施形態においては、電子部品の実装用として、本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムを用いたが、工作機械用、他の生産設備用として用いてもよい。
【0086】
また、上記実施形態においては、レーンX、Y数を二つとしたが、レーン数は三つ、あるいは四つなど、もっと多くてもよい。また、上記実施形態においては、モジュール201〜220数を二十としたが、モジュール201〜220数はもっと多くてもよい。
【0087】
また、上記実施形態においては、本発明の処理ユニットとして、同一の処理を施すモジュール201〜220を一列に並べたが、異なる処理を施す処理ユニットを一列に並べてもよい。また、上記実施形態においては、前出図15に示すように、片端矢印により処理時間を表現したが、両端矢印、直線、バーなどにより処理時間を表現してもよい。処理開始時刻と処理完了時刻とが視認できればよい。
【0088】
また、上記実施形態の稼働状況表示方法の処理の流れにおいて、所定区間内のイベント情報を一括して描画してもよい。この場合は、まず、作業者が、前出図1のコンピューター3のキーボードを用いて、表示区間の開始時刻と終了時刻とを入力する。次に、前出図19のステップ2(S2)において、コンピューター本体30の記憶装置から、開始時刻と終了時刻との間に起こったイベント情報を、時系列順に読み込んでいく。そして、読み込んだイベント情報に対して、各々ステップ3(S3)以降の処理を実行する。時系列順最後のイベント情報(表示区間内かつ終了時刻に最も近いイベント情報)に対するステップ3(S3)以降の処理が完了したら、描画処理を終了する。
【0089】
また、トラブルが発生した場合、当該トラブルが無かったと仮定した場合の回路基板の流れを、画面に表示してもよい。例えば、前出図17の前工程待ちZ4が発生しなかったと仮定した場合、回路基板の流れに矛盾の生じることが無いように(例えば矢印bx、byが時系列的に重複しないように)、ステータスバーZを当該前工程待ちZ4分だけ左詰で表示してもよい。こうすると、作業者がトラブルの影響を視認しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態となる稼働状況表示システムのブロック図である。
【図2】同稼働状況表示システムの電子部品実装機の上流側四つのモジュールの処理第一段階における模式図である。
【図3】同モジュールの処理第二段階における模式図である。
【図4】同モジュールの処理第三段階における模式図である。
【図5】同モジュールの処理第四段階における模式図である。
【図6】同モジュールの処理第五段階における模式図である。
【図7】同モジュールの滞留第一段階における模式図である。
【図8】同モジュールの滞留第二段階における模式図である。
【図9】同モジュールの滞留第三段階における模式図である。
【図10】同モジュールの追い越し第一段階における模式図である。
【図11】同モジュールの追い越し第二段階における模式図である。
【図12】同モジュールの追い越し第三段階における模式図である。
【図13】同モジュールの追い越し第四段階における模式図である。
【図14】同モジュールの追い越し第五段階における模式図である。
【図15】同稼働状況表示システムのコンピューターのディスプレイ装置の画面の模式図である。
【図16】図15の円XVI内の拡大図である。
【図17】図15の円XVII内の拡大図である。
【図18】図15の円XVIII内の拡大図である。
【図19】本発明の一実施形態となる稼働状況表示方法のフローチャートである。
【図20】(a)は従来の電子部品実装機のステータスの時系列変化を示すグラフである。(b)は同電子部品実装機の時間当たりの回路基板の生産枚数の時系列変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0091】
1:稼働状況表示システム、2:電子部品実装機(処理設備)、3:コンピューター、30:コンピューター本体(入力装置、記憶装置、判別装置)、31:ディスプレイ装置(表示装置)、201〜220:モジュール(処理ユニット)。
A〜L:電子部品、N:ネットワーク、X:レーン、Y:レーン、Z:ステータスバー、Z1:処理状態、Z2:後工程待ち、Z3:部品補給待ち状態、Z4:前工程待ち、bx:回路基板(矢印、ワーク)、bx1〜bx3:回路基板(ワーク)、by:回路基板(矢印、ワーク)、by1〜by4:回路基板(ワーク)、cx:コンベア、cy:コンベア、h:ヘッド、x:作業エリア、y:作業エリア。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電子部品実装機などに用いられる稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品実装機は、直列に連結された多数の処理ユニットを備えている。これら多数の処理ユニットの所定スロットには、電子部品供給装置がセットされている。回路基板がこれら多数の処理ユニットを通過する過程で、電子部品は当該電子部品供給装置から回路基板の所定の座標に搭載される。
【0003】
図20に、従来の電子部品実装機の稼働状況表示システムの画面表示の模式図を示す。(a)は、従来の電子部品実装機のステータスの時系列変化を示すグラフである。(b)は、同電子部品実装機の時間当たりの回路基板の生産枚数の時系列変化を示すグラフである。従来の稼働状況表示システムは、図20(a)、(b)のグラフを、画面に適宜切り替えて表示することができる。
【0004】
図中、右上がり斜線ハッチングは生産状態を、左上がり斜線ハッチングはエラー状態を、横線ハッチングは前工程待ちを、縦線ハッチングは後工程待ちを、それぞれ示す。生産状態とは、電子部品実装機のいずれかの処理ユニットが、回路基板に電子部品を搭載している状態をいう。前工程待ちとは、電子部品実装機の最上流側の処理ユニットが、前工程であるスクリーン印刷機からの回路基板の到着を待っている状態をいう。後工程待ちとは、電子部品実装機の最下流側の処理ユニットが、後工程であるリフロー装置が空くのを待っている状態をいう。
【特許文献1】特開2004−13665号公報
【特許文献2】特開2006−139514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図20に示す従来の電子部品実装機の稼働状況表示システムによると、ある期間における任意のステータスの割合を把握することができる。また、ある期間における回路基板の生産枚数を把握することができる。
【0006】
しかしながら、任意の時刻における処理ユニットの稼働状況は不明である。例えば、画面に表示される生産状態(右上がり斜線ハッチング)は、電子部品実装機全体に関するものであり、個々の処理ユニットの稼働状況は不明である。このため、従来は、電子部品実装機中における回路基板の流れを把握することができなかった。例えば、回路基板の流れがスムーズである、あるいは回路基板の流れが特定の処理ユニットで滞留している、などといった回路基板の流れを具体的に把握することができなかった。
【0007】
この点、特許文献1、特許文献2には、多数の処理ユニットの稼働状況の時系列変化を画面表示可能な稼働管理装置が紹介されている。しかしながら、特許文献1、特許文献2の稼働管理装置で画面表示できるのは、各処理ユニットの稼働状況の時系列変化である。すなわち、各処理ユニットの運転中、停止中、稼働中といったステータスを、時系列的に表示できるに過ぎない。このため、多数の処理ユニット中におけるワークの流れを把握することはできない。
【0008】
本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムは、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、処理設備中におけるワークの流れを把握することができる稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記課題を解決するため、本発明の稼働状況表示システムは、ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示システムであって、前記処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記ワークの処理時間を時系列的に前記画面に表示可能な表示装置を備えてなることを特徴とする(請求項1に対応)。
【0010】
本発明の稼働状況表示システムによると、処理ユニット毎に、かつレーン毎に、ワークの処理時間を表示することができる。並びに、ワークの処理時間を時系列的に表示することができる。このため、本発明の稼働状況表示システムによると、処理設備中すなわち複数の処理ユニットを通過する際のワークの流れを、画面の表示から把握することができる。
【0011】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記表示装置は、前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する構成とする方がよい(請求項2に対応)。
【0012】
本構成によると、ワークの処理時間に関するイベント情報を、処理ユニットおよびレーンと関連付けて、画面に表示することができる。このため、当該イベント情報が、どの処理ユニットに関するものか、どのレーンに関するものか、簡単に把握することができる。
【0013】
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記イベント情報は、前記処理ユニットのステータスを含む構成とする方がよい(請求項3に対応)。ここで、ステータスとは、処理ユニットの状態をいう。例えば、生産、前工程待ち、後工程待ち、エラー、電源オフ、ネットワーク接続の切断などが挙げられる。
【0014】
本構成によると、処理ユニットのステータスと、ワークの処理時間に関する情報と、を同時に画面に表示することができる。このため、処理ユニットのステータスと、ワークの処理開始時刻や処理完了時刻と、の関係を把握しやすい。
【0015】
(4)好ましくは、上記(3)の構成において、前記表示装置は、前記ステータスの種類を識別可能に表示する構成とする方がよい(請求項4に対応)。本構成によると、処理ユニットのステータスの種類に応じて、ワークの処理開始時刻や処理完了時刻がどのように変化するかを把握しやすい。
【0016】
(5)好ましくは、上記(2)ないし(4)のいずれかの構成において、前記表示装置は、前記画面に、前記処理ユニットが列記される処理ユニット軸と、時間軸と、を互いに直交するように表示し、該処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記イベント情報を該時間軸に沿って表示する構成とする方がよい(請求項5に対応)。本構成によると、処理ユニットのイベント情報を時系列的に表示することができる。このため、処理ユニットにおけるワークの流れを視認しやすい。
【0017】
(6)好ましくは、上記(2)ないし(5)のいずれかの構成において、さらに、前記処理ユニットから前記イベント情報が入力される入力装置と、該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶装置と、を備える構成とする方がよい(請求項6に対応)。本構成によると、所定時間分だけイベント情報を記憶しておくことにより、所定時刻に、当該所定時間分のイベント情報を、一気に描かせることができる。あるいは、リアルタイムに、少しずつ、イベント情報を描かせることができる。
【0018】
(7)好ましくは、上記(1)ないし(6)のいずれかの構成において、さらに、前記レーンにおいて前記ワークの処理が滞る区間を判別する判別装置を備える構成とする方がよい(請求項7に対応)。本構成によると、レーン全体においてボトルネックとなっている区間を特定することができる。
【0019】
(8)また、上記課題を解決するため、本発明の稼働状況表示方法は、ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示方法であって、前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を入力する入力ステップと、入力された該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶ステップと、記憶された該イベント情報を該処理ユニットおよび該レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する表示ステップと、を有することを特徴とする(請求項8に対応)。
【0020】
本発明の稼働状況表示方法によると、処理ユニット毎に、かつレーン毎に、ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を、表示することができる。並びに、ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を、時系列的に表示することができる。このため、本発明の稼働状況表示方法によると、処理設備中すなわち複数の処理ユニットを通過する際のワークの流れを、画面の表示から把握することができる。
【0021】
また、本発明の稼働状況表示方法によると、所定時間分だけイベント情報を記憶しておくことにより、所定時刻に、当該所定時間分のイベント情報を、一気に描かせることができる。あるいは、リアルタイムに、少しずつ、イベント情報を描かせることができる。
【0022】
(9)好ましくは、上記(8)の構成において、前記イベント情報は、前記処理ユニットのステータスを含む構成とする方がよい(請求項9に対応)。本構成によると、処理ユニットのステータスと、ワークの処理時間に関する情報と、を同時に画面に表示することができる。このため、処理ユニットのステータスと、ワークの処理開始時刻や処理完了時刻と、の関係を把握しやすい。
【0023】
(10)好ましくは、上記(9)の構成において、前記表示ステップは、前記ステータスの種類を識別可能に表示する構成とする方がよい(請求項10に対応)。本構成によると、処理ユニットのステータスの種類に応じて、ワークの処理開始時刻や処理完了時刻がどのように変化するかを把握しやすい。
【0024】
(11)好ましくは、上記(8)ないし(10)のいずれかの構成において、前記表示ステップは、前記画面に、前記処理ユニットが列記される処理ユニット軸と、時間軸と、を互いに直交するように表示し、該処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記イベント情報を該時間軸に沿って表示する構成とする方がよい(請求項11に対応)。本構成によると、処理ユニットのイベント情報を時系列的に表示することができる。このため、処理ユニットにおけるワークの流れを視認しやすい。
【0025】
(12)好ましくは、上記(8)ないし(11)のいずれかの構成において、さらに、前記記憶ステップの後に、前記レーンにおいて前記ワークの処理が滞る区間を判別する判別ステップを有する構成とする方がよい(請求項12に対応)。本構成によると、レーン全体においてボトルネックとなっている区間を特定することができる。
【0026】
(13)また、上記課題を解決するため、本発明の稼働状況表示プログラムは、ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示プログラムであって、前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を入力する入力手段、入力された該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶手段、記憶された該イベント情報を該処理ユニットおよび該レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する表示手段、として稼働状況表示システムを機能させることを特徴とする(請求項13に対応)。
【0027】
本発明の稼働状況表示プログラムによると、処理ユニット毎に、かつレーン毎に、ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を、表示することができる。並びに、ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を、時系列的に表示することができる。このため、本発明の稼働状況表示プログラムによると、処理設備中すなわち複数の処理ユニットを通過する際のワークの流れを、画面の表示から把握することができる。
【0028】
また、本発明の稼働状況表示プログラムによると、所定時間分だけイベント情報を記憶しておくことにより、所定時刻に、当該所定時間分のイベント情報を、一気に描かせることができる。あるいは、リアルタイムに、少しずつ、イベント情報を描かせることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、処理設備中におけるワークの流れを把握することができる稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムを、電子部品の実装用として具現化した実施の形態について説明する。
【0031】
[稼働状況表示システムの構成]
まず、本実施形態の稼働状況表示システムの構成について説明する。図1に、本実施形態の稼働状況表示システムのブロック図を示す。図1に示すように、本実施形態の稼働状況表示システム1は、電子部品実装機2と、コンピューター3と、を備えている。電子部品実装機2は、本発明の処理設備に含まれる。
【0032】
電子部品実装機2は、合計二十機のモジュール201〜220を備えている。モジュール201〜220は、本発明の処理ユニットに含まれる。モジュール201〜220は、直列に並べられている。
【0033】
図2に、本実施形態の稼働状況表示システム1の電子部品実装機2のモジュール201〜204の処理第一段階における模式図を示す。なお、モジュール205〜220の構成、動きも、以下に説明するモジュール201〜204と同様である。したがって、ここでは、モジュール205〜220に関する説明は割愛する。
【0034】
図2に示すように、モジュール201〜204は、各々、一つのヘッドhと、二つの作業エリアx、yと、を備えている。ヘッドhは、作業エリアx、y間を往復動可能である。隣り合う作業エリアx同士は、コンベアcxを介して、各々、直列に連結されている。全モジュール201〜220の作業エリアxおよび全コンベアcxにより、レーンX(図2中、一点鎖線で示す)が構成されている。
【0035】
同様に、隣り合う作業エリアy同士は、コンベアcyを介して、各々、直列に連結されている。全モジュール201〜220の作業エリアyおよび全コンベアcyにより、レーンY(図2中、一点鎖線で示す)が構成されている。
【0036】
モジュール201〜204各々のヘッドhにより、レーンXを流れる回路基板bx1には、モジュール201において電子部品A、B、Cが、モジュール202において電子部品D、E、Fが、モジュール203において電子部品G、H、Iが、モジュール204において電子部品J、K、Lが、搭載される。回路基板は、本発明のワークに含まれる。
【0037】
同様に、モジュール201〜204各々のヘッドhにより、レーンYを流れる回路基板by1には、モジュール201において電子部品A、Bが、モジュール202において電子部品D、Eが、モジュール203において電子部品G、Hが、モジュール204において電子部品J、Kが、搭載される。
【0038】
図1に戻って、コンピューター3は、コンピューター本体30と、ディスプレイ装置31と、を備えている。コンピューター本体30は、図示しない入力装置と記憶装置と判別装置とを備えている。入力装置は、モジュール201〜220と、ネットワークNを介して電気的に接続されている。ディスプレイ装置31は、コンピューター本体30と電気的に接続されている。ディスプレイ装置31は、本発明の表示装置に含まれる。
【0039】
[電子部品実装機の通常運転時の動き]
次に、電子部品実装機2の通常運転時の動きについて説明する。図3に、本実施形態の稼働状況表示システム1の電子部品実装機2のモジュール201〜204の処理第二段階における模式図を示す。図4に、同モジュール201〜204の処理第三段階における模式図を示す。図5に、同モジュール201〜204の処理第四段階における模式図を示す。図6に、同モジュール201〜204の処理第五段階における模式図を示す。
【0040】
なお、以下の模式図において、説明の便宜上、モジュール201における電子部品搭載作業が完了したことを回路基板上に実線の左上がり斜線「\」で、モジュール202における電子部品搭載作業が完了したことを回路基板上に実線の右上がり斜線「/」で、モジュール203における電子部品搭載作業が完了したことを回路基板上に実線の横線「−」で、モジュール204における電子部品搭載作業が完了したことを回路基板上に実線の縦線「|」で、それぞれ示す。
【0041】
処理第一段階においては、前出図2に示すように、まず、モジュール201の作業エリアxに、前工程であるスクリーン印刷機から、回路基板bx1が搬入される。同様に、モジュール201の作業エリアyに、前工程であるスクリーン印刷機から、回路基板by1が搬入される。次に、モジュール201のヘッドhが、作業エリアxの回路基板bx1に、電子部品A、B、Cを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアxから作業エリアyに移動する。また、回路基板bx1は、コンベアcxを介して、モジュール202の作業エリアxに移動する。
【0042】
処理第二段階においては、図3に示すように、モジュール202のヘッドhが、作業エリアxの回路基板bx1に、電子部品D、E、Fを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアxから作業エリアyに移動する。また、回路基板bx1は、コンベアcxを介して、モジュール203の作業エリアxに移動する。
【0043】
また、モジュール201のヘッドhが、作業エリアyの回路基板by1に、電子部品A、Bを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアyから作業エリアxに移動する。また、回路基板by1は、コンベアcyを介して、モジュール202の作業エリアyに移動する。
【0044】
処理第三段階においては、図4に示すように、モジュール203のヘッドhが、作業エリアxの回路基板bx1に、電子部品G、H、Iを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアxから作業エリアyに移動する。また、回路基板bx1は、コンベアcxを介して、モジュール204の作業エリアxに移動する。
【0045】
また、モジュール202のヘッドhが、作業エリアyの回路基板by1に、電子部品D、Eを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアyから作業エリアxに移動する。また、回路基板by1は、コンベアcyを介して、モジュール203の作業エリアyに移動する。また、モジュール201の回路基板bx2に、処理第一段階同様の処理が施される。
【0046】
処理第四段階においては、図5に示すように、モジュール204のヘッドhが、作業エリアxの回路基板bx1に、電子部品J、K、Lを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアxから作業エリアyに移動する。また、回路基板bx1は、コンベアcx(図略)を介して、モジュール205(図略)の作業エリアx(図略)に移動する。
【0047】
また、モジュール203のヘッドhが、作業エリアyの回路基板by1に、電子部品G、Hを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアyから作業エリアxに移動する。また、回路基板by1は、コンベアcyを介して、モジュール204の作業エリアyに移動する。また、モジュール201の回路基板by2、モジュール202の回路基板bx2に、処理第二段階同様の処理が行われる。
【0048】
処理第五段階においては、図6に示すように、モジュール204のヘッドhが、作業エリアyの回路基板by1に、電子部品J、Kを搭載する。搭載後、ヘッドhは、作業エリアyから作業エリアxに移動する。また、回路基板by1は、コンベアcy(図略)を介して、モジュール205(図略)の作業エリアy(図略)に移動する。また、モジュール201の回路基板bx3、モジュール202の回路基板by2、モジュール203の回路基板bx2に、処理第三段階同様の処理が行われる。これ以降、上記処理第四段階と処理第五段階とが交互に行われることにより、回路基板への電子部品の搭載が連続的に行われる。
【0049】
ここで、例えば、モジュール202に着目すると、前出図5に示すように、ヘッドhが作業エリアxの回路基板bx2に電子部品D、E、Fを搭載する間に、作業エリアyにヘッドhが次に処理すべき回路基板by2が搬入されている。また、前出図6に示すように、ヘッドhが作業エリアyの回路基板by2に電子部品D、Eを搭載する間に、作業エリアxにヘッドhが次に処理すべき回路基板bx3が搬入されている。
【0050】
このように、各モジュール201〜204が作業エリアx、yのうち一方の作業エリア(例えば作業エリアx)の回路基板に電子部品を搭載している間に、他方の作業エリア(例えば作業エリアy)には次に処理すべき回路基板が搬入されている。このため、見かけ上、回路基板の搬送時間が0になる。
【0051】
[電子部品実装機の回路基板滞留時の動き]
次に、電子部品実装機の回路基板滞留時の動きについて説明する。図7に、本実施形態の稼働状況表示システム1の電子部品実装機2のモジュール201〜204の滞留第一段階における模式図を示す。図8に、同モジュール201〜204の滞留第二段階における模式図を示す。図9に、同モジュール201〜204の滞留第三段階における模式図を示す。
【0052】
前出図6の状態から、さらに処理段階が一段階進むと、図7に示す状態になる。ここで、モジュール202の電子部品Fのストックが無くなると、モジュール202における回路基板bx3に対する処理が停止する。このため、レーンXの回路基板bx3よりも上流側の処理が渋滞する。すなわち、モジュール203以降の作業エリアxには、回路基板が供給されないことになる。
【0053】
ところで、レーンYを流れる回路基板by2、by3、by4には、電子部品Fは搭載されない。このため、電子部品Fのストックが無くなっても、レーンYにおける処理は進行可能である。したがって、モジュール202のヘッドhは、回路基板bx3の処理を途中で停止したまま、作業エリアxから作業エリアyに移動する。そして、図8に示すように、レーンYを流れる回路基板by3に、電子部品D、Eを搭載する。
【0054】
電子部品D、E搭載後も、モジュール202のヘッドhは、作業エリアxに戻らない。その理由は、電子部品Fが無いので、作業エリアxに戻っても、回路基板bx3に処理を施すことができないからである。したがって、図9に示すように、モジュール202のヘッドhは、作業エリアyにおいて、そのままレーンYの次の回路基板by4を待つ。このように、レーンXを流れる回路基板bx3、bx4は滞留し、レーンYを流れる回路基板by2、by3、by4にのみ、電子部品A、B、D、E、G、H、J、Kの搭載が行われる。以上説明したように、回路基板の滞留が発生すると、回路基板の生産枚数が減少する。
【0055】
[電子部品実装機の回路基板追い越し時の動き]
次に、電子部品実装機の回路基板追い越し時の動きについて説明する。図10に、本実施形態の稼働状況表示システム1の電子部品実装機2のモジュール201〜204の追い越し第一段階における模式図を示す。図11に、同モジュール201〜204の追い越し第二段階における模式図を示す。図12に、同モジュール201〜204の追い越し第三段階における模式図を示す。図13に、同モジュール201〜204の追い越し第四段階における模式図を示す。図14に、同モジュール201〜204の追い越し第五段階における模式図を示す。
【0056】
前出図6の状態から、さらに処理段階が一段階進むと、図10に示す状態になる。モジュール202のヘッドhは、電子部品D→電子部品E→電子部品Fの順番に、電子部品D、E、Fを回路基板bx3に搭載している。ここで、電子部品Eのストックが無くなると、モジュール202のヘッドhは、電子部品Eの搭載を中断し、電子部品Fの搭載に移行する。電子部品Fの搭載が完了すると、回路基板bx3の処理が停止する。ところで、モジュール202の作業エリアyには、モジュール201から回路基板by3が搬入されてくる。このため、図11に示すように、モジュール202のヘッドhは、作業エリアxから作業エリアyに移動し、回路基板by3に電子部品Dを搭載する。電子部品Dの搭載が完了すると、電子部品Eのストックが無いため、回路基板by3の処理が停止する。
【0057】
このように、レーンXを流れる回路基板bx2、bx3、bx4、およびレーンYを流れる回路基板by2、by3、by4、by5双方に、電子部品Eは搭載される。このため、レーンX、Y双方の流れが滞留する。
【0058】
この状態で、モジュール202に電子部品Eが補充されると、図12に示すように、モジュール202のヘッドhは、作業エリアyの回路基板by3の処理を再開する。すなわち、ヘッドhは、作業エリアxの回路基板bx3ではなく、回路基板by3から電子部品Eを搭載しはじめる。回路基板by3の処理が完了すると、図13に示すように、回路基板by3は、モジュール203に搬送される。一方、ヘッドhは、作業エリアxの回路基板bx3に、電子部品Eを搭載する。その後は、図14に示すように、通常運転に復帰し、各モジュール201〜204において、レーンXを流れる回路基板bx2、bx3、bx4と、レーンYを流れる回路基板by2、by3、by4、by5と、に交互に処理が施される。
【0059】
このように、電子部品Eのストックが無くなると、それまでレーンX→レーンY→レーンX→レーンYの順番で行われていた電子部品の搭載処理が、レーンX→レーンY→レーンX→レーンY→レーンY→レーンX→レーンYというように、順番が変化してしまう。すなわち、レーンYの回路基板に対する処理が、連続して実行されることになる。このため、レーンYの回路基板by3が、レーンXの回路基板bx3を、追い越してしまう。回路基板の追い越しが発生すると、図13に示すように、モジュール203、204の作業エリアxに、「空き」が発生してしまう。当該「空き」は、回路基板の流れに沿って、下流側にシフトする。しかしながら、当該「空き」が埋まることはない。以上説明したように、回路基板の追い越しが発生すると、回路基板の生産枚数が減少する。
【0060】
[稼働状況表示方法]
次に、本実施形態の稼働状況表示方法について説明する。
【0061】
《画面表示の見方》
まず、本実施形態の稼働状況表示システム1のコンピューター3のディスプレイ装置31の画面表示の見方について説明する。図15に、本実施形態の稼働状況表示システム1のコンピューター3のディスプレイ装置31の画面を示す。図16に、図15の円XVI内の拡大図を示す。図17に、図15の円XVII内の拡大図を示す。図18に、図15の円XVIII内の拡大図を示す。
【0062】
図15、図16、図17、図18に示すように、画面の縦軸には、モジュール軸が表示されている。モジュール軸には、全てのモジュール201〜220が列記されている。また、画面の横軸には、時間軸(時刻)が表示されている。各モジュール201〜220毎に、上下二段に多数の矢印bx、byが表示されている。矢印bx、byは、時間軸に平行に延びている。矢印bx、byは、回路基板の処理時間を表している。すなわち、矢印bx、byの始端(左端)は処理開始時刻を、矢印の終端(右端)は処理完了時刻を、それぞれ表している。また、上下二段のうち、上段は作業エリアxを、下段は作業エリアyを、それぞれ表している。すなわち、上下二段の矢印bx、byのうち、上段の矢印bxはレーンXを流れる回路基板を、下段の矢印byはレーンYを流れる回路基板を、それぞれ表している。また、上下二段の矢印bx、byのさらに上段には、ステータスバーZが表示されている。
【0063】
図16、図17、図18中、ステータスバーZにおいて、右上がり45°斜線ハッチングは処理状態Z1を、縦線ハッチングは後工程待ちZ2を、右上がり30°斜線ハッチングは部品補給待ち状態Z3を、横線ハッチングは前工程待ちZ4を、それぞれ示す。なお、実際のディスプレイ装置31の画面では、ハッチングではなく色彩によりステータスを表示している。
【0064】
ここで、処理状態Z1とは、各モジュール201〜220が、所定の電子部品を回路基板に搭載している状態をいう。後工程待ちZ2とは、任意のn番目のモジュールが一つ下流側のn+1番目のモジュールが空くのを待っている状態をいう。なお、最下流側のモジュール220の場合は、リフロー装置が空くのを待っている状態をいう。部品補給待ち状態Z3とは、ストックが無くなった電子部品を補充している状態をいう。前工程待ちZ4とは、任意のn番目のモジュールが一つ上流側のn−1番目のモジュールからの回路基板の到着を待っている状態をいう。なお、最上流側のモジュール201の場合は、スクリーン印刷機からの回路基板の到着を待っている状態をいう。
【0065】
円XVI(図16参照)に示すように、モジュール207においては、矢印bxが矢印byを包含する区間が存在する。当該区間においては、始端同士を比べると矢印bxの方が矢印byよりも左側に配置されている一方、終端同士を比べると矢印bxの方が矢印byよりも右側に配置されている。当該区間は、モジュール207において、回路基板bxの方が先に処理を開始したにもかかわらず、回路基板byの方が先に処理が完了したことを意味している。このことから、作業者は、モジュール207において、13時8分〜13時9分くらいに、前出図10〜図14に示すような、回路基板の追い越しがあったことを、視認することができる。
【0066】
円XVII(図17参照)に示すように、モジュール208、209、210においては、ステータスバーZに、横線ハッチング区間が存在している。このことから、作業者は、モジュール208、209、210において、13時12分〜13時13分くらいに、前工程待ちZ4があったことを視認することができる。並びに、図17中に一点鎖線で示すように、モジュール208、209、210を見比べることにより、作業者は、前工程待ちZ4によるダウンタイムが徐々に解消していることを視認することができる。
【0067】
円XVIII(図18参照)に示すように、モジュール219においては、矢印byが見あたらず、矢印bxのみが連続する区間が存在する。このことから、作業者は、モジュール219の作業エリアyにおいて、13時9分〜13時11分くらいに、前出図7〜図9に示すような、回路基板の滞留があったことを、視認することができる。
【0068】
《稼働状況表示方法の処理の流れ》
次に、本実施形態の稼働状況表示方法の処理の流れについて説明する。図19に、本実施形態の稼働状況表示方法のフローチャートを示す。起動後(S1)、前出図1に示すコンピューター本体30の入力装置には、ネットワークNを介して、任意のモジュール201〜220から、イベント情報(例えば、ステータス報告、処理開始、処理完了、その他(回路基板のクランプ開始、完了、レシピ切替など))が入力される(S2)。コンピューター本体30の記憶装置は、入力されたイベント情報および当該イベント情報が発信されたモジュール201〜220、レーンX、Yを、格納する(S3)。コンピューター本体30の判別装置は、当該イベント情報が、ステータス情報(例えば、エラー、電源オフ、ネットワーク接続の切断、後工程待ち、部品補給待ち状態、前工程待ちなど)なのか(S4)、当該モジュール201〜220における回路基板の処理開始の情報なのか(S9)、当該モジュール201〜220における回路基板の処理完了の情報なのか(S12)を判別する。
【0069】
イベント情報がステータス情報の場合(S4)、コンピューター本体30の判別装置は、ステータスの種類別に、前出図16、図17、図18に各種ハッチングで示したように、ステータスバーZの描画色を決定する(S5)。そして、コンピューター本体30の判別装置は、新しい状態になった時刻と、直前の状態になった時刻(記憶装置に格納されている)と、の差を求め、経過時間を算出する(S6)。それから、コンピューター本体30の判別装置は、ディスプレイ装置31の画面に、ステータスバーZを描画する。具体的には、直前の時刻を示す座標から、時間軸方向にステップ6(S6)で算出した経過時間分のステータスバーZを、ステップ3(S3)で格納しておいたモジュール201〜220、レーンX、Yの位置に、ステップ5(S5)で決定した色で描画する(S7)。そして、コンピューター本体30の記憶装置は、新しい状態を、モジュール201〜220、レーンX、Y毎に、格納する(S8)。ステップ8(S8)において格納された状態が、次回の描画時に、ステップ6(S6)において、「直前の状態」として使用される。
【0070】
イベント情報が処理開始の場合(S9)、コンピューター本体30の判別装置は、ステップ3(S3)で格納しておいたモジュール201〜220、レーンX、Yの位置であって、かつイベントの発生時刻を示す座標に、処理開始点を描画する(S10)。そして、コンピューター本体30の記憶装置は、当該処理開始点を、モジュール201〜220、レーンX、Y毎に、格納する(S11)。
【0071】
イベント情報が処理完了の場合(S12)、コンピューター本体30の判別装置は、ステップ3(S3)で格納しておいたモジュール201〜220、レーンX、Yの位置、ステップ11(S11)で格納しておいた直前の処理開始点を、記憶装置から取得する(S13)。そして、ステップ13(S13)で取得した処理開始点から、処理完了時刻を示す座標まで、矢印を描画する(S14)。ここで、処理開始から処理完了までの間に、異常(例えば、電子部品の廃棄、回路基板搬送リトライなど、予定処理時間に対して一定の割合以上(あるいは以下)食い違う処理がされた場合)が発生していた場合は(S15)、異常発生を示す色で矢印が描画される(S16)。
【0072】
イベント情報がその他の場合(S17)、コンピューター本体30の判別装置は、ステップ3(S3)で格納しておいたモジュール201〜220、レーンX、Yの位置であって、かつイベントの発生時刻を示す座標に、マーク(例えば○、×、※など)を描画する。
【0073】
[作用効果]
次に、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムの作用効果について説明する。本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、モジュール201〜220毎に、かつレーンX、Y毎に、回路基板の処理時間を表示することができる。並びに、回路基板の処理時間を時系列的に表示することができる。このため、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、電子部品実装機2中すなわち全モジュール201〜220を通過する際の回路基板の流れを、前出図15に示すディスプレイ装置31の画面表示から、把握することができる。
【0074】
また、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、イベント情報を、モジュール201〜220およびレーンX、Yと関連付けて、画面に表示することができる。このため、当該イベント情報が、どのモジュール201〜220に関するものか、どのレーンX、Yに関するものか、簡単に把握することができる。
【0075】
また、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、モジュール201〜220のステータスと、回路基板の処理時間に関する情報と、を同時に画面に表示することができる。このため、モジュール201〜220のステータスと、回路基板の処理開始時刻や処理完了時刻と、の関係を把握しやすい。
【0076】
また、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、モジュール201〜220のステータスの種類に応じて、回路基板の処理開始時刻や処理完了時刻がどのように変化するかを把握しやすい。
【0077】
また、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、全モジュール201〜220のイベント情報を時系列的に表示することができる。このため、全モジュール201〜220における回路基板の流れを視認しやすい。
【0078】
また、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、コンピューター本体30の記憶装置に、所定時間分だけイベント情報を記憶しておくことができる。このため、所定時刻に、当該所定時間分のイベント情報を、画面に一気に描かせることができる。また、リアルタイムに、少しずつ、イベント情報を画面に描かせることができる。
【0079】
また、前出図20に示す従来の電子部品実装機の稼働状況表示システムの画面表示の場合、トラブルが発生しても、当該トラブルが下流側の処理ユニットに及ぼす影響は不明だった。これに対して、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムの場合、前出図15、前出図17に示すように、トラブルが下流側のモジュール201〜220に及ぼす影響を視認することができる。このため、コンピューター本体30の判別装置により、当該トラブルが無かったと仮定した場合の生産量を算出し、当該生産量と実際の生産量とを比較することができる。そして、当該トラブルが生産に及ぼす影響の大小を判断することができる。したがって、生産に及ぼす影響の大小を基に、種々のトラブルに、対応の優先度を設定することができる。例えば、生産に及ぼす影響が小さいトラブルと、生産に及ぼす影響が大きいトラブルと、が同時に起こった場合、影響が大きいトラブルに優先して対応することにより、生産に及ぼす影響を最小限に抑えることができる。
【0080】
また、回路基板に電子部品を搭載する前に、前出図2に示すように、電子部品Aはモジュール201、電子部品Kはモジュール204といった具合に、搭載予定の電子部品を各モジュール201〜220に予め振り分けておく必要がある。その理由は、できるだけ各モジュール201〜220の処理負荷を一定にするためである。ところが、現実には、各モジュール201〜220の処理負荷を一定にするのは困難である。ボトルネックとなるモジュール201〜220が出現してしまう。
【0081】
しかしながら、前出図20に示す従来の電子部品実装機の稼働状況表示システムの画面表示の場合、ボトルネックとなるモジュール201〜220を特定するのは困難だった。これに対して、本実施形態の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、回路基板の流れが一目瞭然である。このため、ボトルネックとなるモジュール201〜220を、簡単に特定することができる。したがって、電子部品の各モジュール201〜220への振り分け作業を、精度良くかつ容易に行うことができる。
【0082】
また、電子部品実装機2の場合、工作機械と比較して、モジュール201〜220数(工程数)が多くなりがちである。また、電子部品実装機2の場合、電子部品自体が小さいこと、埃を嫌うこと、などから、モジュール201〜220の内部が視認しにくい。これに対して、作業者の配置数は、少ない場合が多い。このため、作業者が、工場内に一列に並んだモジュール201〜220(モジュール数がもっと多い場合もある)を一つずつ管理して、回路基板の流れを把握するのは極めて困難である。
【0083】
この点、本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムによると、前出図15に示すように、ディスプレイ装置31の画面に、全モジュール201〜220における回路基板の流れを表示することができる。このため、特に本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムは、電子部品の実装用として用いるのに好適である。
【0084】
<その他>
以上、本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0085】
例えば、上記実施形態においては、電子部品の実装用として、本発明の稼働状況表示システムおよび稼働状況表示方法および稼働状況表示プログラムを用いたが、工作機械用、他の生産設備用として用いてもよい。
【0086】
また、上記実施形態においては、レーンX、Y数を二つとしたが、レーン数は三つ、あるいは四つなど、もっと多くてもよい。また、上記実施形態においては、モジュール201〜220数を二十としたが、モジュール201〜220数はもっと多くてもよい。
【0087】
また、上記実施形態においては、本発明の処理ユニットとして、同一の処理を施すモジュール201〜220を一列に並べたが、異なる処理を施す処理ユニットを一列に並べてもよい。また、上記実施形態においては、前出図15に示すように、片端矢印により処理時間を表現したが、両端矢印、直線、バーなどにより処理時間を表現してもよい。処理開始時刻と処理完了時刻とが視認できればよい。
【0088】
また、上記実施形態の稼働状況表示方法の処理の流れにおいて、所定区間内のイベント情報を一括して描画してもよい。この場合は、まず、作業者が、前出図1のコンピューター3のキーボードを用いて、表示区間の開始時刻と終了時刻とを入力する。次に、前出図19のステップ2(S2)において、コンピューター本体30の記憶装置から、開始時刻と終了時刻との間に起こったイベント情報を、時系列順に読み込んでいく。そして、読み込んだイベント情報に対して、各々ステップ3(S3)以降の処理を実行する。時系列順最後のイベント情報(表示区間内かつ終了時刻に最も近いイベント情報)に対するステップ3(S3)以降の処理が完了したら、描画処理を終了する。
【0089】
また、トラブルが発生した場合、当該トラブルが無かったと仮定した場合の回路基板の流れを、画面に表示してもよい。例えば、前出図17の前工程待ちZ4が発生しなかったと仮定した場合、回路基板の流れに矛盾の生じることが無いように(例えば矢印bx、byが時系列的に重複しないように)、ステータスバーZを当該前工程待ちZ4分だけ左詰で表示してもよい。こうすると、作業者がトラブルの影響を視認しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態となる稼働状況表示システムのブロック図である。
【図2】同稼働状況表示システムの電子部品実装機の上流側四つのモジュールの処理第一段階における模式図である。
【図3】同モジュールの処理第二段階における模式図である。
【図4】同モジュールの処理第三段階における模式図である。
【図5】同モジュールの処理第四段階における模式図である。
【図6】同モジュールの処理第五段階における模式図である。
【図7】同モジュールの滞留第一段階における模式図である。
【図8】同モジュールの滞留第二段階における模式図である。
【図9】同モジュールの滞留第三段階における模式図である。
【図10】同モジュールの追い越し第一段階における模式図である。
【図11】同モジュールの追い越し第二段階における模式図である。
【図12】同モジュールの追い越し第三段階における模式図である。
【図13】同モジュールの追い越し第四段階における模式図である。
【図14】同モジュールの追い越し第五段階における模式図である。
【図15】同稼働状況表示システムのコンピューターのディスプレイ装置の画面の模式図である。
【図16】図15の円XVI内の拡大図である。
【図17】図15の円XVII内の拡大図である。
【図18】図15の円XVIII内の拡大図である。
【図19】本発明の一実施形態となる稼働状況表示方法のフローチャートである。
【図20】(a)は従来の電子部品実装機のステータスの時系列変化を示すグラフである。(b)は同電子部品実装機の時間当たりの回路基板の生産枚数の時系列変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0091】
1:稼働状況表示システム、2:電子部品実装機(処理設備)、3:コンピューター、30:コンピューター本体(入力装置、記憶装置、判別装置)、31:ディスプレイ装置(表示装置)、201〜220:モジュール(処理ユニット)。
A〜L:電子部品、N:ネットワーク、X:レーン、Y:レーン、Z:ステータスバー、Z1:処理状態、Z2:後工程待ち、Z3:部品補給待ち状態、Z4:前工程待ち、bx:回路基板(矢印、ワーク)、bx1〜bx3:回路基板(ワーク)、by:回路基板(矢印、ワーク)、by1〜by4:回路基板(ワーク)、cx:コンベア、cy:コンベア、h:ヘッド、x:作業エリア、y:作業エリア。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示システムであって、
前記処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記ワークの処理時間を時系列的に前記画面に表示可能な表示装置を備えてなることを特徴とする稼働状況表示システム。
【請求項2】
前記表示装置は、前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する請求項1に記載の稼働状況表示システム。
【請求項3】
前記イベント情報は、前記処理ユニットのステータスを含む請求項2に記載の稼働状況表示システム。
【請求項4】
前記表示装置は、前記ステータスの種類を識別可能に表示する請求項3に記載の稼働状況表示システム。
【請求項5】
前記表示装置は、前記画面に、前記処理ユニットが列記される処理ユニット軸と、時間軸と、を互いに直交するように表示し、該処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記イベント情報を該時間軸に沿って表示する請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の稼働状況表示システム。
【請求項6】
さらに、前記処理ユニットから前記イベント情報が入力される入力装置と、該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶装置と、を備える請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の稼働状況表示システム。
【請求項7】
さらに、前記レーンにおいて前記ワークの処理が滞る区間を判別する判別装置を備える請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の稼働状況表示システム。
【請求項8】
ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示方法であって、
前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を入力する入力ステップと、
入力された該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶ステップと、
記憶された該イベント情報を該処理ユニットおよび該レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする稼働状況表示方法。
【請求項9】
前記イベント情報は、前記処理ユニットのステータスを含む請求項8に記載の稼働状況表示方法。
【請求項10】
前記表示ステップは、前記ステータスの種類を識別可能に表示する請求項9に記載の稼働状況表示方法。
【請求項11】
前記表示ステップは、前記画面に、前記処理ユニットが列記される処理ユニット軸と、時間軸と、を互いに直交するように表示し、該処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記イベント情報を該時間軸に沿って表示する請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の稼働状況表示方法。
【請求項12】
さらに、前記記憶ステップの後に、前記レーンにおいて前記ワークの処理が滞る区間を判別する判別ステップを有する請求項8ないし請求項11のいずれかに記載の稼働状況表示方法。
【請求項13】
ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示プログラムであって、
前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を入力する入力手段、
入力された該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶手段、
記憶された該イベント情報を該処理ユニットおよび該レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する表示手段、
として稼働状況表示システムを機能させることを特徴とする稼働状況表示プログラム。
【請求項1】
ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示システムであって、
前記処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記ワークの処理時間を時系列的に前記画面に表示可能な表示装置を備えてなることを特徴とする稼働状況表示システム。
【請求項2】
前記表示装置は、前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する請求項1に記載の稼働状況表示システム。
【請求項3】
前記イベント情報は、前記処理ユニットのステータスを含む請求項2に記載の稼働状況表示システム。
【請求項4】
前記表示装置は、前記ステータスの種類を識別可能に表示する請求項3に記載の稼働状況表示システム。
【請求項5】
前記表示装置は、前記画面に、前記処理ユニットが列記される処理ユニット軸と、時間軸と、を互いに直交するように表示し、該処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記イベント情報を該時間軸に沿って表示する請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の稼働状況表示システム。
【請求項6】
さらに、前記処理ユニットから前記イベント情報が入力される入力装置と、該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶装置と、を備える請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の稼働状況表示システム。
【請求項7】
さらに、前記レーンにおいて前記ワークの処理が滞る区間を判別する判別装置を備える請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の稼働状況表示システム。
【請求項8】
ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示方法であって、
前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を入力する入力ステップと、
入力された該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶ステップと、
記憶された該イベント情報を該処理ユニットおよび該レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする稼働状況表示方法。
【請求項9】
前記イベント情報は、前記処理ユニットのステータスを含む請求項8に記載の稼働状況表示方法。
【請求項10】
前記表示ステップは、前記ステータスの種類を識別可能に表示する請求項9に記載の稼働状況表示方法。
【請求項11】
前記表示ステップは、前記画面に、前記処理ユニットが列記される処理ユニット軸と、時間軸と、を互いに直交するように表示し、該処理ユニット毎に複数の前記レーン各々における前記イベント情報を該時間軸に沿って表示する請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の稼働状況表示方法。
【請求項12】
さらに、前記記憶ステップの後に、前記レーンにおいて前記ワークの処理が滞る区間を判別する判別ステップを有する請求項8ないし請求項11のいずれかに記載の稼働状況表示方法。
【請求項13】
ワークに所定の処理を施す作業エリアを複数有する処理ユニットが直列に複数並べられると共に、複数の該処理ユニット各々の該作業エリアが直列に並べられ該ワークに連続的に処理を施すレーンを複数形成する処理設備の稼働状況を、画面に表示可能な稼働状況表示プログラムであって、
前記処理ユニットにおける前記ワークの処理開始時刻および処理完了時刻のうち少なくとも一方を含むイベント情報を入力する入力手段、
入力された該イベント情報を該処理ユニットおよび前記レーンと関連付けて記憶する記憶手段、
記憶された該イベント情報を該処理ユニットおよび該レーンと関連付けて時系列的に前記画面に表示する表示手段、
として稼働状況表示システムを機能させることを特徴とする稼働状況表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−54051(P2009−54051A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−221722(P2007−221722)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
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