穀物乾燥機
【課題】熱風発生装置を備えた穀物乾燥機において、攪拌性能を向上させて、吸込み抵抗を増大させることなく、温風の均一化を図ることにある。
【解決手段】熱風発生装置(6)は、バーナ部(7)とこのバーナ部(7)に連設して燃焼室形成部(9)を覆う風洞体(11)とこの風洞体(11)の先端側の吸込部(12)に取り付けた複数の攪拌羽根(14−1〜14−8)からなる攪拌機構(13)とを備える。この攪拌機構(13)の各攪拌羽根(14)の端辺(16)には、バーナ部(7)による高温ガスと吸込空気とを均一に攪拌し且つ吸込抵抗を減少するように、鋸歯状の凹凸形状部(17)を設けている。
【解決手段】熱風発生装置(6)は、バーナ部(7)とこのバーナ部(7)に連設して燃焼室形成部(9)を覆う風洞体(11)とこの風洞体(11)の先端側の吸込部(12)に取り付けた複数の攪拌羽根(14−1〜14−8)からなる攪拌機構(13)とを備える。この攪拌機構(13)の各攪拌羽根(14)の端辺(16)には、バーナ部(7)による高温ガスと吸込空気とを均一に攪拌し且つ吸込抵抗を減少するように、鋸歯状の凹凸形状部(17)を設けている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、穀物乾燥機に係り、特に熱風を発生する熱風発生装置を備えた穀物乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
穀物乾燥機には、穀物を乾燥するための熱風を発生する熱風発生装置を備えている。
この熱風発生装置においては、バーナ部と、このバーナ部に連設して燃焼室形成部を覆う風洞体と、この風洞体の先端側の吸込部に取り付けた複数の攪拌羽根とを備えているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭48−103558号公報
【0004】
特許文献1に記載の吸引式籾乾燥機における熱風均一装置は、外周部に羽根を配置した第一攪拌部と中心部に羽根を配置した第二攪拌部とから構成され、風洞面積に対して面積変化、分布変化を利用して攪拌するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、熱風の吸込部に円筒状をした風洞体を配置し、その中心部に位置するようにバーナ部及び燃焼室を配置して、吸出し型の排風構造の穀物乾燥機においては、吸込部(燃焼室の前方側)が高温ガスと冷却空気が層状に吸い込まれる傾向があり、高温ガスが穀物に接触すると、胴割れや変質等の品質低下を招くことがあり、このため、積極的に障害物等を配置し、温風を攪拌して均一化する必要があった。
しかし、上記の特許文献1に記載のように、攪拌機能を強化すると、吸込み抵抗が増大して、通過温風量が減少し、乾燥速度が低下するおそれがあった。
また、チャンバ等を配置して一時的に攪拌室を設けることも可能であるが、構造が大掛かりになり、また、放熱等により熱効率が低下するおそれがあり、改善が望まれていた。
【0006】
そこで、この発明の目的は、攪拌性能を向上させて、吸込み抵抗を増大させることなく、温風の均一化を図る穀物乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、穀物を乾燥するための熱風を発生する熱風発生装置を備えた穀物乾燥機において、前記熱風発生装置はバーナ部とこのバーナ部に連設して燃焼室形成部を覆う風洞体とこの風洞体の先端側の吸込部に取り付けた複数の攪拌羽根からなる攪拌機構とを備え、この攪拌機構の各攪拌羽根の端辺には、前記バーナ部による高温ガスと吸込空気とを均一に攪拌し且つ吸込抵抗を減少するように、鋸歯状の凹凸形状部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の穀物乾燥機は、攪拌性能が向上することから、吸込み抵抗を増大させることなく、温風の均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は穀物乾燥機の側面図である。(実施例)
【図2】図2は熱風発生装置の側面図である。(実施例)
【図3】図3(A)は凹凸形状部を備えた攪拌羽根の一部を示す図である。図3(B)は凹凸形状部を備えた攪拌羽根の傾き形状を示す図である。(実施例)
【図4】図4は攪拌機構の中心部のバーナ部側から視た正面図である。(実施例)
【図5】図5は攪拌機構の取付状態を示す図である。(実施例)
【図6】図6(A)は羽根ムラ試験の条件を説明する図である。図6は(B)は攪拌羽根を有さない状態を示す図である。(実施例)
【図7】図7は温度ムラ試験を示す図である。(実施例)
【図8】図8は温度ムラ試験の評価を示す図である。(実施例)
【図9】図9(A)は比較するために挙げた2段曲羽根の一部を示す図である。図9(B)は2段曲羽根の傾き状態を示す図である。(比較例)
【図10】図10は2段曲羽根の中心部のバーナ部側から視た正面図である。(比較例)
【図11】図11(A)は比較するために挙げた平板羽根の一部を示す図である。図11(B)は平板羽根の傾き状態を示す図である。(比較例)
【図12】図12は平板羽根の中心部のバーナ部側から視た正面図である。(比較例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明は、攪拌性能を向上させて、吸込み抵抗を増大させることなく、温風の均一化を図る目的を、攪拌部分を一箇所として、攪拌羽根の端辺形状を鋸歯状の凹凸形状として実現するものである。
【実施例】
【0011】
図1〜図8は、この発明の実施例を示すものである。
図1において、1は吸出し型の排風構造の穀物乾燥機、2は乾燥機本体、3は揚穀部、4は貯留部、5は乾燥部である。
穀物乾燥機1は、乾燥部5で穀物を乾燥するための熱風を発生する熱風発生装置6を備えている。
【0012】
図2に示すように、熱風発生装置6は、バーナ部7と、このバーナ部7に連設した燃焼室8を形成する燃焼室形成壁9と、この燃焼室形成壁9の同円心上で空気流通環状空間10を形成する円筒形状の風洞体11と、この風洞体11の先端側(燃焼室8の前方の乾燥機本体2側)の吸込部12に取り付けられた攪拌機構13とを備えている。
【0013】
この攪拌機構13は、図3〜図5に示すように、複数の攪拌羽根14として、第1〜8攪拌羽根14−1〜14−8からなって、かつ、この第1〜8攪拌羽根14−1〜14−8を円周方向等間隔で径方向且つ垂直線Vに対して所定の角度θ1(35度)で傾斜して配置している。
第1〜8攪拌羽根14−1〜14−8は、外周部が風洞体10の内周面に固定されるとともに、各内周部14−1A〜14−8Aが順次に重ね合わせて配置されている。これにより、攪拌機構13は、中心部位に中央孔部15を備える。つまり、図4に示すように、バーナ部7から視て、第1〜8攪拌羽根14−1〜14−8の各内周部14−1A〜14−8Aは、中央孔部15を中心にして径方向で円周方向等間隔に配置され且つ一部が順次に重なり合って配置されている。
【0014】
各攪拌羽根14の端辺16には、図3(A)に示すように、バーナ部7による高温ガスと吸込空気とを均一に攪拌し且つ吸込抵抗を減少するように、鋸歯状の凹凸形状部17がそれぞれ設けられている。この凹凸形状部17では、攪拌羽根14の端辺16に沿って所定の長さLで、且つ角度がα(略90度)で三角形状の凹み18が複数連続して形成されている。
【0015】
これにより、攪拌羽根14に設けた鋸歯状の凹凸形状部17は、攪拌羽根14の裏に巻き込むカルマン渦の構造を複雑にし、燃焼室8内の高温燃焼ガスと燃焼室8周囲を通過する冷却空気を攪拌して均一化して、攪拌性能を上げることができる。
また、攪拌機構13は、第1〜8攪拌羽根14−1〜14−8の各外周部を吸込部12の外周部位に固定し、中心部に通過面積を減少させるような構造物を持たない構造、つまり、吸込み抵抗を増大させることのない構造である。これにより、攪拌性能を向上させて、吸込み抵抗を増大させることなく、温風の均一化できる。
【0016】
このように、各攪拌羽根14の端辺16に鋸歯状の凹凸形状部17をそれぞれ設けることにより、温風通過時に、より複雑に攪拌する効果を持ち、攪拌段数を減ずることができたり、羽根枚数を減することができる。
【0017】
以下に、この実施例に係る凹凸形状部17を備えた攪拌羽根14と比較するために、図9(A)、(B)及び図10に示すような、複数の2段曲げ羽根101を備える攪拌機構102と、図11(A)、(B)、及び図12に示すような、凹凸形状部の無い複数の平板羽根201を備える攪拌機構202とを挙げる。
2段曲げ羽根101は、図9(A)、(B)に示すように、垂直線Vに対して所定の角度θ2(60度)で配置される第一の羽根部101−1と、この第一の羽根部101−1に連結した第二の羽根部101−2とからなる。
平板羽根201は、図11(A)、(B)に示すように、垂直線Vに対して所定の角度θ3(35度)で傾斜して配置される。
【0018】
次いで、この実施例に係る凹凸形状部17を備えた攪拌羽根14と2段曲げ羽根101と平板羽根201とについて、実験データを説明する。
この実験において、乾燥部5には、例えば、18箇所で温度を測定するためのセンサを配置する。
温度ムラは、
温度ムラ={(最高上昇温度一最小上昇温度)/平均上昇温度}*100%
で示される。
この指標によると、攪拌羽根を有さない温風乾燥機は、約100%であり、均一な構造を装備すると、20%以下に減ずることができる。
この場合、風量は、図6、図7に示すように、攪拌羽根を有さない温風乾燥機に比較して、鋸歯状の凹凸形状部17を備えた攪拌羽根14は、91.4%に減ずるが、凹凸形状部が無い羽根では、90.7%まで低下する。
また、温度ムラは、図6、図7に示すように、凹凸形状部17を備えた攪拌羽根14では、12.3%であったが、凹凸形状部の無い羽根では、16.8%に上昇する。
更に、図8に示すように、評価ポイントは、
評価ポイント=(風量/温度ムラ)*1000
で示される。
この指標によると、図6、図8に示すように、攪拌羽根を有さない場合の14Pに比較して、鋸歯状の凹凸形状部17の有る攪拌羽根14は、104.1Pであり、凹凸形状部17が無い羽根では、75.6Pに留まった。
この結果、鋸歯状の凹凸形状部17の有る攪拌羽根14では、温風通過時により複雑に攪拌効果を持たせることができることが明確である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
この発明に係る穀物乾燥機の攪拌機構を、各種温風機器に適用できる。
【符号の説明】
【0020】
1 穀物乾燥機
2 乾燥機本体
3 揚穀部
4 貯留部
5 乾燥部
6 熱風発生装置
7 バーナ部
8 燃焼室
9 燃焼室形成部
10 空気流通環状部
11 風洞体
12 吸込部
13 攪拌機構
14−1〜14−8 攪拌羽根
15 中央孔部
16 攪拌羽根の端辺
17 凹凸形状部
18 凹み
【技術分野】
【0001】
この発明は、穀物乾燥機に係り、特に熱風を発生する熱風発生装置を備えた穀物乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
穀物乾燥機には、穀物を乾燥するための熱風を発生する熱風発生装置を備えている。
この熱風発生装置においては、バーナ部と、このバーナ部に連設して燃焼室形成部を覆う風洞体と、この風洞体の先端側の吸込部に取り付けた複数の攪拌羽根とを備えているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭48−103558号公報
【0004】
特許文献1に記載の吸引式籾乾燥機における熱風均一装置は、外周部に羽根を配置した第一攪拌部と中心部に羽根を配置した第二攪拌部とから構成され、風洞面積に対して面積変化、分布変化を利用して攪拌するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、熱風の吸込部に円筒状をした風洞体を配置し、その中心部に位置するようにバーナ部及び燃焼室を配置して、吸出し型の排風構造の穀物乾燥機においては、吸込部(燃焼室の前方側)が高温ガスと冷却空気が層状に吸い込まれる傾向があり、高温ガスが穀物に接触すると、胴割れや変質等の品質低下を招くことがあり、このため、積極的に障害物等を配置し、温風を攪拌して均一化する必要があった。
しかし、上記の特許文献1に記載のように、攪拌機能を強化すると、吸込み抵抗が増大して、通過温風量が減少し、乾燥速度が低下するおそれがあった。
また、チャンバ等を配置して一時的に攪拌室を設けることも可能であるが、構造が大掛かりになり、また、放熱等により熱効率が低下するおそれがあり、改善が望まれていた。
【0006】
そこで、この発明の目的は、攪拌性能を向上させて、吸込み抵抗を増大させることなく、温風の均一化を図る穀物乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、穀物を乾燥するための熱風を発生する熱風発生装置を備えた穀物乾燥機において、前記熱風発生装置はバーナ部とこのバーナ部に連設して燃焼室形成部を覆う風洞体とこの風洞体の先端側の吸込部に取り付けた複数の攪拌羽根からなる攪拌機構とを備え、この攪拌機構の各攪拌羽根の端辺には、前記バーナ部による高温ガスと吸込空気とを均一に攪拌し且つ吸込抵抗を減少するように、鋸歯状の凹凸形状部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の穀物乾燥機は、攪拌性能が向上することから、吸込み抵抗を増大させることなく、温風の均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は穀物乾燥機の側面図である。(実施例)
【図2】図2は熱風発生装置の側面図である。(実施例)
【図3】図3(A)は凹凸形状部を備えた攪拌羽根の一部を示す図である。図3(B)は凹凸形状部を備えた攪拌羽根の傾き形状を示す図である。(実施例)
【図4】図4は攪拌機構の中心部のバーナ部側から視た正面図である。(実施例)
【図5】図5は攪拌機構の取付状態を示す図である。(実施例)
【図6】図6(A)は羽根ムラ試験の条件を説明する図である。図6は(B)は攪拌羽根を有さない状態を示す図である。(実施例)
【図7】図7は温度ムラ試験を示す図である。(実施例)
【図8】図8は温度ムラ試験の評価を示す図である。(実施例)
【図9】図9(A)は比較するために挙げた2段曲羽根の一部を示す図である。図9(B)は2段曲羽根の傾き状態を示す図である。(比較例)
【図10】図10は2段曲羽根の中心部のバーナ部側から視た正面図である。(比較例)
【図11】図11(A)は比較するために挙げた平板羽根の一部を示す図である。図11(B)は平板羽根の傾き状態を示す図である。(比較例)
【図12】図12は平板羽根の中心部のバーナ部側から視た正面図である。(比較例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明は、攪拌性能を向上させて、吸込み抵抗を増大させることなく、温風の均一化を図る目的を、攪拌部分を一箇所として、攪拌羽根の端辺形状を鋸歯状の凹凸形状として実現するものである。
【実施例】
【0011】
図1〜図8は、この発明の実施例を示すものである。
図1において、1は吸出し型の排風構造の穀物乾燥機、2は乾燥機本体、3は揚穀部、4は貯留部、5は乾燥部である。
穀物乾燥機1は、乾燥部5で穀物を乾燥するための熱風を発生する熱風発生装置6を備えている。
【0012】
図2に示すように、熱風発生装置6は、バーナ部7と、このバーナ部7に連設した燃焼室8を形成する燃焼室形成壁9と、この燃焼室形成壁9の同円心上で空気流通環状空間10を形成する円筒形状の風洞体11と、この風洞体11の先端側(燃焼室8の前方の乾燥機本体2側)の吸込部12に取り付けられた攪拌機構13とを備えている。
【0013】
この攪拌機構13は、図3〜図5に示すように、複数の攪拌羽根14として、第1〜8攪拌羽根14−1〜14−8からなって、かつ、この第1〜8攪拌羽根14−1〜14−8を円周方向等間隔で径方向且つ垂直線Vに対して所定の角度θ1(35度)で傾斜して配置している。
第1〜8攪拌羽根14−1〜14−8は、外周部が風洞体10の内周面に固定されるとともに、各内周部14−1A〜14−8Aが順次に重ね合わせて配置されている。これにより、攪拌機構13は、中心部位に中央孔部15を備える。つまり、図4に示すように、バーナ部7から視て、第1〜8攪拌羽根14−1〜14−8の各内周部14−1A〜14−8Aは、中央孔部15を中心にして径方向で円周方向等間隔に配置され且つ一部が順次に重なり合って配置されている。
【0014】
各攪拌羽根14の端辺16には、図3(A)に示すように、バーナ部7による高温ガスと吸込空気とを均一に攪拌し且つ吸込抵抗を減少するように、鋸歯状の凹凸形状部17がそれぞれ設けられている。この凹凸形状部17では、攪拌羽根14の端辺16に沿って所定の長さLで、且つ角度がα(略90度)で三角形状の凹み18が複数連続して形成されている。
【0015】
これにより、攪拌羽根14に設けた鋸歯状の凹凸形状部17は、攪拌羽根14の裏に巻き込むカルマン渦の構造を複雑にし、燃焼室8内の高温燃焼ガスと燃焼室8周囲を通過する冷却空気を攪拌して均一化して、攪拌性能を上げることができる。
また、攪拌機構13は、第1〜8攪拌羽根14−1〜14−8の各外周部を吸込部12の外周部位に固定し、中心部に通過面積を減少させるような構造物を持たない構造、つまり、吸込み抵抗を増大させることのない構造である。これにより、攪拌性能を向上させて、吸込み抵抗を増大させることなく、温風の均一化できる。
【0016】
このように、各攪拌羽根14の端辺16に鋸歯状の凹凸形状部17をそれぞれ設けることにより、温風通過時に、より複雑に攪拌する効果を持ち、攪拌段数を減ずることができたり、羽根枚数を減することができる。
【0017】
以下に、この実施例に係る凹凸形状部17を備えた攪拌羽根14と比較するために、図9(A)、(B)及び図10に示すような、複数の2段曲げ羽根101を備える攪拌機構102と、図11(A)、(B)、及び図12に示すような、凹凸形状部の無い複数の平板羽根201を備える攪拌機構202とを挙げる。
2段曲げ羽根101は、図9(A)、(B)に示すように、垂直線Vに対して所定の角度θ2(60度)で配置される第一の羽根部101−1と、この第一の羽根部101−1に連結した第二の羽根部101−2とからなる。
平板羽根201は、図11(A)、(B)に示すように、垂直線Vに対して所定の角度θ3(35度)で傾斜して配置される。
【0018】
次いで、この実施例に係る凹凸形状部17を備えた攪拌羽根14と2段曲げ羽根101と平板羽根201とについて、実験データを説明する。
この実験において、乾燥部5には、例えば、18箇所で温度を測定するためのセンサを配置する。
温度ムラは、
温度ムラ={(最高上昇温度一最小上昇温度)/平均上昇温度}*100%
で示される。
この指標によると、攪拌羽根を有さない温風乾燥機は、約100%であり、均一な構造を装備すると、20%以下に減ずることができる。
この場合、風量は、図6、図7に示すように、攪拌羽根を有さない温風乾燥機に比較して、鋸歯状の凹凸形状部17を備えた攪拌羽根14は、91.4%に減ずるが、凹凸形状部が無い羽根では、90.7%まで低下する。
また、温度ムラは、図6、図7に示すように、凹凸形状部17を備えた攪拌羽根14では、12.3%であったが、凹凸形状部の無い羽根では、16.8%に上昇する。
更に、図8に示すように、評価ポイントは、
評価ポイント=(風量/温度ムラ)*1000
で示される。
この指標によると、図6、図8に示すように、攪拌羽根を有さない場合の14Pに比較して、鋸歯状の凹凸形状部17の有る攪拌羽根14は、104.1Pであり、凹凸形状部17が無い羽根では、75.6Pに留まった。
この結果、鋸歯状の凹凸形状部17の有る攪拌羽根14では、温風通過時により複雑に攪拌効果を持たせることができることが明確である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
この発明に係る穀物乾燥機の攪拌機構を、各種温風機器に適用できる。
【符号の説明】
【0020】
1 穀物乾燥機
2 乾燥機本体
3 揚穀部
4 貯留部
5 乾燥部
6 熱風発生装置
7 バーナ部
8 燃焼室
9 燃焼室形成部
10 空気流通環状部
11 風洞体
12 吸込部
13 攪拌機構
14−1〜14−8 攪拌羽根
15 中央孔部
16 攪拌羽根の端辺
17 凹凸形状部
18 凹み
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物を乾燥するための熱風を発生する熱風発生装置を備えた穀物乾燥機において、前記熱風発生装置はバーナ部とこのバーナ部に連設して燃焼室形成部を覆う風洞体とこの風洞体の先端側の吸込部に取り付けた複数の攪拌羽根からなる攪拌機構とを備え、この攪拌機構の各攪拌羽根の端辺には、前記バーナ部による高温ガスと吸込空気とを均一に攪拌し且つ吸込抵抗を減少するように、鋸歯状の凹凸形状部を設けたことを特徴とする穀物乾燥機。
【請求項2】
前記攪拌機構は、前記吸込部の外周部位で前記風洞体に固定され、中心部に通過面積を減少させるような構造物を持たない構造であることを特徴とする請求項1に記載の穀物乾燥機。
【請求項1】
穀物を乾燥するための熱風を発生する熱風発生装置を備えた穀物乾燥機において、前記熱風発生装置はバーナ部とこのバーナ部に連設して燃焼室形成部を覆う風洞体とこの風洞体の先端側の吸込部に取り付けた複数の攪拌羽根からなる攪拌機構とを備え、この攪拌機構の各攪拌羽根の端辺には、前記バーナ部による高温ガスと吸込空気とを均一に攪拌し且つ吸込抵抗を減少するように、鋸歯状の凹凸形状部を設けたことを特徴とする穀物乾燥機。
【請求項2】
前記攪拌機構は、前記吸込部の外周部位で前記風洞体に固定され、中心部に通過面積を減少させるような構造物を持たない構造であることを特徴とする請求項1に記載の穀物乾燥機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−229846(P2012−229846A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97752(P2011−97752)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000197344)静岡製機株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000197344)静岡製機株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
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