説明

積層体

【課題】脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層において調整した位相差を利用することができ、当該層の耐擦傷性および積層体の生産性が改善された積層体を提供する。
【解決手段】本発明の積層体は、共押出しにより形成され、層(B)/層(A)/層(B)の順で直接または間接に積層された積層体であって、前記層(A)は、少なくとも1層の脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層であり、前記層(B)は、少なくとも1層のアクリル系樹脂を含有する層である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層と、アクリル系樹脂を含有する層とを有する積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
脂環式構造を有する熱可塑性樹脂は、固有の複屈折値を有することから、光学用フィルム等に用いられている。
【0003】
特許文献1には、アクリル系樹脂からなるハードコート層が形成された、環状オレフィン(共)重合体(熱可塑性ノルボルネン系樹脂)成形品が記載されている。
【0004】
特許文献2には、ノルボルネン系ポリマーからなる層と積層される他の層として、ポリメチルメタクリレート系ポリマーからなる層が記載されている。また、共押出しにより積層体を形成することが記載されている。
【0005】
特許文献3には、ノルボルネン系ポリマーからなる層が、ABS樹脂からなる層を介して、ポリメチルメタクリレート系ポリマーからなる層と積層された構造体が記載されている。
【特許文献1】特開平8−12787号公報
【特許文献2】特開2002−40258号公報
【特許文献3】特開2006−330604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記文献に記載の積層体は、以下の点で改善すべき点があった。
【0007】
特許文献1に記載の成形品において、ハードコート層は、アクリル系樹脂をコーティングした後に紫外線硬化により形成されるものであるため製造工程が煩雑となり、成形品の生産性に改善すべき点があった。また、特許文献1の成形品においては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂由来の光学特性について何ら考慮されていない。
【0008】
特許文献2に記載の積層体は、位相差の波長依存性の低減を目的として、固有複屈折値が正の材料であるノルボルネン系ポリマーからなる層と、固有複屈折値が負の材料であるポリメチルメタクリレート系ポリマーからなる層を用いるものである。つまり、ノルボルネン系ポリマーからなる層の位相差を利用することができるものではなかった。
【0009】
特許文献3に記載の積層体において、ノルボルネン系ポリマー層は、機械的強度に劣るポリメチルメタクリレート系ポリマー層の破断防止のために用いることを目的とするものである。つまり、ノルボルネン系ポリマーからなる層の位相差を利用することができるものではなかった。さらにノルボルネン系ポリマー層の耐擦傷性に改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記のような知見によりなされたものであり、脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層の低位相差を利用可能な積層体において、当該層の耐擦傷性を改善するとともに積層体の生産性を改善するという新規な課題を解決するものである。
【0011】
本発明は、以下の[1]〜[8]より提供される。
[1] 共押出しにより形成され、層(B)/層(A)/層(B)の順で直接または間接に積層された積層体であって、
前記層(A)は、少なくとも1層の脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層であり、
前記層(B)は、少なくとも1層のアクリル系樹脂を含有する層である積層体。
【0012】
[2] 少なくとも1層の脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層(A)と、少なくとも1層のアクリル系樹脂を含有する層(B)とを有する、共押出しにより形成された積層体であって、
前記層(A)のうち少なくとも一層の厚みtAと、前記層(B)のうち少なくとも一層の厚みtBとの比率tA:tBが95:5〜85:15の範囲内である積層体。
【0013】
[3] 少なくとも1層の脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層(A)と、少なくとも1層のアクリル系樹脂を含有する層(B)とを有する、共押出しにより形成された積層体であって、
前記層(B)の波長550nmにおける複屈折の絶対値が1×10−4以下である積層体。
【0014】
[4] 層(B)/層(A)/層(B)の順で直接または間接に積層されている、[2]または[3]に記載の積層体。
【0015】
[5] 前記層(A)と前記層(B)との層間の少なくとも一つに中間接着層(C)を有する[1]から[4]のいずれか1項に記載の積層体。
【0016】
[6] [1]から[5]のいずれか1項に記載の積層体を有する、液晶ディスプレイ用カバーシート。
【0017】
[7] [1]から[5]のいずれか1項に記載の積層体を有する、偏光子保護フィルム。
【0018】
[8] [1]から[5]のいずれか1項に記載の積層体、[6]に記載の液晶ディスプレイ用カバーシート、または[7]に記載の偏光子保護フィルムを有する、表示装置。
【0019】
なお、本発明において「表面保護コーティング層」とは、対象となる層の表面に被覆され擦れや引っ掻きなどによる傷つきを防止するための保護層と定義される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層の低位相差を利用することができるとともに、当該層の耐擦傷性および積層体の生産性に優れた積層体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
本実施形態の積層体は、少なくとも1層の脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層(A)と、少なくとも1層のアクリル系樹脂を含有する層(B)とを有し、共押出しにより形成される。また、前記層(A)と前記層(B)との層間の少なくとも一つに中間接着層(C)を有していてもよい。
なお、本実施形態の積層体の膜厚は、40〜100μm程度である。
【0022】
(脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層(A))
本実施形態において層(A)は、環状オレフィンより導かれる構造単位を有する高分子(環状オレフィン(共)重合体)を含有するものである。
【0023】
すなわち、層(A)は、脂環式構造含有重合体を含有する。ここで、「含有する」とは、当該フィルムの全部が当該脂環式構造含有重合体で構成されている場合、および、当該フィルムの一部が当該脂環式構造含有重合体で構成されている場合、の双方を含む趣旨である。脂環式構造含有重合体の含有量に特に制限はないが、光学的な均質性の観点等から、通常、50〜100重量%、好ましくは60〜100重量%、さらに好ましくは、70〜100重量%である。また、当該樹脂以外の成分には特に制限はないが、例えば、耐衝撃性向上等の観点から、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーを添加することができる。また、後述するように、それ以外の各種添加剤を用いてもよい。
【0024】
脂環式構造含有重合体は、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を含有するものであり、主鎖及び側鎖のいずれに脂環式構造を有していてもよい。脂環式構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別制限されないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であると、耐熱性及び柔軟性に優れたフィルムが得られる。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常20重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が十分であれば耐熱性に優れ好ましい。なお、脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別限定されず、使用目的に応じて適宜選択される。
【0025】
脂環式構造を含有する重合体樹脂の具体例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、寸法安定性、酸素透過率、透湿度、耐熱性、機械強度等の観点から、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体及びそれらの水素化物などが好ましい。
【0026】
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。
【0027】
ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物、および、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体の水素添加物においては、その水素添加率が99%以上であると、透明性(とりわけ、初期黄変度が低いこと)、安定性(とりわけ、長期的に黄変が発生しにくいこと)等に優れ、ゲルの発生を抑制できる場合が多く、好ましい。
【0028】
これらの中でも、所望のレターデーションが得やすい点から、ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体が最も好ましい。
【0029】
ノルボルネン系モノマーとしては、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピル-ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4.3.12,5.01,6〕−デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)、トリシクロ〔4.3.12,5.01,6〕−デカ−3−エン、トリシクロ〔4.4.12,5.01,6〕−ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ〔4.4.12,5.01,6〕−ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ〔4.4.12,5.01,6〕−ウンデカ−3−エン、テトラシクロ〔7.4.110,13.01,9.02,7〕−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう:慣用名メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ〔8,4,111,14,01,10,03,8〕−テトラデカ−3,5,7,12−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン(テトラシクロドデセンともいう)、8−メチル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、ペンタシクロ〔6.5.11,8.13,6.02,7.09,13〕−ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ〔7.4.13,6.110,13.01,9.02,7〕−ペンタデカ−4,11−ジエンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0030】
これらノルボルネン系モノマーの開環重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体は、モノマー成分を、開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。
【0031】
開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物と、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。重合反応は溶媒中または無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重合圧力で行われる。ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができるが、これらに制限されない。
【0032】
ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に水素添加触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素添加することにより得ることができる。水素化触媒としては、特に限定されないが、通常、不均一系触媒や均一系触媒が用いられる。
【0033】
ノルボルネン系モノマー、またはノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加(共)重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中または無溶媒で、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重合圧力で(共)重合させて得ることができる。
【0034】
ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα-オレフィン;
【0035】
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;
1、4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;
などが用いられるが、これらに限定されない。これらの中でも、α-オレフィン、特にエチレンが好ましい。
【0036】
これらの、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合する場合は、付加共重合体中のノルボルネン系モノマー由来の構造単位と共重合可能なその他のモノマー由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
【0037】
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素添加物などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体又は環状共役ジエン系重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量Mwで、通常5,000〜1,000,000、好ましくは8,000〜800,000、より好ましくは10,000〜500,000の範囲であるときに、成形体の機械的強度、及び成形加工性が高度にバランスされて好適な場合が多い。
【0040】
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物;スチレン、α-メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素添加物;などを用いることができる。この場合、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素添加物であってもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、またはそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
【0041】
ビニル脂環式炭化水素重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量Mwで、通常10,000〜800,000、好ましくは15,000〜500,000、より好ましくは20,000〜300,000の範囲であるときに、成形体の機械的強度及び成形加工性が高度にバランスされて好適な場合が多い。
【0042】
層(A)には、必要に応じて各種添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、トリアセチルセルロースをはじめとする各種セルロース樹脂等の、吸水率が0.1%を超える各種樹脂や、また例えば、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、帯電防止剤などが挙げられるが、本発明の目的を損なわない限り特に制限はない。
【0043】
(アクリル系樹脂を含有する層(B))
本実施形態において層(B)は、アクリル系樹脂を含有するものである。
【0044】
アクリル系樹脂としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタクリレート等のアルキルアクリレート、アルキルメタアクリレートのホモポリマー、コポリマーなどや、これらの混合物を用いることができる。
【0045】
アルキル基の炭素数が大きくなると層(A)との接着は強くなるが、溶融粘度が低くなり共押出し製膜の条件設定が難しくなる。したがって、アルキルアクリレートより溶融粘度が高いアルキルメタクリレートのアルキル基の炭素数が1〜2のものを主成分としたものを用いることができる。
【0046】
(中間接着層(C))
本実施形態の積層体においては、必要に応じて、層(A)と層(B)との層間の少なくとも一つに中間接着層(C)を有していてもよい。この構成により、層(A)と層(B)の接着強度が向上する。
【0047】
中間接着層(C)を構成する接着性樹脂としては、脂環式構造を有する熱可塑性樹脂とアクリル系樹脂との両方に対して接着性を備え、かつ、透明性の高いものであれば特に限定されることはないが、例えば無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(たとえば、三井化学社製のアドマー(登録商標)、三菱化学社製のモディック(登録商標)など)、不飽和ポリオレフィンなどの低(非)結晶性軟質重合体、エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸3元共重合体(たとえば、住化シーディエフ化学製のボンダイン(登録商標)など)をはじめとするアクリル系接着剤、エチレン/酢酸ビニル系共重合体またはこれらを含む接着性樹脂を好ましく用いることができる。
また、層(A)、層(B)、層(C)以外にも、他の層を有していてもよい。
【0048】
<積層体の製造方法>
本実施形態の積層体の製造方法は、共押出し法により行われる。共押出し法は、特に限定されないが、例えば、3台以上の押出機を用いて溶融押出しを行う、共押出し多層ダイス法、フィードブロック法等の公知の共押出し法を挙げることができる。
【0049】
共押出しに際しての条件についても特に限定されず、層(A)および層(B)を構成する樹脂を溶融温度以上に加熱し、上記の押出機を用いて溶融押出し、所定の温度となるように冷却すればよい。
【0050】
本実施形態において、積層体を共押出しにより製造することにより、層(A)と層(B)との接着が強くなる。さらに、共押出しにより製造される積層体は、一工程で製造できるため生産性に優れる。
一方、特許文献1に記載のように、従来、成形体を製造する場合には、ハードコート剤の塗工工程、および熱硬化工程または光硬化工程が必要である。
【0051】
これに対して、本実施形態の積層体によれば、十分な表面硬度を確保したままで、工数の削減、コストの抑制が可能となり、実用上高い価値を有する。すなわち本発明によれば一回の製膜で表面硬度の高いフィルムおよびシートを製造することが可能となり、工数削減、コスト抑制が可能となる。
【0052】
<積層体>
本実施形態の積層体は、以下のような構造を有していることにより、脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層(A)において調整された位相差を利用することができ、層(A)の耐擦傷性および生産性に優れた積層体を提供することができる。
本実施形態の積層体の構造を、以下(1)と(2)に例示する。
【0053】
(1) 共押出しにより形成された、層(B)/層(A)/層(B)の順で直接または間接に積層された積層体
なお、層(A)および層(B)を、間接的に積層する場合は、層間に中間接着層(C)を有していてもよい
【0054】
一方、特許文献2には、本件とは異なり、層(A)/層(B)/層(A)との層構成が記載されており、層(A)の耐擦傷性については改善の余地があった。
【0055】
さらに、特許文献3に記載の積層体は、層(A)の目的が層(B)の破断の防止であり、請求項4等には、層(A)/層(B)/層(A)との層構成が記載されている。特許文献2と同様に、層(A)の耐擦傷性については改善の余地があった。
【0056】
これに対して、本実施形態の積層体は、特許文献2および3とは異なり、層(B)が層(A)の両表面にあり、表面保護コーティングとして機能するので、アクリル樹脂層の高い硬度を有効に活用し、表面硬度の高いフィルムおよびシートを提供することが可能になる。さらに反りの発生をも抑制することができる。
【0057】
(2) 共押出しにより層(A)と層(B)とが積層されてなり、層(A)のうち少なくとも一層の厚みtAと、層(B)のうち少なくとも一層の厚みtBとの比率tA:tBが95:5〜85:15の範囲内である積層体
【0058】
層(A)のうち少なくとも一層の厚みtAと、層(B)のうち少なくとも一層の厚みtBとの比率tA:tBは、好ましくは95:5〜85:15、さらに好ましくは95:5〜90:10である。
【0059】
層(A)のうち少なくとも一層の厚みtAと、層(B)のうち少なくとも一層の厚みtBとの比率が上記範囲にあることにより、アクリル系樹脂を含有する層(B)の位相差の影響を抑制し、脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層(A)の低位相差をより好適に利用することができる。さらに、層(B)は、層(A)の耐擦傷性を確保するだけの膜厚を有する。
またさらに、積層体は、厚みtAと厚みtBとの比率が上記範囲にあることにより防湿性に優れ、湿度の影響で変形や反りが生じないので製品信頼性に優れる。
このように上記(2)の構造を備える積層体によれば、層(A)の低位相差を利用と、層(A)の耐擦傷性と、耐湿性とのバランスにさらに優れる。
【0060】
一方、特許文献2には、各層の厚さについての比は開示されておらず、実施例における各層の厚みの比はほぼ1:1である。さらに、特許文献2は、位相差特定の波長依存性の低減を目的としており、層(B)の厚さは、層(A)と比較して有意(無視出来ない程度)である必要がある。
【0061】
また、特許文献3には、各層の厚さについては、層(B)が少なくとも層(A)の25%以上の厚みを有する範囲を好ましいと記載されており、上記比率の範囲は開示されていない。
【0062】
これに対し、本実施形態の積層体は、特許文献2および3とは異なり、層(B)の厚みが層(A)と比較して小さいので、層(A)の寸法安定性、低複屈折性を損なうことなく、層(B)の硬度を活用することができる。
【0063】
(3) 層(A)と層(B)とを有する、共押出しにより形成された積層体であって、上記層(B)の波長550nmにおける複屈折の絶対値が1×10−4以下である積層体
【0064】
波長550nmにおける複屈折の絶対値は、好ましくは1×10−4以下、より好ましくは5×10−5以下である。さらに好ましくは2×10−5以下である。
【0065】
層(B)の波長550nmにおける複屈折の絶対値が上記範囲にあることにより、アクリル系樹脂を含有する層(B)の位相差の影響を抑制し、脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層(A)の低位相差をより好適に利用することができる。
一方、特許文献2は、位相差特定の波長依存性の低減を目的としており、B層の位相差は、A層と比較して有意(無視出来ない程度)である必要がある。
【0066】
また、特許文献3は、各層の位相差についても具体的な開示はなく、実施例等も、A層B層の厚さがほぼ等しいことから、B層の位相差も、A層と比較して有意(無視出来ない程度)であると考えられる。
【0067】
これに対し、本実施形態の積層体は、特許文献2および3とは異なり、層(B)の複屈折が層(A)と比較して小さいので、層(A)の寸法安定性、低複屈折性を損なうことなく、層(B)の硬度を活用することができる。
【0068】
本実施形態においては、層(B)が最外層に位置していることが好ましい。これにより、層(A)の低複屈折性を損なうことがなく、所望の光学特性を有する積層体を得ることができる。なお、層(A)の低複屈折性を損なわない範囲で層(B)の表面に他の層を備えていてもよく、製造時や輸送時に層(B)の表面を保護するため剥離層を有していてもよい。
【0069】
<用途>
本実施形態の積層体は、液晶ディスプレイ用カバーシートや偏光子保護フィルム等に適用することができる。
【0070】
本実施形態の積層体を偏光子保護フィルムに適用する場合、粘着層を保護する剥離フィルム、他の素子に対する接着層として作用する粘着層、偏光板保護フィルム、偏光子、層(A)、層(B)が順に積層された構造、または剥離フィルム、粘着層、偏光板保護フィルム、偏光子、層(B)、層(A)、層(B)が順に積層された構造を例示することができる。なお、層(A)と層(B)との層間のいずれか1つに中間接着層(C)を有していてもよい。
【0071】
本実施形態の積層体を液晶ディスプレイ用カバーシートに適用する場合、液晶ディスプレイ表面に、接着層、層(A)、層(B)が順に積層された構造、または接着層、層(B)、層(A)、層(B)が順に積層された構造を例示することができる。なお、層(A)と層(B)との層間のいずれか1つに中間接着層(C)を有していてもよい。
【0072】
また、本実施形態の積層体、液晶ディスプレイ用カバーシート、偏光子保護フィルムを例えばパソコン、TV、携帯電話などの液晶ディスプレイなどの表示装置に好適に用いることができる。
【0073】
なお、本発明は、上述した実施形態、および具体例に限定されることはなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【実施例】
【0074】
(使用材料)
・アクリル樹脂:(三菱レイヨン株式会社製、商品名 アクリペット)
・環状オレフィン樹脂:(三井化学株式会社製、商品名 アペル)
・光硬化型アクリル樹脂:(三洋化成株式会社製、商品名 サンラッド)
【0075】
(試験方法)
・表面鉛筆硬度試験:JIS K−50400準拠し、500g荷重にて行った。
・耐傷試験:往復磨耗試験機(新東科学株式会社製、製品名 トライボギア TYPE:30S)を用い、スチールウール#0000の250g/cm荷重で10回往復の条件にて行った。試験後、目視にて積層フィルムの表面の傷を確認した。
・防湿試験:得られた積層フィルムを80℃85%RHの高温高湿条件に投入し、100時間経過後に取り出し、変形や反りなどの形状変化を確認した。
・位相差測定:大塚電子株式会社製のRETS−100にて測定した。
【0076】
(実施例1)
アクリル樹脂/環状オレフィン樹脂/アクリル樹脂の3層フィルム(積層体)を共押出しにて成膜した。アクリル樹脂層と環状オレフィン樹脂層の厚み比率は10:90で、3層フィルムの総厚みは80μmであった。工数は共押出しの1工程であった。
3層フィルムにおいてアクリル樹脂層の表面鉛筆硬度は2Hであった。また耐傷試験の結果、アクリル樹脂層の表面に傷は認められなかった。防湿試験の結果、変形や反りなどの形状変化は認められなかった。
【0077】
(実施例2)
実施例1と同様に共押出しにてアクリル樹脂/環状オレフィン樹脂の2層フィルムを成膜した。アクリル樹脂層と環状オレフィン樹脂層の厚み比率は5:95で、2層フィルムの総厚みは70μmであった。工数は共押出しの1工程で行った。
2層フィルムにおいてアクリル樹脂層の表面鉛筆硬度は2Hであった。また耐傷試験の結果、アクリル樹脂層の表面に傷は認められなかった。防湿試験の結果、変形や反りなどの形状変化は認められなかった。
【0078】
(比較例1)
押出し成膜にて環状オレフィン樹脂フィルム(厚み65μm)を作製した。そのフィルムの両面に光硬化型アクリル樹脂を塗工、光照射で硬化し厚み7.5μmのアクリル樹脂層を得た。工数は押出し成膜を1回行い、塗工/光硬化を2回行った。合計3工程を要した。
3層フィルムにおいてアクリル樹脂層の表面鉛筆硬度は2Hであった。また耐傷試験の結果、アクリル樹脂層の表面に傷は認められなかった。防湿試験の結果、変形や反りなどの形状変化は認められなかった。
【0079】
(比較例2)
実施例1と同様にアクリル樹脂/環状オレフィン樹脂/アクリル樹脂の3層フィルムをアクリル樹脂層と環状オレフィン樹脂層の厚み比率は40:90で共押出しにて成膜した総厚みは120μmであった。工数は共押出しの1工程であった。
3層フィルムにおいてアクリル樹脂層の表面鉛筆硬度は3Hであった。また耐傷試験の結果、アクリル樹脂層の表面に傷は認められなかった。防湿試験の結果、変形や反りが認められた。
【0080】
(比較例3)
実施例2と同様にアクリル樹脂/環状オレフィン樹脂の2層フィルムをアクリル樹脂層と環状オレフィン樹脂層の厚み比率は40:90で共押出しにて成膜した総厚みは95μmであった。工数は共押出しの1工程であった。
2層フィルムにおいてアクリル樹脂層の表面鉛筆硬度は3Hであった。また耐傷試験の結果、アクリル樹脂層の表面に傷は認められなかった。防湿試験の結果、変形や反りが顕著に認められた。
【0081】
(位相差の変化)
実施例1,2および比較例1〜3の各フィルムの比較例1で成膜した環状オレフィン樹脂単層フィルム(厚み65μm)に対する波長550nmでの位相差の変化量を表1に示す。
【0082】
【表1】

【0083】
表1の位相差変化量と各実施例、比較例のアクリル樹脂層厚みから求められるアクリル樹脂層の波長550nmでの複屈折の絶対値はいずれも5×10−5であった。
【0084】
表1から明らかなように、アクリル樹脂層による位相差変化は極めて小さく、特に実施例では1nm以下である。なお、比較例1においても、位相差変化は1nm以下であったが、3層フィルムを製造するのに3工程を必要とし、生産性に優れるものではなかった。
また、アクリル樹脂層と環状オレフィン樹脂層との間の少なくとも1つに中間接着層を設けた場合においても、上述の実施例と同様の結果が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共押出しにより形成され、層(B)/層(A)/層(B)の順で直接または間接に積層された積層体であって、
前記層(A)は、少なくとも1層の脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層であり、
前記層(B)は、少なくとも1層のアクリル系樹脂を含有する層である積層体。
【請求項2】
少なくとも1層の脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層(A)と、少なくとも1層のアクリル系樹脂を含有する層(B)とを有する、共押出しにより形成された積層体であって、
前記層(A)のうち少なくとも一層の厚みtAと、前記層(B)のうち少なくとも一層の厚みtBとの比率tA:tBが95:5〜85:15の範囲内である積層体。
【請求項3】
少なくとも1層の脂環式構造を有する熱可塑性樹脂を含有する層(A)と、少なくとも1層のアクリル系樹脂を含有する層(B)とを有する、共押出しにより形成された積層体であって、
前記層(B)の波長550nmにおける複屈折の絶対値が1×10−4以下である積層体。
【請求項4】
層(B)/層(A)/層(B)の順で直接または間接に積層されている、請求項2または3に記載の積層体。
【請求項5】
前記層(A)と前記層(B)との層間の少なくとも一つに中間接着層(C)を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の積層体。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の積層体を有する、液晶ディスプレイ用カバーシート。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の積層体を有する、偏光子保護フィルム。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載の積層体、請求項6に記載の液晶ディスプレイ用カバーシート、または請求項7に記載の偏光子保護フィルムを有する、表示装置。

【公開番号】特開2009−125984(P2009−125984A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300865(P2007−300865)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】