説明

積層管の製造方法及び製造装置

【課題】歩留りや生産性の向上により低コスト化を図ることができる積層管の製造方法を提供する。
【解決手段】内層11と、少なくとも1つの外層12と、を有する積層管10の製造方法は、芯材20を準備する第1の工程S10と、芯材20の外周面に第1の材料を肉盛溶接して内層11を形成する第2の工程S20と、内層11の外周面に第2の材料を肉盛溶接して少なくとも1つの外層12を形成する第3の工程S30と、芯材20を除去する第4の工程S50と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内層と少なくとも一つの外層を有する積層管の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内層部材と、焼嵌めにより内層部材が嵌入されたシリンダ外筒と、を備え、耐摩耗性耐食性合金を焼結することで形成された内表面層が、内層部材の内面に固着された射出成形機用のシリンダが知られている(例えば、特許文献1の段落0002参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−24472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のシリンダでは、細長い内層部材と外筒を焼嵌めるので、内層部材を必要以上に厚くしたり、内層部材及び外筒を高精度に仕上げ加工しなければならないという問題がある。また、上記のシリンダでは、耐摩耗性耐食性合金の焼結に多くの時間を要するという問題もある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、歩留りや生産性の向上により低コスト化を図ることができる積層管の製造方法および製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係る積層管の製造方法は、内層と、少なくとも1つの外層と、を有する積層管の製造方法であって、芯材を準備する第1の工程と、前記芯材の外周面に第1の材料を肉盛溶接して前記内層を形成する第2の工程と、前記内層の外周面に第2の材料を肉盛溶接して少なくとも1つの前記外層を形成する第3の工程と、前記芯材を除去する第4の工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
[2]上記発明において、前記製造方法は、前記第4の工程の前又は後に、前記外層に外側に外筒を固着する第5の工程を備えてもよい。
【0008】
[3]上記発明において、前記第2の工程は、プラズマ粉体溶接によって前記芯材の外周面に前記第1の材料を肉盛溶接することを含んでもよい。
【0009】
[4]上記発明において、前記芯材は、内孔を有する筒状部材であり、前記第2の工程は、前記筒状部材の前記内孔内に冷媒を流しながら前記第1の材料を肉盛溶接することを含み、前記第3の工程も、前記筒状部材の前記内孔に冷媒を流しながら前記第2の材料を肉盛溶接することを含んでもよい。
【0010】
[5]上記発明において、前記内層は、前記外層よりも耐摩耗性及び耐食性の少なくとも一方が相対的に高くてもよい。
【0011】
[6]上記発明において、前記内層は、前記外層よりも相対的に硬質であってもよい。
【0012】
[7]本発明に係る積層管の製造装置は、内層と、少なくとも一つの外層と、を有する積層管の製造装置であって、芯材を着脱可能に保持して回転させる回転手段と、前記回転手段によって前記芯材を回転させながら、前記芯材の外周面に第1の材料を肉盛溶接して前記内層を形成する第1の溶接手段と、前記回転手段によって前記芯材を回転させながら、前記内層の外周面に第2の材料を肉盛溶接して少なくとも一つの前記外層を形成する第2の溶接手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
[8]上記発明において、前記第1の溶接手段は、プラズマ粉体溶接によって前記芯材の外周面に前記第1の材料を肉盛溶接してもよい。
【0014】
[9]上記発明において、前記第1の溶接手段は、前記回転手段に保持された前記芯材に対して相対移動可能な第1のトーチを有し、前記第2の溶接手段も、前記回転手段に保持された前記芯材に対して相対移動可能な第2のトーチを有しており、前記第1のトーチと前記第2のトーチとが、同一のトーチであってもよい。
【0015】
[10]上記発明において、前記芯材は、内孔を有する筒状部材であり、前記製造装置は、前記芯材の前記内孔に冷媒を流通させる冷媒循環手段を備えてもよい。
【0016】
[11]上記発明において、前記内層は、前記外層よりも耐摩耗性及び耐食性の少なくとも一方が相対的に高くてもよい。
【0017】
[12]上記発明において、前記内層は、前記外層よりも相対的に硬質であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、内層及び外層を肉盛溶接により形成するので、焼嵌めや焼結が不要となる。このため、歩留り及び生産性が向上するので、積層管の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施形態における積層管を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施形態における積層管を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明のさらに他の実施形態における積層管を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態における積層管の製造装置を示す概略側面図である。
【図5】図3は、本発明の実施形態における積層管の製造装置の変形例を示す概略平面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態における積層管の製造方法を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図6のステップS20における積層管の断面図である。
【図8】図8は、図6のステップS30における積層管の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
先ず、図1を参照しながら本実施形態に係る製造装置や製造方法によって製造される積層管の構成について説明する。図1は本実施形態における積層管を示す断面図である。
【0022】
本実施形態における積層管10は、内孔101を有する管状の部材であり、例えば、プラスチックやゴム等の射出成形機や押出成形機のシリンダに用いられる。なお、積層管10の用途は、内周面に耐摩耗性及び耐食性が要求されるものであれば特に限定されず、例えば、微粉体等を搬送するための搬送パイプ等に用いてもよい。
【0023】
この積層管10は、図1に示すように、内孔101を規定する内層11と、内層11の外周に形成された外層12と、からなる二層構造を有している。
【0024】
内層11は、耐摩耗性及び耐食性に優れた材料から構成されているのに対し、外層12は、鉄やステンレスから構成されており、内層11は、外層12よりも相対的に高い耐摩耗性及び耐食性を有していると共に、外層12よりも相対的に硬質となっている。内層11を構成する材料の具体例としては、例えば、B:4〜7wt%、Mo:37〜40wt%、Cr:8〜9wt%、Ni:2〜3wt%、及びFe:残部からなる合金を例示することができる。
【0025】
ここで、「耐摩耗性」の評価方法としては、例えば、大越摩耗試験を用いて金属に対するすべり摩耗特性を評価する方法を例示することができる。この大越摩耗試験では、回転するリング状の回転試片にプレート状の固定試験片を押し当て、これによって形成された摩耗痕の摩耗体積を測定することで、耐摩耗性を評価する。具体的な試験例としては、すべり速度:0.2m/s、最終荷重:19.8kg、すべり距離:600mの条件で試験を行った後に、摩耗痕の摩耗体積を測定する。
【0026】
また、「耐食性」の評価方法としては、例えば、各種水溶液に試料を一定時間浸漬した後の腐食減量を測定することで耐食性を評価する方法を例示することができる。具体的な試験例としては、10mass%塩酸、10mass%硫酸、10mass%リン酸、10mass%フッ酸水溶液に試料を10時間浸漬した後の重量変化を測定する。この場合、減少量が少ないものほど耐食性に優れている。
【0027】
なお、内層11が外層12よりも高い耐摩耗性及び耐食性を有していれば、外層12が内層11よりも硬質であってもよい。また、内層11は、外層12よりも耐摩耗性及び耐食性の少なくとも一方が相対的に高ければよい。例えば、内層11が、外層12よりも耐摩耗性が相対的に高く、外層11と同程度の耐食性を有してもよい。
【0028】
このように、内層11のみを耐摩耗性及び耐食性に優れた材料で形成すると共に、外層12は安価な鉄やステンレスで形成することで、積層管10の低コスト化を図ることができる。
【0029】
なお、積層管10における外層12の数は特に限定されない。図2は本発明の他の実施形態における積層管を示す断面図である。例えば、図2に示すように、積層管10Bが、2層の外層12を有してもよいし、或いは、外層12を2層以上形成してもよい。積層管10Bが複数の外層12を有することで、積層管10Bの強度を高めることができる。なお、2層以上の外層12において、各層を構成する金属材料を異ならせてもよい。
【0030】
また、図3に示すように、積層管10Cが、外層12の外側に外筒13を有してもよい。図3は本発明のさらに他の実施形態における積層管を示す断面図である。この外筒13は、例えば、日本工業規格(JIS G 4053)に規定されるSCM440相当のクロムモリブデン鋼鋼材から構成されており、外層12の外側に焼嵌めによって固着されている。なお、外筒13を、ボルト締結やピン等によって、外層12の外側に固着してもよい。積層管10Cが外筒13を有することで、積層管10cの強度を高めることができる。
【0031】
次に、以上に説明した積層管10を製造するための製造装置30の構成について、図4を参照しながら説明する。図4は本発明の実施形態における積層管の製造装置を示す概略図である。
【0032】
本実施形態における製造装置30は、図4に示すように、回転ユニット40と、溶接ユニット50と、冷却ユニット60と、を備えている。なお、以下に説明する製造装置30は、図6を参照して後に説明する製造方法のステップS10〜S30において使用される。また、この製造装置30は、積層管10を製造するための装置の一例に過ぎず、特にこれに限定されない。
【0033】
回転ユニット40は、芯金20を保持するチャック41と、当該チャック41を回転させるためのモータ42と、を備えている。なお、後述するように、芯金20は、積層管10の製造過程において積層管10の芯となる部材であり、内層11及び外層12を形成した後に積層管10から除去される。
【0034】
チャック41は、例えば、複数の爪411を有するスクロールチャックであり、上述の芯金20の一端を着脱可能に保持することが可能となっている。このチャック41は、伝達ベルト43を介してモータ42に連結されており、モータ42が伝達ベルト43を介してチャック41を回転させることで、当該チャック41に保持された芯金20が回転するようになっている。
【0035】
なお、チャック41は、ベアリング44を介して第1のサポート部材45に回転可能に支持されている。また、芯金20の他端も、ベアリングを有する第2のサポート部材46によって回転可能に支持されている。
【0036】
溶接ユニット50は、いわゆるプラズマ粉体肉盛溶接(PTA:Plasma Transfer Arc)を行う装置であり、トーチ51の電極と被溶接体(具体的には芯金20又は内層11)との間にプラズマアークを発生させ、金属粉末をキャリアガスと共にプラズマアーク内に供給して、当該金属粉末を溶融させて被溶接体上に肉盛溶接を行うことが可能となっている。キャリアガスとしては、例えば、アルゴン等の不活性ガスを例示することができる。なお、金属粉末に代えて、金属ワイヤを用いてプラズマ肉盛溶接を行ってもよい。
【0037】
この溶接ユニット50は、トーチ51に金属粉末を供給可能な2つのパウダフィーダ52,53を備えており、トーチ51の接続先を第1のパウダフィーダ52又は第2のパウダフィーダ53で切り替えることで、異種の金属粉末を肉盛溶接することが可能となっている。
【0038】
具体的には、第1のパウダフィーダ52には、上述の内層11を形成するための耐摩耗性及び耐食性に優れた合金の粉末(以下、第1の金属粉末と称する。)が収容されている。これに対し、第2のパウダフィーダ53には、外層12を形成するための鉄又はステンレスの粉末(以下、第2の金属粉末と称する。)が収容されている。
【0039】
このように、同一の溶接ユニット50で異種の金属粉末を肉盛溶接することで、製造装置30の小型化及び低コスト化を図ることができる。なお、本実施形態における溶接ユニット50が本発明における第1及び第2の溶接手段の一例に相当する。
【0040】
また、本実施形態の溶接ユニット50は、トーチ51を移動させる移動機構54を備えている。この移動機構54は、例えばボールねじ等によって、回転装置40に保持された芯金20に沿って、トーチ51を移動させることが可能となっている。
【0041】
冷却ユニット60は、ロータリジョイント61,62と、配水管65を介してロータリジョイント61,62に接続されたチラー63及びポンプ64と、を備えている。ロータリジョイント61,62は、芯金20の両端に接続されており、配水官65は、このロータリジョイント61,62を介して、芯金20の内孔21に連通している。
【0042】
この冷却ユニット60では、チラー63で冷却された冷媒が、ポンプ64によって、一方のロータリジョイント61を介して、芯金20の内孔21内に供給される。そして、芯金20の内孔21内を流れた冷媒は、他方のロータリジョイント62を介して、チラー63に回収される。このように、芯金20の内孔21内に冷媒を循環させることで、芯金20が冷却される。冷媒としては、水や不燃性の液体等を用いることができる。
【0043】
なお、図4に示す例では、同一のトーチ51によって異種の金属粉末の肉盛溶接を行うが、特にこれに限定されない。図5は本実施形態における積層管の製造装置の変形例を示す平面図である。
【0044】
例えば、図5に示すように、製造装置が2つの溶接ユニット50A,50Bを備えてもよく、内層11を形成するための第1の溶接ユニット50Aと、外層12を形成するための第2の溶接ユニット50Bと、を独立させてもよい。
【0045】
具体的には、図5に示す例において、第1の溶接ユニット50Aは、第1のパウダフィーダ52から第1の金属粉末が供給される第1のトーチ51Aを有している。一方、第2の溶接ユニット50Bは、第2のパウダフィーダ53から第2の金属粉末が供給される第2のトーチ51Bを有している。いずれのトーチ51A,51Bも、チャック41に保持された芯金20に沿って移動可能となっている。
【0046】
なお、この場合には、鉄やステンレスを肉盛溶接する第2の溶接ユニット50Bを、プラズマ粉体溶接に代えて、アーク溶接、TIG溶接、或いはMIG溶接等を行う装置としてもよい。
【0047】
本例では、第1の溶接ユニット50Aが本発明における第1の溶接手段の一例に相当し、第2の溶接ユニット50Bが本発明における第2の溶接手段の一例に相当する。
【0048】
次に、本実施形態における積層管10の製造方法について、図6〜図8を参照しながら説明する。図6は本実施形態における積層管の製造方法を示すフローチャートであり、図7及び図8は図6の各ステップにおける積層管の断面図である。
【0049】
先ず、図6のステップS10において、上述した製造装置30のチャック41に、芯金20の一端を固定し、当該芯金20の両端に、ロータリジョイント61,62を接続する。この芯金20は、内孔21を有する管状の部材であり、例えば、鉄、銅、アルミニウムといった安価で加工が容易な材料から構成されている。
【0050】
次いで、図6のステップS20において、第1のパウダフィーダ52から第1の金属粉末をトーチ51に供給して、図7に示すように、溶接ユニット50によって、芯金20の外周面に内層11を形成する。この際、回転ユニット40によって芯金20を回転させると共に移動機構54によってトーチ51を芯金20に平行に移動させながら、芯金20の外周面に螺旋状に肉盛溶接を行う。
【0051】
次いで、図6のステップS30において、第2のパウダフィーダ53から第2の金属粉末をトーチ51に供給して、図8に示すように、溶接ユニット50によって、内層11の外周面に外層12を形成する。この際、ステップS20と同様に、回転ユニット40によって芯金20を回転させると共に移動機構54によってトーチ51を芯金20に対して平行に移動させながら、内層11の外周面に螺旋状に肉盛溶接を行う。
【0052】
次いで、製造装置30のチャック41から積層管10を取り外し、図6のステップS40において、肉盛溶接によって形成された外層12の外周面を、旋盤(不図示)等を用いて切削加工して、当該外層12の表面を平滑に仕上げる。
【0053】
次いで、図6のステップS50において、内層11のさらに内側に位置する芯金20を、特に図示しないボール盤やBTA(Boring and Trepanning Association)深孔加工機等を用いて切削する。これにより、芯金20から積層管10から除去され、積層管10の内面に、耐摩耗性及び耐食性に優れた内層11が露出すると共に、当該内層11の内周面が平滑化される。以上の工程を経ることで、図1に示す積層管10が完成する。
【0054】
本実施形態では、上述のステップS20及びステップS30を実施する間、冷却ユニット60によって、芯金20の内孔21内に冷媒を循環させることで、芯金20の温度調整を行う。この温度調整により、溶接品質の安定化が図られると共に、芯金20自体の溶融を防止される。
【0055】
なお、図2に示すように、外層12を2層以上形成する場合には、ステップS30を複数回繰り返せばよい。
【0056】
また、図3に示す積層管10Cを製造する場合には、ステップS40の後であれば、ステップS50の前に外筒13を外層12に固着させてもよいし、ステップS50の後に外筒13を外層12に固着させてもよい。
【0057】
以上のように、本実施形態では、積層管10の内層11及び外層12を肉盛溶接により形成するので、焼嵌めや焼結が不要となる。このため、歩留り及び生産性が向上するので、積層管10の低コスト化を図ることができる。
【0058】
また、本実施形態では、外筒の内面に肉盛溶接で内層を形成する場合と比較して、トーチによる内径の制約がなくなると共に、芯金20の除去に伴って内層11の内面も平滑化されるので、溶接ビードの除去等の工数が不要となる。
【0059】
また、本実施形態では、積層管10の内層11及び外層12を肉盛溶接により形成するので、遠心鋳造により内面に硬質層を形成する場合と比較して、設備の低コスト化を図ることができる。
【0060】
さらに、本実施形態では、芯金20が内孔21を有する管状の部材であるので、上述の図7のステップS50における切削量を少なくすることができる。これにより、ステップS50に要する時間を短縮することができると共に、芯金20の使用量を削減することができ、さらに、内孔21を利用して冷却ユニット60によって芯金20を冷却することもできる。
【0061】
本実施形態におけるステップS10が本発明における第1の工程の一例に相当し、本実施形態におけるステップS20が本発明における第2の工程の一例に相当し、本実施形態におけるステップS30が本発明における第3の工程の一例に相当し、本実施形態におけるステップS50が本発明における第4の工程の一例に相当する。
【0062】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0063】
10…積層管
101…内孔
11…内層
12…外層
13…外筒
20…芯材
21…内孔
30…製造装置
40…回転ユニット
41…チャック
411…爪
42…モータ
43…伝達ベルト
44…ベアリング
45…第1のサポート部材
46…第2のサポート部材
50…溶接ユニット
51…トーチ
52…第1のパウダフィーダ
53…第2のパウダフィーダ
54…移動機構
60…冷却ユニット
61,62…ロータリジョイント
63…チラー
64…ポンプ
65…配水管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内層と、少なくとも1つの外層と、を有する積層管の製造方法であって、
芯材を準備する第1の工程と、
前記芯材の外周面に第1の材料を肉盛溶接して前記内層を形成する第2の工程と、
前記内層の外周面に第2の材料を肉盛溶接して少なくとも1つの前記外層を形成する第3の工程と、
前記芯材を除去する第4の工程と、を備えたことを特徴とする積層管の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の積層管の製造方法であって、
前記第4の工程の前又は後に、前記外層に外側に外筒を固着する第5の工程を備えたことを特徴とする積層管の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の積層管の製造方法であって、
前記第2の工程は、プラズマ粉体溶接によって前記芯材の外周面に前記第1の材料を肉盛溶接することを含むことを特徴とする積層管の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の積層管の製造方法であって、
前記芯材は、内孔を有する筒状部材であり、
前記第2の工程は、前記筒状部材の前記内孔内に冷媒を流しながら前記第1の材料を肉盛溶接することを含み、
前記第3の工程も、前記筒状部材の前記内孔に冷媒を流しながら前記第2の材料を肉盛溶接することを含むことを特徴とする積層管の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の積層管の製造方法であって、
前記内層は、前記外層よりも耐摩耗性及び耐食性の少なくとも一方が相対的に高いことを特徴とする積層管の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の積層管の製造方法であって、
前記内層は、前記外層よりも相対的に硬質であることを特徴とする積層管の製造方法。
【請求項7】
内層と、少なくとも一つの外層と、を有する積層管の製造装置であって、
芯材を着脱可能に保持して回転させる回転手段と、
前記回転手段によって前記芯材を回転させながら、前記芯材の外周面に第1の材料を肉盛溶接して前記内層を形成する第1の溶接手段と、
前記回転手段によって前記芯材を回転させながら、前記内層の外周面に第2の材料を肉盛溶接して少なくとも一つの前記外層を形成する第2の溶接手段と、を備えたことを特徴とする積層管の製造装置。
【請求項8】
請求項7に記載の積層管の製造装置であって、
前記第1の溶接手段は、プラズマ粉体溶接によって前記芯材の外周面に前記第1の材料を肉盛溶接することを特徴とする積層管の製造装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の積層管の製造装置であって、
前記第1の溶接手段は、前記回転手段に保持された前記芯材に対して相対移動可能な第1のトーチを有し、
前記第2の溶接手段も、前記回転手段に保持された前記芯材に対して相対移動可能な第2のトーチを有しており、
前記第1のトーチと前記第2のトーチとが、同一のトーチであることを特徴とする積層管の製造装置。
【請求項10】
請求項7〜9の何れかに記載の積層管の製造装置であって、
前記芯材は、内孔を有する筒状部材であり、
前記製造装置は、前記芯材の前記内孔に冷媒を流通させる冷媒循環手段を備えたことを特徴とする積層管の製造装置。
【請求項11】
請求項7〜10の何れかに記載の積層管の製造装置であって、
前記内層は、前記外層よりも耐摩耗性及び耐食性の少なくとも一方が相対的に高いことを特徴とする積層管の製造装置。
【請求項12】
請求項7〜11の何れかに記載の積層管の製造装置であって、
前記内層は、前記外層よりも相対的に硬質であることを特徴とする積層管の製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−213776(P2012−213776A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78860(P2011−78860)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(390003193)東洋鋼鈑株式会社 (265)
【Fターム(参考)】