説明

空気を注入噴射ノズルに提供する装置、システム及び方法

【課題】噴射ノズルの炭化を防止する装置、システム及び方法は、噴射ノズルの作動に干渉することなく、噴射ノズルを保護するようにすること。
【解決手段】空気を噴射ノズルに提供する装置(100)、システム及び方法が開示されている。噴射ノズル(110)は、注入流体入口と流体的に連通している。開口部は、噴射ノズルを実質的に取り囲む。噴射ノズルは、開口部に向けて向き決めされ、流体を注入流体入口ポート(105)から開口部を通して噴射する。噴射空気出口(120)は、空気入口ポート及び開口部と流体的に連通している。噴射空気出口は、開口部に向けて向き決めされ、空気を空気入口ポートから開口部を通して噴射する。噴射空気出口は噴射ノズルの周りに正の空気圧を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容を参考として引用し本明細書に含めた、トリー・ジャロスジィンスキー(Tory Jaloszynski)その他の者が2007年7月17日付で出願した、「空気を注入噴射ノズルに提供する装置、システム、及び方法(APPARATUS,SYSTEM,AND METHOD TO PROVIDE AIR TO DOSER INJECTION NOZZLE)」という名称の米国仮特許出願番号60/950,310の一部継続出願であり且つ、その出願に基く優先権を主張する。
【0002】
本発明は、噴射ノズル、より詳細には、噴射ノズルの閉塞を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
噴射ノズルは、汚染された環境にて使用されることが多い。例えば、排気後処理システム内にて使用される噴射ノズルは、排気及びその他の汚染物質と接触することが多い。噴射ノズルを有する注入システムは、システムの構成要素を再生し又は酸化するため、又は、窒素酸化物のような排気物質を減少させるべく噴射ノズルが燃料、尿素(カルバミドとしても知られる)又はアンモニアのような還元ガス、又はその他の注入流体を排気流中に噴射することができるため、これらの環境内にて有用である。注入システムは、ディーゼルエンジン、ボイラー、発電装置、及び排気を発生させるその他の適用例にて使用される。
【0004】
燃料、触媒、又は還元剤を排気流中に噴射することは、フィルタ又はその他の排気システムの構成要素内に収集された煤及びその他の汚染物質を燃焼又は酸化し又は排気物質を減少させることができる。注入による利点を享受することのできる排気システムの構成要素の例は、ディーゼル酸化触媒(DOC)のような、触媒コンバータ、選択的触媒還元(SCR)システム、選択的非触媒還元(SNCR)システム、及び煤トラップ及びディーゼル微粒子除去装置(DPF)のようなフィルタを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排気からの煤及び汚染物質は、また、注入システム内にて使用される噴射ノズルに付着し、このことは、炭化と称される効果を生ずる。噴射ノズルは、特に、注入した後、濡れている間、炭化しがちである。炭化は、噴射ノズルの噴霧の形成及び噴霧量に影響を与える可能性がある。煤及び汚染物質が噴射ノズル上に蓄積することは、再生又は還元性能の低下及び燃料経済性の低下又は排気物質の減少の低下を含む、注入に対する多くの有害な効果をもたらす。極端な場合、排気システムの構成要素は、煤及びその他の汚染物質にて完全に詰まり、注入を非制御状態にし且つ、排気システムの構成要素の損傷を生じるであろう。
【0006】
上記の説明から、噴射ノズルの炭化を防止する装置、システム及び方法が必要とされていることは明らかであろう。望ましくは、かかる装置、システム及び方法は、噴射ノズルの作動に干渉することなく、噴射ノズルを保護するようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、現在の技術に対応して、特に、現在利用可能な注入システムにより完全に解決されていない当該技術の問題点及び必要性に対応して開発されたものである。従って、本発明は、当該技術における上述した短所の多く又は全てを解決する、空気を注入噴射ノズルに提供する装置、システム及び方法を提供すべく開発されたものである。
【0008】
空気を注入噴射ノズルに提供する装置には、空気流を受け取り、液体を受け取り、液体を噴射ノズルを通して噴射し且つ空気流を噴射ノズルを通して導くのに必要なステップを機能的に実行する複数の要素が設けられている。上述した実施の形態におけるこれらの要素は、注入流体入口ポート、空気入口ポート、噴射ノズル、開口部、噴射空気出口、空気弁及び注入噴射装置を含む。
【0009】
1つの実施の形態において、噴射ノズルは、注入流体入口ポートと流体的に連通するものとすることができる。別の実施の形態において、噴射ノズルは、開口部に向けて向き決めされる。開口部は、1つの実施の形態において、噴射ノズルを実質的に取り囲む。
【0010】
1つの実施の形態において、噴射空気出口は、空気入口ポート及び開口部と流体的に連通している。更なる実施の形態において、噴射空気出口は、開口部に向けて向き決めされる。1つの実施の形態において、噴射空気出口は、空気流を噴射ノズルに向けた方向に導く。
【0011】
別の実施の形態において、噴射空気出口は、開口部の表面に対して実質的に平行で且つ噴射ノズルからずらした角度にて向き決めされる。更なる実施の形態において、開口部は、空気を噴射空気出口から導いて空気スパイラルを形成する形状とされている。
【0012】
1つの実施の形態において、噴射空気出口は、注入流体入口ポートと噴射ノズルとの間にて噴射ノズルと流体的に連通しており、また、噴射空気出口は、噴射ノズルを通して向き決めされる。更なる実施の形態において、噴射空気出口は、開口部の面から空間的に除去されて、また、噴射空気出口は、開口部に向けて向き決めされる。
【0013】
1つの実施の形態において、空気弁は、空気の入口ポートと噴射空気出口との間に配設されている。1つの実施の形態において、注入流体入口ポート及び噴射ノズルは、注入噴射装置上に配設されている。更なる実施の形態において、噴射空気出口及び空気入口ポートは、注入噴射装置上に配設されている。別の実施の形態において、開口部は、注入噴射装置上に配設されたキャビティを備えている。
【0014】
本発明のシステムは、また、空気を噴射ノズルに提供すべく設けられる。システムは、排気導管、空気源、流体源、噴射ノズル、キャビティ及び噴射空気出口により具体化することができる。特に、システムは、1つの実施の形態において、エンジン制御モジュール、1つ又はより多くのセンサ、及び空気弁を含む。
【0015】
エンジン制御モジュールは、1つの実施の形態において、噴射ノズルが注入流体を噴射する時期を決定する。更なる実施の形態において、エンジン制御モジュールは、噴射空気出口が空気を空気流からキャビティ内に噴射する時期を決定する。エンジン制御モジュールは、別の実施の形態において、その決定を1つ又はより多くのセンサからの入力に基づくものとすることができる。1つ又はより多くのセンサは、空気温度センサと、空気圧力センサとから成る群から選ぶことができる。エンジン制御モジュールは、空気弁を制御することもできる。1つの実施の形態において、空気源はターボ過給機である。別の実施の形態において、空気源は空気コンプレッサである。
【0016】
本発明の方法は、また、空気を噴射ノズルに提供するためにも設けられる。開示された実施の形態における方法は、説明した装置及びシステムの作動に関連して上述した機能を実行するため必要なステップを実質的に含む。1つの実施の形態において、方法は、注入流体を排気流中に噴射する間、空気流が排気流に入るのを防止するステップを含む。方法は、また、空気流を噴射ノズルの周りの経路内に導いて空気スパイラルを形成するステップを含むこともできる。
【0017】
本明細書の全体を通じて特徴、有利な効果、又は同様の文言に言及することは、本発明により実現可能な特徴及び有利な効果の全てが本発明の任意の1つの実施の形態に従ったものなければならないことことを意味するものではない。特徴及び有利な効果に言及する文言は、1つの実施の形態に関連して説明した特定的な特徴、有利な効果又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施の形態に含まれることを意味するものと理解される。このように、本明細書の全体を通じて特徴、有利な効果及び同様の文言の説明は、同一の実施の形態に言及するであろうが、必ずしもその同一の実施の形態にのみ言及するものではない。
【0018】
更に、本発明の説明した特徴、有利な効果及び特徴は、1つ又はより多くの実施の形態において任意の適宜な態様にて組み合わせることができる。当該技術の当業者は、本発明は、特定の実施の形態の特定の特徴、又は有利な効果の1つ又はより多く無しにて、実施することができることが認識されよう。その他の場合、追加的な特徴及び有利な効果は、本発明の全ての実施の形態に存在するとは限らない特定の実施の形態にて認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のこれらの特徴及び有利な効果は、以下の説明及び特許請求の範囲からより完全に明らかとなり、又は、以下に説明するように、本発明を実施することにより知ることができるであろう。
【0020】
本発明の有利な効果が容易に理解されるようにするため、添付図面に示した特定の実施の形態に関して、本発明をより詳細に説明する。これらの図面は、本発明の典型的な実施の形態を示すものであり、このため、その範囲を限定するものとみなすべきでないとの理解の下、添付図面を用いて本発明を更に特定的に且つ詳細に記述し且つ、説明する。
【0021】
本明細書にて説明した1つ又はより多くの機能的ユニットは、それらの実施の独立性をより特定的に強調するため、モジュールとして識別してある。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路又はゲートアレイと、論理チップ、トランジスタ又はその他の離散型構成要素のような、標準的半導体とから成るハードウェア回路として具体化することができる。モジュールは、また、フィールドプログラム可能ゲートアレイ、プログラム可能アレイ論理、プログラム可能論理装置又は同様のもののようなプログラム可能ハードウェア装置にて具体化することもできる。
【0022】
モジュールは、色々な型式のプロセッサにより実行すべくソフトウェアにて具体化することもできる。実行可能なコードの識別されたモジュールは、例えば、オブジェクト、手順又は関数として組織化することのできる、例えばコンピュータ命令の1つ又はより多くの物理的又は論理的ブロックから成るものとすることができる。しかし、識別したモジュールの実行可能な部分は、互いに物理的に配置する必要はなく、互いに接続されたとき、モジュールを構成し且つ、モジュールに対して記述された目的を実現する、異なる位置に保存した別個の命令から成るものとしてもよい。
【0023】
実際に、実行可能なコードのモジュールは、単一の命令とし又は、多数の命令とし、また、異なるプログラム間にて且つ、幾つかのコンピュータ読み取り可能な媒体をわたって幾つかの異なるコードセグメント上にて分配することさえもできる。同様に、作用可能なデータは、この場合、モジュール内にて識別し且つ示し、また、任意の適宜な形態にて具体化し且つ任意の適宜な型式のデータ構造内にて組織化することができる。作用可能なデータは、単一のデータセットとして収集し、又は、異なる保存装置をわたる位置を含む異なる位置に分配することができ、また、少なくとも部分的に、単に、システム又はネットワーク上の電子信号として存在するようにしてもよい。1つのモジュール又はモジュールの一部分がソフトウェア内にて具体化される場合、そのソフトウェア部分は、1つ又はより多くのコンピュータ読み取り可能な媒体に保存される。
【0024】
本明細書の全体にわたって「1つの実施の形態」又は「ある実施の形態」又は同様の文言に言及することは、実施の形態に関して説明した特定の構成、構造体又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施の形態に含まれることを意味する。このように、本明細書の全体にわたって「1つの実施の形態」、「ある実施の形態」の説明及び同様の文言を使用することは、同一の実施の形態を意味するが、必ずしもその全てを意味するものとは限らない。
【0025】
コンピュータ読み取り可能な媒体に言及することは、デジタル処理装置における機械読み取り可能な命令を保存することができる任意の形態をとることができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、伝送線、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、磁気テープ、ベルヌーイドライブ、磁気ディスク、パンチカード、フラッシュメモリ、集積回路又はその他のデジタル処理装置のメモリ装置により具体化することができる。
【0026】
更に、本発明の上述した構成、構造体又は特徴は、1つ又はより多くの実施の形態にて任意の適宜な態様にて組み合わせることができる。以下の説明において、本発明の実施の形態を完全に理解し得るようにするため、多数の特定的な詳細について説明する。しかし、当該技術の当業者は、本発明は、1つ又はより多くの特定的な詳細なしにて、又はその他の方法、構成要素、材料等々と共に実施することができることが認識されよう。その他の場合、本発明の形態を不明確にするのを避けるため、周知の構造体、材料又は作用について詳細に示し又は説明しない。
【0027】
本明細書に含めた概略図的な流れ図は、全体として、論理流れ図として記載されている。従って、図示した順序及び標識したステップは、提供された方法の1つの実施の形態を示すものである。機能、論理又は効果の点にて説明した方法の1つ又は多くのステップ又はその部分と等価的であるその他のステップ及び方法とすることが考えられる。更に、採用されたフォーマット及び符号は、方法の論理的なステップを説明するため記載したものであり、本発明の範囲を限定するものではないことが理解される。流れ図にて色々な型式の矢印及び線の型式を採用することができるが、これらは、相応する方法の範囲を限定するものではないと理解される。事実上、方法の論理的流れのみを示すため、幾つかの矢印又はその他の接続線を使用することができる。例えば、矢印は、図示した方法の数字を付したステップ間にて非特定的な持続時間、待機し又は監視することを示すことができる。更に、特定の方法が行なわれる順序は、図示した相応するステップの順序に従うようにし、又は正確に従わないようにしてよい。
【0028】
図1には、空気を注入噴射ノズルに提供するシステム100の1つの実施の形態が示されている。1つの実施の形態において、システム100は、流体102、注入流体管104、注入流体入口ポート105、注入噴射装置106、キャビティ108、噴射ノズル110、空気源112、空気導管114、空気導管締結具116、空気入口ポート118、噴射空気出口120、空気スパイラル122、エンジン制御モジュール(ECM)124、1つ又はより多くのセンサ126、1つ又はより多くの締結具128、排気導管130、排気流れ132を含むことができる。
【0029】
1つの実施の形態において、流体102は、注入流体である。流体102は、ガス又は液体としてもよい。流体102は、1つの実施の形態において、石油系燃料のような飽和炭化水素又はアルカリ系燃料としてもよい。流体102は、天然に存在する石油、生物材料又は合成によって作り出したものから得ることができる。1つの実施の形態において、流体102は、ディーゼル燃料のような、圧縮点火方式を採用する内燃機関にて使用するのに適している。流体102は、炭化水素注入システムのような、排気の後処理システムのフィルタの再生事象にて使用するのにも適している。流体102は、別の実施の形態において、SCR、SNCR又は別の注入システムにて使用するのに適した尿素又はアンモニアのような還元剤とすることができる。排気後処理システムは、アクティブ又はパッセィブ型後処理システムとすることができる。更なる実施の形態において、流体102は低圧力を有する。
【0030】
図示した実施の形態において、注入流体管104は、流体102を注入噴射装置106に送り出す形態とされている。注入流体管104は、リザーバ、タンク又はその他の流体源のようなシステム100内の流体源101から流体102を送り出すことができる。注入流体管104は、その他の実施の形態において、1つ又はより多くのシャットオフ弁、フィルタ又はその他の注入流体管の構成要素を備えることができる。流体源101は、システム100内の分離した位置又は遠方の位置に配設し又は注入噴射装置106に隣接する位置に配設してもよい。
【0031】
注入噴射装置106は、炭化水素の注入噴射装置、尿素の注入噴射装置又は別の型式の注入噴射装置とすることができる。注入噴射装置106は、注入流体入口ポート105、空気入口ポート118、キャビティ108、噴射ノズル110、噴射空気出口120及び(又は)1つ又はより多くの締結具128を備える注入本体を含むことができる。注入噴射装置106は、金属、プラスチック、セラミック又は同様のもののような耐久性のある材料から成るものとすることができる。注入噴射装置106は、機械加工、射出成形、ブロー成形、又はその他の方法にて形成することができる。
【0032】
図示した実施の形態において、注入流体管104は、注入噴射装置106の注入流体入口ポート105に連結されている。注入流体入口ポート105は、注入流体管104からの流体102が注入噴射装置106に送り出されるよう注入流体管104を受け入れる形態とされたインターフェースである。注入流体入口ポート105は、注入噴射装置106の一部であり、該噴射装置に装着され且つ(又は)配設されている。注入流体入口ポート105は、注入流体管104からの流体102が注入噴射装置106に入るためのマニホルド、通路、流路又はその他の導管を含むことができる。更なる実施の形態において、注入流体入口ポート105は、注入流体管104を注入噴射装置106に連結する1つ又はより多くの締結具(図示せず)を含むことができる。締結具の例は、ねじ又はボルト型締結具のようなねじ式締結具、クランプ、糊、溶接又はその他の固定装置を含む。
【0033】
1つの実施の形態において、注入噴射装置106は、排気システム内にて排気流132付近に配設されている。更なる実施の形態において、注入噴射剤装置106は、注入事象の間、注入噴射装置106が流体102を排気導管130内に噴射することができるよう排気導管130に隣接する位置に配設される。排気導管130は、1つの実施の形態において、排気流132が通る内部を有するパイプ、管、通路、マニホルド、ホース又は同様のものを含むことができる。注入噴射装置106は、色々な角度及び向きにて排気導管130の側部に連結し、排気導管130内に配置され、排気導管130と一体化するか又は、さもなければ、排気導管130と流体的に連通するようにしてもよい。
【0034】
1つの実施の形態において、注入噴射装置106はキャビティ108を有している。キャビティ108は、噴射ノズル110の周りに開口部又は空間を有しており、実質的に閉塞物無しである、噴射ノズル110からの通路を提供する。図示した実施の形態において、キャビティ108は、排気流132に隣接する注入噴射装置106の側部に配設されている。キャビティ108は、実質的に円形であるが、その他の実施の形態において、楕円形、四角形、六角形又はその他の形状としてもよい。キャビティ108の形状は、キャビティ108内にて、空気スパイラル122のような、噴射ノズル110に対する所望の空気流パターンを形成するよう選ぶことができる。キャビティ108は、注入噴射装置106の表面上にあり又は、注入噴射装置106内に凹状に形成された噴射装置キャビティ108の周りの開口部又は空間とすることができる。噴射ノズル110は、キャビティ108に向けて向き決めされ且つ、流体102をキャビティ108を通して排気流132内に噴射する。
【0035】
1つ又はより多くの締結具128は、流体102の経路が噴射ノズル110から出てキャビティ108を通って排気流132に入るよう注入噴射装置106を排気導管130に連結することができる。1つ又はより多くの締結具128は、1つ又はより多くのガスケット、ナット、ボルト、ねじ、クランプ、糊、溶接又はその他のインターフェース接続及び(又は)締結手段を含むことができる。
【0036】
噴射ノズル110は、流体102を排気流132中に噴射する。噴射ノズル110は、金属、プラスチック、セラミック又は別の耐久性のある材料から成るものとすることができる。噴射ノズル110の材料は、流体102及び(又は)排気流132の物理的、化学的又はその他の性質に基づいて選ぶことができる。1つの実施の形態において、噴射ノズル110は、噴射ノズル110上にて又は該ノズル内にて炭化又はその他の腐食が生じない限り、注入中、流体102を均一な噴霧及び一様な量にて排気流132中に噴射することができる。
【0037】
噴射ノズル110は、1つの実施の形態において、流体102を噴射し、流体が排気流132と共に、ディーゼル酸化触媒(DOC)又はその他の触媒のような触媒コンバータ内に流れ、酸化を促進し且つ排気物質を減少させることができる。流体102は、別の実施の形態において、煤トラップ又はディーゼル微粒子除去装置(DPF)からの煤及びその他の汚染物質を燃焼させることができる。
【0038】
噴射ノズル110は、排気流132からの煤及びその他の汚染物質と接触するようにする。排気流132からの煤及びその他の汚染物質は、噴射ノズル110に付着して、噴射ノズル110が噴霧する流体102の噴霧の形態及び量に影響を与える。煤及び汚染物質の付着又は炭化は、全体として、注入後、噴霧ノズル110が流体102にて濡れている間、促進される傾向がある。付着した煤及び汚染物質の噴霧装置のノズル110への蓄積、また、注入に対するその影響は、再生又は還元性能を低下させ、燃料経済性を低下させ、また、極端な場合、DPFは完全に詰まり、注入を非制御状態にし且つDPF又はその他の構成要素の損傷を生じさせることがある。
【0039】
図示した実施の形態において、空気源112は、注入噴射装置106と流体的に連通している。1つの実施の形態において、空気源112は空気コンプレッサを備えている。空気源112は、また、ブレーキ装置、エアシート、又は空気を必要とする、排気システムと作用可能に接続されたその他の構成要素又はシステムに空気を提供することもできる。更なる実施の形態において、空気源112は、当該技術にて全体として既知であるように、圧縮点火エンジンにブースト圧力を提供すべく使用することができるターボ過給機を備えている。空気導管114は、空気源112を注入噴射装置106と接続する。空気導管114は、管、ホース、パイプ又はその他の導管材料とすることができる。空気導管114は、システム100内の別個の又は遠隔の位置から、又は注入噴射装置106に近接した位置から空気を注入噴射装置106に送り出すことができる。
【0040】
空気導管114は、1つの実施の形態において、空気源112から注入噴射装置106への空気の流れを制御する空気弁126を備えることができる。1つの実施の形態において、空気弁126は、比例弁又は別型式の空気弁である。空気弁126は、空気源112と噴射ノズル110の間に配設されている。空気弁126は、空気源112、空気導管114、空気導管締結具116、空気入口ポート118、噴射ノズル110と一体化し、又はこれらから独立しているが、これらと調和した位置に配設してもよい。1つの実施の形態において、空気弁126は、空気入口ポート118と噴射空気出口120との間に配設することができる。代替的な実施の形態において、1つ又はより多くのファン、ポンプ、送風機、コンプレッサ及び(又は)その他の空気制御手段のような、その他の要素を使用して空気源112から注入噴射装置106への空気の流れを制御することができる。
【0041】
空気導管の締結具116は、空気導管114を空気入口ポート118に連結する形態とされている。空気導管の締結具116は、ねじ、又はボルト型締結具のような1つ又はより多くのねじ式締結具、クランプ、糊、溶接又は別の固定装置とすることができる。空気入口ポート118は、空気導管114からの空気が注入噴射装置106内の噴射ノズル110の周りにてキャビティ108に送り出されるよう空気導管の締結具116を受け入れる形態とされたインターフェースである。空気入口ポート118は、注入噴射装置106の一部とし、該装置に装着し且つ(又は)該装置付近に配設することができる。空気入口ポート118は、空気導管114からの空気がキャビティ108に入るためのマニホルド、通路、管、パイプ、入口、ポート又はその他の通路とすることができる。空気入口ポート118は、空気を噴射空気出口120を通してキャビティ108に送り出す。
【0042】
噴射空気出口120は、空気流を空気導管114から噴射ノズル110を経て導き又は付勢する穴又は切欠き部をキャビティ108の壁、ノズル、管、ガイド、換気口、又は別の空気出口を備えることができる。噴射空気出口120は、空気が噴射ノズル110上、該ノズルと隣接して且つ(又は)該ノズルを貫通して通るよう空気を導くことができる。1つの実施の形態において、噴射空気出口120は、キャビティ108内に正の空気圧力が存在するよう空気をキャビティ108内に送り出す。正の空気圧は、排気流132から煤及びその他の汚染物質がキャビティ108に入るのを制限し且つ噴射ノズル110をこれらから保護する形態とされている。空気は、また、注入後、流体102が噴射ノズル110から蒸発するのを促進する形態ともされている。キャビティ108に入った後、正の空気圧力は、空気を排気流132内に強制し又はキャビティ108から別の経路を通って押し出すことができる。正の空気圧は、噴射装置のノズル110の周りにエアカーテンを形成し、炭化又は噴射ノズル110への蓄積を防止することができる。
【0043】
その他の実施の形態において、噴射空気出口120は、空気を色々な角度及び位置にてキャビティ108内に送り出すことができる。これらの角度及び位置については、図2A、図2B、図2C及び図2Dに関してより詳細に説明する。図示した実施の形態において、噴射空気出口120は、空気をキャビティ108の面に対して実質的に平行で且つ、噴射ノズル110からずらした角度にてキャビティ108内に送り出す。キャビティ108は、実質的に円形として示されており、このため、噴射空気出口120は、空気をキャビティ108の面に対して実質的に平行で且つ、噴射装置のノズル110からずらした角度にて及び噴射ノズル110に対して接線方向の角度にて送り出し、空気は空気スパイラル122を形成する。空気スパイラル122は、キャビティ108内にて実質的に均一な正の空気圧を提供し、噴射ノズル110からの流体102の噴霧に対する干渉は最小である。
【0044】
ECM124は、1つの実施の形態において、注入噴射装置106及び空気源112と電気的に連通している。ECM124は、1つ又はより多くの電気回路、電気装置、コントローラ、プロセッサ、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、メモリ、コンピュータ読み取り可能な媒体及び(又は)その他の電気装置を含むモジュールである。ECM124は、燃料の計測供給量、噴射タイミング、注入タイミング及び(又は)その他のエンジンの作動を決定することができる。図示した実施の形態において、ECM124は、システム100内に配置された1つ又はより多くのセンサ126と電気的に連通している。空気源112及び注入噴射装置106は、ECM124と電気的に連通した1つ又はより多くのセンサ126を含むことができる。1つの実施の形態において、ECM124は、エンジンのクランク軸の位置及び分当たり回転数(RPM)、エンジン冷却液の温度、吸気温度、及び1つ又はより多くのセンサ126から吸気の絶対的なブースト圧力のような1つ又はより多くのパラメータを受け取る形態とされている。
【0045】
更なる実施の形態において、ECM124は、噴射ノズル110による流体102の噴射及び噴射空気出口120による空気の送り出しを制御する形態とされている。ECM124は、1つの実施の形態において、噴射ノズル110が流体102を噴射する時期及び噴射空気出口が空気を噴射し又は送り出す時期を決定する。これらの時期は、一定の流れを含み、重なり合い、排他的、周期的とし又は1つ又はより多くのセンサ126からの読み取り値に基づき決定することができる。ECM124は、燃焼した燃料の量、タイマー、温度又はその他のパラメータに基づいてキャビティ108内への流体102の噴射を決定することができる。ECM124は、空気の流れが実質的に一定であるようキャビティ108への空気の送り出しを制御することができる。更なる実施の形態において、ECM124は、空気の流れが噴射ノズル110からの流体102の流れに干渉しないようにするため、注入中、空気の流れが遮断されるようキャビティ108への空気の送り出しを制御することができる。ECM124は、上述した空気弁126のような弁を使用して流体102の噴射及びキャビティ108内への空気の噴射を制御することができる。
【0046】
ECM124は、また、線の破損、ブレーキの故障又はその他の危険な状況のような故障モード効果及び分析(FMEA)型の状況の間、キャビティ108内への空気の流れを遮断することもできる。ECM124は、空気源112が十分な空気を供給できず、又は空気をその他の目的のために送り出したとき、キャビティ108への空気の流れを遮断することができる。空気源112は、高高度の状況、煙又はその他の汚染物質が存在するとき、高温度又はその他の異常な状況にて十分な空気を供給することはできないであろう。ECM124は、噴射ノズル110上にて炭化又は蓄積が生じるとき、注入噴射装置106が排気流132内に噴射する流体102の量を増すような形態とすることもできる。
【0047】
図2Aには、空気を注入噴射装置200に提供する装置の1つの実施の形態が示されている。1つの実施の形態において、注入噴射装置200は、図1に関して上述した注入噴射装置106と実質的に同様であり、また、キャビティ202、噴射ノズル204、噴射空気出口206を備えている。噴射空気出口206は、キャビティ202の面に対して実質的に平行の角度にて且つ、噴射ノズル204と交差する角度にて空気をキャビティ202内に送り出し、噴射し又は導入する形態とされている。噴射空気出口206からの空気は、噴射ノズル204上を直接、進む。1つの実施の形態において、噴射空気出口206は、注入中、キャビティ202内への空気の流れを遮断し、空気の流れが噴射装置のノズル204からの流体の噴霧を干渉せず、また、注入のため、流体を排気流中に分散させることができるような形態とされている。
【0048】
図2Bには、空気を注入噴射装置210に提供して、ノズル先端の閉塞を制御する装置の1つの実施の形態が示されている。1つの実施の形態において、注入噴射装置210は、図1に関して上述した注入噴射装置106と実質的に同様であり、また、キャビティ212、噴射ノズル214、噴射空気出口216を備えている。図示した実施の形態において、噴射空気出口216は、噴射ノズル214と流体的に連通しており、空気は、別個の空気入口を通らずに、噴射空気出口216から噴射ノズル214を通ってキャビティ212内に送り出される。噴射空気出口216は、弁、「T」字形継手、入口、ポート、又はその他の連結手段を通じて噴射ノズル214の注入流体管に連結することができる。1つの実施の形態において、噴射空気出口216は、注入噴射装置210の注入流体入口ポートと噴射ノズル214との間にて噴射ノズル214と流体的に連通している。キャビティ212内にて正の空気圧力を提供することに加えて、空気は、噴射ノズル214から炭化物及び(又は)その他の蓄積物を実際的に除去することができる。図示した実施の形態は、別個の空気入口又は空気ノズルを追加することなく、既存の注入噴射装置の製造過程に一体化することもできる。別の実施の形態において、空気は、別個の通路を通って流体に対して実質的に平行な経路、及び噴射ノズル214に隣接する開口部を通ってキャビティ212に流れる。
【0049】
図2Cには、空気を注入噴射装置220に提供してノズル先端の閉塞を制御する装置の1つの実施の形態が示されている。1つの実施の形態において、注入噴射装置220は、図1に関して上述した注入噴射装置106と実質的に同様であり、また、キャビティ222、噴射ノズル224、噴射空気出口226を備えている。図示した実施の形態において、噴射空気出口226は、キャビティ222の面に対して垂直な角度にて且つ、噴射ノズル224と実質的に交差する角度にて空気をキャビティ222内に送り出す。噴射空気出口226は、図示したように、注入噴射装置220から空間的に除去され、また、支持のため、排気導管、注入噴射装置220、又は、注入噴射装置220付近に配設された別の物に連結することができる。1つの実施の形態において、噴射空気出口206は、注入中、キャビティ222内への空気の流れを遮断する形態とされ、このため、空気の流れが噴射ノズル224からの注入流体の噴霧に干渉することはない。
【0050】
図2Dには、空気を注入噴射装置230に提供してノズル先端の閉塞を制御する装置の1つの実施の形態が示されている。1つの実施の形態において、注入噴射装置230は、図1に関して上述した注入噴射装置106と実質的に同様であり、キャビティ232、噴射ノズル234、噴射空気出口236を備えている。1つの実施の形態において、噴射空気出口236は、注入噴射装置230から空間的に除去され、また、噴射空気出口236は、噴射ノズル234からずらした角度にて空気をキャビティ232内に送り出す。噴射空気出口226は、支持のため、排気導管、注入噴射装置220、又は注入噴射装置220付近に配設された別の物に連結することができる。
【0051】
図3Aには、空気を注入噴射装置300に提供する装置の1つの実施の形態の側面図が示されている。1つの実施の形態において、注入噴射装置300は、上述した図1の注入噴射装置106と実質的に同様である。注入噴射装置300は、図示した実施の形態において、キャビティ面310、噴射ノズル308、噴射空気出口316を備えている。
【0052】
1つの実施の形態において、キャビティ面310は、注入噴射装置300上に配設されている。キャビティ面310は、噴射装置300内に凹状に形成し又は引込ませ又は、注入噴射装置300の面、壁、又はその他の面と面一とし又はこれらから隆起するようにすることができる。キャビティ面310は、流体302を注入噴射装置300から噴射するため、噴射ノズル308に対する実質的に閉塞物無しの経路を提供する。1つの実施の形態において、キャビティ面310は、排気流又は同様のものに隣接する位置に配設されている。キャビティ面310は、空気流312を噴射空気出口316から空気スパイラルのような所定の経路にて導く形状とされたキャビティ壁を更に備えることができる。
【0053】
図示した実施の形態において、噴射ノズル308は、注入噴射装置300のキャビティ面310上に配設されている。噴射ノズル308は、流体302を噴射ノズルの方向304に向けて噴射する。噴射ノズル308は、噴射ノズル308が腐食し、汚染し又は同様の状態とならない限り、流体302を実質的に均一なパターン及び量にて噴射することができる。噴射ノズルの方向304は、流体302の大部分が導かれる方向にすなわち流体304の平均的な方向とすることができる。噴射ノズルの方向304は、噴射ノズル308が向き決めされる方向である。図示した実施の形態において、噴射ノズル308は、キャビティ面310に隣接するキャビティ又は開口部に向き決めし且つ該キャビティ又は開口部を通って向き決めされ、また、噴射ノズルの方向304は、キャビティ面310に対して実質的に垂直である。噴射ノズルの方向304は、隣接する排気流の寸法、向き決め及び方向、注入噴射装置300の形態及び目的、及びその他の噴射条件に依存して、キャビティ面310に対する多数の方向に向き決めすることができる。
【0054】
図示した実施の形態において、噴射装置の空気入口316は、空気流が噴射ノズル308を通るように空気流312を噴射し且つ(又は)導く。空気流312は、流体304と同一の経路を使用して、噴射ノズル308上を直接、進み、噴射ノズル308の一側部上を進み又は、噴射ノズル308を通って進む。図示した実施の形態において、噴射空気出口316は、空気流312を空気の噴射方向314に向けて噴射する。空気の噴射方向314は、空気流312の大部分が導かれる方向すなわち空気流312の平均方向とすることができる。1つの実施の形態において、空気の噴射方向314は、噴射空気出口316が向き決めされる方向又は角度である。図示した実施の形態において、噴射空気出口316は、キャビティ面310に隣接するキャビティ又は開口部を通って向き決めされ、また、キャビティ面310に対して実質的に平行で且つ噴射ノズルの方向304に対して垂直な面306内にて向き決めされる。空気の噴射方向314は、噴射ノズルの方向304に対して垂直とし且つ噴射ノズル308から半径方向にずらすことができる。その他の実施の形態において、噴射空気出口316は、キャビティに向けて又はキャビティ310に隣接する開口部に向けて又はこれらを通るその他の角度にて向き決めすることができる。
【0055】
図3Bには、空気を注入噴射装置320に提供する装置の1つの実施の形態が頂面図にて示されている。1つの実施の形態において、注入噴射装置320は、図3Aの注入噴射装置300、及び上述した図1の注入噴射装置106と実質的に同様である。1つの実施の形態において、注入噴射装置320は、キャビティ322、キャビティ壁324、噴射ノズル326、及び噴射装置の空気排出口328を備えている。
【0056】
1つの実施の形態において、キャビティ322は、注入噴射装置320上に配設され、また、注入噴射装置320の表面又は面内に凹状に形成し又は該面と面一となるようにすることができる。図示した実施の形態において、キャビティ322は、実質的に円形であり、また、キャビティ壁324は、キャビティ322を取り囲む。図示した実施の形態において、噴射ノズル326は、キャビティ322の中心に又はその中心付近にて注入噴射装置320上に配設されている。
【0057】
図示した実施の形態において、噴射装置の空気排出口328は、空気流330をキャビティ322に導き且つキャビティ322を通る空気の噴射方向332に向けて噴射し又は導く。空気の噴射方向332は、図示した実施の形態において、噴射ノズル326から半径方向にずらしてあるが、キャビティ322のキャビティ面に対して実質的に平行な面内にある。図示した実施の形態において、キャビティ壁324は、空気流330が空気スパイラル334を形成するよう空気流330を導く。空気スパイラル334は、図示した実施の形態において、噴射ノズル326の周りにスパイラルを形成し、このため、噴射ノズル326は、空気流330により形成される空気スパイラル334が噴射に干渉することなく、流体をキャビティ310内に噴射することができる。別の実施の形態において、噴射空気出口は、噴射ノズル326による流体の噴射又は注入事象の間、空気流328を遮断し又は空気流328がキャビティに入るのを防止することができる。
【0058】
図4Aには、空気を注入噴射装置に提供する方法400の1つの実施の形態が示されている。方法400は、ステップ402にて開始する。開始ステップ402は、エンジンの点火、第一の注入事象、安全な作動状態への復帰又は別の開始事象とすることができる。空気の入口ポート118は、空気源112から空気流を受け取る(404)。1つの実施の形態において、空気の入口ポート118は、空気源112から実質的に一定の空気流を受け取り(404)、また、空気流がキャビティ108に入るのを遮断し又は防止する形態とすることができる。別の実施の形態において、空気入口ポート118は、空気源112から遮断された空気流、空気パルス又は同様のものを受け取る(404)。噴射空気出口120は、空気流を噴射ノズル110を通って導く(406)。噴射空気出口120は、空気流を直接、噴射ノズル110をわたって又はその上を噴射ノズル110の一側部まで導き又は、噴射ノズル110を通って導く(406)。空気流の力は、汚れ又は汚染物質を噴射ノズル110から除去し且つ(又は)キャビティ108内に正の空気圧力を形成することができる。キャビティ108は、図示した実施の形態において、空気流を噴射ノズル110の周りにて空気スパイラル中に導く(408)。
【0059】
ECM124は、注入事象を行うべきかどうかを決定する(410)。ECM124は、タイマー、1つ又はより多くのセンサ126からの入力、又はその他の因子に基づいて注入事象を行うべきときを決定する(410)。ECM124が注入事象を行うべきと決定したとき(410)、注入流体入口ポート105は、流体102を受け取り(412)、また、噴射ノズル110は、流体102をキャビティ108を通して噴射する(414)。ECM124が注入事象を行うべきではないと決定したとき(410)、又は、噴射ノズル110が流体102を噴射すること(414)に応答して、ECM124は、システム100の作動を停止させるべきかどうかを決定する(416)。ECM124は、安全でない作動状態、エンジンの作動停止、又は別の作動停止事象のため、システム100の作動を停止させることを決定することができる(416)。ECM124がシステムの作動を停止させると決定したとき(416)、方法400は終了し(418)、さもなければ、方法400は空気流を受け取るステップ404に戻る。
【0060】
図4Bには、空気を注入噴射装置に提供する方法420の別の実施の形態が示されている。方法420は、1つの実施の形態において、図4Bの方法400と実質的に同様である。方法420はステップ422にて開始する。空気入口ポート118は、空気流を空気源112から受け取る(424)。噴射空気出口120は、空気流を噴射ノズル110を経て導く(426)。噴射空気出口120は、空気流を直接、噴射ノズル110をわたり又はその上にて噴射ノズル110の側部まで導き、又は噴射ノズル110を通って導く(406)。
【0061】
ECM124は、注入事象を行うべきかどうかを決定する(428)。ECM124が注入事象を行うべきと決定したとき(428)、空気源112、空気入口ポート118又は噴射空気出口120と一体化することのできる空気弁126は、空気流を遮断して注入事象への干渉を防止する(430)。注入流体入口ポート105は、注入流体を構成する流体102を受け取り(432)、噴射ノズル110は、流体102をキャビティ108を通して噴射する(434)。ECM124が未だ注入事象を行うべきではないと決定した場合(428)、又は噴射ノズル110が流体102を噴射する(434)のに応答して、ECM124は、システム100の作動を停止させるべきかどうかを決定する(436)。ECM124がシステムの作動を停止させるべきと決定した場合(436)、方法420は終了し(438)、さもなければ、方法420は、空気流を受け取るステップ424に戻る。
【0062】
この開示に鑑みて、当該技術の当業者に理解されるように、空気が正の空気圧を形成し又は噴射ノズルの閉塞物を除去する限り、上述した本発明の範囲及び精神から逸脱せずに、噴射空気出口118、206、216、226、236、316及び328の多岐にわたる角度及びずらしを利用することができる。本発明は、その精神又は必須の特徴から逸脱せずに、その他の特定の形態にて具体化することができる。説明した実施の形態は、全ての点にて単に一例であり且つ、限定的ではないとみなすべきである。このため、本発明の範囲は、上記の説明ではなくて、特許請求の範囲によって示されるものである。請求の範囲の意味及び等価物の範囲に属する全ての変更は、本発明の範囲に包含されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に従った、空気を注入噴射ノズルに提供する装置の概略ブロック図である。
【図2】2Aは、本発明に従った、空気を注入噴射ノズルに提供する装置の1つの実施の形態を示す概略ブロック図である。2Bは、本発明に従った、空気を注入噴射ノズルに提供する装置の別の実施の形態を示す概略ブロック図である。2Cは、本発明に従った、空気を注入噴射ノズルに提供する装置の更に別の実施の形態を示す概略ブロック図である。2Dは、本発明に従った、空気を注入噴射ノズルに提供する装置の別の実施の形態を示す概略ブロック図である。
【図3】3Aは、本発明に従った、空気を注入噴射ノズルに提供する装置の1つの実施の形態を側面図にて示す概略ブロック図である。3Bは、本発明に従った、空気を注入噴射ノズルに提供する装置の1つの実施の形態を頂面図にて示す概略ブロック図である。
【図4】4Aは、本発明に従った、空気を注入噴射ノズルに提供する方法の1つの実施の形態を示す流れ図である。4Bは、本発明に従った、空気を注入噴射ノズルに提供する方法の別の実施の形態を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0064】
100 空気を噴射ノズルに提供するシステム
101 流体源
102 流体
104 注入流体管
105 注入流体入口ポート
106 注入噴射装置
108 キャビティ
110 噴射ノズル
112 空気源
114 空気導管
116 空気導管締結具
118 空気の入口ポート
120 噴射空気出口
122 空気スパイラル
124 エンジン制御モジュール(ECM)
126 センサ
128 締結具
130 排気導管
132 排気流れ
200 注入噴射装置
202 キャビティ
204 噴射ノズル
206 噴射空気出口
210 注入噴射装置
212 キャビティ
214 噴射ノズル
216 噴射空気出口
220 注入噴射装置
222 キャビティ
224 噴射ノズル
226 噴射空気出口
230 注入噴射装置
232 キャビティ
234 噴射ノズル
236 噴射空気出口
300 注入噴射装置
302 流体
304 噴射ノズルの方向
306 噴射ノズルの方向304に対して垂直な面
308 噴射ノズル
310 キャビティ面
312 空気流
314 空気の噴射方向
316 空気出口
320 注入噴射装置
322 キャビティ
324 キャビティ壁
326 噴射ノズル
328 噴射装置の空気排出口
330 空気流
332 空気の噴射方向
334 空気スパイラル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を噴射ノズルに提供する装置において、
注入流体入口ポートと、
空気入口ポートと、
注入流体入口ポートと流体的に連通する噴射ノズルと、
噴射ノズルを実質的に取り囲む開口部であって、噴射ノズルが該開口部に向けて向き決めされる前記開口部と、
空気入口ポート及び開口部と流体的に連通しており、開口部に向けて向き決めされる噴射空気出口とを備える、空気を噴射ノズルに提供する装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、注入流体入口ポート及び噴射ノズルが注入噴射装置上に配設される、注入噴射装置を更に備える、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、噴射空気出口及び空気入口ポートは注入噴射装置上に配設される、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置において、開口部は、注入噴射装置上に配設されたキャビティを備える、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、空気入口ポートと噴射空気出口との間に配設された空気弁を更に備える、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、噴射空気出口は、空気流を噴射ノズルに向けた方向に導く、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、噴射空気出口は、開口部の表面に対して実質的に平行であり且つ噴射ノズルからずらした角度にて向き決めされる、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、開口部は、空気を噴射空気出口から導いて空気スパイラルを形成する形状とされる、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、噴射空気出口は、注入流体入口ポートと噴射ノズルとの間にて噴射ノズルと流体的に連通しており、噴射空気出口は、噴射ノズルを通して向き決めされる、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、噴射空気出口は、開口部の面から空間的に除去され、噴射空気出口は、開口部に向けて向き決めされる、装置。
【請求項11】
空気を噴射ノズルに提供するシステムにおいて、
内部を有する排気導管と、
空気流を有する空気源と、
注入流体を有する流体源と、
排気導管に連結された噴射ノズルであって、流体源及び排気導管の内部と流体的に連通しており、注入流体を排気導管の内部に噴射する前記噴射ノズルと、
噴射ノズルを実質的に取り囲むキャビティと、
空気源及びキャビティと流体的に連通した噴射空気出口であって、空気を空気流からキャビティ中に噴射し、噴射ノズルの周りに正の空気圧力を形成する前記噴射空気出口とを備える、空気を噴射ノズルに提供するシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、噴射ノズルが注入流体を噴射する時期を決定する形態とされたエンジン制御モジュールであって、噴射空気出口が空気を空気流からキャビティ中に噴射する時期を決定する更なる形態とされた前記エンジン制御モジュールを更に備える、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、エンジン制御モジュールと電気的に連通した1つ又はより多くのセンサを更に備え、エンジン制御モジュールは、噴射ノズルが注入流体を噴射する時期を決定し、エンジン制御モジュールは、噴射空気出口が1つ又はより多くのセンサからの入力に基づいて空気を空気流からキャビティ中に噴射する時期を決定する更なる形態とされる、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、1つ又はより多くのセンサの少なくとも1つは、空気温度センサと、空気圧力センサとから成る群から選ばれる、システム。
【請求項15】
請求項12に記載のシステムにおいて、エンジン制御モジュールと電気的に連通しており、空気源と噴射空気出口との間に配設された空気弁を更に備える、システム。
【請求項16】
請求項11に記載のシステムにおいて、噴射ノズルは、注入事象の間、注入流体を流体源から排気流中に噴射する、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムにおいて、噴射空気出口は、注入事象の間、空気流がキャビティに入るのを防止する、システム。
【請求項18】
請求項11に記載のシステムにおいて、空気源はターボ過給機を備える、システム。
【請求項19】
請求項11に記載のシステムにおいて、空気源は空気コンプレッサを備える、システム。
【請求項20】
ノズル先端の閉塞を制御すべく注入噴射装置の空気流を制御する装置において、
注入流体入口と、空気入口とを備える注入噴射装置と、
注入噴射装置上に配設されて、注入事象の間、注入流体入口から炭化水素燃料を受け取り且つ炭化水素燃料を排気流中に噴射する噴射ノズルと、
注入噴射装置上に配設されて、噴射ノズルを実質的に取り囲むキャビティと、
キャビティ内に配設された噴射空気出口であって、空気を空気入口から受け取り且つキャビティ内に実質的に一定の空気の流れを導き、キャビティの面に対して実質的に平行な角度にて向き決めされ、該角度は噴射ノズルからずらされ、空気流はキャビティ内に正の空気圧力を形成する、前記噴射空気出口とを備える、注入噴射装置の空気流を制御する装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置において、注入噴射装置上に配設されて、注入噴射装置を排気導管に装着する形態とされた1つ又はより多くの締結具を更に備える、装置。
【請求項22】
請求項20に記載のシステムにおいて、実質的に一定の空気流は、キャビティ内にて空気スパイラルを形成する、システム。
【請求項23】
空気を噴射ノズルに提供する方法において、
空気流を受け取るステップと、
注入流体を受け取るステップと、
注入流体を噴射ノズルを通して排気流中に噴射するステップと、
空気流が噴射ノズルを通るよう空気流を排気流中に導くステップとを備える、空気を噴射ノズルに提供する方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、注入流体を排気流中に噴射する間、空気流が排気流に入るのを防止するステップを更に備える、方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法において、空気流を噴射ノズルの周りの経路内に導いて空気スパイラルを形成するステップを更に備える、方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法において、空気流は噴射ノズルを通る、方法。
【請求項27】
空気を噴射ノズルに提供する装置において、
注入流体を受け取る手段と、
注入流体を排気流中に噴射する手段と、
注入流体を排気流中に噴射する手段の周りにて正の空気圧を形成する手段とを備える、空気を噴射ノズルに提供する装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置において、空気流を受け取り且つ空気流を使用して正の空気圧を形成する手段を更に備える、装置。
【請求項29】
請求項27に記載の装置において、注入流体を排気流中に噴射する手段の周りにて空気スパイラルを形成する手段を更に備える、装置。
【請求項30】
請求項27に記載の装置において、正の空気圧力を遮断する手段を更に備える、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−85209(P2009−85209A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−186310(P2008−186310)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(508216644)カミンズ・フィルトレーション・アイピー,インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】