空気フレア装置及び方法
【課題】大気中でフレアガスを排出して燃焼させるフレア装置を提供する。
【解決手段】フレアチップ56は、フレアガス排出口を有するフレアガス導管100と、燃焼用空気排出口を有する燃焼用空気導管102とを含む。燃やされるフレアガスの全てが、燃焼用空気排出口を通って排出された一体化された空気の柱の中へフレアガス排出口を通って排出される。フレアガス排出口及び燃焼用空気排出口は、フレアガス排出口から排出されたフレアガスが燃焼用空気排出口から排出された燃焼用空気の中へ内向きに排出され、燃焼用空気と混合されるように、互いに関して配置される。本質的に排出されたフレアガスの全てが、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気とフレア装置50の外で混合され、それにより内面燃焼を防止する。
【解決手段】フレアチップ56は、フレアガス排出口を有するフレアガス導管100と、燃焼用空気排出口を有する燃焼用空気導管102とを含む。燃やされるフレアガスの全てが、燃焼用空気排出口を通って排出された一体化された空気の柱の中へフレアガス排出口を通って排出される。フレアガス排出口及び燃焼用空気排出口は、フレアガス排出口から排出されたフレアガスが燃焼用空気排出口から排出された燃焼用空気の中へ内向きに排出され、燃焼用空気と混合されるように、互いに関して配置される。本質的に排出されたフレアガスの全てが、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気とフレア装置50の外で混合され、それにより内面燃焼を防止する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ガスフレアは、一般に、製造施設、精製所、処理工場などにおいて、通気の要求、操業停止、不調及び/又は非常事態によって進路を変えられた可燃性廃ガス及び他の可燃性ガス流を処理するために設置される。このようなフレアは、しばしば無煙の方法で作動するように義務付けられており、無煙の方法は、排出されて燃焼される可燃性ガス(「フレアガス」)がガスを十分に酸化するのに十分な空気と混合されることを確実にすることによって達成されてきた。典型的なフレア装置は、地面より上に高く伸びることができるフレアスタックと、フレアスタックに取り付けられたフレアチップとを含む。
【0002】
エアアシストフレアでは、フレアスタックを通して空気を上へ吹きつけるために、単数又は複数のブロワーが使用される。蒸気アシストフレアでは、フレア装置の周りからの空気を増やすべく、必要な原動力及びエントレインメントエネルギ−を提供するために蒸気が使用される。所望の結果を達成するために、押込空気及び蒸気の両方を利用するフレアもある。
【0003】
煙を除去するか又は著しく減少させるように設計され、操作されることに加えて、フレアは、内面燃焼が防止されるように設計され、操作されることを必要とする。内面燃焼、すなわち、フレアチップ及び他の構造物の内部でのフレアガス及び空気の一部の燃焼は、フレア装置の耐用年数を相対的に短くすることがある。フレア装置又はその一部を修理及び/又は交換することは費用がかかり、結果として対応する施設又は工場の、損失の大きい中断になる可能性がある。
【0004】
エアアシストフレアチップでは、ブロワー又はファンによって、フレアチップの下部を通して空気が吹き込まれる。所望の燃焼の度合いを達成するために必要とされる空気の化学量論量は、用途によって異なる。結果として、ブロワー又はファンの数及びその馬力はフレアによって異なる。フレアガスの流量は、フレアガスを排出させるものによって異なる。通常は、施設又は工場内で生成されるか又は使用される全可燃性ガスの比較的小さい割合のみが常時排出される。一方、多くの用途で、フレア装置は工場又は施設のすべての操業停止に対応するように設計される必要があり、大量の可燃性ガスが比較的短時間で排気されることを必要とする。したがって、多くのフレアは、比較的高流量のフレアガスに対応するべく設計され、必要なブロワーの数及び寸法を含む。
【0005】
典型的なフレアチップでは、空気及びフレアガスは、概ね同軸で大気中に排出される。このようなフレアチップは、乱流及び拡散に依存して、安定した燃焼プロセスのために空気及びガスを十分に混合する。残念なことに、このような混合システムは、すべての用途で可能な限り効率的であるとは限らない。フレアガス流の外側にある外部大気中の空気は、風及び他の要素によってフレアガスとの混合を阻止されることがある。
【0006】
あるフレアでは、フレアガスはフレアチップから排出された燃焼用空気の流れの内部に注入され、排出された燃焼用空気をいくつかの特定部分へと分割する。フレアガスはまた、排出された燃焼用空気/フレアガスの流れの周りに環状に注入される。フレアチップに隣接する火炎エンベロ−プの内部に直接フレアガスを与えるという点で、この方法は有効である。予備混合され又は曝気された流れは、フレアチップの排出口に直接隣接し且つ火炎エンベロ−プの内部で生成される。しかしながら、本発明によれば、ある状況では、フレアガス又は火炎エンベロ−プが、混合プロセスの早い段階で、予備混合され又は曝気された流れの流出を明らかに制限又は阻止することがあることが発見された。これにより、フレアチップの排出端部から更に離れている火炎エンベロ−プの中へ混合されることができる排出された燃焼用空気の量が最小化される可能性がある。
【0007】
また、フレアガス及び燃焼用空気を、ガス及び空気がフレア装置から排出されて点火される前に、フレア装置の内部で予備混合することも可能である。しかしながら、ある用途では、この方法は内面燃焼につながり、フレアチップの耐用年数を著しく短くする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明によれば、フレアガスを大気中に排出して燃焼させるフレア装置が提供される。本発明のフレア装置と関連して使用するために、改良されたフレアチップが提供される。フレアガス及び燃焼用空気をフレア装置から排出する前に、フレアガスの大部分をフレア装置の内部で燃焼用空気と予備混合しないで、フレアガスと燃焼用空気との混合物をフレア装置の中で燃やす方法も提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のフレアチップは、フレアガス導管と、フレアガス導管に結合された燃焼用空気導管とを含む。フレアガス導管は、第1端部と、第2端部と、第1端部を第2端部に接続する側壁とを含み、フレアガス導管は、流体が流れるようにフレアガス源に接続されるべく適合され、フレアガス導管の第2端部は、フレアガス排出口を画定する。フレアガス導管及びフレアガス排出口は、フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てがフレアガス排出口から排出されることを可能にするのに十分な寸法である。燃焼用空気導管は、第1端部と、第2端部と、第1端部を第2端部に接続する側壁とを含み、前記燃焼用空気導管は、流体が流れるように燃焼用空気源に接続されるべく適合され、前記燃焼用空気導管の前記第2端部は、燃焼用空気排出口を画定する。燃焼用空気導管は、一体化された燃焼用空気の柱を燃焼用空気排出口から排出させる構造を有する。
【0010】
本発明のフレア装置のフレアガス排出口及び燃焼用空気排出口は、フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの本質的に全てが、フレアガス排出口を通って、燃焼用空気排出口から排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに排出されることができるように、且つ、排出されたフレアガスの本質的に全てが、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と燃焼用空気導管及びフレアガス導管の外で混合されることができるように、互いに対して配置される。
【0011】
本発明の方法は、以下のステップ、
(a)一体化された燃焼用空気の柱がフレア装置から大気中へ排出されるステップと、
(b)排出されたフレアガスの本質的に全てが、排出された燃焼用空気及び外部大気中の空気とフレア装置の外で混合されるように、フレア装置によって燃やされるフレアガスの本質的に全てが、フレア装置から大気中へ、且つ、排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに排出されるステップと、
(c)排出されたフレアガスと排出された燃焼用空気と外部大気中の空気との混合物が点火されるステップと
を含む。
【0012】
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明を読むことによって直ちに当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来技術のフレア装置の正面断面図である。
【図2】図1の線2−2に沿った断面図である。
【図3】本発明のフレア装置の一構成の正面立面図である。
【図4A】図3に示されるフレア装置のフレアチップの斜視図である。
【図4B】図4Aに示されるフレア装置の正面断面図である。
【図4C】図4Bの線4C−4Cに沿った断面図である。
【図4D】図4Bの線4D−4Dに沿った断面図である。
【図4E】燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差と燃焼用空気導管の水力直径とを示す、図4A〜4Dに示されるフレア装置の一部の拡大詳細図である。
【図5A】本発明のフレア装置の更なる構成を示す正面断面図である。
【図5B】本発明のフレア装置の更なる構成を示す正面断面図である。
【図6A】本発明のフレア装置の他の構成を示す正面断面図である。
【図6B】図6Aに示されるフレア装置の一部の拡大詳細図である。
【図7A】本発明のフレア装置の他の構成を示す正面断面図である。
【図7B】図7Aに示されるフレア装置の一部の拡大詳細図である。
【図8A】フレアガスがどのように旋回させられることができるかを示す、図4A〜4Eに示されるフレア装置の正面断面図である。
【図8B】図8Aの線8B−8Bに沿った断面図である。
【図9A】関連する流れメカニズムを説明するために本発明のフレア装置に関連して使用することができる3D座標系を更に示す。
【図9B】関連する流れメカニズムを説明するために本発明のフレア装置に関連して使用することができる3D座標系を更に示す。
【図9C】関連する流れメカニズムを説明するために本発明のフレア装置に関連して使用することができる3D座標系を更に示す。
【図10A】本発明のフレア装置の他の実施形態を示す正面断面図である。
【図10B】図10Aの線10B−10Bに沿った断面図である。
【図11】本発明のフレア装置の更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図12】本発明のフレア装置の代替的な構成を示す。
【図13】本発明のフレア装置の代替的な構成を示す。
【図14A】本発明のフレア装置によって生成される火炎のパターンを示す。
【図14B】本発明のフレア装置の計算流体力学シミュレーションによって推定されるフレアガス体積分率の等高線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面、特に図1及び2を参照すると、使用されるフレア装置の実施例は、全体として符号10で表わされる。図1に示されるように、フレアチップ12は、フレアスタック14の頂端部と、フレアチップ12に可燃性ガス流を送るためにフレアスタック14を通って延びる可燃性ガス導管16とに取り付けられる。パイロット組立体18が、フレア装置から排出された空気と可燃性ガスとの混合物に点火するためにフレア装置10に取り付けられる。
【0015】
従来技術のフレア装置10は、排出端部22を有する外側管状部材20から成る。燃焼用空気ブロワー24が、フレアスタック14に取り付けられる。矢印23で示されるように、ブロワー24は空気を、フレアスタック14を通し、フレアチップ12内を通して上方へ移動させる。排出端部28を有する第1の内側管状部材26が、外側管状部材20の内部に配置され、第1の内側管状部材と外側管状部材との間に環状の空気排出空間30を形成する。排出端部34を有する第2の内側管状部材32が、第1の内側管状部材26の内部に配置される。第2の内側管状部材32は、第2の内側管状部材と第1の内側管状部材26との間に環状の可燃性ガス排出空間36を形成する。可燃性ガス排出空間36は、環状空気排出空間30に直接隣接して設けられる。第2の内側管状部材32はまた、付加的な空気排出空間40として好ましくは機能する内部空間38を含む。複数の空気そらせ板42及び44が、環状空気排出空間30及び空気排出空間40の内部に配置される。
【0016】
矢印46で示されるように、可燃性ガスは、可燃性ガス排出空間36から大気中に、真っ直ぐ出る環状のパターンで、すなわち、フレア装置10の垂直中心軸(縦軸)47に概ね平行な方向に排出される。そらせ板42及び44は、空気排出空間30及び40から排出された空気を、可燃性ガスに直接隣接して旋回させ、それにより、排出された空気と周囲空気とがフレア装置内部の可燃性ガスの中に侵入して可燃性ガスと混合するのを防止し、フレア装置内で燃焼するのを防止する。
【0017】
図面の図1及び2に示される従来技術のフレア装置は、1998年12月8日に発行され、引用により本願明細書に含まれるものとする米国特許5,846,068号に記載され、図示される。このようなフレア装置は多くの用途に有効であるが、異なる又は補足的な混合メカニズムが望ましい場合がある。
【0018】
本発明によれば、フレア装置の外でのフレアガスと空気の迅速な混合は、非常に効率的な方法で達成することができる。利用される混合方法は、フレアガス及び燃焼用空気が、フレア装置からガス及び空気を排出する前に、フレア装置の内部でフレアガス及び燃焼用空気の大部分を予備混合しないで、効果的且つ効率的に混合されることを可能にする。
【0019】
次に図3を参照すると、大気中にフレアガスを排出して燃焼させるための本発明のフレア装置が図示され、全体として符号50で表わされる。フレア装置50は、フレア基部52、フレアスタック54、フレアチップ56、フレアガス配送管58、パイロット組立体60、及び燃焼用空気ブロワー62を含む。
【0020】
フレア基部52は、基部プラットフォーム70と、基部プラットフォームから延びる複数の基部ア−ム72とを含む。基部プラットフォーム70は、地面又は何らかの構造体(図示せず)に取り付けることができる。基部ア−ム72は、フレアスタック54に取り付けられ、フレアスタックの下部から直接空気が導き入れられることを可能にするために、フレアスタックを地面から離して保持する。
【0021】
フレアスタック54は、円形横断面を有する導管である。フレアスタックは、第1端部74と、第2端部76と、第1端部を第2端部に接続する側壁77とを含む。燃焼用空気は、第1端部74を通ってフレアスタック54の内部78へ、フレアスタックの内部通ってフレアチップ56の内部80へ送られる。従来の連結フランジ79が、フレアスタック54の第2端部76に取り付けられる。
【0022】
燃焼用空気ブロワーは、フレアスタック54の内部78に、フレアスタック54の第1端部74に隣接して取り付けられる。ブロワーは、フレアスタック54の第1端部74の周りの大気81からの外気を、フレアスタック54の内部78及びフレアチップ56の内部80を通して強制的に送り込む。
【0023】
フレアガス配送管58もまた、円形横断面を有する導管である。フレアガス配送管58は、フレア装置50によって放出されるフレアガス源(図示せず)に直接又は間接的に取り付けられた第1端部82と、フレアチップ56に取り付けられた第2端部84とを含む。フレアガスは、フレアガス配送管58の内部87を通ってフレアチップ56に送られる。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「フレアガス」は、フレア装置50によって排出されて燃焼される可燃性ガスを意味する。
【0024】
パイロット組立体60は、フレア装置50に取り付けられたパイロット燃料導管88と、パイロット燃料導管に結合された従来のパイロットガス・空気ミキサ−90と、パイロットバーナー92とを含む。パイロット燃料は、パイロット燃料源(図示せず)から導管88(導管88a)を通ってミキサ−90へ送られる。ミキサ−90は、パイロット燃料を空気と混合する。パイロット燃料と空気との混合物は、ミキサ−90から導管88(導管88b)を通ってパイロットバーナー92へ送られる。パイロット点火装置(図示せず)が、点火火炎(図示せず)を生成するために、フレア装置50に取り付けられた点火導管94に接続される。点火火炎は、点火導管94を通ってパイロットバーナー92に送られる。図3は1つのパイロット組立体60のみを示すが、当業者には、燃やされるガスの量及び他の要素に応じて2つ以上のこのような組立体を使用できることが理解されるであろう。
【0025】
次に図4A〜4Eを参照すると、フレアチップ56は、フレアガス導管100と、燃焼用空気導管102とを含む。フレアチップ56、フレアガス導管100、及び燃焼用空気導管102はそれぞれ、垂直な中心軸103、104、及び105を含む。垂直中心軸103、104、及び105はまた、各々がそれぞれの導管の縦軸である。図11に示される実施形態を除いて、フレア装置50、フレアガス導管100、及び燃焼用空気導管102の垂直中心軸(縦軸)103、104、及び105は一致する。フレアガス導管100はまた、垂直中心軸104と概ね平行である垂直な外側軸107を含む。同様に、燃焼用空気導管102はまた、垂直中心軸105と概ね平行である垂直な外側軸109を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、例えば「垂直」及び「水平」などのフレア装置50と関連して使用される方位に関する用語は、図面に示されるようにフレア装置の方位に基づく。
【0026】
フレアガス導管100は、円形横断面を有し、内部106と、第1端部108と、第2端部110と、フレアガス導管の第1端部をフレアガス導管の第2端部に接続する側壁112とを含む。フレアガス導管100の第2端部110は、フレアガス排出口114を画定する。フレアガス導管100及びフレアガス排出口114は、フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てがフレアガス排出口を通って排出されることを可能にするのに十分な寸法である。側壁112のフレアガス排出口114に隣接する部分115が、燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって内向きに先細になっている。フレアガス導管100の側壁112は、側壁112内に開口部116を含む。フレアガス配送管58の第2端部84は、フレアガス導管100の側壁112に、側壁にある開口部116を覆って取り付けられ、それによってフレアガスがフレアガス配送管の内部87からフレアガス導管の内部106へ送られることを可能にする。フレアガス導管100の第1端部108は、開口部120を有する底壁118を含む。
【0027】
燃焼用空気導管102は、円形横断面を有し、内部126と、第1端部128と、第2端部130と、フレアガス導管の第1端部をフレアガス導管の第2端部に接続する側壁132とを含む。燃焼用空気導管102の第2端部130は、燃焼用空気排出口134を画定する。燃焼用空気導管102は、一体化された燃焼用空気の柱133を燃焼用空気排出口134から排出させる構造を有する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、一体化された燃焼用空気の柱は、その中に大量のフレアガスを含まない燃焼用空気の流れ又は柱(すなわち、フレア装置から排出される前にフレア装置の内部で燃焼用空気とフレアガスとの可燃性混合物を形成するのに十分な量のフレアガスを含まなかった燃焼用空気の流れ又は柱)を意味する。大量のフレアガス(すなわち、燃焼用空気導管102の内部で燃焼用空気とフレアガスとの可燃性混合物を生成するのに十分であるか又は十分であろう量のフレアガス)が、燃焼用空気導管102内で燃焼用空気と混合されることも、燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気の柱の内部に直接燃焼用空気導管102の内部から注入されることもない。好ましくは、フレアガスは、燃焼用空気導管102内で燃焼用空気と混合されることも、燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気の柱の内部に直接燃焼用空気導管102の内部から注入されることもない。
【0028】
側壁132の燃焼用空気排出口134に隣接する部分135が、燃焼用空気導管102の垂直中心軸105及び全体的なフレアチップ56の垂直中心軸103に向かって内向きに先細になっている。燃焼用空気導管102の第1端部128は、第1端部128に取り付けられたフランジ136を含み、フランジ136はフレアスタック54の第2端部76に取り付けられたフランジ79と相補的である。フランジ136は、燃焼用空気導管の内部126がフレアスタックの内部78と流体連通するように、燃焼用空気導管102の第1端部128をフレアスタック54の第2端部76に密封して接続するためにフランジ79に接続される。
【0029】
燃焼用空気導管102は、燃焼用空気導管の第2端部130がフレアガス導管の第2端部110を僅かに越えて延びるように、フレアガス導管100内に配置される。言い換えれば、燃焼用空気導管102の高さは、フレアガス導管100の高さよりわずかに大きい。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、フレアガス導管100、燃焼用空気導管102、又は他のいかなる部品の「高さ」も、導管がフレアチップ56の垂直中心軸103に沿って大気81中に延びる範囲を意味する。燃焼用空気導管102は、フレアガス導管100内に最後まで延びてはいない。詳細には、燃焼用空気導管の第1端部128がフレアガス導管の第1端部108より下に配置されるように、燃焼用空気導管はフレアガス導管100の底壁118にある開口部120を通って延びる。燃焼用空気導管102は、フレアガス導管100の内部で少なくとも部分的に同心状に配置される。
【0030】
フレアガス導管100の中への燃焼用空気導管102の位置付けによって、環状のフレアガス排出空間140が、フレアガス導管の内部106で燃焼用空気導管の周りに延在する。燃焼用空気導管102の内部126は、燃焼用空気排出空間142として機能する。ガスケット146が、側壁132と開口部120の縁147との間にシ−ルを形成してフレアガスがそれを通って漏出するのを防止するために、フレアガス導管100の底壁118内にある開口部120の縁147に又は縁147に隣接して含まれる
図4A及び4B(更に、後述する図8A、11及び14B)に矢印150で示されるように、一体化された燃焼用空気の柱133は、燃焼空気路102の燃焼用空気排出空間142(内部126)を通って送られ、その燃焼用空気排出口134を通って大気81に排出される。燃焼用空気排出空間142(内部126)内の燃焼用空気の中心部分152は、燃焼用空気排出口134から軸方向に排出される。燃焼用空気排出空間142(内部126)内の燃焼用空気154の外側環状部分は、燃焼用空気排出口134に隣接する側壁132の内向きに先細にされた部分135によって、燃焼用空気の中心部分152に向かって内側に向けられる。更に以下に述べるように、燃焼用空気の柱は、燃焼用空気排出口134を通って大気81に排出された時点では一体化された燃焼用空気の柱であるが、一旦燃焼用空気排出口を通って排出されると、フレアガス排出口114からのフレアガスとの混合によって、必ずしも一体化されたままではない。燃焼用空気の柱133は、燃焼用空気排出口134を通って排出された後、必ずしも一体化された燃焼用空気の柱ではないが、燃焼用空気が消費されるまで上方へ火炎を貫通する。
【0031】
フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスの本質的に全ては、フレアガス導管100の環状フレアガス排出空間140(内部106)を通って送られ、フレアガス流162として、フレアガス導管のフレアガス排出口114を通って大気81に排出される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、排出されるフレアガスの「本質的に全て」は、フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスの僅かな部分を除くその全て(すなわち、フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスのうち、燃焼用空気導管102の内部で燃焼用空気とフレアガスとの可燃性混合物を生成するのにとうてい十分ではない量のフレアガスを除くすべて)を意味する。言い換えれば、燃焼用空気導管102の内部で燃焼用空気と混合された、フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスは、燃焼用空気導管の中で可燃性混合物を形成するのに十分でない。好ましくは、図面に矢印160で示されるように、フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスの全て(100%)は、フレアガス導管100の環状フレアガス排出空間140(内部106)を通って送られ、フレアガス流162として、フレアガス導管のフレアガス排出口114を通って大気81に排出される。
【0032】
フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134の互いに対する位置付けとフレアガス導管100の側壁112の内向きに先細にされた部分115とによって、フレアガス流162は、燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ内向きに(燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって)フレアガス排出口114を通って排出される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気の柱133の「周り」は、燃焼用空気の柱を完全に囲むこと、燃焼用空気の柱を部分的に囲むこと、又は燃焼用空気の柱を断続的に囲むことを意味する。図示のように、フレアガス流162は、好ましくは燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気の柱133の周りに完全に環状のパタ−ンで、フレアガス排出口114を通って排出される。
【0033】
フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134の互いに対する位置付けによって、フレアガス流162は、燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ内向きに、排出されたフレアガスを排出された燃焼用空気と混合させるように、フレアガス排出口114を通って排出される。フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134の互いに対する位置付けによって、排出されたフレアガス本質的にすべて(すなわち、フレア装置50によって排出されるフレアガスのうち、燃焼用空気導管102の内部で燃焼用空気とフレアガスとの可燃性混合物を生成するのにとうてい十分ではないであろう量のフレアガスを除くすべて)が、排出された燃焼用空気か又は外部大気中の空気と燃焼用空気導管102及びフレアガス導管100の外で混合される。フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスと燃焼用空気とは、フレア装置からフレアガス及び燃焼用空気を排出する前にフレア装置の内部で(例えば、燃焼用空気導管102又はフレアガス導管100の中で)フレアガスの大部分(すなわち、可燃性混合物を形成するのに十分な量のフレアガス)を燃焼用空気と予備混合しないで、互いに十分に混合される。フレアチップ56の排出端部の外周部は、空気及びガスの混合点として使用される。このようにして、例えば、内面燃焼及びフラッシュバックを最小にするか又は防止することができる。
【0034】
フレアガスが燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気の柱133の中へ内向きに(燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって)フレアガス排出口114から排出されるという事実によって、排出されたフレアガス流162の大部分(好ましくは大半)は、燃焼用空気の柱133に入り込む。これにより、排出されたフレアガス流162は、排出された燃焼用空気流又は柱133によって破砕されるか又は細切れにされ、排出されたフレアガスの本質的に全てと排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気との燃焼用空気導管の外での迅速且つ効率的な混合が促進される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、外部大気中の空気は、フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134の周りの大気からの空気を意味する。混合プロセスを燃焼用空気導管102及びフレアガス導管100の外で起こさせることによって、フレアガス流は、一方の側で燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気に曝され、他方の側で大気81からの外気にさらされる。2つの異なる空気混合面がフレアガスに対して提供される。環状ガス流はいまやその内側及び外側の界面の両側に空気があるので、これにより実質的にガス及び空気の界面積がおよそ2倍になる。外気は、排出されたフレアガス及び燃焼用空気流に引き込まれる。排出されたフレアガス流162の速度は、混合物に空気を引き込むのを助ける。排出及び混合の時点で、大量の空気が利用可能である。結果として、非常に迅速且つ効率的な混合プロセスが起こる。
【0035】
燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134を通って排出される一体化された燃焼用空気の柱133の質量は、それによって燃焼用空気の柱の大部分が少なくとも最初に直面する排出されたフレアガスの部分を上方へ貫通するのに十分である。結果として、排出された燃焼用空気は、早い段階で容易にフレアガスによって覆われず、それにより大量の排出された燃焼用空気がフレアガスに送られ、フレアチップの排出端部から更に離れてフレアガスと混合されることが可能になる。
【0036】
燃焼用空気導管102の第2端部130は概ね、フレアガス導管100の第2端部110と隣接している。燃焼用空気導管102の高さは、フレアガス導管100の高さと等しいか、より大きいか、より小さいことができる。しかしながら、フレア装置からフレアガス及び燃焼用空気を排出する前に、フレアガスの大部分がフレア装置50の内部で燃焼用空気と混合されないことを保証するために、燃焼用空気導管102の高さに対するフレアガス導管100の高さは限定される。詳細には、燃焼用空気導管102の高さがフレアガス導管100の高さより小さい場合、燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差の比は0.05以下である。好ましくは、燃焼用空気導管102の高さがフレアガス導管100の高さより小さい場合、燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差の比は0.02以下である。より好ましくは、燃焼用空気導管102の高さは、フレアガス導管100の高さ以上である。最も好ましくは、燃焼用空気導管102の高さはフレアガス導管100の高さより大きく、燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差の比は約0.01である。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、燃焼用空気導管102の水力直径は、燃焼用空気導管の断面積の4倍を燃焼用空気導管の濡れ縁長さ(すなわち、燃焼用空気排出口134の周囲の長さ)で除したものによって定められる。図4A〜4Eに示されるように燃焼用空気導管が円形断面を有する場合、水力直径は燃焼用空気導管の直径と同じである。
【0037】
図4A、4B及び4Eに示されるように、図示されるフレア装置50の燃焼用空気導管102の高さは、フレア装置のフレアガス導管100の高さよりわずかに大きく、すなわち、燃焼用空気導管は、フレア装置の垂直中心軸104に沿って大気81中に、フレアガス導管がフレア装置の垂直中心軸に沿って大気中に延びるよりも更に少し延びている。図4Eを詳細に参照して、図示されたフレア装置50における燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差の比を説明する。図4Eに「L」で示される燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差が9.53ミリメートル(0.375インチ)であり、図4Eに「D」で示される燃焼用空気導管の水力直径が75.2センチメートル(29.625インチ)であると仮定すると、燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差の比は約0.01である。燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との相対的高さは、先に述べたパラメ−タの範囲で変えることができる。
【0038】
フレアガス導管100の側壁112のフレアガス排出口114に隣接する部分115は、好ましくは、図面に角度アルファ(α)として示される約10°から約90°までの範囲の角度で、フレアガス導管の垂直外側軸107から燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって内向きに先細になっている。角度アルファ(α)は、より好ましくは、約25°から約45°までの範囲にある。角度アルファ(α)が約25°以上であるとき、より大きな混合度が生じることができる。燃焼用空気をフレアチップに送り込むことができない場合、例えば、動力損失の場合には、約45°以下の角度アルファ(α)が逆流のないフレアの動作を保証するのを助ける。逆流は、地表面において不燃焼可燃性ガスの望ましくない危険な状態を引き起こす可能性がある。図4A〜4Eに示される実施形態では、図4Bに最もよく示されるように、角度アルファ(α)は約35°である。角度アルファ(α)は、図面に示されるように、フレアガスが燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気の中へ内向きにフレアガス排出口114から大気81の中へ排出される角度に概ね対応する。
【0039】
燃焼用空気導管102の側壁132の燃焼用空気排出口134に隣接する部分135は、好ましくは、図面に角度ベ−タ(β)として示される約10°から約90°までの範囲の角度で、燃焼用空気導管の垂直外側軸109から燃焼用空気導管の垂直中心軸105に向かって内向きに先細になっている。より好ましくは、角度ベ−タ(β)は、角度アルファ(α)から約15°以内にあり、且つ、約45°より小さい。図4A〜4Eに示される実施形態では、最もよく図4Bに示されるように、角度ベ−タ(β)は約35°である。角度ベ−タ(β)は、図面に示されるように、燃焼用空気の外側環状部分154が燃焼用空気排出口134から大気81中に排出される角度に概ね対応する。側壁132の部分135を燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって内向きに先細にする目的は、燃料及び空気の混合を補助するためである。燃焼用空気の柱にフレアガスを誘導するのをある程度助ける縮流部(ベナコントラクタ)が作られてもよい。
【0040】
図3〜7Bに示される構成では、単一のフレアガス配送管58が、フレア装置50によって放出されるフレアガスをフレアチップ56に送るために利用される。フレアガスは、フレアガス配送管58の内部87を通り、フレアガス導管の側壁112の開口部116を通り、環状フレアガス排出空間140に送られる。フレアガス排出口114を通って大気中へ排出される前に、フレアガスが環状フレアガス排出空間140の全体にわたって極めて均一に分配されることを保証するために、フレアガス導管100は流量分布部材170を更に備える。図面に示される実施形態では、流量分布部材170は、燃焼用空気導管102の側壁132の外側174に取り付けられた環状板172である。環状板172は、好ましくは燃焼用空気導管102の側壁132に取り付けられ、フレアガス導管100の側壁112にある開口部116の最上部176に隣接して、環状フレアガス排出空間140の内部に配置される。環状板172は、環状フレアガス排出空間140の中へ約半分だけ、燃焼用空気導管102の側壁132から垂直に延伸し、それにより、環状板172の最外縁180とフレアガス導管100の側壁112の内側182との間にすきま178を残している。したがって、フレアガスがフレアガス配送管58によってフレアガス導管100の側壁112内に開口部116を通って環状フレアガス排出空間140に送られるとき、環状板172は燃焼用空気導管102の周りで環状フレアガス排出空間の全体にわたってフレアガスを分散させるのを助ける。分散したフレアガスは、環状板172の最外縁180と燃焼用空気導管102の側壁112との間の環状すきま178を通過し、最終的にフレアガス排出口114を通って大気中に出る。
【0041】
次に図5A、5B、6A、6B、7A及び7Bを参照して、フレアガス導管100及び燃焼用空気導管102の様々な構成を説明する。
【0042】
図5A及び5Bは、燃焼用空気導管102の高さがフレアガス導管100の高さより小さい場合の燃焼用空気導管102の高さに対するフレアガス導管100の高さの変化を示す。図5では、燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管100との高さの差の比は約0.05である。図5Bでは、燃焼用空気導管102の水力直径に対する燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差の比は約0.02である。例えば、図5Aに示される構成では、図5Aに「L」で示される燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差は3.81センチメートル1.27センチメートル(1.5インチ)であり、図5Aに「D」で示される燃焼用空気導管102の水力直径は75.2475センチメートル(29.625インチ)である。図5Bに示される構成では、図5Bに「L」で示される燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差は(0.5インチ)であり、図5Bに「D」で示される燃焼用空気導管の水力直径は75.2475センチメートル(29.625インチ)である。図5Aに示される構成及び図5Bに示される構成の両方において、燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との相対的高さは、フレア装置50からフレアガス及び燃焼用空気を排出する前にフレアガスの大部分がフレア装置50の内部で燃焼用空気と混合されるようになってはいない。
【0043】
また、フレアガス導管100の側壁112の内側182と燃焼用空気導管102の側壁132の外側174との間の水平距離、すなわち、環状フレアガス排出空間140の幅186は変えることができる。幅186を減少させることにより、フレア装置50の性能が無煙性能のために最適化されることを可能にしてもよい。幅186を増大することにより、より大きい水理学的容量を可能にしてもよい。
【0044】
図6A、6B、7A及び7Bは、角度アルファ(α)及び角度ベ−タ(β)がどのように変わることができるかを示す。図6A及び6Bに示される構成では、角度アルファは75°であり、角度ベ−タは75°である。図6Bに最もよく示されるように、図6A及び6Bに示される構成では、燃焼用空気導管102の高さはフレアガス導管100の高さより小さい。燃焼用空気導管102の直径に対する燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差の比は約0.01である。
【0045】
図7A及び7Bは、角度アルファ(α)が20°であり、角度ベ−タ(β)が20°である構成を示す。この場合もやはり、7Bに最もよく示されるように、燃焼用空気導管102の高さはフレアガス導管100の高さより大きい。燃焼用空気導管102の直径に対する燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差の比は約0.01である。
【0046】
次に図8A及び8Bを参照して、フレア装置50の他の構成を図面と記載により説明する。この構成では、フレアガスに半径方向速度を与え、フレアガスを環状フレアガス排出空間140の中で旋回させて、フレアガス排出口114から渦巻き模様で排出させるために、フレアガスは、フレアガス導管100の垂直中心軸104に対してある角度でフレアガス導管100に注入される。フレアガスをフレアガス排出口114から渦巻き模様で排出させることにより、燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気柱133の周り及び中でフレアガスが旋回させられる。旋回するフレアガスは、軸方向速度、半径方向速度、及び接線速度を有する。
【0047】
図8A及び8Bに示される構成では、フレアガス導管100の側壁112は、各々がフレアガス導管100の側壁112から外側に延びる一対の接線方向の入口190を含む。各入口190は、各入口190に取り付けられたフランジ192を含む。別個のフレアガス配送管58(図示せず)を、各入口190と接続して使用することができる。詳細には、各フレアガス配送管58の第2端部84は、第2端部84に取り付けられたフランジを含むことができ、このフランジは、フレアガス配送管を環状フレアガス排出空間140に流体が流れるように接続するために、対応する入口190のフランジ192に取り付けられる。図示されるように、フレアガスが入口190を通ってフレアガス導管に注入される角度は、フレアガス導管100の垂直中心軸104に対して約90°である。環状フレアガス排出空間140にあるフレアガスに接線速度を与え、フレアガスをその中で旋回させることにより、燃焼用空気排出口134の直ぐ上に低圧帯を生じ、この低圧帯が燃焼用空気排出口よりも上で静圧を低下させる。低圧帯は、大気からの燃焼用空気及び燃焼用空気の排出による燃焼用空気を低圧帯に向かって流れさせることによって、混合を促進する。このような混合は、本発明のフレア装置の無煙性能を改善する。必要に応じて1つのみの入口又は2つ以上の入口190を使用することができる。燃焼用空気の排出による燃焼用空気を、同様に旋回させることができる。例えば、旋回羽根として公知の螺旋フライト又は通路を、それを通って流れるそれぞれの流れに渦巻きを伝えるために、フレアガス導管100か又は燃焼用空気導管102に加えてもよい。空気が単独で旋回させられてもよいし、フレアガスが単独で旋回させられてもよいし、或いは、空気とフレアガスの両方が旋回させられてもよい。後者の場合、空気及びフレアガスは、同じ方向又は反対方向に旋回させられ得る。一方の流れが時計回りの方向に旋回させられ、他方が逆時計回りの方向に旋回させられる場合、対向する渦が生じる。
【0048】
図4A及び9A、9B及び9Cを詳細に参照して、先に記載された混合及び旋回のメカニズムを更に説明する。図4A、9A、9B及び9Cは、本発明のフレア装置50に対応し、フレア装置50に関連するいくつかの流れベクトルを示す三次元座標系を明らかにする。図示のように、本発明のフレア装置50は、軸方向座標(流れ成分)200と、半径方向座標(流れ成分)202と、接線座標(流れ成分)204とを含む。これらの座標(以下「流れ成分」と証する)は、図9Aに最もよく示される。軸方向の流れ成分200はそれぞれ、全体的なフレア装置、フレアガス導管100、及び燃焼用空気導管102の垂直中心軸103、104、及び105と一致する。半径方向の流れ成分202は、垂直中心軸103、104、及び105に向かって延び、且つ垂直中心軸103、104、及び105に対して垂直であり、すなわち、その延びが垂直中心軸103、104、及び105に対して90°の角度を成す。接線方向の流れ成分204は、燃焼用空気排出口134の周囲から半径方向の成分に対して90°に向けられる。これらの3つの成分は、いかなる方向の移動をも三次元で説明するのに十分であり、当業者に「円筒座標」系としてとして一般に知られる座標系に関連する。
【0049】
図9Aは、フレア装置50に関連して、三次元の流れベクトル210の軸方向、半径方向、及び接線方向の流れ成分200、202、及び204それぞれへの分解を示す。図示のように、流れベクトル210は、接線方向の成分の結果として、フレア装置50の垂直中心軸103からずらされる。或いは同等に、軸方向、半径方向、及び接線方向の流れ成分がベクトル210に対して示される原点に与えられると、ベクトル210が生じる。
【0050】
排出されたフレアガス流162が本発明のフレア装置によって排出された燃焼用空気流又は柱133に向けられるために、排出されたフレアガスは、半径方向の流れ成分を含む。燃焼用空気は、垂直中心軸104及び軸方向の流れ成分200に沿って真っ直ぐ出るパターンで燃焼用空気排出口134から排出され、比較的小さい外側環状部分154を除いて、燃焼用空気の流れの中には本質的に半径方向の成分はない。フレアガス排出口114から排出されるフレアガスの流れにおける半径方向成分の結果、排出されたフレアガスは、燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気流又は柱133に向けられ、燃焼用空気流又は柱133と混合される。
【0051】
更なる説明として、排出されたフレアガスの流れ方向がフレアガス導管100の垂直中心軸104と完全に一直線にされない場合は、接線方向の成分が存在する。フレアガスの十分な部分が燃焼用空気排出の周囲で接線方向の成分を有する場合、渦巻きの流れパターンが生成される。図9Cは、引き込みベクトル212が(典型的な)円周のまわりで対称であるときに生じる渦巻きを示す。説明の便宜上、6つのベクトル212のみが示される。図示のように、流れが、より小さい程度の半径方向に対し、更に小さい程度の接線方向に対し、主に軸方向であっても(図9Aに各成分ベクトルの寸法で示されるように)、接線方向の成分の結果として渦が生じる。要するに、排出された燃焼用空気の半径方向の成分(もしあれば)と比較して排出されたフレアガスのより大きな半径方向の成分により、排出されたフレアガスが排出された燃焼用空気に向けられ、これらの成分が軸方向の流れに重ね合わされても重ね合わされなくても、接線方向の成分の差が渦をもたらす。燃焼用空気排出口134を通る燃焼用空気の流れは主に軸方向の流れを有するので、排出されたフレアガス内にある少量の半径方向の成分でさえ混合を開始し、接線方向の成分が各々の強さに正比例して渦を生成する。
【0052】
次に図10A及び10Bを参照して、フレア装置50の代替的な構成を説明する。この構成では、円形断面の代わりに、フレアガス導管100及び燃焼用空気導管102は各々、正方形断面を有する。導管の垂直中心軸103及び104が重なるように、燃焼用空気導管102は少なくとも部分的にフレアガス導管100の内部に配置される。燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差の比を算出するのには、燃焼用空気導管の直径ではなく水力直径が利用される。用語「水力直径」は先に定められている。円形断面及び正方形断面に加えて、フレアガス導管100及びフレア装置50の燃焼用空気導管102は、同様に他の断面形状を有することができる。
【0053】
上記のフレア装置50の構成では、燃焼用空気導管102は、少なくとも部分的にフレアガス導管100の内部に配置され、例えば、環状又は正方形のフレアガス排出空間140を燃焼用空気導管とフレアガス導管との間に作り出している。しかしながら、フレア装置の付加的な構成を利用することができる。例えば、図11に示すように、フレア装置50の燃焼用空気導管102及びフレアガス導管100は、直線状の構成を有することができる。
【0054】
図11に示すように、フレアガス導管100及び燃焼用空気導管102は各々、矩形断面を有する。燃焼用空気導管102は、フレアガス導管100に取り付けられ、フレアガス導管100に直接隣接して配置されている。フレアガス導管100の側壁112の後部220は、フレアガス導管の垂直中心面223に向かって内向きに先細になる、フレアガス排出口114に隣接する部分222含む。上記の構成のように、フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134は、本質的にフレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全て(好ましくは全て)が、燃焼用空気排出口から排出された燃焼用空気の柱133の中へフレアガス排出口を通って内向きに排出され、燃焼用空気の柱133と混合されることができるように、互いに対して配置される。フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134は、本質的に排出されたフレアガスの全て(好ましくは全て)が、燃焼用空気導管102及びフレアガス導管100の外で、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と混合されるように、互いに対して配置される。フレアガス導管100の側壁112のフレアガス排出口114に隣接する部分222は、約10°から約90°までの範囲の、好ましくは約25°から約45°までの範囲の角度で燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって内向きに好ましくは先細になっている。
【0055】
図12及び13は、全体的なフレア装置50の代替的な構成を示す。図12及び13に示されるフレア装置50のフレアチップ56は、図面の図3及び4A−4Eに示されるフレアチップと同じ構成を有する。しかしながら、図12に示される構成では、フレアスタック54の第1端部74は、2つの入口228A及び228Bを含み、各々が入り口内に配置された燃焼用空気ブロワー62を有する。これにより、例えば、他方のブロワーがスイッチを切られている間、一方のブロワーは低待機状態で作動することができ、したがって、フレア装置50と関連した燃焼用空気ブロワー全体の待機馬力を低下させる。
【0056】
図13では、フレアガス配送管58は、異なる構成を有するセクションを含む。この構成では、フレアガス配送管58の下部230は、フレアスタック54の周りに延びて、フレアスタック54を覆い、すなわち、フレアスタック54は、少なくとも部分的にフレアガス配送管58の内部に配置され、フレアスタック54の外側234とフレアガス配送管の内側236との間に環状のフレアガス供給空間232を作り出している。フレアガス配送管58の下部230は、第1端部238と、第2端部240と、第1端部を第2端部に接続する側壁242とを含む。第2端部240は、フレアスタック54の周りで封止されている。側壁242は、側壁242内に開口部244を含む。フレアガス配送管58の下部230の第1端部238は、流体が流れるようにフレアガス源(図示せず)に接続される。
【0057】
また、図13に示される構成のフレアガス配送管58は、第1端部248と、第2端部250と、第1端部を第2端部に取り付ける側壁252とを有する上部セクション246を含む。フレアガス配送管58の上部セクション246の第1端部248は、フレアガス配送管58の下部230の側壁242にある開口部244に取り付けられ、流体が流れるように開口部244と連通する。フレアガス配送管58の上部セクション246の第2端部250は、フレア装置50のフレアガス導管100の側壁112にある開口部116に取り付けられ、流体が流れるように開口部116と連通する。図13に示されるフレアガス配送管58の構成は、フレア装置50に全体的な安定性をもたらし、いくらかの構造的な利点を有する可能性がある。
【0058】
フレア装置の付加的な構成を使用することができ、具体的な用途に応じて、フレア装置に修正を加えることができる。ガスフレアは一般に、それらが機能しなければならない機械システムに応じて、比較的簡単であるか、極めて複雑であり得る。例えば、高分子量ガスが燃やされることを必要とする場合などのいくつかの用途では、フレア装置は、周辺制御用の機構、すなわち、火炎が風又は他の外部要因によって吹き飛ばされないようにするのを助けるために使用することができる機構を含むことができる。一例として、周囲境界を作り出すためにフレアガス導管100の外側から大気中に蒸気又は空気を注入し、フレア装置から排出されたフレアガスと燃焼用空気との混合物を収容するのを助けることができる。燃焼用空気導管102及びフレアガス導管100は、排出されたフレアガスの周囲に燃焼用空気の環状コアを注入するための第2の環状燃焼用空気排出空間及び開口部を生成するために、第3の導管の内部に配置されることができる。他の構成では、フレア装置に空気を誘導するためにフレア装置の内部に蒸気を注入することができ、すなわち、空気のための原動力として蒸気を使用することができる。他の構成では、複数のフレアチップ56を使用することができる。例えば、比較的小さいフレアチップ56を、比較的小量のガスを燃やすために設けることができ、比較的大きいフレアチップ56を、比較的大量のガスを燃やすために設けることができる。
【0059】
上記のように、本発明のフレア装置50は、フレアガス及び燃焼用空気をフレア装置から排出する前に、フレアガスの大部分を燃焼用空気とフレア装置の内部で予備混合しないで、フレアガス及び燃焼用空気の混合物を燃やすために使用することができる。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「フレアガス及び燃焼用空気をフレア装置から排出する前に、フレアガスの大部分を燃焼用空気とフレア装置の内部で予備混合しないで」は、燃焼用空気及びフレアガスをフレア装置から排出する前にフレア装置の内部で燃焼用空気と予備混合されるフレアガスがもしあるならば、その量はフレア装置の内部で可燃性混合物を形成するのに十分でないことを意味する。本質的に排出されたフレアガスの全て(すなわち、燃焼用空気導管102の内部で燃焼用空気とフレアガスとの可燃性混合物を生成するのにとうてい十分でないフレアガスの量を除く、排出されたフレアガスの全て)は、燃焼用空気導管及びフレアガス導管100の外で、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と混合される。
【0060】
フレア装置50の動作において、燃焼用空気は、フレア装置の燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134を通って大気81中に排出される。上記のように、また図4A及び4B(更に、図8A、11及び14B)に矢印150で示されるように、一体化された燃焼用空気の柱133がフレア装置50から大気中へ排出される。空気の中心部分152及び空気の外側環状部分154が、燃焼用空気排出口134から大気81中に排出される。燃焼用空気の柱133の大部分は、上方へ突き抜けるが、すぐに環状フレアガス排出流162が注入され、燃焼用空気排出口134を通って大気中へ排出された後、長い間、一体化された燃焼用空気の柱のままではあり得ない。
【0061】
本質的にフレア装置50によって排出されて燃焼される(すなわち、燃やされる)フレアガスの全て(すなわち、フレア装置から排出される前にフレア装置の内部で燃焼用空気と共に可燃性混合物を形成するのにとうてい十分ではないフレアガスの一部を除く、フレア装置によって燃やされるフレアガスの全て)が、排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ内向きにフレアガス排出口114から大気中へ排出され、燃焼用空気の柱133と混合される。本質的に排出されたフレアガスの全て(すなわち、フレア装置から排出される前にフレア装置の内部で燃焼用空気と共に可燃性混合物を形成するのにとうてい十分でない一部のフレアガスを除く、排出されたフレアガスの全て)は、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気とフレア装置50の外で混合される。好ましくは、フレア装置50によって燃やされるフレアガスの全てが、排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ内向きにフレアガス排出口114から大気中へ排出され、燃焼用空気の柱133と混合される。好ましくは、排出されたフレアガスの全てが、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気とフレア装置50の外で混合される。排出されたフレアガスと、排出された燃焼用空気と、外部大気中の空気との混合物は、その後、フレア装置50の外で点火される。パイロット組立体60は、混合物に点火するために使用される。フレアガスが燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気の中へ内向きに(燃焼用空気導管の垂直中心軸105に向かって)フレアガス排出口114から排出されるという事実によって、排出されたフレアガス流162は、排出された燃焼用空気柱133に入り込む。
【0062】
フレアガスがフレアガス排出口114から排出される全体的な速度及び圧力は、放出される必要があるフレアガスの量及びその搬送圧に応じて変わる。例えば、フレアガス導管100内のフレアガスの圧力は、一般的に約20684〜27579パスカル(3〜4ポンド/平方インチ)であるが、用途に応じて、このような量より大きいか又は小さいことができる。燃焼用空気がフレア装置50から大気中へ排出される軸方向速度は、特定のレベルに維持することができる。好ましくは、燃焼用空気は、少なくとも15.24メートル/秒(50フィ−ト/秒)の軸方向速度で、フレア装置50から大気中へ排出される。より好ましくは、燃焼用空気がフレア装置50から大気81に排出される軸方向速度は、約15.24メートル/秒(約50フィ−ト/秒)から約60.96メートル/秒(約200フィ−ト/秒)までの範囲にあり、更に好ましくは、約36.576メートル/秒(約120フィ−ト/秒)から約45.72メートル/秒(約150フィ−ト/秒)までの範囲にある。最も好ましくは、燃焼用空気は、約45.72メートル/秒(約150フィ−ト/秒)の軸方向速度で、フレア装置50から大気中へ排出される。
【0063】
フレアガスは、排出された燃焼用空気の柱133の中へ内向きに、約10°乃至約90°の範囲、好ましくは約25°乃至約45°の範囲の角度で、好ましくはフレア装置50から大気中へ排出される。最も好ましくは、フレアガスは、排出された燃焼用空気の中へ内向きに約35°の角度でフレア装置50から大気81中へ排出される。
【0064】
上記のように、一体化された燃焼用空気の柱133がフレア装置から大気中へ排出される。燃焼用空気は、燃焼用空気の中心部分152に向かって内側に向けられた燃焼用空気の外側環状部分154を除いて、フレア装置50から大気中へ軸方向に排出される。フレアガスは、排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ、フレア装置50から大気81中に排出される。1つの構成では、フレアガスは、排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ、旋回する環状パタ−ンでフレア装置50から大気81中に排出される。排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ、環状パタ−ンでフレアガスを旋回させることにより、燃焼用空気排出口より上に低圧帯が生成され、それによって燃焼用空気排出口より上の圧力を低下させる。
【0065】
次に図14A及び14Bを参照すると、本発明のフレア装置によって、本発明の方法に従って生成される火炎が示される。図14Aは、フレア装置50によって、本発明の方法に従って生成される火炎のパターンを示す。示されるように、火炎の基部での初期の迅速な混合によって、火炎は、比較的短く、真っ直ぐで、煙を出さない。
【0066】
図14Bは、本発明のフレア装置50によって生成することができるフレアガスの体積分率の等高線を示す断面図である。より詳細には、図14Bは、フレアガスが燃焼生成物及び/又は外部大気中の空気に溶け込むことができる程度を示す、プロパンの周囲の流体との混合の計算流体力学シミュレ−ションである。フレアガスの全てが、フレアガス排出口114から排出されると、急速且つ効率的に燃焼用空気及び/又は外部大気中の空気と混合されることができる。図14Bに示すように、排出された燃焼用空気の中央の柱133は、火炎エンベロ−プの真ん中に(示された濃度領域の間に)ある。燃焼用空気の柱133の長さ及び幅は、燃やされるフレアガスのタイプ、フレアガスの排出速度、及び風などの環境条件を含むプロセスの条件によって変化する。外部大気中の空気81が、火炎周辺から引き込まれる。符号260で示される等高線は、プロパンの50%の体積分率を示す。この等高線はフレアガス排出口114の近くに生じ、従って迅速な燃料の混合を示している。同様に、等高線262は、プロパンの40%の体積分率を示す。等高線264はプロパンの30%の混合物を示し、一方、等高線266はプロパンの20%の混合物を示す。最後に、等高線268は、プロパンの10%の混合物を示す。
【0067】
このように、フレアガスは、フレア装置によって排出されると、急速且つ効率的に空気と混合される。軸方向中心に空気の詰まったコアを有するよく混合された希薄な排出物が、急速に形成される。本発明によれば、一体化された燃焼用空気の柱を火炎エンベロ−プの中心に直接排出することによってより良好な混合が達成されることが発見された。一体化された燃焼用空気の柱を火炎エンベロ−プの中心に直接排出することによって達成される全体的な混合は、多くの状況で、燃焼用空気とフレアガスの両方を火炎エンベロ−プの中心に排出することによって達成される全体的な混合よりも良好である。
【0068】
燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134を通って排出された一体化された燃焼用空気の柱133の質量は、それによって燃焼用空気の柱の大部分が少なくとも最初に直面する排出されたフレアガスの部分を上方へ貫通するのに十分である。これは、中央の燃焼用空気の流れが、フレアガスに対して伸ばされた又は長形のトロイド(ドーナツ)形状を作り出すことができることを保証するのに役立つ。排出された燃焼用空気は、内側混合面領域を作り出すために、環状フレアガス流の中央に配置される。また、ガスエンベロ−プの外側に外側面が作り出され、そこで外部大気中の空気が混合のために火炎に引き込まれる。このように、2つの異なる混合面が、空気をフレアガスと混合するために作り出される。排出された燃焼用空気は、初期にフレアガス又は火炎エンベロ−プによって容易に覆われ又は封入されず、それにより大量の排出された燃焼用空気が、中央に送られ、フレアチップの排出端部から更に離れ、火炎エンベロ−プの長さの全体にわたってフレアガスと混合されることが可能になる。空気の表面積を増大することによって、空気へのガスの混合速度もまた増大される。
【0069】
完全な無煙の燃焼が起こることを可能にするフレアガスと空気との理論混合比を達成するために提供されなければならない燃焼用空気の量は、他のフレア装置に関して必要とされる燃焼用空気の量よりも実質的に少なくなり得る。例えば、プロパンを燃焼する場合、従来のチップにおける無煙火炎のために必要な空気の量は約30%の化学量論比である。本発明のフレア装置は、例えば、同じ作業を達成するために、約13%の化学量論比を使用し得る。これは、所要の空気流と、流れに所要の空気流を届けるのに必要とされるブロワーを駆動するために必要な電力との両方を著しく低減する。
【0070】
本発明のフレア装置及び方法は、大量のフレアガスを効率的且つ効果的に燃やすために使用することができる。多種多様なガスを燃やすことができる。例えば、本発明のフレア装置は、低分子量(40の以下の分子量を有するガスを含む)を燃やす必要があるエチレン工場及び他の施設に関して非常に有効である。本発明のフレア装置及び方法は、グラウンドフレア、ユーティリティーフレア、及び、良く混合された又は無煙の火炎がそれに関連して必要とされる他のいかなるフレアをも含む、ほとんどのタイプのフレアと関連することができる。
【0071】
本発明のフレア装置は、デザインがシンプルで、製造が容易である。
【0072】
本発明を更に説明するために、以下の実施例を提供する。
【0073】
(実施例)
本発明のフレア装置50は、約38100キログラム/時間(約84,000ポンド/時間)のプロパンを、プロパンの完全燃焼のために理論的に必要とされる理論空気量の約13%を示す、約963立方メートル/分(約34,000標準立方フィ−ト/分)の空気で、煙を出さずに燃焼するように操作された。図14Aに示される火炎の外形が作り出された。従来の空気フレアの技術は、理論的な化学量論比の約30%又は2倍以上の空気を必要としてきた。換言すれば、本発明の技術は、無煙の動作を達成するのに従来の空気量の約半分を必要とした。
【0074】
したがって、本発明は、目的を達成し、記載された目標及び効果だけでなく発明に内在する目標及び効果を達成するのによく適合している。
【背景技術】
【0001】
ガスフレアは、一般に、製造施設、精製所、処理工場などにおいて、通気の要求、操業停止、不調及び/又は非常事態によって進路を変えられた可燃性廃ガス及び他の可燃性ガス流を処理するために設置される。このようなフレアは、しばしば無煙の方法で作動するように義務付けられており、無煙の方法は、排出されて燃焼される可燃性ガス(「フレアガス」)がガスを十分に酸化するのに十分な空気と混合されることを確実にすることによって達成されてきた。典型的なフレア装置は、地面より上に高く伸びることができるフレアスタックと、フレアスタックに取り付けられたフレアチップとを含む。
【0002】
エアアシストフレアでは、フレアスタックを通して空気を上へ吹きつけるために、単数又は複数のブロワーが使用される。蒸気アシストフレアでは、フレア装置の周りからの空気を増やすべく、必要な原動力及びエントレインメントエネルギ−を提供するために蒸気が使用される。所望の結果を達成するために、押込空気及び蒸気の両方を利用するフレアもある。
【0003】
煙を除去するか又は著しく減少させるように設計され、操作されることに加えて、フレアは、内面燃焼が防止されるように設計され、操作されることを必要とする。内面燃焼、すなわち、フレアチップ及び他の構造物の内部でのフレアガス及び空気の一部の燃焼は、フレア装置の耐用年数を相対的に短くすることがある。フレア装置又はその一部を修理及び/又は交換することは費用がかかり、結果として対応する施設又は工場の、損失の大きい中断になる可能性がある。
【0004】
エアアシストフレアチップでは、ブロワー又はファンによって、フレアチップの下部を通して空気が吹き込まれる。所望の燃焼の度合いを達成するために必要とされる空気の化学量論量は、用途によって異なる。結果として、ブロワー又はファンの数及びその馬力はフレアによって異なる。フレアガスの流量は、フレアガスを排出させるものによって異なる。通常は、施設又は工場内で生成されるか又は使用される全可燃性ガスの比較的小さい割合のみが常時排出される。一方、多くの用途で、フレア装置は工場又は施設のすべての操業停止に対応するように設計される必要があり、大量の可燃性ガスが比較的短時間で排気されることを必要とする。したがって、多くのフレアは、比較的高流量のフレアガスに対応するべく設計され、必要なブロワーの数及び寸法を含む。
【0005】
典型的なフレアチップでは、空気及びフレアガスは、概ね同軸で大気中に排出される。このようなフレアチップは、乱流及び拡散に依存して、安定した燃焼プロセスのために空気及びガスを十分に混合する。残念なことに、このような混合システムは、すべての用途で可能な限り効率的であるとは限らない。フレアガス流の外側にある外部大気中の空気は、風及び他の要素によってフレアガスとの混合を阻止されることがある。
【0006】
あるフレアでは、フレアガスはフレアチップから排出された燃焼用空気の流れの内部に注入され、排出された燃焼用空気をいくつかの特定部分へと分割する。フレアガスはまた、排出された燃焼用空気/フレアガスの流れの周りに環状に注入される。フレアチップに隣接する火炎エンベロ−プの内部に直接フレアガスを与えるという点で、この方法は有効である。予備混合され又は曝気された流れは、フレアチップの排出口に直接隣接し且つ火炎エンベロ−プの内部で生成される。しかしながら、本発明によれば、ある状況では、フレアガス又は火炎エンベロ−プが、混合プロセスの早い段階で、予備混合され又は曝気された流れの流出を明らかに制限又は阻止することがあることが発見された。これにより、フレアチップの排出端部から更に離れている火炎エンベロ−プの中へ混合されることができる排出された燃焼用空気の量が最小化される可能性がある。
【0007】
また、フレアガス及び燃焼用空気を、ガス及び空気がフレア装置から排出されて点火される前に、フレア装置の内部で予備混合することも可能である。しかしながら、ある用途では、この方法は内面燃焼につながり、フレアチップの耐用年数を著しく短くする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明によれば、フレアガスを大気中に排出して燃焼させるフレア装置が提供される。本発明のフレア装置と関連して使用するために、改良されたフレアチップが提供される。フレアガス及び燃焼用空気をフレア装置から排出する前に、フレアガスの大部分をフレア装置の内部で燃焼用空気と予備混合しないで、フレアガスと燃焼用空気との混合物をフレア装置の中で燃やす方法も提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のフレアチップは、フレアガス導管と、フレアガス導管に結合された燃焼用空気導管とを含む。フレアガス導管は、第1端部と、第2端部と、第1端部を第2端部に接続する側壁とを含み、フレアガス導管は、流体が流れるようにフレアガス源に接続されるべく適合され、フレアガス導管の第2端部は、フレアガス排出口を画定する。フレアガス導管及びフレアガス排出口は、フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てがフレアガス排出口から排出されることを可能にするのに十分な寸法である。燃焼用空気導管は、第1端部と、第2端部と、第1端部を第2端部に接続する側壁とを含み、前記燃焼用空気導管は、流体が流れるように燃焼用空気源に接続されるべく適合され、前記燃焼用空気導管の前記第2端部は、燃焼用空気排出口を画定する。燃焼用空気導管は、一体化された燃焼用空気の柱を燃焼用空気排出口から排出させる構造を有する。
【0010】
本発明のフレア装置のフレアガス排出口及び燃焼用空気排出口は、フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの本質的に全てが、フレアガス排出口を通って、燃焼用空気排出口から排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに排出されることができるように、且つ、排出されたフレアガスの本質的に全てが、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と燃焼用空気導管及びフレアガス導管の外で混合されることができるように、互いに対して配置される。
【0011】
本発明の方法は、以下のステップ、
(a)一体化された燃焼用空気の柱がフレア装置から大気中へ排出されるステップと、
(b)排出されたフレアガスの本質的に全てが、排出された燃焼用空気及び外部大気中の空気とフレア装置の外で混合されるように、フレア装置によって燃やされるフレアガスの本質的に全てが、フレア装置から大気中へ、且つ、排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに排出されるステップと、
(c)排出されたフレアガスと排出された燃焼用空気と外部大気中の空気との混合物が点火されるステップと
を含む。
【0012】
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明を読むことによって直ちに当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来技術のフレア装置の正面断面図である。
【図2】図1の線2−2に沿った断面図である。
【図3】本発明のフレア装置の一構成の正面立面図である。
【図4A】図3に示されるフレア装置のフレアチップの斜視図である。
【図4B】図4Aに示されるフレア装置の正面断面図である。
【図4C】図4Bの線4C−4Cに沿った断面図である。
【図4D】図4Bの線4D−4Dに沿った断面図である。
【図4E】燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差と燃焼用空気導管の水力直径とを示す、図4A〜4Dに示されるフレア装置の一部の拡大詳細図である。
【図5A】本発明のフレア装置の更なる構成を示す正面断面図である。
【図5B】本発明のフレア装置の更なる構成を示す正面断面図である。
【図6A】本発明のフレア装置の他の構成を示す正面断面図である。
【図6B】図6Aに示されるフレア装置の一部の拡大詳細図である。
【図7A】本発明のフレア装置の他の構成を示す正面断面図である。
【図7B】図7Aに示されるフレア装置の一部の拡大詳細図である。
【図8A】フレアガスがどのように旋回させられることができるかを示す、図4A〜4Eに示されるフレア装置の正面断面図である。
【図8B】図8Aの線8B−8Bに沿った断面図である。
【図9A】関連する流れメカニズムを説明するために本発明のフレア装置に関連して使用することができる3D座標系を更に示す。
【図9B】関連する流れメカニズムを説明するために本発明のフレア装置に関連して使用することができる3D座標系を更に示す。
【図9C】関連する流れメカニズムを説明するために本発明のフレア装置に関連して使用することができる3D座標系を更に示す。
【図10A】本発明のフレア装置の他の実施形態を示す正面断面図である。
【図10B】図10Aの線10B−10Bに沿った断面図である。
【図11】本発明のフレア装置の更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図12】本発明のフレア装置の代替的な構成を示す。
【図13】本発明のフレア装置の代替的な構成を示す。
【図14A】本発明のフレア装置によって生成される火炎のパターンを示す。
【図14B】本発明のフレア装置の計算流体力学シミュレーションによって推定されるフレアガス体積分率の等高線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面、特に図1及び2を参照すると、使用されるフレア装置の実施例は、全体として符号10で表わされる。図1に示されるように、フレアチップ12は、フレアスタック14の頂端部と、フレアチップ12に可燃性ガス流を送るためにフレアスタック14を通って延びる可燃性ガス導管16とに取り付けられる。パイロット組立体18が、フレア装置から排出された空気と可燃性ガスとの混合物に点火するためにフレア装置10に取り付けられる。
【0015】
従来技術のフレア装置10は、排出端部22を有する外側管状部材20から成る。燃焼用空気ブロワー24が、フレアスタック14に取り付けられる。矢印23で示されるように、ブロワー24は空気を、フレアスタック14を通し、フレアチップ12内を通して上方へ移動させる。排出端部28を有する第1の内側管状部材26が、外側管状部材20の内部に配置され、第1の内側管状部材と外側管状部材との間に環状の空気排出空間30を形成する。排出端部34を有する第2の内側管状部材32が、第1の内側管状部材26の内部に配置される。第2の内側管状部材32は、第2の内側管状部材と第1の内側管状部材26との間に環状の可燃性ガス排出空間36を形成する。可燃性ガス排出空間36は、環状空気排出空間30に直接隣接して設けられる。第2の内側管状部材32はまた、付加的な空気排出空間40として好ましくは機能する内部空間38を含む。複数の空気そらせ板42及び44が、環状空気排出空間30及び空気排出空間40の内部に配置される。
【0016】
矢印46で示されるように、可燃性ガスは、可燃性ガス排出空間36から大気中に、真っ直ぐ出る環状のパターンで、すなわち、フレア装置10の垂直中心軸(縦軸)47に概ね平行な方向に排出される。そらせ板42及び44は、空気排出空間30及び40から排出された空気を、可燃性ガスに直接隣接して旋回させ、それにより、排出された空気と周囲空気とがフレア装置内部の可燃性ガスの中に侵入して可燃性ガスと混合するのを防止し、フレア装置内で燃焼するのを防止する。
【0017】
図面の図1及び2に示される従来技術のフレア装置は、1998年12月8日に発行され、引用により本願明細書に含まれるものとする米国特許5,846,068号に記載され、図示される。このようなフレア装置は多くの用途に有効であるが、異なる又は補足的な混合メカニズムが望ましい場合がある。
【0018】
本発明によれば、フレア装置の外でのフレアガスと空気の迅速な混合は、非常に効率的な方法で達成することができる。利用される混合方法は、フレアガス及び燃焼用空気が、フレア装置からガス及び空気を排出する前に、フレア装置の内部でフレアガス及び燃焼用空気の大部分を予備混合しないで、効果的且つ効率的に混合されることを可能にする。
【0019】
次に図3を参照すると、大気中にフレアガスを排出して燃焼させるための本発明のフレア装置が図示され、全体として符号50で表わされる。フレア装置50は、フレア基部52、フレアスタック54、フレアチップ56、フレアガス配送管58、パイロット組立体60、及び燃焼用空気ブロワー62を含む。
【0020】
フレア基部52は、基部プラットフォーム70と、基部プラットフォームから延びる複数の基部ア−ム72とを含む。基部プラットフォーム70は、地面又は何らかの構造体(図示せず)に取り付けることができる。基部ア−ム72は、フレアスタック54に取り付けられ、フレアスタックの下部から直接空気が導き入れられることを可能にするために、フレアスタックを地面から離して保持する。
【0021】
フレアスタック54は、円形横断面を有する導管である。フレアスタックは、第1端部74と、第2端部76と、第1端部を第2端部に接続する側壁77とを含む。燃焼用空気は、第1端部74を通ってフレアスタック54の内部78へ、フレアスタックの内部通ってフレアチップ56の内部80へ送られる。従来の連結フランジ79が、フレアスタック54の第2端部76に取り付けられる。
【0022】
燃焼用空気ブロワーは、フレアスタック54の内部78に、フレアスタック54の第1端部74に隣接して取り付けられる。ブロワーは、フレアスタック54の第1端部74の周りの大気81からの外気を、フレアスタック54の内部78及びフレアチップ56の内部80を通して強制的に送り込む。
【0023】
フレアガス配送管58もまた、円形横断面を有する導管である。フレアガス配送管58は、フレア装置50によって放出されるフレアガス源(図示せず)に直接又は間接的に取り付けられた第1端部82と、フレアチップ56に取り付けられた第2端部84とを含む。フレアガスは、フレアガス配送管58の内部87を通ってフレアチップ56に送られる。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「フレアガス」は、フレア装置50によって排出されて燃焼される可燃性ガスを意味する。
【0024】
パイロット組立体60は、フレア装置50に取り付けられたパイロット燃料導管88と、パイロット燃料導管に結合された従来のパイロットガス・空気ミキサ−90と、パイロットバーナー92とを含む。パイロット燃料は、パイロット燃料源(図示せず)から導管88(導管88a)を通ってミキサ−90へ送られる。ミキサ−90は、パイロット燃料を空気と混合する。パイロット燃料と空気との混合物は、ミキサ−90から導管88(導管88b)を通ってパイロットバーナー92へ送られる。パイロット点火装置(図示せず)が、点火火炎(図示せず)を生成するために、フレア装置50に取り付けられた点火導管94に接続される。点火火炎は、点火導管94を通ってパイロットバーナー92に送られる。図3は1つのパイロット組立体60のみを示すが、当業者には、燃やされるガスの量及び他の要素に応じて2つ以上のこのような組立体を使用できることが理解されるであろう。
【0025】
次に図4A〜4Eを参照すると、フレアチップ56は、フレアガス導管100と、燃焼用空気導管102とを含む。フレアチップ56、フレアガス導管100、及び燃焼用空気導管102はそれぞれ、垂直な中心軸103、104、及び105を含む。垂直中心軸103、104、及び105はまた、各々がそれぞれの導管の縦軸である。図11に示される実施形態を除いて、フレア装置50、フレアガス導管100、及び燃焼用空気導管102の垂直中心軸(縦軸)103、104、及び105は一致する。フレアガス導管100はまた、垂直中心軸104と概ね平行である垂直な外側軸107を含む。同様に、燃焼用空気導管102はまた、垂直中心軸105と概ね平行である垂直な外側軸109を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、例えば「垂直」及び「水平」などのフレア装置50と関連して使用される方位に関する用語は、図面に示されるようにフレア装置の方位に基づく。
【0026】
フレアガス導管100は、円形横断面を有し、内部106と、第1端部108と、第2端部110と、フレアガス導管の第1端部をフレアガス導管の第2端部に接続する側壁112とを含む。フレアガス導管100の第2端部110は、フレアガス排出口114を画定する。フレアガス導管100及びフレアガス排出口114は、フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てがフレアガス排出口を通って排出されることを可能にするのに十分な寸法である。側壁112のフレアガス排出口114に隣接する部分115が、燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって内向きに先細になっている。フレアガス導管100の側壁112は、側壁112内に開口部116を含む。フレアガス配送管58の第2端部84は、フレアガス導管100の側壁112に、側壁にある開口部116を覆って取り付けられ、それによってフレアガスがフレアガス配送管の内部87からフレアガス導管の内部106へ送られることを可能にする。フレアガス導管100の第1端部108は、開口部120を有する底壁118を含む。
【0027】
燃焼用空気導管102は、円形横断面を有し、内部126と、第1端部128と、第2端部130と、フレアガス導管の第1端部をフレアガス導管の第2端部に接続する側壁132とを含む。燃焼用空気導管102の第2端部130は、燃焼用空気排出口134を画定する。燃焼用空気導管102は、一体化された燃焼用空気の柱133を燃焼用空気排出口134から排出させる構造を有する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、一体化された燃焼用空気の柱は、その中に大量のフレアガスを含まない燃焼用空気の流れ又は柱(すなわち、フレア装置から排出される前にフレア装置の内部で燃焼用空気とフレアガスとの可燃性混合物を形成するのに十分な量のフレアガスを含まなかった燃焼用空気の流れ又は柱)を意味する。大量のフレアガス(すなわち、燃焼用空気導管102の内部で燃焼用空気とフレアガスとの可燃性混合物を生成するのに十分であるか又は十分であろう量のフレアガス)が、燃焼用空気導管102内で燃焼用空気と混合されることも、燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気の柱の内部に直接燃焼用空気導管102の内部から注入されることもない。好ましくは、フレアガスは、燃焼用空気導管102内で燃焼用空気と混合されることも、燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気の柱の内部に直接燃焼用空気導管102の内部から注入されることもない。
【0028】
側壁132の燃焼用空気排出口134に隣接する部分135が、燃焼用空気導管102の垂直中心軸105及び全体的なフレアチップ56の垂直中心軸103に向かって内向きに先細になっている。燃焼用空気導管102の第1端部128は、第1端部128に取り付けられたフランジ136を含み、フランジ136はフレアスタック54の第2端部76に取り付けられたフランジ79と相補的である。フランジ136は、燃焼用空気導管の内部126がフレアスタックの内部78と流体連通するように、燃焼用空気導管102の第1端部128をフレアスタック54の第2端部76に密封して接続するためにフランジ79に接続される。
【0029】
燃焼用空気導管102は、燃焼用空気導管の第2端部130がフレアガス導管の第2端部110を僅かに越えて延びるように、フレアガス導管100内に配置される。言い換えれば、燃焼用空気導管102の高さは、フレアガス導管100の高さよりわずかに大きい。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、フレアガス導管100、燃焼用空気導管102、又は他のいかなる部品の「高さ」も、導管がフレアチップ56の垂直中心軸103に沿って大気81中に延びる範囲を意味する。燃焼用空気導管102は、フレアガス導管100内に最後まで延びてはいない。詳細には、燃焼用空気導管の第1端部128がフレアガス導管の第1端部108より下に配置されるように、燃焼用空気導管はフレアガス導管100の底壁118にある開口部120を通って延びる。燃焼用空気導管102は、フレアガス導管100の内部で少なくとも部分的に同心状に配置される。
【0030】
フレアガス導管100の中への燃焼用空気導管102の位置付けによって、環状のフレアガス排出空間140が、フレアガス導管の内部106で燃焼用空気導管の周りに延在する。燃焼用空気導管102の内部126は、燃焼用空気排出空間142として機能する。ガスケット146が、側壁132と開口部120の縁147との間にシ−ルを形成してフレアガスがそれを通って漏出するのを防止するために、フレアガス導管100の底壁118内にある開口部120の縁147に又は縁147に隣接して含まれる
図4A及び4B(更に、後述する図8A、11及び14B)に矢印150で示されるように、一体化された燃焼用空気の柱133は、燃焼空気路102の燃焼用空気排出空間142(内部126)を通って送られ、その燃焼用空気排出口134を通って大気81に排出される。燃焼用空気排出空間142(内部126)内の燃焼用空気の中心部分152は、燃焼用空気排出口134から軸方向に排出される。燃焼用空気排出空間142(内部126)内の燃焼用空気154の外側環状部分は、燃焼用空気排出口134に隣接する側壁132の内向きに先細にされた部分135によって、燃焼用空気の中心部分152に向かって内側に向けられる。更に以下に述べるように、燃焼用空気の柱は、燃焼用空気排出口134を通って大気81に排出された時点では一体化された燃焼用空気の柱であるが、一旦燃焼用空気排出口を通って排出されると、フレアガス排出口114からのフレアガスとの混合によって、必ずしも一体化されたままではない。燃焼用空気の柱133は、燃焼用空気排出口134を通って排出された後、必ずしも一体化された燃焼用空気の柱ではないが、燃焼用空気が消費されるまで上方へ火炎を貫通する。
【0031】
フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスの本質的に全ては、フレアガス導管100の環状フレアガス排出空間140(内部106)を通って送られ、フレアガス流162として、フレアガス導管のフレアガス排出口114を通って大気81に排出される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、排出されるフレアガスの「本質的に全て」は、フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスの僅かな部分を除くその全て(すなわち、フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスのうち、燃焼用空気導管102の内部で燃焼用空気とフレアガスとの可燃性混合物を生成するのにとうてい十分ではない量のフレアガスを除くすべて)を意味する。言い換えれば、燃焼用空気導管102の内部で燃焼用空気と混合された、フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスは、燃焼用空気導管の中で可燃性混合物を形成するのに十分でない。好ましくは、図面に矢印160で示されるように、フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスの全て(100%)は、フレアガス導管100の環状フレアガス排出空間140(内部106)を通って送られ、フレアガス流162として、フレアガス導管のフレアガス排出口114を通って大気81に排出される。
【0032】
フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134の互いに対する位置付けとフレアガス導管100の側壁112の内向きに先細にされた部分115とによって、フレアガス流162は、燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ内向きに(燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって)フレアガス排出口114を通って排出される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気の柱133の「周り」は、燃焼用空気の柱を完全に囲むこと、燃焼用空気の柱を部分的に囲むこと、又は燃焼用空気の柱を断続的に囲むことを意味する。図示のように、フレアガス流162は、好ましくは燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気の柱133の周りに完全に環状のパタ−ンで、フレアガス排出口114を通って排出される。
【0033】
フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134の互いに対する位置付けによって、フレアガス流162は、燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ内向きに、排出されたフレアガスを排出された燃焼用空気と混合させるように、フレアガス排出口114を通って排出される。フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134の互いに対する位置付けによって、排出されたフレアガス本質的にすべて(すなわち、フレア装置50によって排出されるフレアガスのうち、燃焼用空気導管102の内部で燃焼用空気とフレアガスとの可燃性混合物を生成するのにとうてい十分ではないであろう量のフレアガスを除くすべて)が、排出された燃焼用空気か又は外部大気中の空気と燃焼用空気導管102及びフレアガス導管100の外で混合される。フレア装置50によって排出されて燃焼されるフレアガスと燃焼用空気とは、フレア装置からフレアガス及び燃焼用空気を排出する前にフレア装置の内部で(例えば、燃焼用空気導管102又はフレアガス導管100の中で)フレアガスの大部分(すなわち、可燃性混合物を形成するのに十分な量のフレアガス)を燃焼用空気と予備混合しないで、互いに十分に混合される。フレアチップ56の排出端部の外周部は、空気及びガスの混合点として使用される。このようにして、例えば、内面燃焼及びフラッシュバックを最小にするか又は防止することができる。
【0034】
フレアガスが燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気の柱133の中へ内向きに(燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって)フレアガス排出口114から排出されるという事実によって、排出されたフレアガス流162の大部分(好ましくは大半)は、燃焼用空気の柱133に入り込む。これにより、排出されたフレアガス流162は、排出された燃焼用空気流又は柱133によって破砕されるか又は細切れにされ、排出されたフレアガスの本質的に全てと排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気との燃焼用空気導管の外での迅速且つ効率的な混合が促進される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、外部大気中の空気は、フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134の周りの大気からの空気を意味する。混合プロセスを燃焼用空気導管102及びフレアガス導管100の外で起こさせることによって、フレアガス流は、一方の側で燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気に曝され、他方の側で大気81からの外気にさらされる。2つの異なる空気混合面がフレアガスに対して提供される。環状ガス流はいまやその内側及び外側の界面の両側に空気があるので、これにより実質的にガス及び空気の界面積がおよそ2倍になる。外気は、排出されたフレアガス及び燃焼用空気流に引き込まれる。排出されたフレアガス流162の速度は、混合物に空気を引き込むのを助ける。排出及び混合の時点で、大量の空気が利用可能である。結果として、非常に迅速且つ効率的な混合プロセスが起こる。
【0035】
燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134を通って排出される一体化された燃焼用空気の柱133の質量は、それによって燃焼用空気の柱の大部分が少なくとも最初に直面する排出されたフレアガスの部分を上方へ貫通するのに十分である。結果として、排出された燃焼用空気は、早い段階で容易にフレアガスによって覆われず、それにより大量の排出された燃焼用空気がフレアガスに送られ、フレアチップの排出端部から更に離れてフレアガスと混合されることが可能になる。
【0036】
燃焼用空気導管102の第2端部130は概ね、フレアガス導管100の第2端部110と隣接している。燃焼用空気導管102の高さは、フレアガス導管100の高さと等しいか、より大きいか、より小さいことができる。しかしながら、フレア装置からフレアガス及び燃焼用空気を排出する前に、フレアガスの大部分がフレア装置50の内部で燃焼用空気と混合されないことを保証するために、燃焼用空気導管102の高さに対するフレアガス導管100の高さは限定される。詳細には、燃焼用空気導管102の高さがフレアガス導管100の高さより小さい場合、燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差の比は0.05以下である。好ましくは、燃焼用空気導管102の高さがフレアガス導管100の高さより小さい場合、燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差の比は0.02以下である。より好ましくは、燃焼用空気導管102の高さは、フレアガス導管100の高さ以上である。最も好ましくは、燃焼用空気導管102の高さはフレアガス導管100の高さより大きく、燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差の比は約0.01である。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、燃焼用空気導管102の水力直径は、燃焼用空気導管の断面積の4倍を燃焼用空気導管の濡れ縁長さ(すなわち、燃焼用空気排出口134の周囲の長さ)で除したものによって定められる。図4A〜4Eに示されるように燃焼用空気導管が円形断面を有する場合、水力直径は燃焼用空気導管の直径と同じである。
【0037】
図4A、4B及び4Eに示されるように、図示されるフレア装置50の燃焼用空気導管102の高さは、フレア装置のフレアガス導管100の高さよりわずかに大きく、すなわち、燃焼用空気導管は、フレア装置の垂直中心軸104に沿って大気81中に、フレアガス導管がフレア装置の垂直中心軸に沿って大気中に延びるよりも更に少し延びている。図4Eを詳細に参照して、図示されたフレア装置50における燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差の比を説明する。図4Eに「L」で示される燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差が9.53ミリメートル(0.375インチ)であり、図4Eに「D」で示される燃焼用空気導管の水力直径が75.2センチメートル(29.625インチ)であると仮定すると、燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管との高さの差の比は約0.01である。燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との相対的高さは、先に述べたパラメ−タの範囲で変えることができる。
【0038】
フレアガス導管100の側壁112のフレアガス排出口114に隣接する部分115は、好ましくは、図面に角度アルファ(α)として示される約10°から約90°までの範囲の角度で、フレアガス導管の垂直外側軸107から燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって内向きに先細になっている。角度アルファ(α)は、より好ましくは、約25°から約45°までの範囲にある。角度アルファ(α)が約25°以上であるとき、より大きな混合度が生じることができる。燃焼用空気をフレアチップに送り込むことができない場合、例えば、動力損失の場合には、約45°以下の角度アルファ(α)が逆流のないフレアの動作を保証するのを助ける。逆流は、地表面において不燃焼可燃性ガスの望ましくない危険な状態を引き起こす可能性がある。図4A〜4Eに示される実施形態では、図4Bに最もよく示されるように、角度アルファ(α)は約35°である。角度アルファ(α)は、図面に示されるように、フレアガスが燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気の中へ内向きにフレアガス排出口114から大気81の中へ排出される角度に概ね対応する。
【0039】
燃焼用空気導管102の側壁132の燃焼用空気排出口134に隣接する部分135は、好ましくは、図面に角度ベ−タ(β)として示される約10°から約90°までの範囲の角度で、燃焼用空気導管の垂直外側軸109から燃焼用空気導管の垂直中心軸105に向かって内向きに先細になっている。より好ましくは、角度ベ−タ(β)は、角度アルファ(α)から約15°以内にあり、且つ、約45°より小さい。図4A〜4Eに示される実施形態では、最もよく図4Bに示されるように、角度ベ−タ(β)は約35°である。角度ベ−タ(β)は、図面に示されるように、燃焼用空気の外側環状部分154が燃焼用空気排出口134から大気81中に排出される角度に概ね対応する。側壁132の部分135を燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって内向きに先細にする目的は、燃料及び空気の混合を補助するためである。燃焼用空気の柱にフレアガスを誘導するのをある程度助ける縮流部(ベナコントラクタ)が作られてもよい。
【0040】
図3〜7Bに示される構成では、単一のフレアガス配送管58が、フレア装置50によって放出されるフレアガスをフレアチップ56に送るために利用される。フレアガスは、フレアガス配送管58の内部87を通り、フレアガス導管の側壁112の開口部116を通り、環状フレアガス排出空間140に送られる。フレアガス排出口114を通って大気中へ排出される前に、フレアガスが環状フレアガス排出空間140の全体にわたって極めて均一に分配されることを保証するために、フレアガス導管100は流量分布部材170を更に備える。図面に示される実施形態では、流量分布部材170は、燃焼用空気導管102の側壁132の外側174に取り付けられた環状板172である。環状板172は、好ましくは燃焼用空気導管102の側壁132に取り付けられ、フレアガス導管100の側壁112にある開口部116の最上部176に隣接して、環状フレアガス排出空間140の内部に配置される。環状板172は、環状フレアガス排出空間140の中へ約半分だけ、燃焼用空気導管102の側壁132から垂直に延伸し、それにより、環状板172の最外縁180とフレアガス導管100の側壁112の内側182との間にすきま178を残している。したがって、フレアガスがフレアガス配送管58によってフレアガス導管100の側壁112内に開口部116を通って環状フレアガス排出空間140に送られるとき、環状板172は燃焼用空気導管102の周りで環状フレアガス排出空間の全体にわたってフレアガスを分散させるのを助ける。分散したフレアガスは、環状板172の最外縁180と燃焼用空気導管102の側壁112との間の環状すきま178を通過し、最終的にフレアガス排出口114を通って大気中に出る。
【0041】
次に図5A、5B、6A、6B、7A及び7Bを参照して、フレアガス導管100及び燃焼用空気導管102の様々な構成を説明する。
【0042】
図5A及び5Bは、燃焼用空気導管102の高さがフレアガス導管100の高さより小さい場合の燃焼用空気導管102の高さに対するフレアガス導管100の高さの変化を示す。図5では、燃焼用空気導管の水力直径に対する燃焼用空気導管とフレアガス導管100との高さの差の比は約0.05である。図5Bでは、燃焼用空気導管102の水力直径に対する燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差の比は約0.02である。例えば、図5Aに示される構成では、図5Aに「L」で示される燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差は3.81センチメートル1.27センチメートル(1.5インチ)であり、図5Aに「D」で示される燃焼用空気導管102の水力直径は75.2475センチメートル(29.625インチ)である。図5Bに示される構成では、図5Bに「L」で示される燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差は(0.5インチ)であり、図5Bに「D」で示される燃焼用空気導管の水力直径は75.2475センチメートル(29.625インチ)である。図5Aに示される構成及び図5Bに示される構成の両方において、燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との相対的高さは、フレア装置50からフレアガス及び燃焼用空気を排出する前にフレアガスの大部分がフレア装置50の内部で燃焼用空気と混合されるようになってはいない。
【0043】
また、フレアガス導管100の側壁112の内側182と燃焼用空気導管102の側壁132の外側174との間の水平距離、すなわち、環状フレアガス排出空間140の幅186は変えることができる。幅186を減少させることにより、フレア装置50の性能が無煙性能のために最適化されることを可能にしてもよい。幅186を増大することにより、より大きい水理学的容量を可能にしてもよい。
【0044】
図6A、6B、7A及び7Bは、角度アルファ(α)及び角度ベ−タ(β)がどのように変わることができるかを示す。図6A及び6Bに示される構成では、角度アルファは75°であり、角度ベ−タは75°である。図6Bに最もよく示されるように、図6A及び6Bに示される構成では、燃焼用空気導管102の高さはフレアガス導管100の高さより小さい。燃焼用空気導管102の直径に対する燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差の比は約0.01である。
【0045】
図7A及び7Bは、角度アルファ(α)が20°であり、角度ベ−タ(β)が20°である構成を示す。この場合もやはり、7Bに最もよく示されるように、燃焼用空気導管102の高さはフレアガス導管100の高さより大きい。燃焼用空気導管102の直径に対する燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差の比は約0.01である。
【0046】
次に図8A及び8Bを参照して、フレア装置50の他の構成を図面と記載により説明する。この構成では、フレアガスに半径方向速度を与え、フレアガスを環状フレアガス排出空間140の中で旋回させて、フレアガス排出口114から渦巻き模様で排出させるために、フレアガスは、フレアガス導管100の垂直中心軸104に対してある角度でフレアガス導管100に注入される。フレアガスをフレアガス排出口114から渦巻き模様で排出させることにより、燃焼用空気排出口134を通って排出された燃焼用空気柱133の周り及び中でフレアガスが旋回させられる。旋回するフレアガスは、軸方向速度、半径方向速度、及び接線速度を有する。
【0047】
図8A及び8Bに示される構成では、フレアガス導管100の側壁112は、各々がフレアガス導管100の側壁112から外側に延びる一対の接線方向の入口190を含む。各入口190は、各入口190に取り付けられたフランジ192を含む。別個のフレアガス配送管58(図示せず)を、各入口190と接続して使用することができる。詳細には、各フレアガス配送管58の第2端部84は、第2端部84に取り付けられたフランジを含むことができ、このフランジは、フレアガス配送管を環状フレアガス排出空間140に流体が流れるように接続するために、対応する入口190のフランジ192に取り付けられる。図示されるように、フレアガスが入口190を通ってフレアガス導管に注入される角度は、フレアガス導管100の垂直中心軸104に対して約90°である。環状フレアガス排出空間140にあるフレアガスに接線速度を与え、フレアガスをその中で旋回させることにより、燃焼用空気排出口134の直ぐ上に低圧帯を生じ、この低圧帯が燃焼用空気排出口よりも上で静圧を低下させる。低圧帯は、大気からの燃焼用空気及び燃焼用空気の排出による燃焼用空気を低圧帯に向かって流れさせることによって、混合を促進する。このような混合は、本発明のフレア装置の無煙性能を改善する。必要に応じて1つのみの入口又は2つ以上の入口190を使用することができる。燃焼用空気の排出による燃焼用空気を、同様に旋回させることができる。例えば、旋回羽根として公知の螺旋フライト又は通路を、それを通って流れるそれぞれの流れに渦巻きを伝えるために、フレアガス導管100か又は燃焼用空気導管102に加えてもよい。空気が単独で旋回させられてもよいし、フレアガスが単独で旋回させられてもよいし、或いは、空気とフレアガスの両方が旋回させられてもよい。後者の場合、空気及びフレアガスは、同じ方向又は反対方向に旋回させられ得る。一方の流れが時計回りの方向に旋回させられ、他方が逆時計回りの方向に旋回させられる場合、対向する渦が生じる。
【0048】
図4A及び9A、9B及び9Cを詳細に参照して、先に記載された混合及び旋回のメカニズムを更に説明する。図4A、9A、9B及び9Cは、本発明のフレア装置50に対応し、フレア装置50に関連するいくつかの流れベクトルを示す三次元座標系を明らかにする。図示のように、本発明のフレア装置50は、軸方向座標(流れ成分)200と、半径方向座標(流れ成分)202と、接線座標(流れ成分)204とを含む。これらの座標(以下「流れ成分」と証する)は、図9Aに最もよく示される。軸方向の流れ成分200はそれぞれ、全体的なフレア装置、フレアガス導管100、及び燃焼用空気導管102の垂直中心軸103、104、及び105と一致する。半径方向の流れ成分202は、垂直中心軸103、104、及び105に向かって延び、且つ垂直中心軸103、104、及び105に対して垂直であり、すなわち、その延びが垂直中心軸103、104、及び105に対して90°の角度を成す。接線方向の流れ成分204は、燃焼用空気排出口134の周囲から半径方向の成分に対して90°に向けられる。これらの3つの成分は、いかなる方向の移動をも三次元で説明するのに十分であり、当業者に「円筒座標」系としてとして一般に知られる座標系に関連する。
【0049】
図9Aは、フレア装置50に関連して、三次元の流れベクトル210の軸方向、半径方向、及び接線方向の流れ成分200、202、及び204それぞれへの分解を示す。図示のように、流れベクトル210は、接線方向の成分の結果として、フレア装置50の垂直中心軸103からずらされる。或いは同等に、軸方向、半径方向、及び接線方向の流れ成分がベクトル210に対して示される原点に与えられると、ベクトル210が生じる。
【0050】
排出されたフレアガス流162が本発明のフレア装置によって排出された燃焼用空気流又は柱133に向けられるために、排出されたフレアガスは、半径方向の流れ成分を含む。燃焼用空気は、垂直中心軸104及び軸方向の流れ成分200に沿って真っ直ぐ出るパターンで燃焼用空気排出口134から排出され、比較的小さい外側環状部分154を除いて、燃焼用空気の流れの中には本質的に半径方向の成分はない。フレアガス排出口114から排出されるフレアガスの流れにおける半径方向成分の結果、排出されたフレアガスは、燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気流又は柱133に向けられ、燃焼用空気流又は柱133と混合される。
【0051】
更なる説明として、排出されたフレアガスの流れ方向がフレアガス導管100の垂直中心軸104と完全に一直線にされない場合は、接線方向の成分が存在する。フレアガスの十分な部分が燃焼用空気排出の周囲で接線方向の成分を有する場合、渦巻きの流れパターンが生成される。図9Cは、引き込みベクトル212が(典型的な)円周のまわりで対称であるときに生じる渦巻きを示す。説明の便宜上、6つのベクトル212のみが示される。図示のように、流れが、より小さい程度の半径方向に対し、更に小さい程度の接線方向に対し、主に軸方向であっても(図9Aに各成分ベクトルの寸法で示されるように)、接線方向の成分の結果として渦が生じる。要するに、排出された燃焼用空気の半径方向の成分(もしあれば)と比較して排出されたフレアガスのより大きな半径方向の成分により、排出されたフレアガスが排出された燃焼用空気に向けられ、これらの成分が軸方向の流れに重ね合わされても重ね合わされなくても、接線方向の成分の差が渦をもたらす。燃焼用空気排出口134を通る燃焼用空気の流れは主に軸方向の流れを有するので、排出されたフレアガス内にある少量の半径方向の成分でさえ混合を開始し、接線方向の成分が各々の強さに正比例して渦を生成する。
【0052】
次に図10A及び10Bを参照して、フレア装置50の代替的な構成を説明する。この構成では、円形断面の代わりに、フレアガス導管100及び燃焼用空気導管102は各々、正方形断面を有する。導管の垂直中心軸103及び104が重なるように、燃焼用空気導管102は少なくとも部分的にフレアガス導管100の内部に配置される。燃焼用空気導管102とフレアガス導管100との高さの差の比を算出するのには、燃焼用空気導管の直径ではなく水力直径が利用される。用語「水力直径」は先に定められている。円形断面及び正方形断面に加えて、フレアガス導管100及びフレア装置50の燃焼用空気導管102は、同様に他の断面形状を有することができる。
【0053】
上記のフレア装置50の構成では、燃焼用空気導管102は、少なくとも部分的にフレアガス導管100の内部に配置され、例えば、環状又は正方形のフレアガス排出空間140を燃焼用空気導管とフレアガス導管との間に作り出している。しかしながら、フレア装置の付加的な構成を利用することができる。例えば、図11に示すように、フレア装置50の燃焼用空気導管102及びフレアガス導管100は、直線状の構成を有することができる。
【0054】
図11に示すように、フレアガス導管100及び燃焼用空気導管102は各々、矩形断面を有する。燃焼用空気導管102は、フレアガス導管100に取り付けられ、フレアガス導管100に直接隣接して配置されている。フレアガス導管100の側壁112の後部220は、フレアガス導管の垂直中心面223に向かって内向きに先細になる、フレアガス排出口114に隣接する部分222含む。上記の構成のように、フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134は、本質的にフレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全て(好ましくは全て)が、燃焼用空気排出口から排出された燃焼用空気の柱133の中へフレアガス排出口を通って内向きに排出され、燃焼用空気の柱133と混合されることができるように、互いに対して配置される。フレアガス排出口114及び燃焼用空気排出口134は、本質的に排出されたフレアガスの全て(好ましくは全て)が、燃焼用空気導管102及びフレアガス導管100の外で、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と混合されるように、互いに対して配置される。フレアガス導管100の側壁112のフレアガス排出口114に隣接する部分222は、約10°から約90°までの範囲の、好ましくは約25°から約45°までの範囲の角度で燃焼用空気導管102の垂直中心軸105に向かって内向きに好ましくは先細になっている。
【0055】
図12及び13は、全体的なフレア装置50の代替的な構成を示す。図12及び13に示されるフレア装置50のフレアチップ56は、図面の図3及び4A−4Eに示されるフレアチップと同じ構成を有する。しかしながら、図12に示される構成では、フレアスタック54の第1端部74は、2つの入口228A及び228Bを含み、各々が入り口内に配置された燃焼用空気ブロワー62を有する。これにより、例えば、他方のブロワーがスイッチを切られている間、一方のブロワーは低待機状態で作動することができ、したがって、フレア装置50と関連した燃焼用空気ブロワー全体の待機馬力を低下させる。
【0056】
図13では、フレアガス配送管58は、異なる構成を有するセクションを含む。この構成では、フレアガス配送管58の下部230は、フレアスタック54の周りに延びて、フレアスタック54を覆い、すなわち、フレアスタック54は、少なくとも部分的にフレアガス配送管58の内部に配置され、フレアスタック54の外側234とフレアガス配送管の内側236との間に環状のフレアガス供給空間232を作り出している。フレアガス配送管58の下部230は、第1端部238と、第2端部240と、第1端部を第2端部に接続する側壁242とを含む。第2端部240は、フレアスタック54の周りで封止されている。側壁242は、側壁242内に開口部244を含む。フレアガス配送管58の下部230の第1端部238は、流体が流れるようにフレアガス源(図示せず)に接続される。
【0057】
また、図13に示される構成のフレアガス配送管58は、第1端部248と、第2端部250と、第1端部を第2端部に取り付ける側壁252とを有する上部セクション246を含む。フレアガス配送管58の上部セクション246の第1端部248は、フレアガス配送管58の下部230の側壁242にある開口部244に取り付けられ、流体が流れるように開口部244と連通する。フレアガス配送管58の上部セクション246の第2端部250は、フレア装置50のフレアガス導管100の側壁112にある開口部116に取り付けられ、流体が流れるように開口部116と連通する。図13に示されるフレアガス配送管58の構成は、フレア装置50に全体的な安定性をもたらし、いくらかの構造的な利点を有する可能性がある。
【0058】
フレア装置の付加的な構成を使用することができ、具体的な用途に応じて、フレア装置に修正を加えることができる。ガスフレアは一般に、それらが機能しなければならない機械システムに応じて、比較的簡単であるか、極めて複雑であり得る。例えば、高分子量ガスが燃やされることを必要とする場合などのいくつかの用途では、フレア装置は、周辺制御用の機構、すなわち、火炎が風又は他の外部要因によって吹き飛ばされないようにするのを助けるために使用することができる機構を含むことができる。一例として、周囲境界を作り出すためにフレアガス導管100の外側から大気中に蒸気又は空気を注入し、フレア装置から排出されたフレアガスと燃焼用空気との混合物を収容するのを助けることができる。燃焼用空気導管102及びフレアガス導管100は、排出されたフレアガスの周囲に燃焼用空気の環状コアを注入するための第2の環状燃焼用空気排出空間及び開口部を生成するために、第3の導管の内部に配置されることができる。他の構成では、フレア装置に空気を誘導するためにフレア装置の内部に蒸気を注入することができ、すなわち、空気のための原動力として蒸気を使用することができる。他の構成では、複数のフレアチップ56を使用することができる。例えば、比較的小さいフレアチップ56を、比較的小量のガスを燃やすために設けることができ、比較的大きいフレアチップ56を、比較的大量のガスを燃やすために設けることができる。
【0059】
上記のように、本発明のフレア装置50は、フレアガス及び燃焼用空気をフレア装置から排出する前に、フレアガスの大部分を燃焼用空気とフレア装置の内部で予備混合しないで、フレアガス及び燃焼用空気の混合物を燃やすために使用することができる。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「フレアガス及び燃焼用空気をフレア装置から排出する前に、フレアガスの大部分を燃焼用空気とフレア装置の内部で予備混合しないで」は、燃焼用空気及びフレアガスをフレア装置から排出する前にフレア装置の内部で燃焼用空気と予備混合されるフレアガスがもしあるならば、その量はフレア装置の内部で可燃性混合物を形成するのに十分でないことを意味する。本質的に排出されたフレアガスの全て(すなわち、燃焼用空気導管102の内部で燃焼用空気とフレアガスとの可燃性混合物を生成するのにとうてい十分でないフレアガスの量を除く、排出されたフレアガスの全て)は、燃焼用空気導管及びフレアガス導管100の外で、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と混合される。
【0060】
フレア装置50の動作において、燃焼用空気は、フレア装置の燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134を通って大気81中に排出される。上記のように、また図4A及び4B(更に、図8A、11及び14B)に矢印150で示されるように、一体化された燃焼用空気の柱133がフレア装置50から大気中へ排出される。空気の中心部分152及び空気の外側環状部分154が、燃焼用空気排出口134から大気81中に排出される。燃焼用空気の柱133の大部分は、上方へ突き抜けるが、すぐに環状フレアガス排出流162が注入され、燃焼用空気排出口134を通って大気中へ排出された後、長い間、一体化された燃焼用空気の柱のままではあり得ない。
【0061】
本質的にフレア装置50によって排出されて燃焼される(すなわち、燃やされる)フレアガスの全て(すなわち、フレア装置から排出される前にフレア装置の内部で燃焼用空気と共に可燃性混合物を形成するのにとうてい十分ではないフレアガスの一部を除く、フレア装置によって燃やされるフレアガスの全て)が、排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ内向きにフレアガス排出口114から大気中へ排出され、燃焼用空気の柱133と混合される。本質的に排出されたフレアガスの全て(すなわち、フレア装置から排出される前にフレア装置の内部で燃焼用空気と共に可燃性混合物を形成するのにとうてい十分でない一部のフレアガスを除く、排出されたフレアガスの全て)は、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気とフレア装置50の外で混合される。好ましくは、フレア装置50によって燃やされるフレアガスの全てが、排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ内向きにフレアガス排出口114から大気中へ排出され、燃焼用空気の柱133と混合される。好ましくは、排出されたフレアガスの全てが、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気とフレア装置50の外で混合される。排出されたフレアガスと、排出された燃焼用空気と、外部大気中の空気との混合物は、その後、フレア装置50の外で点火される。パイロット組立体60は、混合物に点火するために使用される。フレアガスが燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134から排出された燃焼用空気の中へ内向きに(燃焼用空気導管の垂直中心軸105に向かって)フレアガス排出口114から排出されるという事実によって、排出されたフレアガス流162は、排出された燃焼用空気柱133に入り込む。
【0062】
フレアガスがフレアガス排出口114から排出される全体的な速度及び圧力は、放出される必要があるフレアガスの量及びその搬送圧に応じて変わる。例えば、フレアガス導管100内のフレアガスの圧力は、一般的に約20684〜27579パスカル(3〜4ポンド/平方インチ)であるが、用途に応じて、このような量より大きいか又は小さいことができる。燃焼用空気がフレア装置50から大気中へ排出される軸方向速度は、特定のレベルに維持することができる。好ましくは、燃焼用空気は、少なくとも15.24メートル/秒(50フィ−ト/秒)の軸方向速度で、フレア装置50から大気中へ排出される。より好ましくは、燃焼用空気がフレア装置50から大気81に排出される軸方向速度は、約15.24メートル/秒(約50フィ−ト/秒)から約60.96メートル/秒(約200フィ−ト/秒)までの範囲にあり、更に好ましくは、約36.576メートル/秒(約120フィ−ト/秒)から約45.72メートル/秒(約150フィ−ト/秒)までの範囲にある。最も好ましくは、燃焼用空気は、約45.72メートル/秒(約150フィ−ト/秒)の軸方向速度で、フレア装置50から大気中へ排出される。
【0063】
フレアガスは、排出された燃焼用空気の柱133の中へ内向きに、約10°乃至約90°の範囲、好ましくは約25°乃至約45°の範囲の角度で、好ましくはフレア装置50から大気中へ排出される。最も好ましくは、フレアガスは、排出された燃焼用空気の中へ内向きに約35°の角度でフレア装置50から大気81中へ排出される。
【0064】
上記のように、一体化された燃焼用空気の柱133がフレア装置から大気中へ排出される。燃焼用空気は、燃焼用空気の中心部分152に向かって内側に向けられた燃焼用空気の外側環状部分154を除いて、フレア装置50から大気中へ軸方向に排出される。フレアガスは、排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ、フレア装置50から大気81中に排出される。1つの構成では、フレアガスは、排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ、旋回する環状パタ−ンでフレア装置50から大気81中に排出される。排出された燃焼用空気の柱133の周り及び中へ、環状パタ−ンでフレアガスを旋回させることにより、燃焼用空気排出口より上に低圧帯が生成され、それによって燃焼用空気排出口より上の圧力を低下させる。
【0065】
次に図14A及び14Bを参照すると、本発明のフレア装置によって、本発明の方法に従って生成される火炎が示される。図14Aは、フレア装置50によって、本発明の方法に従って生成される火炎のパターンを示す。示されるように、火炎の基部での初期の迅速な混合によって、火炎は、比較的短く、真っ直ぐで、煙を出さない。
【0066】
図14Bは、本発明のフレア装置50によって生成することができるフレアガスの体積分率の等高線を示す断面図である。より詳細には、図14Bは、フレアガスが燃焼生成物及び/又は外部大気中の空気に溶け込むことができる程度を示す、プロパンの周囲の流体との混合の計算流体力学シミュレ−ションである。フレアガスの全てが、フレアガス排出口114から排出されると、急速且つ効率的に燃焼用空気及び/又は外部大気中の空気と混合されることができる。図14Bに示すように、排出された燃焼用空気の中央の柱133は、火炎エンベロ−プの真ん中に(示された濃度領域の間に)ある。燃焼用空気の柱133の長さ及び幅は、燃やされるフレアガスのタイプ、フレアガスの排出速度、及び風などの環境条件を含むプロセスの条件によって変化する。外部大気中の空気81が、火炎周辺から引き込まれる。符号260で示される等高線は、プロパンの50%の体積分率を示す。この等高線はフレアガス排出口114の近くに生じ、従って迅速な燃料の混合を示している。同様に、等高線262は、プロパンの40%の体積分率を示す。等高線264はプロパンの30%の混合物を示し、一方、等高線266はプロパンの20%の混合物を示す。最後に、等高線268は、プロパンの10%の混合物を示す。
【0067】
このように、フレアガスは、フレア装置によって排出されると、急速且つ効率的に空気と混合される。軸方向中心に空気の詰まったコアを有するよく混合された希薄な排出物が、急速に形成される。本発明によれば、一体化された燃焼用空気の柱を火炎エンベロ−プの中心に直接排出することによってより良好な混合が達成されることが発見された。一体化された燃焼用空気の柱を火炎エンベロ−プの中心に直接排出することによって達成される全体的な混合は、多くの状況で、燃焼用空気とフレアガスの両方を火炎エンベロ−プの中心に排出することによって達成される全体的な混合よりも良好である。
【0068】
燃焼用空気導管102の燃焼用空気排出口134を通って排出された一体化された燃焼用空気の柱133の質量は、それによって燃焼用空気の柱の大部分が少なくとも最初に直面する排出されたフレアガスの部分を上方へ貫通するのに十分である。これは、中央の燃焼用空気の流れが、フレアガスに対して伸ばされた又は長形のトロイド(ドーナツ)形状を作り出すことができることを保証するのに役立つ。排出された燃焼用空気は、内側混合面領域を作り出すために、環状フレアガス流の中央に配置される。また、ガスエンベロ−プの外側に外側面が作り出され、そこで外部大気中の空気が混合のために火炎に引き込まれる。このように、2つの異なる混合面が、空気をフレアガスと混合するために作り出される。排出された燃焼用空気は、初期にフレアガス又は火炎エンベロ−プによって容易に覆われ又は封入されず、それにより大量の排出された燃焼用空気が、中央に送られ、フレアチップの排出端部から更に離れ、火炎エンベロ−プの長さの全体にわたってフレアガスと混合されることが可能になる。空気の表面積を増大することによって、空気へのガスの混合速度もまた増大される。
【0069】
完全な無煙の燃焼が起こることを可能にするフレアガスと空気との理論混合比を達成するために提供されなければならない燃焼用空気の量は、他のフレア装置に関して必要とされる燃焼用空気の量よりも実質的に少なくなり得る。例えば、プロパンを燃焼する場合、従来のチップにおける無煙火炎のために必要な空気の量は約30%の化学量論比である。本発明のフレア装置は、例えば、同じ作業を達成するために、約13%の化学量論比を使用し得る。これは、所要の空気流と、流れに所要の空気流を届けるのに必要とされるブロワーを駆動するために必要な電力との両方を著しく低減する。
【0070】
本発明のフレア装置及び方法は、大量のフレアガスを効率的且つ効果的に燃やすために使用することができる。多種多様なガスを燃やすことができる。例えば、本発明のフレア装置は、低分子量(40の以下の分子量を有するガスを含む)を燃やす必要があるエチレン工場及び他の施設に関して非常に有効である。本発明のフレア装置及び方法は、グラウンドフレア、ユーティリティーフレア、及び、良く混合された又は無煙の火炎がそれに関連して必要とされる他のいかなるフレアをも含む、ほとんどのタイプのフレアと関連することができる。
【0071】
本発明のフレア装置は、デザインがシンプルで、製造が容易である。
【0072】
本発明を更に説明するために、以下の実施例を提供する。
【0073】
(実施例)
本発明のフレア装置50は、約38100キログラム/時間(約84,000ポンド/時間)のプロパンを、プロパンの完全燃焼のために理論的に必要とされる理論空気量の約13%を示す、約963立方メートル/分(約34,000標準立方フィ−ト/分)の空気で、煙を出さずに燃焼するように操作された。図14Aに示される火炎の外形が作り出された。従来の空気フレアの技術は、理論的な化学量論比の約30%又は2倍以上の空気を必要としてきた。換言すれば、本発明の技術は、無煙の動作を達成するのに従来の空気量の約半分を必要とした。
【0074】
したがって、本発明は、目的を達成し、記載された目標及び効果だけでなく発明に内在する目標及び効果を達成するのによく適合している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気中にフレアガスを排出して燃焼させるフレア装置に関連して用いられるフレアチップであって、
第1端部、第2端部、及び前記第1端部を前記第2端部に接続する側壁を含むフレアガス導管と、
前記フレアガス導管に結合され、第1端部、第2端部、及び前記第1端部を前記第2端部に接続する側壁を含む燃焼用空気導管と
を備え、
前記フレアガス導管は、流体が流れるようにフレアガス源に接続されるように適合され、前記フレアガス導管の前記第2端部はフレアガス排出口を画定し、前記フレアガス導管及び前記フレアガス排出口は、前記フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てが前記フレアガス排出口を通って排出されることを可能にするのに十分な寸法であり、
前記燃焼用空気導管は、流体が流れるように燃焼用空気源に接続されるように適合され、前記燃焼用空気導管の前記第2端部は燃焼用空気排出口を画定し、前記燃焼用空気導管は、前記燃焼用空気排出口を通って排出される一体化された燃焼用空気の柱を生じる構造を有し、
前記フレアガス排出口及び前記燃焼用空気排出口は、本質的に前記フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てが、前記燃焼用空気排出口から排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに前記フレアガス排出口を通って排出されることができるように、且つ本質的に排出されたフレアガスの全てが、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と前記燃焼用空気導管及び前記フレアガス導管の外で混合されることができるように互いに関して配置されている、フレアチップ。
【請求項2】
前記燃焼用空気導管は、少なくとも部分的に前記フレアガス導管の中に配置され、前記フレアガス排出口及び前記燃焼用空気排出口は、本質的に前記フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てが、前記フレアガス排出口を通って、前記燃焼用空気排出口から排出された前記燃焼用空気の柱の周辺及び中へ内側に排出されることができるように、互いに関して配置される、請求項1に記載のフレアチップ。
【請求項3】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.05以下である、請求項2に記載のフレアチップ。
【請求項4】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.02以下である、請求項2に記載のフレアチップ。
【請求項5】
前記燃焼用空気導管の高さは前記フレアガス導管の高さと等しいか又はより大きい、請求項2に記載のフレアチップ。
【請求項6】
前記燃焼用空気導管の高さは前記フレアガス導管の高さより大きく、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は約0.01である、請求項5に記載のフレアチップ。
【請求項7】
前記フレアガス導管の前記側壁は、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている前記フレアガス排出口に隣接する部分を含む、請求項1に記載のフレアチップ。
【請求項8】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約10°から約90°までの範囲の角度で、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項7に記載のフレアチップ。
【請求項9】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約25°から約45°までの範囲の角度で、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項8に記載のフレアチップ。
【請求項10】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約35°の角度で前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項9に記載のフレアチップ。
【請求項11】
前記燃焼用空気導管の前記側壁は、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている前記燃焼用空気排出口に隣接する部分を含む、請求項1に記載のフレアチップ。
【請求項12】
前記フレアガス導管及び前記燃焼用空気導管は各々円形断面を有し、前記燃焼用空気導管は前記フレアガス導管の中に少なくとも部分的に同心状に配置される、請求項1に記載のフレアチップ。
【請求項13】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.05以下である、請求項12に記載のフレアチップ。
【請求項14】
前記フレアガス導管は、
流体が流れるようにフレアガス源に接続されるように適合された入口と、
前記フレアガス導管の中に取り付けられた流量分布部材と
を更に備える、請求項12に記載のフレアチップ。
【請求項15】
前記流量分布部材は前記フレアガス導管の中に配置された環状板である、請求項14に記載のフレアチップ。
【請求項16】
前記フレアガス導管は、流体が流れるようにフレアガス源に接続され、且つ前記フレアガス導管の垂直中心軸に対してある角度で前記フレアガス導管にフレアガスを注入するように適合された少なくとも1つの入口を含む、請求項12に記載のフレアチップ。
【請求項17】
前記フレアガス導管は少なくとも2つの入口を含み、各入口は流体が流れるようにフレアガス源に接続され、且つ前記フレアガス導管の垂直中心軸に対してある角度で前記フレアガス導管にフレアガスを注入するように適合されている、請求項16に記載のフレアチップ。
【請求項18】
大気中にフレアガスを排出して燃焼させるフレア装置に関連して用いられるフレアチップであって、
第1端部、第2端部、及び前記第1端部を前記第2端部に接続する側壁を含むフレアガス導管と、
少なくとも部分的に前記フレアガス導管の中に配置され、第1端部、第2端部、及び前記第1端部を前記第2端部に接続する側壁を含む燃焼用空気導管と
を備え、
前記フレアガス導管は、流体が流れるようにフレアガス源に接続されるように適合され、前記フレアガス導管の前記第2端部はフレアガス排出口を画定し、前記フレアガス導管及び前記フレアガス排出口は、前記フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てが前記フレアガス排出口を通って排出されることを可能にするのに十分な寸法であり、
前記燃焼用空気導管は、流体が流れるように燃焼用空気源に接続されるように適合され、前記燃焼用空気導管の前記第2端部は燃焼用空気排出口を画定し、前記燃焼用空気導管は、前記燃焼用空気排出口を通って排出される一体化された燃焼用空気の柱を生じる構造を有し、
前記フレアガス排出口及び前記燃焼用空気排出口は、本質的に前記フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てが、前記燃焼用空気排出口から排出された燃焼用空気の柱の周り及び中へ内向きに前記フレアガス排出口を通って排出されることができるように、且つ本質的に排出されたフレアガスの全てが、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と前記燃焼用空気導管及び前記フレアガス導管の外で混合されることができるように互いに関して配置されている、フレアチップ。
【請求項19】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.05以下である、請求項18に記載のフレアチップ。
【請求項20】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.02以下である、請求項18に記載のフレアチップ。
【請求項21】
前記燃焼用空気導管の高さは前記フレアガス導管の高さと等しいか又はより大きい、請求項20に記載のフレアチップ。
【請求項22】
前記燃焼用空気導管の高さは前記フレアガス導管の高さより大きく、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は約0.01である、請求項21に記載のフレアチップ。
【請求項23】
前記フレアガス導管の前記側壁は、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている前記フレアガス排出口に隣接する部分を含む、請求項18に記載のフレアチップ。
【請求項24】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約10°から約90°までの範囲の角度で、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項23に記載のフレアチップ。
【請求項25】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約25°から約45°までの範囲の角度で、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項24に記載のフレアチップ。
【請求項26】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約35°の角度で前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項25に記載のフレアチップ。
【請求項27】
前記燃焼用空気導管の前記側壁は、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている前記燃焼用空気排出口に隣接する部分を含む、請求項18に記載のフレアチップ。
【請求項28】
前記フレアガス導管及び前記燃焼用空気導管は各々円形断面を有し、前記燃焼用空気導管は前記フレアガス導管の中に少なくとも部分的に同心状に配置される、請求項18に記載のフレアチップ。
【請求項29】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.05以下である、請求項28に記載のフレアチップ。
【請求項30】
前記フレアガス導管は、
流体が流れるようにフレアガス源に接続されるように適合された入口と、
前記フレアガス導管の中に取り付けられた流量分布部材と
を更に備える、請求項28に記載のフレアチップ。
【請求項31】
前記流量分布部材は前記フレアガス導管の中に配置された環状板である、請求項30に記載のフレアチップ。
【請求項32】
前記フレアガス導管は、流体が流れるようにフレアガス源に接続され、且つ前記フレアガス導管の垂直中心軸に対してある角度で前記フレアガス導管にフレアガスを注入するように適合された少なくとも1つの入口を含む、請求項28に記載のフレアチップ。
【請求項33】
前記フレアガス導管は少なくとも2つの入口を含み、各入口は流体が流れるようにフレアガス源に接続され、且つ前記フレアガス導管の垂直中心軸に対してある角度で前記フレアガス導管にフレアガスを注入するように適合されている、請求項32に記載のフレアチップ。
【請求項34】
フレアガス及び燃焼用空気をフレア装置から排出する前に、フレアガスの大部分を燃焼用空気とフレア装置の内部で予備混合しないで、フレアガスと燃焼用空気との混合物をフレア装置の内部で燃やす方法であって、
(a)一体化された燃焼用空気の柱をフレア装置から大気中に排出することと、
(b)本質的に排出されたフレアの全てが排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と前記フレア装置の外で混合されるように、本質的にフレア装置によって燃やされるフレアガスのすべてを、フレア装置から大気中に及び排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに排出することと、
(c)排出されたフレアガス、排出された燃焼用空気、及び外部大気中の空気の混合物に点火すること
を含む方法。
【請求項35】
前記フレア装置によって燃やされるフレアガスの全てが、前記フレア装置から大気中に且つ前記燃焼用空気の排出された柱の中へ内向きに排出される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記燃焼用空気は、前記フレアガスが前記フレア装置から大気中に排出される半径方向の速度より小さい半径方向の速度で前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記燃焼用空気は少なくとも15.24メートル/秒の軸方向の速度で前記フレア装置から大気中に排出される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記燃焼用空気は、約15.24メートル/秒から約60.96メートル/秒までの範囲の軸方向の速度で前記フレア装置から大気中に排出される、請求項37の方法。
【請求項39】
前記燃焼用空気は、約36.576メートル/秒から約45.72メートル/秒までの範囲の軸方向の速度で前記フレア装置から大気中に排出される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記燃焼用空気は、約45.72メートル/秒の軸方向の速度で前記フレア装置から大気中に排出される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
本質的に前記フレア装置によって燃やされる前記フレアガスの全てが、前記排出された燃焼用空気の柱の周りに及び前記排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに、前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
本質的に前記フレア装置によって燃やされる前記フレアガスの全てが、約10°から約90°までの範囲の角度で、前記排出された燃焼用空気の中へ内向きに、前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
本質的に前記フレア装置によって燃やされる前記フレアガスの全てが、約25°から約45°までの範囲の角度で、前記排出された燃焼用空気の中へ内向きに、前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
本質的に前記フレア装置によって燃やされる前記フレアガスの全てが、約35°の角度で前記排出された燃焼用空気の中へ内向きに、前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記フレア装置によって燃やされるフレアガスの全てが、前記排出された燃焼用空気の柱の周りに及び前記排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに、前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
排出されたフレアガス、排出された燃焼用空気、及び/又は前記フレア装置に隣接する外部大気中の空気の前記混合物の一部の静圧を低下させることを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項47】
排出されたフレアガス、排出された燃焼用空気、及び/又は前記フレア装置に隣接する外部大気中の空気の前記混合物の一部の静圧は、前記燃焼用空気排出口の領域に低圧帯を作ることによって低下される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記低圧帯は、前記フレアガスを、前記排出された燃焼用空気の周りに環状の旋回パターンで前記フレア装置から排出させることによって、前記フレア装置に隣接して作られる、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記フレア装置の中へ前記燃焼用空気を吹きつけることを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項1】
大気中にフレアガスを排出して燃焼させるフレア装置に関連して用いられるフレアチップであって、
第1端部、第2端部、及び前記第1端部を前記第2端部に接続する側壁を含むフレアガス導管と、
前記フレアガス導管に結合され、第1端部、第2端部、及び前記第1端部を前記第2端部に接続する側壁を含む燃焼用空気導管と
を備え、
前記フレアガス導管は、流体が流れるようにフレアガス源に接続されるように適合され、前記フレアガス導管の前記第2端部はフレアガス排出口を画定し、前記フレアガス導管及び前記フレアガス排出口は、前記フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てが前記フレアガス排出口を通って排出されることを可能にするのに十分な寸法であり、
前記燃焼用空気導管は、流体が流れるように燃焼用空気源に接続されるように適合され、前記燃焼用空気導管の前記第2端部は燃焼用空気排出口を画定し、前記燃焼用空気導管は、前記燃焼用空気排出口を通って排出される一体化された燃焼用空気の柱を生じる構造を有し、
前記フレアガス排出口及び前記燃焼用空気排出口は、本質的に前記フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てが、前記燃焼用空気排出口から排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに前記フレアガス排出口を通って排出されることができるように、且つ本質的に排出されたフレアガスの全てが、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と前記燃焼用空気導管及び前記フレアガス導管の外で混合されることができるように互いに関して配置されている、フレアチップ。
【請求項2】
前記燃焼用空気導管は、少なくとも部分的に前記フレアガス導管の中に配置され、前記フレアガス排出口及び前記燃焼用空気排出口は、本質的に前記フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てが、前記フレアガス排出口を通って、前記燃焼用空気排出口から排出された前記燃焼用空気の柱の周辺及び中へ内側に排出されることができるように、互いに関して配置される、請求項1に記載のフレアチップ。
【請求項3】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.05以下である、請求項2に記載のフレアチップ。
【請求項4】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.02以下である、請求項2に記載のフレアチップ。
【請求項5】
前記燃焼用空気導管の高さは前記フレアガス導管の高さと等しいか又はより大きい、請求項2に記載のフレアチップ。
【請求項6】
前記燃焼用空気導管の高さは前記フレアガス導管の高さより大きく、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は約0.01である、請求項5に記載のフレアチップ。
【請求項7】
前記フレアガス導管の前記側壁は、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている前記フレアガス排出口に隣接する部分を含む、請求項1に記載のフレアチップ。
【請求項8】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約10°から約90°までの範囲の角度で、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項7に記載のフレアチップ。
【請求項9】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約25°から約45°までの範囲の角度で、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項8に記載のフレアチップ。
【請求項10】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約35°の角度で前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項9に記載のフレアチップ。
【請求項11】
前記燃焼用空気導管の前記側壁は、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている前記燃焼用空気排出口に隣接する部分を含む、請求項1に記載のフレアチップ。
【請求項12】
前記フレアガス導管及び前記燃焼用空気導管は各々円形断面を有し、前記燃焼用空気導管は前記フレアガス導管の中に少なくとも部分的に同心状に配置される、請求項1に記載のフレアチップ。
【請求項13】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.05以下である、請求項12に記載のフレアチップ。
【請求項14】
前記フレアガス導管は、
流体が流れるようにフレアガス源に接続されるように適合された入口と、
前記フレアガス導管の中に取り付けられた流量分布部材と
を更に備える、請求項12に記載のフレアチップ。
【請求項15】
前記流量分布部材は前記フレアガス導管の中に配置された環状板である、請求項14に記載のフレアチップ。
【請求項16】
前記フレアガス導管は、流体が流れるようにフレアガス源に接続され、且つ前記フレアガス導管の垂直中心軸に対してある角度で前記フレアガス導管にフレアガスを注入するように適合された少なくとも1つの入口を含む、請求項12に記載のフレアチップ。
【請求項17】
前記フレアガス導管は少なくとも2つの入口を含み、各入口は流体が流れるようにフレアガス源に接続され、且つ前記フレアガス導管の垂直中心軸に対してある角度で前記フレアガス導管にフレアガスを注入するように適合されている、請求項16に記載のフレアチップ。
【請求項18】
大気中にフレアガスを排出して燃焼させるフレア装置に関連して用いられるフレアチップであって、
第1端部、第2端部、及び前記第1端部を前記第2端部に接続する側壁を含むフレアガス導管と、
少なくとも部分的に前記フレアガス導管の中に配置され、第1端部、第2端部、及び前記第1端部を前記第2端部に接続する側壁を含む燃焼用空気導管と
を備え、
前記フレアガス導管は、流体が流れるようにフレアガス源に接続されるように適合され、前記フレアガス導管の前記第2端部はフレアガス排出口を画定し、前記フレアガス導管及び前記フレアガス排出口は、前記フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てが前記フレアガス排出口を通って排出されることを可能にするのに十分な寸法であり、
前記燃焼用空気導管は、流体が流れるように燃焼用空気源に接続されるように適合され、前記燃焼用空気導管の前記第2端部は燃焼用空気排出口を画定し、前記燃焼用空気導管は、前記燃焼用空気排出口を通って排出される一体化された燃焼用空気の柱を生じる構造を有し、
前記フレアガス排出口及び前記燃焼用空気排出口は、本質的に前記フレア装置によって排出されて燃焼されるフレアガスの全てが、前記燃焼用空気排出口から排出された燃焼用空気の柱の周り及び中へ内向きに前記フレアガス排出口を通って排出されることができるように、且つ本質的に排出されたフレアガスの全てが、排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と前記燃焼用空気導管及び前記フレアガス導管の外で混合されることができるように互いに関して配置されている、フレアチップ。
【請求項19】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.05以下である、請求項18に記載のフレアチップ。
【請求項20】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.02以下である、請求項18に記載のフレアチップ。
【請求項21】
前記燃焼用空気導管の高さは前記フレアガス導管の高さと等しいか又はより大きい、請求項20に記載のフレアチップ。
【請求項22】
前記燃焼用空気導管の高さは前記フレアガス導管の高さより大きく、前記燃焼用空気導管の水力直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は約0.01である、請求項21に記載のフレアチップ。
【請求項23】
前記フレアガス導管の前記側壁は、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている前記フレアガス排出口に隣接する部分を含む、請求項18に記載のフレアチップ。
【請求項24】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約10°から約90°までの範囲の角度で、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項23に記載のフレアチップ。
【請求項25】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約25°から約45°までの範囲の角度で、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項24に記載のフレアチップ。
【請求項26】
前記フレアガス導管の前記側壁の前記フレアガス排出口に隣接する部分は、約35°の角度で前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている、請求項25に記載のフレアチップ。
【請求項27】
前記燃焼用空気導管の前記側壁は、前記燃焼用空気導管の垂直中心軸に向かって内向きに先細になっている前記燃焼用空気排出口に隣接する部分を含む、請求項18に記載のフレアチップ。
【請求項28】
前記フレアガス導管及び前記燃焼用空気導管は各々円形断面を有し、前記燃焼用空気導管は前記フレアガス導管の中に少なくとも部分的に同心状に配置される、請求項18に記載のフレアチップ。
【請求項29】
前記燃焼用空気導管の高さは、前記フレアガス導管の高さと等しいか、より大きいか、又はより小さく、前記燃焼用空気導管の高さが前記フレアガス導管の高さより小さい場合、前記燃焼用空気導管の直径に対する前記燃焼用空気導管と前記フレアガス導管との高さの差の比は0.05以下である、請求項28に記載のフレアチップ。
【請求項30】
前記フレアガス導管は、
流体が流れるようにフレアガス源に接続されるように適合された入口と、
前記フレアガス導管の中に取り付けられた流量分布部材と
を更に備える、請求項28に記載のフレアチップ。
【請求項31】
前記流量分布部材は前記フレアガス導管の中に配置された環状板である、請求項30に記載のフレアチップ。
【請求項32】
前記フレアガス導管は、流体が流れるようにフレアガス源に接続され、且つ前記フレアガス導管の垂直中心軸に対してある角度で前記フレアガス導管にフレアガスを注入するように適合された少なくとも1つの入口を含む、請求項28に記載のフレアチップ。
【請求項33】
前記フレアガス導管は少なくとも2つの入口を含み、各入口は流体が流れるようにフレアガス源に接続され、且つ前記フレアガス導管の垂直中心軸に対してある角度で前記フレアガス導管にフレアガスを注入するように適合されている、請求項32に記載のフレアチップ。
【請求項34】
フレアガス及び燃焼用空気をフレア装置から排出する前に、フレアガスの大部分を燃焼用空気とフレア装置の内部で予備混合しないで、フレアガスと燃焼用空気との混合物をフレア装置の内部で燃やす方法であって、
(a)一体化された燃焼用空気の柱をフレア装置から大気中に排出することと、
(b)本質的に排出されたフレアの全てが排出された燃焼用空気又は外部大気中の空気と前記フレア装置の外で混合されるように、本質的にフレア装置によって燃やされるフレアガスのすべてを、フレア装置から大気中に及び排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに排出することと、
(c)排出されたフレアガス、排出された燃焼用空気、及び外部大気中の空気の混合物に点火すること
を含む方法。
【請求項35】
前記フレア装置によって燃やされるフレアガスの全てが、前記フレア装置から大気中に且つ前記燃焼用空気の排出された柱の中へ内向きに排出される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記燃焼用空気は、前記フレアガスが前記フレア装置から大気中に排出される半径方向の速度より小さい半径方向の速度で前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記燃焼用空気は少なくとも15.24メートル/秒の軸方向の速度で前記フレア装置から大気中に排出される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記燃焼用空気は、約15.24メートル/秒から約60.96メートル/秒までの範囲の軸方向の速度で前記フレア装置から大気中に排出される、請求項37の方法。
【請求項39】
前記燃焼用空気は、約36.576メートル/秒から約45.72メートル/秒までの範囲の軸方向の速度で前記フレア装置から大気中に排出される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記燃焼用空気は、約45.72メートル/秒の軸方向の速度で前記フレア装置から大気中に排出される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
本質的に前記フレア装置によって燃やされる前記フレアガスの全てが、前記排出された燃焼用空気の柱の周りに及び前記排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに、前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
本質的に前記フレア装置によって燃やされる前記フレアガスの全てが、約10°から約90°までの範囲の角度で、前記排出された燃焼用空気の中へ内向きに、前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
本質的に前記フレア装置によって燃やされる前記フレアガスの全てが、約25°から約45°までの範囲の角度で、前記排出された燃焼用空気の中へ内向きに、前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
本質的に前記フレア装置によって燃やされる前記フレアガスの全てが、約35°の角度で前記排出された燃焼用空気の中へ内向きに、前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記フレア装置によって燃やされるフレアガスの全てが、前記排出された燃焼用空気の柱の周りに及び前記排出された燃焼用空気の柱の中へ内向きに、前記フレア装置から大気中へ排出される、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
排出されたフレアガス、排出された燃焼用空気、及び/又は前記フレア装置に隣接する外部大気中の空気の前記混合物の一部の静圧を低下させることを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項47】
排出されたフレアガス、排出された燃焼用空気、及び/又は前記フレア装置に隣接する外部大気中の空気の前記混合物の一部の静圧は、前記燃焼用空気排出口の領域に低圧帯を作ることによって低下される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記低圧帯は、前記フレアガスを、前記排出された燃焼用空気の周りに環状の旋回パターンで前記フレア装置から排出させることによって、前記フレア装置に隣接して作られる、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記フレア装置の中へ前記燃焼用空気を吹きつけることを更に含む、請求項34に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【公開番号】特開2010−286230(P2010−286230A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−109317(P2010−109317)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(500352889)ジョン ジンク カンパニー,エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109317(P2010−109317)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(500352889)ジョン ジンク カンパニー,エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】
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