空気吹付け清掃装置およびそれを用いた画像形成装置
【課題】 電力や騒音の大幅な増加をはじめ圧力損失をほとんど招くことなく、長尺な清掃対象物の長手方向に対して空気を可及的に満遍なく吹き付けられるようにして、その清掃対象物の浮遊物がむらのある状態で付着することを防止することができる空気吹付け清掃装置などを提供する。
【解決手段】 送風ダクト10内の複数の仕切板(40〜44)の空気吹き出し口15側先端部に設置され、その各仕切板で形成される各流路にそって流れて少なくとも仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向きを連続的または間欠的に変更して調整する風向変更調整手段(50)を設けた。風向変更調整手段(50A)は、たとえば、各仕切板の空気吹き出し口側先端部に取り付けられ、送り出される空気の流れにより揺れ動くフィルム部材(51)で構成される。
【解決手段】 送風ダクト10内の複数の仕切板(40〜44)の空気吹き出し口15側先端部に設置され、その各仕切板で形成される各流路にそって流れて少なくとも仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向きを連続的または間欠的に変更して調整する風向変更調整手段(50)を設けた。風向変更調整手段(50A)は、たとえば、各仕切板の空気吹き出し口側先端部に取り付けられ、送り出される空気の流れにより揺れ動くフィルム部材(51)で構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な対象物にその長尺な方向に対して空気を吹き付ける空気吹付け清掃装置およびそれを用いたプリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置に関するものである
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式、静電記録方式等を利用してトナー(粉体現像剤)からなる画像を記録用紙等のシート状の記録媒体に形成する画像形成装置においては、感光体の帯電工程や除電工程、トナー像の転写工程、記録用紙を搬送するベルトの帯電工程や剥離工程等にコロナ放電装置を使用するものがある。
【0003】
たとえば、このようなコロナ放電装置が使用される画像形成装置では、その装置ハウジング内に浮遊する記録用紙の紙粉やトナー等の浮遊物がコロナ放電装置の放電ワイヤに付着すると放電むらが発生し易く、例えば感光体を均一に帯電することが困難になってしまう。また、その放電ワイヤの周囲にオゾン等の放電生成物が発生することから、そのオゾンによって放電ワイヤの表面に酸化物が成長し易く、これによっても放電むらが発生してしまう。
【0004】
このため、従来においては、コロナ放電装置の放電ワイヤにむけて空気を吹きつけてトナー等の浮遊物が付着するのを可及的に防止すると共に、放電生成物を放電ワイヤの周囲から吹き払うようにしていた。しかし、その吹付ける空気がコロナ放電装置の放電ワイヤに沿う長手方向に対して均一に吹き付けられない場合には、空気流の弱い部分に対応して放電ワイヤが局所的に汚れ又は酸化することとなり、やはり経時的に放電むらが発生してしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、このような問題を解消するために、次のような対策手段が知られている。
【0006】
たとえば、感光体の除電ランプと帯電手段との間に感光体にむけて送風する送風手段を有する画像形成装置として、送風手段の送風ファンから得られる風を送るためのダクトにおいて感光体の軸方向(長手方向)にわたって均一にするフィンを設け、これにより、感光体の軸方向の送風量を均一にするようにした画像形成装置の提案が存在する(特許文献1)。
【0007】
また、本出願人による特許出願であるが、送風ファンからの空気をダクトを通してシールドケース内の放電ワイヤ等にむけて吹付けるコロナ放電装置として、そのダクト内にシールドケースの長手方向にそって仕切壁を立設し、これにより、そのシールドケース内にむけて送風される空気流の圧力をその仕切壁の手前側で一時的に高めるようにすることで空気流をその長手方向にそって均一化するようにしたコロナ放電装置の提案が存在する(特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】特許第2632815号公報
【特許文献2】特開平10−198128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前者の対策手段では、ダクト内に設けたフィンにより送風ファンからの空気を均一にした後にダクトの開口部から感光ドラムに送風しているが、図13に例示するように、そのダクト01内のフィン02のある部分にほぼ相応して空気流の強弱(むら)が発生する(図中の実線で示す風力分布曲線を参照)。すなわち、フィン02に衝突するようにして流れる空気流の風力が、そうでない状態で流れる空気流の風量より相対的に強くなる。そして、これが要因となって感光体や帯電チャージャに汚れのむらが発生するという問題がある。図中の符号03は送風ファンを、点線矢印は空気の流れを示す。
【0010】
また、後者の対策手段では、仕切壁によりダクト内の空気流の圧力を一時的に高めるため圧力損失が発生し、このため最終的に放電ワイヤ等に吹付けられる空気の風量が低下してしまう難点があった。この場合、その風量を確保するために送風ファンの送風能力を高めるという対策も考えられるが、その場合には、かかる送風ファンの消費電力が増加したり、その送風時の騒音も増加してしまうという新たな問題が発生してしまう。
【0011】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、電力や騒音の大幅な増加をはじめ圧力損失をほとんど招くことなく、長尺な清掃対象物の長手方向に対して空気を可及的に満遍なく吹き付けられるようにして、その清掃対象物の浮遊物がむらのある状態で付着することを防止することができる空気吹付け清掃装置を提供するとともに、浮遊物が構成部品にむらのある状態で付着することにより画質上のむらが発生することを防止することができる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の空気吹付け清掃装置は、浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な対象物にその長尺な方向に対して空気を吹き付ける空気吹付け清掃装置であって、
その対象物の長尺な清掃対象部位に沿って対向する長尺な空気吹き出し口が一端部側に開設された中空構造の送風ダクトと、この送風ダクトの中空内部に空気を吹き込む送風ファンと、この送風ファンの空気を前記空気吹き出し口の長手方向に間隔をあけて区分される領域からそれぞれ分配して吹き出すように前記送風ダクトの中空内部にその空気吹き出し口の手前まで至る複数の流路を形成するために設けられる複数の仕切板と、この複数の仕切板の空気吹き出し口側先端部に設置され、その各仕切板で形成される各流路にそって流れて少なくとも仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向きを連続的または間欠的に変更して調整する風向変更調整手段を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
上記風向変更調整手段は、たとえば、各仕切板の空気吹き出し口側先端部に取り付けられ、送り出される空気の流れにより揺れ動くフィルム部材で構成することができる。
【0014】
また、上記風向変更調整手段は、各仕切板の空気吹き出し口側先端部において送り出される空気の向きを板面の状態変化により変更し得る可動板で構成することもできる。可動板は、たとえば揺動運動、回転運動、直線運動等により板面の状態を変化できるように所定の駆動手段からの動力で可動させるように構成すればよい。
【0015】
本発明の画像形成装置は、シート状の記録媒体に画像を形成する装置であって、その画像形成に使用される構成部品のうち浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な構成部品にその長手方向に対して空気を吹き付ける装置として、上記したいずれかの構成からなる空気吹付け清掃装置を使用することを特徴とするものである。その構成部品としては、たとえば、コロナ放電装置、像露光装置などである。
【発明の効果】
【0016】
このような空気吹付け清掃装置によれば、送風ファンからの空気が送風ダクトの複数の仕切板で形成される各流路を通して分配されて最後に空気吹き出し口から対象物の長尺な清掃対象部位に対して吹き付けられる。このとき、その複数の仕切板の空気吹き出し口側先端部に設置された風向変更調整手段により、その送風ダクト内の各流路を通して送られて少なくとも仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向きが連続的または間欠的に変更して調整されるようになる。
【0017】
これにより、長尺な清掃対象物の長手方向に対して空気を連続的または間欠的に満遍なく吹き付けられるようになり、送風ダクトの複数の仕切板に対応した部位に相応して空気流の固定的な強弱(むら)の発生がなくなり、その空気流の固定的な強弱が要因となって清掃対象物に浮遊物がむらのある状態で付着することが防止される。風向変更調整手段により空気の向きを間欠的に変更して調整する場合には、ある時間が経過するなかで平均すると空気の吹きつけが均一化されてむらのある汚れの発生が防止される。
【0018】
また、風向変更調整手段は、各流路にそって流れて少なくとも仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向きを変更する程度であるので、圧力損失となることがなく、この調整手段により風量が低下することもない。さらに、送風ファンの送風能力を高める必要もないため、それによる電力や騒音の増加を誘発することもない。
【0019】
風向変更調整手段が上記したようなフィルム部材で構成した場合は、そのフィルム部材が送り出される空気の流れにより揺れ動くことにより、仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向き空気の向きが揺れる方向に応じて変更される。これにより、仕切板に対応した部位に相応して空気流の固定的な強弱の発生がなくなる。また、この構成の場合は、フィルム部材を揺れ動かすための駆動手段が不要である。
【0020】
風向変更調整手段が上記したような可動板で構成した場合には、その可動板がその板面の状態を変化させることにより、仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向き空気の向きが揺れる方向に応じて変更される。これにより、仕切板に対応した部位に相応して空気流の固定的な強弱の発生がなくなる。また、この構成の場合は、仕切板を計画的に可動させることにより、汚れの発生状態を任意にコントロールすることができる。
【0021】
そして、このような空気吹付け清掃装置を使用した画像形成装置によれば、画像形成に使用される長尺な構成部品のうち浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な構成部品に対して空気を連続的または間欠的に満遍なく吹き付けることができ、送風ダクトの複数の仕切板に対応した部位に相応して空気流の固定的な強弱(むら)の発生がなくなり、その空気流の固定的な強弱が要因となって当該構成部品に浮遊物がむらのある状態で付着することが防止される。これにより、かかる構成部品が関与して得られる画像の長手方向に画質のむらが発生することがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
<実施の形態1>
図1および図2は本発明の実施の形態1を示すものであり、図1は実施の形態1に係る空気吹付け清掃装置を適用した画像形成装置の要部を示す概略説明図、図2はその空気吹付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【0023】
図1に示す画像形成装置100は、電子写真方式、静電記録方式等を利用してトナーからなる画像を最終的に記録用紙に形成する画像形成装置である。このような画像形成装置100は、図示しない装置ハウジング内に、基本的に、矢印方向に回転する感光ドラム110の周囲に、その感光ドラム110をコロナ放電により均一に帯電するコロナ放電式帯電装置120と、その帯電された感光ドラム110に画像情報に応じて光(H)を照射して潜像を形成するLEDアレー方式、レーザービーム方式等の像露光装置130と、その潜像をトナー(現像剤)により現像してトナー像を形成する現像装置140と、そのトナー像を記録用紙Pまたは中間転写体180に転写する転写装置150と、この転写後の感光ドラム110の表面を清掃するクリーニング装置160を主に設置した構成からなっている。
【0024】
また、その中間転写体180を使用する場合には、その中間転写体に転写したトナー像を最後に記録用紙Pに転写する二次転写装置が設置される。さらに、トナー像の記録用紙Pへの転写部の下流側には、そのトナー像を記録用紙に定着する処理を行なうための定着装置(不図示)が設置されている。
【0025】
そして、この画像形成装置100においては、特に画像形成動作時には、その装置ハウジング内でトナー、紙粉等の浮遊物が浮遊しているため、それらの浮遊物がコロナ放電式帯電装置120における放電ワイヤ122や、コロナ放電の電荷を整流するグリッド123などに付着することを抑制または防止するため、その帯電装置120には空気吹付け清掃装置1Aを取り付けて使用している。
【0026】
空気吹付け清掃装置1Aは、図2等に示すように、帯電装置120の長方体状のシールドケース121に開設された長尺な矩形状の上面開口121aに対向する空気吹き出し口15が一端部に形成された送風ダクト10と、この送風ダクト110の中空内部にたとえば画像形成装置1外の空気を吹き込む送風ファン20を有している。
【0027】
送風ダクト10は、空気吹き出し口15を形成した端部から上方に立ち上がる立ち上げ胴部11とその立ち上げ胴部11から水平方向に屈曲するようにL字状に曲がって伸びる水平胴部12からなる全体構造になっており、その水平胴部12の一端部にはその端部側にさらに突出するように伸びる延長胴部13が形成されている。延長胴部13の端部は開口しており、その開口には防塵フィルター25が取り付けられている。また、延長胴部13の開口部から少し内側に、送風ファン20の取り付け部14が形成されている。このダクト延長胴部13は、たとえば画像形成装置100の本体ハウジングの一部に至るまで形成され、その防塵フィルター25が外部に露出した状態になるように構成される。
【0028】
また、その送風ダクト10には、送風ファン20の空気をその空気吹き出し口15の長手方向に間隔をあけて区分される領域E1〜E6からそれぞれ分配して吹き出すようにダクト中空内部にその空気吹き出し口15の手前まで至る複数の流路(J1〜J6)を形成するための複数の仕切板40〜44が設けられている。
【0029】
仕切板40〜44は、送風ダクト10の延長胴部13における送風ファン20の少し内側の位置から水平胴部12に至るまでの間でそのダクト胴部の内部空間を等分するような配分で形成されるストレート板部40a〜44aと、ダクトの立ち上げ胴部11を前記領域E1〜E6が区画されるようにほぼ等分するように空気吹き出し口15の手前まで伸びるような状態で形成される垂直板部40b〜44bと、そのストレート板部40a〜44aと垂直板部40b〜44bとを垂直板部側にむけて少しずつ拡張するように湾曲して接続するような形状でもって形成される接続曲板部40c〜44cとで構成されている。図中の符号45は、ダクト10の外枠をも兼ねる最外仕切板(壁)である。なお、この仕切板にて形成される流路の形態は、この例の構成に限定されない。また、その流路の形態は、送風ファン20の設置位置などによっても適宜変更することができる。
【0030】
さらに、送風ダクト10の複数の仕切板40〜44の空気吹き出し口15側となる先端部に設置され、その各仕切板で形成される各流路(J1〜J6)にそって流れて少なくとも各仕切板(40c〜44c)付近を通って流れ出す直前の空気(点線矢印)の向きを連続的または間欠的に変更して調整する風向変更調整手段50Aが設けられている。
【0031】
この例における風向変更調整手段50Aは、各仕切板(40c〜44c)の空気吹き出し口15側の先端部(吹き出し口15からダクト10内に所定距離入り込んだ位置にある仕切板端部)に、空気の流れで揺動(弾性変形)可能な厚さ25μm〜100mm程度のフィルム部材)51を吹き出し口15側に垂らした状態に取り付けて構成されたものである。このフィルム部材51は、合成樹脂等からなるものであり(たとえば、マイラーなど)、仕切板を空気吹き出し口15まで延長して存在させたような寸法形状に形成してなる。また、フィルム部材51には、ダクト10内から空気吹き出し口15にむけて送られる空気の流れの力で揺れ動きやすいようにするため、図5の上部に示すように、その下端部に切り込みスリット51aを複数本形成して複数の短冊状のものが存在するような形態にしている。
【0032】
ちなみに、このフィルム部材51は、その空気の流れで十分に揺れ動くことが可能であれば上記切り込みスリット51aを形成した対策を施す必要がない。反対に、上記切り込みスリット51aを形成する場合に限らず、空気の長さで揺れ動きかつ空気の流れを微妙に変更しやすくする等の観点から、たとえば図5の下部に例示するようにフィルム部材51の下端部に複数の切り欠き部51bを形成して空気の整流を少し乱すような不定形な下端部形状にしてもよい。
【0033】
以下、このようなフィルム部材51からなる風向変更調整手段50Aを設けた空気吹付け清掃装置1Aによる空気吹き付け動作について説明する。
【0034】
まず、空気吹付け清掃装置1における送風ファン20が、画像形成装置100の画像形成動作等と連動して回転駆動する。これにより、図3等に示すように、画像形成装置100の外部の空気(S)が、送風ファン20の送風能力に応じた量および速度で防塵フィルター25を通して送風ダクト10(延長胴部13から水平胴部12側、さらに立ち上げ胴部11側にむけて)内に吹き込まれる。この送風ダクト10内に吹き込まれた空気(S)は、そのダクト10の内部空間内に各仕切板40〜44(45)で形成される各流路(J1〜J6)に分配された状態でそれぞれ空気吹き出し口15にむけて送られる。
【0035】
続いて、送風ダクト10内の各流路(J1〜J6)をそれぞれ通して送られる空気(S)は、図4等に示すように、ダクト立ち上げ胴部11を通して最後に仕切り40b〜44bで区画される空気吹き出し口15の区画領域(E1〜E6)ごとに、帯電装置120にむけて吹き出される。
【0036】
この際、その空気(S)の一部は、図4に示すように、空気吹き出し口15から吹き出される手前において風向変更調整手段50Aにおけるフィルム部材51に触れながら通過する。このときフィルム部材51は、その通過する空気の流れ(ファンの回転数とファン羽の枚数を基調周期とした強弱をもって流れる空気流となることが多い)の力により、図4に例示するように帯電装置120の長手方向(放電ワイヤ122の張り方向に相当する)Aに自然に揺れ動くようになる(符号51´,51´´で示すような状態となる)。このフィルム部材51が揺れ動くことにより、各流路(J1〜J6)にそって流れて少なくとも仕切板40b〜44bの付近を通って流れ出す直前の空気の向きが変えられる。
【0037】
すなわち、そのフィルム部材51が、図4における実線で示すように真下に平面状に垂れ下がった状態にあるときには、たとえば流路J3を流れる空気(S)は、その流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に向いた状態(符号Saで示す風向き)で流れて空気吹き出し口15の領域E3から吹き出る(Sa)。この状態が固定されて続くと、従来の技術で説明したようにその仕切板付近において吹き出す空気の強弱が発生して吹き付け状態がむらとなる(図13の実線で示す風力分布曲線を参照)。
【0038】
これに対し、フィルム部材51が、図4における二点鎖線で示すフィルム部材51´のようにその下端部側が隣の空気吹き出し口15領域E4側に入り込むような状態に揺れ動いた状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後にフィルム部材51´の曲がった方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E4に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sb)。
【0039】
反対に、フィルム部材51が、図4における二点鎖線で示すフィルム部材51´´のようにその下端部側が隣の空気吹き出し口15領域E3の内側に入り込むような状態に揺れ動いた状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後にフィルム部材51´´の曲がった方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E3の内側や隣の領域E2に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sc)。
【0040】
この結果、空気吹き出し口15の各領域E1〜E6から吹き出る空気(S)は、その吹き出る直前において風向変更調整手段50Aにおけるフィルム部材51の空気流による揺れ動きにより吹き出し方向が微妙に変更さるようになるため、仕切板40〜44付近において吹き出す空気の強弱が緩和されて発生しにくくなり(図13の二点鎖線で示す風力分布曲線を参照)、その吹き付け状態のむらも少なくなる。
【0041】
したがって、空気突き出し口15から吹き出される空気は、帯電装置120のシールドケース121の上面開口121aを通してその内側下方に張られる放電ワイヤ122や、シールドケース121の下面開口の下側に設置されるグリッド123に対して、それらの長手方向Aの全域にほぼ万遍なく吹き付けられるようになる。このため、その吹き付け空気により、放電ワイヤ122等に近づくように浮遊する紙粉、トナー等の浮遊物や静電生成物がむらなく吹き飛ばされたり、あるいは放電ワイヤ122等にすでに付着している浮遊物もむらなく吹き飛ばされるようになり、放電ワイヤ122の全域にわたって局部的な汚れが発生することがない。この結果、画像形成装置100では、その帯電装置120による感光体110の帯電が均一になされるようになるため、得られる画像の画質もむらのない良質なものになる。
【0042】
<実施の形態2>
図6は、実施の形態2に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【0043】
この実施の形態2に係る空気吹き付け清掃装置1Bは、実施の形態1に係る空気吹き付け清掃装置1Aにおける風向変更調整手段50Aの構成に変えて異なる構成を採用した点が異なるので、それ以外の構成については同じものである。
【0044】
すなわち、この空気吹き付け清掃装置1Bにおける向変更調整手段50Bは、図6や図7に示すように、各仕切板(40c〜44c)の空気吹き出し口15側の先端部に、空気吹き出し口15の長手方向Aに沿って揺動駆動する揺動板53を取り付けて構成されたものである。
【0045】
揺動板53は、たとえば仕切板40等と同じ材質の板材でたとえば矩形の平板状に形成されたものであり、その上端部を各仕切板の先端部に支軸54を介して回動可能に吊り下げるような状態で取り付けられているとともに、その各支軸54がダクト10の外部に突出させた軸端部に固定されたアーム部材55を介して長手方向Aに往復動するリンクバー56に回動可能に連結されている。リンクバー56は、それを長手方向Aに往復動させる駆動装置57に接続されている。この駆動装置57は、専用のものを使用する必要がなく、画像形成装置100の他の構成部品に対する駆動系から必要な駆動力を調達するように構成することも勿論可能である。そして、この揺動板53は、所定時間が経過するごとに間欠的に揺動してその板面の向きが変更されるようになっている。なお、揺動板53は連続して揺動させてもかまわない。
【0046】
以下、このような揺動板53からなる風向変更調整手段50Bを設けた空気吹付け清掃装置1Bによる空気吹き付け動作の要部について説明する。
【0047】
まず、実施の形態1に係る空気吹付け清掃装置1Aと同様に、送風ファン20により吹き込まれて送風ダクト10内の各流路(J1〜J6)をそれぞれ通して送られる空気(S)は、図6、7(図4も参照)に示すように、ダクト立ち上げ胴部11を通して最後に仕切り40b〜44bで区画される空気吹き出し口15の区画領域(E1〜E6)ごとに、帯電装置120にむけて吹き出される。
【0048】
この際、その空気(S)の一部は、図7に示すように、空気吹き出し口15から吹き出される手前において風向変更調整手段50Bにおける揺動板53に触れながら通過する。このとき各揺動板53は、駆動装置57の動力によりリンクバー56が長手方向Aにそって往動および復動されることにより、そのリンクバー56の動きにともなって支軸54が所定の方向に回転し、これにより支軸54を支点として所定の板面角度(姿勢)になるように揺動する(符号53a,53bで示すような姿勢状態となる)。この各揺動板53が揺動することにより、各流路(J1〜J6)にそって流れて少なくとも仕切板40b〜44bの付近を通って流れ出す直前の空気の向きが変えられる。
【0049】
すなわち、その揺動板53が、図7における実線で示すように仕切板の面に沿うように真下をむいた姿勢状態にあるときには、たとえば流路J3を流れる空気(S)は、その流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に向いた状態(符号Saで示す風向き)で流れて空気吹き出し口15の領域E3から吹き出る(Sa)。この状態が固定されて続くと、前述した場合と同様に、仕切板付近において吹き出す空気の強弱が発生して吹き付け状態がむらとなる。
【0050】
これに対し、揺動板53が、図7における二点鎖線で示す揺動板53´のようにその下端部側が隣の空気吹き出し口15領域E4側に入り込むような角度まで揺動して停止した状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後に揺動板53´の傾いた板面の方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E4に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sb)。
【0051】
反対に、揺動板53が、図7における二点鎖線で示す揺動板53´´のようにその下端部側が隣の空気吹き出し口15領域E3の内側に入り込むような角度まで揺動して停止した状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後に揺動板53´´の板面の方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E3の内側や隣の領域E2に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sc)。
【0052】
この結果、空気吹き出し口15の各領域E1〜E6から吹き出る空気(S)は、その吹き出る直前において風向変更調整手段50Bにおける揺動板53の揺動した(傾き)姿勢により吹き出し方向が微妙に変更さるようになるため、仕切板40〜44付近において吹き出す空気の強弱が緩和されて発生しにくくなり、その吹き付け状態のむらも少なくなる。
【0053】
したがって、空気突き出し口15から吹き出される空気は、実施の形態1の場合とほぼ同様に、帯電装置120のシールドケース121の上面開口121aを通してその内側下方に張られる放電ワイヤ122や、シールドケース121の下面開口の下側に設置されるグリッド123に対して、それらの長手方向Aの全域にほぼ万遍なく吹き付けられるようになる。特に、この風向変更調整手段50Bでは、その揺動板53の傾き姿勢を駆動装置57の制御により、任意に変更することができる。
【0054】
<実施の形態3>
図8は、実施の形態3に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【0055】
この実施の形態3に係る空気吹き付け清掃装置1Cは、実施の形態1に係る空気吹き付け清掃装置1Aにおける風向変更調整手段50Aの構成に変えて異なる構成を採用した点が異なるので、それ以外の構成については同じものである。
【0056】
すなわち、この空気吹き付け清掃装置1Cにおける向変更調整手段50Cは、図8や図9に示すように、各仕切板(40c〜44c)の空気吹き出し口15側の先端部に、空気吹き出し口15の長手方向Aに沿って回転駆動する回転板58を取り付けて構成されたものである。
【0057】
回転板58は、たとえば仕切板40等と同じ材質の板材でたとえば円形の板面形状に形成されたものであり、その中央部を通過するように長手方向Aに伸びる回転軸59に所定の角度に傾斜した状態で固定して取り付けられている。回転板58の板面形状については、円形以外のものであってもよく、たとえば楕円形、曲面形状等としてもよい。また、その回転板58が取り付けられた回転軸59は、がギヤ61を介して回転駆動装置62と接続されており、回転駆動されるようになっている。この回転駆動装置62は、専用のものを使用する必要がなく、画像形成装置100の他の構成部品に対する駆動系から必要な駆動力を適宜調達するように構成することも勿論可能である。そして、この回転板58は、所定時間が経過するごとに所定の角度ずつ間欠的に回転してその板面の向きが変更されるようになっている。なお、回転板58は連続して回転させてもかまわない。
【0058】
以下、このような回転板58からなる風向変更調整手段50Cを設けた空気吹付け清掃装置1Cによる空気吹き付け動作の要部について説明する。
【0059】
まず、実施の形態1に係る空気吹付け清掃装置1Aと同様に、送風ファン20により吹き込まれて送風ダクト10内の各流路(J1〜J6)をそれぞれ通して送られる空気(S)は、図8、9(図4も参照)に示すように、ダクト立ち上げ胴部11を通して最後に仕切り40b〜44bで区画される空気吹き出し口15の区画領域(E1〜E6)ごとに、帯電装置120にむけて吹き出される。
【0060】
この際、その空気(S)の一部は、図9に示すように、空気吹き出し口15から吹き出される手前において風向変更調整手段50Cにおける回転板58に触れながら通過する。このとき各回転板58は、駆動装置62の動力により回転軸59が所定の方向に所定の角度だけ回転し、これにより回転軸59を中心として所定の板面角度(姿勢)になるように揺動する(符号58a,58bで示すような姿勢状態となる)。この各回転板58が回転することにより、各流路(J1〜J6)にそって流れて少なくとも仕切板40b〜44bの付近を通って流れ出す直前の空気の向きが変えられる。
【0061】
すなわち、その回転板58が、図9における二点鎖線で示す揺動板58´のようにその板面の下部側が隣の空気吹き出し口15領域E4側に入り込むような角度まで回転して停止した状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後に回転板58´の傾いた板面の方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E4に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sb)。
【0062】
反対に、回転板58が、図9における二点鎖線で示す揺動板58´´のようにその板面の下部側が隣の空気吹き出し口15領域E3の内側に入り込むような角度まで回転して停止した状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後に回転板58´´の方無体板面の方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E3の内側や隣の領域E2に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sc)。
【0063】
この結果、空気吹き出し口15の各領域E1〜E6から吹き出る空気(S)は、その吹き出る直前において風向変更調整手段50Cにおける回転板58の回転した(板面の傾き)姿勢により吹き出し方向が微妙に変更さるようになるため、仕切板40〜44付近において吹き出す空気の強弱が緩和されて発生しにくくなり、その吹き付け状態のむらも少なくなる。
【0064】
したがって、空気突き出し口15から吹き出される空気は、実施の形態1の場合とほぼ同様に、帯電装置120のシールドケース121の上面開口121aを通してその内側下方に張られる放電ワイヤ122や、シールドケース121の下面開口の下側に設置されるグリッド123に対して、それらの長手方向Aの全域にほぼ万遍なく吹き付けられるようになる。特に、この風向変更調整手段50Cでは、実施の形態2に係る調整装置50Bの場合と同様に、その回転板58の板面傾き姿勢を駆動装置62の制御により、任意に変更することができる。
【0065】
<実施の形態4>
図10は、実施の形態4に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【0066】
この実施の形態4に係る空気吹き付け清掃装置1Dは、実施の形態1に係る空気吹き付け清掃装置1Aにおける風向変更調整手段50Aの構成に変えて異なる構成を採用した点が異なるので、それ以外の構成については同じものである。
【0067】
すなわち、この空気吹き付け清掃装置1Dにおける向変更調整手段50Dは、図10〜12に示すように、各仕切板(40c〜44c)の空気吹き出し口15まで到達するように形成した先端部に、空気吹き出し口15の長手方向Aに沿って出没駆動する複数の突出部63を取り付けて構成されたものである。
【0068】
突出部63は、たとえば合成樹脂等の材質からなり、たとえば丸棒形状に形成されたものであり、また、図12等に示すように、その複数のものを支持板64に所定の配置パターンで立設したものである。その突出部63の高さは、仕切板の厚みよりも大きな寸法でその仕切板の面から突出させたい高さに応じて設定される。突出部63の形態については、円棒形状以外のものであってもよく、たとえば楕円状、不定型の形状等としてもよい。この突出部63は、その支持板64に取り付けた状態で、各仕切板の先端部側にその各突出ブ63がスライド可能に嵌め入れられるように形成された貫通孔を通して各仕切板(40c〜44c)に出没可能に取り付けられる。その出没方向は、空気吹き出し口15の長手方向Aと同じである。
【0069】
また、その各支持板64にはダクト10の外部に突出して下方に曲がるように取り付けられているアーム部材65を介して長手方向Aに往復動するスライドバー66に固定した状態で連結されている。スライドバー66は、それを長手方向Aに往復動させる駆動装置67に接続されている。この駆動装置67は、専用のものを使用する必要がなく、画像形成装置100の他の構成部品に対する駆動系から必要な駆動力を調達するように構成することも勿論可能である。そして、この突出部63は、所定時間が経過するごとに間欠的にスライド移動してその仕切板の板面から所定量だけ突出したり、板面内に完全に没したりしてその突出状態が変更されるようになっている。なお、突出部63は連続して出没駆動させてもかまわない。
【0070】
以下、このような突出部63からなる風向変更調整手段50Dを設けた空気吹付け清掃装置1Dによる空気吹き付け動作の要部について説明する。
【0071】
まず、実施の形態1に係る空気吹付け清掃装置1Aと同様に、送風ファン20により吹き込まれて送風ダクト10内の各流路(J1〜J6)をそれぞれ通して送られる空気(S)は、図10、11(図4も参照)に示すように、ダクト立ち上げ胴部11を通して最後に仕切り40b〜44bで区画される空気吹き出し口15の区画領域(E1〜E6)ごとに、帯電装置120にむけて吹き出される。
【0072】
この際、その空気(S)の一部は、図11に示すように、空気吹き出し口15から吹き出される手前において風向変更調整手段50Dにおける突出部63に触れながら通過することがある。このとき各突出部63は、駆動装置67の動力によりスライドバー66が長手方向Aにそって往動および復動されることにより、そのスライドバー66の動きにともなってアーム部材65を介して支持板64が長手方向Aに沿う所定の方向にスライドする。これにより、図12の下部側に示すように、支持板64上のすべての各突出部63が仕切板の貫通孔を通してその板面から所定の高さ(量)だけ突出した状態になったり、板面内に埋没した状態になるように出没駆動する(符号63´,63´´で示すような姿勢状態となる)。この各突出部63が出没運動することにより、各流路(J1〜J6)にそって流れて少なくとも仕切板40b〜44bの付近を通って流れ出す直前の空気の向きが変えられる。
【0073】
すなわち、その突出部63が、図11における実線で示す突出部63´のように仕切板の面から突出した状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後に突出している各突出部63に衝突しながら方向を変えながら乱流するもの(Sdで示すような不規則な向きに流れるもの)があり、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E3の他の部分や隣の領域E4に少し入り込んだ状態で不規則に乱されて吹き出るようになる。このときの突出部63の突出高さを調整することにより、その突出部63による風向きの変更作用を受ける度合いも変化することになる。
【0074】
これに対し、突出部63が、図11における二点鎖線で示す突出部揺動板63´´のように仕切板の面内に埋没した状態にあるときには、たとえば流路J3を流れる空気(S)は、その流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に向いた状態(符号Saで示す風向き)で流れて空気吹き出し口15の領域E3から吹き出る。この状態が固定されて続くと、前述した場合と同様に、仕切板付近において吹き出す空気の強弱が発生して吹き付け状態がむらとなる。
【0075】
この結果、空気吹き出し口15の各領域E1〜E6から吹き出る空気(S)は、その吹き出る直前において風向変更調整手段50Dにおける突出部63の突出度合い(またはその形状や、配置パターンなども含まれる)の条件の違いにより吹き出し方向が微妙に変更さるようになるため(Sd)、仕切板40〜44付近において吹き出す空気の強弱が緩和されて発生しにくくなり、その吹き付け状態のむらも少なくなる。
<他の実施の形態>
【0076】
実施の形態1〜4では、空気吹き付け清掃装置1をコロナ放電式帯電装置120に適用した場合について例示したが、その他にも、たとえば、像露光装置130の露光光の光路上に設置されるガラス面やミラー面などの部位などの部位に対して適用することも可能である。これにより、そのガラス面やミラー面などに浮遊物がむらになって付着して汚れることが抑制され、正常な像露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施の形態1(実施の形態2〜4も含む)に係る画像形成装置の要部を示す概略説明図である。
【図2】実施の形態1に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【図3】清掃装置のダクトの内部を示す平面説明図である。
【図4】図2の空気吹き付け清掃装置における風向変更調整手段の構成および動作状態を示す説明図である。
【図5】フィルム部材の代表的な構成例を示す正面図である。
【図6】実施の形態2に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【図7】図6の空気吹き付け清掃装置における風向変更調整手段の構成および動作状態を示す説明図である。
【図8】実施の形態3に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【図9】図8の空気吹き付け清掃装置における風向変更調整手段の構成および動作状態を示す説明図である。
【図10】実施の形態4に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【図11】図10の空気吹き付け清掃装置における風向変更調整手段の構成および動作状態を示す説明図である。
【図12】突出部の風向変更調整手段の構成と動作状態を示す説明図である。
【図13】従来の吹き付け空気の強弱(むら)の発生状態と改善状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0078】
1A,1B,1C,1D…空気吹き付け清掃装置、10…送風ダクト、15…空気吹き出し口、20…送風ファン、40〜44…仕切板、50A,50B,50C,50D…風向変更調整手段、51…フィルム部材、53…揺動板(可動板)、58…回転板(可動板)、63…突出部、100…画像形成装置、120…コロナ放電式帯電装置(清掃対象物、長尺な構成部品)、A…長手方向(長尺な方向)、E1〜E6…領域、J1〜J6…流路、S…空気(の流れ)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な対象物にその長尺な方向に対して空気を吹き付ける空気吹付け清掃装置およびそれを用いたプリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置に関するものである
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式、静電記録方式等を利用してトナー(粉体現像剤)からなる画像を記録用紙等のシート状の記録媒体に形成する画像形成装置においては、感光体の帯電工程や除電工程、トナー像の転写工程、記録用紙を搬送するベルトの帯電工程や剥離工程等にコロナ放電装置を使用するものがある。
【0003】
たとえば、このようなコロナ放電装置が使用される画像形成装置では、その装置ハウジング内に浮遊する記録用紙の紙粉やトナー等の浮遊物がコロナ放電装置の放電ワイヤに付着すると放電むらが発生し易く、例えば感光体を均一に帯電することが困難になってしまう。また、その放電ワイヤの周囲にオゾン等の放電生成物が発生することから、そのオゾンによって放電ワイヤの表面に酸化物が成長し易く、これによっても放電むらが発生してしまう。
【0004】
このため、従来においては、コロナ放電装置の放電ワイヤにむけて空気を吹きつけてトナー等の浮遊物が付着するのを可及的に防止すると共に、放電生成物を放電ワイヤの周囲から吹き払うようにしていた。しかし、その吹付ける空気がコロナ放電装置の放電ワイヤに沿う長手方向に対して均一に吹き付けられない場合には、空気流の弱い部分に対応して放電ワイヤが局所的に汚れ又は酸化することとなり、やはり経時的に放電むらが発生してしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、このような問題を解消するために、次のような対策手段が知られている。
【0006】
たとえば、感光体の除電ランプと帯電手段との間に感光体にむけて送風する送風手段を有する画像形成装置として、送風手段の送風ファンから得られる風を送るためのダクトにおいて感光体の軸方向(長手方向)にわたって均一にするフィンを設け、これにより、感光体の軸方向の送風量を均一にするようにした画像形成装置の提案が存在する(特許文献1)。
【0007】
また、本出願人による特許出願であるが、送風ファンからの空気をダクトを通してシールドケース内の放電ワイヤ等にむけて吹付けるコロナ放電装置として、そのダクト内にシールドケースの長手方向にそって仕切壁を立設し、これにより、そのシールドケース内にむけて送風される空気流の圧力をその仕切壁の手前側で一時的に高めるようにすることで空気流をその長手方向にそって均一化するようにしたコロナ放電装置の提案が存在する(特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】特許第2632815号公報
【特許文献2】特開平10−198128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前者の対策手段では、ダクト内に設けたフィンにより送風ファンからの空気を均一にした後にダクトの開口部から感光ドラムに送風しているが、図13に例示するように、そのダクト01内のフィン02のある部分にほぼ相応して空気流の強弱(むら)が発生する(図中の実線で示す風力分布曲線を参照)。すなわち、フィン02に衝突するようにして流れる空気流の風力が、そうでない状態で流れる空気流の風量より相対的に強くなる。そして、これが要因となって感光体や帯電チャージャに汚れのむらが発生するという問題がある。図中の符号03は送風ファンを、点線矢印は空気の流れを示す。
【0010】
また、後者の対策手段では、仕切壁によりダクト内の空気流の圧力を一時的に高めるため圧力損失が発生し、このため最終的に放電ワイヤ等に吹付けられる空気の風量が低下してしまう難点があった。この場合、その風量を確保するために送風ファンの送風能力を高めるという対策も考えられるが、その場合には、かかる送風ファンの消費電力が増加したり、その送風時の騒音も増加してしまうという新たな問題が発生してしまう。
【0011】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、電力や騒音の大幅な増加をはじめ圧力損失をほとんど招くことなく、長尺な清掃対象物の長手方向に対して空気を可及的に満遍なく吹き付けられるようにして、その清掃対象物の浮遊物がむらのある状態で付着することを防止することができる空気吹付け清掃装置を提供するとともに、浮遊物が構成部品にむらのある状態で付着することにより画質上のむらが発生することを防止することができる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の空気吹付け清掃装置は、浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な対象物にその長尺な方向に対して空気を吹き付ける空気吹付け清掃装置であって、
その対象物の長尺な清掃対象部位に沿って対向する長尺な空気吹き出し口が一端部側に開設された中空構造の送風ダクトと、この送風ダクトの中空内部に空気を吹き込む送風ファンと、この送風ファンの空気を前記空気吹き出し口の長手方向に間隔をあけて区分される領域からそれぞれ分配して吹き出すように前記送風ダクトの中空内部にその空気吹き出し口の手前まで至る複数の流路を形成するために設けられる複数の仕切板と、この複数の仕切板の空気吹き出し口側先端部に設置され、その各仕切板で形成される各流路にそって流れて少なくとも仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向きを連続的または間欠的に変更して調整する風向変更調整手段を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
上記風向変更調整手段は、たとえば、各仕切板の空気吹き出し口側先端部に取り付けられ、送り出される空気の流れにより揺れ動くフィルム部材で構成することができる。
【0014】
また、上記風向変更調整手段は、各仕切板の空気吹き出し口側先端部において送り出される空気の向きを板面の状態変化により変更し得る可動板で構成することもできる。可動板は、たとえば揺動運動、回転運動、直線運動等により板面の状態を変化できるように所定の駆動手段からの動力で可動させるように構成すればよい。
【0015】
本発明の画像形成装置は、シート状の記録媒体に画像を形成する装置であって、その画像形成に使用される構成部品のうち浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な構成部品にその長手方向に対して空気を吹き付ける装置として、上記したいずれかの構成からなる空気吹付け清掃装置を使用することを特徴とするものである。その構成部品としては、たとえば、コロナ放電装置、像露光装置などである。
【発明の効果】
【0016】
このような空気吹付け清掃装置によれば、送風ファンからの空気が送風ダクトの複数の仕切板で形成される各流路を通して分配されて最後に空気吹き出し口から対象物の長尺な清掃対象部位に対して吹き付けられる。このとき、その複数の仕切板の空気吹き出し口側先端部に設置された風向変更調整手段により、その送風ダクト内の各流路を通して送られて少なくとも仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向きが連続的または間欠的に変更して調整されるようになる。
【0017】
これにより、長尺な清掃対象物の長手方向に対して空気を連続的または間欠的に満遍なく吹き付けられるようになり、送風ダクトの複数の仕切板に対応した部位に相応して空気流の固定的な強弱(むら)の発生がなくなり、その空気流の固定的な強弱が要因となって清掃対象物に浮遊物がむらのある状態で付着することが防止される。風向変更調整手段により空気の向きを間欠的に変更して調整する場合には、ある時間が経過するなかで平均すると空気の吹きつけが均一化されてむらのある汚れの発生が防止される。
【0018】
また、風向変更調整手段は、各流路にそって流れて少なくとも仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向きを変更する程度であるので、圧力損失となることがなく、この調整手段により風量が低下することもない。さらに、送風ファンの送風能力を高める必要もないため、それによる電力や騒音の増加を誘発することもない。
【0019】
風向変更調整手段が上記したようなフィルム部材で構成した場合は、そのフィルム部材が送り出される空気の流れにより揺れ動くことにより、仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向き空気の向きが揺れる方向に応じて変更される。これにより、仕切板に対応した部位に相応して空気流の固定的な強弱の発生がなくなる。また、この構成の場合は、フィルム部材を揺れ動かすための駆動手段が不要である。
【0020】
風向変更調整手段が上記したような可動板で構成した場合には、その可動板がその板面の状態を変化させることにより、仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向き空気の向きが揺れる方向に応じて変更される。これにより、仕切板に対応した部位に相応して空気流の固定的な強弱の発生がなくなる。また、この構成の場合は、仕切板を計画的に可動させることにより、汚れの発生状態を任意にコントロールすることができる。
【0021】
そして、このような空気吹付け清掃装置を使用した画像形成装置によれば、画像形成に使用される長尺な構成部品のうち浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な構成部品に対して空気を連続的または間欠的に満遍なく吹き付けることができ、送風ダクトの複数の仕切板に対応した部位に相応して空気流の固定的な強弱(むら)の発生がなくなり、その空気流の固定的な強弱が要因となって当該構成部品に浮遊物がむらのある状態で付着することが防止される。これにより、かかる構成部品が関与して得られる画像の長手方向に画質のむらが発生することがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
<実施の形態1>
図1および図2は本発明の実施の形態1を示すものであり、図1は実施の形態1に係る空気吹付け清掃装置を適用した画像形成装置の要部を示す概略説明図、図2はその空気吹付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【0023】
図1に示す画像形成装置100は、電子写真方式、静電記録方式等を利用してトナーからなる画像を最終的に記録用紙に形成する画像形成装置である。このような画像形成装置100は、図示しない装置ハウジング内に、基本的に、矢印方向に回転する感光ドラム110の周囲に、その感光ドラム110をコロナ放電により均一に帯電するコロナ放電式帯電装置120と、その帯電された感光ドラム110に画像情報に応じて光(H)を照射して潜像を形成するLEDアレー方式、レーザービーム方式等の像露光装置130と、その潜像をトナー(現像剤)により現像してトナー像を形成する現像装置140と、そのトナー像を記録用紙Pまたは中間転写体180に転写する転写装置150と、この転写後の感光ドラム110の表面を清掃するクリーニング装置160を主に設置した構成からなっている。
【0024】
また、その中間転写体180を使用する場合には、その中間転写体に転写したトナー像を最後に記録用紙Pに転写する二次転写装置が設置される。さらに、トナー像の記録用紙Pへの転写部の下流側には、そのトナー像を記録用紙に定着する処理を行なうための定着装置(不図示)が設置されている。
【0025】
そして、この画像形成装置100においては、特に画像形成動作時には、その装置ハウジング内でトナー、紙粉等の浮遊物が浮遊しているため、それらの浮遊物がコロナ放電式帯電装置120における放電ワイヤ122や、コロナ放電の電荷を整流するグリッド123などに付着することを抑制または防止するため、その帯電装置120には空気吹付け清掃装置1Aを取り付けて使用している。
【0026】
空気吹付け清掃装置1Aは、図2等に示すように、帯電装置120の長方体状のシールドケース121に開設された長尺な矩形状の上面開口121aに対向する空気吹き出し口15が一端部に形成された送風ダクト10と、この送風ダクト110の中空内部にたとえば画像形成装置1外の空気を吹き込む送風ファン20を有している。
【0027】
送風ダクト10は、空気吹き出し口15を形成した端部から上方に立ち上がる立ち上げ胴部11とその立ち上げ胴部11から水平方向に屈曲するようにL字状に曲がって伸びる水平胴部12からなる全体構造になっており、その水平胴部12の一端部にはその端部側にさらに突出するように伸びる延長胴部13が形成されている。延長胴部13の端部は開口しており、その開口には防塵フィルター25が取り付けられている。また、延長胴部13の開口部から少し内側に、送風ファン20の取り付け部14が形成されている。このダクト延長胴部13は、たとえば画像形成装置100の本体ハウジングの一部に至るまで形成され、その防塵フィルター25が外部に露出した状態になるように構成される。
【0028】
また、その送風ダクト10には、送風ファン20の空気をその空気吹き出し口15の長手方向に間隔をあけて区分される領域E1〜E6からそれぞれ分配して吹き出すようにダクト中空内部にその空気吹き出し口15の手前まで至る複数の流路(J1〜J6)を形成するための複数の仕切板40〜44が設けられている。
【0029】
仕切板40〜44は、送風ダクト10の延長胴部13における送風ファン20の少し内側の位置から水平胴部12に至るまでの間でそのダクト胴部の内部空間を等分するような配分で形成されるストレート板部40a〜44aと、ダクトの立ち上げ胴部11を前記領域E1〜E6が区画されるようにほぼ等分するように空気吹き出し口15の手前まで伸びるような状態で形成される垂直板部40b〜44bと、そのストレート板部40a〜44aと垂直板部40b〜44bとを垂直板部側にむけて少しずつ拡張するように湾曲して接続するような形状でもって形成される接続曲板部40c〜44cとで構成されている。図中の符号45は、ダクト10の外枠をも兼ねる最外仕切板(壁)である。なお、この仕切板にて形成される流路の形態は、この例の構成に限定されない。また、その流路の形態は、送風ファン20の設置位置などによっても適宜変更することができる。
【0030】
さらに、送風ダクト10の複数の仕切板40〜44の空気吹き出し口15側となる先端部に設置され、その各仕切板で形成される各流路(J1〜J6)にそって流れて少なくとも各仕切板(40c〜44c)付近を通って流れ出す直前の空気(点線矢印)の向きを連続的または間欠的に変更して調整する風向変更調整手段50Aが設けられている。
【0031】
この例における風向変更調整手段50Aは、各仕切板(40c〜44c)の空気吹き出し口15側の先端部(吹き出し口15からダクト10内に所定距離入り込んだ位置にある仕切板端部)に、空気の流れで揺動(弾性変形)可能な厚さ25μm〜100mm程度のフィルム部材)51を吹き出し口15側に垂らした状態に取り付けて構成されたものである。このフィルム部材51は、合成樹脂等からなるものであり(たとえば、マイラーなど)、仕切板を空気吹き出し口15まで延長して存在させたような寸法形状に形成してなる。また、フィルム部材51には、ダクト10内から空気吹き出し口15にむけて送られる空気の流れの力で揺れ動きやすいようにするため、図5の上部に示すように、その下端部に切り込みスリット51aを複数本形成して複数の短冊状のものが存在するような形態にしている。
【0032】
ちなみに、このフィルム部材51は、その空気の流れで十分に揺れ動くことが可能であれば上記切り込みスリット51aを形成した対策を施す必要がない。反対に、上記切り込みスリット51aを形成する場合に限らず、空気の長さで揺れ動きかつ空気の流れを微妙に変更しやすくする等の観点から、たとえば図5の下部に例示するようにフィルム部材51の下端部に複数の切り欠き部51bを形成して空気の整流を少し乱すような不定形な下端部形状にしてもよい。
【0033】
以下、このようなフィルム部材51からなる風向変更調整手段50Aを設けた空気吹付け清掃装置1Aによる空気吹き付け動作について説明する。
【0034】
まず、空気吹付け清掃装置1における送風ファン20が、画像形成装置100の画像形成動作等と連動して回転駆動する。これにより、図3等に示すように、画像形成装置100の外部の空気(S)が、送風ファン20の送風能力に応じた量および速度で防塵フィルター25を通して送風ダクト10(延長胴部13から水平胴部12側、さらに立ち上げ胴部11側にむけて)内に吹き込まれる。この送風ダクト10内に吹き込まれた空気(S)は、そのダクト10の内部空間内に各仕切板40〜44(45)で形成される各流路(J1〜J6)に分配された状態でそれぞれ空気吹き出し口15にむけて送られる。
【0035】
続いて、送風ダクト10内の各流路(J1〜J6)をそれぞれ通して送られる空気(S)は、図4等に示すように、ダクト立ち上げ胴部11を通して最後に仕切り40b〜44bで区画される空気吹き出し口15の区画領域(E1〜E6)ごとに、帯電装置120にむけて吹き出される。
【0036】
この際、その空気(S)の一部は、図4に示すように、空気吹き出し口15から吹き出される手前において風向変更調整手段50Aにおけるフィルム部材51に触れながら通過する。このときフィルム部材51は、その通過する空気の流れ(ファンの回転数とファン羽の枚数を基調周期とした強弱をもって流れる空気流となることが多い)の力により、図4に例示するように帯電装置120の長手方向(放電ワイヤ122の張り方向に相当する)Aに自然に揺れ動くようになる(符号51´,51´´で示すような状態となる)。このフィルム部材51が揺れ動くことにより、各流路(J1〜J6)にそって流れて少なくとも仕切板40b〜44bの付近を通って流れ出す直前の空気の向きが変えられる。
【0037】
すなわち、そのフィルム部材51が、図4における実線で示すように真下に平面状に垂れ下がった状態にあるときには、たとえば流路J3を流れる空気(S)は、その流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に向いた状態(符号Saで示す風向き)で流れて空気吹き出し口15の領域E3から吹き出る(Sa)。この状態が固定されて続くと、従来の技術で説明したようにその仕切板付近において吹き出す空気の強弱が発生して吹き付け状態がむらとなる(図13の実線で示す風力分布曲線を参照)。
【0038】
これに対し、フィルム部材51が、図4における二点鎖線で示すフィルム部材51´のようにその下端部側が隣の空気吹き出し口15領域E4側に入り込むような状態に揺れ動いた状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後にフィルム部材51´の曲がった方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E4に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sb)。
【0039】
反対に、フィルム部材51が、図4における二点鎖線で示すフィルム部材51´´のようにその下端部側が隣の空気吹き出し口15領域E3の内側に入り込むような状態に揺れ動いた状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後にフィルム部材51´´の曲がった方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E3の内側や隣の領域E2に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sc)。
【0040】
この結果、空気吹き出し口15の各領域E1〜E6から吹き出る空気(S)は、その吹き出る直前において風向変更調整手段50Aにおけるフィルム部材51の空気流による揺れ動きにより吹き出し方向が微妙に変更さるようになるため、仕切板40〜44付近において吹き出す空気の強弱が緩和されて発生しにくくなり(図13の二点鎖線で示す風力分布曲線を参照)、その吹き付け状態のむらも少なくなる。
【0041】
したがって、空気突き出し口15から吹き出される空気は、帯電装置120のシールドケース121の上面開口121aを通してその内側下方に張られる放電ワイヤ122や、シールドケース121の下面開口の下側に設置されるグリッド123に対して、それらの長手方向Aの全域にほぼ万遍なく吹き付けられるようになる。このため、その吹き付け空気により、放電ワイヤ122等に近づくように浮遊する紙粉、トナー等の浮遊物や静電生成物がむらなく吹き飛ばされたり、あるいは放電ワイヤ122等にすでに付着している浮遊物もむらなく吹き飛ばされるようになり、放電ワイヤ122の全域にわたって局部的な汚れが発生することがない。この結果、画像形成装置100では、その帯電装置120による感光体110の帯電が均一になされるようになるため、得られる画像の画質もむらのない良質なものになる。
【0042】
<実施の形態2>
図6は、実施の形態2に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【0043】
この実施の形態2に係る空気吹き付け清掃装置1Bは、実施の形態1に係る空気吹き付け清掃装置1Aにおける風向変更調整手段50Aの構成に変えて異なる構成を採用した点が異なるので、それ以外の構成については同じものである。
【0044】
すなわち、この空気吹き付け清掃装置1Bにおける向変更調整手段50Bは、図6や図7に示すように、各仕切板(40c〜44c)の空気吹き出し口15側の先端部に、空気吹き出し口15の長手方向Aに沿って揺動駆動する揺動板53を取り付けて構成されたものである。
【0045】
揺動板53は、たとえば仕切板40等と同じ材質の板材でたとえば矩形の平板状に形成されたものであり、その上端部を各仕切板の先端部に支軸54を介して回動可能に吊り下げるような状態で取り付けられているとともに、その各支軸54がダクト10の外部に突出させた軸端部に固定されたアーム部材55を介して長手方向Aに往復動するリンクバー56に回動可能に連結されている。リンクバー56は、それを長手方向Aに往復動させる駆動装置57に接続されている。この駆動装置57は、専用のものを使用する必要がなく、画像形成装置100の他の構成部品に対する駆動系から必要な駆動力を調達するように構成することも勿論可能である。そして、この揺動板53は、所定時間が経過するごとに間欠的に揺動してその板面の向きが変更されるようになっている。なお、揺動板53は連続して揺動させてもかまわない。
【0046】
以下、このような揺動板53からなる風向変更調整手段50Bを設けた空気吹付け清掃装置1Bによる空気吹き付け動作の要部について説明する。
【0047】
まず、実施の形態1に係る空気吹付け清掃装置1Aと同様に、送風ファン20により吹き込まれて送風ダクト10内の各流路(J1〜J6)をそれぞれ通して送られる空気(S)は、図6、7(図4も参照)に示すように、ダクト立ち上げ胴部11を通して最後に仕切り40b〜44bで区画される空気吹き出し口15の区画領域(E1〜E6)ごとに、帯電装置120にむけて吹き出される。
【0048】
この際、その空気(S)の一部は、図7に示すように、空気吹き出し口15から吹き出される手前において風向変更調整手段50Bにおける揺動板53に触れながら通過する。このとき各揺動板53は、駆動装置57の動力によりリンクバー56が長手方向Aにそって往動および復動されることにより、そのリンクバー56の動きにともなって支軸54が所定の方向に回転し、これにより支軸54を支点として所定の板面角度(姿勢)になるように揺動する(符号53a,53bで示すような姿勢状態となる)。この各揺動板53が揺動することにより、各流路(J1〜J6)にそって流れて少なくとも仕切板40b〜44bの付近を通って流れ出す直前の空気の向きが変えられる。
【0049】
すなわち、その揺動板53が、図7における実線で示すように仕切板の面に沿うように真下をむいた姿勢状態にあるときには、たとえば流路J3を流れる空気(S)は、その流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に向いた状態(符号Saで示す風向き)で流れて空気吹き出し口15の領域E3から吹き出る(Sa)。この状態が固定されて続くと、前述した場合と同様に、仕切板付近において吹き出す空気の強弱が発生して吹き付け状態がむらとなる。
【0050】
これに対し、揺動板53が、図7における二点鎖線で示す揺動板53´のようにその下端部側が隣の空気吹き出し口15領域E4側に入り込むような角度まで揺動して停止した状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後に揺動板53´の傾いた板面の方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E4に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sb)。
【0051】
反対に、揺動板53が、図7における二点鎖線で示す揺動板53´´のようにその下端部側が隣の空気吹き出し口15領域E3の内側に入り込むような角度まで揺動して停止した状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後に揺動板53´´の板面の方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E3の内側や隣の領域E2に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sc)。
【0052】
この結果、空気吹き出し口15の各領域E1〜E6から吹き出る空気(S)は、その吹き出る直前において風向変更調整手段50Bにおける揺動板53の揺動した(傾き)姿勢により吹き出し方向が微妙に変更さるようになるため、仕切板40〜44付近において吹き出す空気の強弱が緩和されて発生しにくくなり、その吹き付け状態のむらも少なくなる。
【0053】
したがって、空気突き出し口15から吹き出される空気は、実施の形態1の場合とほぼ同様に、帯電装置120のシールドケース121の上面開口121aを通してその内側下方に張られる放電ワイヤ122や、シールドケース121の下面開口の下側に設置されるグリッド123に対して、それらの長手方向Aの全域にほぼ万遍なく吹き付けられるようになる。特に、この風向変更調整手段50Bでは、その揺動板53の傾き姿勢を駆動装置57の制御により、任意に変更することができる。
【0054】
<実施の形態3>
図8は、実施の形態3に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【0055】
この実施の形態3に係る空気吹き付け清掃装置1Cは、実施の形態1に係る空気吹き付け清掃装置1Aにおける風向変更調整手段50Aの構成に変えて異なる構成を採用した点が異なるので、それ以外の構成については同じものである。
【0056】
すなわち、この空気吹き付け清掃装置1Cにおける向変更調整手段50Cは、図8や図9に示すように、各仕切板(40c〜44c)の空気吹き出し口15側の先端部に、空気吹き出し口15の長手方向Aに沿って回転駆動する回転板58を取り付けて構成されたものである。
【0057】
回転板58は、たとえば仕切板40等と同じ材質の板材でたとえば円形の板面形状に形成されたものであり、その中央部を通過するように長手方向Aに伸びる回転軸59に所定の角度に傾斜した状態で固定して取り付けられている。回転板58の板面形状については、円形以外のものであってもよく、たとえば楕円形、曲面形状等としてもよい。また、その回転板58が取り付けられた回転軸59は、がギヤ61を介して回転駆動装置62と接続されており、回転駆動されるようになっている。この回転駆動装置62は、専用のものを使用する必要がなく、画像形成装置100の他の構成部品に対する駆動系から必要な駆動力を適宜調達するように構成することも勿論可能である。そして、この回転板58は、所定時間が経過するごとに所定の角度ずつ間欠的に回転してその板面の向きが変更されるようになっている。なお、回転板58は連続して回転させてもかまわない。
【0058】
以下、このような回転板58からなる風向変更調整手段50Cを設けた空気吹付け清掃装置1Cによる空気吹き付け動作の要部について説明する。
【0059】
まず、実施の形態1に係る空気吹付け清掃装置1Aと同様に、送風ファン20により吹き込まれて送風ダクト10内の各流路(J1〜J6)をそれぞれ通して送られる空気(S)は、図8、9(図4も参照)に示すように、ダクト立ち上げ胴部11を通して最後に仕切り40b〜44bで区画される空気吹き出し口15の区画領域(E1〜E6)ごとに、帯電装置120にむけて吹き出される。
【0060】
この際、その空気(S)の一部は、図9に示すように、空気吹き出し口15から吹き出される手前において風向変更調整手段50Cにおける回転板58に触れながら通過する。このとき各回転板58は、駆動装置62の動力により回転軸59が所定の方向に所定の角度だけ回転し、これにより回転軸59を中心として所定の板面角度(姿勢)になるように揺動する(符号58a,58bで示すような姿勢状態となる)。この各回転板58が回転することにより、各流路(J1〜J6)にそって流れて少なくとも仕切板40b〜44bの付近を通って流れ出す直前の空気の向きが変えられる。
【0061】
すなわち、その回転板58が、図9における二点鎖線で示す揺動板58´のようにその板面の下部側が隣の空気吹き出し口15領域E4側に入り込むような角度まで回転して停止した状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後に回転板58´の傾いた板面の方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E4に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sb)。
【0062】
反対に、回転板58が、図9における二点鎖線で示す揺動板58´´のようにその板面の下部側が隣の空気吹き出し口15領域E3の内側に入り込むような角度まで回転して停止した状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後に回転板58´´の方無体板面の方向にそって流れ、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E3の内側や隣の領域E2に少し入り込んだ状態で吹き出る(Sc)。
【0063】
この結果、空気吹き出し口15の各領域E1〜E6から吹き出る空気(S)は、その吹き出る直前において風向変更調整手段50Cにおける回転板58の回転した(板面の傾き)姿勢により吹き出し方向が微妙に変更さるようになるため、仕切板40〜44付近において吹き出す空気の強弱が緩和されて発生しにくくなり、その吹き付け状態のむらも少なくなる。
【0064】
したがって、空気突き出し口15から吹き出される空気は、実施の形態1の場合とほぼ同様に、帯電装置120のシールドケース121の上面開口121aを通してその内側下方に張られる放電ワイヤ122や、シールドケース121の下面開口の下側に設置されるグリッド123に対して、それらの長手方向Aの全域にほぼ万遍なく吹き付けられるようになる。特に、この風向変更調整手段50Cでは、実施の形態2に係る調整装置50Bの場合と同様に、その回転板58の板面傾き姿勢を駆動装置62の制御により、任意に変更することができる。
【0065】
<実施の形態4>
図10は、実施の形態4に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【0066】
この実施の形態4に係る空気吹き付け清掃装置1Dは、実施の形態1に係る空気吹き付け清掃装置1Aにおける風向変更調整手段50Aの構成に変えて異なる構成を採用した点が異なるので、それ以外の構成については同じものである。
【0067】
すなわち、この空気吹き付け清掃装置1Dにおける向変更調整手段50Dは、図10〜12に示すように、各仕切板(40c〜44c)の空気吹き出し口15まで到達するように形成した先端部に、空気吹き出し口15の長手方向Aに沿って出没駆動する複数の突出部63を取り付けて構成されたものである。
【0068】
突出部63は、たとえば合成樹脂等の材質からなり、たとえば丸棒形状に形成されたものであり、また、図12等に示すように、その複数のものを支持板64に所定の配置パターンで立設したものである。その突出部63の高さは、仕切板の厚みよりも大きな寸法でその仕切板の面から突出させたい高さに応じて設定される。突出部63の形態については、円棒形状以外のものであってもよく、たとえば楕円状、不定型の形状等としてもよい。この突出部63は、その支持板64に取り付けた状態で、各仕切板の先端部側にその各突出ブ63がスライド可能に嵌め入れられるように形成された貫通孔を通して各仕切板(40c〜44c)に出没可能に取り付けられる。その出没方向は、空気吹き出し口15の長手方向Aと同じである。
【0069】
また、その各支持板64にはダクト10の外部に突出して下方に曲がるように取り付けられているアーム部材65を介して長手方向Aに往復動するスライドバー66に固定した状態で連結されている。スライドバー66は、それを長手方向Aに往復動させる駆動装置67に接続されている。この駆動装置67は、専用のものを使用する必要がなく、画像形成装置100の他の構成部品に対する駆動系から必要な駆動力を調達するように構成することも勿論可能である。そして、この突出部63は、所定時間が経過するごとに間欠的にスライド移動してその仕切板の板面から所定量だけ突出したり、板面内に完全に没したりしてその突出状態が変更されるようになっている。なお、突出部63は連続して出没駆動させてもかまわない。
【0070】
以下、このような突出部63からなる風向変更調整手段50Dを設けた空気吹付け清掃装置1Dによる空気吹き付け動作の要部について説明する。
【0071】
まず、実施の形態1に係る空気吹付け清掃装置1Aと同様に、送風ファン20により吹き込まれて送風ダクト10内の各流路(J1〜J6)をそれぞれ通して送られる空気(S)は、図10、11(図4も参照)に示すように、ダクト立ち上げ胴部11を通して最後に仕切り40b〜44bで区画される空気吹き出し口15の区画領域(E1〜E6)ごとに、帯電装置120にむけて吹き出される。
【0072】
この際、その空気(S)の一部は、図11に示すように、空気吹き出し口15から吹き出される手前において風向変更調整手段50Dにおける突出部63に触れながら通過することがある。このとき各突出部63は、駆動装置67の動力によりスライドバー66が長手方向Aにそって往動および復動されることにより、そのスライドバー66の動きにともなってアーム部材65を介して支持板64が長手方向Aに沿う所定の方向にスライドする。これにより、図12の下部側に示すように、支持板64上のすべての各突出部63が仕切板の貫通孔を通してその板面から所定の高さ(量)だけ突出した状態になったり、板面内に埋没した状態になるように出没駆動する(符号63´,63´´で示すような姿勢状態となる)。この各突出部63が出没運動することにより、各流路(J1〜J6)にそって流れて少なくとも仕切板40b〜44bの付近を通って流れ出す直前の空気の向きが変えられる。
【0073】
すなわち、その突出部63が、図11における実線で示す突出部63´のように仕切板の面から突出した状態にあるときには、流路J3を流れる空気(S)は、流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に流れた後、最後に突出している各突出部63に衝突しながら方向を変えながら乱流するもの(Sdで示すような不規則な向きに流れるもの)があり、その流れを変えられた分の空気が空気吹き出し口15の領域E3の他の部分や隣の領域E4に少し入り込んだ状態で不規則に乱されて吹き出るようになる。このときの突出部63の突出高さを調整することにより、その突出部63による風向きの変更作用を受ける度合いも変化することになる。
【0074】
これに対し、突出部63が、図11における二点鎖線で示す突出部揺動板63´´のように仕切板の面内に埋没した状態にあるときには、たとえば流路J3を流れる空気(S)は、その流路J3を形成する垂直状の仕切板42(b)にそってほぼ真下の方向に向いた状態(符号Saで示す風向き)で流れて空気吹き出し口15の領域E3から吹き出る。この状態が固定されて続くと、前述した場合と同様に、仕切板付近において吹き出す空気の強弱が発生して吹き付け状態がむらとなる。
【0075】
この結果、空気吹き出し口15の各領域E1〜E6から吹き出る空気(S)は、その吹き出る直前において風向変更調整手段50Dにおける突出部63の突出度合い(またはその形状や、配置パターンなども含まれる)の条件の違いにより吹き出し方向が微妙に変更さるようになるため(Sd)、仕切板40〜44付近において吹き出す空気の強弱が緩和されて発生しにくくなり、その吹き付け状態のむらも少なくなる。
<他の実施の形態>
【0076】
実施の形態1〜4では、空気吹き付け清掃装置1をコロナ放電式帯電装置120に適用した場合について例示したが、その他にも、たとえば、像露光装置130の露光光の光路上に設置されるガラス面やミラー面などの部位などの部位に対して適用することも可能である。これにより、そのガラス面やミラー面などに浮遊物がむらになって付着して汚れることが抑制され、正常な像露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施の形態1(実施の形態2〜4も含む)に係る画像形成装置の要部を示す概略説明図である。
【図2】実施の形態1に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【図3】清掃装置のダクトの内部を示す平面説明図である。
【図4】図2の空気吹き付け清掃装置における風向変更調整手段の構成および動作状態を示す説明図である。
【図5】フィルム部材の代表的な構成例を示す正面図である。
【図6】実施の形態2に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【図7】図6の空気吹き付け清掃装置における風向変更調整手段の構成および動作状態を示す説明図である。
【図8】実施の形態3に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【図9】図8の空気吹き付け清掃装置における風向変更調整手段の構成および動作状態を示す説明図である。
【図10】実施の形態4に係る空気吹き付け清掃装置を主に示す斜視図である。
【図11】図10の空気吹き付け清掃装置における風向変更調整手段の構成および動作状態を示す説明図である。
【図12】突出部の風向変更調整手段の構成と動作状態を示す説明図である。
【図13】従来の吹き付け空気の強弱(むら)の発生状態と改善状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0078】
1A,1B,1C,1D…空気吹き付け清掃装置、10…送風ダクト、15…空気吹き出し口、20…送風ファン、40〜44…仕切板、50A,50B,50C,50D…風向変更調整手段、51…フィルム部材、53…揺動板(可動板)、58…回転板(可動板)、63…突出部、100…画像形成装置、120…コロナ放電式帯電装置(清掃対象物、長尺な構成部品)、A…長手方向(長尺な方向)、E1〜E6…領域、J1〜J6…流路、S…空気(の流れ)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な対象物にその長尺な方向に対して空気を吹き付ける空気吹付け清掃装置であって、
その対象物の長尺な清掃対象部位に沿って対向する長尺な空気吹き出し口が一端部側に開設された中空構造の送風ダクトと、
この送風ダクトの中空内部に空気を吹き込む送風ファンと、
この送風ファンの空気を前記空気吹き出し口の長手方向に間隔をあけて区分される領域からそれぞれ分配して吹き出すように前記送風ダクトの中空内部にその空気吹き出し口の手前まで至る複数の流路を形成するために設けられる複数の仕切板と、
この複数の仕切板の空気吹き出し口側先端部に設置され、その各仕切板で形成される各流路にそって流れて少なくとも仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向きを連続的または間欠的に変更して調整する風向変更調整手段と
を備えたことを特徴とする空気吹付け清掃装置。
【請求項2】
前記風向変更調整手段は、各仕切板の空気吹き出し口側先端部に取り付けられ、送り出される空気の流れにより揺れ動くフィルム部材で構成されている請求項1に記載の空気吹き付け装置。
【請求項3】
前記風向変更調整手段は、各仕切板の空気吹き出し口側先端部において送り出される空気の向きを板面の状態変化により変更し得る可動板で構成されている請求項1に記載の空気吹き付け装置。
【請求項4】
シート状の記録媒体に画像を形成する装置であって、その画像形成に使用される構成部品のうち浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な構成部品にその長手方向に対して空気を吹き付ける装置として、請求項1ないし3のいずれかに記載の空気吹付け清掃装置を使用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な対象物にその長尺な方向に対して空気を吹き付ける空気吹付け清掃装置であって、
その対象物の長尺な清掃対象部位に沿って対向する長尺な空気吹き出し口が一端部側に開設された中空構造の送風ダクトと、
この送風ダクトの中空内部に空気を吹き込む送風ファンと、
この送風ファンの空気を前記空気吹き出し口の長手方向に間隔をあけて区分される領域からそれぞれ分配して吹き出すように前記送風ダクトの中空内部にその空気吹き出し口の手前まで至る複数の流路を形成するために設けられる複数の仕切板と、
この複数の仕切板の空気吹き出し口側先端部に設置され、その各仕切板で形成される各流路にそって流れて少なくとも仕切板付近を通って流れ出す直前の空気の向きを連続的または間欠的に変更して調整する風向変更調整手段と
を備えたことを特徴とする空気吹付け清掃装置。
【請求項2】
前記風向変更調整手段は、各仕切板の空気吹き出し口側先端部に取り付けられ、送り出される空気の流れにより揺れ動くフィルム部材で構成されている請求項1に記載の空気吹き付け装置。
【請求項3】
前記風向変更調整手段は、各仕切板の空気吹き出し口側先端部において送り出される空気の向きを板面の状態変化により変更し得る可動板で構成されている請求項1に記載の空気吹き付け装置。
【請求項4】
シート状の記録媒体に画像を形成する装置であって、その画像形成に使用される構成部品のうち浮遊物の付着を少なくとも抑制する必要のある長尺な構成部品にその長手方向に対して空気を吹き付ける装置として、請求項1ないし3のいずれかに記載の空気吹付け清掃装置を使用することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−276175(P2006−276175A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−91402(P2005−91402)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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