説明

空気圧式マッサージ装置

【課題】土踏まず及び足全体を快適にマッサージする足用マッサージ装置を提供する。
【解決手段】足を包むように設定され足包囲袋22と、該足包囲袋の内側で土踏まずに対応する位置に設けられる土踏まず押圧袋24とを有する。土踏まず押圧袋は、土踏まずの表面に対向する押圧シート部36と、該押圧シート部と足包囲袋との間で押圧シート部に重ねて設けられ、第2空気室40を画定する支持シート部42とを有する。足包囲袋の内側シート部30と土踏まず押圧袋の支持シート部が、相互に連通された連通口を有し、第1空気室32に圧縮空気を導入して該足包囲袋を膨張させて足をその周囲から押圧すると同時に、圧縮空気が第2空気室内に導入されて該土踏まず押圧袋が足包囲袋と土踏まずとの間で膨張して、土踏まずを押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気を用いた空気圧式のマッサージ装置に係り、特に、足裏の土踏まずなどの比較的小さな特定部位を効果的にマッサージすることを可能としたマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
足の周囲に膨張可能としたマッサージバッグを設定し、このマッサージバッグに圧縮空気を周期的に供給・排出することにより足に周期的な圧迫を与えてマッサージを行うようにした空気圧式の足用マッサージ装置は、これまで種々開発されてきており(例えば、特許文献1参照)、また、土踏まずのマッサージを目的にしたものも開発されてきている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献2に開示された足用マッサージ装置は、足の裏側の土踏まず側から表側の甲の部分を包むようにした帯状部材と、該帯状部材の内側で土踏まずに対応する位置に設けられ圧縮空気によって膨張可能とされた小袋状のマッサージバッグとを備え、このマッサージバッグに圧縮空気を周期的に供給・排出することにより土踏まずのマッサージを行うようになっている。
【0004】
しかし、このマッサージ装置では、膨張するマッサージバッグが土踏まずを押圧するようにするために、帯状部材をある程度足の周りに締め付けた状態で取り付ける必要があり、マッサージバッグから圧縮空気を排出した状態でも、足の締め付け感があり、このため満足のいくマッサージを行うことが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7-184969号
【特許文献2】実用新案登録第2582277号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の点に鑑み、圧縮空気の供給により、土踏まずなどの小さな特定部位の押圧を適切にできるようにすると共に、圧縮空気を排出したときには当該部位に対する圧迫感を略完全に取り除いた状態にすることが可能なマッサージ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、
身体の所要の部分を包むように設定され、該部分の表面に面する内側シート部と、該内側シート部の外側に重ねられ、内側シート部との間に圧縮空気を受け入れる第1空気室を画定する外側シート部とを有する包囲袋と、
該包囲袋の内側において、該身体の所要の部分おける特定部位に対応する位置に設けられ、該特定部位の表面に面する押圧シート部と、該押圧シート部と包囲袋の内側シート部との間で該押圧シート部に重ねて設けられ、該押圧シート部との間に圧縮空気を受け入れる第2空気室を画定する支持シート部とを有する特定部位押圧袋と、
を有し、該包囲袋の内側シート部と該特定部位押圧袋の支持シート部が、相互に連通された連通口を有し、第1空気室に圧縮空気を導入して該包囲袋を膨張させて該所要部分をその周囲から押圧すると同時に、該圧縮空気が第2空気室内に導入されて該特定部位押圧袋が足包囲袋と土踏まずとの間で膨張して、該特定部位を押圧するようにした空気圧式のマッサージ装置を提供する。
【0008】
この足用マッサージ装置では、圧縮空気が供給されると、包囲袋が膨張されると同時に特定部位押圧袋も包囲袋の内側で膨張されるので、押圧袋の外側への膨張が抑えられ、押圧袋の膨張による押圧力が特定部位に十分に加えられることになる。また、圧縮空気を排出した場合には、包囲袋及び特定部位押圧袋も同時に収縮するので、これらによる押圧力は略完全になくなり弛緩状態が得られる。従って、このマッサージ装置では前述の従来のものに比べて、快適なマッサージ感を得ることが可能となる。
【0009】
具体的には、このマッサージ装置は、包囲袋を包み、該足包囲袋の外側への膨張を抑えるためのスリーブを有するようにすることができる。包囲袋の外側への膨張を抑えて、包囲袋及び特定部位押圧袋によるそれらによる押圧力を十分なものするためのものである。
【0010】
包囲袋が、それぞれ上記外側シート部及び内側シート部となる第1及び第2の同形状の樹脂製シートを重ね合わせた状態で、その周縁に沿って溶着して形成され、該第1の樹脂製シートに圧縮空気導入用の空気入口が形成されるようにしたものとすることができる。
【0011】
より具体的には、特定部位押圧袋が、それぞれ上記押圧シート部及び支持シート部となる第3及び第4の同形状の樹脂製シートを重ね合わせた状態で、その周縁に沿ってシールして形成され、第4の樹脂製シートがその中央部分に該連通口を有し、該第2の樹脂製シートに設けられている該連通口と整合するようにして該第2の樹脂製シート上に重ね合わされた状態で両連通口の周囲で、該第2の樹脂製シートにシールされて該第2の樹脂製シートに付着されるようにすることができる。
【0012】
更に具体的な例としては、包囲袋が足を包むようにされ、特定部位押圧袋が土踏まずに対応する位置に設けられる小袋の形状の土踏まず押圧袋とされ、該第1空気室に圧縮空気を導入して該包囲袋を膨張させて足をその周囲から押圧すると同時に、該圧縮空気が第2空気室内に導入されて該土踏まず押圧袋が足包囲袋と土踏まずとの間で膨張して、該土踏まずを押圧するようにすることができる。
以下、本発明を添付図面に示した実施形態に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明が適用可能な空気圧式マッサージ装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】図1のマッサージ装置におけるマッサージバッグ部分の概要を示す縦断面図である。
【図3】制作途中の足包囲袋及び土踏まず押圧袋の平面図である。
【図4】図3におけるIV‐IV線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明が適用可能な空気圧式マッサージ装置10を示している。この空気圧式マッサージ装置は、圧縮空気の供給・排出を制御するためのマッサージ装置本体12、及び、使用者の脚の周りに装着され圧縮空気によって膨張収縮され脚のマッサージを行うマッサージバッグ14とを有している脚用のマッサージ装置である。マッサージバッグ14は、複数のマッサージバッグ部分14a、14b、14c、14dに分けられており、各マッサージバック部分はマッサージ装置本体12からのそれぞれ独立した空気供給チューブに接続されている。
【0015】
本発明は、このような脚用のマッサージ装置10のマッサージバッグ14のマッサージバッグ部分14aに適用するのに適したものであるが、以下においては、このマッサージバッグ部分14aに相当する、図2に示す、足用マッサージ装置20に基づき説明する。この足用マッサージ装置20は、図示はしないが、マッサージバッグ部分14aと同様に外部から圧縮空気を受け入れるようにされている。
【0016】
具体的には、この足用マッサージ装置20は、足Fを包むように設定される足包囲袋22と、該足包囲袋の内側で土踏まずAに対応する位置に設けられる土踏まず押圧袋24と、足包囲袋の外側に設けられて、該足包囲袋の外側への膨張を抑えるための外側スリーブ26と、内側に設けられて足の表面と柔らかく接触するようにされる内側スリーブ27とを有する。
【0017】
足包囲袋22は、樹脂製シート材から作られ、内側シート部30と、該内側シート部の外側に重ねられ、内側シート部30との間に圧縮空気を受け入れる第1空気室32を画定する外側シート部34とを有する。
【0018】
土踏まず押圧袋24は、樹脂製シート材から作られ、足包囲袋22の内側で土踏まずAに対応する位置に設けられる小袋である。該土踏まず押圧袋24は、土踏まずAの表面に対向する押圧シート部36と、該押圧シート部36と足包囲袋22の内側シート部30との間で押圧シート部に重ねて設けられ、押圧シート部との間に圧縮空気を受け入れる第2空気室40を画定する支持シート部42とを有する。
【0019】
図3及び図4は、制作途中の足包囲袋と22及び土踏まず押圧袋24を示す。すなわち、足包囲袋22は、くるぶしの周囲を包むようになる幅広部分44、該幅広部分から延び足の下面に配置されるようになる中央部分46、足の左右側部から上部側配置されるようになる左右部分48,50とからなる同形の第1及び第2の樹脂製シート52,54を重ねて、その周縁部分でヒートシールしたものである。足を包む筒状の状態にするには、中央部分46の右側縁部46aを右側部分50の左側縁部50bと溶着し、中央部46の左側縁部46bを左側部分48の右側縁部48aと溶着し、左側部分48の左側縁部48bと右側部分50の右側縁部50aとを溶着するものであり、第1樹脂製シート52は足包囲袋の外側シート部34,第2樹脂製シート54は内側シート部30とされる。第1シートには、圧縮空気を導入するための空気入口56が設けられている。足包囲袋22は、スリーブ26が図1に示すマッサージバッグ14におけるように、ジッパーZなどにより筒状にするものにあっては、左側部分48の左側縁部48bと右側部分50の右側縁部50aとを溶着せずに当該足包囲袋自体を筒状としない状態で、スリーブ26の内面に貼り付け、スリーブを足の周りに配置してジッパーにより該スリーブを筒状にすることにより、当該足包囲袋を足の周りで筒状に設定するようにすることもできる。
【0020】
同様に、土踏まず押圧袋24は円形の第3及び第4樹脂製シート60、62を重ねて、その周縁部分でヒートシールしたものであり、第3及び第4樹脂製シートは当該土踏まず押圧袋24の押圧シート部36及び支持シート部42とされる。
【0021】
足包囲袋22の第2樹脂製シート54(内側シート部30)と土踏まず押圧袋24の第4樹脂製シート62(支持シート部42)は、相互に連通された連通口64、66を有し、該連通口の周囲部分68で溶着されている。すなわち、圧縮空気を空気入口56から足包囲袋22の第1空気室32内に導入して足包囲袋を膨張させるときに、該圧縮空気は連通口64、66を介して土踏まず押圧袋の第2空気室40内に導入されて該土踏まず押圧袋24が、足包囲袋と土踏まずとの間で同時に膨張するようになっている。
【0022】
外側スリーブ26は、布製などの余り延びない材料で作られており、足包囲袋が膨張されるときに、その膨張を外側から抑えて、膨張の力を足の方に向けるようにする。
【0023】
以上、本発明を土踏まずを押圧するための土踏まず袋を備えた足用のマッサージ装置に適用した実施形態につき説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、包囲袋を腕の周りに取り付け、包囲袋を取り付けたところにある特定のツボに押圧袋を位置決めして同ツボを効果的に押圧するようにすることもできる。また、特定押圧袋は1つに限らず、2つ以上とすることができる。
【符号の説明】
【0024】
足F;ジッパーZ;マッサージ装置10;マッサージ装置本体12;マッサージバッグ14;マッサージバッグ部分14a、14b、14c、14d;足包囲袋22;土踏まずA;土踏まず押圧袋24;スリーブ26;内側スリーブ27;内側シート部30;第1空気室32;外側シート部34;押圧シート部36;第2空気室40;支持シート部42;幅広部分44;中央部分46;右側縁部46a;左側縁部46b;左側部分48;右側縁部48a;左部分48b;右部分50;右側縁部50a;左側縁部50b;第1の樹脂製シート52;第2の樹脂製シート54;空気入口56;第3樹脂製シート60;第4樹脂製シート62;連通口64、66


【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の所要の部位を包むように設定され、該部位の周囲表面に面する内側シート部と、該内側シート部の外側に重ねられ、内側シート部との間に圧縮空気を受け入れる第1空気室を画定する外側シート部とを有する包囲袋と、
該包囲袋の内側における、特定部位に対応する位置に設けられる小袋であって、該特定部位の表面に面する押圧シート部と、該押圧シート部と包囲袋の内側シート部との間で押圧シート部に重ねて設けられ、押圧シート部との間に圧縮空気を受け入れる第2空気室を画定する支持シート部とを有する特定部位押圧袋と、
を有し、該包囲袋の内側シート部と該特定部位押圧袋の支持シート部が、相互に連通された連通口を有し、第1空気室に圧縮空気を導入して該包囲袋を膨張させて該所要部位をその周囲から押圧すると同時に、該圧縮空気が第2空気室内に導入されて該特定部位押圧袋が包囲袋と特定部位との間で膨張して、該特定部位を押圧するようにした空気圧式マッサージ装置。
【請求項2】
該包囲袋を包む、膨張する包装袋を外側から抑えるスリーブを有する請求項1に記載の空気圧式マッサージ装置。
【請求項3】
該包囲袋が、それぞれ該外側シート部及び内側シート部となる、第1及び第2の同形状の樹脂製シートを重ね合わせた状態で、その周縁に沿って溶着して形成され、該第1の樹脂製シートに圧縮空気導入用の空気入口が形成されている請求項1又は2に記載の空気圧式マッサージ装置。
【請求項4】
特定部位押圧袋が、それぞれ該押圧シート部及び支持シート部となる、第3及び第4の同形状の樹脂製シートを重ね合わせた状態で、その周縁に沿ってシールして形成され、第4の樹脂製シートがその中央部分に該連通口を有し、該第2の樹脂製シートに設けられている該連通口と整合するようにして該第2の樹脂製シート上に重ね合わされた状態で両連通口の周囲で、該第2の樹脂製シートにシールされて該第2の樹脂製シートに付着されるようにした請求項3に記載の空気圧式マッサージ装置。
【請求項5】
包囲袋が足を包むようにされ、特定部位押圧袋が土踏まずに対応する位置に設けられる小袋の形状の土踏まず押圧袋とされ、該第1空気室に圧縮空気を導入して該包囲袋を膨張させて足をその周囲から押圧すると同時に、該圧縮空気が第2空気室内に導入されて該土踏まず押圧袋が足包囲袋と土踏まずとの間で膨張して、該土踏まずを押圧するようにした空気圧式マッサージ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−30948(P2011−30948A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182618(P2009−182618)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000227386)日東工器株式会社 (158)
【Fターム(参考)】