説明

空気流量測定装置

【課題】空気流量測定装置1において、吸気脈動の振幅が大きい場合でも、測定値に及ぼす逆流の影響を緩和する。
【解決手段】空気流量測定装置1によれば、バイパス流路4の出口9は、吸気路に対して吸気主流の下流側に向かって開口する。そして、出口9を吸気主流の上流側に向かってバイパス流路4の流路壁に直線的に投影することで形成される出口投影領域αには、バイパス流路4と吸気路とを連通させる穴24が設けられている。これにより、出口9からバイパス流路4に流入した逆流は、流入時と同じ方向に直進することで容易に出口投影領域αに到達し、穴24から吸気路に戻ることができる。このため、空気流量測定装置1において、吸気脈動の振幅が大きくなっても、測定値に及ぼす逆流の影響を緩和することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気の流量を測定する空気流量測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気との伝熱を利用して空気流量を測定する熱式の空気流量測定装置が公知であり、例えば、内燃機関への吸気路に配置され、内燃機関に吸入される吸気の流量(以下、吸気量と呼ぶことがある。)を測定するために利用されている。
【0003】
従来の空気流量測定装置100は、例えば、図5に示すように、吸気路101に配置され、吸気の一部を取り込んで吸気量に応じた電気信号を発生するものであり、取り込んだ吸気を通すとともに取り込んだ吸気との伝熱により電気信号を発生するセンサチップ102を収容するバイパス流路103を備える。そして、空気流量測定装置100は、吸気主流が通る吸気路101に直接的にセンサチップ102を配置するのではなく、バイパス流路103にセンサチップ102を配置することで、吸気路101における吸気主流の乱れの影響を受けることなく、ばらつきの少ない測定値を出力することができる。
【0004】
また、吸気路101における吸気主流には、内燃機関のバルブ開閉に応じて不可避的に脈動が発生する。つまり、吸気量は、脈動最大値と脈動最小値との間で振動しながら経時変化する。この結果、センサチップ102が空気との伝熱により電気信号を発生する熱式であることに起因して、測定値は、真値としての脈動中心値よりも低くなってしまう。
【0005】
そして、空気流量測定装置100は、バイパス流路103を形成してバイパス流路103にセンサチップ102を配置することで、測定値のマイナス側へのずれを解消している。すなわち、バイパス流路103に取り込まれず吸気路101を直進した場合の流路長をL1、バイパス流路103の流路長をL2とすると、空気流量測定装置100は、L2/L1に応じて測定値を高める補正機能を有する。そして、この補正機能によれば、L2/L1を大きくするほど測定値を高めることができるので、L2/L1を所望の数値に設定することで、脈動により生じる測定値低下を解消している。
【0006】
ところで、近年のEGRの普及等により、吸気脈動は振幅が大きくなる傾向にあり、脈動の振幅が大きくなると周期的に逆流が発生する。
そこで、バイパス流路103への逆流の流入を抑制することで、吸気脈動が測定値に及ぼす影響(測定値のマイナス側へのずれ)を緩和する技術が考えられている。
【0007】
例えば、特許文献1の空気流量測定装置によれば、バイパス流路の出口を構成する壁の一部を切り欠いてスリットとし、スリットから逆流の一部を逃すようにしてセンサチップに達する逆流の流量を低減している。
【0008】
また、特許文献2の空気流量測定装置によれば、バイパス流路の出口とは別に逆流を取り込むゲートが設けられている。そして、ゲートに取り込まれた逆流は、バイパス流路の出口からバイパス流路に流入した逆流に対して横から噴出し、出口から流入した逆流をセンサチップが配置されていない別の流路に向かわせる。これにより、センサチップに達する逆流の流量を低減している。
【0009】
さらに、特許文献3の空気流量測定装置によれば、特許文献2と同様の流路構成において、出口から流入した逆流が流れ込む別の流路にも別のセンサチップが配置され、逆流の流量が測定可能となっている。
しかし、いずれの空気流量測定装置においても、バイパス流路に流入した逆流は、流入時とは異なる方向に向きを変えなければ吸気路に戻ることができず、今後、さらに脈動の振幅が大きくなった場合、逆流の影響を緩和することが困難になるものと想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−309909号公報
【特許文献2】特開平7−113672号公報
【特許文献3】特開平7−209051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、空気流量測定装置において、吸気脈動の振幅が大きい場合でも、測定値に及ぼす逆流の影響を緩和することができる構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段によれば、空気流量測定装置は、内燃機関に吸入される吸気が流れる吸気路に配置され、吸気の主流の一部を取り込んで吸気流量に応じた電気信号を発生する。
また、空気流量測定装置は、取り込んだ吸気を通すとともに、取り込んだ吸気との伝熱により電気信号を発生するセンサを収容するバイパス流路を備え、バイパス流路の出口は、吸気路に対して主流の下流側に向かって開口する。
【0013】
そして、出口を主流の上流側に向かってバイパス流路の流路壁に直線的に投影することで形成される出口投影領域には、バイパス流路と吸気路とを連通させる穴が設けられている。
これにより、出口からバイパス流路に流入した逆流は、流入時と同じ方向に直進することで容易に出口投影領域に到達し、穴から吸気路に戻ることができる。このため、空気流量測定装置において、吸気脈動の振幅が大きくなっても、測定値に及ぼす逆流の影響を緩和することができる。
【0014】
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段によれば、出口投影領域に占める穴の割合、および出口投影領域における穴の位置の少なくとも一方に応じて、測定値の補正量が設定されている。
センサに到達する逆流が多いほど、測定値に対する脈動の影響が大きくなって測定値の下げ幅が拡大する。
【0015】
このため、出口投影領域に占める穴の割合や出口投影領域における穴の位置を可変することにより、センサに到達する逆流の流量を増減して測定値の下げ幅を操作することができる。
すなわち、穴は測定値の低下を緩和する補正機能を有するので、センサ自身の測定値の下げ幅や、バイパス流路の補正機能による測定値の上げ幅に応じて、穴による上げ幅(プラス側への補正量)を設定して、過不足なく測定値を補正することができる。
【0016】
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段によれば、バイパス流路を有する筐体の外壁面は吸気路に露出している。そして、外壁面には、吸気路の側に凸状に膨らむとともに主流の上流側に向かって先細となる曲面が設けられ、曲面の下流端は出口を形成する出口縁である。
【0017】
これにより、曲面に沿う吸気の流れは、剥離することなく安定して出口縁に到達することができる。このため、バイパス流路を通って出口から吸気路に戻る流れと、曲面に沿って安定した流れとが合流することで、バイパス流路における流れが安定するので、測定値の精度を高めることができる。
そして、このような効果を有する曲面を筐体の外壁面に設ける場合、出口投影領域が確実に存在するので、出口投影領域の一部または全部を穴にする効果を顕著に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】空気流量測定装置の内部を示す断面図である(実施例)。
【図2】(a)は空気流量測定装置の背面図であり、(b)は空気流量測定装置の正面図であり、(c)は(a)のA−A断面図であり、(d)は(a)のB−B断面図である(実施例)。
【図3】(a)〜(c)は空気流量測定装置の正面図である(変形例)。
【図4】(a)〜(c)は空気流量測定装置の正面図である(変形例)。
【図5】空気流量測定装置の内部を示す断面図である(従来例)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態の空気流量測定装置は、内燃機関に吸入される吸気が流れる吸気路に配置され、吸気の主流の一部を取り込んで吸気流量に応じた電気信号を発生する。
また、空気流量測定装置は、取り込んだ吸気を通すとともに、取り込んだ吸気との伝熱により電気信号を発生するセンサを収容するバイパス流路を備え、バイパス流路の出口は、吸気路に対して主流の下流側に向かって開口する。そして、出口を主流の上流側に向かってバイパス流路の流路壁に直線的に投影することで形成される出口投影領域には、バイパス流路と吸気路とを連通させる穴が設けられている。
【0020】
また、出口投影領域に占める穴の割合、および出口投影領域における穴の位置の少なくとも一方に応じて、測定値の補正量が設定されている。
さらに、バイパス流路を有する筐体の外壁面は吸気路に露出している。そして、外壁面には、吸気路の側に凸状に膨らむとともに主流の上流側に向かって先細となる曲面が設けられ、曲面の下流端は出口を形成する出口縁である。
【実施例】
【0021】
〔実施例の構成〕
実施例の空気流量測定装置1の構成を、図1および図2を用いて説明する。
空気流量測定装置1は、空気との伝熱を利用して空気流量を測定するものであり、例えば、内燃機関(図示せず)への吸気路2に配置され、内燃機関に吸入される吸気の流量(吸気量)を測定するために利用されている。すなわち、空気流量測定装置1は、吸気路2に配置され、吸気主流の一部を取り込んで吸気量に応じた電気信号を発生する。
【0022】
つまり、空気流量測定装置1は、吸気量を示す電気信号を発生するセンサチップ3と、センサチップ3を収容するとともに取り込んだ吸気を通すバイパス流路4を形成する筐体5とを備える。なお、センサチップ3で発生した電気信号は、所定の処理が施されて空気流量測定装置1の外部の電子制御装置に出力され、例えば、燃料噴射制御等の各種の制御処理に利用される。
【0023】
また、バイパス流路4は、吸気路2に対し吸気主流の上流側に向かって開口する吸気の入口8と、吸気路2に対し吸気主流の下流側に向かって開口する吸気の出口9と、入口8から直線的に伸び、吸気路2における吸気主流と同じ方向に向かって吸気を直進させる直進路10と、直進路10を直進してきた吸気を周回させて出口9に向かわせる周回路11とを有する。なお、直進路10には、ダストを排出するためのダスト排出路12が直線的に接続しており、ダスト排出路12の下流端は、吸気路2に対し吸気主流の下流側に向かって開口するダスト排出口13をなす。
【0024】
ここで、センサチップ3は、周回路11において周回している吸気が吸気主流とは逆向きに流れる領域に突出している。また、周回路11は下流側で2つに分岐しており、出口9は2つ設けられている。
【0025】
以上により、空気流量測定装置1は、吸気主流が通る吸気路2に直接的にセンサチップ3を配置するのではなく、バイパス流路4にセンサチップ3を配置することで、吸気路2における吸気主流の乱れの影響を直接的に受けることなく、ばらつきの少ない測定値を出力することができる。
【0026】
また、バイパス流路4に取り込まれず吸気路2を直進した場合の流路長をL1、バイパス流路4の流路長をL2とすると、空気流量測定装置1は、バイパス流路4にセンサチップ3を配置することでL2/L1に応じて測定値を高め、吸気脈動により生じる測定値低下の解消を図っている。
【0027】
〔実施例の特徴〕
実施例の空気流量測定装置1の特徴を、図1および図2を用いて説明する。
空気流量測定装置1によれば、入口8から取り込まれた吸気は、直進路10を吸気主流と同じ方向に向かって直進し、周回路11とダスト排出路12との分岐に到達する。そして、周回路11とダスト排出路12との分岐において、吸気の大部分は周回路11に流入し、ごく一部がダストを伴ってダスト排出路12に流入する。
【0028】
ここで、周回路11は、3つの直線路と4つの曲がりから構成される。
すなわち、周回路11は、周回路11とダスト排出路12との分岐する位置から曲がった吸気の流れを直線的に導く第1の直線路16a、センサチップ3を収容するとともに吸気主流とは逆向きに吸気の流れを直線的に導く第2の直線路16b、センサチップ3を通過後の吸気の流れを周回路11が2つに分岐する位置まで直線的に導く第3の直線路16cを有する。
【0029】
また、周回路11は、直進路10と第1の直線路16aとの間を接続する第1の曲がり17a、第1、第2の直線路16a、16bの間を接続する第2の曲がり17b、第2、第3の直線路16b、16cの間を接続する第3の曲がり17c、および第3の直線路16cと2つの出口9との間を接続する2つの第4の曲がり17dを有し、第4の曲がり17dの下流端が出口9となっている。
【0030】
このため、直進路10から周回路11に流入した吸気は、第1の曲がり17a、第1の直線路16a、第2の曲がり17b、第2の直線路16b、第3の曲がり17c、第3の直線路16c、および第4の曲がり17dを順次に通過して出口9に到達する。この間、吸気は、第2の直線路16bにてセンサチップ3を通過し、センサチップ3との伝熱によりセンサチップ3に電気信号を発生させる。
【0031】
また、筐体5は、入口8、直進路10、ダスト排出路12およびダスト排出口13等を単独で形成する本体19と、本体19とともに出口9を形成する2つの出口カバー20とを具備し、周回路11を構成する直線路および曲がりの内、第1〜第3の直線路16a〜16c、および第1〜第3の曲がり17a〜17cは本体19に設けられ、第4の曲がり17dは本体19の両側面を出口カバー20で覆うことにより設けられている。
【0032】
ここで、本体19の両側面には第3の直線路16cと第4の曲がり17dとを連通するための窓21が設けられており、第3の直線路16cを通過した吸気は、窓21から第4の曲がり17dに流入して出口9に到達する。
さらに、出口カバー20の外壁面は、吸気路2の側に凸状に膨らむとともに主流の上流側に向かって先細となる曲面22である。そして、曲面22の下流端は出口9を形成する出口縁9aとなっている。
【0033】
そして、出口9を吸気主流の上流側に向かってバイパス流路4の流路壁に直線的に投影することで形成される出口投影領域αには、バイパス流路4と吸気路2とを連通させる穴24が設けられている。
ここで、図2(b)において、穴24は、右下がりのハッチングと左下がりのハッチングとが交差する範囲であり、出口投影領域αは、右下がりのハッチングと左下がりのハッチングとが交差する範囲、および右下がりのハッチングのみが占める範囲の2つの範囲である。
【0034】
つまり、出口投影領域αは、第4の曲がり17dを形成する流路壁に形成され、出口投影領域αを形成する流路壁(出口カバー20の壁部)の内、吸気主流の上流端にあった部分20a(図2(d)参照)が全面的に貫通して穴24となっている。
そして、空気流量測定装置1では、吸気脈動の振幅が大きくなって逆流が周期的に発生する場合に、出口9から流入した逆流を穴24から吸気路2に戻すことで、センサチップ3に到達する逆流の流量を抑制する。
【0035】
これにより、空気流量測定装置1は、吸気脈動の振幅増大により測定値がマイナス側にずれるのを緩和している。つまり、空気流量測定装置1は、バイパス流路4に流入した逆流をセンサチップ3に到達する前に穴24から吸気路2に戻すことで、測定値をプラス側に補正している。そして、空気流量測定装置1では、出口投影領域αに占める穴24の割合、および出口投影領域αにおける穴24の位置に応じて、測定値のプラス側への補正量が設定されている。
【0036】
〔実施例の効果〕
実施例の空気流量測定装置1によれば、バイパス流路4の出口9は、吸気路2に対して吸気主流の下流側に向かって開口する。そして、出口9を吸気主流の上流側に向かってバイパス流路4の流路壁に直線的に投影することで形成される出口投影領域αには、バイパス流路4と吸気路2とを連通させる穴24が設けられている。
【0037】
これにより、出口9からバイパス流路4に流入した逆流は、流入時と同じ方向に直進することで容易に出口投影領域αに到達し、穴24から吸気路2に戻ることができる。このため、空気流量測定装置1において、吸気脈動の振幅が大きくなっても、測定値に及ぼす逆流の影響を緩和することができる。
【0038】
また、実施例の空気流量測定装置1によれば、出口投影領域αに占める穴24の割合、および出口投影領域αにおける穴24の位置に応じて、測定値のプラス側への補正量が設定されている。
センサチップ3に到達する逆流が多いほど、測定値に対する脈動の影響が大きくなって測定値の下げ幅が拡大する。
【0039】
このため、出口投影領域αに占める穴24の割合や出口投影領域αにおける穴24の位置を可変することにより、センサチップ3に到達する逆流の流量を増減して測定値の下げ幅を操作することができる。すなわち、穴24は測定値の低下を緩和する補正機能を有するので、センサチップ3自身の測定値の下げ幅や、バイパス流路4のL2/L1に応じた補正機能による測定値の上げ幅に応じて、穴24による上げ幅(プラス側への補正量)を設定して、過不足なく測定値を補正することができる。
【0040】
また、実施例の空気流量測定装置1によれば、出口カバー20の外壁面は、吸気路2の側に凸状に膨らむとともに吸気主流の上流側に向かって先細となる曲面22である。そして、曲面22の下流端は出口9を形成する出口縁9aとなっている。
【0041】
これにより、曲面22に沿う吸気の流れは、剥離することなく安定して出口縁9aに到達することができる。このため、バイパス流路4を通って出口9から吸気路2に戻る流れと、曲面22に沿って安定した流れとが合流することで、バイパス流路4における流れが安定するので、測定値の精度を高めることができる。
そして、このような効果を有する曲面22が設けられている場合、出口投影領域αが確実に存在するので、出口投影領域αに穴24を設ける効果を顕著に得ることができる。
【0042】
〔変形例〕
空気流量測定装置1の態様は、実施例に限定されず種々の変形例を考えることができる。
例えば、実施例の空気流量測定装置1によれば、穴24は、出口投影領域αを形成する流路壁の内、吸気主流の上流端にある部分20aが全面的に貫通して穴24となっていたが、部分20aの一部を貫通させて穴24としてもよい。
【0043】
この場合、図3および図4に示すように、出口投影領域αに占める穴24の割合や出口投影領域αにおける穴24の位置を、様々に可変することができる(出口投影領域αおよび穴24の図示方法は、図2(b)と同様である。)。
【0044】
そして、出口投影領域αに占める穴24の割合や出口投影領域αにおける穴24の位置を可変することにより、センサチップ3に到達する逆流の流量を増減して測定値の下げ幅を操作することができる。すなわち、センサチップ3自身の測定値の下げ幅や、バイパス流路4のL2/L1に応じた補正機能による測定値の上げ幅に応じて、出口投影領域αに占める穴24の割合や出口投影領域αにおける穴24の位置を設定することで、過不足なく測定値を補正することができる。
【0045】
また、バイパス流路4の構成に関して、実施例に限定されず様々な変形例を考えることができる。
例えば、実施例の空気流量測定装置1によれば、バイパス流路4の最後の曲がり(第4の曲がり17d)の下流端が出口9であり、バイパス流路4を通った吸気は最後の曲がりから直ちに出口9に到達して吸気路2に戻されたが、最後の曲がりの下流側に直線路を追加し、追加された直線路の下流端に出口9を設けてもよい。
【0046】
また、実施例の空気流量測定装置1によれば、穴24は、出口投影領域αからはみ出すことなく出口投影領域α内に設けられていたが、穴24の一部が出口投影領域αからはみ出すように穴24を設けてもよい。
さらに、実施例の空気流量測定装置1は、吸気量を検出するためのセンサをセンサチップ3により構成していたが、センサチップ3に替えて、例えば、白金線を巻回したボビンによりセンサを構成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 空気流量測定装置
2 吸気路
3 センサチップ(センサ)
4 バイパス流路
5 筐体
9 出口
9a 出口縁
22 曲面
24 穴
α 出口投影領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関に吸入される吸気が流れる吸気路に配置され、吸気の主流の一部を取り込んで吸気流量に応じた電気信号を発生する空気流量測定装置において、
取り込んだ吸気を通すとともに、取り込んだ吸気との伝熱により電気信号を発生するセンサを収容するバイパス流路を備え、
このバイパス流路の出口は、前記吸気路に対して前記主流の下流側に向かって開口し、
前記出口を前記主流の上流側に向かって前記バイパス流路の流路壁に直線的に投影することで形成される出口投影領域には、前記バイパス流路と前記吸気路とを連通させる穴が設けられていることを特徴とする空気流量測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の空気流量測定装置において、
前記出口投影領域に占める前記穴の割合、および前記出口投影領域における前記穴の位置の少なくとも一方に応じて、測定値の補正量が設定されていることを特徴とする空気流量測定装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の空気流量測定装置において、
前記バイパス流路を有する筐体の外壁面は前記吸気路に露出しており、
前記外壁面には、前記吸気路の側に凸状に膨らむとともに前記主流の上流側に向かって先細となる曲面が設けられ、
この曲面の下流端は、前記出口を形成する出口縁であることを特徴とする空気流量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−202755(P2012−202755A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66061(P2011−66061)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】