説明

空気清浄機

【課題】複数のフィルタ間で延焼することを防止し、空気清浄機内部での燃焼拡大を防止することのできる空気清浄機を提供する。
【解決手段】空気清浄機は、送風機2により吸込口15,15…から空気を吸い込んで吹出口16から吹き出させ、脱臭フィルタ17及び集塵フィルタ18により空気を順次濾過して浄化する。通気性を有する不燃性の防火ネット19を脱臭フィルタ17における集塵フィルタ18に対向する面に配置し、脱臭フィルタ17から集塵フィルタ18へ延焼することを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸い込んだ空気に含まれる臭いを除去し、塵埃を捕集して浄化した空気を吹き出させる空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の空気には、塵埃、花粉、タバコの煙、呼気等のように、人体に不快又は有毒とされる様々な物質が含まれている。特に近年では、住宅が高気密化されていることから、有害物質が室内に溜まり易い。そのため、大気汚染がひどい地域や、花粉症の患者がいる家庭や職場等では部屋の窓を開ける自然換気が行いにくいので、室内の空気を浄化する空気清浄機能を有する空気清浄機が広く普及してきている。
【0003】
空気清浄機により室内の空気を清浄化する方法としては、室内の空気を吸引してフィルタで塵埃を捕集し、活性炭で汚染物質を吸着するといったものが一般的である。室内の空気に含まれる塵埃を捕集し、臭気を除去して脱臭するための基本構造は、送風機を配置した送風経路を本体内に設け、送風経路の入口及び出口夫々に空気の吸込口及び吹出口を設け、送風経路内に集塵フィルタ及び脱臭フィルタを配置するものであり、送風機により送風経路内に室内の空気を通流し清浄化する。
【0004】
特許文献1には、安価で、しかもメンテナンス時のサービス性が良く、かつ防火性も高い空気清浄機の集塵・脱臭ユニットを提供するために、集塵フィルタ、及びガス状物質を吸着する脱臭フィルタを一体型のユニットとし、空気清浄機に着脱自在とした集塵・脱臭ユニットが開示されている。該集塵・脱臭ユニットは、燃焼防止用防護ネットを張設した枠体に脱臭フィルタを保持し、該枠体を集塵フィルタに着脱自在に装着するものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−204915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された空気清浄機の集塵・脱臭ユニットでは、脱臭フィルタの前に燃焼防止用防護ネットがあることで、外部からの火種の侵入を防ぐことができる。しかしながら、ひとたび脱臭フィルタに火種が移り脱臭フィルタが燃えてしまった場合に、集塵フィルタにも延焼すると、燃焼が拡大してしまう。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数のフィルタ間で延焼することを防止し、空気清浄機内部での燃焼拡大を防止することのできる空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る空気清浄機は、吸込口から空気を吸い込んで吹出口から吹き出させる送風機と、前記吸込口から吸い込んだ空気を順次濾過して浄化する2つの浄化フィルタとを備えた空気清浄機において、前記2つの浄化フィルタのうち前記吸込口側にある一方の浄化フィルタにおける他方の浄化フィルタに対向する面に、通気性を有する不燃性のカバーを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、2つの浄化フィルタのうち吸込口側にある一方の浄化フィルタにおける他方の浄化フィルタに対向する面に、通気性を有する不燃性のカバーを備えるため、該カバーによって、一方の浄化フィルタから他方の浄化フィルタへ延焼することを防止する。
【0010】
本発明に係る空気清浄機は、加熱により溶断して前記送風機への通電を遮断する温度ヒューズを前記カバーに配してあることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、カバーに配した温度ヒューズが加熱により溶断して送風機への通電を遮断するため、延焼することを防止する。
【0012】
本発明に係る空気清浄機は、前記カバーの温度を検出する温度センサを備え、該温度センサにより検出した温度が所定の閾値を超えたときに、前記送風機への通電を停止するようになしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、温度センサにより検出したカバーの温度が所定の閾値を超えたときに、送風機への通電を停止するため、延焼することを防止する。
【0014】
本発明に係る空気清浄機は、前記2つの浄化フィルタ及び前記カバーを積層して枠体に収容してあることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、2つの浄化フィルタ及びカバーを積層して枠体に収容してあるため、2つの浄化フィルタ及びカバーが枠体ごと纏めて交換され、カバーの未装着を防止する。
【0016】
本発明に係る空気清浄機は、前記カバーが、金属製の網を蛇腹状になしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、カバーが金属製の網を蛇腹状になしてあるため、カバーに厚みを有して浄化フィルタ間に空間が確保され、延焼することを防止する。
【0018】
本発明に係る空気清浄機は、前記一方の浄化フィルタが、脱臭フィルタであることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、一方の浄化フィルタが脱臭フィルタであるため、空気の臭いを除去することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、2つの浄化フィルタのうち吸込口側にある一方の浄化フィルタにおける他方の浄化フィルタに対向する面に、通気性を有する不燃性のカバーを備えるので、該カバーによって、空気を通流し、一方の浄化フィルタから他方の浄化フィルタへ延焼することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る空気清浄機の構成を示す背面側の分解斜視図である。
【図2】図1の空気清浄機の縦断側面図である。
【図3】実施の形態1に係る空気清浄機の防火ネットの背面図である。
【図4】実施の形態2に係る空気清浄機の防火ネットの背面図である。
【図5】図4中のA−A線による断面図である。
【図6】温度ヒューズの構成を説明するための模式図である。
【図7】温度センサを配置した防火ネットの背面図である。
【図8】実施の形態3に係る空気清浄機のフィルタユニットの縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る空気清浄機の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は本発明に係る空気清浄機の構成を示す背面側の分解斜視図、図2は図1の空気清浄機の縦断側面図、図3は実施の形態1に係る空気清浄機の防火ネットの背面図である。
【0024】
本発明に係る空気清浄機は、矩形箱形のハウジング1の内部に、送風機2、加湿フィルタユニット3、水受け皿4、回転駆動機構5及びイオン発生器6などを備えている。ハウジング1の内部は、隔壁11により後(背)側の吸込室12と前側の吹出室13とに分割されている。吸込室12は、ハウジング1の後面パネル14に開設された多数の吸込口15,15…を介して外部に連通し、また吹出室13は、ハウジング1の天板に開設された吹出口16を介して外部に連通しており、更に吸込室12と吹出室13とは、隔壁11の下部に設けた開口11aを経て相互に連通している。
【0025】
後面パネル14は、吸込室12の後側に設けたフィルタ収容室12aに着脱可能であり、フィルタ収容室12aには、脱臭フィルタ17及び集塵フィルタ18が、防火ネット19を挟んで積層配置してある。脱臭フィルタ17は、例えば、不織布に活性炭を分散保持させた構成であり、通気中の臭い成分を吸着、除去する作用をなす。集塵フィルタ18は、例えば、公知のHEPA(High Efficiency Particulate Air )フィルタであり、通気中に含まれる微細な塵埃を捕集、除去する作用をなす。脱臭フィルタ17及び集塵フィルタ18は、合成樹脂製の矩形の各枠体17a,18aに一体に収納されている。
【0026】
防火ネット19は、脱臭フィルタ17及び集塵フィルタ18の間に挟み込まれるように配置されている。防火ネット19は、通気性を有する不燃性のネットであり、例えば、金属製の格子網などを用い、後面パネル14側にある脱臭フィルタ17における集塵フィルタ18に対向する面を覆うように設けられる。防火ネット19は、合成樹脂製の矩形の枠体19aに一体に収納されている。
【0027】
送風機2は、羽根車20と、羽根車20を回転駆動するファンモータ21とを備えている。ファンモータ21は、吹出室13の壁の外部に固定されている。羽根車20は、吹出室13内に突出するファンモータ21の出力軸に固定され、隔壁11下部の開口11aに対向配置してある。羽根車20が回転した場合、図2中に白抜の矢印にて示すように、後面パネル14の吸込口15,15…を経て吸込室12の内部に外気が導入され、吸込室12の内部を前方向に流れて隔壁11下部の開口11aを経て羽根車20に吸い込まれる。羽根車20に吸い込まれた空気は上向きに方向を変えて吹出室13の内部に導出され、吹出室13の末端の吹出口16を経て外部に送り出される。
【0028】
このようにハウジング1の内部の吸込室12及び吹出室13は、送風機2の動作に応じて前述した空気の流れが生じる送風路を構成する。脱臭フィルタ17及び集塵フィルタ18は、以上の如き送風路の上流側に位置している。また、加湿フィルタユニット3及び水受け皿4が、集塵フィルタ18と送風機2との間の送風路に配置してある。
【0029】
水受け皿4は、ハウジング1の底板上に載置され、集塵フィルタ18の前側の吸込室12の内部に配してある。水受け皿4は、上部に後述のように加湿フィルタユニット3を支持し、加湿フィルタユニット3と共にハウジング1の一側面から外部に引き出すことが可能である。水受け皿4の引き出し側の端部には、広幅のタンク受け40が連設してあり、タンク受け40の上部には、給水タンク41が着脱されるように設けてある。
【0030】
給水タンク41は、一側の端部に給水栓42を有する直方体のタンクであり、給水栓42の側を下向きとした倒立姿勢にてタンク受け40に装着される。給水栓42は、公知の定水位弁を内蔵している。この定水位弁は、タンク受け40への給水タンク41の装着時に、タンク受け40の該当位置に立設した突起(不図示)に押し上げられて開放状態となり、給水タンク41内に収容している水を水受け皿4に送り出し、水受け皿4の内部に一定水位の水を貯留させるように作用する。
【0031】
加湿フィルタユニット3は、中空の円盤形をなす保持枠30の内部に加湿フィルタ31を収納保持して構成されている。加湿フィルタ31は、不織布等、高い含水性を有すると共に通気が可能な材料製のシートであり、通気する空気との接触面積を増すべく、蛇腹状に折り重ねて保持枠30に収納されている。
【0032】
保持枠30の中心に固定された回転軸32が水受け皿4の上部に設けたフィルタ保持部43のU字溝43aに回転自在に嵌合している。回転軸32を中心軸として、加湿フィルタ31及び保持枠30が回転自在に支持されている。
【0033】
回転駆動機構5は、保持枠30の外周面に接触して加湿フィルタユニット3を回転させるローラ51及び該ローラ51に連動連結されている電動モータ52を備える。ローラ51は、加湿フィルタユニット3の最上部位置に対応する位置に、ローラ51の外周面が保持枠30の外周面に接触するように配され、また、回転軸32とローラ51の回転中心軸とは互いに平行に配されている。電動モータ52が作動することによってローラ51が回転し、加湿フィルタユニット3が周方向へ回転させるように作用する。
【0034】
イオン発生器6は、吹出室13の壁に固定され、発生するイオンの放射口が吹出室13へ開口するように配してある。イオン発生器6は、針状の放電電極及び該放電電極を囲繞する誘導電極を有し、高電圧を印加された放電電極がコロナ放電を起こしてイオンを発生させる。イオン発生器6で発生したイオンは、吹出室13へ放射され、吹出室13内の空気と混和され、吹出口16から空気とともに外部に送り出される。
【0035】
空気清浄機の運転中は、送風機2が駆動され、吸込口15,15…を経て吸込室12に空気が吸入される。吸入された空気は、先ず脱臭フィルタ17の通過により臭い成分を除去され、通気性を有する防火ネット19を通過し、集塵フィルタ18の通過により塵埃を除去された清浄な空気となる。次に脱臭フィルタ17及び集塵フィルタ18を通過した空気は加湿フィルタユニット3の加湿フィルタ31を通過する。
【0036】
電動モータ52が作動することによって、加湿フィルタユニット3が回転し、水受け皿4に浸漬した加湿フィルタ31の部分が順次周方向に移動して水を吸い上げ、加湿フィルタ31の全体が水分を含んだ状態になる。その結果、集塵フィルタ18を通過した後の空気が加湿フィルタ31を通過して加湿される。従って、図示の空気清浄機は、加湿フィルタ31の配置により加湿機としても機能する。
【0037】
加湿フィルタ31を通過した湿り空気は吹出室13へ流れ込み、イオン発生器6から放射されるイオンと混和され、イオンとともに吹出室13の末端の吹出口16を経て外部に送り出される。
【0038】
吸込口15,15…から火種が入り込み、脱臭フィルタ17に燃え移った場合、不燃性の防火ネット19によって、燃焼を脱臭フィルタ17に留めることができる。これにより、脱臭フィルタ17から集塵フィルタ18へ延焼することを防止する。また、防火ネット19における枠体19aの厚み(脱臭フィルタ17及び集塵フィルタ18の積層方向の厚み)により、脱臭フィルタ17と集塵フィルタ18とが距離を隔てて配置させるので、脱臭フィルタ17から集塵フィルタ18へ延焼することを防止する。
【0039】
(実施の形態2)
図4は実施の形態2に係る空気清浄機の防火ネットの背面図、図5は図4中のA−A線による断面図、図6は温度ヒューズの構成を説明するための模式図である。実施の形態2の空気清浄機では、防火ネット19を蛇腹状に形成し、防火ネット19に温度ヒューズユニット7を配置してある点が実施の形態1と異なるが、他の構成は実施の形態1と同一である。以下、防火ネット19と温度ヒューズユニット7の詳細について説明する。
【0040】
本実施形態の防火ネット19は、図5の断面図に示すように、蛇腹状に折り込まれて形成されており、合成樹脂製の矩形の枠体19aに一体に収納されている。防火ネット19は、通気性を有する不燃性のネットであり、例えば金属製の格子網などを用いる。防火ネット19の中央付近には、温度ヒューズユニット7が配置されている。温度ヒューズユニット7を配置する位置において防火ネット19に切り目が入れてあり、温度ヒューズユニット7が上下2箇所で防火ネット19に挟み込まれるようにして固定されている。
【0041】
温度ヒューズユニット7は、温度ヒューズ70の2つの端子にスリーブ71,71によって、2本の電線72,72を接続し、該電線72,72をコネクタ73に接続して構成されている。温度ヒューズ70及びスリーブ71,71は絶縁チューブ74により包まれて絶縁されている。
【0042】
防火ネット19は、上述のように蛇腹状に形成してあるため、防火ネット19自体が厚みを持っている。このため、脱臭フィルタ17と集塵フィルタ18との間には防火ネット19の厚み分の空間ができる。この空間によって、脱臭フィルタ17から集塵フィルタ18への延焼を抑えることができる。
【0043】
また、脱臭フィルタ17に火種が燃え移った場合には、脱臭フィルタ17の温度が上昇するため、脱臭フィルタ17に隣接している防火ネット19及び温度ヒューズユニット7の温度も上昇する。例えば、温度ヒューズ70は109℃で溶断するものとし、コネクタ73に接続された2本の電線72,72間の導通を遮断する。
【0044】
送風機2の駆動によって吸込口15,15…から吸い込まれる空気が温度ヒューズユニット7に当たり、また、熱伝導率の高い金属性の防火ネット19が温度ヒューズユニット7に接しているため、通常運転状態では、温度ヒューズ70の温度は室温付近に保たれ、ほとんど上昇することはない。一方、吸込口15,15…から火種が入り込み、脱臭フィルタ17に燃え移った場合、脱臭フィルタ17周辺の温度が急激に上昇するため、温度ヒューズ70の温度も急激に上昇して数百℃に達する。したがって、本実施形態に用いる温度ヒューズ70は、109℃のものに限らず他の温度で溶断するものでよく、例えば、50〜200℃程度で溶断するものであってもよい。
【0045】
コネクタ73は、送風機2を駆動する制御回路75に接続されており、温度ヒューズ70の溶断によって、電線72,72が接続されるコネクタ73端子間の導通が切断されると、制御回路75から送風機2への通電が遮断され、送風機2の運転が強制的に停止する。
【0046】
送風機2の運転が停止すると、脱臭フィルタ17を介して空気清浄機内に向かう気流がなくなるため、脱臭フィルタ17の炎により、集塵フィルタ18、さらに送風機2側へと延焼していくことを抑制できる。また、送風機2の運転が停止することにより、吸込口15,15…からの酸素を含んだ新鮮な空気の供給が減少するため、脱臭フィルタ17に燃え移った炎がさらに拡大することを抑制できる。
【0047】
図7は温度センサを配置した防火ネットの背面図である。図7に示すように、温度ヒューズユニット7を防火ネット19に取り付ける代わりに、温度センサ8を防火ネット19に取り付けるようにしてもよい。温度ヒューズユニット7の場合と同様に、温度センサ8を防火ネット19の中央付近に取り付け、温度センサ8によって防火ネット19付近の温度を計測する。通常運転時には、送風機2の駆動によって吸い込んだ外部の空気の温度が、温度センサ8により計測される。
【0048】
脱臭フィルタ17に火種が侵入して、脱臭フィルタ17に炎が燃え移った場合には、炎の熱により温度センサ8周辺の雰囲気温度は急上昇する。温度センサ8により計測された温度が所定の閾値(例えば、50℃)を超えたとき、制御回路75は、脱臭フィルタ17に炎が燃え移ったと判定して送風機2への通電を停止し、送風機2の運転が停止する。
【0049】
温度ヒューズユニット7による場合と同様に、送風機2の運転が停止することによって、脱臭フィルタ17を介して空気清浄機内に向かう気流がなくなるため、脱臭フィルタ17の炎により、集塵フィルタ18、さらに送風機2側へと延焼していくことを抑制できる。また、送風機2の運転が停止することにより、吸込口15,15…からの酸素を含んだ新鮮な空気の供給が減少するため、脱臭フィルタ17に燃え移った炎がさらに拡大することを抑制できる。
【0050】
(実施の形態3)
図8は実施の形態3に係る空気清浄機のフィルタユニットの縦断側面図である。実施の形態3の空気清浄機では、脱臭フィルタ17、集塵フィルタ18及び防火ネット19を枠体91内に収容してフィルタユニット9を形成してある点が、実施の形態1と異なるが、他の構成は実施の形態1と同一とすることができる。以下、フィルタユニット9の詳細について説明する。
【0051】
フィルタユニット9は、矩形の枠体91に脱臭フィルタ17、防火ネット19及び集塵フィルタ18を積層して収容したものである。枠体91には、脱臭フィルタ17及び集塵フィルタ18へ通気させるために、前側及び後側の面夫々に、矩形の開口部91a、91bを有している。フィルタユニット9は、フィルタ収容室12aに嵌め込まれ、フィルタ収容室12aに後面パネル14を装着することにより、空気清浄機に取り付けられる。
【0052】
脱臭フィルタ17及び集塵フィルタ18は、臭い及び塵埃が多く付着した場合や、耐用年数(例えば2年)を経過した場合に交換をする必要がある。本実施形態では、フィルタ交換時には、脱臭フィルタ17、防火ネット19及び集塵フィルタ18が収容されたフィルタユニット9ごと交換すればよいので、防火ネット19の付け忘れがなく、未装着を防止することができ、また、簡単に交換することができ、ユーザによる利便性が高い。更に、フィルタユニット9の前側と後側とを取り違えて、前後逆さに取り付けてしまった場合でも、脱臭フィルタ17及び集塵フィルタ18の位置が入れ替わるものの、吸込口15,15…に隣接する集塵フィルタ18に火種が侵入して炎が燃え移ったとしても、防火ネット19があることによって、脱臭フィルタ17へ延焼することを防止できる。
【0053】
なお、本実施形態においても、実施の形態2と同様に、防火ネット19を蛇腹状に形成してもよく、更に、防火ネット19に温度ヒューズユニット7又は温度センサ8を配置し、温度の上昇によって送風機2への通電を遮断又は停止するようにしてもよい。
【0054】
なお、本発明は、本実施の形態だけに限ることなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲及びそれと均等な範囲に及ぶものとする。
【符号の説明】
【0055】
15 吸込口
16 吹出口
17 脱臭フィルタ(浄化フィルタ)
18 集塵フィルタ(浄化フィルタ)
19 防火ネット(カバー)
2 送風機
7 温度ヒューズユニット
70 温度ヒューズ
8 温度センサ
9 フィルタユニット
91 枠体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口から空気を吸い込んで吹出口から吹き出させる送風機と、前記吸込口から吸い込んだ空気を順次濾過して浄化する2つの浄化フィルタとを備えた空気清浄機において、
前記2つの浄化フィルタのうち前記吸込口側にある一方の浄化フィルタにおける他方の浄化フィルタに対向する面に、通気性を有する不燃性のカバーを備えたことを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
加熱により溶断して前記送風機への通電を遮断する温度ヒューズを前記カバーに配してあることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記カバーの温度を検出する温度センサを備え、
該温度センサにより検出した温度が所定の閾値を超えたときに、前記送風機への通電を停止するようになしてあることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記2つの浄化フィルタ及び前記カバーを積層して枠体に収容してあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記カバーは、金属製の網を蛇腹状になしてあることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記一方の浄化フィルタは、脱臭フィルタであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−6166(P2013−6166A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142099(P2011−142099)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】