空気清浄装置
【課題】就寝者の頭部付近を保護する抑制モードと雑菌・アレルゲンを吹き飛ばすエアカーテンモードを制御し、送風の誘引効果を利用して、就寝者の快適性を向上した空気清浄装置を提供。
【解決手段】就寝者１１の頭部付近に設置され清浄化空気１５を供給する送風装置９と、吹き出し部に開口部２６とその周辺に配置される複数の吹き出し口１６により気流の誘引効果を利用し、省エネな送風が可能、ベッド８の上の人の在位置を検出する人感センサ部１５Ａと、ベッドの上の塵埃を検出する塵埃センサ部１５Ｂを備えることにより、人感センサ部で検出した人の在位置部分と塵埃センサ部で検出した塵埃により、送風制御を行い、就寝者１１やベッド８の状況に応じて送風モードの制御を行うことが可能なため、就寝者の快適性を向上することになる。
【解決手段】就寝者１１の頭部付近に設置され清浄化空気１５を供給する送風装置９と、吹き出し部に開口部２６とその周辺に配置される複数の吹き出し口１６により気流の誘引効果を利用し、省エネな送風が可能、ベッド８の上の人の在位置を検出する人感センサ部１５Ａと、ベッドの上の塵埃を検出する塵埃センサ部１５Ｂを備えることにより、人感センサ部で検出した人の在位置部分と塵埃センサ部で検出した塵埃により、送風制御を行い、就寝者１１やベッド８の状況に応じて送風モードの制御を行うことが可能なため、就寝者の快適性を向上することになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、気流を発生させ室内の局所的な空間を清浄化する送風装置による構成を有した空気清浄装置およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の空気清浄装置１は、就寝者が快適に就寝できるように、吸気部から吸入した空気をＨＥＰＡフィルタなどの高性能フィルタを通すことで浄化し、浄化した空気をベッド上の空間などの清浄空間を形成したい場所に対して送風することにより、ベッド空間を清浄化するものである。就寝者の頭側の清浄化空気調和を行う頭側空調手段と就寝者の脚側の清浄化空気調和を行う脚側空調手段とを備え、就寝空間を清浄化空気調和するようにした空調装置付ベッド部が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
図７は、特許文献１に記載された従来の空気清浄装置１の側面図を示すものである。図７において、空気清浄装置１はベッド部と一体に設けられ、ベッド部の下方にはファン３とフィルタ部２が配置されている。ベッド部の頭側にはベッド部の足側に向けて清浄空気Ａ２を発生させる吹き出し部５が設けられており、吹き出し部５から吹き出された清浄空気Ａ２がベッド部の下方に送風され、ベッド部上の塵埃を含む塵埃を含有する空気Ａ１になり、フィルタ部２より回収されている。フィルタ部２とファン３と吹き出し部５は空気ダクト部６で連結されている。このサイクルでは、足部のフィルタ部２にて、塵埃を含有する空気Ａ１を吸入し、フィルタ部２により浄化し、頭部に設けた吹き出し部５からベッド部や布団に送風することで、就寝場所を清浄化する清浄装置を構成している。
【０００４】
この他、近年では、空気清浄機やエアコン、冷蔵庫などの気流にイオンを加えて散布することで脱臭効果や除菌効果といった、より高い清浄効果が得られるとして、イオン発生装置を搭載した家電製品が商品化されるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２０００−１７１０６７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、前記従来の空気清浄装置１の構成では、就寝者の頭側に設置した吹き出し部５はベッド頭側から清浄空気Ａ２を吹き出し、ベッド部の下方に送風され、ベッド部の下に設置されているフィルタ部２より、吸引されている。フィルタ部２で清浄化され、ファン３と吹き出し部５を連結されて空気ダクト部６内を通過し、再度、吹き出し部５より清浄空気Ａ２を吹き出す。このような一連のサイクルで動作を行い、清浄化空気を送風し、就寝者の頭部付近を清浄化している。そして、就寝者の頭部付近に送風し、雑菌やアレルゲンの活動を抑制しているが、外部から侵入する雑菌やアレルゲンの侵入防止が出来ておらず、就寝者には容易にアレルゲンが堆積するという課題を有している。
【０００７】
更に清浄空気Ａ２を発生させる吹き出し部５からの清浄化空気は、吹き出し部５からの風量は吹き出し部５に内蔵されているファン能力に比例する。したがって雑菌やアレルゲンを吹き飛ばす風量向上には、風量に比例してファンを大型化する必要がある。そのため設備は必然的に大型設備化し、大型のファンを内蔵する必要になる。それにより、電力ロス、大型ファンによるファン騒音が大きくなるという課題を有していた。結果、従来の空気清浄装置では、設備が大型化することにより、ベッドへの設置が困難になり設置性がよ
ろしくないという課題も有していた。
【０００８】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、就寝者の頭部付近を保護する抑制モードと雑菌・アレルゲンを吹き飛ばすエアカーテンモードを制御し、送風の誘引効果を利用し、就寝者の快適性を向上した空気清浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気清浄装置は、就寝者の頭部付近に設置され清浄化空気を供給する送風装置と、前記送風装置は前記清浄化空気を送風する吹き出し部と、前記吹き出し部に開口部とその周辺に配置される複数の吹き出し口と、前記送風装置にはベッドの上の人の在位置を検出する人感センサ部と、ベッドの上の雑菌・アレルゲンを検出する塵埃センサ部を備え、前記人感センサ部で検出した人の在位置部分と前記塵埃センサ部で検出した塵埃により、前記吹き出し口と前記内側吹き出し口の送風制御を行うとしたものである。
【００１０】
これによって、ベッド上の就寝者の状況検出する人感センサ部と雑菌・アレルゲンを検出する塵埃センサ部によりベッド上の状況を検出し、送風制御を行う。就寝者の頭部付近にて塵埃センサが検知した場合は、就寝者の頭部付近に送風し、頭部に衝突することにより、頭部付近を陽圧化し、頭部付近の塵埃の活動を抑制する抑制モードで送風する。また、頭部付近で塵埃を検知しなければ、就寝者に塵埃が堆積しないようにエアカーテンモードにて送風し、塵埃を吹き飛ばし、就寝者の体表面や頭部への雑菌や塵埃の侵入や堆積を防止するモードで送風する。また、ベッド上で就寝者の検知はなく、塵埃の検知をした場合、いわゆる不在時では、ベッド上の塵埃を吹き飛ばすために大風量にしてベッドへの送風を行う不在時モードで送風する。
【００１１】
就寝者の在床状態、塵埃状態に応じて送風装置の送風方向および風量を変更制御することにより、ベッド上の就寝者の清浄度を向上し、よって快適性も向上する空気清浄装置となる。また、送風装置に吹き出し部を備え、その吹き出し部の開口部の周辺に配置した複数の吹き出し口を設けることにより、気流の誘引効果を利用するため、少ない風量で効率よく頭部付近に清浄空気を送風することが可能になる。小風量のため、小型ファン使用可能による省電力化、小型設備化、軽量化を可能とした空気清浄装置となる。
【発明の効果】
【００１２】
本発明の空気清浄装置は、送風装置の誘引効果、人感センサ部、塵埃センサ部を利用した送風モード制御により、小型、軽量、低騒音な送風装置で、ベッド上の就寝者の清浄度を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の第１実施形態に係る空気清浄装置の外観構成を模式的に示す斜視図
【図２】同空気清浄装置を既存のベッドに設置した場合の側面断面図
【図３】同気清浄装置の送風装置の抑制モードの気流流れ図
【図４】同空気清浄装置の送風装置のエアカーテンモードの気流流れ図
【図５】同空気清浄装置の送風装置の不在時モードの気流流れ図
【図６】同空気清浄装置の動作を示すフローチャート
【図７】従来の空気清浄装置の外観構成を模式的に示す正面図
【発明を実施するための形態】
【００１４】
第１の発明は就寝者の頭部付近に設置され清浄化空気を供給する送風装置と、前記送風装置は前記清浄化空気を送風する吹き出し部と、前記吹き出し部に開口部とその周辺に配置される複数の吹き出し口と、前記送風装置にはベッドの上の人の在位置を検出する人感
センサ部と、ベッドの上の雑菌・アレルゲンを検出する塵埃センサ部を備え、前記人感センサ部で検出した人の在位置部分と前記塵埃センサ部で検出した塵埃により、前記吹き出し口と前記内側吹き出し口の送風制御を行うことによって、ベッド上の就寝者の状況を検出する人感センサ部と雑菌・アレルゲンを検出する塵埃センサ部によりベッド上の状況を検出し、送風制御を行う。就寝者の頭部付近にて塵埃センサが検知した場合は、就寝者の頭部付近に送風し、頭部に衝突することにより、頭部付近を陽圧化し、頭部付近の塵埃の活動を抑制する抑制モードで送風する。
【００１５】
また、頭部付近で塵埃を検知しなければ、就寝者に塵埃が堆積しないようにエアカーテンモードにて送風し、塵埃を吹き飛ばし、就寝者の体表面や頭部への雑菌や塵埃の侵入や堆積を防止するモードで送風する。また、ベッド上で就寝者の検知はなく、塵埃の検知をした場合、いわゆる不在時では、ベッド上の塵埃を吹き飛ばすために大風量にしてベッドへの送風を行う不在時モードで送風する。
【００１６】
即ち、就寝者の在床状態、塵埃状態に応じて送風装置の送風方向および風量を変更制御することにより、ベッド上の就寝者の清浄度を向上し、よって快適性も向上する空気清浄装置となる。また、送風装置に吹き出し部を備え、その吹き出し部の開口部の周辺に配置した複数の吹き出し口を設けることにより、気流の誘引効果を利用するため、少ない風量で効率よく頭部付近に清浄空気を送風することが可能になる。小風量のため、小型ファン使用可能による省電力化、小型設備化、軽量化を可能とすることができる。
【００１７】
第２の発明は、特に、第１の発明の送風装置は時間により作動するタイマセンサ部を備えた構成とすることにより、時間設定による動作やモード切替が可能となり、時間により起動、停止およびモードを切り替えることができ、使用用途が拡大し、商品性が向上することができる。
【００１８】
第３の発明は、特に、第１または第２の発明の送風装置は、イオン発生部を備え、前記清浄化空気に前記マイナスイオン発生部の発生させたイオンを投入することにより、イオンの散布機能を追加した場合でも、同じく人感センサ部や塵埃センサ部で検出した重点位置へのイオンを含んだ清浄化空気を送風し、イオン散布効果は向上し、空気清浄装置の高濃度清浄化空気散布性能を向上することができる。
【００１９】
第４の発明は、特に、第１〜３のいずれか１つの発明の送風装置は、芳香発生部を備え、前記清浄化空気に前記芳香発生部の発生させた芳香を投入することにより、芳香発生部からの芳香を追加した場合でも、同じく人感センサ部や塵埃センサ部で検出した重点位置への芳香成分を含んだ清浄化空気を送風し、芳香成分の散布効果は向上し、空気清浄装置の高濃度清浄化空気の散布性能を向上することができる。
【００２０】
第５の発明は、特に、第１〜４のいずれか１つの発明の空気清浄装置の各部、各手段の全てもしくは一部としてコンピュータに機能させるためのプログラムとすることにより、空気清浄装置の各種の制御方法である風量、風向、送風タイミング等の空気清浄装置の運転上に必要な項目を変更する際に、プログラムで管理するために、プログラムの書き換えを行うだけで、空気清浄装置の制御方法を容易に変更することができる。
【００２１】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【００２２】
（実施の形態１）
図１は、本発明の第１の実施の形態に係る空気清浄装置の外観構成を模式的に示す斜視図である。図２は、同じく本実施の形態１における空気清浄装置を既存のベッドに設置し
た場合の側面断面図の一例を示すものである。本発明の空気清浄装置は、図１および図２に例示して示すように、既設ベッドに後付けで設置した構成でも可能であり、ベッドと一体的に設置されたベッド一体型の構成でも可能であり、各部の機能においては、同様に構成できるものである。また、ベッド以外においても、床に直に布団を敷いている場合でも同様の構成ができるものである。
【００２３】
また、図１および図２にて示す本実施の形態１は、本発明の空気清浄装置の送風モードの一例であるベッド上に就寝者が横臥状態でおり、人感センサ部１５Ａがベッド上に就寝者が在床状態を検知し、塵埃センサ部１５Ｂが雑菌やアレルゲンの塵埃を検知した場合に送風する抑制モードでの動作および構成を示している。他の送風モードおよび送風フローチャートについては、後述する図３および図６の説明にて詳細に示す。
【００２４】
図１は、ベッド８に空気清浄装置が取り付けられた状態を示しており、ベッド８に就寝者１１が横臥状態で就寝している状況である。就寝者１１の頭部付近には送風装置９が配置されている。ベッド８の上には就寝者１１が横臥状態にて滞在しており、ベッド８上には塵埃や菌、アレルゲン、雑菌等の汚染物質１２が存在している。ベッド８上には就寝者１１が横臥状態にて滞在しており、この空気清浄装置の模式的に使用されている様子を表している。
【００２５】
べッド８本来の目的は、就寝者１１が横臥して使用することが大半ではあるため、図１に示すとおりの送風装置９の頭側の吹き出し部１３から送風された清浄化空気１５は流体の誘引効果を通じて開口部２６の周囲の空気を巻き込み、吹き出した清浄化空気１５より大きな風量となり、横臥状態の就寝者１１頭部付近から足側へ送風され、就寝者の体表面を流体のコアンダ効果により、体表面に沿って流れ、汚染物質１２等を抑制していく。
【００２６】
就寝者１１の足側まで向かった清浄化空気１５は、雑菌やアレルゲンなどの汚染物質１２を抑制し、塵埃や花粉等を含んだ空気となったため、清浄化空気１５から排気風２４へとその機能を変化させている。排気風２４はベッド８外部へと一旦送風されるが、送風装置９下部（鉛直方向）のベッド８下に設置されている吸い込み部１７より再び排気風２４は吸い込まれ、排気風２４は、再び清浄化空気１５へと変化し、吹き出し口１６より送風される。
【００２７】
図２は、図１に示した本発明の実施の形態１における空気清浄装置の内部構成の詳細を示す既存のベッドに設置した場合の側面断面図の一例を示すものである。また、図３は、図１に示した本発明の実施の形態１における空気清浄装置の既存のベッドに配置した場合の送風装置の吹き出し部正面図を示すものである。
【００２８】
図２において、ベッド８には空気清浄装置が取り付けられており、就寝者１１が横臥状態での利用をしている。ベッド８の頭側に送風装置９が配置されている。ベッド８の上には就寝者１１が横臥状態でおり、ベッド８上には汚染物質１２（塵埃や雑菌、アレルゲン等）が存在している。送風装置９の内部には送風ファン部１３Ａとフィルタ部１４Ａが内蔵されており、人感センサ部１５Ａおよび塵埃センサ部１５Ｂを有している。
【００２９】
人感センサ部１５Ａおよび塵埃センサ部１５Ｂは、内部に複数素子からなる赤外線センサ郡と、赤外線センサ前面の多焦点を有するように設計した多角形フレネルレンズなどから構成し、ベッド８上の就寝者１１の寝位や座位の判別や頭部の位置などの在床姿勢および在床を検出する。人感センサ部１５Ａ同様に塵埃センサ部１５Ｂもベッド８上およびベッド８周囲の塵埃を検出するものである。
【００３０】
なお、人感センサ部１５Ａおよび塵埃センサ部１５Ｂの個数や設置位置は、図１および
図２に限定するものではなく、検出精度を改善するために、送風装置９の複数箇所に設置する構成でも構わないものである。更に、人感センサ部１５Ａおよび塵埃センサ部１５Ｂは、赤外線センサに限らず、超音波センサや光反射型距離センサ、画像センサなど、他の原理のセンサを用いて構成しても構わなく、一般に市販されているものを用いて構成しても本発明の効果は、同様の効果が得られるものである。
【００３１】
また、送風装置９には正面吹き出し口１６と送風装置の上流側にあたる吸い込み部１７が設けられており、吹き出し口１６は風向変更部１８Ａを有している。吸い込み部１７はベッド８の下に設置構成されており、吹き出し口１６はベッド８の上部（反鉛直方向）に配置されている。内蔵されたフィルタ部１４Ａの吹き出し側である下流域には、送風ファン部１３Ａが設置されている。送風ファン部１３Ａの下流域には風量を制御する風量制御弁２８が設置されており、送風ファン部１３Ａより送風させる清浄化空気１５を絞り効果による風量制御で風量を制御している。
【００３２】
なお、風量制御弁２８は、風量を制御できる構造を持った機器であればよく、本実施の形態１に示した絞り効果による風量制御弁２８に限らず、オリフィスを用いた流量調整弁や一般的に市販されている流量を調整する機能を持った弁であればよく他形式の風量調整弁を用いて構成しても構わない。風量制御弁２８で風量を制御された清浄化空気１５は、風量制御弁２８の下流域に構成された風量分配通路２９に送風される。風量分配通路２９は、送風装置９の上部（反鉛直方向）方向いわゆる下流域に向かうに連れ、床面に対して垂直方向から吹き出し口１６方向に傾けて設置される。風量分配通路２９の下流域にいくにつれ通路は狭く絞る構成となっている。
【００３３】
この構成により、風量分配通路２９の下流域になるにつれ、流体の絞り効果により圧力抵抗が大きくなり、下部（鉛直方向）側いわゆる上流側は抵抗が小さい状態となるように構成されている。吹き出し口１６より送風される清浄化空気１５は吹き出し口１６形状の上流側と下流側により流速ムラや風量ムラがなく均一に吹き出すように構成することができる。
【００３４】
なお、風量分配通路２９形状は、本実施の形態１に示した下流側を絞る構造形状に限定するものではなく、吹き出し１６の形状から送風される清浄化空気１５を流速ムラや風量ムラなく、吹き出す構造であればよく、本実施の形態に限定されるものではない。なお、風量制御弁２８、風量分配通路２９の併用あるいは、片方のみの構成でも吹き出し口１６からの流速ムラや風量ムラをなくし吹き出すことが可能であり、本実施の形態に限らず、片方のみの構成でも可能である。
【００３５】
空気清浄装置また送風装置９には操作部１９が設けられている。送風装置９内部には、電圧印加によってイオンを発生させるイオン発生機２５Ａを内蔵している。このイオン発生機２５Ａには、イオン発生または空気の湿度を向上させる加湿機能を搭載している。空気の加湿方法には、例えばペルチェ素子による加湿方法を利用し、人が水を補給する手間を省ける構成となっている（図示しない）。
【００３６】
以上のように構成された空気清浄装置について、以下その動作、作用を説明する。まず、本発明の空気清浄装置の送風モードの一例であるベッド上に就寝者が横臥状態でおり、人感センサ部１５Ａがベッド上に就寝者が在床状態を検知し、塵埃センサ部１５Ｂが雑菌やアレルゲンの塵埃を検知した場合に送風する抑制モードでの動作、作用を説明する。まず、就寝者１１がベッド８上に横臥状態でいる。
【００３７】
本実施の形態では、就寝者は横臥状態としているが、横臥状態に限らず就寝者１１は、就寝時以外でもベッド８にいることもある。例えば病院などの病室においては、就寝者１
１が一日の大半をベッド８で過ごすことになる。ベッド８部上で就寝者１１が横臥状態や座位状態へと様々な動きにより変動しながら、食事やテレビ鑑賞、読者や医療従事者により治療行為等の様々な行為をベッド上ですることになる。座位状態でも就寝者１１に清浄化空気１５を送風する効果は同じであり、本構成は横臥状態時に限ったものではなく、各部の機能においては同様な構成で可能である。
【００３８】
就寝者１１を人感センサ部１５Ａにより感知し、送風ファン部１３Ａが起動し清浄化空気１５を送風する。なお、より検出精度を改善するために、人感センサ部１５Ａの個数や設置位置は図１および図２に限定されるものではなく、送風装置９の複数箇所に設置する構成でもよい。更に人感センサ部１５Ａは、赤外線センサに限らず、超音波センサや光反射型距離センサ、画像センサなど、他の原理のセンサを用いて構成しても構わないものである。
【００３９】
人感センサ部１５Ａが就寝者１１を感知し、合わせて塵埃センサ部１５Ｂも雑菌・アレルゲンを就寝者１１の付近で感知をした場合に送風モードは就寝者１１に送風する抑制モードとなり、以下のような動作、作用により送風される。なお、塵埃センサ部１５Ｂは、全前述した人感センサ部１５Ａと同様に、より検出精度を改善するために、塵埃センサ部１５Ｂの個数や設置位置は図１および図２に限定されるものではなく、送風装置９の複数箇所に設置する構成でもよい。更に塵埃センサ部１５Ｂは、赤外線センサに限らず、超音波センサや光反射型距離センサ、画像センサなど、他の原理のセンサを用いて構成しても構わないものである。
【００４０】
送風ファン部１３Ａの下流域に構成された風量制御弁２８が就寝者１１の状態を感知し、風量を調整し送風する。清浄化空気１５はあらかじめ適正位置に構成した風量分配通路２９により分配・整流化され清浄化空気１５を送風する。
【００４１】
なお、風量分配通路２９は、清浄化空気１５を適切な風量に仕切り分配する機能と送風ファン部１３Ａおよび風量制御弁２８より送風される気流はいわゆる乱流状態にあり、この乱流状態では、就寝者１１へ送風するには、流速ムラ、風量ムラ、圧力ムラ等の吹き出しムラ状態になっており、この乱流状態を整流化、いわゆる前述の吹き出しムラを抑制するために、格子状等の部品にて整流化を行う機能をもつ部品を風量制御弁下流域に設置し整流化を行う。
【００４２】
なお、整流化は本実施の形態である格子状部品に限定はしない。整流化を行う機能部品であればよい。整流化後、イオン発生機２５Ａは電圧付加によるイオンを発生させるいわゆるイオン発生を行うイオン発生機２５Ａを内蔵している。このイオン発生機２５Ａには、イオン発生または空気の湿度を向上させる加湿機能を搭載している。空気の加湿方法には、例えばペルチェ素子による加湿方法を利用し、水供給の手間を省いている構成となっている。イオンを発生し、整流化した清浄化空気１５は、イオンを含んだ清浄化空気１５となり、吹き出し口に送風される。吹き出し口１６からは清浄化空気１５が吹き出されている。
【００４３】
吹き出された清浄化空気１５は、開口部２６内側に内側吹き出し口２７があることで吹き出し口１６から吹き出した清浄化空気１５に周囲空気は巻き込まれ誘引される際に開口部２６内側の内側吹き出し口２７から吹き出された清浄化空気１５も周囲空気と同様に巻き込まれて就寝者１１へ送風することができる。いわゆる周囲の空気を利用するエジェクト効果を利用し、就寝者１１への清浄化空気１５を送風するため、内側吹き出し口２７から吹き出される清浄化空気１５を比較的低風量で送風することが可能である。開口部２６周辺の気流を巻き込んで送風する気流の誘引効果を利用することとなり、少ない風量で効率よく頭部付近に清浄化空気１５を送風することができる。
【００４４】
その送風が低風量で行われるため、小型ファンが使用可能になり、省電力化、小型設備化、軽量化が可能となり、省エネルギー性を向上しながら、就寝者１１の頭部付近に確実に清浄化空気１５を送風することが出来る。よって送風装置９の吹き出し口１６に開口部２６を設け、内側に内側吹き出し口２７を設けることにより、気流の誘引効果を利用した高濃度イオンを含んだ清浄化空気１５を内部の風量制御弁２８、風量分配通路２９の下流域でイオン付加することにより、イオンの壁面や通路、整流化部品へのイオン付着、イオン付加時間を短縮し自然減衰を抑えすることにより、少ない風量でイオン減少の少ない高濃度な清浄化空気１５を効率よく就寝者１１へ送風することが可能となる。
【００４５】
次に、吹き出された清浄化空気１５は、ベッド８に横臥状態の就寝者１１の頭側から足側に向けてベッド８の上面及び就寝者１１の上を沿って流れる。気流が壁面や障害物側面に沿って流れるコアンダ効果を利用できることと送風装置９に設けた開口部２６により、周囲の空気を巻き込む誘引効果が利用できるため送風ファン部１３Ａは少ない風量で清浄化空気１５を流すようファンの回転数および風量動作が設定されている。開口部２６の内側に構成された内側吹き出し口２７からも清浄化空気１５が吹き出され、前述した、吹き出し口１６の誘引効果により、就寝者１１へ清浄化空気は送風される。
【００４６】
清浄化空気１５はベッド８の上面にぶつかってからベッド８の上面や就寝者１１の体表面に沿って流れるいわゆる流体のコアンダ効果で流れる。足側へ流れた後、自然とベッド８の上面の足側に近い空間へと流れる。横臥状態の就寝者１１頭部付近から足側へ送風され、就寝者の体表面を流体のコアンダ効果により、体表面に沿って流れ、汚染物質１２（雑菌、アレルゲン等）を抑制していく。就寝者１１への足側まで向かった清浄化空気１５は、汚染物質１２（雑菌・アレルゲン等）を抑制し、塵埃や花粉等を含んだ空気となったため、清浄化空気１５から排気風２４へとその機能を変化させている。
【００４７】
排気風２４はベッド８の下を送風装置９側に向かって流れ、送風装置９の下側に構成された吸い込み部１７が設けられているため排気風２４は吸い込み部１７へと吸引される。そして、吸い込み部１７で吸い込まれた排気風２４はフィルタ部１４Ａにより、清浄化空気に清浄化され、また送風ファン部１３Ａにより送風される、という一連のサイクルを行う。
【００４８】
また操作部１９によって送風装置９の送風ファン部１３Ａ、風量制御弁２８の動作状態や風向変更部１８Ａ、風量分配通路２９の動作および設置位置を変更できる構成となっている。同時に送風装置９の人感センサ部１５Ａ、塵埃センサ部１５Ｂと操作部１９は通信しており、送風装置９の送風ファン部１３Ａの動作状態や風向変更部１８Ａの動作状態が人感センサ部１５Ａや塵埃センサ部１５Ｂと通信している。人感センサ部１５Ａは取得した情報を元に送風ファン１４Ｂや風向変更部１８Ａの動作を変化させる構成となっており、結果として操作部１９の操作で送風装置９の内部にある送風装置９の送風ファン部１３Ａ、風量制御弁２８の動作状態や風向変更部１８Ａ、風量分配通路２９が操作される。
【００４９】
以上のように、本実施の形態１における就寝者１１がベッド８上で横臥状態の際の送風モードである抑制モードは人感センサ部１５Ａが就寝者１１をベッド８上での在床状態を確認し位置状態を検出し、塵埃センサ部１５Ｂがベッド８上の就寝者１１の周囲近傍に雑菌・アレルゲンを検知した場合には、人感センサ部１５Ａおよび塵埃センサ部１５Ｂからの検知により、前述した構成の空気清浄装置が動作し、就寝者１１へ清浄化空気を送風し、ベッド８および就寝者１１の清浄度を向上することができる。
【００５０】
次に、図３〜図６にて、本発明の実施の形態における送風モードの説明を行う。空気清浄装置の構成および動作、作用においては、前述した図１および図２と同様であるため省
略する。図３は、空気清浄装置の送風装置の抑制モードの気流流れを示す図であり、図４は空気清浄装置の送風装置のエアカーテンモードの気流流れを示す図であり、図５は空気清浄装置の送風装置の不在時モードの気流流れを示す図である。また、図６は、本発明の第１の実施の形態における空気清浄装置の動作を示すフローチャート図である。
【００５１】
図３は、空気清浄装置の送風装置の抑制モードの気流流れを示す図である。抑制モードの送風は、就寝者がベッドに横臥状態や座位状態等の位置および姿勢については限定しないが、在床を人感センサ部１５Ａが検出し、更に就寝者付近近傍に塵埃センサ部１５Ｂが雑菌やアレルゲンを検出した場合に就寝者１１およびベッド８上を清浄化するために、清浄化空気１５を就寝者１１に向け送風するモードである。就寝者の仮に頭部付近に検知した場合、頭部付近に風向変更部１８Ａにより、風向が変更されたあと送風される。
【００５２】
送風された清浄化空気１５は、就寝者１１の頭部に衝突する。衝突することにより、一般的な流体と同様に送風の流速成分は減少し、圧力が局所的に増大する。いわゆる陽圧化した空間を形成することが出来る。清浄化空気１５により陽圧化した就寝者１１の頭部付近は、就寝者１１に付着していた雑菌、アレルゲンを抑制することができ、就寝者の清浄化を保つことが可能になる。
【００５３】
次に、図４は空気清浄装置の送風装置のエアカーテンモードの気流流れを示す図である。エアカーテンモードの送風は、就寝者がベッドに横臥状態や座位状態等の位置および姿勢については限定しないが、在床を人感センサ部１５Ａが検出し、更に就寝者付近近傍にて塵埃センサ部１５Ｂが雑菌やアレルゲンを検出しなかった場合に送風するモードである。就寝者１１やベッド８上は清浄化されているため、ベッド８周囲からの雑菌、アレルゲンの侵入を防止する送風モードになる。そして、いわゆるエアカーテン的な送風を行う。清浄化空気１５を就寝者１１に向けるのではなく、ベッド８床面と平行な送風を行って、就寝者１１およびベッド８上を保護する。
【００５４】
頭部付近に設置された空気清浄装置の送風装置は、人感センサ部１５Ａと塵埃センサ部１５Ｂからの検知情報を操作部１９に受信し、風向変更部１８Ａにより、風向がベッド８との平行に変更されたあと送風される。送風された清浄化空気１５は、就寝者１１の者周囲を流れ、就寝者１１、ベッド８の外部からの雑菌、アレルゲンの侵入を防止する庫ことが。これにより、就寝者およびベッド８の清浄化を保つことが出来、快適性を向上することができる。
【００５５】
次に、図５は、空気清浄装置の送風装置の不在時モードの気流流れを示す図である。不在時モードの送風は、就寝者がベッドに不在状態のため、在床を人感センサ部１５Ａが検出できなかった際に、ベッド８上や周囲には、塵埃センサ部１５Ｂが雑菌やアレルゲンを検出した場合に送風するモードである。ベッド８上を清浄化するために、ベッド８の雑菌、アレルゲンの抑制する送風モードになる。ベッド８上を清浄化するために、清浄化空気１５をベッド８上面に向け送風し、ベッド８上の雑菌、アレルゲンを吹き飛ばし、ベッド８上を清浄化する送風を行う。
【００５６】
頭部付近に設置された空気清浄装置の送風装置は、人感センサ部１５Ａと塵埃センサ部１５Ｂからの検知情報を操作部１９に受信し、風向変更部１８Ａにより、風向がベッド８上面に向かうよう変更されたあと送風される。送風された清浄化空気１５は、ベッド８上面に送風されたあと、ベッド８上の雑菌、アレルゲンを吹き飛ばして清浄化する。これにより、就寝者およびベッド８の清浄化を保つことが出来、快適性を向上することができる。
【００５７】
なお、送風モードは就寝者およびベッドの清浄化の送風制御の一例を示すものであり、
この実施の形態による送風モードによって本発明が限定されるものではなく、就寝者１１およびベッド８の清浄化を向上および保つものであればよく、この送風制御および送風モードに限定されるものではない。
【００５８】
次に、図６は、以上に説明した本発明の第１の実施の形態における空気清浄装置の動作フローの一例を示すフローチャート図である。
【００５９】
図６において、送風装置に通電が開始されると（ステップＳ２３）、送風装置９の操作部１９は、人感センサ部１５Ａにより、就寝者１１がベッド８内やベッド８上に在床かどうか、およびその位置を検出する（ステップＳ２４）。ステップＳ２４で就寝者１１がベッド８不在の場合は（ＮＯの場合）、塵埃センサ部１５Ｂがベッド８上または、周囲に雑菌・アレルゲンの塵埃があるかどうか、およびその位置を検出する（ステップＳ２５）。
【００６０】
ステップＳ２５で塵埃センサ部１５Ｂが無しの検出をした場合、即ちＮＯの場合、送風停止（ステップＳ２９）として空気清浄装置の運転を停止する。ステップＳ２５で塵埃センサ部１５Ｂがありの検出をした場合、即ちＹＥＳの場合、送風装置は、不在時モードの送風モードに設定しているデフォルト風量・風向Ｖｗ１に設定される。（ステップＳ２６）。ステップＳ２６で設定した風量・風向Ｖｗ１で送風動作を開始する（ステップＳ２７）。
【００６１】
不在時モードで送風を開始したあと塵埃センサ部１５Ｂの検出が無し（ＮＯの判定）になるまで送風され、ＮＯの判定になり次第、送風を停止する（ステップＳ２９）。しかし、あらかじめ設定しておいた一定サイクル時間になると再度、塵埃センサ部１５Ｂが就寝者１１の在床確認と塵埃の有無の確認をベッド８上にて再検出をする（ステップＳ２８）。ステップＳ２８にてＮＯの場合は、送風停止（ステップＳ２９）として空気清浄装置の運転を停止する。
【００６２】
また、ステップＳ２４において、就寝者１１がベッド８に在床状態である場合（ＹＥＳの場合）、送風装置９に設置されている塵埃センサ部１５Ｂが雑菌・アレルゲンの塵埃があるかどうか、およびその位置を検出する（ステップＳ３０）。ステップＳ３０で塵埃センサ部１５Ｂが無しの検出をした場合は、（ＮＯの場合）、送風装置は、エアカーテンモードの送風モードに設定しているデフォルト風量・風向Ｖｗ２に設定される（ステップＳ３１）。
【００６３】
ステップＳ３１で設定した風量・風向Ｖｗ２で送風動作を開始する（ステップＳ３２）。エアカーテンモードで送風を開始したあと塵埃センサ部１５Ｂの検出が無し、即ちＮＯの判定になるまで送風され、ＮＯの判定になり次第、送風停止し空気清浄装置の運転を停止する。（ステップＳ２９）。しかし、あらかじめ設定しておいた一定サイクル時間になると再度、塵埃センサ部１５Ｂが就寝者１１の在床確認と塵埃の有無の確認をベッド８上にて再検出をする。（ステップＳ３３）。ステップＳ３３にてＮＯの場合は、送風停止（ステップＳ２９）として空気清浄装置の運転を停止する。
【００６４】
また、ステップＳ３０において、塵埃センサ部１５Ｂが有りの検出をした場合は、（ＹＥＳの場合）、送風装置は、抑制モードの送風モードに設定しているデフォルト風量・風向Ｖｗ３に設定される（ステップＳ３４）。
【００６５】
ステップＳ３４で設定した風量・風向Ｖｗ３で送風動作を開始する（ステップＳ３５）。不在時モードで送風を開始したあと、塵埃センサ部１５Ｂの検出が無し、即ちＮＯの判定になるまで送風され、ＮＯの判定になり次第、送風停止し空気清浄装置の運転を停止する。（ステップＳ２９）。しかし、あらかじめ設定しておいた一定サイクル時間になると
再度、塵埃センサ部１５Ｂが就寝者１１の在床確認と塵埃の有無の確認をベッド８上にて再検出をする（ステップＳ３６）。ステップＳ３６にてＮＯの場合は、送風停止（ステップＳ２９）として空気清浄装置の運転を停止する。前述した送風モードはすべて、ステップＳ２９にて送風を停止したあと、再び、ステップＳ２４に戻ることによる一連のサイクルを繰り返す。
【００６６】
なお、ベッド８上の就寝者１１の状態が変化して（位置変動）、初期の位置から変化して清浄効果の最適効果が低減しても、清浄効果が全く失われたり悪影響を生じることはないと考えられため、サイクル時間を長めに設定したり、何サイクル時間分かの送風と停止の間欠動作を繰り返してから送風動作を停止するような構成としても構わない。
【００６７】
上記に示した実施の形態１における構成および送風制御のフローチャートは、必要に応じて適宣組み合わせて使用することができるものであり、この実施の形態の構成に本発明が限定されるわけではない。
【００６８】
なお、本実施の形態において清浄化空気１５は、操作部１９と人感センサ部１５Ａや塵埃センサ部１５Ｂと通信して自動で運転送風する構成としていたが、操作部１９を就寝者１１や第三者が操作し風量および風向、動作時間の動作設定をすることで設定する構成としても構わない。
【産業上の利用可能性】
【００６９】
以上のように、本発明にかかる空気清浄装置は、清浄化空気の送風モードを変更することにより、ベッド部上の就寝者を雑菌・アレルゲンから保護し、ベッド上の局所的な空間を清浄化することができ、ベッドに後付設置が可能となるので、家庭用のベッドや布団等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【００７０】
１ 空気清浄装置
２ フィルタ部
３ ファン
５ 吹き出し部
６ 空気ダクト部
Ａ１ 塵埃を含有する空気
Ａ２ 清浄空気
８ ベッド
９ 送風装置
１１ 就寝者
１２ 汚染物質（雑菌・アレルゲン等）
１３ 吹き出し部
１３Ａ 送風ファン部
１４Ａ フィルタ部
１５ 清浄化空気
１５Ａ 人感センサ部
１５Ｂ 塵埃センサ部
１６ 吹き出し口
１７ 吸い込み部
１８Ａ 風向変更部
１９ 操作部
２４ 排気風
２５Ａ イオン発生機
２６ 開口部
２７ 内側吹き出し口
２８ 風量制御弁
２９ 風量分配通路
【技術分野】
【０００１】
本発明は、気流を発生させ室内の局所的な空間を清浄化する送風装置による構成を有した空気清浄装置およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の空気清浄装置１は、就寝者が快適に就寝できるように、吸気部から吸入した空気をＨＥＰＡフィルタなどの高性能フィルタを通すことで浄化し、浄化した空気をベッド上の空間などの清浄空間を形成したい場所に対して送風することにより、ベッド空間を清浄化するものである。就寝者の頭側の清浄化空気調和を行う頭側空調手段と就寝者の脚側の清浄化空気調和を行う脚側空調手段とを備え、就寝空間を清浄化空気調和するようにした空調装置付ベッド部が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
図７は、特許文献１に記載された従来の空気清浄装置１の側面図を示すものである。図７において、空気清浄装置１はベッド部と一体に設けられ、ベッド部の下方にはファン３とフィルタ部２が配置されている。ベッド部の頭側にはベッド部の足側に向けて清浄空気Ａ２を発生させる吹き出し部５が設けられており、吹き出し部５から吹き出された清浄空気Ａ２がベッド部の下方に送風され、ベッド部上の塵埃を含む塵埃を含有する空気Ａ１になり、フィルタ部２より回収されている。フィルタ部２とファン３と吹き出し部５は空気ダクト部６で連結されている。このサイクルでは、足部のフィルタ部２にて、塵埃を含有する空気Ａ１を吸入し、フィルタ部２により浄化し、頭部に設けた吹き出し部５からベッド部や布団に送風することで、就寝場所を清浄化する清浄装置を構成している。
【０００４】
この他、近年では、空気清浄機やエアコン、冷蔵庫などの気流にイオンを加えて散布することで脱臭効果や除菌効果といった、より高い清浄効果が得られるとして、イオン発生装置を搭載した家電製品が商品化されるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２０００−１７１０６７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、前記従来の空気清浄装置１の構成では、就寝者の頭側に設置した吹き出し部５はベッド頭側から清浄空気Ａ２を吹き出し、ベッド部の下方に送風され、ベッド部の下に設置されているフィルタ部２より、吸引されている。フィルタ部２で清浄化され、ファン３と吹き出し部５を連結されて空気ダクト部６内を通過し、再度、吹き出し部５より清浄空気Ａ２を吹き出す。このような一連のサイクルで動作を行い、清浄化空気を送風し、就寝者の頭部付近を清浄化している。そして、就寝者の頭部付近に送風し、雑菌やアレルゲンの活動を抑制しているが、外部から侵入する雑菌やアレルゲンの侵入防止が出来ておらず、就寝者には容易にアレルゲンが堆積するという課題を有している。
【０００７】
更に清浄空気Ａ２を発生させる吹き出し部５からの清浄化空気は、吹き出し部５からの風量は吹き出し部５に内蔵されているファン能力に比例する。したがって雑菌やアレルゲンを吹き飛ばす風量向上には、風量に比例してファンを大型化する必要がある。そのため設備は必然的に大型設備化し、大型のファンを内蔵する必要になる。それにより、電力ロス、大型ファンによるファン騒音が大きくなるという課題を有していた。結果、従来の空気清浄装置では、設備が大型化することにより、ベッドへの設置が困難になり設置性がよ
ろしくないという課題も有していた。
【０００８】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、就寝者の頭部付近を保護する抑制モードと雑菌・アレルゲンを吹き飛ばすエアカーテンモードを制御し、送風の誘引効果を利用し、就寝者の快適性を向上した空気清浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気清浄装置は、就寝者の頭部付近に設置され清浄化空気を供給する送風装置と、前記送風装置は前記清浄化空気を送風する吹き出し部と、前記吹き出し部に開口部とその周辺に配置される複数の吹き出し口と、前記送風装置にはベッドの上の人の在位置を検出する人感センサ部と、ベッドの上の雑菌・アレルゲンを検出する塵埃センサ部を備え、前記人感センサ部で検出した人の在位置部分と前記塵埃センサ部で検出した塵埃により、前記吹き出し口と前記内側吹き出し口の送風制御を行うとしたものである。
【００１０】
これによって、ベッド上の就寝者の状況検出する人感センサ部と雑菌・アレルゲンを検出する塵埃センサ部によりベッド上の状況を検出し、送風制御を行う。就寝者の頭部付近にて塵埃センサが検知した場合は、就寝者の頭部付近に送風し、頭部に衝突することにより、頭部付近を陽圧化し、頭部付近の塵埃の活動を抑制する抑制モードで送風する。また、頭部付近で塵埃を検知しなければ、就寝者に塵埃が堆積しないようにエアカーテンモードにて送風し、塵埃を吹き飛ばし、就寝者の体表面や頭部への雑菌や塵埃の侵入や堆積を防止するモードで送風する。また、ベッド上で就寝者の検知はなく、塵埃の検知をした場合、いわゆる不在時では、ベッド上の塵埃を吹き飛ばすために大風量にしてベッドへの送風を行う不在時モードで送風する。
【００１１】
就寝者の在床状態、塵埃状態に応じて送風装置の送風方向および風量を変更制御することにより、ベッド上の就寝者の清浄度を向上し、よって快適性も向上する空気清浄装置となる。また、送風装置に吹き出し部を備え、その吹き出し部の開口部の周辺に配置した複数の吹き出し口を設けることにより、気流の誘引効果を利用するため、少ない風量で効率よく頭部付近に清浄空気を送風することが可能になる。小風量のため、小型ファン使用可能による省電力化、小型設備化、軽量化を可能とした空気清浄装置となる。
【発明の効果】
【００１２】
本発明の空気清浄装置は、送風装置の誘引効果、人感センサ部、塵埃センサ部を利用した送風モード制御により、小型、軽量、低騒音な送風装置で、ベッド上の就寝者の清浄度を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の第１実施形態に係る空気清浄装置の外観構成を模式的に示す斜視図
【図２】同空気清浄装置を既存のベッドに設置した場合の側面断面図
【図３】同気清浄装置の送風装置の抑制モードの気流流れ図
【図４】同空気清浄装置の送風装置のエアカーテンモードの気流流れ図
【図５】同空気清浄装置の送風装置の不在時モードの気流流れ図
【図６】同空気清浄装置の動作を示すフローチャート
【図７】従来の空気清浄装置の外観構成を模式的に示す正面図
【発明を実施するための形態】
【００１４】
第１の発明は就寝者の頭部付近に設置され清浄化空気を供給する送風装置と、前記送風装置は前記清浄化空気を送風する吹き出し部と、前記吹き出し部に開口部とその周辺に配置される複数の吹き出し口と、前記送風装置にはベッドの上の人の在位置を検出する人感
センサ部と、ベッドの上の雑菌・アレルゲンを検出する塵埃センサ部を備え、前記人感センサ部で検出した人の在位置部分と前記塵埃センサ部で検出した塵埃により、前記吹き出し口と前記内側吹き出し口の送風制御を行うことによって、ベッド上の就寝者の状況を検出する人感センサ部と雑菌・アレルゲンを検出する塵埃センサ部によりベッド上の状況を検出し、送風制御を行う。就寝者の頭部付近にて塵埃センサが検知した場合は、就寝者の頭部付近に送風し、頭部に衝突することにより、頭部付近を陽圧化し、頭部付近の塵埃の活動を抑制する抑制モードで送風する。
【００１５】
また、頭部付近で塵埃を検知しなければ、就寝者に塵埃が堆積しないようにエアカーテンモードにて送風し、塵埃を吹き飛ばし、就寝者の体表面や頭部への雑菌や塵埃の侵入や堆積を防止するモードで送風する。また、ベッド上で就寝者の検知はなく、塵埃の検知をした場合、いわゆる不在時では、ベッド上の塵埃を吹き飛ばすために大風量にしてベッドへの送風を行う不在時モードで送風する。
【００１６】
即ち、就寝者の在床状態、塵埃状態に応じて送風装置の送風方向および風量を変更制御することにより、ベッド上の就寝者の清浄度を向上し、よって快適性も向上する空気清浄装置となる。また、送風装置に吹き出し部を備え、その吹き出し部の開口部の周辺に配置した複数の吹き出し口を設けることにより、気流の誘引効果を利用するため、少ない風量で効率よく頭部付近に清浄空気を送風することが可能になる。小風量のため、小型ファン使用可能による省電力化、小型設備化、軽量化を可能とすることができる。
【００１７】
第２の発明は、特に、第１の発明の送風装置は時間により作動するタイマセンサ部を備えた構成とすることにより、時間設定による動作やモード切替が可能となり、時間により起動、停止およびモードを切り替えることができ、使用用途が拡大し、商品性が向上することができる。
【００１８】
第３の発明は、特に、第１または第２の発明の送風装置は、イオン発生部を備え、前記清浄化空気に前記マイナスイオン発生部の発生させたイオンを投入することにより、イオンの散布機能を追加した場合でも、同じく人感センサ部や塵埃センサ部で検出した重点位置へのイオンを含んだ清浄化空気を送風し、イオン散布効果は向上し、空気清浄装置の高濃度清浄化空気散布性能を向上することができる。
【００１９】
第４の発明は、特に、第１〜３のいずれか１つの発明の送風装置は、芳香発生部を備え、前記清浄化空気に前記芳香発生部の発生させた芳香を投入することにより、芳香発生部からの芳香を追加した場合でも、同じく人感センサ部や塵埃センサ部で検出した重点位置への芳香成分を含んだ清浄化空気を送風し、芳香成分の散布効果は向上し、空気清浄装置の高濃度清浄化空気の散布性能を向上することができる。
【００２０】
第５の発明は、特に、第１〜４のいずれか１つの発明の空気清浄装置の各部、各手段の全てもしくは一部としてコンピュータに機能させるためのプログラムとすることにより、空気清浄装置の各種の制御方法である風量、風向、送風タイミング等の空気清浄装置の運転上に必要な項目を変更する際に、プログラムで管理するために、プログラムの書き換えを行うだけで、空気清浄装置の制御方法を容易に変更することができる。
【００２１】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【００２２】
（実施の形態１）
図１は、本発明の第１の実施の形態に係る空気清浄装置の外観構成を模式的に示す斜視図である。図２は、同じく本実施の形態１における空気清浄装置を既存のベッドに設置し
た場合の側面断面図の一例を示すものである。本発明の空気清浄装置は、図１および図２に例示して示すように、既設ベッドに後付けで設置した構成でも可能であり、ベッドと一体的に設置されたベッド一体型の構成でも可能であり、各部の機能においては、同様に構成できるものである。また、ベッド以外においても、床に直に布団を敷いている場合でも同様の構成ができるものである。
【００２３】
また、図１および図２にて示す本実施の形態１は、本発明の空気清浄装置の送風モードの一例であるベッド上に就寝者が横臥状態でおり、人感センサ部１５Ａがベッド上に就寝者が在床状態を検知し、塵埃センサ部１５Ｂが雑菌やアレルゲンの塵埃を検知した場合に送風する抑制モードでの動作および構成を示している。他の送風モードおよび送風フローチャートについては、後述する図３および図６の説明にて詳細に示す。
【００２４】
図１は、ベッド８に空気清浄装置が取り付けられた状態を示しており、ベッド８に就寝者１１が横臥状態で就寝している状況である。就寝者１１の頭部付近には送風装置９が配置されている。ベッド８の上には就寝者１１が横臥状態にて滞在しており、ベッド８上には塵埃や菌、アレルゲン、雑菌等の汚染物質１２が存在している。ベッド８上には就寝者１１が横臥状態にて滞在しており、この空気清浄装置の模式的に使用されている様子を表している。
【００２５】
べッド８本来の目的は、就寝者１１が横臥して使用することが大半ではあるため、図１に示すとおりの送風装置９の頭側の吹き出し部１３から送風された清浄化空気１５は流体の誘引効果を通じて開口部２６の周囲の空気を巻き込み、吹き出した清浄化空気１５より大きな風量となり、横臥状態の就寝者１１頭部付近から足側へ送風され、就寝者の体表面を流体のコアンダ効果により、体表面に沿って流れ、汚染物質１２等を抑制していく。
【００２６】
就寝者１１の足側まで向かった清浄化空気１５は、雑菌やアレルゲンなどの汚染物質１２を抑制し、塵埃や花粉等を含んだ空気となったため、清浄化空気１５から排気風２４へとその機能を変化させている。排気風２４はベッド８外部へと一旦送風されるが、送風装置９下部（鉛直方向）のベッド８下に設置されている吸い込み部１７より再び排気風２４は吸い込まれ、排気風２４は、再び清浄化空気１５へと変化し、吹き出し口１６より送風される。
【００２７】
図２は、図１に示した本発明の実施の形態１における空気清浄装置の内部構成の詳細を示す既存のベッドに設置した場合の側面断面図の一例を示すものである。また、図３は、図１に示した本発明の実施の形態１における空気清浄装置の既存のベッドに配置した場合の送風装置の吹き出し部正面図を示すものである。
【００２８】
図２において、ベッド８には空気清浄装置が取り付けられており、就寝者１１が横臥状態での利用をしている。ベッド８の頭側に送風装置９が配置されている。ベッド８の上には就寝者１１が横臥状態でおり、ベッド８上には汚染物質１２（塵埃や雑菌、アレルゲン等）が存在している。送風装置９の内部には送風ファン部１３Ａとフィルタ部１４Ａが内蔵されており、人感センサ部１５Ａおよび塵埃センサ部１５Ｂを有している。
【００２９】
人感センサ部１５Ａおよび塵埃センサ部１５Ｂは、内部に複数素子からなる赤外線センサ郡と、赤外線センサ前面の多焦点を有するように設計した多角形フレネルレンズなどから構成し、ベッド８上の就寝者１１の寝位や座位の判別や頭部の位置などの在床姿勢および在床を検出する。人感センサ部１５Ａ同様に塵埃センサ部１５Ｂもベッド８上およびベッド８周囲の塵埃を検出するものである。
【００３０】
なお、人感センサ部１５Ａおよび塵埃センサ部１５Ｂの個数や設置位置は、図１および
図２に限定するものではなく、検出精度を改善するために、送風装置９の複数箇所に設置する構成でも構わないものである。更に、人感センサ部１５Ａおよび塵埃センサ部１５Ｂは、赤外線センサに限らず、超音波センサや光反射型距離センサ、画像センサなど、他の原理のセンサを用いて構成しても構わなく、一般に市販されているものを用いて構成しても本発明の効果は、同様の効果が得られるものである。
【００３１】
また、送風装置９には正面吹き出し口１６と送風装置の上流側にあたる吸い込み部１７が設けられており、吹き出し口１６は風向変更部１８Ａを有している。吸い込み部１７はベッド８の下に設置構成されており、吹き出し口１６はベッド８の上部（反鉛直方向）に配置されている。内蔵されたフィルタ部１４Ａの吹き出し側である下流域には、送風ファン部１３Ａが設置されている。送風ファン部１３Ａの下流域には風量を制御する風量制御弁２８が設置されており、送風ファン部１３Ａより送風させる清浄化空気１５を絞り効果による風量制御で風量を制御している。
【００３２】
なお、風量制御弁２８は、風量を制御できる構造を持った機器であればよく、本実施の形態１に示した絞り効果による風量制御弁２８に限らず、オリフィスを用いた流量調整弁や一般的に市販されている流量を調整する機能を持った弁であればよく他形式の風量調整弁を用いて構成しても構わない。風量制御弁２８で風量を制御された清浄化空気１５は、風量制御弁２８の下流域に構成された風量分配通路２９に送風される。風量分配通路２９は、送風装置９の上部（反鉛直方向）方向いわゆる下流域に向かうに連れ、床面に対して垂直方向から吹き出し口１６方向に傾けて設置される。風量分配通路２９の下流域にいくにつれ通路は狭く絞る構成となっている。
【００３３】
この構成により、風量分配通路２９の下流域になるにつれ、流体の絞り効果により圧力抵抗が大きくなり、下部（鉛直方向）側いわゆる上流側は抵抗が小さい状態となるように構成されている。吹き出し口１６より送風される清浄化空気１５は吹き出し口１６形状の上流側と下流側により流速ムラや風量ムラがなく均一に吹き出すように構成することができる。
【００３４】
なお、風量分配通路２９形状は、本実施の形態１に示した下流側を絞る構造形状に限定するものではなく、吹き出し１６の形状から送風される清浄化空気１５を流速ムラや風量ムラなく、吹き出す構造であればよく、本実施の形態に限定されるものではない。なお、風量制御弁２８、風量分配通路２９の併用あるいは、片方のみの構成でも吹き出し口１６からの流速ムラや風量ムラをなくし吹き出すことが可能であり、本実施の形態に限らず、片方のみの構成でも可能である。
【００３５】
空気清浄装置また送風装置９には操作部１９が設けられている。送風装置９内部には、電圧印加によってイオンを発生させるイオン発生機２５Ａを内蔵している。このイオン発生機２５Ａには、イオン発生または空気の湿度を向上させる加湿機能を搭載している。空気の加湿方法には、例えばペルチェ素子による加湿方法を利用し、人が水を補給する手間を省ける構成となっている（図示しない）。
【００３６】
以上のように構成された空気清浄装置について、以下その動作、作用を説明する。まず、本発明の空気清浄装置の送風モードの一例であるベッド上に就寝者が横臥状態でおり、人感センサ部１５Ａがベッド上に就寝者が在床状態を検知し、塵埃センサ部１５Ｂが雑菌やアレルゲンの塵埃を検知した場合に送風する抑制モードでの動作、作用を説明する。まず、就寝者１１がベッド８上に横臥状態でいる。
【００３７】
本実施の形態では、就寝者は横臥状態としているが、横臥状態に限らず就寝者１１は、就寝時以外でもベッド８にいることもある。例えば病院などの病室においては、就寝者１
１が一日の大半をベッド８で過ごすことになる。ベッド８部上で就寝者１１が横臥状態や座位状態へと様々な動きにより変動しながら、食事やテレビ鑑賞、読者や医療従事者により治療行為等の様々な行為をベッド上ですることになる。座位状態でも就寝者１１に清浄化空気１５を送風する効果は同じであり、本構成は横臥状態時に限ったものではなく、各部の機能においては同様な構成で可能である。
【００３８】
就寝者１１を人感センサ部１５Ａにより感知し、送風ファン部１３Ａが起動し清浄化空気１５を送風する。なお、より検出精度を改善するために、人感センサ部１５Ａの個数や設置位置は図１および図２に限定されるものではなく、送風装置９の複数箇所に設置する構成でもよい。更に人感センサ部１５Ａは、赤外線センサに限らず、超音波センサや光反射型距離センサ、画像センサなど、他の原理のセンサを用いて構成しても構わないものである。
【００３９】
人感センサ部１５Ａが就寝者１１を感知し、合わせて塵埃センサ部１５Ｂも雑菌・アレルゲンを就寝者１１の付近で感知をした場合に送風モードは就寝者１１に送風する抑制モードとなり、以下のような動作、作用により送風される。なお、塵埃センサ部１５Ｂは、全前述した人感センサ部１５Ａと同様に、より検出精度を改善するために、塵埃センサ部１５Ｂの個数や設置位置は図１および図２に限定されるものではなく、送風装置９の複数箇所に設置する構成でもよい。更に塵埃センサ部１５Ｂは、赤外線センサに限らず、超音波センサや光反射型距離センサ、画像センサなど、他の原理のセンサを用いて構成しても構わないものである。
【００４０】
送風ファン部１３Ａの下流域に構成された風量制御弁２８が就寝者１１の状態を感知し、風量を調整し送風する。清浄化空気１５はあらかじめ適正位置に構成した風量分配通路２９により分配・整流化され清浄化空気１５を送風する。
【００４１】
なお、風量分配通路２９は、清浄化空気１５を適切な風量に仕切り分配する機能と送風ファン部１３Ａおよび風量制御弁２８より送風される気流はいわゆる乱流状態にあり、この乱流状態では、就寝者１１へ送風するには、流速ムラ、風量ムラ、圧力ムラ等の吹き出しムラ状態になっており、この乱流状態を整流化、いわゆる前述の吹き出しムラを抑制するために、格子状等の部品にて整流化を行う機能をもつ部品を風量制御弁下流域に設置し整流化を行う。
【００４２】
なお、整流化は本実施の形態である格子状部品に限定はしない。整流化を行う機能部品であればよい。整流化後、イオン発生機２５Ａは電圧付加によるイオンを発生させるいわゆるイオン発生を行うイオン発生機２５Ａを内蔵している。このイオン発生機２５Ａには、イオン発生または空気の湿度を向上させる加湿機能を搭載している。空気の加湿方法には、例えばペルチェ素子による加湿方法を利用し、水供給の手間を省いている構成となっている。イオンを発生し、整流化した清浄化空気１５は、イオンを含んだ清浄化空気１５となり、吹き出し口に送風される。吹き出し口１６からは清浄化空気１５が吹き出されている。
【００４３】
吹き出された清浄化空気１５は、開口部２６内側に内側吹き出し口２７があることで吹き出し口１６から吹き出した清浄化空気１５に周囲空気は巻き込まれ誘引される際に開口部２６内側の内側吹き出し口２７から吹き出された清浄化空気１５も周囲空気と同様に巻き込まれて就寝者１１へ送風することができる。いわゆる周囲の空気を利用するエジェクト効果を利用し、就寝者１１への清浄化空気１５を送風するため、内側吹き出し口２７から吹き出される清浄化空気１５を比較的低風量で送風することが可能である。開口部２６周辺の気流を巻き込んで送風する気流の誘引効果を利用することとなり、少ない風量で効率よく頭部付近に清浄化空気１５を送風することができる。
【００４４】
その送風が低風量で行われるため、小型ファンが使用可能になり、省電力化、小型設備化、軽量化が可能となり、省エネルギー性を向上しながら、就寝者１１の頭部付近に確実に清浄化空気１５を送風することが出来る。よって送風装置９の吹き出し口１６に開口部２６を設け、内側に内側吹き出し口２７を設けることにより、気流の誘引効果を利用した高濃度イオンを含んだ清浄化空気１５を内部の風量制御弁２８、風量分配通路２９の下流域でイオン付加することにより、イオンの壁面や通路、整流化部品へのイオン付着、イオン付加時間を短縮し自然減衰を抑えすることにより、少ない風量でイオン減少の少ない高濃度な清浄化空気１５を効率よく就寝者１１へ送風することが可能となる。
【００４５】
次に、吹き出された清浄化空気１５は、ベッド８に横臥状態の就寝者１１の頭側から足側に向けてベッド８の上面及び就寝者１１の上を沿って流れる。気流が壁面や障害物側面に沿って流れるコアンダ効果を利用できることと送風装置９に設けた開口部２６により、周囲の空気を巻き込む誘引効果が利用できるため送風ファン部１３Ａは少ない風量で清浄化空気１５を流すようファンの回転数および風量動作が設定されている。開口部２６の内側に構成された内側吹き出し口２７からも清浄化空気１５が吹き出され、前述した、吹き出し口１６の誘引効果により、就寝者１１へ清浄化空気は送風される。
【００４６】
清浄化空気１５はベッド８の上面にぶつかってからベッド８の上面や就寝者１１の体表面に沿って流れるいわゆる流体のコアンダ効果で流れる。足側へ流れた後、自然とベッド８の上面の足側に近い空間へと流れる。横臥状態の就寝者１１頭部付近から足側へ送風され、就寝者の体表面を流体のコアンダ効果により、体表面に沿って流れ、汚染物質１２（雑菌、アレルゲン等）を抑制していく。就寝者１１への足側まで向かった清浄化空気１５は、汚染物質１２（雑菌・アレルゲン等）を抑制し、塵埃や花粉等を含んだ空気となったため、清浄化空気１５から排気風２４へとその機能を変化させている。
【００４７】
排気風２４はベッド８の下を送風装置９側に向かって流れ、送風装置９の下側に構成された吸い込み部１７が設けられているため排気風２４は吸い込み部１７へと吸引される。そして、吸い込み部１７で吸い込まれた排気風２４はフィルタ部１４Ａにより、清浄化空気に清浄化され、また送風ファン部１３Ａにより送風される、という一連のサイクルを行う。
【００４８】
また操作部１９によって送風装置９の送風ファン部１３Ａ、風量制御弁２８の動作状態や風向変更部１８Ａ、風量分配通路２９の動作および設置位置を変更できる構成となっている。同時に送風装置９の人感センサ部１５Ａ、塵埃センサ部１５Ｂと操作部１９は通信しており、送風装置９の送風ファン部１３Ａの動作状態や風向変更部１８Ａの動作状態が人感センサ部１５Ａや塵埃センサ部１５Ｂと通信している。人感センサ部１５Ａは取得した情報を元に送風ファン１４Ｂや風向変更部１８Ａの動作を変化させる構成となっており、結果として操作部１９の操作で送風装置９の内部にある送風装置９の送風ファン部１３Ａ、風量制御弁２８の動作状態や風向変更部１８Ａ、風量分配通路２９が操作される。
【００４９】
以上のように、本実施の形態１における就寝者１１がベッド８上で横臥状態の際の送風モードである抑制モードは人感センサ部１５Ａが就寝者１１をベッド８上での在床状態を確認し位置状態を検出し、塵埃センサ部１５Ｂがベッド８上の就寝者１１の周囲近傍に雑菌・アレルゲンを検知した場合には、人感センサ部１５Ａおよび塵埃センサ部１５Ｂからの検知により、前述した構成の空気清浄装置が動作し、就寝者１１へ清浄化空気を送風し、ベッド８および就寝者１１の清浄度を向上することができる。
【００５０】
次に、図３〜図６にて、本発明の実施の形態における送風モードの説明を行う。空気清浄装置の構成および動作、作用においては、前述した図１および図２と同様であるため省
略する。図３は、空気清浄装置の送風装置の抑制モードの気流流れを示す図であり、図４は空気清浄装置の送風装置のエアカーテンモードの気流流れを示す図であり、図５は空気清浄装置の送風装置の不在時モードの気流流れを示す図である。また、図６は、本発明の第１の実施の形態における空気清浄装置の動作を示すフローチャート図である。
【００５１】
図３は、空気清浄装置の送風装置の抑制モードの気流流れを示す図である。抑制モードの送風は、就寝者がベッドに横臥状態や座位状態等の位置および姿勢については限定しないが、在床を人感センサ部１５Ａが検出し、更に就寝者付近近傍に塵埃センサ部１５Ｂが雑菌やアレルゲンを検出した場合に就寝者１１およびベッド８上を清浄化するために、清浄化空気１５を就寝者１１に向け送風するモードである。就寝者の仮に頭部付近に検知した場合、頭部付近に風向変更部１８Ａにより、風向が変更されたあと送風される。
【００５２】
送風された清浄化空気１５は、就寝者１１の頭部に衝突する。衝突することにより、一般的な流体と同様に送風の流速成分は減少し、圧力が局所的に増大する。いわゆる陽圧化した空間を形成することが出来る。清浄化空気１５により陽圧化した就寝者１１の頭部付近は、就寝者１１に付着していた雑菌、アレルゲンを抑制することができ、就寝者の清浄化を保つことが可能になる。
【００５３】
次に、図４は空気清浄装置の送風装置のエアカーテンモードの気流流れを示す図である。エアカーテンモードの送風は、就寝者がベッドに横臥状態や座位状態等の位置および姿勢については限定しないが、在床を人感センサ部１５Ａが検出し、更に就寝者付近近傍にて塵埃センサ部１５Ｂが雑菌やアレルゲンを検出しなかった場合に送風するモードである。就寝者１１やベッド８上は清浄化されているため、ベッド８周囲からの雑菌、アレルゲンの侵入を防止する送風モードになる。そして、いわゆるエアカーテン的な送風を行う。清浄化空気１５を就寝者１１に向けるのではなく、ベッド８床面と平行な送風を行って、就寝者１１およびベッド８上を保護する。
【００５４】
頭部付近に設置された空気清浄装置の送風装置は、人感センサ部１５Ａと塵埃センサ部１５Ｂからの検知情報を操作部１９に受信し、風向変更部１８Ａにより、風向がベッド８との平行に変更されたあと送風される。送風された清浄化空気１５は、就寝者１１の者周囲を流れ、就寝者１１、ベッド８の外部からの雑菌、アレルゲンの侵入を防止する庫ことが。これにより、就寝者およびベッド８の清浄化を保つことが出来、快適性を向上することができる。
【００５５】
次に、図５は、空気清浄装置の送風装置の不在時モードの気流流れを示す図である。不在時モードの送風は、就寝者がベッドに不在状態のため、在床を人感センサ部１５Ａが検出できなかった際に、ベッド８上や周囲には、塵埃センサ部１５Ｂが雑菌やアレルゲンを検出した場合に送風するモードである。ベッド８上を清浄化するために、ベッド８の雑菌、アレルゲンの抑制する送風モードになる。ベッド８上を清浄化するために、清浄化空気１５をベッド８上面に向け送風し、ベッド８上の雑菌、アレルゲンを吹き飛ばし、ベッド８上を清浄化する送風を行う。
【００５６】
頭部付近に設置された空気清浄装置の送風装置は、人感センサ部１５Ａと塵埃センサ部１５Ｂからの検知情報を操作部１９に受信し、風向変更部１８Ａにより、風向がベッド８上面に向かうよう変更されたあと送風される。送風された清浄化空気１５は、ベッド８上面に送風されたあと、ベッド８上の雑菌、アレルゲンを吹き飛ばして清浄化する。これにより、就寝者およびベッド８の清浄化を保つことが出来、快適性を向上することができる。
【００５７】
なお、送風モードは就寝者およびベッドの清浄化の送風制御の一例を示すものであり、
この実施の形態による送風モードによって本発明が限定されるものではなく、就寝者１１およびベッド８の清浄化を向上および保つものであればよく、この送風制御および送風モードに限定されるものではない。
【００５８】
次に、図６は、以上に説明した本発明の第１の実施の形態における空気清浄装置の動作フローの一例を示すフローチャート図である。
【００５９】
図６において、送風装置に通電が開始されると（ステップＳ２３）、送風装置９の操作部１９は、人感センサ部１５Ａにより、就寝者１１がベッド８内やベッド８上に在床かどうか、およびその位置を検出する（ステップＳ２４）。ステップＳ２４で就寝者１１がベッド８不在の場合は（ＮＯの場合）、塵埃センサ部１５Ｂがベッド８上または、周囲に雑菌・アレルゲンの塵埃があるかどうか、およびその位置を検出する（ステップＳ２５）。
【００６０】
ステップＳ２５で塵埃センサ部１５Ｂが無しの検出をした場合、即ちＮＯの場合、送風停止（ステップＳ２９）として空気清浄装置の運転を停止する。ステップＳ２５で塵埃センサ部１５Ｂがありの検出をした場合、即ちＹＥＳの場合、送風装置は、不在時モードの送風モードに設定しているデフォルト風量・風向Ｖｗ１に設定される。（ステップＳ２６）。ステップＳ２６で設定した風量・風向Ｖｗ１で送風動作を開始する（ステップＳ２７）。
【００６１】
不在時モードで送風を開始したあと塵埃センサ部１５Ｂの検出が無し（ＮＯの判定）になるまで送風され、ＮＯの判定になり次第、送風を停止する（ステップＳ２９）。しかし、あらかじめ設定しておいた一定サイクル時間になると再度、塵埃センサ部１５Ｂが就寝者１１の在床確認と塵埃の有無の確認をベッド８上にて再検出をする（ステップＳ２８）。ステップＳ２８にてＮＯの場合は、送風停止（ステップＳ２９）として空気清浄装置の運転を停止する。
【００６２】
また、ステップＳ２４において、就寝者１１がベッド８に在床状態である場合（ＹＥＳの場合）、送風装置９に設置されている塵埃センサ部１５Ｂが雑菌・アレルゲンの塵埃があるかどうか、およびその位置を検出する（ステップＳ３０）。ステップＳ３０で塵埃センサ部１５Ｂが無しの検出をした場合は、（ＮＯの場合）、送風装置は、エアカーテンモードの送風モードに設定しているデフォルト風量・風向Ｖｗ２に設定される（ステップＳ３１）。
【００６３】
ステップＳ３１で設定した風量・風向Ｖｗ２で送風動作を開始する（ステップＳ３２）。エアカーテンモードで送風を開始したあと塵埃センサ部１５Ｂの検出が無し、即ちＮＯの判定になるまで送風され、ＮＯの判定になり次第、送風停止し空気清浄装置の運転を停止する。（ステップＳ２９）。しかし、あらかじめ設定しておいた一定サイクル時間になると再度、塵埃センサ部１５Ｂが就寝者１１の在床確認と塵埃の有無の確認をベッド８上にて再検出をする。（ステップＳ３３）。ステップＳ３３にてＮＯの場合は、送風停止（ステップＳ２９）として空気清浄装置の運転を停止する。
【００６４】
また、ステップＳ３０において、塵埃センサ部１５Ｂが有りの検出をした場合は、（ＹＥＳの場合）、送風装置は、抑制モードの送風モードに設定しているデフォルト風量・風向Ｖｗ３に設定される（ステップＳ３４）。
【００６５】
ステップＳ３４で設定した風量・風向Ｖｗ３で送風動作を開始する（ステップＳ３５）。不在時モードで送風を開始したあと、塵埃センサ部１５Ｂの検出が無し、即ちＮＯの判定になるまで送風され、ＮＯの判定になり次第、送風停止し空気清浄装置の運転を停止する。（ステップＳ２９）。しかし、あらかじめ設定しておいた一定サイクル時間になると
再度、塵埃センサ部１５Ｂが就寝者１１の在床確認と塵埃の有無の確認をベッド８上にて再検出をする（ステップＳ３６）。ステップＳ３６にてＮＯの場合は、送風停止（ステップＳ２９）として空気清浄装置の運転を停止する。前述した送風モードはすべて、ステップＳ２９にて送風を停止したあと、再び、ステップＳ２４に戻ることによる一連のサイクルを繰り返す。
【００６６】
なお、ベッド８上の就寝者１１の状態が変化して（位置変動）、初期の位置から変化して清浄効果の最適効果が低減しても、清浄効果が全く失われたり悪影響を生じることはないと考えられため、サイクル時間を長めに設定したり、何サイクル時間分かの送風と停止の間欠動作を繰り返してから送風動作を停止するような構成としても構わない。
【００６７】
上記に示した実施の形態１における構成および送風制御のフローチャートは、必要に応じて適宣組み合わせて使用することができるものであり、この実施の形態の構成に本発明が限定されるわけではない。
【００６８】
なお、本実施の形態において清浄化空気１５は、操作部１９と人感センサ部１５Ａや塵埃センサ部１５Ｂと通信して自動で運転送風する構成としていたが、操作部１９を就寝者１１や第三者が操作し風量および風向、動作時間の動作設定をすることで設定する構成としても構わない。
【産業上の利用可能性】
【００６９】
以上のように、本発明にかかる空気清浄装置は、清浄化空気の送風モードを変更することにより、ベッド部上の就寝者を雑菌・アレルゲンから保護し、ベッド上の局所的な空間を清浄化することができ、ベッドに後付設置が可能となるので、家庭用のベッドや布団等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【００７０】
１ 空気清浄装置
２ フィルタ部
３ ファン
５ 吹き出し部
６ 空気ダクト部
Ａ１ 塵埃を含有する空気
Ａ２ 清浄空気
８ ベッド
９ 送風装置
１１ 就寝者
１２ 汚染物質（雑菌・アレルゲン等）
１３ 吹き出し部
１３Ａ 送風ファン部
１４Ａ フィルタ部
１５ 清浄化空気
１５Ａ 人感センサ部
１５Ｂ 塵埃センサ部
１６ 吹き出し口
１７ 吸い込み部
１８Ａ 風向変更部
１９ 操作部
２４ 排気風
２５Ａ イオン発生機
２６ 開口部
２７ 内側吹き出し口
２８ 風量制御弁
２９ 風量分配通路
【特許請求の範囲】
【請求項１】
就寝者の頭部付近に設置され清浄化空気を供給する送風装置と、前記送風装置は前記清浄化空気を送風する吹き出し部と、前記吹き出し部に開口部とその周辺に配置される複数の吹き出し口と、前記送風装置にはベッドの上の人の在位置を検出する人感センサ部と、ベッドの上の雑菌・アレルゲンを検出する塵埃センサ部を備え、前記人感センサ部で検出した人の在位置部分と前記塵埃センサ部で検出した塵埃により、前記吹き出し口と前記内側吹き出し口の送風制御を行う空気清浄装置。
【請求項２】
前記送風装置は時間により作動するタイマセンサ部を備えた構成とした請求項１に記載の空気清浄装置。
【請求項３】
前記送風装置は、イオン発生部を備え、前記清浄化空気に前記マイナスイオン発生部の発生させたイオンを投入する請求項１または２に記載の空気清浄装置。
【請求項４】
前記送風装置は、芳香発生部を備え、前記清浄化空気に前記芳香発生部の発生させた芳香を投入する請求項１〜３のいずれか１項に記載の空気清浄装置。
【請求項５】
請求項１ないし４項のいずれか１項に記載の空気清浄装置の各部、各手段の全てもしくは一部としてコンピュータに機能させるためのプログラム。
【請求項１】
就寝者の頭部付近に設置され清浄化空気を供給する送風装置と、前記送風装置は前記清浄化空気を送風する吹き出し部と、前記吹き出し部に開口部とその周辺に配置される複数の吹き出し口と、前記送風装置にはベッドの上の人の在位置を検出する人感センサ部と、ベッドの上の雑菌・アレルゲンを検出する塵埃センサ部を備え、前記人感センサ部で検出した人の在位置部分と前記塵埃センサ部で検出した塵埃により、前記吹き出し口と前記内側吹き出し口の送風制御を行う空気清浄装置。
【請求項２】
前記送風装置は時間により作動するタイマセンサ部を備えた構成とした請求項１に記載の空気清浄装置。
【請求項３】
前記送風装置は、イオン発生部を備え、前記清浄化空気に前記マイナスイオン発生部の発生させたイオンを投入する請求項１または２に記載の空気清浄装置。
【請求項４】
前記送風装置は、芳香発生部を備え、前記清浄化空気に前記芳香発生部の発生させた芳香を投入する請求項１〜３のいずれか１項に記載の空気清浄装置。
【請求項５】
請求項１ないし４項のいずれか１項に記載の空気清浄装置の各部、各手段の全てもしくは一部としてコンピュータに機能させるためのプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１２−２３９３（Ｐ２０１２−２３９３Ａ）
【公開日】平成２４年１月５日（２０１２．１．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１３５７７６（Ｐ２０１０−１３５７７６）
【出願日】平成２２年６月１５日（２０１０．６．１５）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１月５日（２０１２．１．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年６月１５日（２０１０．６．１５）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
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