空気調和機
【課題】1つの運転切換ボタンであっても空気調和機の運転モード切換の操作が簡単になるようにする。
【解決手段】運転切換ボタン121操作によって空気調和機の運転モードを切り換えるとき、複数の運転モードを所定の順序で切り換える第1の切換モードの他に、第1の切換モードにより切換えられた運転モードでの運転が確定後、該確定後の運転モードと前記複数の運転モードのうちの特定の運転モードとの間で運転モードを切り換える第2の切換モードを設ける。
【解決手段】運転切換ボタン121操作によって空気調和機の運転モードを切り換えるとき、複数の運転モードを所定の順序で切り換える第1の切換モードの他に、第1の切換モードにより切換えられた運転モードでの運転が確定後、該確定後の運転モードと前記複数の運転モードのうちの特定の運転モードとの間で運転モードを切り換える第2の切換モードを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコン装置による運転モードの切換の操作性を改善した空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の運転モード(自動、冷房、除湿、送風、暖房等)の切り換えは、一般的に、1つの運転切換ボタンを押下する毎に予め決めた順序で切り換わるようなトグル式を採用することで、各運転モード専用の操作ボタンを設ける場合に比べて操作ボタンの数を低減している。
【0003】
通常、空気調和機の運転モードは、季節によって運転モードが偏る。例えば、夏季には、主に冷房運転か除湿運転しか使用しないので、この2つの運転モード間で切り換わればよいことになる。
【0004】
しかし、上記トグル式で自動、冷房、除湿、送風、暖房の順で切り換えが行われる場合、冷房運転から除湿運転に変更するときは、運転切換ボタンを1回押下するだけでよいが、除湿運転から冷房運転に変更するときは、運転切換ボタンを4回押下しなければならないというように、現在の運転モードから希望する運転モードに移行するまでに、運転切換ボタンを2回以上押下しなければならない場合があり、このような場合は操作が面倒であり、操作ストレスが生じる。
【0005】
そこで、このような問題を解決する先行例として、運転切換ボタンの押下により選択された過去の各運転モードの頻度を運転モード毎に記憶しておき、次に運転切換ボタンが押下されたときは、最も頻度が高い運転モードから順に切り換わるようにして、操作性を改善したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−242401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した先行例の手法を実現するには、各運転モードが選択された頻度を記憶するためのカウンタ等が特別に必要となり、また、頻度の高い順で切り換えを行なっても、空気調和機では季節に応じて使用する運転モードが異なるので、例えば、夏季は冷房運転、冬季は暖房運転の頻度が高くなり、仮に夏季において冷房運転中に運転切換ボタンを操作すると暖房運転となり、決して頻度の高い順で切り換えても適切な運転モード(例えば除湿運転)にならない問題がある。
【0008】
本発明の目的は、適切な運転モードを選択するための操作が簡単となって操作ストレスの問題を解消でき、また選択された運転モードの頻度を記憶する必要もない空気調和機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、少なくとも3つ以上の複数の運転モードを備えた空気調和機本体と、該空気調和機本体の前記運転モードを切り換える運転切換ボタンを備えたリモコン装置とからなる空気調和機において、前記運転切換ボタンの操作によって、前記複数の運転モードを所定の順序で切り換える第1の切換モードと、前記第1の切換モードにより切換えられた運転モードでの運転が確定後、該確定後の運転モードと前記複数の運転モードのうちの特定の運転モードとの間で運転モードを切り換える第2の切換モードとを有し、前記第2の切換モードから前記第1の切換モードへの移行は、前記運転切換ボタンに対して、前記第1の切換モードおよび前記第2の切換モードにおける前記運転切換ボタンの第1の操作と異なる第2の操作を行うことにより実行されることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の空気調和機において、前記第2の切換モードは、前記複数の運転モードのうち所定の運転モードでの運転が確定したとき、実行されることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の空気調和機において、前記空気調和機本体は室内温度を検出する室内温度検出手段と室内湿度を検出する室内湿度検出手段のうち少なくとも1つを備え、前記第2の切換モードにおいて前記運転切換ボタンが前記第1の操作をされると、検出した前記室内温度または前記室内湿度の値と予め設定された温度または湿度の値との比較に基づいて、切り換えるべき前記特定の運転モードとは別の運転モードへ切り換わることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の空気調和機において、前記リモコン装置は表示部を備え、該表示部は、前記運転切換ボタン操作時、前記第2の切換モードで運転モードが切り換わったとき所定時間が経過するまで、切り換わった運転モードとともに切り換わる前の運転モードを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1にかかる発明による空気調和機は、運転切換ボタン操作によって、空気調和機の運転モードを切り換える時、複数の運転モードを所定の順序で切り換える第1の切換モードの他に、前記第1の切換モードにより切り換えられた運転モードでの運転が確定後、該確定後の運転モードと前記複数の運転モードのうちの特定の運転モードとの間で運転モードを切り換える第2の切換モードを有する。このため、運転切換ボタンの操作を複数回操作することなく、確定した運転モードと特定の運転モードとの間で運転モードが切り換わるので、操作が簡単となって操作ストレスの問題を解消でき、また選択された運転モードの頻度を記憶する必要もない。
請求項2にかかる発明によれば、第2の切換モードは、前記複数の運転モードのうち所定の運転モードでの運転が確定したときに実行されるので、第2の切換モードが有効となる運転モードを限定できる。
請求項3にかかる発明によれば、空気調和機本体は室内温度を検出する室内温度検出手段と室内湿度を検出する室内湿度検出手段のうち少なくとも1つを備え、第2の切換モードにおいて運転切換ボタンが第1の操作されると、検出した前記室内温度または前記室内湿度の値と予め設定された温度または湿度の値との比較に基づいて、切り換えるべき前記特定の運転モードとは別の運転モードへ切り換わることで、例えば、季節の変わり目などの温度変化が大きい時期は、空気調和機の運転開始時の運転モードが冷房運転モードで、室温が設定温度より所定の温度下がっていた場合、リモコン操作者は、暖房に切り換えるために運転切換ボタンに第1の操作をすることで暖房運転に切り換えることができるので、操作が簡単である。
請求項4記載の発明によれば、リモコン装置に表示部を備え、運転切換ボタン操作時、第2の切換モードで運転モードが切り換わったとき所定時間が経過するまで切り換わった運転モードとともに切り換わる前の運転モードを表示するので、第2の切換モードにおける運転モード間の関係が分かりやすくする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例のリモコン装置と室内機の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施例のリモコン装置の平面図である。
【図3】同実施例のリモコン装置で制御する運転モード切換のフローチャートである。
【図4】同実施例のリモコン装置で制御する運転モードの遷移図である。
【図5】同実施例のリモコン装置で制御する運転モード切換の表示部の説明図である。
【図6】同実施例のリモコン装置で制御する運転モード切換の表示部の説明図である。
【図7】自動運転中の操作で行われる運転モード切換のフローチャートである。
【図8】冷房運転中の操作で行われる運転モード切換のフローチャートである。
【図9】除湿運転中の操作で行われる運転モード切換のフローチャートである。
【図10】送風運転中の操作で行われる運転モード切換のフローチャートである。
【図11】暖房運転中の操作で行われる運転モード切換のフローチャートである。
【図12】本発明の別の実施例のリモコン装置と室内機の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施例>
図1に本発明の1つの実施例の空気調和機の構成のブロック図を示す。100はリモコン装置であり、運転モード切換のリモコン信号を赤外線として出射する赤外線LED110、操作部としてのキー入力部120、フルドットの液晶による表示を行う表示部130、室内温度を検出する温度センサ140、室内湿度を検出する湿度センサ150、電源としてのバッテリ160、処理クロックを生成するタイマ170、演算処理やデータ記憶用のメモリ180、および全体を制御するMPUからなる制御部190等を備える。
【0013】
200は空気調和機の室内機であり、室内の天井や壁面等に取り付けられ、リモコン装置100の赤外線LED110から出射された赤外線のリモコン信号を受光し電気信号に変換する受光器210、処理クロックを生成するタイマ220、受光器210で受光されたリモコン信号に応じて運転モードを切り換える処理を行うMPUからなる制御部230等を備える。
【0014】
図2にリモコン装置100の外観を示す。キー入力部120には、運転モードを切り換える運転切換ボタン121、風量を切り換える風量ボタン122、押下する毎に運転と停止が交互に切り換わる運転/停止ボタン123、設定温度を上昇/下降させる温度設定ボタン124が配置されている。表示部130には、現在の運転モードや室温の設定温度その他が表示される。
【0015】
図3にリモコン装置100によって切り換えられる室内機200の運転モードの種類を示す。運転停止状態で運転/停止ボタン123を押下する(S1)と、運転停止前の運転モードで運転が開始する(S2)。この場合の運転モードは、温度設定ボタン124で設定した温度と室内温度とに応じて運転モードが冷房運転又は暖房運転に切り替る自動運転(S10)、冷房運転(S20)、除湿運転(S30)、送風運転(S40)、暖房運転(S50)のいずれかとなる。
【0016】
図4は、本実施例の空気調和機の運転モードの遷移図の1例を示す。運転切換ボタン121を1回押下する毎に運転モードが、自動運転→冷房運転→除湿運転→送風運転→暖房運転→自動運転→の順序(予め設定)で切り換わる第1の切換モードM1と、第1の切換モードM1で所定の運転モード、即ち図4では、冷房運転または暖房運転へ切り換え、切り換えた運転モードが確定した後、運転切換ボタン121を1回押下する毎に冷房運転モードまたは暖房運転モードと除湿運転モードとが交互に切り換わる第2の切換モードM2とを示す。ここでは、自動運転、除湿運転、送風運転の各運転モードには、第2の切換モードM2が設定されていない。
【0017】
第1の切換モードM1の状態は、初めて空気調和機を運転開始したときの初期状態、または、第2の切換モードM2が設定されていない運転モード(図4では自動運転、除湿運転、送風運転)の運転中の場合、第1の切換モードM1の状態にある。そして、運転切換ボタン121を1回押下(第1の操作)する毎に運転モードが切り換わり、ある運転モード例えば、冷房運転で運転切換ボタン121の押下を止めて(終了して)から所定の時間(例えば、3秒)後、選択した運転モードが確定し、運転が開始する。そして、第1の切換モードM1で切り換えた運転モードに第2の切換モードM2が設定されているときは、そのまま第2の切換モードM2に移行する(図4では、冷房運転または暖房運転となる)。第2の切換モードM2から第1の切換モードM1へ移行するには、運転切換ボタン121を続けて2回押下(第2の操作)することを示している。なお、第1の切換モードM1と第2の切換モードM2の除湿運転は同一の除湿運転モードであり、図を分かりやすくするために便宜上別に表わしている。
【0018】
図5はリモコン装置100の表示部130で表示される運転モード切換時の表示内容を示すもので、白抜き表示(反転表示)の部分が運転切換ボタン121を1回押下した直後に切り換わった運転モードを示している。図5(a)は、第1の切換モードM1の状態で運転切換ボタン121を押下した時の表示を示し、予め設定した順序で順次切り換わることを表わしている。また、図5(b)は、冷房運転で第2の切換モードM2の状態で運転切換ボタン121を1回押下した時の表示を示し、冷房運転と除湿運転との間で運転モードが切り換わり、そして、その白抜き表示の上隣は直前の運転モードを示している。
【0019】
図6はリモコン装置100の表示部130で表示される各運転モードに第2の切換モードM2が入った時の表示内容を示すもので、白抜き表示(反転表示)の部分が運転切換ボタン121を1回押下した直後に切り換わった運転モードを示し、その白抜き表示の上隣は直前の運転モードを示す。(a),(b)は自動運転中に運転切換ボタン121を1回押下したとき、(c),(d)は冷房運転中に運転切換ボタン121を1回押下したとき、(e)〜(h)は除湿運転中に運転切換ボタン121を1回押下したとき、(i),(j)は送風運転中に運転切換ボタン121を1回押下したとき、(k),(l)は暖房運転中に運転切換ボタン121を1回押下したときの場合である。これらの表示は、第2の切換モードM2により運転モードの切り換えが行われ、切り換えられた運転モードによる運転が開始してから所定時間(例えば、5秒)だけ行われる。その後は、現在の運転モードと設定温度(例えば、図2参照)等が表示される。
【0020】
第1の切換モードで切り換えた各運転モードにおいて、第2の切換モードが設定されている場合、運転切換ボタン121が操作された時の運転モードの切り換えについて、図7〜図11のフローチャートを用いて以下説明をする。なお、ここで説明する第2の切換モードは、図4に示した第2の切換モードM2とは別の例に基づいている。また、切り換え条件に温度、または湿度の条件を加えて説明している。
【0021】
<自動運転中の操作>
図7に自動運転中に行われる運転モード切換を示す。運転切換ボタン121を1回押下する(S11−1回)と、そのとき湿度センサ150が検出している湿度が75%以上であるとき(S12−Y)は、運転モードが除湿運転に切り換わる(S13)(図6(a))。再度、運転切換ボタン1を1回押下すると、自動運転に復帰する(S14−1回)(図6(g))。また、自動運転あるいは除湿運転において、運転切換ボタン121を続けて2回押下する(S11−2回、S14−2回)と、図4に示した第1の切換モードM1に移行する(S15)。この切り換えは、冷房運転へ切り換えとなる(図4参照)。さらに、自動運転において運転切換ボタンを1回押下したときに湿度が75%以上でないとき(S12−N)は、第1の切換モードM1に移行する(S15)。このときは、冷房運転となる(図6(b))。
【0022】
このように、自動運転中は、湿度が75%以上であるときは、別の第2の切換モードとして運転切換ボタン121を1回押下する毎に除湿運転と自動運転の間で交互に切り換わり、湿度が75%以上でないときあるいは自動運転中や除湿運転中に運転切換ボタン121を2回続けて押下したときは、図4に示した第1の切換モードM1に移行して運転モードが切り換えられる。
【0023】
<冷房運転中の操作>
図8に冷房運転中に行われる運転モード切換を示す。運転切換ボタン121を1回押下する(S21−1回)と、そのとき温度センサ140が検出している温度が設定温度よりも10℃以下でないとき(S22−N)は、運転モードが除湿運転に切り換わる(S13)(図6(c))。再度、運転切換ボタン1を1回押下すると、冷房運転に復帰する(S25−1回)(図6(e))。また、冷房運転あるいは除湿運転において、運転切換ボタン121を続けて2回押下する(S21−2回、S25−2回)と、第1の切換モードM1に移行する切り換え(S26)が行われる。この切り換えは、除湿運転へ切り換えとなる(図4参照)が、除湿運転する際、同じモードとなるので、それを避けるためにその次の送風運転に切り換えても良い。さらに、冷房運転において運転切換ボタンを1回押下したときに温度が設定温度よりも10℃以下であるときは暖房運転(S24)(図6(d))となる。
【0024】
このように、冷房運転中は、温度が設定温度よりも10℃以下でないときは運転切換ボタン121を1回押下する毎に除湿運転と冷房運転の間で交互に切り換わり、温度が設定温度よりも10℃以下のときは暖房運転となり、冷房運転中、除湿運転中に運転切換ボタン121を2回続けて押下したときは、図4に示した第1の切換モードM1に移行して運転モードが切り換えられる。
【0025】
<除湿運転中の操作>
図9に除湿運転中に行われる運転モード切換を示す。運転切換ボタン121を1回押下する(S31−1回)と、その除湿運転の直前の運転モードが記憶されている場合(S32−Y)は、除湿運転直線の運転モードに復帰する(S33)。表示部130の表示は、直前の運転モードが冷房運転のときは図6(e)のように、直前の運転モードが暖房運転のときは図6(f)のように、直前の運転モードが自動運転のときは図6(g)のように、直前の運転モードが送風運転のときは図6(h)のようになる。また、運転切換ボタン121を続けて2回押下したとき(S31−2回)あるいは除湿運転直前の運転モードが記憶されていない(S32−N)ときは、第1の切換モードM1に移行して切り換え(S34)が行われる。この切り換えは、送風運転へ切り換えとなる(図4参照)。
【0026】
このように、除湿運転中は、運転切換ボタン121を1回押下すると直前の運転モードが記憶されている場合は当該運転モードに復帰し、記憶されていない場合あるいは運転切換ボタン121を2回続けて押下したときは、図4に示した第1の切換モードM1に移行して送風運転に切り換わる。
【0027】
<送風運転中の操作>
図10に送風運転中に行われる運転モード切換を示す。運転切換ボタン121を1回押下する(S41−1回)と、そのとき湿度センサ150が検出している湿度が75%以上であれば(S42−Y)、運転モードが除湿運転に切り換わる(S43)(図6(i))。再度、運転切換ボタン1を1回押下すると、送風運転に復帰する(S44−1回)(図6(h))。また、送風運転あるいは除湿運転において、運転切換ボタン121を続けて2回押下する(S41−2回、S44−2回)と、図4に示した第1の切換モードM1に移行して切り換え(S45)が行われる。この切り換えは、暖房運転へ切り換えとなる(図4参照)。さらに、運転切換ボタン121を1回押下したとき湿度が75%以上ないとき(S42−N)は、2回続けて押下したと同じ第1の切換モードM1に移行して運転モードが切り換わり(S45)、つまり暖房運転となる(図6(j))。
【0028】
このように、送風運転中は、湿度が75%以上であるときは運転切換ボタン121を1回押下する毎に除湿運転と送風運転の間で交互に切り換わり、湿度が75%以上でないときあるいは送風運転中や除湿運転中に運転切換ボタン121を2回続けて押下したときは、図4に示した第1の切換モードM1に移行して運転モードが切り換えられる。
【0029】
<暖房運転中の操作>
図11に暖房運転中に行われる運転モード切換を示す。運転切換ボタン121を1回押下する(S51−1回)と、そのとき温度センサ140が検出している温度が設定温度よりも10℃以上高くないとき(S52−N)は、運転モードが除湿運転に切り換わる(S53)(図6(k))。再度、運転切換ボタン1を1回押下すると、暖房運転に復帰する(S55−1回)(図6(f)。また、暖房運転あるいは除湿運転において、運転切換ボタン121を続けて2回押下する(S51−2回、S55−2回)と、図4に示した第1の切換モードM1に移行して切り換え(S56)が行われる。この切り換えは、自動運転へ切り換えとなる(図4参照)。さらに、暖房運転において運転切換ボタンを1回押下したときに温度が設定温度よりも10℃以上であるときは冷房運転(S44)(図6(l))となる。
【0030】
このように、暖房運転中は、温度が設定温度よりも10℃を以上でないときは運転切換ボタン121を1回押下する毎に除湿運転と暖房運転の間で交互に切り換わり、温度が設定温度よりも10℃以上のときは冷房運転となり、暖房運転中や除湿運転中に運転切換ボタン121を2回続けて押下したときは、図4に示した第1の切換モードM1に移行して運転モードが切り換えられる。
【0031】
<その他の実施例>
なお、以上説明した各運転モードの第2の切換モードは、運転モード全て、または、必要に応じて所定の運転モードのみに第2の切換モードを設定してもよい。更に、温度、または湿度の条件に応じて、運転モードが切り換わるようにしているが、温度、または湿度の条件をなくして、特定の運転モードに切り換わってもよい。また、第2の切換モードから第1の切換モードM1に移行する時の運転切換ボタン121の第2の操作として2回続けて押下する操作としているが、運転切換ボタン121を所定時間(例えば、3秒)以上継続して押下し続ける操作であってもよい。
【0032】
また、図1で説明した構成では、リモコン装置100に湿度センサ140と温度センサ150を装備させたが、図12に示すように、室内機200に装備させてもよい。図12において、240が温度センサ、250が湿度センサである。この場合は、室内機200の温度センサ240や湿度センサ250で検知した情報をリモコン送信機100の制御部190に伝達し、およびリモコン装置100で生成したリモコン信号を室内機200に伝達するために、室内機200にはRF送受信部210Aを設け、リモコン送信機100にはRF送受信信部110Aを設けて、リモコン送信機100と室内機200との間で双方向通信できるようにすればよい。
【符号の説明】
【0033】
100:リモコン装置、110:赤外線LED、110A:RF送受信部、120:キー入力部、121:運転切換ボタン、122:送風ボタン、123:運転/停止ボタン、124:温度設定ボタン、130:表示部、140:温度センサ、150:湿度センタ、160:バッテリ、170:タイマ、180:メモリ、190:制御部
200:室内機、210:受光部、210A:RF送受信部、220:タイマ、240:温度センサ、250:湿度センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコン装置による運転モードの切換の操作性を改善した空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の運転モード(自動、冷房、除湿、送風、暖房等)の切り換えは、一般的に、1つの運転切換ボタンを押下する毎に予め決めた順序で切り換わるようなトグル式を採用することで、各運転モード専用の操作ボタンを設ける場合に比べて操作ボタンの数を低減している。
【0003】
通常、空気調和機の運転モードは、季節によって運転モードが偏る。例えば、夏季には、主に冷房運転か除湿運転しか使用しないので、この2つの運転モード間で切り換わればよいことになる。
【0004】
しかし、上記トグル式で自動、冷房、除湿、送風、暖房の順で切り換えが行われる場合、冷房運転から除湿運転に変更するときは、運転切換ボタンを1回押下するだけでよいが、除湿運転から冷房運転に変更するときは、運転切換ボタンを4回押下しなければならないというように、現在の運転モードから希望する運転モードに移行するまでに、運転切換ボタンを2回以上押下しなければならない場合があり、このような場合は操作が面倒であり、操作ストレスが生じる。
【0005】
そこで、このような問題を解決する先行例として、運転切換ボタンの押下により選択された過去の各運転モードの頻度を運転モード毎に記憶しておき、次に運転切換ボタンが押下されたときは、最も頻度が高い運転モードから順に切り換わるようにして、操作性を改善したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−242401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した先行例の手法を実現するには、各運転モードが選択された頻度を記憶するためのカウンタ等が特別に必要となり、また、頻度の高い順で切り換えを行なっても、空気調和機では季節に応じて使用する運転モードが異なるので、例えば、夏季は冷房運転、冬季は暖房運転の頻度が高くなり、仮に夏季において冷房運転中に運転切換ボタンを操作すると暖房運転となり、決して頻度の高い順で切り換えても適切な運転モード(例えば除湿運転)にならない問題がある。
【0008】
本発明の目的は、適切な運転モードを選択するための操作が簡単となって操作ストレスの問題を解消でき、また選択された運転モードの頻度を記憶する必要もない空気調和機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、少なくとも3つ以上の複数の運転モードを備えた空気調和機本体と、該空気調和機本体の前記運転モードを切り換える運転切換ボタンを備えたリモコン装置とからなる空気調和機において、前記運転切換ボタンの操作によって、前記複数の運転モードを所定の順序で切り換える第1の切換モードと、前記第1の切換モードにより切換えられた運転モードでの運転が確定後、該確定後の運転モードと前記複数の運転モードのうちの特定の運転モードとの間で運転モードを切り換える第2の切換モードとを有し、前記第2の切換モードから前記第1の切換モードへの移行は、前記運転切換ボタンに対して、前記第1の切換モードおよび前記第2の切換モードにおける前記運転切換ボタンの第1の操作と異なる第2の操作を行うことにより実行されることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の空気調和機において、前記第2の切換モードは、前記複数の運転モードのうち所定の運転モードでの運転が確定したとき、実行されることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の空気調和機において、前記空気調和機本体は室内温度を検出する室内温度検出手段と室内湿度を検出する室内湿度検出手段のうち少なくとも1つを備え、前記第2の切換モードにおいて前記運転切換ボタンが前記第1の操作をされると、検出した前記室内温度または前記室内湿度の値と予め設定された温度または湿度の値との比較に基づいて、切り換えるべき前記特定の運転モードとは別の運転モードへ切り換わることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の空気調和機において、前記リモコン装置は表示部を備え、該表示部は、前記運転切換ボタン操作時、前記第2の切換モードで運転モードが切り換わったとき所定時間が経過するまで、切り換わった運転モードとともに切り換わる前の運転モードを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1にかかる発明による空気調和機は、運転切換ボタン操作によって、空気調和機の運転モードを切り換える時、複数の運転モードを所定の順序で切り換える第1の切換モードの他に、前記第1の切換モードにより切り換えられた運転モードでの運転が確定後、該確定後の運転モードと前記複数の運転モードのうちの特定の運転モードとの間で運転モードを切り換える第2の切換モードを有する。このため、運転切換ボタンの操作を複数回操作することなく、確定した運転モードと特定の運転モードとの間で運転モードが切り換わるので、操作が簡単となって操作ストレスの問題を解消でき、また選択された運転モードの頻度を記憶する必要もない。
請求項2にかかる発明によれば、第2の切換モードは、前記複数の運転モードのうち所定の運転モードでの運転が確定したときに実行されるので、第2の切換モードが有効となる運転モードを限定できる。
請求項3にかかる発明によれば、空気調和機本体は室内温度を検出する室内温度検出手段と室内湿度を検出する室内湿度検出手段のうち少なくとも1つを備え、第2の切換モードにおいて運転切換ボタンが第1の操作されると、検出した前記室内温度または前記室内湿度の値と予め設定された温度または湿度の値との比較に基づいて、切り換えるべき前記特定の運転モードとは別の運転モードへ切り換わることで、例えば、季節の変わり目などの温度変化が大きい時期は、空気調和機の運転開始時の運転モードが冷房運転モードで、室温が設定温度より所定の温度下がっていた場合、リモコン操作者は、暖房に切り換えるために運転切換ボタンに第1の操作をすることで暖房運転に切り換えることができるので、操作が簡単である。
請求項4記載の発明によれば、リモコン装置に表示部を備え、運転切換ボタン操作時、第2の切換モードで運転モードが切り換わったとき所定時間が経過するまで切り換わった運転モードとともに切り換わる前の運転モードを表示するので、第2の切換モードにおける運転モード間の関係が分かりやすくする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例のリモコン装置と室内機の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施例のリモコン装置の平面図である。
【図3】同実施例のリモコン装置で制御する運転モード切換のフローチャートである。
【図4】同実施例のリモコン装置で制御する運転モードの遷移図である。
【図5】同実施例のリモコン装置で制御する運転モード切換の表示部の説明図である。
【図6】同実施例のリモコン装置で制御する運転モード切換の表示部の説明図である。
【図7】自動運転中の操作で行われる運転モード切換のフローチャートである。
【図8】冷房運転中の操作で行われる運転モード切換のフローチャートである。
【図9】除湿運転中の操作で行われる運転モード切換のフローチャートである。
【図10】送風運転中の操作で行われる運転モード切換のフローチャートである。
【図11】暖房運転中の操作で行われる運転モード切換のフローチャートである。
【図12】本発明の別の実施例のリモコン装置と室内機の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施例>
図1に本発明の1つの実施例の空気調和機の構成のブロック図を示す。100はリモコン装置であり、運転モード切換のリモコン信号を赤外線として出射する赤外線LED110、操作部としてのキー入力部120、フルドットの液晶による表示を行う表示部130、室内温度を検出する温度センサ140、室内湿度を検出する湿度センサ150、電源としてのバッテリ160、処理クロックを生成するタイマ170、演算処理やデータ記憶用のメモリ180、および全体を制御するMPUからなる制御部190等を備える。
【0013】
200は空気調和機の室内機であり、室内の天井や壁面等に取り付けられ、リモコン装置100の赤外線LED110から出射された赤外線のリモコン信号を受光し電気信号に変換する受光器210、処理クロックを生成するタイマ220、受光器210で受光されたリモコン信号に応じて運転モードを切り換える処理を行うMPUからなる制御部230等を備える。
【0014】
図2にリモコン装置100の外観を示す。キー入力部120には、運転モードを切り換える運転切換ボタン121、風量を切り換える風量ボタン122、押下する毎に運転と停止が交互に切り換わる運転/停止ボタン123、設定温度を上昇/下降させる温度設定ボタン124が配置されている。表示部130には、現在の運転モードや室温の設定温度その他が表示される。
【0015】
図3にリモコン装置100によって切り換えられる室内機200の運転モードの種類を示す。運転停止状態で運転/停止ボタン123を押下する(S1)と、運転停止前の運転モードで運転が開始する(S2)。この場合の運転モードは、温度設定ボタン124で設定した温度と室内温度とに応じて運転モードが冷房運転又は暖房運転に切り替る自動運転(S10)、冷房運転(S20)、除湿運転(S30)、送風運転(S40)、暖房運転(S50)のいずれかとなる。
【0016】
図4は、本実施例の空気調和機の運転モードの遷移図の1例を示す。運転切換ボタン121を1回押下する毎に運転モードが、自動運転→冷房運転→除湿運転→送風運転→暖房運転→自動運転→の順序(予め設定)で切り換わる第1の切換モードM1と、第1の切換モードM1で所定の運転モード、即ち図4では、冷房運転または暖房運転へ切り換え、切り換えた運転モードが確定した後、運転切換ボタン121を1回押下する毎に冷房運転モードまたは暖房運転モードと除湿運転モードとが交互に切り換わる第2の切換モードM2とを示す。ここでは、自動運転、除湿運転、送風運転の各運転モードには、第2の切換モードM2が設定されていない。
【0017】
第1の切換モードM1の状態は、初めて空気調和機を運転開始したときの初期状態、または、第2の切換モードM2が設定されていない運転モード(図4では自動運転、除湿運転、送風運転)の運転中の場合、第1の切換モードM1の状態にある。そして、運転切換ボタン121を1回押下(第1の操作)する毎に運転モードが切り換わり、ある運転モード例えば、冷房運転で運転切換ボタン121の押下を止めて(終了して)から所定の時間(例えば、3秒)後、選択した運転モードが確定し、運転が開始する。そして、第1の切換モードM1で切り換えた運転モードに第2の切換モードM2が設定されているときは、そのまま第2の切換モードM2に移行する(図4では、冷房運転または暖房運転となる)。第2の切換モードM2から第1の切換モードM1へ移行するには、運転切換ボタン121を続けて2回押下(第2の操作)することを示している。なお、第1の切換モードM1と第2の切換モードM2の除湿運転は同一の除湿運転モードであり、図を分かりやすくするために便宜上別に表わしている。
【0018】
図5はリモコン装置100の表示部130で表示される運転モード切換時の表示内容を示すもので、白抜き表示(反転表示)の部分が運転切換ボタン121を1回押下した直後に切り換わった運転モードを示している。図5(a)は、第1の切換モードM1の状態で運転切換ボタン121を押下した時の表示を示し、予め設定した順序で順次切り換わることを表わしている。また、図5(b)は、冷房運転で第2の切換モードM2の状態で運転切換ボタン121を1回押下した時の表示を示し、冷房運転と除湿運転との間で運転モードが切り換わり、そして、その白抜き表示の上隣は直前の運転モードを示している。
【0019】
図6はリモコン装置100の表示部130で表示される各運転モードに第2の切換モードM2が入った時の表示内容を示すもので、白抜き表示(反転表示)の部分が運転切換ボタン121を1回押下した直後に切り換わった運転モードを示し、その白抜き表示の上隣は直前の運転モードを示す。(a),(b)は自動運転中に運転切換ボタン121を1回押下したとき、(c),(d)は冷房運転中に運転切換ボタン121を1回押下したとき、(e)〜(h)は除湿運転中に運転切換ボタン121を1回押下したとき、(i),(j)は送風運転中に運転切換ボタン121を1回押下したとき、(k),(l)は暖房運転中に運転切換ボタン121を1回押下したときの場合である。これらの表示は、第2の切換モードM2により運転モードの切り換えが行われ、切り換えられた運転モードによる運転が開始してから所定時間(例えば、5秒)だけ行われる。その後は、現在の運転モードと設定温度(例えば、図2参照)等が表示される。
【0020】
第1の切換モードで切り換えた各運転モードにおいて、第2の切換モードが設定されている場合、運転切換ボタン121が操作された時の運転モードの切り換えについて、図7〜図11のフローチャートを用いて以下説明をする。なお、ここで説明する第2の切換モードは、図4に示した第2の切換モードM2とは別の例に基づいている。また、切り換え条件に温度、または湿度の条件を加えて説明している。
【0021】
<自動運転中の操作>
図7に自動運転中に行われる運転モード切換を示す。運転切換ボタン121を1回押下する(S11−1回)と、そのとき湿度センサ150が検出している湿度が75%以上であるとき(S12−Y)は、運転モードが除湿運転に切り換わる(S13)(図6(a))。再度、運転切換ボタン1を1回押下すると、自動運転に復帰する(S14−1回)(図6(g))。また、自動運転あるいは除湿運転において、運転切換ボタン121を続けて2回押下する(S11−2回、S14−2回)と、図4に示した第1の切換モードM1に移行する(S15)。この切り換えは、冷房運転へ切り換えとなる(図4参照)。さらに、自動運転において運転切換ボタンを1回押下したときに湿度が75%以上でないとき(S12−N)は、第1の切換モードM1に移行する(S15)。このときは、冷房運転となる(図6(b))。
【0022】
このように、自動運転中は、湿度が75%以上であるときは、別の第2の切換モードとして運転切換ボタン121を1回押下する毎に除湿運転と自動運転の間で交互に切り換わり、湿度が75%以上でないときあるいは自動運転中や除湿運転中に運転切換ボタン121を2回続けて押下したときは、図4に示した第1の切換モードM1に移行して運転モードが切り換えられる。
【0023】
<冷房運転中の操作>
図8に冷房運転中に行われる運転モード切換を示す。運転切換ボタン121を1回押下する(S21−1回)と、そのとき温度センサ140が検出している温度が設定温度よりも10℃以下でないとき(S22−N)は、運転モードが除湿運転に切り換わる(S13)(図6(c))。再度、運転切換ボタン1を1回押下すると、冷房運転に復帰する(S25−1回)(図6(e))。また、冷房運転あるいは除湿運転において、運転切換ボタン121を続けて2回押下する(S21−2回、S25−2回)と、第1の切換モードM1に移行する切り換え(S26)が行われる。この切り換えは、除湿運転へ切り換えとなる(図4参照)が、除湿運転する際、同じモードとなるので、それを避けるためにその次の送風運転に切り換えても良い。さらに、冷房運転において運転切換ボタンを1回押下したときに温度が設定温度よりも10℃以下であるときは暖房運転(S24)(図6(d))となる。
【0024】
このように、冷房運転中は、温度が設定温度よりも10℃以下でないときは運転切換ボタン121を1回押下する毎に除湿運転と冷房運転の間で交互に切り換わり、温度が設定温度よりも10℃以下のときは暖房運転となり、冷房運転中、除湿運転中に運転切換ボタン121を2回続けて押下したときは、図4に示した第1の切換モードM1に移行して運転モードが切り換えられる。
【0025】
<除湿運転中の操作>
図9に除湿運転中に行われる運転モード切換を示す。運転切換ボタン121を1回押下する(S31−1回)と、その除湿運転の直前の運転モードが記憶されている場合(S32−Y)は、除湿運転直線の運転モードに復帰する(S33)。表示部130の表示は、直前の運転モードが冷房運転のときは図6(e)のように、直前の運転モードが暖房運転のときは図6(f)のように、直前の運転モードが自動運転のときは図6(g)のように、直前の運転モードが送風運転のときは図6(h)のようになる。また、運転切換ボタン121を続けて2回押下したとき(S31−2回)あるいは除湿運転直前の運転モードが記憶されていない(S32−N)ときは、第1の切換モードM1に移行して切り換え(S34)が行われる。この切り換えは、送風運転へ切り換えとなる(図4参照)。
【0026】
このように、除湿運転中は、運転切換ボタン121を1回押下すると直前の運転モードが記憶されている場合は当該運転モードに復帰し、記憶されていない場合あるいは運転切換ボタン121を2回続けて押下したときは、図4に示した第1の切換モードM1に移行して送風運転に切り換わる。
【0027】
<送風運転中の操作>
図10に送風運転中に行われる運転モード切換を示す。運転切換ボタン121を1回押下する(S41−1回)と、そのとき湿度センサ150が検出している湿度が75%以上であれば(S42−Y)、運転モードが除湿運転に切り換わる(S43)(図6(i))。再度、運転切換ボタン1を1回押下すると、送風運転に復帰する(S44−1回)(図6(h))。また、送風運転あるいは除湿運転において、運転切換ボタン121を続けて2回押下する(S41−2回、S44−2回)と、図4に示した第1の切換モードM1に移行して切り換え(S45)が行われる。この切り換えは、暖房運転へ切り換えとなる(図4参照)。さらに、運転切換ボタン121を1回押下したとき湿度が75%以上ないとき(S42−N)は、2回続けて押下したと同じ第1の切換モードM1に移行して運転モードが切り換わり(S45)、つまり暖房運転となる(図6(j))。
【0028】
このように、送風運転中は、湿度が75%以上であるときは運転切換ボタン121を1回押下する毎に除湿運転と送風運転の間で交互に切り換わり、湿度が75%以上でないときあるいは送風運転中や除湿運転中に運転切換ボタン121を2回続けて押下したときは、図4に示した第1の切換モードM1に移行して運転モードが切り換えられる。
【0029】
<暖房運転中の操作>
図11に暖房運転中に行われる運転モード切換を示す。運転切換ボタン121を1回押下する(S51−1回)と、そのとき温度センサ140が検出している温度が設定温度よりも10℃以上高くないとき(S52−N)は、運転モードが除湿運転に切り換わる(S53)(図6(k))。再度、運転切換ボタン1を1回押下すると、暖房運転に復帰する(S55−1回)(図6(f)。また、暖房運転あるいは除湿運転において、運転切換ボタン121を続けて2回押下する(S51−2回、S55−2回)と、図4に示した第1の切換モードM1に移行して切り換え(S56)が行われる。この切り換えは、自動運転へ切り換えとなる(図4参照)。さらに、暖房運転において運転切換ボタンを1回押下したときに温度が設定温度よりも10℃以上であるときは冷房運転(S44)(図6(l))となる。
【0030】
このように、暖房運転中は、温度が設定温度よりも10℃を以上でないときは運転切換ボタン121を1回押下する毎に除湿運転と暖房運転の間で交互に切り換わり、温度が設定温度よりも10℃以上のときは冷房運転となり、暖房運転中や除湿運転中に運転切換ボタン121を2回続けて押下したときは、図4に示した第1の切換モードM1に移行して運転モードが切り換えられる。
【0031】
<その他の実施例>
なお、以上説明した各運転モードの第2の切換モードは、運転モード全て、または、必要に応じて所定の運転モードのみに第2の切換モードを設定してもよい。更に、温度、または湿度の条件に応じて、運転モードが切り換わるようにしているが、温度、または湿度の条件をなくして、特定の運転モードに切り換わってもよい。また、第2の切換モードから第1の切換モードM1に移行する時の運転切換ボタン121の第2の操作として2回続けて押下する操作としているが、運転切換ボタン121を所定時間(例えば、3秒)以上継続して押下し続ける操作であってもよい。
【0032】
また、図1で説明した構成では、リモコン装置100に湿度センサ140と温度センサ150を装備させたが、図12に示すように、室内機200に装備させてもよい。図12において、240が温度センサ、250が湿度センサである。この場合は、室内機200の温度センサ240や湿度センサ250で検知した情報をリモコン送信機100の制御部190に伝達し、およびリモコン装置100で生成したリモコン信号を室内機200に伝達するために、室内機200にはRF送受信部210Aを設け、リモコン送信機100にはRF送受信信部110Aを設けて、リモコン送信機100と室内機200との間で双方向通信できるようにすればよい。
【符号の説明】
【0033】
100:リモコン装置、110:赤外線LED、110A:RF送受信部、120:キー入力部、121:運転切換ボタン、122:送風ボタン、123:運転/停止ボタン、124:温度設定ボタン、130:表示部、140:温度センサ、150:湿度センタ、160:バッテリ、170:タイマ、180:メモリ、190:制御部
200:室内機、210:受光部、210A:RF送受信部、220:タイマ、240:温度センサ、250:湿度センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つ以上の複数の運転モードを備えた空気調和機本体と、該空気調和機本体の前記運転モードを切り換える運転切換ボタンを備えたリモコン装置とからなる空気調和機において、
前記運転切換ボタンの操作によって、前記複数の運転モードを所定の順序で切り換える第1の切換モードと、前記第1の切換モードにより切換えられた運転モードでの運転が確定後、該確定後の運転モードと前記複数の運転モードのうちの特定の運転モードとの間で運転モードを切り換える第2の切換モードとを有し、
前記第2の切換モードから前記第1の切換モードへの移行は、前記運転切換ボタンに対して、前記第1の切換モードおよび前記第2の切換モードにおける前記運転切換ボタンの第1の操作と異なる第2の操作を行うことにより実行されることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機において、
前記第2の切換モードは、前記複数の運転モードのうち所定の運転モードでの運転が確定したとき、実行されることを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の空気調和機において、
前記空気調和機本体は室内温度を検出する室内温度検出手段と室内湿度を検出する室内湿度検出手段のうち少なくとも1つを備え、
前記第2の切換モードにおいて前記運転切換ボタンが前記第1の操作をされると、検出した前記室内温度または前記室内湿度の値と予め設定された温度または湿度の値との比較に基づいて、切り換えるべき前記特定の運転モードとは別の運転モードへ切り換わることを特徴とする空気調和機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の空気調和機において、
前記リモコン装置は表示部を備え、該表示部は、前記運転切換ボタン操作時、前記第2の切換モードで運転モードが切り換わったとき所定時間が経過するまで、切り換わった運転モードとともに切り換わる前の運転モードを表示することを特徴とする空気調和機。
【請求項1】
少なくとも3つ以上の複数の運転モードを備えた空気調和機本体と、該空気調和機本体の前記運転モードを切り換える運転切換ボタンを備えたリモコン装置とからなる空気調和機において、
前記運転切換ボタンの操作によって、前記複数の運転モードを所定の順序で切り換える第1の切換モードと、前記第1の切換モードにより切換えられた運転モードでの運転が確定後、該確定後の運転モードと前記複数の運転モードのうちの特定の運転モードとの間で運転モードを切り換える第2の切換モードとを有し、
前記第2の切換モードから前記第1の切換モードへの移行は、前記運転切換ボタンに対して、前記第1の切換モードおよび前記第2の切換モードにおける前記運転切換ボタンの第1の操作と異なる第2の操作を行うことにより実行されることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機において、
前記第2の切換モードは、前記複数の運転モードのうち所定の運転モードでの運転が確定したとき、実行されることを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の空気調和機において、
前記空気調和機本体は室内温度を検出する室内温度検出手段と室内湿度を検出する室内湿度検出手段のうち少なくとも1つを備え、
前記第2の切換モードにおいて前記運転切換ボタンが前記第1の操作をされると、検出した前記室内温度または前記室内湿度の値と予め設定された温度または湿度の値との比較に基づいて、切り換えるべき前記特定の運転モードとは別の運転モードへ切り換わることを特徴とする空気調和機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の空気調和機において、
前記リモコン装置は表示部を備え、該表示部は、前記運転切換ボタン操作時、前記第2の切換モードで運転モードが切り換わったとき所定時間が経過するまで、切り換わった運転モードとともに切り換わる前の運転モードを表示することを特徴とする空気調和機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−193920(P2012−193920A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59492(P2011−59492)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】
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