空気調和機
【課題】利用者の所望時刻に所望の室温の範囲内で予冷運転を開始し、冷房運転の立ち上げの迅速化を図ることができる空気調和機を提供する。
【解決手段】クロック、室温センサ、室内熱交換器および室内ファンを備えた室内機と、運転するシリンダ数が変更可能な圧縮機、室外熱交換器を備えた室外機と、を具備している。また、室温と、時刻が共に予め設定された範囲内にあるときに、室内熱交換器を予め冷却する予冷運転を行う制御手段を具備している。
【解決手段】クロック、室温センサ、室内熱交換器および室内ファンを備えた室内機と、運転するシリンダ数が変更可能な圧縮機、室外熱交換器を備えた室外機と、を具備している。また、室温と、時刻が共に予め設定された範囲内にあるときに、室内熱交換器を予め冷却する予冷運転を行う制御手段を具備している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、冷房運転を行う前に予冷運転を行い、冷房運転の立ち上げの迅速化を図った空気調和機が知られている(例えば特許文献1参照)。これは一日の内の各時刻における室温の平均値の変動を求め、冷房運転時は、この温度よりも一定温度高い温度を予備運転用の設定温度とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−178554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の空気調和機では、利用者の帰宅時刻等、一日の内の所望の時刻に、所望の室温の範囲内で予冷運転を開始することができない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、利用者の所望時刻に所望の室温の範囲内で予冷運転を開始し、冷房運転の立ち上げの迅速化を図ることができる空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の空気調和機は、一日の時刻を検出する時刻検出手段、室温を検出する室温センサ、室内熱交換器および室内ファンを備えた室内機と、室内熱交換器に冷媒配管を介して連通可能に接続される、複数のシリンダを有し運転するシリンダ数が変更可能な圧縮機、この圧縮機および前記室内熱交換器と冷媒配管を介して連通可能に接続される室外熱交換器を備えた室外機と、を具備している。
【0007】
また、本実施形態の空気調和機は、室温センサにより検出された室温と、時刻検知手段により検出された時刻が共に予め設定された範囲内にあるときに、室内熱交換器を予め冷却する予冷運転を行う制御手段と、を具備している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係る空気調和機の全体構成を示す全体図。
【図2】前記空気調和機の冷凍サイクルの構成を示す回路図。
【図3】前記空気調和機の圧縮機の2シリンダ運転状態を示す説明図。
【図4】前記圧縮機の1シリンダ運転状態を示す説明図。
【図5】前記空気調和機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図。
【図6】図3で示す制御ユニットにより室内機の予冷運転を開始させる制御方法の一例を示すフローチャート。
【図7】同,予冷運転中に、人感センサが人の在室を検出したときに、自動的に冷房運転へ移行させる制御方法の一例を示すフローチャート。
【図8】同,予冷運転中に、照度センサが設定値以上の室内の明るさ(照度)を検出したきに、自動的に冷房運転へ移行させる制御方法の一例を示すフローチャート。
【図9】同,予冷運転時または冷房運転時、室外温度と室温が共に所定範囲内にあるときに圧縮機の運転シリンダ数を最大に制御する方法の一例を示すフローチャート。
【図10】同,予冷運転時、室温と室内湿度が共に所定値以上であるときに、室内機の吹出口を所定開度で開口させるように前記水平ルーバと可動ルーバを制御する方法を示すフローチャート。
【図11】冷房運転時、吹出口を開口する室内機の水平ルーバと可動ルーバの動作状態を示す模式図。
【図12】予冷運転時、室内機の水平ルーバと可動ルーバにより吹出口を所定開度で開口させた状態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、複数の図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0010】
図1に示されるように、空気調和機1は、室内に設置される室内機2と、この室内機2と冷媒接続配管5を介して接続された室外に設置される室外機3と、リモコン(リモートコントローラ)4とを具備している。利用者は、基本的にリモコン4を用いて、空気調和機1の運転モード選択、温度設定、風量設定等の各種操作を行い、空気調和機1を遠隔制御する。
【0011】
室内機2は、室内機本体2aの上面に吸込口2bを設け、室内機本体2aの前面に設けた前面パネル2cの下部に、吹出口2dを設けている。この吹出口2dには、吹出風を上下方向に調節するための水平ルーバ2eと、吹出風を左右に調整するための左右ルーバ2fを設けている。また、吹出口2dの前方には、この吹出口2dの前面側を開閉する可動ルーバ2gを配設している。
【0012】
室内機2は、その内部に、吸込口2bと吹出口2dとを連通させる通風路(図示せず)を形成しており、この通風路には図2で示す室内熱交換器21および室内ファン22を配設している。
【0013】
室外機3は、図2に示されるように、圧縮機31、四方弁32、室外熱交換器33、絞り機構34、アキュムレータ35および圧縮機31への供給冷媒を切り換える切替弁36を冷媒配管により連通可能に接続することにより、室外機3内の冷凍サイクルAを構成している。この冷凍サイクルAの構成部品は室外機3に収容される。この室外機3の四方弁32は、ガス側冷媒接続配管5aにより、室内熱交換器21の一端に接続され、この室内熱交換器21の他端は、液側冷媒接続配管5bにより、室外機3の絞り機構34に接続される。冷媒は、冷房時、図2中、実線矢印方向に流れ、暖房時、図2中、破線矢印方向に流れる。
【0014】
なお、本実施形態では、絞り機構34として、パルスモータバルブ(PMV)が用いられており、切替弁36として、四方弁が用いられている。また、室外機3には、圧縮機31、室外熱交換器33および切替弁36などの室外機3を構成する各機器を制御する室外制御ユニット37が配設されている。室外制御ユニット37は、図5で示す信号線6により室内機2の室内制御ユニット23に電気的に接続されている。
【0015】
図3,図4に示すように圧縮機31は、複数、例えば上下2つのシリンダを備え、運転するシリンダ数が可変可能の、いわゆるデュアルコンプレッサであり、図3は2シリンダ運転を示し、図4は1シリンダ運転を示す。
【0016】
すなわち、圧縮機31は、中間仕切板31aを挟んで上下2つの圧縮室31bおよび31f(シリンダ)を設けている。上部圧縮室31bには、第1供給路Mを通して低圧冷媒が供給され、上部ローリングピストン31cが回転することによって、冷媒を圧縮する。上部ローリングピストン31cの外側周面には上部ベーン31dが弾性体(スプリング)31eによって押し付けられている。そのため、上部ベーン31dは、上部ローリングピストン31cの回転に追従して往復動し、上部圧縮室31bを低圧室と高圧室とに仕切っている。
【0017】
下部圧縮室31fには、後述するように、第2供給路Nを通して低圧、または、高圧冷媒が供給される。低圧冷媒が供給される場合(図3)には、下部ローリングピストン31gが回転することによって、冷媒を圧縮して高圧冷媒として室外熱交換器33に送る。下部ローリングピストン31gの外側周面には下部ベーン31hが弾性体(スプリング:図示せず)によって押し付けられ、下部圧縮室31fを低圧室と高圧室とに仕切っている。そのため、下部ベーン31hは、下部ローリングピストン31gの回転に追従して往復動する。ただし、高圧冷媒が供給される場合(図4)には、下部ベーン31hは磁性体31iによって下部ローリングピストン31gから離されて保持され、下部ローリングピストン31gは下部ベーン31hの往復動なく回転するので、空転する。
【0018】
図3は、圧縮機31の2つのシリンダ(最大シリンダ数)が運転される場合である。なお、「シリンダ」の語は、各圧縮室31b,31fに設けられたローリングピストン31c,31gやベーン31d,31h等の機構をまとめて表わす。
【0019】
低圧冷媒は、室内熱交換器21から四方弁32を介してアキュムレータ35に流入する。上述したように、アキュムレータ35と圧縮機31とは2系統(第1供給路Mおよび第2供給路N)で接続されている。第1供給路Mは、アキュムレータ35と圧縮機31とを直接接続し、低圧冷媒を上部圧縮室31bに供給する。上部ローリングピストン31cの回転によって冷媒は圧縮されて高圧になって室外熱交換器33に送られる。
【0020】
一方、下部圧縮室31fには第2供給路Nによって冷媒が供給される。第2供給路N上には切替弁36が設けられている。なお、説明上、第2供給路Nはアキュムレータ35から切替弁36までの経路であって、下部圧縮室31bに連通する上部側を上第2供給路N1とし、切替弁36から圧縮機31の下部圧縮機31fまでの経路であって、下部圧縮室31fに連通する下部側を下第2供給路N2と表わす。下第2供給路N2の途中には、急激な圧力変化を緩和するバッファタンク39が介装されている。
【0021】
図3では、切替弁36が閉じられて上第2供給路N1と下第2供給路N2とが接続されている。したがって、第1供給路Mを介して圧縮機31(上部圧縮室31b)に低圧冷媒が供給されるとともに、第2供給路N(N1,N2)を介して圧縮機31の下部圧縮室31fに低圧冷媒が供給される。このように、上部圧縮室31bおよび下部圧縮室31fに低圧冷媒が供給され、上部ローリングピストン31cおよび下部ローリングピストン31gの回転によって冷媒が圧縮される。圧縮された高圧冷媒は、四方弁32を経由して室外熱交換器33に供給される。この運転は、いわゆる、2シリンダ運転であり、例えば、空気調和機1の起動時や中〜高能力運転時にこの2シリンダ運転が行われる。
【0022】
なお、圧縮機31と四方弁32とをつなぐ配管の途中には、切替弁36に接続されるバイパス路40を設けているが、図3に示すように切替弁36が閉じられている場合には、バイパス路40を満たす高圧冷媒は、切替弁36により遮断されるので、第2供給路N2には供給されない。
【0023】
図2に示される冷凍サイクルAの回路には、切替弁36の周囲に4つの矢印O、P、QおよびRが示されている。図4の2シリンダ運転の場合、切替弁36は閉じられているため、低圧冷媒はアキュムレータ35を通り、矢印Oが示すようにバッファタンク39を経て圧縮機31の下部圧縮室31fに供給される。また、圧縮機31からバイパス路40に入り込んだ高圧冷媒は、切替弁36が閉じられているので矢印Qが示すように切替弁36で終端となる。
【0024】
図4は、後述する予冷運転時に、圧縮機31を1シリンダ(最小シリンダ数)により運転する状態を示している。「予冷運転」とは、冷房運転の前に、室内熱交換器21を予め冷却しておき、冷房運転へ移行したときに、この冷房運転の立上げを早める運転モードをいう。
【0025】
図4に示すように、圧縮機31の1シリンダ運転では、下部圧縮室31fには高圧冷媒が供給される。つまり、図2に示すように圧縮機31から室外熱交換器33へ供給される高圧冷媒の一部が、バイパス路40、切替弁36および下第2供給路N2を介して、下部圧縮室31fに供給される。切替弁36が開かれているので、高圧冷媒はこのような経路を流れる。この場合、アキュムレータ35からの低圧冷媒は、上第2供給路N1には入るが、切替弁36で終端となるので下部圧縮室31fには供給されない。
【0026】
一方、圧縮機31からバイパス路40に入り込んだ高圧冷媒は、切替弁36が閉じられているので矢印Pが示す通りバッファタンク39を経て圧縮機31(下部圧縮室31f)に供給される。
【0027】
下部圧縮室31fの下部ベーン31hには、圧縮機31内部の圧力(吐出圧:高圧)が背圧として作用されており、この背圧とスプリングの弾性力とによって、下部ローリングピストン31gに押し付けられている。低圧冷媒が下部圧縮室31fに供給される場合は、上述した背圧が有効に作用するため、下部ベーン31hは、下部ローリングピストン31gに押しつけられる(図3参照)。しかし、図4で示す1シリンダ運転モードでは、高圧冷媒が下部圧縮室31fに供給されるので、上述した背圧は有効に作用しない。このため、下部ベーン31hは、磁性体31iの磁力によって下部ローリングピストン31gから離されて保持される。この結果、下部ローリングピストン31gは下部圧縮室31f内で空転する。
【0028】
すなわち、下部ローリングピストン31gは、冷媒を圧縮する仕事をしないので、上部圧縮室31bのみでの1シリンダ運転が行われる。この状態では、圧縮される冷媒量が減少するので室外熱交換器33に吐出される冷媒流量が減る。その分、圧縮機31の負荷が軽減されるので、節電を図ることができる。
【0029】
リモコン4は、利用者が選択した運転モード等の指示を室内機2に対して送信するために使用される。本実施形態におけるリモコン4には、図1に示されるように、各種表示を表わす表示部4aと、「冷房」、「暖房」、「予冷」等の各種運転モードを設定する運転モードボタン4bを具備している。
【0030】
なお、図1のリモコン4には図示省略しているが、その他のボタン、例えば温度設定ボタンや風向、風量等を設定するボタン、予冷運転を開始させるための各種設定、例えば利用者の帰宅時刻等の時刻、室温、外気温、室内湿度、室内照度等の設定値を入力するためのボタン等の操作具等も設けられている。また、リモコン4と室内機2との間での信号の送受信は、図1または図5に示されるような無線通信形式の他、各種通信形式によって行われ得る。
【0031】
図5は、室内機2の制御ユニット23および室外機3の制御ユニット37の内部構成をそれぞれ示すブロック図である。室内機2の室内制御ユニット23は、リモコン4からの信号を受信する受信窓を有する受信ユニット23a、MCU(Micro Controller Unit)等からなる室内制御部23bおよび送信ユニット23cを具備している。MCUは、例えばマイクロプロセッサにより構成され、後述する予冷運転制御プログラム等各種制御プログラムを記憶するROM、このROMから制御プログラムの命令を逐次読み出し実行するCPU、その際のデータの記憶領域または作業領域をなすRAMを有し、予冷運転等を制御する機能を具備している。
【0032】
利用者は、リモコン4を用いて空気調和機1の冷,暖房や予冷運転等種々の運転モード等の各種運転条件を決定して、室内機2の受信ユニット23aの受信窓に赤外線等により送信する。受信ユニット23aは、受信した運転条件を室内制御部23bに与える。
【0033】
室内制御部23bは、その入力側に、室内機本体2に配設した照度センサ23g、人感センサ23h、クロック23i、湿度センサ23jおよび室温センサ23kの各検出信号出力側を電気的に接続している。
【0034】
照度センサ23gは、室内機2が配設された室内の照度を検出する。人感センサ23hは、室内に人が居るか否かを検出する。クロック23iは、一日24時間の時刻を毎日検出するものであり、室内制御部23bの内蔵クロックを用いてもよい。湿度センサ23jは室内の湿度を検出し、室温センサ23kは室温を検出する。これら検出値を室内制御部23bは適宜読み込み、これら検出値に基づく種々の制御信号を室内側の駆動回路23d,23eと表示部23fに与える一方、信号線6を介して室外制御ユニット37の受信ユニット37aに送信する。
【0035】
室内制御部23bは、その出力側に設けた駆動回路23dにより室内ファン22の運転を制御し、駆動回路23eにより前記人感センサ23h、可動ルーバ2gおよび水平ルーバ2eの駆動を制御する。
【0036】
室外制御部37bは、上記室内制御部23bと同様にマイクロプロセッサ等から構成され、駆動回路37c〜37gにより、室外機を構成する各機器の駆動を制御する。例えば、駆動回路37cは、圧縮機31の駆動を制御する。また、駆動回路37dは、四方弁32の駆動を制御し、駆動回路37eは、絞り機構34の駆動を制御する。さらに、駆動回路37fは、切替弁36の駆動を制御し、駆動回路37gは、室外ファン38の駆動を制御する。
【0037】
また、室外制御部37bは外気温センサ50から外気温を検出し、その検出信号を図示省略の送信ユニットにより、室内制御ユニット23の受信ユニット23aに送信し、室内制御部23bに与える。
【0038】
図6〜図10は、室内機2を予冷運転する場合の複数の制御方法をそれぞれ示すフローチャートである。これら図中、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示し、同一ステップには同一符号を付して、重複した説明は省略ないし略述する。これら制御プログラムは、上記室内制御部23bのROMに記録され、CPUにより実行される。
【0039】
すなわち、図6に示すように室内制御部23bは、制御プログラムを起動(スタート)させると、まず、S1で室温と一日の時刻を検知する。
【0040】
つまり、室内制御部23bは、クロック23iから一日の時刻を毎日、所定時間毎に読み出し、さらに、室温センサ23kから室温検出値を読み出す。
【0041】
次のS2で、この時刻と室温の検出値が予冷運転を開始させるための予冷運転条件の範囲内にあるか否かを判断する。
【0042】
予冷運転条件は予め利用者がリモコン4を操作することにより設定されている。予冷運転開始条件としては、例えば利用者の帰宅時刻等の所要の時刻と、利用者の好みの室温である。これら時刻と室温は利用者により随時任意に設定でき、変更できる。
【0043】
S2では、上記検出時刻と検出室温が予冷運転条件の時刻に達し、かつ室温以上に達したか否かを繰り返し判断するループ制御を行い、S2でYes、すなわち、検出時刻と室温が予冷運転開始条件として利用者により予め設定された時刻に達し、かつ室温が設定室温以上に達したときは、次のS3で、室内機2の予冷運転を自動的に開始させる。
【0044】
予冷運転は、冷房運転の開始の前に、室内熱交換器21を予め冷却しておき、冷房運転開始時に、その立上げの迅速化を図る運転モードであるので、ほぼ冷房運転と同様であるが、冷気を室内に吹き出す必要はない。
【0045】
このために、室内ファン22の単位時間当りの回転数(回転速度)を低下させ、または停止させる。また、吹出口2dを閉じるように可動ルーバ2gと水平ルーバ2eを制御するが、完全に閉じた場合、吹出口2dが水平ルーバ2eと可動ルーバ2gにより閉じられるので、利用者に意識させずに予冷運転を行うことができる。ただし、予冷運転実行中に、室温センサ23kで検知した室内温度と、湿度センサ23jで検知した室内湿度が一定以上となった場合は、図12に示すように、吹出口2dを若干開くように可動ルーバ2gと水平ルーバ2eを制御する。これにより、水平ルーバ2g上下の隙間より送風が行われて、水平ルーバ2e表面及び吹出口2dの出口付近に結露が発生して、室内に滴下することを防止することが出来る。なお、図12中、符号20は室内機本体2a内に形成された送風路であり、上述したように室内機本体2aの吸込口2bと吹出口2dとを連通させ、室内熱交換器21と室内ファン22が配置される送風路である。
【0046】
この後、S4では、利用者によりリモコン4が冷房運転を開始させる操作が行われたか否かを判断し、Noの場合は、S5で引き続き予冷運転を継続させる。
【0047】
図11に示すようにこの冷房運転では、吹出口2dを開口させるように可動ルーバ2gをほぼ水平方向に回動させ、水平ルーバ2eをほぼ水平方向から図中、左斜め下方向に傾動させる。室内ファン22は設定風量等の所定風量に対応した回転数(速度)で運転される。このために、室内機本体2aの吸込口2bから、その内部へ吸い込まれた室内空気は室内熱交換器21により冷却される。この冷気は室内ファン22により吹出口2dから室内へ送風される。
【0048】
したがって、この冷房運転開始時には、予め室内熱交換器21を冷却しているので、その冷房運転の立上げの迅速化を図ることができる。
【0049】
この予冷運転制御方法では、予冷運転開始後、利用者がリモコン4で冷房運転開始操作を行ったときに、冷房運転を開始させるが、図7に示すように人感センサ23hが室内に人が存在する、すなわち、人の在室を検出したときに(図7のS4a参照)、自動的に予冷運転から冷房運転に移行させてもよい。
【0050】
すなわち、図7に示すように上記制御方法と同様にS3で予冷運転を開始させた後、次のS4aで人感センサ23hが人の在室を検出したときに予冷運転を停止させ、S6で冷房運転に自動的に切り替える。
【0051】
これによれば、利用者がリモコン4で冷房運転開始操作を行わない場合でも、利用者が予め設定した時刻以降に単に帰宅すれば、この帰宅を人感センサ23hが検出するので、予冷運転を自動的に開始し、かつ冷房運転に自動的に移行させることができる。
【0052】
さらに、予冷運転から冷房運転に自動的に移行させる他の方法としては、図8のS4bで示すように照度センサ23gが所要の設定値以上の明るさ(照度)を検出したときに、予冷運転から冷房運転に自動的に移行させてもよい。
【0053】
すなわち、図8に示すように、S3で予冷運転を開始させた後、次のS4bで、照度センサ23gが所要の照度設定値以上の明るさを検出したときに、次のS6で、予冷運転を冷房運転に自動的に切り替える。
【0054】
これによれば、利用者がリモコン4で冷房運転開始操作を行わない場合でも、利用者が予め設定した時刻以降に帰宅し、室内の照明を単に点灯させることにより、予冷運転を自動的に冷房運転に切り替えることができる。
【0055】
図9は予冷運転時または冷房運転時に圧縮機31の運転するシリンダを可変する制御方法の一例を示している。
【0056】
すなわち、上記各制御方法と同様、S3で予冷運転開始後、次のS4c1で、室温センサ3kにより検出された室温が予め利用者等により設定された室温設定値の範囲内(例えば32℃以上)にあるか否かを判断する。
【0057】
このS4c1でNo,すなわち、室温検出値が室温設定値よりも低温である場合には、次のS4c2で、圧縮機31の運転シリンダ数を最小、例えば図4で示すように1シリンダで圧縮機31を運転する。
【0058】
これにより、圧縮機31は最小能力で予冷運転を行うので、節電を図ることができる。
【0059】
これに対し、上記S4c1でYes,の場合、すなわち、室温検出値が室温設定値の範囲内にあるとき、例えば室温検出値が32℃以上であるときは、次のS4c3で、外気温センサ50により検出された外気温が予め利用者等により設定されている外気温設定値の範囲内(例えば38℃以上)にあるか否かを判断する。
【0060】
ここで、No,の場合、すなわち外気温検出値が設定値(例えば38℃)よりも低い場合には、次のS4c4で、圧縮機31を1シリンダの最小運転シリンダ数により引き続き予冷運転する。
【0061】
しかし、S4c3でYes,の場合、すなわち、外気温検出値が設定値よりも高い場合には、次のS4c5で、圧縮機31の運転シリンダ数を最大、例えば図5で示すように2シリンダで運転する。
【0062】
これにより、圧縮機31は最大能力により運転されるので、冷凍サイクルAを循環する冷媒流量が増加する。このために、室内熱交換器21内で蒸発してこの室内熱交換器21を冷却する冷媒流量が増加するので、この室内熱交換器21を大幅に冷却することができる。このために、室温や外気温が高い場合でも予冷運転と冷房運転を効果的に行うことができ、また、冷房運転の立上げのさらなる迅速化を図ることができる。
【0063】
なお、圧縮機31の圧縮能力は、図示しないインバータによっても制御できるが、圧縮機31のシリンダ数を制御する方法の方がインバータによる制御方法よりも最小から最大までの制御幅が大きい。また、これら両制御方法を併用することにより、圧縮機31の能力の制御範囲をさらに拡大できる。
【0064】
図10は、室内が高温多湿であるときに、予冷運転時の室内機2の結露の防止または低減を図った制御方法を示す。
【0065】
すなわち、上記各制御方法と同様、S3で予冷運転開始後、次のS4d1で、室温センサ23kにより検出された室温検出値が予め設定した室温設定値以上であるか否かを判断する。
【0066】
このS4d1でNo,の場合は、次のS4d2で水平ルーバ2eと可動ルーバ2gを動作させずに、これまでの状態を保持する。これにより、吹出口2dは水平ルーバ2eと可動ルーバ2gとにより引き続き閉じられた状態で保持される。
【0067】
しかし、上記S4d1でYes,の場合、すなわち、室温検出値が室温設定値以上である場合には、次のS4d3で、湿度センサ23jにより検出された室内の湿度検出値が予め設定された湿度設定値以上であるか否かを判断する。
【0068】
S4d3でNo,の場合は、次のS4d4で引き続き水平ルーバ2eと可動ルーバ2gを動作させない。これにより、吹出口2dは上記S4d2と同様、閉じた状態で保持される。
【0069】
しかし、S4d3でYes,の場合、すなわち、湿度検出値が湿度設定値以上であると判断したときは、高温かつ多湿のために水平ルーバ2eと可動ルーバ2g等の内面に結露が付着していると判断する。
【0070】
この後S7で、吹出口2dを所要の開度で開口させるように水平ルーバ2eと可動ルーバ2gを回動制御する。
【0071】
すると、室内ファン22からの送風が水平ルーバ2eと可動ルーバ2g等の内面に付着している結露に吹き当り、この結露を吹出口2dから室内へ吹き飛ばすことができる。これにより、結露を防止または低減できる。
【0072】
そして、図5に示すように室内機2は運転中の消費電力等の情報を表示する表示部23fを備えているが、予冷運転時はこの表示部23fを消灯させ、冷房運転時に表示部23fを点灯させるように室内制御部23bを構成してもよい。
【0073】
これによれば、予冷運転中は、その運転を利用者に意識させる必要がないので、表示部23fを消灯して節電を図ることができる。また、冷房運転中は、その運転を利用者が意識するので、表示部23fを点灯して消費電力等の情報を表示することができる。
【0074】
また、予冷運転開始条件の時刻や室温、照度、外気温、湿度等の設定値は利用者により随時任意に設定でき、かつ変更できるので、利用者の好みを予冷運転に反映させることができ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0075】
以上、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1…空気調和機、2…室内機、2a…室内機本体、2b…吸込口、2d…吹出口、2e…水平ルーバ、3…室外機、31…圧縮機、4…リモコン(リモートコントローラ)、23f…表示部、23g…照度センサ、23h…人感センサ、23i…クロック、23j…湿度センサ、23k…室温センサ、36…切替弁、37…室外制御ユニット、50…外気温センサ。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、冷房運転を行う前に予冷運転を行い、冷房運転の立ち上げの迅速化を図った空気調和機が知られている(例えば特許文献1参照)。これは一日の内の各時刻における室温の平均値の変動を求め、冷房運転時は、この温度よりも一定温度高い温度を予備運転用の設定温度とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−178554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の空気調和機では、利用者の帰宅時刻等、一日の内の所望の時刻に、所望の室温の範囲内で予冷運転を開始することができない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、利用者の所望時刻に所望の室温の範囲内で予冷運転を開始し、冷房運転の立ち上げの迅速化を図ることができる空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の空気調和機は、一日の時刻を検出する時刻検出手段、室温を検出する室温センサ、室内熱交換器および室内ファンを備えた室内機と、室内熱交換器に冷媒配管を介して連通可能に接続される、複数のシリンダを有し運転するシリンダ数が変更可能な圧縮機、この圧縮機および前記室内熱交換器と冷媒配管を介して連通可能に接続される室外熱交換器を備えた室外機と、を具備している。
【0007】
また、本実施形態の空気調和機は、室温センサにより検出された室温と、時刻検知手段により検出された時刻が共に予め設定された範囲内にあるときに、室内熱交換器を予め冷却する予冷運転を行う制御手段と、を具備している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係る空気調和機の全体構成を示す全体図。
【図2】前記空気調和機の冷凍サイクルの構成を示す回路図。
【図3】前記空気調和機の圧縮機の2シリンダ運転状態を示す説明図。
【図4】前記圧縮機の1シリンダ運転状態を示す説明図。
【図5】前記空気調和機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図。
【図6】図3で示す制御ユニットにより室内機の予冷運転を開始させる制御方法の一例を示すフローチャート。
【図7】同,予冷運転中に、人感センサが人の在室を検出したときに、自動的に冷房運転へ移行させる制御方法の一例を示すフローチャート。
【図8】同,予冷運転中に、照度センサが設定値以上の室内の明るさ(照度)を検出したきに、自動的に冷房運転へ移行させる制御方法の一例を示すフローチャート。
【図9】同,予冷運転時または冷房運転時、室外温度と室温が共に所定範囲内にあるときに圧縮機の運転シリンダ数を最大に制御する方法の一例を示すフローチャート。
【図10】同,予冷運転時、室温と室内湿度が共に所定値以上であるときに、室内機の吹出口を所定開度で開口させるように前記水平ルーバと可動ルーバを制御する方法を示すフローチャート。
【図11】冷房運転時、吹出口を開口する室内機の水平ルーバと可動ルーバの動作状態を示す模式図。
【図12】予冷運転時、室内機の水平ルーバと可動ルーバにより吹出口を所定開度で開口させた状態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、複数の図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0010】
図1に示されるように、空気調和機1は、室内に設置される室内機2と、この室内機2と冷媒接続配管5を介して接続された室外に設置される室外機3と、リモコン(リモートコントローラ)4とを具備している。利用者は、基本的にリモコン4を用いて、空気調和機1の運転モード選択、温度設定、風量設定等の各種操作を行い、空気調和機1を遠隔制御する。
【0011】
室内機2は、室内機本体2aの上面に吸込口2bを設け、室内機本体2aの前面に設けた前面パネル2cの下部に、吹出口2dを設けている。この吹出口2dには、吹出風を上下方向に調節するための水平ルーバ2eと、吹出風を左右に調整するための左右ルーバ2fを設けている。また、吹出口2dの前方には、この吹出口2dの前面側を開閉する可動ルーバ2gを配設している。
【0012】
室内機2は、その内部に、吸込口2bと吹出口2dとを連通させる通風路(図示せず)を形成しており、この通風路には図2で示す室内熱交換器21および室内ファン22を配設している。
【0013】
室外機3は、図2に示されるように、圧縮機31、四方弁32、室外熱交換器33、絞り機構34、アキュムレータ35および圧縮機31への供給冷媒を切り換える切替弁36を冷媒配管により連通可能に接続することにより、室外機3内の冷凍サイクルAを構成している。この冷凍サイクルAの構成部品は室外機3に収容される。この室外機3の四方弁32は、ガス側冷媒接続配管5aにより、室内熱交換器21の一端に接続され、この室内熱交換器21の他端は、液側冷媒接続配管5bにより、室外機3の絞り機構34に接続される。冷媒は、冷房時、図2中、実線矢印方向に流れ、暖房時、図2中、破線矢印方向に流れる。
【0014】
なお、本実施形態では、絞り機構34として、パルスモータバルブ(PMV)が用いられており、切替弁36として、四方弁が用いられている。また、室外機3には、圧縮機31、室外熱交換器33および切替弁36などの室外機3を構成する各機器を制御する室外制御ユニット37が配設されている。室外制御ユニット37は、図5で示す信号線6により室内機2の室内制御ユニット23に電気的に接続されている。
【0015】
図3,図4に示すように圧縮機31は、複数、例えば上下2つのシリンダを備え、運転するシリンダ数が可変可能の、いわゆるデュアルコンプレッサであり、図3は2シリンダ運転を示し、図4は1シリンダ運転を示す。
【0016】
すなわち、圧縮機31は、中間仕切板31aを挟んで上下2つの圧縮室31bおよび31f(シリンダ)を設けている。上部圧縮室31bには、第1供給路Mを通して低圧冷媒が供給され、上部ローリングピストン31cが回転することによって、冷媒を圧縮する。上部ローリングピストン31cの外側周面には上部ベーン31dが弾性体(スプリング)31eによって押し付けられている。そのため、上部ベーン31dは、上部ローリングピストン31cの回転に追従して往復動し、上部圧縮室31bを低圧室と高圧室とに仕切っている。
【0017】
下部圧縮室31fには、後述するように、第2供給路Nを通して低圧、または、高圧冷媒が供給される。低圧冷媒が供給される場合(図3)には、下部ローリングピストン31gが回転することによって、冷媒を圧縮して高圧冷媒として室外熱交換器33に送る。下部ローリングピストン31gの外側周面には下部ベーン31hが弾性体(スプリング:図示せず)によって押し付けられ、下部圧縮室31fを低圧室と高圧室とに仕切っている。そのため、下部ベーン31hは、下部ローリングピストン31gの回転に追従して往復動する。ただし、高圧冷媒が供給される場合(図4)には、下部ベーン31hは磁性体31iによって下部ローリングピストン31gから離されて保持され、下部ローリングピストン31gは下部ベーン31hの往復動なく回転するので、空転する。
【0018】
図3は、圧縮機31の2つのシリンダ(最大シリンダ数)が運転される場合である。なお、「シリンダ」の語は、各圧縮室31b,31fに設けられたローリングピストン31c,31gやベーン31d,31h等の機構をまとめて表わす。
【0019】
低圧冷媒は、室内熱交換器21から四方弁32を介してアキュムレータ35に流入する。上述したように、アキュムレータ35と圧縮機31とは2系統(第1供給路Mおよび第2供給路N)で接続されている。第1供給路Mは、アキュムレータ35と圧縮機31とを直接接続し、低圧冷媒を上部圧縮室31bに供給する。上部ローリングピストン31cの回転によって冷媒は圧縮されて高圧になって室外熱交換器33に送られる。
【0020】
一方、下部圧縮室31fには第2供給路Nによって冷媒が供給される。第2供給路N上には切替弁36が設けられている。なお、説明上、第2供給路Nはアキュムレータ35から切替弁36までの経路であって、下部圧縮室31bに連通する上部側を上第2供給路N1とし、切替弁36から圧縮機31の下部圧縮機31fまでの経路であって、下部圧縮室31fに連通する下部側を下第2供給路N2と表わす。下第2供給路N2の途中には、急激な圧力変化を緩和するバッファタンク39が介装されている。
【0021】
図3では、切替弁36が閉じられて上第2供給路N1と下第2供給路N2とが接続されている。したがって、第1供給路Mを介して圧縮機31(上部圧縮室31b)に低圧冷媒が供給されるとともに、第2供給路N(N1,N2)を介して圧縮機31の下部圧縮室31fに低圧冷媒が供給される。このように、上部圧縮室31bおよび下部圧縮室31fに低圧冷媒が供給され、上部ローリングピストン31cおよび下部ローリングピストン31gの回転によって冷媒が圧縮される。圧縮された高圧冷媒は、四方弁32を経由して室外熱交換器33に供給される。この運転は、いわゆる、2シリンダ運転であり、例えば、空気調和機1の起動時や中〜高能力運転時にこの2シリンダ運転が行われる。
【0022】
なお、圧縮機31と四方弁32とをつなぐ配管の途中には、切替弁36に接続されるバイパス路40を設けているが、図3に示すように切替弁36が閉じられている場合には、バイパス路40を満たす高圧冷媒は、切替弁36により遮断されるので、第2供給路N2には供給されない。
【0023】
図2に示される冷凍サイクルAの回路には、切替弁36の周囲に4つの矢印O、P、QおよびRが示されている。図4の2シリンダ運転の場合、切替弁36は閉じられているため、低圧冷媒はアキュムレータ35を通り、矢印Oが示すようにバッファタンク39を経て圧縮機31の下部圧縮室31fに供給される。また、圧縮機31からバイパス路40に入り込んだ高圧冷媒は、切替弁36が閉じられているので矢印Qが示すように切替弁36で終端となる。
【0024】
図4は、後述する予冷運転時に、圧縮機31を1シリンダ(最小シリンダ数)により運転する状態を示している。「予冷運転」とは、冷房運転の前に、室内熱交換器21を予め冷却しておき、冷房運転へ移行したときに、この冷房運転の立上げを早める運転モードをいう。
【0025】
図4に示すように、圧縮機31の1シリンダ運転では、下部圧縮室31fには高圧冷媒が供給される。つまり、図2に示すように圧縮機31から室外熱交換器33へ供給される高圧冷媒の一部が、バイパス路40、切替弁36および下第2供給路N2を介して、下部圧縮室31fに供給される。切替弁36が開かれているので、高圧冷媒はこのような経路を流れる。この場合、アキュムレータ35からの低圧冷媒は、上第2供給路N1には入るが、切替弁36で終端となるので下部圧縮室31fには供給されない。
【0026】
一方、圧縮機31からバイパス路40に入り込んだ高圧冷媒は、切替弁36が閉じられているので矢印Pが示す通りバッファタンク39を経て圧縮機31(下部圧縮室31f)に供給される。
【0027】
下部圧縮室31fの下部ベーン31hには、圧縮機31内部の圧力(吐出圧:高圧)が背圧として作用されており、この背圧とスプリングの弾性力とによって、下部ローリングピストン31gに押し付けられている。低圧冷媒が下部圧縮室31fに供給される場合は、上述した背圧が有効に作用するため、下部ベーン31hは、下部ローリングピストン31gに押しつけられる(図3参照)。しかし、図4で示す1シリンダ運転モードでは、高圧冷媒が下部圧縮室31fに供給されるので、上述した背圧は有効に作用しない。このため、下部ベーン31hは、磁性体31iの磁力によって下部ローリングピストン31gから離されて保持される。この結果、下部ローリングピストン31gは下部圧縮室31f内で空転する。
【0028】
すなわち、下部ローリングピストン31gは、冷媒を圧縮する仕事をしないので、上部圧縮室31bのみでの1シリンダ運転が行われる。この状態では、圧縮される冷媒量が減少するので室外熱交換器33に吐出される冷媒流量が減る。その分、圧縮機31の負荷が軽減されるので、節電を図ることができる。
【0029】
リモコン4は、利用者が選択した運転モード等の指示を室内機2に対して送信するために使用される。本実施形態におけるリモコン4には、図1に示されるように、各種表示を表わす表示部4aと、「冷房」、「暖房」、「予冷」等の各種運転モードを設定する運転モードボタン4bを具備している。
【0030】
なお、図1のリモコン4には図示省略しているが、その他のボタン、例えば温度設定ボタンや風向、風量等を設定するボタン、予冷運転を開始させるための各種設定、例えば利用者の帰宅時刻等の時刻、室温、外気温、室内湿度、室内照度等の設定値を入力するためのボタン等の操作具等も設けられている。また、リモコン4と室内機2との間での信号の送受信は、図1または図5に示されるような無線通信形式の他、各種通信形式によって行われ得る。
【0031】
図5は、室内機2の制御ユニット23および室外機3の制御ユニット37の内部構成をそれぞれ示すブロック図である。室内機2の室内制御ユニット23は、リモコン4からの信号を受信する受信窓を有する受信ユニット23a、MCU(Micro Controller Unit)等からなる室内制御部23bおよび送信ユニット23cを具備している。MCUは、例えばマイクロプロセッサにより構成され、後述する予冷運転制御プログラム等各種制御プログラムを記憶するROM、このROMから制御プログラムの命令を逐次読み出し実行するCPU、その際のデータの記憶領域または作業領域をなすRAMを有し、予冷運転等を制御する機能を具備している。
【0032】
利用者は、リモコン4を用いて空気調和機1の冷,暖房や予冷運転等種々の運転モード等の各種運転条件を決定して、室内機2の受信ユニット23aの受信窓に赤外線等により送信する。受信ユニット23aは、受信した運転条件を室内制御部23bに与える。
【0033】
室内制御部23bは、その入力側に、室内機本体2に配設した照度センサ23g、人感センサ23h、クロック23i、湿度センサ23jおよび室温センサ23kの各検出信号出力側を電気的に接続している。
【0034】
照度センサ23gは、室内機2が配設された室内の照度を検出する。人感センサ23hは、室内に人が居るか否かを検出する。クロック23iは、一日24時間の時刻を毎日検出するものであり、室内制御部23bの内蔵クロックを用いてもよい。湿度センサ23jは室内の湿度を検出し、室温センサ23kは室温を検出する。これら検出値を室内制御部23bは適宜読み込み、これら検出値に基づく種々の制御信号を室内側の駆動回路23d,23eと表示部23fに与える一方、信号線6を介して室外制御ユニット37の受信ユニット37aに送信する。
【0035】
室内制御部23bは、その出力側に設けた駆動回路23dにより室内ファン22の運転を制御し、駆動回路23eにより前記人感センサ23h、可動ルーバ2gおよび水平ルーバ2eの駆動を制御する。
【0036】
室外制御部37bは、上記室内制御部23bと同様にマイクロプロセッサ等から構成され、駆動回路37c〜37gにより、室外機を構成する各機器の駆動を制御する。例えば、駆動回路37cは、圧縮機31の駆動を制御する。また、駆動回路37dは、四方弁32の駆動を制御し、駆動回路37eは、絞り機構34の駆動を制御する。さらに、駆動回路37fは、切替弁36の駆動を制御し、駆動回路37gは、室外ファン38の駆動を制御する。
【0037】
また、室外制御部37bは外気温センサ50から外気温を検出し、その検出信号を図示省略の送信ユニットにより、室内制御ユニット23の受信ユニット23aに送信し、室内制御部23bに与える。
【0038】
図6〜図10は、室内機2を予冷運転する場合の複数の制御方法をそれぞれ示すフローチャートである。これら図中、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示し、同一ステップには同一符号を付して、重複した説明は省略ないし略述する。これら制御プログラムは、上記室内制御部23bのROMに記録され、CPUにより実行される。
【0039】
すなわち、図6に示すように室内制御部23bは、制御プログラムを起動(スタート)させると、まず、S1で室温と一日の時刻を検知する。
【0040】
つまり、室内制御部23bは、クロック23iから一日の時刻を毎日、所定時間毎に読み出し、さらに、室温センサ23kから室温検出値を読み出す。
【0041】
次のS2で、この時刻と室温の検出値が予冷運転を開始させるための予冷運転条件の範囲内にあるか否かを判断する。
【0042】
予冷運転条件は予め利用者がリモコン4を操作することにより設定されている。予冷運転開始条件としては、例えば利用者の帰宅時刻等の所要の時刻と、利用者の好みの室温である。これら時刻と室温は利用者により随時任意に設定でき、変更できる。
【0043】
S2では、上記検出時刻と検出室温が予冷運転条件の時刻に達し、かつ室温以上に達したか否かを繰り返し判断するループ制御を行い、S2でYes、すなわち、検出時刻と室温が予冷運転開始条件として利用者により予め設定された時刻に達し、かつ室温が設定室温以上に達したときは、次のS3で、室内機2の予冷運転を自動的に開始させる。
【0044】
予冷運転は、冷房運転の開始の前に、室内熱交換器21を予め冷却しておき、冷房運転開始時に、その立上げの迅速化を図る運転モードであるので、ほぼ冷房運転と同様であるが、冷気を室内に吹き出す必要はない。
【0045】
このために、室内ファン22の単位時間当りの回転数(回転速度)を低下させ、または停止させる。また、吹出口2dを閉じるように可動ルーバ2gと水平ルーバ2eを制御するが、完全に閉じた場合、吹出口2dが水平ルーバ2eと可動ルーバ2gにより閉じられるので、利用者に意識させずに予冷運転を行うことができる。ただし、予冷運転実行中に、室温センサ23kで検知した室内温度と、湿度センサ23jで検知した室内湿度が一定以上となった場合は、図12に示すように、吹出口2dを若干開くように可動ルーバ2gと水平ルーバ2eを制御する。これにより、水平ルーバ2g上下の隙間より送風が行われて、水平ルーバ2e表面及び吹出口2dの出口付近に結露が発生して、室内に滴下することを防止することが出来る。なお、図12中、符号20は室内機本体2a内に形成された送風路であり、上述したように室内機本体2aの吸込口2bと吹出口2dとを連通させ、室内熱交換器21と室内ファン22が配置される送風路である。
【0046】
この後、S4では、利用者によりリモコン4が冷房運転を開始させる操作が行われたか否かを判断し、Noの場合は、S5で引き続き予冷運転を継続させる。
【0047】
図11に示すようにこの冷房運転では、吹出口2dを開口させるように可動ルーバ2gをほぼ水平方向に回動させ、水平ルーバ2eをほぼ水平方向から図中、左斜め下方向に傾動させる。室内ファン22は設定風量等の所定風量に対応した回転数(速度)で運転される。このために、室内機本体2aの吸込口2bから、その内部へ吸い込まれた室内空気は室内熱交換器21により冷却される。この冷気は室内ファン22により吹出口2dから室内へ送風される。
【0048】
したがって、この冷房運転開始時には、予め室内熱交換器21を冷却しているので、その冷房運転の立上げの迅速化を図ることができる。
【0049】
この予冷運転制御方法では、予冷運転開始後、利用者がリモコン4で冷房運転開始操作を行ったときに、冷房運転を開始させるが、図7に示すように人感センサ23hが室内に人が存在する、すなわち、人の在室を検出したときに(図7のS4a参照)、自動的に予冷運転から冷房運転に移行させてもよい。
【0050】
すなわち、図7に示すように上記制御方法と同様にS3で予冷運転を開始させた後、次のS4aで人感センサ23hが人の在室を検出したときに予冷運転を停止させ、S6で冷房運転に自動的に切り替える。
【0051】
これによれば、利用者がリモコン4で冷房運転開始操作を行わない場合でも、利用者が予め設定した時刻以降に単に帰宅すれば、この帰宅を人感センサ23hが検出するので、予冷運転を自動的に開始し、かつ冷房運転に自動的に移行させることができる。
【0052】
さらに、予冷運転から冷房運転に自動的に移行させる他の方法としては、図8のS4bで示すように照度センサ23gが所要の設定値以上の明るさ(照度)を検出したときに、予冷運転から冷房運転に自動的に移行させてもよい。
【0053】
すなわち、図8に示すように、S3で予冷運転を開始させた後、次のS4bで、照度センサ23gが所要の照度設定値以上の明るさを検出したときに、次のS6で、予冷運転を冷房運転に自動的に切り替える。
【0054】
これによれば、利用者がリモコン4で冷房運転開始操作を行わない場合でも、利用者が予め設定した時刻以降に帰宅し、室内の照明を単に点灯させることにより、予冷運転を自動的に冷房運転に切り替えることができる。
【0055】
図9は予冷運転時または冷房運転時に圧縮機31の運転するシリンダを可変する制御方法の一例を示している。
【0056】
すなわち、上記各制御方法と同様、S3で予冷運転開始後、次のS4c1で、室温センサ3kにより検出された室温が予め利用者等により設定された室温設定値の範囲内(例えば32℃以上)にあるか否かを判断する。
【0057】
このS4c1でNo,すなわち、室温検出値が室温設定値よりも低温である場合には、次のS4c2で、圧縮機31の運転シリンダ数を最小、例えば図4で示すように1シリンダで圧縮機31を運転する。
【0058】
これにより、圧縮機31は最小能力で予冷運転を行うので、節電を図ることができる。
【0059】
これに対し、上記S4c1でYes,の場合、すなわち、室温検出値が室温設定値の範囲内にあるとき、例えば室温検出値が32℃以上であるときは、次のS4c3で、外気温センサ50により検出された外気温が予め利用者等により設定されている外気温設定値の範囲内(例えば38℃以上)にあるか否かを判断する。
【0060】
ここで、No,の場合、すなわち外気温検出値が設定値(例えば38℃)よりも低い場合には、次のS4c4で、圧縮機31を1シリンダの最小運転シリンダ数により引き続き予冷運転する。
【0061】
しかし、S4c3でYes,の場合、すなわち、外気温検出値が設定値よりも高い場合には、次のS4c5で、圧縮機31の運転シリンダ数を最大、例えば図5で示すように2シリンダで運転する。
【0062】
これにより、圧縮機31は最大能力により運転されるので、冷凍サイクルAを循環する冷媒流量が増加する。このために、室内熱交換器21内で蒸発してこの室内熱交換器21を冷却する冷媒流量が増加するので、この室内熱交換器21を大幅に冷却することができる。このために、室温や外気温が高い場合でも予冷運転と冷房運転を効果的に行うことができ、また、冷房運転の立上げのさらなる迅速化を図ることができる。
【0063】
なお、圧縮機31の圧縮能力は、図示しないインバータによっても制御できるが、圧縮機31のシリンダ数を制御する方法の方がインバータによる制御方法よりも最小から最大までの制御幅が大きい。また、これら両制御方法を併用することにより、圧縮機31の能力の制御範囲をさらに拡大できる。
【0064】
図10は、室内が高温多湿であるときに、予冷運転時の室内機2の結露の防止または低減を図った制御方法を示す。
【0065】
すなわち、上記各制御方法と同様、S3で予冷運転開始後、次のS4d1で、室温センサ23kにより検出された室温検出値が予め設定した室温設定値以上であるか否かを判断する。
【0066】
このS4d1でNo,の場合は、次のS4d2で水平ルーバ2eと可動ルーバ2gを動作させずに、これまでの状態を保持する。これにより、吹出口2dは水平ルーバ2eと可動ルーバ2gとにより引き続き閉じられた状態で保持される。
【0067】
しかし、上記S4d1でYes,の場合、すなわち、室温検出値が室温設定値以上である場合には、次のS4d3で、湿度センサ23jにより検出された室内の湿度検出値が予め設定された湿度設定値以上であるか否かを判断する。
【0068】
S4d3でNo,の場合は、次のS4d4で引き続き水平ルーバ2eと可動ルーバ2gを動作させない。これにより、吹出口2dは上記S4d2と同様、閉じた状態で保持される。
【0069】
しかし、S4d3でYes,の場合、すなわち、湿度検出値が湿度設定値以上であると判断したときは、高温かつ多湿のために水平ルーバ2eと可動ルーバ2g等の内面に結露が付着していると判断する。
【0070】
この後S7で、吹出口2dを所要の開度で開口させるように水平ルーバ2eと可動ルーバ2gを回動制御する。
【0071】
すると、室内ファン22からの送風が水平ルーバ2eと可動ルーバ2g等の内面に付着している結露に吹き当り、この結露を吹出口2dから室内へ吹き飛ばすことができる。これにより、結露を防止または低減できる。
【0072】
そして、図5に示すように室内機2は運転中の消費電力等の情報を表示する表示部23fを備えているが、予冷運転時はこの表示部23fを消灯させ、冷房運転時に表示部23fを点灯させるように室内制御部23bを構成してもよい。
【0073】
これによれば、予冷運転中は、その運転を利用者に意識させる必要がないので、表示部23fを消灯して節電を図ることができる。また、冷房運転中は、その運転を利用者が意識するので、表示部23fを点灯して消費電力等の情報を表示することができる。
【0074】
また、予冷運転開始条件の時刻や室温、照度、外気温、湿度等の設定値は利用者により随時任意に設定でき、かつ変更できるので、利用者の好みを予冷運転に反映させることができ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0075】
以上、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1…空気調和機、2…室内機、2a…室内機本体、2b…吸込口、2d…吹出口、2e…水平ルーバ、3…室外機、31…圧縮機、4…リモコン(リモートコントローラ)、23f…表示部、23g…照度センサ、23h…人感センサ、23i…クロック、23j…湿度センサ、23k…室温センサ、36…切替弁、37…室外制御ユニット、50…外気温センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一日の時刻を検出する時刻検出手段、室温を検出する室温センサ、室内熱交換器および室内ファンを備えた室内機と、
前記室内熱交換器に冷媒配管を介して連通可能に接続される、複数のシリンダを有し運転するシリンダ数が変更可能な圧縮機、この圧縮機および前記室内熱交換器と冷媒配管を介して連通可能に接続される室外熱交換器を備えた室外機と、
前記室温センサにより検出された室温と、前記時刻検知手段により検出された時刻が共に予め設定された範囲内にあるときに、前記室内熱交換器を予め冷却する予冷運転を行う制御手段と、
を具備していることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記制御手段は、前記予冷運転時には運転シリンダ数を最小に制御し、冷房運転に切り替えた後に、運転シリンダ数を最大に制御することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記室内機は、室内の人の存否を検出する人感センサを有し、
前記制御手段は、前記予冷運転中に、前記人感センサにより人の在室を検出したときに、冷房運転に移行させることを特徴とする請求項1または2記載の空気調和機。
【請求項4】
前記室内機は、室内の照度を検出する照度センサを有し、
前記制御手段は、前記予冷運転中に、前記照度センサが予め設定された設定値以上の照度を検出したときに、冷房運転に移行させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記室内機は、その吹出口に配設された上下方向の風向を調節する水平ルーバおよび前記吹出口を開閉する可動ルーバを備え、
前記制御手段は、前記予冷運転時には、前記吹出口を閉じるように前記水平ルーバと可動ルーバを制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記室内機は、室内の湿度を検出する室内湿度センサを備え、
前記制御手段は、前記予冷運転中に、前記室温センサの検出温度と前記室内湿度センサの検出湿度が共に予め設定された各設定値以上であるときに、前記室内ファンを運転し、前記吹出口を所要開度で開口させるように前記水平ルーバと可動ルーバとを制御することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記室外機は、室外温度を検出する室外温度センサを有し、
前記制御手段は、前記室外温度センサにより検出された室外温度と前記室温センサにより検出された室温が共に予め設定された所定の範囲内にあるときには、前記予冷運転時または冷房運転時、前記圧縮機の運転シリンダ数を最大に制御することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項1】
一日の時刻を検出する時刻検出手段、室温を検出する室温センサ、室内熱交換器および室内ファンを備えた室内機と、
前記室内熱交換器に冷媒配管を介して連通可能に接続される、複数のシリンダを有し運転するシリンダ数が変更可能な圧縮機、この圧縮機および前記室内熱交換器と冷媒配管を介して連通可能に接続される室外熱交換器を備えた室外機と、
前記室温センサにより検出された室温と、前記時刻検知手段により検出された時刻が共に予め設定された範囲内にあるときに、前記室内熱交換器を予め冷却する予冷運転を行う制御手段と、
を具備していることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記制御手段は、前記予冷運転時には運転シリンダ数を最小に制御し、冷房運転に切り替えた後に、運転シリンダ数を最大に制御することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記室内機は、室内の人の存否を検出する人感センサを有し、
前記制御手段は、前記予冷運転中に、前記人感センサにより人の在室を検出したときに、冷房運転に移行させることを特徴とする請求項1または2記載の空気調和機。
【請求項4】
前記室内機は、室内の照度を検出する照度センサを有し、
前記制御手段は、前記予冷運転中に、前記照度センサが予め設定された設定値以上の照度を検出したときに、冷房運転に移行させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記室内機は、その吹出口に配設された上下方向の風向を調節する水平ルーバおよび前記吹出口を開閉する可動ルーバを備え、
前記制御手段は、前記予冷運転時には、前記吹出口を閉じるように前記水平ルーバと可動ルーバを制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記室内機は、室内の湿度を検出する室内湿度センサを備え、
前記制御手段は、前記予冷運転中に、前記室温センサの検出温度と前記室内湿度センサの検出湿度が共に予め設定された各設定値以上であるときに、前記室内ファンを運転し、前記吹出口を所要開度で開口させるように前記水平ルーバと可動ルーバとを制御することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記室外機は、室外温度を検出する室外温度センサを有し、
前記制御手段は、前記室外温度センサにより検出された室外温度と前記室温センサにより検出された室温が共に予め設定された所定の範囲内にあるときには、前記予冷運転時または冷房運転時、前記圧縮機の運転シリンダ数を最大に制御することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の空気調和機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−72568(P2013−72568A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210242(P2011−210242)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】
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